JP2002004030A - 浸炭焼入れ歪のバラツキの適否の判定方法 - Google Patents

浸炭焼入れ歪のバラツキの適否の判定方法

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JP2002004030A
JP2002004030A JP2000183987A JP2000183987A JP2002004030A JP 2002004030 A JP2002004030 A JP 2002004030A JP 2000183987 A JP2000183987 A JP 2000183987A JP 2000183987 A JP2000183987 A JP 2000183987A JP 2002004030 A JP2002004030 A JP 2002004030A
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JP
Japan
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carburizing
quenching
gear
hardness
variation
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JP2000183987A
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Ryoji Hayashi
亮二 林
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯の研削や研磨無しで精度の良い歯車を得る
ために浸炭用鋼からなる歯車の浸炭焼入れ歪のバラツキ
が一定値以下にあることを判定する方法を提供する。 【解決手段】 低炭素含有の低合金浸炭用鋼からなる部
品において、浸炭焼入れ後の非浸炭部の硬さが式(1)
を満足することにより、浸炭用鋼部品の浸炭焼入れによ
る歪量のバラツキの適正を判定して、図1に示す跨ぎ歯
厚測定で間隔5で示すピッチの変動が極めて小さい浸炭
焼入による歯車1を効率よく製造することができる。 【数4】 式(1)において、有効硬化深さは硬度HV550の深
さを単位mm、芯部C量は質量%、非浸炭部の硬さはH
RCによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、建設機
械、産業用機械などの浸炭用鋼からなる歯車の浸炭焼入
れに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車や建設機械や産業用機械な
どの歯車の素材には耐疲労強度および表面の耐摩耗性を
高めるために浸炭用鋼が使用されている。この場合に浸
炭用鋼は所定形状の歯車形状に機械加工した後、表面効
果のため浸炭焼入処理が施される。例えば歯車では、比
較的炭素含有量の低い低合金鋼の機械加工した歯車表面
に炭素を含浸させ、次に焼入、焼戻しを施して歯表面を
マルテンサイトにして硬化させる。さらに歯車の靱性を
確保するために、歯車芯部を一部マルテンサイトあるい
はベイナイトを含んだフェライト・パーライト組織とし
ている。
【0003】しかし、このような歯車芯部と異なり歯部
における浸炭層の内側は歯車芯部よりも冷却の質量効果
により冷却速度が速いので、焼入組織のマルテンサイト
と一部ベイナイトの混在組織となる。このときマルテン
サイト生成の変態応力により体積膨張し、熱処理変形が
発生する。このため歯車の歯部はこの変形による歪が生
じ、そのバラツキがおおきく、歯車精度が悪くなる。例
えば自動車トランスミッション用ギアは肉厚が薄く小さ
いため歯内部の組織はマルテンサイトとベイナイト組織
になり、歪の発生による歯部が変形して騒音発生の原因
となっている。そこでこの様な焼入歪に対しては、精度
の悪い歯車を歯を研削或いは研磨する必要があった。こ
れを解消するものとして、特許番号第2549038号
では焼入時に芯部をマルテンサイトとフェライト・パー
ライトの混合組織としている。また、特許第27691
35号では芯部をフェライトを含むマルテンサイトより
なる二相組織としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の浸炭用鋼からなる歯車の浸炭焼入による焼入歪のバ
ラツキの問題を解消するために、歯の研削や研磨無しで
精度の良い歯車を得ることのできる浸炭用鋼製品の焼入
れにおける歪のバラツキの適否を判定する方法を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、種々の材料に
て歯車の浸炭焼入と歪量について検討したところ、浸炭
処理を実施した歯車の有効硬化層深さ(HV550の深
さ:mm)、鋼材の炭素量と歪量のバラツキσに相関の
あることを見出し、重回帰分析を行うことにより、歪量
のバラツキが、式(1)にて整理できることを知見した
ことによるものである。
【0006】すなわち、上記の課題を解決するための本
発明の手段は、請求項1の発明では、低炭素含有の低合
金浸炭用鋼からなる部品において、浸炭焼入れ後の非浸
炭部の硬さが式(1)を満足することにより浸炭用鋼部
品の浸炭焼入れによる歪のバラツキの適否を判定する方
法である。
【0007】
【数2】
【0008】ただし、式(1)において有効硬化深さは
硬度HV550の深さで単位mm、芯部C量は質量%、
非浸炭部の硬さはHRCによる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、次の実施
例を参照して以下に説明する。本発明に適用可能な鋼
は、主にJISで規定するSCR415、SCR420
等のクロム鋼、SCM415、SCM418、SCM4
20、SCM421、SCM822などのクロムモリブ
デン鋼、SNCM220、SNCM415、SNCM4
20、SNCM616、SNCM815などのニッケル
クロムモリブデン鋼、SNC415、SNC815など
のニッケルクロム鋼など及びこれらの規格で定められた
各元素について添加量を多目又は少目にして改良した
鋼、更にはこれら全ての各々に対して規格で定められて
いない元素を微量に添加して改良した鋼などであって、
炭素含有量が0.25質量%以下である低炭素低合金浸
炭用鋼である。そして、これらの鋼からなる歯車などの
部品において、浸炭焼入後の非浸炭部の硬さが式(1)
を満足するとき、これらの浸炭用鋼からなる歯車の浸炭
焼入による歪量は小さくかつバラツキが小さい。
【0010】
【数3】
【0011】ただし、式(1)において、有効硬化深さ
は硬度HV550の深さで単位mm、芯部C量は質量
%、非浸炭部の硬さはHRCによる。
【0012】
【実施例】表1は鋼組成を示す。表1の鋼種No.1〜
7の供試鋼において、No.1はSCR415H、N
o.2及び3はSCR420H、No.4はSCM41
5H、No.5はSCM418H、No.6はSCM4
20H、No.7はSNCM420Hである。鋼種N
o.1〜7の供試鋼を、100kg真空溶解炉で溶製、
出鋼し、鋳造して鋼塊とし、鋼塊を加熱温度1200℃
に加熱して鍛伸してφ50mmの棒鋼とし、900℃×
1hrで保持して空冷して焼準した。
【0013】
【0014】
【表1】
【0015】次いでこの棒鋼から機械加工によりギアと
した。ギアは、モジュール:1.75、歯数:24、歯
車の厚み:20mm、歯先円直径:φ45.5mmの平
歯車を各3個づつ作製した。次いで、歯車を浸炭した。
浸炭条件は、カーボンポテンシャル:0.8%、温度:
930℃で浸炭する、すなわち、各鋼種はそれぞれA、
B、Cの熱処理条件を行った。ここでAは930℃で6
時間保持して浸炭した後、830℃で0.5時間保持
後、油焼入れ(油温60℃)し、Bは930℃で4時間
保持して浸炭した後、830℃で0.5時間保持後、油
焼入れ(油温60℃)し、Cは930℃で6時間保持し
て浸炭した後、830℃で0.5時間保持後、油焼入れ
(油温120℃)する。
【0016】上記の浸炭焼入前と、浸炭焼入後のそれぞ
れの鋼種からなる歯車1のピッチを測定した。測定方法
は、跨ぎ歯厚測定法による方法で、図1に模式的に示す
ように歯厚マイクロメータを使用して歯車1の3つの隣
合う3つの歯2をマイクロメータのアンビル3とスピン
ドル4で跨いで、3つの歯の図に示す間隔5を測定す
る。歯車1には24の歯2があるので、1歯づつずらし
た全ての歯2を跨いで測定し、ピッチの変化量と、その
バラツキσを求めて歪量の目安とした。ところでσが
0.0050以上であると歯車寸法のバラツキが大き
く、かみ合わせが悪く騒音が大きい。そこでσ<0.0
050を良とした。
【0017】
【表2】
【0018】表2に見られるとおり、鋼種No.1〜7
において、熱処理の項に※を有さないものは、歪のバラ
ツキσが全て0.0050未満であり、歯車の非浸炭部
である芯部硬さは全て本発明における式1を満足するも
のである。これに対し、鋼種No.1〜7において熱処
理の項に※を付して示したものは、芯部の硬さすなわち
非浸炭部の硬さが式1の左辺の値と式1の右辺の値の外
にあるもの、すなわち本発明における式1を満足しない
ものであり、鋼種1のCの芯部硬さは式1の左辺の値よ
り小さく、鋼種3のA、Bともに芯部硬さは式1の右辺
の値より大きく、鋼種6のBの芯部硬さは式1の右辺の
値より大きく、鋼種7のBの芯部硬さは式1の右辺の値
より大きく、歪のバラツキσが全て0.0050以上で
ある。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の方法に
おける式1を満足するものは、浸炭用鋼からなる歯車の
浸炭焼入れによる歪量が適切なバラツキ内に入るもので
あり、従って本発明による式1により浸炭焼入れの適正
を判定することができ、この式1を満足するものは、従
来の浸炭焼入後に必要とされた仕上のための歯の研削や
研磨工程を省略することができ、精度の良い歯車が得ら
れていることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における跨ぎ歯厚測定方法を説明する模
式図である。
【符号の説明】
1 歯車 2 歯 3 マイクロメータのアンビル 4 マイクロメータのスピンドル 5 3つの歯の間隔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低炭素含有の低合金浸炭用鋼からなる部
    品において、浸炭焼入れ後の非浸炭部の硬さが式(1)
    を満足することにより浸炭用鋼部品の浸炭焼入れによる
    歪のバラツキの適否を判定する方法。 【数1】 ただし、式(1)において有効硬化深さは硬度HV55
    0の深さで単位mm、芯部C量は質量%、非浸炭部の硬
    さはHRCによる。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007216297A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Gm Global Technology Operations Inc ネット成形された歯車部材および製造方法
US7748131B2 (en) * 2005-05-18 2010-07-06 Liebherr-Verzahntechnik Gmbh Method of inspecting gears during their manufacture

Cited By (2)

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