JP2002000580A - Mr画像撮影装置 - Google Patents

Mr画像撮影装置

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JP2002000580A
JP2002000580A JP2000185732A JP2000185732A JP2002000580A JP 2002000580 A JP2002000580 A JP 2002000580A JP 2000185732 A JP2000185732 A JP 2000185732A JP 2000185732 A JP2000185732 A JP 2000185732A JP 2002000580 A JP2002000580 A JP 2002000580A
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magnetization
pulse
magnetic field
gradient magnetic
excitation
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JP2000185732A
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Hiromichi Shimizu
博道 清水
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間選択励起を行う3D計測を高速化するこ
とが可能なMR画像撮影装置を実現する。 【解決手段】 励起パルス21とx,y方向に振動する傾
斜磁場24、25を印加しx-y面内の所定2次元領域内
部の磁化のみを励起し位相エンコード傾斜磁場パルス2
3、26でz,y軸空間情報を磁化の位相にエンコードし
リフォーカスπパルス22を印加してTE時間経過後にエ
コー29を発生させx軸方向にリードアウト傾斜磁場2
8を印加してエコーをサンプリングする。時間τ後に第
2のリフォーカスπパルス11を印加し時刻τ経過後に
横磁化をリフォーカスし、その時刻に縦磁化強制緩和用
のRFパルス14を印加し横磁化を強制的に縦磁化へ戻
す。励起した領域の横磁化だけを強制縦緩和し全体積内
の磁化を縦磁化に戻すので、直ちに次の励起を行え空間
選択励起を行う3D計測の高速化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴診断装置
(MRI)に関し、特に、医療用のMR画像撮影装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】医療用磁気共鳴診断装置(MRI)は、
生体内の水素原子核の密度、核スピンエネルギー緩和過
程におけるスピン−格子緩和時定数、スピン−スピン緩
和時定数、流れ、拡散、温度などの物性によりコントラ
ストが形成できる画像診断装置である。
【0003】この医療用磁気共鳴診断装置は、用途に応
じて様々なコントラストが形成でき、また任意の断面が
撮影できるため、臨床の場に広く普及している。
【0004】近年、2次元の空間選択励起RFパルスが
考え出されている。これは、x、y軸方向の振動傾斜磁
場とRFとを同時に印加することにより、撮影スライス
面(x−y面)内で、任意の2次元的形状のROIを選
択的に励起するパルスである。空間選択励起は、特定部
位のスピンを励起して画像化するのに用いられる。
【0005】このため、空間選択励起RFパルスは、血
管の部位のみを励起し、励起した磁化のボーラスをトレ
ースしたり、脂肪部位を避けて水プロトンのみを励起し
たりするのに有効である。また、流れがある部位や運動
する部位を避けて励起することにより流れや体動のアー
チファクトを抑制する等、多くの用途がある。
【0006】振動傾斜磁場とRFとの組合せにより円
柱、4角柱等所望の形状の空間選択励起を行う技術に関
しては、J.Pauly,D.NishimuraとA.Macovskiによる
論文“AK‐Space Analysis of Small‐Tip‐Angle
Excitation”,J.Magn.,81,43‐56(1989)等に詳
しく述べられている。
【0007】選択励起法による典型的な撮影シーケンス
を図8に示す。図8において、励起パルス21と共に
x、y方向に振動する傾斜磁場24、25を被検体を含
む所定の空間領域に印加することにより、x−y面内の
2次元領域内部の磁化のみを励起する。位相エンコード
傾斜磁場パルス26によりy軸空間情報を磁化の位相に
エンコードし、リフォーカスπパルス22を印加して、
励起後、TE時間経過後にエコー29を発生させる。
【0008】そして、x軸方向にリードアウト傾斜磁場
28を印加しつつ、エコー29をサンプリングする。そ
の後、縦磁化の回復を待ち、TRを周期として次のサイ
クルヘ移り位相エンコード量を変えて信号計測を繰り返
す。全てのサイクル終了後、エコー信号を位相エンコー
ド(kx,ky)の関数として2次元フーリエ変換し、
画像を得る。
【0009】RF波形は、次のようにして求められる。
所望の励起形状を表す形状関数をD(x,y)とし、こ
の2次元フーリエ変換から、k空間の形状関数D’(k
x,ky)を作成する。一方、k空間を均一にカバーす
る軌跡を設定する。
【0010】典型的な例では、k空間の辺縁から原点へ
一定速度で収束する螺旋軌跡が用いられる。この軌跡を
与える傾斜磁場波形Gx(t)、Gy(t)は、次式
(1)で計算できる。ただし、Gx(t)とGy(t)
は、それぞれ振幅が時間の1次関数で減衰するsin波、c
os波である。
【数1】 ここで、Aはスパイラルの大きさを決める定数である。
また、T/nは空間のスパイラルの回転周期を表す。通
常nは10前後とする。軌跡はk空間を一様にカバーす
るものであればよく、螺旋に限らずEPI法のようなジ
グザグ状の軌跡を用いることもできる。
【0011】RF波形B1(t)はD’(kx,ky)
とGx(t)、Gy(t)とから次式(2)で求められ
る(前述のJ.Paulyらの論文を参照)。
【数2】 ここで、γは核磁気回転比、G(t)は傾斜磁場ベクト
ルである。
【0012】さて、図8に示したシーケンスでは、励起
時に印加する振動傾斜磁場Gx、Gyによってx−y面
内の磁化がD(x,y)の形状に励起される。
【0013】例えば、D(x,y)を2次元のガウス関
数とすると、D’(kx,ky)は同じく2次元のガウ
ス関数となり、これは概略円柱状と見なせる。この励起
はスライス方向(z方向)には一様であり、スライス選
択性をもたない。
【0014】従って、撮影スライスはリフォーカスπパ
ルス22と同時に印加するz傾斜磁場23によって選択
される。
【0015】すなわち、リフォーカスπパルス22をsi
nc関数状の周波数選択性パルスとし、同時にz傾斜磁
場23を印加してスピンエコー信号が発生するスライス
を選択する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、3次元体積
に亘るデータを取得する撮影方法は、現在のMRIでは
標準的に行われている。この様な計測法には、マルチス
ライス計測と3D計測とがある。
【0017】しかし、空間選択励起パルスはz方向に一
様な励起を行うため、撮影しようとするスライス以外の
スライスの磁化も励起してしまう。このため、マルチス
ライス計測ができないという問題点がある。
【0018】空間選択励起パルスを3次元(球や回転楕
円対の内部の磁化の励起)へ拡張した技術も存在する。
例えば、kx−ky面内を螺旋トラジェクトリとし、こ
れをkx方向に積み重ねたトラジェクトリが、J.Paul
y,B.Huらの論文、“A Three‐Dimensional Spin‐
Echo or Inversion Pulse”,Magn.Reson.Med.,
29,2‐6(1993)に述べられている。
【0019】しかし、3次元励起のためには3次元体積
内を一様にカバーするトラジェクトリが必要であり、傾
斜磁場の機械的限界から、トラジェクトリをトレースす
る時間は長いものとなる。すわなち、RFパルス長が長
くなり、励起形状の精度も低くなる。
【0020】一方、3D計測では体積内の磁化を全て励
起するため、マルチスライス計測に比べてSN比が高
く、スライス間の継ぎ目が画像に現れることもないが、
スライス方向の位相エンコード量を変化させて多くの計
測を反復する過程で縦磁化の緩和を待つ必要があり、計
測時間が長くなる欠点がある。
【0021】本発明の目的は、空間選択励起を行う3D
計測を高速化することが可能なMR画像撮影装置を実現
することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成される。 (1)静磁場と、傾斜磁場と、高周波磁場と、磁気共鳴
信号検出手段と、画像再構成手段と、画像表示手段と、
これらの制御手段とを備えるMR画像撮影装置におい
て、高周波磁場と傾斜磁場とを同時に、所定の空間領域
に印加して撮影スライス内の部分を選択的に励起する第
1の工程を実行し、上記選択的な励起に続いて空間座標
に関する1次元ないし3次元の情報を位相エンコードす
る第2の工程を実行し、リフォーカスπパルスを印加し
てエコー信号を生成させ、これをサンプリングする第3
の工程を実行し、上記エコー信号のサンプリング後に、
リフォーカスπパルスを印加して再度横磁化を収束させ
る第4の工程を実行し、横磁化が再収束された時刻にお
いて、上記第1工程と同一の領域の横磁化を選択的に強
制的に縦磁化へ戻す第5の工程を実行し、第1から第5
の工程を、縦緩和時間T1よりも短い時間で反復して画
像データを収集する。
【0023】(2)好ましくは、上記(1)において、
上記第5工程は、上記第1工程と同一の波形で位相が逆
の高周波磁場と、上記第1工程と同一の波形の傾斜磁場
とを印加する。
【0024】(3)また、好ましくは、上記(1)又は
(2)において、スライスエンコード毎に空間選択励起
と空間選択強制縦緩和を行いつつ、スライス方向こ位相
エンコードを行い3D計測を行う。
【0025】(4)また、好ましくは、上記(1)、
(2)又は(3)において、空間選択励起と空間選択強
制縦緩和がwavelet関数で行われる。
【0026】(5)また、好ましくは、上記(1)、
(2)又は(3)において、空間選択励起と空間選択強
制縦緩和を行い、局在化した領域のスペクトロスコピッ
クイメージを得る。
【0027】本発明では3D計測において、信号サンプ
リング後にリフォーカスπパルスを印加してx−y平面
に残っている磁化を再度収束させ、横磁化が再収束した
時刻において、−π/2パルスを印加することにより横
磁化を強制的に縦磁化へ戻す。この際、縦磁化を励起す
る時に用いた空間選択励起パルスと同一の空間選択性を
もったRFパルスを用い、画像化のために励起された領
域のみ磁化を縦磁化へ戻す。
【0028】励起した領域の横磁化だけを強制縦緩和さ
せることができるため、強制縦緩和後は全体積内の磁化
を縦磁化に戻すことができる。
【0029】従って、直ちに次の励起を行うことがで
き、3D計測における待ち時間TRを縦緩和時間T1よ
りも短く設定することが可能になる。
【0030】1次元のWavelet関数による励起を行った
場合にも、同様に高速な3D計測が可能になる。
【0031】所望の部位のみを励起し、局在化した領域
のスペクトロスコピックイメージングを行う場合にも高
速3D計測が可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図3は本発明の第1の実
施形態が適応される核磁気共鳴診断装置の概略構成図で
ある。
【0033】図3において、402は被検体401内部
に一様な静磁場B0を発生させるための電磁石または永
久磁石、414aは高周波磁場を発生する送信コイル、
414bは被検体401から生じる核磁気共鳴信号を検
出するための検出コイルである。
【0034】また、409は直交するx、y及びzの3
方向に強度が線形に変化する傾斜磁場Gx、Gy、Gz
を発生する傾斜磁場コイル、410は傾斜磁場に電流を
供給するための傾斜磁場電源である。
【0035】また、408はコンピュータ、406は信
号処理系であり、この信号処理系406は、ROM42
4、RAM425、磁気ディスク426、光磁気ディス
ク427及びデイスプレイ428を有する。
【0036】また、421は操作部であり、この操作部
421は、キーボード422及びマウス423を有す
る。
【0037】次に本装置の動作の概要を説明する。送信
系404のシンセサイザ411により発生させた高周波
を変調器412で変調し電力増幅器413で増幅し、高
周波コイル414aに供給する。これにより、所定の空
間領域に配置された被検体401の内部に高周波磁場
(RF磁場)を発生させ、核スピンを励起させる。通常
は、1Hを対象とするが、31P、12C等、核スピンを有
する他の原子核を対象とすることもある。
【0038】被検体401から放出される核磁気共鳴信
号は、コイル414bにより受信され、検出系405の
増幅器415を経た後、検波器416で直交位相検波さ
れ、A/D変換器417を経てコンピュータ408へ入
力される。
【0039】なお、高周波コイル414は送受信両用で
もよく、別々でもよい。コンピュータ408は信号処理
後、上記核スピンの密度分布、緩和時間分布、スペクト
ル分布等に対応する画像をCRTディスプレイ428に
表示する。RAM425は計算途中のデータあるいは最
終データを収納するメモリである。
【0040】傾斜磁場発生系403(傾斜磁場コイル4
09、傾斜磁場電源410)、送信系404、検出系4
05は、全てシーケンサ407によって制御され、この
シーケンサ407はコンピュータ408によって制御さ
れる。コンピュータ408は操作部421からの指令に
より制御される。
【0041】上述したMR画像撮影装置について、その
動作等を以下詳細に説明する。図1に本発明の第1の実
施形態における典型的な動作シーケンスを示す。この図
1を参照して空間選択励起を用いた2次元の撮影法を説
明する。
【0042】図1において、励起パルス21と共に、
x、y方向に振動する傾斜磁場24、25を印加するこ
とにより、x−y面内の予め定めた2次元領域内部の磁
化のみを励起する。次に、位相エンコード傾斜磁場パル
ス23、26によりz、y軸空間情報を磁化の位相にエ
ンコードし、リフォーカスπパルス22を印加して、励
起後TE時間経過後に、エコー29を発生させる。そし
て、x軸方向にリードアウト傾斜磁場28を印加しつつ
エコーをサンプリングする。
【0043】その後、待ち時間τ後に第2のリフォーカ
スπパルス11を印加し、さらに時刻τ経過後に横磁化
をリフォーカスさせる。横磁化がリフォーカスした時刻
に縦磁化強制緩和用のRFパルス14を印加し、横磁化
を強制的に縦磁化へ戻す。
【0044】このRFパルス14は励起用RFパルス2
1と同じ空間選択性を有するものにする。例えば、振幅
変調波形を同一とし、位相を180°変化させる。そし
て、振動傾斜磁場15、16は、励起時の振動傾斜磁場
24、25と同一にする。
【0045】なお、z傾斜磁場パルス12およびy傾斜
磁場パルス13は、横磁化の位相戻し用であり、信号サ
ンプリング後から、強制縦緩和までのいずれかの時刻で
行う。また、リードアウト傾斜磁場28はx方向位相戻
しのために負側の振幅を伴う。各時刻における選択領域
内と選択領域外における横磁化の位相を図1下段に示し
た。
【0046】次に、磁化ベクトルの動きを図2を参照し
て説明する。図2において、空間選択励起π/2パルス
21の印加直後(時刻0とする)の磁化は、(a)に示
すように、特定の2次元領域内31のみが90°倒れ
る。ここでは、簡単のため、x−y面内の円形の領域を
選択している。磁化はz方向には円柱状に励起される。
【0047】リフォーカスπパルス22印加後、エコー
生成時刻(時刻TE)には図2の(b)のように、選択
領域32内の磁化がx−y平面で、図2(a)の場合と
反転している。
【0048】第2のリフォーカスπパルス11印加後、
τ時間経過後(時刻TE+2τ)には、図2の(c)の
ように、選択領域32内の磁化は、図2の(b)の場合
と更にx−y平面で反転し、励起時(t=0)と方向が
一致する。
【0049】この時刻(TE+2τ)に空間選択性の−
π/2パルス14を照射すると、図2の(d)のよう
に、選択領域32内の横磁化は縦磁化へ転換され、被写
体の領域32全体の磁化が縦磁化になる。
【0050】この状態では、直ちに次のサイクルヘ移り
位相エンコード量を変えて信号計測を繰り返すことがで
きる。
【0051】なお、図2に示した例においては、円柱状
の領域を縦磁化とする場合を示したが、円柱ばかりでな
く、楕円柱、角柱、その他のx−y面の任意形状の領域
を柱状に励起することもRF波形を変えることにより可
能である。
【0052】また、上記の例ではz方向に一様な柱状領
域の励起の場合を述べたが、3軸の傾斜磁場の組合せに
よって励起領域を任意の方向へ傾けることができる。
【0053】励起領域の入力には、FSE法等の一般的
なMRIの撮影法を用いて所望のスライスのスカウト画
像を得て、このスカウト画像をディスプレイ428へ表
示した上で、例えば脂肪を避けかつ所望の領域を完全に
覆うようにマウス423等を用いて対話的に閉領域のR
OIを入力する。
【0054】RF波形の計算は次のように行う。ROI
内部を1、外部を0とする2値関数を作り形状関数D
(x,y)とする。ROI形状は原理的には任意の形状
が指定できる。しかし、複雑な形状になるほど形状関数
D(x,y)のフーリエ変換D’(kx,ky)は高周
波成分(k空間で原点から遠い成分)を多く含むから、
k空間の螺旋軌跡もより遠方から開始する必要があり、
振動傾斜磁場24、25の振幅を大きくするか、または
印加時間を長くしなければならない。これは装置的な困
難や撮影時間の延長を伴う。
【0055】このような事情から、ROI形状の入力に
際しては不要に複雑にならないようにするのが実際的で
ある。また、形状関数の境界は立ち上がりが急俊である
ほど、不要領域はシャープに抑圧されるが、傾斜磁場の
振幅特性と過渡特性への要求が厳しくなる。
【0056】そこで、2値関数D(x,y)は必要に応
じてスムージングを施してもよい。例えば、関数D
(x,y)の境界で関数値が最大値から滑らかに減少す
るようにする。
【0057】形状関数D(x,y)を2次元フーリエ変
換し、k空間の関数D’(kx,ky)を作成する。こ
れと予め定めたGC波形とから、式(2)を用いてRF
波形を計算する。本発明の第1の実施形態におけるMR
画像撮影では、計算機ヘセーブしておいたRF波形を用
いる。最大フリップ角がπ/2になるように、実験的に
B1(t)の振幅を調整する。
【0058】以上のように、本発明の第1の実施形態に
よれば、励起した領域の横磁化だけを強制縦緩和し、全
体積内の磁化を縦磁化に戻し、直ちに次の励起を行うこ
とができるので、空間選択励起を行う3D計測を高速化
することが可能なMR画像撮影装置を実現することがで
きる。
【0059】次に、本発明の第2の実施形態を図4を参
照して説明する。図4は4D1H−CSI(Chemical Sh
ift Imaging)の例である。CSIではボクセルサイズ
は1cm×1cm×1cm程度であり、例えば1cm厚スライス
を5〜10枚程度設定し、脳をカバーする。皮下脂肪は
妨害となるので、通常はOVS(Outer Volume Su
ppression)等で本スキャンに先立って抑圧する。
【0060】OVSでは、本撮影に先だって不要領域の
磁化を励起してクラッシャー傾斜磁場により抑圧する。
OVSは通常複数のスライスを組合せて不要領域を全て
カバーする。OVSは磁化の励起サイクル毎に実行され
る。
【0061】これに対して、本発明では、空間選択励起
パルスを用いて概略円柱状の内部の磁化のみを励起する
ことにより、不要領域からの信号を避ける。
【0062】4D1H‐CSIのシーケンスを図4に示
す。図4において、先頭のCHESSパルス51は、水
のスペクトルを周波数選択的に励起するガウス関数が用
いられることが多い。励起された水の磁化はクラッシャ
ー傾斜磁場パルス52により位相が分散し、信号へ寄与
しなくなる。つまり、CHESSパルス51とクラッシ
ャー傾斜磁場パルス52とにより、水のスペクトルを予
め抑圧する。
【0063】続いて、空間選択励起パルス21を、x、
y振動傾斜磁場24、25と共に印加する。3軸の空間
情報は位相エンコード23、26および53で付与す
る。エコー29の計測後は位相戻し12、13、54を
行う。
【0064】その後、リフォーカスπパルス11を印加
し、エコー再収束時刻(t=TE+τ)において縦磁化
強制緩和用のRFパルス14を印加し、横磁化を強制的
に縦磁化へ戻す。
【0065】次のサイクルヘ移り、位相エンコード量を
変えて信号計測を繰り返す。エコー信号を位相エンコー
ド(kx,ky,kz)および時間tの関数として全て
取得後、4次元フーリエ変換し、3次元のスペクトロス
コピックイメージを得る。
【0066】リードアウト傾斜磁場は用いられず、エコ
ー29を時間に対してフーリエ変換することによりスペ
クトル情報が得られる。空間選択励起の利点は、被写体
の組織の形状に沿った任意の形状の領域を、OVSより
も精度よく抑圧できることである。
【0067】また、OVSとは異なり、不要信号の抑圧
が本計測の1部として行われるため、計測時間が延長す
ることもない。空間選択励起パルスにより不要領域を励
起し、クラッシャー磁場により信号を抑圧することもで
きるが、この過程は本撮影の前の予備処理として行われ
るため、計測時間が延長する。
【0068】また、再構成された代謝物分布画像に対し
て、励起形状関数D(x,y)の逆関数を乗じることに
より、信号の強度分布を補正してもよい。これにより励
起のフリップ角の空間的な変化を補正できるので、より
定量性のある代謝物分布画像が得られる。
【0069】以上のように、本発明の第2の実施形態に
よれば、第1の実施形態と比較して計測時間が長時間と
なるが、画像から水と脂肪分とを除去したスペクトル画
像を得ることができる。
【0070】更に、本発明の第3の実施形態としては、
空間選択励起と空間選択強制緩和を空間一次元の励起へ
適用する例がある。このような例としてwaveletエンコ
ード法を適用した例がある。wavelet関数は局在する基
本関数を縮小または拡大し、トランスレートした関数で
ある。この関数は互いに相似形で、直交関数系をなす。
【0071】このようなwavelet基底関数には多種類が
あるが、一例としてHaar waveletを図5に示す。数式
的表現は次式(3)となる。
【数3】 ここで、jはスケールパラメータ(j=0,1,2,・
・・1og2N‐1)、Nはデータ点数、kはトランスレ
ーションパラメータ(k=1,2,4,・・・,2j
である。
【0072】waveletエンコードの特長は、撮影中の被
写体の動きの影響を受けにくい点である。waveletエン
コードではRF照射による1回の磁化の励起毎に、空間
の一次元的な一部分のみを励起して信号を計測する。
【0073】従って、被写体が一時的に動いたとしても
その動きは動いた時刻に励起された画像の中の部分のぼ
けを引き起こすに止まる。
【0074】これに対して、フーリエエンコードでは、
動いた時刻に計測したフーリエ成分(空間周波数成分)
が動きの影響を受け、アーチファクトは画像全体に分布
する。
【0075】waveletエンコード法では、図5の(a)
に示すように、RFパルスによって空間一次元方向(y
方向とする)の磁化を空間的にwavelet関数状に励起
し、その後x方向にリードアウト傾斜磁場を印加してエ
コーを計測する。そして、wavelet関数のスケール、シ
フト量を変化させて、一連の計測を実行する。
【0076】全エンコードにわたるデータを取得後、x
方向に逆フーリエ変換、y方向に逆wavelet変換するこ
とにより2次元画像を再構成する。すなわち、通常のフ
ーリエ変換法による位相エンコードに代えて、y方向の
位置座標のエンコードとデコードをwavelet励起/wavel
et逆変換で行う。
【0077】x方向のエンコードはフーリエ変換法と同
じく周波数エンコードとする。スライス方向はz傾斜磁
場パルスによる位相エンコードを行う。wavelet励起R
Fパルスでは、図5の(b)に示すように、スライス方
向にも磁化が励起されるため、励起時にスライス選択を
行うことは困難である。
【0078】wavelet関数を用いたMR信号のエンコー
ド法に関しては、例えば、L.P.PanychとF.A.Jolesz
よる論文“A dynamically Adaptive imaging Algor
ithmfor Wavelet‐Encoded MRI”,Magnetic Resona
nce in Medicen,32,p738‐p748(1994)等に記述さ
れている。
【0079】ところで、waveletエンコードでは縦磁化
の一部を励起するのみであるため、磁化の励起効率はフ
ーリエエンコードに比べると低い。しかし、未励起磁化
が存在するため縦磁化の緩和時間を設けることなく、次
のトランスレーションまたはスケールのwavelet励起を
連続して行うことが可能で、全体の励起効率はフーリエ
エンコードと同等にできる。
【0080】しかし、スライス方向にも磁化が励起され
るため、従来技術における3D計測では縦磁化の緩和時
間が必要であった。
【0081】これに対して、本発明では、エコーを取得
後、励起時と同じwavelet関数状に磁化を強制縦緩和す
ることにより、被写体内の磁化を全て縦磁化へ戻し、3
D計測を高速化することができる。
【0082】これを図6のシーケンスで説明する。図6
において、励起パルス71と共にy方向傾斜磁場72を
印加することにより、y方向の磁化をHaar関数状に励
起する。y方向傾斜磁場72はy方向の位相戻しのため
の負の振幅部分を有する。ワープ傾斜磁場パルス27に
よりx方向に位相を分散させた後、リフォーカスπパル
ス22を印加し、励起後TE時間経過後にエコー29を
発生させる。
【0083】そして、x軸方向にリードアウト傾斜磁場
28を印加しつつエコー29をサンプリングする。エコ
ー29の中心から時間τ後に第2のリフォーカスπパル
ス11を印加し、さらに時刻τ経過後に横磁化をリフォ
ーカスさせる。
【0084】横磁化がリフォーカスした時刻に縦磁化強
制緩和用のRFパルス73を印加し、横磁化を強制的に
縦磁化へ戻す。このRFパルス73は励起用RFパルス
71と同じ空間選択性を有するものにする。例えば、R
Fパルス73を、RFパルス71とRF振幅変調波形を
同一とし、位相を180°変化させる。
【0085】縦磁化の強制緩和後は、直ちに次の位相エ
ンコードステップの計測を実行できる。または、同一エ
ンコードステップで異なるwaveletの励起へ進んでもよ
い。waveletの励起パルス71は励起毎に位相やパルス
長が変化するので、強制縦緩和パルス73もこれに応じ
て変化させることはいうまでもない。
【0086】さらに、第4の実施形態としては、Fast
SEシーケンスと空間選択励起と空間選択強制縦緩和と
を組合せるものがある。すなわち、リフォーカスπパル
スにより複数のスピンエコーを発生させ、エコー毎に異
なる位相エンコードを付与するマルチエコーへの応用例
である。
【0087】これを図7を用いて、説明する。図7にお
いて、z、y方向は位相エンコードとし、x方向にはワ
ープ傾斜磁場27とリードアウト傾斜磁場28とを印加
して、傾斜磁場エコー29を発生させる。各エコー29
はスピンエコー時刻と一致させる。エコー29をサンプ
リング後、πパルス11で横磁化を再収束させる。
【0088】図7の下段に示すのベクトルのように、選
択領域外の磁化はπパルス毎にz軸上で反転し、エコー
29が偶数個である場合はπパルス11により磁化はz
軸の負方向に向いているので、強制縦緩和パルス14は
−π/2パルスとし、一旦、選択領域内の磁化を−z軸
上で揃えた後、付加的なπパルス81で全磁化を+z軸
上へ戻す。エコーが偶数個である場合は最後のπパルス
81は不要で、また、強制縦緩和パルス14は−π/2
パルスとなる。
【0089】以上、空間選択性強制縦緩和RFパルスを
具体的に説明したが、空間選択励起を行う他の様々なシ
ーケンスに対しても、同様に空間選択励起時と同一のR
F波形でフリップ角が−π/2の強制縦緩和パルスが被
写体内の全磁化を縦緩和させるために有効である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
励起した領域の横磁化だけを強制縦緩和し、全体積内の
磁化を縦磁化に戻し、直ちに次の励起を行うことができ
るので、空間選択励起を行う3D計測を高速化すること
が可能なMR画像撮影装置を実現することができる。ま
た、1次元または2次元の空間選択励起を行う3次画像
元計測の撮影時間を短縮できる。
【0091】また、脂肪等の不要部位を、その形状に沿
って正確に避けて必要な部位のみを励起して信号を得る
ことができるから、不要信号を正確に除いた代謝物画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の動作シーケンスを示
す図である。
【図2】本発明の磁化の動きを示す図である。
【図3】本発明が適用される核磁気共鳴画像診断装置の
全体概略構成図である。
【図4】本発明を第2の実施形態における4DCSI法
のシーケンスを示す図である。
【図5】Haar wavelet関数を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態であるwaveletへの応
用を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第4の実施形態であるマルチエコーへ
の応用を示すシーケンス図である。
【図8】従来の技術における空間選択励起シーケンスを
示す図である。
【符号の説明】
11 リフォーカスπ−RFパルス 12、13 位相戻し傾斜磁場パルス 14 空間選択強制縦緩和RFパルス 15、16 空間選択強制縦緩和傾斜磁場パルス 21 空間選択励起π/2−RFパルス 22 リフォーカスπ−RFパルス 23、26 位相エンコード傾斜磁場パルス 24、25 空間選択励起傾斜磁場パルス 27 x方向ワープ傾斜磁場パルス 28 リードアウト傾斜磁場パルス 29 エコー信号 31 選択励起領域 32、401 被写体 51 CJESSパルス 52 クラッシャー傾斜磁場パルス 53 位相エンコード傾斜磁場パルス 54 位相戻し傾斜磁場パルス 71 wavelet励起RFパルス 72 wavelet励起傾斜磁場パルス 73 wavelet強制縦緩和RFパルス 81 縦磁化反転RFパルス 402 静磁場発生磁気回路 403 傾斜磁場発生系 404 送信系 405 検出系 406 信号処理系 407 シーケンサ 408 コンピュータ 409 傾斜磁場コイル 410 傾斜磁場電源 411 シンセサイザ 412 変調器 413、415 増幅器 414 高周波コイル 416 直交位相検波器 417 A/D変換器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場と、傾斜磁場と、高周波磁場と、
    磁気共鳴信号検出手段と、画像再構成手段と、画像表示
    手段と、これらの制御手段とを備えるMR画像撮影装置
    において、 高周波磁場と傾斜磁場とを同時に、所定の空間領域に印
    加して撮影スライス内の部分を選択的に励起する第1の
    工程を実行し、 上記選択的な励起に続いて空間座標に関する1次元ない
    し3次元の情報を位相エンコードする第2の工程を実行
    し、 リフォーカスπパルスを印加してエコー信号を生成さ
    せ、これをサンプリングする第3の工程を実行し、 上記エコー信号のサンプリング後に、リフォーカスπパ
    ルスを印加して再度横磁化を収束させる第4の工程を実
    行し、 横磁化が再収束された時刻において、上記第1工程と同
    一の領域の横磁化を選択的に強制的に縦磁化へ戻す第5
    の工程を実行し、 第1から第5の工程を、縦緩和時間T1よりも短い時間
    で反復して画像データを収集することを特徴とするMR
    画像撮影装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のMR画像撮影装置におい
    て、上記第5工程は、上記第1工程と同一の波形で位相
    が逆の高周波磁場と、上記第1工程と同一の波形の傾斜
    磁場とを印加することを特徴とするMR画像撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011037064A1 (ja) * 2009-09-25 2011-03-31 株式会社 日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置および照射周波数調整方法

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