JP2001527573A - カロチノイド製剤 - Google Patents

カロチノイド製剤

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JP2001527573A JP55060398A JP55060398A JP2001527573A JP 2001527573 A JP2001527573 A JP 2001527573A JP 55060398 A JP55060398 A JP 55060398A JP 55060398 A JP55060398 A JP 55060398A JP 2001527573 A JP2001527573 A JP 2001527573A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、脂肪酸とグリセリンとのエステル化から誘導される中鎖トリグリセリド油中に分散されたリコペンの組成物を提供することにある。

Description

【発明の詳細な説明】 カロチノイド製剤 発明の分野 本発明は、脂肪酸とグリセリンとのエステル化から誘導される油中に分散され たカロチノイド組成物またはカロチノイドの製剤に関する。特に、本発明は、中 鎖トリグリセリド油中のカロチノイド組成物又はカロチノイドの製剤に関する。 発明の背景 集合的にカロチノイドと称される一群の化合物に、研究者と産業との両者の関 心が近年高まっている。これらは、幅広いベースにわたる植物及び動物に自然に 現れ、一般的に色、特に果実や野菜にほとんどの黄から赤の色に寄与している。 疫学的研究は、カロチノイドリコペン(リコペンの重要な食品源はトマトである )人間に抗癌効果を及ぼすことを示唆する。しかしながら、現在の時点で、確立 した動物モデルにおける腫瘍の発達を抑えるための食品のリコペンの能力につい ての研究はない。 これらの低濃度での高い色強さと自然源からの抽出にかかる高コストとにより 、有機化学者は、今世紀中頃に、経済的に重要な数種のリコペンを首尾良く合成 した。少しの誘導体だけでなくベータ−カロチン及びカンタキサチンも、食品の 色,食品補助剤及び動物生成物色前駆体として、特にヨーロッパの会社Hoffman- LaRoche AG及びBASF AGからの商業製品になった。 カロチノイドは、炭素−炭素共役二重結合の骨格を持った独特な化学的構造を 有している。特殊な物理的及び化学的特性を分子に伝達する主な市販のカロチノ イドには9個の二重結合がある。特に、カロチノイドは酸素及び遊離基と非常に 反応しやすく、したがってカロチノイドは伝統的な抗酸化剤として分類されてい る。カロチノイドは人間,動物及び植物の組織中に存在する。これらはまた、常 温より高い温度や高い光密度のような環境におけるストレス状態に反応して、あ る生物種中で高濃度に生産される。一般的に、これらは水への溶解性が極めて低 く、それ故これらは生物の細胞中で膜及び脂質凝集体と会合した状態にある。生 物中でこれらは、通常およそ10〜100ppmの比較的低濃度で存在している 。 高い強さを持つ商用カロチノイド製品の生産では、合成化学過程だけでなく自 然源の抽出からも現在入手できるが、空気中で酸素による酸化からカロチノイド を安定化させる必要がある。酵素または微生物の作用によってもカロチノイド分 子は劣化するが、これは通常、低濃度(例えば、0.1%未満)でまた水性環境 で起こる。あるものは、極度に反応性を有し、高濃度結晶形で細かく分散された 空気中では自然発火する。リコペンは、普通のカロチノイドで最もすみやかに酸 化されるものの1つであり、この物質またはこの物質を含む組成物の安定化は商 用製品の生産において戦略的に重要である。ある種のカロチノイドの酸化を防ぐ ことができないことはこれらの商用化を困難にしている。 伝統的に、カロチノイドの安定化はかなり困難であることが証明されている。 酸化防止に役立つ1つの手段は、純粋な結晶のカロチノイド物質を不活性ガス雰 囲気下で保持することであるが、これは、実験室規模で役に立つに過ぎず、商業 的利用には向いていない。酸化防止を補助するため、カロチノイド組成物をトリ グリセリド油(例えば、大豆油)中に懸濁することがまた知られている。溶媒及 び大豆(その油は、主にC16〜C18の長さの炭素鎖を有している)を用いて抽出さ れる標準的な大豆油の使用が、β−カロチンのようなあるカロチノイドにかなり 有効であることが証明される一方で、商業的に重要な、リコペンのような他のカ ロチノイドの劣化を防げないことが証明されている。 発明の要約 本発明はしたがって、カロチノイドの酸化に耐えるさらなる手段を提供するこ とを目的とする。驚くべきことに、カロチノイド組成物,または脂肪酸とグリセ リンとのエステル化から誘導される油(むしろ、溶媒の使用により源から抽出さ れた油)中のカロチノイドを、懸濁または分散することは、カロチノイドの酸化 を低下させる。その上、カロチノイド組成物,またはC16からC18の間の鎖の長さ を持つ油(以下、「中鎖トリグリセリド油」という)中に懸濁または分散された カロチノイドは、カロチノイドの酸化の相当な低下という結果をもたらすが分か っている。 図面の簡単な説明 図1は、実施例1で説明された2つのカロチノイドの安定性を説明する(試験 された各小瓶の平均)。 図2は、オスのラット(結腸型)とメスのラット(胸型)との両方におけるリ コペンの最大許容量(MTD)を決定するための実施例2で説明された10週間研 究の時間線を示す。 図3は、エキネノン及びリコペンのHPLCデータを示す。 図4は、全5種の標準カロチノイド、すなわち、ゼアキサンチン,カントキサ ンチン,エキノネン,リコペン及びβ−カロチンのHPLCデータを示す。 図5は、リコペン及びエキノネンの結晶の使用により得られたリコペンの標準 曲線である。 図6は、リコペン懸濁におけるHPLC分析の結果を示す。 図7は、リコペン懸濁中に存在するカロチノイドの化学的構造を示す。 図8〜11は、動物の体重の増加へのリコペンの効果を示す。 図12は、リコペン,フィトフルエン及びこれらの幾何学異性体が相当量存在 することを示す、肝臓からのケン化された有機抽出物のHPLC-MS分析の結果を示 す。 発明の好ましい実施形態の詳細な説明 本発明の一形態によれば、脂肪酸とグリセリンとのエステル化から誘導される 油中のカロチノイド組成物またはカロチノイドの懸濁/分散を含む製剤が提供さ れる。このようにしてエステル化された油を使用することにより、溶媒を用いて 大豆のような源から抽出された油中に存在する不純物が製剤に取り込まれる可能 性を実質的に減らせる。好ましくは、実質的に純粋な脂肪酸及びグリセリンがエ ステル化に用いられる。脂肪酸は、好ましくは蒸留により純化される。油は、好 ましくは中鎖グリセリド油である。脂肪及び油の主な構造は、R1,R2及びR3が異 なる鎖長でもよい、一般式CH2(OOCR1)CH(OOCR2)CH2(OOCR3)を有するトリグリセ リドである。本発明の文脈において、好ましいトリグリセリドは、C6 〜C12の、より好ましくはC8〜C10の鎖長を有している。 本発明の他の形態によれば、中鎖トリグリセリド油中のカロチノイド組成物ま たはカロチノイドの懸濁/分散を含む製剤が提供される。再度好ましくは、中鎖 トリグリセリドは、C8〜C10の鎖長を有している。中鎖トリグリセリド油は脂肪 酸及びグリセリンからエステル化されるのが好ましい。ここでも、実質的に純粋 な脂肪酸(好ましくは蒸留により純化された脂肪酸)及びグリセリンがエステル 化に用いられる。 本発明の好ましい形態では、カロチノイド組成物は主としてカロチノイドを含 む。好ましくは、カロチノイドは、リコペン,ベータ−カロチン,ゼータ−カロ チン及びフィトフルエンまたはこれらの混合物を含む群から選択される。リコペ ンは好ましいカロチノイドである。好ましくは、カロチノイド組成物及びカロチ ノイドは自然源から誘導される。 本発明の好ましい形態では、中鎖トリグリセリド油は、商業上利用可能な、Gr unan Lebensmitteltechnologie1により生産された中鎖トリグリセリド油のDelio s VTMである。他の中鎖トリグリセリド油は、CAS73398-61-5(グリセリントリエ ステルにカプリル酸及びカプリン酸が混合されたもの)として登録されてい field,Illinnoisから入手可能である。好ましくは、中鎖トリグリセリド油の酸 単量体は、C6カプロン酸,C8カプリル酸,C10カプリン酸及びC12ラウリル酸また はこれらの混合物を含む群から選択される。中鎖トリグリセリド油を生成するた めには、純化された脂肪酸及びグリセリンを使用することが好ましく、これらの 物質は、油が、カロチノイドの酸化の原因ともなる不純物のいずれも含む可能性 が減少するように使用される。好ましい形態では、中鎖トリグリセリドは自然源 から誘導される。 本発明の他の好ましい形態では、カロチノイドは製剤の10重量%までを構成 する。好ましくは、カロチノイドは製剤の4〜5重量%を構成する。本発明のさ らに他の好ましい形態では、油は、製剤の98重量%までを構成し、より好まし くは20〜80重量%の間を構成し、最も好ましくは30から70%の間を構成 する。 好ましくは、この組成物は油溶性抗酸化剤を含む。抗酸化剤を付加することは 、カロチノイドの酸化を防ぐのをさらに補助する。この抗酸化剤は、好ましくは トコフェロール,ブチル化ヒドロキシアニソール,ブチル化ヒドロキシトルエン ,プロピル没食子酸塩,エトキシキン及びアスコルビン酸パルミテート(ascorb yl palmitate)に加えて他の天然抗酸化抽出物(ハーブ及び好ましくは天然トコ フェロールから誘導されてもよい),及びこれらの混合物を含む群から選択され る。好ましくは、トコフェロールはベータ,ガンマ−,デルタ−トコフェロール またはこれらの混合物を含む群から選択される。本発明の他の好ましい形態では 、抗酸化剤は製剤の15重量%までを構成し、好ましくは5〜10重量%の間を 構成する。 経口投与に対して、本発明の組成物は、経口投与に適した、薬学的に受け入れ 可能な担体を付随的にさらに含む。従来の生産方法により生産可能な本発明の経 口組成物が薬学技術において知られている。この方法は、活性物質と、食用に適 しかつ薬学的に受け入れ可能であって非毒性かつ不活性の固体または液体の担体 及び/または全身投与に適しかつ伝統的に経口投薬形態で使用されている付形剤 とを混合するものである。経口投与のための薬学組成物は、持続解放形態,ロゼ ンジ,チューインガム及びカプセルを含む錠剤の形態でもよい。柔らかいゼラチ ンカプセル投薬形態が最も好ましい。これら投薬は、これらの投薬形態は、例え ばRemington's Pharmaceutical Sciences,18th Edition(1990),Mack Publishing Co.,Easton,PAで説明されるような技術において知られる技巧に従う技術におい て熟練した者により調製されてもよい。 本発明はまた、中鎖トリグリセリド中で懸濁または分散されたリコペンの有効 量を宿主に経口で投与することを含む、生物利用可能な抗酸化剤を提供する方法 を提供する。本発明の文脈において、「宿主」という語は、人間だけでなく大間 でない動物、特に哺乳類もまた含むものと理解されるべきである。この方法は、 患者に、油中のカロチノイドの懸濁/分散を含む組成物の有効量を投与すること を含み、カロチノイドの投与量は約1〜1000μg/kgの間である。好まし い1回の投与量は、カロチノイド約10〜100μg/kgである。この方法を 行うに際し、本発明による組成物は、1日に1回の投与量または1日に複数回の 投与量で投与されてもよい。摂生療法は、延長された期間にわたる投与を必要と してもよい。投与された投与量当たりの量または投与された全量は、医師により 決定されるとともに、病気の性質及び酷さ,患者の年齢及び一般的な健康,及び 化合物に対する患者の抵抗力のような要素に依存することとなる。 本発明はまた、そのような治療の必要において、患者内の癌を治療しまたは防 ぐ方法を提供する。本発明の分脈において、「患者」という語は人間だけでなく 人間でない動物、特に哺乳類も含むものと理解されるべきである。この方法は、 患者に、油中のカロチノイドの懸濁/分散を含む組成物の有効量を投与すること を含み、カロチノイドの投与量は、約1〜1000μg/kgの間である。好ま しい1回の投与量は、カロチノイド約10〜100μg/kgである。この方法 を行うに際し、本発明の組成物の組成物は1日に1回の投与量または1日に複数 回の投与量で投与してもよい。摂生療法は、延長された期間にわたる投与を必要 としてもよい。投与された投与量当たりの量または投与された全量は、医師によ り決定されるとともに、病気の性質及び酷さ,患者の年齢及び概略的な健康,及 び化合物に対する患者の抵抗力のような要素に依存することとなる。 この方法は、本発明による組成物自体の投与により、または他の抗酸化剤及び /または薬学組成物中の治療用試薬を含む、他の活性成分との組み合わせにより 行われてもよい。ここでの使用に適した他の治療用試薬は、意図された目的のた めの同一または他の機構により効果的である併用可能な薬剤であり、またはその 働きが補足し合い,またはこの製剤または組成物と協力作用する薬剤である。 組み合わせ療法に利用される組成物または試薬は、同時に、別々のまたは組み 合わせた薬剤のいずれかで、又は例えば、組み合わせた効果が達成されるように 、続けて、本発明による組成物と異なる時間に投与されてもよい。投与の量及び 飼料は、実行者により調整され、好ましくは初めはこれらの標準投与量を低くし 、その後効果が得られる滴定を行うことにより行われることとなる。上記の及び 他の目的,以下で明らかになる本発明の利点及び特徴により、本発明の性質は、 以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明において、また添付の請求の範囲 においてさらに説明されることとなる。実施例 実施例1:製剤及び安定性試験 エステル化された油の改善された抗酸化剤の効果を証明するために、カロチノ イドとしてリコペンを含んだカロチノイド組成物(「リコペン組成物」)を用い て2つの比較実験が行われた。一方の実験は、大豆から溶媒を用いて抽出された 大豆油中のリコペン組成物を懸濁/分散することを含み、他方は、脂肪酸及びグ リセリンからエステル化された中鎖トリグリセリド油のリコペン組成物を懸濁/ 分散することを含んでいる。結果はその後比較された。 原料 実験に使用されるリコペン組成物はトマトから抽出された。 使用された中鎖トリグリセリド油は、ココナツ油の脂肪酸の分別蒸留と、8〜 10炭素脂肪酸の選択された留分と高純度グリセリンとのエステル化とにより生 産された。このように油を形成することにより、植物及び動物源から直接抽出さ れる油中に現れる不純物を減らすことが可能できる。大豆油は大豆から吸引され た標準油だった。 リコペン組成物10キログラム2部は、それぞれ、大豆油(「組成物1」), 及び効率的な混合方法を用いた混合により連続相を形成するための希釈剤又は懸 濁/分散油としての中鎖トリグリセリド油(「組成物2」)の各15キログラム 中に分散された。各組成物のサンプル1グラムずつが試験のためにガラス小瓶中 に入れられた。 試験方法及び結果 組成物1及び組成物2におけるリコペン濃度は、以下の時間でのリコペン濃度 を決定するために、分光光度計を用いて測定された。: 0ヶ月(すなわち、組成物形成後すぐ); 1ヶ月; 2ヶ月; 3ヶ月。 (a)分析方法 各サンプルは、クロロホルムに溶解され、シクロヘキサンとともに適当な濃度 まで蒸留された。吸光度は、20℃での固有の波長が測定され、濃度は既知の吸 光係数から計算された。 以下の試薬及び装置が用いられた。 10mmグラスセル吸光光度計 化学天秤 100ml測容フラスコ 50ml測容フラスコ 2.0ml球ピペット クロロホルムAR級 シクロヘキサン リコペンは光中では徐々に減少するため、試験の実行中は、化学線ガラスが使 用された。各サンプルに対し以下の処置が行われた。各油中の5%リコペンの0 .5〜1.0gは、別々に、100ml測容フラスコに正確に測量された。クロ ロホルムおよそ5mlが追加され、試薬がサンプルによく溶けるよう混合された 。 各サンプルは、完全に溶解したことを確かめるために、光にかざして観察され た。 各サンプルが完全に溶解したことを確認するために、5分間静置され、クロロ ホルム5mlがさらに追加され、(必要に応じて)熱い水道水で暖められた。 溶液は、シクロヘキサンで体積希釈され、よく混合された。これを溶液Aとし た。溶液A2mlは、50ml測容フラスコに滴下され、シクロヘキサンで体積 希釈され、よく混合された。これを溶液Bとした。 溶液B2mlは、50ml測容フラスコに滴下され、シクロヘキサンで体積希 釈され、よく混合され;これを溶液Cとした。 分光光度計(2nmのスリット幅を有する)は、両セル内のシクロヘキサンを 用いて0位調整され、溶液Cの吸光度がシクロヘキサンブランクに対し472n mで測定された。この分析は2度行われた。 結果の計算では、次の基準が用いられた: A=472nmでの溶液Cの吸光度 m=サンプルの重量 E=吸光係数E1%/1cm at 472nm=3450 リコペン濃度(%) C=A×希釈度/E×m 試験期間の合間、両組成物は25℃に保管された。 試験中、リコペンは、あるものについては数ヶ月にわたり2〜3mmの大きさ で保存され、大きい結晶を形成する傾向があることが分かった。サンプリングミ スにより大きい結晶組織が実質的に分析結果に影響することがあるため、ガラス 小瓶内の物質のサンプル1gは、生成後直ちに調製され、安定性試験のために2 5℃で保存された。小瓶は、毎月ごとに、分析用に除かれ、結晶化によるサンプ リングの問題を克服するために完全な内容物が分析された。 (b)結果 2つの組成物の安定性の結果は、図1及び表1に示されるように、試験された 小瓶のそれぞれに対し平均化されたものである: 結果の考察 上記実験結果は、3ヶ月にわたり、中鎖トリグリセリド油(組成物2)中のリ コペン濃度が比較的一定であり、3ヶ月後の平均百分率濃度は組成物2が調製さ れた直後に測定された濃度と等しいことを示す。大豆油(組成物1)中のリコペ ン濃度の結果は、3ヶ月間にわたり重量%でリコペンの確固たる減少を示す。 この結果は、脂肪酸とグリセリン(この場合、中鎖トリグリセリド油)とのエ ステル化から誘導される油がリコペンの酸化に安定した影響を有することを証明 する。 実施例2 これらの実験の目的は、食用リコペンの生物学的に許容投与量範囲,取り込み 及び組織性質を決定することにある。 特別の目的 オス及びメスのFischer344ラットにおける、AIN−76a飼料に おいて投与されるリコペンの最大限許容投与量を決定することと、血液,糞便, 及び乳腺,摂護腺,結腸及び肺のような様々な器官中の食用リコペンの取り込み 及び性質を評価することにある。 方法 同系繁殖によるFischer F344のオス(n=70)及びメス(n= 70)は、Taconic Farms,Germantown,NYから入手された。年齢約35日で、全 動物は隔離所から実験室に移された。動物はその後、各グループが同じ平均体重 の動物を含むことを確実にするために、形式確立化法を用いて実験グループに配 分された。 10週間の予備研究は、表2及び図2に示されるように、オス(結腸モデル) 及びメス(胸モデル)両方のラットにおいて、リコペンの最大許容投与量(MT D)を決定するために行われた。投与量範囲の選択は、β−カロチンの公表値を 基にした。5.7%のカロチノイドを含みかつ3.7%の純粋なリコペンを含む 混合カロチノイド組成物は、中鎖トリグリセリド(この組成物は以下「リコペン 懸濁」とする)中に懸濁された。このリコペン懸濁はAIN-76A飼料内に加えられ た。 リコペンMW=536に基づく 飼料は、抑えられた光の下で調製され、ロット4kg内で気密容器内で−4℃で 保存された。AIn-76A飼料の成分は表3に挙がっている。 pan Co.,Maywood,NJ)の適量とともにこれらの飼料を補足することにより対照さ れ、これにより、対照を含む全動物は同量の食用脂肪を受容した。 終了に先立って各グループから3匹の動物が代謝檻内に入れられ、24時間の 尿及び糞便の採集物がその次のリコペン分析のために得られた。血液はリコペン 分析用に麻酔下で心臓を破裂させて採集し、全動物はCO2麻酔で犠牲になった。 血液及び糞便は−20℃で保存された。死体解剖では、全ての主な器官系統は粗 野に検査された。いかなる普通でない標本の組織も、ホルマリン中に置かれ、組 織学的実験のために残された。 動物の体重は週1回記録され、動物標本(被覆組織)及び飼料拒否行動が評価 された。濃縮により、 注入溶媒混合物 40%アセトニトリル 20%メタノール 20%ヘキサン 20%メチレンクロリド 最大許容投与量は、正味の体重減少が10%より大きい結果になった投与量であ る。 HPLCによるリコペンの定量的な決定 HPLC装置,溶媒系及び溶媒プログラムは表4に概説されている。結晶カロ チノイドは標準液として用いられ、α−カロチン,β−カロチン,リコペン,ゼ アキサンチン,クリプトキサンチン及びエキネノン(Hofffmann-LaRoche)を含 む。エキネノンは、β−カロチンのケトン誘導体であるが、内部標準液として用 いられている。標準液の貯蔵溶液は、注入溶媒中30μg/mlの濃度で調製さ れた(表4)。 (1) リコペン (RO 01−9251−00) (2) ゼアキサンチン (RO 01−9371−000) (3) クリプトキサンチン (RO 04−0763−000) (4) 9−カロチン (RO 01−8300−000) (5) エキノネン (RO 04−2847−000) 系の多様性及び信頼性は、5日間にわたりリコペン及びエキノネンの標準溶液 からの複数のサンプルを比較することにより試験された(表5)。リコペンの保 持時間は、下は32.58分から上は35.95分まで変化した。;エキノネン の保持時間は、下は28.54分から上は30.64分まで変化した。リコペン /エキノネン比率は、下は1.12分から上は1.20分まで変化した。サンプ ル内部のバリエーションの同様な低位は、曲線下の統合領域が比較されたときに 見出される。 結晶リコペン及びエキノネンを用いることにより、リコペンに対し標準曲線が 作られた(表5)。実験値は、標準曲線から読みとられ、ng/mlまたはng /μg/gram組織湿重量のいずれかで表される。RT=分での保持時間 AREA=曲線下の統合領域 飼料 飼料からのリコペン抽出は以下のように行われた:リコペンを含む飼料のサン プルは、注入溶媒(表4)中に懸濁され、ポリトロン乳化機内で均質化された。 エキノネンは内部標準として加えられ、混合物は4℃で15分間毎分3000回 転で遠心分離された。上澄み液は、デカントされ、抽出が繰り返された。プール された抽出物はその後窒素ガスで60℃で乾燥され、残査は注入溶媒0.5ml に溶解され、次いでHPLC分析にかけられた。同じ方法が、多少変更して、糞 便及び肺組織に用いられた。飼料からのリコペン抽出の効率は表6A及びBに示 される。リコペンの最高濃度では75%から最低濃度では100%までにわたる 効率が、どの濃度においても、試験された。 血清 血清からのリコペンの抽出は、エタノール中のエキノネン標準液0.1ml及 びエタノール0.9mlに血清1mlを加えることにより行われた。この混合物 は、その後20秒間かき混ぜられ、2.0mlのヘキサンが加えられ、1分間勢 いよく混合された。濁った混合物は、その後4℃で毎分3000回転で15分間 遠心分離され、澄んだヘキサン層がデカントされた。上記手順が3から5回繰り 返された。プールされたヘキサンの小部分は、その後窒素ガスで60℃で乾燥さ れ、残査はHPLC溶液0.5ml中に溶解され、HPLCにより分析された。 組織 乳房,肝臓及び前立腺組織は、分析の妨害となる脂質を含んでいる。その結果 、ケン化段階は有機抽出に先立って必要とされる。組織は、エキノネンが内部標 準液として加えられる20mlメタノール中で均質化された。乳房組織には、ア ジポシテス(adIpocytes)を有しているが、50%NaOH8.0ml及び25 %アスコルバートナトリウム4.0mlが加えられ、混合物は均質化された。前 立腺及び肝臓組織には、より少ない脂質が含まれが、50%NaOH4.0ml 及び25%アスコルバートナトリウム2.0mlが加えられ、混合物は均質化さ れた。ケン化は、温浴振とう機で30℃に対照されて、窒素ガスで一晩飽和された50 ml管内で行われた。次のケン化は、ヘキサン10mlが各管に加えられ、1分 間かき混ぜられた。混合物は、その後4℃で10分間毎分2000回転で遠心分 離され、ヘキサン層がデカントされ残された。このヘキサン抽出手順は、5〜7 回繰り返された。プールされたヘキサン抽出物は、その後60℃で窒素ガスで乾 燥され、注入溶媒中に溶解され、HPLCにより分析された。肺及び結腸組織は 、ケン化段階が省略されていることを除いて、同様の方法で処理された。 I.リコペン懸濁の分析 リコペン懸濁(Henkel CorporatIon,LaGrange,IL)が有機抽出法により抽出さ れた場合、主なカロチノイドはリコペンであったが、いくつかの他のカロチノイ ドはトマト中に存在することが知られ、α−及びβ−カロチン,フィトフルエン 及びフィトエンがまた存在することが知られた(表6及び7)。リコペン懸濁中 のカロチノイドの定量的プロファイルは、上記のようにフォトダイオードアレイ 検出器を備えたHPLC系を用いることにより行われた。6つの主な成分が表7 で分かる。 リコペンは3.7%存在するが、しかしながら、全カロチノイドの和はおよそ5 .7%である。結果として、%全カロチノイドに換算して表すと、リコペンは全 体の67%であり、β−カロチンは20%であり;リコペン前駆体,フィトフル エン及びフィトエン,各5%、z−カロチン及び2,6−シクロリコペン−1, 5−ジオール0.7%であった。全カロチノイド含有量(その67%がリコペン )5.72%(4%がむしろよい)に基づく飼料中のリコペン濃度の再計算は、 処置グループ当たり以下の濃度になった:グループ1,1280;グループ2, 512;グループ3,256;グループ4,128;グループ5,51(mgs /kg 飼料)。したがって、純粋なリコペンの調整よりむしろ、リコペン懸濁 は、リコペンの懸濁5.9%,α−及びβ−カロチン,中鎖トリグリセリド中で 懸濁されたフィトフルエン及びフィトエン(リコペンの前駆体)を含んでいる。 これは、リコペン懸濁のカロチノイドのプロファイルは市販のトマトのプロファ イルに近いため、実際に化学的予防の研究に好ましい。(Khachik,F,Beecher,G. R.International Conference on Food Factors参照:化学と癌予防。適切な化学 試薬の選択の基準としての果実及び野菜におけるカロチノイドの分布。H.ohigas hi(ed.),Springer-Verlag,Tokyo,1996(in press)) II.飼料中での安定性 一度飼料に加えられたリコペン懸濁の安定性は、2つの方法で評価された。第 1の方法は、懸濁を含む飼料を暗所に4℃で3週間置くことによるものである( 表8A,B)。 aAIN−76A飼料b 飼料の濃度(04/40),744μg/g,as 100% a内部標準 様々な時点で、飼料サンプルがとられ、リコペンは次のように抽出された:サン プルおよそ0.5〜1.0gが40%アセトニトリル,20%メタノール及び2 0%メチレンクロリドからなる抽出溶媒の15ml体積に加えられた。この混合 物は、2分間超音波にかけられ、5分間静置された。この赤燈色の済んだ上澄み 液はその後デカントされた。この手順は、上澄み液が無色となるまで、4回繰り 返された。溶媒は、その後25〜100mlの体積に増され、この混合物は遠心 分離され、上澄み液はデカントされた。全ての上澄み液はその後混合された。上 記溶媒は2つの目的の役に立つ;第1に、リコペンに最も効果的な混合物であり 、第2に、HPLC内にリコペンサンプルを注入するのに用いられる溶媒と同じ である。表8から分かるように、3週間で、リコペンは暗所で4℃で第1日の約 72%が分解する;2週間で、約10%の分解が起こる。これは、飼料研究には 2週間の保存期間が最もよいことを示している。 第2の方法は、実際の飼料研究における場合のように、空気及び光にリコペン 含有飼料がさらされることによるものであった。光及び空気にさらされる食料容 器内のリコペンの安定性が表9から分かる。 少量が48時間にわたり失われたことが分かる。72時間でおよそ全リコペンの 20%が失われた。3週間後、もとのリコペンの半分は測定不能である。これら の結果に基づくと、食料は、48時間以下の間は食料容器内で保持される。 全ての主なカロチノイドの分析は、20℃で7ヶ月保存後のリコペン含有飼料 内に存在する(表10)。リコペン懸濁中に存在する全ての主なカロチノイド及 び代謝されたリコペンは、同様な相対比率で飼料中に存在する。しかしながら、 7ヶ月にわたるリコペンの正味の損失は、処置グループ1〜5において、それぞ れ、66%,38%,40%,44%及び60%であった;対照的に、β−カロ チン濃度は同じ期間にわたり、もとの値の10%しか減少しなかった。 a 7ヶ月間−20℃で保存された飼料 III.予備飼養研究 1匹のオスのラットは、3週間リコペン(+他のカロチノイド)2.5mMを 与えられた。この高い投与量で、体重及び食料消費量の変化は見られなかった。 糞便は、明瞭な赤い外見を呈し、毛皮の一部も同様であった。尾は褐色であった 。死体解剖では、肝臓は濃い赤色で、盲腸及び小腸も同様であった。腹部の脂肪 組織または前立腺及び精液の小胞におけるような退色はほとんど見られなかった 。 24時間の糞便の小球のリコペン(表11)の分析は、およそ消費された全飼 料リコペンの55%が糞便中に排泄されたことを示す。これは、余りは腸に吸収 されたことを示す。いくつかのリコペンが、抽出に先立つ保存中に、分解するこ とはまた考慮されるべきである。リコペン抽出に先立って糞便の小球を凍結乾燥 することは、リコペンを抽出するのに最も適した方法であることが分かった。こ れは、疑いなく、糞便の小球中に水分が存在することと、小球の幾何学とに原因 がある。一旦凍結乾燥されると、糞便の小球は容易に粉になり、糞便の基質に対 し溶媒が容易に到達可能となる。IV.飼料研究 (1)体重増加 動物の体重増加へのリコペンの効果は、表12及び13,図8から11から理 解することができる。繰り返される測定の変動を検討することにより評価すると 、リコペンが異なる投与量で補足された飼料を与えられたラットの体重増加に相 違はなかった。対照のラットは、補足されたラットより僅かに大きい程度に体重 が増加したことが10週間の終わりまでに示されたが、この相違は10%を超え ず、通常の遮断点は食料拒絶または毒性を示す。 aN=10/グループ aN=10/グループ (2)組織及び取り込み血清 肝臓 リコペンは、血清または他の器官と比較される肝臓において、100〜100 0倍大きい程度に濃縮された。肝臓のリコペンレベルは、リコペンの最も高い投 与量での湿重量33〜120μg/gmの間で分布している(1280ppm) (表14)。 HPLC−MSにより検査された、肝臓からのケン化された有機抽出物は、リ コペン,フィトフルエン及びフィトエン及びそれらの幾何学的異性体の相当量の 存在を示す(図12)。加えて、ゼータ−カロチン,全てのtrans−β−カロチ ン及び13cIs−β−カロチンの低レベルがまた検出された。 2つのリコペンの酸化代謝物質は、人間の血清中に予め確認されるが、この物 質すなわち2,6シクロリコペン−1,5−ジオールI及びIIと、人間の血清中 では検出されていない、これらの前駆体である2,6−シクロリコペン−1,5 −エポキシドI及びIIとはまた、肝臓サンプル中で検出された。もとの代謝物質 の定量及び確認は、2,6−シクロリコペン−1,5−ジオールの飼料源に加え て、肝臓が活発にこれらの代謝物質にリコペンを代謝することを示唆する。メス の肝臓中のリコペンの量は、一般的に、オスより高く、非線形投与量反応曲線は メスにはなくオス中に現れた。これらの結果は、リコペン懸濁中に存在するカロ チノイドが肝臓内に吸収され貯蔵されるとともに、リコペンが人間内で発見され たのと同様の形式でラット内で代謝されることを示す。 血清 血清リコペンレベルは、80ng/mlの低位から370ng/mlの高位ま で分布する。補足された動物の血清中のリコペン濃度は、オス及びメスの両方に おいて投与量に関しては非線形形式で変化した(表15)。驚くべきことに、メ ス内の最も高い濃度は、グループ1(1000ppm)よりもむしろグループ3 (200ppm)及び4(100ppm)において発見された。同様に、オスの 間では、最も高い濃度はグループ3においてであった。メスでは、低リコペング ループ(40ppm)は血清リコペンの最も低い濃度を示したが、オスでは、最 も高いリコペングループと最も低いリコペングループとの間には相違はなかった 。 aN=6 これらの結果は、血清リコペンレベルは、肝臓貯蔵代謝物質を必要とするホメオ スタティック機構により統制され、ビタミンAと同様な方法で解放することを示 唆する。ここで報告される血清レベルは、ラット内で、トマト、またはトマト生 成物、すなわち0.1〜5ng/mlの血清(100〜5000ngs/ml) の通常のレベルを消費する人間に対して記録された範囲内で適切である。 乳腺 メスラットの乳房の脂肪パッドは、下は139ng/g湿重量から上は460 ng/g湿重量まで分布する(表16)。血清と対照的に、一般化された投与量 −反応効果は、飼料リコペン摂取量については、乳房組織中に見られる(表4) 。 aN=3 前立腺 オスラットの前立腺中のリコペン濃度は、下は32ng/g湿重量から上は1 47ng/g湿重量まで分布している(表17)。 aN=3 肺 オス及びメスのラット中の肺のリコペン濃度は、下は124ng/g湿重量か ら上は424ng/g湿重量まで分布している(表18及び19)。メスラット では、最も低いグループ(グループ5)での確固たる減少に続くグループ1から 4の間には、平坦効果(palteau effect)が見られる。メスでは、同様な効果が グループ4では増加したことを除いては、同様な結果が得られた。 結腸 カロチノイドは、細胞内の(吸収された)カロチノイド及び中空部内の(吸収 されなかった)カロチノイドが評価不能となる粘膜の隙間に入ったため、結腸組 織の正確な値を得ることはできなかった。一般的には、結腸の値は、肺及び乳房 のそれらと同様と思われる。 グルタチオン分析 グルタチオン測定の原理は、トリペプチドチオール,グルタチオン(Gly− Cys−Gly)の変性した形態が、フリーラジカルによる損傷への防御を含む 、いくつかの重要な細胞内反応において直接関わっていることにある。カロチノ イドと対照的に、脂質相中に存在するが、グルタチオンは、細胞の水相中に見ら れ、脂質及び水相の抗酸化剤は、一方の高レベルが「スペア」となるかまたは他 方の末梢を制限するような方法で互いに相互作用する。血液,肺及び腎臓(表2 0〜22)の全(変性されたまたは酸化された)グルタチオン分析が行われた。 *値は平均±S,D.,n=5 +対照からの有意な相違p<0.05 *値は平均±S,D.,n=5 +対照からの有意な相違p<0.05 *値は平均±S,D.,n=5+対照からの有意な相違p<0.05 グルタチオンの決定は、二重電気化学的検出(KleIman,W.A.&RIchIe,J.P.,J.Chr omatogr B 672:73-80,1995参照)でHPLCによる。1つの場合のみで、最も高 いリコペンレベルで、グルタチオンレベルでの相当な増加があり、これは肝臓内 でのみ起こった。グルタチオン中の投与量に関連する変化は、肝臓,腎臓または 全血液中で注意された。肝臓ビタミンA及びビタミンE分析 2つの重要な脂肪溶解性ビタミン、すなわち、レチノール及びα−トコフェロ ールの吸収及び貯蔵への、トマトカロチノイド補足剤の効果が調べられた。確立 したHPLC法を用いることにより、メスR−344ラット内の肝臓のリコペン 含有量とレチノール及びα−トコフェロール濃度との間で、強い線形投与量−反 応関係が発見された(表23)。 レチノールの場合では、対照と最も高いリコペン投与量との間には10倍の相違 があった。オスよりのデータは同様であった。補足剤はレチノールビタミンEを 全くまたはほとんど含んでいないため、肝臓内で発見された全てのレチノール及 びビタミンは、AIN−76A飼料からのものであるはずである。したがって、 カロチノイド補足剤の存在により、肝臓への取り込み及びビタミンAとビタミン Eとの両方の貯蔵が改められる。要約 (1) トマトから誘導されるリコペン懸濁は、α−及びβ−カロチン,ゼー タ−カロチン,ルテイン,フィトエン及びフィトフルエンを含む他の いくつかのカロチノイドが後に続く主成分(70%)としてのリコペ ンからなる。 (2) 用いられる投与量の範囲では、リコペンは、オスまたはメスのラット のいずれの食料摂取量または体重増加にも全く有害な影響を及ぼさな い。 (3) リコペンは、周辺の光及び温度で7日間飼料中で安定であり、暗所内 で4℃で21日間安定していた。 (4) 1日に消費された概算されたリコペンのおよそ55%が糞便中に排泄 された。 (5) リコペンは、ラットの肝臓内に直ちに吸収され及び貯蔵された。リコ ペンはまた、肝臓、及び人間内に見られるリコペンと同様に存在する 代謝通路内で代謝された。血清中のリコペンレベルは、血清リコペン レベルの比較的密接なホメオスタチッタ対照を示す、飼料摂取量と線 形方法においては関係付けられなかった。血清中のリコペン濃度は、 肝臓内で見られるより、大きさが2桁少なかった。リコペンは、肺, 前立腺、結腸及び乳房組織内ではng量で検出された。一般的に、摂 取量は、通常オスとメスとの間で最も低く飼料されたグループ内で見 られた最も低い濃度、特に肝臓内のリコペン濃度と投与量関係にある 。 (6) 最も高いリコペンレベルで飼料された動物から得られた肝臓を除いて は、全血液,肝臓及び腎臓中のグルタチオン濃度は、オス及びメス両 方における対照と同様であった。 (7) ビタミンA及びビタミEの肝臓濃度は、投与量関係方式におけるトマ トカロチノイド補足剤の摂取量により変更された。ビタミンAまたは Eのいずれも補足剤中に存在しなかったため、増加したレベルが飼料 からの選択的な取り込みを含む肝臓内で見られた。 結論として、F−344ラットにおいて、AIN−76A半純化飼料に取り入 れられたリコペン懸濁中の完全なカロチノイドのプロファイルは、直ちに吸収さ れ、循環し、また分析された全ての組織内に堆積される。吸収された飼料リコペ ンの重要部分は、人間内で見られる重要部分と同様の方法で代謝される肝臓内に 貯蔵される。用いられる投与量の範囲でリコペンの有毒性の証拠はない。 本発明が、ここで、種々の特有な原料,方法及び実施例により説明され及び図 示される一方で、本発明が、特別な原料,原料の組み合わせ、及びその目的のた めに選択された方法に制限されるものではないことが理解されるべきである。そ のような詳細の多数の変更は、暗に意味されてもよく、当業者により十分理解さ れることとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/22 A61K 47/22 (72)発明者 ヒーレイ,デヴィッド,エックス. オーストラリア,ヴィクトリア州 3192, ハイトン,ノース ヴァリー ロード 107 (72)発明者 ゾーク,アーネスト,ジー. アメリカ合衆国,ペンシルバニア州 19406,キング オブ プロシア,ウェス ト デカルブ パイク 205

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [請求項1] 中鎖トリグリセリド中に懸濁または分散されたリコペンを含む、カロチノイド 組成物。 [請求項2] 前記中鎖トリグリセリドは中鎖脂肪酸とグリセリンとのエステル化から誘導さ れる、請求項1に記載の組成物。 [請求項3] 前記脂肪酸はC6からC12の脂肪酸である、請求項2に記載の組成物。 [請求項4] 前記脂肪酸はC8からC10の脂肪酸である、請求項3に記載の組成物。 [請求項5] 前記脂肪酸は、カプリル酸,カプリン酸,ラウリル酸及びこれらの混合物から なる群から選択される、請求項2に記載の組成物。 [請求項6] 10重量%までのリコペンを含む、請求項1に記載の組成物。 [請求項7] 4から5重量%のリコペンを含む、請求項6に記載の組成物。 [請求項8] 98重量%までの中鎖トリグリセリドを含む、請求項6に記載の組成物。 [請求項9] 20から80重量%の中鎖トリグリセリドを含む、請求項8に記載の組成物。 [請求項10] 30から70重量%の中鎖トリグリセリドを含む、請求項9に記載の組成物。 [請求項11] 油溶性抗酸化剤をさらに含む、請求項8に記載の組成物。 [請求項12] 前記油溶性抗酸化剤は、トコフェロール,ブチル化ヒドロキシアニソール,ブ チル化ヒドロキシトルエン,プロピル没食子酸塩,エトキシキン及びアスコルビ ン酸パルミテート(ascorbyl palmitate),天然トコフェロール,及びこれらの 混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。 [請求項13] 前記トコフェロールは、ベータ−,ガンマ−,デルタ−トコフェロール及びこ れらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。 [請求項14] 前記抗酸化剤は前記組成物の15重量%までを構成する、請求項11に記載の 組成物。 [請求項15] 前記抗酸化剤は前記組成物の5から10重量%を構成する、請求項14に記載 の組成物。 [請求項16] 中鎖トリグリセリド中に懸濁または分散されたリコペンの効果量を宿主に経口 で投与することを含む、生物的利用可能な抗酸化剤を提供する方法。
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