JP2001526632A - Hvemポリペプチドとその用途 - Google Patents

Hvemポリペプチドとその用途

Info

Publication number
JP2001526632A
JP2001526632A JP52682198A JP52682198A JP2001526632A JP 2001526632 A JP2001526632 A JP 2001526632A JP 52682198 A JP52682198 A JP 52682198A JP 52682198 A JP52682198 A JP 52682198A JP 2001526632 A JP2001526632 A JP 2001526632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hvem
sequence
polypeptide
antibody
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP52682198A
Other languages
English (en)
Inventor
アシケナジー,アヴィ,ジェー.
マースターズ,スコット,エー.
Original Assignee
ジェネンテク,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジェネンテク,インコーポレイテッド filed Critical ジェネンテク,インコーポレイテッド
Publication of JP2001526632A publication Critical patent/JP2001526632A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70578NGF-receptor/TNF-receptor superfamily, e.g. CD27, CD30, CD40, CD95
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/07Animals genetically altered by homologous recombination
    • A01K2217/075Animals genetically altered by homologous recombination inducing loss of function, i.e. knock out
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 HVEMと命名した新規なポリペプチドが提供される。HVEMキメラ、HVEMをコード化する核酸及びHVEMに対する抗体を含む組成物もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 HVEMポリペプチドとその用途 発明の分野 本発明は、一般には、ここでヘルペスウイルスエントリー媒介物質(「HVE M」)と命名するポリペプチドの同定、単離、および組換え生産並びにその用途 に関する。 発明の背景 腫瘍壊死因子−α(「TNF−α」)、腫瘍壊死因子−β(「TNF−β」または「リ ンホトキシン」)、CD30リガンド、CD27リガンド、CD40リガンド、O X−40リガンド、4−1BBリガンド、Apo−1リガンド(Fasリガンド またはCD95リガンドともいわれる)、TRAILおよびApo−2リガンド のような様々な分子が、サイトカイン類の腫瘍壊死因子(「TNF」)ファミリー のメンバーとして同定されてきた[例えば、GrussとDower,Bloo d,85:3378−3404(1995);Wileyら,Immunity ,3:673−682(1995);Pittiら,J.Biol.Chem. ,271:12687−12690(1996)を参照されたい]。 そのようなTNFファミリーサイトカイン類により仲介される様々な細胞応答 の誘導は特定の細胞レセプターに対するそれらの結合によって開始されると考え られている。約55kDa(TNFR1)と75kDa(TNFR2)の二つの 異なるTNFレセプターが同定されており[Hohmanら,J.Biol.C hem.,264:14927−14934(1989);Brockhaus ら,Proc.Natl.Acad.Sci.,87:3127−3131(19 90);1991年3月20日公開のEP 417,563]、両レセプタータイ プに相応するヒトおよびマウスのcDNAが単離され、特性付けられた[Loe tscherら,Cell,61:351(1990);Schallら,Ce ll,61:361(1990);Smithら,Science,248:10 19−1023(1990);Lewisら,Proc.Natl. Acad.Sci.,88:2830−2834(1991);Goodwinら ,Mol.Cell.Biol.,11:3020−3026(1991)]。広範 な多型性が両TNFレセプター遺伝子に関連している[例えば、Takaoら, Immunogenetics,37:199−203(1993)を参照]。 両TNFRは、細胞外、膜貫通および細胞内領域を含む細胞表面レセプターの典 型的な構造を分ち合っている。両レセプターの細胞外領域は可溶性のTNF結合 タンパク質として天然にも見出される[Nophar,Y.ら,EMBO J., 9:3269(1990);およびKohno,T.ら,Proc.Natl.A cad.Sci.U.S.A.,87:8331(1990)]。さらに最近では、 組換え可溶性TNFレセプターのクローニングがHaleらによって報告された [J.Cell.Biochem.,Supplement 15F,1991, p.113(P424)]。 タイプ1およびタイプ2のTNFR(TNFR1とTNFR2)の細胞外部分 は、NH2末端から始まる1〜4と称される4つのシステインに富む領域(CR D)の繰返しアミノ酸配列パターンを有する。各CRDは約40アミノ酸の長さ であり、良く保存された位置に4〜6のシステイン残基を有する[上記のSch allら;上記のLoetscherら;上記のSmithら;上記のNoph arら;上記のKohnoら]。TNFR1において、前記の4種のCRDのお よその境界は、CRD1がアミノ酸14〜アミノ酸53あたりにあり、CRD2 がアミノ酸54あたり〜アミノ酸97あたりにあり、CRD3がアミノ酸98あ たり〜アミノ酸138あたりにあり、CRD4がアミノ酸139あたり〜アミノ 酸167あたりにある。TNFR2では、CRD1はアミノ酸17〜アミノ酸5 4あたりを有し、CRD2はアミノ酸55あたり〜アミノ酸97あたりを有し、 CRD3はアミノ酸98あたり〜アミノ酸140あたりを有し、そしてCRD4 はアミノ酸141あたり〜アミノ酸179あたりを有する[Bannerら,C ell,73:431−435(1993)]。リガンド結合におけるCRDの潜 在的な役割も上記のBannerらに記載されている。 CRDの類似の繰返しパターンは、p75神経成長因子レセプター(NGFR )[Johnsonら,Cell,47:545(1986);Radeke ら,Nature,325:593(1987)]、B細胞抗原CD40[Stam enkovicら,EMBO J.,8:1403(1989)]、T細胞抗原OX 40[Malletら,EMBO J.,9:1063(1990)]およびFas 抗原[上記のYoneharaらおよびItohら,Cell,66:233− 243(1991)]を含む幾つかの他の細胞表面タンパク質中に存在する。CR Dはショープポックスウィルスと粘液腫ポックスウイルスの可溶性TNFR(s TNFR)様T2タンパク質にも発見されている[Uptonら,Virolo gy,160:20−29(1987);Smithら,Biochem.Bio phys.Res.Commun.,176:335(1991);Uptonら ,Virology,184:370(1991)]。これらの配列の最適なアラ イメントは、システイン残基の位置がよく保存されていることを示している。こ れらのレセプターはしばしば包括的にTNF/NGFレセプタースーパーファミ リーのメンバーといわれている。p75NGFRに関する最近の研究では、CR D1の欠失[Welcher,A.A.ら,Proc.Natl.Acad.S ci.USA,88:159−163(1991)]またはこの領域における5− アミノ酸挿入[Yan,H.及びChao,M.V.,J.Biol.Chem. ,266:12099−12104(1991)]は、NGF結合に対して殆どま たは全く効果を持たないことが示された[上記のYan,H.およびChao, M.V.]。p75NGFRは、そのCRD4と膜貫通領域との間に約60アミノ 酸のプロリンに富む伸張部分を有しており、これはNGF結合に関与しない[P eetre,C.ら,Eur.J.Hematol.,41:414−419(1 988);Seckinger,P.ら,J.Blol.Chem.,264:1 1966−11973(1989);上記のYan,H.およびChao,M.V .]。同様なプロリンに富む領域がTNFR2には見られるが、TNFR1には見 られない。 Itohらは、Apo−1レセプターが55kDaのTNFR1によりシグナ ル伝達されるものと類似のアポトーシス的な細胞死をシグナル伝達することがで きることを開示している[上記のItohら]。細胞がTNF−αまたは抗Apo −1マウスモノクローナル抗体で処置される場合、Apo−1抗原の発 現はTNFR1の発現とともにダウン調節されることも報告されている[Kra mmerら,Curr.Op.Immunol.,6:279−289(1994 );Nagataら,Science,267:1449−1456(1995)] 。したがって、一部の研究者は、Apo−1とTNFR1の両方のレセプターを 同時発現する細胞系は共通するシグナル経路により細胞死を仲介するかもしれな いと仮定している[同上]。 リンホトキシン−αを除いて、現在までに同定されたTNFファミリーリガン ドはタイプIIの膜貫通タンパク質であり、そのC末端は細胞外にある。対照的 に、現在までに同定されたTNFレセプター(TNFR)ファミリーにおけるレ セプターはタイプIの膜貫通タンパク質である。しかし、TNFリガンドとレセ プターファミリーの両者において、ファミリーメンバー間で同定された相同性が 細胞外領域(「ECD」)で主に発見されている。TNF−α、Apo−1リガン ドおよびCD40リガンドを含むTNFファミリーサイトカイン類の幾つかが細 胞表面でタンパク分解性に切断される;それぞれの場合で得られたタンパク質は 典型的には可溶性サイトカインとして機能するホモ三量体分子を形成する。TN Fレセプターファミリータンパク質も、通常、タンパク分解性に切断されて、同 族のサイトカインの阻害物質として機能できる可溶性レセプターECDを放出す る。 TNFRファミリーメンバーの2種類であるTNFR1とFas/Apo1( CD95)はアポトーシス細胞死を引き起こすことにより成熟リンパ球の失活に おいてある役割を果たしている[ChinnaiyanとDixit,Curr ent Biology,6:555−562(1996);FraserとEv an,Cell;85:781−784(1996);Nagataら,Scie nce,267:1449−1456(1995);Zhengら,Nature ,377:348−351(1995)]。TNFR1は、転写因子であるNF− κBの活性化を仲介することも知られている[Tartagliaら,Cell ,74:845−853(1993);Hsuら,Cell,84:299−30 8(1996)]。ある程度のECD相同性に加えて、これらの二つのレセプター は死領域として知られているオリゴマー化界面でそれらの 細胞内領域(ICD)の相同性を分け合っている[上記のTartagliaら] 。死領域は、アポトーシスを調節する幾つかの後生動物タンパク質、すなわち、 ショウジョウバエタンパク質、リーパー(Reaper)、およびFADD/MO RTl、TRADDおよびRIPと称される哺乳類タンパク質にも見られる[C leavelandとIhle,Cell,81:479−482(1995)] 。酵母−2ハイブリッド系を用いて、RavenらはTNFR1死領域に結合す るタンパク質wsl−1の同定を報告している[Ravenら,Program med Cell Death Meeting、1995年9月20〜24日、 抄録、p.127;Ravenら,European Cytokine Net work,7:Abstr.82,p.210(1996年4月〜6月)]。該w sl−1タンパク質は、TNFR1に対して相同(48%同一)であり、限定さ れた組織分布を有するものとして記載されている。Ravenらによると、ws l−1の組織分布はTNFR1結合タンパク質であるTRADDとは顕著に異な っている。 リガンドの結合とレセプターのクラスター形成の際に、TNFR1とCD95 は、FADDを死誘導シグナル複合体に補充すると思われる。CD95は報告に よればFADDを直接的に結合させる一方、TNFR1はTRADDを経由して 間接的にFADDを結合させる[Chinnaiyanら,Cell,81:5 05−512(1995);Boldinら,J.Biol.Chem.,270 :387−391(1995);上記のHsuら;Chinnaiyanら,J. Biol.Chem.,271:4961−4965(1996)]。FADDは、 チオールプロテアーゼMACHα/FLICEを死シグナル複合体に補充するア ダプタータンパク質として働くことが報告されている[Boldinら,Cel l,85:803−815(1996);Muzioら,Cell,85:817 −827(1996)]。MACHα/FLICEはインターロイキン−1β変換 酵素(ICE)およびCPP32/Yamaを含むアポトーシスプロテアーゼの カスケードを作動させ始める引き金であると思われ、細胞死プログラムの幾つか の重要な側面を実施するものであろう[上記のFraserおよびEvan]。 Tewariらにより最近レビューされたように、TNFR1、TNFR2お よびCD40は、転写因子NF−κBの活性化により炎症誘発性および同時刺激 性サイトカイン、サイトカインレセプター、および細胞接着分子の発現を変調す る[Tewariら,Curr.Op.Genet.Develop.,6:39 −44(1996)]。NF−κBは、そのサブユニットが保存されたRel領域 を有する二量体転写因子のファミリーのプロトタイプである[Vermaら,G enes Develop.,9:2723−2735(1996);Baldwi n,Ann.Rev.Immunol.,14:649−681(1996)]。そ の潜伏形において、NF−κBはIκB阻害物質ファミリーのメンバーと複合体 を形成し、ある種の刺激に応答するIκBの不活化の際に、放出されたNF−κ Bが核に転位置してそこで特異的DNA配列に結合し、遺伝子転写を活性化する 。TNFRタンパク質はAP−1転写因子ファミリーも調節する[Karin, J.Biol,Chem.,270:16483−16486(1995)]。AP −1はFosとJunタンパク質ファミリーのメンバーからなる二量体転写アク チベーターの別個のファミリーを表す[上記のKarin]。AP−1活性化は、 分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼのERKとJNKによるfosとjun の即時〜速い誘導により、ならびにJunタンパク質のJNK依存性リン酸化に より仲介されると思われる[上記のKarin]。TNFRファミリーメンバーに よる転写の調節はTNFレセプター関連因子(TRAF)ファミリーのメンバー により主に仲介される[Rotheら,Cell,78:681−692(19 94);Hsuら,Cell,84:299−308(1996);Liuら,C ell,87:565−576(1996)]。 Montgomeryらは最近「HVEM」と呼ばれるTNFRファミリーの メンバーを同定した[Montgomeryら,Cell,87:427−43 6(1996)]。Montgomeryらによれば、HVEMはCHO−K1細 胞とST細胞へのHSV−1株の効率的な導入を仲介し、HSV−2株の導入を 増強した。HVEM cDNAの塩基配列およびそのオープンリーディングフレ ームのアミノ酸配列がMontgomeryらの文献の図2に記載さ れている。 サイトカインのTNFファミリーとそのレセプターのレビューについては、上 記のGrussとDowerを参照されたい。 発明の概要 本出願人らは、本出願で「HVEM」と命名されたポリペプチドをコードする cDNAクローンを同定した。HVEMはTNFRファミリーのメンバーである と考えられる。本出願人らはHVEMのヒト293細胞への過渡的なトランスフ ェクションが、ある転写因子の顕著な活性化を引き起こすことを発見し、HVE Mが感染刺激および細胞ストレスに応答して遺伝子発現を調節することに関与し ていることを示唆した。脾臓や末梢血液等のリンパ球に富む組織におけるHVE M mRNAの顕著な発現も、リンパ球活性の調節におけるレセプターとしての その役割を示唆している。 一実施態様において、本発明は単離されたHVEMポリペプチドを提供する。 特に、本発明は単離された未変性配列HVEMポリペプチドを提供し、一実施態 様において、該ポリペプチドは、図1の残基1〜283を有するアミノ酸配列( 配列番号1)を包含する。別の実施態様において、単離されたHVEMポリペプ チドは、図1の残基1〜283を有する未変性配列HVEMポリペプチド(配列 番号1)に対して少なくとも約80%の相同性を有する。 もう一つの実施態様において、本発明は、異種ポリペプチドまたはアミノ酸配 列に融合されたHVEMポリペプチドを有するキメラ分子を提供する。そのよう なキメラ分子の例は免疫グロブリン配列に融合させたHVEMを含む。もう一つ の例は、免疫グロブリン等の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融合させた HVEMの細胞外領域配列からなる。 もう一つの実施態様において、本発明はHVEMポリペプチドをコードする単 離された核酸分子を提供する。一特徴において、核酸分子は、HVEMポリペプ チドまたはHVEMの特定の領域をコードするRNAまたはDNAであるか、ま たはそのようなコード核酸配列に対して相補的であり、少なくとも適度にストリ ンジェントな条件下で、および任意にストリンジェントな条件下で安定して結合 しつづけるRNAまたはDNAである。一実施態様において、核酸 配列は、 (a)残基1〜残基283(当該残基を包含する)をコードする図1の核酸配 列(配列番号2)のコード領域;または (b)遺伝子コードの縮重の範囲内で(a)の配列に対応する配列から選択さ れる。 さらに別の実施態様において、本発明はHVEMポリペプチドまたはHVEM の特定の領域をコードする核酸分子を有するベクターを提供する。該ベクターま たは該核酸分子を有する宿主細胞も提供する。HVEMの生産方法も提供される 。 もう一つの実施態様において、本発明はHVEMに特異的に結合する抗体を提 供する。該抗体はアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体または中和抗体であって よい。 もう一つの実施態様において、本発明は非ヒトのトランスジェニックまたはノ ックアウト動物を提供する。 本発明のさらに別の実施態様は、HVEMまたはHVEM抗体を含有する製品 およびキットを提供する。 図面の簡単な説明 図1は、HVEM cDNAの核酸配列(配列番号2)およびそれから得られ たアミノ酸配列(配列番号1)を示す。 図2はHVEMの異所性発現によるNF−κBの活性化を示す。 図3はHVEMの異所性発現によるAP−1の活性化を示す。 図4はノーザンブロットハイブリゼーションにより測定されたヒト組織におけ るHVEM mRNAの発現を示す。 好適な実施態様の詳細な説明 I.定義 ここで使用される「ヘルペスウイルスエントリー媒介物質」および「HVEM 」との用語は、未変性配列HVEMおよびHVEM変異体(それらのそれぞれが ここで定義される)を包含する。これらの用語はヒトを含む様々な哺乳類由来の HVEMを包含する。HVEMは様々な起源、例えばヒト組織タイプか ら、または他の起源から単離してよく、または組換えまたは合成法により調製し てもよい。 「未変性配列HVEM」とは天然から得られたHVEMと同一のアミノ酸配列 を有するポリペプチドを包含する。例えば、未変性配列HVEMは、哺乳類から の天然のHVEMのアミノ酸配列を有することができる。そのような未変性配列 HVEMは天然から単離でき、または組換えか合成手段により作ることができる 。「未変性配列HVEM」という用語は、具体的にはHVEMの天然に生じる端 を切った形または分泌形(例えば、細胞外領域配列)、天然に生じる変異体形(例 えば、交互にスプライスされた形)およびHVEMの天然に生じる対立遺伝子変 異体を包含する。HVEMの天然の変異体は、図1に示される配列の番号付けに したがえば、コドン108にセリンまたはスレオニン、およびコドン140にア ラニンまたはアルギニンを有するHVEMを包含する。本発明の一実施態様にお いて、非変性配列HVEMは図1のアミノ酸配列(配列番号1)を有する成熟ま たは全長未変性配列HVEMである。未変性配列HVEMの本定義は、GenB ank AA021617等の公知のEST配列を含まない。 「HVEM変異体」は、全長未変性配列HVEMに関して図1に示される予想 されるアミノ酸配列(配列番号1)を有するHVEMと100%未満の配列同一 性を有する生物学的に活性のあるHVEMを意味する。そのようなHVEM変異 体としては、例えば、HVEMポリペプチド(ここで、一つ以上のアミノ酸残基 が図1の配列のN末端またはC末端で、またはその配列内で付加され;約1〜3 0アミノ酸残基が欠失し、または任意に一つ以上のアミノ酸残基が置換されてい る。)およびその誘導体(ここで、アミノ酸残基は、得られる産物が非天然のア ミノ酸を有するように共有的に修飾されている。)が挙げられる。通常、HVE M変異体は、図1の配列(配列番号1)に対して、少なくとも約80%の配列同 一性、さらに好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、およびさらに好まし くは少なくとも約95%の配列同一性を有しよう。HVEM変異体の本定義はG enBank AA021617等の公知のEST配列を含まない。 「エピトープタグ化」との用語は、「タグポリペプチド」に融合したHVEM またはその一部を有するキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、それ に対して抗体を作ることのできるエピトープを提供するのに十分な残基を有する が、十分に短いためにそれがHVEMの活性に干渉することはない。タグポリペ プチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応しないように かなりユニークでもある。好適なタグポリペプチドは一般的に少なくとも6アミ ノ酸残基、通常約8〜約50アミノ酸残基(好ましくは、約10〜約20残基) を有する。 ここに開示される様々なポリペプチドを記載するために用いられる「単離され た」とは、その天然の環境の成分から同定され、分離され、および/または回収 されたポリペプチドを意味する。その天然の環境の夾雑成分は、典型的にはポリ ペプチドの診断または治療利用に干渉することのある材料であり、酵素、ホルモ ン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質が挙げられよう。好まし い実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネータ ーを用いることによりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得 るのに十分な程度まで、または(2)クマシーブルーまたは好ましくは銀染色を 用いる非還元または還元条件下でSDS−PAGEにより均一になるまで精製さ れよう。HVEMの天然の環境の少なくとも一つの成分は存在しないであろうた めに、単離されたポリペプチドとは組換え細胞内のインサイツポリペプチドを含 有する。しかし、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも一つの精製工程 で調製されよう。 「単離された」HVEM核酸配列は、HVEM核酸の天然の起源中で通常は会 合している少なくとも一つの夾雑核酸分子から同定され分離された核酸分子であ る。単離されたHVEM核酸分子は天然に見られる形にはないか、または設定の 形にないものである。したがって、単離されたHVEM核酸分子は天然の細胞に 存在しているHVEM核酸分子とは区別される。しかし、単離されたHVEM核 酸分子は、例えば核酸分子が天然の細胞とは異なる染色体位置に存在するHVE Mを通常発現する細胞中に含まれるHVEM核酸分子を包含する。 「調節配列」という用語は特定の宿主生物中で作動可能に結合させたコード 配列の発現に必要なDNA配列を意味する。例えば原核生物に適する調節配列は 、プロモーター、任意にオペレーター配列、およびリボソーム結合部位を包含す る。真核細胞はプロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを利 用することが知られている。 核酸が別の核酸配列に対して機能的関係に置かれている場合にそれは「作動可 能に結合」されている。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAが 、それがポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現されるのであれ ば、それはポリペプチドのDNAに作動可能に連結されている;プロモーターま たはエンハンサーが配列の転写に影響を与える場合、それはコード配列に作動可 能に連結されている;またはリボソーム結合部位が、翻訳を促進するように配置 されている場合、それはコード配列に作動可能に連結されている。一般的に、「 作動可能に連結された」とは、連結されているDNA配列が連続しており、分泌 リーダーの場合、それは連続しており、リーディング相に存在していることを意 味する。しかし、エンハンサーは連続しているものである必要はない。結合は、 好都合な制限部位での連結により達成される。そのような部位が存在しない場合 、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが慣用の実施にしたがって 用いられる。 「抗体」という用語は最も広い意味において用いられており、具体的には単一 の抗HVEMモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗 体を含む)およびポリエピトープ特異性を有する抗HVEM抗体組成物を包含す る。 ここで用いられる「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体 の一群から得られた抗体を意味し、すなわち、その群を構成する個々の抗体は、 僅かな量で存在するかもしれない天然の変異体を除けば同一である。モノクロー ナル抗体は特異性が高く、単一の抗原部位に対して向けられている。さらに、異 なる複数の抗原決定基(エピトープ)に対する異なる複数の抗体を典型的には含 む通常の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は 抗原上の単一の抗原決定基に向けられている。 ここでのモノクローナル抗体はそれらが所望の生物学的活性を有する限り、 起源となった種または免疫グロブリンのクラスまたはサブクラスの名称とは関係 なく、定常領域を有する抗HVEM抗体(例えば、「ヒト化」抗体)の可変(超 可変を含む)領域、または重鎖を有する軽鎖、または別の種からの鎖を有するあ る種からの鎖、または異種タンパク質を有する融合物をスプライシングすること により作られるハイブリッドおよび組換え抗体、ならびに抗体断片(例えば、F ab、F(ab’)2、およびFv)を包含する。例えば、米国特許第4,81 6,567号およびMageら(Monoclonal Antibody P roduction Techniques and Applicaitons ,pp.79−97(Marcel Dekker,Inc.:New York, 1987))を参照されたい。 よって、「モノクローナル」という修飾語は抗体の実質的に均一な群から得ら れる抗体の特性を示すものであって、特定の方法による抗体の生産を必要とする ものと理解してはならない。例えば、本発明において使用されるモノクローナル 抗体はKohlerとMilstein(Nature,256:495(19 75))により始めて記載されたハイブリドーマ法により作ってもよく、または 米国特許第4,816,567号に記載されたような組換えDNA法により作っ てもよい。「モノクローナル抗体」は、例えば、McCaffertyら(Na ture,348:552−554(1990))により記載された技術を用いて 作られたファージライブラリーから単離してもよい。 非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化された」形は、非ヒト免疫グロブリン に由来する最少の配列を有する特定のキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖 、またはその断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab’)2または抗体 の他の抗原結合配列)である。大部分において、ヒト化抗体は、受容者の相補的 決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有する マウス、ラット、またはウサギ等の非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基 により置換されているヒト免疫グロブリン(受容者抗体)である。ある場合には 、ヒト免疫グロブリンのFv枠領域(FR)残基は対応する非ヒト残基により置 換される。さらに、ヒト化抗体は、受容者抗体にも、移入されたCDRにも、ま た枠配列にも見られない残基を有していてもよい。これらの 修飾は抗体性能をさらに洗練し、最適化するようになされる。一般的に、ヒト化 抗体は、少なくとも一つ、典型的には二つの可変領域の実質的にすべてを含み、 そこではすべてまたは実質的にすべてのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのも のと対応し、すべてまたは実質的にすべてのFR領域がヒト免疫グロブリン共通 配列のものである。ヒト化抗体は最適には、免疫グロブリン定常領域または領域 (Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを有する。 ここで用いられる「処置する」、「処置」および「治療」との用語は病気を治す 治療、予防的治療および防止的治療を意味する。 ここに用いられる「哺乳類」との用語は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌおよびネコ を含む哺乳類として分類されるすべての動物を意味する。本発明の好適な実施態 様において、哺乳類はヒトである。 II.本発明の組成物と方法 本発明は新しく同定され単離されたHVEMポリペプチドを提供する。一実施 態様において、HVEMは図1に示されたアミノ酸配列(配列番号1)を有する 。任意に、細胞外領域において、(図1の配列の番号付けを用いれば)コドン1 08はセリンまたはスレオニンをコードし、コドン140はアラニンまたはアル ギニンをコードする。典型的には、HVEMはポリペプチドの細胞質領域におけ る死領域を含まない。 HVEMポリペプチドの性質と特性はさらに以下の実施例で説明する。ここに 開示されるHVEMポリペプチドの性質と特性に基づき、HVEMがTNFRフ ァミリーのメンバーであるというのが本出願人の現在の考えである。 HVEMならびにHVEMキメラ分子および抗HVEM抗体をいかにして調製 できるかについて説明を以下に行う。 A.HVEMの調製 以下の記載は、主に、HVEM核酸を有するベクターで形質転換またはトラン スフェクションした細胞を培養することによるHVEMの生産に関する。勿論、 当分野でよく知られている別法を用いてHVEMを調製することも考えられる。 1.HVEMをコードするDNAの単離 HVEMをコードするDNAは、HVEM mRNAを有し、それを検出可能 な量で発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリーから得て よい。したがって、ヒトHVEM DNAはヒト組織から調製されたcDNAラ イブラリー、例えば実施例1に記載されるヒト網膜cDNAのバクテリオファー ジライブラリーから簡便に得ることができる。HVEMをコードする遺伝子は染 色体ライブラリーから、またはオリゴヌクレオチド合成により得ることができる 。 ライブラリーは、対象とする遺伝子またはそれがコードするタンパク質を同定 するように設計された(HVEMに対するか、または少なくとも約20〜80塩 基のオリゴヌクレオチドに対する抗体等の)プローブを用いてスクリーニングす ることができる。cDNAまたは染色体ライブラリーの選択されたプローブによ るスクリーニングは標準的な方法、例えば、Sambrookら(Molecu lar Cloning:A Laboratory Manual(New Yo rk:Cold Spring Harbor Laboratory Press ,1989))により記載されたように実施してよい。HVEMをコードする遺 伝子を単離するための別法はPCR法[上記のSambrookら;Dieff enbachら,PCR Primer:A Laboratory Manua l(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]を用いることである。 スクリーニングの好ましい方法は様々なヒト組織からのcDNAライブラリー をスクリーニングするために選択されたオリゴヌクレオチド配列を用いる。下記 の実施例1はオリゴヌクレオチドプローブを用いたcDNAライブラリーのスク リーニングについての技術を説明する。プローブとして選択されるオリゴヌクレ オチド配列は偽陽性が最少化するように十分な長さを有し、十分に明確なもので なければならない。該オリゴヌクレオチドは、好ましくは標識して、スクリーニ ングされているライブラリー中のDNAへのハイブリダイゼーションの際に検出 できるようにする。標識の方法は当分野でよく知られており、32P標識化ATP 等の放射能標識、ビオチン化または酵素標識を用いる。 すべてのタンパク質をコードする配列を有する核酸は、ここで初めて開示され た予想アミノ酸配列を用いて、必要であれば、cDNAに逆転写されていないm RNAの前駆体およびプロセス中間体を検出するために、上記のSambroo kらにより記載された常套的なプライマー伸長方法を用いて、選択されたcDN Aまたは染色体ライブラリーをスクリーニングすることにより得てよい。 HVEM変異体はHVEM DNAに適当なヌクレオチド変化を導入すること により、または所望のHVEMポリペプチドの合成により、調製することができ る。アミノ酸変化が、グリコシル化部位の数または位置の変更、または膜結合特 性の変更等、HVEMの翻訳後プロセスを変更することもありうることを当業者 であれば理解するであろう。 上記のような未変性配列HVEMの変異は米国特許第5,364,934号に 記載された保存的または非保存的変異の技術および指針のいずれかを用いて行う ことができる。これらのものには、オリゴヌクレオチド仲介(部位特異的)変異 誘発、アラニンスキャニング、およびPCR変異誘発が挙げられる。 2.複製可能なベクターへの核酸の挿入 さらなるクローニング(DNAの増幅)または発現のために、HVEMをコー ドする核酸(例えば、cDNAまたは染色体DNA)を複製可能なベクターに挿 入してもよい。様々なベクターが広く利用可能である。ベクターとしては、以下 にそれぞれ説明されるシグナル配列、複製開始点、一つ以上のマーカー遺伝子、 エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終止配列が挙げられるが、 これらに限定されない。 (i)シグナル配列コンポーネント HVEMは、組換えにより直接に作ることができるのみならず、シグナル配列 、または成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する 他のポリペプチドであってよい異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとして作 ることができる。一般的に、シグナル配列はベクターのコンポーネントであって よく、またはベクターに挿入されるHVEM DNAの一部であってもよい。好 ましく選択される異種シグナル配列は、宿主細胞により認識され、プ ロセシング(すなわち、シグナルペプチダーゼによる切断)を受けるものである 。該シグナル配列は、例えばアルカリ性ホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lp p、または熱安定エンテロトキシンIIリーダーからなる群から選択される原核 シグナル配列であってよい。酵母での分泌のために、シグナル配列は例えば酵母 インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(酵母菌属とクルイベロマイセ ス(Kluyveromyces)α因子リーダを含み、後者は米国特許第5, 010,182号に記載されている)、または酸性ホスファターゼリーダー、白 体(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日公 開EP362,179)、または1990年11月15日公開のWO90/13 646に記載されたシグナルであってよい。哺乳類細胞発現において、インビボ でのヒト細胞で細胞膜へのHVEMの挿入を通常指示する未変性HVEMのプレ 配列は満足できるものであるが、他の哺乳類のシグナル配列、例えば同一または 関連種の分泌ポリペプチドからのシグナル配列、ならびにウイルス分泌リーダー 、例えば単純ヘルペス糖タンパク質Dシグナル等を、タンパク質の分泌を指示す るために用いてもよい。 そのような前駆体領域のためのDNAは、好ましくは、HVEMをコードする DNAに対してリーディングフレーム内で連結する。 (ii)複製コンポーネントの起源 発現ベクターとクローニングベクターはともに一種類以上の選択された宿主細 胞中でベクターを複製可能とする核酸配列を有する。一般的に、クローニングベ クターにおいて、この配列はベクターを宿主の染色体DNAとは独立して複製さ せることを可能とし、複製開始点または自己複製配列を有する。そのような配列 は様々な細菌、酵母、およびウイルスについてよく知られている。プラスミドp BR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性菌に適し、2μプラスミ ドの開始点は酵母に適し、様々なウイルスの開始点(SV40、ポリオーマ、ア デノウイルス、VSVまたはBPV)は哺乳類細胞におけるクローニングベクタ ーのために有用である。一般的に、複製開始点コンポーネントは哺乳類発現ベク ターに必要ではない(SV40の開始部位が初期プロモーターを有しているため に典型的に用いられる)。 ほとんどの発現ベクターは「シャトル」ベクターであって、すなわち、それら は少なくとも一種類の生物中で複製が可能であるが、発現用の別の生物にトラン スフェクトすることができる。例えば、ベクターを大腸菌にクローニングして、 次に、該ベクターは宿主細胞染色体とは独立して複製することができないとして も、該ベクターを発現用酵母または哺乳類細胞にトランスフェクトする。 DNAは宿主ゲノムへの挿入により増幅してもよい。これはバシラス種を宿主 として用いて、例えば、バシラス染色体DNAに見られる配列に対して相補的で あるDNA配列をベクターに包含させることにより容易に行われる。このベクタ ーによるバシラスのトランスフェクションは該ゲノムとの相同組換えおよびHV EM DNAの挿入をもたらす。しかし、HVEMをコードする染色体DNAの 回収は外因的に複製するベクターの回収よりも困難である。なぜならば、制限酵 素による消化がHVEM DNAを切断するために必要となるからである。 (iii)選択遺伝子コンポーネント 発現ベクターとクローニングベクターは典型的には選択マーカーとも呼ばれる 選択遺伝子を有する。この遺伝子は選択培養培地で増殖した形質転換宿主細胞の 生存または増殖に必要なタンパク質をコードする。選択遺伝子を有するベクター で形質転換されなかった宿主細胞は培養培地では生存しないだろう。典型的な選 択遺伝子は、(a)抗体または他の毒素、例えばアンピシリン、ネオマイシン、 メトトレキサート、またはテトラサイクリンに対する耐性を付与し、(b)栄養 要求欠損を相補し、または(c)複合媒体からは利用できない重要な栄養を供給 するタンパク質をコードし、例えば、バシラスのためにD−アラニンラセマーゼ をコードする遺伝子が挙げられる。 選択法の一例は宿主細胞の成長を阻止する薬剤を利用する。異種遺伝子による 形質転換に成功した細胞は薬剤耐性を付与するタンパク質を作り、よって選択管 理に対して生き延びる。そのような主要な選択の具体例はネオマイシン[Sou thernら,J.Molec.Appl.Genet.,1:327(1982 )]、ミコフェノール酸(Mulliganら,Science,2 09:1422(1980)]またはハイグロマイシン[Sugdenら,Mol .Cell.Biol.,5:410−413(1985)]の医薬を用いる。 上記の三具体例は細菌遺伝子を真核調節下に用いて、適当な医薬であるG418 またはネオマイシン(ゲネチシン)、xgpt(ミコフェノール酸)またはハイグ ロマイシンに対する耐性をそれぞれ付与する。 哺乳類細胞用の適当な選択マーカーのもう一つの具体例は、HVEM核酸を取 り込むのに適する細胞の同定を可能とするものであり、例えばDHFRまたはチ ミジンキナーゼが挙げられる。哺乳類細胞形質転換体を選択圧力下に置き、形質 転換体のみが選択マーカを取り入れて独自に生存するように適合する。培地中の 選択剤の濃度を連続的に変える条件下で形質転換体を培養することにより選択圧 力をかけることにより、選択遺伝子と、HVEMをコードするDNAとの両方の 増幅を導く。増幅は、増殖に重要なタンパク質の生産に対して高い要求のある遺 伝子が、組換え細胞の継続する継代細胞の染色体内でタンデムに繰り返されるプ ロセスである。増加量のHVEMは増幅されたDNAから合成される。増幅可能 な遺伝子の別の具体例としてはメタロチオネイン−Iおよび−II、アデノシン デアミナーゼおよびオルニチンデカルボキシラーゼが挙げられる。 DHFR選択遺伝子で形質転換された細胞は、DHFRの競合アンタゴニスト であるメトトレキセート(Mtx)を含有する培養培地中で全形質転換体を培養 することにより最初に同定してよい。野生型DHFRを用いる場合の適当な宿主 細胞は、Urlaubら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,7 7:4216(1980))により記載されたように調製し増殖させた、DHFR 活性に欠くチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系である。次に、形質転 換細胞を増加量のメトトレキセートにさらす。これは、DHFR遺伝子の多コピ ーの合成、および同時にHVEMをコードするDNA等の、発現ベクターを有す る他のDNAの多コピーの合成をもたらす。この増幅技術は、例えば、Mtxに 高い耐性を有する変異DHFR遺伝子を用いる場合、内因性DHFRの存在にも かかわらず、適当な宿主、例えばATCC No.CCL61 CHO−K1とと もに用いることができる(EP117,060)。 もしくは、HVEM、野生型DHFRタンパク質、および他の選択マーカー、 例えばアミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ(APH)をコードす るDNA配列で形質転換または同時形質転換された宿主細胞(特に、内在性DH FRを有する野生型宿主)を、カナマイシン、ネオマイシン、またはG418等 のアミノグリコシド抗生物質等の選択マーカーのための選択剤を含有する培地で の細胞増殖により選択することができる。米国特許第4,965,199号を参 照されたい。 酵母に利用される適当な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtr p1遺伝子である[Stinchcombら,Nature,282:39(19 79);Kingsmanら,Gene,7:141(1979);Tschem perら,Gene,10:157(1980)]。該trp1遺伝子はトリプト ファンでの生育能を欠く酵母の変異株(例えばATCC No.44076また はPEP4−1)に選択マーカーを提供する[Jones,Genetics, 85:12(1977)]。次に、酵母宿主細胞ゲノム中におけるtrp1障害の 存在は、トリプトファンの不存在下での増殖によって形質転換を検出するために 効果的な環境を提供する。同様に、Leu2−欠損酵母株(ATCC20,62 2または38,626)はLeu2遺伝子を有する公知のプラスミドによって相 補される。 さらに、1.6μm環状プラスミドpKD1に由来するベクターはクルイベロ マイセス酵母の形質転換に用いることができる[Bianchiら,Curr. Genet.,12:185(1987)]。さらに最近、組換えウシ・キモシンの ラージスケールでの生産のための発現系がK.ラクティス(lactis)につ いて報告された[Van den Berg,Bio/Technology,8 :135(1990)]。クルイベロマイセスの工業的な株による成熟組換えヒト 血清アルブミンの分泌のための安定な多コピー発現ベクターも開示されている[ Fleerら,Bio/Technology,9:968−975(1991) ]。 (iv)プロモーターコンポーネント 発現およびクローニングベクターは、宿主生物によって認識され、HVEM 核酸配列に対して作動可能に結合させたプロモータを通常含有する。プロモータ ーは、それが作動可能に結合しているHVEM核酸配列等の特定の核酸配列の転 写と翻訳を調節する構造遺伝子(通常、約100〜1000bp)の開始コドン の上流(5')に位置する非翻訳領域である。そのようなプロモーターは典型的 には誘導性と構成性の二つのクラスに分類される。誘導性プロモーターは、培養 条件の変化、例えば栄養の存在または不存在または温度の変化に応答して、DN Aからの高いレベルの転写をそれらの制御下で開始するプロモーターである。現 在、様々な潜在的宿主細胞によって認識される多数のプロモーターがよく知られ ている。これらのプロモーターは、制限酵素消化によりソースDNAからプロモ ーターを取り出し、この単離されたプロモーター配列をベクターに挿入すること によりHVEMをコードするDNAに作動可能に連結される。未変性HVEMプ ロモーター配列と多くの異種プロモーターとの両者を用いてHVEM DNAの 増幅および/または発現を指示することができる。 原核宿主での使用に適するプロモーターとして、β−ラクタマーゼおよびラク トースプロモーター系[Changら,Nature,275:615(197 8);Goeddelら,Nature,281:544(1979)]、アルカリ ホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, NucleicAclds Res.,8:4057(1980);EP36,77 6]、およびtacプロモーター等のハイブリッドプロモーター[deBoer ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:21−25(19 83)]が挙げられる。しかし、他の公知の細菌プロモーターが適当である。そ れらの塩基配列が発表されているので、当業者は、必要とされる制限部位を提供 するリンカーまたはアダプターを用いて、HVEMをコードするDNAに該ヌク レオチド塩基を作動可能に連結することができる[Siebenlistら,C ell,20:269(1980)]。細菌システムに使用されるプロモーターは HVEMをコードするDNAに作動可能に連結したシャイン−ダルガルノ(S. D.)配列も有しよう。 真核生物についてのプロモーター配列は知られている。事実上すべての真核生 物遺伝子は、転写が開始する部位から約25〜30塩基上流に配置されてい るATに富む領域を有する。多くの遺伝子の転写開始から70〜80塩基上流に 見られるもう一つの配列は、XがどのヌクレオチドであってもよいCXCAAT 領域である。ほとんどの真核遺伝子の3’には、コード配列の3’末端へのポリ Aテイルの付加のためのシグナルであろうAATAAA配列がある。これらすべ ての配列は真核発現ベクターに適切に挿入される。 酵母宿主に使用される適当なプロモーター配列の具体例としては、3−ホスホ グリセレートキナーゼ用プロモーター[Hitzemanら,J.Biol.C hem.,255:2073(1980)]、または他の糖分解酵素[Hessら, J.Adv.Enzyme Reg.,7:149(1968);Holland, Biochemistry,17:4900(1978)]、例えば、エノラーゼ 、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、 ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−ホ スフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキナー ゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、お よびグルコキナーゼのためのプロモーターが挙げられる。 成長条件により調節される転写の付加的な利点を有する誘導性プロモーターで ある他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロム C、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連した分解酵素、メタロチオネイン、グ リセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、およびマルトースおよ びガラクトース利用に関与する酵素のプロモーター領域である。酵母発現に使用 される適当なベクターおよびプロモーターはEP73,657にさらに記載され ている。酵母エンハンサーも酵母プロモーターとともに有利に利用される。 哺乳類宿主細胞におけるベクターからのHVEM転写は、プロモーターが宿主 細胞系に適合する限り、異種哺乳類プロモーター(例えばアクチンプロモーター または免疫グロブリンプロモーター)、熱ショックプロモーター、およびHVE M配列に通常関連したプロモーターに由来するポリオーマウイルス、フォールポ ックスウイルス(1989年7月5日公開のUK2,211,504)、アデノウ イルス(例えばアデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉 腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび 最も適切にはサルウイルス40(SV40)等のウイルスのゲノムから得られた プロモーターにより調節される。 SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製 起源も含有するSV40制限断片として簡便に得られる[Fiersら,Nat ure,273:113(1978);MulliganとBerg,Scien ce,209:1422−1427(1980);Pavlakisら,Proc .Natl.Acad.Sci.USA,78:7398−7402(1981) ]。ヒトサイトメガロウイルスの中間初期プロモーターは、HindIIIE制 限断片として簡便に得られる[Greenawayら,Gene,18:355 −360(1982)]。ウシパピローマウイルスをベクターとして用いる哺乳類 宿主でDNAを発現する系は米国特許第4,419,446号に開示されている 。この系の改良が米国特許第4,601,978号に記載されている[サル細胞 において免疫インターフェロンをコードするcDNAの発現に関して、Gray ら,Nature,295:503−508(1982);単純ヘルペスウイルス に由来するチミジンキナーゼプロモーターの制御下のマウス細胞におけるヒトβ −インターフェロンcDNAの発現に関して、Reyesら,Nature,2 97:598−601(1982);培養マウスおよびウサギ細胞におけるヒトイ ンターフェロンβ1遺伝子の発現に関して、CanaaniとBerg,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 79:5166−5170(1982 );およびCV−1サル腎臓細胞、ニワトリ胎児繊維芽細胞、チャイニーズハム スター卵巣細胞、HeLa細胞、およびマウスNIH−3T3細胞において、ラ ウス肉腫ウイルス長末端リピートをプロモーターとして用いた細菌CAT配列の 発現に関して、Gormanら,Proc.Natl.Acad.Sci.US A,79:6777−6781(1982)も参照されたい]。 (v)エンハンサーエレメントコンポーネント 高等真核生物により本発明のHVEMをコードするDNAの転写は、エンハン サー配列をベクターに挿入することにより高めてもよい。エンハンサーはプ ロモーターに作用してその転写を高める通常約10〜300bpのDNAのci s作用エレメントである。エンハンサーは向きと位置について比較的に独立して おり、イントロン内[Banerjiら,Cell,33:729(1983)] ならびにコード配列それ自体内[Osborneら,Mol.Cell Bio. ,4:1293(1984)]で、転写ユニットに対して5’[Laiminsら ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:993(1981)] および3’[Luskyら,Mol.Cell Bio.,3:1108(198 3)]にて発見されている。哺乳類遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミ ン、α−フェトプロテイン、およびインスリン)からの多くのエンハンサー配列 が現在知られている。しかし、典型的には、真核細胞ウイルスに由来するエンハ ンサーを利用する。具体例として、複製起源(bp100〜270)の後期側面 上のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサ ー、複製起源の後期側面上のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエ ンハンサーが挙げられる。真核プロモーターの活性化のための増強エレメントに ついては、Yaniv,Nature,297:17−18(1982)を参照 されたい。エンハンサーはHVEMをコードする領域に対して5’または3’の 位置でベクター中にスプライスしてもよいが、好ましくはプロモーターから5’ の部位に置かれる。 (vi)転写終止コンポーネント 真核宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細胞生物 からの有核細胞)に用いられる発現ベクターは転写の終止またはmRNAを安定 化するために必要な配列も有する。そうした配列は、真核またはウイルスDNA またはcDNAの5’および時には3’の非翻訳領域から通常利用できる。これ らの領域は、HVEMをコードするmRNAの非翻訳部分においてポリアデニル 化断片として転写されたヌクレオチドセグメントを有する。 (vii)ベクターの構築と分析 一つ以上の上に列挙したコンポーネントを有する好適なベクターの構築は、標 準的な連結技術を用いる。単離されたプラスミドまたはDNAフラグメントを切 断し、目的に適合させ、所望の形で再連結して必要とされるプラスミドを 作る。 構築されたプラスミド中における正確な配列を確認する分析のために、連結混 合物を大腸菌K12株294(ATCC31,446)を用いて形質転換でき、 成功した形質転換体を、必要ならばアンピシリンまたはテトラサイクリン耐性に よって選択する。該形質転換体からのプラスミドを調製し、制限酵素消化により 分析し、および/またはMessingらの方法(Nucleic Acids Res.,9:309(1981))またはMaxamらの方法(Methods in Enzymology,65:499(1980))によりその配列を決定 する。 (viii)過渡的発現ベクター 哺乳類細胞でHVEMをコードするDNAの過渡的発現を提供する発現ベクタ ーを用いてよい。一般的に、過渡的発現は、宿主細胞が発現ベクターの多くのコ ピーを蓄積し、次に発現ベクターによってコードされる高いレベルの所望のポリ ペプチドを合成するように、宿主細胞で効率的に複製することのできる発現ベク ターを利用する[上記のSambrookら]。適当な発現ベクターおよび宿主細 胞からなる過渡的発現系は、クローニングされたDNAによってコードされるポ リペプチドの簡便な陽性同定を可能とし、またそうしたポリペプチドの所望の生 物学的または生理学的性質に関する迅速なスクリーニングを可能とする。よって 、過渡的発現系はHVEM変異体を同定する目的のために本発明で特に有用であ る。 (ix)適当な例示的脊椎動物細胞ベクター 組換え脊椎動物細胞培養でのHVEMの合成に適合させるために適する他の方 法、ベクターおよび宿主細胞は、Gethingら(Nature,293:6 20−625(1981))、Nanteiら(Nature,281:40−46 (1979))、EP117,060およびEP117,058に記載されている 。 3.宿主細胞の選択と形質転換 ここにおけるベクターでのDNAのクローニングまたは発現に適する宿主細胞 は前記の前核生物、酵母、または高等真核生物細胞である。この目的のため に好適な原核生物は、例えば、グラム陰性またはグラム陽性生物等の真性細菌、 例えば、エシェリチア等の腸内細菌科、例えば大腸菌、エンテロバクター、エル ウィニア(Erwinia)、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネ ズミチフス菌、セラチア属、例えばセラチア・マルセスキャンスおよび赤痢菌属 、例えば枯草菌およびバシリ・リチェニフォルミス(例えば1989年4月12 日に公開されたDD266,710に開示されたバシリ・リチェニフォルミス4 1P)等のバシラス属、緑膿菌等のシュードモナス属およびストレプトマイセス 属が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、宿主細胞は最少量のタ ンパク質分解酵素を分泌しなければならない。 原核生物に加えて、真核微生物、例えば糸状菌または酵母が、HVEMをコー ドするベクターに適するクローニングまたは発現宿主である。サッカロミセス・ セレヴィシア、すなわち一般的なパン酵母は下等真核宿主微生物中で最も一般的 に使用されている。しかし、多数の他の属、種および株が通常利用可能であり、 ここで有用である。 グリコシル化HVEMの発現のために適当な宿主細胞は多細胞生物から得られ る。そのような宿主細胞は複雑なプロセシングおよびグリコシル化活性が可能で ある。原理的には、脊椎動物であろうと無脊椎動物であろうと、任意の高等真核 細胞培養が使用可能である。無脊椎動物細胞の例としては植物細胞と昆虫細胞が 挙げられる。様々なバキュロウイルス株と変異体および対応する任意の昆虫宿主 細胞、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(毛虫)、アエデス・アエジプティ(蚊) 、アエデス・アルボピクトゥス(蚊)、ドゥロソフィラ・メラノガスター(ショウ ジョウバエ)、およびボンビクス・モリ等の宿主からの細胞が特定されている[例 えば、Luckowら,Bio/Technology,6:47−55(19 88);Millerら,Genetic Engineering,Setlo wら編,Vol.8(Plenum Publishing,1986),pp. 277−279;およびMaedaら,Nature,315:592−594 (1985)を参照]。トランスフェクションのために種々のウイルス株、例え ばオートグラファ・カリフォルニカNPVのL−1変異体およびボンビクス・モ リNPVのBm−5株が広く利用できる。 綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマトおよびタバコの植 物細胞培養物が宿主として利用できる。典型的には、植物細胞が細菌アグロバク テリウム・トゥメファシエンスのある種の株とのインキュベーションによりトラ ンスフェクトされる。A.トゥメファシエンスとの植物細胞培養物のインキュベ ーション中、HVEMをコードするDNAはそれがトランスフェクトされるよう に植物細胞宿主に移され、適当な条件下でHVEMをコードするDNAを発現す る。さらに、ノパリンシンターゼプロモーターおよびポリアデニル化シグナル配 列等、植物細胞に適合性のある調節およびシグナル配列が利用可能である[De pickerら,J.Mol.Appl.Gen.,1:561(1982)]。さ らに、T−DNA780遺伝子の上流領域から単離されたDNAセグメントは、 組換えDNAを有する植物組織において植物の発現可能な遺伝子の転写レベルを 活性化または高めることができる[1989年6月21日公開のEP321,1 96]。 培養(組織培養)での脊椎動物細胞の増殖も当分野でよく知られている[例え ば、Tissue Culture,Academic Press,Krus eとPatterson,編者(1973)を参照]。有用な哺乳類宿主細胞系 の具体例は、SV40により形質転換したサル腎臓CV1系(COS−7、AT CC CRL 1651);ヒト胚腎臓系(293または懸濁培養での生育のために サブクローニングした293細胞、Grahamら,J.Gen Virol., 36:59(1977));ハムスター乳児腎細胞(BHK、ATCC CCL 10 );チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO,UrlaubとCh asin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216( 1980));マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Repr od.,23:243−251(1980));サル腎細胞(CV1 ATCC CC L 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76、ATCC CRL−15 87);ヒト子宮頚癌細胞(HELA、ATCC CCL2);イヌ腎細胞(MDC K、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATC C CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝 細胞(Hep G2、HB 8065);マウス 乳房腫瘍細胞(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Ma therら,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44−68( 1982));MRC5細胞;およびFS4細胞である。 宿主細胞を、HVEM生産のために上記の発現ベクターまたはクローニングベ クターでトランスフェクションし、好ましくは形質転換し、プロモーターを誘導 し、形質転換体を選択し、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅するため に適切に改良された慣用的栄養培地にて該細胞を培養する。 トランスフェクションとは、いかなるコード配列が実際に発現されているかど うかにかかわらず宿主細胞により発現ベクターが取り込まれることを意味する。 トランスフェクションの多くの方法が当業者に知られており、例えばCaPO4 法およびエレクトロポレーションがある。成功したトランスフェクションは、こ のベクターの作用の徴候が宿主細胞内で起こるときに通常認識される。 形質転換は、DNAが染色外要素として、または染色体要素により複製できる ように該DNAを生物に導入することを意味する。使用される宿主細胞に応じて 、そうした細胞に適した標準的技術を用いて形質転換は行われる。上記のSam brookらにより記載されているような塩化カルシウムを用いるカルシウム処 理またはエレクトロポレーションは、原核生物または実質的な細胞壁バリヤーを 有する他の細胞に対して一般的に使用される。アグロバクテリウム・トゥメファ シエンスによる感染が、Shawら(Gene,23:315(1983))およ び1989年6月29日公開のWO89/05859に記載されているように、 ある種の植物細胞の形質転換に用いられる。さらに、植物は、1991年1月1 0日公開のWO91/00358に記載されたように、超音波処理を用いて形質 転換してよい。 そのような細胞壁を持たない哺乳類細胞について、Grahamとvan d er Eb(Virology,52:456−457(1978))のリン酸カ ルシウム沈殿法が望ましい。哺乳類細胞宿主系形質転換の一般的な特徴は米国特 許第4,399,216号に記載されている。酵母の形質転換は、典型的には、 Van Solingenら(J.Bact.,130:946(1977))およ びHsiaoら(Proc.Natl.Acad.Sci.(US A),76:3829(1979))の方法にしたがって実施される。しかし、核 マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞との細菌プロ トプラスト融合、またはポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等の 他の方法によるDNAの細胞への導入も利用できる。哺乳類細胞を形質転換する ための様々な技術に関しては、Keownら,Methods in Enzym ology,185:527−537(1990)およびMansourら,N ature,336:348−352(1988)を参照されたい。 4.宿主細胞の培養 HVEMを生産するために用いられる原核細胞を上記のSambrookらに より一般的に記載されたような適当な培地で培養してよい。 HVEMを生産するために用いられる哺乳類宿主細胞は様々な培地で培養して よい。市販の培地の例としてはHamのF10(Sigma)、最小必須培地(「M EM」、Sigma)、RPMI−1640(Sigma)、およびダルベッコの改 良イーグル培地(「DMEM」、Sigma)が挙げられる。そうしたいかなる培 地も必要に応じてホルモンおよび/または他の成長因子(例えば、インスリン、 トランスフェリン、または表皮成長因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシ ウム、マグネシウム、およびリン酸塩)、緩衝液(例えば、HEPES)、ヌクレ オシド(例えば、アデノシンおよびチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシ ン(登録商標)薬)、微量元素(通常、マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無 機化合物と定義される)、およびグルコースまたはそれと等価なエネルギー源を 補ってもよい。他のいかなる必要な補充物も当業者に公知の適当な濃度で含有し てもよい。温度、pH等の培養条件は発現のために選択された宿主細胞で従来か ら用いられたものであり、当業者には明らかであろう。 一般的に、哺乳類細胞培養物の生産性を最大化するための原理、方法および実 用技術は、Mammalian Cell Biotechnology:a P ractical Approach,M.Butler編(IRL Press ,1991)に見ることができる。 本開示でいう宿主細胞とは、培養物中ならびに宿主動物内の細胞を包含する。 5.遺伝子増幅/発現の検出 試料中の遺伝子増幅および/または発現は、例えば、mRNAの転写を定量す る常套的なサザンブロット、ノーザンブロット[Thomas,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA,77:5201−5205(1980)]、ド ットブロット(DNA分析)、またはインサイツ・ハイブリダイゼーションにより 、ここで提供される配列に基づく適当に標識されたプローブを用いて試料中で直 接に測定してよい。様々な標識を用いてよく、ごく普通にはラジオアイソトープ 、特に32Pを用いる。しかし、ポリヌクレオチドに導入するためのビオチン修飾 ヌクレオチドの利用等の他の技術を用いてもよい。次に、ビオチンは、ラジオヌ クレオチド、蛍光体または酵素等の様々な標識で標識してもよいアビジンまたは 抗体に結合させるための部位として働く。もしくは、DNA二本鎖、RNA二本 鎖、およびDNA−RNAハイブリッド二本鎖またはDNA−タンパク質二本鎖 等の特定の二本鎖を認識できる抗体を用いてよい。次に、該抗体を標識してよく 、二本鎖が表面に結合している場合にアッセイを実施して該表面上の二本鎖の形 成の際に、二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。 もしくは、遺伝子発現は、遺伝子産物の発現を直接に定量するために、細胞の 免疫組織化学的染色または組織切片および細胞培養物または体液のアッセイ等の 免疫学的方法により測定してもよい。免疫組織化学的染色技術により、細胞試料 を典型的には脱水および固定化により調製した後、結合した遺伝子産物に対して 特異的な標識抗体に反応させ、標識を通常、酵素標識、蛍光標識、または発光標 識等の標識により目視により確認可能とする。 免疫組織化学染色および/または試料液体のアッセイに有用な抗体はモノクロ ーナルまたはポリクローナルのいずれでもよく、いかなる哺乳類においても調製 できる。簡便には、抗体は、未変性配列HVEMポリペプチドに対して、または ここで提供されるDNA配列に基づく合成ペプチドに対して、またはHVEMD NAに融合させ、特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製し てよい。 6.HVEMポリペプチドの精製 HVEMは培養培地または宿主細胞溶解物から回収してよい。HVEMが膜結 合性である場合、それを、適当な洗浄剤溶液(例えばTriton−X100) を用いて膜から放出するか、またはその細胞外領域を酵素的切断により放出でき る。 HVEMがヒト起源細胞以外の組換え細胞で作られる場合、HVEMはヒト起 源のタンパク質またはポリペプチドを含有しない。しかし、HVEMに関して実 質的に均一である調製物を得るために、組換え細胞タンパク質またはポリペプチ ドからHVEMを精製することが望ましいだろう。第一工程として、培養培地ま たは溶解物を遠心して顆粒細胞デブリスを除去してよい。HVEMはその後、適 当な精製方法であるイオン交換カラムによる分画、エタノール沈殿、逆相HPL C、シリカ、またはDEAE等の陽イオン交換樹脂によるクロマトグラフィー、 クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、硫安沈殿、例えばセファデックス G−75を用いるゲルろ過、IgG等の夾雑物を除去するためのプロテインAセ ファロースの操作により夾雑する可溶性タンパク質およびポリペプチドから精製 する。 残基が欠失、挿入または置換されたHVEM変異体は、変異により引き起こさ れる性質の実質的な変化を考慮して、未変性の配列HVEMと同じように回収す ることができる。例えば、別のタンパク質またはポリペプチド、例えば細菌また はウイルス抗原、免疫グロブリン配列、またはレセプター配列とのHVEMの融 合物の調製により精製が容易となろう;当該配列に対する抗体を有するイムノア フィニティーカラムを用いて融合ポリペプチドを吸着することができる。他の種 類のアフィニティーマトリックスを用いることもできる。 塩化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)等のプロテアーゼインヒビター は精製中のタンパク質分解を阻害するのに有用であろうし、抗生物質は外来夾雑 物細胞の増殖を妨げるために導入してもよい。当業者であれば、未変性配列HV EMに適する精製方法が、組換え細胞培養での発現の際に、HVEMまたはその 変異体の特性の変化の原因となる修飾を必要とすることもあることを理解するで あろう。 7.HVEMポリペプチドの共有修飾 HVEMの共有修飾は本発明の範囲内にある。HVEMの選択された側鎖また はN末端もしくはC末端残基と反応可能な有機誘導体化剤にHVEMの標的アミ ノ酸残基を反応させることにより、一つのタイプのHVEMの共有修飾を分子中 に導入する。 二官能剤による誘導体化は、抗HVEM抗体(またはその逆)を精製するため の方法に用いられる水不溶性の支持体マトリックスまたは表面にHVEMを架橋 するために有用である。一つ以上の二官能剤による誘導体化も、HVEM分子を 架橋してHVEM二量体を作るために有用であろう。そのような二量体は結合強 度を高め、分子のインビボでの半減期を延長させよう。通常使用される架橋剤と しては、例えば1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタ ルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシニミドエステル、例えば、4−アジドサリ チル酸とのエステル、3,3’−ジチオビス(スクシニミジルプロピオネート) 等のジスクシニミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、およびビス −N−マレイミド−1,8−オクタン等の二官能性マレイミドが挙げられる。メ チル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデート等の誘導化剤は 、光の存在下に架橋を形成することのできる光活性化可能な中間体を生じる。も しくは、臭化シアノゲン活性化炭水化物等の反応性の水溶性マトリックスおよび 米国特許第3,969,287号、同第3,691,016号、同第4,195 ,128号、同第4,247,642号、同第4,229,537号および同第 4,330,440号をタンパク質固定化のために用いることができる。 他の修飾としては、グルタミルおよびアスパルチル残基のそれぞれ対応するグ ルタミニルおよびアスパラギニル残基への脱アミノ化、プロリンおよびリシンの ヒドロキシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リ シン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化[T.E. Creighton,Proteins:Structure and Mole cular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp. 79−86(1983)]、N末端 アミンのアセチル化、およびC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。修 飾形のこれら残基は本発明の範囲内に入る。 本発明の範囲内に含まれるHVEMポリペプチドのもう一つのタイプの共有修 飾はポリペプチドの未変性グリコシル化パターンを変えることによる。「未変性 グリコシル化パターンを変える」とは、ここでの目的のために、未変性配列HV EMに見られる一つ以上の炭水化物部分の欠失、および/または未変性配列HV EMに存在しない一つ以上のグリコシル化部位の付加を意味する。 ポリペプチドのグリコシル化は典型的にはN結合またはO結合による。N結合 とはアスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を意味する。トリペプチド 配列であるアスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニン(式 中、Xはプロリン以外のアミノ酸である)はアスパラギン側鎖への炭水化物部分 の酵素的結合のための認識配列である。よって、ポリペプチド中のこれらのトリ ペプチド配列のいずれかの存在は潜在的なグリコシル化部位を作る。O結合グリ コシル化とは、ヒドロキシルアミノ酸、最も普通にはセリンまたはスレオニンに 対する糖のN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのい ずれか一つの結合を意味するが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシ リシンを用いてもよい。 グリコシル化部位のHVEMポリペプチドへの結合は、それが一つ以上の上記 の(N結合グルコシル化部位のための)トリペプチド配列を有するようにアミノ 酸配列を変更することにより達成してよい。この変更は(O結合グリコシル化部 位のための)未変性配列HVEMに対して一つ以上のセリンまたはスレオニン残 基の付加または置換によって行ってもよい。特に、所望のアミノ酸に翻訳される ようなコドンが作られるように、あらかじめ選択された塩基においてHVEMポ リペプチドをコードするDNAを変異することによるDNAレベルでの変更によ ってHVEMアミノ酸配列を任意に変更してもよい。(複数の)DNA変異は上 記に記載の方法および上記の米国特許第5,364,934号に記載の方法を用 いて行ってよい。 HVEMポリペプチド上の炭水化物部分の数を増やすもう一つの手段は、ポリ ペプチドへのグリコシドの化学的または酵素的結合による。使用される結合 態様にしたがって、糖を、(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)遊離のカ ルボキシル基、(c)遊離のフルヒドリル基、例えばシステインのもの、(d) 遊離のヒドロキシル基、例えばセリン、スレオニン、またはヒドロキシプロリン のもの、(e)芳香性残基、例えばフェニルアラニン、チロシン、またはトリプ トファンのもの、または(f)グルタミンのアミド基に結合してもよい。これら の方法は1987年9月11公開のWO87/05330およびAplinとW riston(CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259−3 06(1981))に記載されている。 HVEMポリペプチドに存在する炭水化物部分の除去は化学的または酵素的に よるか、またはグリコシル化の標的として働くアミノ酸残基をコードするコドン の変異置換により達成してよい。例えば、ポリペプチドをトリフルオロメタンス ルホン酸化合物またはそれに等しい化合物にさらすことによる化学的脱グリコシ ル化は、結合糖(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン )以外のほとんどのまたは全ての糖の切断をもたらすことができる一方で、該ポ リペプチドはそのままにしておく。化学的脱グリコシル化は、Hakimudd inら(Arch.Biochem.Biophys.,259:52(198 7)およびEdgeら(Anal.Biochem.,118:131(1981 ))により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、T hotakuraら(Meth.Enzymol.,138:350(1987) )により記載されたような様々なエンドグリコシダーゼおよびエクソグリコシダ ーゼを用いて行うことができる。 潜在的なグリコシル化部位のグリコシル化は、Duksinら(J.Biol .Chem.,257:3105(1982))により記載されたようなツニカマ イシン化合物の利用により妨げてもよい。ツニカマイシンはタンパク質−N−グ リコシド結合の形成をブロックする。 HVEMのもう一つの共有修飾は、様々な非タンパク質性ポリマー(例えば、 ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリアルキレン) にHVEMポリペプチドを、米国特許第4,640,835号、同第4,496 ,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、 同第4,791,192号または同第4,179,337号に記載の方法で結合 することによる。 8.HVEMキメラ さらに、本発明は、HVEMを別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融 合せしめてなるキメラ分子を提供する。 一実施態様において、キメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合できるエピト ープを提供するタグポリペプチドとのHVEMの融合物からなる。このエピトー プタグはHVEMのアミノ末端またはカルボキシル末端に通常置かれている。そ のようなエピトープタグ化した形のHVEMの存在はタグポリペプチドに対する 抗体を用いて検出することができる。また、エピトープの提供により、エピトー プタグに結合する抗タグ抗体または別のタイプのアフィニティーマトリックスを 用いるアフィニティー精製によりHVEMを容易に精製することができる。 様々なタグポリペプチドおよびそれらの各抗体が当分野においてよく知られて いる。具体例としては、流感HAタグポリペプチドおよびその抗体12CA5[ Fieldら,Mol.Cell.Biol.,8:2159−2165(198 8)];c−mycタグおよびそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B 7および9E10抗体[Evanら,Molecular and Cellul ar Blology,5:3610−3616(1985)];および単純ヘルペ スウイルス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体[Paborskyら, Protein Engineering,3(6):547−553(1990) ]が挙げられる。他のタグポリペプチドとしては、フラグペプチド[Hoppら ,BioTechnology,6:1204−1210(1988)];KT3 エピトープペプチド[Martinら,Science,255:192−19 4(1992)];α−チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら,J. Biol.Chem.,266:15163−15166(1991)];および T7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz−Freyermuthら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393−6397( 1990)]が挙げられる。タグポリペプチ ドを一度選択したら、それに対する抗体はここに記載の技術を用いて作ることが できる。 一般的に、エピトープタグ化HVEMは上記の方法にしたがって構築、生産し てよい。HVEMタグポリペプチド融合物は、好ましくはHVEM部分をコード するcDNA配列をフレーム内でタグポリペプチドDNA配列に融合させて、こ の得られたDNA融合構築物を適当な宿主細胞で発現させることにより構築する 。通常、本発明のHVEMタグポリペプチドキメラを調製する場合、HVEMを コードする核酸は、タグポリペプチドのN末端をコードする核酸にその3’末端 で融合させるが、5’融合物も可能である。例えば、約5〜約10個のヒスチジ ン残基からなるポリヒスチジン配列はN末端またはC末端で融合させてアフィニ ティークロマトグラフィーでの精製材料として用いてよい。 エピトープタグ化HVEMは抗タグ抗体を用いるアフィニティークロマトグラ フィーにより精製することができる。アフィニティー抗体が結合したマトリック スとしては、例えばアガロース、調整孔ガラスまたはポリ(スチレンビニル)ベ ンゼンが挙げられる。次に、エピトープタグ化HVEMはアフィニティーカラム から当分野で公知の技術を用いて溶出することができる。 もう一つの実施態様において、キメラ分子はHVEMポリペプチドを免疫グロ ブリン配列に融合させてなる。キメラ分子は、未変性HVEMの細胞外領域配列 等のHVEMの特定の領域配列を免疫グロブリン配列に融合させてなってもよい 。これには、一量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体、特にホモ二量体またはヘ テロ二量体、または四量体形のキメラが挙げられる;任意に、該キメラは二量体 またはホモ二量体重鎖の形にあってよい。一般的に、これらの組み合わされた免 疫グロブリンは以下の図に示される公知の単位構造を有しよう。 基本的な四本鎖構造単位は、IgG、IgDおよびIgEが存在する形である 。四本鎖単位は高分子量免疫グロブリン中で繰り返されている;IgMは通常ジ スルフィド結合でともに保持された基本的な四本鎖単位の5量体として存在する 。IgAグロブリン、およびしばしばIgGグロブリンは血清中で多量体の形で も存在しよう。多量体の場合、各四本鎖単位は同一または異なってよい。 以下の図はいくつかの例示的な単量体、ホモ−およびヘテロ二量体およびホモ −およびヘテロ多量体構造を示している。これらの図は単に例示的なものであり 、多量体の鎖は未変性免疫グロブリンと同じようにジスルフィド結合していると 考えられている。 単量体: ホモ二量体: ヘテロ二量体: ホモ四量体:ヘテロ四量体: および 前の図において、「A」は、HVEM配列、または異種配列に融合させたHV EM配列を意味し;Xは付加剤であり、Aと同一または異なり、在来またはキメ ラ免疫グロブリン可変領域を含めた可変領域または可変領域様領域等の免疫グロ ブリンスーパーファミリーメンバーの一部、シュードモナスエキソトキシンまた はリシン等の毒素、または他のサイトカイン(すなわち、IL−1、インターフ ェロン−γ)または細胞表面分子(すなわち、NGFR、CD40、OX40、 Fas抗原、ショープポックスウィルスおよび粘液腫ポックスウィルスのT2タ ンパク質)、または定常領域に通常は関連しないポリペプチド治療剤であり;Y はリンカーまたはもう一つのレセプター配列であり;およびVL、VH、CLおよ びCHは免疫グロブリンの軽鎖または重鎖の可変または定常領域を表す。HVE M配列の少なくとも一つのCRDを「A」とし、CRDの繰返 しパターンを有する別の細胞表面タンパク質(TNFR等)を「X」として有す る構造が具体的に包含される。 上記の図は、本発明のキメラの可能な構造の単なる例示であり、すべての可能 性を包含しているものではないことが理解されよう。例えば、これらの構築物の いずれかにおいて、望ましくは幾つかの異なる「A」、「X」または「Y」が存在 しよう。また、重鎖または軽鎖の定常領域は同一または異なる免疫グロブリンに 由来するものであってよい。示された類似の構造のすべての可能な組合わせがす べてここでの発明の範囲内にある。 一般的に、キメラ分子は、ある種の抗体の可変領域が別の種の可変領域のかわ りに置換されているキメラ抗体に類似の方法で構築できる。例えば、EP012 5023;EP173,494;Munro,Nature,312:597( 1984年12月13日);Neubergerら,Nature,312:6 04−608(1984年12月13日);Sharonら,Nature,30 9:364−367(1984年5月24日);Morrisonら,Proc. Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984); Morrisonら,Science,229:1202−1207(1985) ;Boulianneら,Nature,312:643−646(1984年 12月13日);Caponら,Nature,337:525−531(198 9);Trauneckerら,Nature,339:68−70(1989 )を参照されたい。 もしくは、キメラ分子は下記のようにして構築されてもよい。HVEMおよび /またはTNFR配列等の所望の配列をコードする領域を含むDNAが、免疫グ ロブリン様領域をコードするDNAの3’末端またはその近傍で、およびHVE MまたはTNFRポリペプチドのN末端をコードするDNAまたはその近傍で( 異なるリーダーの利用が意図される場合)またはTNFRのN末端コード領域ま たはその近傍で(未変性のシグナルが用いられる場合)、制限酵素により切断され る。次に、このDNA断片を免疫グロブリンの軽鎖または重鎖定常領域をコード するDNAの近傍に容易に挿入し、必要であれば、得られた構築物を欠失変異に より目的に適合させる。好ましくは、キメラ分子がヒトのた めのインビボ治療を意図する場合に該Igはヒト免疫グロブリンである。免疫グ ロブリンの軽鎖または重鎖の定常領域をコードするDNAは公知であるか、また はcDNAライブラリーから容易に利用できるか、合成される。例えば、Ada msら,Biochemistry,19:2711−2719(1980);G oughら,Biochemistry,19:2702−2710(1980) ;Dolbyら,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,77:6 027−6031(1980);Riceら,Proc.Natl.Acad.S ci.,79:7862−7865(1982);Falknerら,Natur e,298:286−288(1982);およびMorrisonら,Ann. Rev.Immunol.,2:239−256(1984)を参照されたい。 そのような融合物をどのようにして作るかに関してのさらなる詳細はイムノア ドヘシンの調製に関する文献に見られる。一般的にはイムノアドヘシンおよび具 体的にはCD4−Ig融合分子が1989年4月6日公開のWO89/0292 2に開示されている。CD4の細胞外部分、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に 対するレセプターを有し、IgG重鎖定常領域に連結された分子は当分野で知ら れており、CD4の可溶性細胞外部分よりも顕著な長い半減期と低いクリアラン スを有することがわかっている[上記のCaponら;Byrnら,Natur e,344:667(1990)]。特定のキメラTNFR−IgG分子の構築も Ashkenaziら(Proc.Natl.Acad.Sci.,88:105 35−10539(1991))、Lesslauerら[J.Cell.Bioc hem.,Supplment 15F,1991,p.115(P432)]、お よびPeppelとBeutler(J.Cell.Biochem.Supp lement 15F,1991,p.118(P439)])に記載されている。 B.HVEMの利用 HVEMをコードする核酸配列は組織特異的タイピングの診断剤として用いて よい。例えば、インサイツ・ハイブリダイゼーション、ノーザンおよびサザンブ ロット等の操作およびPCR分析を用いて、HVEMをコードするDNA および/またはRNAが評価される細胞タイプに存在するかどうかを決定してよ い。HVEM核酸はここに記載される組換え技術によるHVEMの調製に有用で もあろう。 単離されたHVEMは定量用診断アッセイにコントロールとして用いて、未知 量のHVEMを含有する試料を該コントロールに対して調製してよい。HVEM 調製物は抗体を作る際に、(例えば、ラジオイムノアッセイ、ラジオレセプター アッセイ、または酵素結合イムノアッセイにおける標準として利用するためにH VEMを標識することにより)HVEMのアッセイでの標準として、アフィニテ ィー技術において、および例えば放射性ヨウ素、酵素、または蛍光物質で標識さ れた場合に競合タイプのレセプター結合アッセイにおいても有用である。 上記のHVEM−IgGキメラ分子(イムノアデシン類)等の修飾形のHVE Mは抗HVEM抗体を作成する際の免疫原として用いることができる。そのよう な修飾形のHVEMはHSV感染および/またはHVEMの未変性リガンドの阻 害物質として用いてもよい。 HVEMまたはその修飾形をコードする核酸はトランスジェニック動物または 「ノックアウト」動物のいずれかを作るためにも用いることができ、これらの動 物は治療に有用な試薬の開発およびスクリーニングに有用である。トランスジェ ニック動物(例えば、マウスまたはラット)はトランスジーンを有する細胞を持 つ動物であり、該トランスジーンは動物または該動物の生まれる前の先祖に、例 えば胚の段階で導入されたものである。トランスジーンは、ゲノムDNAまたは トランスジェニック動物を発達させることのできる細胞に統合させたDNAであ る。一実施態様において、HVEMをコードするcDNAおよびその適当な配列 は、HVEMをコードする染色体DNAを、確立された技術にしたがってクロー ニングするために用いることができ、そのゲノムDNAは、HVEMをコードす るDNAを発現する細胞を有するトランスジェニックを作るために用いることが できる。トランスジェニック動物、特にマウスまたはラット等の動物を作る方法 は当分野で慣用的になっており、例えば米国特許第4,736,866号および 同第4,870,009号に記載されている。典型的 には、特定の細胞が、組織特異的エンハンサーによりHVEMトランスジーン導 入の標的とされるだろう。胚段階で動物の生殖系列に導入されたHVEMをコー ドするトランスジーンのコピーを有するそのような動物は、HVEMをコードす るDNAの増加した発現の効果を調べるために用いることができる。そのような 動物は、例えば、HSV感染に関連した病理学的状態からの保護を付与すると思 われる試薬のための試験動物として用いることができる。本発明のこの特徴に従 えば、動物は試薬で処置され、トランスジーンを有する未処置の動物と比較して 、病理学的状態の発生の減少が病理学的状態の潜在的な治療的介入を示すものと なるだろう。別の実施態様において、HVEMECD等の可溶型のHVEMまた はそうした形の免疫グロブリンキメラを有するトランスジェニック動物を作って 、HVEMのリガンドの長期にわたる中和効果を調べることができよう。そのよ うな動物は、例えばHSVまたは大腸菌のような感染剤による誘発を行って、感 染のしやすさまたはその成果について調べることもできよう。 もしくは、HVEMNをコードする内因性遺伝子と、動物の胚細胞に導入され たHVEMをコードする変更された染色体DNAとの間の相同組換えの結果とし てのHVEMをコードする不完全または変更遺伝子を有するHVEM「ノックア ウト」動物を作るために、HVEMの非ヒト同族体を用いることができる。例え ば、HVEMをコードするcDNAを用いて、確立された技術にしたがって、H VEMをコードする染色体DNAをクローニングすることができる。HVEMを コードする染色体DNAの一部を欠失させるか、もしくは組込みをモニターする ために用いることのできる選択マーカーをコードする遺伝子等の別の遺伝子で該 染色体DNAの一部を置換することができる。典型的には、(5’および3’の 両末端の)側面にある数キロ塩基の不変DNAをベクターに包含させる[相同組 換えベクターの記述に関しては、例えば、ThomasとCapecchi,C ell,51:503(1987)を参照されたい]。ベクターは胚幹細胞系に (例えば、エレクトロポレーションにより)導入され、この導入されたDNAが 内因性DNΛにより相同的に組換えられている細胞を選択する[例えば、Liら ,Cell,69:915(1992)を参照]。 次に、これらの選択された細胞を動物(例えば、マウスまたはラット)の胚盤胞 に注入して集合体キメラを形成する[例えば、BradleyのTeratoc arcinomas and Embryonic Stem Cells:A P ractical Approach,E.J.Robertson編(IRL, Oxford,1987),pp.113−152を参照]。次に、キメラ胚を適 当な擬似妊娠のメス養動物に移植し、胚を妊娠期間終了まで維持して「ノックア ウト」動物を作る。生殖細胞に相同組換えDNAを有する子孫は標準的な技術に より同定して、動物のすべての細胞が相同組換えDNAを有する動物を生ませる ために用いることができる。ノックアウト動物は、例えばある種の病理学的状態 に対する防御能から、およびHVEMポリペプチドがないことによる病理学的状 態の進展から特性付けることができる。 C.抗HVEM抗体の調製 本発明はさらに抗HVEM抗体を提供する。HVEMに対する抗体は以下のよ うに調製してよい。例示的な抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、 ヒト化、二特異的、および異種複合の抗体が挙げられる。 1.ポリクローナル抗体 HVEM抗体はポリクローナル抗体からなってよい。ポリクローナル抗体を作 る方法は当業者に公知である。ポリクローナル抗体は、例えば、免疫化剤および 所望であればアジュバントの一回以上の注射により哺乳類中に作ることができる 。典型的には、免疫化剤および/またはアジュバントは皮下または腹腔内への複 数回の注射により哺乳類に注入されよう。免疫化剤はHVEMポリペプチドまた はその融合タンパク質を含んでよい。適当な免疫化剤の実例はHVEM−IgG 融合タンパク質である。HVEMを細胞表面に発現する細胞を用いてもよい。免 疫化剤を、免疫される哺乳類に免疫原性があると知られているタンパク質に複合 させることも有用であろう。使用できるそのような免疫原性タンパク質の具体例 としては、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロ ブリン、および大豆トリプシンインヒビターが挙げられるが、これらに限定され ない。ミョウバン等の凝集剤を用いて哺乳類の免疫応答を増強してもよい。使用 してよいアジュバントの具体例としては、フロイン トの完全アジュバントおよびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリル脂質 A、合成トレハロースジコリノミコレート)等が挙げられる。免疫化の方法は過 度な実験を必要とせずに当業者により選択されよう。次に、該哺乳類を飼育し、 その血清を抗体力価についてアッセイする。所望であれば、該哺乳類を、抗体力 価が増加またはプラトーに達するまで追加免疫することができる。 2.モノクローナル抗体 もしくは、HVEM抗体はモノクローナル抗体であってよい。モノクローナル 抗体は、上記のKohlerとMilsteinにより記載されたようなハイブ リドーマ法を用いて調製してよい。ハイブリドーマ法において、マウス、ハムス ターまたは他の適当な宿主動物を典型的には(上記のように)免疫化剤で免疫し 、該免疫化剤に特異的に結合する抗体を産生または産生することのできるリンパ 球を誘導する。もしくは、リンパ球をインビトロで免疫してもよい。 免疫化剤は、典型的にはHVEMポリペプチドまたはその融合タンパク質を含 んでよい。適当な免疫化剤の具体例はHVEM−IgG融合タンパク質またはキ メラ分子である。HVEMを細胞表面に発現する細胞を用いてもよい。一般的に 、ヒト起源の細胞が所望とされる場合、末梢血液リンパ球(「PBL」)を用い、 または非ヒト哺乳類ソースが所望とされる場合、脾臓細胞またはリンパ節細胞を 用いる。次に、ポリエチレングリコール等の適当な融合剤を用いて該リンパ球を 不死化細胞系に融合させてハイブリドーマ細胞を作る[Goding,Mono clonal Antibodies:Principles and Prac tice,Academic Press,(1986)pp.59−103]。 不死化細胞系は、通常は、形質転換した哺乳類細胞、特にげっ歯類、ウシおよび ヒト起源のミエローマ細胞である。通常、ラットまたはマウスのミエローマ細胞 系が用いられる。該ハイブリドーマ細胞は、未融合の不死化細胞の成長または生 存を阻害する一種類以上の物質を好ましくは含有する適当な培養培地で培養して よい。例えば、親細胞がヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラ ーゼ(HGPRTまたはHPRT)酵素を欠損している場合、ハイブリドーマの 培養培地は、典型的には、HGPRT欠損細胞の成長を妨げる物質であるヒポキ サンチン、アミノプテリンおよびチミジン(「H AT培地」)を含有するであろう。 好ましい不死化細胞系は効率的に融合するものであり、選択された抗体産生細 胞による安定で高いレベルの抗体の発現を助けるものであり、HAT培地等の培 地に感受性があるものである。さらに好ましい不死化細胞系はマウスミエローマ 系であり、これは例えば米国カリフォルニア州サンジエゴのサルク・インスティ チュート・セル・ディストリビューション・センターおよびメリーランド州ロッ クビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手することがで きる。ヒトミエローマおよびマウス−ヒト異種ミエローマ細胞系もヒトモノクロ ーナル抗体の産生について記載されている[Kozbor,J.Immunol. ,133:3001(1984);Brodeurら,Monoclonal A ntibody Production Techniques and Appl ications,Marcel Dekker,Inc.,New York, (1987)pp.51−63]。 次に、ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地はHVEMに対するモノクロ ーナル抗体の存在についてアッセイすることができる。好ましくは、ハイブリド ーマ細胞により作られたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫析出により、 またはラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合イムノアブソーベントア ッセイ(ELISA)等のインビトロ結合アッセイにより決定される。そのよう な技術およびアッセイは本分野で公知である。例えば、モノクローナル抗体の結 合親和性は、例えば、MunsonとPollardのScatchard分析 (Anal.Biochem.,107:220(1980))により決定するこ とができる。 所望のハイブリドーマが同定された後、クローンを限定希釈法によりサブクロ ーニングし、標準的な方法[上記のGoding]により生育させてもよい。こ の目的のために、適当な培養培地として、例えば、ダルベッコの改良イーグル培 地およびRPMI−1640培地が挙げられる。もしくは、ハイブリドーマ細胞 を哺乳動物において腹水としてインビボで生育させてもよい。 サブクローンにより分泌されるモノクローナル抗体は、慣用的な免疫グロブリ ンの精製法、例えばプロテインA−セファロース、ヒドロキシアパタイトク ロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフ ィーにより培養培地または腹水から単離または精製してよい。 モノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に記載されているよ うな組換えDNA法により作ってもよい。本発明のモノクローナル抗体をコード するDNAは、慣用的方法(例えば、マウス抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝 子に特異的に結合することのできるオリゴヌクレオチドプローブを用いることに より)容易に単離され、配列決定することができる。本発明のハイブリドーマ細 胞はそのようなDNAの好ましいソースとして役立つ。いったん単離されたら、 該DNAを発現ベクターに配置し、次に形質転換されなければ免疫グロブリンタ ンパク質を産生しないCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞 、またはミエローマ細胞に該ベクターをトランスフェクトして、該組換え宿主細 胞においてモノクローナル抗体の合成を達成する。該DNAは、例えば、相同マ ウス配列の代わりにヒトの重鎖と軽鎖の定常領域のコード領域に置換することに より[米国特許第4,816,567号;上記のMorrisonら]または免 疫グロブリンをコードする配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード領域の すべてまたは一部を共有結合させることにより修飾してもよい。そのような非免 疫グロブリンポリペプチドは本発明抗体の定常領域の代わりとして置換できるし 、または本発明抗体の一つの抗原結合部位の可変領域の代わりとして置換してキ メラ二価抗体を作ることができる。 抗体は一価抗体であってよい。一価抗体を調製する方法は当分野でよく知られ ている。例えば、一つの方法は免疫グロブリン軽鎖および修飾重鎖の組換え発現 による。該重鎖は、一般的に、重鎖架橋を妨げるように、Fc領域のすべての点 において端が切り取られている。もしくは、架橋を妨げるように、関連性のある システイン残基を別のアミノ酸残基と置換するか、欠失させる。 インビトロ法も一価抗体の調製に適する。抗体を、その断片、特にFab断片 を作るための消化は当分野において公知の常用の技術を用いて行うことができる 。例えば、消化はパパインを用いて実施することができる。パパイン消化の具体 例は1994年12月22日公開のWO94/29348および米国特許第4, 342,566号に記載されている。抗体のパパイン消化は、典型的 には、Fab抗体と呼ばれ、各断片が単一の抗原結合部位を有する二つの同一の 抗原結合断片と残りのFc断片とを作る。ペプシン処理は、二つの抗原結合部位 を有し、なおも抗原を架橋することのできるF(ab')2断片を作る。 抗体消化により作られるFab断片も軽鎖の定常領域および重鎖の第一定常領 域(CH1)を有する。Fab’断片は、抗体結合領域からの一つ以上のシステ インを含む重鎖CH1領域のカルボキシル末端に数個の残基が付加している点に おいてFab断片とは異なる。Fab’−SHは、定常領域のシステイン残基が 遊離チオール基を持つFab’に与えられたここでの名称である。F(ab')2 抗体断片は元々は一対のFab’断片として作られ、該Fab’断片間にヒンジ システインを有している。抗体断片のほかの化学的結合も知られている。 3.ヒト化抗体 さらに、本発明のHVEM抗体はヒト化抗体またはヒト抗体からなってもよい 。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来す る最小配列を有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片( Fv、Fab、Fab'、F(ab')2または抗原に結合する抗体の他の副配列 )である。ヒト化された抗体としては、受容者の相補決定領域(CDR)からの 残基が、所望の特異性、親和性および容量を有するマウス、ラットまたはウサギ 等の非ヒト種のCDR(ドナー抗体)からの残基によって置換されているヒト免 疫グロブリン(受容者抗体)が挙げられる。ある場合では、ヒト免疫グロブリン のFv枠は対応する非ヒト残基により置換されている。ヒト化抗体は、受容者抗 体にも、導入されたCDRにも枠配列にも見られない残基を有してもよい。一般 的には、ヒト化抗体は、少なくとも一つ(典型的には二つ)の実質的にすべての 可変領域を有し、該可変領域においてすべてのまたは実質的にすべてのCDR領 域は非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、かつすべてのまたは実質的に すべてのFR領域はヒト免疫グロブリン共通配列のFR領域である。ヒト化抗体 は最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒ ト免疫グロブリンの当該部分を有するであろう[Jonesら,Nature, 321:522−525(1986);Re ichmannら,Nature,332:323−329(1988);および Presta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593−59 6(1992)]。 非ヒト抗体をヒト化する方法は当分野においてよく知られている。一般的には 、ヒト化抗体は、一つ以上のアミノ酸残基を非ヒト起源の抗体に導入してなる。 これらの非ヒトアミノ酸残基は、典型的には「輸入」可変領域から取られた「輸 入」残基としばしば呼ばれる。ヒト化は、基本的にはwinterと共同研究者 の方法にしたがって[Jonesら,Nature,321:522−525(1 986);Riechmannら,Nature,332:323−327(19 88);Verhoeyenら,Science,239:1534−1536( 1988)]、ヒト抗体の対応する配列の代わりにげっ歯類のCDRまたはCDR 配列による置換によって実施することができる。したがって、そのような「ヒト 化」抗体はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、ここで完全な ヒト可変領域が、それよりも実質的に小さい範囲において非ヒト種の対応する配 列により置換されている。実用的には、ヒト化抗体は、典型的には、CDR残基 の一部およびおそらくはRF残基の一部がげっ歯類抗体の相同部位からの残基に より置換されているヒト抗体である。 ヒト化抗体を作るために用いられる重鎖および軽鎖の両方のヒト可変領域の選 択は抗原性を減少させるために非常に重要である。「ベストフィット」法に従え ば、げっ歯類抗体の可変性領域の配列は公知のヒト可変領域配列の全ライブラリ ーに対してスクリーニングされる。次に、げっ歯類配列に最も近いヒト配列がヒ ト化抗体用のヒト枠(FR)として受容される[Simsら,J.Immuno l.,151:2296(1993);ChothiaとLest,J.Mol. Biol.,196:901(1987)]。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定の サブグループのすべてのヒト抗体の共通配列に由来する特定の枠を利用する。同 枠は幾つかの異なるヒト化抗体のために用いてよい[Carterら,Proc .Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);Pres taら,J.Immunol.,151:2623(1993)]。 抗原および他の望ましい生物学的性質に対する高い親和性を維持しながら抗体 をヒト化させることもさらに重要である。この目的を達成するために、好ましい 方法にしたがって、親配列とヒト化配列の三次元モデルを用いて、親配列と様々 な概念的ヒト化産物の分析のプロセスによりヒト化抗体を調製する。三次元免疫 グロブリンモデルは通常利用可能で当業者に親しまれている。選択された候補免 疫グロブリン配列の可能性のある三次元立体構造を示し、表示するコンピュータ ープログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、候補免疫グ ロブリン配列の機能における残基の予想される役割を分析でき、すなわち、候補 免疫グロブリンのその抗原への結合能に影響を与える残基が分析できる。このよ うにして、FR残基は共通配列および導入配列から選択され組合わされて、標的 抗原に対する増加親和性等の所望の抗原特性が達成される。一般的には、CDR 残基は直接かつ最も実質的に抗原結合に影響を与えることに関与している[19 94年3月3日公開のWO94/04679を参照]。 免疫後に、内因性免疫グロブリン産生がないままに全供給ヒト抗体を産生する ことのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を用いることができる 。例えば、キメラおよび生殖系変異マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺 伝子のホモ接合欠失は内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されて いる。そのような生殖系変異体マウスにおけるヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子 配列の移入は抗原誘発によりヒト抗原の産生をもたらすだろう[例えば、Jak obovitsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:2 551−255(1993);Jakobovitsら,Nature,362: 255−258(1993);Bruggermannら,Year in Im muno.,7:33(1993)]。ヒト抗体はファージディスプレイライブラリ ーに作ることもできる[HoogenboomとWinter,J.Mol.B iol.,227:381(1991);Marksら,J.Mol.Biol., 222:581(1991)]。ColeらとBoenerらの技術もヒトモノク ローナル抗体の調製のために利用できる(Coleら,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.L iss,p.77(1985)およびBoer merら,J.Immunol.,147(1):86−95(1991)]。 4.二特異的抗体 二特異的抗体はモノクローナルであり、好ましくは、少なくとも二つの異なる 抗原に対して結合特異性を有するヒトまたはヒト化された抗体である。この場合 、結合特異性の一つはHVEMに対するものであり、もう一つは他の抗原、好ま しくは細胞表面タンパク質またはレセプターまたはレセプターサブユニットに対 するものである。 二特異的抗体の製造方法は当分野で公知である。伝統的には、二特異的抗体の 組換え製造は二つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の共発現に基づき、ここで2つ の重鎖は異なる特異性を有する[MillsteinとCuello,Natu re,305:537−539(1983)]。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖のラ ンダムな集まりのために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種類 の異なる抗体分子の潜在的な混合物を産生し、該抗体分子のうちの1種類のみが 正しい二特異的構造を有する。この正しい分子の精製は通常はアフィニティーク ロマトグラフィー工程によりなされる。同様な操作が1993年5月13日に公 開されたWO93/08829およびTrauneckerら(EMBO J., 10:3655−3659(1991))に開示されている。 さらに好ましい別の方法によれば、所望の結合特異性を有する抗体の可変領域 (抗体−抗原結合部位)を免疫グロブリン定常領域配列に融合する。この融合は 、好ましくは少なくともCH2とCH3領域のヒンジを有する免疫グロブリン重 鎖定常領域による。融合物の少なくとも一つに存在する軽鎖結合に必要な部位を 有する第一重鎖定常領域(CH1)を有することが望ましい。免疫グロブリンの 重鎖融合物をコードするDNAおよび所望であれば免疫グロブリン軽鎖をコード するDNAを別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物に共トランスフェク トする。これは、構築に用いられる3ポリペプチド鎖の等しくない比率が最適収 量を提供する実施態様において3ポリペプチド断片の相互比率を調整するために 高い柔軟性を提供する。しかし、少なくとも二つのポリペプチド鎖の等しい比率 での発現が高収量をもたらすか、またはその比率が特に重要性を持たない場合、 二つか、三つのすべてのポリペプチド鎖をコードする 配列を一つの発現ベクターに挿入することができる。この方法の好ましい実施態 様において、二特異的抗体は、一つの腕に第一の結合特異性を有するハイブリッ ド免疫グロブリン重鎖と、別の腕に(第二の結合特異性を提供する)ハイブリッ ド免疫グロブリン重鎖/軽鎖対とからなる。この非対称構造は不要な免疫グロブ リン鎖組合わせからの所望の二特異的化合物の分離を容易にすることが発見され たが、これは二特異的分子のわずかに1/2中の免疫グロブリン軽鎖の存在が分 離の容易な方法を提供するからである。この方法は1994年3月4日公開のW O 94/04690に開示されている。二特異的抗体を作るための更なる詳細 については、例えば、Sureshら(Methods inEnzymolo gy,121:210(1986))を参照されたい。 5.異種複合抗体 異種複合抗体も本発明の範囲内にある。異種複合抗体は二つの共有結合抗体か らなる。そのような抗体は例えば標的免疫システム細胞を不要な細胞に向けるた めに[米国特許第4,676,980号]、およびHIV感染の処置のために[W O91/00360;WO92/200373;EP03089]提案されてい る。抗体は、架橋剤を伴う方法等、合成タンパク質化学において公知の方法を用 いてインビトロで調製してもよいことが意図される。例えば、免疫毒素はジスル ヒド交換反応を用いて、またはチオエーテル結合を形成することにより構築して もよい。この目的のための適当な試薬の具体例としては、イミノチオレートおよ びメチル4−メルカプトブチリミデートおよび例えば米国特許第4,676,9 80号に開示されたものが挙げられる。 D.HVEM抗体の利用 本発明のHVEM抗体は治療的な実用性を有する。例えば、アンタゴニスト抗 体は、NF−κBまたはAP−1誘導から得られるHVEM活性化の潜在的な過 剰炎症または自己免疫効果をブロックするために、またはHSV感染を抑制する ために用いてよい。アゴニストHVEM抗体はNF−κBまたはAP−1誘導遺 伝子発現の調整に関与しているので、それを用いてHVEMリガンドの活性を変 えるか、補ってよい。 HVEM抗体はさらにHVEMの診断アッセイに用いてよく、例えば特定の 細胞、組織、または血清においてその発現を検出する。当分野で公知の様々な診 断アッセイ技術、例えば、異種または均一相のいずれかで実施される競合結合ア ッセイ、直接または間接サンドイッチアッセイおよび免疫沈殿アッセイを用いて よい[Zola,Monoclonal Antibodies:A Manua l of Techniques,CRC Press,Inc.(1987)p p.147−158]。診断アッセイに用いられる抗体は検出可能な部分で標識 することができる。この検出可能な部分は直接または間接的に検出可能なシグナ ルを作ることができなければならない。例えば、検出可能な部分は、ラジオアイ ソトープ、例えば3H、14C、32P、35S、または125I、蛍光性または化学発光 性化合物、例えばフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、またはルシ フェリン、または酵素、例えばアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ または西洋ワサビパーオキシダーゼ等であってよい。Hunterら(Natu re,144:945(1962))、Davidら(Biochemistry, 13:1014(1974))、Painら(J.Immunol.Meth.,4 0:219(1981))およびNygren(J.Histochem.and Cytochem.,30:407(1982))により記載された方法等、抗体 を検出可能な部分に結合させるために本分野で公知のいかなる方法を用いてもよ い。 HVEM抗体は組換え体細胞の培養または天然のソースからのHVEMのアフ ィニティー精製のためにも有用である。この方法において、HVEMに対する抗 体を適当な支持体、例えばセファデックス樹脂またはフィルターペーパーに、本 分野でよく知られた方法を用いて固定化する。次に、固定化抗体を、精製すべき HVEMを有する試料に接触させ、その後、支持体を、固定化抗体に結合させた HVEM以外の試料中の実質的にすべての材料を除去する適当な溶媒で洗浄する 。最後に、支持体を、抗体からHVEMを放出する別の適当な溶媒で洗浄する。 E.HVEMまたはHVEM抗体を有するキット 本発明のさらに別の実施態様において、上記の治療的または非治療的な利用の ために用いることのできるHVEMまたはHVEM抗体を有する製品および キットが提供される。該製品は標識付の容器を有する。適当な容器としては、例 えばビン、バイアルおよび試験管が挙げられる。容器はガラスまたはプラスチッ ク等の様々な材料から形成してよい。容器は、上記のような治療的または非治療 的な利用に効果的な活性剤を含む組成物を保持する。組成物中の活性剤はHVE MまたはHVEM抗体である。容器上の標識は該組成物が特定の治療または非治 療の利用のために用いられ、上記に記載のようなインビボまたはインビトロでの 利用のために使用法を示してもよい。 本発明のキットは、典型的には上記の容器、および市販および使用者の観点か ら望ましい材料、例えば緩衝液、希釈剤、フィルター、ニードル、シリンジ、お よび使用説明書の包装挿入物を有する一つ以上の他の容器からなる。 以下の実施例は例示の目的のためだけに示されるものであって、決して本発明 の範囲を限定することを意図するものではない。 本明細書で挙げられるすべての参考文献は出典を明示してその全体をここに取 込まれる。 実施例 実施例で示されるすべての制限酵素はNew England Biolabs から購入し、製造業者の指示にしたがって用いた。実施例で示される他のすべて の市販の試薬は他に示されない限り製造業者の指示にしたがって用いた。以下の 実施例および明細書すべてにわたってATCC寄託番号で同定された細胞ソース は米国メリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ ョンからのものである。 実施例1 HVEMをコードするcDNAクローンの単離 HVEMのcDNAを単離するために、TNFRファミリーのメンバーに対し てある程度の相同性を示すEST配列(GenBank locus AA021 617)に基づく合成オリゴヌクレオチドプローブを用いるハイブリダイゼーシ ョンにより、ヒト網膜cDNAのバクテリオファージライブラリー(Clont echより市販)をスクリーニングした。スクリーニングに使用されたオリゴヌ クレオチドプローブは60bpの長さであった。ハイブリダイゼー ションは、1:1混合物を用いて、20%ホルムアミド、5XSSC、10%硫 酸デキストラン、0.1%NaPiPO4、0.05M NaPO4、0.05m gサケの精子DNA、および0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含有する緩衝液 中で一晩室温で行い、その後連続的に室温で6XSSCで一回、37℃で1XS SC/0.1%SDSで二回、37℃で0.5XSSC/0.1%SDSで二回 、37℃で0.2XSSC/0.1%SDSで二回それぞれ洗浄した。(1.8 〜1.9kbのcDNA挿入物を含有する)5個の陽性クローンが該cDNAラ イブラリー中に同定され、これらの陽性クローンは、上記のハイブリゼーション プローブをPCRプライマとして用いるPCRによって特異性のあることが確認 された。これらの5個の陽性クローンのそれぞれを有する単一のファージプラー クが制限希釈法により単離され、そのDNAをWizard Lambda Pr ep DNA精製キット(Promegaより市販)を用いて精製した。 これらの5個のバクテイロファージクローンのうち3個のクローンからのcD NA挿入物がEcoRIによる消化によりベクターアームから切除し、これをゲ ル精製し、pRK5にサブクローニングし、両鎖上でその配列を決定した。これ らの3クローンは(1クローンに見つかったイントロンを除けば)同一のオープ ンリーディングフレームを含んでいた。 HVEMの全塩基配列を図1に示す。該cDNAは、ヌクレオチドの86〜8 8位のATGコドンに当てられた翻訳開始部位を有する一つのオープンリーディ ングフレームを含んでいた。この部位の前後の配列は開始部位の提案された共通 配列と妥当性のある一致をみている[Kozak,J.Cell.Biol.,1 15:887−903(1991)]。このオープンリーディングフレームはヌク レオチドの925〜927位の終止コドンTGAで終わる。 全長HVEMの予想されたアミノ酸配列は283個のアミノ酸を含む(図1( 配列番号1)を参照)。HVEMの推定膜貫通領域は図1のアミノ酸201〜2 25を有し、HVEMの推定細胞質領域は図1のアミノ酸226〜283を有す る。該配列は上記のMotgomeryらにより報告されたHVEM配列とは少 なくとも二つのアミノ酸において異なっている;図1に示されているよ うに、コドン108はセリンをコードし、コドン140はアラニンをコードして いる。HVEMの58アミノ酸長さの細胞質領域とヒトTNFレセプターファミ リーの他の公知のメンバーとの(Align(登録商標)コンピュータープログ ラムを用いる)アライメントは、特にCD40(12個で同一)およびLTベー タレセプター(11個で同一)に対して一部の配列類似性を示した。 実施例2 HVEMによるNF−κBの活性化 HVEMがNF−κBを活性化するかどうかを調べるためにアッセイを行った 。 HEK293細胞(ATCC)をHVEM用(実施例1を参照)、TNFR1ま たはApo−3用(Genentech,Inc.)(10μg/10cmディッ シュ)のpRK5またはpRK5系の発現ベクターを用いて過渡的にトランスフ ェクトした。核抽出物をMarstersら(Proc.Natl.Acad. Sci.,92:5401−5405(1995))に記載されたように24時間 後に調製した。図2(a)に示されているように、各抽出物からのアリコート( 1μg全タンパク質)を、変異NF−κB標的配列(コントロールラジオプロー ブ;プラス鎖配列5’−AGTTGAGGCGACTTTCCCAGGC−3’ (配列番号3))[Lenardoら,Cell,58:227−229(198 9)も参照]に基づく32P標識オリゴヌクレオチド、または野生型NF−κB標 的配列(プラス鎖配列5’−AGTTGAGGGGACTTTCCCAGGC− 3’(配列番号4)[上記のLenardoらを参照]に基づく32P標識オリゴヌ クレオチドと(上記のMarstersらに記載されているように)反応させた 。NF−κBラジオプローブは単独で、または同配列の未標識オリゴヌクレオチ ド(コールドオリゴ)の50倍量とともに加えた。反応物はポリアクリルアミド ゲルによる電気泳動に供し、上記のMarstersらにより記載されたように ホスホロイメージャー分析(電気泳動移動度シフトアッセイ「EMSA」)により 可視化した。NF−κBに特異的なバンドの位置が図2aの矢印で示されている 。 各核抽出物からのアリコートを、ウサギ免疫前血清またはウサギ抗p65/ Rel A IgG(Santa Cruz Biotechnologyから購入 )と一緒にNF−κB特異的ラジオアイソトープとともにインキュベートし、上 記のようにEMSAにより分析した。シフトしなかったものと抗体シフトNF− κBプローブの位置が図2の矢印により示されている。 pRK5系HVEM発現プラスミドをトランスフェクトした細胞はpRK5の みをトランスフェクトした細胞に比べて顕著なNF−κB活性化を示した。TN FR1またはApo−3/DR−3によるトランスフェクションの効果を比較す るために試験した。TNFR1またはApo−3/DR−3はNF−κBを活性 化することが過去に示されている[Tartagliaら,Cell,74:8 45−853(1993);Chinnalyanら,Science,274: 990−992(1996);Genentech,Inc.(データは示されず) ]。これらのレセプターによるNF−κB活性化のレベルはHVEMによる活性 化のレベルと類似した。NF−κBのp65/RelAサブユニットに対する特 異抗体は各レセプターの場合でNF−κBプローブの移動を阻害したが、免疫前 血清はその移動を阻害しなかった(図2b)。よって、HEK293細胞中でHV EM、TNFR1およびApo−3により活性化されたNF−κB複合体はp6 5/RelAタンパク質を含んでいる。 実施例3 HVEMによるAP−1の活性化 HVEMがAP−1を活性化するかどうかを調べるためにアッセイを行った。 HEK293細胞をHVEM用(実施例1を参照)またはTNFR1用(10 μg/10cmデッシュ)のpRK5またはpRK5系の発現ベクターを用いて 過渡的にトランスフェクトした。核抽出物を実施例2に記載されたように24時 間後に調製した。各抽出物からのアリコート(1μg全タンパク質)を、変異A P−1標的配列(コントロールラジオプローブ;プらス鎖配列5’−CGCTT GATGACTTGGCCGGAA−3’(配列番号5))[Leeら,Cell .49:741−752(1987)も参照]に基づく32P標識オリゴヌクレオ チド、または野生型AP−1標的配列(プラス鎖配列5’−CGCTTGATG ACTCAGCCGGAA−3’(配列番号6)[上記のLeeら を参照]に基づく32P標識オリゴヌクレオチドと(上記のMarstersらに 記載されているように)反応させた。AP−1ラジオプローブは単独で、または 同配列の未標識オリゴヌクレオチド(コールドオリゴ)の50倍量とともに加え た。反応物は上記の実施例2に記載のように分析した。AP−1に特異的なバン ドの位置が図3aの矢印で示されている。 各核抽出物からのアリコートを、ウサギ免疫前血清またはウサギ抗JunB、 抗c−Junまたは抗JunD IgG(Santa Cruz Biotech nologyから購入)と一緒にAP−1特異的ラジオアイソトープとともにイ ンキュベートし、上記のようにEMSAにより分析した。シフトしなかったもの と抗体シフトAP−1プローブの位置が図3bにおいて矢印で示されている。 HVEMをトランスフェクトした細胞はpRK5のみをトランスフェクトした 細胞に比べて顕著なAP−1活性化を示した;活性化のレベルはTNFR1によ る活性化のレベルと類似であった(図3a)。抗JunD抗体は、AP−1特異的 プローブの移動を阻害したが、c−JunまたはJunBに対する抗体または免 疫前血清はその移動を阻害せず(図3b)、JunDがHEK293細胞における HVEMおよびTNFR1により活性化されたAP−1複合物に関与しているこ とが示された。JunDはTNFにより活性化されることが過去に示されている [Bierhausら,J.Biol.Chem.,270:26419−264 32(1995)]。 実施例4 ノーザンブロット分析 ヒト組織におけるHVEM mRNAの発現をノーザンブロット分析で調べた 。ヒトRNAブロットは、全HVEMコード領域を有するNheI/Sacl cDNA断片にハイブリダイズした(実施例1を参照)。ヒト胎児RNAブロット MTN(Clontech)およびヒト成人RNAブロットMTN−II(Cl ontech)をDNAプローブとともにインキュベートした。ブロットをハイ ブリゼーション緩衝液(5XSSPE;2XDenhardtの溶液;100m g/mLの変性せん断サケ精子DNA;50%ホルムアルデヒド; 2%SDS)中で42℃で60時間、該プローブとともにインキュベートした。 ブロットを2XSSCで数回洗浄し、0.05%SDSで1時間室温で洗浄し、 その後0.1XSSCで30分間そして0.1%SDSで50℃で洗浄した。該 ブロットは一晩の露光後に現像した。 図4に示されているように、約1.8kbの顕著なmRNA転写物が複数の成 人(図4a,b)および胎児(図4c)組織において検出された。発現の顕著な 部位は脾臓および末梢血液等のリンパ球に富む組織であった。約3.8kbの第 二転写物、ならびに一部の大きな転写物も検出された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C 15/09 21/08 C12P 21/02 C12N 15/00 A 21/08 5/00 A B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 図1(配列番号1)のアミノ酸残基1〜283を有する未変性配列HVE Mポリペプチドに対して少なくとも約80%の配列同一性を有する単離されたH VEMポリペプチド。 2. 上記HVEMポリペプチドが少なくとも約90%の配列同一性を有する請 求項1のHVEMポリペプチド。 3. 上記HVEMポリペプチドが少なくとも約95%の配列同一性を有する請 求項2のHVEMポリペプチド。 4. 図1のアミノ酸配列(配列番号1)を有する単離された未変性配列HVE Mポリペプチド。 5. 請求項1のHVEMポリペプチドを異種アミノ酸配列に融合してなるキメ ラ分子。 6. 上記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列である請求項5のキメラ分子 。 7. 上記異種アミノ酸配列が免疫グロブリン配列である請求項5のキメラ分子 。 8. 上記免疫グロブリン配列がIgGである請求項7のキメラ分子。 9. 請求項1のHVEMポリペプチドに特異的に結合する抗体。 10. 上記抗体がモノクローナル抗体である請求項9の抗体。 11. アゴニスト抗体である請求項10の抗体。 12. 請求項1のHVEMポリペプチドをコードする単離核酸。 13. 上記核酸が、図1(配列番号1)のアミノ酸残基1〜283を有する未 変性配列HVEMポリペプチドをコードする請求項12の核酸。 14. 請求項12の核酸を有するベクター。 15. ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識される調節配列に作動 可能に結合させた請求項14のベクター。 16. 請求項14のベクターを有する宿主細胞。 17. 請求項16の宿主細胞を培養することからなる、HVEMポリペプチド を生産するためにHVEMポリペプチドをコードする核酸分子を用いる方法。 18. HVEMポリペプチドをコードする核酸を発現する細胞を有する非ヒト のトランスジェニック動物。 19. マウスまたはラットである請求項18の動物。 20. HVEMポリペプチドをコードする変更遺伝子を有する細胞を含有する 非ヒトのノックアウト動物。 21. マウスまたはラットである請求項20の動物。 22. 容器及び該容器中に含まれる組成物からなる製品であって、該組成物 がHVEMポリペプチドまたはHVEM抗体を含んでいる製品。 23. HVEMポリペプチドまたはHVEM抗体をインビボまたはエクスビボ で使用するための説明書をさらに有する請求項22の製品。
JP52682198A 1996-12-12 1997-12-05 Hvemポリペプチドとその用途 Pending JP2001526632A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US3270596P 1996-12-12 1996-12-12
US60/032,705 1996-12-12
PCT/US1997/022278 WO1998025967A1 (en) 1996-12-12 1997-12-05 Hvem polypeptides and uses thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001526632A true JP2001526632A (ja) 2001-12-18

Family

ID=21866390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52682198A Pending JP2001526632A (ja) 1996-12-12 1997-12-05 Hvemポリペプチドとその用途

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0948543A1 (ja)
JP (1) JP2001526632A (ja)
AU (1) AU5516898A (ja)
CA (1) CA2272822A1 (ja)
WO (1) WO1998025967A1 (ja)
ZA (1) ZA9711156B (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7427492B1 (en) 1995-06-05 2008-09-23 Human Genome Sciences, Inc. Polynucleotides encoding human tumor necrosis factor receptor-like2
US6479254B2 (en) 1996-03-22 2002-11-12 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis inducing molecule II
US6495520B2 (en) 1996-03-22 2002-12-17 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis Inducing Molecule II and methods of use
US6635743B1 (en) 1996-03-22 2003-10-21 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis inducing molecule II and methods of use
US7964190B2 (en) 1996-03-22 2011-06-21 Human Genome Sciences, Inc. Methods and compositions for decreasing T-cell activity
US6998108B1 (en) 1997-07-07 2006-02-14 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Antibodies to p30 polypeptides and methods making and using same
US7118742B2 (en) 1997-07-07 2006-10-10 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Ligand for herpes simplex virus entry mediator and methods of use
WO2000014230A1 (en) * 1998-09-03 2000-03-16 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Novel molecules of the herpes virus-entry-mediator-related protein family and uses thereof
TR200504220T2 (tr) * 1998-12-17 2007-04-24 Biogen Idec Ma Inc. Aktif limfotoksin-beta reseptör imunoglobülin şimeAktif limfotoksin-beta reseptör imunoglobülin şimerik proteinlerinin yüksek düzey ifadesi ve saflaştrik proteinlerinin yüksek düzey ifadesi ve saflaştırılması için bir yöntem.ırılması için bir yöntem.
CA2300328A1 (en) 1999-09-14 2001-03-14 Cardiogene Gentherap. Systeme Ag Modulating transcription of genes in vascular cells
WO2001079496A2 (en) * 2000-03-13 2001-10-25 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Ligand for herpes simplex virus entry mediator and methods of use
EP1674575B1 (en) * 2000-04-12 2010-10-06 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Ligand for herpes simplex virus entry mediator and methods of use
AU2003228483A1 (en) * 2002-04-12 2003-10-27 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that specifically bind to tr2
FR2845692A1 (fr) * 2002-10-15 2004-04-16 France Hybrides Procede pour produire un mammifere rendu resistant a une infection par un alpha herpes virus par transgenese germinale ainsi que mammifere obtenu par la mise en oeuvre de ce procede
FR2845693B1 (fr) * 2002-10-15 2005-04-01 France Hybrides Procede pour produire un mammifere rendu resistant a une infection par un alpha herpes virus ainsi que mammifere obtenu par la mise en oeuvre de ce procede et descendant d'un tel mammifere
EP2311481A3 (en) 2006-10-20 2013-10-16 Biogen Idec MA Inc. Treatment of demyelinating disorders with soluble lymphotoxin-beta-receptor
US8338376B2 (en) 2006-10-20 2012-12-25 Biogen Idec Ma Inc. Compositions comprising variant LT-B-R-IG fusion proteins

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5447851B1 (en) * 1992-04-02 1999-07-06 Univ Texas System Board Of Dna encoding a chimeric polypeptide comprising the extracellular domain of tnf receptor fused to igg vectors and host cells
BR9508419A (pt) * 1994-07-22 1997-11-18 Hoffmann La Roche Composições farmacêuticas compreendendo uma proteina de ligação de tnf quinerica
WO1996034095A1 (en) * 1995-04-27 1996-10-31 Human Genome Sciences, Inc. Human tumor necrosis factor receptors
US6291207B1 (en) * 1995-07-28 2001-09-18 Northwestern University Herpes virus entry receptor protein

Also Published As

Publication number Publication date
EP0948543A1 (en) 1999-10-13
AU5516898A (en) 1998-07-03
WO1998025967A1 (en) 1998-06-18
ZA9711156B (en) 1999-06-11
CA2272822A1 (en) 1998-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060194286A1 (en) Apo-2LI and Apo-3 polypeptides
US20050287635A1 (en) RTD receptor
US20030017161A1 (en) Apo-2 receptor
US20100269184A1 (en) Apo-2DcR
US20060041106A1 (en) Apo-3 polypeptide
JP2008308502A (ja) Apo−2リガンド
JP2001526632A (ja) Hvemポリペプチドとその用途
JP2010246560A (ja) Apo−2リガンド
JP2001523977A (ja) Apaf−1、ced−4ヒト相同体、カスパーゼ−3の活性化因子
US20120042400A1 (en) Rtd receptor
AU2006252290B2 (en) RTD receptor
US20020165157A1 (en) Apo-2LI and Apo-3 polypeptides
AU1566602A (en) Hvem polypeptides and uses thereof
AU2004203600A8 (en) Apo-2LI and Apo-3 apoptosis polypeptides
US20020123116A1 (en) Nucleic acids encoding tumor necrosis factor (TNF) receptor homologs
AU2007200199A1 (en) DNA19355 polypeptide, a tumor necrosis factor homolog