JP2001526244A - 腫瘍細胞の生長を阻害する方法および組成物 - Google Patents

腫瘍細胞の生長を阻害する方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 それを必要とする哺乳類に、腫瘍細胞の生長の抑制を起すのに十分な量の好酸球過多症の阻害剤を投与することを特徴とする、腫瘍細胞の生長を抑制する方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、NIH(米国国立衛生研究所)認証番号DE08680号およびD
E00323号によって支援されたが、さらに政府は、本発明の一定の権利を有
する。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、一般に、癌予防および治療の分野に関する。
【0003】 (発明の背景) 悪性細胞の誘発および増殖の阻害は、癌予防および治療の主な目標である。癌
の発生と同時発生する生理学的変化は、その疾病の発生および進行に関して原因
となるか、または保護的であるかのいずれかであるという現象を示し得、したが
って臨床研究者に非常に興味を持たれている。
【0004】 好酸球は、エオシン染料で赤く染まるそれらの特性から名付けられる、二小葉
の核を有する顆粒状白血球である。骨髄幹細胞からのそれらの生成、成熟化およ
び活性化は、インターロイキン−5によって指向されるシグナルに応答して特異
的に起こる(Weller、New England I.Med、324巻:
1110−1118頁(1991年))。これらの細胞は、胃腸および下部尿生
殖管、並びに呼吸表皮のような環境と接触している表皮系組織に主に存在する(
Devosら、J.Leuk.Biol.、57巻、813−819頁(199
5年);Weller、上記(1991年);Wongら、J.Exp.Med
.、172巻、673−681頁(1990年))。
【0005】 表皮臓器の悪性での組織好酸球増加症は、1893年以来報告されてきた(R
oinback、Arch.Klin.Chir.、46巻、486−562頁
、(1893年))、しかしながら、癌病因における好酸球の役割は、不明瞭さ
を残している。好酸球流入は、多数のヒト腫瘍、原発性癌腫と関連していること
が示された(Goldsmithら、Otolaryngology−Head
and Neck Surgery、96巻、319−324頁(1987年
);Iwasakiら、Cancer、58巻、1321−1327頁(198
6年);KolbおよびMuller、Br.J.Cancer、40巻、41
0−416頁(1979年);LoweおよびFletcher、Histop
athology、8巻:627−632(1984年);Loewら、His
topathology、8巻:619−625(1984年);McGinn
isら、Cancer Res.、49巻:5989−5993頁(1989年
);Pretlowら、Cancer Res.、43巻:2997−3000
頁(1983年))。
【0006】 好酸球が、インターロイキン−5を遺伝子導入した腫瘍細胞での生長を抑制し
ないことが分かった(Kuger−Krasagakesら、Eur.J.Im
munol.、23巻:992−995頁(1993年)一方で、腫瘍発生の抑
制は、顕著な組織好酸球過多症から構成される宿主反応性炎症反応を介して、I
L−4(Tepperら、Cell、57巻:503−512頁(1989年)
)または単核細胞化学誘引剤MCP−1/JE(RollinsおよびSund
ay、Mol.Cell Biol.、11巻:3125−3131頁(199
1年))のいずれかをコードする遺伝子で遺伝子導入された細胞で示された。炎
症の部位で顆粒球の蓄積を特異的に遮断する抗体を使用して、さらに、好酸球が
、観察されるIL−4依存性腫瘍細胞毒性に直接含まれることが示された(Te
pperら、Science、257巻:548−551(1992年))。
【0007】 公表された臨床上の証拠は、癌での好酸球の宿主保護および腫瘍誘導の両方の
役割を支持し、従ってほとんどまたは全く治療指針を提供しない。基質好酸球過
多症は、頭部および頚部癌(Goldsmithら、上記(1987年))を含
むヒト新生物の場合に好ましい予後指標として示唆され、それは、癌における好
酸球の「保護的」役割の仮説を支持する。生存者が増加することおよび転移が減
少することは、結腸癌腫(Pretlowら、上記(1983年))および子宮
頚部の腫瘍(KappおよびLivolsi、Gynecologic Onc
ology、16巻:19−30頁(1983年))に罹った患者での腫瘍関連
組織好酸球過多症(TATE)のレベルに明らかに関連する。重篤な好酸球浸潤
が、口腔の十分に分化した扁平細胞癌腫での好ましくない予後を示すと示唆され
た(Horiuchiら、J.Surg.Oncol.、53巻:92−96頁
(1993年))。しかし、この知見は、過多の組織好酸球過多症が、口腔、外
生殖器、および肛門の扁平細胞癌腫(LoweおよびFletcher、His
topathology、8巻:627−632頁(1984年))並びに膀胱
の腫瘍(LoweおよびFletcher、J.Clin.Pathol.、3
7巻:500−502頁(1984年))の場合に、好ましい予後に関連すると
いう報告によって否定される。好酸球が存在する場合、インターロイキン−4が
遺伝子導入された腫瘍細胞が、腫瘍を形成する能力を失うことも報告された(T
epperら、Cell、57巻:503−512(1989年))。
【0008】 癌の予防および治療の改善された方法が、当業界において必要性とされている
【0009】 (発明の要旨) 本発明は、その必要とする哺乳類に、腫瘍細胞生長の発病についての遅延また
は速度についての減少を起すのに十分な量の好酸球過多症の阻害剤を投与するこ
とを特徴とする、腫瘍細胞の生長を抑制する方法を提供する。
【0010】 ここで使用される場合、語句「抑制」は、腫瘍が発生する危険のある個体での
腫瘍形成の頻度を減少させることに当たる。未処置のままのときに腫瘍を形成す
る危険性のある個体の割合に対する、好酸球過多症の阻害剤で治療した後に腫瘍
を形成する危険性のある個体の割合においての2から10倍の減少は、治療が本
発明により有効であると考えられる必要がある。好ましくは、その減少は、20
から100倍、またはさらに200から1000倍までの範囲にある。さらに、
語句「抑制」は、存在する腫瘍における細胞分裂の速度を減少させるか、または
存在する腫瘍の回帰(細胞数における萎縮)を起しながら、腫瘍発生物質に曝し
た後に腫瘍細胞が生じる(または遺伝的傾向を伴う対象の場合には、誕生)のに
必要とされる時間の長さを増大させること当たる。本発明による有効な治療の指
標である腫瘍細胞の生長の発病の延期は、好酸球過多症が遮断されなかった対照
個体に第一の腫瘍細胞が観察されるまで、平均の時間の長さの少なくとも4倍、
好ましくは5から10倍、さらに20から100倍である。有効に判断するため
に、好酸球過多症の阻害剤は、少なくとも2から10倍、好ましくは20から1
00倍、さらに200から1000倍までの存在腫瘍における細胞分裂の速度で
の減少をさせるはずである。未処置の対照に対して処置した個体での少なくとも
50%の腫瘍荷重の回帰は、本発明による有効な治療の指標であり、好ましくは
、腫瘍細胞量のこのような損失は、総存在数の75%まで、もしくはさらに10
0%である。
【0011】 「腫瘍細胞」は、接触阻害または基質依存性の損失、または形態および/また
はタンパク質生成における変化によって特徴づけられる、生物の生長から成熟ま
での経路、正常な生物学的機能(例えば、幹細胞からの赤血球細胞または生殖体
の生成)、または腫れの癒しの範囲を越えて起こる1回またはそれ以上の細胞分
裂を経てきたあらゆる細胞である。
【0012】 ここで用いられる場合、「悪性」は、癌性の細胞生長に当たる。
【0013】 対照的に、「正常組織」は、上に定義されるとおり、腫瘍細胞でなく、および
/または悪性表現型を保有しない(すなわち、癌性の細胞生長を示さない)1つ
またはそれ以上の細胞であると定義される。
【0014】 腫瘍細胞を説明するのにここで用いられる場合、語句「生長」は、誘発(正常
細胞が腫瘍細胞になる決定)、形質転換(正常細胞から腫瘍細胞への分化、この
ような形質転換は、発癌性であるかどうか)および増殖を含めると定義される。
【0015】 ここで用いられる場合、語句「哺乳類」は、ヒトを含む哺乳動物類の一員であ
る。
【0016】 好ましくは、哺乳類はヒトである。
【0017】 ここで用いられる場合、語句「阻害剤」は、直接またはこのような浸潤の起こ
る信号発生経路を阻害することによるかのいずれかによって、好酸球が腫瘍組織
に、または隣接部位に流入するのを遮断するかまたは逆行させる任意の物質とし
て定義される。このような遮断または逆行は、好酸球の成熟化または移動を促進
する物質の合成のレベルで起こり得る。代わりに、例えば信号発生カスケードま
たは生合成経路で、直接、または下流の標的分子の阻害によるかのいずれかによ
って、遮断または逆行されるような物質の生来の活性でありうる。阻害剤は、対
抗機能(例えば、阻害されるべき物質によって対抗される受容体、またはその物
質によって活性化される受容体によって制御されるものに対峙する機能を生じる
信号発生カスケードを制御する受容体の活性化)を発揮しうる。阻害剤は、例え
ば、それのリン酸化またはグリコシル化の状態を改変することによって、または
その物質を切断することによって、好酸球浸潤を促進する物質を修飾しうる。抗
体のような阻害剤は、その物質に結合して活性部位を立体的に妨げるか、または
その物質の形態を変化させることができる。さらに、その物質が二重合化または
多重合化形態で作用する場合には、阻害剤は、物質を結合し、そして非官能単位
にする不活性モノマーであり得、そしてそれは、その場所に残るか、または細胞
の機構によって分解されるかのいずれかでありうる。
【0018】 好ましくは、その阻害剤は、そのサイトカインの阻害が、腫瘍組織または隣接
部位への好酸球流入の阻害を生じる、好酸球の成熟化に影響を及ぼすサイトカイ
ンを阻害する。さらに好ましくは、この阻害剤は、コロニー刺激因子(CSF)
を阻害する。最も好ましくは、この阻害剤は、IL−5を阻害する。
【0019】 ここで用いられる場合、語句「成熟化」は、赤血球幹細胞が好酸球になる過程
当たる。
【0020】 IL−5の阻害剤は、抗−IL−5抗体であるのが好ましい。
【0021】 好ましくは、その腫瘍は、悪性である細胞を含む。
【0022】 本発明の別の特性および利点は、実施形態の以下の説明およびその図面で、ま
た請求の範囲から一層十分に明らかになる。
【0023】 (発明の説明) 本発明は、腫瘍細胞の生長を起させるのに十分な量の発癌物質に曝された組織
への好酸球流入を阻害することが、腫瘍発生の発病を遅延させること、形成され
る腫瘍の数およびそのような組織の総量に関して、そのような生長の抑制を生じ
るという認識に基づく。動物モデルは、そのような生長が誘導された部位への好
酸球浸潤の阻害を介して、腫瘍細胞発生および増殖の抑制についてここに記述さ
れる。
【0024】 好酸球が、ハムスターモデルで化学的に誘導された口腔癌の発生の部位に暫時
浸潤することが示された(Ghiabiら、Cancer Res.、52巻:
389−393頁(1992年))。
【0025】 [本発明による有用な阻害剤] このような生長が起こることが予測される組織で、例えば好酸球過多症を遮断
することにより、本発明の方法による腫瘍細胞の生長の抑制は、その発生の前に
発表された公知遺伝的傾向のために、あるいは突然変異原にその組織を曝すため
に、2つの濃度のいずれかで間欠的に行うことができる。
【0026】 本発明は、それにより白血球として区分される広範な群の細胞の発生の阻害を
相殺し、その好酸球が1つの構成員を表す手段を提供する。種々の赤血球幹細胞
からのそれらの発生は、タンパク質のコロニー刺激因子(CSF)ファミリーに
よって指向される。CSF阻害剤の投与は、白血球の発生および機能を遮断する
のに有効であると考えられる。影響された白血球細胞型の小群は、阻害されたC
SF分子の同定によって決定される。適切な直接阻害剤としては、CSF類似体
(受容体または他の分子上の部位に結合するための付与されたCSFと競合する
)、アンチセンスRNA、CSFmRNA特異的リボザイムおよびCSFタンパ
ク質で指向される抗体が挙げられる。同様の方法によって、CSF機能は、間接
的に、すなわち、信号発生分子または生長因子のような、白血球誘導経路に関与
する下流の標的分子の合成または活性化を遮断することによって阻害され得る。
【0027】 1つのCSFであるインターロイキン−5(IL−5)は、成熟化、終期分化
および好酸球の放出を起こす経路を明らかに制御する(Yamaguchiら、
J.Exp.Med.、167巻:43−56頁(1988年);Yamagu
chiら、J.Exp.Med.、167巻:1737−1742頁(1988
年))。したがって、前記方法のいずれか1つによるこの分子の生成または機能
の阻害は、腫瘍細胞の生長における好酸球浸潤の衝撃を取り消すために、本発明
の方法によって行うことができる。ヒトIL−5に対して指向されるモノクロー
ナル抗体は、TRFK−5(シェーリング−プラウ研究所)およびMAB205
(ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis,MN)のアール・アンド
・ディー・システムズ)として当業界で公知である。両方とも、ヒトIL−5に
指向されるネズミのモノクローナル抗体である。TRFK−5は、異種特異的に
反応性がある。言い換えれば、抗体は、ヒトタンパク質に対して上昇されるが、
それは、同様に他の種でIL−5相同性を認識する。腫瘍細胞の生長の抑制の動
物モデルで好酸球を阻害するその使用法は、以下実施例1で実施される。抗−I
L−5抗体は、当業界でよく知られる方法によって生成させることができる(下
記参照)。それに対して抗体を起させる精製された組換えヒトIL−5タンパク
質は、市販で入手可能である。例えば、ヒトIL−5は、ミネソタ州ミネアポリ
ス(Minneapolis,MN)のR&D Systems(カタログ番号
205−IL)から得ることができる。
【0028】 [抗体の発生] 組換えタンパク質または天然源から誘導されるもののいずれかは、当業者によ
く知られる標準技術を用いて抗体を発生させるために使用することができる。例
えば、そのタンパク質を投与して、サル、ヤギ、ウサギまたはマウスのような哺
乳類に免疫性試験をする。生じる抗体を、ポリクローナル血清として収集するこ
とができ、または誘発された動物から得た抗体生成細胞を不死化させて(不死化
融合相手との融合によって)、モノクローナル抗体を生成させることができる。
【0029】 {抗体の製造} 1.ポリクローナル抗体 抗原タンパク質は、その免疫原性を増大させるために、従来の担体に結合させ
ることができ、そしてペプチド担持結合体に対する抗血清を生じさせる。担体タ
ンパク質へのペプチドの結合および免疫化は、記載されるとおり行うことができ
る(Dymeckiら、J.Biol.Chem.、267巻:4815−48
23頁(1992年))。ELISAにより、または、代替的にはドットまたは
スポットブロティングによってタンパク質抗原についてその血清を滴定する(B
oersmaおよびVan Leeuwen、J.Neurosci.Meth
ods、51巻:317頁(1994年))。同時に、抗血清は、組織区分に使
用することができる。例えば、Greenら、Cell、28巻:477−48
7頁(1982年)の手段に従って、血清は、ELISAによって適切なペプチ
ドと強力に反応することが示される。
【0030】 2.モノクローナル抗体 モノクローナル抗体を製造する技術は、よく知られており、そしてモノクロー
ナル抗体は、Arnheiterら、Nature、294巻、278−280
頁(1981年)によって記載されるとおり、そのレベルが、潜在的な腫瘍細胞
の生長の部位で、またはコロニー刺激因子(例えば、IL−5)または他のサイ
トカインのような、好ましくは担体に結合した腫瘍細胞を囲む組織で、測定され
るべきである任意の候補抗原を用いて製造することができる。
【0031】 モノクローナル抗体は、一般に、ハイブリドーマ組織培養物から、またはその
ハイブリドーマ組織が導入された動物から得られた腹水から得られる。さもなく
ば、モノクローナル抗体は、タンパク質「になる」か、または「によって誘発さ
れる」と記述することができる。
【0032】 特に好ましい免疫学的試験は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体のい
ずれかの使用に依存し、そして酵素結合免疫アッセイ(ELISA)、免疫ブロ
ッティングおよび免疫沈降(Voller、Diagnostic Horiz
ons、2巻:1−7、Microbiological Associate
s Quatery Publication、Walkersville、M
D(1978年);Vollerら、J.Clin.Pathol.、31巻:
507−520頁(1978年);米国再発行特許番号第31,006号;英国
特許第2,019,408号;Butler、Methods Enzymol
.、73巻:482−523頁(1981年);Maggio,E.(編)、酵
素免疫アッセイ(Enzyme Immunoassay)、CRC pres
s、Boca Raton,FL(1980年))、または放射性免疫アッセイ
(RIA)(Weintraub,B.、Principles of rad
ioimmunoassays、Seventh Training Cour
se on Radioligand Assay Techniques、T
he Endocrine Society、1986年3月、1−5頁、46
−49頁および68−78頁)が挙げられる。本発明による腫瘍細胞の生長の候
補阻害剤によって作用させるべきタンパク質の存在について組織を分析するため
に、免疫組織化学技術が使用されるのが好ましい。抗体分子が、標的タンパク質
の容易な検出を促進するために標識されなければならないことは、当業者には明
らかである。抗体分子を標識する技術は、当業者によく知られている(Harl
ourおよびLane、Antibodies、Cold Spring Ha
rbor Laboratory、1−726頁(1989年))。
【0033】 代わりに、SDS、PAGEのようなクロマトグラフ法、等電点電気泳動、ウ
エスタン・ブロッティング、HPLCおよびキャピラリー・電気泳動を含めた、
他の技術を使用して、標的タンパク質を検出することができる。
【0034】 モノクローナル抗体生成ハイブリドーマ(またはポリクローナル血清)を、標
的タンパク質に結合する抗体についてスクリーニングすることができる。抗体に
よって、我々は、このような抗体の結合(可変)領域、および他の抗体修飾を用
いた構築を含める。したがって、本発明に有用な抗体は、全抗体、抗体フラグメ
ント、多官能性抗体凝集物、または一般に、抗体から得られる1つまたはそれ以
上の特異的結合部位を含む任意の物質を含む。抗体フラグメントは、Fv、Fa
bおよびF(ab')2フラグメントのようなフラグメント、または一本鎖Fv フラグメントのようなそのいずれかの誘導体でありうる。抗体または抗体フラグ
メントは、非組換え体、組換え体であるか、またはヒト化されてよい。抗体は、
例えば、免疫グロブリンイソタイプ、例えば、IgG、IgMなどのものであっ
てよい。さらに、適切な場合、凝集物、ポリマー、免疫グロブリンの誘導体およ
び結合体、またはそれらのフラグメントを使用することができる。
【0035】 [好酸球過多症の阻害を試験する方法] 潜在的な腫瘍細胞の生長の部位に、または腫瘍細胞を囲む組織に好酸球が流入
するのを阻害する効力を試験するために、候補阻害剤を、腫瘍細胞の生長の動物
モデルで試験する。本発明による有用な数種の動物モデルは、当業界で公知であ
る。このようなモデルの第一の要件は、好酸球が、実際に腫瘍組織またはその生
物中のものに隣接の部位を浸潤することが例示された証拠である。ヒトでのこの
ような観察がなされること(前記参照)が示されると、これらの数種の系の内の
いずれかで行われる阻害剤試験の結果は、ヒト腫瘍細胞の生長の臨床治療に使用
できる。付与された解剖学上の部位での腫瘍細胞誘発および増殖が、好酸球流入
によって付随されるかどうかについて不確定性が存在する場合、これは、以下の
文献で記述される方法によって決定される。
【0036】 最初に、実験の生物および、動物を腫瘍促進突然変異原に曝す部位を選択した
場合、用量および投与の方法であるように、その物質が使用されるべきである表
面領域を決定する。他の点では未処置の対象で腫瘍誘発についてのパラメーター
を確立した後、典型的な実験は、同日に突然変異原を相当に投与した試験および
対照群の動物を含む。「相当に」によって、同じ形状および表面領域の領域に、
同じ解剖学上の配置で突然変異原の同じ量および濃度を投与することが意味され
る。1つの群は、適合性のある担体中で好酸球過多症の候補阻害剤の適切な用量
を受ける一方で、その他は、担体のみを投与し、そして以下実施例1で定義され
るとおり、腫瘍細胞の生長を、多くの日数のコースをかけて監視する。
【0037】 変異誘発物質で当初の治療に続く時点で、2つの群の内のいずれかにある動物
の小群を犠牲にする。試験部位を回収し、切断し、そして組織学上の実験にかけ
て、組織を浸潤した好酸球の密度を測定する。腫瘍形成の適切な時間であるとき
に、腫瘍の数および総腫瘍荷重(以下参照)を測定する。各群の内の結果を照合
し、そしてその後、他の群から誘導されるものと比較する。陽性の結果、すなわ
ち、好酸球が、対照と比べて試験対象の突然変異発生領域で減少されることが分
かるものは、候補化合物が、本発明に従って治療的に有用であることを示す。少
なくとも2倍の試験部位を浸潤する好酸球の密度での減少は、本発明による腫瘍
抑制を示す。約2倍から約2000倍(またはさらに10000倍まで)の範囲
は、例えば、約100から200倍の範囲で腫瘍抑制を示す。
【0038】 [阻害剤の投与、用量および薬理学上の処方] a.投与 好酸球過多症の阻害剤の意図した標的によって、様々の経路の投与を使用する
ことができる。2つの重要な段階の内の1つで阻害を試みることができる:(a
)阻害剤が、薬剤の全身投与を介して、赤血球幹細胞で向けられることが要求さ
れる、成熟好酸球の発生および/または放出、または(b)実際のまたは予想の
腫瘍細胞の生長の部位への好酸球の回復。回復過程が、まだ理解されない一方で
、内在する機構が解明されるときに、阻害化合物は、治療されるべき部位に指向
されるにちがいないことが予測され、そしてそれは、候補化合物の全身または局
所投与によって達成することができる。
【0039】 1.阻害剤化合物の全身投与 阻害剤の活性が、腫瘍細胞の誘発または生長のものに比べて遠い部位で必要と
される場合に、薬剤の全身性投与が、一般に適切である。全身の薬剤送出の方法
は、当業界でよく知られている。これらとしては、限定されるものではないが、
点滴静注または注射、皮下、筋肉内、腹膜内、頭蓋内および脊髄注射、経口経路
による摂取、経皮拡散(薬剤飽和した接着性パッチを介するような)または移殖
可能な経時放出薬剤送出デバイスの使用によるものが挙げられ、そしてそれは、
外因的に生成される阻害剤の貯蔵器を含むことができるか、または実際に阻害物
質を生成および分泌する細胞を含みうる。
【0040】 代わりに、全身投与は、阻害剤が、局所用途に利用しやすいが、しかしその環
境(消化管のような)では、阻害剤の生来の活性が、例えば消化酵素または極端
なpHによって、傷つけられ得る、標的部位に送出されなければならないときに
有益である。
【0041】 2.阻害剤の局所用途 動物への阻害剤の全体投与が、非常に局在化した効果に達するために必要とさ
れないことが意図される。表皮腫瘍が、定義によって、生物の表面にあることが
示される場合、製薬組成物の局所投与が可能である。例えば、抗生物質は、一般
に、経口または静脈投与の代替として、直接、表面創傷に塗布され、そしてその
方法は、全身希釈の効果に対抗するためにいっそう高い完全な用量を必要とし、
それにより、他の影響されない組織での可能性のある副作用および費用の増大を
起す。
【0042】 阻害剤を含む局所組成物は、以下に要約されるとおり、数種の物理的形態の内
のいずれかを取ることができる。
【0043】 (i)注ぐ、滴下する、または「塗る」(すなわち、手動で、またはブラシ
またはスパチュラのような他のアプリケーターで広げる)ことによって使用しう
る、チンキ液または乳液のような液体。
【0044】 (ii)手動で、またはブラシまたは他のアプリケーター(例えば、スパチ
ュラ)で広げることができるか、または崩壊可能な管のような容器からノズルま
たは他の小さな開口部を通して押出されうる、軟膏またはクリーム。
【0045】 (iii)潜在的または実際の腫瘍細胞の生長の部位で振蘯させるか、また
は篩いにかけるか、または選択的には、霧状スプレーとして使用することができ
る、乾燥粉末。
【0046】 (iv)圧力駆動スプレーボトル(絞ることによって促進されるような)、
天然のアトマイザー(または圧縮揮発剤なしに働く「ポンプスプレー」ボトル)
、または加圧缶から構成される群から選択される容器から調合されうる、液体基
剤エアロゾル。
【0047】 (v)阻害剤の直腸または膣投与に使用することができる、坐剤のようなカ
ーボワックスまたはグリセリン製品。
【0048】 特定の実施形態では、内部表面は肺のものである。肺にある表皮腫瘍は、しば
しば、タバコの煙または他の化学的刺激物に長期間の曝露に起因する。このよう
な場合に、阻害剤のための投与の最も都合がよい経路は、吸入を介して、(d)
の液状エアロゾルまたは(c)の霧状粉末のいずれかである。局所または全身の
分配であろうと、吸入による薬剤送出は、喘息、気管支炎およびアナフィラキシ
ーの治療についての技術でよく知られている。特に、それが、in vivoで
その生来の活性を残すようにエアロゾル吸入を介してタンパク質を送出すること
が可能であることが例示された(Hubbardら、J.Clin.Inves
t.、84巻:1349−1354頁(1989年)参照)。
【0049】 ある種の場合に、問題となる内部表面は、例えば、胃腸管のライニングに沿っ
て見ることができることに注目する。このような場合には、液体、ゲルまたは固
体の形態であれ、局所使用は、経口経路を介して薬剤を摂取することを含む。
【0050】 b.用量 有効であると示される全身投与に基づいて、用量は計算される。例えば、下記
の実施例1の試験ハムスターは、14週間かけて、二週毎に、腹膜内に5mg用
量の阻害剤を受けた。したがって、各用量は、85gの体重に基づいて、投与の
時に総体重のおよそ58.8mg/kgである。血液血清中の付与阻害剤の本来
の活性の半減期を考慮して、その週の間用量を循環する手段は、総体重のmg/
kgで概算される。このような用量は、10μgから100mgの範囲にありう
る。好ましくは、それは、100μgから10mgである。その後、処置される
べき細胞の容積を計算する。投与が局所へである場合、その後、V=影響を受け
た細胞層の標的部位表面領域×深さである。さもなくば、処置されるべき個体の
総体積を概算する。この計算は、kgに変換され、それにより1にほぼ等しい密
度が推測され、そして総体重用量は、その数によって分割される。選択された担
体組成物中の組成物の濃度は、その後、必要とされる用量が従来の容量で送出さ
れるように調節される。
【0051】 c.薬理学上の処方 液体、軟膏および液体基剤エアロゾルの場合には、好ましい溶媒は、阻害剤の
活性を保存し、そして組成物と接触させるべき細胞についての等張圧での変化を
避けるために、生理学的塩の濃度を模倣するイオン平衡を示す水性媒体である。
このような媒体の例は、低イオン強度サリン溶液である。
【0052】 脂質−、他の炭化水素−、フッ化炭素−、またはハロゲン−基剤媒体も、それ
らが、生理学的塩の平衡を維持するように配合されるべきである。
【0053】 タンパク質または炭化水素を含む乾燥粉末は、沈殿の空気乾燥を介して、また
は凍結乾燥によって製造しうる。ある種の実施形態では、阻害剤は、乾燥粉末と
してまたは結晶として市販で知られ、そして入手可能である有機塩または無機塩
でありうる。いずれの場合にも、当業界で一般に知られるような、取扱いを容易
にする凝集剤を有する阻害剤を混合することが望ましい。
【0054】 腫瘍細胞の生長の部位への好酸球流入の阻害剤は、タンパク質、炭化水素また
は他の生物分解可能な物質を含みうる。したがって、投与の経路によって、薬理
学分野でよく知られるような方法によって、少なくともそれがその標的に達する
まで、分解(例えば、消化酵素、酸および塩基による)から阻害剤を保護するよ
うな方法で阻害剤を封入または平衡化する必要がありうる。
【0055】 本発明は、以下の材料および方法が使用される以下の限定されない実施例によ
って例示される。以降に引用される文献の内の全開示は、参照してここに組込ま
れる。
【0056】 実施例1では、IL−5活性をin vivoで中和する抗−IL−5モノク
ローナル抗体(TRFK−5)製品の使用が記述され、そしてハムスター頬パウ
チモデルでの口腔の表皮腫瘍細胞誘発および生長における阻害効果が例示される
。しかし、表皮腫瘍は、皮膚(外側)、胃、食道、腸、鼻、洞、気管支、肺、膣
、肛門または他の表面組織で生じうる。実施例2から6までの各々は、候補阻害
剤が、上で詳述される数種の全身または局所経路のいずれかを介して投与され、
そしてそれぞれ、卵巣、肺、前立腺、膀胱および子宮頚部のものを含めた、様々
の表皮組織で様々な方法の内のいずれかによって誘発された腫瘍細胞の生長を阻
害するときの効力について評価されるモデルを表す。上に検討されるとおり、こ
れらの組織のいくつかで、好酸球過多症は、好ましい予後指標であるという証拠
が存在する。好酸球過多症の阻害剤が、これらの数種の組織中で本発明による腫
瘍細胞の生長を抑制するそれらの能力について試験される時に、その実施例は、
そのような仮定が、存在する場合、支持するか、または弱体化される可能性のあ
るモデルを提供する。
【0057】 (実施例1) 表皮腫瘍細胞の生長における好酸球過多症の阻害剤の役割を試験するために、
十分に樹立された発癌物質誘発シリアン・ハムスター頬パウチモデルを使用した
。60−90日齢、81−90グラムの19匹の雄のシリアン・ゴールデンハム
スターを、Charles River Laboratory(Wilmin
gton,MA)から購入した。全動物は、「実験室動物の飼育および使用につ
いての指針」(DHHS出版番号(NIH)85−23、1985年修正)にし
たがって処置された。空調された(24℃)動物室にある別個のケージ(1ケー
ジ当たり1動物)で、12時間日中、12時間夜間のサイクルで、動物を保持し
、そして、Harvard School of Public Health
にある動物飼育施設で14週間かけて、市販の貯蔵餌(Purina Form
ula Chow)およびリビチム(libitum)を伴う水道水で飼育した
(プロトコール48−R95)。
【0058】 ハムスターを4つの群に分けた。グループIは、4番の軟質のクロテンのブラ
シで左頬のパウチに塗布した、鉱物油(U.S.P.)に溶解させた7,12−
ジメチルベンズ(ザ)アントラセン(DMBA、D−3254;Sigma C
hemcal Co.、St. Louis、MO)の0.5%溶液で、隔日毎
(週当たり3回)処置した5匹のハムスターから構成された。グループIIは、
同じ手段で、鉱物油のみで処置された4匹のハムスターから構成された。グルー
プIIIは、同じ手段で、鉱物油中の0.5%DMBAを受けた5匹のハムスタ
ーを有した。さらに、5mgの抗IL−5モノ特異的抗体(TRFK−5、6.
46mg/ml、ロット番号4TRFK−4;Schering Plough
Research Instituteによって供給された)を、腹膜内投与
を介して二週毎に投与した。5匹のハムスターを有するグループIVは、同じ手
段で、鉱物油中の0.5%DMBAを受け、さらに二週毎に、腹腔内注射を介し
て、細菌のβ−ガラクトシダーゼ(GL−113対照抗体、6.0mg/ml。
ロット番号V271939−003)に対する5mgの対照抗体を受けた。
【0059】 週毎の観察は、頬パウチの総試験を含み、鼻用鏡で容易になり、そしてそれに
より、白斑症、エリスロプラキア(erythroplakia)、紅斑、角質
増殖症、腫瘍サイズ、数および形態、および動物体重の知見を記録する。
【0060】 14週間後、CO窒息により動物を犠牲にし、そしてそれらの左頬のパウチ
を回収した。頬のパウチを写真に撮り、そしてグラフにとって、最終臨床知見を
記録した。個々の腫瘍の立体も、測定し、そして記録した。その後、腫瘍を切開
し、10%ホルマリンに固定させ、加工し、そしてパラフィンに埋設し、切断し
、スライドの上に載せ、そして顕微鏡用に染色し、その全ては、標準の組織学上
の手段による(Humason、Animal Tissue Techniq
ues、4版、W.H.Freeman and Company、San F
rancisco、参照)。4つのグループの各々から得られる代表的動物の大
腿部も回収した。
【0061】 試験切片中の好酸球の同定を促進するために、全てのスライドを、フィッシャ
ー・ギムザ(SG−28)で染色した。この方法で染色した好酸球は、552n
mでのローダミン・フィルターで見たときに明るいオレンジ色の蛍光を示す。そ
の後、好酸球を、定量し、そして、腫瘍侵襲性および分化を評価した。ほとんど
の腫瘍が、丘疹様で球状である場合、球体容積0.75πrを用いて、腫瘍荷
重を計算した。よりプラーク様で、楕円形であるものは、計算LW(0.52
)(式中、L=長さ、およびW=幅)を必要とした。その後、腫瘍の数で総容量
を割り、平均腫瘍荷重を得た。
【0062】 [組織好酸球過多症における抗−IL−5抗体の効果] ハムスター頬パウチ内の化学的に誘発された偏平な細胞癌腫を囲む基質組織へ
の好酸球浸潤を遮断する抗−IL−5抗体(TRFK−5)の能力を分析した。
ロダミン・フィルター下でギムザ染色した腫瘍試験片での好酸球浸潤を行った。
各グループから得た腫瘍切片中の好酸球の平均数は、表1に示される。
【0063】
【表1】 パーソンのChiによる統計解析およびフィッシャーの正確試験では、観察
される好酸球の数の間に関係がある、そしてその動物が、p=0.001および
R(相関係数)=−0.5480を示すTRFK−5を受けたかどうかを表した
。したがって、TRFK−5を受ける動物は、受けなかったものより相当に低い
好酸球を示した。
【0064】 [抗−IL−5抗体で処置したハムスターでの腫瘍荷重] TATEと腫瘍荷重との間の可能な関係を試験した。結果は、表2に示される
【0065】
【表2】 グループIは、0.123cmで、TRFK−5を受けたグループIIIの
0.027cmより4.6倍多い腫瘍荷重を示した。興味深くは、最大の腫瘍
荷重は、グループIVで見られ、そして0.0463cmでは、DMBAのみ
を受けたグループIで見られるものより3.8倍大きかった。グループIIIと
IVを比較して、腫瘍荷重での差異が、17.1倍であることに注目すべきであ
る。
【0066】 回帰分析は、好酸球の数が、各動物での平均腫瘍容積に関係を示さないことを
示した、β=0.00002(CI−0.0004−0.0009)。好酸球の
数と総腫瘍容積との間にいずれも関係がなかった、β=0.0013(CI−0
.0018−0.0044)。
【0067】 [TRFK−5で処置したハムスターでの腫瘍発生のタイミング] 抗−IL−5抗体で処置した動物での腫瘍の形成および生長動力学を定量した
。グループIおよびIVと比べて、TRFK−5を受ける動物では、見ることが
できる腫瘍発生が遅延された。時間をかけて腫瘍を発生したことが見られる動物
の数は、表3に示される。
【0068】
【表3】 グループIIIの動物は、8週まで腫瘍を発生しなかった一方で、グループI
およびIVの動物は、それぞれ6週および7週で腫瘍を発生させ始めた。9週ま
でに、グループIおよびIVにある80%の動物は、グループIIIでわずか2
0%に対抗して腫瘍を発生した。グループIIIの動物の60%は、12週まで
に腫瘍を発生した。この時点で、グループIおよびIVにいる全ての動物は、影
響された。
【0069】 これらの結果では、ハムスター頬パウチでの化学的に誘発された偏平の細胞癌
腫に隣接する基質組織の好酸球が、成功裏に遮断される場合、腫瘍荷重は減少さ
れたことが示された。さらに、抗−IL−5抗体製品TRFK−5で処置した動
物で、腫瘍はゆっくりと形成および発生する。TRFK−5で処置した動物で観
察される、腫瘍荷重での明らかな減少および腫瘍発生での遅延は、好酸球が、腫
瘍形成および生長での役割を果たすことを示唆する。TRFK−5および/また
は好酸球過多症の他の阻害剤は、それにより腫瘍細胞の生長を処置および防止す
る手段を提供され得る。将来の研究が、この結果が一般的であることを示す場合
、TATEは、表皮腫瘍での臨床的成果の乏しいことについての予後の指標とし
て使用することができる。
【0070】 先に、TRFK−5が、皮膚の創傷での好酸球浸潤を遮断するのにハムスター
で使用されうることが示された(Yangら、Am.J.Pathol.、15
1巻:813−819頁(1997年))。ここに表されたデータは、それも、
頬パウチ中の腫瘍の誘導エッジで基質組織の好酸球過多症を遮断することを示す
。発生中の悪性表皮病巣に対する好酸球の関係を研究するこの点まで存在した動
物はなかった。本発明は、このようなモデルを提供し、そしてそれはこの実施例
で記述された方法を使用することによってあらゆる表皮腫瘍に使用することがで
きる。
【0071】 (実施例2) 卵巣の表皮癌のラットモデルは、Majorら(Gynecol.Oncol
.、66巻:122−132頁(1997年)、その内容は、参照してここに組
込まれる)によって記述される。簡潔には、病原体不含のフィッシャー344(
F344)雌ラットに、NuTu−19表皮細胞を腹膜内に注射する。これらの
細胞は、in vitroで悪性形質転換を自発的に受けたF344卵巣の表面
表皮細胞の注射後、雌無胸腺マウスで起こる僅かに分化した腺癌から由来する。
注射に続いて、腫瘍は、腹膜内拡散の方法の点で、ヒトの卵巣癌細胞(特に、乳
頭状漿液腺癌)生長を、悪性腹水の形成および局所転移についての傾向および臓
器(例えば、網、腹膜、肝臓および腸)の侵襲を模倣する方法で発生する。
【0072】 5%CO下で、37℃で、RPMI1640(Gibco Life Te
chnologies、Grand Island,NY)および10%熱不活
性化胎児ウシ血清を含む、NuTu−19細胞を完全な媒体中で維持する。使用
前に、細胞を、0.25%トリプシン(Gibco Life Technol
ogies、Grand Island,NY)で回収し、ダルベッコのリン酸
緩衝生理食塩水(PBS;Gibco Life Technologies)
で二回洗浄し、トリプシン青排除を用いて細胞数および生存性を計測する。各々
の回収サンプルは、少なくとも90%細胞生存性を示し、またはそれを廃棄する
。細胞を、10生存細胞/mlの濃度(動物当たり1ml総注射量)で、F3
44ラットに腹膜内に注射する。対照ラットは、細胞なしに、1mlのPBSを
受ける。3週後、以下のとおり、in vivoおよびex vivoの両方で
、腫瘍細胞の生長を可視化させる。
【0073】 動物を、標準手段で麻痺させ、そして40mg/mlの5−アミノレブリン酸
(ALA)、pH6.5の無菌溶液で腹膜内に注射して、50から100mg/
kgまでの最終の全体濃度になる。1.5と3時間後注射との間の時間で、ラッ
トを、仰臥位置に置き、そして側腹切開術(恥骨結合まで剣状)を行う。蛍光ポ
リメタクリレートディスク(OD460=0.025、600nmに近い最大流
出)を、水準として動物に挿入し、そしてその動物の前方腹部壁からのおよそ1
5cmに配置される紫外線ランプ(例えば、モデルB−100APランプ、スペ
クトル、366nmに主要放出ラインを示す310−395nm;UVP, I
nc.、San Gabriel,CA)から得られる光の使用によって蛍光を
誘導する。腫瘍細胞の生長の指標である陽性の蛍光が、周囲の組織と接触してい
るオレンジ/赤色を示す病巣として観察される。腫瘍荷重に比例する蛍光の強度
は、ポリメタクリレート標準ディスクでの目盛りを決める。
【0074】 腫瘍分布を際立たせるのに最も役に立つin vivoの蛍光測定に続いて、
ex vivo測定を行う。動物を、任意の認証されたプロトコール、例えば、
0.2mlのEUTHA−6(Western Medical Supply
、Arcadia、CA)の心臓内注射によって安楽死させる。腹腔から得た腫
瘍を抱えた組織サンプルを、回収する。微細レンズに結合した光学ファイバーに
結合したアルゴン−イオン・レーザー(サンプルで64μW/cm)を、蛍光
励起のために使用し、そして低速スキャン熱電気的に冷却したCCDカメラ(例
えば、モデルTE/CCD−576E/UV;プリンストン・インストルメンツ
、ニュージャージー州トレントン)を用いて画像を記録する。源分布および蛍光
画像を、1秒捕捉時間を用いて、それぞれ500nmショートパスおよび650
nm(±12.5nm)バンドパスフィルター(Corion Corpora
tion、Holliston、MA)で捕捉する。IP Lab Softw
are(Signal Analytics Corp.、Viena、VA)
を具備したコンピューターによって、画像捕捉、加工およびカメラ制御を行う。
組織蛍光および光分布画像を、同等の条件下で各サンプルについて順次記録する
。暗雑音画像は、励起源なしに捕捉される。画像を、以下の式:
【0075】
【式】
を用いて、非同型の照明および寄与する暗雑音の両方について修正する。
【0076】 修正された蛍光画像で、腹膜の平均蛍光、網および腹膜での小腸および腫瘍小
節を測定する。
【0077】 標準方法(再度Humason、上記(1979年)参照)による安楽死の時
間に取った、凍結組織切片の画像化を、同じ冷却したCCDカメラおよびコンピ
ューターシステムを用いて行う。しかし、カメラを、405−nm(±20nm
)バンドパス・フィルター(Omega Engineering, Inc.
、Stanford、CT)で濾過した100−W水銀灯を具備したエピ蛍光顕
微鏡(例えば、アクソベルト10;Carl Zeiss, Inc.、Tho
rnwood、NY)と結合させて、そして二色鏡(例えば、FT440)を使
用して、この波長での励起を供する。シャッター(例えば、Uniblitz、
モデルT132;Vincent Associates、Rochester
、NY)を使用して、励起源を有するCCDカメラを同調させる。
【0078】 移植した細胞から起こる腫瘍生長を定量するために、実験動物で観察される蛍
光の統計的分析を行う。本発明による未処置の以下の細胞注射をされる動物の間
でまたは動物の群または好酸球過多症の阻害剤を受ける者の間の蛍光収量での差
異は、ANOVAを使用して分析される。統計的有為性は、P≦0.05と解さ
れる。有為な全体の差異が存在する場合、フィッシャーのPLSD複数比較手段
を用いて複数比較を行う。
【0079】 このモデルを用いて卵巣の表皮腫瘍細胞の生長における好酸球過多症を阻害す
る効果を分析するために、上に検討されるとおり、試験動物を2つの群に分割す
ることが必要である。各群での動物は、上述のとおり、10NuTu−19細
胞を受ける。1つの群は、未処置のままである一方で、他の群の各々の構成員は
、好酸球過多症の候補阻害剤(例えば、抗−IL−5抗体、実施例1で検討され
るとおり)を受け、腹膜内で送出される。阻害剤の投与は、動物が、腫瘍細胞の
生長を定量するために犠牲にされる時まで、享受動物への腫瘍細胞の注射の前、
それと共存してまたは後であってよい。投与の時間によって、腫瘍形成または樹
立腫瘍を減少させるかのいずれかでの好酸球過多症を阻害する効果が見られる。
投与されるべき阻害剤の有効な濃度は、実施例1で実施されるとおり、実際のま
たは潜在的な腫瘍細胞の生長の表面部位に使用される阻害剤の有効な局所用量で
始めながら計算され、それにより、腹腔内の構造の表面領域によってこのような
実験から得られる処置領域を多様にし、そしてそれらの構造の周りに存在するこ
とが概算される液体の体積によって行われる希釈因子によって再度多様にする。
【0080】 このモデルによって形成される卵巣の腫瘍を囲む領域での好酸球過多症を阻害
する候補物質の効力を、記載されるとおり腫瘍を誘発させること、および薬剤と
共の細胞注入の時に、または直前に物質と共に細胞を受ける半分の動物を処置す
ることによって分析する一方で、対照動物は、担体溶液のみを受ける。三週後、
動物を安楽死させる。腫瘍が腹腔で観察される場合、好酸球浸潤の隣接組織の濃
度を、実施例1で記載されるとおり測定する。なにかあれば、対照に対する処置
動物での腫瘍形成の部位を囲む好酸球での少なくとも二倍の減少は、好酸球過多
症の有効な遮断の指標である。
【0081】 いったん、卵巣腫瘍細胞形成の部位で、付与物質によって好酸球過多症が阻害
されることが確立されると、腫瘍形成を抑制する、またはすでに形成された腫瘍
を減少させるその能力は、このモデルを用いた数種の方法で定量される。
【0082】 腫瘍形成の発症での遅延までの範囲は、上に記載されるとおり、雌ラットにN
uTu−19細胞を注射すること、好酸球過多症を遮断するのに十分な阻害剤の
用量で動物の半分を、そして担体緩衝液のみ(細胞注入の前または時のいずれか
で)でその半分を処置すること、処置に続く多数の時点の各々で等しい数の処置
されたおよび擬処置された動物を犠牲にすること、そして腫瘍形成の兆候につい
てそれらの腹部構造を試験することによって分析される。各々の時点で、腫瘍が
観察される試験および対照動物の数は注目される。実験の終りに、腫瘍の出現の
平均回数を、各群の構成員について計算する。この標準によって、少なくとも4
倍の遅延が、腫瘍形成を抑制する上で有効な、判断されるべき好酸球過多症の阻
害剤に必要とされる。
【0083】 腫瘍荷重の抑制が実際に定量されるべき場合、腫瘍は、誘発され、そして動物
を上に記載されるとおり処置される。しかし、全ては、一度(例えば、NuTu
−19細胞の導入後三週)に犠牲にされる。各動物での腫瘍組織を、蛍光的で定
量し、そして試験群の動物に存在する平均数を、対照で観察されるものと比較す
る。平均腫瘍荷重での少なくとも4倍の減少は、処置が相当に有効であることが
要求される。
【0084】 いずれかの場合に、処置動物の間の二倍またはそれより大きい増加を生じる実
験のコースの間、腫瘍を含まないままである各群における動物の比率の比較は、
阻害剤が腫瘍形成を抑制するときに有効である指標である。
【0085】 腫瘍形成の相対的速度を判断するのに使用されるものに類似する時点は、腫瘍
が形成された後に処置した動物を用いて取ることができる。T=0で、処置され
たおよび未処置の動物を犠牲にし、そして平均腫瘍荷重を測定する。その後かけ
られた時点で、両方の群から得られる動物を犠牲にし、そして上述のとおり試験
する。腫瘍荷重で少なくとも50%の倍数をこえる減少、または対照に比べて処
置動物での腫瘍細胞の生長の速度での二倍の減少は、本発明による有効な処置の
指標である。
【0086】 (実施例3) 先に記述(McClellanら、Life‐Span Radiation
Effects Studies in Animals:What Can
They Tell Us?(1986年)、ThompsonおよびMah
affey、CONF−830951、74−96頁、Office of S
cientific and technical Information、
D.O.E.Richland、WA)されるとおり、肺表皮の腫瘍を、プルト
ニウム−239エアロゾルの吸入を通した曝露を介してビーグル犬で誘発させる
。簡潔には、純血ビーグル犬を、239PuO2粒子の単分散エアロゾルまたは
簡便な単独ノーズのみの露出装置によってエアロゾル希釈剤に曝す。エアロゾル
濃度および露出の期間を、各動物のために調節して、所望の突出した初期肺荷重
に達する。曝露後、イヌを毎日観察し、そして完全な物理試験、血液学上の研究
、臨床化学的およびラジオグラムの調査を毎年行う。自然死の時または安楽死の
時であろうと詳細な死後実験を行う(慈悲深い理由について認証されたプロトコ
ールによって行う)。全ての臓器系および任意の観察された病巣から得た組織切
片を、10%中性緩衝ホルマリンで固定し、エオシンおよびヘマトキシリンで染
色し、パラフィンに埋設し、そして4−8μmの厚みに切断する。隣接の正常な
肺表皮組織に沿って任意の疑いのある肺腫瘍の一部を液体窒素で凍結させ、そし
てサンプルの残りの固定の前に−80℃で貯蔵する。細胞型の一様な同定を確実
にするために、単独の研究者によって、正常および異常な肺組織の切断サンプル
を試験し、そしてそれは、国際保健機構によって確立された等級および用語につ
いての標準条件にしたがって判断される。
【0087】 代わりに、生育できる腫瘍を削り、そしてその総重量を測定する。これは、こ
の方法で検出および取り扱われるには小さすぎので分析腫瘍から除く一方で、そ
れは、総腫瘍荷重の近似の結果を提供する。
【0088】 形態学上の特徴に加えて、表皮生長因子受容体(EGF−R)の発現は、中で
も、肺表皮癌細胞(このモデル系で観察される腫瘍細胞の小群を表す)の診断特
性である。固定した肺組織の切片を、標準法によって、市販で入手可能なマウス
のモノクローナル抗−EGF−R免疫グロブリンG1(例えば、29.1ハイブ
リドーマ;ICNまたはセラテック)で染色する。簡潔には、パラフィン埋設し
た5μm切片を、1時間、60℃で加熱すること、続いて2回5分間、キシレン
洗浄し、アルコール濃度(100%、95%および50%、各5分)を減少させ
ることを介して順次再水和することによって、脱パラフィン化する。1時間、メ
タノール中の0.5%過酸化水素中で、室温でその切片をインキュベーションす
ることによって、内因性ペルオキシダーゼ活性を遮断する。その後、蒸留水で、
続いてトリス緩衝生理食塩水(TBS)、pH7.6で切片を洗浄する。20分
間、室温で、正常なウマ血清(TBS中の0.3%ウシ血清アルブミンで1:1
00希釈)を用いて切片をインキュベートし、そしてブロットする。一次抗体を
、1:1,000の希釈で加え、そして18時間、4℃でインキュベートする。
アビジン/ビオチン複合体法によって、結合抗体を検出する(ベクタステイン;
ベクターラボラトリーズ、カリフォルニア州、バーリンガム)。ホルマリン固定
A431細胞を、陽性対照と平行に加工する一方で、不適切なネズミの免疫グロ
ブリンGポリクローナル抗体は、A431細胞および肺組織切片の両方で同様に
加工される。盲検でランダムな形態で2名の病原学者によってスライドを読取り
、そして染色パターンの分布および強度によって等級分けする。
【0089】 好酸球過多症の候補阻害剤を、プルトニウム照射に掛けられたイヌの半分に週
の半分を基礎にして、エアロゾル吸入によって投与する一方で、他の半分は、エ
アロゾル希釈剤のみを受ける。その物質の用量を変えて、その有効用量範囲が、
あらゆる組織について知られていないかどうかを分析する。しかし、有効な用量
が、実施例1で示される抗−IL−5のような物質が、使用される場合、イヌの
肺の概算された内部表面領域は、その総用量で処置された領域によって分割され
、そしてその後、それは、計算の結果によって多様化される。肺の空隙容積(一
定量の阻害剤が、その空間を占め、そして肺表面に触れたことさえなく発散され
る)について修正をなし、そしてその物質を、イヌに投与する。
【0090】 死後試験の間、肺表皮腫瘍または対照に比べた腫瘍荷重の全体の減少を発生す
る処置したイヌの割合での減少は、上述のとおり、このモデル系での腫瘍生長を
抑制するときに、好酸球過多症の阻害剤の効力の指標である。
【0091】 表されるとおり、この分析は、照射されたイヌでの腫瘍誘発および進行を観測
するよりむしろ、終期腫瘍パラメーターの測定のみに適する。しかし、標準の医
療画像技術(例えば、重金属染色、続いてX線または他の読取り手段)によるか
、または可能な場合、主要な気道にある肺表皮腫瘍の生長を観測するために、安
楽死させた対象の気管支鏡検査によって、予備または継続のin vivo分析
を行う。対象に比べて、処置された動物で観察される腫瘍生長の速度の相当な減
少は、本発明による処置の効力の指標である。樹立された腫瘍における候補阻害
剤の効果を分析することが望まれる場合、任意の画像方法によって、in vi
voの検出に続く任意の時期に、それを、対照イヌの小群に投与しうる。その後
、観察される腫瘍は、時間をかけて回帰について監視する。上に定義されるとお
り、腫瘍体積での少なくとも50%の減少、または腫瘍生長の速度での二倍の減
少は、本発明による好酸球過多症の候補阻害剤の効力の指標である。
【0092】 (実施例4) 本発明は、公知の遺伝的危険が存在する表皮腫瘍の防止で有用である。前立腺
表皮腫瘍を生殖可能に発生するマウスを含むそのモデル系は、樹立されている(
Greenbergら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.
、92巻:3439−3443頁(1995年))。これらは、遺伝子導入動物
が、サルのウイルス40(SV40)大型腫瘍T抗原(Tag)をコードする遺
伝子を発現し、そしてそれは、多数のモデル系で癌を誘発することが分かってお
り、426pbの5'フラギングDNA、28bpの5'未翻訳領域を含めた、ラ
ットのプロバシン(rPB)コード遺伝子の配列によって制御されている。この
トランス遺伝子の転写は、前立腺上皮で起こる。
【0093】 rPB/Tag構築物を担持するマウスは、生後10週と同じくらい早くに前
立腺腫瘍を発生する。抗−IL−5抗体のような本発明による好酸球過多症の阻
害剤を、上述のとおり測定した有効な用量で前立腺に、遺伝子導入動物の1群に
対して投与する一方で、第二の群は、担体緩衝液(例えば、生理学的食塩水)の
みを受ける。処置されるべき動物の寸法が小さいため、投与は、認証したプロト
コールによって動物を安楽死させる前に、局所注入を介する。複数用量は、誕生
直後に開始して投与する。このような投与は、隔日から4日毎で付与する。
【0094】 誕生の10週後に、処理および対照群の両方から得たマウスの小群を、犠牲に
し、この手段は、その後隔週で繰返される。前立腺を削り、そして標準方法(再
度Humason、上記(1979年)参照)によって組織学的分析にかける。
例えば、組織を10%(容積/容積)緩衝ホルマリンで固定させ、一連のエタノ
ール/キシレンを介して脱水し、組織学的支持媒体、例えばパラフィンに埋設す
る。厚みで5から8μmの切片を取り、ガラス製スライドに貼付け、パラフィン
を除き、エオシン/ヘマトキシリンで染色し、そして顕微鏡下で試験する。構造
的特徴(例えば、腫瘍または他の新生物)および存在する場合、前立腺表皮腫瘍
を囲む領域での好酸球浸潤は、同時に観察することができる。染色が、好酸球を
検出するのに不適切である場合、実施例1で検討されたとおり、切片の小群は、
実際に、ギムザで染色する。好酸球過多症の阻害剤の使用と前立腺組織(特に、
腫瘍細胞を囲むもの)からの好酸球の不在の間の陽性の相互関係は、阻害剤が、
前立腺表皮で有効である指標である。阻害剤の使用と、未処置の対照に比べて処
置した個体の中での前立腺表皮腫瘍の発病における平均遅延と、または再び対照
と比べて腫瘍を発生する処置した個体の全体の割合での減少は、好酸球過多症の
阻害剤が、本発明で有用であることの指標である。この遺伝子導入マウスのモデ
ルは、存在または不在を検出するのに有用である一方で、それは、移入遺伝子を
担持するマウスがほとんど一定に前立腺表皮の腫瘍を発生する一方で、腫瘍の寸
法、場所、および型は、相当に変化することが分かっている点で、全体腫瘍荷重
での減少または腫瘍の細胞分裂の速度での変化を検出するのに明らかに有用では
ないことを述べておく。
【0095】 (実施例5) 膀胱表皮腫瘍のモデルは、ラットで発生された。特に、高度に同系交配したR
A/Han(52回から54回までの同系交配世代)は、高頻度(53.9%の
雄、14.4%雌、25から30ヶ月の年齢で起こりやすいピーク)で、膀胱表
皮腫瘍を発生することが分かった。実施例4にある前立腺表皮癌の遺伝子導入マ
ウスの場合のように、本発明による好酸球過多症の候補阻害剤(抗−IL−5抗
体のような)または阻害剤不含の担体緩衝液の複数用量を、誕生で始めながら、
雄DA/Hanラット膀胱に投与する。このような投与を、局所注入によるか、
または尿道焼灼法によって毎週行う。候補阻害剤の用量は、上述されたとおり計
算される。1,000から2,000動物を使用する。20ヶ月齢ではじめ、処
置動物および対称動物の両方の群(群当たり20匹)が犠牲になった。実験のコ
ースを通して自発的に死んだ動物も、死後分析にかけた。膀胱は、上述のとおり
、適切な固定化剤で組織学的に保存され、染色し(特に、ヘマトシキリンおよび
エオシンで;代替的には、好酸球を可視化させるのによりよいためにギムザで)
、適切な組織学上の支持体に載せ、そして切断する。切片は、腫瘍の存在または
不在について顕微鏡で試験する。陽性の相関関係は、a)候補阻害剤の使用と、
存在する場合、対照に比べて処置動物で腫瘍に隣接した組織での好酸球の局所濃
度での減少の間、およびb)阻害剤の使用、および膀胱表皮腫瘍を担持する個々
の割合での減少またはこのような腫瘍が、対照に比べて、処置動物で起こる年齢
。実施例4でのとおり、このような定量分析を複雑にするようにマウスの中の腫
瘍の型およびサイズが非常に変化しやすい場合、このモデルは、全体の腫瘍負荷
を減少させるときの好酸球過多症の候補阻害剤の効力、膀胱表皮腫瘍での個々の
腫瘍のサイズまたは腫瘍細胞分裂の速度を評価するのに適切でない。
【0096】 (実施例6) 子宮頚部の柱表皮での偏平な化生は、その組織中の新生物を先行する条件であ
る。ビタミンAを与えないマウスは、予備柱貯蔵細胞の過剰増殖を示し、それに
より高速の頚管表皮の化生を生じる(Darwicheら、Cancer Re
s.、53巻:2287−2299頁(1993年))。結局、化生病巣の形成
、偏平細胞癌腫の予備新生物性病巣。このような変化は、標準組織学的方法によ
るか、または抗体または核酸プローブを用いて、ケラチンの発現補足物での診断
的シフトを検出する固定された頚管組織の免疫組織化学的またはRNA in
situ分析によって明らかである。これらのマーカーの高いレベルの発現は、
化生の指標である。
【0097】 雌BALB/cおよびヌードマウスおよびそれらの母親を、実験動物の誕生の
ときに、ビタミンA欠乏試験餌(TD85239;Teklad、Madiso
n、WI)に置いた。動物を、3週齢で離乳させ、そして体重の損失および肝臓
のレチニルパルミテートの濃度によって監視されるとおり、中程度(ヌードマウ
スについては10週、そしてBALB/cマウスについては1週)および高度(
ヌードマウスについては14週、そしてBALB/cマウスについては20週)
ビタミンA欠乏が確保されるような期間、欠乏餌で維持する。全trans−レ
チノール酸(RA)を生理学上のレベル(体重g当たり3μgRA)で補足した
同じ餌で飼育した対照マウスは、正常な表皮表現型を示す。
【0098】 この試みを試験し、そして好酸球過多症の候補阻害剤の腫瘍阻止効果を評価す
るために、阻害剤の用量(例えば、実施例1で使用された抗−IL−5抗体)は
、一般に、毎日、その作用が分析され、そして上でも記載されたとおり組織中の
物質の作用に基づいた有効であるべき概算された量で上に列挙された形態(液体
、軟膏、粉末など)の内のいずれかで、試験ビタミンA欠乏マウスの子宮頚部に
使用される。対照ビタミンA欠乏マウスを担体のみで処置する。上で定義される
とおり、重篤なビタミンAを与えない期間の後、候補阻害剤での必然的な実際ま
たは擬処置のマウスを犠牲にし、そして切断された子宮頚部の組織の組織学上の
実験を、標準方法によって行う(Humason、上記(1979年)参照)。
上に定義されるとおり、観察した化生での明らかな減少は、頚部での腫瘍細胞の
生長を抑制するときの好酸球過多症の阻害剤の効力の指標である。
【0099】 (使用法) 本発明は、腫瘍細胞の生長の防止および治療で有用である。公知変異原との投与
が起こったそれらの実施形態で特に有用であり、そして潜在的腫瘍は誘発の部位
は、接触の部位か、または哺乳類が曝されたその物質の任意の組織特異的影響に
ついての実験データのいずれかに基づいて同定されうる。本発明は、個体が、特
定の部位に腫瘍の発生についての公知の遺伝的傾向を示す場合に、腫瘍細胞の生
長の予防にも有用である。最後に、本発明は、腫瘍の生長の部位への薬剤の直接
投与が、医療的に都合がよく、そして安全である場合、樹立された腫瘍の生長を
阻害するのに有用である。
【0100】 (他の実施形態) 他の実施形態は、当業者に明らかである。前述の記述が、明らかに単独で、そ
して厳密に実施されるために提供されると理解すべきである。本発明の概念およ
び範囲は、前記実施例に制限されないが、以下の請求範囲によって達成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,HU,IL ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ウォン、 デイヴィッド ティー. ダブ リュー. アメリカ合衆国 02161 マサチューセッ ツ州 ニュートン ウッドクリフ ロード 119 (72)発明者 ウエラー、 ピーター エフ. アメリカ合衆国 02482 マサチューセッ ツ州 ウエルズリー デントン ロード 71 Fターム(参考) 4C084 AA17 NA14 ZB261 ZC022 4C085 AA32 BB17 CC02 CC04 CC05 CC23 DD88

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それを必要とする哺乳類に、腫瘍細胞の生長の抑制を起すの
    に十分な量の好酸球過多症の阻害剤を投与することを特徴とする腫瘍細胞の生長
    を阻害する方法。
  2. 【請求項2】 前記哺乳類がヒトである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記阻害剤が、好酸球の成熟に影響を及ぼすサイトカインを
    阻害する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記サイトカインの阻害が、前記腫瘍細胞の生長が潜在的に
    起こりうる部位への好酸球流入の阻害を生じる請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記サイトカインの阻害が、腫瘍細胞に隣接する組織への好
    酸球流入の阻害を生じる請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記阻害剤が、コロニー刺激因子(CSF)を阻害する請求
    項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記CSFの阻害が、前記腫瘍細胞の生長が潜在的に起こり
    うる部位への好酸球流入の阻害を生じる請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記CSFの阻害が、腫瘍細胞に隣接する組織への好酸球流入
    の阻害を生じる請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記CSFが、インターロイキン−5(IL−5)である請
    求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記IL−5の阻害剤が、抗−IL−5抗体である請求項
    9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記腫瘍が、悪性である細胞を含む請求項1に記載の方法
  12. 【請求項12】 前記腫瘍が、表皮細胞である細胞を含む請求項1に記載の
    方法。
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