JP2001524138A - ガス水和物の形成を抑制又は阻害する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 水及び炭化水素を含む流体が導管を通って移送される間、ガス水和物の形成を抑制又は阻害するための、又はガス水和物が凝集する傾向を低減するための組成物であって、（ａ）、ビニルピロリドンと、ビニルカプロラクタムと、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、ジアルキルジアルケニルアンモニウムハライド及びジアルキルアミノアルキルアクリレート若しくはメタクリレートから成る群より選ばれる６〜12個の炭素原子を有するアンモニウム誘導体とのターポリマー、ビニルピロリドン及びビニルカプロラクタムのコポリマー及び、ビニルカプロラクタムのホモポリマーから選ばれるポリマー又はコポリマー、及び（ｂ）３〜５個の炭素原子及び１個のヒドロキシ基を含有するアルコール、又は少なくとも３個の炭素原子を有するアルコキシ基を含有する低分子量グリコールエーテルを含有する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 ガス水和物の形成を抑制又は阻害する方法 発明の背景 １ 発明の分野 本発明は、水及び炭化水素を含む流体が導管を通って移送される間、ガス水和 物の形成を抑制又は阻害するための又は、かかる水和物が凝集する傾向を減少さ せるための方法に関し、特に、かかるガス水和物形成を阻害するために、ポリビ ニルピロリドン又はカプロラクタムポリマーと、アルコール又はグリコールエー テルとの混合物を流体に添加することに関する。２ 従来の技術 オイルのような液体、及びガス、特に例えばメタン、エタン、プロパン、ブタ ン、イソブタン及び天然ガスのような低級炭化水素のガスを移送する間、例えば パイプラインのような導管中に、ガス水和物を形成することは、従来から、深刻 な問題であり、特に冬季期間中又は水中で低温を伴う地域には極めて深刻な問題 であることが知られている。通常、温度は極めて低いので、井戸中に必然的に発 生する副産物である水が存在することにより、特別な措置を採らない限り、ガス 水和物形成が発生する。 絶縁(insulation)は、ガス水和物形成の可能性を低減させるが、フィールド(f ield)が比較的小さく、また生産プラットフォームから遠い場合には、かかるフ ィールドを経済的に魅力なものとするには絶縁を使用するコストは極めて高くな ってしまう。更にまた、グリコール又はメタノールのような不凍結化合物を、移 送する間に添加してガス水和物形成を小さくすることも知られているが、これら の化合物が有効となるためには大量必要であり、これは高価なものとなる。アル キルグリコシドも更に、かかる目的に使用される。 かかる分野の従来技術の代表的なものとしては、米国特許第5,420,370号、5,4 32,292号、4,915,176号及びEPA 0526929A1:FPO O323774A1、カナダ特許出願（pa t.Appln）2,073,577、WO 93/25798、WO 95/17579/、ガス水和物及び水和物防止7 3 GPA定期／会議（Annual Convention），p85〜93、WO 96/08456、WO 96/0863 6、WO 93/25798、EPA 0457375A1：WO 9412761号がある。発明の要旨 水及び炭化水素を含む流体が導管を通って移送される間、ガス水和物の形成を 有効に防止又は阻止するための又は、ガス水和物が凝集する傾向を低減するため の、本発明の組成物には、（ａ）ビニルピロリドン（VP）及び／又はビニルカプ ロラクタム(VCL)のポリマー又はコポリマー、好ましくは、ビニルピロリドンと 、ビニルカプロラクタムと、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、ジア ルキルジアルケニルアンモニウムハライド及びジアルキルアミノアルキルアクリ レート若しくはメタクリレートから成る群より選ばれる６〜12個の炭素原子を有 するアンモニウム誘導体とのターポリマー、又はビニルカプロラクタムホモポリ マー及び、（ｂ）３〜５個の炭素原子及び１個のヒドロキシ基を含有するアルコ ール又は少なくとも３個の炭素原子を有するアルコキシ基を含有する低分子量グ リコールエーテルが含まれる。 本発明の一例において、抑制組成物のポリマー成分は、ビニルピロリドン、ビ ニルカプロラクタム及びジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレ ートのターポリマーである。 発明の具体的詳細な説明 本発明の組成物に用いられる適切なターポリマーは、ロレンツ（Lorenz）らに よる米国特許第4,521,404号に詳細に記載されている。好適なターポリマーはGa ナルスペシャルティープロダクト（International Specialty Products）社製に 80重量％のビニルカプロラクタム及び３〜６重量％のジメチルアミノエチルメタ クリレートのターポリマーである。 本発明の組成物において、抑制特性を示す他の好適なポリマーは、ビニルカプ ロラクタム(VCL)のホモポリマーである。 一般に、該ポリマーは、組成物の約30〜50重量％の量で、即ちアルコール又は グリコールエーテル溶剤と混合されて用いられる。パイプライン中のポリマーの 抑制濃度は、即ち水相は約0.1〜３重量％で、従って溶剤抑制濃度は、水相中約0 .1〜５重量％である。 効果的なガス水和物抑制をもたらすのに有効なアルコールは、１個のヒドロキ シ基と３〜５個の炭素原子を含む。代表的なアルコールは、１−ペンタノール、 ｎ−ブチルアルコールとして知られている１−ブタノール、tert−ブチルアルコ ールとして知られている２−ブタノール、イソプロピルアルコールとして知られ ている２−メチル−２−プロパノール、sec−ブチルアルコールとして知られて いる２−プロパノール及び、プロピルアルコールとして知られている１−プロパ ノールである。 効果的なガス水和物抑制をもたらす有効な低分子グリコールエーテルには、少 なくとも３個の原子を有するアルコキシ基を含む。代表的なグリコールエーテル は、エチレングリコールモノブチルエーテルであるブチルセルロソルブ、プロピ レングリコールブチルエーテル、ブチルカルビトール又はジ（エチレングリコー ル）モノブチルエーテル及び２−イソプロポキシ−エタノールがある。 次に示す例により、本発明を説明する。 方法 ガス水和物抑制試験を、300mlのステンレススチール中で、高圧かつ低温で実 施した。代表的な実験では、0.25〜1.0重量％の抑制組成物を120gの3.5重量％海 塩溶液に添加した。得られた混合物を該300mlのオートクレーブに移し、4°Cの 温度に一定に保たれた浴中に浸漬した。次いで圧力を、グリーンキャニオン(gre en canyon)ガスを用いて1000psigまで増大させ、プログラムシリンジポンプを用 いて実験を通して、約5psi以内の変動で一定に保持した。圧力が1000psigに達し た後、オートクレーブの攪拌子を1000rpmにして攪拌をした。該シリンジポンプ により、ガス容積、ガス圧力及び流体温度を測定し、実験を通して１分毎に電子 的に記録した。ガス消費は水和物形成を示す。 得られた結果を下記表１及び２に示す。例えば350分又はそれ以上、好ましく は500から＞1200分のように抑制時間が伸びたことは、所望するガス水和物抑制 性を示す組成物であることを表している。 標準例及び比較の結果を表３及び４に示す 本発明を具体的に説明するために、参照として特定例を挙げて説明したが、本 発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲内において変形すること は当然理解されるべきことである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ウルフ フィリップ エフ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08807 ブリッヂウォーター ジャガー レイン 401 (72)発明者 ヤング ウィリアム ディー アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07009 シーダー グローヴ スティーヴ ンス アヴェニュー 144

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．水及び炭化水素を含む流体が導管を通って移送される間、ガス水和物の形成 を抑制又は阻害するための、又はガス水和物が凝集する傾向を低減するための 組成物であって、（ａ）、ビニルピロリドンと、ビニルカプロラクタムと、ジ アルキルアミノアルキルメタクリルアミド、ジアルキルジアルケニルアンモニ ウムハライド及びジアルキルアミノアルキルアクリレート若しくはメタクリレ ートから成る群より選ばれる６〜12個の炭素原子を有するアンモニウム誘導体 とのターポリマー、ビニルピロリドン及びビニルカプロラクタムのコポリマー 及び、ビニルカプロラクタムのホモポリマーから選ばれるポリマー又はコポリ マー、及び、（ｂ）３〜５個の炭素原及１個のヒドロキシ基を含有するアルコ ール、又は少なくとも３個の炭素原子を有するアルコキシ基を含有する低分子 量グリコールエーテルを含有する組成物。 ２．前記ターポリマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレートであるアンモニ ウム誘導体モノマーを含む、請求項１記載の組成物。 ３．前記ターポリマーは、約17〜32重量％のビニルピロリドン、約65〜80重量％ のビニルカプロラクタム及び約３〜６重量％の前記アンニウム誘導体モノマー を含む、請求項１記載の組成物。 ４．前記コポリマーは、ビニルピロリドン及びビニルカプロラクタムを含むか又 はビニルカプロラクタムのホモポリマーである、請求項１記載の組成物。 ５．前記グリコールエーテルは、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ（ エチレングリコール）モノブチルエーテル、２−イソプロポキシエタノール、 プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテ ル、又はエチレングリコールモノプロピルエーテルである、請求項１記載の組 成物。 ６．前記アルコールは、プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、ｎ−ブ チルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール又は１− ペンタノールである請求項１記載の組成物。 ７．前記ポリマーは、前記組成物の約20〜50重量％を含有する請求項１記載の組 成物。 ８．（ａ）ビニルピロリドンと、ビニルカプロラクタムと、ジアルキルアミノア ルキルメタクリルアミド、ジアルキルジアルケニルアンモニウムハライド及び ジアルキルアミノアルキルアクリレート若しくはメタクリレートから成る群よ り選ばれる６〜12個の炭素原子を有するアンモニウム誘導体とのターポリマー 、ビニルピロリドン及びビニルカプロラクタムのコポリマー及び、ビニルカプ ロラクタムのホモポリマーから選ばれるポリマー又はコポリマー、及び、（ｂ ）３〜５個の炭素原子及び１個のヒドロキシ基を含有するアルコール、又は少 なくとも３個の炭素原子を有するアルコキシ基を含有する低分子量グリコール エーテルを含有する組成物を含むことを備える導管を通って、水及び炭化水素 を含む流体が移送される間、ガス水和物の形成を抑制又は阻害するための、又 はガス水和物が凝集する傾向を低減するための方法。