JP2001523948A - 前立腺の疾患の検出に有用な試薬および方法 - Google Patents

前立腺の疾患の検出に有用な試薬および方法

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Abstract

(57)【要約】 PS112と称される、連続的または部分的に重複したRNA配列のセット、およびそれにコードされ前立腺組織から転写されるポリペプチドを記載する。PS112の連続配列を表す完全に配列決定されたクローンも開示する。これらの配列は、個体における前立腺癌などの前立腺の疾患または状態の検出、診断、病期分類、モニター、予後判定、予防もしくは治療または素因の判定に有用である。また、前立腺の疾患、腫瘍または転移の治療に有用な分子である、PS112コード化ポリペプチドまたはタンパク質に特異的に結合する抗体、および組織特異的PS112ポリペプチドの作用を妨げるアゴニストまたは阻害剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 前立腺の疾患の検出に有用な試薬および方法 発明の背景 本発明は、概して、前立腺の疾患の検出に関する。特に、本発明は、ポリヌク レオチド配列、それにコードされているポリペプチド配列などの試薬、およびこ れらの配列を利用する方法に関する。これらは、前立腺癌などの前立腺の疾患ま たは状態の検出、診断、病期分類、モニター、予後判定、予防もしくは治療また は素因の判定に有用である。 前立腺癌は、米国において男性に生じる癌の最も一般的な形態であり、推定33 4,500件の新たな症例が診断され、41,800件の関連死が1997年に生じたと推定さ れている(American Cancer Society)。また、前立腺癌は、他の型の癌と比べて 、発生率において最も大きな増加を示しており、1992年から1996年までに142% 増加している。 前立腺癌などの前立腺の疾患または状態の検出、診断、病期分類、モニター、 予後判定、予防もしくは治療または素因の判定のための方法は、患者の成り行き に非常に重要である。例え ば、限局性前立腺癌であると診断された患者は、90%を超える5年生存率を有す るが、遠隔転移していると診断された患者の5年生存率は25〜31%である(Amer ican Cancer Societyの統計)。したがって、前立腺癌の初期検出のための診断 方法は、この疾患を特異的に検出すべきであり、症状が現れる前に前立腺癌の存 在を検出する能力を有するべきである。 そのような方法には、免疫学的方法により検出可能で侵襲性が可能な限り小さ い方法により得られる血液、血漿、血清、尿などの試験サンプル中の種々の疾患 マーカーの出現に基づくアッセイを含めることができるであろう。これらの方法 は、前立腺の疾患を有する患者を医師が処置するのを助ける情報を提供し、患者 に対する負担も軽いであろう。前立腺特異的抗原(PSA)などのマーカーが存在し 、そのようなマーカーは、前立腺癌に関して患者をスクリーニングするために臨 床的に使用されている。上昇したレベルの血清中PSAタンパク質は、無症候の男 性における前立腺癌の初期検出におけるマーカーとして用いることができる(G. E.Hanksら,Cancer:Principes and Practice of Oncology,Vol.1,第4版,p p.1073-1113,Philadelphia,PA:J.B.Lippincott CO.(1993))。PSAは、通常 、前立腺か ら高レベルで精液中に分泌されるが、正常な前立腺を有する男性の血液中には非 常に低レベルでしか存在しない。しかしながら、良性前立腺肥大(BPH)および 前立腺の腺癌の疾患を有する患者では、PSAレベルが、血中で著しく上昇するこ とがあり、したがって前立腺疾患の指標として有用である可能性がある。しかし 、PSAは、BPHと前立腺癌とを識別することができず、このことは、前立腺癌に関 するマーカーとしてのその特異性を減少させるものである(H.K.Schwarzら,Ca ncer:Principles and Practice of Oncology ,Vol.1,第4版,pp.531-542,Philad elphia,PA:J.B.Lippincott Co.1993)。したがって、前立腺癌に、より特異 的な新規マーカーは、この疾患の初期検出において有益となろう。 前立腺癌の患者の処置において決定的に重要な段階は、最適療法の設計のため の予後評価基準を与える該癌の術前病期分類である。手術前に前立腺癌を正確に 病期分類するための改良された方法が必要とされている。手術前に前立腺越を病 期分類する現在の方法が、その場合の約50%において不正確であることが、1つ の研究で示されている(F.Labrieら,Urology 44(Symposium Issue):29-37(199 4))。また、不適当な身体画分 で見出される新規マーカーを利用することにより、前立腺癌の処置を改善するこ とが可能であろう。そのようなマーカーは、原発性前立腺腫瘍に由来するが血液 、骨髄またはリンパ節中に存在する細胞により発現されるmRNAまたはタンパク質 マーカーであることが可能であり、これらの遠位器官に対する転移についての高 感度の指標となる可能性がある。例えば、転移性前立腺癌の患者では、PSAタン パク質が、免疫組織化学的技術により骨髄中で検出されており、PSA mRNAが、RT -PCRにより血液、リンパ節および骨髄の細胞中で検出されている(K.Pantelら ,Onkologie 18:394-401(1995))。 また、初期前立腺癌の生物学的挙動を予想しうる新規マーカーも、非常に貴重 であろう。患者の生命を脅かす又は脅かすことになる初期前立腺癌は、それを脅 かさない又は脅かすことにならないものより臨床的に重要である(G.E.Hanks, 前掲)。したがって、臨床的に重要な前立腺癌と重要でない前立腺癌とを識別す る新規マーカーが必要とされている。そのようなマーカーは、それを利用しなけ れば転移により患者を死に至らしめる可能性がある前立腺限局性初期癌を医師が 正確に同定し、有効に治療することを可能にするであろう。さらに、侵襲性の癌 に特徴的なそのようなマーカーが存在しないことを示すことができれば、該患者 は、高価で無益な治療を受けなくてすむであろう。 また、前立腺癌の再発の検出においてPSAより高感度であり、アンドロゲンの 影響を受けない前立腺癌関連マーカーを見出すことも有益であろう。現在のとこ ろ、PSAは、再発性疾患を検出するための最も高感度なマーカーであることが判 明している。しかしながら、いくつかの場合には、該癌の治療のために用いるホ ルモン療法のため、PSAの上昇を伴わずに腫瘍の進行が生じる。アンドロゲンの 減少は、それに伴うPSAの減少を引き起こすが、それは、必ずしも腫瘍の転移の 減少を反映していない。このような複雑化は、アンドロゲンに刺激されるPSA発 現によってもたらされる。アンドロゲンの除去後に認められるPSAの減少の一部 は、腫瘍細胞死によるものではなく、PSA発現の減少によるものである(G.E.Ha nks,前掲)。 したがって、前立腺の疾患または状態の検出、診断、病期分類、モニター、予 後判定、予防もしくは治療または素因の判定のための特異的な方法および試薬を 提供したり、またはこれらの状態の、可能な素因を示すことは有益であろう。そ のような 方法は、前立腺の疾患および状態(例えば、癌)において過剰発現される遺伝子 の産物に関して試験サンプルをアッセイすることを含むであろう。また、そのよ うな方法は、前立腺の疾患または状態に関連した遺伝子改変の産物に関して試験 サンプルをアッセイすることを含むかもしれない。さらに、そのような方法は、 身体の種々の組織および画分中の分布が前立腺関連疾患または状態(例えば、癌 )により改変している遺伝子の産物に関して試験サンプルをアッセイすることを 含もう。有用な試薬には、生検された組織、血液または他の試験サンプルから抽 出したmRNAの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、PCRまたはハイブリダイ ゼーションアッセイなどの診断方法において使用しうるポリヌクレオチドまたは その断片が含まれる。他の有用な試薬には、そのようなmRNAの翻訳産物であるポ リペプチドまたはタンパク質、およびこれらのポリペプチドまたはタンパク質に 対する抗体が含まれる。このように、前立腺の疾患または状態に対する薬物治療 または遺伝子治療は、これらの同定された遺伝子配列またはそれらの発現された タンパク質に基づくことが可能であり、いずれかの特定の療法の効力をモニター することが可能である。さらに、初期段階の前立腺疾患(例え ば、癌)を検出する能力を有する代替的な非外科的診断方法が利用可能になれば 、有益であろう。発明の概要 本発明は、試験サンプル中の標的PS112ポリヌクレオチドを検出する方法であ って、該試験サンプルを、少なくとも1つのPS112特異的ポリヌクレオチドと接 触させ、該試験サンプル中の標的PS112ポリヌクレオチドの存在を検出すること を含んでなる方法を提供する。PS112特異的ポリヌクレオチドは、配列番号1〜10 およびそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドに対 して少なくとも50%の同一性を有する。また、該方法を行なう前に、PS112特異 的ポリヌクレオチドを固相に結合させることが可能である。 本発明はまた、試験サンプル中のPS112mRNAを検出する方法であって、少なく とも1つのプライマーで逆転写(RT)を行なってcDNAを得、得られたcDNAを、PS 112オリゴヌクレオチドをセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーとし て使用して増幅して、PS112アンプリコンを得、試験サンプル中のPS112 mRNAの 存在の指標として該PS112アンプリコンの存在を検出することを含んでなり、該P S112オリゴヌクレオチドが、 配列番号1〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる配列に 対して少なくとも50%の同一性を有することを特徴とする方法を提供する。増幅 は、ポリメラーゼ連鎖反応により行なうことができる。また、該方法を行なう前 、増幅の前または検出の前に、該試験サンプルを固相と反応させてもよい。この 反応は、直接的または間接的な反応であってもよい。さらに、該検出工程は、測 定可能なシグナルを生成しうる検出可能な標識の使用を含む。この検出可能な標 識は、固相に結合させることが可能である。 本発明はさらに、標的PS112ポリヌクレオチドを含有する疑いのある試験サン プル中の標的PS112ポリヌクレオチドの検出方法であって、(a)該試験サンプル を、センスプライマーとしての少なくとも1つのPS112オリゴヌクレオチドおよ びアンチセンスプライマーとしての少なくとも1つのPS112オリゴヌクレオチド と接触させ、増幅して第1段階反応産物を得、(b)該第1段階反応産物を少な くとも1つの他のPS112オリゴヌクレオチドと接触させて、第2段階反応産物を 得(ただし、前記の、他のPS112オリゴヌクレオチドは、工程(a)で使用するPS 112オリゴヌクレオチドの3'側に位置し、該第1段階反応産物に相 補的である)、(c)該試験サンプル中の標的PS112ポリヌクレオチドの存在の指 標として該第2段階反応産物を検出することを含んでなる方法を提供する。該方 法において試薬として選択するPS112オリゴヌクレオチトは、配列番号1〜10およ びそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる配列に対して少なくとも50 %の同一性を有する。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応により行なうことができる 。また、該方法を行なう前、または増幅の前、または検出の前に、直接的または 間接的に該試験サンプルを固相と反応させることが可能である。また、該検出工 程は、測定可能なシグナルを生成しうる検出可能な標識の使用を含む。さらに、 この検出可能な標識は、固相に結合させることが可能である。また、試験サンプ ル中の標的PS112ポリヌクレオチドを検出するのに有用な試験キットであって、 配列番号1〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる少なく とも1つのPS112特異的ポリヌクレオチドを含有する容器を含んでなる試験キッ トを提供する。これらの試験キットはさらに、試験サンプル(例えば、血液、尿 、唾液および糞便)を採集するのに有用な手段を有する容器を含む。そのような 手段には、血液を採集し安定化するためのランセットおよび 吸収紙または布、唾液を採集し安定化するためのスワブ、ならびに尿または糞便 サンプルを採集し安定化するためのカップが含まれる。該サンプルの変性または 不可逆的吸着を避けるために、所望により、紙、布、スワブ、カップなどの採集 材料を処理することが可能である。また、試料の完全性を維持するのを助けるた めに、該採集材料を保存剤、安定化剤または抗微生物剤で処理したり、該採集材 料に保存剤、安定化剤または抗微生物剤を含有させることが可能である。 本発明は、PS112遺伝子に由来する精製されたポリヌクレオチドまたはその断 片を提供する。該精製ポリヌクレオチドは、PS112遺伝子またはその相補体の核 酸に選択的にハイブリダイズする能力を有する。該ポリヌクレオチドは、配列番 号2〜10およびそれらの相補体よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドに対し て少なくとも50%の同一性を有するか、または配列番号4〜7および配列番号8 よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドの断片に対して少なくとも50%の同一 性を有する。さらに、該精製ポリヌクレオチドは、組換えおよび/または合成技 術により製造することができる。該精製組換えポリヌクレオチドは、組換えベク ター中に含有されていることが可能である。本発明 はさらに、該ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を含む。 本発明はさらに、PS112に由来するオープンリーディングフレームを含む核酸 配列を含んでなる組換え発現系を提供する。該核酸配列は、配列番号1〜10およ びそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる配列に対して少なくとも50 %の同一性を有する。該核酸配列は、所望の宿主に和合性の制御配列に作動的に 結合している。また、この組換え発現系でトランスフェクトされた細胞を提供す る。 本発明はまた、PS112にコードされるポリペプチドを提供する。該ポリペプチ ドは、組換え技術により製造し、精製形態で提供することが可能であり、または 合成技術により製造することが可能である。該ポリペプチドは、配列番号25〜32 および配列番号33よりなる群から選ばれるアミノ酸配列に対して少なくとも50% の同一性を、または配列番号25の断片に対して少なくとも75%の同一性を有する アミノ酸配列を含む。 また、少なくとも1つのPS112エピトープに特異的に結合する抗体を提供する 。該抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であることが可能で ある。該エピトープは、配 列番号25〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれるアミノ酸配列に由来す る。試験サンプル中のPS112抗原または抗PS112抗体の存在を判定するためのアッ セイキットも含まれる。1つの実施態様では、該アッセイキットは、配列番号25 〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれるアミノ酸配列に対して少なくと も50%の同一性を有する少なくとも1つのPS112ポリペプチドを含有する容器を 含む。さらに、該試験キットは、試験サンプル(例えば、血液、尿、唾液および 糞便)を採集するのに有用な手段を有する容器を含む。そのような手段には、血 液を採集し安定化するためのランセットおよび吸収紙または布、唾液を採集し安 定化するためのスワブ、ならびに尿または糞便サンプルを採集し安定化するため のカップが含まれる。該サンプルの変性または不可逆的吸着を避けるために、所 望により、紙、布、スワブ、カップなどの採集材料を処理してもよい。また、試 料の完全性を維持するのを助けるために、これらの採集材料を保存剤、安定化剤 または抗微生物剤で処理したり、該採集材料に保存剤、安定化剤または抗微生物 剤を含有させてもよい。また、該ポリペプチドを固相に結合させることが可能で ある。 試験サンプル中のPS112抗原または抗PS112抗体の存在を判定するためのもう1 つのアッセイキットは、PS112抗原に特異的に結合する抗体を含有する容器を含 んでなり、該PS112抗原は、少なくとも1つのPS112コード化エピトープを含む。 該PS112抗原は、配列番号25〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれるPS1 12コード化抗原の配列に対して少なくとも60%の配列類似性を有する。さらに、 該試験キットは、試験サンプル(例えば、血液、尿、唾液および糞便)を採集す るのに有用な手段を有する容器を含む。そのような手段には、血液を採集し安定 化するためのランセットおよび吸収紙または布、唾液を採集し安定化するための スワブ、ならびに尿または糞便サンプルを採集し安定化するためのカップが含ま れる。該サンプルの変性または不可逆的吸着を避けるために、所望により、紙、 布、スワブ、カップなどの採集材料を処理してもよい。また、試料の完全性を維 持するのを助けるために、これらの採集材料を保存剤、安定化剤または抗微生物 剤で処理したり、該採集有料に保存剤、安定化剤または抗微生物剤を含有させて もよい。また、該抗体を固相に結合させることが可能である。 PS112のエピトープの少なくとも1つを含有するポリペプチ ドの製造法であって、発現ベタターでトランスフェクトされた宿主細胞をインキ ュベートすることを含んでなる製造法を提供する。このベクターは、配列番号25 〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれるPS112アミノ酸配列に対して少 なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポ リヌクレオチド配列を含む。 また、PS112抗原を含有する疑いのある試験サンプル中のPS112抗原を検出する 方法を提供する。該方法は、PS112抗原のエピトープの少なくとも1つに特異的 に結合する抗体またはその断片と該試験サンプルとを、抗体/抗原複合体の形成 に十分な時間および条件下で接触させ、該抗体を含有するそのような複合体の存 在を、該試験サンプル中のPS112抗原の存在の指標として検出することを含む。 該抗体は、固相に結合させることが可能であり、モノクローナル抗体またはポリ クローナル抗体であることが可能である。さらに、該抗体は、配列番号25〜33お よびそれらの断片よりなる群から選ばれる少なくとも1つのPS112抗原に特異的 に結合する。 これらの抗体を含有する疑いのある試験サンプル中のPS112抗原に特異的に結 合する抗体を検出する、もう1つの方法を提 供する。該方法は、PS112ポリヌクレオチドにコードされるアミノ酸またはその 断片に対して少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含む少なくとも1 つのPS112エピトープを含有するポリペプチドと該試験サンプルとを接触させる ことを含む。接触は、抗原/抗体複合体の形成が可能となるのに十分な時間およ び条件下で行なう。該方法はさらに、該ポリペプチドを含有する複合体を検出す ることを含む。該ポリペプチドは、固相に結合させることが可能である。さらに 、該ポリペプチドは、配列番号25〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれ るアミノ酸配列に対して少なくとも50%の同一性を有する組換えタンパク質また は合成ペプチドであってもよい。 本発明は、PS112抗原のエピトープの少なくとも1つ又はその断片をコードす るPS112核酸配列でトランスフェクトされた細胞を提供する。該核酸配列は、配 列番号1〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる。 また、PS112抗原に対する抗体の製造法であって、免疫応答を引き起こすのに 十分な量の少なくとも1つのPS112エピトープを含む単離された免疫原性ポリペ プチドまたはその断片を個体に投与することを含んでなる製造法を提供する。こ の単離さ れた免疫原性ポリペプチドは、配列番号25〜33およびそれらの断片よりなる群か ら選ばれるアミノ酸配列を含む。 PS112抗原に特異的に結合する抗体のもう1つの製造法であって、配列番号25 〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれるアミノ酸配列からの少なくとも 1つのPS112由来エピトープをコードする核酸配列を含むプラスミドを哺乳動物 に投与することを含んでなる製造法を開示する。 また、配列番号2〜10およびそれらの相補体よりなる群から選ばれるポリヌク レオチドに対して少なくとも50%の同一性をまたは配列番号4〜7および配列番 号8よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドの断片に対して少なくとも50%の 同一性を有する少なくとも約10〜12ヌクレオチドのPS112ポリヌクレオチドを含 んでなる組成物を提供する。PS112ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのPS112 エピトープを有するアミノ酸配列をコードする。本発明が提供するもう1つの組 成物は、約8〜10アミノ酸のPS112エピトープの少なくとも1つを肴するポリペプ チドを含む。該ポリペプチドは、配列番号25〜32および配列番号33よりなる群か ら選ばれるアミノ酸配列に対して少なくとも50%の同一性を、または配列番号25 の断片に対して少なく とも75%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。また、配列番号25に対して少な くとも50%の同一性を有するPS112ポリペプチドをコードする遺伝子またはその 断片、および配列番号9または配列番号10に対して少なくとも50%の同一性を有 するDNAを含んでなる遺伝子またはその断片を提供する。図面の簡単な説明 図1A〜Bは、クローンg885075(配列番号1)、1512846(配列番号2)、1551713 (配列番号3)、1251961(配列番号4)、1209763(配列番号5)、1815040(配列 番号6)、1859374(配列番号7)、1650092(配列番号8)およびそれらに由来す るコンセンサス(Consensus)配列(配列番号9)のヌクレオチドアラインメント を示す。 図2は、重複するg885075(配列番号1)、1512846(配列番号2)、1551713(配 列番号3)、1251961(配列番号4)、1209763(配列番号5)、1815040(配列番号6) 、1859374(配列番号7)および1650092(配列番号8)のヌクレオチドアラインメント からのコンセンサスヌクレオチド配列(配列番号9)の形成を表すコンティグ地 図を示す。 図3Aは、種々の組織抽出物からのRNAの、臭化エチジウムで 染色されたアガロースケルのスキャンである。図3Bは、PS112放射能標識を使用 する、種々の組織抽出物からのRNAのノーザンブロットである。 図4Aは、前立腺組織からのPS112特異的プライムドPCR増幅産物の、臭化エチジ ウムで染色されたアガロースケルのスキャンである。図4Bは、種々の組織からの PS112特異的プライムドPCR増幅産物の、臭化エチジウムで染色されたアガロース ゲルのスキャンである。発明の詳細な説明 本発明は、配列番号25に対して少なくとも約50%の同一性を有するPS112ポリ ペプチドをコードする遺伝子またはその断片を提供する。本発明はさらに、配列 番号9および配列番号10に対して少なくとも約50%の同一性を有するDNAを含ん でなるPS112遺伝子またはその断片を含む。 本発明は、PS112と称される前立腺組織遺伝子の産物に関して試験サンプルを アッセイするための方法であって、該試験サンプル中のmRNAからcDNAを調製し、 前立腺組織遺伝子PS112の存在の指標として該cDNAを検出することを含んでなる 方法を提供する。該方法は、PS112に由来する、該遺伝子またはそ の断片に対応する1以上のmRNA部分を増幅する増幅工程を含む。また、PS112の 翻訳産物に関してアッセイするための方法を提供する。本発明で提供する方法に よりアッセイしうる試験サンプルには、組織、細胞、体液および分泌物が含まれ る。本発明はまた、これらの方法を実施するのに有用なオリゴヌクレオチドプラ イマー、ポリペプチドなどの試薬を提供する。 本明細書で開示する核酸配列の一部は、RNAの逆転写のための、またはcDNAの 増幅のためのプライマーとして、あるいは試験サンプル中の或るmRNA配列の存在 を判定するためのプローブとして有用である。また、診断用イムノアッセイにお ける基準または試薬として、医薬スクリーニングアッセイの標的として、および /または、種々の療法のための成分または標的部位として有用なコードされるポ リペプチド配列の製造を可能にする核酸配列を開示する。これらのポリペプチド 配列内に含有される少なくとも1つのエピトープに対するモノクローナル抗体お よびポリクローナル抗体は、PS112に関連した疾患または状態(特に前立腺癌) の治療剤の運搬剤として有用であり、また、該疾患または状態に関する診断試験 およびスクリーニングに有用である。関心のある遺伝子の他の部分の配列の単離 は、これ らの核酸配列に由来するプローブまたはPCRプライマーを用いて行なうことがで きる。これは、確認すべき関心のあるmRNAまたはcDNAの追加的なプローブおよ び対応するコード化ポリペプチド配列を可能にする。これらの追加的な分子は、 本明細書に開示するPS112により特徴づけられる前立腺の疾患および状態(例え ば、前立腺癌)の検出、診断、病期分類、モニター、予後判定、予防もしくは治 療または素因の判定に有用である。 アミノ酸配列の「類似性」を判定するための技術は、当該技術分野でよく知ら れている。一般に、「類似性」は、アミノ酸が、同一であるか、または類似した 化学的および/または物理的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する場合に は、適当な位置における2以上のポリペプチドの厳密なアミノ酸対アミノ酸の比 較を意味する。したがって、いわゆる「類似性の割合(%)」は、比較されるポ リペプチド配列の間で決定することができる。核酸およびアミノ酸配列の同一性 を判定するための技術も、当該技術分野でよく知られており、その遺伝子に関す るmRNAのヌクレオチド配列を決定し(通常は、cDNA中間体を介して)、それにコ ードされるアミノ酸配列を決定し、これともう1つのアミノ酸配列とを比較する ことを含む。一般に、「同 一性」は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の、それぞれ、厳密 なヌクレオチド対ヌクレオチドまたはアミノ酸対アミノ酸の一致を意味する。2 以上のポリヌクレオチド配列は、「同一性(%)」を決定することにより比較す ることができる。同様に、2以上のアミノ酸配列は、それらの「同一性の割合( %)」を決定することにより比較することができる。Wisconsin Sequence Analy sis Package,Version 8(Genetics Computer Group,Madison,WIから入手可能 )において入手可能なプログラム、例えばGAPプログラムは、2つのポリヌクレオ チド間の同一性と、2つのポリペプチド配列間の同一性および類似性との両方を 計算する能力を有する。配列間の同一性または類似性を計算するための他のプロ グラムが、当該技術分野で公知である。 本明細書に記載の組成物および方法は、前立腺組織の疾患または状態の指標と しての或るマーカーの同定を可能にし、それから得られる情報は、PS112に関連 した疾患および状態(特に前立腺癌)の検出、診断、病期分類、モニター、予後 判定、予防もしくは治療または素因の判定の助けとなるであろう。試験方法には 、例えば、本発明で提供する配列を利用し核酸増幅方 法、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼチェイン反応(LCR)および ハイブリダイゼーションを利用しうるプローブアッセイが含まれる。また、本発 明で提供するヌクレオチド配列は、免疫原性エピトープを見出すことが可能なオ ープンリーディングフレームを含有する。このエピトープは、PS112に関連した 病態または状態に特有であると考えられている。また、PS112遺伝子によりコー ドされるポリヌクレオチドまたはポリペプチドおよびタンパク質は、マーカーと して有用であると考えられている。このマーカーは、前立腺癌などの疾患におい て上昇するか、前立腺癌などの疾患において変化しているか、または正常なタン パク質として存在するが不適当な身体画分中に出現する。該エピトープの特有性 は、(i)PS112遺伝子にコードされるタンパク質およびポリペプチドに対する抗 体に対するその免疫反応性および特異性、および(ii)他の任意の組織マーカー に対するその非反応性により測定することができる。免疫反応の測定方法は、よ く知られており、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合抗体免疫吸 着アッセイ(ELISA)、赤血球凝集反応(HA)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA )、化学発光イムノアッセイ(CLIA)などを含むが、これらに限定さ れるものではない。適当な方法のいくつかの例は、本明細書に記載されている。 特に示さない限り、以下の用語は以下の意味を有するものとする。 示されている配列に「由来」する又は「特異的」なポリヌクレオチドは、示さ れているヌクレオチド配列の領域に対応する(すなわち、一致した又は相補的で ある)少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、 より好ましくは少なくとも約10〜12ヌクレオチド、より一層好ましくは少なくと も約15〜20ヌクレオチドの連続した配列を含むポリヌクレオチド配列を意味する 。該配列は、当該技術分野で公知の技術で判定した場合に、ある特定のポリヌク レオチド配列に特有の配列と相補的または同一であってよい。示されている配列 の特有性を判定する方法として、例えば、データバンク中の配列の比較を用いる ことができる。配列が由来する領域には、特異的エピトープをコードする領域、 ならびに非翻訳および/または非転写領域が含まれるが、これらに限定されるも のではない。 該由来ポリヌクレオチドは、必ずしも、研究中の関心のある ヌクレオチド配列に物理的に由来するとは限らす、該ポリヌクレオチドが由来す る領域中の塩基配列から得られる情報に基づく化学合成、複製、逆転写または転 写を含む(これらに限定されるものではない)任意の方法で生成させることがで きる。このように、これは、元のポリヌクレオチドのセンスまたはアンチセンス 配向であってよい。さらに、示されている配列の領域に対応する領域の組合せを 、意図する用途に適合するように、当該技術分野で公知の方法で修飾することが できる。 特定されているポリヌクレオチドの「断片」は、示されているヌクレオチド配 列の領域に対応する(すなわち、一致した又は相補的である)少なくとも約6ヌ クレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくと も約10〜12ヌクレオチド、より一層好ましくは少なくとも約15〜20ヌクレオチド の連続した配列を含むポリヌクレオチド配列を意味する。 「プライマー」なる語は、標的ヌクレオチド配列に相補的であり該標的ヌクレ オチド配列にハイブリダイズさせるのに使用する特定のオリゴヌクレオチド配列 を意味する。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼまたは逆転写酵 素により触 媒されるヌクレオチドの重合の開始点として働く。 「プローブ」なる語は、相補的配列を含有するサンプル中に存在する特定のポ リヌクレオチドを同定するために使用しうる一定の核酸セグメント(またはヌク レオチド類似体セグメント、例えば、後記で定義するPNA)を意味する。 「コード(されている)」は、ポリペプチド配列が核酸配列にコードされてい ることを意味する(該ポリペプチドまたはその一部は、該核酸配列にコードされ ているポリペプチドからの少なくとも3〜5アミノ酸、より好ましくは少なくと も8〜10アミノ酸、より一層好ましくは少なくとも15〜20アミノ酸のアミノ酸配 列を含有する)。また、該配列にコードされているポリペプチドで免疫学的に同 定可能なボリペプチド配列が含まれる。したがって、「ポリペプチド」、「タン パク質」または「アミノ酸」配列は、PS112アミノ酸配列に対して少なくとも約5 0%の同一性、好ましくは約60%の同一性、より好ましくは約75〜85%の同一性 、最も好ましくは約90〜95%以上の同一性を有する。さらに、PS112「ポリペプ チド」、「タンパク質」または「アミノ酸」配列は、PS112のポリペプチドまた はアミノ酸配列に対して少なくとも約60%の類似性、好ましくは少なくとも 約75%の類似性、より好ましくは約85%の類似性、最も好ましくは約95%以上の 類似性を有することが可能である。このアミノ酸配列は、配列番号25〜33および それらの断片よりなる群から選ぶことが可能である。 本明細書では互換的に用いることがある「組換えポリペプチド」、「組換えタ ンパク質」または「組換え技術により製造されたポリペプチド」なる語は、本来 的に又は操作により、天然において伴われているポリペプチドの全部または一部 を伴われていないポリペプチド、および/または、天然で結合しているポリペプ チド以外のポリペプチドに結合しているポリペプチドを意味する。組換え又はコ ード化ポリペプチドまたはタンパク質は、必ずしも、示されている核酸配列から 翻訳されるわけではない。また、それは、化学合成または組換え発現系の発現を 含む任意の方法で得ることができよう。 本発明で用いる「合成ペプチド」なる語は、当業者によく知られている方法で 化学的に合成することが可能な、任意の長さのアミノ酸の重合形態を意味する。 これらの合成ペプチドは、種々の用途において有用である。 本発明で用いる「ポリヌクレオチド」なる語は、リボヌクレ オチドまたはデオキシリボヌクレオチドの、任意の長さのヌクレオチドの重合形 態を意味する。この用語は、該分子の一次構造のみをさす。したがって、該用語 は、二本鎖および一本鎖のDNAならびに二本鎖および一本鎖のRNAを含む。また、 それは、該ポリヌクレオチドのメチル化体またはキャップ形成体などの修飾体、 および非修飾形態を含む。「ポリヌクレオチド」、「オリゴマー」、「オリゴヌ クレオチド」および「オリゴ」は、本明細書中では互換的に用いる。 「cDNAに対応する配列」は、該配列が、示されているDNA中の配列と同一また は相補的であるポリヌクレオチト配列を含有することを意味する。cDNAに対する 同一性または相補性の程度(または割合(%))は、約50%以上、好ましくは少 なくとも約70%以上、より好ましくは少なくとも約90%以上となろう。特定され ているcDNAに対応する配列は、少なくとも約50ヌクレオチド長、好ましくは少な くとも約60ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約70ヌクレオチド長とな ろう。関心のある遺伝子または遺伝子断片と該cDNAとの間の対応度は、当該技術 分野で公知の方法により決定することができ、例えば、配列決定された物質と、 記載されているcDNAとの直接比較、または ハイブリダイゼーション、および一本鎖ヌクレアーゼによる消化、およびそれに 続く、該消化断片のサイズの測定を含む。 「精製(された)ポリヌクレオチド」は、該ポリヌクレオチドが天然において 伴われているタンパク質を実質的に含まない(例えば、その約50%以上、好まし くは約70%以上、より好ましくは約90%以上を含有しない)関心のあるポリヌク レオチドまたはその断片を意味する。関心のあるポリヌクレオチドを精製するた めの技術は、当該技術分野でよく知られており、例えば、ポリヌクレオチドを含 有する細胞をカオトロピック試薬で破壊すること、およびイオン交換クロマトグ ラフィー、アフィニティークロマトグラフィーおよび密度に応じた沈降によるポ リヌクレオチドおよびタンパク質の分離を含む。 「精製(された)ポリペプチド」または「精製(された)タンパク質」は、関 心のあるポリペプチドが天然において伴われている細胞成分を実質的に含まない (例えば、その約50%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約90%以上 を含有しない)関心のあるポリペプチドまたはその断片を意味する。関心のある ポリペプチドを精製するための方法は、当該技術分野で公知である。 「単離(された)」なる語は、該物質が、その元の環境(例えば、それが天然 に生じるものである場合には天然環境)から取り出されていることを意味する。 例えば、生きた動物中に存在する天然に生じるポリヌクレオチドまたはポリペプ チドは、単離されていないが、天然系中の共存物質の一部または全部から分離さ れている同じポリヌクレオチドまたはDNAまたはポリペプチドは、単離されてい る。そのようなポリヌクレオチドがベクターの一部となることが可能であり、お よび/または、そのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドが組成物の一部 となることが可能であり、それらもまた、該べタターまたは組成物がその天然環 境の一部でないため単離されている。 「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書中では互換的に用い、共 有結合および/または非共有結合で結合したアミノ酸の分子鎖の少なくとも1つ を示す。これらの用語は、特定の長さの該産物を意味するものではない。したが って、ポリペプチドの定義には、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質が 含まれる。これらの用語は、該ポリペプチドの翻訳後修飾、例えばグリコシル化 、アセチル化、リン酸化などを含む。また、タンパク質断片、類似体、突然変異 または変異タンパク 質、融合タンパク質などが、ポリペプチドの意義に含まれる。 特定されているポリペプチドの「断片」は、その特定されているポリペプチド に由来する少なくとも約3〜5アミノ酸、より好ましくは少なくとも約8〜10アミ ノ酸、より一層好ましくは少なくとも約15〜20アミノ酸を含むアミノ酸配列を意 味する。 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養」お よび単細胞体として培養された微生物または高等真核細胞系を示す他のそのよう な用語は、組換えベクターまたは他の導入DNAのレシピエントとして使用しうる 又は使用されている細胞を意味し、トランスフェクトされた元の細胞の元の後代 (original progeny)を含む。 本発明で用いる「レプリコン」は、細胞内でポリヌクレオチド複製の自律単位 として挙動するプラスミド、染色体、ウイルスなどの任意の遺伝要素を意味する 。 「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが結合しているレプリコン であり、例えば該結合セグメントの複製および/または発現を引き起こす。 「制御配列」なる語は、それが結合しているコード配列の発現を引き起こすた めに必要なポリヌクレオチド配列を意味する。 そのような制御配列の性質は、宿主生物によって異なる。原核生物では、そのよ うな制御配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位およびターミネー ターを含み、真核生物では、そのような制御配列は、一般に、プロモーター、タ ーミネーター、および場合によってはエンハンサーを含む。したがって、「制御 配列」なる語は、発現するために存在することを要する全成分を最低限含むと意 図され、また、存在すれば有利である追加的な成分(例えば、リーダー配列)を 含んでいてもよい。 「作動的に結合」は、記載されている成分が、それらの意図される様態で機能 しうる関係で存在している状況を意味する。したがって、例えば、コード配列に 「作動的に結合」している「制御配列」は、該制御配列に適合しうる条件下で該 コード配列の発現が達成されるように連結されている。 「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、ポリペプチドをコード するポリヌクレオチド配列の領域を意味する。この領域は、コード配列の一部ま たは全コード配列に相当する。 「コード配列」は、適当な調節配列の制御下に配置された場合に、mRNAに転写 されポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。該コード配列の境 界は、5'末端の翻訳開始コ ドンと、3'末端の翻訳停止コドンとにより定められる。コード配列には、mRNA、 cDNAおよび組換えポリヌクレオチド配列を含めることが可能であるが、これらに 限定されるものではない。 「免疫学的に同定可能」なる語は、示されているポリペプチド中に存在しそれ に特有なエピトープおよびポリペプチドの存在を意味する。免疫学的同一性は、 抗体結合および/または結合における競合により判定することができる。これら の技術は、当業者に公知であり、本明細書にも記載されている。また、エピトー プの特有性は、エピトープをコードするポリヌクレオチド配列に関するGenBank などの公知データバンクのコンピューター検索により、また、他の公知タンパク 質とのアミノ酸配列の比較により判定することができる。 本発明で用いる「エピトープ」は、ポリペプチドまたはタンパク質の抗原決定 基を意味する。エピトープは、該エピトープに特有の空間コンホメーションにお いて3個のアミノ酸を含むことが可能である、と考えられる。一般に、エピトー プは、少なくとも5個のそのようなアミノ酸よりなり、通常、それは、少なくと も8〜10個のアミノ酸よりなる。空間コンホメーションを調べる方法は、当該技 術分野で公知であり、例えば、X線 結晶解析および二次元核磁気共鳴を含む。 「コンホメーションエピトープ」は、免疫学的に認識可能な構造のアミノ酸の 特異的な配置を含むエピトープであり、そのようなアミノ酸は、連続的または不 連続的な順序で同一ポリペプチド上に存在するか又は異なるポリペプチド上に存 在する。 ポリペプチド内に含有される特異的エピトープの抗体認識により該ポリペプチ ドが抗体に結合する場合、該ポリペプチドは抗体に対して「免疫反応性」である 。免疫反応性は、抗体結合により、より詳しくは抗体結合の速度論により、およ び/または、該抗体に対するエピトープを含有する公知ポリペプチドを競合体と して用いる結合における競合により測定することができる。ポリペプチドが抗体 に対して免疫反応性であるか否かを判定する方法は、当該技術分野で公知である 。 本発明で用いる「関心のあるエピトープを含有する免疫原性ポリペプチド」は 、関心のある天然に生じるポリペプチドまたはその断片、および他の手段(例え ば、化学合成、または組換え生物中での該ポリペプチドの発現)で製造されたポ リペプチドを意味する。 「トランスフェクション」なる語は、原核性または真核性宿 主細胞内に外因性ポリヌクレオチドを導入することを意味し、その導入に用いる 方法には無関係である。「トランスフェクション」なる語は、ポリヌクレオチド の安定な導入および一過性の導入の両方を意味し、ポリヌクレオチドの直接取込 み、形質転換、形質導入およびf接合を含む。外因性ポリヌクレオチドは、宿主 細胞内に導入されたら、非組込みレプリコン(例えば、プラスミド)として維持 されることが可能であり、あるいは宿主ゲノム内に組込まれることが可能である 。 「処置」は、予防および/または治療を意味する。 本発明で用いる「個体」なる語は、脊椎動物、特に哺乳動物種のメンバーを意 味し、家畜、競技用動物、霊長類およびヒトを含むが、これらに限定されるもの ではない。この用語は、特にヒトを意味する。 本発明で用いる「センス鎖」または「プラス鎖」(または「+」)なる語は、該ポリペ プチドをコードする配列を含有する核酸を意味する。「アンチセンス鎖」または 「マイナス鎖」(または「−」)は、「プラス」鎖の配列に相補的な配列を含有 する核酸を意味する。 「試験サンプル」なる語は、被検体(例えば、関心のある抗 体または関心のある抗原)の起源である個体の身体の成分を意味する。これらの 成分は当該技術分野でよく知られている。試験サンプルは、典型的には、標的配 列を含有する疑いのあるものてある。試験サンプルは、当該技術分野でよく知ら れた方法により、例えば、個体から試料を得、必要に応じて、それが含有するい ずれかの細胞を破壊して標的核酸を遊離させることにより調製することができる 。これらの試験サンプルには、本明細書に記載の本発明の方法により試験するこ とができる生物学的サンプルが含まれ、ヒトおよび動物の体液、例えば、全血、 血清、血漿、脳脊髄液、痰、気管支洗液、気管支吸引液、尿、リンパ液、および 気道、胞管および尿生殖路の種々の外分泌物、涙、唾液、乳、白血球、骨髄腫な ど;生物学的流体、例えば、細胞培養上清;固定しうる組織試料;および固定し うる細胞試料が含まれる。 「精製(された)産物」は、該産物が通常伴っている細胞構成成分から、また 、関心のあるサンプル中に存在しうる他の型の細胞から単離されている産物の調 製物を意味する。 「PNA」は、標的の存在を判定するための本明細書に記載のアッセイなどの方法 で使用しうる「ペプチド核酸類似体」を意味 する。「MA」は、標的の存在を判定するための本明細書に記載のアッセイなどの 方法で使用しうるモルホリノ類似体を意味する。例えば、米国特許第5,378,841 号を参照されたい。PNAは、RNA標的またはDNAに指向しうる中性に荷電している 部分である。例えば本発明のDNAプローブの代わりにアッセイで使用するPNAプロ ーブは、DNAプローブを使用した場合には達成できない利点をもたらす。これら の利点には、製造可能性、大規模標識、再現性、安定性、イオン強度の変化に対 する不感受性、およびDNAまたはRNAを用いる方法において存在する酵素分解に対 する抵抗性が含まれる。これらのPNAは、フルオレセイン、放射性ヌクレオチド 、化学発光性化合物などのシグナル生成化合物で標識(「付加」)することがで きる。したがって、DNAまたはRNAの代わりに、PNAまたは他の核酸類似体、例え ばMAを、アッセイ方法において使用することができる。本明細書には、DNAプロ ーブを使用するアッセイが記載されているが、RNAまたはDNAの代わりにPNAまた はMAを使用し、必要に応じて、アッセイ試薬における適当な変更を加えることは 、当業者の技量の範囲内に含まれる。 本発明で用いる「被検体」は、試験サンプル中に存在する可 能性がある検出すべき物質である。該被検体は、天然に生じる特異的結合メンバ ー(例えば、抗体)に対する物質、または特異的結合メンバーを与えうる任意の 物質であることが可能である。したがって、被検体は、アッセイにおいて1以上 の特異的結合メンバーに結合しうる物質である。また、「被検体」は、任意の抗 原物質、ハプテン、抗体およびそれらの組合せを含む。天然に生じる特異的結合 パートナー(ペア)を用いて(例えば、ビタミンB12を測定するために特異的結 合ペアのメンバーとして内因子タンパク質を使用して、あるいは葉酸を測定する ために葉酸結合タンパク質を使用して、あるいは炭水化物を測定するために特異 的結合ペアのメンバーとしてレクチンを使用して)、該被検体を特異的結合ぺア のメンバーとして検出することができる。該被検体には、タンパク質、ポリペプ チド、アミノ酸、ヌクレオチド標的などを含めることができる。 本発明で用いる「前立腺の疾患」または「前立腺疾患」または「前立腺の状態 」は、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、前立腺上皮内新生物(PIN)および癌 を含む(これらに限定されるものではない)前立腺の任意の疾患または状態を意 味する。 本発明で用いる「前立腺癌」は、腺癌、小細胞未分化癌およ びムチン(コロイド)癌を含む(これらに限定されるものではない)前立腺の任 意の悪性疾患を意味する。 「発現しているタグ配列」または「EST」は、組織から抽出されたmRNAの逆転 写およびそれに続くベタター内への挿入により作製されたcDNA挿入断片の部分配 列を意味する。 「転写産物イメージ」は、ライブラリー中のESTの量的分布を示す表または一 覧を意味し、該ライブラリーが由来する組織内で活性な遺伝子を表す。 本発明は、特異的結合メンバーを使用するアッセイを提供する。本発明で用い る「特異的結合メンバー」は、特異的結合ペアのメンバーである。すなわち、2 つの異なる分子のうちの一方が、化学的または物理的手段により、もう一方の分 子に特異的に結合する。したがって、一般的なイムノアッセイの抗原および抗体 特異的結合ペアに加えて、他の特異的結合ペアとして、ビオチンおよびアビジン 、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよび受容 体分字、補因子および酵素、酵素阻害剤および酵素などを含めることができる。 さらに、特異的結合ペアには、元の特異的結合メンバーの類似体(例えば、被検 体類似体)であるメンバーを含めることができ る。免疫反応性特異的結合メンバーには、組換えDNA分子により形成されたもの を含む、抗原、抗原断片、抗体および抗体断片(モノクローナルおよびポリクロ ーナルの両方ならびにそれらの複合体)が含まれる。 本発明で用いる「ハプテン」なる語は、抗体に結合する能力を有するが、担体 タンパク質に結合しない限り抗体形成を惹起する能力を有さない部分抗原または 非タンパク質結合メンバーを意味する。 本発明で用いる「捕捉試薬」は、サンドイッチアッセイにおいては該被検体に 特異的な、あるいは競合アッセイにおいては指示試薬に特異的な、あるいは間接 アッセイにおいては補助的特異的結合メンバー(それ自体は、該被検体に特異的 である)に特異的な未標識の特異的結合メンバーを意味する。該アッセイの実施 前または該アッセイの実施中に、該捕捉試薬を固相材料に直接的または間接的に 結合させて、試験サンプルから固定化複合体を分離できるようにすることが可能 である。 「指示試薬」は、特異的結合メンバーに共役(「付加」)している、外的手段 により検出可能な測定可能なシグナルを生成する能力を有し該シグナルを生成す る「シグナル生成化合物」 (「標識」)を含む。該指示試薬は、特異的結合ペアの抗体メンバーであること に加えて、ハプテン−抗ハプテン系(例えば、ビオチンまたは抗ビオチン、アビ ジンまたはビオチン、炭水化物またはレクチン、相補的ヌクレオチト配列、エフ ェクターまたは受容体分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤または酵素など )を含む任意の特異的結合ペアのメンバーとなることも可能である。免疫反応性 の特異的結合メンバーは、サンドイッチアッセイにおける関心のあるポリペプチ ド、または競合アッセイにおける捕捉試薬、または間接アッセイにおける補助的 特異的結合メンバーのいずれかに結合する能力を有する抗体、抗原または抗体/ 抗原複合体でありうる。プローブおよびプローブアッセイを説明する場合に、「 レポーター分子」なる語を用いることがある。レポーター分子は、特異的結合ペ アの特異的結合メンバーに共役した前記のシグナル生成化合物(例えば、カルバ ゾールまたはアダマンタン)を含む。 意図される種々の「シグナル生成化合物」(標識)には、発色性物質、触媒( 例えば、酵素)、発光性化合物(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、 化学発光性化合物(例えば、ジオキセタン、アクリジニウム、フェナントリジニ ウムおよび ルミノール)、放射性要素および直接可視標識が含まれる。酵素には、例えば、 アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β-ガラタト シダーゼなどが含まれる。個々の標識の選択は、決定的に重要ではないが、それ 自体で又は1以上の追加的物質と共にシグナルを生成する能力を有するものでな ければならない。 「固相」(「固体支持体」)は、当業者に公知であり、反応トレーのウェルの 壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁性または非磁性ビーズ、ニトロセルロース 小片、膜、微粒子(例えば、ラテックス粒子)、ヒツジ(または他の動物の)赤 血球および 可能な、ピルビン酸アルデヒドおよびホルムアルデヒドで固定された赤血球)な どを含む。「固相」は決定的に重要なものではなく、当業者であれば選択するこ とができよう。例えば、ラテックス粒子、微粒子、磁性または非磁性ビーズ、膜 、プラスチック管、マイクロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコ はすべて、適当な具体例である。ペプチドを固相上に固定化するための適当な方 法には、イオン、疎水性、共有結合相互作用 などが含まれる。本発明で用いる「固相」は、不溶性であるか又は後続の反応で 不溶性にすることができる任意の材料を意味する。固相は、捕捉試薬を誘引し固 定化するその固有能力に関して選択することができる。あるいは、固相は、捕捉 試薬を誘引し固定化する能力を有する追加的な受容体を保有することが可能であ る。追加的な受容体には、捕捉試薬自体とは反対に荷電した、あるいは捕捉試薬 に共役した荷電物質とは反対に荷電した荷電物質を含めることが可能である。あ るいはまた、該受容体分子は、特異的結合反応により捕捉試薬を固定化する能力 を有し固相上に固定化(付加)されている任意の特異的結合メンバーであること が可能である。該受容体分子は、アッセイの実施前またはアッセイの実施中に捕 捉試薬が固相材料に間接的に結合するのを可能にする。したがって、固相は、プ ラスチック、誘導プラスチック、磁性または非磁性金属、試験管のガラスまたは シリコン表面、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップ、ヒ ツジ(または他の動栃の)赤血球、 ある。 検出抗体の接近を許容するのに十分な多孔性と、抗原を結合 させる適当な表面親和性とを有する、適当な任意の多孔性材料を、固相が含むこ とも可能であると期待され、そのような場合も本発明の範囲内に含まれる。多孔 性構造が一般に好ましいが、水和化状態のゲル構造を有する材料も使用できる。 そのような有用な固体支持体には、ニトロセルロースおよびナイロンが含まれる が、これらに限定されるものではない。本明細書に記載のそのような多孔性固体 支持体は、好ましくは、約0.01〜0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚さのシートの形 態であると意図される。該孔径は、広範囲の値を取ることが可能であり、好まし くは約0.025〜15ミクロン、特に好ましくは約0.15〜15ミクロンである。そのよ うな支持体の表面は、該支持体に対する抗原または抗体の共有結合を引き起こす 化学的方法により活性化することができる。しかしながら、一般には、十分には 理解されていない疎水性力による多孔性材料上での吸着により、抗原または抗体 の不可逆的結合を得る。他の適当な固体支持体は、当該技術分野で公知である。 試薬 本発明は、関心のある前立腺組織に由来しPS112と称されるポリヌクレオチド 配列、それにコードされるポリペプチド、こ れらのポリペプチドに特異的な抗体などの試薬を提供する。本発明はまた、開示 されているポリヌクレオチドおよびこれらのポリヌクレオチドに相補的な核酸配 列に由来するオリゴヌクレオチド断片などの試薬を提供する。本発明のポリヌク レオチド、ポリペプチドまたは抗体を使用して、前立腺癌などの前立腺の疾患ま たは状態の検出、診断、病期分類、モニター、予後判定、予防もしくは治療また は素因の判定につながる情報を得ることができる。本明細書に開示の配列は、遺 伝子転写活性の特異的プロフィールを得るために又はアッセイで使用しうる特有 のポリヌクレオチドである。そのようなアッセイは、欧州特許第0373203B1号お よび国際公開WO 95/11995に開示されている。 選択したPS112由来ポリヌクレオチドを、正常な又は改変された遺伝子発現の 検出のために本明細書に記載の方法で使用することができる。そのような方法で は、PS112ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド、それらの断片もしくは 誘導体、またはそれらに相補的な核酸配列を使用することができよう。 本明細書に開示のポリヌクレオチド、それらに相補的な配列、またはそれらの いずれかの断片を、前立腺組織の疾患または状態に関連した遺伝子、核酸、cDNA またはmRNAの検出、増幅ま たは定量のためのアッセイで使用することができる。また、それらを使用して、 PS112ポリペプチドのコード領域の全部または一部を同定することができる。さ らに、それらは、アッセイ用のキットの形態で個々の容器内に提供したり、ある いは個々の組成物として提供することができる。アッセイ用のキットで提供する 場合には、緩衝液、結合体などの他の適当な試薬を含有させることができよう。 該ポリヌクレオチドは、RNAまたはDNAの形態でありうる。DNA、cDNA、ゲノムD NA、核酸類似体および合成DNAの形態のポリヌクレオチドは、本発明の範囲内に 含まれる。該DNAは、二本鎖または一本鎖でありえて、一本鎖である場合には、 コード(センス)鎖または非コード(アンチセンス)鎖でありうる。該ポリペプ チドをコードするコード配列は、本発明で提供するコード配列と同一でありえて 、遺伝暗号の重複または縮重の結果、本発明で提供するDNAと同じポリペプチド をコードする異なるコード配列でありうる。 このポリヌクレオチドは、該ポリペプチドのコード配列のみを含んでいたり、 あるいは該ポリペプチドのコード配列と追加的なコード配列(例えば、リーダー または分泌配列またはプロ タンパク質配列)とを含んでいたり、あるいは該ポリペプチドのコード配列(お よび所望により追加的なコード配列)と非コード配列(例えば、該ポリペプチド のコード配列の5'および/または3'側の非コード配列)とを含んでいよう。 また、本発明は、ポリヌクレオチドの欠失、置換または付加などの修飾を含有 する変異ポリヌクレオチドと、該変異ポリヌクレオチド配列から生じる任意のポ リヌクレオチド修飾体を含む。また、本発明のポリヌクレオチドは、本発明で提 供するコード配列の天然に生じる対立遺伝子変異体であるコード配列を有してい てもよい。 さらに、該ポリペプチドのコード配列は、宿主細胞におけるポリペプチドの発 現および分泌を補助するポリヌクレオチド配列(例えば、細胞からのポリペプチ ドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列)に、同じリー ディングフレームで融合させることができる。リーダー配列を有するポリペプチ ドはプレタンパク質であり、それは、該ポリペプチドを形成するために宿主細胞 により切断されるリーダー配列を有していてもよい。また、該ポリヌクレオチド は、該タンパク質と追加的な5'アミノ酸残基とを含むプロタンパク質をコードし ていてもよい。プロ配列を有するタンパク質は、プロタンパク質であり、場合に よっては、該タンパク質の不活性形態であってもよい。プロ配列が切断されると 、活性タンパク質が残される。したがって、本発明のポリヌクレオチドは、タン パク質をコードしたり、あるいはプロ配列を有するタンパク質をコードしたり、 あるいはプレ配列(リーダー配列)とプロ配列とを有するタンパク質をコードし てもよい。 また、本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドの精製を可能にす るマーカー配列とインフレームで融合したコード配列を有していてもよい。該マ ーカー配列は、細菌宿主の場合には、該マーカーと融合したポリペプチドの精製 をもたらすための、pQE-9ベタターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであ ることが可能であり、あるいは例えば、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞系) を使用する場合には、該マーカー配列は赤血球凝集素(HA)タグであることが可 能である。HAタグは、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトー プに対応する。例えば、I.Wilsonら,Cell 37:767(1984)を参照されたい。 ポリヌクレオチドと本発明で提供する配列との間で少なくと も50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%の同一性が あれば、該ポリヌクレオチドは該配列にハイブリダイズすると期待される。 本発明はまた、精製されたPS112ポリペプチドを使用して産生された抗体であ って、該ポリペプチドの少なくとも一部が、本発明が提供するポリヌクレオチド から選ばれるPS112ポリヌクレオチドにコードされることを特徴とする抗体を提 供する。これらの抗体は、試験サンプル中のPS112抗原の検出のために本発明で 提供する方法で使用することができる。試験サンプル中のPS112抗原の存在は、 前立腺の疾患または状態の存在の指標となる。該抗体はまた、治療目的に使用す ることが可能であり、例えば、改変した又は異常な発現に関連した状態における PS112ポリペプチドの活性の中和において使用することができる。 本発明はさらに、本発明で提供する推定アミノ酸配列を有するPS112ポリペプ チド、ならびにそのようなポリペプチドの断片、類似体および誘導体に関する。 本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然の精製ポリペプチドまたは 合成ポリペプチドでありうる。PS112ポリペプチドの断片、誘導体また は類似体は、該アミノ酸残基の1以上が同類アミノ酸残基または非同類アミノ酸 残基(好ましくは、同類アミノ酸残基)で置換されているものでありうる。その ような置換アミノ酸残基は、遺伝暗号によりコードされていてもコードされてい なくてもよい。あるいはそれは、アミノ酸残基の1以上が置換基を含みうる。あ るいはそれは、該ポリペプチドが別の化合物(例えば、該ポリペプチドの半減期 を増加させる化合物、例えばポリエチレングリコール)に融合しているものであ りうる。あるいはそれは、追加的なアミノ酸(例えば、リーダーもしくは分泌配 列、または該ポリペプチドの精製のために使用する配列、またはプロタンパク質 配列)が該ポリペプチドに融合しているものでありうる。そのような断片、誘導 体および類似体は、本発明の範囲内に含まれる。本発明のポリペプチドおよびポ リヌクレオチドは、好ましくは、単離(好ましくは精製)された形態で提供され る。 したがって、本発明のポリペプチドは、天然に生じるポリペプチドのアミノ酸 配列と同じであるか又は1以上のアミノ酸の置換による小さな変異により異なる アミノ酸配列を有することが可能である。該変異は、典型的には、約1〜5アミ ノ酸の範囲 の「同類変化」であることが可能であり、この場合、該置換アミノ酸は、類似し た構造的または化学的特性を有する(例えば、ロイシンからイソロイシンへの置 換またはトレオニンからセリンへの置換)。これに対して、変異には、非同類変 化(例えば、グリシンからトリプトファンへの置換)を含めることができる。ま た、類似した小さな変異には、アミノ酸の欠失または挿入またはそれらの両方を 含めることができる。生物学的または免疫学的活性の変化を引き起こさずに置換 し、挿入し又は欠失させるアミノ酸の種類および個数を決定する際の指針は、当 該技術分野でよく知られているコンピュータープログラム、例えばDNASTARソフ トウェア(DNASTAR Inc.,Madison WI)を用いて得ることができる。 本発明のポリヌクレオチド配列に従い構築したプローブを、種々のタイプの分 析を行なうための種々のアッセイ方法で使用することができる。例えば、そのよ うなプローブは、染色体分析を行なうために蛍光in situハイブリダイゼーショ ン(FISH)技術で使用することが可能であり、また、染色体の広がりから認めら れるか又はPCR産生および/または対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプロー ブ、対立遺伝子特異的増幅を用いて若 しくは直接シークエンス法により検出可能な欠失または転座などの染色体中の癌 特異的構造改変を同定するために使用することができる。また、プローブは、放 射性同位体、直接的または間接的に検出可能なハプテン、または蛍光性分子で標 識することができ、組織試料または細胞中のポリヌクレオチドを含む遺伝子のmR NA発現を評価するためのin situハイブリダイゼーション研究で使用することが できる。 また、本発明は、本発明で提供するポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製 造に関する教示を提供する。 プローブアッセイ 試験サンプル中の核酸の検出のためのアッセイで使用しうるプローブを得るた めに、本発明で提供する配列を使用することができる。該プローブは、関心のあ るポリヌクレオチドの保存ヌクレオチド領域から、または関心のあるポリヌクレ オチドの非保存ヌクレオチド領域から設計することができる。アッセイの最適化 のためのそのようなプローブの設計は、当業者の技量の範囲内である。一般には 、最大の特異性を望む場合には、非保存領域またはユニーク領域から核酸プロー ブを得、例えば多遺伝子ファミリーの異なるメンバーに密接に関連しているヌク レオチド領域またはマウスおよびヒトなどの関連種におけるヌクレオチド領域に 関してアッセイする場合には、保存領域から核酸プローブを得る。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸中またはその混合物中に含有されてい る所望の核酸配列(標的)を増幅するための技術である。PCRでは、一対のプラ イマーを過剰に使用して、標的核酸の相補鎖とハイブリダイズさせる。標的核酸 を鋳型として使用して、該プライマーのそれぞれをポリメラーゼにより伸長させ る。該伸長産物は、元の標的鎖から解離した後、それ自体が標的配列となる。つ いで新たなプライマーをハイブリダイズさせ、ポリメラーゼにより伸長させ、こ のサイクルを繰返して、標的配列分子の数を幾何級数的に増加させる。PCRは、 米国特許第4,683,195号および第4,683,202号に開示されている。 リガーゼチェイン反応(LCR)は、核酸の増幅のためのもう1つの方法である 。LCRでは、2個の一次(第1および第2)プローブと2個の二次(第3および第 4)プローブとを含むプローブペアを使用し、それらはすべて、標的に対して過 剰モルで使用する。第1プローブを標的鎖の第1セグメントにハイブリダイズさ せ、第2プローブを標的鎖の第2セグメントにハイブリ ダイズさせる。該一次プローブが5'リン酸−3'ヒドロキシルの関係で互いに隣接 するよう、また、リガーゼがそれらの2個のプローブを融合産物に共有的に融合 または連結させることが可能となるよう、第1セグメントと第2セグメントとは 隣接している。さらに、第3(二次)プローブは第1プローブの一部にハイブリダ イズすることが可能であり、第4(二次)プローブは、同様の隣接様態で第2プロ ーブの一部にハイブリダイズすることが可能である。勿論、該標的が最初に二本 鎖である場合は、二次プローブは、最初の標的の相補体にもハイブリダイズする ことになる。一次プローブのライゲーションした鎖が標的鎖から分離すると、そ れは第3および第4プローブにハイブリダイズすることになり、それらはライゲ ーションされて相補的な二次連結産物を形成しうる。該ライゲーション産物が標 的またはその相補体のいずれかと機能的に等価であると認識されることが重要で ある。ハイブリダイゼーションとライゲーションとの反復サイクルにより、標的 配列の増幅が達成される。この技術は、1989年6月16日付け公開のK.Backmanの EP-A-320 308および1991年7月31日付け公開のK.BackmanらのEP-A-439 182に更 に詳しく記載されている。 mRNAの増幅の場合には、mRNAをcDNAに逆転写し、ついでポリメラーゼ連鎖反応 を行なうこと(RT-PCR)、あるいは米国特許第5,322,770号に記載されていると おり、両工程で単一の酵素を使用すること、あるいはR.L.Marshallら,PCR Met hods and Applications 4:80-84(1994)に記載のとおり、mRNAをcDNAに逆転写し 、ついで不斉ギャップリガーゼチェイン反応を行なうこと(RT-AGLCR)が、本発 明の範囲内に含まれる。 本発明で使用しうる他の公知増幅方法には、J.C Guatelliら,PNAS USA 87:18 74-1878(1990)およびJ Compton,Nature 350(No 6313):91-92(1991)に記載の いわゆる「NASBA」または「3SR」技術、欧州特許出願公開(EPA)第4544610号に記載の Q-β増幅、鎖置換増幅(strand displacement amplification)(G.T.Walkerら,C lin .Chem .42:9-13(1996)および欧州特許出願第684315号に記載)、および国際 公開WO 93/22461に記載の標的媒介増幅(target mediated amplification)が含 まれるが、これらに限定されるものではない。 PS112の検出は、当該技術分野で現在よく知られている検出方法および将来現 れうる検出方法を含む適当な任意の検出方法を用いて行なうことができる。例え ば、Caskeyらの米国特許第 5,582,989号およびGelfandらの米国特許第5,210,015号を参照されたい。そのよ うな検出方法には、例えば、標的増幅方法およびシグナル増幅技術が含まれる。 現在公知の検出方法には、例えば、PCR、LCR、NASBA、SDA、RCRおよびTMAと称さ れる核酸増幅技術が含まれるであろう。例えば、Caskeyら,米国特許第5,582,98 9号およびGelfandら,米国特許第5,210,015号を参照されたい。また、Snitmanら ,米国特許第5,273,882号などに開示されているシグナル増幅を用いて、検出を 行なうことができる。標的またはシグナルの増幅が現在好ましいが、増幅を必要 としない超高感度の検出方法を本発明で使用することが可能であると考えられ、 本発明の範囲内に含まれる。 種々の不均一または均一な検出様式を用いて、増幅型または非増幅型の両方の 検出を(組合せて)行なうことができる。不均一検出様式の具体例は、Snitman ら,米国特許第5,273,882号、Albarellaら,EP-84114441.9、Urdeaら,米国特許 第5,124,246号、Ullmanら,米国特許第5,185,243号およびKouriskyら,米国特許 第4,581,333号に開示されている。均一検出様式の具体例は、米国特許第5,582,9 89号および第5,210,015号に開示されている。また、ハイブリダイゼーショ ンアッセイにおける複数のプローブの使用(その使用により、PS112シグナルの 感度および増幅が改善される)が意図され、本発明の範囲内に含まれる。例えば 、米国特許第5,582,989号および第5,210,015号を参照されたい。 1つの実施態様では、本発明は、一般に、標的ポリヌクレオチド配列を含有す る疑いのある試験サンプルを、アンプリコン配列の内部領域にハイブリダイズし うる検出プローブと増幅プライマーとを含む増幅反応試薬と接触させる工程を含 む。本発明で提供する方法に従い使用するプローブおよびプライマーは、捕捉標 識および検出標識で標識し、この場合、プローブは1つのタイプの標識で標識し 、プライマーは別のタイプの標識で標識する。さらに、プライマーおよびプロー ブは、該プローブ配列が、該プライマー配列より低い融解温度を有するように選 択する。増幅試薬、検出試薬および試験サンプルは、標的配列の存在下で該標的 配列のコピー(アンプリコン)を産生させる増幅条件下に配置する。通常の場合 、プライマーは標的配列とその相補的鎖とを増幅するように与えられるため、該 アンプリコンは二本鎖である。ついで該二本鎖アンプリコンを熱変性させて、一 本鎖アンプリコンメンバーを得る。該一本鎖アンプリコ ンメンバーが形成したら、該プローブと一本鎖アンプリコンメンバーとの複合体 の形成が可能となるように該混合物を冷却する。 該一本鎖アンプリコン配列およびプローブ配列を冷却するにつれて、該プロー ブ配列は該一本鎖アンプリコンメンバーに優先的に結合する。該プローブ配列が 、一般に、該プライマー配列より短くなるように選択され、したがって該プライ マーより低い融解温度を有すると仮定すると、この知見は反直感的なものである 。したがって、該プライマーにより産生されるアンプリコンの融解温度も、該プ ローブより高い融解温度を有するはずである。したがって、該混合物が冷却する につれて、二本鎖アンプリコンの再形成が予想されるであろう。しかしながら、 前記のとおり、それはこの場合には当てはまらない。該プローブは、該一本鎖ア ンプリコンメンバーに優先的に結合することが判明している。さらに、このよう なプローブ/一本鎖アンプリコン結合の優先性は、該プライマー配列を該プロー ブに対して過剰に加えた場合にも存在する。 該プローブ/一本鎖アンプリコンメンバーのハイブリッドが形成した後、それ らを検出する。該プライマーおよびプローブ 上に存在する検出標識および捕捉標識を使用して該ハイブリッドを検出するには 、標準的な不均一アッセイ様式が適している。該ハイブリッドを、該捕捉標識に より固相試薬に結合させ、該検出標識により検出することが可能である。該検出 標識が直接的に検出可能な場合には、検出可能なシグナルを該標識に生成させ、 必要に応じて該シグナルを検出することにより、該固相上のハイブリッドの存在 を検出することができる。該標識が直接的に検出されない場合には、直接的に検 出可能な標識に結合した結合メンバーを一般に含む結合体と該捕捉ハイブリッド とを接触させることが可能である。該結合体が該複合体に結合するようになり、 該複合体上の結合体の存在を、その直接的に検出可能な標識で検出することがで きる。このようにして、固相試薬上のハイブリッドの存在を判定することができ る。ハイブリダイズしていないアンプリコンまたはプローブおよび未結合結合体 を洗い落とすために洗浄工程を実施しうる、と当業者に認識されるであろう。 標的配列は一本鎖として記載されているが、標的配列が実際には二本鎖であり 、増幅プライマー配列とのハイブリダイゼーションの前に、該標的配列がその相 補体から分離されるにすぎ ない場合も含むと意図される。この方法においてPCRを用いる場合には、通常は 、標的配列の末端が既知である。好ましい方法においてLCRまたはその変法を用 いる場合には、通常は、全標的配列が既知である。典型的には、標的配列は、RN A、DNAなどの核酸配列である。 本発明で提供する方法は、熱サイクル反応混合物を含む良く知られた増幅反応 において、特にPCRおよびギャップLCR(GLCR)において用いることができる。増 幅反応では、典型的には、標的核酸配列(該標的配列は、通常、より一層大きな 核酸配列の小さな領域である)のコピーを反復的に産生させるためにプライマー を使用する。プライマー自体は、標的配列の領域に相補的な核酸配列である。増 幅条件下では、これらのプライマーは、標的配列の相補的領域にハイブリダイズ または結合する。標的配列のコピーは、典型的には、該ハイブリダイゼーション プライマーにヌクレオチドを加え及び/又は隣接プローブ対をライゲーションす るためにポリメラーゼまたはリガーゼ活性を有する酵素を別々に又は組合せて用 いるプライマー伸長および/またはライゲーションの過程により生じる。単量体 または予め生成したオリゴマーとしてプライマーまたはプローブ に加えるヌクレオチドもまた、標的配列に相補的である。プライマーまたはプロ ーブが、十分に伸長し及ひ/又はライゲーションしたら、例えば、相補的核酸鎖 が解離する温度である「融解温度」まで該反応混合物を加熱することにより、そ れらを標的配列から分離する。このようにして、標的配列に相補的な配列が形成 する。 ついでいずれかの二本鎖配列を分離して、プライマーまたはプローブがそれら の各々の標的にハイブリダイズするのを可能にし、ハイブリダイズしたプライマ ーまたはプローブを伸長および/またはライゲーションさせ、再分離することに より、標的配列数を更に増幅するために、新たな増幅サイクルを行なうことがで きる。増幅サイクルにより産生される相補的配列は、標的配列数を更に増幅する ためにプライマーを伸長させるため又は2個のプローブのギャップを埋めるため の鋳型として働くことが可能である。典型的には、反応混合物を20〜100サイク ルに付す。より典型的には、反応混合物を25〜50サイクルに付す。サイクル数の 決定は、当業者において可能である。このようにして、多コピーの標的配列およ びその相補的配列を得る。したがって、プライマーが増幅条件下に存在する場合 には、該 プライマーが標的配列の増幅を開始させる。 一般には、PCRにおいては、標的鎖の一部とその相補体とに相補的な2個のプ ライマーを使用する。LCRでは、一般に、4個のプローブ(そのうちの2個は標 的配列に相補的であり、残りの2個は、同様に、標的の相補体に相補的である) を使用する。前記のプライマーセットおよび酵素に加えて、核酸増幅反応混合物 は、よく知られている他の試薬を含むことも可能であり、それらには、酵素補因 子(例えば、マンガン)、マグネシウム塩、ニコチンアミドアデニンジヌクレオ チド(NAD)、およびデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)(例えば、デオキ シアデニン三リン酸、デオキシグアニン三リン酸、デオキシシトシン三リン酸お よびデオキシチミン三リン酸)が含まれるが、これらに限定されるものではない 。 増幅プライマーは標的配列の増幅を開始させるが、検出(またはハイブリダイ ゼーション)プローブは増幅に関与しない。検出プローブは、一般に、核酸配列 または非荷電核酸類似体、例えば、国際公開WO 92/20702に開示されているペプ チド核酸、米国特許第5,185,444号、第5,034,506号および第5,142,047号に記載 されているモルホリノ類似体などである。該プローブ が担持する標識のタイプに応じて、増幅反応により生じるアンプリコンの捕捉ま たは検出に、該プローブを使用する。該プローブは標的配列の増幅に関与せず、 したがって、追加的なdNTPを該プローブに加えることができない点で該プローブ を「伸長不可能」なものとする必要があるかもしれない。通常、類似体自体はも ともと伸長不可能である。核酸プローブは、該プローブの3'末端を修飾してヒド ロキシル基がもはや伸長に関与できなくなるようにすることにより、伸長不可能 にすることが可能である。例えば、該プローブの3'末端を捕捉または検出標識で 官能基化して、ヒドロキシル基を消費させるか又は保護する。あるいは、3'ヒド ロキシル基を単に切断し、置換し又は修飾することが可能である。1993年4月19 日付け出願の米国特許出願第07/049,061号には、プローブを伸長不可能にするの に使用しうる修飾が記載されている。 プローブに対するプライマーの比は、重要ではない。したがって、プローブま たはプライマーのいずれかを過剰に反応混合物に加えて、一方の濃度を他方の濃 度より大きくすることが可能である。あるいは、プライマーおよびプローブを同 等の濃度で使用することができる。しかしながら、好ましくは、プロー ブに対して過剰のプライマーを反応混合物に加える。したがって、プライマー対 プローブの比は、例えば5:1であり、20:1が好ましい。 プライマーおよびプローブの長さは様々となることが可能であるが、プローブ 配列がプライマー配列より低い融解温度を有するように、プローブ配列を選択す る。したがって、プライマー配列は、一般に、プローブ配列より長い。典型的に は、プライマー配列は、20〜50ヌクレオチド長の範囲であり、より典型的には、 20〜30ヌクレオチド長の範囲である。典型的なプローブは、10〜25ヌクレオチド 長の範囲である。 プライマーおよびプローブを合成するための種々の方法が、当該技術分野でよ く知られている。同様に、プライマーまたはプローブに標識を結合させるための 方法も、当該技術分野でよく知られている。例えば、通常のヌクレオチドホスホ ルアミジット化学と、Applied Biosystems,Inc.(Foster City,CA)、DuPont (Wilmington,DE)または、Milligen(Bedford MA)から入手可能な装置とを用 いて、所望の核酸プライマーまたはプローブを合成するのが、常套手段である。 本発明のプライマー、プローブなどのオリゴヌクレオチドを標識するための多数 の方 法が、既に記載されている。Enzo Biochemical(New York,NY)およびClontech (PaloAlto,CA)は共に、プローブ標識技術を記載し、商業化している。例えば 、3'-Amin-ON CPGTM(Clontech,Palo Alto,CA)を使用して、第一級アミンを3' オリゴ末端に(Clontech)を使用して、第一級アミンを5'オリゴ末端に結合させることができ る。通常の活性化および結合の化学的方法を用いて、該アミンを種々のハプテン と反応させることができる。また、1990年12月11日付け出願の同時係属米国特許 出願第625,566号および1990年12月20日付け出願の第630,908号は、それぞれ5'お よび3'末端でプローブを標識するための方法を教示している。1992年6月25日付 け公開の国際公開WO 92/10505および1992年7月9日付け公開のWO 92/11388は、 それぞれ5'および3'末端でプローブを標識するための方法を教示している。オリ ゴヌクレオチドを標識するための1つの公知方法では、標識-ホスホルアミジッ ト試薬を調製し使用して、該標識をオリゴヌクレオチドに、その合成中に付加す る。例えば、N.T Thuongら,Tet .Letters 29(46):5905-5908(1988)またはJ.S. Cohenら,米国特許出願第07/246,688号(NTIS ORDER No.PAT- APPL-7-246,688)(1989)を参照されたい。好ましくは、プローブは、その3'およ び5'末端で標識する。 捕捉標識は、プライマーまたはプローブに結合させる。該捕捉標識は、固相試 薬の特異的結合メンバーと結合ペアを形成する特異的結合メンバーであることが 可能である。プライマーまたはプローブ自体が捕捉標識として機能しうると理解 されるであろう。例えば、固相試薬の結合メンバーが核酸配列である場合には、 それは、プライマーまたはプローブの相補的部分に結合して該プライマーまたは プローブを固相に固定化するように選択することができる。プローブ自体が結合 メンバーとして機能する場合には、該プローブは、一本鎖アンプリコンメンバー に相補的でない配列または「テイル」を含有する、と当業者には認識されるであ ろう。プライマー自体が捕捉標識として機能する場合には、該プライマーの少な くとも一部は、固相上の核酸に自由にハイブリダイズすることができるであろう 。なぜなら、該プローブは、プライマー配列に対して完全には相補的とならない ように選ばれるからである。 一般に、不均一系イムノアッセイを行なうために一般的に用いる技術を用いて 、プローブ/一本鎖アンプリコンメンバー複 合体を検出することができる。好ましくは、この実施態様では、 Park,IL)装置で用いるプロトコールに従い、検出を行なう。 試験サンプルを一対のプライマーと接触させ、増幅を行ない、ハイブリダイゼ ーションプローブを加え、検出を行なう典型的なPCRアッセイにおいて、本明細 書に開示するプライマーおよびプローブは有用である。 本発明が提供するもう1つの方法は、試験サンプルを複数のポリヌクレオチド (少なくとも1つのポリヌクレオチドは、本明細書に記載のPS112分子である) と接触させ、該試験サンプルを複数のポリヌクレオチドにハイブリダイズさせ、 ハイブリダイゼーション複合体を検出することを含む。ハイブリダイゼーション 複合体を同定し、定量して、前立腺組織の疾患(例えば、前立腺癌)を示すプロ フィールを集める。さらに、発現されたRNA配列を、逆転写と、ポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)などの当該技術分野でよく知られている方法によるDNAの増幅とに より検出することができる。 薬物のスクリーニングおよび遺伝子治療 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはオリゴヌク レオチドなどのアンチセンスPS112由来分子を、前立腺組織の疾患または状態( 特に、前立腺癌)に関連したポリヌクレオチドの異常な発現に関連した状態を有 する患者内に導入するための、遺伝子治療方法の用途を含む。アンチセンスRNA およびDNA断片ならびにリボザイムを含むこれらの分子は、PS112-mRNAの翻訳を 抑制するように設計し、PS112ポリヌクレオチドの改変された又は異常な発現に 関連した状態の治療において治療的に使用することができる。 あるいは、前記のオリゴヌクレオチドを、当該技術分野で公知の方法で細胞に 運搬して、該アンチセンスRNAまたはDNAをインビボで発現させて、前記のとおり にPS112ポリペプチドの産生を抑制することができよう。したがって、PS112ポリ ヌクレオチドに対するアンチセンス構築物は、PS112転写産物の作用を逆転させ 、前立腺組織の病態(例えば、前立腺癌)の治療に使用することができる。また 、これらのアンチセンス構築物は、腫瘍転移を治療するために使用することがで きよう。 本発明はまた、PS112ポリペプチドに特異的に結合する少なくとも1つの化合 物を同定するために、PS112ポリペプチドまたはその任意の断片に対する特異的 結合に関して複数の化合物 をスクリーニングする方法を提供する。そのような方法は、少なくとも1つの化 合物を準備し、結合を許容するのに十分な時間、適当な条件下でPS112ポリペプ チドと各化合物とを一緒にし、各化合物に対する該PS112ポリペプチド結合を検 出する工程を含む。 そのような試験で使用するポリペプチドまたはペプチド断片は、溶液中で遊離 していることも、固相に固定されていることも、細胞表面上に担持されているこ とも、あるいは細胞内に局在していることも可能である。1つのスクリーニング 方法では、該ポリペプチドまたはペプチド断片を発現しうる組換え核酸で安定に トランスフェクトされた真核性または原核性宿主細胞を使用する。そのようなト ランスフェクト化細胞に対して競合結合アッセイにおいて、薬物、化合物または 他の任意の物質をスクリーニングすることができる。例えば、ポリペプチドと被 検体との複合体の形成は、生存細胞または固定細胞のいずれかにおいて測定する ことができる。 したがって、本発明は、PS112に関連した疾患を治療するために使用しうる薬 物、化合物または他の任意の物質に関してスクリーニングする方法を提供する。 これらの方法は、該物質を ポリペプチドまたはその断片と接触させ、該物質と該ポリペプチドとの複合体の 存在に関して、または該ポリペプチドと該細胞との複合体の存在に関してアッセ イすることを含む。競合的結合アッセイにおいては、典型的には、該ポリペプチ ドを標識する。適当なインキュベーションの後、遊離(または未複合体化)ポリ ペプチドまたはその断片を、結合形態で存在するポリペプチドまたはその断片か ら分離し、遊離または未複合体化標識の量を、その個々の物質が該ポリペプチド に結合する又はポリペプチド/細胞複合体を妨害する能力の尺度として用いる。 本発明はまた、ポリペプチドに結合する能力を有する中和抗体を、該ポリペプ チドまたはその断片に対する結合に関して試験剤と特異的に競合させる競合的ス クリーニングアッセイの用途を含む。このようにして、本発明で提供するPS112 ポリペプチドと1以上の抗原決定基を共有する、試験サンプル中のいずれかのポ リペプチドの存在を検出するために、該抗体を使用することができる。 もう1つのスクリーニング方法は、本明細書に開示するPS112の少なくとも1 つのポリペプチドに対して適当な結合親和性を有する化合物に関する高処理量の スクリーニングをもたらす。 簡単に説明すると、多数の異なる小さなペプチド試験化合物を、固相(例えば、 プラスチックピンまたは他の何らかの表面)の固相上で合成する。該ペプチド試 験化合物を、ポリペプチドと反応させ、洗浄する。そのように固相に結合してい るポリペプチドを、当該技術分野でよく知られている方法で検出する。また、本 明細書に記載のスクリーニング方法で使用するために、精製ポリペプチドをプレ ート上に直接コーティングすることができる。さらに、非中和抗体を使用して、 該ポリペプチドを捕捉し、それを固相上に固定化することができる。例えば、19 84年9月13日付け公聞のEP 84/03564を参照されたい。 合理的な薬物設計の目標は、関心のある生物学的に活性なポリペプチドの又は 小分子の構造類似体(それらが相互作用するアゴニスト、アンタゴニストまたは 阻害剤を含む)を得ることである。また、そのような構造類似体を使用して、該 ポリペプチドのより活性な又は安定な形態である又はポリペプチドの機能をイン ビボで増強または阻害する薬物を設計することができる(J.Hodgson,Bio/Tech nology 9:19-21(1991))。 例えば、1つのアプローチでは、ポリペプチドまたはポリペプチド−阻害剤複 合体の三次元構造を、X線結晶解析、コンピ ューターモデリングまたは最も一般的にはそれらの2つのアプローチの組合せに より決定する。該ポリペプチドのの構造を解明し、その活性部位を決定するため には、該ポリペプチドの形状および電荷の両方を確認しなければならない。該ポ リペプチドの構造に関する有用な情報が、同種タンパク質の構造に基づくモデリ ングにより得られることは、それほど多くない。どちらの場合も、関連した構造 情報を用いて、類似したポリペプチド様分子を設計したり、あるいは効率的な阻 害剤を同定する。 合理的な薬物設計の有用な具体例には、S.Braxtonら,Biochemistry 31:7796 -7801(1992)に示されているとおり、改善された活性または安定性を有する分子 、またはS.B.P.Athaudaら,J .Biochem.(Tokyo)113(6):742-746(1993)に示され ているとおり、天然ペプチドの阻害剤、アゴニストまたはアンタゴニストとして 作用する分子を含めることができる。 また、前記のアッセイにより選択された標的特異的抗体を単離し、ついでその 結晶構造を決定することが可雌である。原則として、このアプローチは、後続の 薬物設計の基礎となりうるファーマコフォア(pharmacophore)を与える。さら に、機能的な薬理学的に活性な抗体に対する抗イディオタイプ抗体(「抗 id」)を産生させることにより、タンパク質の結晶解析を全く行なわないで済ま せることが可能である。抗idの結合部位は、鏡像の鏡像として、もとの受容体の 類似体となる。したがって、抗idを使用して、化学的または生物学的に得られた ペプチドのバンクからペプチドを同定し、単離することができる。ついで、単離 されたペプチドは、ファーマコフォア(すなわち、原型(prototype)医薬)と して機能することが可能である。 X線結晶解析などの分析的研究を行なうのに十分な量の本発明の組換えポリペ プチドを入手可能とすることができる。さらに、本発明で提供する核酸配列から 導き出すことができる該ポリペプチドのアミノ酸配列の知見は、X線結晶解析の 代わりに又はそれに加えてコンピューターモデリング技術を用いる者に指針を与 えるであろう。 さらに、PS112ポリペプチドに特異的な抗体(例えば、抗PS112抗体)を使用して 、該ポリペプチドに対する結合により該ポリペプチドの生物学的作用を阻害する ことができる。このようにして、該抗体を、例えば、前立腺癌およびその転移を 含む前立腺組織疾患を治療するための療法において使用することができる。 さらに、そのような抗体は、試験サンプル中のPS112ポリペプチドの存在また は不存在を検出することができ、したがって前立腺組織の疾患または状態(特に 、前立腺癌)の診断のための診断マーカーとして有用である。また、そのような 抗体は、前立腺組織の病態(例えば、前立腺癌)に関する診断マーカーとして機 能しうる。本発明はまた、本発明のポリペプチドのアンタゴニストおよび阻害剤 に関する。該アンタゴニストおよび阻害剤は、該ポリペプチドの機能を阻害また は除去するものである。したがって、例えば、アンタゴニストは、本発明のポリ ペプチドに結合し、その機能を阻害または除去しうる。該アンタゴニストは、例 えば、PS112ポリペプチドに結合することによりPS112ポリペプチドの活性を除去 するポリペプチドに対する抗体であることが可能であろう。場合によっては、該 アンタゴニストは、オリゴヌクレオチドであることが可能である。小分子阻害剤 には、例えば、小さなペプチドまたはペプチド様分子が含まれるが、これらに限 定されるものではない。 該アンタゴニストおよび阻害剤は、食塩水、緩衝化食塩水、デキストロース、 水、グリセロール、エタノールおよびそれらの組合せを含む(これらに限定され るものではない)医薬上許 容される担体と共に組成物として使用することができる。PS112ポリペプチド阻 害剤の投与は、好ましくは、全身投与である。本発明はまた、そのようなポリペ プチドの作用を阻害する抗体を提供する。 アンチセンス技術を用いて、三重らせんの形成またはアンチセンスDNAもしく はRNAにより遺伝子発現を減少させることができ、それらの方法は共に、DNAまた はRNAに対するポリヌクレオチドの結合に基づいている。例えば、本発明のポリ ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'部分を用いて、10〜40塩基対長 のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計する。DNAオリゴヌクレオチドは、 転写に関与する遺伝子の領域に相補的であることにより転写およびPS112ポリペ プチドの産生を妨げるように設計する。三重らせんに関しては、例えば、Leeら ,Nuc .Acids Res,6:3073(1979);Cooneyら,Science 241:456(1988)およびDerv anら,Science 251:1360(1991)を参照されたい。該アンチセンスRNAオリゴヌク レオチドは、インビボでmRNAにハイブリダイズし、mRNA分子からPS112ポリペプ チドへの翻訳を遮断する。アンチセンスに関しては、例えば、Okano,J.Neuroc hem,56:560(1991)および “Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression”,CR C Press,Boca Raton,Fla.(1988)を参照されたい。アンチセンスオリゴヌクレ オチドは、ヌクレオチド切断に対して該分子を抵抗性にする人工的ヌクレオチド 間結合を含有するように修飾されている場合に、より大きな効力で作用する。そ のような人工的ヌクレオチド間結合には、メチルホスホナート、ホスホロチオラ ートおよびホスホロアミダートヌクレオチド間結合が含まれるが、これらに限定 されるものではない。 組換え技術 本発明は、本発明のPS112ポリヌクレオチドを含んでなる宿主細胞および発現 ベクター、およびそれがコードするポリペプチドの製造法を提供する。そのよう な製造法は、PS112ポリヌクレオチドの発現に適した条件化で該宿主細胞を培養 し、該細胞培養からPS112ポリヌクレオチドを回収することを含む。 本発明はまた、本発明のPS112ポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベ クターで遺伝的に操作された宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペ プチドの製造を提供する。 宿主細胞は、クローニングベクターまたは発現ベクターであ ることが可能な本発明のベクターで遺伝的に操作する(トランスフェクト、形質 導入または形質転換する)。該ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファー ジなどの形態であることが可能である。操作された宿主細胞は、プロモーターを 活性化しトランスフェクト化細胞を選択し又はPS112遺伝子を増幅するために必 要に応じて改変された通常の栄養培地中で培養することができる。温度、pHなど の培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で既に用いられているものであ り、当業者には明らかなものである。 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によるポリペプチドの製造に使用す ることができる。したがって、ポリペプチドを発現させるためのいずれか1つの 種々の発現ビヒクル(特に、ベクターまたはプラスミド)中に該ポリヌクレオチ ド配列を含めることが可能である。そのようなベクターには、染色体、非染色体 および合成DNA配列、例えば、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、酵 母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ウ イルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂 犬病ウイルス)が含まれる。しかしながら、宿主内で増殖可能 かつ生存可能である限り、他の任意のプラスミドまたはベクターを使用すること も可能である。 適当なDNA配列を、種々の方法によりベクター中に挿入することができる。一 般には、該DNA配列を、当該技術分野で公知の方法により、適当な制限エンドヌ クレアーゼ部位内に挿入する。そのような方法および他の方法は、当業者の技量 の範囲内であると考えられる。該発現ベクター中のDNA配列は、mRNA合成を指令 する適当な発現制御配列(プロモーター)に作動的に結合させる。そのようなプ ロモータの代表例には、LTRまたはSV40プロモーター、大周菌(E.coli)lacま たはtrp、ファージλP subLプロモーター、および原核性もしくは真核性細胞ま たはそれらのウイルス内で遺伝子の発現を制御することか知られている他のプロ モーターが含まれるが、これらに限定されるものではない。発現ベクターはまた 、翻訳の開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含有する 。該ベクターはまた、配列の増幅のための適当な配列を省むことが可能である。 さらに、該発現ベクターは、好ましくは、トランスフェクト化宿主細胞の選択の ための表現型形質を与える遺伝子(例えば、真核細胞培養におけるジヒドロ葉酸 レダクターゼま たはネオマイシン耐性、または大暢菌(E.coli)におけるテトラサイクリンま たはアンピシリン耐性)を含有する。 前記の適当なDNA配列と適当なプロモーターまたは制御配列とを含有するベク ターを使用して、適当な宿主にトランスフェク卜して、該宿主が該タンパク質を 発現できるようにすることが可能である。適当な宿主の代表例としては、細菌細 胞、例えば大暢菌(E.coli)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typh imurium);ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp);真菌細胞、例 えば酵母;昆虫細胞、例えばショウジョウバエおよびSf9;動物細胞、例えばCHO 、COSまたはBowes黒色腫;植物細胞などが挙げられる。適当な宿主の選択は、本 明細書の教示に基づけば当業者の技量の範囲内に含まれると考えられる。 より詳しくは、本発明はまた、前記で広く記載されている配列の1以上を含ん でなる組換え構築物を含む。該構築物は、本発明の配列が順配向または逆配向で 挿入されているベクター(例えば、プラスミドまたはウイルスベクター)を含む 。この実施態様の好ましい態様では、該構築物はさらに、該配列に作動的に結合 した調節配列(例えば、プロモーターなど)を含む。 多数の適当なベクターおよびプロモーターが当業者に公知であり、商業的に入手 可能である。以下のベクターを例示する:細菌性:pINCY(Incyte Pharmaceutic als Inc.,Palo Alto,CA)、pSPORT1(Life Technologies,Gaithersburg,MD) 、pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)pBs、phagescript、psiX174、pBluescript SK 、pBsKS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene);pTrc99A、pKK223-3、p KK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia);真核性:pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT 1、pSG(Stratagene)pSVK3、pBPV、pHSG、pSVL(Pharmacia)。しかしながら、 宿主内で複製可能で生存可能である限り、他の任意のプラスミドまたはベクター を使用することが可能である。 プラスミドpINCYは、一般には、それがポリリンカー(マルチクローニング部 位)中に2つの修飾を有することを除きプラスミドpSPORT1(Life Technologies ,Gaithersburg,MDから入手可能)と同一である。これらの修飾は、(1)それ がHindIII制限部位を欠き、(2)そのEcoRI制限部位が、異なる位置に存在する ことである。pSPORT1をHindIIIとEcoRIとの両方で切断し、該ポリリンカーの切 り出された断片を合成DNA断片(配列番号11および配列番号12)で置換すること により、pINCYを pSPORT1から作製する。この置換は、当業者に公知の任意の方法で行なうことが できる。例えば、それらの2つのヌクレオチド配列(配列番号11および配列番号 12)は、5'末端リン酸を有するように合成的に生成させ、共に混合し、ついで、 HindIIIとEcoRIとで切断されたpSPORT1プラスミド中に、付着末端のライゲーシ ョンを行なうための標準的な条件下でライゲーションする。ついで適当な宿主細 胞(例えば、大皿菌(E.coli)DH5細胞)を、そのライゲーションされたDNA でトランスフェクトし、アンピシリン耐性に関して組換えクローンを選択する。 ついで個々のクローンからプラスミドDNAを調製し、制限酵素分析またはDNA配列 決定に付して、挿入配列が適切な配向で存在することを確認する。当業者に公知 の他のクローニング方法を用いることも可能である。 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベク ターまたは選択マーカーを有する他のベクターを使用して、所望の任意の遺伝子 から選択することができる。2つの適当なベクターとして、pKK232-8およびpCM7 が挙げられる。挙げられる個々の細菌性プロモーターには、lacI、lacZ、T3、SP 6、T7、gpt、λP sub R、P sub L、およびtrpが含まれ る。真核性プロモーターには、サイトメガロウイルス(CMV)最初期、単純ヘル ペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス 由来のLTR、およびマウスメタロチオイネンIが含まれる。適当なベクターおよ びプロモーターの選択は、当業者の技量の範囲内に十分に含まれるものである。 もう1つの実施態様では、本発明は、前記構築物を含有する宿主細胞を提供す る。該宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核細胞、または酵母細胞などの下 等動物細胞であることが可能であり、あるいは該宿主細胞は、細菌細胞などの原 核細胞であることが可能である。該宿主細胞内への該構築物の導入は、リン酸カ ルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクショ ンまたはエレクトロボレーション(L.Davisら,"Basic Methods in Holecular Biology",第2版,Appleton and Lang,Paramount Publishing,East Norwalk ,CT(1994))により行なうことができる。 宿主細胞内の構築物は、該組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生さ せるために常法で使用することができる。あるいは、本発明のポリペプチドは、 通常のペプチド合成装置に より合成的に製造することができる。 組換えタンパク質は、適当なプロモーターの制御下、哺乳動物細胞、酵母、細 菌または他の細胞内で発現させることができる。また、本発明のDNA構築物に由 来するRNAを使用してそのようなタンパク質を製造するために、無細胞翻訳系を 使用することができる。原核性または真核性宿主と共に使用するための適当なク ローニングおよび発現ベクターは、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laborato ry Manual ,第2版(Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)に記載されている。 本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、該ベク ター中にエンハンサー配列を挿入することにより増強される。エンハンサーは、 プロモーターに作用してその転写を増強する、通常約10〜300bpのシス作用性要 素である。具体例には、複製起点の後期側上SV40エンハンサー(bp100〜270)、 サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上ポリ オーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。 一般には、組換え発現ベクターは、複製起点、宿主細胞のトランスフェクショ ンを可能にする選択マーカー(例えば、大腸 菌(E.coli)のアンピシリン耐性遺伝子およびエス・セレビシエ(S.cerevisi ae)TRP1遺伝子)、および下流の構造配列の転写を指令するための、高度に発現 される遺伝子に由来するプロモーターを含むであろう。そのようなプロモーター は、とりわけ3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、α因子、酸ホスファター ゼまたは熱ショックタンパク質などの解糖酵素をコードするオペロンに由来する ことが可能である。該異種構造配列を、翻訳開始配列および終結配列、および好 ましくは、周辺腔または細胞外培地中への翻訳タンパク質の分泌を指令しうるリ ーダー配列と、適当な段階で合体させる。所望により、該異種配列は、所望の特 性(例えば、発現された組換え産物の安定化または簡便な精製)を付与するN末 端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードすることが可能である。 細菌において使用するための有用な発現ベクターは、作動可能な読取りを機能 的プロモーターと一致させて適当な翻訳開始および終結シグナルと共に所望のタ ンパク質をコードする構造DNA配列を挿入することにより構築する。該ベクター は、該ベクターの維持を保証し、所望により該宿主内での増幅をもたらすための 、1以上の形質選択マーカーと複製起点とを含むであ ろう。トランスフェクションのための適当な原核性宿主には、大胞菌(E.coli )、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、サルモネラ・ティフィムリウ ム(Salmonella typhimurium)、およびシュードモナス(シュードモナス)属、 ストレプトマイセス(Streptomyces)属およびスタヒロコッカス(Staphylococc us)属内の種々の種が含まれるが、その他の原核性宿主を通常の選択物として使 用することも可能である。 細菌において使用するための有用な発現ベクターは、選択マーカーと細菌性複 製起点(よく知られたクローニングベクターpBR322(ATCC37017)の遺伝要素を 含むプラスミドに由来するもの)とを含む。他のベクターには、PKK223-3(Phar macia Fine Chemicals,Uppsala,Sweden)およびGEM1(Promega Biotec,Madis on,WI)が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらのpBR322「バ ックボーン」切片を、適当なプロモーターおよび発現させる構造配列と合体させ る。 適当な宿主にトランスフェクトし、該宿主を適当な細胞密度まで増殖させた後 、選択されたプロモーターを適当な手段(例えば、温度変化または化学的誘導) により抑制解除し、細胞を更に一定期間培養する。細胞は、典型的には、遠心分 離により 収穫し、物理的または化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製 のために保存する。タンパク質の発現において使用した微生物細胞は、凍結融解 サイクル、音波処理、機械的破壊または細胞溶解剤の使用を含む簡便な任意の方 法で破壊することができる。そのような方法は、当業者によく知られている。 組換えタンパク質を発現させるためには、種々の哺乳動物細胞培養系を使用す ることができる。哺乳動物発現系には、例えば、Gluzman,Cell 23:175(1981)に 記載のサル腎線維芽細胞のCOS-7系、および和合性ベクターを発現する能力を有 する他の細胞系(例えば、C127、HEK-293、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系)が 含まれる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適当なプロモーターおよびエン ハンサーならびに必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプ ライス供与および受容部位、転写終結配列および5'フランキング非転写配列を含 むであろう。SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列(例えば、SV40起点、初期 プロモーター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位)を使用し て、必要な非転写遺伝要素を得ることが可能である。代表的で有用なベクターに は、 pRc/CMVおよびpcDNA 3(Invitrogen,San Diego,CAから入手可能)が含まれる 。 アフィニティークロマトグラフィー、硫安沈殿、エタノール沈殿、酸抽出、陰 イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラ フィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグ ラフィーまたはレクチンクロマトグラフィーなどの公知方法により、PS112ポリ ペプチドを組換え細胞培養物から回収し、精製する。精製中に存在するカルシウ ムイオンを低濃度(約0.1〜5mM)にするのが好ましい(Priceら,J .Biol.Chem .244:917(1969))。該ポリペプチドの立体配置を完全なものにする際に、必要 に応じて、タンパタ質のリフォールディング工程を行なうことが可能である。最 後に、最終精製工程として高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行なうことが できる。 このように、本発明のポリペプチドは、高発現細胞系から発現された天然に精 製された産物、または化学方法により又は原核性もしくは真核性宿主から(例え ば、培養における細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞により)組換 え技術で得られた産物でありうる。組換え製造法で使用する宿主に応じ て、本発明のポリペプチドを哺乳動物または他の真核生物の炭水化物でグリコシ ル化され、あるいは非グリコシル化されよう。また、本発明のポリペプチドには 、開始メチオニンアミノ酸残基を含むこともあろう。 出発プラスミドは、入手可能なプラスミドから、公開されている公知方法に従 い構築することができる。さらに、記載されているものと同等のプラスミドが、 当該技術分野において公知であり、当業者には明らかであろう。 以下は、cDNAクローンの単離および分析のための一般的な方法である。本明細 書に開示する特定の実施態様においては、mRNAを前立腺組織から単離し、cDNAラ イブラリーの作製のために使用した。前立腺組織を、患者から外科的切除により 得、それが病理学者により腫瘤または非腫痙組織に分類された。 該前立腺組織ライブラリーのランダム単離物からのcDNA挿入断片を、部分的に 配列決定し、実施例に記載のとおりに詳細に分析した。それは、配列番号1〜8と して配列表に開示されている。これらの挿入断片のコンセンサス配列は、配列番 号9として記載されている。これらのポリヌクレオチドは、ある特定の遺伝子に 関する関連調節配列を有する又は有さない全オープ ンリーディングフレームを含有しているかもしれない、あるいはそれらは、関心 のある遺伝子の一部のみをコードしているかもしれない。これは、遺伝子の多く が数百塩基長、時には数千塩基長であり、ベクターの制約、第1鎖の不完全な逆 転写または第2鎖の不完全な複製のため、現在の技術では、その全体をクローニ ングすることができないということに起因する。追加的なヌクレオチド配列を含 有する連続的な二次クローンは、当業者に公知の種々の方法を用いて得ることが できる。 DNA配列決定の方法は、当該技術分野でよく知られている。通常の酵素法では 、関心のあるDNA鋳型にアニーリングしたオリゴヌクレオチドプライマーからDNA 鎖を伸長するために、DNAポリメラーゼ、Klenow断片、Sequenase(US Biochemic al Corp,Cleveland,OH)またはTaqポリメラーゼを使用する。一本鎖および二 本鎖の両方の鋳型を使用するための方法が、開発されている。チェインターミネ ーション反応生成物を、尿素/ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、オート ラジオグラフィー(放射性ヌクレオチド標識前駆体の場合)または蛍光(蛍光標識 前駆体の場合)により検出することができる。蛍光検出方法を用いる機械化され た反応調製、配列決定および分析における最近 の改良は、Applied Biosystems 377 DNA Sequencers(Applied Biosystem,Fost er City,CA)などの装置を使用して1日当たりに測定しうる配列数の拡大を可 能にした。 ヌクレオチド配列のリーディングフレームは、いくつかのタイプの分析で確認 することができる。第1に、コード配列内に含有されているリーディングフレー ムは、開始コドンATGおよび停止コドンTGA、TAAまたはTAGの存在に関して分析す ることができる。典型的には、1つのリーディングフレームが、cDNAの大きな部 分にわたって続き、他のリーディングフレームは、多数の停止コドンを含有する 傾向にある。そのような場合には、リーディングフレームの決定は直接的である 。それより困難な他の場合には、さらなる分析が必要となる。 各推定コドントリプレットにおける個々のヌクレオチド塩基の出現頻度を分析 するためのアルゴリズムが作製されている。例えば、J.W.Fickett,Nuc Acids Res 10:5303(1982)を参照されたい。特定の生物(細菌、植物および動物)に関 するコードDNAは、あるトリプレット周期性内で或るヌクレオチドを含有する傾 向にある(例えば、第3コドン位にピリミジンの優先性が有意に認められる)。 これらの優先性は、所定のDNA伸長 のコード可能性(coding potential)(およびフレーム)を判定するために使用 しうる広く利用可能なソフトウェアに取込まれている。アルゴリズム由来の情報 を開始/停止コドンの情報と一緒に使用して、適切なフレームを高い確実性で決 定することができる。そしてこれは、正確なリーディングフレーム内の配列を適 当な発現ベクター中にクローニングするのを容易に可能にする。 本明細書に開示する核酸配列は、十分に確立されている組換えDNA技術により 、関心のある他の種々のポリヌクレオチド配列およびベクターに結合させること が可能である。J Sambrookら,前掲を参照されたい。関心のあるベクターには、 プラスミド、コスミド、ファージ誘導体、ファジミドなどのクローニングベクタ ーならびに配列決定、複製および発現ベクターなどが含まれる。一般に、そのよ うなベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、簡便な制限 エンドヌクレアーゼ消化部位、および個々の宿主細胞に適した選狼マーカーを含 有する。該ベクターは、当業者に公知の種々の手段により、所望のDNA、RNAまた はポリペプチドを産生する適当な宿主細胞内に導入することができる。 時には、配列決定またはランダム逆転写の誤りのために、適当なオープンリー ディングフレームまたは調節要素の存在が隠されてしまう。そのような場合には 、ポリペプチドの発現を試み、標準的なペプチドマッピングおよび配列決定技術 によりアミノ酸配列を決定することにより、正確なリーディングフレームを決定 することが可能である。F.M.Ausubelら,Current Protocols in Molecular Bio logy ,John Wiley & Sons,New York,NY(1989)を参照されたい。さらに、ある 与えられたヌクレオチド配列の実際のリーディングフレームは、合計3個の潜在 的リーディングフレームを含有するベクターで宿主細胞をトランスフェクトする ことより決定することができる。正確なリーディングフレームのヌクレオチド配 列を有する細胞だけが、予想される長さのペプチドを産生することになる。 本発明で提供するヌクレオチド配列は、現在の最高水準の自動化された方法で 製造されており、それ自体が、未同定のヌクレオチドを含有している可能性があ る。このことは、本発明を実施することを望む当業者に問題を提議することには ならないであろう。J Sambrookら(前掲)またはその定期的最新版に記載されて いる標準的な組換え技術を用いるいくつかの方法を用 いて、欠けている配列情報を完全なものにすることができる。本明細書に記載の 完全長配列を得るために用いるのと同じ技術を、ヌクレオチド配列を得るために 用いることができる。 cDNAを適当な発現ベクター中にサブクローニングし、このベクターを適当な発 現宿主中にトランスフェクトすることにより、ある特定のcDNAの発現を行なうこ とができる。前立腺組織のcDNAライブラリーの作製に使用するクローニングベク ターは、ある特定のcDNAのmRNAの転写に使用することができ、β-ガラクトシダ ーゼに関するプロモーター、アミノ末端のmetおよびそれに続くβ-ガラタトシダ ーゼの7アミノ酸残基を含有する。人工的なプライミングおよび転写に有用な操 作されたバクテリオファージプロモーターの直後に、これらの8残基ならびにク ローニング用の多数のユニーク制限部位(例えば、EcoRI)が存在する。該ベク ターは、大腸菌(E.coli)の適当な宿主株内にトランスフェクトすることがで きる。 単離された細菌株を標準的な方法によりイソプロピルチオガラクトシド(IPTG )で誘導することにより、β-ガラクトシダーゼの最初の7残基、リンカーの約1 5残基、および該cDNA内にコードされるペプチドを含有する融合タンパク質が得 られるで あろう。cDNAクローンの挿入断片は、実質的にランダムな方法で作製されるため 、含まれるcDNAが適切な翻訳のための正確なフレームで存在する機会は、3回の うちの1回である。該cDNAが適切なリーディングフレームにない場合は、インビ トロ突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIIIもしくはヤエナリヌクレアーゼでの 消化またはオリゴヌクレオチドリンカーの取込みなどの良く知られた方法による 適当な数の塩基の欠失または挿入により、正確なフレームを得ることができる。 該cDNAは、特定の宿主内でのタンパク質の発現に有用であることが知られてい る他のベクターに対して往復(シャトル)させることができる。クローニング部 位と標的DNAの両端の伸長にハイブリダイズするのに十分なDNAセグメントとを含 有するオリゴヌクレオチドプライマーは、標準的な方法で化学的に合成すること ができる。ついでこれらのプライマーを使用して、PCRにより所望の遺伝子セグ メントを増幅することができる。得られた新たな遺伝子セグメントは、標準的な 条件下、適当な制限酵素で消化し、ゲル電気泳動により単離することができる。 あるいは、該cDNAを適当な制限酵素で消化し、欠けている遺伝子セグメントを、 化学的に合成されたオリゴヌクレオチドで埋 めることにより、同様の遺伝子セグメントを得ることができる。複数の遺伝子に 由来するコード配列のセグメントを一緒にライゲーションし、適当なベクター中 にクローニングして、組換え配列の発現を最適化することができる。 そのようなキメラ分子のための適当な発現宿主には、チャイニーズハムスター 卵巣(CHO)、ヒト胎児腎(HEK)293細胞などの哺乳動物細胞、Sf9細胞などの昆 虫細胞、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母 細胞および大皿菌(E.coli)などの細菌が含まれるが、これらに限定されるも のではない。これらの各細胞系に関して、有用な発現ベクターは、細菌内での増 殖を可能する複製起点と、細菌内での選択を可能にする選択マーカー(例えば、 β-ラクタマーゼ抗生物質耐性遺伝子)とを含むことも可能である。さらに、該 ベクターは、トランスフェクトされた真核性宿主細胞における選択を可能にする もう1つの選択マーカー(例えば、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝 子)を含むことが可能である。真核性発現宿主において使用するためのベクター では、関心のある配列がポリAを欠く場合には、3'ポリAテイルの付加が必要とな るかもしれない。 さらに、該ベクターは、遺伝子発現を増強するプロモーターまたはエンハンサ ーを含有することが可能である。そのようなプロモーターは、宿主特異的であり 、CHO細胞の場合にはMMTV、SV40またはメタロチオニンプロモーター、細菌宿主 の場合にはtrp、lacまたはT7プロモーター、あるいは酵母の場合にはα因子、ア ルコールオキシダーゼまたはPGHプロモーターを含むが、これらに限定されるも のではない。転写エンハンサー(例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハン サー)を有する又は有さないアデノウイルスベクターを使用して、哺乳動物細胞 系におけるタンパク質の発現を駆動することができる。組換え細胞の均一培養が 得られたら、多量の組換え産生タンパク質を、ならし培地から回収し、当該技術 分野でよく知られているクロマトグラフィー法で分析することができる。多量の 分泌タンパク質のもう1つの製造法は、哺乳動物胚のトランスフェクション、お よびトランスジェニックウシ、ヤギ、ヒツジなどが産生する乳から該組換えタン パク質を回収することを含む。ポリペプチド、および密接に関連している分子は 、タンパク質の精製を容易にするような方法で組換え的に発現させることができ る。1つのアプローチは、ヒトポリペプチド上に天然には存在しな い1以上の追加的ポリペプチドドメインを含むキメラタンパク質の発現を含む。 精製を容易にするそのようなドメインには、固定化された金属上での精製を可能 にする金属キレート化ペプチド(例えば、ヒスチジン-トリプトファンドメイン )、固定化された免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン 、およびFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immunex Corp,Seattle,WA)で使 用されるドメインが含まれるが、これらに限定されるものではない。切断可能な リンカー配列、例えばXA因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen,San Diego ,CAから入手可能)を該ポリペプチド配列と該精製ドメインとの間に含有させる ことは、該ポリペプチドの回収に有用かもしれない。 イムノアッセイ PS112ポリペプチド(その断片、誘導体および類似体を含む)またはそのよう なポリペプチドを発現する細胞は、前立腺組織に対する抗体の検出のための種々 のアッセイ(そのうちの多数が本明細書に記載されている)で使用することがで きる。また、それらを免疫原として使用して、抗体を産生させることができう。 これらの抗体は、例えば、ポリクローナルもしくはモノク ローナル抗体、キメラ、一本鎖およびヒト化抗体およびFab断片、またはFab発現 ライブラリーの産物であることが可能である。そのような抗体および断片の産生 のためには、当該技術分野で公知の種々の方法を用いることができる。 例えば、本発明の配列を含むポリペプチドに対して産生される抗体は、該ポリ ペプチドを動物に直接注入することにより、あるいは該ポリペプチドを動物(例 えば、マウス、ウサギ、ヤギまたはヒト)に投与することにより得ることができ る。マウス、ウサギまたはヤギが好ましい。該ポリペプチドは、配列番号25〜33 およびそれらの断片よりなる群から選はれる。ついで、そのようにして得た抗体 が、該ポリペプチド自体に結合することとなる。このように、該ポリペプチドの 断片だけをコードする配列でさえ、天然ポリペプチドに結合する抗体を産生させ るために使用することができる。ついで、そのような抗体を使用して、そのポリ ペプチドを含有する疑いのある組織などの試験サンプルから該ポリペプチドを単 離することができる。モノクローナル抗体の製造には、連続継代細胞培養により 産生される抗体を与える任意の技術を用いることができる。具体例には、Kohler およびMilstein,Nature 256:495-497(1975)に記載の ハイブリドーマ技術、トリオーマ技術、Kozborら,Immun .Today 4:72(1983)に 記載のヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびColeら,Monoclonal Antibodies a nd Cancer Therapy ,Alan R.Liss,Inc,New York,NY,pp.77-96(1985)に記 載のヒトモノクローナル抗体を産生させるためのEBV-ハイブリドーマ技術が含ま れる。一本鎖抗体の産生のための記載されている技術を、本発明の免疫原性ポリ ペプチド産物に対する一本鎖抗体を産生させるために適用することができる。例 えば、米国特許第4,946,778号を参照されたい。 本発明の抗体は、「サンドイッチ」イムノアッセイおよびプローブアッセイを 含む種々のアッセイ様式において使用することができる。例えば、本発明の抗体 またはその断片は、試験サンプル中のPS112抗原の存在を判定するための種々の アッセイ系で使用することができる。例えば、第1のアッセイ様式では、固相上 にコーティングされている、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体または その断片、またはこれらの抗体の組合せを、試験サンプルと接触させて、第1混 合物を形成させる。この第1混合物を、抗原/抗体複合体の形成に十分な時間お よび条件下でインキュベートする。ついで、シグナル生成化合物 が結合しているモノクローナルもしくはポリクローナル抗体またはその断片、ま たはこれらの抗体の組合せを含む指示試薬を、該抗原/抗体複合体と接触させて 、第2混合物を形成させる。ついで、この第2混合物を、抗体/抗原/抗体複合 体の形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。シグナル生成化合物 により生成した測定可能なシグナルを検出することにより、固相上に捕捉され試 験サンプル中に含まれうるPS112抗原の存在を判定する。試験サンプル中に存在 するPS112抗原の量は、生成したシグナルに比例する。 もう1つのアッセイ様式では、(1)PS112抗原に特異的に結合するポリクロー ナル抗体、モノクローナル抗体もしくはその断片、または固体支持体に結合した そのような抗体の組合せ、(2)試験サンプル、および(3)シグナル生成化合物 が結合している、異なるPS112抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体、ポ リクローナル抗体もしくはその断片(またはこれらの抗体の組合せ)含む指示試 薬を接触させることにより、混合物を得る。この混合物を、抗体/抗原/抗体複 合体の形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。該シグナル生成化 合物により生成した測定可能なシグナルを検出することにより、 試験サンプル中に存在し固相上に捕捉されたPS112抗原の存在を判定する。試験 サンプル中に存在するPS112抗原の量は、生成したシグナルに比例する。 もう1つのアッセイ様式では、本発明の少なくとも2つのモノクローナル抗体 の一方または組合せを、PS112抗原に対する抗体の検出のための競合プローブと して使用することができる。例えば、PS112ポリペプチド(例えば、本明細書に 開示の組換え抗原)を、単独で又は組合せて、固相上にコーティングする。つい で、PS112抗原に対する抗体を含有する疑いのある試験サンプルを、シグナル生 成化合物と本発明の少なくとも1つのモノクローナル抗体とを含む指示試薬と共 に、固相に結合している試験サンプルおよび指示試薬または固相に結合している 指示試薬のいずれかの抗原/抗体複合体の形成に十分な時間および条件下でイン キュベートする。固相に対するモノクローナル抗体の結合の減少を定量的に測定 することができる。 さらにもう1つの検出方法では、本発明のモノクローナルまたはポリクローナ ル抗体のそれぞれを、免疫組織化学的分析による組織切片中または細胞中のPS11 2抗原の検出において使用することができる。これらの抗体を直接的に標識(例 えば、フ ルオレセイン、金コロイド、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホ スファターゼなどでの標識)したり又は二次標識化抗種抗体を使用して標識(本 明細書に例示する種々の標識)して、疾患の組織病理を追跡する細胞化学的分析 も、本発明の範囲内に含まれる。 さらに、これらのモノクローナル抗体を、CNBr活性化セファロースに類似した マトリックスに結合させて、細胞培養または生物学的組織からの特異的PS112ポ リペプチドのアフィニティー精製(例えば、組換え及び天然PS112タンパタ質の 精製)に使用することができる。 また、本発明のモノクローナル抗体は、治療用途または他の同様の用途のため のキメラ抗体の産生に使用することができる。 モノクローナル抗体またはその断片は、PS112抗原の検出のために個々に提供 することができる。また、本発明で提供するモノクローナル抗体(およびその断 片)の組合せを、他のPS112領域に特異的に結合する抗体(各抗体は、異なる結 合特異性を有する)と共に、本発明の少なくとも1つのPS112抗体の混合物また は「カクテル」中の成分として一緒に使用することができる。したがって、この カクテルは、本明細書に開示のPS112 ポリペプチドに対する本発明のモノクローナル抗体と、PS112抗原または他の関 連タンパタ質の他の抗原決定基に特異的な他のモノクローナル抗体とを含むこと が可能である。 アッセイ様式で使用しうるポリクローナル抗体またはその断片は、PS112ポリ ペプチドまたは該アッセイで追加的に使用する他のPS112ポリペプチドに特異的 に結合すべきである。好ましく使用されるポリクロナール抗体は、PS112ポリペ プチドに結合する、ヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツジポリクローナル抗体などの 哺乳動物に由来するものである。最も好ましくは、該ポリクローナル抗体は、ウ サキに山来するものである。該アッセイで使用するポリクローナル抗体は、単独 で又はポリクローナル抗体のカクテルとして使用することができる。該アッセイ 様式で使用するカクテルは、PS112ポリペプチドに対する異なる結合親和性を有 するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を含むため、それらは、前立 腺癌などの前立腺の疾患または状態の検出、診断、病期分類、モニター、予後判 定、予防もしくは治療または素因の判定に有用である。 組換え抗原の使用により、あるいは該ペプチドは、PS112のアミノ酸配列を含 む合成ペプチドまたは精製ペプチドの使用に より、アッセイにおいてPS112抗原の検出が可能となることが意図され、それが 本発明の範囲内に含まれる。そのようなポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番 号25〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれる。また、PS112の異なるエ ピトープを定める異なる合成、組換えまたは精製ペプチドを、前立腺癌などの前 立腺の疾患または状態の検出、診断、病期分類、モニター、予後判定、予防もし くは治療または素因の判定のためのアッセイにおいて併用することも、本発明の 範囲内に含まれる。この場合、これらのペプチドすべてを固相上にコーティング したり、あるいはそれぞれ分離したペプチドを、分離した固相(例えば、微粒子 )上にコーティングし、ついで、後にアッセイにおいて使用しうるペプチド混合 物を形成するように合体させることが可能である。さらに、前立腺癌などの前立 腺の疾患または状態の検出、診断、病期分類、モニター、予後判定、予防もしく は治療または素因の判定のために、異なる抗原からのエピトープを定める複数の ペプチドを使用することができると期待される。ついで、固相上にコーティング された又は検出可能な標識で標識されたペプチドを、一定量の抗体に関して、患 者のサンプル中に存在する(存在する場合)ペプチドと競合させる。 該抗体に対する該合成、組換えまたは精製ペプチドの結合の減少は、患者のサン プル中のPS112抗原の存在の指標となる。PS112抗原の存在は、患者における前立 腺組織の疾患、特に前立腺癌の存在を示す。アッセイ様式の変形は、当業者に公 知であり、本明細書において後に検討する。 もう1つのアッセイ様式では、以下のとおり、抗PS112抗体および/またはPS1 12抗原の存在を同時に検出することができる。試験サンプルを、同時に、第1被 検体の捕捉試薬(該捕捉試薬は、固相に結合した第1被検体に特異的な第1結合 メンバーを含む)および第2被検体の捕捉試薬(該捕捉試薬は、第2固相に結合 した第2被検体に対する第1結合メンバーを含む)と接触させて、混合物を得る 。この混合物を、捕捉試薬/第1被検体および捕捉試薬/第2被検体複合体の形 成に十分な時間および条件下でインキュベートする。ついで、これらのいわゆる 複合体を、シグナル生成化合物で標識された第1被検体に特異的な結合ペアのメ ンバーと、シグナル生成化谷物で標識された第2被検体に特異的な結合ペアのメ ンバーとを含む指示試薬に接触させる。この第2混合物を、捕捉試薬/第1被検 体/指示試薬複合体および捕捉試薬/第2被検体/指示試薬複合体の 形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。いずれかの又は両方の固 相上で形成した複合体に関して生成したシグナルを、試験サンプル中の1以上の 被検体の存在の指標として検出することにより、1以上の被検体の存在を判定す る。このアッセイ様式では、本明細書に開示する発現系に由来する組換え抗原、 および本明細書に開示の発現系に由来するタンパク質から産生したモノクローナ ル抗体を使用することができる。例えば、このアッセイでは、PS112抗原を第1 被検体とすることが可能である。そのようなアッセイ系は、EP公開第0473065号 に、より詳しく記載されている。 さらにもう1つのアッセイ様式では、本明細書に開示するポリペプチドを使用 して、試験サンプル中のPS112抗原に対する抗体の存在を検出することができる 。例えば、試験サンプルを、少なくとも1つのポリペプチド(例えば、組換えタ ンパク質または合成ペプチド)が結合している固相と共にインキュベートする。 該ポリペプチドは、配列番号25〜33およびそれらの断片よりなる群から選ばれる 。これらを、抗原/抗体複合体の形成に十分な時間および条件下で反応させる。 インキュベーション後、該抗原/抗体複合体を検出する。選択するアッセイ系に 応 じて、検出を容易にするために、指示試薬を使用することができる。もう1つの アッセイ様式では、試験サンプルを、本明細書に記載のとおりに産生させた組換 えタンパク質が結合している固相と接触させ、また、指示試薬で好ましくは標識 されている、該タンパク質に特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗体 と接触させる。抗体/抗原複合体の形成に十分な時間および条件下でインキュベ ーションした後、固相を遊離相から分離し、該標識をPS112抗原に対する抗体の 存在の指標として該固相中または該遊離相中で検出する。本明細書に開示する組 換え抗原を使用する他のアッセイ様式が期待される。これらは、第1起源からの 少なくとも1つの抗原が結合している固相と試験サンプルとを接触させ、抗原/ 抗体複合体の形成に十分な時間および条件下で該固相と試験サンプルとをインキ ュベートし、ついで該固相を標識抗原(該抗原は、第1起源とは異なる第2起源 に由来する)と接触させることを含む。例えば、大鷹菌(E.coli)などの第1 起源に由来する組換えタンパク質を、固相上の捕捉抗原として使用し、そのよう に調製された固相に試験サンプルを加え、必要に応じて標準的なインキュベーシ ョンおよび洗浄工程の後、異なる起源(すなわち、非大皿菌(E.coli)) に由来する組換えタンパク質を、後に検出する指示試薬の一部として使用する。 同様に、固相上の組換え抗原と合成ペプチド(指示相中)との組合せも可能であ る。第1起源から産生した又はそれに由来するPS112に特異的な捕捉抗原として の抗原と、異なる第2起源からのPS112に特異的な抗原とを使用する任意のアッ セイ様式が期待される。このように、組換え抗原の種々の組合せ、および合成ペ プチド、精製タンパク質などの使用が、本発明の範囲内に含まれる。このアッセ イおよび他のアッセイは、本出願と同一所有者の米国特許第5,254,458号に記載 されている。 また、種々の他の固相を使用する他の実施態様も意図され、本発明の範囲内に 含まれる。例えば、速い液相免疫化学的反応を行なうために、負に荷電した重合 体との固定化可能反応複合体を固定化するためのイオン捕捉法(EP公開第032610 0号およびEP公開第0406473号に記載されている)を本発明で使用することができ る。固定化可能な免疫複合体は、その負に荷電したポリ-アニオン/免疫複合体 と、予め処理されている正に荷電した多孔性マトリックスとの間のイオン相互作 用により、該反応混合物の残部から分離され、既に記載されている種々のシグナ ル生成系(例えば、EPO公開第0273,115号に記載の化学発光シグナルの測定にお いて記載されているもの)を用いて検出される。 また、固相が微粒子(磁性または非磁性)を含む微粒子技術を用いる系(例え ば、自動化系および半自動化系)での使用に、本発明の方法を適合させることが 可能である。そのような系には、例えば、公開されているEPO出願EP 0425 633お よびEP 0424634にそれぞれ記載されている系が含まれる。 イムノアッセイにおける走査型プローブ顕微鏡検査法(scanning probe micro scopy)(SPM)の使用も、本発明のモノクローナル抗体を容易に適合させること が可能な技術として挙げられる。走査型プローブ顕微鏡検査法、特に原子間力顕 微鏡検査法においては、捕捉相、例えば、本発明のモノクローナル抗体の少なく とも1つを固相に付着させ、走査型プローブ顕微鏡を使用して、固相の表面上に 存在しうる抗原/抗体複合体を検出する。通常、多数のイムノアッセイ系におい ては、抗原/抗体複合体を検出するために標識を使用しなければならないが、走 査型トンネル顕微鏡検査法を使用すると、そのような標識が不要になる。特異的 結合反応をモニターするためのSPMの 使用は、多数の方法で実施することが可能である。1つの実施態様では、特異的 結合パートナーのメンバーの1つ(本発明のモノクローナル抗体である被検体特 異的物質)を、走査に適した表面に結合させる。該被検体特異的物質の結合は、 当業者に公知の方法に従って行なう、プラスチックまたは金属表面の固相を含む 試験片に対する吸着によるものであってもよい。あるいは、誘導体化プラスチッ ク、金属、シリコン(ケイ素)またはガラスの固相を含む試験片に対する特異的 結合パートナー(被検体特異的物質)の共有結合を用いてもよい。共有結合方法 は、当業者に公知であり、特異的結合パートナーを試験片に不可逆的に結合させ るための種々の手段を含む。該試験片がシリコンまたはガラスである場合には、 特異的結合パートナーを結合させる前に、該表面を活性化する必要がある。また 、特異的結合パートナーを試験片の表面上に化学的方法で固定化するために、混 成電極相互作用を用いることができる。好ましい結合方法は、共有的手段による ものである。特異的結合メンバーの結合の後、非特異的結合を最小限に抑えるた めに、該表面を血清、タンパク質または他のブロッキング剤などの物質で更に処 理することができる。また、アッセイ目的に対する適合性を 確認するために、該表面を、製造部位または使用点において走査することができ る。走査過程は、試験片の特異的結合特性を変えないと考えられる。 本発明は、主として固相の使用に関して開示されているが、本発明の抗体、タ ンパク質、ペプチドなどの試薬は、非固相アッセイ系においても使用可能である と期待される。これらのアッセイ系は、当業者に公知であり、本発明の範囲内に 含まれるとみなされる。 アッセイに使用する試薬は、バイアル、ボトルなどの1以上の容器を有する試 験キットの形態で提供できると期待される。その各容器は、該アッセイで使用す るプローブ、プライマー、モノクローナル抗体、またはモノクローナル抗体のカ クテル、またはポリペプチド(例えば、組換え的、合成的に製造または精製され たもの)などの別個の試薬を含有する。該ポリペプチドは、配列番号25〜33およ びそれらの断片よりなる群から選ばれる。当業者に公知の他の成分(例えば、緩 衝液、対照など)を、そのような試験キットに含めることが可能である。また、 利用可能な体液(例えば、血液、尿、唾液および糞便)を含む試験サンプルを採 集するための手段を有する試験キットを提供 することが期待される。採集に有用なそのような手段(「採集材料」)には、血 液を採集し安定化するためのランセットおよび吸収紙または布、唾液を採集し安 定化するためのスワブ、尿または糞便サンプルを採集し安定化するためのカップ が含まれる。該サンプルの変性または不可逆的吸着を避けるために、所望により 、採集材料、紙、布、スワブ、カップなどを処理することが可能である。また、 試料の完全性を維持するのを助けるために、該採集材料を保存剤、安定化剤また は抗微生物剤で処理したり、該採集材料に保存剤、安定化剤または抗微生物剤を 含有させることが可能である。手術または針生検により得た試験試料の採集、安 定化および保存のために設計された試験キットも有用である。すべてのキットは 、別個に提供されることが可能な2つの成分(その一方の成分は、試料の採集お よび運搬のためのものであり、もう一方は、試料の分析のためのものである)に 構成することができると期待される。例えば、採集成分は、公開市場の消費者に 提供することが可能であり、一方、分析用成分は、被検体の存在、不存在または 量の測定のために研究者などに提供することが可能である。さらに、試験試料の 採集、安定化および保存のためのキットは、熟練していない者 による使用を意図して構成することが可能であり、家庭で使用された後、該試験 サンプルの分析のために研究室に運搬されることを意図して、公開市場において 入手可能とすることができる。 大腸菌(E.coli)(クローン1512846)は、ブダペスト条約の条項に基づき、 American Type Culture Collection (A.T.C.C.)、12301 Parklawn Drive,Roc kville,Maryland 20852に11/7/96に寄託されており、寄託の日から30年間また は寄託に関する最終請求後5年間または該米国特許の存続期間のうち最も遅い時 まで保管されることとなる。該寄託および本明細書に記載の他の任意の寄託物質 は、便宜上与えられているにすぎす、本明細書の教示を考慮して本発明を実施す ることは必ずしも要求されない。それらの全寄託物質におけるcDNA配列を、参考 として本明細書に組入れるものとする。クローン1512846には、A.T.C.C.受託第9 8243号が付与されている。 つぎに、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は例示にすぎず、 本発明の範囲を限定するものではない。 実施例実施例1:前立腺組織ライブラリーPS112遺伝子特異的クローンの特定 A.発現されたタグ配列(EST)または転写イメージにおける、ライブラリーの 比較 cDNAクローン挿入断片の部分配列、いわゆる「発現されたタグ配列」(EST) を、前立腺腫瘍組織、前立腺非腫瘍組織および多数の他の組織(腫瘍および非腫 瘍の両方)から作製したcDNAライブラリーから導き出し、遺伝子転写イメージと してデータベース(Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto,CAから入手可能なLIFE SEQTMデータベース)に入力した。国際公開WO 95/20681を参照されたい(転写イ メージは、ある与えられた組織ライブラリーにおける代表遺伝子のそれぞれに関 するEST数の一覧である。相互配列重複の領域を共有するESTは、クラスターに分 類される。クラスターには、代表的5'ESTからのクローン番号が割り当てられる 。しばしば、関心のあるクラスターを、そのコンセンサス配列と、自動化クラス タリングの基準を満足しなかった他のESTの配列との比較により伸長させること が可能である。入手可能な全クラスターおよび単一ESTのアラインメン トは、コンセンサス配列が導かれるコンテイグを表す)。ついで該転写イメージ を評価して、主として前立腺組織ライブラリーを代表するESTクラスターを同定 した。ついで、これらの標的クラスターを、標的ライブラリー中のそれらの存在 量(ESTメンバーの出現頻度)と、バックグラウンドライブラリーにおけるそれ らの不存在とに基づきランク付けした。低いバックグラウンド出現頻度を有する 、より高い存在量のクラスターには、より高い研究優先度を与えた。重複クロー ンg885075(配列番号1)、1512846(配列番号2)、1551713、(配列番号3)、1251 961(配列番号4)、1209763(配列番号5)、1815040(配列番号6)、1859374( 配列番号7)および1650092(配列番号8)を、さらなる研究に割り当てた。これ らは、本明細書に記載するコンセンサス配列(配列番号9)を導き出すもとにな った、PS112コンティグを形成するのに必要な最小数のクローンを代表した。 B .コンセンサス配列の作製 ESTクローンg885075(配列番号1)、1512846(配列番号2)、1551713、(配列 番号3)、1251961(配列番号4)、1209763(配列番号5)、1815040(配列番号6 )、1859374(配列番号7)および1650092(配列番号8)のヌクレオチド配列を、Se quencherTM プログラム(Gene Codes Corporation,Ann Arbor,MIから入手可能)に入力し て、ヌクレオチドアライメント(コンティグ地図)を得、ついでそれらのコンセ ンサス配列(配列番号9)を得た。図1Aおよび1Bは、これらのクローンのヌクレ オチド配列アラインメント、および得られたそれらのヌクレオチドコンセンサス 配列(配列番号9)を示す。図2は、PS112遺伝子の重複領域を形成する該クロー ン(配列番号1〜8)を示すコンティグ地図と、これらのクローンから得られたコ ンセンサスヌクレオチド配列(配列番号9)とを図示的に表す。これの後、該コ ンセンサス配列(配列番号9)上で3フレーム翻訳を行なった。第1フォワード フレームは、665残基のアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレー ムを有することが判明し、これを配列番号25として示す。 C .コンセンサス配列に対応するESTの発現の特異性 前記B節で得たコンセンサス配列を、BLAST検索ツールを用いて最新LIFESEQTM データベース(1997年9月)の全体と比較した。該コンセンサス配列に対応する ESTは、前立腺ライブラリーの46.4%(28個中13個)、および非前立腺ライブラ リーの10.1%(455個中46個)で見出された。したがって、該コン センサス配列またはその断片は、前立腺組織中では非前立腺組織中に比べて4.5 倍以上大きな頻度で見出された。 実施例2:PS112 EST特異的クローンの配列決定 PS112遺伝子コンティグの5'ESTを含むクローン1512846のDNA配列を、公知方法 に従い、色素ターミネーターを使用するジデオキシターミネーション配列決定法 で決定した(配列番号10)(F angerら,PNAS U.S.A 74:5463(1977))。 pINCYベクター(Life Technologies,Gaithersburg,MD)は、該挿入断片の3' および5'ライゲーション結合部に直接隣接した普遍的プライミング部位を含有す るため、普遍的プライマー(配列番号13および配列番号14)(それぞれ、New En gland Biolabs,Beverly,MAおよびApplied Biosystems Inc,Foster City,CA )を使用して該挿入断片の約300塩基を両方向に配列決定した。該配列決定反応 を、ポリアクリルアミド変性ゲル上で行ない、Applied Biosystems 377 Sequenc er(Applied Biosystems,FosterCity,CAから入手可能)または他の配列決定装 置により、該配列を決定した。追加的な配列決定プライマーPS112.F1、PS112.F2 、PS112.F3、PS112.R1、PS112.R2、PS112.R3(それぞれ配列番号15、配列番号16 、配列番号17、 配列番号18、配列番号19、配列番号20)を、PS112コンセンサスヌクレオチド配 列(配列番号9)から設計した。ついで、これらのプライマーを使用して、既に 記載されているとおりに、各DNA鎖からのクローン化挿入断片のDNA配列を決定し た。 実施例3:核酸の調製 A .組織からのRNAの抽出 固形前立腺組織または細胞および非前立腺組織から全RNAを単離した。当該技 術分野で公知であり文献記載されている塩化リチウム/尿素法(Katoら,J .Vir ol. 61:21-2191,(1987))、UltraspecTM(Biotecx Laboratories,Inc.,Housto n Texas)およびTRIzolTM(Life Technologies,Inc.,Gaithersburg,MD)を含 む(これらに限定されるものではない)種々の方法を用いた。 ノーザンブロット分析では、該組織を氷上の無菌円錐管中に配置し、10〜15容 量の3M LiCl、6.M尿素、5mM EDTA、0.1m β-メルカプトエタノール、50mM Tris- HCl(pH7.5)を加えた。該 Instruments,Inc.,Westbury,NY)で30〜50秒間ホモジナイズした。該溶液を1 5mlプラスチック遠心管に移し、−20℃で一 晩放置した。該管を9,000×g、0〜4℃で遠心し、該上清を直ちにデカントした。 ついで10mlの3M LiClを加え、該管を5秒間ボルテッタスし、11,000×g、0〜4℃ で45分間遠心した。デカント、LiClへの再懸濁および遠心分離を繰返した。最終 ペレットを風乾し、2mlの1mM EDTA、0.5% SDS、10mM Tris(pH7.5)に再懸濁した 。ついで、20μlのプロテイナーゼK(20mg/ml)を加え、時々混合しながら該溶 液を37℃で30分間インキュベートした。10分の1容量(0.22〜025ml)の3M NaCl を加え、該溶液をボルテックスした後、2mlのフェノール/クロロホルム/イソ アミルアルコール(PCI)を含有する別の管に移した。該管を1〜3秒間ボルテッ タスし、3,000×g、10℃で20分間遠心した。PCI抽出を更に2回繰返し、ついで クロロホルム/アミルアルコールでの同様の抽出を2回行なった。最終水溶液を 、6mlの100%無水エタノールを含有する予め冷却した15mlコレックスガラス管に 移し、該管をパラフィンで覆い、−20℃で一晩放置した。該管を10,000×g、0〜 4℃で30分間遠心し、該エタノール上清を直ちにデカントした。該RNAペレットを 10mlの75%氷冷エタノールで4回洗浄し、各回の後に10,000×gで10分間遠心し た。最終ペレットを室温で15分間風乾した。該RNAを 0.5mlの10mM Tris(pH7.6)、1mM EDTAに懸濁し、その濃度を分光光度的に測定し た。RNAサンプルを等分割し、エタノール沈殿物として−70℃で保存した。 該RNAの量を、アガロースゲル電気泳動(実施例5を参照されたい)および0.5 μg/mlの臭化エチジウムでの1時間の染色により測定した。無傷28S/18S rRNAを 含有しないRNAサンプルを、該研究から除外した。 あるいは、RT-PCR分析では、1mlのUltraspec RNA試薬を、2.0mlポリプロピレ ンミクロ遠心管120mgの微粉砕組織に加え、 Westbury,NY)で50秒間ホモジナイズし、氷上に5分間放置した。ついで0.2ml のクロロホルムを各サンプルに加え、ついで15秒間ボルテックスした。該サンプ ルを氷中に更に5分間放置し、ついで12,000×g、4℃で15分間遠心した。該上層 を集め、RNアーゼを含まない別の2.0mlミクロ遠心管に移した。等容量のイソプ ロパノールを各サンプルに加え、該溶液を氷上に10分間放置した。該サンプルを 12,000×g、4℃で10分間遠心し、該上清を捨てた。残ったペレットを冷75%エタ ノールで2回洗浄し、ボルテックスにより再懸濁し、再懸濁した該物質をついで 、 7,500×g、4℃で5分間遠心分離により再ペレット化した。最後に、該RNAペレッ トをスピードバック(speedvac)中で乾燥し、RNアーゼを含まない水中で再構成 した。 B .血液単核細胞からのRNA抽出 単核細胞を、以下のとおりFicoll-Hypaqueを使用する遠心分離により、患者か らの血液サンプルから単離する。10ml容量の全血を、等容量のRPMI培地(Life T echnologies,Gaitherburg,MD)と混合する。ついでこの混合物の下に10mlのFi coll-Hypaque(Pharmacia,Piscataway,NJ)を配置し、200×gで30分間遠心す る。該単核細胞を含有するバフィーコートを取り出し、Dulbecco PBS(Life Tec hnologies,Gaitherburg,MD)で50mlまで希釈し、該混合物を200×gで10分間遠 心した。2回の洗浄の後、得られたペレットをDulbecco PBSに再懸濁して、1ml の最終容量とする。 Katoら(前掲)に記載のとおりに、単離した単核細胞からRNAを調製する。簡 単に説明すると、該ペレット化単核細胞を1mlの最終容量にし、ついで250μLのP BSに再懸濁し、2.5mlの3M LiCl、6M尿素、5mM EDTA、0.1M 2-メルカプトエタノ ール、50mM Tris-HCl(pH7.5)と混合する。得られた混合物をホモジナイズ し、−20℃で一晩インキュベートする。該ホモジネートを、Beckman J2-21Mロー ター中、8,000RPM、0〜4℃で90分間遠心する。該ペレットを、ホルテックスする ことにより10mlの3M LiClに再懸濁し、ついでBeckman J2-21Mローター遠心機中 、10,000RPM、0〜4℃で45分間遠心する。ついで該再懸濁工程およびペレット化 工程を繰返す。該ペレットを、ボルテックスしながら2mlの1mM EDTA、0.5%SDS、 10mM Tris(pH7.5)および400μgプロテイナーゼKに再懸濁し、ついでそれを、振 とうしながら37℃で30分間インキュベートする。ついで10分の1の容量の3M NaC lを加え、該混合物をボルテックスする。フェノール/クロロホルム/イソアミ ルアルコールでの2サイクルの抽出、およびそれに続くクロロホルム/イソアミ ルアルコールでの1回の抽出により、タンパク質を除去する。6mlのエタノール を加え、ついで−20℃で一晩インキュベートすることにより、RNAを沈殿させる 。該沈殿RNAを遠心により集めた後、該ペレットを75%エタノールで4回洗浄す る。ついで該ペレット化RNAを1mM EDTA、10mM Tris-HCl(pH7.5)に溶解する。 非前立腺組織を陰性対照として使用する。さらにポリアデニル化RNAの単離の ためのオリゴdTセルローススピンカラム (Pharmacia,Uppsala,SwedenからのRediColTM)などの商業的に入手可能なキ ットを使用して、該mRNAを全RNAから精製することができる。全RNAまたはmRNAは 、リボヌクレアーゼ保護アッセイにおける分析のために溶解緩衝液(5Mグアニジ ンチオシアナート、0.1m EDTA、pH7.0)中に溶解することができる。 C.ポリソームからのRNA抽出 組織を、4℃、食塩水中で細かく刻み、6mM 2-メルカプトエタノールを含有す るTK150M(150mM KCl、5mM MgCl2、50mM Tris-HCl、pH7.5)溶液中、2.5容量の0.8 Mショ糖と混合する。該組織を、Teflon-ガラスPotterホモジナイザー中、100〜2 00rpm、5往復で、ついでDounceホモジナイザー中、6往復でホモジナイズする (B.Mechler,Methods in Enzymology 152:241-248(1987)に記載のとおり) 。ついで該ホモジネートを、12,000×g、4℃で15分間遠心して、核を沈降させる 。2mlの該上清を、TK150M中の2.5Mショ糖6mlと混合し、この混合物を38mlポリア ロマー管内のTK150M中の4mlの2.5Mショ糖の上に重層することにより、該ポリソ ームを単離する。追加的な2つのTK150M溶液を、該抽出画分の上に順次重層する (13mlの2.05Mショ糖の第1層およびそれに続く6mlの1.3Mショ糖の第2層)。該勾 配を90,000×g、 4℃で5時間遠心することにより、該ポリソームを単離する。ついで該画分をシ リコーン化パスツールピペットで1.3Mショ糖/2.05Mショ糖界面から取り、等量 のTE(10mM Tris-HCl、pH7.4、1mM EDTA)中に希釈する。等容量の90℃のSDS緩衝 液(1%SDS、200mM NaCl、20mM Tris-HCl、pH7.4)を加え、該溶液を沸騰水浴中 で2分間インキュベートする。つぎにタンパク質をプロテイナーゼK(50mg/ml) で37℃で15分間消化する。等容量のフェノール/クロロホルムで3回抽出し、つ いで0.1容量の2M酢酸ナトリウム(pH5.2)および2容量の100%エタノールで−20 ℃で一晩沈殿させることにより、該mRNAを精製する。その沈殿したRNAを、12,00 0×g、4℃で10分間の遠心分離により回収する。該RNAを乾燥し、TE(pH7.4)ま たは蒸留水に再懸濁する。ついで該再懸濁化RNAをスロットブロットまたはドッ トブロットハイブリダイゼーションアッセイで使用して、PS112mRNAの存在を確 認することができる(実施例6を参照されたい)。 核酸およびタンパク質の量は、用いる製造方法に左右される。標的分子の単離 効率を最大にするためには、各サンプルは、異なる調製技術を必要とするかもし れない。これらの調製技術は、当業者の技量の範囲内に含まれる。実施例4:リボヌクレアーゼ保護アッセイ A .標識化相補的RNA(cRNA)ハイブリダイゼーションプローブおよび未標識セ ンス鎖の合成 対向するSP6およびT7ポリメラーゼプロモーターに隣接するPS112遺伝子のcDNA 配列挿入断片(クローン1512846)を含有するpINCYプラスミドを、Qiagen Plasm id Purificationキット(Qiagen,Chatsworth,CA)を使用して精製した。つい で10μgの該プラスミドを、20UのBamHI制限酵素で37℃で1.5時間で切断した。そ の切断されたプラスミドを、QIAprepキット ンビトロTranscription System(Promega Corporation,Madison,WI)を該供給業 者の指示書の記載のとおりに使用して、10μM(α32P)CTP(比活性800Ci/mmol )(Amersham Life Sciences,Inc.Arlington Heights,IL)で標識されたアン チセンス転写産物をT7プロモーターから合成するために、0.25μgのプラスミド を使用した。該センス鎖を得るために、10μgの該精製プラスミドを、10UのSalI および10UのNotI制限酵素で切断し、精製し、0.25μgのプラスミドを、前記のと おりにSP6プロモーターから転写した。センスおよびアンチセンスの両方の転写 鎖を、スピンカラムクロマトグラフィーにより単離した。未標識センス転写鎖を 、260nmのUV吸収により定量した。 B .標的に対する標識プローブのハイブリダイゼーション 凍結した組織を、液体窒素下で粉砕して粉末にし、70〜800mgを12倍容量の溶 解緩衝液(RNAqueousTM全RNA単離キット(Ambion,Inc.,Austin,TX)の一成分 として入手可能)に溶解した。さらに組織ホモジナーザーを使用して溶解を行な い、ついで供給業者の指示に従いRNAを単離した。また、陽性対照として使用す るために、5mg/mlの酵母RNA中の既知量のセンス鎖の希釈系列を作製した。正常 および前立腺癌組織から単離した5μgのRNA、他の組織からの5μgの単離RNA、ま たは希釈されたセンス鎖を、5×104cpmの放射能標識プローブ(1×109cpm/μg) と直接混合した。ついで十分な酵母RNAを加えて、RNAの合計量を50μgにし、酢 酸アンモニウムおよびエタノールの存在下、−70℃で該混合物を沈殿させた。ペ レット化されたRNAおよびプローブを、供給業者の指示に従いハイブリダイゼー ション溶液(HybSpeedTMRnase保護キット(Ambion,Inc.,Austin,TX)の一成分 )に再懸濁した。サンプルを熱変性させ、ハイブリダイゼーションを68℃で10分 間進行させた。C .RNアーゼ消化 HybSpeedTMプロトコールに従い、RNアーゼAおよびRNアーゼT1の溶液を37℃で3 0分間使用して、プローブにハイブリダズしていないRNAを該反応から除去した。 ついで、消化されないように保護されたハイブリダイズした断片を沈殿させ、Hy bSpeedTMキットを含有し−70℃で1時間放置された溶液を加えることにより、RN アーゼを同時に除去した。該沈殿物を、12,000×gで20分間の遠心分離により集 めた。 D .断片の分析 該沈殿物を、変性ゲルローディング色素(80%ホルムアミド、10mM EDTA(pH8.0 )、1mg/mlキシレンシアノール、1mg/mlブロモフェノールブルー)に溶解し、熱 変性させ、6%ポリアクリルアミドTBE、8M尿素変性ゲル中で電気泳動した。STOR M貯蔵蛍りん光体(storage phosphor)オートラジオグラフィー系(Molecular D ynamics,Sunnyvale,CA)を使用して、該ゲルをイメージングし、分析した。そ の結果を、イメージ評価得点として表す(表1)。配列番号1〜10またはそれらの 相補体よりなる群から選ばれる配列に対応するmRNAの高レベルの発現は、PS112 mRNAの存在を示した。このことは、前立腺癌などの前 立腺組織の疾患または状態の診断を示唆している。 *検出可能な保護断片を有さないサンプルには「-」の得点を与え、走査型デンシ トメータ-トレーシングによる測定で種々のレベルの検出可能な保護断片を有す るサンプルには、「+〜4」の等級の得点を与える。 実施例5:ノーザンブロット法 アガロースゲル電気泳動および核酸ハイブリダイゼーションによりRNAの複合 体集団中の特定のサイズのRNA種を同定する ために、ノーザンブロット法を用いた。簡単に説明すると、40mMモルヒリノプロ パンスルホン酸(MOPS)(pH7.0)、10mM酔酸ナトリウム、1mM EDTA、2.2Mホルム アルデヒド、50%v/vホルムアミドを含有する15μlの溶液中で、5〜10μgの全RNA (実施例3を参照されたい)を65℃で15分間インキュベートした。該変性RNAを2 μlのローディング緩衝液(50%グリセロール、1mM EDTA、0.4%ブロモフェノール ブルー、0.4%キシレンシアノール)と混合し、40mM MOPS(pH7.0)、10mM酢酸ナト リウム、1mM EDTAおよび2.2Mホルムアルデヒドを含有する変性1.0%アガロース ゲル中にローディングした。該ゲルを60Vで1.5時間電気泳動し、RNアーゼを含ま ない水中でリンスした。ゲルを、RNアーゼを含まない水中の0.5μg/mlの臭化エ チジウムで染色し、UV光で照明して、リボソームRNAバンドを可視化した。下向 性アルカリキャピラリートランスファー法(downward alkaline capillary tran sfer method)(Chomczynski,Anal .Biochem.201:134-139,1992)を用いて、 RNAを該ゲルからナイロンメンブレン(Brightstar-Plus,Ambion,Inc.,Austin ,TX)に1.5時間トランスファーした。該フィルターを1×SSCでリンスし、Strat alinker(Stratagene,Inc.,La Jolla,CA)を自動架橋 (autocrosslinking)モードで使用してRNAを該フィルターに架橋し、15分間乾 燥した。ついで該メンブレンを、予め加熱した20mlのプレハイブリダイゼーショ ン溶液(5×SSC、50%ホルムアミド、5×デンハルト液、100μg/ml変性サケ精子D NA)を含有するハイブリダイゼーション管に入れ、42℃のハイブリダイゼーショ ンオーブン中で少なくとも3時間インキュベートした。ついで、前記実施例4Aで 得た合計5×106CPMの標識リボプローブを、該ハイブリダイゼーション混合物に 加えた。ハイブリダイゼーションを60℃で少なくとも12時間行なった。該ハイブ リダイゼーション溶液を捨て、30mlの3×SSC、0.1%SDS中、42℃で15分間、つい で30mlの3×SSC、0.1%SDS中、42℃で15分間、該フィルターを洗浄した。該フィ ルターをサランラップで包み、蛍りん光イメージャースクリーンに6.5時間さら し、STORH蛍りん光イメージング装置上で分析した。 臭化エチジウムで染色したアガロースゲルおよび対応するノーザンブロット( 前立腺組織および非前立腺組織からのRNAにハイブリダイズしたPS112プローブを 使用)を用いたRNAの質の分析の結果を、それぞれ図3AおよびBに示す。RNAサイ ズ基準の位置(kb単位)を、図3Aの左側に示す。該PS112プロー ブは約1.5kbの位置のRNAバンドに、レーン9の癌性前立腺サンプルおよびレーン 12の前立腺組織細胞系LNCapにおいてハイブリダイズしたにすぎず、レーン8の 正常前立腺サンプル、または膀胱、乳、結腸、肝臓、肺、卵巣、胎盤(それぞれ レーン1〜7)または脾臓もしくは精巣(それぞれレーン10および11)のRNAには ハイブリダイズしなかった(図3B)。レーン13はブランクであり、レーン14はマ ーカーである。 また、適当なサイズのRNAバンドは、ノーザンブロットにおける6個の正常前 立腺組織抽出物および3個の癌性前立腺組織抽出物のパネルのうちの1個の癌性 前立腺組織抽出物において検出されたにすぎなかった。 実施例6:ドットブロット/スロットブロット ドットおよびスロットブロットアッセイは、複雑な核酸混合物中の特異的核酸 配列の存在を評価するための迅速な方法である。そのようなアッセイを行なうた めに、50μgまでのRNAを50μlの50%ホルムアミド、7%ホルムアルデヒト、1×S SC中で混合し、60℃で15分間インキュベートし、ついで氷上で冷却する。ついで 100μlの20×SSCを該RNA混合物に加え、調製されたニトロセルロースまたはナイ ロンメンブレンを有するマニホ ールド装置上に真空下でローディングする。該メンブレンを水、20×SSCに1時 間漬け、20×SSCで予め湿らせたWhatman#3濾紙の2枚のシート上に配置し、スロ ットブロットまたはドットブロット真空マニホールド装置中にローディングする 。該スロットブロットを、前記実施例4に記載のとおりに調製され標識されたプ ローブで分析する。配列番号1〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群 から選ばれる配列に対応するmRNAの検出は、PS112の存在の指標となり、前立腺 癌などの前立腺組織の疾患または状態の診断を示唆している。 実施例5および6に記載(ただし、ここでは、特に詳細に記載されているわけ ではない)の方法で使用しうる他の方法および緩衝液は、当該技術分野で公知で あり、J.Sambrookら(前掲)に記載されている。 実施例7:In Situハイブリダイゼーション この方法は、検出可能な核酸ハイブリダイゼーションプローブを使用して細胞 中の特異的標的核酸配列を直接検出するのに有用である。 細胞RNAの保持を最大にするためのパラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒ ドなどの架橋固定剤を用いて、組織を調製す る。L.Angererら,Methods in Cell Biol 35:37-71(1991)を参照されたい。 簡単に説明すると、該組織を、50mMリン酸ナトリウム(pH7.5)中の5容量以上 の1%グルタルアルデヒド中に4℃で30分間放置する。該溶液を、新鮮なグルタル アルデヒド溶液(1%グルタルアルデヒド、50mMリン酸ナトリウム中(pH7.5)) と交換して、さらに30分間固定する。該固定溶液は、約0.375% NaClの浸透圧モ ル濃度を有するべきである。該組織を等張NaCl中で1回洗浄して、該リン酸を除 去する。 ついで該固定化組織を、以下のとおり、パラフィン中に包埋する。50%(2回 )、70%(2回)、85%、90%、ついで100%(2回)の一連のエタノール濃度 により、それぞれ15分間、該組織を脱水する。つぎに、該組織をキシレン(2回 交換)に、室温でそれぞれ20分間漬ける。ついで該組織を、キシレンおよびパラ フィンの1:1混合物(2回交換)に60℃でそれぞれ20分間、ついでパラフィン( 3回の最終交換)にそれぞれ15分間漬ける。 つぎに、該組織を、標準的なミクロトームを使用して5μmの切片に切断し、3- アミノプロピルトリエトキシシランなどの組織接着剤で予め処理されたスライド 上に配置する。 キシレンに10分間2回漬けることにより、該組織からパラフィンを除去し、99 %(2回)、95%、85%、70%、50%、30%の一連のエタノール濃度中、ついで蒸留 水(2回)中で再び脱水する。該切片を、0.2M HClで10分間、前処理し、37℃で 15分間、2μg/mlプロテイナーゼKで透過性を上昇させる。 PS112遺伝子プラスミドから転写された標識リボプローブ(実施例4を参照され たい)を、その調製された組織切片にハイブリダイズさせ、3×標準食塩水抽出物 および50%ホルムアミド中、56℃で一晩インキュベートする。2×標準クエン酸 食塩水および50%ホルムアミド中で洗浄し、ついで100μg/ml RNアーゼAで37℃ で30分問消化することにより、過剰なプローブを除去する。蛍光プローブを、顕 微鏡下での紫外(UV)光による照明により可視化する。細胞質中の蛍光は、PS11 2 mRNAを示している。別法として、該切片をオートラジオグラフィーで可視化す ることができる。 実施例8:逆転写PCR A .一工程RT-PCRアッセイ 当該技術分野で公知の方法を用いる逆転写PCRにより前記標的配列を検出する ために、標的特異的プライマーを設計する。 一工程RT-PCRは、RTおよびPCRの両方を単一反応混合物中で行なう逐次的方法で ある。該方法は、50mM(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]グリシン)(pH8.15)、81 .7mM KOAc、33.33mM KOH、0.01mg/mlウシ血清アルブミン、0.1mMエチレンジアミ ン四酢酸、0.02mg/ml NaN3、8%w/vグリセロール、150μMの各dNTP、0.25μMの各 プライマー、5U rTthポリメラーゼ、3.25mM Hn(OAc)2および5μlの標的RNA(実 施例3を参照されたい)を含有する200μlの反応混合物中で行なう。RNAおよび 該rTthポリメラーゼ酵素は、Mn(OAc)2の存在下では不安定であるため、該Mn(OAc )2は、標的の添加の直前に加えるべきである。当業者であれば、cDNA合成および サーマルサイタリングのための最適条件を容易に決定することが可能である。該 反応を、Perkin-Elmer Thermal Cycler480中でインキュベートする。当業者であ れば、cDNA合成およびサーマルサイクリングのための最適条件を容易に決定する ことが可能である。有用であると考えられる条件には、60℃〜70℃で15〜45分間 のcDNA合成、および94℃で1分間、55〜70℃で1分間、72℃で2分間の30〜45サ イクルの増幅が含まれる。また、一工程RT-PCRは、Taqポリメラーゼと逆転写酵 素(例えば、MMLVまたはAMV RT酵素)とを使用する二重酵素法を用 いて行なうことができる。 B .伝統的なRT-PCR 伝統的な二工程RT-PCを、K.Q.Huら,Virology 181:721-726(1991)に記載のと おりに行なった。簡単に説明すると、0.5μgの抽出されたmRNA(実施例3を参 照されたい)を、1×PCR II緩衝液(Perkin-Elmer)、5mM MgCl2、1mM dNTP、20 U RNasin、2.5μMランダムヘキサマーおよび50U MMLV(モロニーマウス白血病ウ イルス)逆転写酵素(RT)を含有する20μlの反応混合物中で逆転写した。逆転 写は、PE-480サーマルサイタラー中、室温で10分間、42℃で60分間行ない、つい で95℃で5分間インキュベートして、該RTを不活性化した。PCRは、10mM Tris-H Cl(pH8.3)、50mM KCl、2mM MgCl2、200μM dNTP、0.5μMの各センスおよびアン チセンスプライマー(それぞれ配列番号21および配列番号22)および2.5UのTaq ポリメラーゼを含有する50μlの最終PCR反応容量中、2μlの該cDNA反応液を使用 して行なった。該反応を、MJ Research Model PTC-200中で以下のとおりにイン キュベートした:40サイクルの増幅(94℃で20秒間、58℃で30秒間、72℃で30秒 間)、最終伸長(72℃で10分間)および4℃での浸漬。C .PCR断片の分析 正しい産物を、臭化エチジウム染色(0.5μg/ml)によるゲル電気泳動を用い るサイズの決定により確認し、UV照明により可視化した(図4AおよびB)。図4A およびBは、DNAサイズマーカー(レーン1)が示す約350塩基の位置に、PCRによ り生じたDNAバンドを示し、これは、胎盤DNA(レーン7)由来ではなく前立腺組 織(レーン2〜6)由来のPS112特異的PCR産物を示している。図4Bは、DNAサイズ マーカー(レーン1)が示す350塩基のバンドを示し、これは、ヒト胎盤DNA(レ ーン2)、肺組織(レーン5〜9)または結腸組織(レーン10〜14)由来ではなく 前立腺細胞系LNCap(レーン3)、前立腺組織(レーン4)および乳房組織(レー ン15〜19)由来のPS112特異的PCR産物を示している。配列番号1〜10およびそれ らの断片または相補体よりなる群から選ばれる配列を含む産物の検出は、PS112 mRNAの存在を示し、このことは、前立腺癌などの前立腺組織の疾患または状態 の診断を示唆している。 実施例9:OH-PCR A .プローブの選択および標識 オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションPCRにより前記 標的配列を検出するために、標的特異的プライマーおよびプローブを設計する。 1992年6月25日付け公開の国際公開WO 92/10505および1992年7月9日付け公開 のWO 92/11388は、それぞれ5'末端および3'末端でオリゴヌクレオチドを標識す るための方法を開示している。オリゴヌクレオチドを標識するための1つの公知 方法によれば、標識−ホスホルアミジット試薬を調製し、それを使用して、該標 識を該オリゴヌクレオチドに、その合成中に付加する。例えば、N.T.Thuongら ,Tet.Letters 29(46):5905-5908(1988)またはJ.S.Cohenら,公開されている 米国特許出願第07/246,688号(NTIS ORDER No.PAT-APPL-7-246,688)(1989)を 参照されたい。好ましくは、プローブを、その3'末端で標識して、PCRへの関与 および望ましくない伸長産物の形成を妨げる。一工程OH-PCRでは、該プローブは 、該プライマーのTiHより少なくとも15℃低いTHを有するべきである。当該技術 分野でよく知られている標準的なホスホルアミジット化学および/または合成後 標識法を用いて、該プライマーおよびプローブを、検出可能な標識を有する又は 有さない特異的結合メンバーとして使用する。 B .一工程オリゴハイブリダイゼーションPCR 50mM(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]グリシン)(pH8.15)、81.7mM KOAc、3 3.33mM KOH、0.01mg/mlウシ血清アルブミン、0.1mMエチレンジアミン四酢酸、0. 02mg/ml NaN3、8% w/vグリセロール、150μMの各dNTP、0.25μMの各プライマー 、3.75nMのプローブ、5U rTthポリメラーゼ、3.25mM Mn(OAc)2および標的の血液 等価体5μl(実施例3を参照されたい)を含有する200μlの反応中で、OH-PCRを 行なう。RNAおよび該rTthポリメラーゼ酵素は、Mn(OAc)2の存在下では不安定で あるため、該Mn(OAc)2は、標的の添加の直前に加えるべきである。該反応を、Pe rkin-Elmev Theral Cycler480中でインキュベートする。当業者であれば、cDNA 合成およびサーマルサイクリングのための最適条件を容易に決定することが可能 である。有用であると考えられる条件には、cDNA合成(60℃、30分間)、30〜45 サイクルの増幅(94℃で40秒間、55〜70℃で60秒間)、オリゴ−ハイブリダイゼ ーション(97℃で5分間、15℃で5分間、15での浸漬)が含まれる。正しい反応 産物は、該PCR産物の鎖の少なくとも1つと、内部でハイブリダイズしたプロー ブとを含有する。C .OH-PCR産物の分析 Park,ILから入手可能)上で検出する。簡単に説明すると、抗体で標識された微 粒子により、該PCR産物鎖上または該ハイブリダイゼーションプローブ上の捕捉 可能部位で、正しい反応産物を捕捉させ、該プローブ上または該PCR鎖上の検出 可能部位に対する検出可能な抗体コンジュゲートの結合により複合体を検出する 。該内部プローブにハイブリダイズしたPCR鎖を含有する複合体だけが、検出可 能である。したがって、この複合体の検出は、PS112 mRNAの存在を示し、前立腺 癌などの前立腺の疾患または状態の診断を示唆している。 増幅された又は増幅されていないPS112由来核酸配列の存在を検出するために 当業者が使用および/または修飾しうる多数の他の検出様式が存在し、それらに は、リガーゼチェイン反応(LCR,Abbott Laboratories,Abbott Park,IL);Q βレプリカーゼ(Gene-TrakTM,Naperville,Illinois)、ブランチトチェイン (branched chain)反応(Chiron,Emeryville,CA)および鎖置換(strand disp lacement)アッセイ(Becton Dickinson,Research Triangle Park,NC)が含まれ るが、これらに限定さ れるものではない。 実施例10:合成ペプチドの製造 合成ペプチド(配列番号26〜33)を、PS112のオープンリーディンクフレーム の推定アミノ酸配列(配列番号25)に基づき製造した(実施例1を参照されたい )。すべてのペプチドは、FMOC化学、標準的なサイクルおよびin situ HBTU活性 化を用いてSymphony Peptide Synthesizer(Rainin Instrument Co,Emeryville Californiaから入手可能)上で合成した。切断および脱保護の条件は以下のと おりであった:2.5mlの容量の切断試薬(77.5% v/vトリフルオロ酢酸、15% A,v/ vエタンジチオール、2.5% v/v水、5% v/vチオアニソール、1〜2%w/vフェノール )を該樹脂に加え、室温で2〜4時間攪拌した。ついで該濾液を除去し、該ペプチ ドを冷ジエチルエーテルで該切断試薬から沈殿させた。ついで各ペプチドを濾過 し、水/アセトニトリル/0.1%TFA勾配を用いる逆相分取HPLCで精製し、凍結乾 燥した。 ついで該精製ペプチドを、グルタルアルデヒドでキーホールリンペットヘモシ アニンに結合させたり、あるいは未結合のままとし、ついでアジュバントと混合 し、ついでモノクローナル 抗体の産生に使用することができる(実施例14を参照されたい)。 実施例11a:プラスミド577を使用する、細胞系内でのタンパタ質の発現 A .PS112発現プラスミドの構築 6月7日付け出願の米国出願第08/478,073号に記載のプラスミド577は、永久 細胞系内での分泌抗原の発現用に構築されている。このプラスミドは、以下のDN Aセグメントを含有する: (a)細菌性β-ラクタマーゼとDNA複製起点とを含有するpBR322の2.3kbの断片、 (b)HSV-1チミジンキナーゼプロモーターおよびポリA付加シグナルの制御下で ネオマイシン耐性遺伝子の発現を指令する1.8Kbのカセット、(c)SV-40プロモ ーターおよびポリA付加シグナルの制御下でのジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子 の発現を指令する1.9Kbのカセット、(d)シミアンウイルス40 T-Agプロモータ ーおよび転写エンハンサー、B型肝炎ウイルス表面抗原(HbsAg)エンハンサーI およびそれに続くポリA付加シグナルを与える単純ヘルペスウイルス1(HSV-1) ゲノムの断片の制御下で、修飾C型肝炎ウイルス(HCV)E2タンパク質に融合した ウサギ免疫グロブリン重鎖シ グナル配列の発現を指令する3.5Kbのカセット、(e)このプラスミド内で機能し ないシミアンウイルス40ゲノム後期領域の、残りの0.7Kb断片。該ベクターの全 セグメントを、分子生物学の当業者に公知の標準的な方法で合体させた。 選択可能なPS112タンパク質の発現のためのプラスミドは、プラスミド577中の C型肝炎ウイルスE2タンパク質コード配列を、配列番号1〜10およびそれらの断片 または相補体よりなる群から選ばれるPS112ポリヌクレオチド配列で以下のとお りに置換することにより構築する。XbaIでのプラスミド577の消化により、C型肝 炎ウイルスE2遺伝子断片が遊離する。得られたプラスミドバックホーンは、発現 されたタンパク質を該細胞の分泌経路に導くウサギ免疫グロブリン重鎖シグナル 配列の下流のPS112 cDNA挿入断片の挿入を可能にする。該PS112 cDNA断片は、 標準的な方法を用いるPCRにより得る。該センスPCRプライマー配列内にコードさ れているのは、XbaI部位であり、その直後には、シグナルプロテアーゼのプロセ シジグ、効率的な分泌および培養流体内の最終産物の安定性を向上させるアミノ 酸配列Ser-Asn-Glu-Leu(「SNEL」)をコードする12ヌクレオチドの配列が続く 。該プライマーは、この12ヌクレオチドの配 列の直後に、PS112遺伝子のアミノ酸をコードする鋳型配列に相補的なヌクレオ チドを含有する。該アンチセンスプライマーは、以下の8アミノ酸をコードする 配列を、停止コドンの直前に取込む:Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys(配列 番号34)。この配列内に、PS112タンパク質産物の分析および精製を容易にする ための認識部位が取込まれる。抗FLAG M2(Eastman Kodak,Co.,New Haven,CT )と称される商業的に入手可能なモノクローナル抗体に認識される認識部位(「 FLAG」と称される)ならびに他の適合配列およびその対応抗体を使用することが 可能で 業者の指示に従い使用して、PCRを行なう。PCRプライマーは、0.5μMの最終濃度 で使用する。PCRは、PS112プラスミド鋳型土、100μlの反応液中、35サイクル( 94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で90秒間)、ついで72℃で10分間の伸長サイ クルで行なう。 B .ジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損チャイニーズハムスター卵巣細胞へのトラ ンスフェクション 前記プラスミドをCHO/dhfr細胞(DXB-111,Uriacioら,PNAS 77:4451-4466(19 80))中にトランスフェクトする。これらの細 胞は、A.T.C.C.,12301 Parklawn Drive,Rockville,MD 20852から受託第CRL 9 096号として入手可能である。トランスフェクションは、P.L.Felgnerら,PNAS 84:7413-7414(1987)に記載のカチオニックリポソーム媒介法を用いて行なう。特 に、CHO/dhfr細胞を、10%ウシ胎仔血清、L-グルタミン(1mM)で補足されたHam F-12培地内で培養し、フラスコ内に5〜8×105細胞/フラスコの密度で新たに播 く。トランスフェクションのために、60〜80%のコンフルエンシーになるまで該 細胞を増殖させる。20マイクログラム(20μg)のプラスミドDNAを1.5mlのOpti- MEHI培地に加え、100μlのLipofectin Reagent(Gibco-BRL;Grand Island,NY )を、Opti-MEMI培地のもう1つの1.5ml部分に加える。それらの2つの溶液を 混合し、室温で20分間インキュベートする。該培地を該細胞から除いた後、該細 胞を5mlのOpti-MEMI培地で3回リンスする。ついで該Opti-MEM I-Lipofectin- プラスミドDNA溶液を該細胞上に重層する。該細胞を37℃で3時間インキュベー トし、ついで該Opti-MEM I-Lipofectin-プラスミドDNA溶液を、選択前に更に24 時間、培地と交換する。C .選択および増幅 トランスフエクションの1日後に、細胞を1:3継代し、dhfr/G418選択培地( 以下、「F-12マイナス培地G」と称する)と共にインキュベートする。選択培地 は、L-グルタミンを含有しヒポキサンチン、チミジンおよびグリシンを含有しな いHamF-12(JRH Biosciences,Lenexa,Kansas)ならびに300μg/mlのG418(Gib co-BRL;Grand Island,NY)である。培地の容量対表面積比を、5ml/25cm2に維持 する。約2週間後、F-12マイナス培地G内での継代および連続的維持が可能とな るようにDHFR/G418細胞を増殖させる。 トランスフェクトしたPS112 cDNA配列のそれぞれの増幅は、メトトレキセート によるDHFR+、G418+細胞の逐次的選択により行なう(R.Schimke,Cell 37:705- 713(1984)の総説)。耐性コロニーが出現するまで、150nMメトトレキセート(MTX )(Sigma,st.Louis,MO)を含有するF-12マイナス培地Gと共に細胞を約2週間 インキュベートする。さらに、遺伝子増幅は、5μM MTXによる150nM適合細胞の 選択により行なう。 D .抗原の産生 5μM MTXで補足されたF-12マイナス培地Gを、ちょうどコ ンフルエントの単層上に5%CO2中37℃で12〜24時間重層する。該増殖培地を除 き、該細胞をDulbeccoリン酸緩衝食塩水(PBS)(カルシウムおよびマグネシウ ム)(Gibco-BRL:Gland Island,NY)で3回リンスして、存在しうる残りの培地 /血清を除く。ついで細胞を、VAS特注(custom)培地(HEPESと共にL-グルタミ ンを含有しフェノールレッドを含有しないVAS特注製剤、JRH Bioscience;Lenexa KSから入手可能、製品番号52-08678P)と共に、5%CO2中37℃で1時間インキ ュベートする。ついで細胞を、5ml/Tフラスコで製造するためにVASで覆う。7日 間のインキュベーションの後、培地を除去し、維持し、ついで収穫2、3および 4と共に精製するまで凍結する。3回の7日間の収穫のために、該単層をVASで 覆う。 E .前立腺組織遺伝子PS112抗原の発現の分析 PS112タンパク質構築物を発現する細胞からのVAS上清のアリコートを、標準的 な方法および当該技術分野で公知の試薬(Laemmli不連続discontiuous gels)を 用いるSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により、または質量分 析により分析する。F .精製 ヒドラジン結合でアガロースに共有結合している抗FLAG M2モノクローナル抗 体を含むアフィニティーマトリックス(Eastman Kodak Co.,New Haven,CT)を 使用するイムノアフィニティークロマトグラフィーにより、FLAG配列を含有する PS112タンパク質の精製を行なう。アフィニティー精製の前に、ローラーボトル からのプール化VAS培地収穫物中のタンパク質を、SephadexG-25(Pharmacia Bio tech Inc.,Uppsala,Sweden)カラムを使用して50mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM NaCl緩衝液中に交換する。この緩衝液中のタンパク質を、抗FLAG M2抗体アフィ ニティーカラムに適用する。該カラムを50mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM NaCl緩衝 液で洗浄することにより、未結合タンパク質を溶出する。50mM Tris-HCl(pH7.5) 、150mM NaCl中の過剰のFLAGペプチドを使用して、結合タンパク質を溶出する。 その過剰のFLAGペプチドは、ゲル電気泳動またはHPLCにより該精製PS112タンパ ク質から除去することができる。 この実施例ではプラスミド577を使用しているが、それに匹敵する他の発現系 (例えば、CMV)を、試薬および/または技術に適当な改変を加えて本発明で使 用することが可能であること が当業者に公知であり、当業者の技量の範囲内に含まれる。 PS112遺伝子のコード領域を含有する最大のクローン化挿入断片を、(i)例え ばサイトメカロウイルス(CMV)プロモーターおよび/またはタンパク質融合可 能配列(タンパク質の発現および検出を助けるもの)を含有しうる真核発現ベク ター、または(ii)スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびCHP-KDOシンタ ーゼ(CKS)または他のタンパク質融合遺伝子(該タンパク質配列の発現のため のもの)を含有する細菌性発現ベクター中にサブクローニングする。SODの融合 配列を含有するポリペプチドの製造に有用な方法およびベクターは、1986年10月 1日付け公開のEPO 0196056に記載されており、CKSの融合配列を含有するものは 、1989年9月13日付け公開のEPO公開第0331961号に記載されている。このように して精製したタンパク質は、動物の免疫研究、固相イムノアッセイなどを含む種 々の技術において使用することができる。 実施例11b:cDNA3.1/Myc-Hisを使用する、細胞系内でのタンパク質の発現 A .PS112発現プラスミドの構築 プラスミドpcDNA3.1/Myc-His(Cat.#V855-20,Invitrogen, Carlsbad.CA)は、これまでに、ほとんどの哺乳動物細胞系による分泌抗原の発 現用に構築されている。発現されるタンパク質挿入断片は、myc-hisペプチドタ グと融合している。該myc-hisタグは、配列Glu-Gln-Lys-Leu-Ile-Ser-Glu-Glu-A sp-Leu-Asn-Met-His-Thr-Glu-His-His-His-His-His-His(配列番号35)を有する 21残基のアミノ酸配列であり、抗mycもしくは抗hisアフィニティーカラムまたは 金属タンパク質結合カラムを使用する発現融合タンパク質の精製に有用なmycエ ピトープおよびポリヒスチジン配列を含む。 分泌可能なPS112タンパク質の発現用のプラスミドは、クローン1512846由来の PS112ポリヌクレオチド配列をpcDNA3.1/Myc-Hisベタター中に挿入することによ り構築した。該PS112発現プラスミドを構築する前に、まず該PSI12 cDNA配 者の指示に従い使用して行なうPCRにより産生させた。PCRプライマーは、0.5μM の最終濃度で使用した。5UのPfuポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)を 使用するPCRを、PS112プラスミド鋳型(実施例2)上、50μlの反応液中、30サ イク ル(94℃で1分間、65℃で1.5分間、72℃で3分間)およびそれに続く72℃で8 分間の伸長サイクルで行なった。〔該センスPCRプライマー配列(配列番号23) は、該PS112遺伝子挿入断片の直ぐ上流のpINCYベタターと同一であったヌクレオ チドを含む。該アンチセンスプライマー(配列番号24)は、5'NotI制限配列と、 最も3'側のインフレーム停止コドンの直ぐ上流のPS112 cDNA挿入断片の3'末端に 相補的な配列とを取込んだ〕。得られた平滑末端化PCR産物の5マイクロリット ル(5μl)を、 CA)中に連結して、該ベクターの致死ccdB遺伝子を遮断した。One ShotTM形質転 換キット(Invitrogen,Carlsbad,CA)を供給業者の指示に従い使用して、得ら れた連結ベクターをTOP10大腸菌(E.coli)(Invitrogen,Carlsbad,CA)中に 形質転換した。該形質転換細胞を、LB-Kan(50μg/mlカナマイシン)選択プレー ト上、37℃で増殖させた。遮断されたccdB遺伝子を有するプラスミドを含有する 細胞だけが、形質転瀘後に増殖した(Grant,S.G.N.,PNAS 87:4645-4649(1990) )。形質転換されたコロニーを拾い、3mlのLB-Kanブロス中、37℃で増殖させた 。 の指示に従い使用して、プラスミドDNAを単離した。該DNAをEcoRIおよびNotI制 限酵素で消化して、PS112挿入断片を遊離 /0.5μg/ml臭化エチジウム/TEゲル上で電気泳動し、UV照明により可視化し、QIA quickTM(Qiagen Inc,Santa Clarita,CA)法を供給業者の指示に従い使用して 切り出し精製した。 pcDNA3.1/Myc-HisプラスミドDNAを、該プラスミドDNAのポリリンカー領域中に 存在するEcoRIおよびNotI部位での消化により線状化した。DH5アルファTM細胞(G ibcoBRL Gaithersburg,MD)を供給業者の指示に従い使用して、前記のPS112精製 断片を、CMVプロモーターの下流の、得られたプラスミドDNAバックボーンにライ ゲーションし、形質転換した。簡単に説明すると、PS112挿入断片を含有する10n gのpcDNA3.1/Hyc-Hisを、50μlのコンピテントDH5アルファ細胞に加え、該含有 物を穏やかに混合した。該混合物を氷上で30分間インキュベートし、37℃で20秒 間、それに熱ショックを与え、それを氷上に更に2分間放置した。0.95mlのLB培 地を加えたら、225rpmで振とうしながら該混合物を37℃で1時間インキュベート した。ついで該形質転換細胞を100mmLB/Amp(50μg/mlアンピシリン)プレ ート上にプレーティングし、37℃で増殖させた。コロニーを拾い、3mlのLB/アン ピシリンブロス中で増殖させた。QIAprepキットを使用して、プラスミドDNAを精 製した。該挿入断片の存在は、制限酵素消化およびゲル分析(J.Sambrookら, 前掲)により確認した。 B .ヒト胎児腎293細胞のトランスフェクション 前記のPS112発現プラスミドを、HEK293細胞(F.L.Grahamら,J .Gen.Vir.3 6:59-72(1977))中にトランスフェクトした。これらの細胞は、A.T.C.C.,12301 Parklawn Drive,Rockville,MD 20852から、受託番号CRL 1573として入手可能 である。P.Hawley-Nelsonら,Focus 15:73(1993)に記載のカチオニックリポフ ェクタミン媒介法を用いて、トランスフェクションを行なう。特に、HEK293細胞 を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、L-グルタミン(2mM)で補足された10ml DMEM培地 内で培養し、100mm培養プレート内に9×106細胞/プレートの密度で新たに播く。 トランスフェクションのために、70〜80%のコンフルエンシーになるまで該細胞 を37℃で増殖させる。8マイクログラム (Gibco-BRL;Grand Island,NY)に加え、48〜96μlの LipofectamineTMReagent(Gibco-BRL;Grand Island,NY)を、 つの溶液を混合し、室温で15〜30分間インキュベートする。該培地を該細胞から 除いた後、該細胞を10mlの無血清DMEM培地 ミドDNA溶液を、6.4mlの無血清DMEM中に希釈し、該細胞上に重層する。該細胞を 3℃で5時間インキュベートし、ついで20%FBSを含有する追加的な8mlのDMEMを 加える。18〜24時間後、その古い培地を吸引し、該細胞に、10%FBSを含有する5 mlの新鮮なDHEMを重層する。トランスフェクションの72時間後に、上清および細 胞抽出物を、PS112遺伝子活性に関して分析する。 C .前立腺組織遺伝子PS112抗原の発現の分析 前記培養上清を、低温チューブ(cryotube)に移し、氷上で保存する。HEK293 細胞を、10mlの冷Dulbecco PBSで2回洗浄し1.5mlのCAT溶解緩衝液(Boehringer Mannhein,Indianapolis,IN)を加えて溶解することにより収穫し、ついで室温 で30分間インキュベートする。ライセートを1.7mlポリプロピレンミクロ遠心管 に移し、1000×gで10分間遠心する。該上清を新たな低温チューブに移し、氷上 で保存する。細胞上清のアリコート と、該PS112タンパク質構築物を発現する細胞のライセートとを、PS112組換えタ ンパク質の存在に関して分析する。当該技術分野で公知の標準的な方法および試 薬を用いるSDSポリアクリルアミドケル電気泳動(SDS-PAGE)により、該アリコ ートを分析することができる(J.Sambrookら,前掲を参照されたい)。ついで 該ゲルをニトロセルロース、ナイロンなどの固形培地上にブロッティングし、該 PS112タンパク質のバンドを、抗mycエピトープまたは抗ヒスチジンモノクローナ ル抗体(Invitrogen Carlsbad,CA)を使用するウエスタンブロット法により可 視化することができる。別法として、該発現PS112組換えタンパク質を、質量分 析により分析することができる(実施例12を参照されたい)。D .精製 ポリヒスチジン残基に特異的に結合するニッケル充填アガロ ー系(Invitrogen Carlsbad,CA)を使用して、myc-his配列を含有するPS112組 換えタンパク質の精製を行なう。前記のとおりに調製した、10×100mmプレート からの上清を、プールし、該ニッケル充填カラムに通した。該カラムを50mM Tri s- HCl(pH7.5)/150mM NaCl緩衝液で洗浄することにより、非結合タンパク質を溶出 すると、myc-his融合タンパク質だけが残る。ついで、過剰のイミダゾールもし くはヒスチジンまたは低pH緩衝液を使用して、結合PS112組換えタンパク質を該 カラムから溶出する。別法として、ヒドラジンまたは他の結合によりアガロース 樹脂に結合した抗mycまたは抗ヒスチジンモノクローナル抗体よりなるアフィニ ティーカラムにmyc-his配列にて結合させ、それぞれ過剰のmycペプチドまたはヒ スチジンで溶出することにより、該組換えタンパク質を精製することも可能であ る。 ついで該精製組換えタンパク質を、N-ヒドロキシスクシンイミド活性化セファ ロースカラム(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)などの固相に供給業者の 指示に従い共有的に架橋することができる。ついで、共有結合したPS112組換え タンパク質を含有するこれらのカラムを使用して、ウサギまたはマウス血清から 抗PS112抗体を精製することができる(実施例13および14を参照されたい)。 E .PS112発現タンパク質によるマイクロタイタープレートのコーティング 前記100mmプレートからの上清を、適当な容量のPBS中に希 釈する。得られた混合物の100μlを、Reaci-BindTM金属キレートマイクロタイ タープレート(Pierce,Rockford,IL)の各ウェル中に配置し、振とうしながら 室温でインキュベートし、つ 回洗浄する。ついで、その調製されたマイクロタイタープレートを使用して、抗 PS112抗体の存在に関してポリクローナル抗血清をスクリーニングすることがで きる(実施例17を参照されたい)。 この実施例ではpcDNA3.1/Myc-Hisを使用しているが、それに匹敵する他の発現 系(例えば、CMV)を、試薬および/または技術に適当な改変を加えて本発明で 使用することが可能であることが当業者に公知であり、当業者の技量の範囲内に 含まれる。該PS112遺伝子のコード領域を含有する最大のクローン化挿入断片を 、(i)例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよび/またはタンパ ク質融合可能配列(タンパク質の発現および検出を助けるもの)を含有しうる真 核発鍵ベクター、または(ii)スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびCMP -KDOシンターゼ(CKS)または他のタンパク質融合遺伝子(該タンパク質配列の 発現のためのもの)を含有する細菌性発現ベク ター中にサブタローニングする。SODの融合配列を含有するポリペプチドの製造 に有用な方法およびベクターは、1986年10月1日付け公開の欧州特許出願EP 0 1 96056に記載されており、CKSの融合配列を含有するベタターは、1989年9月13日 付け公開の欧州特許出願EP0 331 961号に記載されている。該精製タンパク質は 、動物の免疫研究、固相イムノアッセイなどを含む種々の技術において使用する ことができる。 実施例12:前立腺組織タンパク質の化学的分析 A .MSによるトリプシンペプチド断片の分析 前立腺癌などの前立腺疾患を有する患者からの血清、前立腺疾患を有さない患 者からの血清、前立腺癌などの前立腺疾患を有する患者からの前立腺組織または 細胞の抽出物、前立腺疾患を有さない患者からの前立腺組織または細胞の抽出物 、および患者の他の非疾患または疾患器官からの組織または細胞の抽出物を、標 準的な方法を用いてポリアクリルアミドゲル上で移動させ、クーマシーブルーで 染色する。該未知ポリペプチドを含有する疑いのあるゲルの切片を切り出し、ゲ ル内還元、アセトアミド化およびトリプシン消化に付す(P.Jenoら,Anal .Bio . 224:451-455(1995)およびJ.Rosenfeldら,Anal .Bio.203:173 (1992))。該ゲル切片を100mM NH4HCO3およびアセトニトリルで洗浄する。収縮 したゲル片を、消化緩衝液(50mM NH4HCO3、5mMCaCl2および12.5μg/mlトリプシ ン)中、4℃で45分間膨潤させる。該上清を吸引し、トリプシンを含有しない5〜 10μlの消化緩衝液と置換し、37℃で一晩インキュベートする。ペプチドを、5% ギ酸およびアセトニトリルの3回の交換により抽出し、蒸発乾固させる。該ペプ チドを、延伸したガスクロマトグラフィー毛管の先端に捕捉された約0.1μlのP OROS R2吸着剤(Perseptive Biosystems,Framingham,Massachusetts)に、そ れらを10μlの5%ギ酸に溶解しそれを該毛管に通すことにより吸着させる。吸 着したペプチドを水洗し、60%エタノール中の5%ギ酸で溶出する。ナノエレク トロスプレー質量分析による分析のために、該溶出液をAPI III質量分析計(Per kin-Elmer Sciex,Thornhill,Ontario,Canada)の噴霧毛管中に直接通過さる (M.Wilmら,Int .J.Mass Spectrom.Ion Process 136:167-180(1994)およびM .Wilmら,Anal .Chem.66:1-8(1994))。該トリプシンペプチドの質量を、第1 四極子から得た質量スペクトルから測定する。さらに、予想されるペプチドに対 応する質量をMS/MSモードで分析して、該ペプチドのアミ ノ酸配列を得ることができる。 B .LC/MSによるペプチド断片の分析 増殖性疾患組織中で見出されたmRNA配列から推定されるポリペプチドの存在を 、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(LC/MS/MS)で確認することがで きる(D.Hessら,METHODS .A Companion to Methods in Enzymology 6:227-238( 1994))。該患者からの血清試料または腫瘍抽出物をSDSで変性させ、ジチオトレ イトール(1.5mg/ml)で90℃で30分間還元し、ついでヨードアセトアミド(4mg/ ml)で25℃で15分間アルキル化する。アクリルアミド電気泳動の後、該ポリペプ チドをカチオンメンブレン上にエレクトロブロットし、クーマシーブルーで染色 する。染色後、該メンブレンを洗浄し、該未知ポリペプチドを含有すると考えら れる切片を切断し、小片に切断する。該メンブレンを500μlミクロ遠心管中に 配置し、10〜20μlのタンパク質分解消化緩衝液(0.1M NaCl、10%、2mM CaCl2 および5μg/mlトリプシンを含有する100mM Tris-HCl、pH8.2)(Sigma,St.Loui s,MO)に漬ける。37℃で15時間後、3μlの飽和尿素および1μlの100μg/mlト リプシンを加え、さらに37℃で5時間インキュベートする。該消化混合物を3μ lの10%トリフ ルオロ酢酸で酸性化し、遠心して、上清をメンブレンから分離する。該上清をミ クロボア逆相HPLCカラム上に直接注入し、0.05%トリフルオロ酢酸中のアセトニ トリルの直線勾配で溶出する。該溶出液を、物質の容量を調節するために必要に 応じて流動スプリッターに通した後、エレクトロスプレー質量分析計に送り込む 。実施例12第A節に記載の方法に従い、データを分析する。 実施例13:遺伝子免疫プロトコール A .インビトロでの抗原の発現 遺伝子免疫(gene immunization)は、適当な発現ベタターの接種後に抗原を インビボで直接発現させることにより、タンパタ質の精製工程を不要にする。ま た、この方法による抗原の産生は、正しいタンパク質フォールディングおよびグ リコシル化を可能にしうる。なぜなら、該タンパク質は、哺乳動物組織内で産生 されるからである。該方法では、CMVプロモーターを含有するプラスミド内への 該遺伝子配列の挿入、該プラスミドの増殖および精製、ならびに動物の筋肉組織 内への該プラスミドDNAの注入を行なう。好ましい動物には、マウスおよびウサ ギが含まれる。例えば、H.Davisら,Human Molecular Genetics 2:1847-1851(1993)を参照されたい。1回または2回のブースター免疫の後、該 動物を出血させ、腹水液を集めたり、あるいはハイブリドーマの産生のために該 動物の脾臓を採集することができる。 B .プラスミドの調製および精製 EcoRIおよびNotI制限酵素での消化により、実施例11に記載のPS112ベクターか らPS112 cDNA挿入断片を遊離させる。消化されたプラスミド断片を1% Seakem KEアガロース/0.5μg/ml臭化エチジウム/TEゲル上で電気泳動し、該バンドをUV 照明により可視化する。前記のQIAquick法を用いて、該挿入断片を該ゲルから切 り出し、精製する。該断片を、EcoRI/NotIで消化されたpcDNA3.1ベクター(Invi trogen,Carlsbad,CA)中にライゲーションし、DH5アルファ細胞中に形質転換 する(前記のとおり)。QIAprepカラムを用いて、該プラスミドDNAを細菌ライセ ートから精製する。これらのすべての技術は、分子生物学の当業者に良く知られ ているものである。 C .免疫プロトコール 麻酔した動物を、PBSまたは他のDNA取込み増強剤(Cardiotoxin、25%ショ糖) 中に希釈された0.1〜100μgの該 精製プラスミドで筋肉内にて免疫する。例えば、H.Davisら,Human Gene Thera py 4:733-740(1993)およびP.W.Wolffら,Biotechniques 11:474-485(1991)を 参照されたい。1回または2回のブースター注射を、1ヵ月間隔で行なう。 D .抗血清の試験および使用 動物を出血させ、得られた血清を、当該技術分野で公知の技術(例えば、ウエ スタンブロット法またはEIA技術)により公知遺伝子配列から合成されたペプチ ドを使用して抗体に関して試験する。ついで、この方法により産生した抗血清を 使用して、患者の組織もしくは細胞抽出物中または患者の血清中の抗原の存在を ELISAまたはウエスタンブロット法で検出することができる。 実施例14:PS112に対する抗体の製造 免疫原は、PS112コンセンサス配列の推定アミノ酸配列(配列番号9)に由来す る配列を有するペプチドから調製する。ペプチド(配列番号26〜33)の合成は、 実施例10に記載されている。免疫原として使用するペプチドは、担体、キーホー ルリンペットヘモシアニン(KLH)(後記のとおりに調製される)に共役させる か、または非共役とする(すなわち、KLHなどの担 体に共役させない)。 1.共役ペプチド マレイミド活性化キーホールリンペットヘモシアニン(KLH、は、ヘモシアニン1モル当たり約250モルの反応性マレイミド基を含有する。該 活性化KLHを、約7.7mg/mlの濃度でリン酸緩衝食塩水(PBS、pH8.4)溶解する。 該ペプチドは、ペプチド配列中に存在するシステインを介して共役させるか、ま たは付加点を付与するために該合成ペプチドに予め付加されたシステインに共役 させる。該ペプチドをジメチルスルホキシド(DMSO,Sigma Chemical Company, St.Louis,MO)に溶解し、該KLHに結合している反応性マレイミド1モル当たり ペプチド約1.5モルのモル比で該活性化KLHと反応させる。ペプチド(配列番号26 )の結合のための方法は、後記で説明する。そのような方法における量、時間お よび条件を種々変化させてペプチド共役を最適化することが可能であることは、 当業者に公知である。 後記の共役反応は、約0.77μモルの反応性マレイミド基を含有する3μgのKLH ペプチド共役体(「共役ペプチド」)の入手 に基づく。簡単に説明すると、各ペプチド(配列番号26)をDMSOに、DMSO 100μ l当たり1.16μモルの濃度で溶解する。100μlの該DMSO溶液を、前記のとおり に調製した活性化KLH溶液380μlに加え、20μlのPBS(pH8.4)を加えて容量を5 00μlにする。該反応を、攪拌しながら室温で一晩インキュベートする。該反応 混合物中の末反応チオールの量を測定することにより、反応の度合を判定する。 チオールの出発濃度と最終濃度との差が、該活性化KLHに組合わされたペプチド の濃度と考えられる。残存チオールの量を、Ellman試薬(5,5'-ジチオビス(2-ニ トロ安息香酸)、Pierce Chemical Company,Rockford,IL)を使用して測定する 。35mgのシステインHCl(Pierce Chemical Company,Rockford,IL)を10mlのPBS (pH7.2)に溶解し、該ストック溶液を所望の濃度まで希釈することにより、シ ステイン標準物 マイクロウェルプレート(Dynex Technologies,Chantilly,VA)の各ウェル内 に200μlのPBS(pH8.4)を配置することにより、チオール濃度の光度的測定を 行なう。つぎに、10μlの標準物または反応混合物を各ウェルに加える。最後に 、PBS(pH8.4)中1mg/mlの濃度のEllman試薬20μlを各ウェルに加 える。該ウェルを室温で10分間インキュベートし、全ウェルの吸光度をマイクロ プレートリーダー(例えば、BioRad Model 3550,BioRad,Richmond,CA)で415nm にて読取る。該標準物の吸光度を用いて標準曲線を作成し、該反応混合物のチオ ール濃度を該標準曲線から求める。遊離チオールの濃度の減少は、成功した共役 反応を示す。また、マレイミド活性化KLHを加える前および該反応の完了時の該 ペプチド溶液中の遊離チオールの計算は、各ペプチド×KLH結合に関する、ペプ チドのモル/KLHのモルの置換比率の測定を可能にする。すべての場合において、 該ペプチド共役体のそれぞれに関してKLH1分子当たり約250ペプチドが得られる ように該反応は完了する。いずれの未反応ペプチドも、PBS(pH7.2)に対して室 温で6時間透析することにより除去される。該共役体は、直ちに使用する場合に は2〜8℃で保存し、そうでない場合には−20℃以下で保存する。 A .モノクローナル抗体分子の製造 1.免疫プロトコール 前記のとおりに調製した免疫原を使用して、マウスを免疫する。一次免疫原は 、0.1mlのCFAエマルション中の100μgの非共役または共役ペプチドよりなり、一 方、ブースター免疫に使 用する免疫原は、0.1mlのIFA中の50μgの非共役または共役ペプチドよりなる。 標準的な技術を用いて、モノクローナル抗体産生用のハイブリドーマを調製し、 スクリーニングする。モノクローナル抗体産生に用いた方法は、KohlerおよびHi lstein,Nature 256:494(1975)に詳細に記載されており総説としてJ.G.R.Hurre l編,Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications,CRC Pr ess,Inc,Boca Raton,FL(1982)に記載されている当該技術分野で公知の手順に 従った。本発明で用いることできるモノクローナル抗体産生のためのもう1つの 方法は、KohlerおよびMilsteinの方法に基づくものであり、L.T.Mimmsら,Viro logy 176:604-619(1990)に記載されている。 免疫方式(マウス1匹当たり)は、追加的ブースター免疫を伴う一次免疫より なる。一次免疫に使用する一次免疫原は、50μlのCFA中に予め乳化されている50 μlのPBS(pH7.2)中の100μgの非共役または共役ペプチドよりなる。一次免疫 の約2週間および4週間後に行なうブースター免疫は、50μlのIFAで乳化され ている50μlのPBS(pH7.2)中の50μgの非共役または共役ペプチドよりなる。 合計100μlのこの免疫原を各マウ スの腹腔内および皮下に接種する。三次免疫の4週間後に、実施例16に記載のマ イクロタイタープレート酵素イムノアッセイ(EIA)により、免疫応答に関して 個々のマウスをスクリーニングする。三次免疫の約15週間後に、PBS(pH7.2)中 の50μgの非共役または共役ペプチドをマウスの静脈内、脾臓内または腹腔内に 接種する。 この静脈内ブースト(追加抗原刺激)の3日後に、脾細胞を、ボリエチレング リコール(PEG)法により例えばSp2/O-Ag14骨髄腫細胞(Hilstein Laboratories ,England)と融合させる。該融合体を、10%ウシ胎仔血清(FCS)と1%ヒポキ サンチン、アミノプテリンおよびチミジン(HAT)とを含有するIscove's Modifi ed Dulbecco's Medium(IMDM)中で培養する。実施例16のプロトコールに従いマ イクロタイタープレートEIAにより、バルク培養をスクリーニングする。免疫原 として使用したペプチドには反応性であり他のペプチド(すなわち、免疫原とし て使用していないPS112のペプチド)には無反応性であるクローンを、最終増殖 のために選択する。このようにして選択したクローンを増殖させ、等分割し、10 %FCSおよび10%ジメチルスルホキシドを含有するIMDM中で凍結させる。 2.モノクローナル抗体を含有する腹水液の製造 前記のとおりに調製した凍結ハイブリドーマ細胞を融解し、増殖培養内に配置 する。生存可能なハイブリドーマ細胞を、Pristane処理マウスの腹腔内に接種す る。腹水液を該マウスから取り出し、プールし、0.2μフィルターで濾過し、免 疫グロブリンクラスG(IgG)分析に付して、該精製に必要なプロテインAカラム の容量を測定する。 3.腹水液からのモノクローナル抗体の精製 簡単に説明すると、濾過し融解した腹水液を等容量のプロテインAセファロー ス結合緩衝液(1.5Mグリシン、3.0M NaCl、pH8.9)と混合し、0.2μフィルター で再濾過する。プロテインAカラムの容量を、腹水液中に存在するIgGの量から求 める。ついで該溶出液を、2〜8℃で一晩、PBS(pH7.2)に対して透析する。透析 されたモノクローナル抗体を滅菌濾過し、アリコートに分注する。該精製モノク ローナル抗体の免疫反応性は、免疫原として使用するペプチドにそれが特異的に 結合する能力を実施例16のEIAマイクロタイタープレーとアッセイ法で測定する ことにより確認する。該精製モノクローナル抗体の特異性は、それが無関係なペ プチド(例えば、免疫原として使用していな いPS112のペプチド)に結合しないことを判定することにより確認する。このよ うにして調製し特徴づけた精製抗PS112モノクローナルは、短期保存には2〜8℃ 、長期保存には−80℃で放置する。 4.モノクローナル抗体の更なる特徴づけ 前記のとおりに製造したモノクローナル抗体のアイソタイプおよびサブタイプ は、商業的に入手可能なキット(Amersham.Inc.,Arlington Heights,ILから 入手可能)を用いて決定することができる。また、安定性試験は、該モノクロー ナル抗体のアリコートを2〜8℃で連続保存し、ある期間の経過全体にわたって光 学密度(OD)をアッセイすることにより、該モノクローナル抗体上で行なうこと ができる。 B .免疫原としての組換えタンパク質の使用 本明細書に記載のとおりに製造した組換えタンパク質を、当業者に公知の試薬 および技術に付随的変更を加えて、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の 製造における免疫原として使用することは、本発明の範囲内に含まれる。 実施例15:PS112ペプチドに特異的に結合する血清抗体の精製 前記実施例13に記載のとおりに得た免疫血清を、実施例10に記載のとおりに調 製した固定化合成ペプチドまたは実施例11に記載のとおりに調製した組換えタン パク質を使用してアフィニティー精製する。希釈された該粗製抗血清をプロテイ ンAカラム(Affi-Gel protein A,Bio-Rad,Hercules,CA)に通過させることに より、該抗血清のIgG画分を得る。緩衝液(該製造業者により供給された結合緩 衝液)での溶出により、免疫グロブリン以外の実質的にすべてのタンパク質が除 去される。0.1M緩衝化グリシン(pH3)での溶出により、アルブミンおよび他の 血清タンパク質を実質的に含まない免疫グロブリン調製物が得られる。 特異的抗原結合性抗体のより高い画分を有する調製物を得るために、免疫アフ ィニティークロマトグラフィーを行なう。該抗血清を産生させるために使用した ペプチドを、クロマトグラフィー樹脂上に固定化し、そのエピトープに対する特 異的抗体を該樹脂に吸着させる。非結合成分を洗い落とした後、該特異的抗体を 0.1Mグリシン緩衝液(pH2.3)で溶出する。抗体画分を1.0M Tris緩衝液(pH8.0 )で直ちに中和して、免疫反応性を維持する。選択するクロマトグラフィー樹脂 は、該ペプチド中 に存在する反応性基に左右される。該ペプチドがアミノ基を有する場合には、Af fi-Gel 10またはAffi-Gel 15(Bio-Rad,Hercules,CA)などの樹脂を使用する 。該ペプチド上のカルボキシ基を介して結合させたい場合には、Affe-Gel 102(B io-Rad,Hercules,CA)を使用することができる。該ペプチドが遊離スルフヒド リル基を有する場合には、Affi-Gel 501(Bio-Rad,Hercules,CA)などの有機 水銀樹脂を使用することができる。 別法として、脾臓を採取し、当該技術分野で公知の通常の前記方法に従いモノ クローナル抗体を製造するためのハイブリドーマの製造に使用することができる 。 実施例16:EIAマイクロタイタープレートアッセイ 実施例13に記載のとおりに得た抗血清の免疫反応性は、以下のとおり、マイク ロタイタープレートEIAにより測定する。実施例10に記載のとおりに調製した合 成ペプチドまたは実施例11に記載のとおりに調製した組換えタンパク質を、50mM 炭酸緩衝液(pH9.6)に溶解して、2μg/mlの最終濃度とする。つぎに、ロタイタープレート(Dynex Technologies,Chantilly,VA)の各ウェル中に配 置する。該プレートを室温で一晩インキュベー トし、ついで脱イオン水で4回洗浄する。リン酸緩衝食塩水(PBS,pH7.4)中の12 5μlの適当なタンパク質ブロッキング剤(例え を各ウェルに加え、ついで直ちに該溶液を捨てることにより、該ウェルをブロッ キングする。このブロッキング手順を3回行なう。既に記載されているとおりに 調製した免疫ウサギまたは リオキシエチレンエーテル)と1:500、1:12500、1:12,500、1:62,500および 1:312,500の希釈度の0.05%アジ化ナトリウムとを含有するPBS中のタンパク質 ブロッキング剤(例えば、 プレートの各ウェル内に配置する。ついで該ウェルを室温で3時間インキュベー トする。各ウェルを脱イオン水で4回洗浄す た100μlのアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ウサギIgGまたはヤギ抗マウスIg G抗血清(Southern Biotech,Birmingham,AB)を、各ウェルに加える。該ウェ ルを室温で2時間インキュベートする。つぎに、各ウェルを脱イオン水で4回洗 浄する。 ついで100μlのパラニトロフェニルホスファート基質(Kirkegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)を各ウェルに加える。該ウェルを室温て30分 問インキュベートする。各ウェルの405nmにおける吸光度を読取る。該試験ウェ ル中の405nmでの吸光度が、非免疫血清(陰性対照)から得られる吸光度に比べ て増加することにより、陽性反応を同定する。陽性反応は、検出可能な抗PS112 抗体の存在を示している。 力価の他に、見掛けアフィニティー[Kd(app)]も、該抗ペプチド抗血清のいく つかについて求めることができる。EIAマイクロタイタープレートアッセイの結 果を用いて、ミカエリス−メンテン式の類似式(V.Van Heyningen,Methods in Enzymology Vol.121,p.472(1986)、さらにX Quiら,Journal of Immunolo gy ,Vol.156,p.3350(1996)に記載されている): (式中、[Ag-Ab]は抗原−抗体複合体の濃度を、[Ag-Ab]maxは最大複合体濃度を 、[Ab]は抗体濃度を、Kbは解離定数を示す)に基づき、見掛け解離定数(Kd)を 導くことができる。曲線の当てはめの際に、[Ag-Ab]を、所与Ab濃度におけるOD4 05nm の、バ ックグラウンドを差し引いた値で置換する。[Ag-Ab]maxに対応するKdおよび[OD4 05nm ]maxは共に、適合(fitted)パラメーターとして扱う。曲線の当てはめには 、ソフトウェアプログラムOriginを使用することができる。 実施例17:固相粒子のコーティング A .PS112抗原に特異的に結合する抗体による微粒子のコーティング PS112タンパク質に特異的に結合するアフィニティー精製された抗体を、約0.1 〜20μmの範囲内の半径を有するポリスチレン、カルホキシル化ポリスチレン、 ポリメチルアクリラートの微粒子または同様の粒子上にコーティングする。微粒 子は、受動的または能動的のいずれかでコーティングすることが可能である。1 つのコーティング方法は、EDAC(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカル ボジイミド塩酸塩(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI))で活性化された カルボキシル化ラテックス微粒子を、PS112タンパク質に特異的に結合する抗体 で、以下のとおりにコーティングすることを含む。簡単に説明すると、最終的に 0.375%の樹脂固体懸濁液で洗浄されたカルボキシル化ラテックス微粒子(Bangs Laboratories,Carmel,INま たはSerodyn,Indianapolis,INから入手可能)を、適当な容器内で、50mM MES 緩衝液(pH4.0)と150mg/lの抗PS112モノクローナル抗体(実施例14を参照され たい)とを含有する溶液中で15分間混合する。EDAC結合剤を、5.5μg/mlの最終 濃度になるまで該混合物に加え、室温で2.5時間混合する。 ついで0.2μm Microgon Filtrationモジュールを使用するタンジェンシャルフ ロー(tangential flow)濾過により、該微粒 で洗浄する。洗浄した微粒子は、希薄な界面活性剤および無関係なタンパク質( ブロッキング剤)を通常は含有する適当な緩衝液中に、必要になるまで保存する 。 B .1/4インチのビーズのコーティング また、PS112抗原に特異的に結合する抗体を、当該技術分野で公知の常法(Sni tmanら,米国特許第5,273,882号)により1/4インチのポリスチレンビーズの表面 上にコーティングし、競合結合またはEIAサンドイッチアッセイにおいて使用す ることができる まず、ポリスチレンビーズを、10mM NaHCO3緩衝液(pH8.0)中で約15秒間超音 波処理に付すことにより清浄化する。ついで、 すべての細粒が除去されるまで、該ビーズを脱イオン水で洗浄する。ついでビー ズを、10mM炭酸緩衝液(pH8.0〜9.5)中の抗体溶液に漬ける。該抗体溶液は、高 親和性モノクローナル抗体の場合には1μg/mlと同程度に、あるいはアフィニテ ィー精製されていないポリクローナル抗体の場合には約500μg/mlの濃度と同程 度に希薄であってよい。ビーズを、室温で少なくとも12時間コーティングし、脱 イオン水で洗浄する。ビーズは、風乾するか、または湿ったまま保存(PBS,pH7 .4中)することができる。また、それらは、タンパク質安定化剤(例えば、ショ 糖)、または非特異的結合ブロッカー(例えば、無関係なタン るタンパク質ブロッキング剤でオーバーコーティングする 実施例18:微粒子酵素イムノアッセイ(MEIA) 固相として微粒子を使用する標準的な抗原競合EIAまたは抗体サンドイッチEIA (MEIA)を行なうことにより、患者の試験 Analyzer(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)などの自動分析装置上で行 なうことができる。A .抗体サンドイッチEIA 簡単に説明すると、抗原/抗体複合体を形成させるために、PS112抗原を含有 する疑いのあるサンプルを、抗PS112抗体でコーティングされた微粒子(実施例1 6に記載のとおりに調製したもの)の存在下でインキュベートする。該微粒子を 洗浄し、シグナル生成化合物(すなわち、アルカリホスファターゼ、ホースラデ ィッシュペルオキシダーゼなどの酵素)に結合した抗体を含む指示試薬を該抗原 /抗体複合体または該微粒子に加え、インキュベートする。該微粒子を洗浄し、 シグナル生成化合物と反応して測定可能なシグナルを生成する基質(例えば、そ れぞれ4-メチルウンベリフェリルホスファート(MUP)またはOPD/ペルオキシド) を加えることにより該結合抗体/抗原/抗体複合体を検出する。陰性対照から生 じたシグナルと比べて上昇した試験サンプル中のシグナルにより、PS112抗原の 存在が検出される。試験サンプル中のPS112抗原の存在は、前立腺癌などの前立 腺の疾患または状態の診断を示している。 B .競合結合アッセイ 該競合結合アッセイでは、抗ペプチド抗体でコーティングされた微粒子と標識 ペプチドとを接触させた場合に測定可能シグ ナルを生成するペプチドまたはタンパク質を使用する。このア IL)上で行なうことができる。該標識ペプチドを、PS112抗原を含有する疑いの ある試験サンプルの存在下、PS112抗体でコーティングされた微粒子(実施例16 に記載のとおりに調製したもの)に加え、標識PS112ペプチド(または標識タン パク質)/結合抗体複合体および/または患者のPS112抗原/結合抗体複合体の 形成に十分な時間および条件下でインキュベートする。試験サンプル中のPS112 抗原は、該微粒子上の結合部位に関して標識PS112ペプチド(またはPS112タンパ ク質)と競合する。該アッセイにおいて、試験サンプル中のPS112抗原は、標識 ペプチドまたは抗体でコーティングされた微粒子の結合を低下させる。なぜなら 、試験サンプル中の抗原と、該PS112ペプチドまたはPS112タンパク質とが、抗体 結合部位に関して競合するからである。低下したシグナル(対照と比べた場合) は、試験サンプル中のPS112抗原の存在を示す。PS112抗原の存在は、前立腺癌な どの前立腺の疾患または状態の診断を示唆する。 本発明で提供し前記で検討したPS112ポリヌクレオチドおよびそれにコードさ れるタンパク質は、前立腺組織の疾患、特に 前立腺癌のマーカーとして有用である。血液、血漿、血清などの試験サンプルに おけるこのマーカーの出現に基づく試験は、安価かつ非侵襲的に診断情報を提供 して、癌の診断を行なう医帥を助け、療法プロトコールを選択したり又は選択し た療法の達成度をモニターするのを助ける。このマーカーは、血液、尿、糞便な どの容易に利用可能な体液中に、免疫学的方法により検出可能な疾患組織由来の 抗原として出現しうる。このマーカーは、病態において上昇したり、病態におい て変化したり、あるいは不適当な身体画分中に出現する前立腺の正常タンパク質 であることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A (72)発明者 ゴードン,ジユリアン アメリカ合衆国、イリノイ・60044、レイ ク・ブラフ、イースト・シエリダン・ロー ド・307 (72)発明者 ホツジス,ステイーブン・シイ アメリカ合衆国、イリノイ・60089、バツ フアロ・グローブ、ストーンゲート・ロー ド・169 (72)発明者 クラス,マイケル・アール アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイービル、マルベリイ・ドライブ・1606 (72)発明者 クラトクビル,ジヨン・デイー アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53143、 ケノーシヤ、フイフス・アベニユー・7101 (72)発明者 ロバーツ―ラツプ,リサ アメリカ合衆国、イリノイ・60031、ガー ニー、ウエストフイールド・ドライブ・ 2090 (72)発明者 ラツセル,ジヨン・シイ アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53142、 ケノーシヤ、シクステイー・フオース・コ ート・8275 (72)発明者 ストロープ,ステイーブン・デイー アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイービル、ウイルシヤー・ドライブ・ 945 (72)発明者 ユイ,ホン アメリカ合衆国、イリノイ・60047、ロン グ・グローブ、アール・エフ・デイー・ 5356

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.試験サンプル中の標的PS112ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であっ て、 (a)該試験サンプルを、少なくとも1つのPS112特異的ポリヌクレオチドまた はその相補体と接触させ、 (b)該試験サンプル中の標的PS112ポリヌクレオチドの存在を検出することを 含んでなり、 該PS112特異的ポリヌクレオチドが、配列番号1〜10およびそれらの断片または相 補体よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドに対して少なくとも50%の同一性 を有することを特徴とする方法。 2.工程(a)を行なう前に、該標的PS112ポリヌクレオチドを固相に結合させる 、請求項1に記載の方法。 3.試験サンプル中のPS112のmRNAを検出する方法であって (a)少なくとも1つのプライマーで逆転写を行なってcDNAを得、 (b)工程(a)から得たcDNAを、PS112オリゴヌクレオチドをセンスプライマ ーおよびアンチセンスプライマーとして使用 して増幅して、PS112アンプリコンを得、 (c)該試験サンプル中の該PS112アンプリコンの存在を検出することを含んで なり、 工程(a)および(b)で使用するPS112オリゴヌクレオチドが、配列番号1〜10お よびそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる配列に対して少なくとも 50%の同一性を有することを特徴とする方法。 4.工程(a)、(b)または(c)の1つを行なう前に、該試験サンプルを固相 と反応させる、請求項3に記載の方法。 5.該検出工程が、測定可能なシグナルを生成しうる検出可能な標識を使用する ことを含む、請求項3に記載の方法。 6.標的PS112ポリヌクレオチドを含有する疑いのある試験サンプル中の標的PS1 12ポリヌクレオチドを検出する方法であって、 (a)該試験サンプルを、センスプライマーとしての少なくとも1つのPS112オ リゴヌクレオチドおよびアンチセンスプライマーとしての少なくとも1つのPS11 2オリゴヌクレオチドと接触させ、増幅して第1段階反応産物を得、 (b)該第1段階反応産物を少なくとも1つの他のPS112オリ ゴヌクレオチドと接触させて、第2段階反応産物を得(ただし、前記の、他のPS1 12オリゴヌクレオチドは、工程(a)で使用するPS112オリゴヌクレオチドの3'側 に位置し、該第1段階反応産物に相補的である)、 (c)該標的PS112ポリヌクレオチドの存在の指標として該第2段階反応産物を 検出することを含んでなり、 工程(a)および(b)において使用するPS112オリゴヌクレオチドか、配列番号1 〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群から選ばれる配列に対して少な くとも50%の同一性を有することを特徴とする方法。 7.工程(a)、(b)または(c)の1つを行なう前に、該試験サンプルを固相 と反応させる、請求項6に記載の方法。 8.該検出工程が、測定可能なシグナルを生成しうる検出可能な標識を使用する ことを含む、請求項6に記載の方法。 9.前記の検出可能な標識を固相と反応させる、請求項8に記載の方法。 10.試験サンプル中の標的PS112ポリヌクレオチドを検出するのに有用な試験キ ットであって、配列番号1〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群から 選ばれる配列に対して少な くとも50%の同一性を有する少なくとも1つのPS112ポリヌクレオチドを含有す る容器を含んでなる試験キット。 11.PS112遺伝子に由来する精製されたポリヌクレオチドまたはその断片であっ て、該ポリヌクレオチドが、 該PS112遺伝子の核酸に選択的にハイブリダイズする能力を有し、 配列番号2〜10およびそれらの相補体よりなる群から選ばれるポリヌクレオチ ドに対して少なくとも50%の同一性を有するか、または配列番号4〜7および配 列番号8よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドの断片に対して少なくとも50 %の同一性を有する ことを特徴とする精製されたポリヌクレオチドまたはその断片。 12.該ポリヌクレオチドを組換え技術により製造する、請求項11に記載の精製さ れたポリヌクレオチド。 13.該ポリヌクレオチドを合成技術により製造する、請求項11に記載の精製され たポリヌクレオチド。 14.該ポリヌクレオチドが、少なくとも1つのPS112エピトープをコードする配 列を含む、請求項11に記載の精製されたポリヌクレオチド。 15.所望の宿主に和合性の制御配列に作動的に結合しているPS112由来のオープ ンリーディングフレームを含む核酸配列を含んでなる組換え発現系であって、該 核酸配列が、配列番号1〜10およびそれらの断片または相補体よりなる群から選 ばれる配列に対して少なくとも50%の同一性を有することを特徴とする組換え発 現系。 16.請求項15に記載の組換え発現系でトランスフェクトされた細胞。 17.少なくとも1つのPS112エピトープをコードする核酸配列でトランスフェク トされた細胞であって、該核酸配列が、配列番号1〜10およびそれらの断片また は相補体よりなる群から選ばれることを特徴とする細胞。 18.PS112ポリヌクレオチドまたはその断片を含んでなる組成物であって、該ポ リヌクレオチドが、配列番号2〜10およびそれらの相補体よりなる群から選ばれ るポリヌクレオチドに対して少なくとも50%の同一性を、または配列番号4〜7 および配列番号8よりなる群から選ばれるポリヌクレオチドの断片に対して少な くとも50%の同一性を有することを特徴とする組成物。 19.該サンプルの採集に有用な手段を有する容器をさらに含み、 該手段が、ランセット、吸収紙、布、スワブおよびカップよりなる群から選ばれ る、請求項10に記載の試験キット。 20.配列番号9または配列番号10に対して少なくとも50%の同一性を有するDNA を含んでなる遺伝子またはその断片。
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