JP2001522690A - デンタルフロス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 綿、絹及びポリマー物質からなる群から選択される１以上の物質から形成される多数のフィラメントからなるストランドと、前記ストランドを浸漬し、殺菌剤、治療剤、香料、甘味料、研磨剤及び他の物質からなる群から選択される１以上の活性剤を含む水乳化可能担体を含み、少なくとも１つの甘味料は水溶液であるコーティング組成物とを含むタイプのデンタルフロスである。本発明によれば、水乳化可能担体は、動物ろう、鉱物ろう、植物ろう、合成ろう及び２以上のこれらのろうの混合物からなる群から選択されるろう状物質と、コーティング組成物を均質化し唾液に溶かすために乳化剤とを含み、甘味料水溶液は圧縮されたとき浸漬ストランドの滲出を防ぐのに十分な少量の水を含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

この発明は、隣接歯間領域に捕らえられた食物の残りを除去する力と潤滑性を
改善したデンタルフロス、特に、歯間洗浄用ストランドとテープに関する。

【０００２】

【発明の背景技術】

デンタルストランド及びテープ（以下、便宜上デンタルフロスと称す）の良く
知られている例は、担体としてのろう及び殺菌剤、治療剤、香料、甘味料、研磨
剤等の１以上の添加物を含む添加物組成物の加熱浴に浸漬した、綿、絹又は幾つ
かのポリマー物質からなるフィラメントの編組（braided）から構成されている 。添加物組成物が冷えるとデンタルフロスの上にコーティングが形成され、ろう
は、幾つかの添加物を集めるだけでなく、編組んだフィラメントを集める機能と
潤滑剤として作用してストランドを隣接歯間領域に導入し使用の間スライドする
のを容易にする機能を有する。

【０００３】 しかし、このデンタルフロスは、良好な潤滑性を有しているのにかかわらず、
フィラメントが編組まれており、従って密着して配置しているため、使用の際食
物粒子を掴み除去することを可能にする固定部位がない。フィラメントがこのよ
うに詰まっているので、コーティングはその表面しか入り込めないだけでなく、
取り込める殺菌剤と治療剤の搭載量が少ないためにこのタイプのデンタルフロス
を制限している。

【０００４】 この制限を解決するためにフィラメントを編組まないで添加物組成物に浸漬す
るいわゆるきめ加工（texturized）デンタルフロスが開発された。このきめ加工
デンタルフロスは、隣接歯間面との接触面積が大きく、弛んだフィラメントの隙
間に食物粒子を捕らえて除く優れた能力を有するだけでなく、フィラメント間の
空間にかなり多くの添加物組成物を取り込める。従って、最終製品の殺菌力と治
療効果が大きくなる。しかし、上述したようなろうベース添加物組成物をきめ加
工デンタルフロスに適用し、デンタルフロスパッケージステーションのフィーダ
ーで巻回すると、滲出が生じ、このため、ストランド面が粘着性になり、次のパ
ッケージ工程を妨げまた使用者がストランドを取り扱うのに不快になるのが観察
された。この問題は、ろうが外側から固まるのでコーティングのフィラメントの
間の部分が乾燥するのが妨げられ、フィーダーでストランドに巻回張力がかかる
と残った湿気がストランドから「しぼり出される」事実による。この問題を解決
するために、担体としてのろうを除いたきめ加工ストランドが開発された。この
解決の例には、ヒル等に譲渡された１９９２年３月２４日発行の米国特許５，０
９８，７１１号のデンタルフロスがあり、この添加物組成物は極少量のポリエチ
レンろうを含み、これはストランドを使用している間に隣接歯間領域に付着して
洗浄後所定の期間保護コーティングを形成するように機能する。一方、このきめ
加工ストランドはろうによる潤滑性が欠如しているため、使用時に粗くなり使用
者にほつれた感じを与える。この不快感のため消費者マーケットの一部はこのタ
イプのデンタルフロスを拒絶している。

【０００５】

【発明の開示】

従って、本発明の目的は、高い潤滑性と、隣接歯間領域に捕らえられた食物の
残りを除く強い力とが結び付いて使用者が効果的で快適に使用できる加工デンタ
ルフロスを提供することである。

【０００６】 また、本発明の目的は、ろうベース添加物組成物でコーティングしているが、
コーティングに含まれる湿気による滲出が生じず、乾燥して容易に製造及びパッ
ケージできる上述したようなデンタルフロスを提供することである。

【０００７】 本発明の他の目的は、殺菌剤及び／又は治療剤を非常に多く取り込むことので
きる上述したようなデンタルフロスを提供することである。

【０００８】 本発明の他の目的は、コーティングに取り込んだ殺菌剤及び／又は治療剤の放
出をコントロールできる上述したようなデンタルフロスを提供することである。

【０００９】 本発明のこれらの目的及び他の目的さらに効果は、綿、絹及びポリマー物質か
らなる群から選択される１以上の物質から形成される多数のフィラメントからな
るストランドと、前記ストランドを浸漬し、殺菌剤、治療剤、香料、甘味料、研
磨剤及び他の物質からなる群から選択される１以上の活性剤を含む水乳化可能担
体を含み、少なくとも１つの甘味料は水溶液であるコーティング組成物とを含む
タイプの衛生及び／又は歯間治療用デンタルフロスを提供することによって達成
できる。

【００１０】 本発明によれば、水乳化可能担体は、動物ろう、鉱物ろう、植物ろう、合成ろ
う及び２以上のこれらのろうの混合物からなる群から選択されるろう状物質と、
コーティング組成物を均質化し唾液に溶かすために乳化剤とを含み、甘味料水溶
液は浸漬ストランドの滲出を防ぐのに十分な少量の水を含む。

【００１１】 事実上、本発明のデンタルフロスは編組デンタルフロスときめ加工デンタルフ
ロスの両方の利点を有する。本発明のデンタルフロスはコーティング組成物にろ
うを使用しているので、本発明のストランドの潤滑性は大きく使用者が快適に使
用できる。さらに、きめ加工しているが、ろうによりフィラメントが集められて
いるので、横方向の寸法が小さくデンタルフロスを隣接歯間領域に挿入するのが
容易である。

【００１２】 さらに、フィラメントのきめ加工配置により、本発明のデンタルフロスはフィ
ラメント間領域にコーティング組成物を取り込み、組成物従って殺菌剤及び／又
は治療剤の搭載量が大幅に増える。

【００１３】 また、上記のろうは水に乳化可能であるため、フィラメントは徐々に互いに離
れ、ストランドの横方向の寸法が増すことになる。従って、ストランドはより効
率良く隣接歯間面を洗浄でき、フィラメント内に捕らえられた食物の残りを取り
除ける。さらに、ろうが徐々に従ってコントロール可能に唾液に溶けると、デン
タルフロスのコーティング組成物は搭載した活性物質を放出するので、香料と甘
味料の快適な香りと共に殺菌剤及び／又は治療剤の効果が延長する。

【００１４】 最後に、本発明のデンタルフロスは極めてソフトなきめを有する。

【００１５】

【発明の実施の形態】

本発明は衛生及び／又は歯間治療に使用するデンタルフロスに関し、このデン
タルフロスは、綿、絹、ナイロン、ＰＴＦＥ及び他のポリマー物質から選択され
る１以上の物質から形成される多数のフィラメントから構成される。

【００１６】 本発明によれば、市販のフィラメント編組又はベースストランドをきめ加工処
理（好ましくは加熱処理）で開き、得られたきめ加工ストランドを、次に、加熱
浴に通してコーティング組成物に浸漬して、コーティングされたデンタルフロス
を製造する。コーティングデンタルフロスをフィーダーで巻回し、そこからほど
いてパッケージする。

【００１７】 上記デンタルフロスのコーティング組成物は、殺菌剤、治療剤、香料、甘味料
、研磨剤及び他の物質（例えば抗酸化剤）から選択される１以上の活性剤を含む
水乳化可能担体のエマルジョンを含む。水乳化可能担体はろう状物質と乳化剤を
含み、ろう状物質は動物ろう、鉱物ろう、植物ろう、合成ろう及び２以上のこれ
らの混合物から選択され、乳化剤はグリセリルモノエステアレート、エトキシレ
ート化グリセリルモノエステアレート、ソルビタンモノエステアレート及びこれ
らの混合物から選択される。

【００１８】 本発明の好ましい実施形態では、水乳化可能担体は、コーティング組成物の全
重量に基づき４重量％〜１０重量％の微結晶ろう等の鉱物ろうと、コーティング
組成物の全重量に基づき２５重量％〜４０重量％の精製蜜ろうを含む。乳化剤は
、コーティング組成物の全重量に基づき３重量％〜１０重量％のグリセリルモノ
エステアレート、コーティングの全重量に基づき２２重量％〜３０重量％のエト
キシレート化グリセリルモノエステアレート及びコーティング組成物の全重量に
基づき２３重量％〜３５重量％のソルビタンモノエステアレートを含む。

【００１９】 水乳化可能担体組成物において、微結晶ろうと蜜ろうの混合物の第一の機能は
、以下に説明するように、ストランドを潤滑させ、そのフィラメントを集め、活
性剤を担持することである。さらに、微結晶ろうと蜜ろうの第二の機能はその添
付部位とデンタルフロスとの接触点に柔らかさを付与すること及びコーティング
組成物の粘性を高めることである。従って、乳化剤の場合、グリセリルモノエス
テアレートとソルビタンモノエステアレートはコーティング組成物に粘性と柔軟
性を付与する第二の機能を分担する。

【００２０】 歯間衛生専用の基本的な組成物では、１以上の香料、甘味料及び研磨剤が活性
剤として水乳化可能担体に拡散している。

【００２１】 上述したようなコーティング組成物では、水含有量が組成物の全重量に基づき
約４重量％を超えると滲出が生じ、これはオイルとして使用される場合の香料に
より促進される。

【００２２】 この滲出の問題を解決するために、コーティング組成物は、全重量に基づき１
０重量％〜２５重量％の１以上の香料を、特定のアラビアゴム又は変性澱粉（例
えば、香料供給会社から市販されているような）中でマイクロカプセル化して使
用する。

【００２３】 全ての既知の甘味料は固形で水溶性であるので、コーティング組成物に含まれ
る水は甘味料の溶解から生じる。

【００２４】 従って、本発明によるデンタルフロスのコーティング組成物の水含有量を減ら
すために、スクラロース、アリタームのような砂糖より少なくとも６００倍甘い
甘味料等、強力な甘味料を用い、好ましくは、組成物の全重量に基づき約０．５
重量％〜約３．０重量％の２５％スクラローズ溶液を用いる。

【００２５】 蓄積物の除去を助け隣接歯間領域の歯石の形成を防ぐために、デンタルフロス
のコーティング組成物はさらに弱い研磨剤（好ましくはシリカ）を組成物の全重
量に基づき２重量％〜１５重量％の量で含む。研磨効果の他に、シリカは使用者
が持つデンタルフロス表面を改善し、ストランドコーティングから滲出する微量
の液体（水及び／又はオイル）も吸収できる。

【００２６】 本発明のデンタルフロスは極めて柔らかく、フィラメントはコーティングろう
で集められているので、始めからスリムで隣接歯間領域に挿入しやすい。

【００２７】 デンタルフロスを使用すると、コーティングが徐々に放出され適用領域に付着
すると同時に、フィラメントが徐々に分離してこの領域において大きな空間を占
めるようになり、フィラメントの隙間に食物の残りを捕らえ隣接歯間領域に対し
て付着したコーティングを摩擦し、シリカの作用等により随時蓄積物を除き歯石
の形成を防ぐ。

【００２８】 上述したようにデンタルフロスの使用中及び使用後一定期間、ろうは唾液によ
り少しづつ乳化され活性成分を放出し、使用者に持続する快適な清浄感を与える
。

【００２９】 この発明の説明の冒頭に述べたように、歯間衛生専用にデザインされたデンタ
ルフロスの基本的な実施形態によって本発明を説明してきた。この基本的な製剤
に、殺菌剤、医薬的化合物又は任意の所望の活性剤を添加してデンタルフロスに
殺菌及び／又は治療特性を追加してもよい。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１１年１１月２９日（１９９９．１１．２９）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＵ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＥＥ，ＧＥ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＧ ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＳＧ， ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ (71)出願人 Ｒｕａ Ｇｅｒｉｖａｔｉｂａ，207， 05501−030−Ｓａｏ Ｐａｕｌｏ，ＳＰ， Ｂｒａｚｉｌ (72)発明者 ネット・エミルソン・イスマエル ブラジル国、エスピー、シーイーピー− 12300−000 ジャカレイ、1919、ルア・バ リアンテ・ゲテュリオ・バーガス、ブロ コ・アイ、アパルタメント・41（番地な し) (72)発明者 シミオナト・ルイーズ・ベリーノ ブラジル国、エスピー、シーイーピー− 12243−700 サン・ホセ・ドス・カンポ ス、227、リュ・エスペランサ、アパルタ メント・801（番地なし) (72)発明者 メルニク・ジョセフ・デビッド ブラジル国、エスピー、シーイーピー− 01411−011 サン・パウロ、121、ルア・ バラオ・デ・カパネマ、アパルタトメン ト・71（番地なし) Ｆターム(参考） 4C083 AA081 AA121 AB171 AC011 AC421 AC441 AD211 AD261 AD451 BB01 BB21 BB41 BB48 CC41 CC50 DD50 EE32 EE36

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 綿、絹及びポリマー物質からなる群から選択される１以上の
   物質から形成される多数のフィラメントからなるストランドと、前記ストランド
   を浸漬し、殺菌剤、治療剤、香料、甘味料、研磨剤及び他の物質からなる群から
   選択される１以上の活性剤を含む水乳化可能担体を含み、少なくとも１つの甘味
   料は水溶液であるコーティング組成物とを含むタイプのデンタルフロスにおいて
   、 前記水乳化可能担体は、動物ろう、鉱物ろう、植物ろう、合成ろう及び２以上
   のこれらのろうの混合物からなる群から選択されるろう状物質と、前記コーティ
   ング組成物を均質化し唾液に溶かすために乳化剤とを含み、 前記甘味料水溶液は前記浸漬ストランドの滲出を防ぐために十分に少ない量の
   水を含むことを特徴とするデンタルフロス。
2. 【請求項２】 前記ろう状物質は、前記コーティング組成物の全重量に基づ
   き、４重量％〜１０重量％の微結晶ろう及び２５重量％〜４０重量％の精製蜜ろ
   うを含み；前記乳化剤は、３重量％〜１０重量％のグリセリルモノエステアレー
   ト、２２重量％〜３０重量％のエトキシレート化グリセリルモノエステアレート
   及び２３重量％〜３５重量％のソルビタンモノエステアレートを含むことを特徴 とする 請求項１に記載のデンタルフロス。
3. 【請求項３】 前記コーティング組成物は、さらに、香料として、前記コー
   ティング組成物の全重量に基づき、１０重量％〜２５重量％の少なくとも１つの
   マイクロカプセル化した香料を含むことを特徴とする請求項１に記載のデンタル
   フロス。
4. 【請求項４】 前記コーティング組成物は、さらに、甘味料として、砂糖よ
   り少なくとも６００倍甘い甘味料を含むことを特徴とする請求項１に記載のデン
   タルフロス。
5. 【請求項５】 前記コーティング組成物は、さらに、甘味料として、０．５
   重量％〜３重量％の５０％スクラロース水溶液を含むことを特徴とする請求項１
   に記載のデンタルフロス。
6. 【請求項６】 前記コーティング組成物は、さらに、研磨剤として、前記コ
   ーティング組成物の全重量に基づき２重量％〜１５重量％のシリカを含むことを 特徴とする 請求項１に記載のデンタルフロス。
7. 【請求項７】 前記コーティング組成物の全水含有量は前記組成物の４重量
   ％以下であることを特徴とする請求項１に記載のデンタルフロス。
8. 【請求項８】 前記ストランドは熱によりきめ加工されることを特徴とする 請求項１に記載のデンタルフロス。