JP2001521916A - ホルムアルデヒドの精製方法、その使用及びそれを用いて製造されるプラスチック - Google Patents

ホルムアルデヒドの精製方法、その使用及びそれを用いて製造されるプラスチック

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JP2001521916A JP2000518931A JP2000518931A JP2001521916A JP 2001521916 A JP2001521916 A JP 2001521916A JP 2000518931 A JP2000518931 A JP 2000518931A JP 2000518931 A JP2000518931 A JP 2000518931A JP 2001521916 A JP2001521916 A JP 2001521916A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ホルムアルデヒドの精製方法に関し、その方法によってホルムアルデヒドを吸収装置中のアルコールで洗浄し次いでほぼ完全にヘミホルマールに変換し、その間気体不純物を最初の精製工程で分離する。残りの不純物を脱着装置中で気体状態に変換し次いで液体ヘミホルマールから分離し、その後精製したヘミホルマールを熱分解装置でアルコールとホルムアルデヒドに熱的に分解する。このようにして製造されたホルムアルデヒドは、例えばオリゴマー、ポリマー、染料、及び肥料の製造において使用のために、加えて種子の処理のために適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ホルムアルデヒドの精製方法、特にホルムアルデヒドの連続的精製
方法、プラスチック類、特にポリアセタール及びポリオキシメチレンを製造する
ための、本方法で精製されたホルムアルデヒドの使用、及びこのように精製され
たホルムアルデヒドを用いて製造されたプラスチック類に関する。
【0002】 ホルムアルデヒドは、プラスチック、肥料、染料などの多くの製品の化学合成
、及び鏡の製造において並びに織物加工の重要な供給原料である。それ故、それ
は産業的に多量に合成されている。それに応じて、ホルムアルデヒドを製造する
ための多様の種々のプロセスが知られており、メタノールからの合成が最も重要
である。この合成において、例えば酸化銅線上での酸化的脱水素を用い、メタノ
ールを空気で酸化してホルムアルデヒドを合成する。この合成において、ホルム
アルデヒドの30−40%濃度の水溶液が、通常得られ、そしてそれは製造プロ
セスから、既に安定化に必要なメタノールを含んで成る。
【0003】 ドイツ特許出願第19722774.0号及びそれに対応する国際特許出願P
CT/EP98/03084は、触媒を用い300〜1000℃の温度でメタノ
ールを直接脱水素することによるホルムアルデヒドの製造を記載する。この方法
において、主に水素及び一酸化炭素から成る循環ガスの流れは、反応器中を通過
する。この方法で、混合物が形成されそしてそれはホルムアルデヒド、水素、一
酸化炭素及び<5重量%含量の副生成物例えば水、メタノール、メチルホルメー
ト、メチラール、二酸化炭素及びメタンを含んで成る。
【0004】 しかしながら、ホルムアルデヒドを製造する全てのこれらの方法は、以下の欠
点を有している;即ち、それらを用いるとホルムアルデヒドは純粋な物質として
得られず、不必要な副生成物及び未反応供給原料を含有する混合物として得られ
る。しかしながら、エンジニアリングプラスチックの製造のような、多様の産業
上の合成に対して、高度に純粋な状態のホルムアルデヒドが要求される;何故な
らば、選択される反応条件に加えて、それを用いて製造される製品の品質は、気
体のホルムアルデヒドの純度にも依存するからである。
【0005】 従って、水溶液からホルムアルデヒドを分離するために、そしてそれを用いて
高級な製品を製造するために、多様の方法が既に開発された。そのような場合、
ホルムアルデヒドは、水溶液から通常取り出され次いで更に気体状態で精製され
る。ホルムアルデヒドに関する基本的なエンジニアリング及び性質は、J.F. Wal
ker, "Formaldehyde ", Reinhold Publishing Corporation Chapman and Hall,
Ltd., Londonに記載されている。
【0006】 加えて、ドイツ公開特許第1090191号は、気体のホルムアルデヒドの連
続的精製方法を記載しており、そこにおいて ホルムアルデヒドを冷液体のホル ムアルデヒド/ヘミアセタール溶液の流動面と接触させ、そしてそれ自身はホル
ムアルデヒドを第一及び第二アルコールと反応させることにより形成された。こ
の方法において、ホルムアルデヒドガスからの60−98%の液体混入物が、冷
液体溶液により吸収される。しかしながら、N2、O2、CO2及びCOのような 通常気体である物質の除去は、明白に強調されているようにこの方法によっては
なし得ない。
【0007】 米国審査済登録特許第2,848,500号は、1つの方法を記載しておりそ
してその方法によれば、ホルムアルデヒド/水混合物を沸点が95℃を超えるア
ルコールと反応させてヘミホルマールを形成し、得られた混合物を減圧下で脱水
して相当により低含水量のヘミホルマール溶液を形成し次いで熱分解し、ホルム
アルデヒドをヘミアセタールから遊離させ、その後熱分解生成物の部分縮合によ
り、アルコールを液体としてそしてホルムアルデヒドを蒸気として回収する。し
かしながら、この方法において、ホルムアルデヒドは水と共に回収され、その結
果その収率は相当に減少する。従って、更なるプロセス段階が、混合物から除去
されたホルムアルデヒドを回収しそしてそれを水から分離するために必要である
。この理由により、ドイツ公開特許第1618772号は、脱水前に有機酸の少
なくとも1種のアルカリ金属塩を混合物に添加することを教示する。
【0008】 米国審査済登録特許第3,510,525号は、気体のホルムアルデヒドの製
造方法を記載しており、その方法によれば空気と水性ホルムアルデヒドの気体混
合物を、ホルムアルデヒドと多価アルコールの循環乾燥混合物と向流して反応さ
せてヘミアセタールを得る。未反応ホルムアルデヒドを含んで成る、残りの気体
混合物を低温度の第2工程で水性ホルムアルデヒド/アルコール混合物と反応さ
せ、次いで最後に第3の工程で未だ存在する気体のホルムアルデヒドの残りを水
に溶解する。もしも適当ならば固体乾燥剤を用い又は乾燥空気もしくは他の乾燥
方法を用いて上流乾燥後に、第1工程のヘミホルマール溶液を熱分解に供給する
【0009】 ドイツ公開特許第4137846号は、ホルムアルデヒド水溶液から実質的に
無水でそして不純物を含まないホルムアルデヒドの製造方法を記載しており、そ
の水溶液をアルコールで抽出し、このようにして得られたアルコール性のヘミア
セタール溶液を水から遊離し、しかる後抽出で用いたアルコールよりもより低い
沸点の溶媒の存在下、連続溶媒交換カラムで熱的に分解し次いで溶媒との混合物
中のホルムアルデヒドを塔頂留出物として取り出す。ドイツ公開特許第1249
846号は、20〜250℃の温度の加熱プレート及び1〜60分の滞留時間を
有するカラム中で実質的に純粋なヘミホルマールの熱的分解を記載し、ヘミホル
マールは、スパイラル内蔵物(spiral internals)又はじゃま板として構成され
た内蔵物により加熱面に沿って強送される。
【0010】 しかしながら、前記の全ての記載した方法は、得られるホルムアルデヒドの純
度に関して又は収率において欠点を有し、あるいはそれらは連続的に行うことが
出来ない。従って、本発明の根底にある目的は、前記欠点を有しないホルムアル
デヒドの精製方法を提供することであり、そしてその方法を用いて、連続的方法
においてさえ、ホルムアルデヒドを、収率の著しい損失が無く簡単な方法でヘミ
アセタールの形成を伴い、高度に純粋な状態で得ることができる。
【0011】 本発明に従い、このことはホルムアルデヒドを吸収装置中のアルコールで洗浄
することにより達成されそしてホルムアルデヒドは、ここで実質的に完全にアル
コールに溶解されるか又はヘミホルマールに変換されそして同時に第1の精製工
程において、洗浄液により吸収されない気体の不純物を分離する。しかる後、ホ
ルムアルデヒド/アルコール /ヘミホルマール溶液を脱着装置に導き、そして そこでアルコール/ヘミホルマール溶液により吸収装置で吸収された残留不純物
を、気体状態に変換しそしてヘミホルマールから分離する。次いで、この方法で
精製されたヘミホルマールを熱分解装置中で分解し、アルコール及びホルムアル
デヒドを形成し次いでアルコール及びホルムアルデヒドを回収する。本発明に係
る方法において、ホルムアルデヒドは好ましくは気体状態で精製されそしてその
状態でそれは合成のとき直接生じる。しかしながら、他の形態で例えばホルマリ
ンとしてホルムアルデヒドを使用することも可能であるが、しかし好ましくはこ
こでもまた、それは最初に気体状態に変換される。
【0012】 吸収装置として、吸収カラム、特に表面精留器(surface rectifiers)、例え
ば充填塔又は段塔、高いホールドアップ容量を有する段塔が、好ましく使用され
る。特に好ましいカラムは、バブルキャップトレーカラム、スプレーカラム、細
流カラム(trickle columns)及びランダム充填物を有するカラムである。ホル ムアルデヒドの最大に可能な吸収を達成するために、好ましくは、最大に可能な
交換面積を提供する内蔵物を有するカラムを使用する。
【0013】 本発明に係る方法は、アルコールがホルムアルデヒドに向流して吸収装置に導
入されるような方法で好ましく行われる。これは以下の内容が見出されたからで
ある;即ち、この方法で、気体の副生成物及びホルムアルデヒドと共に導入され
る供給原料、特に循環ガスの水素/一酸化炭素ガス混合物が、カラムの上部領域
でアルコールにより吸収される物質、例えばメチルホルメート、一酸化炭素及び
ヘミホルマール溶液の他の成分を再び分離するからである。この方法で、循環ガ
スの除去、ヘミホルマールの形成及び単一装置中でのストリッピングによるヘミ
ホルマール溶液の更なる精製を行うことが可能である。加えて、ヘミホルマール
のこの精製のために、吸収装置中で適当なプロセス手順によって脱着装置を省略
することが可能である。
【0014】 本発明に係る方法に対して、一価及び多価アルコールが使用出来るが、但し、
特に大気圧でのそれらの沸点が、水のそれよりも著しく高くそしして生成するヘ
ミホルマールの熱分解温度よりも著しく低いという条件のもとである。更なる不
必要な副反応を避けるために、カルボニル、ニトロ又はアミノ基のような反応性
基をそれ自身含まないアルコール類を用いることが好ましい。特に好ましいアル
コール類は、1〜8個の炭素原子、特に3〜7個の炭素原子を有するアルコール
類であり、シクロヘキサノールが特に好ましい。
【0015】 不必要な副反応を避けるために、ホルムアルデヒドは、0℃を超える温度で、
好ましくは5〜45℃の範囲で、特に15〜40℃の範囲で吸収され、20〜3
0℃の範囲の温度が特に好ましい。吸収は、好都合には大気圧で行われる。しか
しながら、僅かに高圧で又は僅かに減圧で吸収を行うことも可能である。本発明
に係る方法に対して、できるだけ低い温度で吸収を行うことが好都合であること
が判明したが、そのより低い限界点はアルコールの粘度で決定される。例えば、
室温でシクロヘキサノールは、6.8×10-2Ns/m2の粘度を有する。
【0016】 アルコール溶液の粘度はホルムアルデヒドの負荷の増加、即ちヘミホルマール
濃度の増加と共に減少するので、この方法で吸収温度を減少させるために、特定
の場合にアルコール/ヘミホルマール溶液を純粋なアルコールの代わりに吸収装
置に導入することが好都合であることも判明した。この場合特に好都合には、熱
分解から回収されたアルコールを、脱着装置で精製されたヘミホルマール溶液と
混合するか、又は熱分解装置からの不完全分解アルコール/ヘミホルマール溶液
を再循環させる。
【0017】 本発明の方法において、ヘミホルマールの形成又は反応温度は、アルコールの
容積流量により、好都合にはアルコールの投入量及び/又はヘミホルマールの押
出量により制御される。ホルムアルデヒドが、押出領域の溶液中に50〜500
g/l、好ましくは150〜350g/l、そして特に200〜300g/lの 量でヘミホルマールとして存在するような方法で形成反応を閉ループ制御に委ね
ることは、ここでは好都合であることが判明した。本発明に係る方法において、
一酸化炭素も又は水素も吸収されず、その結果全ての循環ガスを第1の反応工程
において更に問題なくホルムアルデヒドから分離することが可能である。この場
合、実質的に全てのホルムアルデヒドがヘミホルマールに変換されるけれども、
微量成分だけはアルコール/ヘミホルマール溶液により限られた限度まで吸収さ
れ、その結果更にこれらの大部分は気体状態で第1の吸収工程において分離でき
る。
【0018】 吸収装置から放出された精製ヘミホルマール溶液を、本発明に従って、脱着装
置に導入する。脱着装置において、ヘミホルマール/アルコール溶液に吸収され
又は溶解した副生成物を気体状態に変換し次いで液体ヘミホルマール溶液から分
離する。脱着、即ち溶解した不純物の変換は、本発明に係る方法において温度を
上昇させ及び/又は減圧を適用することにより達成される。
【0019】 加えて、不活性ガスを用い、好ましくは窒素を用いて脱着を行うことは、好都
合であることが判明した。原則的には、用いるアルコールのタイプ及び存在する
不純物に応じて、できるだけ高い温度又は減圧を用いなければならない。しかし
ながら、温度を高めるにつれて、不必要な副反応、例えばメチルホルメートの形
成が増加せしめられた程度に始まるので、温度は定めた限界値を超えるべきでは
ない。このようにして、水、メタノール及びメチルホルメートのような揮発性成
分は、追い出される、即ち著しいホルムアルデヒドの損失はない。
【0020】 法外に高い水の負荷では、脱着装置の代わりに又はそれに加えて、真空蒸留を
行うことは好都合であることが判明した。
【0021】 吸収装置から出るヘミホルマール溶液中の過度ではない微量成分の負荷では、
脱着装置は省略することができる。次いで、ヘミホルマール溶液を熱分解装置に
直接導く。
【0022】 本発明に係る方法において、脱着は一般に20〜100℃、特に30〜70℃
の範囲内の温度でそして好ましくは40〜60℃で及び/又は1〜1000ミリ
バール、特に10〜500ミリバール、そして20〜100ミリバールの減圧で
で行われる。ヘミホルマールは、より高温までは通常分解されず、そして通常ア
ルコール及び不純物よりもより高い沸点を有するので、これは通常アルコール/
ヘミホルマール溶液の最高の沸点成分である。
【0023】 脱着装置として、カラム、より正確には、特に充填塔そして更に段塔を使用す
る。脱着装置はまた真空蒸留に適した装置でもあるので、蒸留に適した全てのカ
ラムが、好都合であることが判明した。アルコール/ヘミホルマール溶液を、脱
着装置の上部に導入すること及びより正確には好ましくはカラムの下部にそれに
向流して不活性ガスを導入することは、特に好ましく、その結果より多くの揮発
性不純物を、不活性ガスにより溶液からガス分離できる。これは、追加の精製効
果をもたらす。
【0024】 次いで、脱着カラムから放出された精製ヘミホルマールを熱分解装置に入れそ
してその中でそれをホルムアルデヒドとアルコールに熱的に分解する。不必要な
副反応、即ち不純物の再形成を避けるために、アルコール/ヘミホルマール溶液
が熱分解装置中でできるだけ短い残留時間を有するように熱分解条件を選択する
ことがここでは好都合であることが判明した。
【0025】 好ましい熱分解装置は、蒸発器であり、それは薄膜蒸発器、より正確には好ま
しくはできるだけ速い回転速度で操作できる蒸発器である。
【0026】 シキロヘキサノールをアルコールとして用いるとき、100〜200℃、好ま
しくは120〜180℃の範囲内の温度でそして特に150〜175℃の温度で
及び/又は30〜1500ミリバール、特に50〜1300ミリバールの圧力で
熱分解を行うことは、好都合であることが判明した。熱分解から放出される気体
混合物は、ホルムアルデヒド及びアルコールを含んで成る。
【0027】 存在しうる低揮発性不純物及び副生成物を、熱分解器中で液体又は固体として
分離する。次いで、放出された気体混合物中の高沸点アルコールを、もしも適当
ならばヘミホルマールと共に凝縮器中で再凝縮し、そしてもしも適当ならば更な
る精製工程後、本発明に係る方法において更なる吸収及び脱着操作のために再循
環させることが出来る。非凝縮のホルムアルデヒドは、一酸化炭素及び水素を含
まずそして本質的にメタノールを含まない純粋な気体の流れとして得られる。本
発明に係る方法により、更なる問題もなく、メタノール含量が100ppm未満
、特に50ppm未満そして好ましくは30ppm未満である純度が達成できる
【0028】 本発明に係る方法により製造されるホルムアルデヒドは、全ての既知の使用分
野、例えば防蝕、鏡製造、電気化学的コーティングに対して、消毒に対して、そ
して防腐剤として、加えてポリアセタール、特にポリオキシメチレン、フェノー
ル樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アミノプラスチック、フェノール樹脂及
びカゼインプラスチックのようなポリマー、更に1,4−ブタノール、トリメチ
ロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリット、アルコール性
ホルムアルデヒド溶液、染料、例えばフクシン及びアクリジン、並びに肥料を製
造するための中間体としてそして種子の処理のために適している。好ましくはそ
れは該プラスチックを製造するために用いられる。
【0029】 ホルムアルデヒドは通常本発明に係る方法により低含水量で製造されるので、
この方法で製造されるホルムアルデヒドは、ポリオキシメチレン及びトリオキサ
ンに重合させるために特に適している;何故ならば無水ホルムアルデヒドをここ
では使用すべきだからである。本発明は更に、このように製造されたプラスチッ
ク、例えばポリオキシメチレン及びポリアセタール、及びトリオキサン、染料、
肥料に関しそして種子の処理に関する。
【0030】 本発明を、本発明に係る方法を実施するための装置を示す添付の図1を参照し
て更に詳しく説明する。
【0031】 図1から明らかなように、カラム又は塔として構成される吸収装置(1)は、
その下部に脱水素から来る粗製ガス(2)を導入するための入り口及び形成され
たアルコール/ヘミホルマール溶液のための下流出口を有する。上部領域におい
て、カラムはアルコールのための入り口ポート並びにオフガス及び気体不純物(
3)の逃がしのため更に上流のオリフィスを含む。吸収装置(1)から出てくる
精製アルコール/ヘミホルマール溶液は、同様にカラム又は塔として構成されて
いる脱着装置(4)に入る。脱着装置(4)は、下部において、精製された、即
ち脱着されたアルコール/ヘミホルマール溶液のためのプロセスの流れの下流に
ある出口ポート及びアルコール/ヘミホルマール溶液に向流して脱着装置を通過
する窒素ガス(N2)を導入するためのポートを有する。上端部で、脱着装置は 、揮発性不純物又は不活性ガスによりガス分離される不純物のための出口ポート
を有し、そしてそれらは圧縮機(5)によって除かれる。
【0032】 次いで、脱着装置から放出されそして不純物から精製されたアルコール/ヘミ
ホルマール溶液は、熱分解装置(6)内に導入ポートを経て導入され次いでそこ
で熱的に分解される。このプロセスで形成されたアルコールは、回収されそして
、もしも適当ならば脱着装置(4)の精製ヘミホルマールの一部と混合しながら
、再使用のために吸収装置(1)に再循環させる。純粋なホルムアルデヒドを熱
分解装置(6)の頂端部で気体生成物の流れ(7)として取り出す。
【0033】 本発明を以下の実施例を参照してより詳しく説明する。 実施例1:吸収カラム中のヘミホルマール形成 ホルムアルデヒド/粗製ガス混合物を、V=147リットル(S.T.P.)
/時間の入り口速度及び80℃の温度で図1に示すような装置内に導入し、そし
てここでは用いた吸収カラム(1)は、直径50mmそして高さ1.5mm並び
に22個のバブル−キャップトレーを有する実験室規模の段塔である。この場合
、吸収温度は、洗浄液の投入量によって設定される。
【0034】 ホルムアルデヒドの反応及び微量成分の選択的分離に対する、吸収温度及び液
体の負荷、即ちアルコールであるシキロヘキサノールの循環速度の効果を、五つ
の異なる実験例に基づいて示す。この場合、循環速度は、10l/時間(m2及 び時間当たりB=5m3の液体負荷に相当する)〜15l/時間(m2及び時間当
たりB=7.5m3の液体負荷に相当する)であり、20l/時間で流入する実 験室用段塔を用いた。洗浄媒質の入り口温度は、表1に明記したように0℃、2
0℃及び40℃の間で変化した。
【0035】
【表1】
【0036】 表2は、入り口及び出口濃度並びにモル流量を報告する。気体の表面流量は、
この場合約0.02m/秒でありそして気体の流れのモル流速に対する液体の比
率は、L/G=95モル/時間:6.6モル/時間=14.4モル/モル(20
℃でシクロヘキサノール(CHol)の密度:952kg/m3、モル質量:1 00.2kg/kmol)であった。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】 表3は、実験室用カラムを用いたホルムアルデヒドに対する不純物の分離を示
す。
【0040】
【表4】
【0041】 ここでは以下の内容が観察されるに違いない;即ち、本発明に係る方法におい
て、驚くべきことに、吸収装置(1)でできるだけ速やかに精製が起こり、そし
てそれはもしも適当ならば、脱着装置(4)が吸収装置(1)における好ましい
プロセス手順によって省略できる事実をもたらす。 実施例2:脱着カラム中の不純物の分離 実施例2の吸収装置(1)から得られた溶液を、図1に係る脱着カラム(4)
(Sulzer CY及びSulzer BXの各々の充填物1メートルを有する、長さ2mのDN-5
0実験室用カラム)に導入し、追加的に減圧下で窒素により副生成物をガス分離 した。結果を表4に示すが、真空は変化しそして温度は洗浄液により設定された
【0042】
【表5】
【0043】 表5は、ホルムアルデヒドに対する水/メタノール/メチルホルメートのモル 比及び濃度因子(組成混合物に対する)を示す。
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】 できるだけ低い減圧と共にできるだけ高い温度が、副生成物の脱着を持続させ
るために有利である。温度の上限は、洗浄媒質(シクロヘキサノール)の蒸発に
よりそして更にそれ自身副生成物を生成する分解反応により確立される。有利な
条件は、100ミリバール未満、好ましくは10〜100ミリバールの減圧で2
0〜80℃である。
【0048】 この実験の構成において副生成物が除去されたシクロヘキサノールは、120
〜180℃の温度でそして50〜1300ミリバールの圧力で薄膜蒸発器(6)
中で熱分解された。
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月31日(2001.1.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 Lyoner Strasse 38 a, Frankfurt am Main, B.R.Deutschland (72)発明者 シュヴェールス,エルケ ドイツ連邦共和国デー−69812 バート・ ゾーデン,ハオプトシュトラーセ 55 (72)発明者 マイスター,クリスティーネ ドイツ連邦共和国デー−65843 ザルツバ ッハ,ニーダーホッホシュテッター・シュ トラーセ 14 Fターム(参考) 4C022 PA02 4H006 AA02 AC43 AC45 AD18 AD30 BB61 BQ10 4J032 AA02 AB02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒドをアルコールと反応させてヘミホルマール
    を形成し次いでこのように形成されたヘミホルマールを不必要な供給原料及び合
    成副生成物及び/又は不純物から遊離し次いでこのように精製されたヘミホルマ
    ールを熱分解してホルムアルデヒドを形成するホルムアルデヒドの精製方法であ
    って、吸収装置中のホルムアルデヒドをアルコールで洗浄しそしてこの場合には
    これを実質的に完全に反応させてヘミホルマールを得そして、同時に、最初の分
    離工程において、洗浄液に吸収されなかった気体不純物からそれを分離し、残留
    不純物を脱着装置中で気体状態に変換し次いでそれらを液体ヘミホルマールから
    分離し、このように精製されたヘミホルマールを熱分解装置中でアルコール及び
    ホルムアルデヒドに分解し次いでアルコール及びホルムアルデヒドを回収する、
    前記ホルムアルデヒドの精製方法。
  2. 【請求項2】 気体のホルムアルデヒドを用いる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ホルムアルデヒド及びアルコールを互いに対して向流して吸
    収カラム中に導入する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 15〜40℃の範囲内の温度を、吸収カラム内で維持する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用されるアルコールが、シクロヘキサノールである、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 脱着装置中で、不純物を加熱により及び/又は減圧下で分離
    し及び/又は補助ガスを用いてガス分離する、請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 用いられる熱分解装置が、蒸発器である、請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 吸収カラム中でのヘミホルマールの形成を、洗浄媒質の速度
    (アルコールの容積流量)により制御する、請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 水の蒸発条件を超えているが、ヘミホルマールの熱分解条件
    より下の脱着温度及び脱着圧を用いる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 脱着カラム中で用いられる不活性ガスが、窒素である、請
    求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 脱着カラムを省略しそして吸収装置内で形成したヘミホル
    マールを直接熱分解装置に供給する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の
  12. 【請求項12】 メタノールの接触脱水素により得られたホルムアルデヒド
    を使用する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ポリマー、オリゴマー、染料及び肥料の製造のための、及
    び種子の処理のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の精製したホルム
    アルデヒドの使用。
  14. 【請求項14】 ポリマーが、ポリオキシメチレンでありそしてオリゴマー
    がトリオキサンである、請求項13記載の使用。
JP2000518931A 1997-10-31 1998-10-12 ホルムアルデヒドの精製方法、その使用及びそれを用いて製造されるプラスチック Pending JP2001521916A (ja)

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