JP2001521864A - 開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、容器、好ましくは、ドライティッシュやウェッテドティッシュ用の容器、より好ましくは、ウェッテドティッシュ用の容器に外嵌されているか、この容器の一部であるかのいずれかである開閉装置(1)に関する。固定蓋部材(12)と可動蓋部材（13）とを備えた開閉装置において、固定蓋部材は、容器の内容物を取り出すために、可動蓋部材を固定蓋部材に平行な面に沿って摺動させることができる手段を含んでいる。可動蓋部材と固定蓋部材とは、少なくとも１個の弾性部材（21）により連結されている。この弾性部材は可動蓋部材が閉じた位置にあるときに弾性力が蓄積される。固定蓋部材と可動蓋部材とは、可動蓋部材を閉じた位置に固定するか、弾性部材により張力で保持されている可動蓋部材を解除する解除可能な掛止機構（25）を提供する手段をさらに備えていることが好ましい。この構成により小出し手段から容器の内容物に手をのばすことができる。本発明の一実施の形態では、容器を屋外に持ち出すときには、開閉機構と容器本体とを合わせた高さは５ｃｍ以下であり、好ましくは２．５ｃｍ以下である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の分野） 本発明は、容器用の開閉装置、特に、ドライティッシュやウェッテドティッシ
ュ用の容器に適した開閉装置に関する。

【０００２】 （発明の背景） 本発明を適用することのできる消費者製品用の様々な容器の典型として、ウェ
ッテドティッシュ用の容器がある。一般にこのような容器は、例えば、使用者の
皮膚をきれいにするためのウェッテドティッシュが積層された状態で内部に詰め
込まれている容器本体と、この容器本体に外嵌されて容器本体の上部の開口を覆
う開閉装置とを備えていて、ウェッテドティッシュを一枚ずつ取り出すことがで
きるようになっている。この開閉装置は、容器本体の上部開口に直接外嵌される
固定蓋部材と、この固定蓋部材の中心領域に形成された開口の一辺に底部が蝶番
式に止められている可動蓋部材とを有している。ウェッテドティッシュは固定蓋
部材の中心領域に形成された開口から一枚ずつ取り出される。

【０００３】 開閉／取り出し装置を含むウェッテドティッシュ用容器に関する文献を以下に
示す。1996年12月18日に公開されたユニチャーム株式会社（Unicharm Corp.）の
ヨーロッパ特許出願EP-O-748 748 A 1には、容器本体と、固定蓋部材に蝶番式に
止められている可動蓋部材とを具備したウェッテドティッシュ容器が教示されて
いる。解除可能な掛止機構に連結されていてパッケージを自動的に開く弾性スト
リップが設けられている。スコットペーパーカンパニー（The Scott Paper Comp
any）の1976年9月28日の米国特許第3 982 659号には、ウェットシート取り出し パッケージが開示されている。開口部には実質的に鋭角にならないように曲面で
形成された取り出し口が形成されていて、この取り出し口からウェットシートを
次々に取り出せるようになっている。1996年3月7日に公開されたナイスパックプ
ロダクツ（Nice Pak Products）のＰＣＴ出願第96/06 556号には、湿らされたテ
ィッシュをジグザグに折り畳んで積層した山を容器に入れ、この山になっている
ティッシュの自由端をスリットに通して、ティッシュを摩擦で動かないように保
持し、スリットから手でティッシュを取り出すことが教示されている。ティッシ
ュの露出部分を湿潤にしておくために、スリットには蝶番式に開閉するキャップ
が取り付けられている。1994年12月21日に公開された花王（Kao Corp.）のヨー ロッパ特許出願EP-0-629 560 A3には、蝶番式に開閉する上蓋が開示されている 。ゴムのような弾性部材が設けられていて、パッケージが自動的に開くようにな
っている。1997年4月22日に公開されたヤマダコープ（Yamada Corp.）の日本国 特許出願JP-0-910 4484 Aには、柔軟な容器に設けられた開口に取り付けられて いる蓋ユニットコンポーネントが教示されている。蓋ユニットコンポーネントに
は、ウェットティッシュを取り出すための取り出し開口と摺動蓋とが設けられて
いる。

【０００４】 以上の文書に記載されている開閉機構には幾つかの問題点がある。蝶番式に開
閉する蓋は、容器を開けたときに突出するので、容器が不安定になり、ベビー用
ティッシュの容器の場合には、幼児が蓋を掴んだり、蓋の上に倒れたりして容器
が変形してしまったり、壊れてしまったりする可能性がある。また、蝶番式に開
閉する蓋が開いていても、内容物を取るには、容器の背後からではなく容器の正
面から手を入れなければならないので、ユーザーにとっては不便である。

【０００５】 また、この手の容器のユーザーは片手しか自由にならない場合がしばしばなの
で、片手で容器を開けなければならない。ところが、以上に示したパッケージで
はどれも簡単にまたは自動的に蓋を開けることができない。最後に、容器が自動
開放機構付蝶番式に開閉する蓋を有している場合には、蝶番式に開閉する蓋が跳
ねて開くので、赤ん坊にけがをさせる危険性がある。

【０００６】 さらに、非常に多くの消費者がベビー用拭き取り布を屋外で使用することが判
明している。屋外に持ち出す拭き取り布の枚数は、平均して１５枚から２５枚で
ある。先に例示したような市販されている容器は嵩張るので、容器を屋外に持ち
出すのは厄介である。

【０００７】 カバーが蝶番式に開閉する幾つかの容器が売られている。これらの容器は丈が
低くて家から持ち出し易いが、容器から一枚ずつ取り出せるように殆どの容器で
は湿った拭き取り用の布が交互に挟み込まれているので、開口は表面を制限する
などして小出しできるような形状にしなければならない。このような容器は、蝶
番式に開閉するカバーで蓋をされている容器本体から構成されているが、交互に
挟み込まれている拭き取り用の布をまとめて一度に容器から取り出すことはでき
ない。

【０００８】 プロクターアンドギャンブル（Procter and Gamble）のヨーロッパ特許EP 0 7
38667には、湿った拭き取り布用のポータブル容器が記載されている。この容器 は交互に挟み込まれているティッシュを一枚ずつ取り出す小出し開口を備えてい
るが、蝶番式に開閉する可動蓋を備えているので、蝶番式に開閉する可動蓋を有
する容器に内在する安定性に関する問題は一向に解消されていない。

【０００９】 したがって、本発明の第一の主要な目的は、消費者にとって安全で、扱い易く
、片手しか使えない場合でも容器や内容物を取り扱うことができ、蓋が開いてい
てもパッケージが安定していて、内容物を容易にしかも簡便に取り出すことので
きるドライティッシュやウェッテドティッシュ用の開閉機構付容器をユーザーに
提供することである。

【００１０】 本発明の第二の目的は、取り出し部の付近に突出部や尖った端部のない容器を
提供することである。

【００１１】 本発明の第三の目的は、開閉機構に触れることなく詰め替えなどのできる容器
を提供することである。

【００１２】 本発明の第四の目的は、詰め替えの際に摺動蓋機構のある面を開く必要がなく
、したがって、摺動蓋機構のある面が曲げられたり損傷したりすることのない容
器を提供することである。

【００１３】 本発明の第五の目的は、屋外に容易に持ち出せる容器を提供することである。

【００１４】 （発明の概要） 本発明は、容器、好ましくは、ドライティッシュやウェッテドティッシュ用の
容器に外嵌されているか、当該容器の一部である開閉装置に関するもので、より
好ましくは、固定蓋部材と可動蓋部材とを備えたウェッテドティッシュ用の開閉
装置に関する。固定蓋部材は、容器の内容物を取り出すことができるように、可
動蓋部材を固定蓋部材に平行な面に沿って摺動させる手段を備えている。可動蓋
部材と固定蓋部材とは、少なくとも１個の弾性部材により連結されている。この
弾性部材は可動蓋部材が閉じた位置にあるときに弾性力が蓄積される。固定蓋部
材と可動蓋部材とは、可動蓋部材を閉じた位置に固定するか、弾性部材により張
力で保持されている可動蓋部材を解除する解除可能な掛止機構を提供する手段を
さらに備えていることが好ましい。この構成により小出し手段から容器の内容物
を取り出すことができるようになる。本発明の一実施の形態では、容器を屋外に
持ち出すときには、開閉機構と容器本体とを合わせた高さは５ｃｍ以下であり、
好ましくは２．５ｃｍを越えない。

【００１５】 （発明の詳細な説明） 以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。図１ないし図１０を参照
して説明する。開閉装置（10）は、容器本体（11）に外嵌されているか、容器本
体の一部であるかのいずれかである。容器本体は積み重ねられたドライティッシ
ュやウェッテドティッシュを収容しているが、収容物はウェッテドティッシュの
山が好ましい。開閉装置は、固定蓋部材（12）と可動蓋部材（13）と解除可能な
掛止機構（25）とを備えている。固定蓋部材（12）と可動蓋部材（13）とは、い
ずれも適切な合成樹脂素材で作られていて、少なくとも一個の弾性部材（21）に
より互いに接続されている。掛止機構（25）は開閉装置（10）を閉位置に保持す
る。積み重ねられたドライティッシュやウェッテドティッシュ、好ましくはウェ
ッテドティッシュの積層された山をしなやかな袋に入れて、これを容器本体内部
に収容しても良い。固定蓋部材を容器本体とは別個の部品にしても構わないが、
容器本体と一体的に成型した方が好ましい。固定蓋部材と容器本体とは一体丁番
（35）により開閉可能に連結されている。この一体丁番は容器の後ろ側に位置し
ていて、新たな拭き取り布を詰め替える際などに容器を開け閉めできるようにす
るものである。容器本体と開閉装置とを併せた高さ（すなわち、閉じた状態での
容器全体の高さ）は、以下５ｃｍであり、好ましくは２．５ｃｍを以下である。

【００１６】 本発明の第一の実施の形態では、容器本体（11）は、上部の開口（11a）と、 この開口の外側の周辺端（11c）に沿って延在するフランジ（11b）とを有してい
る。容器本体は適当な合成樹脂素材から作られたほぼ直方体である。本発明の別
の実施の形態では、空になった容器に新しい一山の拭き取り布や新しい一巻きの
拭き取り布を詰め込むことができるように、容器本体（11）は取り外し可能なカ
バーにより閉じられている第二の開口面を好ましくは底面に有している。容器本
体（11）は底面を上面よりも大きくして、容器の安定性を増大させることが好ま
しい。もっともこの構成は任意である。さらに、これも任意ではあるが、取り外
し可能な蓋を柔軟な材料で作ることにより、取り外し可能な蓋と容器本体との締
まり具合を強化することが好ましい。以上に述べた本発明の両実施の形態では、
開閉装置（10）の固定蓋部材（12）は容器本体（11）と一体的に成型し、次に容
器本体の上面を形成しても構わないし、容器本体に外嵌される別個の部品として
形成しても構わない。

【００１７】 図２、図３、図６および図７に例示するように、固定蓋部材（12）は先ず上面
（14）を有している。上面（14）は、少なくとも一個の開口（15）を有している
。この開口の上を可動蓋部材が自由に滑る。開口（15）は固定蓋部材の一方の側
に位置していることが好ましい。固定蓋部材（12）は次に外周壁（16）を有して
いる。外周壁（16）は上面（14）と一体的に成型されている。固定蓋部材（12）
は、可動蓋部材（13）が固定蓋部材に平行な面に沿って摺動できるようにする手
段、例えば、誘導レールを有している。この機構により、開口（15）から容器内
の内容物を取り出すことができる。容器の内容物がドライティッシュやウェッテ
ドティッシュである場合、特に、ウェッテドティッシュである場合には、固定蓋
部材は小出し手段（18）を有している。小出し手段（18）は固定蓋部材の一部で
あるか、固定蓋部材（12）に外嵌される別個の要素であるかのいずれかである。
小出し手段は固定蓋部材の下部に位置している。この小出し手段（18）は鋭角の
ない表面（19）を有している。この表面は限定口（20）を成形している。使用中
にはこの口を通って次々にティッシュが取り出される。限定口（20）は幅が２０
ｍｍないし６０ｍｍ、特に、幅５５ｍｍのＳ字形であることが好ましい。ティッ
シュが一枚顔を出すと、その先端がＳ字形をしている口の一方の先端部（20a） に絡み付く。次のティッシュが顔を出すと、その先端がＳ字形をしている口の他
方の先端部（20b）に絡み付く。このようにして、ティッシュが次々に顔を出す 度に、先端が限定口の両端部に交互に絡み付く。このようなことが生じるのは、
ティッシュが交互にジグザグに折り重ねられているからである。すなわち、最初
の一枚が取り出されると、二枚目の一方の端がそれに連れて引き出され、この二
枚目が取り出されると、三枚目の他方の端がそれに連れて引き出されるという動
作が延々と続くからである。小分けして取り出される製品を包み込んでいる柔軟
な袋を容器本体に収容する場合には、柔軟な袋の一部分が小出し構造の役目を果
たすので、いま説明したような小出し構造を固定蓋部材に取り付けたり、固定蓋
部材と一体的に成型したりする必要はない。この場合には、掛止機構を解除して
、可動蓋部材をずらせば、固定部材に設けられている大きな開口から直ぐに内容
物を取り出すことができる。

【００１８】 図４、図５、図６および図７に例示するように、可動蓋部材（13）は多角形ま
たは丸い形状をした１枚または２枚の板で構成されているが、１枚の矩形状板で
構成されていることが好ましい。可動蓋部材（13）は、開閉装置が閉位置（図７
参照）にある時には小出し手段（18）と完全に重なるような寸法を有しており、
開閉装置が開位置（図６参照）にある時には、摺動して固定蓋部材の上面（14）
の下に位置して、小出し手段（18）を通過して容器内容物に至る通路が形成され
るような寸法を有している。可動蓋部材が摺動して開位置や閉位置に至る動きは
、直線的であるか旋回的であるかのいずれかであるが、直線的であることが好ま
しい。また、固定蓋部材の上面を弧状に湾曲させて、可動蓋部材の摺動の動きが
水平面内で直線的である際に垂直面内で円弧的であっても良い。可動蓋部材を摺
動して固定蓋部材の上に位置させる手段は、途切れがあるか、途切れがないかの
いずれかの２本のガイドレール（17）により達成されることが好ましい。これら
のガイドレールは、長さが少なくとも１０ｍｍあり、固定蓋部材（12）の長手方
向に平行で、固定蓋部材と一体的に成型されている。可動蓋部材（13）は水平面
を摺動可能にこれらのガイドレール（17）と固定蓋部材の上面（14）との間に位
置している。固定蓋部材は内側の表面に少なくとも一個の突出部（22）を有して
いる。この突出部は、可動蓋部材が開位置に至ると可動蓋部材の摺動の動きを止
める。この構成により、蓋をする際にユーザーは可動蓋部材（13）の少なくとも
一部（23）に必ず接することができるようになる。また、固定蓋部材の前記部分
につまみなどの手段（24）を設けて、容易に開閉できるようにしても良い。

【００１９】 さらに、これも任意ではあるが、本発明の好ましい実施の形態において、１個
以上の弾性部材（21）を設けるか否かは任意であるが、図６および図７に例示す
るように、固定蓋部材の少なくとも１箇所と可動蓋部材の少なくとも１箇所とに
、１個以上、好ましくは１個の弾性部材（21）を掛け渡しておくことが好ましい
。このような構成であれば、開閉装置が閉位置にあるとき、弾性部材（21）には
十分な弾性エネルギーが蓄積されているので、解除可能な掛止機構（25）が解除
されるや否や可動蓋部材（13）が弾性部材の弾性力により自動的に開く。この弾
性エネルギー源は圧縮力、ねじり力、引っ張り力のいずれでも構わないが、引っ
張り力であることが好ましい。例えば、弾性部材は、厚さが０．５ｍｍと５ｍｍ
との間で、両端に穴の空いている平らな帯状体であることが好ましい。このよう
な弾性部材は、固定蓋部材の一部として成型された一方の手段（21a）、例えば 、フックにより、一端が固定蓋部材（12）の内側の部分に固定され、他端が他方
の手段（21b）、例えば、フックにより可動蓋部材（13）に固定される。図４お よび図５に例示するように、可動蓋部材は窪み部（21c）を有していることが好 ましい。前記手段（21b）をこの窪み部に設けて、これが内容物に接触したり、 内容物を損傷したりすることがないようにすることが好ましい。また、弾性部材
（21）は端部が突出している一巻きまたは多重巻きのコイルばねでも構わない。
このコイルばねを固定蓋部材と可動蓋部材との間に配置すれば、開閉装置が閉位
置にあるとき、開閉装置には十分なばねエネルギーが蓄えられているので、掛止
機構が解除されるや否や可動蓋部材は自動的に開く。ばねエネルギーは圧縮力、
引っ張り力、ねじり力のいずれでも構わない。

【００２０】 図６、図７、図１０および図１１に例示するように、解除可能な掛止機構（25
）がさらに設けられている。この掛止機構は留め具（26）と１個または１個以上
の対応する凹所（27）とで構成されていて、留め具（26）が対応する凹所（27）
に嵌入することにより掛止が達成される。留め具（26）と対応する凹所（27）と
はいずれか一方が可動蓋部材（13）に設けられていて、他方が固定蓋部材（12）
に設けられている。解除可能な掛止機構（25）により可動蓋部材（13）は閉位置
に保持される。本発明の一実施の形態では、解除可能な掛止機構（25）は留め具
が設けられている押しボタンなどの可動要素（28）を動かして、留め具（26）と
凹所（27）との係合を解除することにより直接に解除される。本発明の別の実施
の形態では、掛止機構に近い領域を押圧などにより弾性変形させて留め具と凹所
との係合を解除することにより、掛止機構が間接的に解除される構成にしてある
。この弾性変形は僅かな力を与えるだけで達成されるので、指一本で掛止機構を
解除することができる。

【００２１】 本発明の別の態様は、図９に例示するように、これまでの説明とは異なってい
る。可動蓋部材（13）が二枚の別々の摺動蓋（13a）と摺動蓋（13b）とに分割さ
れている。これらの摺動蓋は多角形状でも円形状でも構わないが、矩形状である
ことが好ましい。摺動蓋（13a）と摺動蓋（13b）とは接合線（13c）から反対方 向に摺動する。これにより小出し手段や容器の内容物に通じる通路が形成される
。既に述べたように、この摺動の動きは垂直面内を厳密に直線的であっても構わ
ないし、円弧的であっても構わないので、開閉装置の上面の大まかな形状に沿う
。さらに、固定蓋部材は、これら２個の摺動蓋（13a），（13b）の摺動の動きを
開位置で止めて、摺動蓋（13a），（13b）のそれぞれに関する部分２個に、容器
を閉めるのにユーザーが手をのばせるようにしておくような、突起を２個内面に
有している。また、摺動蓋（13a），（13b）の前記部分につまみなどの手段（24
）を設けて、容易に開閉できるようにしても良い。

【００２２】 本発明のこの態様では、先に第一の態様で述べたように、固定蓋部材（12）は
一個の開口を有していて、可動蓋部材の個別の２個の摺動蓋（13a），（13b）が
自由に摺動してこの開口を覆う。この開口は固定蓋部材の中央に位置しているこ
とが好ましい。固定蓋部材（12）は途切れがあるか途切れがないかのいずれかの
２本のガイドレールを有している。これらのガイドレールは、長さが少なくとも
１０ｍｍあり、固定蓋部材（12）の長手方向に平行で、固定蓋部材と一体的に成
型されている。摺動蓋（13a），（13b）は水平面内の前記複数のガイドレール（
17）間に摺動可能に位置している。

【００２３】 ２個の摺動蓋（13a），（13b）の各々は、先に述べたように弾性部材を少なく
とも１個有していることが好ましい。このようにすることにより、開閉装置が閉
位置にあるとき、弾性部材（21）には十分な弾性エネルギーが蓄積されているの
で、解除可能な掛止機構（25）が解除されるや否や２個の摺動蓋（13a），（13b
）の各々が弾性部材の弾性力によりそれぞれ自動的に開く。この弾性エネルギー
源は圧縮力、ねじり力、引っ張り力のいずれでも構わないが、引っ張り力である
ことが好ましい。弾性部材（21）は両端部が突出している一巻きまたは多重巻き
のコイルばねでも構わない。このコイルばねを固定蓋部材と可動蓋部材との間に
配置すれば、開閉装置が閉位置にあるとき、開閉装置には十分なばねエネルギー
が蓄えられているので、掛止機構が解除されるや否や可動蓋部材は自動的に開く
。ばねエネルギーは圧縮力、引っ張り力、ねじり力のいずれでも構わない。本発
明の第一の態様について先に記載したように、解除可能な掛止機構（25）がさら
に設けられている。この掛止機構は留め具と対応する凹所とで構成されていて、
留め具が対応する凹所に嵌入することにより掛止が達成される。本発明のこの態
様の一実施の形態では、解除可能な掛止機構（25）は留め具が設けられている押
しボタンなどの可動要素（28）を動かして、留め具と凹所との係合を解除するこ
とにより直接に解除される。本発明のこの態様の別の実施の形態では、先に述べ
たように、掛止機構に近い領域を押圧などにより弾性変形させて留め具と凹所と
の係合を解除することにより、掛止機構が間接的に解除される構成にしてある。
前記第一の実施の形態では、可動要素（28）を固定蓋部材（12）の上に載せてお
くことができる。例えば、可動要素（28）を固定蓋部材（12）の長手方向に沿っ
た中央部に載置しておくことができる。前記第二の実施の形態では、弾性変形す
る領域を可動蓋部材（13）の両摺動蓋（13a），（13b）の中で解除可能な掛止機
構（25）が取り付けられるいずれか一方の摺動蓋に設け、凹所を他方の摺動蓋に
設けることができる。この構成では、解除可能な掛止機構（25）が可動蓋部材（
13）の摺動蓋（13a），（13b）の間に位置することになる。

【００２４】 本発明のさらに別の態様は、可動蓋部材が角の丸い多角形や円形の板、特に、
円形の板であることが好ましく、周辺端近くに孔を有していることが第一の態様
と異なっている。この孔は固定蓋部材の内面に位置する突起に嵌合される。これ
により可動蓋部材はこの突起を中心にして回転動作をする。固定蓋部材は可動蓋
部材の回転運動を止める突起を内面に有している。開閉装置が開位置にあるとき
、小出し開口への通路が形成されるが、依然として可動蓋部材の一部にユーザー
が手をのばせるようにされているので、ユーザーは容器を閉めることができる。
また、摺動蓋の前記部分に窪みなどの複数の手段をそれぞれ設ければ、容器の閉
鎖が容易になる。第一の態様で述べたように、この態様でも解除可能な掛止機構
を設けておくことが好ましい。

【００２５】 以上に述べた本発明のいずれの態様でも、固定蓋部材、可動蓋部材および１個
または複数の別個の小出し手段は、ポリプロピレン材料その他の適切な材料、例
えば、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エラストマーのいずれかから
成型されるが、ポリプロピレン材料から成型することが好ましい。容器本体はこ
こに示したいずれかの材料でこれを成型することができる。弾性部材は、シリコ
ンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、エチレン‐プロピ
レン共重合体、天然ゴムなどのゴム弾性を有するゴムや合成樹脂の材料から成型
される。

【００２６】 以上に述べた本発明のいずれの態様においても、次のような構成にすることが
できる。すなわち、開閉装置を別個の要素にして、これを容器本体に嵌め込むよ
うにしても良い。この場合、図１０に示すように、容器本体（11）は上部の開口
（11a）を有している。この上部の開口は外周上方端（11b）とそこから延びるフ
ランジとを有している。上部の開口（11a）の内周面には容器本体（11）の長短 の面に沿って長手方向に延びるリブおよび溝の少なくとも一方であるもの(29)が
設けられている。組み立ての際に段差や重複が生じないように、リブおよび溝の
少なくとも一方であるもの(29)は固定蓋部材（12）の対応するリブおよび溝の少
なくとも一方であるもの(30)に嵌め合わされる。パッケージの表面は特に頂部が
平坦で、尖った端は含まない。さらに、開閉装置には、パッケージの一面、好ま
しくは小さい面に、容器本体の外周上端に重なる開閉タブが設けられていても良
い。この重複は、寸法が５ｍｍ未満であるが、３ｍｍ未満であることが好ましい
。この開閉タブは指を傷つけないように円弧状であることが好ましい。

【００２７】 以上の複数の実施の形態は、個別に達成されてもよく、またはこれらの実施の
形態は、消費者に最も良い使い勝手を提供する拭き取り布容器を達成するために
、組み合わされても良い。しかしながら、容器を屋外で使用する場合には、ばね
要素を解除可能な掛止機構と一緒に設けて、１本の指で摺動蓋が自動的に開くよ
うに可動蓋部材を開くことのできる容器にすることが好ましい。この場合の容器
全体の高さは、５ｃｍ以下であり、好ましくは２．５ｃｍを以下である。このよ
うに、自動的に開く摺動蓋が消費者に優しい拭き取り布用貯蔵小出し器を構成す
るので、例えば、ケースやバッグに入れて、屋外で使用するなどの持ち運びに最
適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明における容器の斜視図である。

【図２】 図２は、固定蓋部材の平面図である。

【図３】 図３は、固定蓋部材の底面図である。

【図４】 図４は、可動蓋部材の縦断面図である。

【図５】 図５は、可動蓋部材の平面図である。

【図６】 図６は、開位置にある開閉装置の縦断面図である。

【図７】 図７は、閉位置にある開閉装置の縦断面図である。

【図８】 図８は、本発明における固定蓋部材の縦断面図である。

【図９】 図９は、開閉装置の一態様を示している略平面図である。

【図１０】 図１０は、容器本体の縁に嵌入される開閉装置を示している縦断面図である。

【図１１】 図１１は、本発明における、開位置にある掛止機構の拡大図である。

【図１２】 図１２は、本発明における、閉位置にある掛止機構の拡大図である。

【図１３】 図１３は、容器が屋外に持ち出すのに特に最も良く適している本発明の実施の
形態を示している斜視図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｓ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (71)出願人 ＯＮＥ ＰＲＯＣＴＥＲ ＆ ＧＡＮＢＬ Ｅ ＰＬＡＺＡ，ＣＩＮＣＩＮＮＡＴＩ， ＯＨＩＯ，ＵＮＩＴＥＤ ＳＴＡＴＥＳ ＯＦ ＡＭＥＲＩＣＡ (72)発明者 ムニフ、ラシュド ドイツ連邦共和国、デー − 61267 ノ イ −アンスパッハ、マルティン・ニーモ エラー・ベーク ４ (72)発明者 バウアー、ライナー・リヒャルト ドイツ連邦共和国、デー − 65191 ビ ースバーデン、バルテシュトラーセ 22 Ｆターム(参考） 3E084 AA05 AA14 AA24 BA03 CA03 CB02 CC03 DA03 DB13 DC03 FA09 GA08 GB12 LA13

Claims (30)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体（11）に外嵌されるためのものであるか又はこの容
   器本体の一部であり、固定蓋部材（12）と、可動蓋部材（13）と、を具備してい
   る開閉装置（10）において、この固定蓋部材（12）は、容器内容物への経路を形
   成するために、可動蓋部材（13）が、固定蓋部材（12）に平行である平面に沿っ
   て摺動することを可能にするための手段を含んでいることを特徴とする開閉装置
   。
2. 【請求項２】 (a) 前記可動蓋部材（13）と前記固定蓋部材（12）とは、可
   動蓋部材（13）が閉位置にあるとき弾性エネルギーが蓄積される、少なくとも１
   つの弾性部材（21）によりつなげられており、 (b) 前記固定蓋部材（12）および前記可動蓋部材（13）の少なくとも一方は、可
   動蓋部材（13）を閉位置で支持するためのもの又は前記弾性部材（21）により引
   っ張られて保持されている可動蓋部材（13）を解放して、容器内容物への経路を
   提供するためのものである解除可能な掛止機構（25）を提供するような手段を含
   んでいる、 請求項１に記載の開閉装置。
3. 【請求項３】 前記解除可能な掛止機構（25）は、対応する凹所（27）に嵌
   入される留め具（26）を有している、請求項１又は２に記載の開閉装置。
4. 【請求項４】 前記解除可能な掛止機構（25）は、留め具（26）が接続され
   ている可動要素を動かして、凹所（27）から留め具（26）をはずすことにより、
   直接に解放される、請求項１ないし３のいずれか１項に記載の開閉装置。
5. 【請求項５】 前記解除可能な掛止機構（25）は、領域に弾性変形を施すこ
   とにより間接的に解放され、この領域は、凹所（27）から留め具（26）をはずす
   のに前記解除可能な掛止機構（25）の十分近くに位置している、請求項１ないし
   ３のいずれか１項に記載の開閉装置。
6. 【請求項６】 前記弾性部材（21）は、少なくとも、１点で固定蓋部材（12
   ）に取り付けられかつ少なくとも他の１点で可動蓋部材（13）に取り付けられて
   いる、請求項１ないし５のいずれか１項に記載の開閉装置。
7. 【請求項７】 鋭い角のない表面（19）を有している小出し手段（18）を含
   んでおり、この表面（19）は、連続するティッシュが使用中に向けられる限定口
   （20）を画定している、請求項１ないし６のいずれか１項に記載の開閉装置。
8. 【請求項８】 前記小出し手段（18）は、固定蓋部材（12）の一体的な部分
   として成型されている、請求項７に記載の開閉装置。
9. 【請求項９】 前記小出し手段（18）は、固定蓋部材（12）を取り付けるよ
   うに適合されている独立した要素である、請求項７に記載の開閉装置。
10. 【請求項１０】 前記小出し手段（18）は、容器に収納される製品を内包し
    ている独立した柔軟な袋の一部である、請求項１ないし６のいずれか１項に記載
    の開閉装置。
11. 【請求項１１】 前記可動蓋部材（13）の摺動の動きが、水平と垂直との両
    方の面内で直線的であり、この動きは、固定蓋部材（12）の一部として成型され
    ているガイドレール（17）により提供される、請求項１ないし１０のいずれか１
    項に記載の開閉装置。
12. 【請求項１２】 前記可動蓋部材（13）の摺動の動きが、垂直面内で円弧的
    であり、この動きは、固定蓋部材（12）の一部として成型されているガイドレー
    ル（17）により提供される、請求項１ないし１０のいずれか１項に記載の開閉装
    置。
13. 【請求項１３】 前記ガイドレール（17）は、途切れのないものである請求
    項１１又は１２に記載の開閉装置。
14. 【請求項１４】 前記ガイドレール（17）は、途切れのあるものである請求
    項１１又は１２に記載の開閉装置。
15. 【請求項１５】 前記可動蓋部材（13）は、１つの蓋からなる、請求項１な
    いし１４のいずれか１項に記載の開閉装置。
16. 【請求項１６】 前記解除可能な掛止機構は、固定蓋部材（12）と可動蓋部
    材（13）とに位置している、請求項１ないし１５のいずれか１項に記載の開閉装
    置。
17. 【請求項１７】 前記可動蓋部材（13）は、２つの摺動蓋（13a），（13b）
    からなり、接合線（13c）からの互いに対向する摺動方向を有しており、開閉装 置が開位置にあるとき容器内容物への経路が２つの摺動蓋（13a），（13b）間に
    形成される、請求項１ないし１４のいずれか１項に記載の開閉装置。
18. 【請求項１８】 前記解除可能な掛止機構（25）は、可動蓋部材（13）に位
    置している、請求項１ないし１４および１７のいずれか１項に記載の開閉装置。
19. 【請求項１９】 前記可動蓋部材（13）の摺動の動きが、軸周りの回転の動
    きであり、この動きは、固定蓋部材（12）から突出している突起により提供され
    る請求項１ないし１０のいずれか１項に記載の開閉装置。
20. 【請求項２０】 前記容器内容物への経路と前記小出し手段（18）とは、固
    定蓋部材（12）の中心に位置している、請求項１ないし１９のいずれか１項に記
    載の開閉装置。
21. 【請求項２１】 前記容器内容物への経路と前記小出し手段（18）とは、固
    定蓋部材（12）の一面に位置している、請求項１ないし１９のいずれか１項に記
    載の開閉装置。
22. 【請求項２２】 容器から一枚ずつ取り出されるために折り畳まれる、ティ
    ッシュ、好ましくはウェッテドティッシュ用に使用されるものである、請求項１
    ないし２１のいずれか１項に記載の開閉装置。
23. 【請求項２３】 前記可動蓋部材（13）、前記固定蓋部材（12）および前記
    独立した小出し手段（18）が１つでもあるならば、これらはプラスチック材料で
    形成されている、請求項１ないし２２のいずれか１項に記載の開閉装置。
24. 【請求項２４】 前記弾性部材（21）は、天然ゴム又は合成誘導体で形成さ
    れている、請求項１ないし２３のいずれか１項に記載の開閉装置。
25. 【請求項２５】 前記弾性部材（21）は、延出されている端部を有している
    １巻き又は多重巻きのコイルばねである、請求項１ないし２３のいずれか１項に
    記載の開閉装置。
26. 【請求項２６】 対応する容器本体のリブおよび溝(29)に嵌合されるリブお
    よび溝(30)を有しており、容器本体（11）に調整可能に装着され、組み立て完了
    後の表面が角をもたない、請求項１ないし２５のいずれか１項に記載の開閉装置
    。
27. 【請求項２７】 前記容器本体の外周上方端（11b）に重なる開閉タブを有 している、請求項２６に記載の開閉装置。
28. 【請求項２８】 前記開閉装置と前記容器本体との組み合わされた高さが、
    ５ｃｍ以下である、請求項１ないし２７のいずれか１項に記載の開閉装置。
29. 【請求項２９】 前記開閉装置と前記容器本体との組み合わされた高さが、
    ２．５ｃｍ以下である、請求項１ないし２８のいずれか１項に記載の開閉装置。
30. 【請求項３０】 前記容器本体（11）に外嵌されるためのものであるか又は
    この容器本体（11）の一面の一部であり、この容器本体（11）は、リムーバブル
    カバーにより閉じられる第２の開口面、好ましくは底面を具備している、請求項
    １ないし２９のいずれか１項に記載の開閉装置。