JP2001521748A - ファージ−プラスミド組換えを使用する遺伝子ターゲッティングのためのベクターの効率的な構築 - Google Patents

ファージ−プラスミド組換えを使用する遺伝子ターゲッティングのためのベクターの効率的な構築

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Abstract

(57)【要約】 細菌性ファージとプラスミドの間の相同組換えを介する、細菌における遺伝子ターゲッティング構築物の作製のための方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 特定の遺伝子(群)の機能(それらの健康関連機能を含む)を研究するための
最も有用なアプローチの1つは、それら遺伝子内の突然変異(すなわち、変異の
表現型)の効果を調査することである。このアプローチは、それらの突然変異か
ら生じる表現型または疾患状態を伴う特定遺伝子内の関連する突然変異を含む。
これは、嚢胞性線維症(Snouwaertら、Science、257:10
83(1992))、肥満(Zhangら、Nature、372:425(1
994))、多発性嚢胞腎疾患(Moyerら、Science、264:13
29(1994))、乳癌(Mikiら、Science、266:66〜71
(1994);Tavtigianら、Nat.Genet.、12:333〜
337(1996))、および他の疾患のような疾患に関する遺伝子の同定に、
近年、特に有益であった。これらの場合では、関係する遺伝子の機能は、それら
のDNA配列からだけでは明らかではなかったが、その遺伝子における突然変異
と関連する疾患状態によって、むしろ決定された。
【0002】 動物の特定遺伝子の機能を理解するための、特に生産的なアプローチは、「標
的化された突然変異変異誘発」と口語で呼ばれる、遺伝子機能の破壊を含む。標
的化された突然変異誘発の1つの一般的形態は、「遺伝子ノックアウト」の生成
を含む。代表的には、遺伝子ノックアウトは、早期胚段階にある動物の生殖細胞
系において遺伝子を破壊することを含む。(Thomasら、Cell、51:
503(1987)を参照のこと)。一度細胞生殖系における突然変異が確定さ
れると、ヘテロ接合およびホモ接合の両方の状態にある動物における突然変異の
効果を決定することは、生殖細胞系突然変異を有するマウスの適切な飼育によっ
て、可能である。
【0003】 遺伝子機能を調査するために利用されるノックアウト技術の使用の多くの例に
はMak,T.に与えられた米国特許第5,625,122号および第5,53
0,178号があり、これらはそれぞれ、リンパ球特異的チロシンキナーゼp5
lckおよびLyt−2をコードする破壊された遺伝子を有しているマウスの作 製を記載している。Silvaら、Science、257:201(1992
)は、異常な恐怖応答および攻撃行動を有する動物を生じる、破壊されたα−カ
ルシウムカルモジュリンキナーゼII遺伝子(αCaMKII遺伝子)を有する
マウスを作製した。(Chenら、Science、266:291(1994
)もまた参照のこと)。Wangら、Science、269:1108(19
95)は、塩基性(basic)ロイシンジッパー転写因子をコードする、C/
EPBα遺伝子のマウスにおける破壊が、この突然変異動物において、エネルギ
ー恒常性の障害を生じるということを示した。Knudsenら、Scienc
e、270:960(1995)は、マウスにおけるBAX遺伝子の破壊が、リ
ンパ球過形成および雄性生殖細胞の死を生じるということを示した。
【0004】 ノックアウト動物作製への最も一般的なアプローチは、標的遺伝子の部分と相
同なDNA配列に隣接される、選択マーカー遺伝子をコードするDNA構築物を
、相同組換えを介して標的遺伝子へ挿入すること(通常、胚幹細胞において)に
よる、標的遺伝子の破壊を含む。適切に設計された場合、このDNA構築物は、
効果的に、標的化された遺伝子に組み込まれ、そしてこの遺伝子を破壊し、それ
によって、この遺伝子にコードされる活性な遺伝子産物の発現を妨げる。
【0005】 相同組換えは、相同なDNA配列を介する2つの遺伝因子間(染色体外、染色
体内、または、染色体外因子と染色体座間のいずれか)の組換えを含み、このこ
とが、その遺伝因子間のDNAの物理的交換を生じる。相同組換えは、哺乳動物
細胞に限定されず、細菌細胞、酵母細胞、粘菌Dictyostelium d
iscoideumおよび他の生物においてもまた、生じる。哺乳動物細胞にお
ける相同組換えの概説として、Bollagら、Ann.Rev.Genet.
、23:199〜225(1989)(本明細書中に参考として援用される)を
参照のこと。真菌細胞における相同組換えの概説として、本明細書中に参考とし
て援用されるOrr−Weaverら、Microbiol.Reviews、
49:33〜58(1985)を参照のこと。
【0006】 前記に例証されるように、遺伝子ノックアウト技術は、しばしばマウスにおい
て使用され、そして多くの遺伝子の機能の同定、およびいくつかの場合、疾患に
おけるそれら遺伝子の役割の確定を可能にしてきた。マウス遺伝学の研究から、
ヒト遺伝子の機能について多くが学ばれ得る。なぜなら、人における大多数の遺
伝子は、マウスにおける相同な対照物を有するからである。これらの種間のこの
高いレベルの相同性に起因して、マウスにおいて選択される遺伝子に、標的化さ
れた生殖細胞系突然変異を生成することにより、個々のヒト遺伝子の機能を決定
すること、およびそれら遺伝子の健康および疾患における役割を解明することが
、現在可能である。生じる変異マウスの表現型は、ヒトにおける表現型を決定す
るのを補助するために使用され得る。
【0007】 マウスの突然変異が、ヒト由来遺伝子の機能について、このように有用な洞察
を提供し得るという増大する認識を伴って、大きな関心が生じており、マウスの
遺伝子内に系統的に突然変異を生成させることになっている。このマウス遺伝子
は、ヒトゲノムプロジェクトのような種々のゲノムイニシアチブの一部として分
離され、そして特徴付けられるそれらヒト由来遺伝子に対応する。これらの手順
を大スケールの突然変異実験に利用するのに伴う問題は、トランスジェニック動
物の作製および標的化された突然変異に関する技術が、現在とても退屈で、高価
で、そして労働集約的であるということである。
【0008】 標的化された突然変異の効率的生成に伴う最も大きな問題の1つは、ターゲッ
ティング構築物の作製である。ターゲッティング構築物は、目的の領域を含むゲ
ノムのクローンを分離し、制限地図を明らかにし、しばしば制限部位をそのクロ
ーンに操作し、そして手作業でフラグメントを切断し、そしてくっつけて、その
構築物を操作することによって、代表的には調製される。例えば、Mak,T.
米国特許第5,625,122号および第5,530,178号;Joyner
ら、Nature、338:153〜156(1989);Thomasら、前
出;Silvaら、前出、Chenら、前出;Wangら、前出;およびKnu
dsenら、前出を参照のこと。このプロセスは、一人の高度に熟練した個人を
、少なくとも何週間、しばしば何ヶ月、完了するために奪う。従って、より迅速
に、かつ効率的に種々の遺伝子の機能を解明し、そして健康および疾患における
それら遺伝子の役割を理解するために、詳細な制限地図作成および相当の他のあ
る複雑な分子工学工程を必要としない、ターゲッティング構築物の作製のための
より効率的な方法を開発する必要が存在する。
【0009】 (発明の要旨) 本発明は、バクテリオファージとプラスミドの間の相同組換えを介して、遺伝
子ターゲッティング構築物を作製するための方法に関する。より詳細には、本発
明は、単一の相同組換え事象を介して、細菌中の遺伝子ターゲッティング構築物
を生成するための方法に関する。この方法は、サプレッサーtRNA遺伝子(好
ましくは細菌複製起源)およびプローブDNAを含むプローブプラスミドを調製
する工程を含み、このプローブDNAは、標的化される遺伝子(例えばエキソン )の少なくとも一部を含む。このプローブプラスミドは、相同組換えプロフィシ
ェント(proficient)な、サプレッサーフリーの細菌宿主細胞の集団
へ導入される。
【0010】 この方法はさらに、ファージ増殖に必要な遺伝子に少なくとも1つの抑制可能
な突然変異および標的DNAを含む標的ファージを調製する工程を含み、この標
的DNAは、標的にされるゲノム領域の一部を含み、そしてプローブプラスミド
のプローブDNAの全て、または部分と相同である。次に、このプローブプラス
ミドを含む細菌細胞の集団は、この標的ファージに感染させられ、そしてファー
ジおよびプローブプラスミドが、それらの相同なDNAを経由しての組換えを可
能にする。次に、組換えファージは、プローブプラスミドからこの標的ファージ
へのサプレッサーtRNA遺伝子の取り込みのおかげで、サプレッサーフリー宿
主細胞で増殖するその能力によって、単離され得る。
【0011】 好ましくは、このプローブプラスミドのプローブDNAは、少なくとも約20
ヌクレオチドから約40ヌクレオチドのプローブDNAを含む。本発明の実施に
好ましいサプレッサーtRNA遺伝子は、アンバー抑圧遺伝子であるSupFで
ある。本発明のプローブプラスミドは、マーカーカセットをさらに含み得、この
マーカーカセットは、サプレッサーtRNA遺伝子および哺乳動物細胞選択マー
カーを含み、このマーカーカセットは、プローブDNAに少なくとも片側で隣接
される。好ましくは、このマーカーカセットは、少なくとも約20ヌクレオチド
から約40ヌクレオチド以上のプローブDNAに、両側から隣接される。本発明
の実施に好ましい哺乳動物細胞選択マーカーは、neo遺伝子である。しかし、
その遺伝子を発現する細胞に抗生物質耐性を与えるレポーター遺伝子、または化
学的検出または物理的検出を可能にするマーカー遺伝子のような、他のレポータ
ー遺伝子もまた、本発明の範囲内にあるとして意図される。哺乳動物細胞選択マ
ーカーは、好ましくは、胚幹細胞においてこの選択マーカー遺伝子の発現を可能
にするプロモーターに、作動可能に連結される。本発明に従う好ましいプロモー
ターは、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモーターであるが、胚幹細
胞において機能し得る他のプロモーターが、当該分野において周知であり、そし
て本発明の範囲内にある。本発明の実施のための好ましいバクテリオファージは
、ラムダファージであるが、他のバクテリオファージが本発明の実施において使
用され得る。
【0012】 本発明はまた、二重組換えのために、ターゲッティング構築物を作製するため
の方法に関する。この方法は、マーカーカセットおよびリンカーDNAを含む環
状プローブプラスミド/特異的に操作されたフラグメント(SEF)を調製する
工程を含み、このマーカーカセットは、サプレッサーtRNA遺伝子および哺乳
動物選択マーカーを含み、このマーカーカセットは、標的にされる遺伝子と相同
なプローブDNAに両側で隣接されており、そしてこのリンカーDNAは、環状
プラスミドを形成するために、マーカーカセットに隣接するプローブDNAを連
結するために働く。次に、この環状プローブプラスミドは、組換えプロフィシェ
ントなサプレッサーフリー細菌宿主細胞の集団へ導入される。この方法はさらに
、標的ファージを調製する工程を含む。この標的ファージは、ファージ増殖に必
要な遺伝子において、少なくとも1つの抑制可能な(例えばアンバー) 突然変異 を含み、そして標的DNAは、標的にされるゲノム領域の一部を含む。この標的
DNAは、この環状プローブプラスミド上のプローブDNAの全て、または部分
と相同なDNA配列を含む。次にこの標的ファージは、プローブプラスミド/S
EFを含む細菌細胞の集団を感染させるために使用され、そしてこのファージお
よびプラスミドは、その相同DNAを介して組換えが可能である。次に、この感
染細胞における相同組換えによって作製されるファージは、上記のように、ター
ゲッティング構築物としての使用のために単離される。
【0013】 好ましくは、環状プローブプラスミドのプローブDNAは、約40bpより大
きいプローブDNAを各々含む。本発明の好ましい実施態様において、サプレッ
サーtRNA遺伝子はSupFである。本発明の実施のための好ましい哺乳動物
細胞選択マーカーは、neo遺伝子であるが、例えば、抗生物質耐性を与える他
のマーカー、または化学的または物理学的に検出可能な他のマーカーもまた、本
発明の範囲内にあるとして意図される。この哺乳動物細胞選択マーカーは、好ま
しくは、胚幹細胞においてこのマーカー遺伝子の発現を駆動し得るプロモーター
に、作動可能に連結される。本発明の実施にとって好ましいプロモーターは、ホ
スホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターであるが、胚幹細胞において
遺伝子の発現を駆動し得る他のプロモーターもまた、本発明の範囲内である。本
発明の実施に好ましいファージは、ラムダファージである。
【0014】 本発明はまた、本発明の方法によって作製される、または得られる、ターゲッ
ティング構築物に関する。
【0015】 本発明の別の局面は、ターゲッティング構築物を作製または得るための方法に
関し、その方法は、適切な栄養および環境状況下で、本発明の標的ファージおよ
びプローブプラスミドまたは本発明のプローブプラスミド/SEFを含む相同組
換えプロフィシェントな細菌細胞の集団を培養する工程、およびこの標的ファー
ジとそれぞれのプラスミドとの間の相同組換えから生じるファージを単離する工
程を含む。
【0016】 (発明の詳細な説明) 本発明の1つの局面において、本発明は、動物のゲノムに、特定の遺伝子座で
の破壊(すなわち、標的化された変異)を導入することを目的とした、ターゲッ
ティング構築物の産生のための方法に関する。本発明のターゲッティング構築物
はまた、他の機能的な遺伝子をゲノム遺伝子座に導入する(「ノックイン」)、
または遺伝子の機能もしくは発現を別に変化させる(例えば、染色体座の遺伝子
と作動可能に連結して配置するように外来のプロモーターをノックインすること
によって)ために用いられ得る。ターゲッティング構築物は、ターゲッティング
構築物中の相同な配列と、目的とするゲノム領域または遺伝子の配列との間の相
同組換えを媒介する細胞の能力を利用することにより、適切なゲノム位置に挿入
される。
【0017】 ターゲッティング構築物を構築するための伝統的な方法とは異なり、本発明の
実施は、ターゲッティング構築物を調製するために詳細な制限地図または広範囲
のDNA配列情報を必要としない。そのような詳細な情報が、本発明に従うター
ゲッティング構築物の調製に必要ではないために、ベクターは、以前用いられた
方法よりも、より早くそして効果的に生成され得る。
【0018】 より詳細に、遺伝子の標的化された変異誘発は、破壊されるべき遺伝子中の部
位への適切なターゲッティング構築物の導入による、動物(または培養物)の1
細胞、選択された細胞、もしくは全ての標的化された遺伝子にコードされたポリ
ペプチドの通常の産生または細胞の構造の変化(すなわち、部分的または完全な
不活化)を意味する。
【0019】 標的化された変異誘発は、遺伝子を「ノックインすること」もまた意味する。
これは、他の適用が可能であるが、例えば、2つの遺伝子が機能的に同じである
かどうかの決定(Hanksら、Science、269:679(1995)
、本明細書中に参考として援用される、参照のこと)を目的とした、ある遺伝子
ともう1つの遺伝子の全てまたは一部の置換を意味する。例えば、プロモーター
のような転写制御配列(エレメント)は、構造遺伝子に作動可能に連結されるよ
うになり、それによって構造遺伝子の発現を調節するようにゲノムの領域にノッ
クインされ得る。いくつかの場合では、転写制御配列は、構造遺伝子に隣接する
領域にノックインされ得、そしてさらに遺伝子と作動連結して位置され得る。
【0020】 ほとんどの場合、ターゲッティング構築物は、破壊される遺伝子の少なくとも
一部を含むように構築される。代表的には、ターゲッティング構築物中に含まれ
る遺伝子の一部は、マーカー配列(通常、選択マーカー)の挿入により中断され
、このマーカー配列は、活性な遺伝子産物の発現を防止するように、中断された
遺伝子のリーディングフレームを破壊する。これは、ほとんどしばしば、遺伝子
のノックアウトまたは不活化を起こす。例示的な選択マーカーは、マーカーが導
入される胚細胞で機能するプロモーターの制御下のneor遺伝子である。例え ば、ホスホグリセリン酸キナーゼプロモーター(PGK)は、neo遺伝子の発
現を制御し、それにより、neor遺伝子を発現している細胞にG418に対す る抵抗性を与えるために使われ得るが、ES細胞で選択マーカーの発現を駆動し
得る他のプロモーターもまた、用いられ得る。
【0021】 本発明以前は、代表的にはターゲッティング構築物の調製には、最後に標的化
されたベクターを生成するためのDNA断片を「切り貼りする」ために用いられ
る、遺伝子断片中の都合のよい制限部位を同定するために、詳細な制限酵素地図
作成が含まれた。しかしながら、地図では、都合のよい制限酵素部位が利用でき
ず、そしてそのためにターゲッティング構築物の種々の構成成分に操作されなけ
ればならないことが、頻繁に見られる。本発明によると、詳細な地図および配列
情報は、ターゲッティング構築物の調製のためには必要ではなく、その結果、タ
ーゲッティング構築物の調製において時間および労力の有意な節約となる。
【0022】 そのようなターゲッティング構築物が、胚幹細胞に導入される場合、それらは
、構築物および破壊される遺伝子ゲノム領域の両方において、相同な配列を介し
て、細胞内の標的遺伝子と組み換え得る。上述のように、相同組換え事象の結果
は、しばしば、標的化された遺伝子へのマーカー配列の挿入であり、それにより
遺伝子を破壊する。同様に、遺伝子をノックインするために設計されたターゲッ
ティング構築物は、相同組換えにより相同なゲノムの部位を組み換え得、そして
、その遺伝子座への遺伝子の全てまたは一部の導入を引き起こす。遺伝子をノッ
クインするための技術は、本明細書中に参考として援用されているHanksら
、Science、269:679(1995)に詳細に記載されている。
【0023】 動物の生殖系列にターゲッティング構築物を導入するために、まず、ターゲッ
ティング構築物は胚幹(ES)細胞と称される未分化な分化全能性細胞に導入さ
れる。ここでその構築物は、それらの相同な配列を介して選択されたゲノム領域
と組み換え得る。ES細胞は、それらが導入される発生中の胚と同種の胚または
胚盤胞に由来する。ES細胞は、代表的には、内部細胞塊に組み込む、および発
生の胚盤胞期の胚において、哺乳動物に導入される場合の個体の生殖系列に貢献
するそれらの能力について選択される。従って、この能力を有する任意のES細
胞系が、本発明の実施における使用に適している。
【0024】 細胞は、当業者に周知の方法を用い、培養され、そしてターゲッティング構築
物を導入するために調製される(例えば、Robertson,E.J.編「T
eratocarcinomas and Embryonic Stem C
ells,a Practical Approach」IRL Press、
Washington D.C.(1987);Bradleyら、Curre
nt Topics in Devel.Biol.20:357−371(1
986);Hoganら、「Manipulating the Mouse
Embryo」:A Laboratory Manual、Cold Spr
ing Harbor Laboratory Press、Cold Spr
ing Harbor New York(1986);Thomasら、Ce
ll、51:503(1987);Kollerら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci. USA、88:10730(1991);Dorinら、Tr
ansgenic Res.、1:101(1992);およびVeisら、C
ell、75:229(1993)これらはすべて、本明細書に参考として援用
される、を参照のこと)。ターゲッティング構築物は、エレクトロポレーション
法、リン酸カルシウム共沈法、レトロウイルス感染法、マイクロインジェクショ
ン法、リポフェクション法、およびその他の方法を含む、当該分野で公知である
いくつかの方法のいずれか1つによりES細胞内に導入され得る。標的化された
遺伝子へのターゲッティング構築物の挿入は、代表的には、上述のように代表的
には標的の細胞型で機能性であるプロモーターの制御下にあるターゲッティング
構築物に含まれる遺伝子マーカーの発現について細胞を選択することにより検出
される(すなわち、胚幹細胞で機能するプロモーター)。そして、マーカー配列
を発現するES細胞は、単離され、そして増幅される。
【0025】 次に、破壊を有するES細胞は、早期段階のマウス胚(例えば、胚盤胞)に導
入される(例えば、Robertson、上記、Bradley、上記、および
Monsourら、Nature、336:348(1988)、本明細書に参
考として援用される、を参照のこと)。この目的のために用いられた胚盤胞およ
び他の早期段階の胚は、例えば、Robertsonら、上記、およびBrad
leyら、上記、において記載されている方法により、妊娠中の動物の子宮をフ
ラッシング(Flushing)することにより得られる。胚盤胞の適切な発生
期は、種に依存するが、マウスは受精してから約3.5日後である。
【0026】 適切な齢/発生期の任意の胚が、改変ES細胞の移植に適しているが、好まし
いほとんどの胚は雄であり、そしてES細胞遺伝子によりコードされた毛皮の色
またはその他の表現型マーカーとは異なる、毛皮の色またはその他の表現型マー
カーをコードする遺伝子を有する。このように、子孫は、モザイク模様の毛皮(
例えば、野ネズミ色)またはその他の表現型マーカー(ES細胞が、発生中胚に
とり込まれたことを示す)を探すことにより、標的化された変異の存在について
容易にスクリーニングされ得る。従って、例えば、ES細胞系が白い毛皮の遺伝
子を有する場合、選択される宿主胚は、好ましくは、黒または野ねずみ色の毛皮
の遺伝子を有する。
【0027】 ターゲッティング構築物を有するES細胞を含む胚を調製する代わりとなる方
法は、「凝集キメラ(aggregation chimeras)」の生成で
ある。適切な発生期(マウスでは受精後約2 1/2日後)の桑実胚が、単離さ
れる。透明帯は、桑実胚を約30秒間の弱酸性液で処理することにより取り除か
れ得、それにより桑実胚を含む細胞の「集塊(clump)」を露出させる。次
いで、マウスのR1細胞系のような特定のタイプのES細胞が、桑実胚細胞と共
培養され、桑実胚およびES細胞の凝集キメラ胚を形成し得る(Joyner
A.L.「Gene Targeting」、The Practical A
pproach Series、JRL Press Oxford Univ
ersity Press、New York、1993、本明細書に参考とし
て援用される)。
【0028】 凝集キメラ胚の微細な方法は、ノックアウト構築物を含む、それらのES細胞
のみで基本的に構成される胚を生成するために用いられ得る。この技術において
、ごく初期段階での接合体(例えば、マウスの2細胞期接合体)には、穏やかな
電気的ショックが与えられる。このショックは、接合体中の細胞の核の融合に役
立ち、それによって同じ発生期の天然に存在する接合体の2倍(またはそれ以上
)のDNAを有する1つの核を生成する。これらの接合体細胞は、本来の発生中
の胚から除外され、そして胚体外膜のような補助的な胚の構造の形成にのみ貢献
する。従って、ES細胞が、接合体細胞と共培養された場合、発生中の胚は、独
占的にES細胞で構成される(Joyner、A.L.、上記参照のこと)。
【0029】 ES細胞が、凝集キメラまたは胚盤胞中に取り込まれた後、胚は、偽妊娠の養
母の子宮に移植され得る。任意の養母が用いられ得るが、好ましい養母は、代表
的には、それらが良好に繁殖および生殖する能力、およびそれらが子供の面倒を
見る能力について選択される。そのような養母は、代表的には、同種の精管切除
された雄と交配することにより調製される。養母の偽妊娠の段階が、移殖の成功
のために重要であり、そしてそれは種に依存している。マウスでは、この段階は
、約2〜3日の偽妊娠である。
【0030】 養母から生まれた子孫は、まず最初に、モザイク色の毛皮または他の表現型マ
ーカー(表現型選択ストラテジーが利用される場合)についてスクリーニングさ
れ得る。さらに、または代替法として、子孫の尾組織から得られる染色体DNA
が、サザンブロット法および/またはPCR法を用いて、標的化された変異の存
在についてスクリーニングされ得る。標的化された遺伝子座での相同組換えが陽
性である子孫は、代表的には、宿主胚由来の野生型細胞と注入ES細胞(例えば
、キメラの子孫)由来のヘテロ接合体細胞とのモザイクである。標的化された変
異についてヘテロ接合性である(すなわち、それらの全ての細胞が変異について
ヘテロ接合性である)子孫を生成するために、キメラ子孫は、野生型のパートナ
ーと交配させられる。
【0031】 マイクロインジェクション法を用いてトランスジェニック哺乳動物(ウサギ、
ブタ、およびラットを含む)を作製するための方法は、Hamerら、Natu
re 315:680−683(1985)に記載されている。
【0032】 標的化された変異についてホモ接合性の動物が所望される場合、それらは、標
的化された変異についてヘテロ接合性である動物との交配により調製され得る。
破壊についてホモ接合性である哺乳動物は、この交配の産物である哺乳動物なら
びに既知のヘテロ接合体である同種の哺乳動物および野生型の哺乳動物からの等
量のゲノムDNAのサザンブロッティング法により同定され得る。あるいは、変
異遺伝子座と同時分離する特定の制限断片長多型が、検出され得る。ゲノムDN
A中のターゲッティング構築物の存在についてのサザンブロットをスクリーニン
グするためのプローブは、以下に記載のように設計され得る。
【0033】 破壊された遺伝子を有する子孫を同定および特徴づける他の手段もまた、利用
可能である。例えば、ノーザンブロット法は、転写産物の存在または欠如につい
て、子孫の種々の組織から得たmRNAをプローブするために用いられ得る。標
的化された遺伝子によってコードされる転写産物の長さの違いもまた、検出され
得る。さらに、ウエスタンブロット法は、標的化された遺伝子によってコードさ
れたタンパク質に対する抗体を用いたウエスタンブロットの探索により、標的化
された遺伝子の発現のレベルを評価するために用い得る。ウエスタンブロットの
ためのタンパク質は、この遺伝子が通常に発現している組織から単離され得る。
最後に、子孫からの種々の細胞のインサイチュ分析(例えば、細胞の固定、およ
び抗体または核酸プローブでの標識化)および/またはFACS(蛍光活性化セ
ルソーター)分析は、遺伝子産物の存在または欠如を探すために適切な抗体を使
用して実施され得る。
【0034】 前記の議論は、相同組換えによるゲノム部位へのDNAの導入のための、ター
ゲッティング構築物の使用を記載したが、相同組換えのプロセスもまた、本発明
に従い、ターゲッティング構築物自体を調製するために使われ得る。
【0035】 本発明の方法は、Seed(Nucleic Acid Res. 11:2
427−2445、1980)により記載されているπvxスクリーニング手順
の特定の局面を開発し、そして詳細な制限酵素地図の必要なく、かつ限られたD
NAの配列情報を用いて、マウスに変異を導入するための標的ベクターの迅速な
生成を可能にする。本発明の方法は、プラスミド中のDNA配列がバクテリオフ
ァージ(「ファージ」)中の相同なDNAと組み換え、ファージへのプラスミド
保有DNA(plasmid−born DNA)の少なくとも一部分の挿入を
生じる能力を利用する。
【0036】 概要として、本発明は、標的化される遺伝子と相同なDNA(プローブDNA
)、サプレッサーtRNA遺伝子、および好ましくは哺乳動物選択マーカーをコ
ードする遺伝子を含む「プローブ」プラスミド構築物を調製することによる、タ
ーゲッティング構築物を調製するための方法に関する。破壊される遺伝子の少な
くとも一部分を含み、そして「プローブ」プラスミド中のDNAとの相同性およ
びファージの成長に重要な遺伝子における1つまたはそれ以上の抑制可能な変異
を有する、DNAを有する標的ファージもまた、調製される。次いで、プローブ
プラスミドは、組換えコンピテント細菌細胞の集団に導入される。次いで、プロ
ーブプラスミドを含む細胞の集団が、標的ファージに感染される。次いで標的フ
ァージおよびプローブプラスミドが、プローブプラスミド配列を、それらの相同
な配列を介して、ファージ挿入片の相同な領域に挿入する、それらの上述の相同
なDNAによって組換え得る。次いで、組換えられたファージが、単離、増幅さ
れ、そして哺乳動物細胞のためのターゲッティング構築物として用いられ得る。
【0037】 本発明の別の局面において、プローブプラスミドが調製され、ここで標的化さ
れるcDNAまたはゲノムDNAの一部分を含む「プローブ」DNAが、サプレ
ッサーtRNA遺伝子を含む小さなプラスミドに挿入される。模範的なプラスミ
ドは、πVX(Seed、上記)、πAN13(Sambrookら、Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual、p.
1.19節、Cold Spring Harbor Laboratorie
s(1989))、およびπAN7(Lutzら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、84:4379(1987)およびAusubelら、p
.5.0.1−5.11.2(本明細書に参考として援用される))を含む。c
DNAライブラリーを作製し、そこから適切なcDNAを入手する方法は、当該
分野で周知であり、そしてSambrookら、p.8.2−8.93(本明細
書に参考として援用される)に記載されている。プローブプラスミドはまた、哺
乳動物細胞(例えば、胚幹細胞)における選択のためのマーカーもまた含み得る
。哺乳動物マーカーは、生化学的な選択を可能にし得る(例えば、抗生物質耐性
の付与、例えば、または物理的な選択、例えば蛍光タンパク質ルシフェラーゼの
発現、またはその発現が物理的な手段により検出され得るその他のマーカー)。
好ましくは、選択マーカーは、プローブDNAにより、両端が隣接されている。
そのような隣接するプローブDNAは、好ましくは少なくとも約20〜約40b
pの長さである。次いで、プローブプラスミドは、例えばエレクトロポレーショ
ンによって、組換えプロフィシエント(recombination−prof
icient)細菌細胞(サプレッサーなし)に導入される。細胞にプラスミド
を導入するための他の方法は、Sambrookら、上記に記載され、そして当
該分野で周知である。プロモーター配列をノックインするためのターゲッティン
グ構築物の調製に用いるためのプローブプラスミドは、例えば、選択マーカーお
よびサプレッサーt−RNA遺伝子が、ノックインされるDNAの5’に並列な
位置にあるマーカーカセットを含む。あるいは、特異的設計断片(SEF)と呼
ばれるプローブプラスミドは、選択マーカー、およびスペーサーまたはリンカー
DNAのそれぞれの側面に隣接した、40以上の塩基対のプローブDNAを含む
ように構築され得る。そのようなSEFは、二重相同組換えにより、ターゲッテ
ィング構築物を生成するために有用である。
【0038】 次いで、プローブプラスミドを含む細菌細胞の集団が、標的化されるゲノム部
位を含む標的ファージに感染させられる。溶菌増殖を制御するファージの単数ま
たは複数の遺伝子におけるアンバー変異が、重要である。標的ファージは、当該
分野で周知であり、そしてSambrookら、p.9.2−9.58またはA
usubelら、p5.0.1−5.11.2(どちらも本明細書に参考として
援用される)に詳細に記載されている方法により調製された、ゲノムライブラリ
ーから獲得され得る。好ましくは、ベクターファージは、変異が抑制された場合
、容易に検出可能である遺伝子(例えば、溶菌増殖のための遺伝子またはβガラ
クトシダーゼをコードするlacZ)におけるアンバー抑制変異もまた有する。
【0039】 次いで、プローブプラスミドを含有する細胞が、上述したような標的ファージ
に感染させられる。その後、プローブプラスミドは、それらの相同な配列の間で
の相同組換えにより、標的ファージと組換える。プローブプラスミドとの相同組
換えを介して遺伝子を取り込むこれらのファージだけが、サプレッサーフリー宿
主細胞で増殖し、そしてそれゆえ容易に単離され得る。選択マーカーを含むプラ
スミド配列のファージへの挿入は、標的ファージによって運ばれる遺伝子配列を
中断する。
【0040】 次いで、これらの新しく生成されたファージから単離されたDNAが、例えば
上述の方法を用いてES細胞において、標的化された変異の導入のためのターゲ
ッティング構築物として用いられ得る。以下に述べる実施例は、ターゲッティン
グ構築物が細菌における相同組換えによってどれだけ効率的に生成され得るかを
試験するためのモデルとして、マウスTg737遺伝子を用いる。
【0041】 実施例1は、単一相同組換えによるターゲッティング構築物の産生を記載する
【0042】 実施例2は、特異的設計断片と呼ばれるプローブプラスミドを用い、二重相同
組換えによるターゲッティングベクターの産生を記載する。
【0043】 アプローチを、特定のプラスミドおよび特定のファージを参照して説明する。
しかしながら、サプレッサー遺伝子、ならびにゲノムまたはcDNAの断片、お
よび他の適切な選択マーカーを運ぶ能力を含む、類似した特徴を有する他のプラ
スミドも使用し得る。同様に、異なったファージもまた、プラスミドにより提供
されるt−RNAサプレッサー遺伝子によって補完され得る、適切な抑制可能な
変異を含む限り、使用され得る。
【0044】 (実施例1:細菌宿主細胞中の単一相同組換えによる標的ベクターの産生) モデル系を用いて、相同組換えが細菌細胞中の標的ファージとプローブプラス
ミドの間に生じ得るという事実を利用することにより、標的ベクターを調製し得
ることを実証した。モデル遺伝子として、マウスTg737を利用した(Moy
erら、Science,246:1329(1994)を本明細書中で参考と
して援用する)。
【0045】 アンバー変異を有するラムダファージを包含する標的ファージを産生するため
、マウスTg737遺伝子(その遺伝子のエキソンIIを含有する)の一部を含
む野生型ゲノムクローンの17kb SalI挿入断片、(標的遺伝子)を、S
yrinx 2Aファージ腕部へサブクローニングし(Lutzら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,84:4379(1987)、本明細書
中で参考として援用する)、そしてファージを当該分野で周知である方法を用い
てパッケージングした(図1を参照のこと)。Tg737遺伝子の17kb部分
を本実施例に用いたが、標的ファージにおいて用いた遺伝子のサイズは変わり得
る。好ましいサイズは、約15kb〜20kbである。さらにその挿入物は、ゲ
ノムDNAの一部である必要がなく、cDNAの一部である必要もまたあり得る
。Syrinx 2Aファージ(ラムダファージベクター)は、効率的なファー
ジ−プラスミド組換え体のために必要とされる、多重クローニング部位およびr
ap遺伝子を保有する。Syrinx 2Aファージは、ラムダA、B、および
S遺伝子中にアンバー変異を有し、これらの遺伝子は、溶菌増殖のために不可欠
であり、そしてそのために、自発的復帰の頻度は非常に低い。標的Tg737D
NAを保有する生じたファージを、Syrinx 2A(Tg737−17)と
呼ぶ。
【0046】 プローブプラスミドを調製するために、Tg737のエキソンIIを含む、A
TGを含有するTg737遺伝子の1.2kb EcoRIゲノムフラグメント
(プローブDNA)を、クローン化したゲノム配列から単離し、そしてプローブ
プラスミドπANTg737−1.2を生成するために、πAN13プラスミド
(Sambrookら、前出およびLutzら、前出を参照のこと)へ挿入した
(図1を参照のこと);20〜40bpの短さの配列の伸長もまた、これらの実
験に用い得る。プローブDNAもまた、cDNAおよびゲノムDNAから誘導し
得る。πAN13プラスミドは、効率的な組換えスクリーニングのために設計し
た高コピー数ミニプラスミドであり、そしてSyrinx 2A(Tg737−
1.2)で見出したアンバー変異を抑制し得るサプレッサーt−RNAを産生し
得るsupF遺伝子を含有する。
【0047】 プラスミドπANTg737プラスミドを次に、エレクトロポレーション(S
ambrookら、1.74〜1.75頁)によりE.coli MC1061
(sup0)へ導入した。結果として生じたπANTg737−1.2を含むE
.coliの集団を次に、慣用的方法(Sambrookら、2.6頁以下参照
)を用いてSyrinx 2A(Tg737−17)に感染させ、そして相同組
換えがSyrinx 2A(Tg737−17)とπANTg737−1.2と
の間で生じさせた。
【0048】 図2に示すように、標的ファージ(Syrinx 2A(Tg737−17)
)とプローブプラスミド(πANTg737−1.2)との間の相同組換えは、
その相同Tg737配列を介して標的ファージのTg737遺伝子セグメントへ
のsupF遺伝子の組込み、そしてプローブDNAの重複を生じる。組換え体フ
ァージへのsupF遺伝子の組込みは、LG75細胞(sup0、LacZAM
)における活性なβ−ガラクトシダーゼの産生により証明した。
【0049】 標的ファージ中の相同DNAへのプローブDNAの組込みは、単一相同組換え
と呼ばれるものにより生じ、そして、上記のように、標的ファージの組換え部位
においてプローブプラスミド配列の重複を生じる。重複を有するターゲッティン
グ構築物を哺乳動物細胞中の標的ゲノム部位へ導入する場合、このような重複配
列の存在は、選択的スプライシングを破壊された遺伝子の転写の後に生じさせ得
、それによって破壊物をスプライシングして除き得る。しかしながら、このよう
な選択的スプライシングの可能性は、単一のエキソンのオープンリーディングフ
レームの中で生じる、少なくとも20〜40bpのゲノムまたはcDNAフラグ
メントを有するプローブプラスミドの調製によって最小化し得る。これはエキソ
ンの一部の重複を引き起こす。重複領域のサイズを入念に選択した場合(すなわ
ち、3bpの倍数でない)、リーディングフレームシフト、そして遺伝子発現の
破壊を引き起こす。
【0050】 単純な1工程遺伝的選択をプローブプラスミドと相同組換えを起こしているフ
ァージの検出のために開発し、そして図2に概略的に例示する。2つの判定基準
を、正確に相同組換えが生じていたか証明するために用いた。
【0051】 第1に、プローブプラスミドが有するsupF遺伝子の標的ファージが保有す
る標的ファージ中への組込みは、サプレッサーの無い(またはSup0)宿主細 胞中で増殖し得る組換え体ファージを産生し、そしてファージの溶菌増殖のため
の遺伝子およびβ−ガラクシダーゼにおけるアンバー変異体の抑制により、活性
なβ−ガラクシダーゼの産生を許容する。サプレッサーのないE.coli L
G75のようなLacZAM細胞上にプレートした場合、これらのファージを、
青いプラークを生じるファージの能力により簡単に検出する。
【0052】 第2に、相同組換えは、可逆的プロセスである。相同組換え事象の反転の頻度
を、世代あたり102〜103のオーダーであると推定している。プラスミド配列
の切除の頻度を、プロフィシエント宿主細胞における組換えファージの増殖によ
り検出した。SupF遺伝子を失ったファージは、SupF+(E.coli LE392)宿主細胞においてのみ増殖し得るが、SupF−宿主細胞(LG7
5)では増殖しない。
【0053】 最後に、相同組換えを、EcoRI、BamHI,SalI、HindIII
、XbaI、またはSacIを用いた制限地図により最終的に確認した。この解
析およびπAN13の公知の制限地図に基づき、標的ファージSyrinx 2
A(Tg737−17)とプローブプラスミドπAN13(Tg737−1.2
)との間に相同組換えから生じることを示した。
【0054】 これらの研究は、ターゲッティング構築物が、本発明の方法による細菌中の単
一相同組換えにより、広範なDNA配列情報なしに、および標準方法で通常必要
とされる詳細な制限地図なしに、効率的に産生され得ることを証明する。
【0055】 (実施例2:細菌中の二重相同組換え) 上記のように、単一相同組換えにより産生したターゲッティング構築物は、標
的ファージ中の挿入部位において配列の重複(破壊される領域に対応するゲノム
またはcDNAの部分)を有する。しかしながら、標的配列の重複を生じない二
重相同組換えにより、ターゲッティング構築物を生成するために用いられるプロ
ーブプラスミドの生成が可能である。
【0056】 例として、SupF遺伝子およびneor遺伝子を含むプラスミド(pBS/ πAN/neo)を、プラスミドpBluescript(Stratagen
e,La Jolla,CA)の多重クローニング部位へのSupF遺伝子、c
olE1遺伝子、およびneor遺伝子の挿入により図4に概説したように構築 する。このプラスミドはPCR反応におけるキメラプライマーを用いるプラスミ
ド/特異的操作フラグメントを産生するための鋳型として用いる。キメラプライ
マーは、Tg737遺伝子のエキソンIIの5’および3’末端に対応する配列
の40塩基より多くを含むのが好ましく、そしてSup遺伝子の5’およびpB
S/πAN/neoの機能的neor遺伝子の3’末端に対応する配列の20塩 基を含むのが好ましい。 例示プライマーとしては、 CAAATGATGGAAAATGTTCATCTGGCACCAGAAACA
GATG(配列番号1)、 CTCAGTATCATAGGCTGGGTTGTAGTCGTTGAAACC
AGAG(配列番号2)が挙げられる。 2.5kb PCR生成フラグメントの環状化は、T/Aベクター中へのクロー
ニングが、または合成リンカーを用いる連結反応により達成し、そしてそれによ
ってプラスミド(πTg737SEF1(Tg737SEF1))を生成した。
【0057】 プラスミドTg737SEF1を次に、E.coli株(Mc1061cp3
)へ導入し、そしてTg737SEF1を含む細菌細胞を次に、実施例1に記載
のファージを用いる組換えのためにSyrinx 2A(Tg737−17)を
用いて感染した。組換え体ファージを次に、実施例1に記載した方法に従い選択
する。この手順で選択したファージは、単一および二重相同組換え双方により生
じ得る。二重相同組換えより生じる組換え体ファージの選択を、図5中に概説し
たスキームにより達成した。簡単には(図5に例示した)、組換え体ファージは
、非選択的条件下で増殖し得る。単一相同組換え事象を起こしたファージおよび
その結果のプローブ配列の重複は、重複配列の自発的切除を起し、SupF遺伝
子の欠損もまた生じる。ファージを次に、サプレッサーの無い宿主細胞上にプレ
ートし、そこで、二重相同組換え事象を起こしてきたファージのみがSupF遺
伝子およびその側方のプローブDNAを保持し、そしてサプレッサーの無い細胞
上で増殖する。
【0058】 二重相同組換えの選択のため、πTg737SEF1から誘導したラージプラ
スミド(πTg737SEF2)を、πTg737SEF1の独特のBamHI
部位へSyrinx 2Aの「スタッファー(Stuffer)」領域の8.6 kb BamHIフラグメントを挿入することにより構築する(図9)。標的フ
ァージへのπTg737SEF2プラスミドの組込みは、単一相同組換え(その
場合プラスミド全体を組み込む)か、二重相同組換え(そこではSupF−ne
oカセットのみを、相同性を介して標的へ組み込む)のどちらかにより生じ得る
。単一相同組換え事象は、組み込んだプラスミドによってファージゲノムが1つ
のファージ頭部の中へパッケージングされるには大きくなりすぎるのであまり選
択されない。そのため、二重相同組換え事象のみを選択する。
【0059】 上記で詳しく議論したように、上記実施例は、本発明に従い、ターゲッティン
グ構築物を効率的に産生し得ることを証明する。詳細なDNA配列情報または制
限地図を用いずに、そのために、アンバー中の標的変異の発生における決定的な
障害を取り除く。上記の実施例を例示のために示し、そして特許請求の範囲にお
いて記載される本発明の範囲を限定することを意図しない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プローブプラスミドπANTg737−1.2およびSyrinx 2
A(Tg737−17)を概略的に示す。
【図2】 図2は、πAN13と相同標的配列を有する標的ファージとの間の相同組換え
、および組換えファージ(ターゲッティング構築物)の単離のための1段階選択
に関する戦略を概略的に示す。
【図3】 図3は、二重相同組換えに使用されるプラスミドpBS/πAN/Neoを示
す。
【図4】 図4は、SEF πANTg737SEF−1を示す。
【図5】 図5は、単一相同組換えおよび二重相同組換えから生じる組換え作製物を示す
【図6】 図6は、SEF πTg737SEF−2を示す。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細菌において、単一相同組換えによって遺伝子ターゲッティ
    ング構築物を作製するための方法であって、該方法が、以下の工程: a)サプレッサーt−RNA遺伝子およびプローブDNAを含有するプローブ
    プラスミドを調製する工程であって、該プローブDNAが、標的化される遺伝子
    のエキソンの少なくとも一部を含有する、工程; b)工程a)の該プローブプラスミドを、相同組換えプロフィシェントなサプ
    レッサーフリー細菌宿主細胞の集団に導入する工程; c)標的ファージを調製する工程であって、該標的ファージが、ファージ増殖
    に必要な遺伝子における少なくとも1つの抑圧可能な突然変異、および標的化さ
    れるゲノム領域の一部を含有する標的DNAを含有しており、ここで該標的DN
    Aが、工程a)の該プローブDNAの全てまたは一部と相同である、工程; d)工程b)の細菌細胞の該集団を工程c)の該ファージに感染させる工程で
    あって、それにより該プローブDNAと該標的DNAとの間の組換えを可能にす
    る、工程; e)該プローブプラスミドと該標的ファージとの間の相同組換えを可能にする
    工程;および f)工程d)において作製されるファージを単離する工程; を包含する方法。
  2. 【請求項2】 前記プローブプラスミドが、約20から約40bpまでのプ
    ローブDNAを含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記サプレッサーtRNA遺伝子がSupFである、請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、ここで前記プローブプラス
    ミドがさらにマーカーカセットを含有し、該マーカーカセットが、前記サプレッ
    サーtRNA遺伝子および哺乳動物細胞選択マーカーを含有し、そして該マーカ
    ーカセットが、プローブDNAに少なくとも片側で隣接される、方法。
  5. 【請求項5】 前記哺乳動物細胞選択マーカーがneo遺伝子である、請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記neo遺伝子が、胚幹細胞において該neo遺伝子の発
    現を可能にするプロモーターに作動可能に連結される、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ファージがラムダファージである、請求項1に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ファージにおける前記抑圧可能な突然変異がアンバー突
    然変異である、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記プローブ配列が、約15から約20kbまでのゲノムD
    NAを含有する、請求項1工程a)に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記マーカーカセットに隣接する前記プローブDNAが、
    少なくとも約20bpから約40bpまでを含有する、請求項4に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記標的DNAが、約15kbから約20kbまでを含有
    する、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 二重相同組換えによって、ターゲッティング構築物を作製
    するための方法であって、該方法が、以下の工程: a)マーカーカセットを含有する環状プローブプラスミドを調製する工程であ
    って、そして該マーカーカセットがサプレッサーt−RNA遺伝子、哺乳動物細
    胞選択マーカーを含有しており、該マーカーカセットが標的化される遺伝子と相
    同なプローブDNAおよびリンカーDNAに各側で隣接されており、該リンカー
    DNAが、該マーカーカセットに隣接する該プローブDNAを、環状プラスミド
    を形成するように連結している、工程; b)工程a)の該プローブプラスミドを、組換えプロフィシェントなサプレッ
    サーフリー細菌宿主細胞の集団に導入する工程; c)標的ファージを調製する工程であって、該標的ファージが、ファージ増殖
    に必要な遺伝子における少なくとも1つの抑圧可能な突然変異、および標的化さ
    れるゲノム領域の一部を含有する標的DNAを含有しており、ここで前記標的配
    列が工程a)の該プローブDNAの全てまたは部分と相同である、工程; d)工程b)の細菌細胞の該集団を工程c)のバクテリオファージに感染させ
    る工程であって、それによって該プローブDNAと該標的DNAとの間の組換え
    を可能にする、工程; e)工程d)において作製されるファージを単離する工程、 を包含する方法。
  13. 【請求項13】 前記プローブDNAが少なくとも約40から約100ヌク
    レオチドまでを含有する、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記プローブDNAが、少なくとも約20から約40ヌク
    レオチドまでを各々含有する、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記サプレッサーt−RNA遺伝子がSupFである、請
    求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記哺乳動物細胞選択マーカーがneor遺伝子である、 請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記neo遺伝子が、胚幹細胞において該neo遺伝子の
    発現に関させ得るプロモーターと、作動可能に連結される、請求項15に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 前記プロモーターがホスホグリセリン酸キナーゼプロモー
    ターである、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記ファージがラムダファージである、請求項12に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記抑圧可能な突然変異がアンバー突然変異である、請求
    項12に記載の方法。
  21. 【請求項21】 請求項1または12に記載の方法によって得られ得るター
    ゲッティング構築物。
  22. 【請求項22】 請求項1または2に記載の方法によって作製されるターゲ
    ッティング構築物。
  23. 【請求項23】 ターゲッティング構築物を得る方法であって、該方法が、
    標的ファージおよびプローブプラスミドを含有する相同組換えプロフィシェント
    な細菌細胞の集団を、適切な栄養および環境状況下で培養する工程、およびそこ
    から、該標的ファージとプローブプラスミドとの間の相同組換えから生じるファ
    ージを単離する工程を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 前記プローブプラスミドがプラスミド/SEFである、請
    求項23に記載の方法。
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