【発明の詳細な説明】
農薬組成物
本発明は、活性成分の農薬活性な組合せを含む農薬（pesticide）、この組成
物を用いて有害生物を防除する方法、その組成物の製造方法、その使用、その組
成物で処理された植物繁殖材料、およびその組成物を製造するための、下記式（
Ａ）および（Ｂ）の化合物の使用に関する。
活性成分のある種の混合物が、有害生物防除の目的のために文献中で提案され
ている。しかしながら、有害生物防除の分野において、これらの公知の混合物の
生物学的性質は充分に満足なものではなく、この理由は、例えば相乗的な農薬の
性質、特にダニ目（Acarina）の虫および類似物（representatives）を防除する
等の相乗的な性質を特に有するような他の混合物を提供するというニーズがある
ことである。この目的は、本発明に従って本発明の組成物を提供することによっ
て達成される。
本発明は、可変の量で、遊離形または農芸化学的に許容可能な塩の形での、式
（Ａ、ピメトロジン（pymetrozine））
の農薬活性な化合物と、
遊離の形または農芸化学的に許容可能な塩の形での、式
（Ｂ、ピリプロキシフェン（pyriproxyfen））
の農薬活性な化合物と、少くとも１つの助剤とを含む農薬組成物に関する。
式（Ａ）の化合物（Ｅ）−４，５−ジヒドロ−６−メチル−４−（３−ピリジ
ルメチレンアミノ）−１，２，４−トリアジン−３（２Ｈ）オン（ピメトロジン
）は、例えば農薬マニュアル（The Pesticide Manual）、第１０版（１９９４）
、英国農作物保護協議会（The British Crop Protection Council；ロンドン）
、第８６８頁から公知である。
上記の化合物４−フェノキシフェニル（ＲＳ）−２−（２−ピリジロキシ）プ
ロピルエーテル（ピリプロキシフェン）は、農薬マニュアル、第１０版（１９９
４）、英国農作物保護協議会（ロンドン）、第８８７頁から公知である。
式（Ａ）および（Ｂ）の化合物の農芸化学的に許容可能な塩は、例えば、無機
および有機酸、特に、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、ギ酸
、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、トルエンスルホン酸または安
息香酸の酸付加塩である。
本発明の範囲内において、活性成分として、遊離の形で式（Ａ）および（Ｂ）
の化合物を含む組成物が好ましい。
発明に従う活性成分の組合せは、式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分と
を、好ましくは１：２００〜２００：１、とりわけ１：５０〜５０：１、とりわ
け１：２０と２０：１の間の比で、とりわけ１０：１と１：１０の間で、また好
ましくは５０：１〜３：１の間、とりわけ４０：１〜１０：１の間、また好まし
くは２：１〜
１：２の間で、他方、１５０：１、４０：１、または３０：１、または２０：１
、または２０：３、または１５：１、または１０：１、または５：１、または５
：２，または５：３、または５：４、または４：１、または４：３、または３：
１、または３：２、または２：１、または１：２０、または１：１０、または１
：５、または２：５、または３：５、または４：５、または１：４、または３：
４、または１：３、または２：３、または１：２、または１：１の混合比（個々
のケースにおいて防除されるべき有害生物のＬＤ50値の比、重量比、またはモル
重量比）で含むことが好ましい。
本発明は、遊離の形または農芸化学的に許容可能な塩の形での、式（Ａ）の農
薬活性な化合物と、遊離の形または農芸化学的に許容可能な塩の形での、式（Ｂ
）の農薬活性な化合物との、可変の量での組合せにも関する。
驚くべきことに、今や、式（Ａ）の活性成分と、式（Ｂ）の活性成分との組合
せが、原則として、予想される殺生物剤的および物性的な相加的効果（additive
supplementation）を引き起こすのみならず、それは相乗的効果をも生じ、およ
びそれは、特にその２つの化合物の農薬活性の範囲を広けることが見出された。
驚くべきことに、特に、例えば本発明に従うその組成物の農薬活性が、本質的
に予想されるように、涸々の成分（Ａ）および（Ｂ）の農薬活性との比較におい
て相加的であるのみならず、相乗的効果が存在する。しかしながら、本発明の文
脈において「相乗的」との用語は、決して農薬活性のみに限定されず、その用語
は、個々の成分（Ａ）および（Ｂ）との比較における本発明に従う組成物の他の
有利な性質にも関する。言及できるこのような有利な性質の例は他の有害生物、
例えば抵抗性の株、を含む作用の農薬スペクトルの拡大、式（Ａ）および（Ｂ）
の化合物の適用の割合の低減、個々の
化合物（Ａ）および（Ｂ）が完全に無効な適用の割合における、本発明に従う組
成物を用いる有害生物の充分な防除；製剤および／又は適用、例えば、摩砕、ス
クリーニング、乳化、溶解または分散時における有利な挙動；貯蔵安定性の改善
；より優れた光安定性；より有利な分解挙動；改善された毒物学またはエコ毒物
学的な挙動；または当業者に公知の他の利点である。
本発明に従う組成物は、温血種、魚および植物によって良好に許容される一方
で、濃度の低い割合でも、有害生物防除の分野において予防的および／又は治療
的に価値があり、非常に有利な殺生物剤スペクトルを有する。本発明に従う組成
物は、通常感受性の全てまたはいくつかの発達上の段階のみならず、ダニ目の虫
および類似物等の抵抗性の動物の有害生物に対しても活性である。本発明に従う
組成物の殺虫剤および／又は殺ダニ剤の活性は、直接的に、すなわち直ちにまた
はいくらかの時間が経過した後、例えば脱皮の間、に生ずる有害生物の駆除にお
いて、または間接的に、例えば、低減された産卵および／又は折化の割合におい
て、良好な活性が少くとも４０〜５０％の駆除割合（死亡率）に対応して明らか
にすることができる。
上述した動物の有害生物の例は、以下の通りである。
目鱗翅類（Lepidoptera）から、
Acleris種、Adoxophyes種、スカシバ（Aegeria）種、Agrotis種、アラバマarg
illaceae、Amylois種、Anticarsia gemmatalis、Archips種、Argyrotaenia種、A
utographa種、Busseola fusca、Cadra cautella、Carposina nipponensis、ニカ
メイガ（Chilo）種、Choristoneura種、Clysia ambiguella、Cnaphalocrocis種
、Cnephasia種、Cochylis種、Coleophora種、Crocidolomia binotalis、Cryptop
hlebia leucotreta、Cydia種、Diatraea種、Diparops
is castanea、Earias種、Ephestia種、Eucosma種、Eupoecilia ambiguella、Eup
roctis種、Euxoa種、Grapholita種、Hedya nubiferana、Heliothis種、Hellula
undalis、Hyphantria cunea、Keiferia lycopersicella、Leucoptera scitella
、Lithocollethis種、Lobesia botrana、Lymantria種、Lyonetia種、Malacosoma
種、Mamestra brassicae、Manduca sexta、Operophtera種、Ostrinia nubilalis
、Pammene種、Pandemis種、Panolis flammea、Pectinophora gossypiella、Phth
orimaea operculella、Pieris rapae、Pieris種、Plutella xylostella、Prays
種、Scirpophaga種、Sesamia種、Sparganothis種、Spodoptera種、Synanthedon
種、Thaumetopoea種、Tortrix種、Trichoplusia ni、およびYponomeuta種；
目Coleopteraから、例えば、
Agriotes種、Anthonomus種、Atomaria linearis、Chaetocnematibialis、Cosm
opolites種、Curculio種、Dermeates種、Diabrotica種、Epilachna種、Eremnus
種、Leptinotarsa decemlineata、Lissorhoptrus種、Melolontha種、Oryzaephil
us種、Otiorhynchus種、Phlyctinus種、Popillia種、Psylliodes種、Rhizoperth
a種、Scarabeidae、Sitophilus種、Sitotroga種、Tenebrio種、Tribolium種、お
よびTrogoderma種；
目直翅類（Orthoptera）から、例えば、
Blatta種、Blattella種、Gryllotalpa種、Leucophaea maderae、Locusta種、P
eriplaneta種、およびSchistocerca種；
目Isopteraから、例えば、Reticulitermes種；
目Psocopteraから、例えばLiposcelis種；
目Anopluraから例えば、Haematopinus種、Linognathus種、Pediculus種、Pemp
higus種、およびPhylloxera種；
目Mallophagaから例えば、Damalinea種、およびTrichodectes種；
目Thysanopteraから例えば、Frankliniella種、Hercinothrips種、Taeniothri
ps種、Thrips palmi、Thripa tabaci、およびScirtothrips aurantii；
目Heteropteraから例えば、Cimex種、Distantiella theobroma、Dyadercus種
、Euchistus種、Eurygaster種、Leptocorisa種、Nezara種、Piesma種、Rhodnius
種、Sahlbergella singularis、Scotinophara種、およびTriatoma種；
目Homopteraから例えば、Aleurothrixus floccosus、Aleyrodes brassicae、A
onidiella種、Aphididae、アブラムシ（Aphis）種、Aspidiotus種、Bemisia tab
aci、Ceroplaster種、Chrysomphalus aonidium、Chrysomphalus dictyoapermi、
Coccus hesperidum、Empoasca種、Eriosoma lanigerum、Erythroneura種、Gasca
rdia種、Laodelphax種、Lecanium corni、Lepidosaphes種、Macrosiphus種、Myz
us種、Nephotettix種、Nilaparvata種、Paratoria種、天疱瘡(Pemphigus)種、Pl
anococcus種、Pseudaulacaspis種、Pseudococcus種、キジラミ(Psylla)種、Pulv
inaria aethiopica、Quadraspidiotus種、Rhopalosiphum種、Saissetia種、Scap
hoideus種、Schizaphia種、Sitobion種、Trialeurodes vaporariorum、Trioza e
rytreae、およびUnaspis citri；
目膜翅類（Hymenoptera）から、例えば、Acromyrmex、Atta種、Cephus種、Dip
rion種、Diprionidae、Gilpinia polytoma、Hoplocampa種、Lasius種、Monomori
um pharaonis、Neodiprion種、Solenopais種とヴェスパ(Vwspa)種：
目双翅目(Dipteria)から、例えば、Aedes種、Antherigona soccata、Bibio ho
rtulanus、Calliphora erythrocephala、Ceratiti
s種、Chrysomyia種、イエカ(Culex)種、Cuterebra種、Dacus種、キイロショウジ
ョウバエ(Drosophila melanogaster)、Fannia種、Gastrophilus種、ツェツェバ
エ(Glossina)種、ハイポデルマ(Hypoderma)種、Hyppobosca種、Liriomyza種、Lu
cilia種、Melanagromyza種、Musca種、Oestrus種、Orseolia種、Oscinella frit
、Pegomyla hyoscyami、Phorbia種、Rhagoletis pomonella、キノコバエ属(Scia
ra)種、Stomoxys種、Tabanus種、Tannia種、およびTipuia種；
目Siphonapteraから例えば、Ceratophyllus種、およびXenopaylla cheopis；
目Thysanuraから例えば、Lepisma saccharina、および、
ダニ目(Acarina)から例えば、Acarus siro、Aceria sheldoni、Amblyomma種、
Argas種、Boophilus種、Brevipalpus種、Bryobia praetiosa、Calipitrimerus種
、Chorioptes種、Dermanyssusgallinae、Eotetranychus carpini、Eriophyes種
、Hyalomma種、Ixodes種、Olygonychus pratensis、Ornithodoros種、Panonychu
s種、Phyllocoptruta種、Polyphagotarsonemus種、Psoroptes種、Rhipicephalus
種、Rhizoglyphus種、Sarcoptes種、Tarsonemus種、およびTetranychus種。
特に、ダニ目の類似物は、本発明の主題の範囲内で防除することができる。こ
れらは、とりわけ以下を含む。
Aculus種、とりわけA．schlechtendali；Brevipalpus種、とりわけB．califor
nicusおよびB．phoenicis；Phyllocopiruta種とりわけP．oleivora；フシダニ属
（Eriophyes）種とりわけE．vitis；Panonychus種、とりわけP．ulmiおよびP．c
ltri;Eotetranychus種、とりわけ、E．carpiniおよびE.orientalis；Polyphagot
arsonemus種とりわけP．latus;および、Tetranychus種、とりわけ、T．
urticae、T．cinnabarinusおよびT.kanzawai。
本発明に従う活性成分の混合物は、特に植物、とりわけ、農業、園芸および森
林における有用な植物および鑑賞植物に対して、または果実、花、葉、茎、塊茎
または根等の植物の器官について見出される上述したタイプの有害生物を防除す
る。すなわち抑制または破壊し、いくつかの場合においては、やがて後の時点で
成長する植物器官さえも、これらの有害生物から保護される。
本発明に従う活性成分の混合物は、イネ、トウモロコシ（maize）またはモロ
コシ等の穀類において、果実、例えば梨状果実、石果、柔らかい果実（リンゴ、
西洋ナシ、ブラム、桃、アーモンド、サクランボ、例えばイチゴ、キイチゴおよ
びブラックベリー等のベリー等）において；豆、ヒラマメ、エンドウおよび大豆
等のマメ科（leguminous）植物において；脂肪菜種、マスタード、ボピー、オリ
ーブ、ヒマワリ、ココナッツ、キャスター、ココアおよびピーナッツ等の脂肪作
物において；カボチャ、キュウリおよびメロン等のウリ科の植物において；綿、
亜麻、大麻およびジュート等の繊維植物において；オレンジ、レモン、グレープ
フルーツおよびタンジェリン等の柑橘類果実において；ホウレンソウ、レタス、
アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモおよびベル
ペッパー等の野菜において；アボガド、シナモン（cinnamonium）および樟脳等
の月桂樹科の類似物において；またはタバコ、ナッツ、コーヒー、なす、サトウ
キビ、紅茶、コショウ、ブドウの木、ホップ、おおばこ科、ラテックス植物また
は鑑賞植物において、
とりわけ、イネ、トウモロコシ、モロコシ、梨状果および石果、マメ科植物、
ウリ科植物、綿、柑橘類、野菜、なす、ブドウの木、ホップまたは鑑賞植物にお
いて、
とりわけ、トウモロコシ、モロコシ、リンゴ、西洋ナシ、プラム
、桃、豆、エンドウ、大豆、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ココア、ピーナ
ッツ、キュウリ、カボチャ、柑橘類果実、キャベツ、トマト、ジャガイモ、ブド
ウの木、または綿において、
とりわけ、イネ、ブドウの木、柑橘類果実、リンゴ、西洋ナシ、トマトおよび
綿において、
特にイネにおいて、
有害生物を防除するために有利に使用されることができる
本発明に従う活性成分の混合物のための他の適用の分野は、貯蔵された生産物
および貯蔵の保護、および原材料の保護であり、および衛生セクターにおいて、
とりわけ上述したタイプの有害生物に対する家畜（domestic animals）および生
産的家畜類の保護である。
意図された目的、および一般の環境に依存して、本発明に従う農薬は、乳化可
能な濃縮物、懸濁濃縮物、直接スプレー可能または希釈可能な溶液、散布可能な
ペースト、薄めた乳液、スプレー可能な粉末、可溶な粉末、分散可能な粉末、湿
潤可能な粉末、ダスト、顆粒またはポリマー物質中のカプセル化物であり、これ
らのいずれも、式（Ａ）の化合物と活性成分（Ｂ）とを含んでいる。
これらの組成物において、それらの活性成分は、従来より製剤で用いられた助
剤、エキステンダー、例えば溶媒または固体キャリア、または界面活性化合物（
界面活性剤）等のうちの、少くとも１つと共に使用される。適当な溶媒、固体キ
ャリア、界面活性化合物、非イオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤およびア
ニオン界面活性剤は、例えはＥＰ−Ａ−７３６２５２号中で言及されたものと同
じである。
通常、その組成物は、０．１〜９９％、とりわけ０．１〜９５％、の式（Ａ）
の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との混合物と、１〜９９．９％、とりわけ５〜
９９．９％の少くとも一つの固体のまた
は液体の助剤とを含む。界面活性剤は、通常、その組成物の０〜２５％、とりわ
け０．１〜２０％の量であることが可能である（個々の場合、「％」は重量パー
セントを意味する）。濃縮された組成物が市販の商品としてはより好まれるが、
エンドユーザは、通常、活性成分のかなり低い濃度を有する薄い組成物を用いる
。好ましい組成物は、（＝重量％）とりわけ、次のように構成される：乳化可能な濃縮物：
（Ａ）および（Ｂ）の混合物：１〜９０％、好ましくは５〜２０％
界面活性剤：１〜３０％、好ましくは１０〜２０％
溶媒：５〜９８％、好ましくは７０〜８５％ダスト：
（Ａ）および（Ｂ）の混合物：０．１〜１０％、好ましくは０．１〜１％
固体キャリア：９９．９〜９０％、好ましくは９９．９〜９９％懸濁濃縮物：
（Ａ）および（Ｂ）の混合物：５〜７５％、好ましくは１０〜５０％
水：９４〜２４％、好ましくは８８〜３０％
界面活性剤：１〜４０％、好ましくは２〜３０％湿潤性粉末：
（Ａ）および（Ｂ）の混合物：０．５〜９０％、好ましくは１〜８０％
界面活性剤：０．５〜２０％、好ましくは１〜１５％
固体キャリア：５〜９９％、好ましくは１５〜９８％粒剤：
（Ａ）および（Ｂ）の混合物：０．５〜３０％、好ましくは３〜１５％
固体キャリア：９９．５〜７０％、好ましくは９７〜８５％
本発明に従う組成物は、更なる固体または液体の助剤、例えば、安定剤、例え
ばエポキシ化されたまたは未エポキシ化の植物油（例えばエポキシ化されたヤシ
油、菜種油または大豆油）、消泡剤（例えばシリコーンオイル）、保存剤、粘度
調節剤、結合剤および／又は粘着性付与剤、更に肥料または他の特定の効果を達
成するための活性成分、例えば殺菌剤、抗真菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤ま
たは除草剤等を含んでいてもよい。
本発明に従う組成物は、公知の方法で、例えば助剤（複数の助剤）との混合に
先立ち、活性成分または活性成分の混合物を摩砕、スクリーニングおよび／又は
圧縮することにより、例えば特定の粒径を与え、そのうえ、活性成分の混合物と
その助剤（複数の助剤）とを充分に混合および／又は摩砕することによって製造
される。
したがって、本発明は、その組成物の製造方法にも関する。
本発明は、更に、その組成物を適用するための方法、すなわち意図された目的
および一般の状況に好都合であるように選ばれるべきスプレー、湿潤、噴霧、ダ
スティング、ブラシ着け（brushing on）、種子ドレッシング、散布、流し込み
等により、上述したタイプの有害生物を防除する方法、および上述したタイプの
有害生物を防除するためのその組成物の使用に関する。濃度の典型的な割合は、
０．１〜１０００ｐｐｍの間、好ましくは０．１〜５００ｐｐｍの
間の活性成分である。適用の割合は、広い範囲内で変化でき、その土壌のコンシ
ステンシー、適用のタイプ（葉への適用；種子ドレッシング；種子溝の中での使
用）、作物植物、防除されるべき有害生物、個々のケースに普及する気候的な状
況、および適用のタイプ、適用のタイミングおよび標的作物によって決まる他の
要因に依存する。ヘクタールにつき適用の割合は、一般にヘクタールにつき１〜
２０００ｇ、とりわけ１０〜１０００ｇ／ｈａ、とりわけ２０〜６００ｇ／ｈａ
、とりわけ２０〜２００ｇ／ｈａの活性成分の混合物である。
作物保護の分野における好ましい適用の方法は、植物の葉への適用（葉適用）
であり、その頻度および適用の割合は、問題となる有害生物による侵襲の危険に
依存する。代わりに、その植物の位置を液体組成物に浸すことによって、または
例えば顆粒の形で、例えば土壌中へ、固体形において活性成分を植物の位置に組
み込むことによって（土壌適用）、根系を通してその活性成分を植物に到達させ
る（全身的作用）こともできる。米イネの場合、このような粒剤は、水で溢れた
水田に計量しつつ供給できる。
本発明に従う組成物は、植物繁殖材料、例えば、果実、塊茎または仁（kernel
）等の種子、または苗床植物を動物の有害生物に対して保護することにも適して
いる。生長材料は、植えることに先立ちその組成物で処理することができ、例え
ば、種子は種まきに先だってドレッシングすることができる。代わりに、本発明
に従う活性な成分は、液体組成物にその仁を浸すことによって、またはそれらを
固体の組成物でコーティングすることによっても、種子の仁に適用（コーテング
）することができる。代わりに、生長材料が植えられるとき、例えば、種まきの
場合に種子溝へ、その組成物を適用場所に適用できる。本発明は、更に、植物繁
殖材料のこれらの処理方法
、およびこのように処理された植物繁殖材料にも関する。
以下の例により、本発明を説明する。それらは、本発明を限定しない。製剤例
（％＝重量％、活性成分の比＝重量比）例Ｆ１：乳剤濃縮物
ａ） ｂ） ｃ）
活性成分の混合物［式（Ａ）の
化合物の式（Ｂ）の化合物への ２５％ ４０％ ５０％
比：２：５］
ドデシルベンゼンスルホン酸 ５％ ８％ ６％
カルシウム
ひまし油ポリエチレングリコール
エーテル（３６モルのＥＯ） ５％ − −
トリブチルフェニルポリエチレン
グリコールエーテル − １２％ ４％
（３０モルのＥＯ）
シクロヘキサノン − １５％ ２０％
キシレン混合物 ６５％ ２５％ ２０％
任意の所望の濃度の乳剤は、このような濃縮物を水で希釈することによって、
それらから製造できる。例Ｆ２：溶液
ａ） ｂ） ｃ） ｄ）
活性成分の混合物
（Ａ：Ｂ＝１５０：１） ８０％ １０％ ５％ ９５％
エチレングリコール
モノメチルエーテル ２０％ − − −
ポリエチレングリコール
ＭＷ４００ − ７０％ − −
Ｎ−メチル−２−ピロリドン ２０％ − −
エポキシ化ヤシ油 − − １％ ５％
石油エーテル（沸点範囲
１６０〜１９０℃） − − ９４％ −
その溶液は、微少滴の形での使用に適している。例Ｆ３：顆粒
ａ） ｂ） ｃ） ｄ）
活性成分の混合物
（Ａ：Ｂ＝２：５） ５％ １０％ ８％ ２１％
カオリン ９４％ − ７９％ ５４％
高分散シリカ １％ − １３％ ７％
アタプルガイト（Attapulgite） − ９０％ − １８％
上記の活性成分をジクロロメタン中に一緒に溶解し、その溶液をそのキャリア
上へスプレーし、次いで溶媒を真空で蒸発させる。例Ｆ４：ダスト
ａ） ｂ）
活性成分の混合物（Ａ：Ｂ＝４：１） ２％ ５％
高分散シリカ １％ ５％
タルク ９７％ −
カオリン − ９０％
調合済み（ready-to-use）ダストは、キャリアと活性成分とを充分に混合する
ことによって得られる。例Ｆ５：湿潤粉末
ａ） ｂ） ｃ）
活性成分の混合物 ２５％ ５０％ ７５％
（Ａ：Ｂ＝５：３）
リグニンスルホン酸ナトリウム ５％ ５％ −
ラウリル硫酸ナトリウム ３％ − ５％
ジイソブチルナフタレン
スルホン酸ナトリウム − ６％ １０％
オクチルフェニルポリエチレン
グリコールエーテル − ２％
（７〜８モルのＥＯ）
高分散シリカ ５％ １０％ １０％
カオリン ６２％ ２７％ −
上記の活性成分を添加剤とともに混合し、適当なミル中で充分に摩砕する。こ
れにより、水で希釈して任意の所望の濃度の懸濁液を与えることが可能な湿潤可
能な粉末を得る。例Ｆ６：乳剤濃縮物
活性成分の混合物（１５０：１） １０％
オクチルフェニルポリエチレン
グリコールエーテル（４〜５モルのＥＯ） ３％
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム ３％
ひまし油ポリグリコールエーテル
（３６モルのＥＯ） ４％
シクロヘキサノン ３０％
キシレン混合物 ５０％
任意の所望の濃度の乳剤は、この濃縮物を水で希釈することによって、その濃
縮物から製造することができる。例Ｆ７：ダスト
ａ） ｂ）
活性成分混合物（６：１） ５％ ８％
タルク ９５％ −
カオリン ９２％
調合済みのダストは、上記の活性成分とキャリアとを混合し、適当なミル中で
その混合物を摩砕することによって得られる。例Ｆ８：エキストルーダー顆粒
活性成分混合物（３：１） １０％
リグニンスルホン酸ナトリウム ２％
カルボキシメチルセルロース １％
カオリン ８７％
上記の活性成分を添加剤と混合し、その混合物を摩砕して、水で湿らせる。こ
の混合物を押し出し、造粒し、その後気流中で乾燥させる。例Ｆ９：コートした顆粒
活性成分の混合物（４：１） ３％
ボリエチレングリコール（ＭＷ００Ｏ） ３％
カオリン ９４％
ミキサー中で、細かく摩砕した活性成分を、ポリエチレングリコールで湿らせ
たカオリンに均一に塗布する。これにより、ダストの無いコートした顆粒を得る
。例Ｆ１０：懸濁濃縮物
活性成分の混合物（１５０：１） ４０％
エチレングリコール １０％
ノニルフェニルポリエチレングリコールエーテル
（１５モルのＥＯ） ６％
リグニンスルホン酸ナトリウム １０％
カルボキシメチルセルロース １％
３７％ホルムアルデヒド水溶液 ０．２％
７５％水性乳剤形のシリコーンオイル ０．８％
水 ３２％
細かく摩砕した活性成分を、充分に添加剤と混合する。これにより、水で希釈
することによって、それから任意の所望の濃度の懸濁液を製造することが可能な
懸濁液濃縮物を得る。
個別に式（Ａ）の活性成分と成分（Ｂ）とを製剤化し、次いで、適用の直前に
それらをアプリケーター中、水中で所望の混合比で「タンク混合物」として組合
せることは、しはしば、より便利である。生物学的例
（％＝特に断らない限り、重量パーセント）
式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せの活性が、個別に適用さ
れた際の上記の活性成分の活性の合計を上回るとき、農薬相乗的効果が常に存在
する。
ＥＡ1＞Ｘ＋Ｙ （Ｉ）
しかしながら、与えられた２つの農薬の組合せに対する予測される農薬作用Ｅ
Ａ2は、以下のようにして計算することもできる（Colby、S.R.、「除草剤の組合
せの相乗的および拮抗的レスポンスの計算、Weeds １５、２０〜２２頁、１９６
７を参照）：
ＥＡ2＝Ｘ＋｛Ｙ（１００−Ｘ）｝／１００ （II）
上記式中、
Ｘ＝非処理のコントロール（＝０％）との比較における、ヘクタールにつき「
ｐ」ｋｇの適用の割合で式（Ａ）の化合物で処理した
際のパーセント死亡率。
Ｙ＝非処理のコントロールとの比較における、ヘクタールにつき「ｑ」ｋｇの
適用の割合で式（Ｂ）の化合物で処理した際のパーセント死亡率。
ＥＡ1、ＥＡ2＝ヘクタールにつき活性成分の（ｐ＋ｑ）ｋｇの適用の割合で式
（Ａ）の化合物および式（Ｂ）の化合物で処理した後に予想される農薬活性（非
処理のコントロールとの比較におけるとパーセント死亡率）。
実際に観察された活性が、予想された値ＥＡ1またはＥＡ2を上回るならば、相
乗的作用が存在する。
式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せの相乗的効果を、以下の
例中で示す。例Ｂ１：Bemisia tabaciに対する活性
矮性の（dwarf）豆植物を金網ケージに配置し、成体Bemisia tabaciを植える
（populated with）。産卵が起こったあと、全ての成体を除去する。１０日の後
、植物およびその上の幼虫に、５０ｐｐｍの活性成分の混合物を含む水性懸濁液
スプレー混合物をスプレーする。更に１４日後、その卵の孵化割合を、非処理の
コントロールバッチとの比較においてパーセントで評価する。
このテストにおいて、式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは
、相乗的効果を有する。特に、１５０：１の比、および２：５の比における式（
Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは、８０％を越える活性を有す
る。例Ｂ２：Spodoptera littoralis毛虫に対する活性
４００ｐｐｍの活性成分の混合物を含む水性乳剤スプレー混合物
を、若い大豆植物にスプレーする。そのスプレー被膜が乾いたあと、大豆植物に
Spodoptera littoralisの３齢（instar）の毛虫１０匹を植え、プラスチックの
容器内に配置する。そのテストを３日後に評価する。個体群における低減または
摂食ダメージにおける低減を、処理された植物についての死んだ毛虫の数および
摂食ダメージと、非処理の植物についてのそれらとを比較することによって、パ
ーセント（％活性）で決定する。
このテストにおいて、式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは
、相乗的効果を有する。特に、４：１の比、および２：１の比における式（Ａ）
の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは、８０％を越える活性を有する。例Ｂ３：Lobesia botranaに対する殺卵活性
濾紙上に産卵されたLobesia botranaの卵を、アセトン／水中でテストすべき
活性成分の混合物の４００ｐｐｍを含むテスト溶液中に短時間に浸す。テスト溶
液が乾いたあと、その卵をシャーレ中でインキュベートする。６日後、その卵の
孵化割合を、非処理のコントロールバッチとの比較においてパーセント（孵化割
合の％低減）で評価する。
このテストにおいて、式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは
、相乗的効果を有する。特に、４：１の比、および２：５の比における式（Ａ）
の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは、８０％を越える活性を有する。例Ｂ４：Panonychus ulmi（ＯＰ−およびｃａｒｂ耐性）に対する活性
リンゴ苗に、成体雌のPanonychus ulmiを植える。７日後、感染
した植物に、テストすべき化合物の４００ｐｐｍを含む水性乳剤スプレー混合物
でしたたり湿らせる（dripping wet）までスプレーした後、温室中で育てる。１
４日後、そのテストを評価する。個体群における低減は、処理された植物につい
ての死んだスパイダーダニの数と、非処理の植物についてのそれらとを比較する
ことによって、パーセント（％活性）で決定する。
このテストにおいて、式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは
、相乗的効果を有する。特に、２：５、４：１および１：２の比における式（Ａ
）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは、８０％を越える活性を有する
。例Ｂ５：Tetranych usurticaeに対する活性
若い豆植物にTetranych usurticaeの混成の個体群を植え、１日後に上記の活
性成分の４００ｐｐｍを含む水性乳剤スプレー混合物をスプレーする。その植物
をその後２４℃で１１日間インキュベートして、次いで評価する。個体群におけ
る低減は、処理された植物についての死んだ卵、幼虫および成体の数と、非処理
の植物についてのそれらとを比較することによって、パーセント（％活性）で決
定する。
このテストにおいて、式（Ａ）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは
、相乗的な効果有する。特に、３：５、１：２および１：１の比における式（Ａ
）の活性成分と式（Ｂ）の活性成分との組合せは、非常に効果的である。
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(81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，
ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ
Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ
，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，
ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ
Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ
，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ
，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，
ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ
Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ
，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，
ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ
Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ
，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，
ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ
Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ
(72)発明者 ゼン，ロベルト
スイス国，ツェーハー―4058 バーゼル,
リーヘンリンク ７
(72)発明者 フオーク，ダニエル
スイス国，ツェーハー―4435 ニーデルド
ルフ，ドルフガッセ 26
(72)発明者 テキン，トゥメイ
トルコ国，アダナ，セイハン，ゴンカ ア
パートメント ダイア ２，ソカッカ
282，ケマルパサ マハリシ