JP2001518307A - 活性物質の同定のための方法 - Google Patents

活性物質の同定のための方法

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JP2001518307A JP2000513963A JP2000513963A JP2001518307A JP 2001518307 A JP2001518307 A JP 2001518307A JP 2000513963 A JP2000513963 A JP 2000513963A JP 2000513963 A JP2000513963 A JP 2000513963A JP 2001518307 A JP2001518307 A JP 2001518307A
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エボテック バイオシステムズ アクチェン ゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】 以下の段階を含む、グラム陽性菌の表面への、ポリペプチド類の共有結合に影響を及ぼす活性物質の同定のための方法。a)グラム陽性菌の表面への共有結合する、又はし得る少なくとも1つの酵素レポーター物質を含み、又は生成するグラム陽性菌の試料を提供し、前記少なくとも1つのレポーター物質は、グラム陽性菌の表面へ共有結合しないときに、それがグラム陽性菌の表面へ共有結合されるときに示される酵素活性と異なる酵素活性を有し;b)可能な活性物質を有する試料と接触し;c)試料のグラム陽性菌のレポーター物質の酵素活性を分析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、グラム陽性菌(Gram-positive bacteria)の表面へのポリペプチド
類の共有結合に影響を与える活性物質の同定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗生物質耐性株の発現が増大することを考慮して、グラム陽性菌により引き起
こされるヒトの伝染病への、治療的挑戦が増加している。これらの生物の病原は
、幅広い種類の細菌表面のタンパク質と関連する。よって、細胞壁に固着された
(anchored)病原性因子は、コラーゲンのような、ホスト組織の細胞外マトリッ
クス成分への結合による細菌粘着性を促進することが知られている。他の因子は
、IgGのような血清成分に結合し、故にホストの免疫系から真正細菌表面を覆
い隠す。よって、これらのタンパク質の細菌細胞壁への結合反応の選択的阻害は
、医学的に非常に重要である。
【0003】 シュニーウインド(Schneewind)らは、ブドウ球菌(Staphylococci.)の細胞
壁におけるタンパク質Aの固着メカニズムを研究した(Cell,Vol.70,p.267-281,1
992)。タンパク質Aは、15-21位の疎水性アミノ酸群及び5-12位の帯電したアミ ノ酸のC末端群へ続く特徴的な配列モチーフLPXTGの連続を特徴とする、グラム陽
性菌の表面タンパク質の成長種(glowing class)に属する。これらの要素の保 存は、異なるグラム陽性種中におけるこれらのタンパク質の共通の輸送メカニズ
ムの現れであると考えられる。S.アウレウス(S.aureus)におけるタンパク質
Aの局在化の確立(細胞壁中に固着されたタンパク質Aと、分泌されたタンパク質
Aとの間の識別)のために、前記著者らは、放射性ラベル化法(radioactive lab
eling method)を使用する。細胞壁固着に対する前述の配列要素の重要性は、ハ
イブリッドタンパク質の使用により、並びに、LPXTGモチーフ及びC末端の突然変
異生成を介して支持される。しかし、シュニーウインド(Schneewind)らは、表
面タンパク質の固着に触媒作用を及ぼし得る酵素又はそれらの阻害のいずれにも
関心を示していない。
【0004】 グラム陽性菌の表面タンパク質中の細胞壁固着要素もまた、シュニーウインド
(Schneewind)らによる他の論文(EMBO J.,Vol.12,p.4803-4811,1993)の主題 である。培地中に通常分泌されるタンパク質であるエンテロトキシンB(enterot
oxin B)が、ブドウ球菌細胞壁において、シグナルを固着するタンパク質AへのC
末端融合体(fusion)を介して固着され得ることが示されている。この結果は、
細胞壁分類は、C末端におけるポリペプチド鎖のタンパク質分解切断を伴うとい う仮説を支持する。恐らく、LPXTGモチーフは、そのような切断及び細胞壁への 共有結合部位であり、一方、帯電した配列セグメント(segment)は、細胞壁分 類の間、保持シグナルとして働く。折りたたみ特性(folding properties)に依
存する疎水性ドメイン(domain)の幾何学的長さの関連は、実験によって立証さ
れる。
【0005】 サムエルソン(Samuelson)らによる論文(J.Bacteriol.,Vol.177,No.6,p.147
0-1476,1995)は、スタフィロコッカス・カルノサス(Staphylococcus carnosus
.)における組換え型タンパク質の細胞表面表示(display)に関連する。マラリ
アペプチドM3の表面表示は、S.ハイカス(S.hyicus)のリパーゼ遺伝子のプロ
モーター、分泌シグナル及びプロペプチド領域、並びにS.アウレウス(S.aure
us.)のタンパク質Aの細胞壁固着領域を使用して行われる。ハイブリッドタンパ
ク質構造は、比色サンドイッチ分析(colorimetric sandwich assay)において 、組換え型表面-固着タンパク質の検出のために働く血清アルブミン結合タンパ ク質をさらに含有する。さらなる検出法は、免疫金電子顕微鏡(immunogold elec
tron microscopy)、免疫蛍光分析(immunofluorescence assays)及び蛍光活性化 細胞選別(fluorescence-activated cell sorting;FACS)を含む。サムエルソン
(Samuelson)らは、細胞壁固着の正確な分子メカニズムにも、関心を示してい ない。
【0006】 スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)における表面タ ンパク質の細胞壁固着の構造は、シュニーウインド(Schneewind)らによる報告
の主題である(Science,Vol.268,p.103-106,1995)。前記著者らは、分子生物学
及び質量分析技術の組み合わせを使用し、かつ、保存されたLPXTGモチーフのト レオニン(threonine)とグリシン(glycine)との間の表面タンパク質の切断の
後に、トレオニンのカルボキシル基が、ペプチド転移(transpeptidization)に
よって、細胞壁ペンタグリシンのフリーのアミノ基を有するムレイン小嚢(mure
in sacculus)へ共有結合されることを示すことができる。しかし、シュニーウ インド(Schneeswind)らは、タンパク質分解及びペプチド転移を引き起こし得 ると信じられているタンパク質、いわゆるソーターゼ(sortase)を同定又は特 徴付けすることにも失敗している。
【0007】 ストラウス(Strauss)及びゲッツ(Goetz)は、スタフィロコッカス・カルノ
サス(Staphylococcus carnosus.)の細胞表面上の酵素活性ポリペプチドのイン
ビボ(in vivo)固定化に関心を示す(Molecular Microbiology,Vol.21,p.491-5
00,1996)。彼らは、スタフィロコッカス・ハイカス(Staphylococcus hyicus)
リパーゼ及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)フィ ブロネクチン結合タンパク質B(FnBPB)のC末端領域から成るハイブリッドタンパ ク質を形成した。プロリパーゼ又はプロリパーゼ(pro-Lip)FnBPBハイブリッド
の細胞壁結合の研究のために、前記著者らは、免疫蛍光分析及び免疫ブロット検
出(immunoblotting)において、プリロパーゼ特異的抗血清を使用する。酵素のC 末端と細胞壁選別シグナルとの間の約90のアミノ酸の距離が、リパーゼをその
活性構造に効果的に折りたたむために明らかに不可欠であることが、さらなる試
験により証明された。より大きな距離の影響は、S.アウレウス(S.aureus)タ
ンパク質A(165のアミノ酸を有するスペーサーであるプロリパーゼSPA)及びS .アウレウス(S.aureus)フィブロネクチン結合タンパク質A(223のアミノ酸を
有するスペーサーであるプロリパーゼFnBPA)のプロリパーゼとC末端領域との融
合体において試験された。さらなる試験は、リポーター分子として大腸菌(E.col
i)β-ラクタマーゼ(lactamase)を用いて行われた。
【0008】 WO-A-97/08553には、グラム陽性菌の表面上のタンパク質、ペプチド類及びそ の他の物質の安定的な非共有結合表示のための方法が記載されている。上記に、
より詳細に記載されている、非共有結合表示法と共有結合表示法との間の比較研
究が行われた。共有結合表示となるタンパク質AのC末端選別シグナルが、リソス
タフィン(lysostaphin)の細胞壁ターゲッティングシグナル(SPACWT)に置換 されたときに、ブドウ球菌表面へのFITC-ラベル化IgGの結合強度が、本質的に変
わらないことが観察された。
【0009】 US-A-5,616,686には、構成部分(integral part)としてペプチドを含有する 約6〜20のアミノ酸から成る、グラム陽性菌の表面上に毒性決定(virulence-det
ermining)タンパク質の固着を引き起こすポリペプチドを構成することが記載さ
れている。特に、この構成はアミノ酸配列の1、2、4及び5位に、アミノ酸L、P、
T及びGをそれぞれ含有することを特徴とする。野生型表面タンパク質における毒
性決定因子の配列を有するこれらのペプチドの相同性のために、前者は、固定に
関係する酵素と恐らく反応する。細菌の毒性決定因子は、固着されることができ
ず、又はわずかな程度しか固着されることができず、それ故に伝染病の進展が防
止される結果となる。しかし、表面固着に関係する酵素又は酵素群は、この特許
明細書においては特徴付けされていない。
【0010】 WO-A-93/18163は、種々のタンパク質、ポリペプチド類又はペプチド類、特に ヒト及び動物において治療的効果を有する物と同様に、グラム陽性表面タンパク
質の固着領域を少なくとも含む融合タンパク質の供給に関する。前記固着領域は
、LPSTGEセグメント、配列TANのスペーサーセグメント、20のアミノ酸から成る 疎水性セグメント、及び配列KRKEENを有する帯電したセグメントを含む。
【0011】 グラム陽性菌の表面へのポリペプチド類の共有結合に、直接的又は間接的に影
響を及ぼす活性物質の同定を許容する方法を提供することが望まれている。
【0012】 驚くべきことに、この課題は、本発明の方法によって達成される。
【0013】 本発明の意図する範囲内で「ポリペプチド類」は、少なくとも20のアミノ酸に
より通常構成されたポリマーを意味し、かつ特にタンパク質をも包含する。アミ
ノ酸は、Xが任意のアミノ酸を表す一文字のコードによって表される。
【0014】 以下において、本発明による方法の好ましい態様の基礎が、活性物質の同定の
ための方法が詳細に扱われる前に、まず明らかにされるであろう。
【0015】 好ましい態様において、本発明による方法は、グラム陽性菌の表面へのポリペ
プチド類のLPXTG-モチーフ依存性C末端固着に、直接的又は間接的に関係する細 菌性因子(ターゲット)における物質の効果を検出する酵素レポーター分析(en
zymatic reporter assay)と考えられる。この方法において効果を有し得る多数
の因子及び方法の内で、本発明は、細胞質膜上の細胞表面ポリペプチド類のトラ
ンスロケーション(translocation)の開始後に起こるそれら酵素的ステップを 好ましくは目指す。さらに、本発明による方法は、細胞壁ムレインの生合成に関
係する酵素的及びその他のターゲットを一部分含む。それぞれの方法において使
用される細胞の表現型特徴から、潜在的活性物質は、特定のターゲット群に割り
振ることができる。
【0016】 本発明による方法の特に好ましい態様において、レポーター分析の細胞及び分
子基礎は、誘発性レポーター遺伝子融合体を伴う選択可能発現プラスミド(plas
mid)を含む組換え型スタフィロコッカス・カルノサス(Staphylococcus carnos
us)クローンである。前記遺伝子融合体は、N末端シグナルペプチド、スタフィ ロコッカス・ハイカス(Staphylococcus hyicus)リパーゼの前駆体タンパク質 及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)からのフィブ ロネクチン結合タンパク質B(FnBPB)のC末端部から成るハイブリッドポリペプ チドをコードする。細胞質において生成された後、ハイブリッドポリペプチドは
そのN末端シグナル構造のため、細菌性細胞膜を介して輸送され、かつシグナル ペプチダーゼによってアミノ末端で処理される。さらに、C末端LPXTG認識モチー
フにおいて切断が行われ、かつ残存ハイブリッドタンパク質は、ムレインに共有
結合される。異なる長さのFnBPB部が、リパーゼ融合の酵素活性の構築に異なる 影響を及ぼすことが、実験的に立証された。(プラスミドpTX30Δ82によりコー ドされた)その細胞表面結合形態においてリパーゼ活性を示さない1つの構造体
が同定された。しかし、対応する融合体が、共有結合的に固着された後に、リソ
スタフィンによる処理によって、細菌表面から放出された場合に、完全なリパー
ゼ活性が得られた。本発明の範囲内で、リパーゼ機能の細胞壁固着を伴う干渉は
、問題となっている分析クローン中の培養物上清におけるリパーゼ活性の付随発
生を伴う融合体を放出する結果となることがまず最初に認識された。可能なター
ゲットとして、それらの成長の仕方により2つのグループに本質的に分類され得
る種々の細胞因子が考慮され得る。
【0017】 1つのターゲット又はターゲット群は、LPXTGモチーフにおける関連するポリ ペプチド類のカルボキシル末端切断、及び細菌表面上の内部ペプチドブリッジ(
interpeptide bridges)、特にペンタグリシンユニットのような、細胞壁ムレイ
ンのペプチド構成成分へのそれらの後続の共有結合をもたらす、ソーターゼとし
てデザインされた酵素又は酵素複合体である。これらの機能の阻害は、表面結合
因子の放出を多分引き起こし、かつそれにより病原性細菌の衰弱を恐らく引き起
こすにもかかわらず、それは、細菌の生存能力及び非生存能力を著しく損なうこ
とはない。分析手順における、このターゲット群の特徴的な表現型性質は、分析
培地中へのリパーゼ活性の放出であり、一方、細菌の成長の仕方は、ほとんど影
響を受けない。対照的に、ムレイン合成において重要な機能を有するターゲット
又はターゲット群の減損は、表現型的に検出され得る細菌の生存能力及び非生存
能力における大きな変化を引き起こす。
【0018】 ターゲットである“ソーターゼ”の試験のための本発明による方法の潜在的適
合性を証明するために、2つの異なる阻害/変異のシナリオは、十分に計画され
た(well-aimed)手法において遺伝学的に設計されたハイブリッドタンパク質を
用いてシュミレートされた(実施例1並びに図1及び2を参照)。
【0019】 キシロースプロモーターの誘発後、S.カルノサス(S.carnosus)/pTX30Δ8
2.memは、細胞壁への固着のために重要なLPXTGモチーフが、配列ISQASと置換さ れた、S.ハイカス(S.hyicus)プロリパーゼ及びS.アウレウス(S.aureus)
フィブロネクチン結合タンパク質B(FnBPB)のC末端フラグメントから成るハイ ブリッドタンパク質を生成する(図1)。しかし、他の態様において、それは、
好ましくは5のアミノ酸から成る他のいずれの配列と置換することもできる。さ らなる態様において、LPXTG置換体は、メム(mem)表現型のために必要でないが、
LPXTGモチーフの完全な削除もまた考慮され得る。よって、LPXTGモチーフにおけ
る特異的切断及びそれによるムレイン小嚢への共有結合は起こらない。驚くべき
ことに、融合体のカルボキシル末端においてこのように保持される疎水性固着配
列は、細胞コート(coat)において、かつそれにより細胞表面に、安定に、そし
て特に不活性形態でリパーゼを固着するのに明らかに不十分である。リパーゼ活
性は、細菌表面から培養培地内へ定量的に放出される。よって、このクローンは
、N末端切断生成物の、細胞壁におけるムレインへの共有結合を進行する重要な ステップである、ソーターゼによる切断反応の阻害をシュミレートする。
【0020】 キシロースプロモーターの誘発後、S.カルノサス(S.carnosus)/pTX30Δ8
2.secは、S.ハイカス(S.hyicus)プロリパーゼ及び、モチーフLPETGGととも に終了するS.アウレウス(S.aureus)フィブロネクチン結合タンパク質B(FnBP
B)のC末端フラグメントから成る、ハイブリッドタンパク質を生成する(図1) 。このクローンは、C末端において既に処理された、固着されるべきリパーゼハ イブリッドタンパク質と、細胞壁との間の(共有)結合反応の阻害をシュミレー
トする。このクローンは、活性構造(conformation)における培養物上清中のリ
パーゼハイブリッドタンパク質を定量的に放出する。
【0021】 本発明により、グラム陽性菌の表面へのポリペプチド類の共有結合に影響を及
ぼす活性物質の同定が、以下のステップを含む方法により行われる。 a)グラム陽性菌の表面への共有結合する、又はし得る少なくとも1つの酵素レポ
ーター物質を含み、又は生成するグラム陽性菌の試料を提供し、前記少なくとも
1つのレポーター物質は、グラム陽性菌の表面へ共有結合しないときに、それが
グラム陽性菌の表面へ共有結合されるときに示される酵素活性と異なる酵素活性
を有し; b)可能な活性物質を有する試料と接触し; c)試料のグラム陽性菌のレポーター物質の酵素活性を分析する。
【0022】 本発明による方法の意図する範囲内で、“共有結合されないとき”とは、グラ
ム陽性菌の表面への非共有結合及び完全な放出の両者を包含する。
【0023】 試料のグラム陽性菌のレポーター物質の酵素活性の前記分析は、活性物質に接
触されない少なくとも1つの参照試料、及び/又は、レポーター物質が、グラム
陽性菌の表面へ非共有結合されている少なくとも1つの参照試料、及び/又はレ
ポーター物質が、グラム陽性菌の表面へ共有結合されている少なくとも1つの参
照物質、及び/又はレポーター物質が、グラム陽性菌の表面への共有結合なしに
存在する少なくとも1つの参照物質との比較により好ましくは行われる。
【0024】 本発明による方法は、グラム陽性菌の表面へのポリペプチド類の共有結合に直
接的又は間接的に影響を及ぼす際に、そのような活性物質の選択的同定を有利に
行い得る。前述のように、表面固着の想定される方法は、2つの特異的ステップ
を含む。 a)LPXTGモチーフのトレオニンとグリシンとの間の切断;及び b)細胞壁のペプチド構成成分へのトレオニンの共有結合、特に内部ペプチドブリ
ッジ。
【0025】 よって、本発明による方法は、切断反応を阻害し、かつそれによりポリペプチ
ド類の共有結合を妨げる活性物質、及び表面固着の第2ステップにおいて阻害機
能を有するそれらの活性物質の両者を検出する。前述のように、これらのシナリ
オは、十分に計画された手法において遺伝学的に設計されたレポーター物質を用
いてシュミレートされ、それにより本発明による方法の基礎が構築された。さら
に、本発明による方法は、例えば、細胞壁生合成酵素の阻害を介して、細胞壁生
合成に対して阻害効果を有するそれらの活性物質をも検出し、それにより、ポリ
ペプチド類、特に病原性因子の、細胞壁、特にムレイン小嚢の内部ペプチドブリ
ッジへの共有結合は、もはや可能ではなく、又は制限された範囲のみである。さ
らに、本発明による方法は、細胞壁において既に共有結合的に固着したポリペプ
チド類を、例えば細胞壁加水分解酵素(hydrolases)の活性化を介して放出する
活性物質もまた検出する。
【0026】 本発明による方法の好ましい態様において、特に以下の配列セグメント、N末 端シグナルペプチド、酵素、配列LPXTGを有する配列セグメント、疎水性配列セ グメント、及び帯電配列セグメントの連続を有するハイブリッドポリペプチドは
、レポーター物質として使用される。前記シグナルペプチドは、分泌処理経路の
過程で、タンパク質分解的に除去される。以下の実施例に示されるように、S.
ハイカス(S.hyicus)リパーゼは、ハイブリッドポリペプチドの酵素成分として
特に使用され得る。しかし、大腸菌(E.coli)β-ラクタマーゼ又はその他の酵 素を使用することが有利であることもある。遺伝学的に設計されたハイブリッド
ポリペプチド類と同様に、自然発生する表面ポリペプチド類は、既知の化学的、
生物学的、及び免疫学的方法の全範囲を使用して、適当な活性物質の作用のため
、培地中で検出され得るレポーター物質として機能することもできる。しかし、
本発明による方法の信頼性を維持しつつ、高い試料処理量を確保するために、レ
ポーター物質として酵素活性を有するハイブリッドポリペプチド類を使用するこ
とは、特に有利である。よって、細胞質膜を通る全輸送ルートと同様に、シグナ
ルペプチドのタンパク質分解切断に影響を及ぼすそれらの活性物質は、上清中の
活性レポーター物質の出現を結果として生じない。
【0027】 さらに、少なくとも1つの検出可能な特性を有するレポーター物質を使用する
ことが好ましいことがあり、この場合には前記レポーター物質は、それがグラム
陽性菌の表面へ共有結合されるときに示される特性と比べ、グラム陽性菌の表面
へ共有結合されないときに、代わりの(altered)検出可能な特性を有する。
【0028】 この酵素を、プロ酵素(proenzyme)として提供することがさらに好ましいこ とがある。
【0029】 さらに、不活性から活性構造への、またはその逆の酵素のトランジション(tr
ansition)による酵素活性の変化を測定することが特に好ましいことがある。こ
れは、この酵素とLPXTGモチーフとの間に供給されたリンカーペプチドを使用す ることにより好ましくは行われ得る。
【0030】 本発明による好ましい態様において、酵素が不活性構造においてグラム陽性菌
の表面へ固着されるように、リンカーペプチドのいくつかのアミノ酸が選択され
る。S.ハイカス(S.hyicus)リパーゼが使用されるとき、リンカーペプチドに
おけるアミノ酸の数は、特に10よりも少なくすべきである。他の態様において
、酵素は、そのC末端を用いて、リンカーペプチドを回避して、LPXTGモチーフへ
直接融合され得る。よって、活性物質がない場合は、グラム陽性菌は、それらの
表面へ共有結合された不活性酵素を有するこの酵素が共有結合されていないとき
、特にグラム陽性菌の表面から放出される場合に、活性構造に折り曲げられ、そ
のためそれらの特性の1つ、即ち、この場合においては酵素活性の検出可能な変
化を受ける。
【0031】 適当な活性物質のための調査における偽(false)陽性結果のフラクションを 最小化するために、低自然細胞壁回転(low natural cell wall turnover)及び
/又は少数の細胞壁プロテアーゼ及び/又は少数の分泌プロテアーゼを有するそ
れらのグラム陽性菌を用いて本発明による方法を行うことが、特に好ましい。よ
って、本発明による方法は、S.カルノサス(S.carnosus)のような自然発生グ
ラム陽性菌だけでなく、遺伝的に既に改変されている細菌を用いて行われ得る。
【0032】 さらに、Lif発現細胞を用いて本発明による方法を行うことが好ましいことも ある。リソスタフィン免疫因子(Lif)発現グラム陽性細胞は、細胞壁のムレイ ン構成物における一時変異(modifications)を示す。これらの変化は、細胞壁 における細胞表面タンパク質の結合反応にはなんら影響を及ぼさない。実施例2
は、典型的なS.ハイカス(S.hyicus)リパーゼ又はプロリパーゼ(pro-Lip)F
nBPBを使用したLif発現細胞の細胞壁におけるタンパク質の固着を試験するた
めの、本発明による方法の好ましい態様を説明する。細胞壁上、及び培養培地の
上清中でのリパーゼの酵素活性の比較により、Lif発現が、細胞表面における
リパーゼの分泌又はプロリパーゼFnBPBの固着に何ら影響を及ぼさないことが示 された。
【0033】 本発明による方法の特に好ましい態様において、レポーター物質の酵素活性の
分析は、蛍光分光法、特に実施例1に示されたような共焦蛍光分光法を用いて行
われる。この場合は、1つ又はそれ以上のフォトンの励起の既知の方法を使用す
ることが可能である。特に、WO-A-94/16313に詳細に記載されているような蛍光 相互分光法(FCS)の方法は、有効な分析法であることが判明した。上述の特許 出願に記載された装置に換えて、DE-C-44 38 391及び対応するWO-A-96/13744に 記載の近領域(near-field)分光法の要素を使用したFCSを行うことが好ましい こともある。これらの引用は、参照としてここに組み入れられる。
【0034】 WO-A-98/16814には、試料中の放射光又は散乱光の、所定時間当たりのフォト ン数を繰り返し測定し、次いで、所定時間当たりのフォトン数の分布関数が決定
され、そこから粒子明度の分布関数がその後決定される、粒子を含有する試料の
分析のための方法が記載されている。この方法は、発光性、特に蛍光性試料の試
験である蛍光輝度分布分析(FIDA)と呼ばれる特別な態様のためにも、好ましく
は使用され得る。これらの引用の開示は、参照としてここに組み入れられる。
【0035】 蛍光測定に適当な色素は、文献から、当業者に知られている。例えば、その蛍
光特性に変化を受ける基質の転換率を決定することが好ましいことがある。さら
に、GFP(緑蛍光タンパク質)のような蛍光又は発光体(luminogenic)タンパク
質を用いるレポーター分析を使用することが好ましいことがある。
【0036】 本発明による方法の他の好ましい態様において、グラム陽性菌の試料へ可能な
活性物質群を添加し、かつ陽性シグナルが得られる場合に、その群のさらなる区
別を行うことが可能である。さらに、可能な活性物質が試料を積極的に妨害しな
い場合、他の可能な活性物質が、試料を変えずに、前記試料に添加されることが
できる。この場合には、可能な活性物質が次いで添加される。活性が立証された
物質が、明らかに不活性である単独又は複数の物質との混合物中での作用と異な
る作用を、参照実験において示す場合、相乗効果を確かめることもまた、可能で
ある。
【0037】 本発明による方法の他の態様は、それらの酵素活性の分析に加え、細胞表面に
おけるレポーター物質の固着を検出する。実施例3に記載されたような、本発明
による方法の、このさらなる態様は、タンパク質が、非共有結合により放出され
ることを妨げられるか否かを確立することを許容する。この特別な態様は、どの
方法においてレポーター物質がムレイン構成物に結合されるかを決定することを
許容する。図3によれば、ムラミダーゼ(muramidase) Chは、好ましくはグラ ム陽性菌の細胞壁を切り開き、それにより細胞壁中に固着されたタンパク質は、
可変長の細胞壁フラグメントとともに切断される(Schneewind et al.,EMBO J.1
2:4803-4811,1993)。対照的に、ムラミダーゼ Chによって切断された非共有結 合タンパク質は、すべて同じ分子量を有する(Schneewind et al.,EMBO J.12:48
03-4811,1993)。これらの引用は、参照としてここに組み入れられる。この特別
な態様によれば、異なる切断生成物の間の識別は、SDS-PAGE(ドデシル硫酸ナト
リウムポリアクリルアミドゲル電気泳動)及び免疫ブロット検出により行われる
。説明目的のために、ムラミダーゼ Ch及びリソスタフィン処理による放出後、 共有結合的に固着したタンパク質のSDS-PAGE流動状態を、図4に示す。
【0038】 本発明による方法の特に好ましい態様において、細胞壁タンパク質の放出が、
グラム陽性菌の表面において固着メカニズムに影響を及ぼす物質の作用により、
又は細胞壁の自然変化により、引き起こされるか否かについての識別は、培養培
地中で行われ得る。本発明による酵素活性の分析に加えて、放出されたポリペプ
チド類の特徴付けが行われる。実施例4には、pTX30及びpTX-30/pCXlif-発現細 胞からのプロリパーゼFnBPBとともに、このことが説明されている。細胞壁の自 然変化によりこれらの細胞から放出されたプロリパーゼFnBPBは、ゲル電気泳動 試験及び続く免疫ブロット検出において、異なる長さのリパーゼの拡張を示す。
いくつかの重複するリパーゼ特異的シグナルから成る拡張されたバンドに代えて
、細胞から直接放出された細胞壁タンパク質は、非-Lif発現細胞の上清から、リ
ソスタフィン(BM 中で80mg・ml-1, 37℃において30分)の作用により得られた タンパク質として、SDS-PAGE及びその後の免疫ブロット検出において、狭い、鋭
く仕切られたバンドを示す。
【0039】 図1には、レポーター物質(分析プラスミド pTX30Δ82)として使用され得る
ハイブリッドタンパク質の構造、及び本発明による方法のシュミレーションのた
めに使用されるハイブリッドタンパク質の前述の構造(プラスミド pTX30Δ82.s
ec及びpTX30Δ82.mem)が、S.ハイカス(S.hyicus)リパーゼ(プラスミドpT
X15)の構造と比較して例示的に記載されている。細胞質膜を介したプロ酵素( 概略的に、PP及びリパーゼにより表された)の輸送を可能にし、かつ分泌工程中
にタンパク質分解的に除去される、いわゆるシグナルペプチド(斜線のハッチン
グ(cross-hatched))が、N末端に配置される。前記リパーゼの後には、リパー
ゼが不活性構造においてグラム陽性菌の表面に固着され得るように選択された長
さを有するリンカーペプチドが好ましくは続く。この後に、LPETGモチーフ、疎 水性及び帯電配列セグメント(分析プラスミドpTX30Δ82)が続く。シュミレー
ションのために使用されるハイブリッドタンパク質(プラスミドpTX30Δ82.mem
)において、LPXTGモチーフは、配列ISQASによって置換される。他のシュミレー
ションのために使用されるハイブリッドタンパク質(pTX30Δ82.sec)において 、リンカーペプチドの後には、配列LPETGGの配列セグメントのみが続く。
【0040】 図2には、シュミレーションクローンにおけるリパーゼ活性の定量法が示され
ている。培養物上清中のそれぞれのリパーゼ活性は、各クローンの全活性に関し
て決定された。
【0041】 図3には、C末端連結表面タンパク質を有するブドウ球菌中のペプチドグリカ ン(peptidoglycane)の構造が示されている。ムラミダーゼ Ch及びリソスタフ ィンのための切断部位が、強調されている。
【0042】 図4には、ムラミダーゼChによりS.カルノサス(S.carnosus)の細胞壁から
放出された細胞表面タンパク質におけるリソスタフィンの影響が表されている。
プロリパーゼFnBPBは、これらの細胞中で、Lif(pCXLif)存在下(+)又は 不在下(−)で合成された。放出されたハイブリッドタンパク質は、リソスタフ
ィン存在下(+)又は不在下(−)で、インキュベートされ、そしてストラウス
(Strauss)及びゲッツ(Goetz)に従い(Mol. Microbiol. 21,491-500,1996) 、SDS-PAGE(10%アクリルアミド)及び免疫ブロット検出(プロリパーゼ特異的 抗血清)により続けて特徴付けされた。タンパク質基準の分子量(kDa)を、左 余白に記載する。
【0043】 図5には、自然な細胞壁変化により培養培地中のS.カルノサス(S.carnosus
)から放出されたプロリパーゼFnBPBにおけるリソスタフィンの影響を示す。
【0044】 Lif(pCXLif)の存在下(+)又は不在下(−)での細胞発現プロリパーゼ
FnBPB(pTX30)の上清は、リソスタフィンの存在下(+)又は不在下(−)で 試験された。参照として、プラスミドpTX30のみを含有するS.カルノサス(S.
carnosus)の細胞壁からリソスタフィンの作用により放出されたプロリパーゼFn
BPBが使用された。これらタンパク質は、SDS-PAGE(10%アクリルアミド)により
分離され、そして免疫ブロット検出(プロリパーゼ特異的抗血清)が行われた。
基準分子の分子量を、左余白に記載する。
【0045】
【実施例】
実施例1シュミレーションシナリオ 菌株及びプラスミド 野生型株S.カルノサス(S.carnosus) TM300(Goetz,F.,J.Appl.Bacteriol.Sy
mp.Supp.69: 49-53,1990)は、すべての組換え型ブドウ球菌株の生成のためのホ
スト生物として使用された。分析プラスミドpTX30Δ82の調製を、以下に記載す る。 プラスミドpTX30Δ82は、プラスミドpCX30Δ82に似せて調製された(Straus
s 及びGoetz, Mol. Microbiol. 21,491-500,1996)。しかし、クロラムフェニコ
ール(chloramphenicol)選択可能プラスミド pCX15(Wieland et al.,Gene 158
: 91-96,1995)よりもむしろ、テトラサイクリン選択可能プラスミドpTX15(Pes
chel et al., FEMS Microbiol.Lett.137: 279-284,1996)が、出発ベクターとし
て使用された。このプラスミドは、S.ハイカス(S.hyicus)リパーゼ及びフィ
ブロネクチン結合タンパク質B(FnBPB)のC末端部から成る分析ハイブリッドタ ンパク質(プロリパーゼFnBPBΔ82)をコードし、かつ誘発可能キシロースプロ モーター(Wieland et al.,Gene 158: 91-96,1995)の制御下にある、遺伝子融 合体を含む。リパーゼのC末端アラニン残基とFnBPBのLPXTGモチーフのロイシン 残基との間の距離は、10のアミノ酸であった(図1)。
【0046】 プラスミド pTX30Δ82.mem及びpTX30Δ82.secは、オリゴヌクレオチド対(配 列番号2〜5) AS14(5'-ATAAGGCGCCTTAGTTTAATTATG-CTTTGTGATTC)/AS45(5'-C
GCAGGAAGCTT-ACCACAATCTAAGAAATCTGAAATATC-TCAAGCAAGTGGAGAAG)及びAS42(5'-AA
TAAGGCGCCTCATTATCCACCTGTTTCA-GGTAGTTC)/AS22(5'-ACGAAAGCT-TACCACAATCTAAGA
AATCTGAAC)を使用するプラスミドpTXΔ82に似せて、pTX30から調製された。プラ
スミド pTX30Δ82、pTXΔ82.mem及びpTXΔ82.secは、S.カルノサス(S.carnos
us)TM300に形質転換された(Goetz及びSchumacher, FEMS Microbial.Lett.40:2
85-288,1987)。前記の引用は、参照としてここに組み込まれる。
【0047】 培地 液体培養物中で細菌を培養するために、1%のペプトン、0.5%の酵母抽出物、0.
5%の塩化ナトリウム、0.1%のグルコース及び0.1%の燐酸水素二カリウムを含有し
た基本培地(BM)が使用された(pH7.4)。キシロースプロモーターの誘発のた めに、グルコースが0.5%のキシロースに置換された、修正された基本培地(誘発
培地)が使用された。必要に応じて、クロラムフェニコール(Cm, 10mg/l)、テ
トラサイクリン(Tc, 25mg/l)及びエリスロマイシン(erythromycin)(Em, 2.5
mg/l)が、BMに添加された。寒天選択プレートには、15g/lの寒天が補われた。リ
パーゼ試験プレートは、供給者の指示に従い、トリブチリン(tributyrin)−寒
天基剤(メルク)を使用して調製された。プレートをキャストする前に、1%のグ
リセロールトリブチレート及び対応する抗生物質(Tc、Em)が寒天に添加された
。これらのプレート上で、リパーゼ放出細菌細胞が、明らかなハロー(halos) の形成により同定され得る。
【0048】 パートI:シュミレーションコロニーにおけるリパーゼ活性の位置測定及び定量 各5mlの基本培地が、野生型株S.カルノサス(S.carnosus)TM300又は前述の
S.カルノサス(S.carnosus)クローンから接種され、そして攪拌下、一晩37℃
でインキュベートされた。これらの前培養を用いて、各5mlの誘発培地が、1:100
で接種され、後期対数成長ステージ(late logarithmic growth stage)に到達 するまで攪拌された。この培養物は、培養物上清中のリパーゼ活性及び、ストラ
ウス(Strauss)及びゲッツ(Goetz)(Mol. Microbiol. 21,491-500,1996)に 従ってリソスタフィンを用いて細胞を処理することによる放出後の細胞結合リパ
ーゼ活性が決定される前に、4℃に冷却された。全活性は、細胞結合活性及び培
養物上清中の活性の合計として得られた。次いで、培養物上清中のそれぞれのリ
パーゼ活性が対応するクローンの全活性に関して決定された(図2)。この引用
は、参照としてここに組み込まれる。
【0049】 パートII:蛍光分光法に基づく分析方法の確立 S.カルノサス(S.carnosus)クローンS.カルノサス(S.carnosus)/pTX30
Δ82、/pTX30Δ82.mem及び/pTX30Δ82.secは、基本培地において37℃で一晩培養
された。これらの培養物の細胞密度は、光度計において光学密度(OD576)を測 定することにより決定され、そして等細胞密度の希釈液(約1:200)が調製され た。これらの希釈液の調製のために、修正された基本培地(誘発培地)が使用さ
れた。その後、希釈された培養物は、37℃で再度成長に付された。種々の試験に
おいて、ミクロタイトレーション(microtitration)プレート及びその他の容器
の両方が、培養のために使用された。
【0050】 培養の異なる時期において、細菌から放出されたリパーゼ活性が培養物上清中
で決定された。これらの細胞は、遠心分離によりペレット化され、培養物上清は
除去され、必要であれば氷上に貯蔵された。分析は、ガラス底のミクロタイトレ
ーションプレート(100μl)において行われた。リパーゼ分析バッファーは、以
下のように調製された:10mM CaCl2、0.05% トリトン(Triton)X-100、20mM ト
リス/HCl、pH8.0。蛍光体色素基質(fluorogenic dye substrate)として、
1,2-o-ジラウリル-rac-グリセロ-3-グルタリン酸レゾルフィンエステル(1,2-o
-dilauryl-rac-glycero-3-glutaric acid resorufin ester)(シグマ♯D7414)
が使用された。基質貯蔵溶液は、100%DMSO中に1mg/mlで調製され、-20℃で貯蔵 された。測定試料当たり、各10μlの培養物上清が、80μlのリパーゼ分析バッフ
ァー及び10μlの基質溶液とともに混合された(最終濃度10μM)。基質の転換率
は、蛍光(ELISA)読み取り機を用いた蛍光測定によって、又はコンフォコール (ConfoCor)TM(Carl Zeiss,Jena, and Evotec, ドイツ)のような蛍光相関分 光法を用いて決定された。
【0051】 測定中に、クローン S.カルノサス(S.carnosus)/pTX30Δ82が、ネガティ ブコントロール(バッファー及び基質のみ)からのものよりも、無意味に高いシ
グナルを与えたのに対して、多量のリパーゼ活性が2つのクローン、S.カルノ
サス(S.carnosus)/pTX30Δ82.mem及びS.カルノサス(S.carnosus)/pTX30Δ
82.secの培養物上清中で見出された。
【0052】 実施例2 菌株及びプラスミド 以下に記載された引用は、参照としてここに組み込まれる。 野生型株S.カルノサス(S.carnosus)TM300(Goetz,F.,J.Appl.Bacteriol.S
ymp.Supp.69:49-53,1990)は、すべての組換え型ブドウ球菌株の生成のためのホ
スト生物として使用された。プラスミドpTX15、pTX30(プロリパーゼFnBPB、 S.アウレウス(S.aureus)フィブロネクチン結合タンパク質BのC末端へ連結さ
れたS.ハイカス(S.hyicus)リパーゼから成るハイブリッドタンパク質をコー
ドする)及びpCXlif(lif、リソスタフィン免疫因子)は、Goetz及びSchumac
herにより説明されたように(FEMS Microbiol.Lett.40:285-288,1987)、S.カ
ルノサス(S.carnosus)TM300に形質転換された。
【0053】 pCXlifの構築は、タム(Thumm)及びゲッツ(Goetz)により説明された方法(
Mol.Microbiol.23:1251-1256,1997)により行われた。
【0054】 プラスミドpTX30は、同じ制限酵素により切断されたプラスミドpTX15内へのpC
X30のBamHI-NarIフラグメント(Strauss及びGoetz、Mol. Microbiol. 21:491-50
0,1996)の挿入により、調製された。
【0055】 この遺伝子は、キシロースプロモーター系の制御の下で発現された(Wieland
et al.,Gene 158:91-96,1995)。前記発現の誘発は、ストラウス(Strauss)及 びゲッツ(Goetz)により説明されたように行われた(Microbiol. 21:491-500,1
996)。
【0056】 ここで使用された核酸類の配列は、以下のように遺伝子銀行に寄託された:遺
伝子銀行受付番号:プラスミドpT181:g151679;xylR(S.キシロサス(S.xylo
sus)):g48833;lip(S.ハイカス(S.hyicus)):g488333;プラスミドpC1
94:g150548;fnbB(S.アウレウス(S.aureus)):g49040.
【0057】 培地 細菌は、基本培地(BM;実施例1参照)において、30℃で培養された。必要に
応じて、クロラムフェニコール(Cm、10mg/l)又はテトラサイクリン(Tc、25mg
/l)が、前記基本培地に添加された。
【0058】 細胞壁上及び培養培地の上清中におけるリパーゼ活性との比較による、細胞壁
におけるS.ハイカス(S.hyicus)リパーゼ又はプロリパーゼFnBPBの分泌及び 固着におけるリソスタフィン免疫因子(Lif)の影響。 細胞培養物(pTX15、pTX30、pTX15+pCXlif、pTX30+pCXlif)は、遠心分離に
より、細胞ペレットと培地とに最初に分離された。その後、前記ペレットは、BM
を用いて3回洗浄され、そしてBM中から取り出された。リソスタフィンを用いた
処理(BM中で80μg/ml;37℃で30分)によるpTX30発現細胞から放出された細胞 壁タンパク質が、参照として用いられた。試料からの希釈が行われた。よって、
5mMの濃度で発色体リパーゼ基質p-ニトロフェニルカプリレート[シグマ(Sigma
)]を含有する、95μlのリパーゼ分析バッファー(10mM CaCl2、0.1%トリトンX-
100及び20mMトリス-HCl、pH8.5)が、培養物上清5μlごとに添加された。基質 の加水分解は、次いで、ミクロタイトレーションプレート(ELISA)読み取り機 の光度計を使用して、又は405nmの波長でコンフォコール(ConfoCor)を用いる 蛍光相関顕微鏡で30℃で10分間行われた。この分析は、ガラス底を有する又
は有さないミクロタイトレーションプレートにおいて行われた。
【0059】 全体として、上清中の全リパーゼ活性は、細胞発現pXT15に対して99.2%、かつ
細胞発現pTX15及びpCXlifの両者において99.1%であることが見出された。pTX30 を含む細胞は、細胞壁においてリパーゼの固着のためのコントロールとして用い
られた。例えば、プロリパーゼFnBPBΔ82(実施例1参照)をコードするpTX30Δ
82と対照的に、プロリパーゼFnBPBをコードするpTX30は、細胞壁中に固着される
と、酵素的に活性である。これらの細胞において、細胞表面での全リパーゼ活性
は、およそ85.1%であり、pTX30及びpTXlifの両者が発現した細胞中でも同様であ
った(84.5%)。
【0060】 よって、Lif発現は、リパーゼの分泌及び細胞表面におけるプロリパーゼFn
BPBの固着には、何ら影響を及ぼさないことが示され得た。
【0061】 実施例3 菌株及びプラスミド 使用された菌株及びプラスミドは、実施例2に記載されたものである。 培地 細菌は、基本培地(BM;実施例1参照)において30℃で培養された。必要に応
じて、クロラムフェニコール(Cm、10mg/l)又はテトラサイクリン(Tc、25mg/l
)が、前記基本培地に添加された。
【0062】 放出されたタンパク質の酵素活性の決定 細菌により放出されたリパーゼ活性は、以下のように培養物上清中で決定され
た。 細胞は、遠心分離により沈殿とされ、培養物上清が除去され、そして必要なら
ば氷上に貯蔵された。分析は、ガラス底なしのミクロタイトレーションプレート
において行われた。リパーゼ分析バッファー(10mM CaCl2、0.1% トリトンX-100
及び20mM トリス/HCl、pH8.5)は、5mMの濃度で、発色体リパーゼ基質 p-ニ トロフェニルカプリレート[シグマ(Sigma)]を含有した。測定試料当たり、培 養物上清5μlずつが、95μlのリパーゼ分析バッファーと混合された。基質の転 換率は、ミクロタイトレーションプレート(ELISA)読み取り機を用いて光度計 によって決定された。
【0063】 細胞壁へ共有結合又は非共有結合するタンパク質間の識別 どのプロリパーゼFnBPBも、発現細胞の細胞壁へ非共有結合し、かつこの理由 により、上清中の酵素活性の決定に包含されないことをなくすために、ムラミタ
ーゼCh及びリソスタフィンの使用に基づく戦略が開発された。ムラミターゼChは
、N-アセチルムラミン酸(muramic acid)及びアセチルグルコサミンのβ-1,4- 結合を加水分解する(図3)(Ghuysen,Bacteriol.Rev.32:425-464,1968)。そ れは、細胞壁への表面タンパク質の結合部位を直接切断せず、そのため、これら
のタンパク質は、種々の長さの細胞壁フラグメントとともに切断される(Schnee
wind et al.,EMBO J.12:4803-4811,1993)。対照的に、ムラミターゼChにより切
り開かれた非共有結合タンパク質は、すべて同じ分子量を有する(Schneewind e
t al.,EMBO J.12:4803-4811,1993)。前記引用は、参照としてここに組み込まれ
る。
【0064】 前記細胞は、遠心分離により500μlの培養培地から得られた。その後、それら
のペレットは水で3回洗浄され、そしてトリクロロ酢酸(7% W/V)を添加するこ
とにより沈殿とされた(氷上で20分)。沈殿の遠心分離後、形成されたペレッ
トは、アセトンで2回洗浄され、真空乾燥された。その後これらのペレットは、
ムラミターゼCh(100μg・ml-1)が添加されたBM 170μl中に溶解され、そして その溶液は37℃で3時間インキュベートされた。その後、これら試料は再度遠心
分離され、その上清は80μlずつの2つの部分に分割され、水20μlがそれらの1
つに添加され、かつリソスタフィン溶液(400μg・ml-1)20μlが他方に添加さ れた。これら溶液は。37℃で3時間インキュベートされた。個々の部分は、その 後濃縮され、そしてSDS-PAGE(10%アクリルアミド)及び(プロリパーゼ特異的 抗血清を用いた)免疫ブロット検出を用いて試験された。
【0065】 ムラミターゼChは、Lif(pCXlif)もまた、これらの細胞中で発現されるか
否かに関わりなく、S.カルノサス(S.carnosus)の細胞壁からのプロリパーゼ
FnBPBの完全な放出をもたらすことが示された(図4)。両方の場合において、 リパーゼ特異的シグナルのスペクトルは、プロリパーゼFnBPBに共有結合した異 なる長さの細胞壁フラグメントによる拡張として、ゲル上で観察され得た。Li
f発現細胞の差別化のために、これらの試料は、ゲル電気泳動及び免疫ブロット
検出が行われる前に、並行操作において、リソスタフィンとともに処理された。
プロリパーゼFnBPBが、Lifを発現しなかった細胞から放出された場合におい て、細胞壁固着の残基は、完全に除去されたことが示された。ゲル上では、これ
は、鋭いバンドとして観察され得た。Lif発現細胞由来の表面タンパク質は、
リソスタフィン感受性ではなかった(図4)。
【0066】 菌株及びプラスミド 使用された菌株及びプラスミドは、実施例2に記載のものである。 培地 細胞は、基本培地(BM;実施例1参照)において、30℃で培養された。必要に 応じて、クロラムフェニコール(Cm、10mg/l)又はテトラサイクリン(Tc、25mg
/l)が、前記基本培地に添加された。 放出されたタンパク質の酵素活性の決定 細菌により放出されたリパーゼ活性は、実施例3に従って培養物上清において
決定された。
【0067】 自然細胞壁変化によりS.カルノサス(S.curnosus)から放出された表面タン
パク質のフラクションの決定 自然細胞壁変化により放出された細胞壁タンパク質の1つの重要な特性は、放
出前に細胞壁へ共有結合されることである。自然放出タンパク質のフラクション
の決定のため、プラスミドpCXLif及び/又はpTX30を含有する細胞の培養物上清は
、濃縮され、そしてSDS-PAGE及び免疫ブロット検出により分析された。プラスミ
ドpTX30のみを含有した細胞から、リソスタフィンにより放出されたプロリパー ゼFnBPBは、参照として使用された。参照よりも大きな電気泳動移動度を有する 分解生成物に加えて、いくつかの重複するリパーゼ特異的シグナルが、拡張とし
て観察された。ゲル電気泳動及び免疫ブロット検出前の、リソスタフィンを有す
る上清(BM中で80mg・ml-1、37℃で30分)のインキュベーションは、非Lif発
現細胞の上清から得られたそれらのタンパク質にのみ行われた。いくつかの重複
するリパーゼ特異的シグナルの拡張に換えて、参照と同様の電気泳動移動度を示
す制限バンドが観察され得る。Lif及びプロリパーゼFnBPBを発現する細胞由 来の前記リパーゼ特異的シグナルは、リソスタフィンにより影響を受けない。
【0068】 さらに、この研究において、全リパーゼ活性の15%でさえ、中間複写数(mediu
m-copy number)プラスミド類のための上清中で決定され得たのに対して、低複 写数(low-copy number)プラスミド類による細胞発現プロリパーゼFnBPBの全リ
パーゼ活性の5%すべてが、自然放出から上清中で測定されたことが見出された。
他の表面タンパク質の共発現(coexpression)は、リパーゼの放出には何ら影響
を及ぼさなかった。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP,US (72)発明者 ツム ギュンター ドイツ連邦国、ハンブルグ D−22525、 シュナッケンブルガリー 114、エボテッ ク バイオシステムズ アクチェン ゲゼ ルシャフト (72)発明者 ポールナー ヨハネス ドイツ連邦国、ハンブルグ D−22525、 シュナッケンブルガリー 114、エボテッ ク バイオシステムズ アクチェン ゲゼ ルシャフト (72)発明者 ゲッツ フリードリッヒ ドイツ連邦国、ハンブルグ D−22525、 シュナッケンブルガリー 114、エボテッ ク バイオシステムズ アクチェン ゲゼ ルシャフト Fターム(参考) 2G045 AA25 AA39 AA40 BB20 CB21 DA12 DA13 DA14 DA20 DA36 DA44 DA77 FB01 FB03 FB04 FB05 FB06 FB07 FB12 FB13 FB20 GC11 GC15 GC22 JA01 4B024 AA01 AA13 BA11 CA01 DA05 EA04 HA11 4B050 CC06 DD02 LL01 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ15 QQ32 QR33 QR41 QR48 QR58 QR67 QR75 QS24 QX01 QX02 4H045 BA10 BA17 DA55 EA22

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の段階を含む、グラム陽性菌の表面への、ポリペプチド類の
    共有結合に影響を及ぼす活性物質の同定のための方法。 a)グラム陽性菌の表面への共有結合する、又はし得る少なくとも1つの酵素的レ
    ポーター物質を含み、又は生成するグラム陽性菌の試料を提供し、前記少なくと
    も1つのレポーター物質は、グラム陽性菌の表面へ共有結合しないときに、それ
    がグラム陽性菌の表面へ共有結合されるときに示される酵素活性と異なる酵素活
    性を有し; b)可能な活性物質を有する試料と接触し; c)試料のグラム陽性菌のレポーター物質の酵素活性を分析する。
  2. 【請求項2】 レポーター物質の酵素活性の前記分析は、遺伝的に変化を受けな
    かった少なくとも1つの参照試料、及び/又はレポーター物質がグラム陽性菌の 表面へ非共有結合されている少なくとも1つの参照試料、及び/又はレポーター
    物質がグラム陽性菌の表面へ共有結合されている少なくとも1つの参照試料、及
    び/又はレポーター物質がグラム陽性菌の表面への共有結合なしに存在する少な
    くとも1つの参照試料との比較により行われることを特徴とする請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 細胞壁のムレインへのポリペプチド類の前記共有結合が、グラム
    陽性菌の、特にペンタグリシン類のような、内部ペプチドブリッジにおいて行わ
    れることを特徴とする請求項1及び/又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリペプチド類が、グラム陽性菌の病原性因子であることを
    特徴とする請求項1〜3の少なくとも1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記レポーター物質が、ハイブリッドポリペプチドであることを
    特徴とする請求項1〜4の少なくとも1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ハイブリッドポリペプチドが、以下の配列セグメント、N-末
    端シグナルペプチド、酵素、配列LPXTGを有する配列セグメント、疎水性配列セ グメント、及び帯電配列セグメントの連続を有することを特徴とする請求項5に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記酵素がプロ酵素として提供されることを特徴とする請求項6
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記酵素活性の変化が、不活性から活性構造への、又はその逆の
    トランジションによることを特徴とする請求項6〜7の少なくとも1項に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 リンカーペプチド、特に10より少ないアミノ酸を含むものが、前
    記酵素と配列LPXTGを有する前記配列セグメントとの間に提供されることを特徴 とする請求項6〜8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記グラム陽性菌が、低自然細胞壁回転(low natural cell w
    all turnover)及び/又は少数の細胞壁プロテアーゼ及び/又は少数の分泌プロ
    テアーゼを有することを特徴とする請求項1〜9の少なくとも1項に記載の方法
  11. 【請求項11】 前記少なくとも1つのレポーター物質の酵素活性の前記分析が
    、蛍光分光法、特に共焦蛍光分光法を用いて行われることを特徴とする請求項1
    〜10の少なくとも1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記グラム陽性菌がLifを発現することを特徴とする請求項1 〜11の少なくとも1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 自然細胞壁変化により放出されたレポーター物質のフラクショ
    ンが決定されることを特徴とする請求項1〜12の少なくとも1項に記載の方法
  14. 【請求項14】 グラム陽性菌の表面へ非共有結合するレポーター物質のフラク
    ションが決定されることを特徴とする請求項1〜13の少なくとも1項に記載の
    方法。
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