JP2001516819A - 一時的結合糸を有する複数層多孔ベルト - Google Patents

一時的結合糸を有する複数層多孔ベルト

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トロクハン・ポール・デニス
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Abstract

(57)【要約】 抄紙工程におけるセルロース繊維構造体を支持するためのベルト(10)。このベルトは2つの層(16、18)、即ち、ウエブに接触する第1層と機械側を向いた第2層を有する強化構造体(12)と、硬化した感光性樹脂からなる模様層(30)で構成され、この模様層がこの層を貫く複数の導路(44)を有する。この2つの層は一時的結合糸(322)、少なくともこの一時的結合糸の一部分によって、一体構造になり又は補助されるように結合され、この結合糸は導路の中にあり、感光性樹脂硬化後に除去される。この様なベルトの製造方法も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明はベルトに関し、より詳細には樹脂製枠組み構造体と強化用構造体から
なり、抄紙に有用な多孔ベルトに関する。さらにより詳細には、本発明は例えば
少なくとも2層の強化用構造体を有し、この強化用構造体が除去可能な結合糸を
有し、この結合糸が上記層を一時的に結合するベルトに関する。
【0002】 発明の背景 セルロース繊維構造体、例えば紙タオル、顔用ティシュ、及びトイレット用テ
ィシュ等は日常生活の必需品である。この様な消費財に対する多大かつ不変の需
要は、これらの製品の改良品への需要を生み、同様に、その製造方法の改良を創
出してきた。この様なセルロース繊維構造体は水性スラリーをヘッド・ボックス から長網ワイヤー又はツイン型ワイヤー抄紙機上に堆積させることによって製造
される。この様なタイプのフォーミング・ワイヤはどちらも無端ベルトであり、
このベルトを通して初期排水され、繊維の再配列が行われる。
【0003】 ウエブ初期形成の後に、そのウエブがセルロース繊維構造体になり、抄紙機が
ウエブを抄紙機のドライ・エンドに搬送する。従来の抄紙機のドライ・エンドで
は、押圧フェルトがこのウエブを最終乾燥前に圧縮して単一の区域のセルロース
繊維構造体にする。通常、この最終乾燥は加熱されたドラム、例えばヤンキー・
ドライヤーの乾燥用ドラム等によって実施される。
【0004】 この製造工程に対する一つの顕著な改良は、その工程によって製造される消費
財製品を顕著に向上させるものであって、従来のフェルト脱水用プレスの代りに
通気空気乾燥機を使用する。通気空気乾燥機では、フェルト脱水用プレスのよう
に、このウエブがフォーミング・ワイヤ上で、ヘッド・ボックスからの濃度1% 未満の水性スラリーの受け入れを開始する。典型的には初期脱水はこのフォーミ
ング・ワイヤ上で行なわれる。このフォーミング・ワイヤは典型的には約30%
を超える濃度のウエブに対して露出されることはない。このフォーミング・ワイ
ヤから、ウエブが透過性通気空気乾燥用ファブリックに搬送される。
【0005】 空気は、ベルトとウエブが真空伝達スロット、他の真空ボック又はシュー、予
乾燥ロール等の上方で駆動されている時に、通気空気乾燥用ファブリックとウエ
ブを通過する。その結果として、ウエブが通気空気乾燥用ファブリックの形そっ
くりにモールドされ、そのウエブの濃度が増加する。この様なモールド加工は、
より立体的なウエブを作り出すだけでなく、もし繊維がその繊維の連続性を破る
ように第三の方向に偏向されれば、ピンホール発生の原因になることもあり得る
。従来公知の様にピンホールはウエブの不完全な形成によって生じた紙ウエブの
中の小さい孔である。
【0006】 ウエブは次に最終乾燥工程に送られ、この工程でウエブも軽く押圧される。こ
の最終乾燥工程で、通気空気乾燥用ファブリックがウエブを加熱ドラム、例えば
最終乾燥用ドラムに搬送する。この搬送中に、ウエブの一部が軽度押圧されてい
る中に密度が大きくなり、多区域の構造体になる。この様な多くの多領域構造体
は好ましい消費財として広く受け入れられている。商業的に大成功した初期の通
気空気乾燥用ファブリックの例は1967年1月31日発行のサンフォード( Sanford)らの米国特許第3,301,746号明細書に記載されている
【0007】 時を経て、さらなる改良が必要になった。通気空気乾燥機における顕著な改良
は、通気空気乾燥機を提供する為に強化用構造体に樹脂製枠組み構造体を使用す
ることであった。この配置は乾燥ベルトに、従来の織成ベルトによって得られる
隔離模様のみならず、連続模様、又は任意所望の模様にすることを可能にした。
この様なベルトと、それによって作られたセルロース繊維構造体の例は、198
5年4月30日発行のジョンソン(Johnson)らの米国特許第4,514
,345号明細書、1985年7月9日発行のトロクハン(Trokhan)の
米国特許第4,528,239号明細書、1985年7月16日発行のトロクハ
ン(Trokhan)の米国特許第4,529,480号明細書、及び、198
7年1月20日発行のトロクハン(Trokhan)の米国特許第4,637,
859号明細書に記載されている。この4件の米国特許明細書は、模様付き樹脂
製枠組み構造体と強化用構造体タイプの通気空気乾燥機の好ましい構造、及び、
それによって製造された製品を示す目的で、参照によって本明細書に取込まれて
いる。この様なベルトは商業的に大成功した製品、例えばBOUNTY印の紙タ
オルと、CHARMIN・ULTRA印のトイレット・ティシュ(この両商品は
共に本願出願人が製造販売している)を製造するために使用されてきた。
【0008】 既に注目した様に、この様な通気空気乾燥用ベルトは樹脂を安定させる為に強
化用構成部材を使用した。この強化用部材も、ベルトの裏側に加えられる真空と
ベルトを通る空気とで、抄紙用繊維の偏向を制御した。このタイプの初期のベル
トは目の細かい網状の強化用部材を使用した。この様な目の細かい網は、繊維を
ベルトの中に偏向させるという観点では受け入れられても、典型的な抄紙機運転
時間延長の環境に耐えることが出来なかった。例えば、この様なベルトは可撓性
が非常に大きいから、しばしば破壊的な折りたたみや折り目が発生した。また、
細い糸は適当な継ぎ目強度を提供せず、かつ、しばしば抄紙中に高温で燃えてテ
ィシュ・ペーパーに穴をあけるという欠陥を生じることもあった。
【0009】 新しい世代の模様付きの樹脂製枠組み用構造体と強化用構造体の通気空気乾燥
用ベルトは、これら幾つかの問題に注目したものである。この世代は、垂直方向
に固定された縦糸を有する二重の層の強化用構造体を使用した。1本の横糸のシ
ステムは2本の縦糸を結合した。この様な二重層の形は、継ぎ目強度と焦げ抜け
の問題に注目して、より粗い織柄と太い糸を使用し、それと同時に、抄紙機で折
り目や折りたたみが出来難くする為に充分な剛性を維持することが出来た。
【0010】 この様な樹脂製枠組み用構造体と強化用構造体の通気空気乾燥用ベルトをティ
シュ・ペーパー例えば上述の説明で注目した商業的に成功したチャーミン・ウル
トラ(CHARMIN・ULTRA)の製造に使用した時に、新しい問題点が生
じた。例えば、ティシュ製造における一つの問題点は、ウエブの偏向した領域に
小さいピン・ホールが形成されることであった。ピン・ホールはウエブをベルト
の中に偏向させる深さに強く係っていた。この深さは強化用構造体上の樹脂の厚
さと、繊維が強化用構造体の仮想上の上面を越えて偏向することを許容する強化
用構造体の内部のポケットとからなる。典型的な固定縦糸の二重層の強化用構造
体の形は、特に織られた形状が作る各種の深さを有する。樹脂の中の偏向導路に
位置決めされる織生物の特定位置の深さを深くするほど、その区域にピン・ホー
ルが発生する傾向が強くなった。
【0011】 最近の研究は、ピン・ホールの発生を予期以上に減少させる三層の強化用構造
体を使用することを示している。三層の強化用構造体は完全に独立の2つの織成
層からなり、この層がそれぞれ、それ自体の特定の縦方向及び横方向のメッシュ
を有する。この2つの独立の織成層は典型的には結合糸の結合にリンクしている
。より詳細には、三層のベルトは好ましくは、ウエブに接触してピン・ホールを
最少にするために、目の詰んだ平織りを上側の層として使用する。下側の層、即
ち機械に対面する層は、剛性を増し、継ぎ目の強度を向上させるために粗い(コ
ース)糸を使用する。この結合糸は特別に加えられた縦糸でも横糸でも良く、こ
れはどちらの層(補助結合糸)にも表れない。代替的に、この結合糸を、強化用
構造体の上側の層、及び/又は下側の層からの縦方向の結合糸又は横方向の結合
糸(一体構造の結合糸)からなるようにしても良い。縦方向の糸は結合糸に好ま
しく、その理由はその縦方向の糸が増加した継ぎ目の強度を提供するからである
。この様な三層のベルトがピン・ホールの減少に著しい改善を提供したが、さら
なる改良が未だ望ましい。例えば導路の中に結合糸が存在することは、その結合
糸の存在する導路が結合糸の全く存在しない導路よりも小さい突出開口区域を有
して、透過性に差を生じさせる。その結果、繊維は結合糸を有する導路の中に、
この様な繊維が結合糸なしに残余の導路の中に偏向するよりも異なるように、偏
向することが出来る。
【0012】 抄紙技術は抄紙機に使用する繊維の透過度を著しく増加させてきた。例えば、
縫製した乾燥用ベルトは最初、比較的開いた織成基布を使用し、この基布にフェ
ルト形成用のステープル・ファイバーを縫い付け得るものであった。この様なフ
ェルトの透過性改良の試みでは、従来技術は、織成基布の交換品として、間隔が
均一の平行な縦糸(横糸のないフェルト)からなる支持構造体を開発した。しか
しながら、この様な横糸のないフェルトには,縫付け工程中、及び抄紙機上での 運転時の構造的安定性に欠陥がある。この様な構造的安定性の欠陥は、当業者に
は「薄っぺらさ」として公知である。この様な構造的安定性の改良の為の一つの
問題解決法は、Scapa‐Porritt社の名義で1971年5月5日に発
行された英国特許第1230654号明細書に記載されている。この刊行物には
縫い付けられた抄紙機械のフェルトの製造方法が開示され、この方法では、織成
された基布が典型的に採用されるような縦方向の糸と横方向の糸を有し、その糸
の少なくとも何本かが水性媒体に不溶であり、その少なくとも何本かは水性媒体
に溶解すべきものであるといわれていた。この基布の可溶の糸を溶解することも
開示されている。薄っぺらさの改良は抄紙用フェルトに溶解可能の糸を使用する
ことによってなされたが、この様な改良は既に検討した結合糸の使用によって生
じる繊維の方向の差を解決することが出来なかった。さらに、上述の英国特許第
1230654号明細書は、多層繊維のフィラメントを、既述の三層ファブリッ
クの結合糸によってもたらされるような好ましい関係に維持する必要性を解消出
来なかった。
【0013】 必要とされる他の領域の改良は、付加的なピン・ホールの減少又は排除である
。ベルトが上の層の一体構造の結合糸を有する強化用構造体からなるときには、
支持部材がなければ、結合糸が2つの層の結合のために下側の層に跳んだときに
は何時でもピン・ホールが生じることがあり得る。これは、一体構造の結合糸を
使用するときには、異なる導路がピン・ホール形成に対して異なる可能性を有し
、それが抄紙工程の制御の困難性を増大させる結果になるということである。
【0014】 したがって、本発明の目的は、開口領域の均一性が改良され、かつ、その偏向
導路の間のピン・ホール形成を減少させる可能性を有するベルトを提供すること
にある。本発明の他の目的は、抄紙工程用のこの様なベルトの安定性を低下させ
ることなく、又はそのベルト製造工程への強化用構造体の適合性を低下させるこ
となく、この様な改良された均一性を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、製造工程中に多層強化用構造体の層の間の安定性を提供するが、それと
同時に、抄紙工程のために満足な耐用命数を有するベルトを提供する結合糸を有
する強化用構造体を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、例えば次
のようなベルト、即ち、ベルトの中の任意の結合フィラメントが、そのベルトの
導路の開口領域に支障を与えないベルトを提供することにある。
【0015】 発明の要旨 本発明はセルロース繊維構造体用の支持ベルトからなる。このベルトは強化用
構造体と模様層からなる。
【0016】 この強化用構造体は2つの層、即ちウエブに対面する層と抄紙機に対面する層
からなる。このウエブに対面する層は化学線放射に対して実質的に透明な糸で織
られている。好ましくは、抄紙機に対面する層を構成する糸の少なくとも一部分
が化学線放射に対して実質的に不透明である。
【0017】 この2つの層は一時的結合糸によって結合され、この結合糸がベルト製造時に
層と層との関係を安定させる。この結合糸は横方向に付属しも、又は縦方向の結
合糸に付属してもよく、この結合糸が第1又は第2層の縦方向の糸又は横方向の
糸でそれぞれ編み込まれる。この結合糸は、一体構造の結合糸にしても良く、第
1層と第2層を相互に結合しても良く、第1層と第2層の各面の中に織り込んで
も良く、さらに、他の層の各糸で織り込んでも良い。
【0018】 模様層は抄紙機に対面する層の裏側から、ウエブに対面する層を貫きかつ超え
て延びて、このベルトの少なくとも一部分を形成する。この模様層は硬化した感
光性樹脂からなる。この模様層は更に複数の導路を有し、この導路は硬化した樹
脂を貫いて延びて、このベルトのウエブに接触する面と裏側とを流体的に接触さ
せる。
【0019】 強化用構造体のウエブに対面する層と抄紙機に対面する層はさらに一時的補助
結合糸によって一時的に結合され、この一時的補助結合糸は各層に織り込まれて
いる。結合糸は化学線放射に対して透明であり、これらの結合糸は強化用構造体
のウエブに対面する層と抄紙機に対面する層との関係の安定のために必要なくな
ったときに化学的又は機械的プロセスによって除去することが出来る。特に一時
的補助結合糸の導路内にある部分を除去し得るので、ベルトの属性、例えば突出
した開口領域、はこのベルトの断面と実質的に同形である。一時的補助結合糸除
去の為の好ましい手段は、シャワー・システムによって供給される溶解と機械的
エネルギーとの組合せであり、このシャワー・システムはベルト製造工程の一部
分である。適当な材料は化学的又は機械的手段によって除去することが出来る。
【0020】 発明の詳細な説明 図1及び図2を参照すれば、この2つの図は本発明のベルトを示すものであり
、この本発明のベルトは好ましくは無端ベルトであり、このベルトは抄紙工程の
一つの部分から他の部分にセルロース繊維や材料等を運ぶことを意図したもので
ある。例えばベルト10は繊維堆積工程(即ちフォーミング・ワイヤとして作用
するもの)における繊維等の受け入れ、又はこの様な繊維をフォーミング・ワイ
ヤから乾燥工程に運ぶのに適当なものである。ベルト10は2つの主要構成要素
、即ち強化用構造体12と模様層30からなる。この強化用構造体12はさらに
、少なくとも2つの層、即ちウエブに対面する層16と抄紙機に対面する層18
からなっている。この強化用構造体12の各層16、18はさらに、織り込まれ
た縦方向の糸120、220と横方向の糸122、222からなっている。好ま
しい強化用構造体12はさらに、ウエブに対面する層16と抄紙機に対面する層
18で織り込まれた一時的補助結合糸322とからなっている。本明細書で使用
するときには、用語「糸100」は本来的かつ排他的に、第1層16の縦方向の
糸120、横方向の糸122、さらに、第2層18の縦方向の糸220、横方向
の糸222である。
【0021】 ベルト10の第2の構成要素は模様層30である。この模様層30は強化用構
造体12のウエブに対面する層16の頂部に樹脂で注形される。この模様層30
は強化用構造体12の中に浸透し、化学線放射によって、不透明部分と透明部分
とを有するマスクを通して、任意所望の模様に硬化される。
【0022】 図2を参照すれば、ベルト10は対向する2面、即ち模様層30の外側を向く
面に配置されたウエブ接触面40と、これに対向する面42とを有する。ベルト
10の裏側の面42は、抄紙作業が継続している間、抄紙機に接触している。こ
の様な機械装置(図示せず)は真空ピックアップ・シュー、真空ボックス、各種
のローラーなどを内蔵している。
【0023】 ベルト10はさらに導路44からなっても良く、この導路44はベルト10の
ウエブ接触面40から、このウエブ接触面40に流体的に通じる状態で、ベルト
10のの裏側の面42まで延びている。導路44は、抄紙作業継続中、ベルト1
0の面に直角なセルロース繊維を偏向させることが出来る。
【0024】 導路44は、基本的に連続的な模様層30が選択されたときには、図示の様に
隔離しても良い。代替的に、模様層30を隔離することが出来、導路44を基本
的に連続にしても良く、又は模様層30と導路44の両者を半ば連続的にしても
良い。例えば、隔離された模様層30と連続的な導路44を図1に示したものに
対向するものとして当業者が想像することは容易である。この様な配置は、隔離
された模様層30と、基本的に連続な導路44を有するものであり、参照によっ
て本明細書に取込まれた上述のジョンソン(Johnson)らの米国特許第4
,514,345号明細書の図4に示されている。半ば連続的な導路は1997
年5月13日発行のエイヤース(Ayers)らの米国特許第5,628,87
6号明細書に開示され、この開示は参照によって本明細書に取込まれている。も
ちろん、当業者は隔離、連続、及び半ば連続の任意の組合せも同様に選択してよ
いと認識するであろう。
【0025】 模様層30は感光性樹脂を用いて、上述のように、及び、参照により本明細書
に取込まれている特許におけるように注形される。模様層30を形成する感光性
樹脂を強化用構造体12に所望の模様で適用するために好ましい方法は、その感
光性樹脂を強化用構造体に液体の形でコーティングすることである。化学線放射
は樹脂の硬化に適合した活性化用波長を有するものであって、液状の感光性樹脂
に対して、透明部分と不透明部分を有するマスクを通して照射される。この化学
線放射は透明部分を通過して、その下の樹脂を所望の模様に硬化させる。マスク
の不透明部分で遮蔽された液状の樹脂は硬化されず、洗い流されて模様層30の
中の導路44から外に出る。
【0026】 1996年10月22日発行のトロクハン(Trokhan)の第5,566
,724号明細書(その開示内容は参照によって本明細書に取込まれている)に
記載されている様に、紫外線に対して不透明な縦方向又は横方向の糸を強化用構
造体の第2層に供給することと、化学線放射に対して透明な結合糸を供給するこ
とは、結果的に、この様な結合糸が強化用構造体の頂部に配置されたときには常
に、樹脂を固定することの好ましくない損害を受けることなく、ベルトに所望の
裏側のテクスチャを形成することになる。それと同様に、本発明に関しては、化
学線放射が第2層18の糸220、222を通過せず、この第2層18は実質的
に不透明である。これは結果的に第2層18の抄紙機と対面する面にバック・テ
クスチャを形成する。このバック・テクスチャは、第2の不透明性を有する第2
層18の糸220、222に対して位置決めされ、これは化学線放射に対して不
透明である。セルロース繊維を通る空気流とバック・テクスチャを通る空気流は
セルロース繊維構造体から水を除去する。
【0027】 模様層30は強化用構造体12の第2層18の裏側の面42から、この強化用
構造体12の第1層16の外側方向に、この第1層16を越えて延びている。も
ちろん、詳細は後に検討するように、模様層30が全てベルト10の裏側42の
最外側面まで延びてはいない。その代りに、模様層30の部分は、後述するよう
にテクスチャに空気流を送れるようにするために、強化用構造体12の第2層1
8の特定の糸220、222の下まで延びていない。模様層30は、さらに、第
1層16のウエブに対面する表面16を越え、この面から外側方向に延びて、少
なくとも部分的に偏向導路44の深さを形成している。好ましくは、模様層30
は第1層16のウエブに対面する面から外側方向に約0.05mm(約0.00
2インチ)乃至約1.3mm(0.05インチ)延びている。この模様層30の
第1層16に直角に、かつ、この第1層16を越えて延びている寸法は、模様が
粗くなるにつれて概ね増大する。模様層30が第1層16のウエブに対面する面
から延びている距離は、第2層18の裏側42から最も遠いウエブに対面する層
16の面46から測定する。本明細書で使用するときには、用語「ナックル」は
縦方向の糸120、220と横方向の糸122、222との交点である。
【0028】 用語「縦方向」は、抄紙用装置を通る紙ウエブの主な流れに平行な方向を意味 する。「横方向」は、この縦方向に直角であり、かつ、ベルト10の面の中にある
ことを意味する。
【0029】 既に注目したように、ベルト10の異なる糸100は異なる不透明度を有する
。糸100の不透明度は、糸100上に入射する化学線放射の量に対する、(反
射率、散乱、又は吸収の何れかによって)糸100を通過しない化学線放射の量
の比率である。本明細書で使用するときには、用語「比透明度」は丸い糸100の
単位直径当りの不透明度を意味する。局部的不透明度は糸100の所与の断面の
全体に亘って変化しても差し支えないと認識すべきである。しかしながら、不透
明度は既述の様に特定の横断面の不透明度の集合を意味するものであって、直径
を構成する任意の異なる要素によって表される不透明度を意味するものではない
【0030】 縦方向の糸120と横方向の糸220はウエブに対面する第1層16の中に織
り込まれている。この様な第1層16は打込み数が1本過剰、1本不足の平織り
)、又は頂面46から最少の偏位を有する他の任意の織り方でも差し支えない。
好ましくは、第1層16を構成する縦方向の糸120と横方向の糸122は第1
の不透明度を有する。この第1の不透明度は、縦方向の糸120と横方向の糸1
22が模様層30の硬化に使用する化学線放射に対して実質的に透明であるよう
に、充分小さくすべきである。この様な縦方向の糸120、122は、もしも化
学線放射が縦方向の糸120、122の最大横断面をベルト10の面にほぼ直角
な方向に通過することが出来、さらに、後述する感光性樹脂を充分に硬化し得る
ならば、実質的に透明であると考えられる。
【0031】 縦方向の糸220と横方向の糸222も、縦方向の第2層18の中に織り込ま
れている。この縦方向の第2層18の 縦方向の糸220と横方向の糸222、
特に横方向の糸222は好ましくは、継ぎ目の強度の改良のために、第1層16
の糸120、122よりも大きい。この結果は、もしも断面が丸形の糸100を
使用するならば、第1層の縦方向の糸120よりも直径が大きい第2層18の横
方向の糸222の提供しても得られる。これは、もし断面の異なる糸100を使
用するなら、第1層の縦方向の糸120よりも入射光線の経路が長い第2層の横
方向の糸220の提供して得ることもできる。代替的に、かつ好ましくはないが
、第2層18の縦方向の糸220を、第1層16の糸120、122よりも引張
り強さの大きい材料で作っても差し支えない。
【0032】 任意の実施例で、第2層18の縦方向の糸220及び/又は横方向の糸222
は第2の不透明度及び/又は比透明度を有し、この第2の不透明度及び/又は比
透明度は、それぞれ、第1層16の糸120、122の不透明度及び/又は比透
明度よりも大きい。第2層の糸220、222は好ましくは化学線放射に対して
実質的に不透明である。用語「実質的に不透明」は、この様な不透明度を有する
糸220、222の影にある液状の樹脂が機能的な模様層30を硬化しないが、
その代りにベルト10の製造工程の一部分で洗い流されることを意味する。
【0033】 縦方向の糸220と横方向の糸222は第2層18を構成し、任意の適当な模
様、例えば図に示すように平織り、又は綾織か不完全綾織、及び/又は任意の適
当な樋口を用いて織っても良い。好ましくは第2層18は継ぎ目の強度を最大に
する為に平織りである。所望に応じて第2層18は、この層の横方向の糸122
に対応するように、他の全ての位置に横方向の糸222を有しても差し支えない
。一般的には、第2層18の縦方向の糸220は、継ぎ目の強度の保持の為に、
第1層16の縦方向の糸120の周期と同じ周期で現れる。
【0034】 一時的補助結合糸322は第1層16と第2層18を結合する。この一時的補
助結合糸322は、第1層と第2層の縦方向又は横方向の各結合糸で織り込まれ
ている横方向、又は縦方向の補助結合糸でも差し支えない。これは、補助結合糸
が第1層16と第2層18の何れかのために選択された任意の織から独立してい
るが、その代りに、この様な結合糸をこの様な通常織りの層16、18に加えて
も、この様な通常織の層16、18が乱れても良い。この結合糸も一体構造の結
合糸であり、この結合糸は第1層と第2層を相互に結合し、かつ第1層16と第
2層18の各面(即ち織の部分)の中に織り込まれ、さらに、他の層の各糸で織
り込まれている。近くの一体構造の結合糸は既に説明した米国特許第5,566
,724号明細書により詳細に検討されている。一体構造の結合糸か補助結合糸
かのどちらかが、本発明の第1層16と第2層18を結合するのに適当なもので
あるが、この第1層16と第2層18は好ましくは横方向の一時的補助結合糸3
22によって結合されている。
【0035】 好ましい一時的補助結合糸322は、第1層16と第2層18を結合する為に
、これらの層の間に織り込まれている。図1と図2に示すように、好ましい一時
的補助結合糸322は横方向の結合糸であり、この結合糸は第1層16と第2層
18の縦方向の各糸120、220で織り込まれている。代替的に、この結合糸
を縦方向の結合糸(図示せず)にしても良く、この結合糸は第1層16と第2層
18の横方向の各糸122、222で織り込まれている。好ましくは、この様な
結合糸は直径が第1層16と第2層18の糸100よりも小さく、したがって、
この様な結合糸はベルト10の突出した開口部区域を過度に減少させない。また
、本明細書で使用するときには、結合糸は、もしもその結合糸が少なくとも部分
的に、この様な糸を除去するために特別に設計された 工程のベルトの製造工程、抄紙工程に使用される手段によって除去されるものな
らば、「一時的」であると考えることが出来る。
【0036】 一時的補助結合糸322のための好ましい織模様は、第1層16を第2層18
に対して安定させる為に必要な最少数の結合点を有する。この一時的補助結合糸
322は好ましくは、横方向に向けられるが、それは、この配置が一般的に織り
やすいからである。適当な織り模様を図1に示す。
【0037】 従来技術で示された織り模様のタイプとは逆に、模様層30の効果を安定させ
ると、第1層16と第2層18を係合させるために必要な結合糸322の数が最 少になる。それは、一旦鋳造が完了すると、抄紙工程中、模様層30が第1層1
6を第2層18に対して安定させるからである。したがって、一時的補助結合糸
322は、第1層16又は第2層18の製造のために使用する糸100よりも、
小さくかつ少数になるように選択してもよい。
【0038】 図3と図4を参照すれば、この図面は既に説明した米国特許第5,566,7
24号明細書の従来技術のベルト110を示すものであり、このベルトの永久的
補助結合糸422は導路44を内蔵することを本来的に妨げる。これは、永久的
補助結合糸422が導路44の中にあるときには何時でも、導路44の突出した
開口区域の付加的な部分が糸422によって妨げられるということである。この
導路44の妨害が有効な繊維の支持に差を生じさせ、この繊維の支持が完成した
製品の均一性の差を招く原因になる。さらに、もしも1994年1月4日発行の
エンサイン(Easign)の米国特許第5,274,930号明細書に効果的
に記載されたようなオリフィス乾燥の限定が望まれれば、ベルト10が充分な開
口区域を有することがより重要にさえなる。
【0039】 従来技術は、比較的少数で小型の永久的補助結合糸422を提供することでこ
の問題を解決しようとしたが、これはもちろん、永久的補助結合糸422がベル
ト10を通る突出した開口区域を遮るからである。この様な構造は、製品の均一
性に対する永久的補助結合糸422の効果を最少にする。しかしながら、この様
な効果をさらに最小化することは望ましいことである。後述するように、本発明
は一時的補助結合糸322の提供によって製品の均一性をさらに改良するもので
あり、これでは結合糸が、この様な結合糸を除去するように設計された工程では
(模様層30が第1層16を第2層18に対して安定化させた後の)ベルト製造
工程か抄紙工程かの何れかから除去される。出願人は模様層30の糸100の直
径と一時的補助結合糸322の直径との間の関係によっては、本発明(即ちこの
場合、1本が存在する導路44から結合糸を除去)が導路の為の突出した開口区
域を、従来のベルトの開口区域よりも約5%から約20%増加させる結果になる
ことを見出している。従来実施されてきた典型的材料を用いて織ったベルト10
については、突出した開口部の面積の増加は約14%である。ベルト10の突出
した開口部の面積は、1994年1月11日発行のファンとトロクハンの米国特
許第5,277,761号明細書に記載された突出開口部の面積の測定方法に基
づいて(余り透明にすることなく)求めることが出来、この米国特許明細書は強
化用構造体の突出した開口部の面積の測定方法を示す目的で本明細書に取込まれ
ている。
【0040】 好ましくはこの様なベルトは少なくとも約183立方メートル毎平方メートル
(約600標準状態立方フィート毎平方フィート)の透気度を有する。さらに好
ましくはこの透気度は、少なくとも約274立方メートル毎平方メートル(約9
00標準状態立方フィート毎平方フィート)の透気度を有する。本明細書で使用
するときには用語「透気度」は、ベルト10の1平方メートル(1平方フィート
)を、ベルトの厚さ約1.2cm(約0.5インチ)の圧力で通過する空気の毎
分当りの立方メートル毎平方メートル(立方フィート毎平方フィート)の数値と
して測定される。この透気度はフィンランド国、ヘルシンキのヴァルメット社か
ら購入可能のヴァルメット型通気性測定装置(ウィゴ・タイフン・タイプ100
0型)を用いて測定される。
【0041】 本発明の強化用構造体12の織成工程では、一時的補助結合糸322は、従来
技術の永久的補助結合糸422と基本的に同じ要領で処理される。これは、結合
糸422又はこれに似たものを使用する従来技術の織成模様が、本発明の強化用
構造体12の安定化のためにも適当であるということである。
【0042】 さらに一時的補助結合糸は融通性のある付加的織り模様(図示せず)を提供す
る。この様な融通性の例は次のものを含んでいる: ・この様な結合糸は、簡単な工程の段階で除去可能であるから、織り模様が従来 技術によって典型的に使用し得る織り模様よりも多くの結合糸を有する。この 様な付加的な結合糸は、強化用構造体の層の間の位置決めの維持が特に重要な 所、又は感光性樹脂が特に高価であり、一時的補助結合糸の除去可能の容積が この様な高価な樹脂の、完成製品中の導路の一部分をなす容積を充填するのを 防止する所に使用することが出来る。 ・一時的補助結合糸を、ベルトの裏側の面42を部分的に形成する縦方向又は横 方向の糸のカーテンを交換するために使用することも出来る(例えば糸220 又は222のカーテン)。この様な糸は付加的な工程段階によって除去し得る から、その除去は、既に説明したように空気を流すためのテクスチャを提供す る為の代替的手段である。明らかに、設計者は選択された任意の織り模様が非 常に多くの糸220、222の交換をしないので、その基質が要求された任意 の特性、例えば継ぎ目の強度等に不適当になる結果になることに注意する必要 があろう。
【0043】 しかし、これは、ベルトの強化用構造体のための織り模様のデザイナーに提供
する付加的な融通性のある一時的補助結合糸の少数例である。
【0044】 一時的補助結合糸をベルト製造工程(模様層30が第1層16を第2層18に
対して安定させた後)か、又は抄紙工程の何れかで除去し得るようにするために
、一時的補助結合糸322は、生物学的手段、化学的手段、機械的手段、又は生
物学的手段、化学的手段、機械的手段の任意の組合せによって、導路44から取
り出し得る材料で構成しなければならない。これは、一時的補助結合糸322が
溶解、加水分解(化学的又は酵素的な触媒作用)、又は酸化によって、又は機械
的強度の少ない箇所を予め定めることによって除去することが出来る。例えば、
1989年9月26日発行のベルツ(Belz)らの米国特許第4,870,1
48号明細書に記載されたポリアクリル酸樹脂から押し出された単一フィラメン
トはアルカリ溶媒に可溶である。好ましくは、一時的補助結合糸322は機械的
エネルギーと溶解度の組合せによって除去可能の材料からなり、この材料はベル
ト製造工程及び抄紙工程の一部分であるシャワーによって供給される。ベルト製
造工程中の、強化用構造体12を安定させるために必要な維持の段階で好ましい
のは、一時的補助結合糸322を、模様層30を構成する樹脂が強化用構造体1
2に浸透して硬化した後まで除去されない材料で構成することである。
【0045】 さらに好ましくは、一時的補助結合糸322は部分的に水に可溶の重合性材料
で構成される。この要領では、結合糸322が少なくとも部分的に機械的エネル
ギーを、模様層30を構成する樹脂の硬化後まで維持する。例えば一時的補助結
合糸322は重合性材料、例えばポリエチレンオキサイド又はポリビニルアルコ
ールで構成することが出来る。ポリビニルアルコールは特に好ましく、これは、
粗製ポリ酢酸ビニルの加水分解の程度を制御し、それで得られたポリビニルアル
コールの水に対する溶解度を制御するからである。この様な糸は単フィラメント
、又はマルチ・フィラメントの何れかにすることが出来る。適当なポリビニルア
ルコールの糸は、繊維の溶解温度が約80゜Cであり、日本国、大阪のクラレ社
から購入することが出来る。
【0046】 既に検討したように、この様な限定された溶解度の樹脂からなる一時的補助結
合糸322は、ベルト製造工程の一部分である初期シャワーに対して抵抗性があ
る。その結果、本発明の強化用構造体12は、ベルト製造工程の全体に亘って図
4に示した強化用構造体に似た形状であり、強化用構造体12に必要な安定性を
提供する。模様層30が一旦硬化されると、層16、18の安定度が非常に良く
なり、さらに溶解度及びシャワーの機械的エネルギーが導路44の中にある一時
的補助結合糸を部分的に除去し、それで、突出開口部の面積が最大になる。この
様なシャワーはベルト製造装置か又は抄紙機かの何れかで行うことが出来る。導
路の中にある一時的補助結合糸322の部分が一旦除去されれば、ベルト10は
図1及び図2に示した形状になり、この図では導路44が実質的に同じ形である
【0047】 樹脂の固定を所要の最大に維持するときには、一時的補助結合糸322も不透
明度及び/又は比不透明度を有し、その値は第2層18の縦方向の糸220の各
不透明性又は比不透明度より小さい。好ましくは、一時的補助結合糸322は化
学線放射に対して実質的に透明である。
【0048】 本発明の代替的実施例(図示せず)では、一時的補助結合糸322は機械的強
度の不足を予め定めた部位に提供し、それによって(例えばシャワーで供給され
るような)機械的エネルギーで除去するように結合糸322を弱めることが出来
る。例えば単フィラメントの材料は、従来技術の結合糸422のように使用する
ために適当であり、ノッチ模様を供給することが出来、このノッチ模様の反復長
さが導路44の反復長さの程度、又はそれよりも小さく、したがって、これが一
時的補助結合糸322として適当になる。その結果、この様なノッチが結合糸を
有する大部分の導路にある確率は高い。ノッチが結合糸を弱めるので、機械のス
トレッチとシャワーのエネルギーとの組合せが導路44の中で、この様な弱体化
された結合糸の破断を生じさせる。当業者は、この様な結合糸の全てが破断する
訳ではないので、ノッチのある一時的補助結合糸322を有するベルト10の特
性が、従来技術のベルトと、既に検討したように可溶で一時的補助結合糸322
を有するベルトの特性との中間程度であることを認識するであろう。本発明に基
づく一時的補助結合糸322では、結合糸が(例えば加速加水分解によって、又
は注形工程の紫外線によって開始される光学的劣化によって)化学的に弱くなる
材料からなることも想像するであろう。
【0049】 強化用構造体12を有するベルト10の注形に適した方法は、一時的補助結合
糸322で構成し、最早必要としなくなったときにこの糸を除去するものであり
、以下これを説明する。強化用構造体12は、本発明に基づく所要のシャワーの
水温(これは後に検討する)に合わせて調整した溶解温度を有する一時的補助結
合糸322で構成するように織ることが出来る。既に説明し、より詳細には既に
説明した米国特許第4,514,345号明細書に記載された方法を用いて液状
の感光性樹脂を注形して硬化させて、強化用構造体12に模様層30を供給し、
この模様層30が第1層16と第2層18との関係を安定させる。この様な注形
方法は導路44形成のために未硬化樹脂を除去するシャワー(好ましくはこのシ
ャワーの水温はこの様なシャワー工程用に約50゜Cと約90゜Cとの間である
)を含んでいる。ベルト10に、導路44の中にある一時的補助結合糸322を
除去するために、一時的補助結合糸322の引き出しに使用する樹脂の溶融温度
より高くなるように水温を約10゜C上昇させたシャワー水を用いて、2回目の
シャワーをかける。
【0050】 当業者は、一時的補助結合糸322除去の為の代替的な工程も適当であること
を認識するであろう。例えば一時的補助結合糸322は、その各脆化及び/又は
延性の転移温度よりも低温にし(糸100、200、及び硬化した樹脂を、その
各脆化及び/又は延性の転移温度より高い温度にしておく)、機械的エネルギー
を使用して一時的補助結合糸322に導路44を開閉することが出来る。一時的
補助結合糸322は強化用構造体12を織るのに使用する残す糸100よりも実
質的に低い融点を有する材料で構成することが出来る。強化用構造体12を一時
的補助結合糸322の融点より高い温度にすれば、一時的補助結合糸322が液
状化する。次に、キャピラリーの力が結合糸の材料を溶融して、残りの糸100
の間の交差する点まで流れるようにする。冷却によって、溶融している結合糸3
22が導路44の開口部の区域に干渉することなく層16、18の間の相対的関
係を維持する作用をする。第1層16と第2層18との相対的関係を、この様な
関係が模様層30によって安定化されるまで維持する為の方法、及び、その他こ
れに類似の方法が本発明の代替的実施例として注目される。
【0051】 以下の例は説明のために示すもので、限定手段ではない。
【0052】 実 験 例 従来技術に基づく強化用構造体12は、図3と図4に示すように、当業者に公
知の方法に基づいて織ることが出来る。この様な強化用構造体12は、この両者
120、220はサウスカロライナ州、コロンビアのシェイクスピア社のモノフ
ィラメント事業部から購入可能である。この強化用構造体12は第1層16に1
cm当り11本の横方向の糸122と、第2層18に1cm当り11本の横方向
の糸222とを有する。0.25mmと0.3mmの直径を有するモノフィラメ
ントの糸は、それぞれ、横方向の糸122、222として使用される。この様な
糸も、シェイクスピア社から購入可能である。強化用構造体12はさらに1cm
当り6本の横方向の結合糸422を有する。適当な非一時的結合糸422は0.
15mmの直径を有し、シェイクスピア社から購入可能である。この様な職成さ
れた強化用構造体12はワイオミング州、アップルトンのアルバニー・インター
ナショナル社から購入可能である。この様な職成された強化用構造体12は本発
明の強化用構造体12の例を示し、シミュレートする目的で、その一つの結合糸
を、水に可溶(80゜C)のポリビニルアルコール糸(日本国、大阪のクラレ社
から購入可能)の2本のストランドで置換して、一時的補助結合糸322を提供
する(図5A及び、図5Bを参照されたい)。
【0053】 模様層30は上述の強化用構造体12上に、既述の米国特許第5,566,7
24号明細書に基づくマスクを通して感光性樹脂に対して露光行うことによって
注形される。約75゜Cの温度を有する水で洗浄して製造直後のベルト10から
未硬化の樹脂を除去する。図5A及び図5Bは、未硬化樹脂が導路44の中心部
に見える一時的補助結合糸322で除去された後のベルトを部分的に示している
。図6A及び図6Bに明示したように、約10゜Cまでの水温を用いたすすぎ、
及び2回目の洗浄は、導路44の中にある一時的補助結合糸322を部分的に溶
解させる。
【0054】 全ての特許、特許出願(及びそれを編集した如何なる特許、さらにこれに対応
する如何なる発行された外国出願)、ならびに、この既述の全体に亘って挙げた
刊行物は、参照によって本明細書に取込まれている。しかしながら、参照によっ
て本明細書に取込まれた如何なる文書も本発明を教示又は開示することは許され
ない。
【0055】 本発明の詳細な実施例を図に示して説明したが、当業者にとって各種の他の変
更及び改良を本発明の精神及び請求の範囲から逸脱することなくなし得ることは
明らかである。それ故、本発明の範囲内にあるこの様な変更及び改良は全て本明
細書の請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のベルトの部分平面図であり、このベルトは第1層と第2層を有し、こ
れらの2つの層は第2層からの一時的補助結合糸によって結合されており、かつ
、この図面は簡潔化のために部分破断して示している。
【図2】 図1の線2−2に沿った縦断面図である。
【図3】 従来技術に基づくベルトの部分平面図であり、このベルトは永久的補助結合糸
によって結合されており、かつ、この図面は簡潔化のために部分破断して示して
いる。
【図4】 図3の線4−4に沿った縦断面図であり、模様層を有し、この模様層は簡潔化
のために図示しない。
【図5A】 図5Bの主要構成要素を示す平面図である。
【図5B】 本発明に基づくベルトの一時的補助結合糸を示す写真である。
【図6A】 図6Bの主要構成要素を示す平面図である。
【図6B】 本発明に基づくベルトの、図5A及び図5Bの一時的補助結合糸が洗浄によっ
て除去された後の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (71)出願人 ONE PROCTER & GANBL E PLAZA,CINCINNATI, OHIO,UNITED STATES OF AMERICA (72)発明者 トロクハン・ポール・デニス アメリカ合衆国 オハイオ州,ハミルト ン,ワーベル・ロード,1356 (72)発明者 ヒューストン・ラリー・レロイ アメリカ合衆国 オハイオ州,ウエスト・ チェスター,ペッパーウッド・ドライブ, 8141 Fターム(参考) 4L055 CE36 CE37 FA09 GA29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙に使用するのに適した強化用構造体であって、前記強化用構造体が; 複数の織られた糸の層からなり、前記各層が分離した織り目の模様からなり、
    前記各層の中の前記糸の一部が縦方向に向き、前記各層の中の前記糸の一部が横
    方向に向き;かつ、 前記層を結合して前記強化用構造体を形成するための多数の結合糸からなり、
    前記結合糸の少なくとも一部が一時的結合糸であることを特徴とする強化用構造
    体。
  2. 【請求項2】 前記複数の層が第1層と第2層からなり、かつ、前記第1層と第2層を織った
    物の中に前記結合糸を縦方向に織り込むことによって、前記第1層と前記第2層
    が結合される請求項1に記載の強化用構造体。
  3. 【請求項3】 前記複数の層が第1層と第2層からなり、かつ、前記第1層と第2層を織った
    物の中に前記結合糸を横方向に織り込むことによって、前記第1層と前記第2層
    が結合される請求項1に記載の強化用構造体。
  4. 【請求項4】 前記結合糸が一体構造の結合糸である請求項1、2、又は3のいずれかの1項
    に記載の強化用構造体。
  5. 【請求項5】 前記結合糸が補助結合糸である請求項1、2、又は3のいずれかの1項に記載
    の強化用構造体。
  6. 【請求項6】 前記一時的結合糸が水溶性ポリマーからなる請求項1ないし5のいずれかの1
    項に記載の強化用構造体。
  7. 【請求項7】 セルロース繊維用支持ベルトであって、前記支持ベルトがウエブ接触面と裏側
    を有し;かつ、 請求項1ないし6のいずれかの1項に記載の強化用構造体と模様層からなり、該
    模様層が前記裏側から前記第1層を貫きかつ越えて延びて前記ウエブの少なくと
    も前記ベルトの面に接触する部分を形成し、前記模様層が硬化された感光性樹脂
    からなり、かつ、これを貫く複数の導路を有し、前記導路が前記ウエブ接触面と
    前記裏側との間に流体通路の手段を提供し、前記結合糸の少なくとも前記導路の
    中にある部分が前記強化用構造体又は前記模様層の残余部分に損傷を与えること
    なく除去される支持ベルト。
  8. 【請求項8】 前記結合糸が化学的手段によって除去される請求項7に記載のベルト。
  9. 【請求項9】 前記結合糸が溶解によって除去される請求項7に記載のベルト。
  10. 【請求項10】 前記結合糸が機械的手段によって除去され、前記機械的手段が好ましくはシャ
    ワー・システムからなる請求項7に記載のベルト。
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