JP2001516562A - ペプチド核酸コンジュゲートを用いたdnaの化学修飾 - Google Patents

ペプチド核酸コンジュゲートを用いたdnaの化学修飾

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ジーン セラピー システムズ インコーポレーテッド
イシス ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 核酸分子および複合化ペプチド核酸(PNA)を含む複合体。PNAは、タンパク質、ペプチド、炭水化物部分またはレセプターリガンドに標識または複合化され得る。これらの複合体は、プラスミド生体分布の監視、核局在化の促進、転写活性の誘導、エンドソーム区画の溶解およびトランスフェクションの助長に使用される。これらの複合体は、特定の遺伝子の発現効率を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
<発明の分野> 本発明は、ペプチド核酸(PNA)コンジュゲートならびに診断および治療に
適用するためにこれらのコンジュゲートをDNAに結合する方法に関する。より
詳細には、本発明は、DNAにハイブリダイズし、トランスフェクトされた外因
性のDNAの細胞内の位置を監視し、種々の細胞内プロセスを促進するために使
用できる発蛍光団またはペプチドに連結されたPNAに関する。
【0001】 発明の背景 プラスミドベースの、非ウイルス遺伝子送達系は、主要な遺伝性および後天性
疾患の治療用およびワクチン接種への新規のアプローチの開発用に有望であるこ
とが示されてきた(Wolffら,Science 247,1465〜1468,1990、Ulmerら,Science,2
59,1745〜1749,1993、Donnellyら,Life Sci.,60,163〜172,1997、Gaoら,Gene Th
er.,2,710〜722,1995、Felgner,Ann. N.Y. Acad. Sci.,772,128〜138,1995)。 これらのテクノロジーを用いたヒト遺伝子治療試験の数は増加しているにも関わ
らず、in vivo遺伝子産物の発現レベルが低いために、現時点ではそれらの有効 性および臨床における潜在性が制限されている(Felgner,Hum. Gene Ther.,7,17
91〜1793,1996)。in vivo発現を増加させるために一般に使用されているアプロ
ーチには、DNA送達系の改善(Gaoら,Gene Therapy 2,710〜722,1995、Felgne
r,前出、Behr,Bioconj. Chem.,5,382〜389,1994)またはプロモーター、エンハ ンサー、イントロンまたはターミネーターレベルでのDNA配列の至適化(Hart
ikkaら,Hum. Gene Ther.,7,1205〜1217,1998、Liangら,Gene Therapy 3,350〜35
8,1996)が含まれる。
【0002】 従来の低分子薬物開発では、生物学的に活性な作用物質自身のその生物学的利
用能および効力を改善するために全体的な化学修飾を作製するのが一般的である
。この研究および開発活動は、医薬品化学といわれる。DNAを直接修飾するた
めに使用されている方法は転写すべきその能力を減少または破壊するので、現在
、DNAの生物学的利用能を改善するための医薬化学を遂行するための能力は不
足している。さらに、光分解、ニックトランスレーションを含むプラスミドを化
学修飾するのに利用可能なアプローチまたは化学的に活性なヌクレオチドアナロ
グの使用は、DNAを無作為に攻撃し、その結果最終産物は、化学的に不均一で
、特性を十分に定義できない。
【0003】 電子顕微鏡検査法、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、in situ ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、DNA挿入染色ならびに放射性、ビオチン、金 または蛍光標識DNAを含むいくつかの方法論が、細胞中のDNAの送達を追跡
するために使用されている(Loyterら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,799,422
〜426,1982、Tsuchiyaら,J. Bacteriol.,170,547〜551,1988、Chowdhury,1993、
Zabnerら,J. Biol. Chem.,270,18997〜19007,1995、Dowtyら,Proc. Natl. Acad.
Sci. U.S.A.,92,4572〜4578,1995、Bordignonら,Science,270,470〜475,1995、
Dean,Exp. Cell Res.,230,293〜302,1997)。しかし、これらの方法は、実用的 および技術的に制限されているために、解釈するのが困難であり得る。電子顕微
鏡検査法、FISHおよびin situ PCRは、細胞固定、溶解および冗長な操作が必要 であり、これらの手順は検出感度および細胞中のDNAの分布パターンに影響を
及ぼすことが示されている。DNA挿入蛍光染色剤は、プラスミドに弱く結合し
、蛍光シグナルの細胞内源についての目的物を持ち出す内因性核酸と交換される
。ニックトランスレーションまたは蛍光親和性標識を利用する他の共有蛍光標識
法により、出発物質が化学的に破壊され、それによりこれらの物質を用いて行っ
たいずれの観察も、元の無傷のプラスミドの代表的な挙動を示し得ない。上記技
術はいずれも生細胞における実時間の様式における無傷のプラスミドの構造的お
よび機能的な直接検出が不可能である。
【0004】 ペプチド核酸(PNA)は、一本鎖および二本鎖核酸をハイブリダイズするた
めに開発されている。PNAは、核酸アナログであり、全体的なデオキシリボー
ス−リン酸塩バックボーンが化学的に完全に異なるが構造的に相同である、2−
アミノエチルグリシン単位を含むポリアミド(ペプチド)バックボーンと交換さ
れている。高度に負に荷電したDNAとは異なり、PNAバックボーンは中性で
ある。したがって、PNA-DNAハイブリッドの相補鎖間のエネルギーは比較 可能なDNA-DNAハイブリッド間のエネルギーよりも反発が非常に少なく、 従ってそれらははるかにより安定である。PNAは、DNAとWatson/Crickまた
はHoogsteen様式のいずれかでハイブリダイズし得る(Demidovら,Proc. Natl. A
cad. Sci. U.S.A.,92,2637〜2641,1995、Egholm,Nature,365,566〜568,1993、Ni
elsenら,Science,254,1497〜1500,1991、Dueholmら,New J. Chem.,21,19〜31,19
97)。
【0005】 3つの8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸単位を含む可変性ヘパリンリン カーによって連結されている2つの同一のPNA配列を有するPNA「クランプ
」と呼ばれる分子が合成されている。PNAクランプが相補的なホモプリンまた
はホモピリミジンDNA標的配列と混合された場合、非常に安定なPNA-DN A-PNAトリプレックスハイブリッドが形成され得る(Bentinら,Biochemistry
,35,8863〜8869,1998、Egholmら,Nucleic Acids Res.,23,217〜222,1995、Griff
ithら,J. Am. Chem. Soc.,117,831〜832,1995)。
【0006】 PNAに結合した配列特異的および高度に親和性のデュプレックスおよびトリ
プレックスは、詳細に記載されている(Nielsenら,Science,254,1497〜1500,199
1、Egholmら,J. Am. Chem. Soc.,114,9677〜9678,1992、Egholmら,Nature,365,5
66〜568,1993、Almarssonら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,90,9542〜9548,19
93、Demidovら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,92,2637〜2641,1995)。著者は
また、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼ消化に対して耐性であることも示されて
いる(Demidovら,Biochem. Pharm.,48,1010〜1313,1994)。PNAは、遺伝子発
現を阻害するため(Hanvayら,Science,258,1481〜1485,1992、Nielsenら,Nucl.
Acids. Res.,21,197〜200,1993、Nielsenら,Gene,149,138〜145,1994)、制限酵
素活性を遮断するため(Nielsenら,前出,1993)、人工転写プロモーターとして 作用させるため(Mollegaard,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,91,3892〜3895,1
994)、および偽制限エンドヌクレアーゼとして作用させるため(Demidovら,Nuc
l. Acids. Res.,21,2103〜2107,1993)に使用されている。最近、PNAはまた 、アンチセンス機構を介して媒介される抗ウイルス性および抗腫瘍性活性を有す
ることが示されている(Norton,Nature Biotechnol.,14,615〜619,1996、Hirsch
manら,J. Investg. Med.,44,347〜351,1996)。PNAは、細胞中へのPNA侵 入を促進するために種々のペプチドと連結されている(Basuら,Bioconj. Chem.,
8,481〜488,1997、Pardridgeら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,92,5592〜5598
,1995)。しかし、PNA−ペプチド複合体のDNAへのハイブリダイゼーショ ンおよびこれらの複合体を用いた細胞のトランスフェクションは報告されていな
い。さらに、プラスミドDNAの生物学的利用能の改善およびトランスジーン発
現を増大させるためのPNA−ペプチドコンジュゲートの使用は、以前には記載
されていない。
【0007】 プラスミドの不可逆性の化学修飾のための理想的なプローブは、プラスミドに
ダメージを与えず、したがってその転写または細胞内輸送を干渉しないものであ
る。プラスミドの構造、生物学的活性および安定性はプローブの有無に関わらず
同一であろう。プローブは、内因性核酸由来から送達されたプラスミドを分化す
るために配列特異的であるべきであり、かつプローブ自身はプラスミド機能にい
かなる影響も与えるべきではない。化学修飾プラスミドDNAについての上記の
全てのテクノロジーにより、DNAが損傷しおよびその転写活性が干渉される。
さらに、上記テクノロジーはいずれも生細胞における実時間の様式における無傷
のプラスミドの構造的および機能的な直接検出が可能ではない。本発明は、不可
逆的プラスミド修飾による新規の物理学的および生物学的特性をDNAに永久的
に移入するための簡単で融通の利くアプローチを提供する。
【0008】 <発明の概要> 本発明の1つの実施形態は、核酸分子およびDNA分子に会合した複合化ペプ
チド核酸(PNA)分子を含み、前記PNA分子がDNA分子の相補的な領域を
含む組成物である。本発明の好ましい実施形態の1つの態様では、核酸分子はD
NAまたはRNAである。有利には、DNAは、直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一
本鎖DNA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである。好ましくは、D
NA分子はプラスミドである。好ましい実施形態の別の態様では、プラスミドは
レポーター遺伝子をコードする。あるいは、プラスミドは治療用遺伝子をコード
する。有利には、レポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ
、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ緑色蛍光タンパク質または
分泌性アルカリホスファターゼである。好ましくは、PNAは、蛍光標識、比色
標識、放射性標識または酵素標識と複合化している。好ましい実施形態の別の態
様では、PNAは、タンパク質、ペプチド、炭水化物部分またはレセプターリガ
ンドと複合化される。好ましくは、ペプチドは、核局在化シグナルペプチド、エ
ンドソーム溶解性ペプチド、転写アクチベータードメインペプチド、レセプター
特異的ペプチドまたは免疫刺激ペプチドである。好ましくは、治療用遺伝子は、
嚢胞性線維症膜貫通レセプター(CFTR)、インスリン、ジストロフィン、インタ
ーロイキン−2、インターロイキン−12、エリスロポエチン、ガンマインター
フェロンまたは顆粒球マクロファージコロニー刺激因子である。
【0009】 本発明はまた、トランスフェクションの前に外因性核酸分子と複合化ペプチド
核酸(PNA)とを配列特異的様式で接触させる工程と、前記細胞と前記複合化
PNAとをトランスフェクトする工程と、前記核酸分子の細胞内の位置を監視す
る工程とを包含する、トランスフェクトされた外因性の核酸分子の細胞中の生体
分布を同定する方法を提供する。好ましい本実施形態の1つの態様では、核酸分
子はDNAまたはRNAである。有利には、DNAは、直鎖状二本鎖DNA、直
鎖状一本鎖DNA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである。好ましく
は、DNAはプラスミドである。有利には、PNAは、蛍光標識、比色標識、放
射性標識または酵素標識と複合化される。好ましい本実施形態の別の態様では、
トランスフェクション工程は、陽イオン性脂質によって媒介される。
【0010】 本発明のさらに別の実施形態は、トランスフェクションの前に、外因性核酸分
子を核局在化シグナルペプチドに複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程
を包含する、トランスフェクトされた外因性の核酸分子の細胞の核区画への送達
を増強する方法である。好ましい本実施形態の1つの態様では、核酸分子はDN
AまたはRNAである。有利には、DNAは、直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本
鎖DNA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである。好ましくは、DN
AはプラスミドDNAである。有利には、トランスフェクションは陽イオン性脂
質によって媒介される。好ましい本実施形態の別の態様では、核局在化シグナル
ペプチドは、ポリ−L−リジン、SV40 NLS、アンテナペディアペプチド、TATペ プチド、c-mycペプチド、VirD2ペプチド、ヌクレオプラスミンペプチド、ARNT由
来ペプチドまたはM9ドメインペプチドである。
【0011】 本発明はまた、トランスフェクションの前に、外因性DNAを転写アクチベー
タードメインペプチドと複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程を包含す
る、細胞中のトランスフェクトされた外因性のDNAの転写を促進する方法を提
供する。有利には、トランスフェクトされた外因性のDNAは、直鎖状二本鎖D
NA、直鎖状一本鎖DNA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである。
好ましくは、トランスフェクトされた外因性のDNAは、プラスミドDNAであ
る。有利には、トランスフェクションは陽イオン性脂質によって媒介される。好
ましい本実施形態の1つの態様では、転写アクチベータードメインペプチドは、
VP16(337-347)2、P65(520-550)、Oct-2(143-160)、Sp1(340-385)、ラン
ダム酸性配列またはERM(33-52)である。
【0012】 本発明のさらに別の実施形態は、トランスフェクションの前に外因性核酸分子
と、エンドソーム溶解性ペプチドと複合化したPNAとをハイブリダイズさせる
工程を包含する、細胞のエンドソーム区画中のトランスフェクトされた外因性の
核酸分子の捕捉を防止する方法である。好ましい実施形態の1つの態様では、核
酸分子は、DNAまたはRNAである。有利には、DNAは直鎖状二本鎖DNA
、直鎖状一本鎖DNA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである。好ま
しくは、DNAはプラスミドDNAである。有利には、トランスフェクションは
陽イオン性脂質によって媒介される。好ましい本実施形態の別の態様では、エン
ドソーム溶解性ペプチドは、HA由来ペプチド、GALA、KALA、EALA、メリチン由来
ペプチド、α−ヘリックスペプチドおよびアルツハイマーβ−アミロイドペプチ
ドである。
【0013】 本発明はまた、トランスフェクションの前に外因性核酸分子と、レセプター特
異的リガンドとを複合化したPNAとをハイブリダイズさせる工程を包含する、
細胞中のトランスフェクトされた核酸分子のトランスフェクションの効率を増大
させる方法を提供する。好ましい実施形態の1つの態様では、核酸分子はDNA
またはRNAである。有利には、DNAは直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖D
NA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである。好ましくは、DNAは
プラスミドDNAである。有利には、トランスフェクションは、陽イオン性脂質
によって媒介される。好ましい実施形態の別の態様では、レセプター特異的リガ
ンドは、糖、免疫グロブリン、IGF-1由来ペプチド、αV−インテグリン、上皮増
殖因子、アシアログリコプロテイン、葉酸塩、トランスフェリンおよびα2−マ
クログロブリンである。
【0014】 本発明の別の実施形態は、化合物とPNAとを連結させる工程と、レセプター
遺伝子をコードするプラスミドと前記複合化化合物を含む前記PNAとをハイブ
リダイズさせる工程と、細胞を前記プラスミド−PNA−化合物複合体でトラン
スフェクトする工程と、前記レポーター遺伝子の発現レベルを同定する工程と、
前記レポーター遺伝子の発現レベルと細胞中でプラスミド−PNA複合体でトラ
ンスフェクトされたレポーター遺伝子の発現レベルとを比較する工程とを包含し
、前記化合物の存在下でのレポーター遺伝子の発現の増大は、前記化合物が転写
のアクチベーターであることを示す、転写を活性化させる化合物のスクリーニン
グ法である。好ましくは、レポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ、ルシフ
ェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ緑色蛍光タンパク
質または分泌性アルカリホスファターゼである。
【0015】 本発明はまた、化合物とPNAとを連結させる工程と、核酸分子と前記連結化
合物を含む前記PNAとをハイブリダイズさせる工程と、細胞を前記核酸−PN
A−化合物複合体でトランスフェクトさせる工程と、前記核酸分子の細胞内の量
を同定する工程と、前記核酸分子の細胞内レベルと前記化合物を含まないコント
ロール複合体でトランスフェクトされた細胞の細胞内レベルとを比較する工程と
を包含し、前記コントロール細胞と比較した細胞中の前記核酸分子の量の増加が
前記化合物が前記外因性核酸分子の細胞取り込みを促進することを示す、外因性
核酸分子の細胞取り込みを促進する化合物のスクリーニング法を提供する。好ま
しい実施形態の態様では、核酸分子は、DNAまたはRNAである。有利には、
DNA分子は、直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、環状二本鎖DNAま
たは環状一本鎖DNAである。好ましくは、DNAはプラスミドDNAである。
【0016】 本発明の別の実施形態は、PNA結合部位および核酸配列挿入のためのマルチ
クローニングサイトを含むプラスミドと、前記PNA結合部位に結合可能な標識
PNAと、前記マルチクローニングサイトに相補的な配列決定プライマーとを含
む、キットである。キットは、標識緩衝液をさらに含み得る。好ましくは、PN
Aは蛍光標識される。あるいは、PNAは、タンパク質の化学基と反応し得る化
学基で標識される。好ましくは、化学基は、ピリジルジチオールまたはマレイミ
ドである。
【0017】 本発明はまた、トランスフェクションの前に外因性DNA分子と、免疫刺激分
子と複合化したPNAとをハイブリダイズさせる工程を包含する、トランスフェ
クトされた外因性のDNA分子によってコードされるタンパク質またはペプチド
の免疫原性を増強する方法を提供する。好ましくは、免疫刺激分子はリンフォカ
イン、サイトカイン、ムラミルジペプチド、補体由来ペプチドまたはオリゴヌク
レオチドである。有利には、オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドリピー トである。有利には、トランスフェクトされた外因性のDNA分子は、直鎖状二
本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAで
ある。好ましくは、DNAは、プラスミドDNAである。
【0018】 <好ましい実施形態の詳細な説明> 本発明は、PNAプローブを使用する不可逆的化学修飾によって核酸分子内に
新規の物理学的および生物学的特性を恒久的に移入する方法を提供する。これら
の特性には、増大した、転写効率、核局在化、転写活性化、エンドソーム溶解活
性および免疫刺激活性が含まれる。PNAプローブは、蛍光標識、放射性標識、
比色標識、酵素標識、タンパク質、ペプチド、リガンド、他の炭水化物部分また
は他の小分子に複合化され得る。実際、核酸分子の送達、および核酸分子によっ
てコードされる遺伝子産物の発現を容易にする任意の所望の分子の、PNAへの
複合化は、本発明の範囲内である。これらの事象を容易にする分子の能力を測定
するアッセイは、本明細書中以下に記載の実施例において開示される。PNAは
また、プラスミドの生物学的利用能、細胞内局在化およびコードされた遺伝子発
現の監視を可能にするために、蛍光標識、酵素標識、放射性標識または比色標識
に複合化され得る。
【0019】 PNAプローブは、ハイブリダイズするDNAのコンフォメーション(ゲル移
動)、ヌクレアーゼ感受性または転写活性を妨害しない。PNAまたはPNAク
ランプは、非常に高い親和性および配列特異性様式でデュプレックスDNAにハ
イブリダイズし、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼ耐性である。PNAコンジュ
ゲートは、in vitro(インビトロ)およびin vivo(インビボ)の両方でのDN Aの送達および発現を改良する。
【0020】 PNA依存性遺伝子化学技術は、直鎖状一本鎖DNA、環状一本鎖DNA、直
鎖状二本鎖DNA、環状二本鎖DNAおよびRNAを含む核酸分子上にペプチド
、タンパク質および炭水化物部分を含む生物学的に活性な分子を複合化するため
に使用される。好ましい実施形態では、これらの生物学的に活性な分子は、プラ
スミドにカップリングする。転写活性プラスミドの不可逆的ペプチド修飾には、
第1図に概略的に示されたいくつかの適用法がある。核酸分子上への核酸局在化
ペプチドの付加は、トランスフェクトされた細胞の核内へのその取り込みを促進
する。核局在化シグナルは、タンパク質、RNA、一本鎖DNAなどの巨大分子
およびミクロサイズの金粒子でさえも核酸への取り込みを促進し得る5〜20アミ
ノ酸のペプチドである。これらの場合では、取り込みは、数分内に迅速に行われ
、細胞分裂を必要としない。トランスフェクトされた細胞の無傷の核膜を通過し
てプラスミドを送達する際に有効であるプラスミドに連結された核局在化シグナ
ルは、より低いプラスミドレベルで、より高いレベルのトランスジーン発現が得
られると予想されるだろう。プラスミド送達を促進させた核局在化シグナルは、
細胞分裂が必要ないはずであり、細胞分裂が必要ないならば、発現の開始時間が
より短くなるはずである。
【0021】 本発明における使用のために意図された核局在化ペプチドは、以下を含むがこ
れらに限定されない:ポリ−L−リジン(Blankeら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.
S.A.,93,8437〜8442,1996、Wadhwaら,Bioconj. Chem. 8,81〜88,1997)、SV40 N
LS(Dingwallら,Trends Biochem. Sci.,16,478〜481,1991、Lanfordら,Cell 46,
575〜582,1986)、アンテナペディアペプチド(Derossiら,J. Biol. Chem.,269,
10444〜10450,1994、Derossi,Restor. Neurol. Neurosci.,8,17〜18,1995)、T
ATペプチド(Fawellら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,91,664〜668,1994、Viv
esら,J. Biol. Chem.,272,16010〜16017,1997)、c-mycペプチド(Dangら,Mol.
Cell. Biol.,8,4048〜4054,1988、Nigg,Nature,386,779〜787,1997)、VirD2ペ
プチド(Howardら,Cell,68,109〜118,1992、Ballasら,Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A.,94,10723〜10728,1997)、ヌクレオプラスミンペプチド(Niggら,前出、
Burglinら,EMBO J.,6,2617〜2625,1987)、ARNT由来ペプチド(Eguchiら,J. Bi
ol. Chem.,272,17640〜17647,1997)およびM9ドメインペプチド(Pollardら,Cel
l,86,985〜994,1996)。核局在化ペプチドは、特定の遺伝子発現を活性化する転
写因子をコードするプラスミドを標的にするために使用され得る。
【0022】 利用可能な大部分の合成遺伝子送達系は、細胞によってエンドサイトーシスを
受け、その捕捉された(entrapped)DNAを有する送達系は、エンドソーム区 画内でとどまる。DNAまたはその送達系がエンドソーム区画から抜け出す機構
を欠く場合、リソソームに送達されて分解される。従って、有効な遺伝子送達系
は通常、エンドソームを逃れるための組み込まれたシステム(built in system )を有する。種々のエンドソーム溶解性ペプチドは、合成遺伝子送達系にエンド
ソーム逃避機能を付与するのに有効であることが示されている(Wymanら,前出、
Wagnerら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,89,7934〜7938,1992、Kichler,Bioco
nj. Chem. 8,213〜221,1997、Plankら,J. Biol. Chem.,269,12918〜12924,1994 、Haenslerら,Bioconj. Chem.,4,372〜379,1993)。これら全ての例では、エン
ドソーム溶解性ペプチドは送達系に組み込まれ、直接DNA上にない。エンドソ
ーム溶解性ペプチドをDNA上へ付着させることにより、プラスミドがエンドソ
ーム区画からより効果的に放出され得る。本発明における使用のために意図され
たエンドソーム溶解性ペプチドは、以下を含むがこれらに限定されない。HA由来
ペプチド(Wagnerら,前出、Plankら,前出)、GALA(Subbaraoら,J. Biol. Chem.
,26,2964〜2972,1987、Parenteら,前出)、KALA(Wymanら,前出)、EALA(Vogel
ら,J. Am. Chem. Soc.,118,1581〜1586,1996)、メリチン由来ペプチド(Kichle
rら,前出)、α−ヘリックスペプチド(Niidomeら,J. Biol. Chem.,272,15307〜
15312,1997)およびアルツハイマーβ−アミロイドペプチド(Pillotら,J. Biol
. Chem.,271,28757〜28765,1996)。
【0023】 細胞表面レセプターに結合し得るリガンドの付加により、細胞へより効果的に
取り込まれ、それにより細胞の亜集団へ特異的に取り込まれる。in vivo細胞に おいて裸のプラスミドDNAが取り込まれ、そして発現されることが可能であり
、いくつかの報告は、この系のDNAが特異的なレセプター依存性機構によって
取り込まれることを示唆している(Wolffら,Science,247,1465〜1468,1990、Ulm
erら,Science,259,1745〜1749,1993、Mayerら,Gene Therapy,2,450〜460,1995 )。いくつかの場合では、合成遺伝子送達系の効率は、細胞表面レセプターに特
異的なリガンドのキャリア内への組み込みによって非常に増強されることが示さ
れている。特異的リガンドのプラスミドへの直接的付着により、裸のDNAなら
びにキャリア内に送達されるDNAのより効果的なin vivo取り込みおよび発現 がもたらされる。プラスミドへの直接結合のために意図される特異的リガンドに
は、いかが含まれるがこれらに限定されない:マンノース、ガラクトース、免疫
グロブリン、IGF-1由来ペプチド、αV−インテグリン(RGDモチーフ)、EGF、ア
シアログリコプロテイン、葉酸塩、トランスフェリンおよびα2−マイクログロ
ブリン。
【0024】 PNAはまた、遺伝子治療系を改善するために内因的に転写する強力なベクタ
ーを示す人工転写活性化ドメインを保有し得る。これらの活性化ドメインは、実
施例12に記載の方法を用いてPNAに連結される。次いで、PNA−ペプチドコ
ンジュゲートは、所望の遺伝子を含むプラスミドにハイブリダイズされる。代表
的な発現プラスミドには、プロモーター、エンハンサー、コード配列およびター
ミネーターが含まれる。プラスミドのプロモーター領域は、転写開始に必要で酵
素および他の因子が結合されているRNAポリメラーゼII(Mitchellら,Science
,245,371〜378,1989)に結合する。プロモーター領域を含むがエンハンサー領域
を欠くプラスミドは通常、メッセージを効果的に転写できない。エンハンサー配
列の機能は、特定の細胞内転写因子に結合することである。DNA結合転写因子
は、転写複合体と相互作用し、転写率が増大する。正常な内因性転写因子は、D
NA結合ドメインおよび転写活性化ドメインという2つのドメインを含むタンパ
ク質である(Brentら,Cell,43,729〜736,1985)。DNA結合ドメインは、エン ハンサー領域に位置する特異的デュプレックスDNA配列(通常5〜10塩基)に
結合する。DNA結合ドメインは、転写を活性化させるためにRNAポリメラー
ゼと相互作用する場合最小のプロモーターの近位に転写活性化ドメインを結合す
る。
【0025】 活性を媒介する転写因子は、DNA結合ドメインおよび異なる転写活性ドメイ
ンの種々の組み合わせを含む融合タンパク質を用いた研究によって一部解明され
ている。異なる配列をこれらのキメラタンパク質の転写活性化ドメインにクロー
ニングすることによって、転写を活性化し得る配列が同定された。3つの主要な
転写活性化ドメインの種類、プロリンリッチ、グアニンリッチ、および酸性ドメ
インが同定されている(Mitchellら,前出、Coureyら,Cell,55,887〜898,1988、T
anakaら,Mol. Cell. Biol.,14,6046〜6055,1994、Maら,Cell,51,113〜119,1987 )。転写活性化を付与し得る最も短い配列は酸性ドメインである(Seipelら,EMB
O J.,11,4961〜4968,1992)。本発明における使用のために意図された転写活性 化ドメインペプチドは、以下を含むがこれらに限定されない:VP16(337-347)2
(Seipelら,前出)、P65(520-550)(Petterssonら,J. Mol. Biol.,214,373〜3
80,1990)、Oct-2(143-160)(Seipelら,前出、Tanakaら,前出)、Sp1(340-38
5)(Seipelら,前出)、ランダム酸性配列(Maら,Cell,51,113〜119,1987)およ
びERM(33-52)(Defossezら,Nucleic Acids. Res.,25,4455〜4463,1997)。ペ プチドメティックス(peptidometics)およびタンパク質の使用もまた意図され る。
【0026】 免疫刺激剤もまたPNAと複合化され、免疫系機能を増大させるために使用さ
れ得る。これらの作用物質には、リンフォカイン、サイトカイン、ムラミルジペ
プチド補体由来ペプチドなどのペプチドが含まれる。さらに、免疫刺激効果を有
することで公知のCpGジヌクレオチドリピートがPNAに複合化され得る。免疫 刺激効果も有する他のオリゴヌクレオチドの使用もまた、本発明の範囲内である
【0027】 本発明の別の好ましい実施形態では、ランダムペプチドライブラリーまたは他
の化合物のライブラリー(例えば、有機小分子、ペプチド模倣物(peptidomimet
ics))は、転写アクチベーターを発見するために高処理量スクリーニングアッ セイを用いてスクリーニングされる。ペプチド、核酸および多糖ベースの化合物
は、無作為および指向性合成によって合成可能である(Lamら,Nature,354,82〜8
8,1991)。あるいは、バクテリア、菌類、植物および動物抽出物の形態の天然化
合物のライブラリーが利用可能であり、または容易に作製され得る。さらに、天
然または合成的に作製されたライブラリーまたは化合物は、従来の化学的、物理
的および生化学的手段で容易に修飾される。任意の所望の化合物が、潜在的な転
写活性化活性についてスクリーニングされ得る。
【0028】 化合物は、標準的な方法を用いてPNAと結合される。例えば、ペプチドは実
施例12に記載の架橋剤を用いてPNA連結され、ペプチド−PNAコンジュゲ
ートは、細胞トランスフェクションの前にDNA分子にハイブリダイズされる。
以下により詳細に説明するように、これらのペプチドはトランスフェクションの
効率を改善し、核DNA局在化を促進し、エンドソーム溶解を促進し、あるいは
転写を活性化する。標識PNAはDNA分子、好ましくはプラスミドにハイブリ
ダイズされ、細胞トランスフェクション後のプラスミドの監視またはプラスミド
内に含まれるレポーター遺伝子の発現を監視するために使用される。種々の標識
の使用が考えられ、それらには当該分野で周知の放射性標識、比色標識および酵
素標識(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)が含
まれる。蛍光標識PNAは、PerSeptive Biosystems、Framingham、MAなどの業 者から入手可能である。次いで、化合物−PNA複合体はレポーター遺伝子をコ
ードするプラスミドにハイブリダイズされ、その後PNA−化合物−プラスミド
複合体で細胞をトランスフェクトし、化合物を含まないコントロール複合体とレ
ポーター遺伝子活性を比較するアッセイを行う。これらの方法は、本明細書中に
記載の実施例に記載されている。本明細書中の実施例に記載の種々のアッセイを
用いて、核酸取り込み(トランスフェクションの効率)、核局在化、エンドソー
ム溶解性およびレセプター媒介PNA取り込みを促進するペプチド、ペプチド模
倣物および他の化合物を同定するために、類似の方法論が使用され得る。
【0029】 例えば、化合物は、化合物をPNAと複合化し、PNA−プラスミド複合体を
外因性核酸分子とハイブリダイズし、細胞をこの複合体に接触させることによっ
て外因性核酸分子(好ましくは、プラスミド)のトランスフェクションの効率を
促進するその能力をスクリーニングし得る。細胞中に存在する核酸分子の量は、
例えば、アガロースゲル電気泳動および臭化エチジウム染色によって測定される
。この量は、化合物の非存在下で同一の複合体でトランスフェクトされた細胞中
の存在量と比較される。化合物の存在下でトランスフェクトされた細胞中の外因
性核酸分子の量が増加しているのは、化合物が核酸取り込みを刺激しているとい
うことを示す。
【0030】 特定のPNA分子、レポーター遺伝子およびPNAに結合したペプチドが本明
細書中で例示されているが、これらは単なる例証であって、任意のPNA分子、
レポーター遺伝子およびペプチドの使用が、本発明の範囲内にある。
【0031】 プラスミドはまた治療用遺伝子を含み、本明細書中に記載のPNA複合法は、
トランスフェクションの効率、核局在化および遺伝子治療に適用するための治療
用遺伝子の発現を増大させるために使用され得る。プラスミドは、生物内に存在
しないか減少したレベルで存在する所望の任意の遺伝子産物をコードし得る。こ
れらの遺伝子産物の例として、限定されないが、嚢胞性線維症膜貫通レセプター
(CFTR)、インスリン、ジストロフィン、インターロイキン−2、インターロイ
キン−12、エリスロポエチン、ガンマインターフェロンおよび顆粒球マクロフ
ァージコロニー刺激因子である。
【0032】 ペプチドは従来のペプチド合成機で合成され、PNAと結合され、そしてペプ
チド−PNA複合体はPNAに相補的な領域を含むDNA配列にハイブリダイズ
される。次いで、PNA標識DNAは、in vitroかまたは脊椎動物、好ましくは
、哺乳動物、より好ましくはヒト、にin vivoで非経口投与されるかのいずれか で細胞にトランスフェクトするために使用される。
【0033】 上述した化学修飾プラスミドは、合成遺伝子送達系のデザインおよび実行にお
いて有用なツールであり、遺伝子治療への適用のための合成遺伝子送達系の効率
を改善する。これらのPNA標識プラスミドを使用することにより、DNA送達
に対する細胞および分子バリアをより良く理解し、プラスミド送達系をより効果
的にする新規の洞察を開発できる。目的の核酸配列をハイブリダイズし得る複合
化PNAプローブは、プラスミドDNAを化学修飾するための化学薬品として使
用され、その生物学的利用能、トランスフェクションの効率、発現、核酸局在化
および他の有益な特性を改善し得る。
【0034】 本発明はまた、蛍光複合化PNAトリプレックスクランプとプラスミドまたは
他のDNA分子の相補的領域とをハイブリダイズさせることによって調製された
プラスミドDNAの高蛍光調製を用いたトランスフェクション後の生細胞内のプ
ラスミド生体分布を効果的に監視する方法を含む。当該分野で周知の任意のトラ
ンスフェクション法(リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーションおよびDE
AE−デキストランを含む)が使用され得るにも関わらず、陽イオン性脂質媒介ト
ランスフェクションが好ましい。遺伝子送達系は、Felgnerら(Hum. Gene. Ther
.,8,511〜512,1997)に記載され、陽イオン性脂質ベースの送達系(リポプレッ
クス)、ポリカチオンベースの送達系(ポリプレックス)およびその組み合わせ
(リポポリプレックス)が含まれる。陽イオン性脂質は、米国特許第4,897,355 号および同第5,459,127号に記載されている。蛍光PNAプローブは生細胞中の DNAの時間依存性トラッキングの定量を可能にし、同一のプラスミド上でコー
ドされる緑色蛍光タンパク質(GFP)と共に使用され得る。GFPは、融通の利く感
度の高いレポーター遺伝子で、顕微鏡および細胞選別による実時間の迅速で定量
的な遺伝子発現の監視を可能にすることが示されている(Chalfieら,Science,26
3,802〜805,1994、Heimら,Nature,373,663〜664,1985、Chengら,Nature Biotech
nol.,14,606〜609,1996)。
【0035】 核膜を通過して非分裂のトランスフェクトされた細胞の核区画内へのトランス
フェクトされた外因性のDNAの侵入は、非分裂細胞が、トランスフェクトされ
た遺伝子の発現を、たとえあるとしても、ほとんど示さない、非常に効率の悪い
プロセスである。細胞中でのin vivo外因性移入DNAの移入および発現は、in
vitroでの細胞の移入より非常に困難であり、これはDNAが効率よく横断し得 ない実質上無傷の核膜の存在による。それに対して、急増している細胞では、核
膜は、絶えず破壊および再形成されている。プラスミドDNAトランスフェクシ
ョンを媒介するために使用した陽イオン性脂質は、それ自身では核膜を溶解し得
ない。
【0036】 第2図は、培養細胞から得られ得るレベルを有するレポーター遺伝子をコード
するプラスミドのin vivo投与後に得られ得る遺伝子産物の発現レベルを比較し ている。第2図に示されるように、筋内または腫瘍にプラスミドを注射した後に
回収された遺伝子産物量は、培養細胞から得られ得る産物量より3〜4のオーダ
ーの大きさで低い。したがって、in vitroトランスフェクションと比較し得る効
率レベルに達する前に、in vivo非ウイルス遺伝子送達系テクノロジーを改善す る余地がある。遺伝子治療への適用のために、外因性DNAを非分裂細胞に取り
込ませ、発現させることが重要である。例えば、特定のタンパク質を欠くかまた
は非常に低いレベルで存在する遺伝障害には、タンパク質をコードするDNAが
コードされたタンパク質の発現を確実にするために細胞膜および核膜の両方を通
過しなければならない。従って、PNAならびに核膜の横断およびそれに続くD
NAの発現を促進するリガンドの両方を有するプラスミドまたは非プラスミドD
NAに特異的に会合することが望ましい。好ましい実施形態では、核膜を通過し
てDNAの輸送を促進する部分をPNAに付着させる。このような部分には、核
局在化シグナルと呼ばれるペプチド、タンパク質および他のリガンドが含まれる
【0037】 PNAトリプレックスの使用が本明細書中で記載されているが、米国特許第5,
460,941号に記載の分子等の、トリプレックス形成および配列特異的様式でのD NAへのハイブリダイゼーションが可能な他の分子もまた意図される。
【0038】 本方法で作製された蛍光プラスミドは、機能的にもコンフォメーション的にも
変化がない。PNA結合は、配列特異的で、飽和可能で、非常に安定であり、細
胞における核酸の細胞内分布に影響を与えない。同一のプラスミドから発現され
る蛍光プラスミドおよび緑色蛍光タンパク質(GFP)は、細胞中で共局在化され 得、そしてGFPは、検出可能な核蛍光プラスミドを含む細胞中でのみ発現される ことが示される。本方法は、合成遺伝子送達系を用いてプラスミド送達および核
輸送の機構を解明するための基礎を提供する。
【0039】 トランスフェクトされたDNAの生体分布を測定するために、実施例1に記載
するようにDNA分子または目的のDNA分子を含むプラスミドを目的のDNA
分子に相補的な核酸領域を有するPNAプローブと接触させることにより、プロ
ーブおよびDNA分子が強力に結合したトリプレックスを形成する。PNAプロ
ーブはまた、標識、好ましくは蛍光標識、と会合させて、蛍光ベースのアッセイ
による細胞内へのDNAの移動を実時間で測定することを可能にする。次いで、
これらのアッセイを用いて監視されたPNA/DNA複合体は、細胞をin vitro
、in vivoまたはex vivoのいずれかでトランスフェクトするために使用される。
【0040】 目的のDNA分子を含むプラスミドのDNA分子の侵入を促進するために、P
NAプローブを、DNAの細胞の核区画への侵入を促進する部分と会合させる。
PNA/DNA複合体は、in vitro、in vivoまたはex vivo(イクスビボ)のい
ずれかで、細胞をトランスフェクトするために使用される。PNA/DNA複合
体は、PNAプローブに付着した促進部分によって画分核に効果的に侵入する。
遺伝子治療への適用のために、複合体は、個体(好ましくは、ヒト)に全身また
は局所投与される。あるいは、PNA/DNA複合体は、個体からex vivoで得 た細胞にトランスフェクトするために使用され、次いでトランスフェクションの
後個体に戻される。
【0041】 本発明の別の実施形態は、目的の遺伝子の発現ベクターへの配置およびペプチ
ドまたは蛍光タグでの発現ベクターの標識を可能にするキットである。任意の所
望の発現ベクターが本発明の範囲内にあり、プラスミドベクター、レトロウイル
スベクター、アデノウイルスベクターを含むが、プラスミドベクターが好ましい
。キットには、標識PNAならびにマルチクローニングサイト(MCS)およびP NA結合を可能にするPNAに相補的な領域を有するプラスミドが含まれる。キ
ットはまた、発現ベクターのマルチクローニングサイトに正確な配列が挿入され
ているかを確認するための目的の遺伝子の配列決定が可能な配列決定プライマー
を含む。キットはまた、標識または反応緩衝液を含み得る。PNAは、蛍光タグ
、比色標識、放射性標識またはタンパク質上で見出された化学基と反応し得る化
学基を含む。
【0042】 アミノ、カルボキシル、スルフヒドリル基、アリール基、ヒドロキシル基およ
び炭水化物を含むタンパク質上の異なる化学基を標的するために、種々の架橋剤
が使用され得る。これらの架橋剤の多くは、Pierce Chemical社(Rockford、IL )から入手可能であり、Pierceカタログに記載されている。ヘテロ二官能架橋物
質は、所望でない重合または自己複合化を最小限にとどめるタンパク質の特定の
基を有する連続的複合化を可能にする2つまたはそれ以上の異なる反応基を含む
。第一級または第二級アミンと反応するヘテロ二官能架橋物質には、スクシミジ
ル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC )およびスクシミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレート(SMPB)な どのイミドエステルおよびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)−エステルが含
まれる。スルフヒドリル基と反応する架橋物質には、マレイミド、ヘテロアセチ
ルおよびピリジルジスルフィドが含まれる。カルバジイミド架橋物質は、第一級
アミンまたはヒドラジンにカルボキシルをカップリングし、アミドまたはヒドラ
ゾン結合形態をもたらす。一般的に広く使用されているカルボジイミド架橋物質
の1つは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
ヒドロクロライドである。
【0043】 例えば、マレイミド標識PNAは、実施例12で考察され、第7図に示すように
PNAをSMCCと反応させる事によって得られる。ピリジジチオール標識PNAは
、実施例12に考察のようにPNAの架橋剤SPDPとの反応によって得られる。これ
らの両方の基は、タンパク質のスルフヒドリル基と反応する。従来の化学的方法
を用いて任意の所望の化学基がPNAと複合化され得る。次いで、発現ベクター
を標識PNAと組み合わせて細胞トランスフェクションに使用されるべき研究薬
品を作製する。
【0044】 相補的プラスミドDNA結合部位への蛍光PNAクランプ結合の化学量論、特
異性および可逆性を、実施例1に記載するように特徴付けた。
【0045】 実施例1 〔プラスミド構築物およびPNA分子〕 プラスミド−プラスミドVR1060を10コピーの推定PNA結合エレメント(5’-
GAGAGAGA-3’、配列番号1)をVR1012のKpnl部位(Dohら、Gene Ther.、4、648
〜663、1997)に挿入することにより構築した。コントロールVR1332として使用 したプラスミドを上述のように構築した(Liang、Gene Ther.、3、350〜356、1
996)。プラスミドpPNA1-CMV(第3図)は、ヒトサイトメガロウイルス(hCM
V)即時型遺伝子(IE)プロモーター/エンハンサー+イントロンAおよびウシ 成長ホルモン(BGH)転写ターミネーターを基本とする高発現ベクター(Dohら、
前出)に由来した。プラスミドを、配列5’GGTACCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCT
CTCTCTCTCTCTCGGTACCC3’(配列番号2)を有する2コピーのオリゴヌクレオチ ドをBGHターミネーターの非機能的領域に位置するユニークKpnl部位への挿入に よって構築した。
【0046】 PNAクランプ−これらの研究で使用されるPNAを、以前に報告されたクラ
ンプとしてデザインした(Egholmら,Nucl. Acids Res.,23,217〜222,1995)。ロ
ーダミン(Rh)、フルオレセイン(F)または発蛍光団の代わりに末端一次アミ ノ酸基を含む非標識PNAをPerSeptive Biosystems(Framingham、MA)から購 入した。使用したPNA配列は、5’-TCTCTCTC-O-O-O-JTJTJTJT-3’(配列番号 3)であったが、ここで、J(偽イソシトシン)はフーグスティーン方向(Eghol
mら,前出,1995)で結合するように最適化したCのアナログである。「O」残基は 、PNAの2つの領域を分離する8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸リンカ ーである。PNAと、さらにPNAに相補的なDNA領域(PNA結合部位)を
含むプラスミドを第3A図に示す。リンカーを第3B図に詳細に示す。第3C図
に示した偽イソシトシンを、フーグスティーン方向での塩基対合(第3D図)を
可能にする、プロトン化システインとの置換のために使用する。
【0047】 AG(TC)リピートなどのホモプリン(またはホモピリミジン)結合部位により
、PNA-DNA-PNAトリプレックスクランプが形成される(Dueholmら,前出
)。プラスミドpPNA1-CMV-LacZおよびpPNA1-CMV-GFPを、標準的なプロト コールを用いて、ベクターのマルチクローニングサイト(MCS)へのβ−ガラク トシダーゼ遺伝子(Dohら、前出)または変異緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子
(Heimら,Nature,373,663〜664,1995)のクローニングによって得た。pPNA1-
CMVプラスミド中のホモプリンAG挿入が80ヌクレオチド(2つの40塩基対のリピ ート)からなり、そして各PNAクランプが8塩基にわたってハイブリダイスさ
れると推測されるので、プラスミドあたり10個のPNA結合部位が存在した。
【0048】 実施例2 〔PNA-DNAハイブリダイゼーションを監視するためのアッセイ〕 ハイブリダイゼーション条件は、以前発行された結果(Bentinら,Biochemistr
y,35,8863〜8869,1996、Eghomら,Nucleic Acids Res.,23,217〜222,1995)に基 づいた。TAE緩衝液中で20μlのプラスミドDNA(1.5μg)を1〜50ngのローダ
ミン標識PNA(Rh-PNA)と混合し、37℃で2時間インキュベートした。次 いで、サンプルを臭化エチジウムの非存在下での1%TAEアガロースゲルにロー ドした。Rh-PNA/DNAまたはフルオレセイン-PNA/DNAを視覚化しUV
照射下で撮影した。臭化エチジウムの存在しない条件下での視覚化の後、ゲルを
臭化エチジウムで染色して全プラスミドDNAを局在化してその強度を視覚化し
た。写真をSilverScanner III(LACIE)flat bed scannerを用いてスチャンした
【0049】 両プラスミドとのハイブリダイゼーション反応を、ゲル電気泳動によって監視
した。漸増量のPNAを使用して、プラスミドの飽和点を同定した。プラスミド
DNAあたり8モルのPNAで飽和が起こり、これは理論的にはプラスミドあた
りほぼ10個のPNA結合部位であると予想される。8モルPNA/モルプラスミ
ド未満には、ゲルの頂点に泳動する会合PNAの証拠はなかった。8モルPNA
/モルプラスミドを超える蛍光PNAをゲルの頂点近くに検出し得た。これは、
DNAに添加したPNAの比が8モルPNA/モルプラスミド以下である限り PNA結合部位が溶液から全ての利用可能なPNAを配列決定し得ることを示唆
した。したがって、これらの条件下ではPNA-DNAハイブリッドからPNA を取り除く必要がない。
【0050】 実施例3 〔PNA-DNA-PNAの安定性〕 PNA/DNAトリプレックスの安定性は、以前はその融点で特徴づけられて
きたが、生理学的条件下でのその安定性は記載されていない。PNA-DNA-P
NAトリプレックスハイブリッドの安定性を評価するために、種々の化合物を事
前に形成したトリプレックスに添加し、混合物を37℃で少なくとも3時間以上イ
ンキュベートした。Rh-PNA-プラスミドハイブリッドをPNA結合部位(5’-
CCCCTTGGTAGAGAGAGAGA-3’、配列番号4)を含む100倍モル過剰のホスホロチオ エートオリゴデオキシヌクレオチド(ODN、Genosys Biotechnologies社、The Wo
odlands、TX)とインキュベートした場合、Rh-PNAはプラスミドと置き換わら
なかった。コントロールプラスミド(PNA結合部位なし)をRh-PNAとイン キュベートし、続いて100倍モル過剰のODNを添加した場合、Rh−PNAとODNと
の会合が認められた。これらの結果は、PNA/DNAトリプレックスが一旦形 成されると自由な可逆性を持たないことを示した。
【0051】 PNA/DNAハイブリッドクランプの安定性をさらに評価するために、実施 例4に記載のPNAのそのDNA結合部位への結合を監視し得る蛍光共鳴エネル
ギー転移(FRET)アッセイを開発した。
【0052】 実施例4 〔蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)アッセイ〕 FRETは、リポプレックスの形成および解離、相補的ODNのハイブリダイゼーシ ョンならびに三重ヘリックスの形成を監視するために使用されている(Zelphati
ら,Proc.Natl. Acad. Sci. U.S.A.,93,11493〜11498,1996、Sixouら,Nucl. Acid
s res.,22,662〜668,1994、Mergnyら,Biochemistry,33,15321〜15328,1994)。F
RETシグナルは、蛍光ドナー(F-ODN)と蛍光受容体(Rh-PNA)との間のエネ ルギー転移を基本としており、フルオレセイン放射のクエンチング(Q)によっ て特徴づけられる。
【0053】 ODNはその3’末端でフルオレセインで標識されるか(F-ODN)または標識され ないままかのいずれかである。フルオレセインの測定を行い、フルオレセイン蛍
光クエンチング(Q)を記載するように計算した(Sixouら,前出)。非標識ODNま
たはF-ODNを非標識PNAまたはPh-PNAとハイブリダイゼーション緩衝液(10
0mM NaCl、10mM リン酸ナトリウム、1mM EDTA(pH 7.0))を、以下記載するよ うに(Egholmら,Nature,365,566〜568,1993)混合した。37℃で2時間のインキ ュベーション後、種々の化合物(第4図を参照のこと)を、事前に形成したトリ
プレックスに添加し、混合物を37℃で少なくとも3時間以上インキュベートした
。500〜600nmの放射スペクトルを、λex=470nmで記録した。蛍光をSPEX 1680分
光光度計(Spex Industries、Edison、NJ)で測定した。
【0054】 非標識PNAとインキュベートしたドナー単独(F-ODN)ならびに非標識ドナ ーとインキュベートした受容体単独では、放射スペクトルにおいて有意な変化は
示されなかった。それに対して、F-ODNとRh-PNAとを混合した場合は、蛍光放
射は特異的に抑制された(Q=75〜80%、第4図)。最大の蛍光抑制は、予想され
る化学量論(ODN結合部位あたり1PNAクランプ)で生じた。PNA結合配列 を含まない異なるF-ODNを使用した場合、有意な蛍光抑制は存在しなかった。こ れらの結果は、FRETアッセイを使用してODNへのPNAハイブリダイゼーション 反応を監視し得ることを立証するものである。
【0055】 大過剰量の種々の作用物質の存在下で予め形成したPh-PNA/F-ODNハイブリ
ッドの安定性を、37℃で3時間のインキュベーション後のフルオレセインクエン
チング(Q)の変化を測定することによって測定した(第5図)。FRETアッセイ での測定によれば、試験した化合物は、F-ODNおよびPh-PNAの間に形成された
トリプレックスを解離し得なかった(表1)。大過剰モル量の電荷および中性脂
質、PNA結合部位を含むプラスミドDNA、tRNA、dATP、ポリグルタミン 酸、BSA、デキストランおよび硫酸ヘパリン、スペルミン、スペルミジンならび にポリリジンを添加したが、PNAトリプレックスクランプは不安定にならなか
った。実際、温度上昇させて非常に高濃度の生理食塩水/界面活性剤処理でのみ
会合が可逆的になり得た(第5図、表1)。従って、PNA/DNAトリプレッ
クスは、合成または細胞化合物の存在下で非常に安定であり、DNAまたはODN を競争的に過剰にしても、その結合部位からトリプレックスクランプを解離し得
なかった。
【0056】
【表1】
【0057】 PNAのデュプレックスDNAへの結合が反対側の鎖にオープンDループを作 製し得ることが示されているので(Chernyら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A,90
,1667〜1670,1993、Almarssonら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A,90,9542〜9546
,1993)、プラスミドのヌクレアーゼ感受性はPNAの存在によって修飾され得 てきた。この効果は直鎖状プラスミドで以前に示されていた(Demidovら,Nucl.
Acids Res.,21,2103〜2107,1993)。従って、PNAの存在下または非存在下で のスーパーコイルプラスミドDNAのヌクレアーゼ感受性を、実施例5に記載す
るように比較した。
【0058】 実施例5 〔PNAプローブを含むプラスミドDNAのヌクレアーゼ感受性〕 PNA/DNAトリプレックスを、実施例1に記載するように調製し、分析し
た。次いで、サンプルを、1単位の制限エンドヌクレアーゼ、10単位のS1ヌクレ
アーゼまたは0.1単位のDNaseで処理した。S1ヌクレアーゼおよびDNase Iア ッセイのために、3μlの0.5M EDTA(pH 8)の添加により反応を停止し、サンプ
ルを急速凍結した。
【0059】 制限酵素、S1ヌクレアーゼおよびDNase Iで処理した全てのヌクレアーゼ消 化試験では、PNAがスーパーコイルプラスミドDNAに結合した場合、消化の
速度および範囲に相違は認められなかった。従って、PNA結合は、スーパーコ
イルプラスミドDNAのヌクレアーゼ感受性を変化させない。
【0060】 効果的なプラスミドプローブの別の基準は、プラスミドの生物学的活性(レポ
ーター遺伝子の発現レベル)に影響されるべきでないということである。従って
、本発明者らは、以下の実施例に記載するようにプラスミドが蛍光PNAクラン
プでハイブリダイズされるかまたはハイブリダイズされないままのいずれかであ
る陽イオン性脂質DMRIE/DOPEでいくつかの細胞株にトランスフェクトした。
【0061】 実施例6 〔in vitroトランスフェクションアッセイ〕 陽イオン性脂質1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキ シエチルアンモニウムブロマイド(DMRIE)の合成、DMRIE:DOPE(1:1モル比
)脂質フィルム/リポソーム調製およびトランスフェクションを以下の報告のよ
うに行った(Felgnerら,J. Biol. Chem.,269,2550〜2561,1994)。簡単に述べれ
ば、蛍光標識リポソームを、1モル%の1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3 −ホスファチジルエタノールアミン−N−(リスサミンローダミンBスルホニル)
(N-Rh-PE)を陽イオン性脂質製剤に組み込むことによって調製した。蛍光脂質 を、製剤における他の脂質と共にクロロホルム中で混合した後、乾燥脂質フィル
ムを作製した。大きな多重ラメラ小胞(MLV)の生産のために、1mM〜4mMの脂 質濃度を得るために乾燥脂質フィルムを適切な媒介物(すなわち、蒸留水、0.9 %生理食塩水または5%ソルビトール/20mM酢酸ナトリウム(pH 6)緩衝液)を
添加することによって再水和させた。Genie-2ボルテクサーを装着した泡沫プラ ットフォームを用いて最速の設定で2分間継続的にバイアルをボルテックスして
MLVを作製した。
【0062】 リポプレックス調製のために、1体積の陽イオン性リポソームを1体積のDN
Aと混合した。DNAおよび陽イオン性リポソームを、0.5 DMRIE/DNAモル 比(陽イオン性脂質のモルまたは正電荷等価物/DNAホスフェートの負電荷等
価物またはモル)で混合し、混合後2時間以内に使用した。
【0063】 B16F10(マウスメラノーマ、ATCC CRL 6322)、CV-1(アフリカミドリザル(A
frican Green Monkey)の腎臓ATCC CCL 70)およびCOS-7(アフリカミドリザルS
V40形質転換腎臓)を、10%ウシ胎児血清および抗生物質を含むDMEM中で増殖さ せた。これらの細胞を、OptiMEMTM培地(GIBCO Life Technologies社)中96ウェ
ルプレートで、リポプレックス(DMRIE:DOPE陽イオン性リポソームで合成したV
R1062プラスミドDNA)によってトランスフェクトした。VR1062プラスミドを 、VR1060ベクター中にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子をクローニングすることによ
って構築した(Dohら,Gene Ther.,4,648〜663,1997)。
【0064】 β−ガラクトシダーゼアッセイを以下のように行った。β−ガラクトシダーゼ
は分泌性タンパク質ではないので、トランスフェクション後培地を吸引し、トラ
ンスフェクトされた細胞を50μlの溶解緩衝液(250mM Tris(pH 8.0)0.1% Tri
ton X-100)で溶解し、次いで、凍結/解凍サイクル(-70℃で凍結し、室温で溶
解する)を1回行った。細胞を溶解している間、PBS中5%BSA(w/v)を含む新
鮮な96ウェルU底プレートにおいてβ−ガラクトシダーゼ(E. coli、Sigma社) の標準曲線を作成した。溶解細胞のプレートを一旦完全に解凍し、標準曲線上の
各ポイントの50μlアリコートを、プレートのコントロールウェルに移した。最 も多量のβ−ガラクトシダーゼは、40,000pgであった。β−gal緩衝液(1mM MgC
l2、10mM KCl、50mM β−メルカプトエタノール、60mM Na2HPO4(pH 8.0))に 溶解させた150μlの1mM/mlのクロロフェノールレッド−β−D−ガラクトピラ ノシド(CPRG、Boehringer Mannheim)の添加によって染色した。室温で10分〜 4時間インキュベートすることにより反応を行い、細胞型に従ってVmax Micropl
ate Readerを用いて580nmでの吸光度を読み取った。
【0065】 試験した全ての細胞株(CV-1、B16F10、COS 7)において、レポーター遺伝子 発現(VR 1062、β−ガラクトシダーゼ)のレベルは、PNAがプラスミドに会 合しているかに関わらず同一であった。PNA結合および非結合のpPNA1-CMV
-βgalの結果を第6図に示す。さらに、GFPをコードする第2のプラスミドの発 現は、PNAによって影響を受けない。従って、PNA結合はプラスミドの生物
学的活性に影響を与えない。
【0066】 オリゴヌクレオチドにハイブリダイズした蛍光PNAがオリゴヌクレオチドの
細胞内輸送に影響を与えるかどうかを測定するために、以下の実験を行った。
【0067】 実施例7 〔ODN、ODN/PNAおよび脂質の細胞内局在化〕 F-ODN(0.5μg)単独またはRh-PNAとハイブリダイズさせたF-ODNおよびそ の後DMRIE:DOPEを含む陽イオン性リポソームと合成したF-ODNを、オーバースリ
ップ上で増殖させたCV-1細胞と無血清培地でインキュベートした。37℃で3時間
後、10%FBSを含む培地を添加し、細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で3回
洗浄し、PBSを有するハンギングドロップスライド(Fisher Scientific)に置い
た。細胞を60×のオイル浸漬対物レンズおよび3CCDカメラビデオシステム(Carl
Zeiss)を装備した直立蛍光顕微鏡(Nikon、Optiphot)で即座に試験した。Kon
tron KS-400画像分析ソフトウェア(Kontron Elektronik)を用いて画像を取り 込んだ。
【0068】 CV-1細胞を裸のRh-PNA標識プラスミド(すなわち、陽イオン性脂質の非存 在下)とインキュベートした場合、班点状の細胞質蛍光は低レベルしか観察され
ず、核局在化蛍光は全く認められなかった。蛍光プラスミドを送達させるために
陽イオン性脂質を使用した場合、非常に大量の蛍光が細胞に会合したが、インキ
ュベーションの3時間後には核中には存在しなかった。Rh-PNA標識プラスミ ドの検出は一晩(16〜24時間)のインキュベーション後のみで観察された。これ
は、トランスフェクション後3時間以内に大量の核酸の取り込みを示すODNおよ びプラスミドDNAの間の核取り込みの範囲および速度が顕著に異なっている。
以前に発行された結果に基づいて、細胞分裂は、細胞内ODN送達は必要ないよう である。なぜならODNは核に非常に迅速に侵入し、ODNの核の蓄積は温度およびエ
ネルギーに依存するプロセスであるからである(Chinら,New Biol.,2,1091〜11
00,1991、Leonettiら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,88,2702〜2706,1991)。
それに対して、プラスミドDNAの核取り込みは一晩のインキュベーションを必
要とすることから、細胞分裂が必要であり得ることが示唆され得る。
【0069】 蛍光PNA標識の核蓄積は一晩のインキュベーションのみで認められるので、
観察された蛍光シグナルが無傷のプラスミドに由来するのかまたは分解されたD
NAフラグメントに由来するのかを測定するために特に重要であった。この疑問
に取り組むために、トランスフェクトされたCV-1細胞におけるプラスミド分解を
、以下の実施例に記載のようにこれらのトランスフェクトされた細胞から抽出し
たDNAに対する時間の関数として追跡した。
【0070】 実施例8 〔トランスフェクトされたPNA標識プラスミドDNAの完全性〕 6ウェルプレートにプレートしたCV-1細胞(2×105細胞)を、ウェルあたり 5μlのDNAでトランスフェクトし、以前に記載のように(Felgnerら,J. Biol
. Chem.,269,2550〜2581,1996)DMRIE:DOPEと合成した。種々の時間でインキュ
ベーション後、培地を取り除き、細胞をPBSで2回洗浄し、PBS/硫酸デキストラ
ン緩衝液(1mg/ml)で室温、15分間処理し、細胞外の陽イオン性脂質/DN
A複合体を取り除いた。2回の洗浄後、細胞をトリプシン処理し、遠心して溶解
した。DNA抽出およびサザンブロッティングを、標準的な手順に従って行った
。DIG非放射性核標識および検出系(Boehringer Mannheim)を、製造者が記載の
ように使用した。コード配列を有さないブランクプラスミドDNAをプローブと
して使用し、DIGキットを用いたランダムプライミングによって標識した。
【0071】 細胞を4℃でトランスフェクトした場合、細胞表面へ大量に取り込まれたが、
リポソームまたはDNAのの細胞内侵入は全く起こらなかった。細胞表面に会合
したプラスミドDNAは4℃でトランスフェクトし、インキュベートされた細胞
から、取り除かれなかった。細胞表面に会合したDNAは、デキストランサルフ
ェート/PBS緩衝液でトランスフェクトされた細胞を洗浄することによって取り 除かれ得る。サザンブロット分析では、陽イオン性脂質DMRIEによって送達され たほとんどの細胞内プラスミドDNAがトランスフェクションの48時間後ですら
まだ無傷であったことが示された。24時間後、回収された細胞内プラスミドの量
を、全挿入DNAの3〜5%であると評価したが、これは平均30,000〜50,000コ
ピーのプラスミド/細胞であることを示している。ブロットをより長い時間曝露
させた場合、少量(全プラスミドの2%未満)の分解プラスミドがスーパーコイ
ルのバンドの前にスミア(smear)として泳動しているより小さなフラグメントと して検出され得る。これらの結果は、細胞内で観察されたほとんどの蛍光が無傷
のDNAに相当するということを強く示唆する。
【0072】 以下の二本鎖DNAの生体分布のためのPNAプローブの利用性を試験した。
一本鎖DNAに見られたように、ODNデュプレックス上のPNAの存在は、細胞 内局在化またはデュプレックスODN送達を媒介する陽イオン性脂質の速度を修飾 しなかった。陽イオン性脂質によって送達されたデュプレックスODNもまた、核 によって取り込まれ、PNAは、デュプレックスODNまたは脂質のいずれかの細 胞内局在化を修飾しなかった。さらに、蛍光をPNAに連結してもODNに連結し ても細胞内輸送は同じであった。デュプレックスDNAおよび上記の一本鎖DN
Aを用いたこれらの結果は、生細胞内の蛍光PNA標識デュプレックスプラスミ
ドの生体分布後のPNAプローブの使用を支持するものである。
【0073】 蛍光PNAプローブを用いたプラスミドDNAの細胞内局在化を実施例9に記
載するように監視した。
【0074】 実施例9 〔プラスミドDNAの細胞内局在化〕 GFPの使用は、生細胞内の遺伝子トランスファーを監視する有用で迅速な方法 であると示されている。本研究において2つのプラスミドを用いたが、これらは
それぞれ実施例1に記載のVR1060およびVR1060ベクター中への変異GFP遺伝子(H
eimら,Nature,373,663〜664,1995)のクローニングに由来するVR1461プラスミド
である。細胞を実施例7に記載するように処理した。CV-1細胞を裸のRh-PNA 標識プラスミド(すなわち、陽イオン性脂質の非存在下)とインキュベートした
場合、点状の細胞質蛍光しか観察されず、核局在化DNAは観察されなかった。
陽イオン性リポソームとの複合体化によって、場所あたりのより高い蛍光強度に
よって観察される蛍光プラスミドの取り込みが非常に増大した。しかし、ODNを 用いて観察したものと対照的に、プラスミドはインキュベーションの3時間後に
細胞核に全く存在しなかった。核Rh-PNA標識プラスミドの検出は、一晩(16 〜24時間)のインキュベーション後のみに観察された。脂質およびDNAの共局
在化は、細胞上および細胞内点状構造において明らかであったが、脂質は核内に
決して観察されなかった。
【0075】 細胞核内に局在化した蛍光プラスミドが生物学的に活性で且つ分解されないこ
とを確認するために、GFPをコードするRh-PNA標識プラスミドをCV-1細胞内に
トランスフェクトした。この系を用いて、プラスミド送達を赤色のフィルターを
用いて監視し得、タンパク質発現が緑色フィルターで独立的に監視され得る。全
てのGFP発現細胞が核内に蛍光プラスミドを有し、蛍光核プラスミドを欠く細胞 中にはGFPは検出されなかったという結果が示された。しかし、核蛍光プラスミ ドを含むいくつかの細胞はGFPについて陰性であった。トランスフェクトされた 細胞内のDNAおよびその遺伝子産物を検出するためにFISHおよび免疫化学を共
に用いたという以前の報告(Gussoni,Nature Biotechnol.,14,1012〜1015,1996 )では、いくつかの細胞は、遺伝子発現に対して陰性であるが核DNAを含み得
ると言うことも結論づけられていた。この観察については少なくとも以下の3つ
の説明が可能である:i)DNAが少数の細胞内で不活化または分解された、i
i)非常に多数の核プラスミドのコピーが発現の競合および阻害の転写因子を誘
導した、またはiii)正確に核に侵入したプラスミドが十分なGFPシグナルを 蓄積するのに十分な時間をまだ有していなかった。
【0076】 プラスミドの生体分布を追跡するためのプローブとして蛍光PNAクランプの
使用を有効にするために必要な全ての工程が特徴づけられている。蛍光プラスミ
ドは、物理学的および生物学的特性に関しては顕著に変化していない。DNA挿
入染色とは対照的に、PNA結合は、生理学的条件下で配列特異的で非常に安定
である。一本鎖または二本鎖核酸上のPNAの存在は、それらの核酸取り込みを
修飾しない。陽イオン性脂質媒介トランスフェクション後の細胞内プラスミドの
大部分は、コンフォメーション的に無傷なままで、核内プラスミドは生物学的に
活性である。最後に、GFPを発現する全ての細胞はまた、それらの核内に容易に 検出可能な蛍光DNAを含み、その系は、蛍光プラスミドを欠く全ての細胞もま
たGFP陰性であることを示すのに十分な程度に感受性がある。
【0077】 プラスミド分布および発現を追跡する手段としての蛍光PNAおよびGFPの使 用は、FISHおよび免疫化学を利用するアプローチよりも利点がある。FISHは、組
織を固定し、切断し、浸透する必要があり、これはプローブサイズ、組織切片の
厚さおよび固定法などのパラメータによって制限を受ける(Gussoni,Nature Bio
technol.,14,1012〜1015,1996)。蛍光PNAを使用して、核侵入を制限する生 細胞内の細胞質ネットワーク中のエレメントを実時間で同定し得る。(Dowtyら,
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,92,4572〜4576,1995)。細胞の種々の細胞内区
画中の蛍光プラスミドの量もまた、画像分析ソフトウェアを用いることによって
定量し得る。
【0078】 その融通性、便利さおよび迅速な検出のために、蛍光PNA標識プラスミドは
、プラスミド生体分布に影響をおよぼす因子を研究するのに強力なツールである
。GFPおよび蛍光PNAを組み合わせて使用することにより、ヒト遺伝子治療に 適用するための非ウイルス遺伝子送達系の潜在能力に影響する因子をより良く理
解できる。
【0079】 実施例10 〔PNA標識プラスミド生産ための分析的定性コントロールアッセイ〕 本発明には、プラスミドDNAに不可逆的にハイブリダイズしたPNAコンジ
ュゲートを含む新規の研究試薬が含まれる。これらの試薬を購入した個人が再生
産可能な産物を受けたことを確認するために、生産物の活性および安定性を示す
定量分析アッセイを以下に記載するように行う。
【0080】 蛍光PNA−DNAハイブリッドの調製−初期のPNA−DNAハイブリダイ
ゼーション条件は、50μgのプラスミドDNA(15pモル)を、全量が100μlの種
々の緩衝液中で蛍光標識PNA(8倍モル過剰=120pモル)と混合し、37℃で2
時間インキュベートすることである。これらの初期条件は、緩衝液組成(イオン
強度およびpH)、DNAおよびPNA濃度、インキュベーション時間ならびに温
度に関して日常的に最適化され得る。
【0081】 アガロースゲル電気泳動−アガロースゲル電気泳動を使用して、PNA標識プ
ラスミドの保存中に起こり得るプラスミドの完全性、コンフォメーションの変化
、凝集および産物の損失を監視する。蛍光PNAプローブ(2μg)で新規に調製
した、凍結された、または保存されたプラスミドDNAをTAE緩衝液中、1%ア ガロース上で分析する。蛍光PNA−DNAを視覚化し、UV光線下で写真撮影し
た。続いてゲルを臭化エチジウムで染色して全DNAを視覚化し、UV光線下で写
真撮影した。続けてゲルを臭化エチジウムで染色して全DNAを視覚化し、UV光
線下で写真撮影する。写真を、SilverScanner III(LACIE)フラットベッドスキ
ャナーを用いてスキャンした。
【0082】 光学的密度および蛍光強度測定−異なる条件下で製造および保存したアリコー
トのPNA−プラスミドハイブリッドで、回収したDNAの全量および回収した
蛍光PNAの全量の測定を行う。Shimadzu分光光度計モデルUV-1601を用いて、2
60nmの光学密度(OD)での測定を行う。蛍光をFluoroMax 2分光光度計(SPEX in
struments)を用いて測定する。許容可能な製造条件により、光学密度測定に基 づく全DNAおよび全蛍光シグナルに基づくPNAの回収が良好になる。
【0083】 in vitroトランスフェクション活性−本質的には実施例6に記載するようにin
vitroトランスフェクションアッセイを用いて保存後の蛍光PNA標識プラスミ
ドの生物学的活性を測定する。DMRIE-DNAリポプレックスの連続希釈を以下の
ように行った:OptiMEMTM(75μl)を空の96ウェルの各ウェルに入れ、次いで75
μlのリポプレックスを各列の最初のウェルに移し、2倍希釈をカラム1〜12で行
った。次いで、75μlのOptiMEMTMを各ウェルに分配し、100μlのこの混合物を セルを含む96ウェルプレートのウェルに移す。
【0084】 熱安定性分泌性アルカリホスファターゼ(SEAP)をコードするプラスミドを用
いて行われるトランスフェクションについて、アルカリホスファターゼアッセイ
を以下のように行う。トランスフェクトされた細胞の上清を65℃で30分間加熱し
て、SEAPトランスジーンを不活化しないでバックグラウンドの外因性アルカリホ
スファターゼ活性を不活化する。トランスフェクションの48時間後、培養培地の
アリコートを取り出し、色素源基質であるp−ニトロフェニルホスフェート(PNP
P)の水和に基づく色素源アッセイを用いてSEAP活性を定量的に測定する。PNPP 試薬(0.1%w/v)を、1mM MgCl2、1Mジエタノールアミン(pH9.8)に溶解する 。96ウェルプレートの各ウェル中に、PBS中の10μlの0.05Zwittergent(Ca2+お よびMg2+なし、GIBCO)を添加し、その後各ウェルに20μlの加熱細胞培養培地を
添加する。コントロールウェルのために、20μlの水を使用して体積を標準化す る。アルカリホスファターゼ(AP)スタンダード(EIA等級の子牛腸AP、Boehrin
ger Mannheim)を使用して1〜100pg/ウェルでの標準曲線を作成する。PNPP基 質(200μl)を各ウェルに添加して酵素反応を開始する。反応は分析の前に室温
で30〜45分間継続可能である。希釈剤としてPBS中の0.05%Zwittergentを使用す
ることにより、バックグラウンドがゼロまで減少し、アッセイの検出限界が増大
する。405nm波長に設定したMolecular Devices(Palo Alto、CA)のVmax MicroP
lateリーダーで動的または静的読み取りを使用してプレートを読み取った。β−
ガラクトシダーゼをコードするプラスミドについて、実施例6に記載するように
アッセイを行う。ルシフェラーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(CAT)をコードするプラスミドについて、記載するようにルシフェ ラーゼおよびCATアッセイを行う(Wheelerら,Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A,93
,11454〜11459,1996)。
【0085】 蛍光顕微鏡研究−実施例7に記載するように異なる保存条件下での異なる時間
量について、新規に調製した蛍光プラスミドの細胞内輸送と、保持したプラスミ
ドとを比較する。
【0086】 実施例11 〔蛍光PNA標識プラスミドに対する保存条件の効果〕 上述したような調製した蛍光PNA/DNAを、種々の緩衝液中で-70℃、-20
℃、室温および2〜8℃または凍結乾燥で保存する。DNA調製物を、100μlア
リコート中で100μg/ml、500μg/mlおよび1mg/mlで保存する。使用した媒介
物は、水、50%グリセロール、10%スクロース、5%ソルビトール、TAE、TE、P
BS、リン酸ナトリウム、HEPES緩衝化生理食塩水およびTris-NaCl緩衝液である。
生物学的活性を、in vitroトランスフェクションアッセイおよび蛍光顕微鏡法に
基づいて同定した。安定性研究を以下のマトリックス(表2)に従って行い、保
存の時間量の関数としての安定性を導いた。
【0087】
【表2】
【0088】 許容可能な貯蔵寿命を有する生産物を誘導する製造条件の同定後、プラスミド
産物の目録を作成する。このような産物の代表例を表3に示す。フルオレセイン
およびGFP蛍光が本質的に同色なので、フルオレセイン標識GFP構築物を提示する
必要がない。これらの産物を25μgおよび100μg単位バイアルにいれ、これらの 量はin vitroトランスフェクションアッセイおよびin vivo生体分布研究を導く のに十分である。
【0089】
【表3】
【0090】 上記の実施例は、蛍光標識されたPNAプローブに関する。以下に記載の実施
例は、ペプチドのPNAへの複合化およびそれらのコンジュゲートの使用を記載
する。別の実施形態では、ペプチドを市販のPNAに直接連結し、ペプチドモチ
ーフを保有するこれらのPNAをPNA結合部位を有するプラスミドに直接ハイ
ブリダイズする。
【0091】 実施例12 〔ペプチドのPNAへの結合〕 SPDP((N−スクシニミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピネートおよびS
MCC(スクシニミジル4−(N−マレイミドメチル))シクロヘキサン−1−カル
ボキシレート)などのヘテロ二官能複合化試薬は、2つの異なる反応性官能基を
含む。SPDPおよびSMCCをPierce(Rockford、IL)から得る。これらの試薬の化学
標的は、PNA(5’)上のグリシンのアミン反応性末端およびペプチド上に存 在するシステインのスルフヒドリル反応性末端である。結合反応によって、PN
Aとペプチドとの間に直接的な架橋をもたらす。2つのアプローチは、以下のペ
プチド複合化を意図する:DNAへのそのハイブリダイゼーション後のPNAの
修飾またはコンジュゲートのプラスミドへのハイブリダイゼーションに続いてP
NAとのペプチドコンジュゲーション。好ましい実施形態では、カップリング効
率を増大させるためには、複数個(好ましくは2または3個)の8−アミノ−3,
6−ジオキサオクタン酸リンカーをPNAの5’末端に添加する。
【0092】 SPDP−SPDP試薬の活性化NHSエステル末端は、PNA上のアミノ基(5’末端グ
リシン)と反応してアミド結合を形成する。2−ピリジルチオール基は他の末端
でスルフヒドリル残基と反応してスルフヒドリルを含むペプチドとジスルフィド
結合を形成する。PBS(pH 7.5)中で調製したPNA/DNA溶液(PNAはす でにDNAとハイブリダイズされている)に、PNAの現存量より10〜20モル過
剰のSPDP(DMSO中、20mMストック溶液)を添加する。室温で1時間のインキュベ
ーション後、修飾PNA/DNAを、Sephadex G-50カラムでのゲル濾過によっ て精製して過剰な架橋剤および反応副産物を取り除く。フラクションを回収し、
DNAを含むピークフラクションをプールする。SPDP由来のPNA/プラスミド
ハイブリッドをマイクロコンセントレーターを用いるかイソプロパノール沈殿に
よって濃縮する。
【0093】 修飾効率を測定するために、SPDP由来のPNA/DNAのアリコートをジチオ
スレイトール(DTT、25mMを室温で30分間)と反応させてピリジン−2−チオン 基を放出する。ピリジン−2−チオン基の放出を分光光度計を用いて343nmで測 定し(ε=8×103 M-1cm-1)、スルフヒドリル修飾量(SPDPで修飾されたPN A)を定量する。
【0094】 SMCC−SMCC試薬の活性化NHSエステル末端を、PNA上の一次アミノ基(5’末
端グリシン)と反応させて安定なアミド結合を形成する。他の末端のマレイミド
を、ペプチドのスルフヒドリル残基とカップリングする。SMCCを有するPNAと
ペプチドとの反応を第7図に概略的に示す。
【0095】 100mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、1mM EDTA(pH 7.2)またはPBS(pH 7.
2)中のPNA/DNA溶液(PNAはすでにDNAとハイブリダイズされてい る)に、PNAの現存量より40〜80倍モル過剰のSMCC(DMSO中、20mMストック溶
液)を添加する。室温で1時間の断続的混合によるインキュベーションの後、10
0mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl(pH 7.2)またはPBS(pH 7.2)で平衡化した
Sephadex G-50カラムでのゲル濾過によってマレイミド活性化PNA/DNAを 精製して過剰な架橋剤および反応副産物を取り除く。フラクションを回収し、D
NAを含むピークフラクションをプールする。SMCC由来のPNA/DNAをマイ
クロコンセントレーターを用いるかイソプロパノール沈殿によって濃縮する。
【0096】 修飾効率を測定するために、マレイミド活性化PNA/DNAの量を蛍光アッ
セイおよびEllman試薬によって定量する。ヘテロ二官能架橋剤(SMCCまたはSPDP
)を介した合成ペプチドのDNA/PNAとのカップリング後、蛍光シグナルの
消失またはペプチド上の末端システインの遊離スルフヒドリル残基とのジチオビ
スニトロ安息香酸(Ellman試薬)の比色反応によって溶離図を監視した。
【0097】 実施例13 〔還元スルフヒドリル基および一次アミノ基の定量〕 結合および遊離ペプチドをカラムクロマトグラフィーによって分離する。Seph
adex G-50をBioRad(Hercules、CA)の0.7×15EconoColumに充填し、PBS(pH 7.
4)で平衡化する。1mlのフラクションを回収する。10〜50μlアリコートの各溶
出フラクションにPBS(pH 7.4)中1mlの5mM EDTAを添加し、その後100μlのメ
タノール中に溶解の1mM Ellan試薬を添加する。スルフヒドリル残基(蛍光の黄 色を発する)を含むフラクションをプールし、BioSpec-1601分光光度計(Shimad
zu、Columbia、MD)を用いて412nmで吸光度を読み取ることによって定量する。L
−システインまたはグルタチオンを使用して標準曲線を作成する。
【0098】 アミノPNAのヘテロ二官能リンカーとの結合を、PNA上の第一級アミンを
蛍光試薬フルオレセインと反応させることによって定量する。2mlのアッセイ緩 衝液(ホウ酸ナトリウム(pH 9.2))を、12×75ホウケイ酸塩試験管に移す。リ
ンカーとおよびリンカーなしでアッセイされるアミノPNA溶液を、シグナルと
ノイズの比が少なくとも10となるのに十分なレベルでホウ酸緩衝液を添加する。
AidrichChemical社(Milwaukee、WI)から得たフルオレスカミンをネジ式キャッ
プのガラスチューブ中で1.5mMの最終濃度にアセトン中で溶解する。強力にボル テックス(はね返りが無いように)しながら、200μlのフルオレスカミン試薬を
アミノPNA溶液に添加して混合を完全にする。次いで、サンプルを10mlのポリ
スチレンキュベットに移し、室温で、FluoroMax(SPEX Instruments)を用いて 、λex=392nmおよびλem=480nmで蛍光を測定した。両波長のスリットは2.5nm に設定する。5秒の積分時間での時間ベースのスキャンモードを使用する。シグ
ナルが安定した後(約20秒間)、測定がされた。ブランク溶液を使用してバック
グラウンドを補正する。プラスミドDNAおよび二官能リンカー単独では、フル
オレスカミンと反応しない。
【0099】 実施例14 〔蛍光ペプチドの複合化PNA−プラスミドハイブリッドとの結合〕 核局在化配列、融合両親媒性ペプチド、またはレセプター特異的リガンド配列
を含むいくつかの異なるペプチドを、Multiple Peptide SystemsまたはSigmaか ら得た。各ペプチドは、SPDPまたはSMCC修飾PNA/DNAと反応させるために
片側にシステインを含む。いくつかの場合では、蛍光ペプチドを使用して複合化
反応を追跡する。
【0100】 発蛍光団でペプチドを標識するために、以下の2つの異なるアミン反応性発蛍
光団誘導体を使用する:Molecular Probes(Junction City、OR)から得たフル オレセインイソチオシアネート(FITC)およびテトラメチルローダミン−5(お
よび6)−イソチオシアネート(TRITC)。これらの試薬をアルカリ条件下でペ プチド中の第一級アミンと反応させて、安定で高蛍光誘導体を形成する。
【0101】 100mM炭酸ナトリウム(pH9)中少なくとも2mg/mlの濃度のペプチド溶液を調
製する。FITCおよびTRITC(1mg/DMSO)を遮光してペプチド溶液(50μl発蛍 光団/mlペプチド溶液)にゆっくり添加する。4℃、暗所で少なくとも8時間の
インキュベーション後、塩化アンモニウム(50mM)を添加し、さらに2時間イン
キュベートして反応を停止する。最後に、蛍光ペプチドをPBSを用いたゲル濾過 (Sephadex G-10)で精製する。
【0102】 マレイミドSMCCまたはSPDP活性化PNA/DNAを、100mMリン酸ナトリウム 、150mM NaCl,(+1mM EDTA(SPDPの場合))(pH 7.2)中、適切なモル比でス ルフヒドリル−蛍光ペプチドと混合する。室温で一晩のインキュベーション後、
最終コンジュゲートを、Sephadex G-50を用いたゲル濾過で単離した。最終産物 の蛍光強度と標準曲線とを比較することにより、DNAと結合したペプチドの量
を定量することができる。
【0103】 好ましい実施形態では、PNAとペプチドとの間にジスルフィド結合を誘導す
るSPDPアプローチには、融合(エンドソーム溶解性)または標的機能を有するペ
プチドを使用する。ペプチドが、一旦それらの標的またはエンドソーム逃避機能
を使用すると、それらは細胞内減少環境によってDNAから切断される。それに
対して、ペプチドは核に送達するまでDNAに結合したままでなければならない
ので、核局在化配列を含むペプチドについてSMCC法を行う。レポーター遺伝子発
現を増強する能力について種々の非標識ペプチドをスクリーニングするために、
これらの方法が使用されうる。
【0104】 実施例15 〔ペプチド−PNA/DNAゲル電気泳動分析〕 DNA移動がペプチドの全体的な電荷に依存し得るペプチドとの複合化によっ
て影響される場合、ペプチドの結合反応がDNAの電気泳動の移動度および強度
に影響を与えること、および結合したペプチドの存在を確認することに本方法が
使用される。ペプチド−PNA/DNAを、1%TAEアガロースゲルでの電気泳 動によって分析する。蛍光ペプチド−PNA/DNAを臭化エチジウムの非存在
下で視覚化し、UV光線下で写真撮影した。DNAの完全性を臭化エチジウム染色
によって分析する。
【0105】 実施例16 〔PNA/DNA結合の特徴付け〕 プラスミドあたりのペプチド結合量を、遊離のペプチドをゲル濾過でプラスミ
ドから取り除いた後、DNAおよびペプチド濃度を別々に測定することによって
同定する。回収されたDNA量を、OD260nmを測定することによって測定する。 ペプチドが蛍光標識を含む場合、プラスミドへの蛍光ペプチド結合量を遊離の蛍
光ペプチドの標準曲線を用いて測定する。蛍光タグを含まないペプチドについて
、フルオレスカミンアッセイを使用して結合したペプチドの量を測定する。結合
したペプチドを有さない精製プラスミドは、フルオレスカミンアッセイにおいて
いかなるバックグラウンド蛍光もあたえない。これらの測定を使用してプラスミ
ドDNAに結合したペプチド−PNAの化学量論を同定した。
【0106】 実施例17 〔核輸送アッセイ〕 ジギトニン透過細胞は、タンパク質の核輸送を研究するための強力な系である
(Adamら,J. Cell Biol.,111,807〜816,1990)。このin vitro系は、直接監視さ
れるプラスミドの核取り込みを可能にする。種々の核局在化配列を含むプラスミ
ドの核内取り込みを、結合したペプチドを欠くプラスミドと比較する。
【0107】 核輸送アッセイを、Adamら(前出)に本質的には従って行った。簡潔には、カ
バースリップにプレートした細胞を輸送緩衝液(20mM HEPES(pH 7.3)、110mM リン酸カリウム、5mM酢酸ナトリウム、2mM酢酸マグネシウム、0.5mM EGTA、2
mM DTTならびに1μg/mlのアプロチニン、ペプスタチンおよびロイペプチン(
Sigma)の内のいずれか)中、40μg/mlのジギトニン(Molecular Probes)で5
分間浸透する。カバースリップを輸送緩衝液中で洗浄し、輸送緩衝液+0.5mM AT
P、0.2mM GTP、5mMクレアチンリン酸、1単位のクレアチンキナーゼ(Calbio
chem、San Diego、CA)、50%ウサギ網状赤血球(Promega)および蛍光標識DN
A(ペプチドを含むかまたは含まない)からなる完全な輸送混合物の100μlドロ
ップで置換した。37℃での種々のインキュベーション時間後、細胞を輸送緩衝液
で洗浄し、2%ホルムアルデヒドで30分間固定し、0.1%p−ジフェニレンジアミ
ドジヒドロクロライド(Sigma)を含む輸送緩衝液中でスライドに置いた。核をD
APIまたはHoechst 33258色素(Molecular Probes)で染色する。カバースリップ
をスライドに置き、60×のオイル浸漬対物レンズおよび3CCDカメラビデオシステ
ム(Optronics)を装備した直立蛍光顕微鏡(Nikon、Eclipse E600)で試験する
。Image-Pro Plus画像分析ソフトウェア(Media Cybernetics)を用いて画像を 得た。コントロールとして、核局在化ペプチドとカップリングしているかまたは
していない蛍光タンパク質(BSA、デキストラン、アロフィコシアニンまたはス トレプトアビジン)を使用する。核輸送のいくつかのインヒビター(小麦胚凝集
素、温度、エネルギーの涸渇、核細孔複合体に対する抗体およびN−エチルマレ イミド処理を含む)の効果もまた、これらのプロトコールを用いて試験する。
【0108】 実施例18 〔DNA安定性の同定〕 核輸送アッセイ後の輸送緩衝液中に存在するDNAを、フェノール/クロロホ
ルム/イソアミルアルコールで抽出し、イソプロパノールで沈殿し、70%エタノ
ールで洗浄する。水に溶解させたDNAを、1%アガロースゲルで分析する。細
胞区画(核および細胞質の単離)(Dingmanら,Nucleic Acids Res.,11,1475〜14
89,1983)およびペプチド−PNA/DNAコンジュゲートの抽出を標準的な手 順(Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor
Laboratory Press,Cold spring Harbor,NY)に従って行う。DNAの安定性をDI
G非放射性核酸標識および検出系を有するサザンブロットで分析する。
【0109】 実施例19 〔膜不安定性アッセイ〕 リポソーム中にカプセル化した発蛍光団を用いた本in vitro系により、DNA
に結合した融合または膜溶解ペプチドの活性の分析が可能となる。本アッセイを
使用して、リポソームの溶解または誘導を必要とする結合ペプチドを定量し、こ
の活性がプラスミドへのペプチドの結合後に保持されているかどうかを同定する
。溶解または融合配列を含み、DNAに結合したいくつかの異なるペプチドの機
能性を分析する。この漏出アッセイは、膜と融合するか脂質二重層に細孔を形成
するペプチドの能力を研究するための強力な系である(Wymanら,Biochemistry 3
5,3008〜3017,1997、Parenteら,Biochemistry,29,8713〜8719,1990)。
【0110】 逆相蒸発小胞(リポソーム)を、Szokaら(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.,7
5,4194〜4199,1978)に従って調製する。リン脂質(POPC,1−パルミトイル−2
−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンおよびPOPG,1−パルミトイル −2−オレオイルホスファチジルグリセロール)を、Avanti Polar Lipids(Bir
mingham、AL)から得る。発蛍光団8−アミノナフタレン−1,2,3−トリスルホン
酸(ANTS)およびp−キシレンビス(ピリジニウム)ブロマイド(DPX)をMolecu
lar Probesから得る。リポソームを、5mM TES、12.5mM ANTS、45mM DPXおよび20
mM KCl(pH 7.0)中で作製し、駆逐剤(Liposofast、Avestin、Ottawa、Canada )用いて200nmポリカーボネート膜を通して駆逐する。非カプセル化物質を5mM T
ESおよび100mM KCl(pH 7.0)を用いたゲル濾過(Sephadex G-75)によって取り
除く。
【0111】 ANTS/DPXアッセイを使用して、リポソーム由来のカプセル化ANTSのペプチド −誘導漏出を監視する。本アッセイを、Wymanら(前出)に従って行う。簡潔に は、培地から放出されたANTSのクエンチングによって得られる蛍光シグナルを、
分光光度系(SPEX fluorog)を用いて測定した。励起は360nmそして放射は435nm
に設定した。無傷のリポソーム由来の0%漏出の蛍光強度を(F0)に、C12E8界 面活性剤(Calbiochem)を用いた小胞の完全な溶解物から得られた100%漏出の 蛍光強度を(F100)に設定する。ANTSのための漏出範囲はを、以下の式で同定す
る。
【0112】
【数1】 漏出%=(F−F0)/(F100−F0) (式中、Fはペプチドで測定した蛍光強度を表す)
【0113】 実施例20 〔蛍光活性化細胞選別(FACS)分析〕 FACSを使用して、細胞中へ送達される蛍光分子または細胞表面に結合する蛍光
分子を検出する。本方法を使用して、特定の細胞表面レセプターによって認識さ
れるカップリングペプチドの特異性および機能的活性を測定する。結合特異性を
、異なる細胞株および遊離のペプチドを用いた標準的な競合アッセイで監視する
。細胞表面結合ペプチドの分析を、Suzukiら(Exp. Cell Res.,193,112〜119,19
91)に従って行う。簡単に述べれば、2×105細胞を蛍光ペプチド−PNA/D NAコンジュゲートと4℃で30分間インキュベートする。細胞を大量の氷冷PBS で洗浄し、2%ホルムアルデヒドで固定し、フローサイトメトリーで分析する。
【0114】 実施例21 〔生物学的活性および蛍光顕微鏡法〕 いくつかの異なる細胞株(CV-1、B16およびNIH/3T3)に対するリポフェクシ ョン(陽イオン性脂質)によって媒介されるペプチド−PNA/DNAコンジュ
ゲートのin vitroトランスフェクションを、実施例6に記載のように行う。ペプ
チド−PNA/DNAコンジュゲートを用いて達成されたレポーター遺伝子発現
レベルを、非カップリングDNAを用いて得られた結果と比較する。蛍光ペプチ
ド−PNA/DNAコンジュゲートの細胞内輸送は、生細胞内で送達および発現
されたDNAレベルならびにプラスミドDNAの細胞内分布(核取り込み)にお
けるカップリングペプチドの利点を試験する。
【0115】 実施例22 〔PNA−ペプチド複合体を用いた転写の活性化〕 サイトメガロウイルス(CMV)即時(IE)プロモーター/エンハンサーは、そ の最小プロモーターから600塩基対上流に位置するエンハンサーエレメントの捕 捉的な配列なので広範な哺乳動物細胞および組織で活性な強力なプロモーターの
1つであると考えられている(Hartikkaら,Human Gene Ther.,7,1205〜1217,199
6)。第8図は、転写活性化ドメインの転写細胞の核への送達のためのPNAア プローチを示す。これらのペプチドをPNAを介して結合してプラスミド上に直
接的に人工転写アクチベーターを誘導する。
【0116】 CMV IEエンハンサーの換わりにPNA結合領域を有するCMV IEプロモーターベ
ースのプラスミドを、当該分野で周知の方法で構築する。エンハンサー領域を欠
く本プラスミドの転写活性は非常に低い(最大発現の3%未満)ことが公知であ
り、これは本プラスミドが最小プロモーターしか有さず、内因性特異的転写因子
に結合する能力を有さないからである(Gossennら,proc. Natl. Acad. Sci. U.S
.A.,89,5547〜5551,1992)。単純ヘルペスウイルスVP16由来の437〜447アミノ酸
ペプチド(Seipelら,前出)などの特異的転写活性化活性を有することが公知の ペプチドを、実施例12に記載の方法を用いてPNAにカップリングする。次い
で、PNA−ペプチドコンジュゲートを実施例2に記載のようにプラスミドにハ
イブリダイズする。本方法では、各プラスミド分子が内因性転写因子のレベルに
関係無く転写を活性化し得るプラスミド調製物を作製する。
【0117】 プラスミドの構築−約130塩基対の DNAフラグメントを、プライマー5’-GG
ATCCGCAAATGGGCGGTA-3’(配列番号5)および5’-CGGCCGCGGAGGCTGGA-3’(配 列番号6)ならびにヒトCMV IEプロモーターベースのプラスミドを用いて作製す
る(Hartikkaら,前出)。次いで、CMV IE遺伝子プロモーターのエンハンサー領 域(-63BP〜-680)を、MscIおよびSacIIで切断することによって取り除き、最小
プロモーター+PCRフラグメントの上記EcoRI/SacII切断物のライゲーションに よる6個のPNA結合部位および配列5’ATCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTCTC
TCTCTCTCTCTCTCGGATCCAG-3’(配列番号7)を有するEcoRI切断オリゴヌクレオ チドと置換する。高い転写活性化能力を有する完全な機能性プラスミド、真核生
物の転写活性化ドメインに共有結合したPNAクランプのプラスミド上のPNA
とのハイブリダイゼーションによって作製する。転写活性化ペプチドを、上記お
よび種々の結合されたPNA−ペプチドアクチベーターを有し、発現されたレポ
ーター遺伝子活性(例えば、β−ガラクトシダーゼ)とレギュラーCMV IEプロモ
ーター/エンハンサーベースのプラスミド(例えば、pPNA1-lac Z)とを比較
している第8図に記載のプラスミドでトランスフェクトすることによって評価す
る。
【0118】 本発明の特定の実施形態を詳細に説明しているが、当該技術に精通する者にと
って、これらの実施形態が限定というよりもむしろ例示であり、本発明の真の範
囲は請求項に規定されていることは明白である。
【0119】
【配列表】
SEQUENCE LISTING (1) 一般情報 (i) 出願人:ジーン セラピー システムズ インコーポレーテッド イシス ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド (ii) 発明の名称:ペプチド核酸コンジュゲートを用いたDNAの化学修飾 (iii) 配列数:7 (iv) 連絡先 (A) 宛名:クノーベ,マーテンス,オルソン&ベアー (B) 番地:ニューポート センター ドライブ 620 16ス フ ロアー (C) 市 :ニューポート ビーチ (D) 州 :カルフォルニア (E) 国 :アメリカ合衆国 (F) ZIP :92660 (v) コンピュータ読み取り可能形式 (A) 媒体:フロッピーディスク (B) コンピュータ:IBM互換 (C) 操作システム:Windows (D) ソフトウェアー:FastSEQ for Windows Version 2.0b (vi) 現行出願データ (A) 出願番号 (B) 出願日 (C) 分類 (vii) 先願データ (A) 出願番号:09/087,815 (B) 出願日: 29-MAY-1998 (vii) 先願データ (A) 出願番号:60/059,215 (B) 出願日: 18-SEP-1997 (viii) 代理人/事務所情報 (A) 名前:バートフェルド,ニール,エス (B) 登録番号: 39,901 (C) 整理番号:GTSYS.001VPC (ix)通信情報 (A) 電話番号:619-235-8550 (B) ファクシミリ番号: 619-235-0176 (C) テレックス: (2) 配列番号1に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 8 base pairs (B) 種類:核酸 (C) 鎖の数:1本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ:cDNA (xi) 配列の説明:配列番号1 GAGAGAGA 8 (2) 配列番号2に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 52 base pairs (B) 種類: 核酸 (C) 鎖の数:一本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ; cDNA (xi) 配列の説明:配列番号2 GGTACCTCTC TCTCTCTCTC TCTCTCTCTC TCTCTCTCTC TCTCTCGGTA CC 52 (2) 配列番号3に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 20 base pairs (B) 種類:核酸 (C) 鎖の数:1本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ: cDNA (ix) 特徴: (A) 特徴を表す記号: Other (B) 存在位置:9...11 (D) 他の情報: 8-amino-3,6-dioxaoctanoic acid linker (A) 特徴を表す記号: Other (B) 存在位置:12...18 (D) 他の情報: pseudoisocytosine (xi) 配列の説明:配列番号3 TCTCTCTCNN NNTNTNTNT 20 (2) 配列番号4に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 20 base pairs (B) 種類:核酸 (C) 鎖の数:1本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ: cDNA (xi) 配列の説明:配列番号4 CCCCTTGGTA GAGAGAGAGA 20 (2) 配列番号5に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 20 base pairs (B) 種類:核酸 (C) 鎖の数:1本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ: cDNA (xi) 配列の説明:配列番号5 GGATCCGCAA ATGGGCGGTA 20 (2) 配列番号6に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 17 base pairs (B) 種類:核酸 (C) 鎖の数:1本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ: cDNA (xi) 配列の説明:配列番号6 CGGCCGCGCA GGCTGGA 17 (2) 配列番号7に関する情報 (i) 配列の特徴 (A) 長さ: 57 base pairs (B) 種類:核酸 (C) 鎖の数:1本鎖 (D) トポロジー:直鎖状 (ii) 分子タイプ: cDNA (xi) 配列の説明:配列番号7 ATCTCTCTCT CTCTCTCTCT CTCTCTCTCT CTCTCTCTCT CTCTCTCTCG GATCCAG 57
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図。PNA−ペプチド複合体にハイブリダイズさせたプラスミドの細胞へ
の適用を示す概略図である。PNApep−PNAクランプを介して結合したペプ チドを有するプラスミド、PNAnuc−核局在化シグナルペプチドを有するプラ スミド、PNAlyt−エンドソーム溶解性または融合誘導性ペプチドを有するプ ラスミド、PNAlig−レセプター特異的リガンドを有するプラスミド、PNAl
ight−発蛍光団を有するプラスミド。
【図2】 第2図。培養細胞、筋細胞および腫瘍細胞におけるレポーター遺伝子発現効率
を示す図である。
【図3】 第3A図および第3B図。 第3A図;相補的DNA配列にハイブリダイズしたPNAクランプおよびPN
A結合部位を含むpPNA1-CMVプラスミドDNAを示す図である。PNAクラン
プは、プラスミド上のAPリピート配列にハイブリダイズする。CMV−ヒトサイト メガロウイルス、KanR−カナマイシン耐性遺伝子、IE prom/enh−CMV即時型遺伝
子プロモーター/エンハンサー領域、BGH term−ウシ成長ホルモン遺伝子ターミ
ネーター領域。 第3B図;PNAクランプのO-O-Oグリシンリンカー領域の詳細な構造を示す 図である。
【図4】 第3C図および第3D図。 第3C図;PNAクランプ中の偽イソシトシン(J)、シトシンアナログの構 造を示す図である。 第3D図;アデニンおよびチミン間ならびにプロトン化シトシンおよびグアニ
ン間でのフーグスティーン型塩基対を示す図である。
【図5】 第4図。漸増量のローダミン標識PNAの存在下での蛍光共鳴エネルギー転移
(FRET)によるPNA/オリゴデオキシヌクレオチド結合の特徴を示す図である
【図6】 第5図。FRETによって特徴づけられたODN/PNA会合および解離を示す図で ある。(●)F-ODNのみ、(○)F-ODN/Rh-PNA、(□)トリプレックス+100
0倍過剰重量のサケ精子DNA、(■)トリプレックス+1000倍過剰モルの競合O
DN、(×)トリプレックス+100倍過剰モルのOMRIE−DOPE脂質、(▲)トリプレ
ックス+1000倍過剰重量のヒストン、および(◆)58℃、45分間のNaCl/SDS処 理(50mM Tris-HCl、500mM NaCl、10mM EDTA(pH 8.9)、1%SDS中でのPNA /ODNトリプレックスのインキュベーション)。
【図7】 第6図。PNA結合および非結合でのpPNA1-CMV-β-galのトランスフェク ション活性を示す図である。
【図8】 第7図。PNAクランプの架橋剤SMCCとの反応と、その後のスルフヒドリル基
との反応によるPNA−ペプチド結合形成を示す概略図である。
【図9】 第8図。転写活性化ドメインペプチドのトランスフェクトされた細胞の核への
送達に対するPNAアプローチを示す図である。これらのペプチド(TAD)は、 プラスミド上に人工の転写アクチベーターを直接導入するためにPNAを介して
プラスミドに連結される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 13/00 13/00 5/00 A 15/09 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 フェルグナー,フィリップ,エル アメリカ合衆国 カリフォルニア 92067 ランチョ サンタ フェ ラス パロマ ス 5412 (72)発明者 ゼルファティ,オリバー アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037 ラ ジョーラ ヴィア ラ ジョーラ ドライブ 8840 (72)発明者 ベネット,シー,フランク アメリカ合衆国 カリフォルニア 92009 カールスバド カシンス ストリート 1347 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 CA01 CA09 CA11 EA04 GA11 HA08 HA11 HA14 4B033 NH02 4B063 QA05 QA18 QA19 QQ42 QQ52 QQ91 QR31 QR33 QR48 QR56 QS02 QS34 QX02 4B065 AB01 BA02 CA44 4C084 AA13 DA12 DA14 DA19 DA24 DB34 DB56 NA10 ZA512 ZA552 ZB022 ZC352

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスフェクトされた外因性の核酸分子の細胞中の生体分
    布を測定する方法であって、トランスフェクションの前に外因性核酸分子に複合
    化ペプチド核酸(PNA)を配列特異的様式で接触させる工程と、前記細胞を前
    記複合化PNAでトランスフェクトする工程と、前記核酸分子の細胞内の位置を
    監視する工程とを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記核酸分子はDNAまたはRNAである、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記DNAは直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、環
    状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記DNA分子はプラスミドである、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記PNAを蛍光標識、比色標識、放射性標識または酵素標
    識と複合化させる、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記トランスフェクション工程は陽イオン性脂質によって媒
    介される、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 トランスフェクションの前に、前記外因性核酸分子を核局在
    化シグナルペプチドに複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程を含む、ト
    ランスフェクトされた外因性の核酸分子の細胞の核区画内への送達を増強する方
    法。
  8. 【請求項8】 前記核酸分子はDNAまたはRNAである、請求項7記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 前記DNAは直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、環
    状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記DNA分子はプラスミドである、請求項8記載の方法
  11. 【請求項11】 前記トランスフェクションは陽イオン性脂質によって媒介
    される、請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記核局在化シグナルペプチドは、ポリ−L−リジン、SV
    40 NLS、アンテナペディアペプチド、TATペプチド、c-mycペプチド、VirD2ペプ チド、ヌクレオプラスミンペプチド、ARNT由来ペプチドおよびM9ドメインペプチ
    ドからなる群から選択される、請求項7記載の方法。
  13. 【請求項13】 トランスフェクションの前に、前記外因性DNAを転写ア
    クチベータードメインペプチドに複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程
    を含む、細胞中のトランスフェクトされた外因性のDNAの転写を促進する方法
  14. 【請求項14】 前記DNAは直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、
    環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記DNAはプラスミドである、請求項13記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記トランスフェクションは陽イオン性脂質によって媒介
    される、請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記転写アクチベータードメインペプチドは、VP16(337-
    347)2、P65(520-550)、Oct-2(143-160)、Sp1(340-385)、ランダム酸性配
    列およびERM(33-52)からなる群から選択される、請求項13記載の方法。
  18. 【請求項18】 トランスフェクションの前に前記外因性核酸分子を、エン
    ドソーム溶解性ペプチドと複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程とを含
    む、細胞のエンドソーム区画中のトランスフェクトされた外因性の核酸分子の捕
    捉を防止する方法。
  19. 【請求項19】 前記核酸分子はDNAまたはRNAである、請求項18記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 前記DNAは直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、
    環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記DNAはプラスミドDNAである、請求項19記載の
    方法。
  22. 【請求項22】 前記トランスフェクションは陽イオン性脂質によって媒介
    される、請求項18記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記エンドソーム溶解性ペプチドは、HA由来ペプチド、GA
    LA、KALA、EALA、メリチン由来ペプチド、α−ヘリックスペプチドおよびアルツ
    ハイマーβ−アミロイドペプチドからなる群から選択される、請求項18記載の
    方法。
  24. 【請求項24】 トランスフェクションの前に前記外因性核酸分子を、レセ
    プター特異的リガンドと複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程を含む、
    細胞中のトランスフェクトされた核酸分子のトランスフェクションの効率を増大
    させる方法。
  25. 【請求項25】 前記核酸分子はDNAまたはRNAである、請求項24記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 前記DNAは直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DNA、
    環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記DNAはプラスミドDNAである、請求項25記載の
    方法。
  28. 【請求項28】 前記トランスフェクションは陽イオン性脂質によって媒介
    される、請求項24記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記レセプター特異的リガンドは、糖、免疫グロブリン、
    IGF-1由来ペプチド、αV−インテグリン、上皮増殖因子、アシアログリコプロテ
    イン、葉酸塩、トランスフェリンおよびα2−マクログロブリンからなる群から
    選択される、請求項24記載の方法。
  30. 【請求項30】 転写を活性化させる化合物のスクリーニング法であって、
    化合物をPNAに複合化させる工程と、レセプター遺伝子をコードするプラスミ
    ドを前記複合化化合物を含む前記PNAにハイブリダイズさせる工程と、細胞を
    前記プラスミド−PNA−化合物複合体でトランスフェクトする工程と、前記レ
    ポーター遺伝子の発現レベルを測定する工程と、前記レポーター遺伝子の発現レ
    ベルと細胞中でプラスミド−PNA複合体でトランスフェクトされた前記レポー
    ター遺伝子の発現レベルとを比較する工程とを含み、前記化合物の存在下でのレ
    セプター遺伝子の発現の増大は、前記化合物が転写のアクチベーターであること
    を示す方法。
  31. 【請求項31】 前記レポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ、ルシフ
    ェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ緑色蛍光タンパク
    質および分泌性アルカリホスファターゼからなる群から選択される、請求項30
    記載の方法。
  32. 【請求項32】 外因性核酸分子の細胞取り込みを促進する化合物のスクリ
    ーニング法であって、化合物をPNAに複合化させる工程と、核酸分子を前記複
    合化化合物を含む前記PNAにハイブリダイズさせる工程と、細胞を前記核酸−
    PNA−化合物複合体でトランスフェクトさせる工程と、前記核酸分子の細胞内
    の量を測定する工程と、前記核酸分子の前記細胞内レベルと前記化合物を含まな
    いコントロール複合体でトランスフェクトされた細胞の細胞内レベルとを比較す
    る工程とを含み、前記コントロール細胞と比較して前記細胞中の前記核酸分子の
    量の増加は前記化合物が前記外因性核酸分子の細胞取り込みを促進することを示
    す方法。
  33. 【請求項33】 前記核酸分子はDNAまたはRNAである、請求項32記
    載の方法。
  34. 【請求項34】 前記DNA分子は直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖DN
    A、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAである、請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記DNAはプラスミドである、請求項33記載の方法。
  36. 【請求項36】 PNA結合部位および核酸配列挿入のためのマルチクロー
    ニングサイトを含むDNA分子と、前記PNA結合部位に結合可能なPNAコン
    ジュゲートと、前記マルチクローニングサイトに相補的な配列決定プライマーと
    を含むキット。
  37. 【請求項37】前記DNA分子はプラスミドである、請求項36記載のキッ
    ト。
  38. 【請求項38】 標識緩衝液をさらに含む、請求項36記載のキット。
  39. 【請求項39】 前記PNAは蛍光標識と複合化される、請求項38記載の
    キット。
  40. 【請求項40】 前記PNAはタンパク質の化学基と反応し得る化学基と複
    合化される、請求項36記載のキット。
  41. 【請求項41】 前記化学基はピリジルジチオールまたはマレイミドである
    、請求項40記載のキット。
  42. 【請求項42】 トランスフェクションの前に前記外因性DNA分子を、免
    疫刺激分子と複合化したPNAにハイブリダイズさせる工程を含む、トランスフ
    ェクトされた外因性のDNA分子によってコードされるタンパク質またはペプチ
    ドの免疫原性を増強する方法。
  43. 【請求項43】 前記免疫刺激分子はリンフォカイン、サイトカイン、ムラ
    ミルジペプチド補体由来ペプチドおよびオリゴヌクレオチドからなる群から選択
    される、請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記オリゴヌクレオチドはCpGジヌクレオチドリピートで ある、請求項42記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記DNA分子はプラスミドである、請求項42記載の方
    法。
  46. 【請求項46】 核分子および前記核酸分子と会合した複合化PNA分子を
    含む組成物であって、前記PNA分子は前記核酸分子に相補的な領域を含む、組
    成物。
  47. 【請求項47】 前記核酸分子はDNAまたはRNAである、請求項46記
    載の組成物。
  48. 【請求項48】 前記DNA分子は、直鎖状二本鎖DNA、直鎖状一本鎖D
    NA、環状二本鎖DNAまたは環状一本鎖DNAからなる群から選択される、請
    求項47記載の組成物。
  49. 【請求項49】 前記DNA分子はプラスミドである、請求項47記載の組
    成物。
  50. 【請求項50】 前記プラスミドはレポーター遺伝子または治療用遺伝子を
    コードする、請求項47記載の組成物。
  51. 【請求項51】 前記レポーター遺伝子は、β−ガラクトシダーゼ、ルシフ
    ェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、緑色蛍光タンパ
    ク質および分泌性アルカリホスファターゼからなる群から選択される、請求項5
    0記載の組成物。
  52. 【請求項52】 前記PNAは、蛍光標識、比色標識、放射性標識または酵
    素標識と複合化する、請求項46記載の組成物。
  53. 【請求項53】 前記PNAは、タンパク質、ペプチド、炭水化物部分また
    はレセプターリガンドと複合化する、請求項46記載の組成物。
  54. 【請求項54】 前記ペプチドは、核局在化シグナルペプチド、エンドソー
    ム溶解性ペプチド、転写アクチベータードメインペプチド、レセプター特異的ペ
    プチドおよび免疫刺激ペプチドからなる群から選択される、請求項53記載の組
    成物。
  55. 【請求項55】 前記治療用遺伝子は嚢胞性線維症膜貫通レセプター(CFTR
    )、インスリン、ジストロフィン、インターロイキン−2、インターロイキン−
    12、エリスロポエチン、ガンマインターフェロンおよび顆粒球マクロファージ
    コロニー刺激因子からなる群から選択される、請求項50記載の組成物。
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