JP2001515994A - 内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法 - Google Patents

内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法

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JP2001515994A JP2000511046A JP2000511046A JP2001515994A JP 2001515994 A JP2001515994 A JP 2001515994A JP 2000511046 A JP2000511046 A JP 2000511046A JP 2000511046 A JP2000511046 A JP 2000511046A JP 2001515994 A JP2001515994 A JP 2001515994A
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Abstract

(57)【要約】 エンジンの各(i)シリンダの各燃焼回数(n)毎に、燃焼特性を表す値(Cg)の安定度の判断基準(ECg,n,i)を計算する段階と、上記各燃焼回数(n)後に、予め定められた閾値(Sstab)と上記安定度の判断基準(ECg,n,i)とを比較し、上記安定度の判断基準(ECg,n,i)が、少なくとも一つのシリンダ(i)について与えられた連続する回数(p)、上記閾値(Sstab )よりも大きいとき、トルクの異常外乱を検出する段階とを含むことを特徴とする、エンジンのクランクシャフトの回転を観察して、燃焼特性を表す値(Cg、Cg,n,i)を分析することによって実行する、内燃エンジンのトルクの異常外乱を検出して不着火の診断システムの動作を中断するための、内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、特に自動車に装備される内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法
に関する。本発明は、特に、舗装が損傷した路面その他の要因によって生じる異
常外乱が、不着火の診断に使用される信号に過大なノイズをもたらす場合に、不
着火の診断を中断することを可能にする、内燃エンジンのトルクの異常外乱検出
方法を提供することを目的とする。
【0002】 米国規格 OBD(On Board Diagnostic、車上診断)のような汚染防止規則にお いては、自動車に装備するエンジン制御電子システムによって、汚染物質放出に
影響するエンジンの動作不良を診断することが要求されている。
【0003】 このため、将来のエンジン制御電子システムには、酸素プローブまたは EGR(
排気ガス再循環)回路のような、優れたエンジン動作診断システムを装備し、汚
染物質の放出に作用を及ぼすエンジンの動作不良を検出して、動作不良モードを
活性化させ、計器板の警報標識を点灯して運転者に警告を与える(緩い規定)か
、あるいは自動車を停止させねばならない(厳格な規定)ことが規定されている
【0004】 特に、アメリカおよびヨーロッパの規格には、不着火の検出が義務付けられて
おり、不着火が生じている単数または複数のシリンダを識別することが要求され
ている。不着火の検出には、例えば、与えられた数のエンジンサイクル中に起こ
る不着火の百分率を算出することが求められている。
【0005】 このため、自動車メーカ及び自動車部品メーカは、不着火検出技術を開発して
きている。
【0006】 従来の不着火検出技術としては、自動車の進行方向の加速度変化を分析して不
着火を検出する方法、あるいは排気系統に設けられた酸素含有比率測定プローブ
を使用して不着火を検出する方法がある。また、燃焼室内の圧力を測定する圧力
検知器を使用する方法、あるいは(点火制御エンジンについては)点火栓のアー
ク圧力またはイオン化電流の測定に基づく方法もある。
【0007】 しかしながら、最も広く使用されている方法は、クランクシャフトの回転速度
の瞬間値の測定から不着火を検出する方法である。この方法は、クランクシャフ
トの角度方向位置を検出する検知器の出力信号を論理処理するのみであるので、
非常に簡単に実施できる。また、この信号は、エンジン制御システムによって燃
料噴射を制御するのに使用されている信号であり、この方法を実施するために特
別の装置を設ける必要はない。
【0008】 しかしながら、クランクシャフトの角度方向位置を検出する検知器の出力信号
のみを分析して、偶発的に発生する不着火を検出する場合には、次のような問題
がある。
【0009】 クランクシャフトの回転速度の瞬間値の測定から不着火を検出する方法は、不
着火が生じると、ガス圧力によって生じるトルクが低下し、このためにクランク
シャフト回転速度の瞬間値が低下する、という仮定に基づいている。従って、不
着火を識別するためには、クランクシャフトの回転速度の瞬間値の変化を目標に
すれば十分であると考えられている。
【0010】 しかしながら、クランクシャフトおよびそれに固定されたフライホィールの回
転速度の瞬間値は、燃料混合ガスの燃焼の効果によるエンジンの動作や、コネク
ティングロッドに交互に加えられる力を反映するのみではなく、エンジンと、タ
イヤと地面との接触面とを連結する、伝達系の挙動も反映する。
【0011】 実際、クランクシャフトの先端における機械的エネルギは、伝統的にクラッチ
、ギヤボックスおよび差動装置を含む伝達系を介して車輪に伝達され、この伝達
系は、固有の減衰特性と剛性とを有している。このため、例えば舗装状態が悪い
場合に路面から車輪に加えられるような、伝達系の要素の一つに突然加えられる
トルクの変化は、振動を伴ってクランクシャフトに反映され、その大きさは伝達
システムの特性と外部から加えられる外乱とに依存する。
【0012】 このように、クランクシャフトの回転速度の瞬間値の変化は、不着火のみによ
ってもたらされるものではなく、伝達系の力学的挙動に影響を及ぼすあらゆる外
部から加えられる外乱、特に舗装状態が悪い路面によってももたらされる。
【0013】 したがって、不着火のみを正しく識別するためには、クランクシャフトの回転
速度の瞬間値の変化のうちで、他の原因に起因するものと、ガス圧力によって生
じるトルクの低下に起因するものとを区別することができ、それらを両存させな
いことが重要である。
【0014】 このため、伝達系に影響を及ぼす外部から加えられる外乱が検出された場合に
は、不着火の検出プログラムを不活性化する補足的な方法が開発されている。こ
のような方法には、特別の検知器によって測定された車輪速度情報を利用する方
法や、加速度計を用いる方法がある。また、燃料タンクの中の燃料の運動を介し
て外部から加えられる外乱を検知する、英国特許公開公報GB-A-2,290,870に記載
された方法もある。
【0015】 しかしながら、今日提案されている如何なる方法も、簡単で経済的に、かつ十
分な精度と信頼性とをもって、伝達系に影響を及ぼす外乱によって発生されるク
ランクシャフトの回転速度の瞬間値の変化を区別することを可能にするものでは
ないように思われる。
【0016】 本発明の目的は、不着火の診断を一時的に中断することを可能にするところの
、不着火による本来の外乱以外のトルクの異常外乱を検出する方法を提案して、
上記の方法を改良することにある。
【0017】 内燃エンジンのトルクの異常外乱を検出して不着火の診断システムの動作を中
断するための、この内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法は、エンジンのク
ランクシャフトの回転を観察して、燃焼特性を表す値を分析することによって実
行する。
【0018】 本発明の内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法は、 上記エンジンの各シリンダの各燃焼回数毎に、上記燃焼特性を表す値の安定度
の判断基準を定義する段階と、 上記各燃焼回数後に、予め定められた閾値と上記安定度の判断基準とを比較し
、上記安定度の判断基準が、少なくとも一つのシリンダについて与えられた連続
する回数、上記閾値よりも大きいとき、トルクの異常外乱を検出する段階と、 を含むことを特徴とする。
【0019】 本発明の目的である内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の他の一つの特
徴によれば、上記燃焼特性を表す値は、ガス圧力によって生じるトルクである。
【0020】 本発明の目的である内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の他の一つの特
徴によれば、与えられた一つのシリンダおよび1燃焼回について、上記安定度の
判断基準は、上記燃焼特性を表す値と、所定の測定範囲について連続して測定さ
れた上記燃焼特性を表す値の異なった大きさの値の平均を表す統計的な値との間
の、偏差の絶対値である。
【0021】 本発明の目的である内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の他の一つの特
徴によれば、上記異なった大きさの値の平均を表す統計的な値は、与えられたフ
ィルタ常数を持った1次のローパスフィルタによって得られる。
【0022】 本発明の目的である内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の他の一つの特
徴によれば、上記予め定められた閾値は、エンジンの正常動作で観察される上記
燃焼特性を表す値の変化から導き出され、エンジンの動作点に依存する。
【0023】 本発明の目的である内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の他の一つの特
徴によれば、燃焼が不着火であると診断されると、上記安定度の判断基準の計算
中に、特定の処置を発生させる。
【0024】 本発明の目的である内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の他の一つの特
徴によれば、燃焼が不着火であると診断されると、予め定められた上記閾値と上
記安定度の判断基準との比較中に、特定の処置を発生させる。
【0025】 添付図面を参照して行う、本発明の種々の実施の形態の以下に記載する説明に
よって、本発明の目的、特徴および利点が一層良く理解されるであろう。但し、
これらは実施の形態に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】 図1は、本発明に係る内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の実施を可能
にするエンジン制御システムを備えた、内燃エンジンの一部を示す図である。
【0027】 図2a〜2cは、本発明に係るトルクの異常外乱検出方法の原理を正確に示す
グラフであり、横軸は時間である。
【0028】 図3は、本発明に係る内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法の流れを正確
に示すブロック図である。
【0029】 図1には、本発明に係る、不着火の検出を可能にする、内燃エンジンのトルク
の異常外乱検出方法を実施するエンジン制御システムが簡単化して示めされてい
る。図には、本発明の理解に必要な構成部分のみを示している。
【0030】 図1において、内燃エンジン1は、特に乗用車またはトラック用のものである
。内燃エンジン1は、自動車の車輪に運動を伝達するように適合させられた伝達
系を構成する伝達装置に連結されている。伝達装置は、従来のクラッチ、ギヤボ
ックス2および図示されていない差動装置を含む。
【0031】 4サイクル、多シリンダの内燃エンジン1は、電子制御の多点型の燃料噴射装
置を備えており、それによって各シリンダは固有の電磁噴射器5から燃料を供給
される。
【0032】 各電磁噴射器5の「開」は、エンジン制御電子システム7によって制御され、
エンジン制御電子システム7は、エンジンの動作条件にしたがって、サイクル中
における燃料噴射量と燃料噴射時期とを調節して、シリンダに吸入される空気−
燃料燃焼混合ガスのリッチネスを所定の値に正確に追従させる。
【0033】 エンジン制御電子システム7は、古典的に、マイクロプロセッサ70、RAM
71、ROM72、アナログ−デジタル変換器74、および種々の入出力インタ
ーフェイスを含んでいる。
【0034】 マイクロプロセッサ70は、対応する検知器からの入力信号を処理し、エンジ
ンの状態を決定し、所定の演算を実施して、特に電磁噴射器(および点火制御エ
ンジンの場合には点火コイル)へ送る制御信号を発生させ、エンジンのシリンダ
内の燃焼条件を最適に管理する、適切な電子回路および論理回路を有している。
【0035】 マイクロプロセッサ70の入力信号の中に、特にクランクシャフト検知器4か
らの信号がある。例えば可変リラクタンス型のクランクシャフト検知器4は、ク
ランクシャフトの先端に固定された測定クラウン12に面して位置するように、
エンジンのフレームに固定されている。
【0036】 測定クラウン12の外周面には、1連の同一の歯と凹みとが設けられているが
、例外として、この場合には第1シリンダであるところの基準シリンダの上死点
が通過する瞬間の検出を可能とする絶対目印として、1個の歯が除かれている。
【0037】 クランクシャフト検知器4は、クラウン12の歯の通過に対応する信号Dnを 供給する。この信号Dnを処理して、順次に第1、第3、第4、第2シリンダの 上死点通過を示す信号PMHを、クランクシャフトの各半回転ごとに発生させる
ことが可能である。
【0038】 また、クランクシャフト検知器4によって出される信号Dnを処理して、クラ ウン12の歯の通過速度を測定し、これから、エンジンの瞬間的な回転速度を得
ることができる。
【0039】 したがって、マイクロプロセッサ70は、信号Dnを活用して、エンジンの各 シリンダ内で生じる燃焼特性を示す特徴的な値を作り出し、公知の方法で不着火
を診断する。この診断方法は本発明の目的ではないので、詳細な説明は省略する
【0040】 燃焼特性を示す特徴的な値としては、例えば、クランクシャフトの瞬間的回転
加速度(ドイツ国特許出願DE-3,939,113またはDE-4,002,208参照)、またはクラ
ンクシャフトの瞬間的回転速度のスペクトル分析によって得られるトルク(“内
燃エンジンのガス圧力によって生じるトルクの測定方法および装置”に関する本
出願人のフランス国特許出願 No. 91/11273 および No. 91/11274 参照)がある
【0041】 以下に記載された実施の形態によれば、不着火の診断システムと、エンジンの
動作以外に起因する外乱が現われて不着火の診断が乱された場合に不着火の診断
を中断することを可能にするシステムとを、同時に機能させるために選択される
、燃焼特性を表す値は、ガス圧力によって生じるトルクCgである。
【0042】 マイクロプロセッサ70によって活性化された計算手段は、エンジンの動作に
従って、ガス圧力によって生じるトルクCgの値を特徴付ける信号Cg,n,iで表さ
れる1連のトルクの値を出力する。ここに、iはシリンダ番号、nは燃焼回数で
ある。
【0043】 これらの値は、ついで、不着火の診断を行なう第1の計算手段と、例えば伝達
装置および走行中の路面の舗装状態に起因する、不着火の診断を誤らせるトルク
の異常外乱の発生を探知する、本発明に特有な第2の計算手段とによって処理さ
れる。
【0044】 本発明によれば、不着火の診断を誤らせるトルクの異常外乱検出方法は、シリ
ンダ毎のトルクの変化の分析によって行なわれる。以下に記載される実施例にお
いては、全てのシリンダについての不着火の診断を中断するのに、一つのシリン
ダでトルクの異常外乱の発生を検出すれば十分である。
【0045】 勿論、一つのシリンダでトルクの異常外乱の発生を検出した場合には、そのシ
リンダについてのみ不着火の診断を中断するようにしたり、全てのシリンダにつ
いて不着火の診断を中断するのは、予め定められた数のシリンダでトルクの異常
外乱の発生が検出された場合のみにするように、実施の形態を変更してもよい。
【0046】 また、トルクの異常外乱を検出した場合、選択された外乱検出方法の実施の形
態にしたがって、外乱検出の直後に不着火の診断の中断を開始してもよいし、あ
る程度の応答時間を考慮に入れて、それに先立つ与えられた期間遡って行なって
もよい。
【0047】 本発明に係る内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法によれば、最初に、ト
ルク測定値の所定の範囲について、第iシリンダについて連続して測定したトル クの異なる値の平均値を表す統計的な値MCg,n,iを計算する。
【0048】 統計的な大きさMCg,n,iの計算は、例えば、与えられたフィルタ常数τを持 った1次のローパスフィルタによって実行できる。この場合、新しいトルクの値
Cg,n,iについての統計的な値MCg,n,iは次ぎの繰返し計算式、 MCg,n,i = MCg,n-1,i +((Cg,n,i −(MCg,n-1,i))/τ) を使って、前に計算された統計的な値MCg,n-1,iから出発して決定される。
【0049】 次に、このようにして計算した、トルク測定値の所定の範囲についての、第1
シリンダについて連続して測定したトルクの異なる値Cg,n,iの平均値を表す統 計的な値MCg,n,i から出発して、トルクの値Cg,n,iと統計的な値MCg,n,iと
の間の絶対値で表した偏差として定義される値、ECg,n,i、 ECg,n,i =| MCg,n,i − Cg,n,i | を決定する。
【0050】 この偏差ECg,n,iは、考慮対象のシリンダについてのエンジントルクの変化 、したがってトルクの安定度を表す。
【0051】 実施の形態の変更例においては、特に迅速にECg,n,iを得るために、値MCg
,n,iからに代えて、前のサイクルで計算された値MCg,n-1,iから出発して、E Cg,n,iを計算してもよい。この場合は、次式となる。
【0052】 ECg,n,i =| MCg,n-1,i − Cg,n,i | 本発明による方法の実施の変形においては、観察された期間中に発生し、上記
第1の計算手段によって検出された不着火の反映である MCg,n,i の計算を省 略することもできる。これを行なうために、統計的な大きさMCg,n,i の計算に
おいて、フィルタを前の値に固定、すなわち MCg,n,i = MCg,n-1,i にして
、不着火に対応するトルクの値を不着火に対応しない最後の値で置換える。
【0053】 勿論、あるシリンダに連続して不着火(点火不良等)が生じている場合には、
当該シリンダについての不具合が終了するまで異常外乱の検出は中断される。
【0054】 偏差ECg,n,i をどの計算式を用いて計算するとしても、不着火の診断を妨害
するトルクの異常外乱(舗装が損傷した路面、または伝達系の不良等に起因する
。)を、不着火によるトルク変動から正確に分離するためには、エンジンの動作
点にしたがって、偏差を、トルクの安定度を表す予め定めた固定の閾値 Sstab
と比較すれば十分である。
【0055】 安定度を表す閾値 Sstab は、正常動作で発生するトルクの最大変化幅から求
められ、したがってエンジンの動作点に依存し、例えば次式で与えられる。
【0056】 Sstab = α ・ δCg この式によれば、αは較正係数(0<α<1)であり、δCgは動作点におけ るトルクの低下値である。表から読み取るか計算で得られる Sstab は、エンジ
ンの老化によっても変化する可能性がある。勿論、エンジンの定格トルクの値を
反映するその他の数値をトルク低下値に代えて使用してもよい。
【0057】 図2a〜2cは、本発明の原理を示すグラフである。
【0058】 エンジンが安定動作条件にあって、伝達系が大きな外乱を受けておらず、不着
火も生じていない場合には、図2aに示すように、与えられたシリンダiについ
てのガス圧力によって生じるトルクの値 Cg,n,i は、値 MCg,n,i の両側に僅
かに変化する。この場合、判断基準 ECg,n,i は、0の近くにあり、閾値 Sst
abより常に小さい。
【0059】 不着火が発生すると、図2bに示すように、瞬間的なトルク Cg,n,i は突然 低下し、他方値 MCg,n,i は高い値のままであるので、判断基準 ECg,n,i は
極大値に達する。しかし、不着火が発生したとき以外の燃焼については、ガス圧
力によって生じるトルクの値Cg,n,i は値MCg,n,i の両側で僅かに変化し、判
断基準 ECg,n,i は0の近くに留まる。したがって、不着火が発生した時にの み、閾値 Sstab を瞬間的に越えるだけである。
【0060】 反対に、例えば舗装状態が悪い場合に路面から受けるような、エンジンのシリ
ンダの動作以外の外乱の場合には、図2cに示すように、トルク Cg,n,i は偶 発的にノイズを受け、安定度の判断基準 ECg,n,i も同様にノイズを受け、遥 かに高い平均レベルに達して、頻繁に閾値 Sstab を越える。
【0061】 したがって、閾値 Sstab を越える頻度に着目することにより、トルクの異常
外乱の発生を検出することが可能である。例えば、トルクの異常外乱の発生を導
き出すためには、pを2以上の自然数として、判断基準ECg,n,i が閾値 Ssta
b を越える回数pを記録し、不着火の診断を中断すればよい。
【0062】 しかしながら、トルクの異常外乱の発生を、不着火を連続的に発生させるシリ
ンダの動作不良と混同しないためには、不着火を問題にしているときには、この
場合の閾値 Sstab の超過は算入するべきではない。
【0063】 図3に示すように、本発明による内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法は
、各n燃焼回数後に、与えられたNo.iシリンダについて行なわれる、次ぎの段
階からなる。 (i)燃焼によって発生するガス圧力によって生じるトルクの値 Cg,n,i の取得
と値 ECg,n,i の計算( MCg,n-1,i を用いて)。 (ii)ECg,n,i の Sstab との比較。 ECg,n,iがSstabよりも小さければ、計数器の値Nを0に再初期化(N=0)。 ECg,n,iがSstab以上であれば、計数器の値Nを1だけ増加(N=N+1)。 (iii)平行して MCg,n,i を計算。 (iv)Nをpと比較。 計数器の値Nがpよりも小さければ、トルクの異常外乱の検出はないと考える。
計数器の値Nがp以上であれば、トルクの異常外乱の検出があると考え、不着火
の診断を中断。
【0064】 不着火の診断を一時的に中断することを可能にする、以上記載された方法は、
不着火の診断を誤らせるトルクの異常外乱の検出を、構成部品の追加に伴う付加
費用なしに、特に簡単で迅速に実行可能であるという利点を有する。更に、この
方法は非常に信頼性が高く、不着火の診断の中断を、必要なときにのみ惹き起す
ものである。
【0065】 勿論、本発明は以上記載され、図示された実施の形態に限られるものではなく
、それは例として示されたものに過ぎない。
【0066】 本発明は、本発明の精神にしたがって行なわれるときには、以上記載された手
段に等価なあらゆる技術とそれらの組合せを含むものである。
【0067】 例えば、値 Cg,n,iを直接用いることに代えて、フィルタを通した値を使用し
てもよい。
【0068】 また、不着火の検出装置については、種々の変形を含む次の広範囲の形態を使
用して実施することができる。 −加算器、比較器およびその他のフィルタが、演算増幅器を補助にして構成され
るアナログ電子構成要素。 −論理回路機能を構成するディジタル電子構成要素。 −電子計算機のマイクロコントローラを機能させるエンジン制御論理システムを
構成する、論理モデュールの形で設置された、信号処理アルゴリズム。 −あるいは、ハードウェアおよびソフトウェアが、本発明の目的である機能を実
現するのに最適化されている特殊なピュス(puce、超小型電子機器)(注文生産 )であって、分離してカプセルに入れられたり、またはマイクロコントローラあ
るいはマイクロプロセッサ等の中に設置されるコプロセッサの全体あるいは一部
としてカプセルに入れられた、マイクロプログラム可能またはマイクロプログラ
ム不可能なピュス等。
【0069】 同様に、本発明は、任意の燃焼サイクル(2−サイクル、4−サイクル)の内
燃エンジン、使用燃料がディーゼルまたはガソリンの内燃エンジン、任意のシリ
ンダ数の内燃エンジンに適用されるあらゆる等価な技術を含む。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランクシャフトの回転を観察して、燃焼特性を表す値(Cg、Cg
    ,n,i)を分析することによって実行する、内燃エンジンのトルクの異常外乱を検
    出して不着火の診断システムの動作を中断するための、内燃エンジンのトルクの
    異常外乱検出方法において、 上記エンジンの各(i)シリンダの各燃焼回数(n)毎に上記燃焼特性を表す
    値(Cg)の安定度の判断基準(ECg,n,i)を計算する段階と、 上記各燃焼回数(n)後に、予め定められた閾値(Sstab)と上記安定度の判
    断基準(ECg,n,i)とを比較し、上記安定度の判断基準(ECg,n,i )が、少 なくとも一つのシリンダ(i)について与えられた連続する回数(p)、上記閾
    値(Sstab )よりも大きいとき、トルクの異常外乱を検出する段階と、 を含むことを特徴とする内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法。
  2. 【請求項2】 上記燃焼特性を表す値は、ガス圧力によって生じるトルク(Cg)であること を特徴とする、請求項1に記載の内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法。
  3. 【請求項3】 与えられた一つのシリンダ(i)および1回の燃焼回数(n)について、上記
    安定度の判断基準(ECg,n,i)は、上記燃焼特性を表す値(Cg,n,i)と、所定
    の測定範囲について連続して測定された上記燃焼特性を表す値(Cg,n,i)の異 なった大きさの値の平均を表す統計的な値(MCg,n,i、MCg,n-1,i)との間の
    、偏差の絶対値であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の内燃
    エンジンのトルクの異常外乱検出方法。
  4. 【請求項4】 上記異なった大きさの値(Cg,n,i)の平均を表す統計的な値(MCg,n,i;M
    Cg,n-1,i)は、与えられたフィルタ常数(τ)を持った1次のローパスフィル タによって得られることを特徴とする、請求項3に記載の内燃エンジンのトルク
    の異常外乱検出方法。
  5. 【請求項5】 上記予め定められた閾値(Sstab)は、エンジンの正常動作で観察される上記
    燃焼特性を表す値(Cg,n,i)の変化から導き出され、エンジンの動作点に依存 することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の内燃
    エンジンのトルクの異常外乱検出方法。
  6. 【請求項6】 燃焼が不着火であると診断されると、上記安定度の判断基準(ECg,n,i)の 計算中に、特定の処置を発生させることを特徴とする、請求項1から請求項5ま
    でのいずれか一つに記載の内燃エンジンのトルクの異常外乱検出方法。
  7. 【請求項7】 燃焼が不着火であると診断されると、予め定められた上記閾値(Sstab)と上
    記安定度の判断基準(ECg,n,i)との比較中に、特定の処置を発生させること を特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の内燃エンジン
    のトルクの異常外乱検出方法。
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