【発明の詳細な説明】
排水処理からのスラッジ処理方法
本発明は、請求項1の序文に従い排水処理からのスラッジを処理する方法に関
する。より詳しくはこの発明は、スラッジから沈殿用化学物質を回収し排水処理
にリサイクルさせるプロセスに関する。
廃水処理は、一般的に、たとえばスクリーンや沈砂池を用いて固体不純物を予
備沈殿装置に沈殿させることによって、固体不純物の機械的分離を最初に行う。
続いて、この排水は化学精製によって処理され、さらに好適には生物学的精製に
よっても処理される。ここで化学精製は、鉄塩やアルミニウム塩のような沈殿用
化学物質を排水に添加し、凝集によって、リン酸塩や粒子のような排水中の不純
物を沈殿させ捕集することによって行われる。また生物学的精製は、例えば活性
化スラッジプロセスや散水ろ床で行われ、排水が微生物によって精製される。排
水処理では大量のスラッジが生じ、これを処理しなければならない。この処理は
スラッジを蒸解(digest)することで可能となり、この場合有機物は無機物に変
換され、嫌気性微生物がこれを促進する。蒸解作用後に生じたスラッジ、すなわ
ち蒸解スラッジは埋め立て用にあるいは化学肥料として用いられる。蒸解スラッ
ジを化学肥料として用いようとする場合、重金属すなわちクロム、ニッケル、銅
、亜鉛、カドミウム、鉛、および水銀から成る集まりのなかの金属の含有物を最
初に取り除かなければならない。スラッジはさらに沈殿用化学物質を含むが、経
済的見地から、できればこれは回収再利用する。本発明における沈殿用化学物質
とは、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムやポリ塩化アル
ミニウムのような鉄および/またはアルミニウム含有化合物関連のものである。
排水処理からのスラッジを処理するにあたって多様な方法が知られているが、
従来技術の一例として、1996年7月11日発行のWO96/20894があげ
られる。この引例によれば、スラッジを酸性化してスラッジから金属およびリン
を溶出させることによって排水スラッジの処理を行っている。残存スラッジの分
離後、pHを約2から4に調整することによって沈殿用化学物質の鉄およびアルミ
ニウムをリン酸塩として回収する。さらに、沈殿リン酸塩の分離後、pHを約7
から9に上げ硫化物のような沈殿剤を添加することによって、溶解重金属を沈殿
させる。この重金属硫化物は分離後に析出され、このとき、ろ過水のほうは排水
処理作業にリサイクルできるようになっている。この結果生じたリン酸塩析出物
は、リン酸鉄を含有しさらにまたリン酸アルミニウムも含有可能である。そして
この析出物は、苛性ソーダのような水酸化アルカリの添加によって処理され、鉄
およびアルミニウムの沈殿用化学物質が回収できるようになっている。これによ
って、不溶性水酸化鉄と、溶解可能なアルカリリン酸塩(alkali phosphate)と
水酸化アルミニウムを含有する溶液とが形成される。この水酸化鉄は、塩酸、硫
酸、もしくは硝酸のような酸に溶解し、それぞれに応じた鉄塩(iron salt)の
溶液を提供し、この鉄塩は沈殿用化学物質として使用できる。
上記WO 96/20894によれば、スラッジの鉄含有物は三価で存在する
か、あるいは過酸化水素のような酸化剤を添加することによって酸化され三価に
なっている。三価の鉄を外部から添加しているわけではない。ただしリンについ
ては、リン酸やリン酸塩として外部から添加してリンに対するリン酸のモル比を
約1対1に調整することが引例中で述べられている。
上記から明らかなように、WO 96/20894で達成される排水スラッジ
処理では、スラッジから重金属のような望ましくない金属およびリンが除去され
る。しかしスラッジ中の沈殿用化学物質から生じる鉄やアルミニウムのような金
属の含有物は、リン酸塩として回収され、排水精製プロセスに直接リサイクルし
て沈殿用化学物質として使おうとしてもそれは不可能であり、まず溶解処置およ
び沈殿処置を加えて金属含有物を転化させなければならない。このような溶解処
置および沈殿処置はそれぞれ、ここで注目している化学物質の収量を減少させる
おそれがある。したがって、沈殿用化学物質に使用される金属が、排水スラッジ
からの溶出後に沈殿および溶解の中間工程なしに排水精製プロセスに直接リサイ
クルできるようになったプロセスが提供されたなら、有利となるはずである。
本発明によって、前記欠点は取り除かれるあるいは減じられる。また本発明に
よって提供される排水精製からのスラッジ処理方法では、沈殿用化学物質からの
鉄および/またはアルミニウムがスラッジから溶出され、この結果生じた溶液が
排水処理にリサイクルされることを特徴とする。
さらに特定的には、本発明によって提供される排水精製からのスラッジ処理方
法では、前記スラッジが、リンと、沈殿用化学物質から生じFe2+およびAl3+
から選択される少なくとも1種類の金属とを含有する前記処理方法において:
スラッジのpHを4より低く調整して、スラッジ中のリンと前記金属との含有
物を溶出させ;
残存スラッジを分離させ;
スラッジを除去されてリンと前記金属を含有する溶液を処理して、pH2から
3で溶液中のリン含有物をFePO4として沈殿させ;そして
沈殿しているFePO4を分離させている。本発明の特徴は、沈殿用化学物質
からの前記金属を含有する残存溶液が排水処理にリサイクルされることである。
本発明のさらなる利点や顕著な特徴は、以下の説明と添付請求範囲から明白と
なろう。
以下、本発明を添付図面を参照しながらさらに詳細に説明する。この図面は本
発明の現時点で好適な態様を図式的に示したものである。
排水精製プラント(図示せず)からのスラッジは、特に、リン酸塩としてのリ
ンおよび排水精製で使用される沈殿用化学物質から生じる金属を含有している。
そしてこのスラッジは第1工程Iに供給され、スラッジ中のリンと沈殿用化学物
質からの金属との含有物とを溶出させる。本発明によれば、沈殿用化学物質から
生じる1種もしくは複数種の金属は鉄および/またはアルミニウムであり、この
とき鉄は二価(Fe2+)で存在するという条件がある。鉄は最初、沈殿用化学物
質中では三価(Fe3+)で存在するが、排水処理の化学精製工程で沈殿用化学物
質が添加され凝集されてスラッジ相に移動されると、たとえばこのスラッジを蒸
解させることによって、鉄は二価に還元される。
この第1工程Iで、スラッジ中のリン、鉄および/またはアルミニウムとの含
有物はスラッジを酸性化することにより溶出される。これは、硫酸のような酸を
用いて、pHを4より低くして好適には2より低くして、スラッジを酸水解する
ことによって実効される。この加水分解は、望ましい溶解を引き起こすような条
件下で行われる。温度も圧力もこの加水分解において厳密に決めるべきものでは
なく、常温常圧でよい。しかし必要に応じて、例えば加水分解を促進するために
、温度および/または圧力を上げることもできる。通常の温度範囲は約0〜20
0℃でよいが、約100〜140℃程度に上げると加水分解が促進されて好まし
い。圧力はこれに応じて、加水分解温度次第で、常圧(大気圧)から約1MPa
まで変化する。多くの場合加水分解におけるpHを4より低くするだけで十分で
あるが、加水分解におけるpHを2より低くするとスラッジ中のリン、鉄および
/またはアルミニウムとの含有物が完全溶解されて好ましい。
加水分解完了後、残存スラッジおよび加水分解流体は第二工程IIへ供給されて
、たとえばろ過や遠心分離によって残存スラッジを分離させる。
スラッジ分離後、スラッジを除去された溶液は、スラッジから溶出されたリン
と金属をそれぞれリン酸塩と溶解金属塩として含有している。そしてこの溶液は
、第3工程IIIに供給され、重金属があればこれを分離させる。重金属は、前述
したように、クロム、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、鉛および水銀から成る
群
に含まれる金属のことである。重金属が含まれていないか無視できるほどの量で
ある場合、この工程は省いてよい。
重金属分離工程IIIにおいて、重金属と不溶性化合物を形成する物質を添加す
ることによって、重金属を分離させる。好適にはこの物質は硫化ナトリウムのよ
うなサルファイドイオン発生源(sulphide ion source)で、その結果、重金属
の硫化物(heavy metal sulphides;HMS)として重金属が沈殿する。
あるいは溶液中のリン含有物を、サルファイドイオン発生源を添加することに
よって重金属が沈殿される前に、まず、後述される工程IVおよびVに従いFe
PO4として沈殿させておいてもよい。
酸水解後に分離されたスラッジ中に重金属の硫化物が入ってもよい場合、酸水
解前でもあるいは酸水解に関連づけながらでも、サルファイドイオン発生源を添
加して、硫化物として存在するいかなる重金属も拘束しておくというさらに別の
方法が示唆される。この場合、後に続く特定的な硫化物沈殿工程IIIを省くこと
ができる。
この溶液は重金属が除去されてから第4工程IVへ供給される。これは、溶液
のpHが2〜3、好適には2〜2.8に調整される工程である。pHは、苛性ソ
ーダや酸化マグネシウムのような適切な塩基を添加して調整される。続いて前記
pH範囲で不溶性のFePO4として溶液中のリン含有物を沈殿させるが、pH
調整は、この前の予備工程として行われるものである。
上記第1段階において溶液のpHがすでに4より低く2〜3の範囲内にあるよ
うに調整ずみの場合は、スラッジ分離後にいかなるpH調整も不要である。
次いで、リン酸塩(PO4 3-),二価鉄(Fe2+)および/またはアルミニウ
ム(Al3+)を含有する工程IVからの溶液は第5工程Vへ供給され、溶液のリ
ン含有物をリン酸鉄(FePO4)として沈殿させる。これは、溶液に三価鉄(
Fe3+)発生源、例えば塩化第二鉄を添加することによって行われる。溶液の
リン含有物を完全に沈殿させるという目的で、少なくとも等モル量で、すなわち
溶液中のリン含有物に対し三価鉄のモル比が、少なくとも約1:1たとえば約1
から1.5:1で、三価鉄を添加するのが好ましい。前述のように、三価のリン
酸鉄は、pHが2〜3の範囲で不溶性であり、2〜2.8の範囲であるときわめ
て高純度な状態で沈殿するので好ましい。この溶液のリン含有物をできるだけ完
全な沈殿になるように、三価鉄発生源の添加と形成リン酸鉄の分離との間に、一
定の滞留時間をさらに設けるべきである。適切な滞留時間は、約5分から約6時
間、好適には約30分から約1時間である。次いで、沈殿リン酸鉄はそのままで
、例えばろ過や遠心分離のような公知の方法によって、この溶液から除去される
。
上記の説明では、三価鉄(Fe3+)発生源を添加する工程Vの前に溶液のpH
を調整する工程IVが行われているが、本発明においては工程IVおよびVの相
対的順序は任意であることに留意すべきである。最初に三価鉄発生源を添加して
からあとはpHを2〜3へ調整するという場合が多く、またそのほうがたいてい
好ましい。この場合、上記滞留時間はpH調整と関連づけられたうえで設けられ
る。
沈殿リン酸鉄分離後、残存溶液は、最初のスラッジにあった沈殿用化学物質か
ら生じFe2+および/またはAl3+である金属の含有物を含有する。スラッジ、
重金属およびリン酸塩を除去された溶液は、排水精製にリサイクルされ、溶液中
の鉄やアルミニウムの含有物は沈殿用化学物質として再生利用される。溶液中の
鉄含有物の機能を沈殿用化学物質として活性化させるため、鉄は二価から三価に
なる必要がある。このために、排水精製が好気性生物学的精製工程を含み、そし
て溶液がこの精製工程に添加されて好気性生物学的精製工程によって二価鉄が三
価鉄に酸化されるようになっていると好ましい。したがって、リサイクルされた
溶液が二価鉄を含んでいる場合、この溶液は好気性生物学的精製工程に先立って
あるいはこの工程中に排水精製に添加されることになる。溶液がアルミニウムの
みを含有する場合、排水精製への添加は、原理的には任意の時点で行われる。ま
た溶液中の二価鉄含有物を、例えば過酸化水素添加などの他の方法で三価鉄に酸
化させることも当然可能である。この場合、排水精製への添加は任意の時点で行
われる。
上記沈殿から生成されるリン酸第二鉄(FePO4)は、農業化学肥料として
利用できる。またリン酸第二鉄から三価鉄を回収し沈殿試薬として再生利用する
ことも可能であり、この場合、リン酸第二鉄の沈殿物を苛性ソーダのようなアル
カリで処理して水酸化第二鉄を形成させ、次いでこの水酸化第二鉄を分離して塩
酸や硫酸のような酸で処理してそれぞれに応じた鉄塩を形成させ、さらにこの鉄
塩を沈殿試薬として利用する。
本発明は、沈殿用化学物質から生じる金属をスラッジから回収しこの金属を排
水精製へ再循環させて再生利用する簡単で円滑な方法を提供しているという点で
評価される。本発明の方法では、金属が溶液中に一定に保たれているということ
によって、また一つもしくはそれより多くの沈殿工程でも金属の分離がないとい
うことで、金属損失が最小限に抑えられる。さらにまた、スラッジ中のリン含有
物に対する沈殿試薬を成す三価鉄が再生可能であるということで、本発明はきわ
めて経済的である。
本発明によって、排水精製に鉄とアルミニウムをリサイクルさせて沈殿用化学
物質として再生利用できることに加え、スラッジも望ましくない不純物を除去さ
れて例えば肥料として利用可能となった。さらに本発明ではどの含有重金属も回
収されるが、この場合、分離沈殿物として析出可能となっているか、さらに処理
されて重金属回収されるようになっているのが好ましい。そして本発明によれば
最初のスラッジのリン含有物もまたリン酸鉄として別に回収されて、このリン酸
鉄は前述のとおり処理されて三価鉄が回収されることになる。この三価鉄の回収
では、リン酸塩はリン酸ナトリウム(Na3PO4)として得られ、これはたとえ
ば農業化学肥料の生産原料や洗剤製造業の原料として利用できる。
上記から明らかなように、本発明によって有害なあるいは望ましくない物質は
排除されもしくは最小レベルに減じられ、その結果、本発明は排水精製からのス
ラッジ処理にあたってきわめて環境になじんだ処理方法を提供するものである。
以下、本発明をさらに説明するためいくつかの実施態様が述べられるが、これ
らは本発明の範囲を限定しようとするものではない、
実施例 1
パイロットプラントの排水精製からのスラッジを、pH1.6、温度約140
℃において約1時間、酸水解させた。沈殿用化学物質は、塩化第二鉄および硫酸
第二鉄の両方そしてポリ塩化アルミニウムを含み、つまりこのスラッジはFe2+
およびAl3+を共に含んでいた。加水分解後、残存スラッジを遠心分離により分
離し、このスラッジを除去した溶液(清澄相)を用いて温度約20℃でテストを
行った。三価鉄塩については表1でさらに詳細に示しているが、これは、安定し
ないよう攪拌しながらモル比Fe3+:PO4 3-が1:1となるように溶液に添加
した。そして、続けて攪拌しながらこの溶液にNaOHを添加することによって
、pHを2.6に調整した。このpH調整でリン酸第二鉄(FePO4)は溶液
から沈殿し、そして、撹拌および1時間の沈殿後、この結果生じたリン酸鉄の沈
殿物はGF/Aフィルターを介するろ過によって溶液から分離された。次いで、
残存溶液をFe2+およびAl3+の含有量に関して分析した。結果は表1に示され
ている。表1において、入Fe2+および入Al3+はそれぞれもとのスラッジのF
e2+およびAl3+の含有量のことである。出Fe2+および出Al3+はそれぞれ最
終のリサイクルされたスラッジのFe2+およびAl3+の含有量のことである。リ
サイクルされたP、リサイクルされたFe2+およびリサイクルされたAl3+はそ
れぞれ排水精製にリサイクルされたP、Fe2+およびAl3+のパーセント量のこ
とである。
1)JKLは硫酸塩化鉄(iron chloride sulphate)で、11.6重量%のFe3+
と最大20重量%のCl-および20%のSO4 2-を含む。
JKLは、スウェーデン、ヘルシングボルイのKemira Kemwater社から入手可能
である。
2)PIX−111は塩化鉄(iron chloride)で、13.7重量%のFe3+と
26〜28重量%のCl-を含む。
PIX−111は、スウェーデン、ヘルシングボルイのKemira Kemwater社から
入手可能である。
3)PIX−115は硫酸鉄(iron sulphate)で、11.5重量%のFe3+と
32重量%のSO4 2-を含む。
PIX−115は、スウェーデン、ヘルシングボルイのKemira Kemwater社から
入手可能である。
表1から明らかなように、本発明では、スラッジ中の沈殿用化学物質から約9
0%のFe2+および約75%のAl3+のリサイクルを可能とした。実施例2
沈殿用化学物質として塩化第二鉄および硫酸鉄を用いた商用排水精製プラント
からの排水スラッジを、2種類の異なるテスト(テスト1およびテスト2)にお
いて、pH1.8、温度約140℃において約1時間、酸水解させた。加水分解
後、残存スラッジを遠心式デカンターにより分離させ、このスラッジを除去した
溶液(清澄相)を用いて温度約50〜60℃にてテストを行った。三価鉄塩を、
混合槽内でPO4 3-に対するFe3+のモル比が約1:1となるように溶液に添加
した。添加された三価鉄は13.7重量%のFe3+と26〜28重量%のCl-
を含む塩化鉄の製品であった。この製品は、PIX−111なる名称で、スウェ
ーデンのKemira、Kemwater社から入手可能である。混合槽における滞留時間は3
0分であった。混合槽では続いて、NaOHを添加してpHを2.1〜2.8に
調整した。混合槽におけるこの滞留時間は30分であつた。このpH調整でリン
酸第二鉄(FePO4)が沈殿され、これは溶液より押圧されている混合槽から
遠心デカンターに分離された。イギリスのAllied Colloidから供給される陽イオ
ンポリマーZetag89を添加して、デカンターおける良好な分離を確実にし
た。もとのスラッジのFe2+含有量(入Fe2+)および最終的な溶液のFe2+含
有量(出Fe2+)について分析した。テスト1および2の結果は表2で示されて
おり、ここでの数値は、4時間(テスト1)および6時間(テスト2)行われた
テスト中の平均数値である。
表2はスラッジのFe2+含有量の少なくとも80%が、水精製処置にリサイク
ル可能である(リサイクルされたFe2+となる)ことを示す。 DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Sludge treatment method from wastewater treatment
The present invention relates to a method for treating sludge from wastewater treatment according to the preamble of claim 1.
I do. More specifically, the present invention recovers sedimentation chemicals from sludge and treats wastewater.
Related to the process of recycling.
Wastewater treatment generally involves the collection of solid impurities, for example, using screens or settling basins.
The mechanical separation of solid impurities is first performed by settling in a settling unit.
Subsequently, the wastewater is treated by chemical refining, more preferably for biological refining.
Therefore, it is also processed. Here, chemical refining is for precipitation of iron salts and aluminum salts.
Add chemicals to the wastewater, and due to coagulation, impurities in the wastewater such as phosphates and particles
This is done by precipitating and collecting material. Biological purification, for example,
It is carried out in the activated sludge process or in trickling filter, and the wastewater is purified by microorganisms. Exhaustion
Water treatment produces large amounts of sludge that must be treated. This process
This can be achieved by digesting the sludge, in which organic matter is converted to inorganic matter.
In turn, anaerobic microorganisms promote this. Sludge generated after digestion
Chicken sludge is used for landfill or as chemical fertilizer. Cooking slur
When using di-fertilizer as a chemical fertilizer, heavy metals such as chromium, nickel and copper
Metal inclusions in the collection consisting of, zinc, cadmium, lead, and mercury
Must be removed first. Sludge also contains sedimentation chemicals,
From an economic point of view, this should be collected and reused if possible. Precipitation chemicals in the present invention
Means ferric chloride, ferrous sulfate, ferric sulfate, aluminum sulfate,
Related to iron and / or aluminum containing compounds such as minium.
Various methods are known for treating sludge from wastewater treatment,
WO96 / 20894 issued on July 11, 1996 is an example of the prior art.
Can be According to this reference, the sludge is acidified to remove metals and phosphorus from the sludge.
The wastewater sludge is treated by eluting water. Remaining sludge
After separation, the pH is adjusted to about 2 to 4 to reduce the precipitation chemicals iron and aluminum.
Recover theium as phosphate. Further, after separation of the precipitated phosphate, the pH was adjusted to about 7
From 9 to 9 by adding a precipitant such as sulfide to precipitate dissolved heavy metals
Let it. This heavy metal sulfide precipitates after separation, and at this time, the filtered water drains
It can be recycled for processing. The resulting phosphate precipitate
Contains iron phosphate and can also contain aluminum phosphate. And
This precipitate is treated by the addition of an alkali hydroxide such as caustic soda,
And aluminum precipitation chemicals can be recovered. This
So, insoluble iron hydroxide and soluble alkali phosphate (alkali phosphate)
A solution containing aluminum hydroxide is formed. This iron hydroxide is
Dissolve in acid such as acid or nitric acid, and adjust iron salt according to each
A solution is provided, which iron salt can be used as a precipitation chemistry.
According to WO 96/20894, the iron content of the sludge is trivalent.
Or oxidized to trivalent by adding an oxidizing agent such as hydrogen peroxide
Has become. Trivalent iron is not added from the outside. However, about phosphorus
In some cases, the molar ratio of phosphoric acid to phosphorous is
Adjustment of about one to one is mentioned in the reference.
As can be seen from the above, the wastewater sludge achieved in WO 96/20894
The process removes unwanted metals such as heavy metals and phosphorus from the sludge.
You. However, gold, such as iron and aluminum, resulting from sedimentation chemicals in sludge
Genus content is recovered as phosphate and recycled directly to wastewater purification processes.
It is not possible to use it as a precipitating chemical.
The metal content must be converted by adding precipitation and precipitation treatments. Such a melting process
And sedimentation treatments respectively reduce the yield of the chemical of interest here
There is a risk. Therefore, the metal used for the precipitation chemicals is wastewater sludge.
Recycle directly to wastewater purification processes without intermediate precipitation and dissolution steps after elution from
It would be advantageous if a process could be provided that would allow for
According to the invention, said disadvantages are eliminated or reduced. Also according to the present invention
Therefore, the method of sludge treatment from wastewater purification provided by
Iron and / or aluminum is eluted from the sludge and the resulting solution
It is characterized by being recycled for wastewater treatment.
More specifically, the method of sludge treatment from wastewater purification provided by the present invention
In the method, the sludge is formed from phosphorus and precipitation chemicals,2+And Al3+
Wherein said treatment method comprises at least one metal selected from:
The pH of the sludge is adjusted to be lower than 4, and the content of phosphorus and the metal in the sludge is adjusted.
Elute the material;
Separating residual sludge;
The sludge is removed and the solution containing phosphorus and the metal is treated to reduce the pH from 2.
In step 3, the phosphorus content in the solution is reduced to FePOFourPrecipitated as; and
FePO precipitatedFourAre separated. A feature of the present invention is a chemical substance for precipitation.
Is to be recycled to wastewater treatment.
Further advantages and salient features of the invention will be apparent from the following description and the appended claims.
Become.
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the accompanying drawings. This drawing is a book
1 schematically illustrates a presently preferred embodiment of the invention.
Sludge from a wastewater purification plant (not shown), especially as a phosphate
Contains metals from sedimentation chemicals used in wastewater and wastewater purification.
This sludge is supplied to the first step I, where phosphorus in the sludge and a chemical for precipitation are used.
The metals and inclusions from the quality are eluted. According to the invention, from the precipitation chemical
The resulting metal or metals are iron and / or aluminum,
Sometimes iron is divalent (Fe2+). Iron is the first precipitation chemical
Trivalent (Fe3+), But used as a chemical for precipitation in the chemical purification process of wastewater treatment.
When the sludge is added and agglomerated and transferred to the sludge phase, for example, the sludge is steamed.
Upon dissolution, iron is reduced to divalent.
In the first step I, the sludge contains phosphorus, iron and / or aluminum.
Material is eluted by acidifying the sludge. It removes acids like sulfuric acid
Used to acid hydrolyze sludge at a pH below 4, preferably below 2
It is effected by This hydrolysis may cause the desired dissolution.
It is performed under the matter. Neither temperature nor pressure should be strictly determined in this hydrolysis.
No need for normal temperature and normal pressure. However, if necessary, e.g. to promote hydrolysis
, Temperature and / or pressure can be increased. Normal temperature range is about 0-20
The temperature may be 0 ° C, but it is preferable to raise the temperature to about 100 to 140 ° C because hydrolysis is promoted.
No. The pressure is accordingly from normal pressure (atmospheric pressure) to about 1 MPa, depending on the hydrolysis temperature.
To change. In many cases, it is sufficient to lower the pH in the hydrolysis to less than 4.
However, when the pH in the hydrolysis is lower than 2, phosphorus, iron and
Preferably, the content with aluminum is completely dissolved.
After the hydrolysis is completed, the remaining sludge and the hydrolysis fluid are supplied to the second step II.
The remaining sludge is separated, for example, by filtration or centrifugation.
After the sludge separation, the solution from which the sludge has been removed is the phosphorus eluted from the sludge.
And metal as phosphate and dissolved metal salt, respectively. And this solution
Is supplied to the third step III to separate heavy metals, if any. Heavy metals are mentioned above
Consists of chromium, nickel, copper, zinc, cadmium, lead and mercury
group
Metal. Contains no or negligible heavy metals
In some cases, this step may be omitted.
In the heavy metal separation step III, a substance that forms an insoluble compound with the heavy metal is added.
By doing so, heavy metals are separated. Preferably this material is sodium sulfide
Such as a sulphide ion source, resulting in heavy metals
Heavy metals precipitate as heavy metal sulphides (HMS).
Alternatively, the phosphorus content in the solution can be reduced by adding a sulfide ion source.
Therefore, before heavy metals are precipitated, first, Fe
POFourMay be allowed to precipitate.
If heavy metal sulfides can enter sludge separated after acid hydrolysis,
Add a source of sulfide ions, either before or in connection with acid hydrolysis.
In addition, there is another option to keep any heavy metals present as sulfides
A method is suggested. In this case, skip the specific sulfide precipitation step III that follows.
Can be.
This solution is supplied to the fourth step IV after heavy metals are removed. This is the solution
Is a step in which the pH is adjusted to 2 to 3, preferably 2 to 2.8. pH is caustic
It is adjusted by the addition of a suitable base, such as magnesium oxide or magnesium oxide. Then said
FePO insoluble in the pH rangeFourPrecipitates the phosphorus content in solution as
The adjustment is performed as a preliminary step before this.
In the first step, the pH of the solution is already lower than 4 and in the range of 2-3.
If so, no pH adjustment is required after sludge separation.
Then the phosphate (POFour 3-), Ferrous iron (Fe2+) And / or aluminum
(Al3+) Containing the solution from step IV is supplied to step 5 and the solution
Containing iron phosphate (FePOFour). This is because ferrous iron (
Fe3+This is done by adding a source, for example ferric chloride. Of solution
For the purpose of completely precipitating the phosphorus content, at least in equimolar amounts, ie
The molar ratio of ferric iron to phosphorus content in the solution is at least about 1: 1 such as about 1: 1.
From 1.5 to 1.5: 1, it is preferred to add trivalent iron. As mentioned earlier, trivalent phosphorus
Iron acid is insoluble in the pH range of 2-3 and is insoluble in the pH range of 2-2.8.
And precipitates in a highly pure state. Minimize the phosphorus content of this solution
One time between the addition of the ferrous iron source and the separation of the formed iron phosphate to ensure complete precipitation.
There should also be a fixed dwell time. A suitable residence time is from about 5 minutes to about 6:00
For about 30 minutes to about 1 hour. Then, the precipitated iron phosphate is left as it is
Is removed from this solution by known methods, such as filtration or centrifugation
.
In the above description, ferrous iron (Fe3+) PH of the solution before step V of adding the source
Is performed, but in the present invention, the phase of steps IV and V is
It should be noted that the opposite order is arbitrary. First add the ferrous iron source
After that, the pH is often adjusted to 2-3, and that is usually the case.
preferable. In this case, the residence time is set in relation to the pH adjustment.
You.
After separation of the precipitated iron phosphate, the remaining solution is
Resulting Fe2+And / or Al3+Containing metal. Sludge,
The solution from which heavy metals and phosphates have been removed is recycled to wastewater purification,
The contents of iron and aluminum are recycled as precipitation chemicals. In solution
Iron is changed from divalent to trivalent to activate the function of the iron-containing material as a precipitation chemical.
Need to be. To this end, wastewater purification involves an aerobic biological purification step, and
The solution is added to this purification step to remove ferrous iron by the aerobic biological purification step.
Preferably, it is oxidized to valent iron. Therefore, recycled
If the solution contains ferrous iron, this solution may be used prior to the aerobic biological purification step.
Alternatively, it will be added to wastewater purification during this step. The solution is aluminum
When only water is contained, the addition to wastewater purification is performed at any time in principle. Ma
The ferrous content in the diluted solution is converted to ferric iron by other methods, for example, by adding hydrogen peroxide.
Of course, it is also possible to make it. In this case, addition to wastewater purification can be performed at any time.
Will be
Ferric phosphate (FePO) produced from the above precipitateFour) As an agricultural chemical fertilizer
Available. In addition, ferric iron is recovered from ferric phosphate and reused as a precipitation reagent
In this case, the precipitate of ferric phosphate can be converted to an alcohol such as caustic soda.
Treatment with potassium to form ferric hydroxide, which is then separated and salted
Treatment with an acid such as acid or sulfuric acid to form the corresponding iron salt,
The salt is used as a precipitation reagent.
The present invention recovers metals from the precipitation chemicals from the sludge and discharges the metals.
In that it provides an easy and smooth way to recycle and recycle to water purification
Be evaluated. In the method of the present invention, the fact that the metal is kept constant in the solution
And no metal separation in one or more precipitation steps
This minimizes metal loss. Furthermore, phosphorus content in sludge
The present invention is distinguished by the fact that trivalent iron, which forms a precipitating reagent for substances, is renewable.
It is economical.
According to the present invention, iron and aluminum are recycled for wastewater purification,
In addition to being recyclable as a substance, sludge also removes unwanted impurities.
For example, it can be used as fertilizer. Further, in the present invention, any contained heavy metal is recovered.
However, in this case, it is possible to precipitate
It is preferable that the heavy metal is recovered by the removal. And according to the invention
The phosphorus content of the initial sludge is also separately recovered as iron phosphate,
The iron is treated as described above to recover trivalent iron. Recovery of this ferrous iron
Now, the phosphate is sodium phosphate (NaThreePOFour), Which is equivalent to
It can be used as a raw material for agricultural chemical fertilizers and as a raw material for detergent manufacturing.
As is evident from the above, harmful or undesirable substances according to the present invention are:
Eliminated or reduced to a minimum level, so that the present invention provides
This provides a very environmentally friendly treatment method for ludge processing.
Hereinafter, some embodiments will be described to further explain the present invention.
Are not intended to limit the scope of the invention,
Example 1
Sludge from the pilot plant wastewater purification is pH 1.6, temperature about 140
Acid hydrolysis was carried out for about 1 hour at ℃. Precipitating chemicals are ferric chloride and sulfuric acid
It contains both ferric and polyaluminum chloride, which means that this sludge2+
And Al3+Was included together. After hydrolysis, the remaining sludge is separated by centrifugation.
The test was conducted at a temperature of about 20 ° C using the solution (clear phase) from which the sludge had been removed.
went. Trivalent iron salts are shown in more detail in Table 1 and show that
While stirring so that the molar ratio Fe3+: POFour 3-To the solution so that is 1: 1
did. And by adding NaOH to this solution with continuous stirring
PH was adjusted to 2.6. By this pH adjustment, ferric phosphate (FePOFour) Is the solution
From the precipitate, and after stirring and precipitation for 1 hour, the resulting precipitate of iron phosphate.
The artifact was separated from the solution by filtration through a GF / A filter. Then
The remaining solution is Fe2+And Al3+Was analyzed for the content of. The results are shown in Table 1.
ing. In Table 1, the input Fe2+And Al3+Is the F of the original sludge
e2+And Al3+Is the content of Out Fe2+And out Al3+Is the most
Final recycled sludge Fe2+And Al3+Is the content of Re
Cycled P, recycled Fe2+And recycled Al3+Haso
P and Fe respectively recycled for wastewater purification2+And Al3+Percentage of this
And
1) JKL is iron chloride sulphate, 11.6% by weight of Fe3+
And up to 20% by weight Cl-And 20% SOFour 2-including.
JKL is available from Kemira Kemwater, Helsingborg, Sweden
It is.
2) PIX-111 is iron chloride, 13.7% by weight of Fe3+When
26-28% by weight Cl-including.
PIX-111 is from Kemira Kemwater, Helsingborg, Sweden
Available.
3) PIX-115 is iron sulphate, 11.5% by weight of Fe3+When
32% by weight SOFour 2-including.
PIX-115 was obtained from Kemira Kemwater, Helsingborg, Sweden
Available.
As is clear from Table 1, in the present invention, about 9% of the precipitation chemicals in the sludge were used.
0% Fe2+And about 75% Al3+Made it possible to recycle.Example 2
Commercial wastewater purification plant using ferric chloride and iron sulfate as precipitation chemicals
Wastewater sludge from two different tests (Test 1 and Test 2)
The mixture was acid-hydrolyzed at a pH of 1.8 and a temperature of about 140 ° C. for about 1 hour. Hydrolysis
Thereafter, the remaining sludge was separated by a centrifugal decanter, and this sludge was removed.
The test was performed at a temperature of about 50-60 ° C. using the solution (clear phase). Ferrous salt
PO in mixing tankFour 3-Fe for3+To the solution so that the molar ratio of
did. The ferrous iron added was 13.7 wt% Fe3+And 26-28% by weight of Cl-
It was a product of iron chloride containing. This product is called PIX-111
Available from Kemira, Kemwater, Denmark. The residence time in the mixing tank is 3
It was 0 minutes. Subsequently, in the mixing tank, NaOH is added to adjust the pH to 2.1 to 2.8.
It was adjusted. This residence time in the mixing tank was 30 minutes. This pH adjustment
Ferric acid (FePOFour) Precipitates out of the mixing tank, which is pressed from the solution
Separated in a centrifuge decanter. Positive ions supplied from Allied Colloid in the UK
Polymer Zetag89 added to ensure good separation in the decanter
Was. Original sludge Fe2+Content (Fe2+) And the final solution Fe2+Including
Abundant (Fe2+) Was analyzed. Test 1 and 2 results are shown in Table 2.
And the figures here were performed for 4 hours (Test 1) and 6 hours (Test 2)
The average value during the test.
Table 2 shows the sludge Fe2+At least 80% of the content is recycled to water purification procedures
(Recycled Fe2+).
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW────────────────────────────────────────────────── ───
Continuation of front page
(81) Designated countries EP (AT, BE, CH, DE,
DK, ES, FI, FR, GB, GR, IE, IT, L
U, MC, NL, PT, SE), OA (BF, BJ, CF)
, CG, CI, CM, GA, GN, ML, MR, NE,
SN, TD, TG), AP (GH, GM, KE, LS, M
W, SD, SZ, UG, ZW), EA (AM, AZ, BY)
, KG, KZ, MD, RU, TJ, TM), AL, AM
, AT, AU, AZ, BA, BB, BG, BR, BY,
CA, CH, CN, CU, CZ, DE, DK, EE, E
S, FI, GB, GE, GH, GM, GW, HU, ID
, IL, IS, JP, KE, KG, KP, KR, KZ,
LC, LK, LR, LS, LT, LU, LV, MD, M
G, MK, MN, MW, MX, NO, NZ, PL, PT
, RO, RU, SD, SE, SG, SI, SK, SL,
TJ, TM, TR, TT, UA, UG, US, UZ, V
N, YU, ZW