JP2001513854A - ダイヤモンド形キャピラリをもつ紡糸口金 - Google Patents

ダイヤモンド形キャピラリをもつ紡糸口金

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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/253Formation of filaments, threads, or the like with a non-circular cross section; Spinnerette packs therefor

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、工業用フィラメントの製造のための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金に関する。紡糸口金は、ポリマーがそこを通って溶融押し出しされてフィラメントを形成するキャピラリのアセンブリを有するプレートを具える。キャピラリはそれぞれキャピラリの縦軸に垂直な長形のダイヤモンド形断面を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 ダイヤモンド形キャピラリをもつ紡糸口金 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、繊維およびそれから作られる製品を製造するための合成ポリマーの 溶融押出用紡糸口金、さらに詳細には、工業用ポリエステル繊維とそれから作ら れる製品の製造のための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金に関する。 2.関連技術の説明 ポリエステルを含む糸を含む工業用(すなわち高強度)繊維およびマルチフィ ラメント糸がよく知られている。このような糸は30年以上前から商業的に製造 され使用されてきた。 工業用ポリエステル繊維は一般に、相対粘度が約24から約42、フィラメン ト当たりデニール(dpf)が約4から約8、テナシティーが約6.5グラム/ デニールから約9.2グラム/デニールのポリエチレンテレフタレートポリマー から作られる。これらの相対粘度、デニール、およびテナシティーの特徴により 、部分的に、「工業的特性」を有すると記載される糸と、より低い相対粘度、よ り小さいデニール、およびその結果としてかなり低い強度(すなわちテナシティ ー)を有するポリエステルアパレル糸が区別される。これらの特性を有する工業 用ポリエステル糸およびその糸の製造方法は、Chantry他による米国特許第3, 216,187号に開示されている。 また、糸の紡糸、熱延伸、熱緩和、織編、および糸の巻取りを含む連続プロセ スにより様々な収縮をもつ工業用ポリエステル糸を調製し、結合したプロセスで パッケージを形成することが知られている。Chantry他による米国特許第4,0 03,974号には、最大乾熱収縮が4%、破断時の伸びが12%から20%の 範囲にあるポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメント糸の、このような 結合された連続的な製造法が開示されている。これらの収縮と破断時の伸びの特 性が、上記で引用した相対粘度、デニールの範囲、およびテナシティーとあいま って、「工業的特性」をもつ糸の際だった特徴を構成する。 Palmerによる米国特許第4,622,187号には、工業用マルチフィラメン ト糸の用途に適する他の特性とともに約2%の非常に低い収縮率をもつポリエス テル糸を製造するための結合された連続的なプロセスが開示されている。 上記で引用した各特許には、長軸に垂直な円形断面をもつフィラメント、ある いはフィラメントから作られるマルチフィラメント糸が開示されている。アパレ ル用途の場合、工業用途に必要とされるよりも低い強度をもつ非円形断面の繊維 を用いることが提案された。しかし現在までのところ、全ての市販の工業用繊維 は円形断面である。事実、本発明者等は、円形断面以外のフィラメントで、約6 00から約2000の範囲のマルチフィラメント糸デニールの工業用ポリエステ ルマルチフィラメント糸について開示した従来技術を知らない。 本発明の一目的は、それを工業用マルチフィラメント糸、およびその糸から作 られる織物の単位面積当たり重量を、工業的特性を著しく変えることなく低減す る被覆力の改良された織物に加工することができる工業用繊維の製造用紡糸口金 を提供することである。 本発明の上記その他の目的は下記の記述により明らかになるであろう。 発明の概要 本発明は、フィラメントの製造のための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金に 関するもので、そこを通ってポリマーが溶融押出しされてフィラメントを形成す るキャピラリのアセンブリを有するプレートを含み、このキャピラリはそれぞれ キャピラリの長軸に垂直な長形のダイヤモンド形断面を有する。 図面の簡単な説明 本発明は、下記に記載した添付図面と併せた下記の詳細な説明により、より十 分に理解することができる。 図1は、長形のダイヤモンド形断面を示す、長軸に対して垂直に切った工業用 フィラメントの、様々な測定変数を示す拡大概略図である。 図2は、長軸に対して垂直に切った工業用の糸について、図1に示したフィラ メントのタイル配列を示す拡大概略図である。 図3は、長軸に対して垂直に切った工業用の糸について、円形断面形状をもつ フィラメントの従来技術の配列を示す拡大概略図である。 図4は、長軸に対して垂直に切った工業用の糸の拡大概略図である。 図5は、織物の一実施形態の拡大概略図である。 図6は、図1に示したフィラメントを紡糸するための本発明による紡糸口金に おける紡糸口金オリフィスの図である。 図7は、図6に示した紡糸口金の、矢印の方向におけるほぼ線7−7に沿った 断面図である。 図8Aおよび図8Bは、第1の二重ダイヤモンド形の紡糸口金オリフィスと、 第1の二重ダイヤモンド形の紡糸口金オリフィスを通してポリマーを紡糸するこ とによって形成されたフィラメントの第1の二重ダイヤモンド形断面とを示す図 である。 図9Aおよび図9Bは、第2の二重ダイヤモンド形の紡糸口金オリフィスと、 この第2の二重ダイヤモンド形の紡糸口金オリフィスを通してポリマーを紡糸す ることによって形成されたフィラメントの第2の二重ダイヤモンド形断面とを示 す図である。 図10は、図1に示したフィラメントを含む糸を製造するための紡糸装置の概 略図である。 図11Aおよび図11Bは、「S」字形の紡糸口金オリフィスと、この「S」 字形の紡糸口金オリフィスを通してポリマーを紡糸することによって形成された フィラメントの「S」字形断面とを示す図である。 図12Aおよび図12Bは、中空二裂片(hollow bilobal)形の紡糸口金オリ フィス、および中空二裂片形の紡糸口金オリフィスを通してポリマーを紡糸する ことによって形成されたフィラメントの中空二裂片形断面を示す図である。 図13Aおよび図13Bは、中空楕円形の紡糸口金オリフィス、および中空楕 円形の紡糸口金オリフィスを通してポリマーを紡糸することによって形成された フィラメントの中空楕円形断面を示す図である。 図14Aおよび図14Bは、偏平リボン形の紡糸口金オリフィス、および偏平 リボン形の紡糸口金オリフィスを通してポリマーを紡糸することによって形成さ れたフィラメントの偏平リボン形断面を示す図である。 図15Aおよび図15Bは、円形の紡糸口金オリフィス、および円形の紡糸口 金オリフィスを通してポリマーを紡糸することによって形成されたフィラメント の円形断面を示す図である。 好ましい実施例の詳細な説明 下記の詳細な説明を通じて、同じ符号は図面の全ての図で同じ要素を表す。 本発明は、長形のダイヤモンド形断面12を有する工業用フィラメント10の 製造のための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金、およびそれから作られるマル チフィラメント糸と織物を含む製品に関する。1.フィラメント 本明細書では用語「フィラメント」は、長さと断面積の比が大きく、比較的た わみやすい、巨視的に均一な体と定義する。本明細書では用語「繊維」は、用語 「フィラメント」と同義に用いる。 A.断面 図1には、その長軸に対して垂直に切った工業用フィラメント10を図示して おり、長形のダイヤモンド形断面12を示す。長形のダイヤモンド形断面12は 外周14を含んでおり、このが外周14は、図1の時計廻りの方向に、第1の本 質的に真直ぐな辺16、第1の鈍い丸みのある角18、第2の本質的に真直ぐな 辺20、第1の鋭い丸みのある角22、第3の本質的に真直ぐな辺24、第2の 鈍い丸みのある角26、第4の本質的に真直ぐな辺28、および第2の鋭い丸み のある角30を含む。好ましくは4つの辺16、20、24、および28の長さ は等しいか、または本質的に等しい。鈍い丸みのある端部18および26は、外 周14の対向する側にある。同様に鋭い丸みのある端部22および30は、外周 14の対向する側にある。鈍い丸みのある端部18および26は、それらがその 間に鈍角を形成する辺(それぞれ16、20および24、28)に接合している ので「鈍い」と記述される。同様に鋭い丸みのある端部22および30は、それ らがその間に鋭角を形成する辺(それぞれ20、24および16、28)に接合 しているので「鋭い」と記述される。鈍い丸みのある端部18および26を定義 する鈍角は同一である必要はないが、同一であることが好ましい。同様に鋭い丸 みのある端部22および30を定義する鋭角は同一である必要はないが、同一で あることが好ましい。 フィラメント10の断面形状は、その縦横比(A/B)により定量的に記述す ることができる。用語「縦横比」は過去に様々な定義が与えられた。本明細書で フィラメントの断面に適用する場合、用語「縦横比」は第1寸法(A)と第2寸 法(B)の比として定義する。第1寸法(A)は、フィラメント断面12の外周 14の互いに最も離れた第1点と第2点を結ぶ直線部の長さとして定義する。第 1寸法(A)はまた、フィラメント10の断面14を包囲する最小円32の直径 として定義することができる。第2寸法(B)は、その直線部に対して直角に延 びる断面12の最大幅である。長形のダイヤモンド形断面12においては、第1 寸法(A)と第2寸法(B)のどちらもフィラメント10の断面12の内側に端 から端まで完全に広がる。長形のダイヤモンド形断面12の縦横比は約2から約 6、好ましくは約3.5から約4.5である。 共につながった多連の長い断面領域で作られた断面をもつ工業用フィラメント は本発明の範囲内にある。図8Bは、その鋭い丸みのある角で共につながった一 対の長形のダイヤモンド形断面領域を有する第1の二重ダイヤモンド形断面81 2を含むフィラメント800を示す図である。図9Bは、その鈍い丸みのある角 で共に接合した1対の長形のダイヤモンド形断面領域を有する第2の二重ダイヤ モンド形断面912を含むフィラメント900を示す図である。 B.ポリマー フィラメント10、800、900は、本明細書で指定した工業的特性をもつ フィラメントに溶融紡糸することができるいずれかの、またあらゆる種類の合成 ポリマーとその混合物から製造することができる。このポリマーは、好ましくは ポリエステルまたはポリアミドである。 ポリエステルポリマーは、二価アルコールとテレフタル酸のエステルを少なく とも85重量%含むポリエステルホモポリマーおよびコポリマーと呼ばれるもの がこの用途に用いられる。ポリエステルおよびコポリエステルの幾つかの有用な 例が米国特許第2,071,251号(Carothers)、第2,465,319号 (WhinfieldおよびDickson)、第4,025,592号(BosleyおよびDuncan) 、および第4,945,151号(GoodleyおよびTaylor)に示されている。フ ィラメントの製造に用いられるポリエステルポリマーは、最も好ましくは、事実 上2G−Tホモポリマー、すなわちポリ(エチレンテレフタレート)とすべきで ある。 この用途に用いられるナイロンポリマーは、主として脂肪族のポリアミドホモ ポリマーまたはコポリマーと呼ばれるもので、すなわちポリマーのアミド結合の 85%未満が2個の芳香族環と結合している。ポリ(ヘキサメチレンアジパミド )すなわちナイロン6,6、ポリ(e−カプロアミド)すなわちナイロン6、お よびそれらのコポリマーなどの広く用いられているナイロンポリマーが本発明に も用いることができる。有利に使うことのできる他のナイロンポリマーは、ナイ ロン12、ナイロン4,6、ナイロン6,10、およびナイロン6,12である 。本発明の方法に用いることのできるポリアミドおよびコポリアミドの例は、米 国特許第5,077,124号、第5,106,946号、および第5,139 ,729号(いずれもCofer他)に記載されているもの、およびChemical Fiber Internatlonal、46巻、418〜420頁、1996年12月にGutmannが記載 しているポリアミドポリマーブレンドである。 ポリマーとそれから得られるフィラメント10、800、900、糸、および 織物は、つや消し剤または着色剤、光安定剤、熱および酸化安定剤、静電防止( reducing static)用添加剤、染色性変性用添加剤等のような当業界で周知の通 常の添加量を少量含んでもよい。また、当業界で周知のようにポリマーは、糸に 溶融紡糸するためにフィラメントに形成しうる分子量でなければならない。C.相対粘度 相対粘度約24から約42、好ましくは約36から約38を有するポリマーに よって、実施例で以下に示すような非常に良好な結果が得られることが分かった 。 D.デニール フィラメント10、800、900は、フィラメント当たり約4から約8のデ ニール(dpf)(約4.4dtexから約8.9dtex)、好ましくは約6 から約7.2dpf(約6.6dtexから約8.0dtex)である。これら のデニールは、好ましくは本明細書の記載に従って測定されたデニールである。 測定されたデニールは好ましくは「紡糸されたまま」測定した平均デニールであ り、本明細書に記載したような糸仕上剤および周囲の水分を含んでいる。 E.テナシティー フィラメント10、800、900は、テナシティーが約6.5グラム/デニ ールから約9.2グラム/デニール、好ましくはテナシティーが約7.5グラム /デニールから約8.0グラム/デニールである。 F.その他の特性 フィラメント10、800、900は、177℃において30分の乾熱収縮が 約2%から約16%、好ましくは177℃において30分の乾熱収縮が約3%か ら約13%である。 フィラメント10、800、900は、破断時の伸びが16%から29%、好 ましくは17%から28%の範囲にある。2.糸 糸はある程度の凝集性をもった複数(一般に140〜192)の工業用フィラ メント10、800、900を含む。糸中のフィラメント10、800、900 は、好ましくは絡合(intermingling)装置などを通して混ぜ合わせ、絡み合わ せる。典型的な絡合装置と方法は、米国特許第2,985,995号に記載さ れ、本発明の糸の製造に用いるのに好適である。長形のダイヤモンド形断面12 、812、912をもつフィラメント10、800、900は、絡合装置の助け がなくても紡糸工程中に自然に混ざり合う傾向がある。本明細書で用いる用語「 糸」には、連続フィラメントとステープルフィラメントが含まれるが、好ましく は連続フィラメントである。糸中のフィラメントが非連続的であり、天然(綿ま たは羊毛)フィラメントとほとんど同じ方法で、より良い糸が形成されるしばし ばステープルフィラメントまたはカットフィラメントと呼ばれるものとは異なり 、このフィラメント10、800、900は「連続的」であって、糸を構成する フィラメントの長さが糸と同じ長さであり、本質的に糸中の他のフィラメントと 同じ長さであることを意味する。 独特のフィラメント10のダイヤモンド形断面12により、糸の中で若干のフ ィラメント10が、第1列36のフィラメント10の断面12の斜面の端部18 および26が、前述の第1列36の両側のフィラメント10の列38および40 のフィラメント10の断面12の鋭い端部22および30の近くになるように一 般にそれ自体がタイル配列に配置される。図2に示したタイル配列を、図3に示 した図2のそれと本質的に同じ断面積を有する従来技術の工業用のフィラメント の最も密な配列と比べると分かるように、長形のダイヤモンド形断面12をもつ フィラメント10のタイル配列ははるかに密である(すなわちより小さな空隙面 積42を有する)。加えて図2のタイル配列と、図3の従来技術の配列と比べる と、長形のダイヤモンド形断面12をもつフィラメント10のタイル配列は円形 断面をもつフィラメントのコンパクトな配列よりもはるかに大きな被覆力をもた らすことが知られる。用語「被覆力」は、長形のダイヤモンド形断面12をもつ フィラメント10の同じ体積または重量が、長形のダイヤモンド形断面12と同 じまたは本質的に同じ面積をもつ円形断面を有するフィラメントの配列よりもは るかに大きな面を被覆し、または大きな面に広がる(図2および3で左から右へ )ことを意味する。したがって外に向かい先細りになる、ダイヤモンド形断面1 2をもつフィラメント10は、本質的に同じ方法でフィラメント10の束が表面 に沿って広がる傾向を与え、類似の構造と重量の円形断面をもち、フィラメント 当たり同じまたは本質的に同じ断面積をもつフィラメントの代わりに用いた場 合、被覆力あるいは被覆特性を増す。 図4は、その長軸に対して垂直に切った工業用の糸44の一部分の拡大概略図 である。図2に示したタイル配列は、図4の糸の断面の至るところに見られる。3.織物 本発明の紡糸口金60から得られたフィラメント10を組み込んだ糸は、工業 用織物に加工することができる。このような工業用織物52の1つは少なくとも 若干の工業用フィラメント10を備えた少なくとも1本の工業用の糸を含む。本 発明に従って製造されたフィラメント10は糸として用いることができ、また例 えば製織によって、周知の方法により任意の慣用のデザインの織物柄に変えるこ とができる。さらに、これらの本体は他の周知のフィラメントと組み合わせて混 合糸および混合織物を製造することができる。本発明に従って製造されたフィラ メント10から織られ、あるいは編まれた織物は、フィラメント当たり同じ断面 積をもつ円形フィラメントから作られた類似の構造と重量を有する織物と比べて 被覆力が増加し、重量が減少する。 図5に示した一実施形態においては、織られた工業用織物52は、縦糸方向に は複数の第1の工業用の糸54と、横糸方向には第1の工業用の糸54とともに 織られた複数の第2の工業用の糸56と、複数の工業用フィラメント10を含む 少なくとも若干の第1の工業用の糸54および/または少なくとも若干の第2の 工業用の糸56とを含む。好ましくは、少なくとも第1の工業用の糸54および 第2の工業用の糸56は、複数の工業用フィラメント10を含む。この好ましい 事例においては織物52は、他のフィラメントが円形断面をもつことを除いては 実質的に工業用フィラメント10と同じである他のフィラメントを含む糸で全体 が作られた織物と比べて、全体の重量を少なくとも7%減少することができる。 織物重量の低減の範囲(他のフィラメントが円形断面をもつことを除いては、実 質的に工業用フィラメント10と同じである他のフィラメントを含む糸で全体が 作られた織物と比べて)は約5%から約15%である。 第2の実施形態においては、織られた工業用織物52は、縦糸方向には複数本 の第1の工業用糸54と、横糸方向には第1の工業用糸54とともに織られた複 数本の第2の工業用糸56と、複数本の工業用フィラメント10を含む少なくと も若干本の第1の工業用糸54および少なくとも若干本の第2の工業用糸56と を含む。この場合、織物52は、他のフィラメントが円形断面をもつことを除い て、実質的に工業用フィラメント10と同じである他のフィラメントを含む糸で 全体が作られた織物と比べて、全重量を少なくとも10%減少することができる 。この場合、織物重量の減少の範囲は約10%から約30%である。4.紡糸口金 図6および図7は、長形のダイヤモンド形断面12をもつ工業用フィラメント 10の製造のため、ポリマーの溶融押し出しに用いる紡糸口金60を示す図であ る。紡糸口金60は、そこを通って溶融したポリマーが押し出され、工業用フィ ラメント10を形成するオリフィス、キャピラリまたは孔64のアセンブリを有 するプレート62を具備する。図6は、プレート62を貫通する長形のダイヤモ ンド形の断面66を有するオリフィス、キャピラリまたは孔64の1つの底面図 を示す。図6において、長形の断面66は、図面シートに垂直に通っている長軸 に対して直角である。図7は、図6に示した紡糸口金60の矢印の方向における ほぼ線7−7に沿った断面図である。図7に示したように孔64は各々2つの部 分、すなわちキャピラリ66自体およびキャピラリ66に接続したこれよりはる かに大きく深い端ぐり通路70を有する。 キャピラリ68の長形のダイヤモンド形断面66は、外周71を有し、この外 周71は図6の時計廻りの方向に互いに接合して、第1の本質的に真直ぐな辺7 2、第1の鈍い丸みのある角73、第2の本質的に真直ぐな辺74、第1の鋭い 角75、第3の本質的に真直ぐな辺76、第2の鈍い角77、第4の本質的に真 直ぐな辺78、および第1の本質的に真直ぐな辺72に接合した第2の鋭い角7 9を含む。好ましくは4つの辺72、74、76、および78の長さは等しいか 、または本質的に等しい。鈍い端部73および77は、外周71の対向する側に ある。同様に鋭い端部75および79は、外周71の対向する側にある。鈍い端 部73および77は、それらがその間に鈍角を形成する辺(それぞれ72、74 および76、78)に接合しているので「鈍い」と記述される。同様に鋭い端部 7 5および79は、それらがその間に鋭角を形成する辺(それぞれ74、76およ び72、78)に接合しているので「鋭い」と記述される。鈍い端部73および 77を定義する鈍角は同一である必要はないが、同一であることが好ましい。同 様に鋭い端部75および79を定義する鋭角は同一である必要はないが、同一で あることが好ましい。 キャピラリ68の断面形状66はまた、その縦横比(A/B)により定量的に 記述することができる。本明細書でキャピラリの断面に適用する場合、用語「縦 横比」は第1寸法(A)と第2寸法(B)の比として定義する。第1寸法(A) は、キャピラリの断面66の外周71において互いに最も離れた第1の点と第2 の点を結ぶ直線部の長さとして定義する。第1寸法(A)はまた、キャピラリ6 8の断面66を内包する最小円の直径として定義することができる。第2寸法( B)は、その直線部に対して直角に延びる断面66の最大幅である。長形のダイ ヤモンド形断面66においては、第1寸法(A)と第2寸法(B)のどちらもキ ャピラリ68の断面66の内側に端から端まで完全に広がる。本発明のキャピラ リ68の長形のダイヤモンド形断面66の縦横比は約8から約26、好ましくは 約15から約20である。 本発明のフィラメント10の製造に用いる紡糸口金60は、溶融紡糸用紡糸口 金の建造に採用されたいかなる慣用の材料であってもよい。ステンレススチール は特に好適である。 各紡糸口金60は、1つから数千の個々の孔64を持つことができる。孔の配 置あるいは配列は、各フィラメント10が最大限邪魔されずに急冷エアにさらさ れ、また全フィラメント10のできるかぎりほぼ均等な処理を保証するために、 フィラメントが適度に離れるように注意深く設計される。 端ぐり通路70は穴あけによって形成することができる。しかしキャピラリ6 6は、レーザキャピラリ装置などにより精密な寸法に加工しなければならない。 紡糸口金のキャピラリ66の形状は、紡糸されたフィラメント10の形状を決 定する。個々のフィラメント10の寸法は、キャピラリ66のサイズ、計量速度 、およびフィラメント10を急冷域から引き取る速度によって制御され、一般に 供給ロールアセンブリの回転速度により決まり、キャピラリの設計のみによるも の ではない。フィラメント10の断面12は、フィラメント10がそこを通過する ことにより製造されるキャピラリ66の実際のサイズよりも小さい。 図8Aおよび図8Bは、第1の二重ダイヤモンド形紡糸口金キャピラリ866 、および第1の二重ダイヤモンド形紡糸口金キャピラリ866を通してポリマー を紡糸することによって形成された、本発明によるフィラメント800の第1の 二重ダイヤモンド形断面812を示す図である。 図9Aおよび図9Bは、第2の二重ダイヤモンド形紡糸口金のキャピラリ96 6と、第2の二重ダイヤモンド形紡糸口金のキャピラリ966を通してポリマー を紡糸することによって形成された本発明によるフィラメント900の第2の二 重ダイヤモンド形断面912とを示す図である。 工業的応用性 本発明の紡糸口金は、自動車用エアバッグ、工業用織物(建築用織物、標識、 防水布、テントなど)、帆布、タイヤコード、ひも類(ロープ)、力布、レジャ ー用織物、機械用ゴム製品、その他を含む市場用途をもつ糸44および織物52 に加工されるフィラメント10、800、900を製造する。 試験法 温度: 温度は全て摂氏度(℃)で測定する。相対粘度: 本明細書で表される相対粘度(RV)の測定値は、いずれも硫酸1 00ppmを含むヘキサフルオロイソプロパノール中のポリマーの4.47重量 パーセント溶液の25℃における粘度と、この溶媒の粘度との無単位の比である 。この溶媒を用いた場合、米国特許第3,216,817号などの従来技術によ る工業用の糸の相対粘度は少なくとも35である。デニール: 特に表示しない場合は、全ての部およびパーセントは重量によるも のである。 デニールは線形密度であり、450メートル当たり0.05グラムの単位重量 数と定義される(Man-Made Fiber and Textile Dictionary,Hoechst-Celanese ,1988)。この定義は、数字上は9000メートルの材料当たりのグラム重 量に等しい。線形密度のもう1つの定義は、テックス(Tex)、すなわち10 00メートルの材料のグラム重量である。また、デシテックス(dTex)が広 く用いられ、1テックスの1/10に等しい。 本明細書で報告された糸デニールの全ては、測定と別に表示しない場合は全て 公称デニールである。本明細書で用いる「公称」デニールは、意図されたデニー ルの数値を意味する。 本明細書で用いる「測定」デニールは、糸を標準の長さに切断し、秤量する方 法による。本明細書に報告された工業用ポリエステル糸は、E.I.duPont de Ne mours and Company(Wilmington,DE))の設計による自動切断および秤量(A CW)デニール計で測定された糸デニールである。このACW計は、LENZING AG ,Division Lenzing Technik,A-4860 Lenzing,Austriaから市販されている。 測定デニールはACW計の方法による糸のパッケージ当たり2回の測定に基づい ている。これらの2回の測定の平均を求める。したがって「測定」デニールは、 平均デニールである。糸の試験片の長さは22.5メートル、また試験片の長さ の公差は+/−1.0cmである。全てのACW機器重量は、機器の検定に用い られた保証規格である+/−0.2ミリグラムの公差の範囲内にある。 デニールの検定は等式、 D=(9000メートル×W(グラム))/22.5メートル (ただし、D=デニール、W=試験片重量) に基づいている。例えば、840公称デニール糸の試料の糸長22.5メートル は、ACW装置により切断、秤量された。この22.5メートルの試料は、公称 および測定糸デニールが同一の840デニール(または933.3dtex)に 対して測定重量2.10グラムであった。同様に、本明細書で報告された100 0公称デニールの糸(または1111dtex)は、同一の公称および測定糸デ ニールに対して重量2.50グラムであり、また1100公称デニールの糸(ま たは1222dtex)は、同一の公称および測定糸デニールに対して22.5 メートル当たりの重量が2.75グラムである。 「測定」糸デニールは従来技術においては2つの方式で報告されてきた。第1 の方式は、糸仕上げ剤および周囲の水分を含む「紡糸したまま」の測定デニール である。一般に「公称」840糸デニールは、「紡糸したまま」では847測定 デニールである。「測定」糸デニールが報告される第2の方式は、「販売すると き」の「測定」糸デニールである。用語「販売するとき」とは、フィラメントが 実際に売られ、あるいは値が付けられたことを意味しない。そうではなくて、糸 があたかもデニール測定以前に売ろうとしていたかのように準備されることを意 味する。「販売するとき」のデニール測定の前に糸仕上げ剤を洗い流し、糸の標 準含水率を0.4%に平衡化する。「販売するとき」の測定糸デニールは、定義 により公称デニール、すなわちこの場合840に等しい。本明細書で報告された 「測定」糸デニールは全て「紡糸されたまま」であり、糸仕上げ剤および周囲の 水分の重量が計算に含まれることを意味する。引張特性: 本明細書で報告された糸の引張特性は、インストロン引張試験器( Instron Tensile Testing Mashine)(TTARB型)で測定される。インスト ロンは特定の長さの撚られていない糸を、その破断点まで所与の伸長速度で伸長 する。引張り試験に先だって、全ての糸は摂氏21.1度および相対湿度65% で24時間の条件下におく。糸の「伸長」および「破断荷重」は、応力−ひずみ の軌跡として自動的に記録される。本明細書における全ての糸の引張試験に対し て試料の長さは10インチ(25cm)であり、伸長速度は12インチ/分(3 0cm)、または120%/分であり、また応力−ひずみチャートの速度は12 インチ/分(30cm/分)であった。テナシティー: 糸の「テナシティー」(T)は、糸の破断荷重から得られる。 テナシティー(T)は、Instron Tensile Tester Model 1122を用いて、長さ1 0インチ(25cm)の糸試料を伸長速度12インチ/分(30cm/分)、温 度約25℃で破断点まで伸長することにより測定した。伸長および破断荷重は、 インストロンにより応力−ひずみの軌跡として自動的に記録される。テナシティ ーは、数宇上は元の糸試料の測定デニールで割ったグラムで表される破断荷 重として定義される。乾熱収縮: 乾熱収縮(DHS)は、測定された長さの糸を指定した温度(DH S177に対して摂氏177度、およびDHS140に対して摂氏140度)に 保ったオーブン中で30分間、ゼロ張力下で乾熱にさらし、長さの変化を測定す ることにより決定される。収縮は元の長さの百分率として表される。DHS17 7は工業用の糸では最も頻繁に測定され、またDHS140は、厳密な条件は固 有のプロセスにより変わるが工業用の糸が実際の工業的なコーティング操作中に 被る収縮のよい指標となることが分かっている。 実施例 次、本発明を下記の具体例により例示する。 比較例A 輪形または円形断面をもつ工業用ポリエステルフィラメントを、Palmerによる 米国特許第4,622,187号に記載された方法により製造した。さらに具体 的には、図10を参照すればポリエステルフィラメント80は紡糸口金82から 溶融紡糸され、排気筒83を通って下降するに従って凝固し、未延伸のマルチフ ィラメント糸84となり、その速度が紡糸速度、すなわち固体フィラメントが紡 糸段階に引き取られる速度を決定する供給ロール85により延伸工程に送られる 。未延伸糸84は、ヒーター86を通って供給ロール85よりも速い同一速度で 回転する延伸ロール88および89により送られ、延伸糸87となる。延伸率は 、延伸ロール88および89の速度と供給ロール85の速度の比であり、一般に は4.7倍と6.4倍の間にある。延伸糸87は、加熱された囲い90中で延伸 ロール88と89の間を多段階通過する間にアニールされる。得られた糸92は 、インターレースジェット94を通過するときに絡み合って凝集性を与えられる 。インターレースジェット94は加熱エアを与え、絡み合った糸95が巻取りロ ール96に送られ、そこで巻き取られて糸のパッケージを形成するとき、高温に 保たれるようにする。絡み合った糸95は、巻取りロール96に過剰に供給さ れるので弛緩させる。すなわち、巻取りロール96の速度は、ロール89および 88の速度よりも低い。仕上げ剤は、図には示されていないが、一般に供給ロー ル85の前で未延伸糸84に、またヒーター86と加熱された囲い90の間で延 伸糸87に従来の方法で施される。 延伸ロールの速度は3100ypm(2835メートル/分)であった。特性 を下記に述べるように測定した。プロセスはこれに続いて、ヒーター86には3 60℃の蒸気ジェット、また延伸ロール88と供給ロール85の間の延伸比は5 .9倍を用い、囲い90中のロール88および89を240℃に加熱し、巻取り 速度が2680ypm(約2450メートル/分)になるようにロール89と巻 取りロール96の間で糸を13.5%過剰供給し、ジェット94には平方インチ 当たり45ポンド(psi)かつ160℃のインターレースエアを用いた。 840公称デニール、140フィラメント、相対粘度37の糸を上記のプロセ スと装置を用いて製造した。糸は、輪形または円形断面をもつフィラメントから 製造した。フィラメントは、つや消し剤として二酸化チタン0.10%、300 から400ppmの範囲のレベルの残留アンチモン触媒、および8から10pp mの範囲の少量のリンを有するポリエステルポリマー(2GT)から紡糸された 。唯一作為的に与えた他の添加剤は「トナー」であり、1から5ppmのレベル のアントラキノン染料である。 このように製造された円形断面の糸は、収縮性と引張特性のバランスが優れて いる。製造された糸の「紡糸したまま」の測定平均デニールは847であった。 測定デニールの範囲は823から873であった。糸は、デニール当たり7.9 グラムのテナシティーと、28%に相当する破断時の伸びを有する。糸の収縮( DHS177)は3.1%であった。この比較例Aの糸の特性を表1に要約する 。この比較例は、DuPontから品名840−140−T51として販売されている 代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)(図15Bに示した円形フィラ メント断面をもつ)の特性を示し、低収縮糸である。この従来技術の糸は、図3 に示したフィラメントの束として束ねられる。比較例B 紡糸口金が、実施例1に用いたキャピラリ寸法に対して大きなキャピラリ寸法 であることを除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図15Bに示した円形 断面をもつ140フィラメントの、1000公称デニールの糸を製造した。比較 例Aの糸の場合と同じ収縮および引張特性を測定した。この比較例Bの糸の特性 を表1に要約する。この比較例Bは、DuPontから品名1000−140−T51 として販売されている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)の特性を 示し、低収縮糸である。 比較例C ここでは注記を除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図15Bに示した 円形断面をもつ192フィラメントで1000公称デニールの糸を製造した。比 較例Aで用いたキャピラリ寸法に対して、比較例Bと同様、大きいキャピラリ寸 法をもつ紡糸口金を用いた。収縮および引張特性は、処理条件を変えたことによ って比較例Aの糸の特性とは異なっていた。すなわち、巻取ロールの速度が毎分 2945ヤード(2693メートル/分)になるようにロール9と巻取ロール1 4の間の過剰供給速度を5%に減少し、インターレースエア温度を室温(約摂氏 30度)とし、平方インチ当たり50ポンドとやや高い送出し圧力とした。これ らの糸のテナシティーはデニール当たり8.9グラム、破断時の伸びは17.5 %、乾熱収縮(DHS177)は12.2%であった。この比較例Bの糸の特性 を表1に要約する。この比較例Bは、DuPontから品名1000−192−T68 として販売されている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)の特性を 示し、高収縮糸である。 比較例D ここでは注記を除いて、比較例Cと全く同じ条件を用いて、192フィラメン トの、1000公称デニールの糸を図11Aに示したキャピラリ形状をもつ紡糸 口金で製造した。その結果、図11Bに示したS形断面をもつフィラメントが得 られた。これらの糸の測定された乾熱収縮特性は比較例Cと同じであった。この 比較例Dの糸の特性を表1に要約する。 比較例E ここでは注記を除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、140フィラメン トの、1100公称デニールの糸を製造した。フィラメントを、図14Aに示し たキャピラリ形状をもつ紡糸口金で製造し、図14Bに示した偏平リボン形断面 をもつフィラメントが得られた。これらの糸の測定された乾熱収縮特性は比較例 Aと同じであった。この比較例Eの糸の特性を表1に要約する。 比較例F ここでは注記を除いて、比較例Eと全く同じ条件を用いて、図14Aに示した キャピラリ形状をもつ紡糸口金で140フィラメントの、1000公称デニール の糸を製造した。これらの糸は、図14Bに示した偏平リボン形断面をもつフィ ラメントを有する。これらの糸を、Palmerによる米国特許第4,622,187 号の実施例1、試料Aに記載の方法により製造した場合の乾熱収縮を示す。この 方法は、ロール9と巻取ロール14の間の過剰供給9.1%により毎分2820 ヤード(2580メートル/分)の巻取速度を可能にし、平方インチ当たり50 ポンドの送出し圧力で、約摂氏30度のインターレースエアが、5.3%の乾熱 収縮(DHS177)とデニール当たり8.4グラムのテナシティーをもたらし た。この比較例Fの糸の特性を表1に要約する。 比較例G ここでは注記を除いて、比較例Fと全く同じ条件を用いて、図12Aに示した キャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメントの1000公称デニール の糸を製造した。この糸は、図12Bに示した中空二裂片形断面をもつフィラメ ントを有する。この比較例Gの糸の特性を表1に要約する。 比較例H ここでは注記を除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図13Aに示した 大きなキャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメントの1000公称デ ニールの糸を製造した。この糸は、図13Bに示した中空円盤形断面をもつフィ ラメントを有する。この比較例Hの糸の特性を表1に要約する。 比較例I ここでは注記を除いて比較例Aと全く同じ条件を用いて、図11Aに示した大 きいキャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメント、1000公称デニ ールの糸を製造した。この糸は、図11Bに示した「S」字形断面のフィラメン トをもつ。この比較例Iの糸の特性を表1に要約する。 比較例J ここでは注記を除いて比較例Aと全く同じ条件を用いて、図11Aに示したキ ャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメント、840公称デニールの糸 を製造した。この糸は、図11Bに示した「S」字形断面のフィラメントをもつ 。この比較例Jの糸の特性を表1に要約する。比較例K ここでは注記を除いて、比較例Cと全く同じ条件を用いて、140フィラメン トの840公称デニールの糸を作製した。フィラメントは、図15Aに示した円 形のキャピラリ形状をもつ紡糸口金で製造され、図15Bに示した円形断面をも つフィラメントが得られた。この比較例Kの糸の特性を表1に要約する。この比 較例は、DuPontから品名840−140−T68として販売されている代表的な 従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)の特性を示し、高収縮糸である。 比較例L 紡糸口金を、比較例Aに用いたキャピラリに対して大きなキャピラリのものを 用いることを除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図15Bに示した円形 断面をもつ140フィラメントの、1100公称デニールの糸を製造した。比較 例Aの糸の場合と同じ収縮特性を測定した。この比較例Lの糸の特性を表1に要 約する。この比較例は、DuPontから品名1100−140−T51として販売さ れている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)の特性を示し、低収縮 糸である。 実施例1 図6および図7に示したキャピラリをもつ紡糸口金を用い、インターレースエ アをオフにしたことを除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、840公称デ ニールおよび140フィラメントの糸を製造した。この糸は、長形のダイヤモン ド形断面のフィラメントをもつ。この糸の断面を顕微鏡写真から模式図的に図4 に再現した。製造された糸の「紡糸されたまま」の測定平均デニールは848で あった。糸のテナシティーはデニール当たり7.5グラム、破断強度は14.7 グラム、破断時の伸びは26.9パーセント、DHS177は2.7、また糸の 絡みはメートル当たり2.7ノードであった。糸束の断面の1つの顕微鏡写真観 察における7個の無作為に選択したフィラメントの測定により決定したフィラメ ントの平均縦横比は3.9であった。本発明を例示する実施例1の糸の特性を表 1に要約する。この実施例は、長形断面をもつフィラメントから作製された糸の 特性が、比較例AおよびJの糸のそれと類似の工業的特性をもつことを示す。加 えてこの実施例は、図4と図3を比較することによって、実施例1のフィラメン トは、隣接したフィラメント間の間隔の開きが小さく、より間隔の詰まった、あ るいはより密な充填を有することを示す。 実施例2 紡糸口金が大きなキャピラリ寸法をもつことを除いて、実施例1と全く同じ条 件を用いて糸を準備した。図1の長形のダイヤモンド形断面のフィラメントをも つ1000公称デニールおよび140フィラメントの糸を製造した。これらの糸 は「紡糸されたまま」の測定平均デニール1009を有する。テナシティー、絡 み合い、および収縮は実施例1と同じである。これらの実施例2の糸は実施例1 の糸のそれと類似の特性を示し、無作為に選択したフィラメントの測定に基づく 縦横比は4であった。この長形のダイヤモンド形断面のフィラメント糸は低収縮 糸である。本発明を例示するこの実施例2の糸の特性を表1に要約する。この実 施例2は、長形の断面をもつフィラメントから作製した実施例2の糸が、比較例 BおよびIの糸のそれと類似の工業的特性をもつことを示す。 実施例3 ここでは注記を除いて比較例Cと全く同じ条件を用いて、図1の断面形状をも つ1000公称デニールで192フィラメントの糸を製造した。これらの糸のパ ッケージの「紡糸されたまま」の測定平均デニールは1008であった。乾熱収 縮(DHS177)および引張特性を比較例Cと同様に測定し、乾熱収縮は12 .2%であった。この長形断面のフィラメント糸は高収縮糸である。本発明を例 示するこの実施例3の糸の特性を表1に要約する。この実施例3は、長形断面の フィラメントから作製された実施例3の糸の特性が比較例CおよびDの糸と類似 の工業的特性をもつことを示す。 表1に本発明の実施例1、2、および3とともに比較例AからLの糸の特性を 要約する。本発明の糸の特性、特に工業用の糸への適応性、例えばテナシティー および収縮と両立するこれらの特性は、フィラメントの断面形状と関係なく事実 上保持されることがこの表1の比較により示される。工業用ポリエステル糸の形 態の長形のダイヤモンド断面形状のフィラメントは、これらの特性に関して従来 技術およびその他の比較用の糸と異ならないか、あるいは本質的に異ならない。 本発明の糸の驚くべき、顕著な特徴は、少なくとも若干の長形のダイヤモンド断 面形状のフィラメントを含む糸を織り込んだ織物の特性に見ることができる。 実施例4 縦糸方向に比較例Kの糸がインチ当たり19.5本の糸またはピック(ppi )、また横糸方向に実施例3の糸が21ppiである織物を構成した。この織物 は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形成 能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評点 1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。この織物 の特性と観察値を表2に要約する。 比較例M 横糸方向に比較例Kの糸がインチ当たり19.5本の糸またはピック(ppi )、また横糸方向に比較例Dの糸が21ppiである織物を構成した。この織物 は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形成 能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評点 1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。この織物 の特性と観察値を表2に要約する。 比較例N 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi、また横糸方向に比較例Eの糸が2 1ppi(8.3p/cm)である織物を構成した。この織物は、織物の背景照 明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した。 1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視に よる高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。得られた織物は被覆力につ いて目視により評価した。この織物の特性と観察値を表2に要約する。 比較例O 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi、また横糸方向に比較例Fの糸が2 1ppiである織物を構成した。この織物は、織物の背景照明用光ボックスを用 いて観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した。1〜10の評価方式 を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視による高い被覆力を示 すには、より大きい数を与えた。得られた織物は被覆力について目視により評価 した。この織物の特性と観察値を表2に要約する。 比較例P 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi、また横糸方向に比較例Gの糸が2 1ppiである織物を構成した。この織物は、織物の背景照明用光ボックスを用 いて観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した。1〜10の評価方式 を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視による高い被覆力を示 すには、より大きい数を与えた。得られた織物は被覆力について目視により評価 した。この織物の特性と観察値を表2に要約する。 比較例Q 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi、また横糸方向に比較例Hの糸が2 1ppiである織物を構成した。この織物は、織物の背景照明用光ボックスを用 いて観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した。1〜10の評価方式 を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視による高い被覆力を示 すには、より大きい数を与えた。得られた織物は被覆力について目視により評価 した。この織物の特性と観察値を表2に要約する。比較例R 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi、また横糸方向に比較例Lの糸が2 1ppiである織物を構成した。この織物は、織物の背景照明用光ボックスを用 いて観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した。1〜10の評価方式 を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視による高い被覆力を示 すには、より大きい数を与えた。得られた織物は被覆力について目視により評価 した。この織物の特性と観察値を表2に要約する。 比較例S 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi、横糸方向に比較例Aの糸が21p piの織物を構成した。この織物は、織物の背景照明用の光ボックスを用いて観 察者の目視により横糸の被覆形成能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて 対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視でより高い被覆力を示すにはよ り大きい数を与えた。得られた織物は被覆力について目視で評価した。この織物 の特性と観察値を表2および3に要約する。 表2に、織物の縦糸が比較例Kの糸(インチ当たり縦糸19.5本)であり、 横糸が本発明を含むインチ当たり横糸21本の様々な横糸で構成された8種類の 標識用織物の被覆特性を要約する。実施例Sは対照用織物であった。実施例S( =K×A)の対照用織物を織物の被覆に対して目視で評価し、評点1を割り当て た。対照用織物を、この主観的な被覆の評点1に適当な補足説明により他の実施 例と対照させて記述した。対照用織物は、織物中にかなり分布した目の粗い織物 の空隙を示した。織物を構成する糸の間の空隙または間隔の分布により、光ボッ クスに押し当てたとき若干の光が透過したが、外観は均一であった。 実施例5 縦糸方向が比較例Kの糸であってインチ当たり19.5ピック(ppi)、ま た横糸方向が実施例1の糸であって17.8ppiである織物を構成した。この 織物の被覆力を他の織物と比較した補足説明を表3に提供した。加えて、比較例 S(対照)の織物重量に対する、この織物の重量%の低減を計算し、表4に提示 した。 実施例6 縦糸方向が比較例Kの糸であってインチ当たり19.5ピック(ppi)、ま た横糸方向が実施例2の糸であってインチ当たり15.8ピック(ppi)であ る織物を構成した。この織物の被覆力を他の織物と比較した補足説明を表3に提 供した。 比較例T 縦糸方向が比較例Kの糸であって19.5ppi、また横糸方向が比較例Jの 糸であって17.8ppiである織物を構成した。この織物の被覆力を他の織物 と比較した補足説明を表3に提供した。 比較例U 縦糸方向が比較例Kの糸であって19.5ppi、また横糸方向が比較例Iの 糸であって15.8ppiである織物を構成した。この織物の被覆力を他の織物 と比較した補足説明を表3に提供した。 表3に、実施例5と6、および比較例TとUの4種類の織物の被覆および外観 の性能を、実施例Sの対照織物と対比して要約する。実施例5および6は、長形 のダイヤモンド形断面のフィラメント糸からは、より高密度織りの円形断面のフ ィラメント糸に対して、横糸の打ち込み数を減らした場合でさえ、商品として完 全に満足しうる被覆および外観をもつ織物を得ることができることを示している 。より大きな被覆を得るために高密度織りを用いるという、一般に受け入れられ ている戦略を考えると、この結果は驚くべきことである。しかしながら高密度織 りの製造には、若干追加費用がかかる。織機は横糸を引き込むためにより多くの 時間を必要とするので、織物中に存在する横糸が増すと製織工程は遅くなる。実 施例5および6のこの結果は、織物の一定の外観特性に対する横糸打ち込み数を 減少することができるので、より速い製織工程が得られることを示している。さ らに、この横糸打ち込み数の減少は、より大きな横糸打ち込み数に対する織物重 量の節減と言い換えられる。 実施例7 縦糸方向が実施例2の糸であって15.8ppi、また横糸方向が実施例1の 糸であって15.8ppiである織物を構成した。比較例S(対照)の織物の重 量に対する、この織物の重量の低減%を計算し、表4に提示する。 上記に記述した本発明の教示するところから利益を得る当業者は、これに多く の修正を加えることが可能である。これらの修正は、添付の請求の範囲に記述さ れた本発明の範囲内に包含されるものとみなされる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年1月25日(1999.1.25) 【補正内容】 明細書 ダイヤモンド形キャピラリをもつ紡糸口金 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、繊維およびそれから作られる製品を製造するための合成ポリマーの 溶融押出用紡糸口金、さらに詳細には、工業用ポリエステル繊維とそれから作ら れる製品の製造のための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金に関する。 そうですね。 2.関連技術の説明 ポリエステルを含む糸を含む工業用(すなわち高強度)繊維およびマルチフィ ラメント糸がよく知られている。このような糸は30年以上前から商業的に製造 され使用されてきた。 工業用ポリエステル繊維は一般に、相対粘度が約24から約42、フィラメン ト当たりデニール(dpf)が約4から約8(約4.4から約8.9デシテック ス(dtex))、テナシティーが約6.5グラム/デニール(約5.7センチ ニュートン/dtex(cN/dtex))から約9.2グラム/デニール(約 8.1cN/dtex)のポリエチレンテレフタレートポリマーから作られる。 これらの相対粘度、デニール、およびテナシティーの特徴により、部分的に、「 工業的特性」を有すると記載される糸と、より低い相対粘度、より小さいデニー ル、およびその結果としてかなり低い強度(すなわちテナシティー)を有するポ リエステルアパレル糸が区別される。これらの特性を有する工業用ポリエステル 糸およびその糸の製造方法は、Chantry他による米国特許第3,216,187 号に開示されている。 また、糸の紡糸、熱延伸、熱緩和、織編、および糸の巻取りを含む連続プロセ スにより様々な収縮をもつ工業用ポリエステル糸を調製し、結合したプロセスで パッケージを形成することが知られている。Chantry他による米国特許第4,0 03,974号には、最大乾熱収縮が4%、破断時の伸びが12%から20%の 範囲にあるポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメント糸の、このような 結合された連続的な製造法が開示されている。これらの収縮と破断時の伸びの特 性が、上記で引用した相対粘度、デニールの範囲、およびテナシティーとあいま って、「工業的特性」をもつ糸の際だった特徴を構成する。 Palmerによる米国特許第4,622,187号には、工業用マルチフィラメン ト糸の用途に適する他の特性とともに約2%の非常に低い収縮率をもつポリエス テル糸を製造するための結合された連続的なプロセスが開示されている。 上記で引用した各特許には、長軸に垂直な円形断面をもつフィラメント、ある いはフィラメントから作られるマルチフィラメント糸が開示されている。アパレ ル用途の場合、工業用途に必要とされるよりも低い強度をもつ非円形断面の繊維 を用いることが提案された。例えば、GB1,086,873には、ダイヤモン ドなどの菱形、特に凧形などの正方形および台形の断面形状をもつ布用フィラメ ントが開示されている。ダイヤモンド形断面を得るためのオリフィスは十字形で ある。EP 0 364 979 A2には、デルタあるいはダイヤモンド形断 面を有するポリオレフィンフィラメントを含む不織布のおむつ用材料の製造法が 開示されている。しかし、そのフィラメントを製作するためのいかなる手段も開 示されていない。しかし現在までのところ、全ての市販の工業用繊維は円形断面 である。事実、本発明者等は、円形断面以外のフィラメントで、約600から約 2000の範囲のマルチフィラメント糸デニールの工業用ポリエステルマルチフ ィラメント糸について開示した従来技術を知らない。 本発明の一目的は、それを工業用マルチフィラメント糸、およびその糸から作 られる織物の単位面積当たり重量を、工業的特性を著しく変えることなく低減す る被覆力の改良された織物に加工することができる工業用繊維の製造用紡糸口金 を提供することである。 本発明の上記その他の目的は下記の記述により明らかになるであろう。 発明の概要 本発明は、フィラメントの製造のための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金に 関するもので、そこを通ってポリマーが溶融押出しされてフィラメントを形成す るキャピラリのアセンブリを有するプレートを含み、このキャピラリはそれぞれ キャピラリの長軸に垂直な長形のダイヤモンド形断面を有する。 また、当業界で周知のようにポリマーは、糸に溶融紡糸するためにフィラメント に形成しうる分子量でなければならない。 C.相対粘度 相対粘度約24から約42、好ましくは約36から約38を有するポリマーに よって、実施例で以下に示すような非常に良好な結果が得られることが分かった 。 D.デニール フィラメント10、800、900は、フィラメント当たり約4から約8のデ ニール(dpf)(約4.4dtexから約8.9dtex)、好ましくは約6 から約7.2dpf(約6.6dtexから約8.0dtex)である。これら のデニールは、好ましくは本明細書の記載に従って測定されたデニールである。 測定されたデニールは好ましくは「紡糸されたまま」測定した平均デニールであ り、本明細書に記載したような糸仕上剤および周囲の水分を含んでいる。 E.テナシティー フィラメント10、800、900は、テナシティーが約6.5グラム/デニ ール(約5.7cN/dtex)から約9.2グラム/デニール(約8.1cN /dtex)、好ましくはテナシティーが約7.5グラム/デニール(約6.6 cN/dtex)から約8.0グラム/デニール(約7.1cN/dtex)で ある。 F.その他の特性 フィラメント10、800、900は、177℃において30分の乾熱収縮が 約2%から約16%、好ましくは177℃において30分の乾熱収縮が約3%か ら約13%である。 フィラメント10、800、900は、破断時の伸びが16%から29%、好 ましくは17%から28%の範囲にある。2.糸 糸はある程度の凝集性をもった複数(一般に140〜192)の工業用フィラ メント10、800、900を含む。 測定デニールはACW計の方法による糸のパッケージ当たり2回の測定に基づい ている。これらの2回の測定の平均を求める。したがって「測定」デニールは、 平均デニールである。糸の試験片の長さは22.5メートル、また試験片の長さ の公差は+/−1.0cmである。全てのACW機器重量は、機器の検定に用い られた保証規格である+/−0.2ミリグラムの公差の範囲内にある。デニール の検定は等式、 D=(9000メートル×W(グラム))/22.5メートル (ただし、D=デニール、W=試験片重量) に基づいている。例えば、840公称デニール(933.3公称dtex)糸の 試料の糸長22.5メートルは、ACW装置により切断、秤量された。この22 .5メートルの試料は、公称および測定糸デニールが同一の840デニール(ま たは933.3dtex)に対して測定重量2.10グラムであった。同様に、 本明細書で報告された1000公称デニールの糸(または1111dtex)は 、同一の公称および測定糸デニールに対して重量2.50グラムであり、また1 100公称デニールの糸(または1222dtex)は、同一の公称および測定 糸デニールに対して22.5メートル当たりの重量が2.75グラムである。 「測定」糸デニールは従来技術においては2つの方式で報告されてきた。第1 の方式は、糸仕上げ剤および周囲の水分を含む「紡糸したまま」の測定デニール である。一般に「公称」840糸デニール(933.3糸dtex)は、「紡糸 したまま」では847測定デニール(941測定dtex)である。「測定」糸 デニール(dtex)が報告される第2の方式は、「販売するとき」の「測定」 糸デニール(dtex)である。用語「販売するとき」とは、フィラメントが実 際に売られ、あるいは値が付けられたことを意味しない。そうではなくて、糸が あたかもデニール測定以前に売ろうとしていたかのように準備されることを意味 する。「販売するとき」のデニール(dtex)測定の前に糸仕上げ剤を洗い流 し、糸の標準含水率を0.4%に平衡化する。「販売するとき」の測定糸デニー ル(dtex)は、定義により公称デニール、すなわちこの場合840(dte xまたは933.3)に等しい。本明細書で報告された「測定」糸デニール(d tex)は全て「紡糸されたまま」であり、糸仕上げ剤および周囲の水分の重量 が計算に含まれることを意味する。引張特性: 本明細書で報告された糸の引張特性は、インストロン引張試験器( Instron Tensile Testing Mashine)(TTARB型)で測定される。インスト ロンは特定の長さの撚られていない糸を、その破断点まで所与の伸長速度で伸長 する。引張り試験に先だって、全ての糸は摂氏21.1度および相対湿度65% で24時間の条件下におく。糸の「伸長」および「破断荷重」は、応力−ひずみ の軌跡として自動的に記録される。本明細書における全ての糸の引張試験に対し て試料の長さは10インチ(25cm)であり、伸長速度は12インチ/分(3 0cm/分)、または120%/分であり、また応力−ひずみチャートの速度は 12インチ/分(30cm/分)であった。テナシティー: 糸の「テナシティー」(T)は、糸の破断荷重から得られる。 テナシティー(T)は、Instron Tensile Tester Model 1122を用いて、長さ1 0インチ(25cm)の糸試料を伸長速度12インチ/分(30cm/分)、温 度約25℃で破断点まで伸長することにより測定した。伸長および破断荷重は、 インストロンにより応力−ひずみの軌跡として自動的に記録される。テナシティ ーは、数字上は元の糸試料の測定デニールで割ったグラムで表される破断荷重と して定義される。乾熱収縮: 乾熱収縮(DHS)は、測定された長さの糸を指定した温度(DH S177に対して摂氏177度、およびDHS140に対して摂氏140度)に 保ったオーブン中で30分間、ゼロ張力下で乾熱にさらし、長さの変化を測定す ることにより決定される。収縮は元の長さの百分率として表される。 絡み合った糸95は、巻取りロール96に過剰に供給されるので弛緩させる。す なわち、巻取りロール96の速度は、ロール89および88の速度よりも低い。 仕上げ剤は、図には示されていないが、一般に供給ロール85の前で未延伸糸8 4に、またヒーター86と加熱された囲い90の間で延伸糸87に従来の方法で 施される。 延伸ロールの速度は3100ypm(2835メートル/分)であった。特性 を下記に述べるように測定した。プロセスはこれに続いて、ヒーター86には3 60℃の蒸気ジェット、また延伸ロール88と供給ロール85の間の延伸比は5 .9倍を用い、囲い90中のロール88および89を240℃に加熱し、巻取り 速度が2680ypm(約2450メートル/分)になるようにロール89と巻 取りロール96の間で糸を13.5%過剰供給し、ジェット94には平方インチ 当たり45ポンド(psi)(約310kPa)かつ160℃のインターレース エアを用いた。 840公称デニール(933.3公称dtex)、140フィラメント、相対 粘度37の糸を上記のプロセスと装置を用いて製造した。糸は、輪形または円形 断面をもつフィラメントから製造した。フィラメントは、つや消し剤として二酸 化チタン0.10%、300から400ppmの範囲のレベルの残留アンチモン 触媒、および8から10ppmの範囲の少量のリンを有するポリエステルポリマ ー(2GT)から紡糸された。唯一作為的に与えた他の添加剤は「トナー」であ り、1から5ppmのレベルのアントラキノン染料である。 このように製造された円形断面の糸は、収縮性と引張特性のバランスが優れて いる。製造された糸の「紡糸したまま」の測定平均デニールは847(平均94 1dtex)であった。測定デニールの範囲は823から873(914.4d exから969.9dex)であった。糸は、デニール当たり7.9グラム(7 .0cN/dtex)のテナシティーと、28%に相当する破断時の伸びを有す る。糸の収縮(DHS177)は3.1%であった。この比較例Aの糸の特性を 表1に要約する。この比較例は、DuPontから品名840−140−T51として 販売されている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)(図15Bに示 した円形フィラメント断面をもつ)の特性を示し、低収縮糸である。この従来技 術の糸は、図3に示したフィラメントの束として束ねられる。 比較例B 紡糸口金が、実施例1に用いたキャピラリ寸法に対して大きなキャピラリ寸法 であることを除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図15Bに示した円形 断面をもつ140フィラメントの、1000公称デニール(1111公称dte x)の糸を製造した。比較例Aの糸の場合と同じ収縮および引張特性を測定した 。この比較例Bの糸の特性を表1に要約する。この比較例Bは、DuPontから品名 1000−140−T51として販売されている代表的な従来技術の工業用糸Da cron(登録商標)の特性を示し、低収縮糸である。 比較例C ここでは注記を除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図15Bに示した 円形断面をもつ192フィラメントで1000公称デニール(1111公称dt ex)の糸を製造した。比較例Aで用いたキャピラリ寸法に対して、比較例Bと 同様、大きいキャピラリ寸法をもつ紡糸口金を用いた。収縮および引張特性は、 処理条件を変えたことによって比較例Aの糸の特性とは異なっていた。すなわち 、巻取ロールの速度が毎分2945ヤード(2693メートル/分)になるよう にロール9と巻取ロール14の間の過剰供給速度を5%に減少し、インターレー スエア温度を室温(約摂氏30度)とし、平方インチ当たり50ポンド(344 .5kPa)とやや高い送出し圧力とした。これらの糸のテナシティーはデニー ル当たり8.9グラム(7.9cN/dtex)、破断時の伸びは17.5%、 乾熱収縮(DHS177)は12.2%であった。この比較例Bの糸の特性を表 1に要約する。この比較例Bは、DuPontから品名1000−192−T68とし て販売されている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)の特性を示し 、高収縮糸である。 比較例D ここでは注記を除いて、比較例Cと全く同じ条件を用いて、192フィラメン トの、1000公称デニール(1111公称dtex)の糸を図11Aに示した キャピラリ形状をもつ紡糸口金で製造した。その結果、図11Bに示したS形断 面をもつフィラメントが得られた。これらの糸の測定された乾熱収縮特性は比較 例Cと同じであった。この比較例Dの糸の特性を表1に要約する。 比較例E ここでは注記を除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、140フィラメン トの、1100公称デニール(1222公称dtex)の糸を製造した。フィラ メントを、図14Aに示したキャピラリ形状をもつ紡糸口金で製造し、図14B に示した偏平リボン形断面をもつフィラメントが得られた。これらの糸の測定さ れた乾熱収縮特性は比較例Aと同じであった。この比較例Eの糸の特性を表1に 要約する。 比較例F ここでは注記を除いて、比較例Eと全く同じ条件を用いて、図14Aに示した キャピラリ形状をもつ紡糸口金で140フィラメントの、1000公称デニール (1111公称dtex)の糸を製造した。これらの糸は、図14Bに示した偏 平リボン形断面をもつフィラメントを有する。これらの糸を、Palmerによる米国 特許第4,622,187号の実施例1、試料Aに記載の方法により製造した場 合の乾熱収縮を示す。この方法は、ロール9と巻取ロール14の間の過剰供給9 .1%により毎分2820ヤード(2580メートル/分)の巻取速度を可能に し、平方インチ当たり50ポンド(344.5kPa)の送出し圧力で、約摂氏 30度のインターレースエアが、5.3%の乾熱収縮(DHS177)とデニー ル当たり8.4グラム(7.4cN/dtex)のテナシティーをもたらした。 この比較例Fの糸の特性を表1に要約する。 比較例G ここでは注記を除いて、比較例Fと全く同じ条件を用いて、図12Aに示した キャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメントの1000公称デニール (1111公称dtex)の糸を製造した。この糸は、図12Bに示した中空二 裂片形断面をもつフィラメントを有する。この比較例Gの糸の特性を表1に要約 する。 比較例H ここでは注記を除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図13Aに示した 大きなキャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメントの1000公称デ ニール(1111公称dtex)の糸を製造した。この糸は、図13Bに示した 中空円盤形断面をもつフィラメントを有する。この比較例Hの糸の特性を表1に 要約する。 比較例I ここでは注記を除いて比較例Aと全く同じ条件を用いて、図11Aに示した大 きいキャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメント、1000公称デニ ール(1111公称dtex)の糸を製造した。この糸は、図11Bに示した「 S」字形断面のフィラメントをもつ。この比較例Iの糸の特性を表1に要約する 。 比較例J ここでは注記を除いて比較例Aと全く同じ条件を用いて、図11Aに示したキ ャピラリ形状をもつ紡糸口金で、140フィラメント、840公称デニール(9 33.3公称dtex)の糸を製造した。この糸は、図11Bに示した「S」字 形断面のフィラメントをもつ。この比較例Jの糸の特性を表1に要約する。 比較例K ここでは注記を除いて、比較例Cと全く同じ条件を用いて、140フィラメン トの840公称デニール(933.3公称dtex)の糸を製造した。フィラメ ントは、図15Aに示した円形のキャピラリ形状をもつ紡糸口金で作製され、図 15Bに示した円形断面をもつフィラメントが得られた。この比較例Kの糸の特 性を表1に要約する。この比較例は、DuPontから品名840−140−T68と して販売されている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商標)の特性を示 し、高収縮糸である。 比較例L 紡糸口金を、比較例Aに用いたキャピラリに対して大きなキャピラリのものを 用いることを除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、図15Bに示した円形 断面をもつ140フィラメントの、1100公称デニール(1222公称dte x)の糸を製造した。比較例Aの糸の場合と同じ収縮特性を測定した。この比較 例Lの糸の特性を表1に要約する。この比較例は、DuPntから品名1100−1 40−T51として販売されている代表的な従来技術の工業用糸Dacron(登録商 標)の特性を示し、低収縮糸である。 実施例1 図6および図7に示したキャピラリをもつ紡糸口金を用い、インターレースエ アをオフにしたことを除いて、比較例Aと全く同じ条件を用いて、840公称デ ニール(933.3公称dtex)および140フィラメントの糸を製造した。 この糸は、長形のダイヤモンド形断面のフィラメントをもつ。この糸の断面を顕 微鏡写真から模式図的に図4に再現した。製造された糸の「紡糸されたまま」の 測定平均デニールは848(平均942 dtex)であった。糸のテナシティ ーはデニール当たり7.5グラム(6.6cN/dtex)、破断強度は14. 7グラム、破断時の伸びは26.9パーセント、DHS177は2.7、また糸 の絡みはメートル当たり2.7ノードであった。糸束の断面の1つの顕微鏡写真 観察における7個の無作為に選択したフィラメントの測定により決定したフィラ メントの平均縦横比は3.9であった。本発明を例示する実施例1の糸の特性を 表1に要約する。この実施例は、長形断面をもつフィラメントから作製された糸 の特性が、比較例AおよびJの糸のそれと類似の工業的特性をもつことを 示す。加えてこの実施例は、図4と図3を比較することによって、実施例1のフ ィラメントは、隣接したフィラメント間の間隔の開きが小さく、より間隔の詰ま った、あるいはより密な充填を有することを示す。 実施例2 紡糸口金が大きなキャピラリ寸法をもつことを除いて、実施例1と全く同じ条 件を用いて糸を準備した。図1の長形のダイヤモンド形断面のフィラメントをも つ1000公称デニール(1111公称dtex)および140フィラメントの 糸を製造した。これらの糸は「紡糸されたまま」の測定平均デニール1009( 平均1121 dtex)を有する。テナシティー、絡み合い、および収縮は実 施例1と同じである。これらの実施例2の糸は実施例1の糸のそれと類似の特性 を示し、無作為に選択したフィラメントの測定に基づく縦横比は4であった。こ の長形のダイヤモンド形断面のフィラメント糸は低収縮糸である。本発明を例示 するこの実施例2の糸の特性を表1に要約する。この実施例2は、長形の断面を もつフィラメントから作製した実施例2の糸が、比較例BおよびIの糸のそれと 類似の工業的特性をもつことを示す。 実施例3 ここでは注記を除いて比較例Cと全く同じ条件を用いて、図1の断面形状をも つ1000公称デニール(1111公称dtex)で192フィラメントの糸を 製造した。これらの糸のパッケージの「紡糸されたまま」の測定平均デニールは 1008(平均1120 dtex)であった。乾熱収縮(DHS177)およ び引張特性を比較例Cと同様に測定し、乾熱収縮は12.2%であった。この長 形断面のフィラメント糸は高収縮糸である。本発明を例示するこの実施例3の糸 の特性を表1に要約する。この実施例3は、長形断面のフィラメントから作製さ れた実施例3の糸の特性が比較例CおよびDの糸と類似の工業的特性をもつこと を示す。 表1に本発明の実施例1、2、および3とともに比較例AからLの糸の特性を 要約する。本発明の糸の特性、特に工業用の糸への適応性、例えばテナシティー および収縮と両立するこれらの特性は、フィラメントの断面形状と関係なく事実 上保持されることがこの表1の比較により示される。工業用ポリエステル糸の形 態の長形のダイヤモンド断面形状のフィラメントは、これらの特性に関して従来 技術およびその他の比較用の糸と異ならないか、あるいは本質的に異ならない。 本発明の糸の驚くべき、顕著な特徴は、少なくとも若干の長形のダイヤモンド断 面形状のフィラメントを含む糸を織り込んだ織物の特性に見ることができる。 実施例4 縦糸方向に比較例Kの糸がインチ当たり19.5本の糸またはピック(ppi )(7.7ピック/cm、またはp/cm)、また横糸方向に実施例3の糸が2 1ppi (8.3p/cm)である織物を構成した。この織物は、織物の背景 照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した 。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視 による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。この織物の特性と観察値 を表2に要約する。 比較例M 横糸方向に比較例Kの糸がインチ当たり19.5本の糸またはピック(ppi )(7.7p/cm)、また横糸方向に比較例Dの糸が21ppi(8.3p/ cm)である織物を構成した。この織物は、織物の背景照明用光ボックスを用い て観察者の目視によって横糸の被覆形成能力を評価した。1〜10の評価方式を 用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与え、目視による高い被覆力を示す には、より大きい数を与えた。この織物の特性と観察値を表2に要約する。 比較例N 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi(7.7p/cm)、また横糸方向 に比較例Eの糸が21ppi(8.3p/cm)である織物を構成した。この織 物は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形 成能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評 点1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。得られ た織物は被覆力について目視により評価した。この織物の特性と観察値を表2に 要約する。比較例O 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi(7.7p/cm)、また横糸方向 に比較例Fの糸が21ppi(8.3p/cm)である織物を構成した。この織 物は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形 成能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評 点1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。得られ た織物は被覆力について目視により評価した。この織物の特性と観察値を表2に 要約する。 比較例P 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi(7.7p/cm)、また横糸方向 に比較例Gの糸が21ppi(8.3p/cm)である織物を構成した。この織 物は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形 成能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評 点1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。得られ た織物は被覆力について目視により評価した。この織物の特性と観察値を表2に 要約する。 比較例Q 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi(7.7p/cm)、また横糸方向 に比較例Hの糸が21ppi(8.3p/cm)である織物を構成した。この織 物は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形 成能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評 点1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。得られ た織物は被覆力について目視により評価した。この織物の特性と観察値を表2に 要約する。 比較例R 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi(7.7p/cm)、また横糸方向 に比較例Lの糸が21ppi(8.3p/cm)である織物を構成した。この織 物は、織物の背景照明用光ボックスを用いて観察者の目視によって横糸の被覆形 成能力を評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評 点1を与え、目視による高い被覆力を示すには、より大きい数を与えた。得られ た織物は被覆力について目視により評価した。この織物の特性と観察値を表2に 要約する。 比較例S 縦糸方向に比較例Kの糸が19.5ppi(7.7p/cm)、横糸方向に比 較例Aの糸が21ppi(8.3p/cm)の織物を構成した。この織物は、織 物の背景照明用の光ボックスを用いて観察者の目視により横糸の被覆形成能力を 評価した。1〜10の評価方式を用いて対照用織物(比較例S)には評点1を与 え、目視でより高い被覆力を示すにはより大きい数を与えた。得られた織物は被 覆力について目視で評価した。この織物の特性と観察値を表2および3に要約す る。 表2に、織物の縦糸が比較例Kの糸(インチ当たり縦糸19.5本、センチ当 たり縦糸7.7本)であり、横糸が本発明を含むインチ当たり横糸21本(セン チ当たり横糸8.3本)の様々な横糸で構成された8種類の標識用織物の被覆特 性を要約する。実施例Sは対照用織物であった。実施例S(=K×A)の対照用 織物を織物の被覆に対して目視で評価し、評点1を割り当てた。対照用織物を、 この主観的な被覆の評点1に適当な補足説明により他の実施例と対照させて記述 した。対照用織物は、織物中にかなり分布した目の粗い織物の空隙を示した。織 物を構成する糸の間の空隙または間隔の分布により、光ボックスに押し当てたと き若干の光が透過したが、外観は均一であった。 実施例5 縦糸方向が比較例Kの糸であってインチ当たり19.5ピック(ppi)(7 .7p/cm)、また横糸方向が実施例1の糸であって17.8ppi(7.0 p/cm)である織物を構成した。この織物の被覆力を他の織物と比較した補足 説明を表3に提供した。加えて、比較例S(対照)の織物重量に対する、この織 物の重量%の低減を計算し、表4に提示した。 実施例6 縦糸方向が比較例Kの糸であってインチ当たり19.5ピック(ppi)(7 .7p/cm)、また横糸方向が実施例2の糸であってインチ当たり15.8ピ ック(ppi)(6.2p/cm)である織物を構成した。この織物の被覆力を 他の織物と比較した補足説明を表3に提供した。 比較例T 縦糸方向が比較例Kの糸であって19.5ppi(7.7p/cm)、また横 糸方向が比較例Jの糸であって17.8ppi(7.0p/cm)である織物を 構成した。この織物の被覆力を他の織物と比較した補足説明を表3に提供した。比較例U 縦糸方向が比較例Kの糸であって19.5ppi(7.7p/cm)、また横 糸方向が比較例Iの糸であって15.8ppi(6.2p/cm)である織物を構 成した。この織物の被覆力を他の織物と比較した補足説明を表3に提供した。 表3に、実施例5と6、および比較例TとUの4種類の織物の被覆および外観 の性能を、実施例Sの対照織物と対比して要約する。実施例5および6は、長形 のダイヤモンド形断面のフィラメント糸からは、より高密度織りの円形断面のフ ィラメント糸に対して、横糸の打ち込み数を減らした場合でさえ、商品として完 全に満足しうる被覆および外観をもつ織物を得ることができることを示している 。より大きな被覆を得るために高密度織りを用いるという、一般に受け入れられ ている戦略を考えると、この結果は驚くべきことである。しかしながら高密度織 りの製造には、若干追加費用がかかる。織機は横糸を引き込むためにより多くの 時間を必要とするので、織物中に存在する横糸が増すと製織工程は遅くなる。実 施例5および6のこの結果は、織物の一定の外観特性に対する横糸打ち込み数を 減少することができるので、より速い製織工程が得られることを示している。さ らに、この横糸打ち込み数の減少は、より大きな横糸打ち込み数に対する織物重 量の節減と言い換えられる。 実施例7 縦糸方向が実施例2の糸であって15.8ppi(6.2p/cm)、また横 糸方向が実施例1の糸であって15.8ppi(6.2p/cm)である織物を 構成した。比較例S(対照)の織物の重量に対する、この織物の重量の低減%を 計算し、表4に提示する。 請求の範囲 1.ポリマーがそこを通って溶融押出されてフィラメントを形成するキャピラリ のアセンブリを有するプレートを含む、フィラメントを製造するための合成ポリ マーの溶融押出用紡糸口金であって、 前記キャピラリがそれぞれキャピラリの長軸に垂直な長形のダイヤモンド形ま たは本質的にダイヤモンド形の断面を有することと、 前記断面の縦横比が約15から約26であることと、 前記縦横比(AR)が第1寸法(A)と第2寸法(B)の比として定義され、 第1寸法(A)が断面の外周における互いに最も離れた第1点と第2点を結ぶ直 線部分の長さとして定義され、第2寸法(B)が前記直線部分に対して直角に延 びる最大断面幅であることと、 を特徴とする紡糸口金。 2.断面が、時計廻りの方向に互いに接合した、第1の本質的に真直ぐな辺と、 第1の鈍い角と、第2の本質的に真直ぐな辺と、第1の鋭い角と、第3の本質的 に真直ぐな辺と、第2の鈍い角と、第4の本質的に真直ぐな辺と、第1の本質的 に真直ぐな辺に接合した第2の鋭い角とを含む外周を有することを特徴とする請 求項1に記載の紡糸口金。 3.1対のキャピラリが二重のダイヤモンド形または本質的にダイヤモンド形の キャピラリを形成し、二重のダイヤモンド形または本質的にダイヤモンド形の断 面を有するフィラメントを前記二重のダイヤモンド形または本質的にダイヤモン ド形のキャピラリを通してポリマーを紡糸することによって形成することを特徴 とする請求項1に記載の紡糸口金。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.フィラメントを製造するための合成ポリマーの溶融押出用紡糸口金であって 、 ポリマーがそこを通って溶融押出されてフィラメントを形成するキャピラリの アセンブリを有するプレートと、 キャピラリの長軸に垂直な長形のダイヤモンド形の断面を有する各キャピラリ と、 を具えることを特徴とする溶融押出用紡糸口金。 2.断面が、時計廻りの方向に互いに接合した、第1の本質的に真直ぐな辺と、 第1の鈍い角と、第2の本質的に真直ぐな辺と、第1の鋭い角と、第3の本質的 に真直ぐな辺と、第2の鈍い角と、第4の本質的に真直ぐな辺と、第1の本質的 に真直ぐな辺に接合した第2の鋭い角とを含む外周を有することを特徴とする請 求項1に記載の紡糸口金。 3.前記断面の縦横比が約15から約26であることを特徴とする請求項1に記 載の紡糸口金。 4.前記縦横比(AR)が第1寸法(A)と第2寸法(B)の比として定義され 、第1寸法(A)が断面の外周における互いに最も離れた第1点と第2点を結ぶ 直線部分の長さとして定義され、第2寸法(B)が前記直線部分に対して直角に 延びる最大断面幅であることを特徴とする請求項3に記載の紡糸口金。 5.前記第1寸法(A)および第2寸法(B)がキャピラリ断面に沿ってその範 囲内全体に広がっていることを特徴とする請求項4に記載の紡糸口金。
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