JP2001512666A - 結腸直腸癌細胞に特異的に結合する組成物およびその使用法 - Google Patents

結腸直腸癌細胞に特異的に結合する組成物およびその使用法

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Abstract

(57)【要約】 独自の転写産物、CRCA−1及びそれから産生される選択的な翻訳産物が開示される。この転写物及びその翻訳産物は直腸結腸細胞のマーカーである。転移した結腸直腸癌をスクリーニング及び診断する試薬、キット及び方法、並びに、結腸直腸起源の腺癌を同定する試薬、キット及び方法が開示される。転移した直腸結腸癌を有する患者を治療する及び転移した結腸直腸腫瘍をin vivoで造影するための化合物、組成物及び方法が開示される。遺伝子治療薬及びアンチセンス化合物のような活性化合物を結腸直腸細胞へデリバリーするための組成物及び方法が開示される。転移性の結腸直腸癌を治療及び予防するためのワクチン組成物及び方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は結腸直腸癌細胞を検出するためのインビトロ診断法、そのような方法
を実施するためのキットおよび試薬に関している。本発明は結腸直腸腫瘍のイン
ビボイメージングおよび処置のための化合物および方法に関している。本発明は
標的化された遺伝子治療、アンチセンスおよび薬剤組成物を作製および使用する
ための方法および組成物に関している。本発明は予防的および治療的抗結腸直腸
癌ワクチンおよび組成物およびそれらを作製および使用する方法に関している。
【0002】 背景技術 結腸直腸癌は世界的に3番目によく発生する新生物である。新しく診断された
大腸癌の死亡率は50%に達しており、過去40年間にわたりほとんど改良され
ていない。この死亡率のほとんどは局所的、局部的および遠方への転移を反映し
ている。
【0003】 結腸直腸癌、特に転移した結腸直腸癌を持つ個体をスクリーニング、診断およ
びモニターするための試薬、キットおよび方法が必要とされている。起源のわか
らない癌が結腸直腸癌であることを同定および確認するための、結腸直腸癌を同
定および確認するための、およびそのような癌細胞の移動のレベルを決定するた
めに結腸組織を分析するための試薬、キットおよび方法が必要とされている。転
移した結腸直腸癌細胞を特異的に標的化できる組成物に対する要求も残っている
。転移した結腸直腸癌細胞に特異的に結合できるイメージング剤が必要とされて
いる。転移した結腸直腸癌細胞をイメージングする方法を改良することも必要と
されている。転移した結腸直腸癌細胞に特異的に結合できる治療薬が必要とされ
ている。結腸直腸癌を患っていることが疑われる患者、特に結腸直腸癌の転移が
疑われている患者を治療する改良された方法が必要とされている。転移した結腸
直腸癌を治療および転移を予防するためのワクチン組成物が必要とされている。
結腸直腸細胞へ遺伝子治療剤、アンチセンス化合物およびその他の薬剤を特異的
に送達できる治療薬が必要とされている。
【0004】 発明の概要 本発明はCRCA−1転写体を含む単離された核酸分子に関している。本発明
は配列番号:1に示された核酸配列またはその機能的断片を含む単離された核酸
分子に関している。
【0005】 本発明はさらに配列番号:1のヌクレオチド配列またはその機能的断片に相補
的なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド分子に関している。
【0006】 本発明はさらにCRCA−1転写体を含む核酸分子から成る医薬組成物に関し
ている。本発明は配列番号:1に示された核酸配列またはその機能的断片を含む
核酸分子から成る、または医薬として受容可能な担体と組み合わされた医薬組成
物に関している。
【0007】 本発明はさらに配列番号:1またはその機能的断片を含むヌクレオチド配列を
持つ核酸分子を含んでいる組換え発現ベクターに関している。本発明はさらに配
列番号:1またはその機能的断片を含むヌクレオチド配列を持つ核酸分子を含む
組換え発現ベクターを含んでいる宿主細胞に関している。
【0008】 本発明はさらに実質的に純粋なCRCA−1翻訳生成物またはその機能的断片
をコード化している核酸配列を含む単離された核酸分子に関している。本発明は
配列番号:2−81に示されたアミノ酸配列を持つ実質的に純粋なタンパク質を
コード化している核酸配列を含む単離された核酸分子に関している。
【0009】 本発明はさらに実質的に純粋なCRCA−1翻訳生成物またはその機能的断片
;およびそれを含む医薬組成物にも関している。本発明はさらに配列番号:2−
81に示されたアミノ酸配列を持つ実質的に純粋なタンパク質;およびそれを含
む医薬組成物にも関している。
【0010】 本発明はさらにCRCA−1翻訳生成物上のエピトープに結合する単離された
抗体に関している。本発明はさらに配列番号:2−81に示されたアミノ酸配列
を有するタンパク質上のエピトープに結合する単離された抗体にも関している。
本発明はさらにCRCA−1翻訳生成物上の少なくとも一つのエピトープを含ん
でいる単離されたタンパク質に関している。
【0011】 本発明はさらに個体が転移した結腸直腸癌細胞を有するかどうかを決定するイ
ンビトロ法に関している。本発明は、結腸直腸腫瘍細胞を含む結腸直腸細胞に特
異的である結腸直腸癌特異的転写体またはその翻訳生成物、CRCA−1が結腸
直腸管の外側の細胞により発現されているかどうかを決定するために、個体の非
結腸直腸組織または体液試料を試験するインビトロ法に関している。腸管外のC
RCA−1翻訳生成物またはCRCA−1転写体の存在はCRCA−1発現の指
標であり、個体が転移した結腸直腸癌を有する証拠である。
【0012】 本発明はさらに腫瘍細胞が結腸直腸起源であるかどうかを決定するインビトロ
法にも関している。本発明は個体の癌が結腸直腸癌からのものであるかどうかを
診断するインビトロ法にも関している。本発明は結腸直腸腫瘍細胞を含む結腸直
腸細胞に特異的であるCRCA−1が腫瘍細胞により発現されているかどうかを
決定するために、個体からの腫瘍試料を試験するインビトロ法に関している。C
RCA−1翻訳生成物またはCRCA−1転写体の存在はCRCA−1発現の指
標であり、個体が結腸直腸癌を有する証拠である。
【0013】 本発明はさらに本発明の方法を実施するためのインビトロキットおよび本発明
のそのようなインビトロキット中の成分として有用な試薬および組成物に関して
いる。
【0014】 本発明はさらに活性部分と協同するCRCA−1翻訳生成物結合残基を含む組
成物および化合物;およびそれらを含む医薬組成物に関している。CRCA−1
翻訳生成物結合残基は活性部分にコンジュゲートされていてもよいがコンジュゲ
ートされていなくてもよく、それにはCRCA−1翻訳生成物リガンドをその表
面に含み、および活性成分が中に包み込まれているようなリポソームから成る組
成物が含まれる。活性部分は放射性であってもまたは放射安定性であってもよい
。放射安定性残基はアンチセンス分子であろう。
【0015】 本発明はさらに転移した結腸直腸腫瘍をイメージングする方法および転移した
結腸直腸癌を持つことが疑われる個体を処置する方法に関しており、該方法は本
発明に従った医薬組成物を該患者に投与する工程から成っており、ここで該組成
物またはコンジュゲートされた化合物は結腸直腸癌を患ったヒトにおける治療的
または診断的使用に有効な量で存在している。
【0016】 本発明はさらに結腸の疾患、状態または障害が疑われる個体を処置する、また
はそのような疾患、障害または状態が発生する危険性を持つ個体においてそのよ
うなことを防止する方法に関しており、その方法には医薬として受容可能な担体
または希釈剤を含んでいる医薬組成物およびその表面にCRCA−1翻訳生成物
リガンドを、およびその中に活性成分を含んでいるリポソームから成る非コンジ
ュゲート組成物をそのような個体の結腸に投与する工程が含まれている。
【0017】 本発明はさらに転移した結腸直腸癌細胞を含む個体の結腸細胞に活性な薬剤を
送達する方法に関しており、医薬として受容可能な担体または希釈剤を含んでい
る医薬組成物およびその表面にCRCA−1翻訳生成物リガンドを、およびその
中に活性成分を含んでいるリポソームから成る非コンジュゲート組成物をそのよ
うな個体に投与する工程が含まれている。
【0018】 本発明はさらにCRCA−1翻訳生成物またはその少なくとも一つのエピトー
プを含んでいるタンパク質、および医薬として受容可能な担体または希釈剤から
成るワクチンに関している。本発明はさらにCRCA−1翻訳生成物の少なくと
も一つのエピトープを含んでいるハプテン化されたタンパク質に関している。い
くつかの態様において、ハプテン化されたタンパク質はCRCA−1翻訳生成物
を含んでいる。本発明はさらにそのようなハプテン化されたタンパク質および医
薬として受容可能な担体または希釈剤から成るワクチンに関している。
【0019】 本発明はさらにCRCA−1翻訳生成物またはその少なくとも一つのエピトー
プを含んでいるタンパク質をコード化している核酸分子、およびそのようなもの
を含むベクターおよびワクチンに関している。いくつかの態様において、核酸分
子はプラスミドである。いくつかの態様において、ベクターはウイルスまたは細
菌細胞である。いくつかの態様において、ベクターは組換えワクシニアウイルス
である。
【0020】 本発明はさらにCRCA−1翻訳生成物の少なくとも一つのエピトープを含ん
でいるタンパク質を含む殺されたまたは不活性化された細胞または粒子;および
それらを含んでいるワクチンに関している。いくつかの態様において、殺された
または不活性化された細胞または粒子はCRCA−1翻訳生成物を含んでいる。
いくつかの態様において、殺されたまたは不活性化された細胞または粒子はCR
CA−1翻訳生成物から成っている。いくつかの態様において、殺されたまたは
不活性化された細胞または粒子ベクターは殺されたまたは不活性化された結腸直
腸腫瘍細胞である。いくつかの態様において、殺されたまたは不活性化された細
胞または粒子はハプテン化されている。
【0021】 本発明はさらに転移した結腸直腸癌を患っている個体を処置する方法および転
移した結腸直腸癌が疑われる個体を処置する方法に関している。本発明の方法は
そのような個体にそのようなワクチンの有効量を投与することを提供する。本発
明はさらに免疫治療剤としてのそのようなワクチンの使用に関している。
【0022】 好適な態様の詳細な説明 本出願は1997年8月7日に出願された米国特許出願番号08/908,6
43号(本明細書において援用される)に関連している。
【0023】 定義 本明細書で使用される場合、用語”ST”および”天然ST”は相互交換的に
使用され、大腸菌ならびに他の生物体により産生されるペプチドである熱安定性
毒素(ST)を示すことを意味している。STは天然に存在するペプチドであり
、1)生物体により天然に産生され、2)STレセプターに結合し、3)ST誘
発下痢症を媒介するシグナルカスケードを活性化する。
【0024】 本明細書で使用される場合、用語”STレセプター”、”グアニリルシクラー
ゼCレセプター”および”GCCレセプター”とはSTに結合する、局所的なお
よび転移した結腸直腸癌細胞を含む結腸直腸細胞上に観察されるレセプターを示
すことを意味している。正常な個体において、STレセプターは独占的に腸の細
胞、特に十二指腸、小腸(空腸および回腸)、大腸、結腸(盲腸、上行結腸、横
行結腸、下行結腸およびS状結腸)および直腸の細胞で観察される。
【0025】 本明細書で使用される場合、用語”結腸直腸癌関連転写体(colorect
al cancer−associated transcript)”および
”CRCA−1転写体”とはヒトSTレセプター遺伝子の転写により産生される
STレセプターのmRNAの代替形を示すことを意味している。CRCA−1転
写体はSTレセプターコード化mRNAの配列とは別の配列を有する。CRCA
−1転写体は好適には配列番号:1に示されたヌクレオチド配列を有する。CR
CA−1転写体は局所的なおよび転移した結腸直腸癌細胞を含む結腸直腸細胞上
に観察される。正常な個体において、CRCA−1転写体は独占的に腸の細胞、
特に十二指腸、小腸(空腸および回腸)、大腸、結腸(盲腸、上行結腸、横行結
腸、下行結腸およびS状結腸)および直腸の細胞で観察されている。
【0026】 本明細書で使用される場合、用語”CRCA−1転写体生成物の機能性断片”
で使用されるような用語”機能性断片(functional fragmen
t)”とは完全長配列の核酸分子に関連して機能的であるCRCA−1転写体の
断片を意味している。例えば、機能性断片はオリゴヌクレオチドまたは核酸プロ
ーブ、プライマー、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは核酸分子またはコー
ド化配列として有用であろう。CRCA−1転写体の機能性断片は他の既知の核
酸分子と比較して独特であり、特にCRCA−1転写体の機能性断片はSTレセ
プターmRNAの核酸配列と比較して独特である。ヒトSTレセプタータンパク
質コード化ヌクレオチド配列は図1(配列番号:82)およびF.J.Sauv
age et al.1991 J.Biol.Chem.266:17912
−17918(本明細書において援用される)に示されている。CRCA−1転
写体を発生させる欠失配列は図1に示されている。従って、CRCA−1の機能
性断片はSTレセプターmRNAには観察されない特異的配列を含んでいる。そ
のような独特の配列は欠失の両側の配列を含んでおり、STレセプターmRNA
配列に関して独特の配列を形成している。従って、機能性断片は配列番号:1の
ヌクレオチド110−113を含んでいるであろう。独特の配列はヌクレオチド
110の5’側の5−10またはそれ以上の配列またはヌクレオチド113側の
5−10またはそれ以上の配列をさらに含んでいることが好適である。機能性断
片の配列を持つCRCA−1転写体のオリゴヌクレオチドおよび他の断片は配列
番号:1のヌクレオチド110−113を含んでおり、欠失により形成された独
特の4ヌクレオチド配列の5’および3’側の配列をさらに含んでいてもよい。
例えば、8−28ヌクレオチドを有するPCRプライマーはCRCA−1のため
の独特の配列、即ち、8ヌクレオチドを有する機能性断片はヌクレオチド106
−113または110−117、または中間体配列から発生された8ヌクレオチ
ド配列(即ち、117−114、108−115または109−116)を含ん
でいるであろうし、28ヌクレオチドを有する機能性断片はヌクレオチド配列8
6−113または110−137または中間体配列から発生された28ヌクレオ
チド配列を含んでいるであろう。同様に、CRCA−1転写体の他の機能性断片
は配列番号:1の一部として配列番号:1の110−113を含んでいるであろ
う。CRCA−1特異的プライマーに関して、そのようなプライマーの組は一つ
のCRCA−1転写体の独特の断片および一つの独特のCRCA−1配列に特異
的ではないプライマーを含んでいる(もしそのようなプライマー対がCRCA−
1特異的配列を増幅するために使用できるとすれば)。
【0027】 本明細書で使用される場合、用語”結腸直腸癌関連翻訳生成物(colore
ctal cancer−associated product)”および”
CRCA−1翻訳生成物”とは配列番号:2−81に示された翻訳生成物を示し
ていることを意味している。
【0028】 本明細書で使用される場合、用語”CRCA−1転写体生成物の機能性断片”
で使用されるような用語”機能性断片”とは完全長配列を持つタンパク質性化合
物と同様の様式で機能するCRCA−1転写体生成物の断片を意味している。例
えば、CRCA−1の免疫学的機能性断片は抗CRCA−1翻訳生成物抗体によ
り認識されるエピトープを含んでいる。CRCA−1のリガンド結合性機能性断
片は、CRCA−1翻訳生成物に認識されおよび結合されるリガンドへ結合でき
る構造を形成する配列を含んでいる。
【0029】 本明細書で使用される場合、用語”抗CRCA−1翻訳生成物抗体により認識
されるエピトープ”とは非CRCA−1翻訳生成物のエピトープを認識しない(
即ち、非CRCA−1タンパク質とは交差反応しない)抗CRCA−1翻訳生成
物抗体により認識されるようなエピトープを示している。
【0030】 本明細書で使用される場合、用語”抗体”とは完全で無傷の(intact)
抗体およびそれらのFab断片およびF(ab)2断片を示していることを意味 している。完全で無傷の抗体にはマウスモノクローナル抗体、キメラ抗体および
ヒト化された抗体のようなモノクローナル抗体が含まれる。
【0031】 本明細書で使用される場合、用語”CRCA−1翻訳生成物リガンド”とはC
RCA−1翻訳生成物へ特異的に結合する化合物を示していることを意味してい
る。CRCA−1翻訳生成物へ結合する抗体はタンパク質、ペプチドまたは非ペ
プチドであろう。
【0032】 本明細書で使用される場合、用語”活性薬剤(active agent)”
とは治療剤またはイメージング剤である化合物を示していることを意味している
【0033】 本明細書で使用される場合、用語”放射安定性(radiostable)”
とは放射性改変を行わない、即ち、放射活性でない化合物を示していることを意
味している。
【0034】 本明細書で使用される場合、用語”治療剤(therapeutic age
nt)”とは化学治療剤、毒素、放射線治療剤、標的化剤または放射線増感剤を
示していることを意味している。
【0035】 本明細書で使用される場合、用語”化学治療剤(chemotherapeu
tic)”とは、細胞と接触および/または細胞内へ取り込まれた場合、細胞の
死、細胞分割の阻害または分化の誘導を含む細胞に対する影響を生み出すような
化合物を示していることを意味している。
【0036】 本明細書で使用される場合、用語”毒素(toxin)”とは、細胞と接触お
よび/または細胞内へ取り込まれた場合、細胞の死を起こすような化合物を示し
ていることを意味している。
【0037】 本明細書で使用される場合、用語”放射線治療剤(radiotherape
utic)”とは、細胞と接触および/または細胞内へ取り込まれた場合、細胞
の死を起こすような放射性核種を示していることを意味している。
【0038】 本明細書で使用される場合、用語”標的化剤(targeting agen
t)”とは、他の化合物と結合および/または反応できる化合物を示しているこ
とを意味している。標的化剤は化学治療剤、毒素、酵素、放射線治療剤、抗体ま
たはイメージング剤を標的化剤が関係する細胞へ送達するため、および/または
同時に投与された活性成分を変換またはさらには変形または能力を高めるために
使用される。標的化剤には細胞に局在化する第一の試薬を構成する残基を含んで
おり、それは第二の試薬と接触した場合、どちらかが所望の活性を持つ第三の試
薬へ変換されるか、または第二の試薬を所望の活性を持つ試薬へ変換する。局在
化試薬は所望の活性を持つ薬剤の転移した細胞への曝露を容易にする結果を生じ
させる。
【0039】 本明細書で使用される場合、用語”放射性増感剤(radiosensiti
zing agent)”とは、イオン化放射線の損傷効果に対する細胞の感受
性を増加させる薬剤を示していることを意味している。放射性増感剤はより低い
線量の放射線照射によっても治療的に有効な線量を提供することを可能にする。
【0040】 本明細書で使用される場合、用語”イメージング剤(imaging age
nt)”とは、検出することができる化合物を示していることを意味している。
【0041】 本明細書で使用される場合、用語”CRCA−1翻訳生成物結合部分”とは、
CRCA−1翻訳生成物リガンドを形成するコンジュゲートされた化合物の一部
を示していることを意味している。
【0042】 本明細書で使用される場合、用語”活性部分(active moiety)
”とは、活性薬剤を形成するコンジュゲート化合物の一部を示していることを意
味している。
【0043】 本明細書で使用される場合、用語”コンジュゲート化合物(conjugat
ed compound)”および”コンジュゲート組成物(conjugat
ed composition)”は相互交換的に使用され、CRCA−1翻訳
生成物結合部分および活性部分を含み、CRCA−1翻訳生成物に結合できる化
合物を示していることを意味している。本発明に従ったコンジュゲート化合物は
CRCA−1翻訳生成物リガンドを形成する部分および活性薬剤を形成する部分
を含んでいる。従って、本発明に従ったコンジュゲート化合物はCRCA−1翻
訳生成物へ特異的に結合でき、治療剤またはイメージング剤である部分を含んで
いる。コンジュゲート化合物は架橋剤および/または残基間のスペーサーとして
働く分子を含んでいるであろう。
【0044】 本明細書で使用される場合、用語”架橋剤(crosslinker)””架
橋試薬””コンジュゲート化試薬””カップリング試薬””縮合試薬(cond
ensation reagent)”および”二機能性(bifunctio
nal)架橋剤”は相互交換的に使用され、CRCA−1翻訳生成物リガンドお
よび活性薬剤を結合してコンジュゲート化合物を形成させるために使用された分
子基を示していることを意味している。
【0045】 本明細書で使用される場合、用語”結腸直腸癌”とは、小腸より下の腸管(即
ち、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、およびS状結腸を含む大腸(結腸)
および直腸)の細胞癌により特徴付けられる医学状態として結腸直腸癌を定義し
ている広く受け入れられている医学定義を含んでいることを意味している。加え
て、本明細書で使用される場合、用語”結腸直腸癌”とは、さらに十二指腸およ
び小腸(空腸および回腸)の細胞癌により特徴付けられる医学状態も含んでいる
ことを意味している。本明細書で使用される結腸直腸癌の定義は通常の医学定義
よりも広範囲であるが、十二指腸および小腸の細胞もCRCA−1翻訳生成物を
含んでおり、従って本発明の化合物を用いる本発明の方法で検査することができ
るのでそれとして提供されている。
【0046】 本明細書で使用される場合、用語”転移(metastasis)”とは、一
つの器官または体の一部を起源とする癌細胞が体の別の部分に移動し、複製を続
ける過程を示していることを意味している。転移した細胞はその後腫瘍を形成し
、それはさらに転移する。それ故、転移とは本来発生した体の部分から体の別の
部分への癌の広がりを意味している。本発明は転移した結腸直腸癌細胞へ活性薬
剤を送達する方法に関している。
【0047】 本明細書で使用される場合、用語”転移結腸直腸癌細胞”とは、転移した結腸
直腸癌細胞;十二指腸、小腸(空腸および回腸)、盲腸、上行結腸、横行結腸、
下行結腸、およびS状結腸を含む大腸(結腸)および直腸以外の体の一部に局在
化した結腸直腸癌細胞を示していることを意味している。
【0048】 本明細書で使用される場合、用語”非結腸直腸試料”および”腸外試料”とは
相互交換的に使用され、結腸直腸組織以外の起源を持つ組織または体液試料を示
していることを意味している。いくつかの好適な態様において、非結腸直腸試料
はリンパ節のような組織試料である。いくつかの好適な態様において、非結腸直
腸試料は起源が確認されていない腺癌である腸外組織の試料である。いくつかの
好適な態様において、非結腸直腸試料は血液試料である。
【0049】 本明細書で使用される場合、用語”起源が確認されていない腺癌を患っている
個体”とは、起源が明確に同定されていない腫瘍を有する個体を示していること
を意味している。
【0050】 本明細書で使用される場合、用語”個体が転移結腸直腸癌に感受性があると疑
われている”とは、転移結腸直腸癌が発生する特別の危険性を有する個体を示し
ていることを意味している。転移結腸直腸癌が発生する特別の危険性を有する個
体の例は家族病歴が家族メンバーの間での結腸直腸癌の発生率が平均より上であ
ることが示される個体および/または結腸直腸癌がすでに発生し、有効に処置さ
れたが再発および反復の危険性に面している個体である。
【0051】 本明細書で使用される場合、用語”アンチセンス組成物”および”アンチセン
ス分子”は相互交換的に使用され、DNAまたはRNAへハイブリダイズし、お
よび転写または翻訳が起こることを阻害および/または防止することにより転写
または翻訳を調節する化合物を示していることを意味している。アンチセンス分
子には核酸分子および誘導体およびそれらの類似体が含まれる。アンチセンス分
子は核酸分子または誘導体または類似体であるかどうかに関わらず、相補的ヌク
レオチド配列が行うのと同一の様式でアンチセンス分子はDNAまたはRNAに
ハイブリダイズする。アンチセンス分子はその発現が結腸直腸癌に関係している
遺伝子の転写または翻訳を阻害または防止する。
【0052】 本明細書で使用される場合、用語”CRCA−1免疫原”とは、一つまたはそ
れ以上のCRCA−1翻訳生成物またはその断片または同一のまたはそのハプテ
ン化生成物を含むタンパク質、少なくとも一つのCRCA−1エピトープを示す
細胞および粒子、および少なくとも一つのCRCA−1エピトープを示すハプテ
ン化細胞およびハプテン化粒子を示していることを意味している。
【0053】 本明細書で使用される場合、用語”組換え発現ベクター”とは、適当な宿主に
導入された場合、該タンパク質をコードしているコード化配列の発現を指示する
のに必要な遺伝子要素を含んでいるプラスミド、ファージ、ウイルス粒子または
他のベクターを示していることを意味している。コード化配列は必要な調節配列
に作動可能なように結合されている。発現ベクターはよく知られており、容易に
入手可能である。発現ベクターの例としては、宿主細胞を形質転換し、コード化
配列の発現を容易にするのに有用なプラスミド、ファージ、ウイルス粒子および
他の核酸分子または賦形剤を含んでいる核酸分子が挙げられる。
【0054】 本明細書で使用される場合、用語”異常な転写”とは、他の組織からの細胞に
おける組織特異的遺伝子の低レベルのまたはバックグラウンド発現を示している
ことを意味している。異常な転写の現象はそれ故他の組織における組織特異的転
写のためのmRNAのコピーを提供する。遺伝子発現を検出するために使用され
た検出技術が異常な転写を検出するのに十分な感度であるならば、異常な転写に
よる陰性試料中の転写の発現レベルは、対照および/または定量的アッセイおよ
び/または異常転写による偽陽性の発生を除去するための他の手段を用いて差し
引かなければならない。もしくは、試料中のCRCA遺伝子発現証拠の検出は、
異常な転写により存在するCRCA転写体を検出することなく達成される。これ
は、バックグラウンドとして存在する異常な転写により存在するCRCA転写体
を検出するには十分な感度をもたない技術を使用することにより達成される。
【0055】 STレセプターおよびCRCA−1 腸粘膜に由来する癌腫はその細胞表面にSTレセプターを発現し続ける。転移
腫瘍によるSTレセプターの発現は、このタンパク質およびそのmRNAを腸外
組織および血液における転移結腸直腸癌細胞の存在の特異的バイオマーカーとす
ることを可能とする。実際、この特性は結腸直腸癌を有する患者の進度決定、お
よび血液中の再発性疾患の証拠として手術後の患者を追跡する診断試験としての
RT−PCR分析によるSTレセプターmRNAの検出を可能にしている。さら
に、STレセプターはインビボにおいて活性薬剤を転移結腸直腸腫瘍細胞へ送達
するため、活性薬剤にコンジュゲートされたリガンドの標的とされるであろう。
【0056】 Waldmanにより1996年5月21日に公開された米国特許第5,51
8,888号、1994年10月26日に出願されたPCT/US94/122
32、1995年6月6日に出願された米国特許出願第08/467,920号
および1996年1月5日に出願された米国特許出願第08/583,447号
(各々本明細書において援用される)は転移した結腸直腸腫瘍はSTレセプター
を標的とすることにより活性化合物の送達を標的化することができることを開示
している。結腸直腸癌のマーカーとしての腸管外部細胞上のSTレセプターの存
在は転移結腸直腸腫瘍についての個体のスクリーニング、同定および処置を可能
にしている。STレセプターはまた、結腸直腸細胞への遺伝子治療剤およびアン
チセンス化合物の標的化送達にも使用されるであろう。
【0057】 Waldmanにより1997年2月11日に公開された米国特許第5,60
1,990号、1994年10月26日に出願されたPCT/US94/122
32、および1997年5月2日に出願されたPCT出願PCT/US97/0
7467(各々本明細書において援用される)は腸管外部からの組織および血液
試料中のSTレセプター発現の証拠は転移結腸直腸癌を示していることを開示し
ている。
【0058】 PCT出願PCT/US97/07467(本明細書において援用される)は
STレセプターと反応する抗体により標的化できるエピトープを持つ免疫原は、
予防的および治療的抗転移結腸直腸癌組成物として有用なワクチン組成物に使用
できることを開示している。
【0059】 最近、ヒト結腸癌腫細胞から単離されたSTレセプターの別の形のmRNAが
同定された。このmRNAはSTレセプターのコード化領域中の最初のエキソン
にかなりの核酸欠失を有する。この欠失はもはやSTレセプターのアミノ酸配列
をコード化しないようなコード化領域のフレームシフトを生じている。しかしな
がら、この別のスプライス変異mRNAはSTレセプターと相等しい発現の選択
的パターンを示すようである。この新しく同定されたmRNAは正常腸粘膜細胞
、ヒト結腸直腸腫瘍でのみ検出されており、腸外組織では検出されていない。さ
らに、この新しく同定されたmRNAの発現はSTレセプターmRNAと別に、
RT−PCR分析により検出できる。従って、本発明は結腸直腸癌を持つ患者の
診断、進度決定および手術後のサーベイランスのための特異的分子診断マーカー
としてこの結腸直腸癌関連転写体(CRCA−1)の使用を提供する。
【0060】 新しく同定されたCRCA−1は結腸直腸癌を持つ患者の診断、進度決定およ
び手術後のサーベイランスのための高度に特異的なマーカーであるようである。
RT−PCRを含む分子技術(これに制限されるわけではない)を用いるCRC
A−1発現の検出は患者の診断および進度決定、手術後の再発の発生の追跡、お
よび潜在的な結腸直腸癌の発生に関して正常のヒトのスクリーニングのために用
いることができる。
【0061】 CRCA−1転写生成物のヌクレオチド配列は配列番号:1に示されている。
結腸直腸起源の細胞はCRCA−1転写生成物の存在または不在を検出すること
に基づいて他起源の細胞から区別される。
【0062】 CRCA−1転写生成物の翻訳により一つまたはそれ以上の翻訳生成物が生成
されることも発見されている。転写生成物は翻訳を始めることができる多数の開
始コドンを含んでおり、多数の翻訳生成物を発生させる。CRCA−1翻訳生成
物のアミノ酸配列は配列番号:2−81に示されている。結腸直腸起源の細胞は
一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物の存在または不在を検出すること
に基づいて他起源の細胞から区別される。
【0063】 STレセプターは腸管を裏打ちしている細胞の先端刷子縁膜にのみ局在化して
いることで独特である。実際、それらは胎盤性哺乳類の他のどんな細胞型にも観
察されない。加えて、STレセプターはほとんど独占的に先端膜に局在化してお
り、腸細胞側面の側底膜にほんのわずか観察される。STレセプター同様に、C
RCA−1の発現も同様に局在化している。
【0064】 腸を裏打ちしている粘膜細胞は堅い結合によりお互いに連結されており、それ
は血流内への腸内容物のおよび血流成分の腸内腔への通過に対する障壁を形成し
ている。従って、STレセプターおよびCRCA−1単離物を発現している細胞
が先端に位置していることは、それらの細胞が循環系から隔離されていることに
なり、それらは体の残りの部分と分離されて存在していると考えられる。従って
、体の残りの部分は腸管の”外側”と考えられる。腸管の”外側”に投与された
組成物は通常STレセプターを発現する細胞だけから離れておよび分離されて維
持されている。逆に、腸管の外側からとられた組織試料は通常はSTレセプター
およびCRCA−1を発現する細胞を含んでいない。
【0065】 結腸直腸癌を患っている個体において、癌細胞はしばしばSTレセプターを産
生および示す細胞に由来しており、これらの癌細胞はその細胞表面にSTレセプ
ターを産生および示し続ける。CRCA−1は結腸直腸癌細胞により発現される
ことが観察されている。
【0066】 そのような癌細胞が転移した場合、転移した癌細胞はSTレセプターを産生お
よび示し続ける。転移腫瘍細胞によるCRCA−1の発現は、インビトロでのス
クリーニング、診断、モニタリングおよび進度決定のための検出可能な標的なら
びにイメージングおよび処置のための活性薬剤を含むコンジュゲート組成物のイ
ンビボ送達のための標的を提供する。
【0067】 本発明は単離されたCRCA−1翻訳生成物に関している。本発明は単離され
たCRCA−1転写体に関している。本発明はそのような生成物に特異的な単離
された抗体、およびそのような抗体を生成するハイブリドーマに関している。単
離された翻訳生成物またはそれらの機能性断片は本発明に従った抗体を発生させ
るのに有用である。本発明のいくつかの態様において、該翻訳生成物をコード化
している核酸分子が提供される。核酸分子は抗体を発生させるのに使用されるタ
ンパク質を生成するために有用である。
【0068】 インビトロ診断 本発明のいくつかの態様に従うと、CRCA−1の発現が結腸直腸癌の転移の
指標である、腸管の外側の細胞によるCRCA−1発現の証拠を検出するために
患者および患者試料をスクリーニング、診断および分析するための組成物、キッ
トおよびインビトロ法が提供される。さらに、本発明は、CRCA−1を発現す
る細胞の存在が腫瘍が結腸直腸癌起源であることを示すおよび/または確認され
る腸管の外側の腫瘍細胞によるCRCA−1発現の証拠を検出するための患者お
よび患者試料のインビトロスクリーニング、診断および分析に有用な方法、組成
物およびキットに関している。本発明の別の態様において、結腸直腸細胞の可視
化に有用である組成物、キットおよび方法が提供される。結腸組織からの組織試
料を分析するそのような組成物、キットおよび方法は結腸直腸腫瘍細胞の粘膜固
有層への転移または侵襲の程度を評価できる。
【0069】 インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、局在化し
た疾患および/または転移した疾患を持つと診断されている、および/または遺
伝的にこの疾患に関連がある個体のモニタリングに使用できる。インビトロスク
リーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、癌が転移したかどうかを決
定するため、局在化した結腸直腸癌を処置中のおよび/または処置された個体の
モニタリングに使用できる。インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法
およびキットは、転移した癌が除去されたかどうかを決定するために転移した結
腸直腸癌を処置中のおよび/または処置された個体のモニタリングに使用できる
。インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、感受性の
ある、即ち、遺伝子スクリーニングおよび/または家族歴などにより遺伝的にか
かりやすいと同定された個体のモニタリングに使用できる。遺伝学の理解の進歩
、技術の発達ならびに疫学は、個体が結腸直腸癌を発生する可能性および危険度
評価の決定を可能にしている。家族健康歴および/または遺伝子スリーニングを
使用して、特定の個体が結腸直腸癌を含んだ癌のある種の型を発生する可能性を
見積もることが可能である。特定の型の癌を発生しやすいと同定された個体は、
転移した結腸直腸癌の証拠を検出するためにモニターまたはスクリーニングでき
る。そのような証拠の発見により、疾患と戦うための早期の処置をとることがで
きる。従って、転移結腸直腸癌を発生する危険を持つ個体が同定され、そのよう
な個体から試料が単離される。本発明は、結腸直腸癌を患った親戚を含む家族病
歴を有すると同定された個体をモニタリングするために特に有用である。同様に
、本発明は結腸直腸癌を有すると診断されたおよび特に、処置されて腫瘍が除去
されたおよび/またはもしくは緩解を経験している個体(転移した結腸直腸癌が
処置された個体を含んで)をモニターするために特に有用である。
【0070】 インビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、腫瘍の分
析に使用できる。CRCA−1の発現は細胞型のマーカーであり、未確認起源腺
腫の起源の同定を可能にするとともに、確認されるべき結腸直腸癌の初期診断を
可能にする。起源が結腸直腸であると信じられた腫瘍は本発明の組成物、方法お
よびキットを使用して確認できる。本発明は腫瘍が結腸直腸起源であることを確
認することにより結腸直腸癌の診断を確定するために使用できる。同様に、起源
が未知の腫瘍は本発明の組成物、方法およびキットを使用して起源が結腸直腸で
あることを分析および同定できる。本発明は起源が未知の腺腫を患っている個体
から除去された腫瘍試料中の結腸直腸腫瘍を同定するために使用できる。
【0071】 本発明のインビトロスクリーニングおよび診断組成物、方法およびキットは、
結腸直腸腫瘍細胞の粘膜固有層内への転移または侵襲の程度を評価するために、
結腸組織からの組織試料を分析するために使用できる。粘膜固有層は腸管および
体の残りの部分間の障壁を意味している;Bailey’s Textbook
of Histology、16版、Coperhaven et al.,
1975 Williams and Wilkens,Baltimore
MD ページ404(本明細書において援用される)を参照されたい。粘膜固有
層細胞中のCRCA−1転写体または翻訳生成物の存在を同定することにより、
非結腸直腸組織内への結腸直腸腫瘍細胞の侵襲/湿潤の程度が評価および確認で
きる。
【0072】 本発明に従うと、CRCA−1転写体または翻訳生成物へ結合する化合物が提
供される。体の正常組織は腸管の細胞を除いてCRCA−1転写体または翻訳生
成物を持っていない。転移した結腸直腸細胞は非結腸直腸試料中のCRCA−1
転写体または翻訳生成物を検出することにより同定される。CRCA−1の発現
は細胞型のマーカーであり、腸外試料中の結腸直腸転移の同定を可能にする。C
RCA−1転写体または翻訳生成物は粘膜固有層内への結腸直腸腫瘍細胞の侵襲
の程度を評価するため、内腔の他の細胞からの結腸直腸由来細胞を可視化するた
めに使用されるであろう。
【0073】 本発明のいくつかの態様において、非結腸直腸組織および体液試料または腫瘍
試料がCRCA−1翻訳生成物の存在または不在を同定するためにスクリーニン
グされる。ELISAアッセイおよびウェスタンブロットのような技術が一つま
たはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物が試料中に存在するかどうかを決定する
ために使用される。
【0074】 本発明のいくつかの態様において、非結腸直腸組織および体液試料または腫瘍
試料が、CRCA−1翻訳生成物の存在または不在を検出することにより腸管の
外側の細胞中に一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物が発現されている
かどうかを同定するためにスクリーニングされる。CRCA−1転写体またはそ
れから発生されたcDNAの存在は、PCR増幅、分岐オリゴヌクレオチド技術
、ノーザンブロット(mRNA)、サザンブロット(cDNA)またはオリゴヌ
クレオチドハイブリダイゼーションのような技術を使用して決定できる。
【0075】 本発明のいくつかの態様において、非結腸直腸組織試料または腫瘍試料の細胞
は一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物の存在または不在を同定するた
めに試験される。免疫組織化学的ブロットのような技術が試料中に一つまたはそ
れ以上のCRCA−1翻訳生成物が存在するかどうかを決定するために組織切片
に対して実施される。
【0076】 本発明のいくつかの態様において、CRCA−1転写体の存在または不在を検
出することにより腸管の外側の細胞中に一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳
生成物が発現されているかどうかを決定するために非結腸直腸組織および体液試
料または腫瘍試料が試験される。組織切片の細胞中のCRCA−1転写体または
それらより発生されるcDNAの存在は、in situハイブリダイゼーショ
ンのような技術を用いて決定できる。
【0077】 非結腸直腸組織および体液試料中、または非結腸直腸組織試料からの細胞上の
一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物の存在は結腸直腸腫瘍転移を示し
ている。腫瘍試料中または腫瘍細胞上の一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳
生成物の存在は、腫瘍が結腸直腸起源であることを示している。非結腸直腸組織
および体液試料中、または非結腸直腸組織試料からの細胞中のCRCA−1転写
体の存在は結腸直腸腫瘍転移を示している。腫瘍試料および腫瘍細胞中のCRC
A−1転写体の存在は、腫瘍が結腸直腸起源であることを示している。
【0078】 本発明のいくつかの態様は、粘膜固有層中の腫瘍細胞の転移的移動を評価し、
基底膜内への結腸直腸腫瘍細胞の侵襲レベルを示すための方法およびキットに関
している。本発明のいくつかの態様において、粘膜固有層の切片を含む組織試料
は結腸直腸腫瘍を除去するための手術を受けているまたは手術から回復している
個体から単離された。組織は新生生物的結腸直腸細胞による粘膜固有層の基底膜
内への侵襲の程度を決定するために分析される。一つまたはそれ以上のCRCA
−1翻訳生成物の存在または不在の同定は、転移を示している基底膜内への腫瘍
細胞の移動の評価を確定する。転移的移動の指標である一つまたはそれ以上のC
RCA−1翻訳生成物が組織試料中の細胞中に存在するかどうかを決定するため
に免疫組織化学的アッセイのような技術が実施される。もしくは、本発明のいく
つかの態様において、粘膜固有層を含む組織試料はCRCA−1転写体の存在ま
たは不在を検出することにより、一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物
が組織試料中の細胞で発現されているかどうか(転移的移動を示している)を同
定するために分析される。CRCA−1転写体またはそれらより発生されるcD
NAの存在は、in situハイブリダイゼーションのような技術を用いて決
定できる。
【0079】 腫瘍からの試料は本発明の方法を使用して一つまたはそれ以上のCRCA−1
翻訳生成物の発現を同定することにより結腸直腸起源であると同定されるであろ
う。起源が確認されていない腺腫を患っている個体から除去された腫瘍試料は、
それらが一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物またはCRCA−1転写
体を有するかどうかを決定するために試験できる。もし試料が腸管から除去され
たならば、腫瘍細胞が一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物を発現して
いるかどうかを決定するために凍結細胞の切片が試験できる。もし細胞が腸組織
以外から除去されたならば、腫瘍細胞が一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳
生成物を発現しているかどうかを決定するために凍結細胞の切片が試験でき、ま
たは非癌細胞は一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物を持っていないで
あろうし、それ故バックグランドには存在しないので、試料を均一化させて試験
できる。
【0080】 試料は切除された組織または針バイオプシーを含むバイオプシー材料から得ら
れる。外科病理学のための組織切片調製試料は凍結され、標準技術を用いて調製
される。組織切片に対する免疫組織化学およびin situハイブリダイゼー
ション結合アッセイは固定された細胞で実施された。腸以外の試料は超音波処理
、機械的破壊または界面活性剤溶解のような化学的溶解により均一化された。血
液、尿、リンパ液、脳脊髄液、羊水、膣液、精液および便試料のような体内の腫
瘍試料もまたそのような腫瘍が結腸直腸起源であるかどうかを決定するためにス
クリーニングすることも企図された。
【0081】 非結腸直腸組織試料は結腸直腸管、即ち、小腸より下の腸管(即ち、盲腸、上
行結腸、横行結腸、下行結腸、およびS状結腸を含む大腸(結腸)および直腸)
およびさらに十二指腸および小腸(空腸および回腸)の組織を除いた任意の組織
から得られる。結腸直腸管を除いたすべての組織の細胞は一つまたはそれ以上の
CRCA−1翻訳生成物を発現しない。それ故、非結腸直腸試料中に一つまたは
それ以上のCRCA−1翻訳生成物またはCRCA−1転写体が検出されたら、
転移した結腸直腸癌細胞の存在が示唆される。いくつかの好適な態様において、
組織試料はリンパ節である。
【0082】 組織試料はバイオプシー針の使用を含む標準外科技術により得られるであろう
。当業者は一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物が試験される種々の試
験試料を容易に理解し、組織試料を得るための方法を認識するであろう。
【0083】 組織試料は超音波処理、機械的破壊または界面活性剤溶解のような化学的溶解
またはこれらの組み合わせのようなよく知られた技術により一つまたはそれ以上
のCRCA−1翻訳生成物の存在をスクリーニングするために均一化または別の
方法で調製される。
【0084】 体液試料の例には血液、尿、リンパ液、脳脊髄液、羊水、膣液および精液が含
まれる。いくつかの好適な態様において、血液が体液試料として使用される。細
胞は例えば遠心分離により液体試料から分離される。当業者は一つまたはそれ以
上のCRCA−1翻訳生成物が試験される種々の試験試料を容易に理解するであ
ろう。試験試料は注射器での液体の引き出しまたはスワブによるような方法によ
り得られるであろう。当業者は試験試料を得るための他の方法を容易に認識する
であろう。
【0085】 血液試料を用いるアッセイにおいて、血液血漿が血液細胞から分離されるであ
ろう。血液血漿は、一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物が転移結腸直
腸腫瘍細胞から引き離されたまたは脱け落ちた場合に血液内へ放出される端が切
断されたタンパク質を含む一つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物がスク
リーニングされる。いくつかの態様において、血液細胞分画が転移した結腸直腸
腫瘍細胞の存在でスクリーニングされる。いくつかの態様において、血液細胞分
画に存在するリンパ球が、細胞を溶解し、および血液細胞により吸い込まれた転
移結腸直腸腫瘍細胞の存在の結果として存在する一つまたはそれ以上のCRCA
−1翻訳生成物またはCRCA−1転写体の存在を検出することによりスクリー
ニングされた。
【0086】 内腔組織の分析に関連する本発明の態様においては、手術患者から腫瘍部位か
らまたは近辺から採られた内腔試料を使用して結腸直腸腫瘍細胞の転移的移動の
レベルを評価するのに本発明は有用である。本発明のいくつかの態様は、細胞を
特徴付けるためおよび評価するために外科的病理学により日常的に調製される固
定された切片である組織試料を分析する方法を提供する。いくつかの態様におい
て、細胞は粘膜固有層からのものであり、結腸直腸腫瘍細胞の転移の程度を決定
および評価するために分析される。粘膜固有層は結腸直腸管および体の残りの部
分間の障壁を意味している。粘膜固有層の細胞中のCRCA−1転写体または一
つまたはそれ以上のCRCA−1翻訳生成物の存在を同定することにより、非結
腸直腸組織内への結腸直腸腫瘍細胞の侵襲/湿潤の程度が評価できる。いくつか
の態様において、細胞はバイオプシーにより除去されるかまたは起源が未知の腺
腫であり、それらは結腸直腸腫瘍細胞であるかどうかを決定および評価するため
に分析される。いくつかの態様において、細胞は結腸直腸起源であると疑われる
腫瘍からであり、本発明の方法、組成物およびキットが腫瘍細胞の起源の同定を
確認するために使用される。
【0087】 粘膜固有層の試料は切除または結腸鏡検査法によるような結腸直腸腫瘍除去手
術の間に取り出される。基底膜細胞を含んでいる試料は凍結される。もし免疫組
織化学またはin situハイブリダイゼーションが実施されるべきであれば
、凍結切片が染色され、アッセイが行われる。当業者は容易に粘膜固有層部分を
含む試料を単離し、標準技術を使用して固定および染色できる。CRCA−1検
出技術で提供される可視化を加えることにより、切片はより幅広く分析でき、粘
膜固有層内への新生物的結腸直腸細胞の侵襲レベルが決定できる。原発性または
非転移性結腸直腸腫瘍がもし粘膜の下にある基底膜を貫いて粘膜下組織へ達して
いたら、局在化結腸直腸腫瘍の進行の程度を分析および評価するために本発明が
使用されるであろう。
【0088】 本発明の態様にはCRCA−1転写体を検出するためのヌクレオチド配列に基
づいた分子分析による、CRCA−1を発現する細胞を試料が含んでいるかどう
かを決定するための種々の方法が含まれている。そのようなことを実施するため
に利用可能ないくつかの異なった方法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技
術、分岐オリゴヌクレオチド技術、ノーザンブロット技術、オリゴヌクレオチド
ハイブリダイゼーション技術およびin situハイブリダイゼーション技術
が含まれる。
【0089】 本発明はCRCA−1転写体を同定するための方法で使用されるオリゴヌクレ
オチドプローブおよびプライマーおよびそのような成分を含む診断キットに関し
ている。
【0090】 CRCA−1転写体を検出するためのmRNA配列に基づいた方法にはポリメ
ラーゼ連鎖反応技術、分岐オリゴヌクレオチド技術、ノーザンおよびサザンブロ
ット技術、in siteハイブリダイゼーション技術およびオリゴヌクレオチ
ドハイブリダイゼーション技術が含まれるがそれらに制限されるわけではない。
【0091】 本明細書に記載されている方法は本発明がどのように実行されるかの例示を意
味しており、本発明の範囲を制限することを意味しているわけではない。非結腸
直腸試料中のCRCA−1転写体の存在を検出するための他の配列に基づいた方
法論も本発明に従って利用されることが考えられている。
【0092】 非結腸直腸試料に由来する遺伝子材料中のCRCA−1転写体を検出する好適
な方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用している。PCR技術は当
業者には日常的に実施されており、診断におけるその使用はよく知られており、
受け入れられている。PCR技術を実施するための方法は”PCR Proto
cols;A Guide to Methods and Applicat
ions”,Innis,M.A.et al.Eds.Academic P
ress,Inc.San Diego,CA(1990)(本明細書において
援用される)に記載されている。PCR技術の応用は”Polymerase
Chain Reaction”Erlich,H.A.,et al.,Ed
s.Cold Spring Harbor Press,Cold Spri
ng,Harbor,NY(1989)(本明細書において援用される)に記載
されている。米国特許第4,683,202号、米国特許第4,683,195
号、米国特許第4,965,188号および米国特許第5,075,216号(
各々本明細書において援用される)はPCRを実施する方法を記載している。P
CRはPerkin Elmer Cetus GENE AMP RNA P
CRキット、製品番号第N808−0017号を使用して日常的に実施される。
【0093】 PCR技術はRNAまたはDNA分子中に存在する配列へハイブリダイズする
5’および3’プライマーを提供し、さらに遊離のヌクレオチドおよびプライマ
ー間のヌクレオチド配列へ遊離のヌクレオチドを相補的塩基で満たしてDNAの
相補鎖を産生する酵素を提供することによりDNA配列の多数のコピーを急速に
発生させることを可能にする。酵素はプライマーに隣接する相補的配列を満たす
であろう。もし5’プライマーおよび3’プライマーが核酸の同一の小さな断片
上のヌクレオチド配列にハイブリダイズすると、特異的二重鎖サイズの生成物の
指数的増幅が起こる。もし、単一のプライマーのみが核酸断片にハイブリダイズ
すると直線的増幅で種々の長さの一本鎖生成物が生成される。
【0094】 PCRプライマーは配列情報を使用して当業者が日常的に設計できる。CRC
A−1転写体のヌクレオチド配列は配列番号:1に示されている。この方法を実
施するには、RNAが試料中の細胞から抽出されて試験されるか、またはよく知
られた方法および容易に入手可能な出発物質を用いたcDNAの作製に使用され
る。当業者は容易にPCRプライマーを調製できる。抽出されたmRNAまたは
それらから発生させたcDNAに対してPCRを実施する場合、もしCRCA−
1転写体またはそれらから発生させたcDNAが存在するならば、mRNAまた
はcDNAの多数のコピーが作製されるであろう。もしそれが存在しないならば
、PCRは個別的な検出可能生成物を発生しないであろう。プライマーは一般に
8−50ヌクレオチド、好適には約15−35ヌクレオチド、より好適には18
−28ヌクレオチドであり、それらはCRCA−1転写体またはそれらから発生
させたcDNAに同一または相補的であり、従ってそれらにハイブリダイズする
。好適な実施態様において、プライマーは配列番号:1の各々15−35ヌクレ
オチド、より好適には18−28ヌクレオチド断片である。プライマーは増幅さ
れるべき配列にハイブリダイズしなければならない。典型的なプライマーは18
−29ヌクレオチド長であり、一般的に50%から60%のG+C組成を有する
。全プライマーは好適にはそれがハイブリダイズしなければならない配列と相補
的である。好適には、プライマー100塩基対から2000塩基対のPCR生成
物を発生する。しかしながら、50から10kbおよびそれ以上の生成物を発生
させることが可能である。もしmRNAが鋳型として使用されるならば、プライ
マーはmRNA配列にハイブリダイズしなければならない。もしcDNAが鋳型
として使用されるならば、プライマーはcDNA配列にハイブリダイズしなけれ
ばならない。少なくとも一つのプライマーは、STレセプタータンパク質をコー
ド化しているmRNAに観察されない特有のヌクレオチド配列へハイブリダイズ
する。
【0095】 mRNAまたはcDNAは標準PCRプロトコールに従ってプライマー、遊離
ヌクレオチドおよび酵素と混合される。混合物は一連の温度変化を行う。もしC
RCA−1転写体またはそれらから発生させたcDNAが存在するならば、即ち
、もし両方のプライマーが同一の分子上の配列へハイブリダイズするならば、プ
ライマーおよび間に挟まった相補的配列は指数的に増幅されるであろう。増幅さ
れたDNAは種々のよく知られた手段により容易に検出できる。もしCRCA−
1転写体またはそれらから発生させたcDNAが存在しないならば、PCR生成
物は指数的に増幅されないであろう。従って、PCR技術は試料中のCRCA−
1転写体を検出する非常に簡単で、直接的で信頼できる方法を提供する。
【0096】 PCR生成物はいくつかのよく知られた手段により検出される。増幅されたD
NAの存在を検出するための好適な方法は、PCR反応物をゲル電気泳動で分離
し、増幅されたDNAがもし存在するならば可視化するためにエチジウムブロミ
ドでゲルを染色する方法である。好適には対照として増幅されたDNAに期待さ
れるサイズのサイズ標準がゲルで流される。
【0097】 異常に少量のRNAが回収されおよび少量のcDNAのみがそれらから発生さ
れるようないくつかの例において、第一の反応生成物に対してPCR反応を実施
することが望まれるまたは必要とされる。即ち、第一の反応によって生成された
増幅DNAの量を検出するのが困難であれば、第一の増幅DNAのDNA配列の
多数のコピーを作製するために第二のPCRが実施できる。第二のPCR反応に
おいてはプライマーの入れ子になった組が使用される。入れ子になったプライマ
ーの組は最初の反応で使用された5’プライマーの下流および3’プライマーの
上流の配列にハイブリダイズする。
【0098】 本発明はCRCA−1転写体またはそれらから発生させたcDNAを増幅する
ためのPCR法の実施のためのプライマーとして有用であるオリゴヌクレオチド
を含んでいる。
【0099】 本発明に従うと、非結腸直腸試料中のCRCA−1転写体またはそれらから発
生させたcDNAの存在を検出するための方法の実施に有用である診断キットを
組み立てることができる。そのような診断キットはPCR法の実施のためのプラ
イマーとして有用であるオリゴヌクレオチドを含んでいる。本発明に従った診断
キットは増幅されたDNAの存在を検出するために使用されるゲル上で標品とし
て流されるサイズマーカーを含んでいる容器を含んでいることが好適である。サ
イズマーカーはCRCA−1転写体またはそれらから発生させたcDNAの存在
下でプライマーにより発生されたDNAと同一のサイズである。いくつかのキッ
トの追加の構成要素にはアッセイを実施するための説明書が含まれる。さらに、
キットは随意に陽性および陰性の結果の様子を示す叙述または写真を含んでいて
もよい。
【0100】 PCRアッセイは均一化組織試料および体液試料中の細胞におけるCRCA−
1転写体を検出するために有用である。体液試料の血漿部分に対するPCRがC
RCA−1転写体を検出するために使用できることが期待される。
【0101】 試料がCRCA−1を発現している細胞を含んでいるかどうかを決定する別の
方法は、試料から抽出されたmRNAの分岐鎖オリゴヌクレオチドハイブリダイ
ゼーション分析によるものである。分岐鎖オリゴヌクレオチドハイブリダイゼー
ションは米国特許第5,597,909号、米国特許第5,437,977号お
よび米国特許第5,430,138号(各々本明細書において援用される)に記
載されているように実施される。試薬はこれらの特許の教えおよびCRCA−1
転写体の配列に従って設計される。
【0102】 試料がCRCA−1を発現している細胞を含んでいるかどうかを決定する別の
方法は、非結腸直腸試料から抽出されたmRNAのノーザンブロット分析による
ものである。ノーザンブロット分析を実施するための技術は当業者にはよく知ら
れており、Samnrook,J.at al.,(1989)Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual,Cold
Spring Harbor Laboratory Press,Cold
Spring Harbor,NYに記載されている。mRNA抽出、mRNA
の電気泳動的分離、ブロッティング、プローブ調製およびハイブリダイゼーショ
ンはすべてよく知られた技術であり、容易に利用可能な出発物質を用いて日常的
に実施できる。
【0103】 mRNAはポリdTカラムを用いて抽出され、電気泳動により分離され、例え
ば、ニトロセルロースペーパーに移された。単離された特異的断片または断片類
から作製された標識化プローブがペーパー上に固定された相補的断片の存在の可
視化に使用できる。ノーザンブロットにおいてmRNAの同定に有用なプローブ
はCRCA−1転写体と相補的であるヌクレオチド配列を有する。当業者は、そ
のようなプローブを設計するためまたはプローブとして使用すべきCRCA−1
転写体またはそれらから発生させたcDNAを単離およびクローン化するために
配列番号:1の配列情報を使用することができる。そのようなプローブは少なく
とも15ヌクレオチド、好適には30−200、より好適には40−100ヌク
レオチド断片であり、全CRCA−1転写体であってもよい。
【0104】 本発明に従うと、ノーザンブロット分析により、非結腸直腸試料中のCRCA
−1転写体の存在を検出するための方法の実施に有用である診断キットを組み立
てることができる。そのような診断キットはmRNAへハイブリダイズするため
のプローブとして有用であるオリゴヌクレオチドを含んでいる。プローブは放射
性標識されているであろう。本発明に従った診断キットはゲル上で標品として流
されるサイズマーカーを含んでいる容器を含んでいることが好適である。本発明
に従った診断キットはプローブへハイブリダイズするであろう陽性対照を含んで
いる容器を含んでいることが好適である。いくつかのキットの追加の構成要素に
はアッセイを実施するための説明書が含まれる。さらに、キットは随意に陽性お
よび陰性の結果の様子を示す叙述または写真を含んでいてもよい。
【0105】 ノーザンブロット分析は均一化組織試料および体液試料中の細胞におけるCR
CA−1転写体を検出するために有用である。体液試料の血漿部分に対するPC
RがCRCA−1転写体を検出するために使用できることが期待される。
【0106】 CRCA−1転写体の存在を検出する別の方法はオリゴヌクレオチドハイブリ
ダイゼーション技術によるものである。オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーシ
ョン技術は当業者にはよく知られている。簡単には、検出可能プローブはCRC
A−1転写体のヌクレオチド配列へハイブリダイズするであろう特異的ヌクレオ
チド配列を含んでいる。試料からのRNAまたはRNAから作製されたcDNA
は固定される(通常はろ紙などに)。プローブが加えられ、固定された遺伝子材
料に完全に相補的であるプローブのみのハイブリダイゼーションを可能にする条
件下に維持する。条件は固定された材料にプローブの一部がハイブリダイズして
いるプローブは洗い流されるのに十分なほど厳重に調節されている。洗浄された
フィルター上でのプローブの検出は相補的配列を示している。
【0107】 オリゴヌクレオチドアッセイでの使用に有用なプローブは少なくとも18ヌク
レオチドの相補的DNAを持ち、CRCA−1転写体の完全相補的配列と同じ長
さであろう。いくつかの好適な態様において、本発明のプローブは30−200
ヌクレオチド、好適には40−100ヌクレオチドである。プローブは好適には
STレセプターをコード化している配列に関して特有である配列を含んでいる。
【0108】 当業者は配列番号:1に示した配列情報を使用してCRCA−1転写体と完全
に相補的であるが、STレセプターをコード化している配列とは異なるプローブ
を設計することができる。ハイブリダイゼーション条件は、非完全相補的ハイブ
リダイゼーションによるバックグラウンド信号を最少にするように日常的に最適
化できる。いくつかの好適な態様において、プローブは完全長クローンである。
プローブは少なくとも15ヌクレオチド、好適には30−200、より好適には
40−100ヌクレオチド断片であり、全CRCA−1転写体であってもよい。
【0109】 本発明はオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションの実施のために有用であ
る標識されたオリゴヌクレオチドを含んでいる。即ち、それらはCRCA−1転
写体と完全に相補的であるが、STレセプター転写体とはそうではない。例えば
、mRNA配列は異なったエキソンによりコード化されている部分を含んでいる
。本発明の標識化プローブは放射性標識されたヌクレオチドで標識されているか
、またはさもなくば容易に利用可能な非放射活性検出系により検出可能である。
【0110】 本発明に従うと、本発明のオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法の実
施に有用である診断キットを組み立てることができる。そのような診断キットは
CRCA−1転写体の一部をコード化しているが、STレセプターをコード化し
ているコード化配列とは異なった標識オリゴヌクレオチドを含んでいる。本発明
に従ったオリゴヌクレオチド診断キットの標識プローブは放射性ヌクレオチドで
標識されていることが好適である。本発明に従ったオリゴヌクレオチドハイブリ
ダイゼーションに基づいた診断キットは好適には陽性および陰性対照を示すDN
A試料を含んでいる。陽性対照DNAは、プローブがアッセイ条件下で核酸分子
にハイブリダイズするようにキットのプローブと完全に相補的であるヌクレオチ
ド配列を持つ核酸分子を含むものである。陰性対照DNA試料は、少なくとも一
つの核酸分子を含んでおり、その核酸分子はキットのプローブの配列と部分的に
相補的である。アッセイ条件下、プローブは陰性対照DNA試料とはハイブリダ
イズしないであろう。いくつかのキットの追加の構成要素にはアッセイを実施す
るための説明書が含まれる。さらに、キットは随意に陽性および陰性の結果の様
子を示す叙述または写真を含んでいてもよい。
【0111】 オリゴヌクレオチド・ハイブリダイゼーション技術は、ホモジナイズした組織
試料中のCRCA−1転写体及び体液試料中の細胞の検出に有用である。流体試
料の血漿部分に対するPCRをCRCA−1転写体の検出に利用可能であること
が意図されている。
【0112】 本発明は、組織試料を評価して転移のレベルを決定するためのイン・ビトロキ
ットに関し、かつそれを実施するのに有用な試薬及び組成物に関する。
【0113】 本発明の幾つかの態様においては、固有層の一部を含む組織試料を、切除又は
結腸鏡検査を含む結腸腫瘍を除去するための手術を受けている、又はそれから回
復した個人から単離することができる。この試料を分析してCRCA−1転写体
の存在又は非存在を見極める。免疫組織化学検定のような技術を行って1種類以
上のCRCA−1翻訳産生物が組織試料の細胞に存在するかどうか(これは転移
性の移動を示す)を決定することができる。本発明の幾つかの態様においては、
CRCA−1転写体又は1種類以上のCRCA−1翻訳産生物の存在又は非存在
を検出することにより組織試料を分析してCRCA−1が組織試料の細胞で発現
しているかどうか(これは転移性の移動を示す)を見極める。CRCA−1転写
体又はそれらから生じるcDNAの存在はin situハイブリダイゼーショ
ン又は免疫組織化学のような技術を用いて決定することができる。
【0114】 本発明は、腫瘍試料を評価してそれらの起源が結腸であるのかどうかを決定す
るためのイン・ビトロキット、並びにそれを実施するのに有用な試薬及び組成物
に関する。本発明の幾つかの態様においては、腫瘍試料を、結腸の腫瘍を除去す
る手術を受けている、又はそれから回復している個人、他の臓器の腫瘍、あるい
は生検材料から単離することができる。この腫瘍試料を分析してCRCA−1転
写体の存在又は非存在を見極める。免疫組織化学検定のような技術を行って1種
類以上のCRCA−1翻訳産生物がその腫瘍試料の細胞中に存在するかどうか(
これは結腸起源であることを示す)を決定することができる。あるいは、本発明
の幾つかの態様においては、CRCA−1転写体又は1種類以上のCRCA−1
翻訳産生物の存在又は非存在を検出することにより管腔組織を分析してCRCA
−1がその腫瘍試料の細胞中で発現しているかどうか(これは結腸起源であるこ
とを示す)を見極める。in situハイブリダイゼーション、免疫組織化学
及びin situST結合検定のような技術を用いてST受容体タンパク質を
コードするmRNA又はそれらから生じるcDNAの存在を決定することができ
る。
【0115】 in situハイブリダイゼーション技術は当業者に公知である。簡単に述
べると、細胞を固定し、特定のヌクレオチド配列を含む検出可能なプローブを固
定した細胞に添加する。それらの細胞が相補的ヌクレオチド配列を含む場合、検
出可能であるプローブがそれらにハイブリダイズする。
【0116】 オリゴヌクレオチドにおいて有用なプローブは少なくとも18ヌクレオチドの
相補的DNAを含み、CRCA−1転写体に対する完全な相補的配列のような大
きなものであってもよい。幾つかの好ましい態様においては、本発明のプローブ
は30−200ヌクレオチド、好ましくは40−100ヌクレオチドである。こ
れらのプローブはST受容体をコードするものに独特の配列を含む。
【0117】 当業者は、配列番号1及びヒトST受容体mRNAの既知配列に示される配列
情報を用いて、CRCA−1を発現する細胞を同定するin siteハイブリ
ダイゼーション技術において有用なプローブを設計することができる。プローブ
は、好ましくは、CRCA−1転写体に相当するヌクレオチド配列にハイブリダ
イズする。ハイブリダイゼーション条件は、ST受容体をコードする配列に対す
る完全に相補的ではないハイブリダイゼーション及び交差ハイブリダイゼーショ
ンによる背景信号を最小に止めるように定型的に最適化することができる。プロ
ーブは、好ましくは、完全長CRCA−1転写体にハイブリダイズする。プロー
ブは少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは30−200、より好ましくは4
0−100ヌクレオチドの断片であり、CRCA転写体であっても、より好まし
くはCRCA−1転写体の18−28ヌクレオチドの断片であってもよい。
【0118】 これらのプローブは完全に相補的であり、部分的に相補的な配列にはうまくハ
イブリダイズしない。本発明によるin siteハイブリダイゼーションのた
めには、これらのプローブが蛍光によって検出可能であることが好ましい。一般
的な手順は、プローブをビオチン修飾ヌクレオチドで標識した後、蛍光タグ付け
されたアビジンで検出することである。これにより、必ずしもプローブそれ自体
を蛍光で標識することなく、後に蛍光マーカーで検出することができる。
【0119】 本発明は、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを実施する上でプロ
ーブとして有用である標識オリゴヌクレオチドを含む。すなわち、それらはmR
NA配列と完全に相補的ではあるが、ゲノム配列又はST受容体mRNAではな
い。例えば、そのmRNA配列は異なるエキソンによってコードされる部分を含
む。本発明の標識プローブは放射標識ヌクレオチドで標識されており、又は容易
に利用可能な非放射性検出システムによって別の方法で検出可能である。
【0120】 本発明は、CRCA−1を発現する細胞を同定するin siteハイブリダ
イゼーションに有用なプローブに関する。
【0121】 細胞を固定し、これらのプローブをその遺伝材料に添加する。プローブはその
試料中に存在する相補的核酸配列にハイブリダイズする。蛍光顕微鏡を用いて、
これらのプローブをそれらの蛍光マーカーによって可視化することができる。
【0122】 本発明によると、本発明のin situハイブリダイゼーション法を実施す
るのに有用である診断キットを組み立てることができ、それはmRNA配列と完
全に相補的ではあるがゲノム配列ではない。例えば、そのmRNA配列は異なる
エキソン配列を含む。本発明によるin situ診断キットの標識プローブは
蛍光マーカーで標識されていることが好ましい。
【0123】 当業者は、固定された細胞を分析して、結腸癌細胞の転移性の移動のレベルを
特徴付けることができる。結腸派生細胞を標識することで分析の改善が見込まれ
る。
【0124】 免疫組織化学技術を、1種類以上のCRCA−1翻訳産生物を含む細胞を同定
し、それを本質的に染色するのに用いることができる。このような“染色”は転
移性の移動を考慮したものである。上述のもののような抗CRCA−1翻訳産生
物抗体を固定した細胞と接触させると、細胞中に存在するCRCA−1翻訳産生
物がそれらの抗体と反応する。これらの抗体は検出可能に標識され、又は標識第
2抗体もしくはプロテインAを用いて細胞を染色して検出する。
【0125】 腫瘍切片を評価するためのここに記載される技術は、リンパ節に加えて他の組
織の試料の組織切片を分析して結腸腫瘍細胞の存在を見極めるのに用いることも
できる。これらの試料を調製し、“染色”してCRCA−1の発現を検出するこ
とができる。
【0126】 免疫検定法を結腸癌転移を患う個人の同定に用いることができ、これは、非結
腸組織又は体液の試料中の1種類以上のCRCA−1翻訳産生物の存在を、その
ようなCRCA−1翻訳産生物への露出に応答して産生される抗体を用いて検出
することにより行う。さらに、免疫検定法を結腸癌を患う個人の同定に用いるこ
とができ、これは、腫瘍試料中の1種類以上のCRCA−1翻訳産生物の存在を
、そのようなCRCA−1翻訳産生物への露出に応答して産生される抗体を用い
て検出することにより行う。
【0127】 これらの抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。これらの抗体は、好ま
しくは、ヒト細胞において産生される1種類以上のCRCA−1翻訳産生物に対
して生じたものである。免疫検定は公知であり、それらの設計は当業者が定型的
に行うことができる。当業者は、幾つかのCRCA−1翻訳産生物のうちの1つ
に特異的に結合し、かつ本発明の方法及びキットにおいて有用であるモノクロー
ナル抗体を、標準技術及び容易に入手可能な出発物質を用いて生成することがで
きる。モノクローナル抗体を生成するための技術は Harlow, E.及び D. Lane, (
1988) ANTIBODIES:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Col
d Spring Habor NY に概述されており、これは参照することによりここに組み込
まれ、ハイブリドーマ及び標的タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗
体の産生についての詳細な指示を提供する。1種類以上のCRCA−1翻訳産生
物に特異的に結合するFAb及びF(Ab)2を抗体の代わりに含めることは本 発明の範囲内にある。
【0128】 簡単に述べると、CRCA−1翻訳産生物をマウスに注射する。そのマウスの
脾臓を取り出し、脾臓細胞を単離して不死化マウス細胞と融合させる。これらの
ハイブリッド細胞、すなわちハイブリドーマを培養し、抗体を分泌する細胞選択
する。これらの抗体を分析し、CRCA−1翻訳産生物に特異的に結合すること
が見出された場合には、それらを産生するハイブリドーマを培養し、抗CRCA
−1翻訳産生物特異的抗体の継続的な供給源を生成する。
【0129】 本発明は、CRCA−1翻訳産生物への露出に応答して産生される抗体に関す
る。これらの抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。これらの抗体は、好
ましくは、ヒト細胞において産生されるCRCA−1翻訳産生物に対して生じた
ものである。
【0130】 試験試料中のタンパク質の存在を検出する手段は定型的なものであり、当業者
はタンパク質又は抗体の存在又は非存在を公知の方法を用いて検出することがで
きる。タンパク質の存在を検出する公知の方法の1つは免疫検定である。当業者
は、免疫検定を実施して試料中のCRCA−1翻訳産生物の存在を検出する多く
の方法を容易に理解することができる。
【0131】 幾つかの態様によると、免疫検定は、試料中のタンパク質をプラスチック表面
のような固相支持体に結合させることを含む。次に、CRCA−1翻訳産生物の
いずれかに選択的に結合する検出可能な抗体を添加する。検出可能な抗体が検出
されることは、CRCA−1翻訳産生物の存在を示す。検出可能な抗体は標識抗
体であっても非標識抗体であってもよい。非標識抗体は、第1抗体に特異的に結
合する第2の標識抗体、又は標識されたプロテインA、抗体と複合体を形成する
タンパク質、を用いて検出することができる第2の非標識抗体を用いて検出する
ことができる。様々な免疫検定法が Immunoassays for the 80's, A. Vollerら 編, University Park, 1981 に記載されており、これは参照することによりここ
に組み込まれる。
【0132】 固相支持体を試験試料と接触させる簡単な免疫検定を行うことができる。試験
試料中に存在するあらゆるタンパク質がその固相支持体に結合し、特異的で検出
可能な抗体調製品によって検出することができる。このような技術は、ドット・
ブロット、ウェスタンブロット及び他のそのような類似の検定の本質である。
【0133】 他の免疫検定はより複雑なものであり得るが、実際に優れた結果をもたらす。
典型的かつ好ましい免疫測定的検定(immunometric assays)には、固相支持体 に結合している第1抗タンパク質抗体を試験試料と接触させる、タンパク質を検
出するための“フォワード”検定が含まれる。適切なインキュベーション期間の
後、固相支持体を洗浄して非結合タンパク質を除去する。次に、第1抗体が認識
しない特定のタンパク質の一部に特異的である第2の異なる抗体を添加する。こ
の第2抗体は好ましくは検出可能である。この検出可能な抗体を、第1抗体を介
して固相支持体に結合する特定のタンパク質と複合体を形成させる第2のインキ
ュベーション期間の後、固相支持体の2回目の洗浄を行って非結合検出可能抗体
を除去する。あるいは、第2抗体は検出可能でなくてもよい。この場合、第2抗
体に結合する第3の検出可能な抗体を系に添加する。この型の“フォワード・サ
ンドイッチ”検定は結合が生じるかどうかを決定する単純なイエス/ノー検定で
あってもよく、又は検出可能な抗体の量を対照において得られるものと比較する
ことによって定量的に行うこともできる。このような“2部位”又は“サンドイ
ッチ”検定は Wide, Radioimmune Assay Method, Kirkham編, E.& S.Livengston
e, Edinburgh, 1970, pp.199-206 に記載されており、これは参照することによ りここに組み込まれる。
【0134】 他の型の免疫測定的検定は、いわゆる“同時”及び“リバース”検定である。
同時検定は、固相支持体に結合する第1抗体、第2の検出可能な抗体及び試験試
料を同時に添加する1つのインキュベーション工程を含む。インキュベーション
が完了した後、固相支持体を洗浄して非結合タンパク質を除去する。つぎに、固
相支持体と会合している検出可能な抗体の存在を通常の“フォワード・サンドイ
ッチ”検定と同様に検出する。この同時検定は、同様の方法で、試験試料中の抗
体の検出に適合させることもできる。
【0135】 “リバース”検定は、検出可能な抗体の溶液を試験試料に段階的に添加し、こ
れにインキュベーション期間が続き、さらなるインキュベーション期間の後に固
相支持体に結合した抗体を添加することを含む。固相支持体を通常の様式で洗浄
し、非結合タンパク質/抗体複合体及び未反応の検出可能な抗体を除去する。そ
の後、固相支持体と会合した検出可能な抗体の決定を、“同時”及び“フォワー
ド”検定と同様に決定する。このリバース検定は、同様の方法で、試験試料中の
抗体の検出に適合させることもできる。
【0136】 免疫測定的検定の第1成分をニトロセルロース又はタンパク質を固定可能な他
の固相支持体に加えることができる。試験試料中のCRCA−1翻訳産生物の存
在を決定するための第1成分は抗CRCA−1翻訳産生物抗体である。“固相支
持体”又は“支持体”が意図するところはタンパク質を結合可能なあらゆる物質
である。公知の固相支持体には、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然及び修飾セルロース、ポ
リアクリルアミド、アガロース、並びに磁鉄鉱が含まれる。支持体の性質は、本
発明の目的上は、ある程度可溶性であっても不溶性であってもよい。支持体の形
状は、ビーズのような球状であっても、試験管の内面又はロッドの外面のような
円筒状であってもよい。あるいは、その表面はシート、試験片のように平坦であ
ってもよい。当業者にはタンパク質を結合させるための多くの他の適切な“固相
支持体”が公知であり、又は定型的な実験によってそれを確認することができる
。好ましい固相支持体は96ウェルマイクロタイタープレートである。
【0137】 1種類以上のCRCA−1翻訳産生物の存在を検出するには、検出可能な抗C
RCA−1翻訳産生物抗体を用いる。抗体を検出するための幾つかの方法が公知
である。
【0138】 抗体を検出可能に標識することができる方法の1つは、抗体を酵素に連結させ
、続いてそれらの抗体を酵素免疫検定(EIA)又は酵素結合免疫吸着検定(E
LISA)、例えば、捕獲ELISA(capture ELISA)において用いることに よるものである。酵素は、続いてその基質に対して露出されたとき、その基質と
反応し、例えば分光光度的、蛍光的又は視覚的手段によって検出することができ
る化学的部分を生成する。抗体を検出可能に標識するのに用いることができる酵
素にはリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステ
ロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロホ
スフェートデヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、セイヨウワサビ
ペルオキシゲナーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコース
オキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カ
タラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ及びア
セチルコリンエステラーゼが含まれるが、これらに限定されるものではない。当
業者は、同様に用いることができる他の酵素を容易に認識するであろう。
【0139】 酵素を検出可能に標識することができる他の方法は、放射性同位体により、続
いてラジオイムノアッセイ(RIA)において用いることである(例えば、Work
. T.S.ら, Laboratory Techniques and Biochemistry in Molecular Biology, N
orth Holloand Publishing, N.Y., 1978 を参照、これは参照することによりこ こに組み込まれる)。放射性同位体はガンマカウンター又はシンチレーションカ
ウンターの使用のような手段により、又はオートラジオグラフィーによって検出
することができる。本発明の目的上特に有用である同位体は3H、125I、131I 、35S、及び14Cである。好ましくは、同位体は125Iである。当業者は、同様 に用いることができる他の放射性同位体を容易に認識するであろう。
【0140】 抗体を蛍光性化合物で標識することも可能である。蛍光標識抗体を適正な波長
を有する光に晒すと、その存在をその蛍光によって検出することができる。最も
普通に用いられる蛍光標識化合物のうちにあるものは、フルオレセインイソチオ
シアネート、ローダミン、フィコエリスリン、フィコシアニン、アロフィコシア
ニン、o−フタルアルデヒド(o-phthaldehyde)及びフルオレサミンである。当
業者は、同様に用いることができる他の蛍光性化合物を容易に認識するであろう
【0141】 抗体は、蛍光放射性金属、例えば、125Eu又はランタニド系列の他のものを 用いて検出可能に標識することもできる。これらの金属は、ジエチレントリアミ
ン五酢酸(DTPA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属キ
レート群を用いてタンパク質特異的抗体に結合させることができる。当業者は、
同様に用いることができる他の蛍光放射性金属はもちろん、他の金属キレート群
も容易に認識するであろう。
【0142】 抗体は、化学発光化合物にカップリングさせることによって検出可能に標識す
ることもできる。化学発光標識抗体の存在は、化学反応の過程で生じる発光の存
在を検出することによって決定される。特に有用な化学発光標識化合物の例は、
ルミノール、イソルミノール、セロマティック(theromatic)アクリジニウムエ
ステル、イミダゾール、アクリジニウム塩及びシュウ酸エステルである。当業者
は、同様に用いることができる他の化学発光化合物を容易に認識するであろう。
【0143】 同様に、生物発光化合物を抗体の標識に用いることができる。生物発光は生物
学的な系において見出される型の化学発光であり、そこでは触媒性タンパク質が
化学発光反応の効率を高める。生物発光タンパク質の存在は発光の存在を検出す
ることによって決定される。標識の目的に重要な生物発光化合物はルシフェリン
、ルシフェラーゼ及びエクオリンである。当業者は、同様に用いることができる
他の生物発光化合物を容易に認識するであろう。
【0144】 タンパク質特異的抗体、断片又は誘導体の検出は、例えば検出可能な標識が放
射性ガンマ放射体である場合には、シンチレーションカウンターによって達成す
ることができる。あるいは、例えば標識が蛍光物質である場合には、蛍光計によ
って検出を達成することができる。酵素標識の場合には、その酵素の基質を用い
る比色法によって検出を達成することができる。また、同様に調製した標準との
比較において、基質の酵素反応の程度を視覚的に比較することによって検出を達
成することもできる。当業者は、同様に用いることができる他の適切な検出方法
を容易に認識するであろう。
【0145】 所定のロットの抗体の結合活性は公知の方法に従って決定することができる。
当業者は、定型的な実験を用いることにより、各々の決定についての操作上の、
及び最適な検定条件を決定することができるであろう。
【0146】 試験検定と平行して実施される検定に既知量の1種類以上のCRCA−1翻訳
産生物を加える陽性対照及びCRCA−1翻訳産生物を添加しない陰性対照を実
施することができる。当業者は、適切な対照を実施するのに必要な知識を有する
であろう。加えて、このキットは検定を実施するための取扱説明書を含んでいて
もよい。加えて、このキットは、陽性及び陰性の結果の外見を表す図又は写真を
含んでいてもよい。
【0147】 CRCA−1翻訳産生物は陽性対照用の試薬として定型的に生成することがで
きる。当業者は、CRCA−1翻訳産生物を生成させて単離することができる異
なる方法を認めるであろう。
【0148】 抗体組成物はタンパク質の検出に必要な抗体(1種類もしくは複数種類)を指
す。例えば、試験試料中のCRCA−1翻訳産生物の検出に用いられる抗体組成
物は、CRCA−1翻訳産生物に結合する第1抗体はもちろん、それぞれ第1又
は第2抗体に結合する第2又は第3の検出可能な抗体を含む。
【0149】 試験試料をCRCA−1翻訳産生物の存在について試験するのに、以下に記載
されるもののような標準的な免疫測定的検定を行うことができる。CRCA−1
翻訳産生物の特定の部分を認識する第1抗CRCA−1翻訳産生物抗体を96ウ
ェルマイクロタイタープレートの特定容積のバッファに加える。このプレートを
結合が生じるのに十分な期間インキュベートした後、PBSで洗浄して非結合抗
体を除去する。次に、このプレートをPBS/BSAでブロックして試料タンパ
ク質がマイクロタイタープレートに非特異的に結合するのを防止する。続いて試
験試料をウェルに添加し、そのプレートを結合が生じるのに十分な期間インキュ
ベートする。ウェルをPBSで洗浄して非結合タンパク質を除去する。第1抗体
が認識しないCRCA−1翻訳産生物の一部を認識する標識抗CRCA−1翻訳
産生物抗体をウェルに添加する。プレートを結合が生じるのに十分な期間インキ
ュベートした後、PBSで洗浄して非結合標識抗CRCA−1翻訳産生物抗体を
除去する。続いて、結合した標識抗CRCA−1翻訳産生物抗体の量を標準的な
技術によって決定する。
【0150】 試験試料中のCRCA−1翻訳産生物の検出に有用であるキットは、抗CRC
A−1翻訳産生物抗体を収容する容器及び対照を収容する容器(1つもしくは複
数)を含む。対照は、CRCA−1翻訳産生物を含まない1つの対照試料及び/
又はCRCA−1翻訳産生物を含む別の対照試料を含む。このキットにおいて用
いられる抗CRCA−1翻訳産生物抗体は、検出可能に標識されているもののよ
うに検出可能である。検出可能な抗CRCA−1翻訳産生物抗体が標識されてい
ない場合、例えば別の容器内の幾つかのキットで提供することもできる、第2抗
体又はプロテインAによって検出することができる。幾つかのキットにおけるさ
らなる構成要素には、固相支持体、バッファ、及び検定を実施するための取扱説
明書が含まれる。加えて、このキットは、陽性及び陰性の結果の外見を表す図又
は写真を含んでいてもよい。
【0151】 この免疫検定はホモジナイズした組織試料及び流体試料中の血漿部分又は細胞
を含む体液における1種類以上のCRCA−1翻訳産生物の検出に有用である。
【0152】 ウェスタンブロットを結腸癌転移を患う個人を同定する方法において用いるこ
とができ、これは、非結腸組織又は体液の1種類以上のCRCA−1翻訳産生物
の存在を検出することにより行う。ウェスタンブロットは、癌を患う個人に由来
する腫瘍試料中に1種類以上のCRCA−1翻訳産生物の存在を検出し、その腫
瘍が結腸起源であることを同定し、及び/又は確認するのに用いることもできる
。ウェスタンブロットは、試料中に存在するCRCA−1翻訳産生物に結合させ
、したがって試料中の受容体の存在を示すのに検出可能な抗CRCA−1翻訳産
生物抗体を用いる。
【0153】 Sambrook, J.ら, (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Sp
ring Habor Laboratory Press, Cold Spring Habor, NY (これは参照すること によりここに組み込まれる)に記載されているウェスタンブロット技術は免疫検
定に類似しており、その本質的な相違は、試料を抗体に晒す前に試料中のタンパ
ク質をゲル電気泳動によって分離し、次に分離したタンパク質を抗体で精査する
ことである。幾つかの好ましい態様においては、マトリックスがSDS−PAG
Eゲルマトリックスであり、抗体で精査する前にマトリックス中の分離されたタ
ンパク質を濾紙のような担体に移す。上述の抗CRCA−1翻訳産生物抗体はウ
ェスタンブロット法において有用である。
【0154】 一般には、試料をホモジナイズし、トリトン−Xのような洗浄剤を用いて細胞
を溶解する。次に、その物質を Sambrook, J.ら, (1989) Molecular Cloning: A
Laboratory Manual, Cold Spring Habor Laboratory Press, Cold Spring Habo
r, NY における標準技術によって分離する。
【0155】 ウェスタンブロットによる試験試料中の1種類以上のCRCA−1翻訳産生物
の検出に有用であるキットは、抗CRCA−1翻訳産生物抗体を収容する容器及
び対照を収容する容器(1つもしくは複数)を含む。対照は、CRCA−1翻訳
産生物を含まない1つの対照試料及び/又は1種類上のCRCA−1翻訳産生物
を含む別の対照試料を含む。このキットにおいて用いられる抗CRCA−1翻訳
産生物抗体は、検出可能に標識されているもののように検出可能である。検出可
能な抗CRCA−1翻訳産生物抗体が標識されていない場合、例えば別の容器内
の幾つかのキットで提供することもできる、第2抗体又はプロテインAによって
検出することができる。幾つかのキットにおけるさらなる構成要素には、検定を
実施するための取扱説明書が含まれる。加えて、このキットは、陽性及び陰性の
結果の外見を表す図又は写真を含んでいてもよい。
【0156】 ウェスタンブロットはホモジナイズされた組織試料及び流体試料中の血漿部分
又は細胞を含む体液試料中の1種類以上のCRCA−1翻訳産生物を検出するの
に有用である。
【0157】 イン・ビボ画像形成及び治療 本発明の幾つかの態様によると、個人における結腸腫瘍を検出し、画像形成し
、又は治療するための組成物及びイン・ビボ法が提供される。
【0158】 本発明の複合化組成物は腸内壁を覆う細胞を標的とするの有用であり、これに
はそのような細胞に由来する癌細胞、特にはそのような細胞に由来する転移癌細
胞が含まれる。
【0159】 本発明の複合化組成物を腸管外部に投与した場合、例えば、循環系内に投与し
た場合、それらは腸管内部を覆う細胞とは隔離されたままとなり、転移結腸細胞
のような腸管に由来する腸管外部の細胞のみに結合する。複合化組成物は非結腸
由来細胞には結合しない。したがって、腸管外部に投与された複合化組成物の活
性部分は転移結腸細胞のような腸管に由来する細胞に送達されるが、他のいかな
る細胞へも送達されることはない。
【0160】 本発明の治療用及び診断用医薬組成物は転移性疾患を特異的に標的とする複合
化合物を含む。これらの複合化合物は1種類以上のCRCA−1翻訳産生物に結
合する部分を含み、これらは、他の組織の細胞はそのような翻訳産生物を有する
ことがないため、腸管の細胞を除く身体の正常組織の細胞には結合しない。さら
に、本発明によると、このCRCA−1翻訳産生物結合部分はST受容体には結
合しない。
【0161】 正常な結腸細胞及び局在化する結腸癌細胞とは異なり、転移結腸癌細胞は腸管
外部に投与された物質、例えば、循環系に投与された物質に接近可能である。正
常組織内の唯一のCRCA−1翻訳産生物は腸粘膜細胞の頂端膜に存在し、した
がって、腸の粘膜障壁によって腸管外部に投与された標的指向癌化学療法剤及び
画像形成剤から有効に隔離される。したがって、転移結腸細胞を本発明の複合化
合物の標的とすることが、そのような化合物を腸管外部に導入することによって
、例えば、複合化合物を含む医薬組成物を循環系に投与することによって可能で
ある。
【0162】 当業者は、結腸癌及び転移結腸細胞を患っていることが疑われる個人を見分け
ることが可能である。結腸癌と診断された個人においては、転移を疑い、転移細
胞の根絶を積極的に試みることが標準的な治療である。本発明は、転移を画像形
成し、それによってより決定的に診断するための医薬組成物及び方法を提供する
。さらに、本発明は転移結腸癌細胞を特異的に標的とし、かつそれらを除去する
ための、治療薬を含む医薬組成物及び方法を提供する。さらに、本発明は、結腸
癌細胞を特異的に除去するための、治療薬を含む医薬組成物及び方法を提供する
【0163】 本発明の複合化組成物を含む医薬組成物は、局在化結腸腫瘍、すなわち、一次
もしくは非転移性結腸腫瘍を患う個人の診断又は治療に、これらの腫瘍が粘膜の
下層をなす基底膜からそれらが接近している多量の血液供給源が存在する粘膜下
組織に侵入している場合に用いることができる。粘膜下組織への侵入は粘膜障壁
を回避しており、循環系に導入された複合化組成物のこれらの腫瘍と相互作用す
る能力をもたらす。
【0164】 本発明は複合化組成物中のCRCA−1翻訳産生物結合部分の使用を頼みとす
る。このCRCA−1翻訳産生物結合部分は本質的にはCRCA−1翻訳産生物
に対するリガンドとして作用する複合化組成物の一部であり、したがって、それ
に特異的に結合する。また、複合化組成物は、このCRCA−1翻訳産生物結合
部分と会合する活性部分をも含む;この活性部分は細胞を画像形成し、標的化し
、中和し、又は殺すのに有用な活性剤である。
【0165】 本発明によると、CRCA−1翻訳産生物結合部分は複合化組成物のCRCA
−1翻訳産生物リガンド部分である。幾つかの態様においては、このCRCA−
1翻訳産生物リガンドは抗体である。
【0166】 幾つかの好ましい態様においては、複合化合物は抗CRCA−1翻訳産生物抗
体を含むCRCA−1翻訳産生物結合部分を含有する。
【0167】 CRCA−1翻訳産生物結合部分として用いられるCRCA−1翻訳産生物リ
ガンドは可能な限り小さいものであることが好ましい。したがって、CRCA−
1翻訳産生物リガンドは非ペプチド小分子又は小ペプチドであることが好ましく
、好ましくは25個未満のアミノ酸、より好ましくは20個未満のアミノ酸であ
る。幾つかの態様においては、複合化組成物のCRCA−1翻訳産生物結合部分
を構成するCRCA−1翻訳産生物リガンドは15個未満のアミノ酸である。1
0個未満のアミノ酸を含むCRCA−1翻訳産生物結合ペプチド及び5個未満の
アミノ酸のCRCA−1翻訳産生物結合ペプチドを本発明によるCRCA−1翻
訳産生物結合部分として用いることができる。CRCA−1翻訳産生物に特異的
に結合する抗体のような分子を含むがこれに限定されるものではない、CRCA
−1翻訳産生物結合部分として役立つより大きな分子を含めることは、本発明の
範囲内にある。
【0168】 CRCA−1翻訳産生物結合部分として有用なCRCA−1翻訳産生物リガン
ドは、様々な公知の組み合わせライブラリースクリーニング技術、例えば、本明
細書の実施例1に説明されるものを用いて同定することができる。
【0169】 ペプチド及び非ペプチド組成物の両者を試験してそれらがCRCA−1翻訳産
生物リガンドであるのかどうかを決定するのに、又は複合化組成物を試験してそ
れらがCRCA−1翻訳産生物結合活性を有するかどうかを決定するのに検定を
用いることができる。CRCA−1翻訳産生物に特異的に結合するような組成物
は、CRCA−1翻訳産生物に結合することが知られる抗体を用いる競合結合検
定によって同定することができる。この競合結合検定は薬理学における標準的な
技術であり、容易に入手可能な出発物質を用いて当業者が容易に実施することが
できる。
【0170】 CRCA−1翻訳産生物は合成により、もしくは組換えにより産生させること
ができ、又は天然資源から単離することができる。
【0171】 例として固相合成を用いると、保護もしくは誘導体化アミノ酸をその保護され
ていないカルボキシル又はアミノ基を介して不活性固体支持体に結合させる。次
に、アミノ又はカルボキシル基の保護基を選択的に除去し、適切に保護された相
補的(アミノ又はカルボキシル)基を有する配列中の次のアミノ酸を混合して既
に固体支持体に結合している残基と反応させる。次に、この新たに加えられたア
ミノ酸残基からアミノ又はカルボキシル基の保護基を除去した後、次の(適切に
保護された)アミノ酸を添加し、以下同様にする。全ての所望のアミノ酸を適切
な配列で連結した後、残留するあらゆる末端及び側鎖保護基(及び固体支持体)
を連続的に、又は同時に除去して最終ペプチドを得る。本発明のペプチドは、好
ましくは、ベンジル化又はメチルベンジル化アミノ酸を欠いている。このような
保護基部分は合成の過程では用いることができるが、それらのペプチドを用いる
前に除去される。他所で記載されるように、分子内連結を形成して立体配座を制
限するためにさらなる反応が必要となることがある。
【0172】 ペプチドであるCRCA−1翻訳産生物及び複合可塑性物又はそれらの一部は
組換えDNA技術によっても調製することができる。所望のペプチドをコードす
る適切なDNA配列を供給することで、当該技術分野において現在公知の組換え
技術を用いてペプチドを産生することができる。コーディング配列は天然資源か
ら得ることができ、又は広く入手可能な出発物質を用いて定型的な方法により合
成し、もしくは他の方法で構築することができる。コーディングDNAを合成に
よって調製する場合、そのDNAを発現させようとする目的の宿主の既知コドン
優先度を利用することができる。
【0173】 天然に生じるCRCA−1翻訳産生物を産生するのに、当業者は、公知技術を
用いて、CRCA−1翻訳産生物をコードするDNA分子を得、そのDNA分子
を、例えば本明細書に記載されるもののような公知の発現系において用いるため
の、市販の発現ベクターに挿入することができる。
【0174】 例えば、市販のプラスミドpSE420(Invitrogen、San Diego、CA)は大 腸菌における組換え産生に用いることができる。市販のプラスミドpYE32(
Invetrogen、San Diego、CA)は酵母のS.セレビシエ(S. cerevisiae)株にお
ける産生に用いることができる。市販のMaxBacTM(Invitrogen、San Dieg
o、CA)完全バキュロウイルス発現系は昆虫細胞における産生に用いることがで きる。市販のプラスミドpcDNA I(Invitrogen、San Diego、CA)はチャ イニーズハムスター卵巣細胞のような哺乳動物細胞における産生に用いることが
できる。
【0175】 当業者はこれらの、又は他の市販の発現ベクター及び発現系を用いることがで
き、又は公知の方法及び容易に入手可能な出発物質を用いてベクターを生成する
ことができる。必須の制御配列、例えばプロモーター及びポリアデニル化シグナ
ル、並びに好ましくは、エンハンサーを含む発現系は容易に入手可能であり、様
々な宿主について当該技術分野において公知である。例えば、Sambrookら, Mole
cular Cloning a Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Habor Press (1989
)を参照。したがって、所望のタンパク質を原核生物及び真核生物系の両者にお いて調製することができ、そのタンパク質の処理形態のスペクトラムが生じる。
【0176】 枯草菌及びシュードモナスのような他の系も有用であるが、最も一般に用いら
れる原核生物系は大腸菌のままである。原核生物系に対して適切な制御配列には
構成的及び誘発性プロモーターの両者が含まれ、これにはlacプロモーター、
trpプロモーター、ハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーター、
ラムダファージP1プロモーターが含まれる。一般には、外来性タンパク質をこ
れらの宿主において融合もしくは成熟タンパク質のいずれかとして産生させるこ
とができる。所望の配列が成熟タンパク質として産生される場合、産生された配
列はメチオニンが先頭にあってもよく、これは必ずしも効率的に除去されるもの
ではない。したがって、本明細書で請求されるペプチド及びタンパク質は、細菌
内で産生される場合、N末端Metが先頭にあってもよい。さらに、ペプチドの
コーディング配列の先頭に作動可能なシグナルペプチドがあり、それがタンパク
質の分泌をもたらす構築体を作製することができる。原核生物宿主においてこの
方法で産生された場合、シグナル配列は分泌の際に除去される。
【0177】 広く多様な真核生物宿主も現在組換え外来性タンパク質の産生に利用可能であ
る。細菌と同様に、真核生物宿主を所望のタンパク質を直接産生する発現系で形
質転換することができるが、より一般的には、タンパク質の分泌を達成するため
にシグナル配列が付与される。真核生物系は、高等生物のタンパク質をコードす
るゲノム配列に生じることがあるイントロンを処理することができるというさら
なる利点を有する。また、真核生物系は、例えば、特定のアミノ酸のグリコシル
化、カルボキシ末端アミド化、酸化又は誘導体化、立体配座制御等を生じる様々
な処理機構も提供する。
【0178】 一般に用いられる真核生物系には酵母、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、
鳥類細胞、及び高等植物の細胞が含まれるが、これらに限定されるものではない
。これらの宿主型の各々における使用に適合し、かつ作動可能であることに加え
て、終始配列及びエンハンサーである適切なプロモーター、例えば、バキュロウ
イルス多角体プロモーターを利用することができる。上述のように、プロモータ
ーは構成的であっても誘発性であってもよい。例えば、哺乳動物系においては、
重金属イオンを添加することによりマウス・メタロチオネン(metallothionene )プロモーターを誘発することができる。
【0179】 所望の宿主に適切な発現系の構築についての詳細は当業者に公知である。タン
パク質の組換え産生のためには、それをコードするDNAを選り抜きの発現ベク
ターに適切にライゲートした後、それを用いて適合する宿主を形質転換し、次に
それを外来性遺伝子の発現が生じる条件下で培養及び維持する。このようにして
産生された本発明のタンパク質はこの培養物から、適切かつ当業者に公知の通り
、細胞を溶解することにより、又は培養培地から回収する。
【0180】 当業者は、公知の技術を用いて、産生されたタンパク質を単離することができ
る。
【0181】 本発明によると、活性部分は治療薬又は画像形成剤であり得る。当業者は、C
RCA−1翻訳産生物リガンドで転移結腸細胞を特異的に標的とすることが可能
であり、そのようなリガンドを多くの異なる活性剤と結合させることができる利
点を容易に認識することができる。
【0182】 CRCA−1翻訳産生物結合部分に結合させたときに転移結腸細胞に特異的に
送達される活性部分として有用な化学療法剤は、典型的には、化学合成によって
生成される小さな化学的実体である。化学療法剤には細胞毒性及び細胞成長抑止
剤が含まれる。化学療法剤には、細胞に対する他の効果、例えば形質転換状態か
ら分化状態への逆転、を有するもの、又は細胞の複製を阻害するものが含まれう
る。化学療法剤の例には通常の細胞毒性又は細胞成長抑止剤、例えば:メトトレ
キセート(アメトプテリン)、ドキソルビシン(アドリマイシン)、ダウノルビ
シン、シトシンアラビノシド、エトポシド、5−4フルオロウラシル、メルファ
ラン、クロラムブシル、及び他のナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホ
スファミド)、cis−白金(cis-platinum)、ビンデシン(及び他のビンカア
ルカロイド)、マイトマイシン及びブレオマイシンが含まれる。他の化学療法剤
には:ピューロチオニン(大麦粉オリゴペプチド)、マクロモマイシン、1,4
−ベンゾキノン誘導体及びトレニモンが含まれる。
【0183】 毒素は活性部分として有用である。毒素をCRCA−1翻訳産生物結合部分に
結合させた場合、その複合化組成物はCRCA−1翻訳産生物結合部分として転
移結腸細胞に特定基に送達され、毒素部分がその細胞を殺す。毒素は、一般には
、細菌、植物等を含む様々な生物の複合毒性産生物である。毒素の例には:リシ
ン、リシンA鎖(リシン毒素)、シュードモナス外毒素(PE)、ジフテリア毒
素(DT)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens )ホスホリパーゼC(PLC)、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ(BPR)、ヤマゴ
ボウ抗ウイルスタンパク質(PAP)、アブリン、アブリンA鎖(アブリン毒素
)、コブラ毒因子(CVF)、ゲロニン(gelonin)(GEL)、サポリン(sap
orin)(SAP)、モデクシン(modeccin)、ビスクミン(viscumin)及びボル
ケンシン(volkesin)が含まれるが、これらに限定されるものではない。上に論
じられるように、タンパク質毒素をCRCA−1翻訳産生物結合ペプチドと共に
用いる場合には、複合化組成物を組み換えDNA技術を用いて生成することがで
きる。簡単に述べると、CRCA−1翻訳産生物リガンド及び毒素の両者をキメ
ラ遺伝子上にコードする組換えDNA分子を構築することができる。このキメラ
遺伝子が発現すると、CRCA−1翻訳産生物結合部分及び活性部分を含む融合
タンパク質が産生される。タンパク質毒素は、非ペプチジル結合を介してCRC
A−1翻訳産生物結合ペプチドと複合化合物を形成するのにも有用である。
【0184】 加えて、活性剤を癌の治療に利用するための他のアプローチが存在する。例え
ば、CRCA−1翻訳産生物結合部分及び活性酵素である活性部分を含む複合化
組成物を生成することができる。このCRCA−1翻訳産生物結合部分はその複
合化組成物を腫瘍細胞に特異的に局在化させる。酵素によって活性薬物に変換す
ることが可能な不活性プロドラッグを患者に投与する。このプロドラッグは腫瘍
に局在化する酵素によってのみ活性薬物に変換される。酵素/プロドラッグ対の
例には、アルカリホスファターゼ/エトポシドホスフェートが含まれる。このよ
うな場合、アルカリホスファターゼをCRCA−1翻訳産生物結合リガンドに結
合させる。その複合化合物を投与し、転移細胞の部位に局在化させる。エトポシ
ドホスフェート(プロドラッグ)と接触すると直ちにエトポシドホスフェートは
化学療法剤であるエトポシドに変換され、これが癌細胞によって取り込まれる。
【0185】 放射線増感剤は放射線に対する細胞の感受性を高める物質である。放射線増感
剤の例にはニトロイミダゾール、メトロニダゾール、及びミソニダゾールが含ま
れる(DeVita, V.T.Jr. in Harrison's Principles of Internal Medicine, p.6
8, McGraw-Hill Book Co., N.Y. 1983 を参照、これは参照することによりここ に組み込まれる)。放射線増感剤を活性部分として含む複合化合物を投与し、転
移細胞の部位に局在化させる。その個人を放射線に晒すと、放射線増感剤が“励
起”し、細胞の死を引き起こす。
【0186】 放射性核種を放射線治療又は画像形成法に有用な医薬組成物において用いるこ
とができる。
【0187】 放射線治療において毒素として有用な放射性核種の例には:47Sc、67Cu、 90 Y、109Pd、123I、125I、131I、186Re、188Re、199Au、211At、 212 Pb及び212Bが含まれる。当業者によって用いられている他の放射性核種に
は:32P及び33P、71Ge、77As、103Pb、105Rh、111Ag、119Sb、12 1 Sn、131Cs、143Pr、161Tb、177Lu、191Os、193MPt、197Hg、
全てのベータ陰性及び/又はオージュ(auger)放射体が含まれる。幾つかの好 ましい放射性核種には:90Y、131211At及び212Pb/212Biが含まれる。
【0188】 本発明によると、活性部分は画像形成剤であってもよい。画像形成剤は有用な
診断法であることに加えて、転移細胞の位置を同定するのに用いられる方法であ
る。画像形成は当業者に公知の多くの手順によって実施することができ、このよ
うな手順において有用な適切な画像形成剤を公知手段によってCRCA−1翻訳
産生物リガンドに結合させることができる。画像形成は、例えば、ラジオシンチ
グラフィー、核磁気共鳴イメージング(MRI)又はコンピュータ断層撮影(C
Tスキャン)によって実施することができる。最も一般に用いられる放射性核種
画像形成剤には放射性ヨウ素及びインジウムが含まれる。CTスキャンによる画
像形成では鉄キレートのような重金属を用いることができる。MRI走査ではガ
ドリニウム又はマンガンのキレートを用いることができる。加えて、酸素、窒素
、鉄、炭素、又はガリウムのポジトロン放射体を用いてポジトロン放出断層撮影
(PET)が可能である。画像形成法において有用な放射性核種の例には:43
52Fe、57Co、67Cu、67Ga、68Ga、77Br、81Rb/81MKr、87M
r、99MTc、111In、113MIn、123I、125I、127Cs、129Cs、131I、1 32 I、197Hg、203Pb及び206Biが含まれる。
【0189】 複合化組成物は非免疫原性であるか、又は非常に低いレベルで免疫原性である
ことが好ましい。したがって、CRCA−1翻訳産生物結合部分は小さく、免疫
原性に乏しい、もしくは非免疫原性のペプチド又は非ペプチドであることが好ま
しい。あるいは、CRCA−1翻訳産生物結合部分はヒト化もしくは霊長類化抗
体又はヒト抗体であってもよい。
【0190】 CRCA−1翻訳産生物リガンドは、当業者により過度の実験なしに容易に実
施される様々な公知の技術によって活性剤に結合される。CRCA−1翻訳産生
物リガンドを活性剤に結合させるのに用いられる技術はCRCA−1翻訳産生物
リガンド及び活性剤の分子の性質に依存する。CRCA−1翻訳産生物リガンド
と活性剤とを結合させて単一の分子を形成した後、その結合した分子がそれらの
部分の活性を保持することを保証するために検定を行うことができる。上述の競
合結合検定を、CRCA−1翻訳産生物結合部分が複合化合物としてその結合活
性を保持することを確認するのに用いることができる。同様に、それぞれの型の
活性剤の各々に対して様々な検定を用いて、活性部分の活性を試験することがで
きる。放射性核種は、結合とは無関係に、それらの活性、すなわち、それらの放
射能を保持する。毒素、薬物及びターゲッティング剤である活性剤に関しては、
これらの化合物の非結合形態の活性を実証する標準的な検定を、その活性が保持
されていることを確認するのに用いることができる。
【0191】 結合はCRCA−1翻訳産生物リガンドと活性剤との間で直接達成することが
でき、又はCRCA−1翻訳産生物リガンドと活性剤との間に連結中間分子群を
付与することができる。架橋剤は、各々の部分に結合部位を付与することにより
結合を容易にするのに特に有用である。架橋剤は、それらの部分を互いに分離し
ていずれかが他方の活性を妨害するのを防止するスペーサーの役目を果たすさら
なる分子群を含んでいてもよい。
【0192】 当業者は、公知の技術を用いて、CRCA−1翻訳産生物リガンドを化学療法
剤に結合させることができる。例えば、Magerstadt, M. Antibody Conjugates a
nd Malignant Disease. (1991) CRC Press, Boca Raton, USA, pp.110-152 (こ
れは参照することによりここに組み込まれる)では、抗体のアミノ酸への様々な
細胞成長抑止剤の結合を教示している。このような反応は、適切なリンカーを用
いる、抗CRCA−1翻訳産生物抗体を含むCRCA−1翻訳産生物リガンドへ
の化学療法剤の結合に適用することができる。癌の治療において現在用いられて
いる化学療法剤の大部分は、タンパク質との直接の化学的架橋に馴染みやすい官
能基を有する。例えば、遊離アミノ基はメトトレキセート、ドキソルビシン、ダ
ウノルビシン、シトシンアラビノシド、cis−プラチン、ビンデシン、マイト
マイシン及びブレオマイシンで利用可能であり、これに対して遊離カルボン酸基
はメトトレキセート、メルファラン、及びクロラムブシルで利用可能である。こ
れらの官能基、すなわち、遊離アミノ及びカルボン酸は、これらの薬物を抗体の
単一の遊離アミノ基に直接架橋させることが可能な様々なホモ二官能性及びヘテ
ロ二感応性化学的架橋剤の標的である。例えば、遊離アミノ基を有するCRCA
−1翻訳産生物リガンドを遊離アミノ基を有する活性剤、例えば、メトトレキセ
ート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシンアラビノシド、cis−プラ
チン、ビンデシン、マイトマイシン及びブレオマイシン、又はアルカリホスファ
ターゼ、又はタンパク質もしくはペプチドベースの毒素に架橋させるための手順
の1つは、ホモ二官能性スクシンイミジルエステルを、好ましくはスベリン酸ジ
スクシンイミジル(Pierce Co、Rockford、IL)のような炭素鎖スペーサーと共 に用いる。開裂可能な複合化合物が必要である場合には、3,3’−ジチオビス
(スルホスクシンイミジルプロピオネート;Pierce Co.)を利用して同じプロト
コルを用いる。
【0193】 ペプチドまたはタンパク質であるCRCA−1翻訳生成物リガンドを、毒素の
ようなペプチドを基本とする活性剤と複合させるために、CRCA−1翻訳生成
物リガンドおよびトキシンを、標準ペプチド合成法または組換えDNA技術のい
ずれかによって単一の融合タンパク質として作成することができ、両技術とも、
当業者によって日常的に行われている。別法では、2つのペプチド、CRCA−
1翻訳生成物リガンドペプチドおよびペプチドを基本とするトキシンを、別々の
ペプチドとしても複合使用架橋物としても生成および/または単離することがで
きる。化学療法剤を含む複合組成物と同様に、CRCA−1翻訳生成物結合ペプ
チドと毒素の複合は、この分子のレセプター結合機能を保持しながらCRCA−
1翻訳生成物結合ペプチドの一つの遊離アミノ基を修飾できる能力を利用するこ
とができる。
【0194】 当業者は、周知の技術を用いて、CRCA−1翻訳生成物リガンドを放射性核
種と複合することができる。例えば、Magerstadt,M.,1991、
Antibody Conjugates And Malignant Di
sease,CRC Press,Boca Raton,FLA,;ならびに
、Barchel,S.W.および Rhodes,B.H.,1983、Ra
dioimaging and Radiotherapy,Elsevier
NY,NY(そのそれぞれをここに参照として採用する)は、抗体アミノ酸と
様々な治療用および診断用放射性核種の複合について教授している。
【0195】 本発明は、複合した本発明の化合物および医薬として許容しうるキャリヤーま
たは希釈剤を含む医薬組成物を提供する。当業者は、本発明の医薬組成物を調合
することができる。適当な医薬キャリヤーは、この分野の標準参考書であるRe
mington’s Pharmaceutical Sciences,A.
Osol;に記載されており、ここに参照として採用する。本発明の方法を実行
するにあたって、本発明の複合化合物は、単独でまたは他の診断薬、治療薬また
は付加剤と組み合わせて、用いることができる。そのような付加剤には、着色剤
、安定剤、浸透剤および抗細菌剤のような補助剤が含まれる。好ましくは、医薬
組成物は、無菌で発熱物質を含まない。
【0196】 本発明の複合組成物は、例えば、医薬として許容しうる非経口のベヒクルを含
む、溶液、縣濁液または乳濁液として調合することができる。そのようなベヒク
ルの例は、水、食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、および5%のヒト血
清アルブミンである。リポソームもまた、用いることができる。ベヒクルは、等
張性(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール)および化学安定性(例えば、バ
ッファーおよび保存剤)を維持する添加剤を含むことができる。調合物は、共通
に用いられている技術で無菌化される。例えば、注射による投与に適当な非経口
組成物は、0.9%塩化ナトリウム溶液中に0.5%重量の活性成分を溶解する
ことによって、調製される。
【0197】 本発明による医薬組成物は、一回の投与量として、または複数回の投与量とし
て、投与することができる。また、本発明の医薬組成物を、個々の治療薬剤とし
て、またはその他の治療薬剤と組み合わせて、投与することもできる。本発明の
治療を、慣用の治療と組み合わせることもでき、順番にまたは同時に投与するこ
ともできる。
【0198】 本発明の医薬組成物は、複合組成物が標的細胞に到達することを可能にする任
意の手段で、投与することができる。いくつかの実施態様では、投与形路は、静
脈内、動脈内、腹腔内、腫瘍のある器官の血液供給または腫瘍それ自身内への直
接の局所投与、からなる群から選択されるそれらを含む。静脈内投与は、投与の
好ましい様式である。それは、注入ポンプの助けを借りて成し遂げることができ
る。
【0199】 投与される投薬量は、活性部分の性質;複合組成物の性質;薬力学的性質;そ
の投与様式および経路;レシピエントの年齢、健康および体重;症状の種類およ
び範囲;同時治療の種類;および治療頻度、の様な要素に依存して変化する。
【0200】 複合化合物は、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物を持つ細胞を特異的標的と
するので、化学療法剤または毒素を含む複合化合物は、化学療法剤または毒素を
複合していない活性薬剤として投与する場合に用いられる投薬量より少ない量で
、好ましく最少で1/100倍の活性薬剤を含む投与量で、投与される。いくつ
かの実施態様では、化学療法剤または毒素を含む複合化合物を、非複合活性薬剤
として投与される化学療法剤または毒素の投与量より、活性部分として1/10
−1/100倍の活性薬剤を含む投与量で、投与する。適当な投与量を決定する
ために、好ましくは、化合物量を、重量の代わりにモルで測定する。そのような
方法では、異なるCRCA−1翻訳生成物結合部分の可変重量は、計算に影響を
与えない。本発明の複合組成物内のCRCA−1翻訳生成物結合部分:活性部分
の比率を1:1と仮定すると、投与される非複合化合物のモルと比較して、より
少ないモルの複合化合物を、好ましくは、最少で1/100倍モルを、投与する
ことができる。
【0201】 典型的には、化学療法剤複合物は、投与量を複数回に分けて、静脈内投与する
ことができる。
【0202】 典型的には、最大で10gIV/投与量メトトレキセートを、非複合形で投与
する。メトトレキセートを、本発明の複合化合物内の活性部分として投与する場
合、投与量は1/10−1/100倍に減少する。このように、それぞれの複合
化合物が一つのCRCA−1翻訳生成物結合部分と複合した1モルのメトトレキ
セートを含むと仮定すると、投与される複合化合物総量内に、最大で約0.2−
2.0gのメトトレキセートが存在し、そして投与される。いくつかの実施態様
では、投与された複合化合物総量内に、最大で約200mg−2gのメトトレキ
セートが存在し、そして投与される。
【0203】 画像診断薬剤として有用な医薬組成物内のラジオアイソトープである活性成分
に連結したCRCA−1翻訳生成物結合部分を含む複合組成物を投薬するために
、各々のCRCA−1翻訳生成物結合部分は一つの放射性活性部分と連結される
と推定する。投与されるラジオアイソトープの量は、用いられるラジオアイソト
ープに依存する。当業者らは、活性部分として用いられる与えられた放射性核種
の比活性およびエネルギーに基づいて、投与される複合化合物の量を容易に調合
することができる。典型的には、0.1−100ミリキューリー/画像診断薬剤
投与量、好ましくは、1−10ミリキューリー、たいてい2−5ミリキューリー
が投与される。このように、CRCA−1翻訳生成物結合部分および放射性部分
を含む複合組成物を含む画像診断薬剤として有用な本発明の医薬組成物は、0.
1−100ミリキューリー、いくつかの実施態様では好ましくは1−10ミリキ
ューリー、いくつかの実施態様では好ましくは2−5ミリキューリー、いくつか
の実施態様ではより好ましくは1−5ミリキューリー、を含む。投与量の例とし
ては、131I=0.1−100ミリキューリー/投与量、いくつかの実施態様で は好ましくは1−10ミリキューリー、いくつかの実施態様では2−5ミリキュ
ーリー、およびいくつかの実施態様では約4ミリキューリー; 111In=約0.
1−100ミリキューリー/投与量、いくつかの実施態様では好ましくは1−1
0ミリキューリー、いくつかの実施態様では1−5ミリキューリー、およびいく
つかの実施態様では、約2ミリキューリー; 99mTc=約0.1−100ミリキ
ューリー/投与量、いくつかの実施態様では好ましくは5−75ミリキューリー
、いくつかの実施態様では、10−50ミリキューリー、およびいくつかの実施
態様では約27ミリキューリー;を含む。Wessels B.W.およびR.
D.Rogus、1984、Med.Phys.,11,638;および、Kw
ok,C.S.ら、1985、Med.Phys.,12,405(その両方を
ここに参照として採用する)は、放射性複合化合物を含む本発明の医薬組成物の
調製に用いることのできる診断用および治療用複合体としての詳細な服用量の計
算について開示している。
【0204】 本発明の一つの態様は、転移性結腸直腸癌に罹患していると予想される個人を
治療する方法に関する。医薬として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤ならびに
CRCA−1翻訳生成物結合部分および放射的に安定な治療薬剤である活性部分
、を含む複合化合物を含む医薬組成物を個人に投与することによって、そのよう
な個人を治療することができる。本発明のいくつかの実施態様では、医薬組成物
は、医薬として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤、ならびに抗体であるCRC
A−1翻訳生成物結合部分および放射能として安定な活性薬剤である活性部分を
含む複合化合物を含む。本発明のいくつかの実施態様では、医薬組成物は、医薬
として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤、ならびにCRCA−1翻訳生成物結
合部分および放射能として放射的に安定な治療薬である活性部分を含む複合化合
物を含む。本発明のいくつかの実施態様では、医薬組成物は、医薬として許容し
うるキャリヤーまたは希釈剤ならびにCRCA−1翻訳生成物結合部分およびメ
トトレキセート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シトシナラビノシド、エト
ポシド、5−4フルオロウラシル、メルファラン、クロラムブシル、シス−プラ
チナ、ビンデシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、プロチオニン、マクロモ
マイシン、1,4−ベンゾキノン誘導体、トレニモン、リシン、リシンA鎖、シ
ュードモナスエキソトキシン、ジフテリア毒素、Clostridium pe
rfringensホスホリパーゼC、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ、アメリカや
まごぼうの抗ウイルスタンパク質、アブリン、アブリンA鎖、コブラ毒液因子、
ゲロニン、サポリン、モデッシン、ビスクミン、ボルケンシン、アルカリホスフ
ァターゼ、ニトロイミダゾール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールからな
る群より選択される放射能として安定な活性薬剤である活性部分、を含む複合化
合物を含む。治療される個体は、転移性結腸直腸癌を持つと診断することができ
るか、または限局性結腸直腸癌を持つと診断することができ、結果として未だ検
出されていないようなある転位の治療を前活性的に受けることができる。医薬組
成物は、治療上有効な量の複合組成物を含む。治療上有効な量とは、個体の致死
的副作用の原因とはならず、転移性結腸直腸癌細胞の細胞毒性または細胞増殖抑
制性効果を起こすに有効な量である。
【0205】 本発明の一つの態様は、転移性結腸直腸癌にかかったと予想される個体を治療
する方法に関する。医薬として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤ならびにCR
CA−1翻訳生成物結合部分および放射性をもつ活性部分を含む複合化合物医薬
組成物を個体に投与することによって、そのような個体を治療することができる
。本発明のいくつかの実施態様では、医薬組成物は、医薬として許容しうるキャ
リヤーまたは希釈剤ならびにSTレセプター結合部位が抗体であるCRCA−1
翻訳生成物結合部分および放射性を持つ活性部分を含む複合化合物、を含む。本
発明のいくつかの実施態様では、医薬組成物は、医薬として許容しうるキャリヤ
ーまたは希釈剤ならびにCRCA−1翻訳生成物、および47Sc、67Cu、90
109Pd、123I、125I、131I、186Re、188Re、199Au、211At、212 Pb、212B、32Pおよび33P、71Ge、77As、103Pb、105Rh、111Ag、 119 Sb、121Sn、131Cs、143Pr、161Tb、177Lu、191Os、193MPt 、197Hg(すべてβ−(−)および/またはオージェエミッター);からなる 群より選択される放射性薬剤である活性部分を含む複合化合物、を含む。治療さ
れる個人は、転位性結腸直腸癌を持つと診断されるか、または限局性結腸直腸癌
を持つと診断され、結果として未だ検出されていないようなある転位の治療を前
活性的に受けることができる。医薬組成物は、治療上有効な量の複合組成物を含
む。治療上有効な量は、個体の致死的副作用の原因とはならず、転移性結腸直腸
癌細胞の細胞毒性または細胞増殖抑制効果を生じるに有効な量である。
【0206】 本発明の一つの態様は、画像診断によって転移性結腸直腸癌にかかっていると
考えられる個体内の転移性結腸直腸癌細胞を検出する方法に関する。そのような
個体は、転移性結腸直腸癌に罹患していると診断することができ、そして転移性
結腸直腸癌細胞は、医薬として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤ならびにCR
CA−1翻訳生成物結合部分および放射性を持つ活性部分を含む複合化合物を含
む医薬組成物を、個体に、好ましくは静脈内投与により投与し、そしてCRCA
−1翻訳生成物を持つ細胞の存在を示す放射能の局所的蓄積または凝集の存在を
検出することにより、検出することができる。本発明のいくつかの実施態様では
、医薬組成物は、医薬として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤ならびにSTレ
セプター結合部位が抗体であるCRCA−1翻訳生成物結合部分および放射性を
持つ活性部分を含む複合化合物、を含む。本発明のいくつかの実施態様では、医
薬組成物は、医薬として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤ならびにSTレセプ
ター結合部位および;鉄キレートの様な放射性重金属、ガドリニウムまたはマン
ガンの放射性キレート、酸素、窒素、鉄、炭素またはガリウムの陽電子エミッタ
ー、43K、52Fe、57Co、67Cu、67Ga、68Ga、77Br、81Rb/81M
r、87MSc、99MTc、111In、113MIn、123I、125I、127Cs、129Cs 、131I、132I、197Hg、203Pbおよび206Bi;からなる群より選択される 放射性薬剤である活性部分を含む複合化合物を含む。治療される個体を、転移性
結腸直腸癌を持つと診断することができるか、または限局性結腸直腸癌を持つと
診断され、そして結果として未だ検出されていないある転位を前活性的に治療す
ることができる。医薬組成物は、診断上有効な量の複合組成物を含む。診断上有
効な量とは、個体に致死的副作用を生じさせることなくSTレセプターを持つ細
胞が位置する体内の部位を検出することのできる量である。
【0207】 本発明のもう一つの態様は、CRCA−1翻訳生成物結合リガンドおよび活性
剤を含む非複合の組成物に関する。例えば、リポソームは、脂質からなる小ベシ
クルである。薬剤は、これらのベシクルの中央に導入することができる。これら
のベシクルの外側の殻は、CRCA−1翻訳生成物結合リガンドを含む。Lip
osomes、第1、2および3巻、CRC Press Inc.,Boca
Raton FLA(ここに参照として採用される)は、外殻内にCRCA−
1翻訳生成物リガンドと結びついた標的化薬剤を含む、リポソーム−カプセル化
活性薬剤の調製について開示している。内側の活性薬剤と共にリポソームのマト
リックス内にCRCA−1翻訳生成物リガンドを含む非複合組成物は、CRCA
−1翻訳生成物リガンドが抗体であり、活性薬剤が、メトトレキセート、ドキソ
ルビシン、ダウノルビシン、シトシナラビノシド、エトピシド、5−4フルオロ
ウラシル、メルファラン、クロラムブシル、シス−プラチナ、ビンデシン、マイ
トマイシン、ブレオマイシン、プロチオニン、マクロモマイシン、1,4−ベン
ゾキノン誘導体、トレニモン、リシン、リシンA鎖、シュードモナスエンドトキ
シン、ジフテリア毒素、Clostridium perfringensホス
ホリパーゼC、ウシ膵臓リボヌクレアーゼ、アメリカやまごぼうの抗ウイルスタ
ンパク質、アブリン、アブリンA鎖、コブラ毒液因子、ゲロニン、サポリン、モ
デシン、ビスクミン、ボルケンシン、アルカリホスファターゼ、ニトロイミダゾ
ール、メトロニダゾールおよびミソニダゾールからなる群より選択される、その
ような組成物を含む。
【0208】 一般的な結腸細胞を標的とする薬剤配達 本発明のもう一つの態様は、腸管の正常細胞および癌細胞ならびに転移性結腸
直腸癌細胞のようなCRCA−1翻訳生成物を含む細胞に、治療用核酸分子を配
達するために用られる、CRCA−1翻訳生成物リガンドを含む非複合および複
合の組成物に関する。いくつかの実施態様では、遺伝物質を、転移性結腸直腸癌
細胞に配達して、免疫システムによって標的化されることのできる抗原を生成さ
せるか、または細胞を殺すかあるいはその増殖を阻害するタンパク質を生成させ
る。いくつかの実施態様では、CRCA−1翻訳生成物リガンドを用いて核酸分
子をコードする核酸を配達し、その核酸分子は欠損した内因性遺伝子を元通りに
戻すか、または治療タンパク質をコードしている。いくつかの実施態様では、C
RCA−1翻訳生成物リガンドをこのように用いて、この器官に特異的な疾病を
治療するために腸管の内側を覆う細胞に特異的に活性薬剤を配達する。本発明の
この態様では、組成物は、欠損遺伝子を元に戻すことのできる核酸分子を含む。
いくつかの実施態様では、遺伝子治療プロトコールに組成物を用い、遺伝子欠損
を補うために必要なおよび/または所望される遺伝物質を個体に配達する。
【0209】 いくつかの実施態様では、CRCA−1翻訳生成物リガンドを配達ベヒクルと
結合するか、またはベヒクル内に取り入れて、それによって配達ベヒクルを特異
的に標的化された配達ベヒクルに変える。例えば、CRCA−1翻訳生成物結合
ペプチドを、ウイルス粒子の外側部分内に組み込み、そのようなウイルスを、C
RCA−1翻訳生成物−保持細胞特異的ウイルスにする。同様に、ウイルスをC
RCA−1翻訳生成物−保持細胞−特異的ウイルスにしたウイルス粒子の外側に
晒されるか、さもなくば接近しやすくした活性なCRCA−1翻訳生成物結合ペ
プチドを含む、融合タンパク質として作り出すように、ウイルスの被覆タンパク
質を工作することができる。いくつかの実施態様では、CRCA−1翻訳生成物
リガンドをリポソーム内に組込むか、さもなくば取り込むことができ、その中で
、CRCA−1翻訳生成物リガンドは、リポソームの外側に晒されているか、さ
もなくば接近しやすくなっており、そのようなリポソームをCRCA−1翻訳生
成物−保持細胞に特異的に標的化する。
【0210】 本発明のこの態様による複合または非複合−組成物内の活性薬剤は、核酸分子
である。核酸は、RNAまたは好ましくはDNAであることができる。いくつか
の実施態様では、核酸分子は、アンチセンス分子であるか、または細胞内に存在
することが望ましくないタンパク質の生成を阻害するアンチセンス配列をコード
している。いくつかの実施態様では、核酸分子は、細胞内に存在することが望ま
しくないタンパク質の生成を阻害する、リボザイムをコードしている。いくつか
の実施態様では、核酸分子は、細胞内で生成されることが望ましいタンパク質ま
たはペプチドをコードしている。いくつかの実施態様では、核酸分子は、標的化
された細胞には欠損している遺伝子の機能性コピーをコードしている。好ましく
は、核酸分子は、細胞内のコード配列の発現に必要な調節エレメントに機能する
ように連結される。
【0211】 リポソームは、脂質からなる小ベシクルである。CRCA−1翻訳生成物−保
持細胞内で発現されることが望ましいタンパク質をコードする遺伝構築物を、こ
れらのベシクルの中央に導入する。これらのベシクルの外殻は、CRCA−1翻
訳生成物リガンドを含む。リポソーム、第1、2および3巻、CRC Pres
s Inc.Boca Raton FLA(ここに参照として採用する)は、
外殻内に抗体を含むリポソーム−カプセル化活性薬剤の調製について、開示して
いる。本発明では、例えば、抗−CRCA−1翻訳生成物抗体のようなCRCA
−1翻訳生成物リガンドを外殻に結びつける。リポソームマトリックス内に内側
の活性薬剤と共にCRCA−1翻訳生成物リガンドを含む非複合組成物は、CR
CA−1翻訳生成物リガンドが好ましくは抗体であるようなそのような組成物を
含む。
【0212】 一つの実施態様では、例えば、嚢胞性線維症は、塩素輸送タンパク質をコード
する特定の遺伝子に変異があり、結果として多くの系統、最も著しくは気道およ
び腸管の機能に異常をきたす遺伝子疾患であり、この嚢胞性線維症は、CRCA
−1翻訳生成物リガンドを用いて細胞に修正遺伝子を配達する遺伝子治療技術に
よって治療される。現在広く行われている治療は、気道内細胞とのみ結合するウ
イルスを用いて、気道に並ぶ細胞に直接これらの遺伝子を標的化することによっ
て、気道系統内の変異遺伝子を正常な遺伝子で置き換えることを指示している。
同様に、正常遺伝子を、CRCA−1翻訳生成物リガンドでそれらの表面を標的
化したリポソーム内にパッケージングし、腸管に配達する。CRCA−1翻訳生
成物リガンドは、嚢胞性線維症の病変を直す正常遺伝子を含むリポソームを、十
二指腸から直腸の腸管に並ぶ特別な細胞に、特異的に標的化し支配する。それら
の細胞による遺伝物質の取り込みは、結果として腸管内の嚢胞性線維症を治療す
るはずである。
【0213】 もう一つの実施態様では、p53腫瘍サプレッサー遺伝子の正常コピーの腸管
への配達を、遺伝子治療を目標としたCRCA−1翻訳生成物リガンドを用いて
成し遂げる。P53腫瘍サプレッサー遺伝子の変異は、腸管内の結腸直腸癌の増
殖に顕著な役割を演ずると考えられる。この疾病と闘う一つの方法は、腸管のこ
の遺伝子の変異型を発現する細胞に、この遺伝子の正常なコピーを配達すること
である。正常なp53腫瘍サプレッサー遺伝子を含む遺伝子構築物を、CRCA
−1翻訳生成物リガンドを含むリポソーム内に取込む。組成物を、腸管に配達す
る。CRCA−1翻訳生成物結合リガンドは、腸管細胞内のp53サプレッサー
遺伝子の変異によって作られる病変を修正するために、正常な遺伝子を含むリポ
ソームを特異的に標的化し支配する。
【0214】 遺伝子構築物の調製は、当業者らの熟練と共にある。本発明は、本発明のCR
CA−1翻訳生成物リガンドを用いることによって、そのような構築物を特異的
に標的化することを可能にする。本発明の組成物は、配達ベヒクルと結合した抗
−CRCA−1翻訳生成物抗体のようなCRCA−1翻訳生成物リガンドおよび
細胞内での発現に必要な調節配列と連結させた、腸管細胞に好まし生成物であ るタンパク質のコード配列を含む遺伝子構築物を含む。腸管細胞によって取り込
まれるために、組成物を経口または浣腸で投与し、そうすることによって組成物
は腸管に入り、一つ以上の翻訳生成物を含む細胞と接触する。配達ベヒクルは、
CRCA−1翻訳生成物リガンドの力でCRCA−1翻訳生成物と結びつき、ベ
ヒクルを細胞内に取り込むか、さもなくば活性薬剤/遺伝子構築物を細胞に取り
込ませる。いったん取り込まれたならば、構築物は、個体に治療効果をもたらす
ことができる。当業者は、経口または浣腸投与用のそのような組成物を容易に調
合することができ、疾病または障害を治療するために投与されるそのような組成
物の有効量を決定することができる。
【0215】 アンチセンス 本発明は、アンチセンス化合物を結腸細胞に特異的に配達し、それによって、
所望しない遺伝子発現を起こさない細胞に負の影響を与えることなく、そのよう
な非所望の発現を起こすそのような結腸細胞内で遺伝子の発現を停止する手段を
提供ことによって、結腸細胞に生じる疾病の予防および治療に有用である、組成
物、キットおよび方法を提供する。
【0216】 本発明の複合組成物は、転移性癌細胞ならびに限局性癌および正常な結腸細胞
を含む、そのような細胞から誘導されたそれらの癌細胞を含む腸管壁内側を覆う
標的細胞に有効である。複合組成物は、非結腸直腸誘導細胞とは結合しないであ
ろう。従って、個体に投与される複合組成物の活性部分は、局所的に正常な結腸
直腸細胞および癌性結腸直腸細胞ならびに転移性結腸直腸細胞の様な、腸管から
誘導された細胞に配達される。一つ以上のCRCA−1翻訳生成物を欠く非結腸
直腸細胞は、複合組成物を取り込まない。従って、本発明は、アンチセンス組成
物を結腸細胞にのみ配達する組成物および方法を提供する。
【0217】 本発明は、結腸直腸細胞のみを化合物の活性部分に晒し、結腸直腸癌細胞のみ
が複合化合物によって影響を受ける、結腸直腸癌に特異的な研究方法を提供する
。STレセプター結合部分は、正常な結腸直腸細胞、限局性結腸直腸癌細胞およ
び転移性結腸直腸癌細胞を含む、結腸直腸細胞に特異的に結合する。これらの細
胞に結合すると、複合化合物は内面化され、分子のアンチセンス部分を含む複合
化合物の配達が果たされる。複合化合物の活性部分をなすアンチセンス分子が相
補的である結腸直腸癌関連遺伝子を発現しないため、正常結腸直腸細胞内に複合
化合物が存在しても、そのような細胞には影響を与えない。しかしながら、結腸
直腸癌細胞内では、複合化合物の活性部分をなすアンチセンス部分と相補的な癌
遺伝子が、発現している。結腸直腸癌細胞内に複合化合物が存在すると、癌遺伝
子の転写または翻訳が阻害または防御され、それによってトランスフォームされ
た表現型が減少または排除される。
【0218】 本発明を用いると、限局性または転移性結腸直腸癌と戦い、トランスフォーム
された表現型の非常事態を防ぐことができる。このように、本発明は、治療的な
らびに予防的に用いることができる。
【0219】 本発明の治療用予防用医薬組成物は、結腸細胞を特異的に標的化した複合化合
物を含む。腸管細胞を除くその他組織の細胞はSTレセプターを持たないので、
これらの複合化合物には、腸管細胞を除く体内の正常組織細胞には結合しない、
CRCA−1翻訳生成物結合部分が含まれる。このように、正常な結腸直腸細胞
、限局性結腸直腸癌細胞および転移性結腸直腸癌細胞のみが複合化合物を取り込
む。
【0220】 当業者は、結腸直腸癌および転移性結腸直腸癌に罹患していると予想される個
体を容易に同定することができる。結腸直腸癌と診断されたそのような個体では
、この方法は、転位が疑われる標準療法であり、転位細胞を積極的に根絶できる
試みでもある。本発明は、転移性結腸直腸癌細胞を特異的に標的化し排除する、
医薬組成物および方法を提供する。さらに、本発明は、結腸直腸癌細胞を特異的
に排除するための療法および方法を含む、医薬組成物を提供する。本発明は、癌
化に含まれる遺伝子の転写または翻訳を阻害するアンチセンス分子をそのような
細胞に予防的に供給することにより、そのような細胞による癌化を防ぐ、結腸直
腸細胞に特異的な医薬組成物および方法を提供する。
【0221】 本発明の複合組成物を含む医薬組成物を用いると、限局性および/または転移
性結腸直腸腫瘍、即ち、一次性または非転移性結腸直腸腫瘍ならびに転移性結腸
直腸腫瘍、に罹患した個体を診断または治療することができる。
【0222】 本発明は、複合組成物中でCRCA−1翻訳生成物結合部分を用いることをよ
る。CRCA−1翻訳生成物結合部分は、実質上、CRCA−1翻訳生成物への
リガンドとして働き、従ってこれらレセプターと特異的に結合する、複合組成物
の一部分である。また、複合組成物は、CRCA−1翻訳生成物結合部分と結び
ついた活性部分を含み;この活性部分は、癌と関連して発現する遺伝子発現の転
写または翻訳の阻害または防御に有効なアンチセンス組成物である。
【0223】 本発明では、活性部分はアンチセンス組成物である。特に、複合化合物の活性
部分を作るアンチセンス分子は、結腸細胞内のDNAまたはRANとハイブリダ
イズし、それから起こるDNAまたはRNAの転写または翻訳を阻害および/ま
たは防御する。アンチセンス組成物は、核酸分子、その誘導体または類似体であ
ることができる。アンチセンス組成物の化学的性質は、核酸分子、または修飾核
酸分子、または発現を阻害されるかさもなくば防御されるDNAまたはRNA分
子と相補的なDNAまたはRNA分子をまねた官能基を持つ非核酸分子、の性質
であることができる。アンチセンス組成物は、その発現が結腸直腸癌とつながる
遺伝子、即ち結腸直腸癌関連遺伝子、の転写または翻訳を阻害または妨害する。
そのような遺伝子の例としては、限定するつもりはないが、hMSH2、hML
H1、hPMS1およびhPMS2のような遺伝性結腸非ポリポーシス(heredit
ary nonpolyposis coli)(HNPCC)遺伝子、Ras、腺腫様結腸ポリポーシ
ス(adenomatous polyposis coli)(APC)、ERBB−1/HER−1、ER
BB−2/HER−2、p53腫瘍サプレッサー、MYB、FOS、ABL、タ
ンパク質チロシンホスファターゼG1、サイクリックAMP−依存タンパク質キ
ナーゼ(PKA)、CRIPTO、トランスフォーミング成長因子αおよびIp
、が含まれる。
【0224】 結腸直腸癌−関連遺伝子は、結腸直腸癌の遺伝的基礎を提供する。結腸直腸癌
は、非抑制増殖と関連する腫瘍性表現型を導く上皮細胞内の遺伝子変異の蓄積を
含む過程である。結腸直腸発癌現象は、アデノーマから浸潤癌への進行を含む多
段階の過程からなる。もちろん、遺伝子異常の累進的総計が、それらの出現の種
類より重要であるらしい。多くの遺伝子異常は、結果として対立遺伝子の損失ま
たは染色体フラグメントの欠損を生じる。結腸直腸癌表現型と関連する特異的な
遺伝子異常は、以下に議論されるであろう。これらのすべては、遺伝的手法を用
いた治療への可能性がある。Toribara,NWおよびSleisenge
r,MH、1995、「結腸直腸癌のスクリーニング」("Screening for colore
ctal cancer") New Eng.J.Med.,332,861−867:(こ
こに参照として採用され、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照
として採用される)を参照のこと。
【0225】 HNPCCは、遺伝性結腸非ポリポーシス(HNPCC)結腸直腸癌の原因で
あると予想される4つの遺伝子をさす。これらの4つの遺伝子は、Toriba
ra,NWおよびSleisenger,MH、1995、「結腸直腸癌のスク
リーニング」("Screening for colorectal cancer") 、New Eng.J.M
ed.,332,861−867、に同定され議論されている。hMSH2、h
MLH1、hPMS1、およびhPMS2と呼ばれる遺伝子は、DNAの塩基の
誤対合を修復する遺伝子を校正する。この機能が無くなると、複製間違いがDN
Aに起こるようになる。
【0226】 ポイントミューテーション挿入ならびにK−rasおよびH−rasの欠損が
、結腸直腸腫様内で同定された。Toribara,NWおよびSleisen
ger,MH、1995、「結腸直腸癌のスクリーニング」("Screening for co
lorectal cancer") 、New Eng.J.Med.,332,861−867
;Kniazev,PGら、「オンコジーン HER−2/ERBB−2、HE
R−1/ERBB−1、HRAS−1、C−MYCおよび抗−オンコジーンp5
3、RB1の変化、ならびに結腸癌内の染色体17の座の欠損、の複合特徴」("
Complex characteristics of the alterations of oncogenes HER-2/ERBB-2、HER
-1/ERBB-1、HRAS-1、C-MYC anti-oncogenes p53,RB1、as well as deletions of lo
ci of chromosome17 in colon carcinoma.")、Molekuliarnaia
Biologiia,26(5),1134−47、1992年9月−10月;
および、Ramsay,RGら、「Myb発現は、正常粘膜よりヒト結腸癌およ
び前悪性腺腫様ポリーブ内でより高い」("Myb expression is higher in malign
ant human colonic carcinoma and premalignant adenomatous polyps than in
normal mucosa.")、Cell Growth & Differentiati
on.”3(10),723−30、1992年10月:(ここに参照として採
用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される)
を参照のこと。
【0227】 家族性腺腫様結腸ポリポーシス(adenomatous polyposis coli)(APC)を持
つ患者は、染色体5q、18q、17pの欠損を含む一連の欠損を持つと考えら
れる。17p欠損は、p53サプレッサー遺伝子の欠損を示す。
【0228】 ERBB−1/HER−1およびERBB−2/HER−2遺伝子は、結腸直
腸癌の場合、約4−8%で増幅されることが証明されている。
【0229】 p53遺伝子内のポイントミューテーションは、結腸直腸癌の場合、約3%で
変異していると、報告されている。
【0230】 MYTプロト−オンコジーン発現は、結腸直腸腫様内でより高いことが証明さ
れた。Ramsay,RG.Thompson,MA.Hayama,JA.R
eid,G.Gonda,TJ.Whitehead,RH.「Myb発現は、
正常粘膜内より、悪性のヒト結腸癌および前悪性の腺腫様ポリーブ内でより高い
。」("Myb expression is higher in malignant human colonic carcinoma and
premalignant adenomatous polyps than in normal mucosa.")、Cell Gr
owth & Differentiation.3(19),723−30、
1992年10月;Melani,Cら、「c−mybを発現する結腸腺癌細胞
系でのc−mybアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドによる増殖の阻害」
("Inhibition of proliferation by c-myb antisense oligodeoxynucleotides i
n colon adenocarcinoma cell lines that express c-myb.") 、Cancer
Research,51(11),2897−901、1991年1月1日;お
よび、Ramsay RGら、「Myb発現は、正常粘膜内より悪性のヒト結腸
癌および前悪性の腺腫様ポリーブ内でより高い」("Myb expression is higher i
n malignant human colonic carcinoma and premalignant adenomatous polyps
than in normal mucosa.")、Cell Growth & Different
iation,3(19),723−30、1992年10月:(ここに参照と
して採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用さ
れる)を参照のこと。もちろん、MYBを最も高いレベルで発現する腫瘍および
細胞は、大部分が形成異常であり、最も高いレベルで増殖する。cMYBは、増
殖シグナル化経路で役割を演ずるプロトオンコジーンである。この遺伝子の再配
列、挿入および欠損が、見つかっている。Alexander,RJら、「オン
コジーンはN−メチル−N−ニトロソウレアによって誘導されたラット結腸腫瘍
内で変化する」("Oncogene alterations in rat colon tumors induced by N-me
thyl-N-nitrosourea.") 、American Journal of the
Medical Sciences,303(1),16−24、1992年1
月:(ここに参照として採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここ
に参照として採用される)を参照のこと。アンチセンスMYBオリゴヌクレオチ
ドは、インビトロでこのオンコジーンを最も高いレベルで発現する結腸腺癌細胞
の増殖を遅らせる。
【0231】 ラットモデル内での化学的発癌現象は、転写の抑制および増殖を仲介するオン
コジーンであるfos内でのポイントミューテーションであることが証明された
。Alexsander,RJら、「オンコジーンは、N−メチル−N−ニトロ
ソウレアによって誘導されたラット結腸腫瘍内で変化する」("Oncogene alterat
ions in rat colon tumors induced by N-methyl-N-nitrosourea.") 、Amer
ican Journal of the Medical Sciences
,303(1),16−24、1992年1月:(ここに参照として採用し、そ
こに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される)を参照の
こと。
【0232】 ラットモデル内での化学的発癌現象は、オンコジーンabl内のポイントミュ
ーテーションであることが証明された。Alexsander,RJら、「オン
コジーンは、N−メチル−N−ニトロソウレアによって誘導されたラット結腸腫
瘍内で変化する」("Oncogene alterations in rat colon tumors induced by N-
methyl-N-nitrosourea.") 、American Journal of the
Medical Sciences,303(1),16−24、1992年
1月:(ここに参照として採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたこ
こに参照として採用される)を参照のこと。
【0233】 MYCは、転写および増殖を抑制する役割を演ずるオンコジーンである.MY
Cの発現の増加が、結腸直腸癌細胞内で認められた。Collins,JFら、
「c−mycアンチセンスオリゴヌクレオチドは、Colo320結腸癌細胞の
コロニー形成能力を阻害する」("c-myc antisense oligonucleotides inhibit t
he colony-forming capacity of Colo320 colonic carcinoma cells")、Jou rnal of Clinical Investigation, 89(5 )、1523−7、1992年5月;および、Rodriguerz−Alfa
geme,Cら、「染色体5の伝達によるヒト結腸癌細胞内の脱抑制されたc−
MYC発現の抑制」("Suppression of deregulated c-MYC expression in human
colon carcinoma cells by chromosome 5 transfer")、Proceeding s of the National Academy of Science
s of the United States of America,89
(4),1482−6、1992年2月15日:、ここにその両方を参照として
採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される
。エキソンIIの翻訳開始領域に相補的なmycに対する15−塩基のアンチセン
スオリゴヌクレオチドを、結腸直腸癌細胞と共にインキュベートした。このアン
チセンス分子は、dos−依存様式の結腸直腸癌細胞の増殖を阻害した。興味深
いことに、このオリゴヌクレオチドの取り込みは低い(0.7%)。また、正常
な染色体5の結腸直腸癌細胞への運搬は、結果としてmycの発現を抑制し、そ
して増殖しなくなる。これらのデータから、mycの抑制に重要な腫瘍サプレッ
サー遺伝子はこの染色体上に含まれると、考えられる。
【0234】 新規のタンパク質チロシンホスファターゼG1が同定された。結腸直腸腫瘍細
胞内のこのタンパク質をコードするmRNAの試験から、それはこれらの細胞内
でポイントミューテーションおよび欠質を受けることが明らかにされ、これら細
胞の増殖特徴に役割を演じることができる。Takenawa,Mら、「タンパ
ク質チロシンホスファターゼG1遺伝子の染色体上の位置決定およびヒト結腸癌
細胞内の正常でない転写物の特徴」("Chromosomal localization of the protei
n tyrosine phosphatase G1 gene and characterization of the aberrant tran
scripts in human colon caner cells.")、FEBS Letters,339 (3)222−8、1994年2月21日、ここに参照として採用し、そこに列
挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される。
【0235】 ガストリンは、PKAによって仲介されるサイクリックAMP依存性メカニズ
ムを通して結腸癌細胞の増殖を抑制する。PKAの特別クラスの抑制サブユニッ
トに対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドは、結腸癌細胞内のサイ
クリックAMPの成長促進効果を阻害した。Bold,RJら、「ヒト結腸癌の
実験的遺伝子治療」("Experimental gene therapy of human colon cancer") 、
Surgery,116(2),189−195;考察195−6、1994年
8月;および、Yokozaki,Hら、「サイクリックAMP依存性タンパク
質キナーゼのRI−αサブユニットを涸渇させるアンチセンスオリゴデオキシヌ
クレオチドはヒトの癌細胞の増殖阻害を誘導する」(An antisense oligodeoxynu
cleotide that depletes RI alpha subunit of cyclic AMP-dependent protein
kinase induces growth inhibition in human cancer cells ")、Cancer Research,53(4),868−72、1993年2月15日、ここ
に参照として採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照とし
て採用される。
【0236】 CRIPTOは、大部分の結腸直腸癌腫瘍内で発現する上皮増殖因子−関連遺
伝子である。CRIPTO mRNAの5’末端に対するアンチセンスホスホロ
チオエートオリゴデオキシヌクレオチドは、明らかにCRIPTOの発現を減少
させ、インビトロおよびインビボでの結腸直腸腫瘍細胞の増殖を阻害する。Ci
ardiello,Fら、「アンチセンスRNAおよびオリゴデオキシヌクレオ
チドによるヒト結腸癌細胞のCRIPTO発現および腫瘍形成性の阻害」("Inhi
bition of CRIPTO expression and tumorigenicity in human colon cancer cel
ls by antisense RNA and oligodeoxynucleotides") 、Oncogene,9(
1),291−8、1994年1月、ここにその両方を参照として採用し、そこ
に列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される。
【0237】 多くの癌細胞は、形質転換増殖因子αを分泌する。TGFα mRNAに対す
るA23ヌクレオチドアンチセンスオリゴヌクレオチドは、結腸直腸癌細胞のD
NA合成および増殖の両方を阻害した。Sizeland,AM、Burges
s,AW、「アンチセンス形質転換増殖因子αオリゴヌクレオチドは、結腸癌細
胞系のオートクライン刺激増殖を阻害する」("Antisense transforming gtowth
factor alpha oligonucliotides inhibit autocrine stimulated proliferation
of a colon carcinoma cell line") 、Molecular Biology
of the Cell、3(11),1235−43、1992年11月、こ
こに参照として採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照と
して採用される。
【0238】 ヒト結腸直腸腫瘍は、染色体1pの欠失を伴うことが確認された。この染色体
の一部分1p36−34は、MYCの発現を抑制する腫瘍サプレッサー遺伝子を
含む。Tanaka,Kら、「正常な染色体1p36領域の導入によるヒト結腸
癌細胞内の腫瘍形成性の抑制」("Supression of tumorigenicity in human colo
n carcinoma cells by introduction of normal chromosome 1p36 region")、O
ncogene,8(8),2253−8、1993年8月、ここに参照として
採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される
【0239】 一般的に、オリゴヌクレオチド、その誘導体および類似体、複合プロトコール
、および転写および翻訳を阻害するアンチセンスストラテジー、を含むアンチセ
ンス組成物は、Antisense Research and Applic
ations、Crooke,S.およびB.Lebleu編、CRC Pre
ss,Inc.,Boca Raton FLA、1993;Nucleic
Acids in Chemistry and Biology,Black
burn,GおよびM.J.Gait編、IRL Press at Oxfo
rd University Press,Inc.,New York、19
90;および、Oligonucleotides and Analogue
s、A practical Approach、Eckstein,F編、I
RL Press at Oxford University Press,
Inc.,New York 1991;ここに参照として採用し、そこに列挙
されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される;に記載されている
【0240】 本発明のアンチセンス分子は、結腸直腸癌遺伝子のフラグメントに相補的な配
列を含む。Ullrichら、EMBO J.,5,2503、1986(ここ
に参照として採用される)を参照のこと。この定義により計画されたのが、結腸
直腸癌細胞のコード配列内にあるoligosのフラグメントである。
【0241】 本発明の複合化合物内の活性部分を作り上げることのできるアンチセンス組成
物は、ホモピリミジンで形成されたオリゴヌクレオチドを含み、DNA二重らせ
ん内の局所的に続くホモプリンを認識し、そして主要グローブ内でそれらを結合
して、三重らせんを形成する。Helen,CおよびToulme,JJ、「ア
ンチセンス、センスおよび抗遺伝子核酸による遺伝子発現の特異的調節」("Sspe
cific regulation of gene expression by antisense, sense and antigene nuc
loeic acids") 、Biochem.Biophys.Acta.,1049,9
9−125、1990、ここに参照として採用し、そこに列挙されらすべての参
考文献もまたここに参照として採用される、を参照のこと。三重らせんの形成は
、RNAポリメラーゼによって転写される特定の遺伝子の能力を妨げる。myc
−特異的オリゴヌクレオチドを用いると、三重らせんの形成が認められた。Co
oney,Mら、Science,241,456−459、ここに参照として
採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される
、を参照のこと。
【0242】 イントロンとエクソンの間の境界にある配列と相補的なDNAまたはRNAの
アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、転写のためのmRNA内の特定の遺
伝子の新たに発生した核RNA転写物の成熟を防ぐことができる。特定遺伝子と
相補的なアンチセンスRNAは、tat遺伝子のmRNAとハイブリダイズでき
、その翻訳を防ぐ。アンチセンスRNAは、インビトロで合成された"ready-to-
use"RNAとして、または転写時にアンチセンスRNAが得られるであろう細胞
内に安定にトランスフェクトされたアンチセンスとして、細胞に提供することが
できる。mRNAとのハイブリダイゼーションは、結果として、RNAアーゼH
によるハイブリダイズ分子の分解および/または翻訳複合物の形成阻害を生じる
。両方共、本来の遺伝子の生成物を生成できなくなる。
【0243】 DNAまたはRNAのアンチセンス配列も、細胞に配達することができる。い
くつかの化学修飾を行って、特異的配列を認識するそれらの能力を妨害すること
なく、安定性を延長しこれらの分子の機能を改良した。これらには、ホスホトリ
エステル、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、α−アノマーを含む、D
Nアーゼによる分解に対するそれらの耐性の増加、ソラレンの様な様々な介在薬
にそれらが共有結合することによるそれらアフィニティーの増加、および、ポリ
リシンを含む様々な基への複合による細胞による取り込みの増加、を含む。これ
らの分子は、mRNA内にコードされた特定の配列を認識し、それらのハイブリ
ダイゼーションは、これらのmRNAの翻訳を妨害し、分解を増加させる。
【0244】 本発明の複合組成物は、腫瘍癌化の原因となる遺伝子の発現を終結するための
特異的効果的手段を提供する。CRCA−1翻訳生成物は、リガンド誘導エンド
サイトーシスを受け、CRCA−1翻訳生成物結合部分が結腸細胞上のSTレセ
プターと結合する場合、細胞の細胞質に複合化合物を配達することができる。こ
れらのレセプターのユニークな局在性およびエンドサイトーシスを受けるそれら
の能力から、それらは、これらの腫瘍に対する標的化治療を行うための卓越した
候補になる。
【0245】 CRCA−1翻訳生成物結合部分を、結腸直腸腫瘍細胞内の応答の誘導に活性
な、核酸のようなアンチセンス組成物に直接複合する。例えば、MYCに対する
アンチセンスオリゴヌクレオチドを抗−CRCA−1翻訳生成物抗体に直接複合
する。このことは、CD4レセプターと結合するペプチドを用いて行われる。C
ohen,JS編、Oligodeoxynucleotides;Antis
ense Inhibitors of Gene Expression,T
opics in Molecular and Structural Bi
ology,CRC Press,Inc.,Boca Raton、1989
、ここに参照として採用し、そこに列挙されらすべての参考文献もまたここに参
照として採用される、を参照のこと。正確な骨格およびその合成は特定されてお
らず、良く確立された技術から選択することができる。合成は、化学的複合また
はFMOC化学を用いた固相合成によるキメラ分子の直接合成のいずれかを含む
であろう。Haralambidis,Jら、Tetrahedron Let
t.,28,5199−5202、1987、ここに参照として採用し、そこに
列挙されらすべての参考文献もまたここに参照として採用される、を参照のこと
。代わりに、ペプチド−核酸複合体を、固相合成によるペプチド−ペプチド核酸
キメラとして固相合成により直接合成することもできる。Nielsen,PE
ら、「配列特異的転写はDNAテンプレートストランドに結合したペプチド核酸
によって抑えられる」("Sequence-specific transctiption arrest by peptide
nucleic acid bound to the DNA template strand") 、Gene,149,13
9−145、1994、ここに参照として採用し、そこに列挙されらすべての参
考文献もまたここに参照として採用される。
【0246】 いくつかの実施態様では、ポリリシンを、核酸への非共有結合様式で本発明の
複合組成物と複合させ、そして細胞の細胞質へのこれらの分子の配達を強化する
ために用いることができる。さらに、ペプチドおよびタンパク質を、共有結合様
式でポリリシンと複合し、この複合体を非共有結合様式で核酸と複合させて、細
胞内への核酸の取り込みの特異性および能力をより強化することもできる。この
ように、CRCA−1翻訳生成物リガンドを、確立された技術によって化学的に
ポリリシンと複合する。ポリリシン−CRCA−1翻訳生成物リガンド複合体を
、選択された核酸と複合することができる。このように、ポリリシン−オロソム
コイド複合体を、遺伝子を含む特異的プラスミドに用い、オロソムコイドレセプ
ターを発現するヘパトーマ細胞に発現させる。この方法を用いると、全遺伝子ま
たはオリゴヌクレオチドを配達することができる。従って、非所望の遺伝子発現
を終結させる(例えば、MYC、ras)、または失われたあるいは欠失した遺
伝子(例えば、hMSH2、hMLH1、hPMS1、およびhPMS2)の機
能を元に戻す可能性がある。
【0247】 好ましい実施態様では、Mycは、その発現が複合組成物内のアンチセンス分
子によって阻害される遺伝子として供給される。大部分ではないにしろ、多くの
結腸直腸腫瘍細胞は、増殖の仲介に含まれる遺伝子であるMYCを過剰発現する
。結腸直腸腫瘍細胞の増殖の減少は、このタンパク質のmRNAとハイブリダイ
ズするMYCに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、結果としてこ
のmRNAを分解し、MYCの生成を劇的に減少させることによって成し遂げる
ことができる。CRCA−1翻訳生成物結合部分を用いて、エキソンIIの翻訳開
始領域に相補的なmycに対する15−塩基アンチセンスオリゴヌクレオチドを
配達する。この構築物は、結腸直腸癌細胞とインキュベートした場合、MYCの
発現の阻害に活性であった。MYCに対する15−塩基アンチセンスオリゴヌク
レオチドは、Collins,JF.Nerman,P,Schuch,C.B
agby,GC,Jr.,Journal of Clinical Inve
stigation,89(5),1523−7、1992年5月、に報告され
た方法に従って、合成される。いくつかの実施態様では、複合組成物を、前に報
告した方法に従って、ポリリシンに複合する。Wu,GY.およびWu,CH.
1988、「インビトロでのHep G2 ヘパトーマ細胞へのed遺伝子配達
の証明」("Evidence for ed gene delivery to Hep G2 hepatoma cells in vitr
o") Biochem.,27,887−892、ここに参照として採用する。
【0248】 複合組成物を、固相合成によって直接キメラ分子として合成することもできる
。インビトロでは、この複合体はピコモルからナノモルの濃度で結腸直腸癌細胞
内でのMYC合成を抑制する。
【0249】 好ましくは、アンチセンス分子は、長さ5−50のヌクレオチド、より好まし
くは5−25ヌクレオチド、およびいくつかの実施態様では10−15ヌクレオ
チドである、ヌクレオチド配列とハイブリダイズする、即ち、相補的である。
【0250】 さらに、ミスマッチした配列が実質的に結腸直腸癌遺伝子配列に相補的である
ような、本発明の方法を成し遂げる、上に同定された配列を持つミスマッチもま
た、開示の範囲内にあると考えられる。結腸直腸癌遺伝子配列との実質上の相補
性を許すミスマッチは、一度本開示を与えられた当業者らには既知であろう。ま
た、oligosは、修飾されていなくても、または修飾されていても良い。
【0251】 治療用組成物および方法を用いると、限局性および/または転移性の結腸直腸
癌と闘うことができる。個体に治療上有効な量の複合化合物を投与する。治療上
有効な量は、個体の致死的副作用の原因とならずに転移性結腸直腸癌細胞への細
胞毒性または細胞増殖抑制性効果の原因となるに有効な量である。治療上有効な
量の複合組成物を投与された個体は、個体が治療上有効な量を受け取らなかった
場合のリスクと比較して、結腸癌を排除する機会が増える。
【0252】 限局性結腸直腸癌を治療するために、治療上有効な量の複合化合物を、それが
結腸内の局在性腫瘍と接触するであろうように、投与する。このように、複合化
合物は、経口または非経口で投与される。複合化合物を経口で投与する場合、そ
れらは、胃酸による分解を防ぐため、好ましくは腸でコートさもなくば製剤され
る。腸調合物は、合衆国特許第4,601,896号、合衆国特許第4,729
,893号、合衆国特許第4,849,227号、合衆国特許第5,271,9
61号、合衆国特許第5,350,741号、および合衆国特許第5,399,
347号、に記載されており、そのそれぞれをここに参照として採用する。経口
および直腸調合物は、Remington’s Pharmaceutical
Sciences,第18版、1990、Mack Publishing
Co.,Easton PAに教授されており、ここに参照として採用する。代
わりの実施態様には、結腸への複合生成物の連続的配達を提供する、持続性放出
製剤およびインプラントデバイスが含まれる。
【0253】 本発明の医薬組成物は、一回投与または複数回投与のいずれかで、投与される
ことができる。本発明の医薬組成物は、単独の治療薬剤として、またはその他の
治療薬剤との組み合わせのいずれかで、投与されうる。本発明の治療を、慣用の
治療と組み合わせることができ、順番にまたは同時に投与することができる。
【0254】 本発明は、結腸細胞へアンチセンス化合物を配達し、哺乳動物の結腸直腸癌遺
伝子の発現を阻害する方法に関係する。方法は、結腸直腸癌遺伝子のDNAまた
はmRNA領域に相補的な配列を持つアンチセンスオリゴヌクレオチドに複合さ
せたCRCA−1翻訳生成物結合部分を含む、有効量の複合組成物の哺乳動物へ
の投与を含む。
【0255】 複合化合物は、投与の予定経路および標準的医薬慣習に関して選択された、医
薬として許容しうるキャリヤーとの混合物で、哺乳動物に投与することができる
。投与量は、患者の体重および医療状態に関して設定されるであろう。本発明の
複合組成物を、未分化細胞および/または異常な表現型を持つ細胞を含まない哺
乳動物に充分な時間投与されるであろう。治療方法では、治療は増殖から癌化細
胞を阻害するに充分な時間におよび、複合組成物を、その他の化学治療薬と複合
させて投与し、患者の癌を操縦し、これと闘うことができる。
【0256】 本発明の複合化合物は、単独で、またはその他の化合物と組み合わせて、本発
明の方法に用いられうる。また、投与される量は、患者の年齢、体重および臨床
状態のようなそのような要因に依存するであろう。Gennaro,Alfon
so編、Remington’s Pharmaceutical Scien
ces、第18版、1990、Mack Publishing Co.,Ea
ston PA、を参照のこと。
【0257】 予防組成物および方法を用いると、結腸直腸癌の元を防ぐことができる。特に
、複合化合物を結腸直腸癌にかかりやすいと考えられる個体に投与することがで
きる。遺伝子型決定技術を用いると、個体感受性の具体的種類を同定することが
できる。即ち、どの癌遺伝子が個体の結腸直腸癌と関連するであろうかを決定で
きるであろう。例えば、APC遺伝子内の欠損およびAPC遺伝子診断用キット
は、合衆国特許第5,352,775号に開示されており、ここに参照として採
用される。同様に、MCC遺伝子の欠損およびその遺伝子の診断用キットは、合
衆国特許第5,330,892号に開示されており、ここに参照として採用され
る。予防的方法では、治療は、トランスフォーメーションの阻害に充分な時間、
連続的にまたは時々散発的に、およぶ。
【0258】 結腸直腸癌を防ぐために、予防用として有効な量の複合化合物を、それが正常
な結腸細胞と接触しそれに取り込まれるように、投与する。このように、複合化
合物は、経口または非経口で投与される。複合化合物を経口投与する場合、好ま
しくは、それらを、上記の方法に従って、胃酸による分解を防ぐために、腸被覆
するかさもなくば製剤される。
【0259】 予防に有効な量は、細胞内での結腸癌の癌化の開始を防ぐに有効な量である。
予防に有効な量の複合組成物を投与された個体は、予防に有効な量を受けていな
い個体のリスクと比較して、結腸癌の発病リスクが減少する。
【0260】 治療用および予防用ワクチン 本発明は、転移性結腸直腸癌から個体を防御するための、そして転移性結腸直
腸癌にかかった個体を治療するための、予防用および治療用ワクチンに関する。
【0261】 本発明では、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物が、予防治療免疫応答を誘導
することのできる標的として供給される。具体的には、CRCA−1翻訳生成物
に対して免疫応答を誘導するワクチンを提供する。本発明のワクチンは、限定す
るつもりはないが、以下のワクチン技術を含む: 1) DNAワクチン、即ち、STレセプタータンパク質上に存在しないCR
CA−1翻訳生成物からの少なくとも一つのエピトープをコードするDNAを、
エピトープを発現する個体細胞に投与し、免疫応答のための標的として供給され
る、ワクチン; 2) 組換えアデノウイルス、ワクシニア、サルモネラ、およびBCGの様な
感染ベクター仲介ワクチンであって、その中でベクターは、感染ベクターを個体
に投与した場合エピトープを発現し免疫応答の標的として供給されるような、S
Tレセプタータンパク質上に存在しないCRCA−1翻訳生成物からのエピトー
プを少なくとも一つコードする遺伝情報を運ぶ、前記の感染ベクター仲介ワクチ
ン; 3) a)STレセプタータンパク質上に存在しないCRCA−1翻訳生成物
からの少なくとも一つのエピトープを表示する死滅細胞または不活性化ウイルス
粒子のいずれかを含み、そしてb)個体に投与した場合に免疫応答の標的として
供される;死滅または不活性化ワクチン; 3) a)STレセプタータンパク質上に存在しないCRCA−1翻訳生成物
からの少なくとも一つのエピトープを表示する死滅細胞または不活性化ウイルス
粒子のいずれかを含み、b)より免疫原性であるようにハプテン化され、そして
c)個体に投与した場合に免疫応答の標的として供される;ハプテン化された死
滅または不活性化ワクチン; 4) STレセプタータンパク質上に存在しないCRCA−1翻訳生成物から
のエピトープを少なくとも1つ含むタンパク質分子を含むワクチンであるサブユ
ニットワクチン;および 5) a)STレセプタータンパク質上に存在しないCRCA−1翻訳生成物
からの少なくとも一つのエピトープを含むタンパク質分子を含み、そしてb)よ
り免疫原性であるようにハプテン化した、ワクチンであるハプテン化サブニット
ワクチン。
【0262】 本発明は、それぞれ、治療および予防免疫応答を誘導することのできる免疫原
性エピトープを含むかコードするタンパク質または核酸分子を個体に投与するこ
とに関係する。そのようなエピトープは、一般的に長さが少なくとも6−8のア
ミノ酸である。それ故、本発明のワクチンは、STレセプタータンパク質上に存
在しない一つ以上のCRCA−1翻訳生成物からの、少なくとも長さ6−8のア
ミノ酸であるタンパク質、または少なくとも長さ6−8のアミノ酸をコードする
核酸を含む。本発明のワクチンは、少なくとも長さが10−約1000のアミノ
酸であるタンパク質、または少なくとも長さが10−約1000のアミノ酸をコ
ードする核酸を含む。本発明のワクチンは、少なくとも長さが約25−約500
のアミノ酸であるタンパク質、または少なくとも長さが約25−約500のアミ
ノ酸をコードする核酸、を含むことができる。本発明のワクチンは、少なくとも
長さが約50−約400のアミノ酸であるタンパク質、または少なくとも長さが
約50−約400のアミノ酸をコードする核酸、を含むことができる。本発明の
ワクチンは、少なくとも長さが約100−約300のアミノ酸であるタンパク質
、または少なくとも長さが約100−約300のアミノ酸をコードする核酸、を
含むことができる。
【0263】 本発明は、転移性結腸直腸癌を持つことが分かっている個体を治療するための
組成物および方法に関する。転移性結腸直腸癌は、臨床および研究病理プロトコ
ールで受け入れられる技術、ならびに/または合衆国特許08/141,892
、1993年10月26日出願、合衆国特許08/305,056、1994年
9月13日出願、およびPCT出願PCT/US94/12232、1994年
10月26日出願、に記載のそれらを用いて、当業者らによって、診断されうる
。本発明は、転移性結腸直腸癌に罹っていると診断された個体の治療に有効な免
疫治療用ワクチンを提供する。本発明の免疫治療用ワクチンは、これらに限定す
るつもりはないが、合衆国特許第08/141,892、1993年10月26
日、合衆国特許08/305,056、1994年9月13日出願、およびPC
T出願PCT/US94/12232、1994年10月26日出願、に記載の
治療法を含む、その他の治療法と組み合わせて投与することができる。
【0264】 本発明は、転移性結腸直腸癌に罹りやすいと考えられる個体の転移性結腸直腸
癌を防ぐ組成物および方法に関する。そのような個体群には、家族の医療歴が家
族構成員の結腸直腸癌の平均出現率以上を示す個体群、および/または、既に結
腸直腸癌を発病し効果的に治療されたがそれ故回帰(relapse)および再発(recurr
ence)の危険に直面している個体群、が含まれる。そのような個体群には、限局 性のみ、または切除された、さもなくば治療された限局性および転移性結腸直腸
癌を含む結腸直腸癌を持つと診断された個体群が含まれる。また、そのような個
体には、遺伝評価によって確認されたような危険性の高い個体群も含まれる。例
えば、APCに変異を持つ個体群は、合衆国特許第5,352,775号、19
92年10月4日発行、Albertsenら、に記載の方法に従って同定する
ことができ、ここに参照として採用される。さらに、そのような個体群には、炎
症性腸疾患にかかった個体群、特に潰瘍性大腸炎を持つ個体群;結腸ポリーブを
持つ個体群;家族性腺腫様ポリーブである、多数の腸管ポリーブを発症する素因
を患者に与える遺伝的変異を持つ個体群;ポイツ−ジェガーズ症候群を持つ個体
群、遺伝的結腸非ポリポーシスである、結腸癌を発病する素因を人々に与える遺
伝的変異を持つ個体群;中枢神経系の別の癌と複合したターコット症候群−結腸
癌を持つ個体群;および直腸交際で結ばれた個体群;が含まれる。本発明のワク
チンは、個体が予防的に結腸直腸癌転移を防ぎ戦い易くすることができる。
【0265】 本発明は、そのようなワクチンの活性成分であるか、または活性成分を作るた
めに必要とされる組成物、活性成分を含むそのような組成物を作成する方法、お
よびワクチンを作成し使用する方法、に関する。
【0266】 CRCA−1転写物のヌクレオチド配列を、配列番号:1に示し、様々な翻訳
生成物のアミノ酸配列を配列番号2−81に示す。本発明は、特定のCRCA−
1翻訳生成物をコードするCRCA−1転写物の単離フラグメントに関する。
【0267】 本発明は、CRCA−1転写物またはそのフラグメントを含む発現ベクターを
含む、組換えベクターに関する。本発明は、CRCA−1翻訳生成物またはその
機能的フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを含む、
組み換えベクターに関する。
【0268】 本発明は、そのようなベクターを含む宿主細胞、およびそのような組換え細胞
を用いてCRCA−1翻訳生成物を作製する方法、に関する。
【0269】 本発明は、単離されたCRCA−1転写物、および単離されたCRCA−1翻
訳生成物、およびそのような生成物に特異的な単離された抗体およびそのような
抗体を生成するハイブリドーマ、に関する。
【0270】 本発明は、単離されたCRCA−1翻訳生成物およびその機能性フラグメント
に関する。従って、本発明のいくつかの態様は、CRCA−1翻訳生成物の少な
くとも一つのエピトープを含む単離されたタンパク質に関する。
【0271】 本発明のいくつかの態様は、それをより免疫原性にするハプテン化された上記
の単離されたタンパク質に関する。即ち、本発明のいくつかの態様は、少なくと
も一つのCRCA−1翻訳生成物エピトープを含むハプテン化タンパク質に関す
る。
【0272】 従って、本発明のいくつかの態様は、少なくとも一つのCRCA−1翻訳生成
物エピトープを含むタンパク質をコードする単離された核酸分子に関する。
【0273】 むき出しのDNAワクチンは、PCT/US90/01515に記載されてお
り、ここに参照として採用する。その他は、リポソーム仲介DNAトランスファ
ーの使用、ミクロ発射体(microprojectiles)を用いるDNA配達( 合衆国特許第
4,945,050号、1990年7月31日発行、Sanfordら、ここに
参照として採用する)、およびエレクトロポレーションを用いたDNA配達、に
ついて教授している。各々の場合、DNAは、細菌内で生成され、単離され、そ
して治療される動物に投与される、プラスミドDNAであることができる。プラ
スミドDNA分子は、興味あるタンパク質をコードする配列を発現する、動物細
胞に取り込まれる。このように生成されたタンパク質は、動物に治療効果または
予防効果を提供する。
【0274】 個体に治療的および/または予防的免疫効果を作り出すために個体細胞に核酸
分子を配達するために、ウイルスベクターを含むベクターを用いることおよびそ
の他の手段も、同様に良く知られている。ワクチンベクターを用いる組換えワク
チンは、例えば、合衆国特許第5,017,487号、1991年5月21日発
行、Stunnenbergら、ここに参照として採用する、に開示されている
【0275】 いくつかの場合、患者からの腫瘍細胞は、殺すかまたは不活性化され、ワクチ
ン生成物として投与される。Berdら、1986年5月、Cancer Re
search,46,2572−2577、およびBerdら、1991年5月
、Cancer Research,51,2731−2734(ここに参照と
して取り入れる)は、腫瘍細胞を基本としたワクチン生成物の調製および使用に
ついて記載している。本発明のいくつかの態様に従って、Berdらに記載の方
法および技術を、黒色腫細胞の代わりに結腸直腸癌細胞を用いることによって、
適用する。
【0276】 例えば研究用試薬またはサブユニットワクチンの成分として有用な単離された
翻訳生成物およびそのフラグメントを製造し使用することは、良く知られている
。当業者らは、CRCA−1転写物またはCRCA−1翻訳生成物またはそのフ
ラグメントをコードするその特異的部分を単離することができる。一端単離した
ら、核酸分子は、標準技術および容易に入手できる出発物質を用いて発現ベクタ
ー内に挿入することができる。
【0277】 CRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメントをコードする核酸分子をコ
ードするヌクレオチドを含む組換え発現ベクター、または、CRCA−1翻訳生
成物あるいはそのフラグメントを含むタンパク質。本発明の組み換え発現ベクタ
ーは、本発明の単離されたタンパク質を調製する組換え発現系を調製する宿主の
形質転換に有効である。
【0278】 本発明は、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメント、ま
たは、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメントを含むタン
パク質、をコードするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターを含む宿主細
胞に関する。タンパク質を生成する周知の組換え発現系に用いられる宿主細胞は
、良く知られており、容易に入手できる。宿主細胞の例としては、大腸菌のよう
な細菌細胞、S.cerevisiaeの様な酵母、S.frugiperda
の様な昆虫細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の様なヒトでない
哺乳動物の組織培養細胞、およびHeLa細胞のようなヒト組織培養細胞が含ま
れる。
【0279】 本発明は、本発明のタンパク質をコードする核酸配列を含む組み換え発現ベク
ターを含むトランスジェニック非ヒト哺乳動物に関する。組換えタンパク質の生
成に有用なトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、トランスジェニック動物を作
成するための必要な発現ベクターおよび技術として良く知られている。一般的に
は、トランスジェニック細胞は、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそ
のフラグメント、または一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグ
メントを含むタンパク質、をコードするヌクレオチド配列を、哺乳動物細胞特異
的プロモーターに機能しうる様に連結した組み換え発現ベクターであって、それ
によってコード配列が哺乳動物内でのみ発現され、そのようにして発現された組
み換えタンパク質を動物のミルクから回収する、前記組み換え発現ベクターを含
む。
【0280】 いくつかの実施態様では、例えば、当業者は、周知の技術を用いて、そのよう
なDNA分子を、本明細書中に記載されたそれらのような周知の発現系で用いら
れる市販の発現ベクター内に挿入することができる。
【0281】 CRCA−1翻訳生成物あるいはその機能性フラグメントまたはCRCA−1
翻訳生成物あるいはその機能性フラグメントを含むタンパク質をコードするDN
Aを含む発現ベクターを用いて、適合する宿主にトランスフォームし、次にその
宿主を培養し、外来DNAの発現が起こる条件下に維持する。このようにして生
成された本発明のタンパク質は、適当かつ当業者に周知の方法に従って、細胞を
溶解することによって、または培養液からのいずれかで、培養基から回収される
。CRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメント、またはタンパク質と特異
的に結合する抗体を用いて同タンパク質を含むタンパク質を精製する方法が、良
く知られている。特定の抗体と特異的に結合する抗体を用いると、周知の技術を
用いてタンパク質を天然源から、および容易に入手できる出発物質から、精製す
ることができる。また、そのような抗体を用いると、組換えDNA方法論によっ
てタンパク質を生成させた場合に存在する物質から、タンパク質を精製すること
ができる。本発明は、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメ
ントまたは同一タンパク質を含むタンパク質上に存在するエピトープと結合する
抗体に関する。CRCA−1翻訳生成物上に存在するエピトープと結合する抗体
は、天然源または組換え発現系の両方からの、アフィニティークロマトグラフィ
ーのような周知の技術を用いたタンパク質の単離および精製に有用である。一般
的に、イムノアフィニティー技術は、Waldmanら、1991、Metho
ds of Enzymol.,195,391−396(ここに参照として採
用される)に記載されている。抗体は、サンプル内のそのようなタンパク質の存
在の検出に、そして細胞がタンパク質を発現しているかについての決定に、有用
である。抗体の生成ならびに完全な完全抗体、FabフラグメントおよびF(a b)2 フラグメントのタンパク質構造ならびにそのような分子をコードする遺伝 子配列の編制(organization)は周知であり、例えば、Harlow,EおよびD
,Lane、ANTIBODIES,A Laboratory Manual
,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor,NY、1988、に記載されており、ここに参照
として採用される。
【0282】 本発明のいくつかの実施態様では、トランスジェニック非ヒト動物を作成した
。本発明のトランスジェニック動物は、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物ある
いはそのフラグメントまたは哺乳動物特異的プロモーターの調節制御下で同一物
を含むタンパク質をコードする、ヌクレオチドを含む。当業者は、合衆国特許第
4,873,191号、1989年10月10日発行,Wagner、および合
衆国特許第4,736,866号、1988年4月12日発行、Leder(こ
こにその両方を参考として採用する)に教授された方法のような標準技術を用い
て、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメントまたは同一物
を含むタンパク質を生成するトランスジェニック動物を作り出すことができる。
好ましい動物は、ヤギならびに齧歯類、特にラットおよびマウスである。
【0283】 また、組換え技術によるこれらのタンパク質の生成に加えて、自動ペプチドシ
ンセサイザーを用いて、一つ以上のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグ
メントまたは同一物を含むタンパク質あるいはそのフラグメントを製造すること
もできる。そのような技術は、当業者らに周知であり、置換を持つ誘導体がDN
Aのコードするタンパク質生成物内に提供されない限り、有用である。
【0284】 いくつかの実施態様では、サブユニットワクチンまたは死滅されるか不活性化
されたワクチンの細胞または粒子を作り上げるタンパク質をハプテン化し、免疫
原性を増加させることもできる。いくつかの場合には、ハプテン化は、一つ以上
のCRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメントまたは同一物を含むタンパ
ク質により大きい分子構造を複合することである。いくつかの場合、患者からの
腫瘍細胞は、有効なワクチン生成物を作るための手段として死滅させハプテン化
される。CRCA−1翻訳生成物あるいはそのフラグメントまたは同一物を含む
タンパク質を作り表示する遺伝子情報と共に提供される、細菌または真核生物細
胞のようなその他の細胞を刺殺し、活性なワクチン成分として用いる場合、その
ような細胞をハプテン化すると免疫原性が増加する。ハプテン化は、良く知られ
ており、簡単に行うことができる。
【0285】 細胞をハプテン化する一般的な方法および腫瘍細胞をハプテン化する特別な方
法は、Berdら、1986年5月、Cancer Researck,46,
2572−2577、およびBerdら、1991年5月、Cancer Re
search,51,2731−2734、に記載されており、ここに参照とし
て採用される。さらなるハプテン化プロトコールは、Millerら、J.Im
munol.,117(5:1)、1591−1526、1976、に開示され
ている。
【0286】 本発明に記載のハプテン化CRCA−1免疫原を製造するために使用されるの
に適合し得るハプテン化の組成物及び方法は、参照により本明細書に組み込まれ
る以下の米国特許に記載されているものを包含する:1991年8月6日、St
rahilevitzへ発行された米国特許第5,037,645号;1992
年5月12日、Shiosakaらへ発行された米国特許第5,112,606
号;1985年7月2日、Stevensへ発行された米国特許第4,526,
716号;1982年5月11日、Christensonらへ発行された米国
特許第4,329,281号;及び1977年5月10日、Grossへ発行さ
れた米国特許第4,022,878号。本発明のCRCA−1免疫原を修飾する
のに適合し得るペプチドの免疫原性を増強するペプチドワクチン及び方法はまた
、Francisら、1989 Methods of Enzymol.17
8:659〜676に記載されていて、これは参照により本明細書に組み込まれ
ている。Sadら、1992 Immunology 76:599〜603は
、参照により本明細書に組み込まれているが、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを
ジフテリアトキソイドへ結合することによって免疫治療ワクチンを製造する方法
を教示する。CRCA−1免疫原も、本発明の免疫治療ワクチンを生産するため
に同じようにして結合され得る。MacLeanら、1993 Cancer
Immunol.Immunother.36:215〜222は、参照により
本明細書に組込まれているが、本発明の免疫治療ワクチンを生産するのに適合さ
れ得る、免疫治療ワクチンを生産するための結合方法を記載する。ハプテンは、
CRCA−1免疫原に結合され得るアオガイヘモシアニンである。
【0287】 本発明のいくつかの側面に記載のワクチンは、CRCA−1免疫原と複合した
製剤的に許容される担体を含む。医薬製剤はよく知られていて、そのようなタン
パク質を含んでなる医薬組成物は、当業者により常法で製剤化され得る。好適な
医薬担体は、この分野の標準的な参考文献であり、参照により本明細書に組込ま
れているRemington’s Pharmaceutical Scien
ces,A.Osolに記載されている。本発明は、製剤的に許容される担体及
びCRCA−1免疫原を含む注射用医薬組成物に関する。CRCA−1免疫原は
、好ましくは無菌であり、無菌の医薬担体と複合している。
【0288】 例えば、ある実施形態では、1種又はそれ以上のCRCA−1翻訳産物又はそ
のフラグメント又はそのフラグメント又はそれを含むタンパク質が、製剤的に許
容される担体と複合した溶液、懸濁液、乳濁液又は凍結乾燥粉末として製剤化さ
れ得る。そのような担体の例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース
溶液及び5%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び脂肪油のような非水性
担体も使用され得る。担体又は凍結乾燥粉末は、等張性を維持する添加剤(例、
塩化ナトリウム、マンニトール)及び化学的安定性を維持する添加剤(例、緩衝
液及び保存剤)を含有し得る。製剤は通常使用される技術によって滅菌される。
【0289】 注射用組成物は、例えば滅菌水のような希釈剤、電解質/デキストロース、植
物起源の脂肪油、脂肪エステル又はプロピレングリコール及びポリエチレングリ
コールのようなポリオールの中にCRCA−1免疫原を含み得る。注射用組成物
は無菌であり、発熱性物質があってはならない。
【0290】 本発明のワクチンは、この免疫原物質が生体の免疫系に認識され、免疫応答を
誘発するように表れることを可能にする任意の手段によって投与され得る。医薬
組成物は腸管外的に、即ち、静脈内、皮下、筋肉内へ投与され得る。
【0291】 投与量は、特定薬剤の薬物動態特性、投与の形式及び経路;レシピエントの年
齢、健康状態及び体重;症状の種類及び程度、同時療法の種類、治療頻度、及び
所望される効果のような既知の要因に応じて変化する。防御的又は治療的に有効
な免疫応答を誘導するためにある量の免疫原がデリバリーされる。当業者は、常
法により投与量の範囲及び最適投与量を容易に決定し得る。
【0292】 以下の実施例は例示的なものであり、本発明を制限することを意図しない。 実施例 実施例1 上記のように、CRCA−1翻訳産物の結合成分は、抗体、タンパク質、ポリ
ペプチド、ペプチド又は非ペプチドであり得るCRCA−1翻訳産物リガンドで
ある。ペプチド及び非ペプチド性のCCK A受容体に特異的なリガンドは、既
知の技術を使用して同定され得る。
【0293】 この10年間で、受容体とリガンド、例えばCRCA−1翻訳産物と抗−CR
CA−1翻訳産物抗体の特異的な高親和性の相互作用が、リガンドの3次元コン
ホメーションスペース及びリガンド結合に関わる分子の領域の相補的な3次元配
置に基礎を有することが認識されてきた。さらに、様々な配列(アレイ)の天然
に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸及び有機分子が、その直線的な構造では天
然のリガンドに関連しないが、コンホメーションスペースにおいては天然リガン
ドの3次元構造に似ている配置に組織化され得ることによって高い親和性及び特
異性で受容体によって認識されることも認知されてきた。さらに、文献には、受
容体の天然リガンドには関連しないが、高い親和性及び特異性をもって受容体と
相互作用する個々の分子を将来的に同定するために、天然アミノ酸、非天然アミ
ノ酸及び有機分子のこれらアレイの大きなライブラリーを産生することを当業者
に可能にする技術が記載されてきた。従って、CRCA−1翻訳産物に特異的か
つ緊密に結合し得るが、抗CRCA−1翻訳産物抗体とは構造上の関連性を有さ
ない天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸又は有機分子のアレイを同定する
ことは、当業者には比較的容易な作業なのである。
【0294】 ペプチドであるCRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために、当業者は、
CRCA−1翻訳産物に結合するペプチドを同定するためにランダムペプチドラ
イブラリーをスクリーニングする既知の任意の方法を使用し得る。ほとんどの方
法の基本では、ターゲットに結合するペプチドが単離され配列決定される。ある
方法では、特定のランダムペプチドのコード配列を包含する核酸分子へ各ランダ
ムペプチドが連結される。それぞれコード配列の付いたランダムペプチドをCR
CA−1翻訳産物と接触させ、CRCA−1翻訳産物に結合しないペプチドを除
去する。次いで、CRCA−1翻訳産物に結合するペプチドのコード配列を包含
する核酸分子は、このペプチドのアミノ酸配列を決定すること並びに大量のペプ
チドを産生することのために使用され得る。空間位置が特定の合成、つまり特定
のペプチドに対応する固体支持体上でペプチドライブラリーを産生することも可
能である。そのような方法では、写真平板に似た工程をしばしば使用して、固体
支持体上で多様なペプチドライブラリーを創出し、支持体上の空間位置が配列決
定を可能にする。
【0295】 固体支持体上での有機化合物ライブラリーの産生も、例えばオリゴヌクレオチ
ド及び糖のような非ペプチド化合物のコンビナトリアル・ライブラリーを産生す
るために使用され得る。固体支持体上でのペプチドライブラリー産生の場合のよ
うに、支持体上の空間位置は特定の合成、故に特定の化合物に対応する。そのよ
うな方法では、写真平板に似た工程をしばしば使用して、固体支持体上で多様な
化合物ライブラリーを創出し、支持体上の空間位置によりその化合物を産生した
合成法の決定を可能にする。合成法が同定されれば、化合物の構造も知ることが
できる。
【0296】 Gallopら、1994 J.Medicinal Chemistry
37:1233は、参照により本明細書に組込まれているが、ランダムペプチド
ライブラリーをスクリーニングすること及びそのようなライブラリーからターゲ
ットタンパク質に結合するペプチドを同定することに関する様々な方法論のいく
つかを解説する。これらの教示に倣えば、ペプチドであり、CRCA−1翻訳産
物に特異的な結合成分として有用であるCRCA−1翻訳産物に特異的なリガン
ドが、当業者により同定され得る。
【0297】 ファージ粒子上に表出されるペプチド及びタンパク質がGallopら、同上
に記載されている。細菌感染に利用されるバクテリオファージの表面タンパク質
をコードする遺伝子へ核酸のランダムアレイが挿入され得て、核酸のランダムア
レイによりコードされるペプチドをその表面に発現するファージを産生する。ペ
プチドを表出するこれらファージは、特定のタンパク質、受容体、抗体等にこれ
らのペプチドが結合し得るかを決定するために利用され得る。ペプチドの同一性
は、ペプチドを発現するファージ由来の組換えDNAを配列決定することにより
決定され得る。このアプローチには1つのライブラリーに膨大な量のペプチドア
レイ(109個までの個別ペプチド)を産出する可能性がある。この技術を利用
して、天然に存在する受容体リガンドとは配列相同性がない、血小板のフィブリ
ノーゲン受容体に結合する新規ペプチドが同定された(Smithら、1993
Gene 128:37、参照により本明細書に組込まれている)。同様に、
この技術は、MHCクラスII受容体(Hammerら、1993 Cell
74:197、参照により本明細書に組込まれている)及びシャペロニン受容体
(Blond−Elguindiら、1993 Cell 75:717、これ
は参照により本明細書に組込まれている)に結合するペプチドを同定するために
応用された。
【0298】 プラスミド上に表出されるペプチドがGallopら、同上に記載されている
。このアプローチでは、ペプチドのライブラリーをコードするランダムオリゴヌ
クレオチドが特定のプラスミド上で発現され得て、その発現はlacオペロンの
ような特定プロモーターの制御下にある。ペプチドは、lacオペロンの制御下
で、LacIタンパク質に結合した融合タンパク質として発現される。この融合
タンパク質がプラスミド上のlacオペレーターと特異的に結合するので、ラン
ダムペプチドはそれをコードする特定のDNA要素に結合する。この方法では、
ペプチドの配列は、融合タンパク質に結合したDNAのPCRによって演繹され
得る。これらタンパク質は、特定受容体に結合し得るかを決定するために、液相
においてスクリーニングされ得る。この方法を利用して、特定の酵素に対する新
規な基質が同定された(Schatz 1993)。
【0299】 Gallopら、同上、にも記載されている、プラスミド上のペプチドライブ
ラリーをコードするランダムオリゴヌクレオチドが無細胞系で発現される、上記
技術のバリエーションも利用し得る。このアプローチでは、オリゴヌクレオチド
のランダムアレイを含有する分子DNAライブラリーが構築され、これは細菌の
in vitro転写/翻訳系で発現される。リガンドの同一性は、関心対象の
mRNAを含有する新生の鎖ペプチド/ポリゾームの複合体を、受容体を含むア
フィニティー樹脂上で精製し、RT−PCRで増幅した後に配列決定することに
よって決定される。この技術を利用すれば、大量のライブラリー(1011組換
え体まで)の産生が可能になる。ダイノルフィン特異的に向けられた抗体を認識
するペプチドは、この技術を利用して同定された(Cullら、1992 Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865,これは参照によ
り本明細書に組込まれている)。
【0300】 受容体スクリーニングのためのペプチドライブラリーは化学合成によって産生
され得る。例えば、Gallopら、同上に記載されるような多重ペプチド合成
のアプローチを利用して多数の多様なペプチドが同時に産生された。1つの応用
では、標準的な固相Merrifield合成によってポリアミドマイクロタイ
タープレート上でランダムペプチドが産生され(マルチピン合成)、次いでこれ
は標準的な競合結合アッセイにおいて受容体結合と競合するその能力でスクリー
ニングされる(Wangら、1993 Bioorg.Med.Chem.Le
tt.3:447、これは参照により本明細書に組込まれている)。実際、この
アプローチを利用して、サブスタンスP受容体に結合する新規ペプチドが同定さ
れた(Wangら、同上)。同様に、固体支持体樹脂のバッグが様々なアミノ酸
と連続的にインキュベートされ、様々なペプチドのアレイを産生する「ティーバ
ッグ」法を利用する多重ペプチド合成によって、ペプチドライブラリーが構築さ
れ得る(Gallopら、同上)。このアプローチを利用して、インテグリン受
容体(Ruggeriら、1986 Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 83:5708、これは参照により本明細書に組込まれている)及び神
経ペプチドY受容体(Beck−Sickingerら、1990 Int.J
.Peptide Protein Res.36:522、これは参照により
本明細書に組込まれている)に結合するペプチドが同定された。
【0301】 一般に、コンビナトリアル・ライブラリーの産生及び有用性は、(1)構成単
位の多様なアレイを産生する方法、(2)所望の機能を産生するアレイのメンバ
ーを同定する方法及び(3)そのメンバーの構造を解読する方法に依存する。こ
れらの制約に対するいくつかのアプローチが規定された。
【0302】 以下は、本発明に記載のCRCA−1翻訳産物特異的なリガンドを同定する方
法に使用され得るライブラリー産生の方法に関する記載である。
【0303】 上記アプローチの改良法を利用して、アミノ酸のような化学的構成単位セット
のメンバーをあらゆる可能な組み合わせで結合することによって、分子が膨大に
多様化したライブラリーを産生することができる(Gallopら、同上)。1
つのアプローチでは、活性化モノマーの混合物がサイクルごとに固体支持体上で
伸びてゆくアミノ酸の鎖に結合される。これは多価合成系である。
【0304】 また、分割合成は、単一の構成単位だけを含有する、個々の反応で伸びてゆく
鎖をインキュベートすることを含む。すべての反応由来の樹脂は、付着した後で
混合され、次の結合工程のために別々の反応へ配分される。これらアプローチは
nx個のスクリーニング用の様々なペプチドの確率論的な収集物を産生する(n
は構成単位の数であり、xは反応サイクルの数である)。
【0305】 別のやり方では、1種又はそれ以上の位置が既知のアミノ酸を含有するが、残
りの部分はランダムである、分子のアレイが産生され得る(Gallopら、同
上)。これらは、所望の活性を有するメンバーについてスクリーニングされる限
定されたライブラリーを産生する。これらメンバーは、同定され、その構造が決
定され、他の位置に規定のアミノ酸を含有する構造が再生され、スクリーニング
される。この反復的なアプローチにより、受容体のコンホメーション結合ポケッ
トを認識するのに最適であるペプチドが最終的に産生される。
【0306】 さらに、アレイはペプチドを形成するアミノ酸に限定されず、有機分子の直線
的又は非直線的なアレイへ拡張され得る(Gordonら、1994 J.Me
dicinal Chemisitry 37:1385、これは参照により本
明細書に組込まれている)。実際、ランダムに配列した無機の構成単位のライブ
ラリーを産生するこのアプローチを利用して、7−膜貫通受容体に結合するリガ
ンドが同定された(Zuckermannら、1994 J.Med.Chem
.37:2628、これは参照により本明細書に組込まれている)。
【0307】 現在では、合成後に化学的側鎖基及び結合を変化させて受容体との相互作用に
ついて試験する「デザイナー」アレイをもたらすように修飾され得るライブラリ
ーが構築されている(Ostereshら、1994 Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 91:11138、これは参照により本明細書に組込
まれている)。「ライブラリー由来のライブラリー」を産生するこの技術は、グ
ラム陽性菌に対する選択的な抗菌活性のある化合物を産生するペプチドライブラ
リーの過メチル化(permethylation)へ応用された。
【0308】 アミノ酸の特定の構造アレイではない薬理モチーフのアレイを発現するライブ
ラリーも構築されている(Sepetovら、1995 Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 92:5426、これは参照により本明細書に組込
まれている)。この技術は受容体に対する特異的なアフィニティーを有する構造
モチーフを同定しようとするものであり、構造活性相関を規定するライブラリー
を利用して、さらなる洗練化へ改良され得る。モチーフライブラリーを捜し、「
ライブラリーのライブラリー」を産生するこのアプローチを利用すれば、ライブ
ラリー検査の初期フェーズにおいてスクリーニングするのに必要な成分メンバー
の数が減らせる。
【0309】 以下は、本発明に記載のCRCA−1翻訳産物特異的なリガンドを、ランダム
に産生された分子ライブラリーから同定する方法に関する記載である。
【0310】 受容体と相互作用するライブラリーの成分は、固体支持体に固定化された受容
体に対するその結合によって同定され得る(Gordonら、同上)。
【0311】 それらはまた、同起源の受容体に結合することについてネーティブなリガンド
と液相において競合する能力によって同定され得る(Gordonら、同上)。
【0312】 成分は、固体支持体に固定化されるとき、可溶性の受容体に結合することによ
って同定され得る(Gordonら、同上)。
【0313】 受容体に結合するライブラリーのメンバーが同定されると、構造を同定して、
研究対象とする大量を産生するために又は構造活性相関の研究用に更なる類似体
を開発するために、このメンバーの構造を解明(演繹)しなければならない。以
下は、本発明に記載の潜在的なCRCA−1翻訳産物特異的なリガンドとして同
定される分子の構造を演繹する解読法に関する記載である。
【0314】 ペプチドライブラリーはバクテリオファージ粒子の表面上で発現され得る(G
allopら、同上)。受容体と相互作用するペプチドが同定されれば、その構
造は、ファージからDNAを単離してその配列をPCRによって決定することに
よって演繹され得る。
【0315】 Lacオペロンの制御下にあって、プラスミド上で発現されるライブラリーが
解読され得るのは、そのペプチドをコードするプラスミド上のlacオペロンと
特異的に相互作用するlacIタンパク質とこれらのペプチドが融合しているか
らである(Gallopら、同上)。この構造は,lacIタンパク質に結合し
たプラスミドを単離してヌクレオチド及びペプチド配列をPCRによって演繹す
ることによって演繹され得る。
【0316】 プラスミド上で発現されるライブラリーはまた、転写/翻訳系を利用する無細
胞系において発現され得る(Gallopら、同上)。このパラダイムでは、受
容体と相互作用するタンパク質はその結合したリボゾーム及びmRNAとともに
単離される。ペプチドの配列は結合したmRNAのRT−PCRによって演繹さ
れる。
【0317】 ライブラリー構築は、ライブラリーの任意メンバーの構造が基質アレイ内のそ
の位置を決定することにより演繹されるように、写真平板法と一体化され得る(
Gallopら、同上)。この技術が位置アドレス呼出し(positiona
l addressability)と言われるのは、メンバーの正確な位置に
よって構造情報が演繹され得るからである。
【0318】 ライブラリーのメンバーはまた、他の分子の同定可能なアレイでライブラリー
にタグを付けることによって同定され得る(Ohlmeyerら、1993 P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922、これは参照
により本明細書に組込まれている、及びGallopら、同上)。この技術は、
配列をコードするファージのプラスミドtoペプチドを結合する上記方法の改良
である。ある方法は、ペプチドの連続的な合成史(synthetic his
tory)をコードするヌクレオチドのアレイを利用する。ここでは、伸長する
ペプチドにヌクレオチドが連続的に結合し、PCRによって解読されて結合した
ペプチドの構造が明らかになる。別のやり方では、小さな有機分子のアレイがペ
プチドの連続的な合成史をコードする配列決定可能なタグとして利用され得る。
ここでは、ヌクレオチドは伸長するペプチドへ連続的に結合し、PCRによって
解読され結合したペプチドの構造が明らかになる。別のやり方では、小さな有機
分子のアレイがライブラリーメンバーの連続的な合成史をコードする配列決定し
うるタグとして利用され得る。
【0319】 最終的には、ライブラリーメンバーの構造はアミノ酸配列分析によって直接決
定され得る。
【0320】 以下の特許は、いずれも参照により本明細書に組込まれているが、ランダムペ
プチド又は非ペプチドライブラリーを合成し、そのようなライブラリーをスクリ
ーニングしてターゲットタンパク質に結合する化合物を同定する方法を記載する
。本発明に使用されるように、CRCA−1翻訳産物は、以下の特許に開示され
るようにして産生されスクリーニングされるペプチド及び非ペプチドリガンドを
同定するために使用されるターゲットであり得る。
【0321】 1993年12月14日にSchatzらへ発行された米国特許第5,270
,170号及び1994年8月16日にSchatzらへ発行された米国特許第
5,338,665号は、いずれも参照により本明細書に組込まれているが、C
RCA−1翻訳産物リガンドを同定するために使用され得るペプチドライブラリ
ー及びスクリーニング方法に言及する。
【0322】 1995年3月7日にDillonらへ発行された米国特許第5,395,7
50号は、参照により本明細書に組込まれているが、前決定された抗原に結合す
るタンパク質を産生する方法に言及する。そのような方法は、CRCA−1翻訳
産物リガンドを産生するために使用され得る。
【0323】 1993年6月29日にLadnerらへ発行された米国特許第5,223,
409号は、参照により本明細書に組込まれているが、新規の結合タンパク質へ
向けられた展開に言及する。このようなタンパク質は、そこで開示されるように
、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために産生され、スクリーニングさ
れ得る。
【0324】 1994年11月22日にVentonらへ発行された米国特許第5,366
,862号は、参照により本明細書に組込まれているが、有用なペプチドを産生
してスクリーニングする方法に言及する。そこに記載される方法はCRCA−1
翻訳産物リガンドを同定するために使用され得る。
【0325】 1994年8月23日にKauvarへ発行された米国特許第5,340,4
74号、並びに米国特許第5,133,866号、米国特許第4,963,26
3号及び米国特許第5,217,869号は、いずれも参照により本明細書に組
込まれているが、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために使用され得る
【0326】 1995年4月11日にPirrungらへ発行された米国特許第5,405
,783号は、参照により本明細書に組込まれているが、ポリマーアレイの大規
模な写真平板固相合成に言及する。その教示は、CRCA−1翻訳産物リガンド
を同定するために使用され得る。
【0327】 1992年9月1日にPirrungらへ発行された米国特許第5,143,
854号は、参照により本明細書に組込まれているが、ポリペプチドの大規模な
写真平板固相合成及びその受容体結合スクリーニングに言及する。
【0328】 1995年1月24日にWinklerらへ発行された米国特許第5,384
,261号は、参照により本明細書に組込まれているが、機械的に指令されたフ
ローパターンを使用するごく大規模な固定化ポリマーの合成に言及する。このよ
うな方法は、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために有用である。
【0329】 1993年6月22日にCoolidgeらへ発行された米国特許第5,22
1,736号は、参照により本明細書に組込まれているが、イムノアフィニティ
ー技術を使用する連続的なペプチド及びオリゴヌクレオチド合成に言及する。こ
のような技術は、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために使用され得る
【0330】 1995年5月2日にMcGallらへ発行された米国特許第5,412,0
87号は、参照により本明細書に組込まれているが、オリゴヌクレオチド及び他
の生物学的ポリマーを空間的に呼出し得るように表面上に固定化することに言及
する。このような方法は、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために使用
され得る。
【0331】 1994年6月28日にCodyらへ発行された米国特許第5,324,48
3号は、参照により本明細書に組込まれているが、多重同時合成の装置に言及す
る。そこで開示された装置及び方法は、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定す
るためにスクリーニングされ得る多くの化合物を産生するために使用され得る。
【0332】 1993年10月12日にBarrettらへ発行された米国特許第5,25
2,743号は、参照により本明細書に組込まれているが、抗リガンドを空間的
に呼出し得るように表面上に固定化することに言及する。そこに記載された方法
及び組成物は、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために使用され得る。
【0333】 1995年6月13日にFoderらへ発行された米国特許第5,424,1
86号は、参照により本明細書に組込まれているが、ごく大規模な固定化ポリマ
ー合成に言及する。そこに記載されたオリゴヌクレオチドの合成方法は、CRC
A−1翻訳産物リガンドを同定するために使用され得る。
【0334】 1995年5月30日にCampbellへ発行された米国特許第5,420
,328号は、参照により本明細書に組込まれているが、ホスホネートエステル
の合成方法に言及する。そのように産生されるホスホネートエステルは、CRC
A−1翻訳産物リガンドである化合物を同定するためにスクリーニングされ得る
【0335】 1994年2月22日にEllmanへ発行された米国特許第5,288,5
14号は、参照により本明細書に組込まれているが、固体支持体上でのベンゾジ
アゼピン化合物の固相及びコンビナトリアル合成に言及する。そのような方法及
び化合物は、CRCA−1翻訳産物リガンドを同定するために使用され得る。
【0336】 上記のように、CRCA−1翻訳産物リガンドはまた抗体及びそのフラグメン
トであり得る。実際、これら受容体特有の決定基に対して産生される抗体は、そ
のタンパク質、しかもそのタンパク質だけを認識し、従って、この特定マーカー
に対する新規の診断薬及び治療薬を指向するために使用され得る特定のターゲテ
ィング分子として役立ち得る。さらに、これらの抗体は、直腸結腸癌細胞の存在
をin vitroで診断するために、生物学的なサンプルにおいてCRCA−
1翻訳産物又はそのフラグメントの存在を同定するために使用され得る。
【0337】 実施例2 グアニリルシクラーゼ受容体ファミリーのあるメンバーは、選択的スプライシ
ングを起こすことが観察されている。ナトリウム利尿ペプチドANP及びBNP
の受容体であるラットGCAは、細胞外の傍膜領域に9bpの配列が挿入された
、選択的にスプライスされた形態であるGCA1として発現される(Talle
rico−Melnykら、Biochemical & Biophysic
al Research Communications.209:930〜9
35,1995)。この配列変化が結合及び触媒機能に対する影響は依然不明で
ある。C−タイプのナトリウム利尿ペプチド受容体であるラットGCBは、細胞
内の傍膜領域で75bpが欠失した、選択的にスプライスされた形態であるGC
B2として発現される(Ohyamaら、Biochemical & Bio
physical Research Communications.183
:743〜749,1992)。この変異体は主として中枢神経系で発現され(
Francoeurら、Clinical and Experimental
Pharmacology and Physiology.Suppl.1
:S172〜S174,1995)、完全長のGCBと同じ結合親和性を有する
が、リガンド−受容体相互作用はグアニリルシクラーゼ活性化やcGMP産生に
共役しない。末端が切れたナトリウム利尿性ペプチドのグアニリルシクラーゼ受
容体である、ウシのANPクリアランス受容体は、選択的にスプライスしてSe
r472−Gly473がCys472に置換された変異体、つまり、追加的な
システイン残基をもった変異体を形成する(Mizunoら、The Jour
nal of Biological Chemistry.268:5162
〜5167,1993)。クリアランス受容体の野生型及び変異体は同一の機能
特性を有する。ラットGCC触媒ドメインには159ヌクレオチドの欠失が報告
された(Londonら、American Journal of Phys
iology.273:G93〜G105,1997)。しかしながら、この転
写物は選択的スプライシングによるのとは別の遺伝子から発生するらしい。この
配列変化の触媒機能に対する意義は不明である。
【0338】 本研究は、ヒトでは、完全長の野生型転写物及び細胞外リガンド結合ドメイン
をコードする領域の142bpが欠失している選択的にスプライスされた転写物
としてGCCが発現されることを示す。スプライシングはエクソン1の選択的な
5’アクセプター部位で起こる。これによりリーディングフレームがシフトし、
23アミノ酸でシグナルペプチドが形成される野生型転写物の26アミノ酸だけ
をコードする転写物が産生される(De Sauvageら、The Jour
nal of Biological Chemistry.266:1791
2〜17918,1991、これは参照により本明細書に組込まれている)。選
択的にスプライスされたGCC変異体の発現は野生型GCCのそれに匹敵し、腸
由来の組織に限定される(Carrithersら、Gastroentero
logy.107:1653〜1661,1994;Carrithersら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA.93:14827〜1483
2,1996;Carrithersら、Dis.Colon.Rectum.
39:171〜181,1996)。
【0339】 方法 細胞培養及び臨床標本 T84ヒト結腸細胞(American Type Culture Col
lection,ロックビル、MD)を150cm2組織培養フラスコに入れた
DMEM/F12(ギブコ/BRL−ライフ・テクノロジーズ、ゲイサーズバー
グ、MD)にて集密状態になるまで増殖させた。トマス・ジェファーソン大学病
院及びヒト組織共同ネットワーク(フィラデルフィア、PA)の内部審査委員会
が承認したプロトコールの下で組織を入手した。組織サンプルは、受領後すぐに
液体窒素で瞬間凍結し、乳鉢及び乳棒を使用して粉砕した。
【0340】 核酸抽出 単一の試薬(TriZol試薬;ギブコ/BRL)を使用するグアニジウムチ
オシアネート酸/フェノール/クロロホルム法の改良版によって全RNAを抽出
した。RNAはUV分光法によって定量した。Oligotex・mRNAキッ
ト(キアジェン、チャツワース、CA)を利用して全RNAからmRNAを単離
した。RNA調製物は、ジエチルピロカーボネート処理した水(RNアーゼフリ
ー)にて−80℃で保存した。
【0341】 逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応 DeltaCycler II Systemのサーモサイクラー(Eric
omp,サンディエゴ、CA)にて0.2mLの熱サイクリング管(TKR・バ
イオテクプロダクツ、ハンチンドンバレー、PA)を使用して、RT−PCRを
実施した。10mM トリス−HCl(pH8.3)、50mM KCl、4m
M MgCl2、dATP、dCTP、dGTP、dTTP各1mM、RNアー
ゼ阻害剤1ユニット/μL及び1μMアンチセンスプライマーを全量20μLに
含有する反応液において、トリ骨髄芽球症ウイルスの逆転写酵素XL0.25ユ
ニット/μL(プロメガ、マジソン、WI)を使用して、RNA(約3.5μg
)の逆転写を実施した。熱サイクリングは、1サイクルにつき「58℃30分、
99℃5分及び4℃5分」で進行した。得られたcDNAを同一の反応管におい
てPCRにかけ、10mM トリス−HCl、50mM KCl、5.5mM
MgCl2及び0.5μMのセンスプライマーを含む100μLにTaqポリメ
ラーゼ(プロメガ)2.5ユニットを有する液と混合した。インキュベーション
及び熱サイクリングの条件は、「95℃2分を1サイクル、94℃30秒、58
℃30秒及び72℃90秒を35サイクル、72℃7分を1サイクル」であった
。反応生成物は4%NuSieve(R)3:1アガロース(FMCバイオプロ
ダクツ、ロックランド、ME)にて電気泳動によって分離し、増幅生成物は臭化
エチジウムによって視覚化した。ヒトβ−アクチンに特異的なプライマー(CL
ONTECH、パロアルト、CA)を陽性対照として使用した。増幅生成物の同
一性を配列決定分析によって確認した。
【0342】 GCCvarのクローニング GCC特異的なセンス(81−96)及びアンチセンス(1834−1853
)プライマーを使用して、T84全RNAに対してRT−PCRを実施した。ヌ
クレオチドの番号付けは、GenBank配列のS57551(Singhら、
Biochemical & Biophysical Research C
ommunications.179:1455〜1463,1991、これは
参照により本明細書に組込まれている)を参照にする。増幅生成物は、電気泳動
により1%アガロース(シグマ、セントルイス、MO)ゲルで分離した。GCC
の細胞外及び膜貫通領域(〜1772bp)を含有するフラグメントである、唯
一のRT−PCR産物をアガロースから抽出し、pGem−T Easyベクタ
ー(プロメガ)へ連結し、DH5αコンピテント細胞(ギブコ/BRL)へ形質
転換された。細菌からプラスミドDNAを単離し、配列を決定し、DNA St
rider(商標)プログラムを使用して配列を分析した。
【0343】 半定量的RT−PCR ヒト結腸組織由来の全RNAについて、欠損領域に隣接する特定のセンス(1
26−147)及びアンチセンス(416−435)プライマーを使用してRT
−PCRを実施した。1ピコモルのα32P−dCTP(6,000Ci/mm
ol)(アマシャムライフサイエンス、クリーブランド、OH)をPCR反応混
合物へ加え、放射標識ヌクレオチドの増幅生成物への取り込みを可能にした。得
られたバンド、GCCvar(168bp)及びGCC(309bp)をゲルか
ら切り出し、ScintiVerse(商標)BDシンチレーション液(フィッ
シャーサイエンティフィック、ピッツバーグ、PA、U.S.A.)を含有する
7mLシンチレーションバイアルの中へ入れた。32Pレベルを定量化する19
00 TR液体シンチレーション分析機(パッカード・インスツルメンツ、メリ
デン、CT)にてサンプルを計数した。GCCvar/GCC比をこれら転写物
の相対的な発現の尺度として使用した。増幅生成物における放射活性は各生成物
におけるdCTP残基の数へ標準化された(88/GCCvar;160/GC
C)。この技術を利用して、5種の異なるヒト結腸組織サンプルを同一2検体で
分析した。
【0344】 タンパク質の発現及び検出 ポリメラーゼ連鎖反応を使用する重複伸長(overlap extensi
on)により、GCCvarcDNA転写物にc−mycエピトープ(EQKL
ISEEDL−SEQ ID NO:83)のタグを付けた。GCCvarcD
NAクローンを増幅し、c−mycエピトープを予測される終止コドンの近傍に
挿入した。タグの付いたGCCvarcDNAをpRc/CMV2発現ベクター
(Invitrogen,カールスバッド、CA)へ連結し、リポフェクタミン
試薬(ギブコ/BRL)を使用してCOS−7細胞へトランスフェクトした。p
Rc/CMV2ベクターを陰性対照として使用し、発現ベクターpMT2でc−
mycエピトープのタグが付いたGCCクローンを陽性対照として使用した。細
胞は、トランスフェクト後24時間、Opti−Mem還元血清培地(ギブコ/
BRL)2mLにて増殖させた。細胞の上から培地を採取し、1xPBS、1%
Triton X(R)−100、12mMデオキシコール酸ナトリウム、3.
5mMドデシル硫酸ナトリウム、ロイペプチン0.5μg/mL、1mM ED
TA、ペプスタチン1μg/mL及び0.2mM PMSFの溶液を使用して細
胞を溶解し、タンパク質を可溶化した。タンパク質濃度はBio−Rad Pr
otein Assay(ヘラクレス、CA)を使用して定量した。全細胞溶解
液のタンパク質の約140μg、及び採取した培地の1.4mLを、4%ビーズ
化アガロース上に固定化されたProtein G(シグマ)の存在下で、c−
myc抗体(c−myc(Ab−1);CALBIOCHEM,ラジョラ、CA
)1μgを用いて免疫沈降させた。成形済みの4−20%トリス−グリシンポリ
アクリルアミドゲル(フィッシャーサイエンティフィック)上で免疫沈降物を分
離し、一晩15ボルトで、電気泳動的転写によってPVDF膜へトランスファー
させた。10mM トリス・HCl、pH8.0、150mM NaCl、0.
2% TWEEN(R)−20及び5%脱脂粉乳を含有する溶液を用いてブロッ
トを遮断した。この膜をc−myc抗体40μgとともにインキュベートし、洗
浄し、抗ウサギIgG−HRP(サンタクルツバイオテクノロジー、サンタクル
ツ、CA)の10,000倍希釈液とともにインキュベートし、再洗浄した。E
CL(商標)ウェスタンブロッティングシステム(アマシャム・ライフサイエン
ス)を使用するオートラジオグラフィー(約17時間露出)によってタンパク質
を検出した。
【0345】 その他 平均値及び平均値の標準誤差は、マイクロソフトのExcel(商標)を利用
して計算した。試験結果は少なくとも3回の実験を代表する。実験は少なくとも
同一2検体で実施した。試薬はすべて市販品から入手し、最高の分析グレードで
あった。
【0346】 結果 RT−PCRを利用し、GCCvarをコードするcDNAを単離した。GC
Cvarクローンの配列は、翻訳開始コドンから72bp後に142bpの欠失
が起きている他はGCCのそれと同一である。スプライシングが起こるのは5’
ドナー部位のコンセンサス配列の内部である。GCCのcDNA転写物は、5’
スプライス部位のコンセンサス配列(C/A)−A−G−G−U−(A/G)−
A−G−U(SEQ ID NO:85)の正確な対である、C−A−G−G−
T−G−A−G−T(SEQ ID NO:84)配列を含有する。選択的スプ
ライシングは2つのグアニンヌクレオチドの間で起こり、GCCvarの第一エ
クソンの未成熟な末端を表す。野生型のGCC転写物では、第一エクソンは開始
A−T−Gの214bp後で終結する。GCCvarの第一エクソンでは末端が
切れているので、翻訳リーディングフレームにシフトが生じる。野生型の開始コ
ドンがコンピテントであると仮定すると、GCCvar転写物はGCCタンパク
質の最初の25アミノ酸に同一の26アミノ酸ペプチドをコードすることになる
。しかしながら、26位の残基はバリンからアラニンへ変化し、27位のコドン
は終止シグナルを生じるだろう。野生型のGCC転写物では、第一エクソンの末
端は、72位のアミノ酸としてアラニンを生じ、第二エクソン由来の2つのヌク
レオチドとともに、73位にはグリシンを生じる。
【0347】 ヒト結腸、回腸及び結腸癌組織及びヒト癌細胞系のT84、Caco−2、S
W620、SW1116、SW1463及びNCIからの全RNAにおいてGC
Cvar(168bp)とGCC(309bp)の両方を検出するために、セン
ス(126−147)及びアンチセンス(416−435)プライマーが使用さ
れた。これらのプライマーを利用すると、ヒト膵臓、子宮、肺、腎臓又はHS7
66T細胞系からの全RNAには、GCCもGCCvarも検出されなかった。
同様に、結腸、回腸及び結腸癌組織及びT84、Caco−2、SW620、S
W1116、SW1463及びNCIからの全RNAにおいてGCCvar(3
78bp)を特異的に検出するために、欠失領域(180〜192+335〜3
43)に及ぶセンスプライマー及びアンチセンスプライマー(677〜699)
が使用された。膵臓、子宮、肺、腎臓又はHS766T細胞系では検出しなかっ
た。以前の試験では、センス(828−850)及びアンチセンス(1068−
1090)プライマーを使用して、ヒトではGCCが腸組織だけで特異的に発現
され、腸外の組織では発現されていないことを示した。これらプライマーは、G
CC及びGCCvarがヌクレオチド配列において同一である欠損部分から下流
の領域を増幅し、これら異なる転写物から判別不能な増幅生成物を生じる。今回
の試験では、このプライマーセットを使用して256bp産物が検出され、結腸
、回腸、結腸癌組織及びT84、Caco−2、SW620、SW1116、S
W1463及びNCI細胞においてGCC及び/又はGCCvarの発現を確認
したが、膵臓、子宮、肺、腎臓又はHS766T細胞系では発現が確認されなか
った。増幅生成物の同一性は配列決定分析によって証明した。β−アクチン特異
的なプライマーは各サンプルについて増幅生成物を産出し、この分析に利用され
たRNAの完全性を示した。
【0348】 全RNAからT84細胞及びヒト結腸のmRNAを単離した。これらのサンプ
ルを、全RNAにおいてGCCvarの発現を検討するのに使用したのと同じプ
ライマーを利用してスクリーニングした。欠失領域に隣接する特定のプライマー
は、結腸及びT84のmRNAにおいてGCC(309bp)並びにGCCva
r(168bp)を検出した。同様に、378bpの増幅生成物を産生する欠失
領域を網羅するセンスプライマーを利用することにより、結腸及びT84のmR
NAにおいてGCCvarが特異的に検出された。GCC及び/又はGCCva
rも、両転写物における同一領域を増幅して単一の256bp産物を産生するプ
ライマーを使用することによって検出された。また、β−アクチン特異的なプラ
イマーは各サンプルについて増幅生成物を産出し、この分析に利用されたRNA
の完全性を示した。
【0349】 欠失領域に隣接する特定のプライマーを使用して、ヒト結腸から単離されるG
CC及びGCCvarの全RNA発現レベルを比較した。α32P−dCTPを
利用してPCR反応混合液において半定量的なRT−PCRを実施した。増幅生
成物における放射活性は各生成物におけるdCTP残基の数へ標準化した(88
/GCCvar;160/GCC)。ヒト腸におけるGCCvarの全RNAは
GCCのそれよりも4.4±0.7(平均±SEM、n=5)倍豊富であった(
表1)。
【0350】 存在が疑われる26アミノ酸のGCCvarペプチドの発現を検出するために
、27位の終止コドンの近傍にc−mycエピトープを挿入した。GCCvar
をコードするcDNA組換え体の発現は、培地又は細胞溶解液サンプルのいずれ
でも検出可能なタンパク質産物を産生しなかった。このペプチドは、エピトープ
タグ及び生のシグナルペプチドを包含して4kDaのサイズであると予測された
。このシグナルペプチドが開裂すれば、ペプチドは1.4kDaとなっただろう
。陰性対照である発現ベクターだけの場合と比較して、明瞭なタンパク質のバン
ドは検出されなかった。陽性対照であるGCCをコードするcDNAの組換え体
の発現は、細胞溶解液サンプルにおいて、明瞭な高分子量のタンパク質産物(約
120kDa)を産生した。これは報告されている成熟GCCタンパク質のサイ
ズに相当する。
【0351】 考察 本研究は、ヒトの腸細胞においてGCCが選択的プロセシングをして変異転写
物GCCvarを産生することを示す。GCC及びGCCvarは、GCCva
r転写物の第一エクソンの3’末端で142bpの欠失が起きている他は同一で
ある。この第一エクソンで末端が切れているためにフレームシフトが生じ、27
位のコドンで翻訳終止シグナルになる。しかしながら、GCCのネーティブな翻
訳開始部位は、GCCvarでは活性でない可能性がある。c−mycエピトー
プのタグが付いたGCCvarを使用する組換え発現試験では、このタグをネー
ティブな開始部位に正しいフレームで挿入したとき、検出可能なタンパク質産物
は産生されなかった。このことは、ネーティブな開始部位がもはや活性ではない
か、又はペプチド生成物が創出されるとすぐにタンパク質分解によって壊されて
しまうかのいずれかを示している。
【0352】 GCC及びGCCvarは、ヒト結腸、回腸、結腸癌組織及びT84、Cac
o−2、SW620、SW1116、SW1463及びNCI細胞からの全RN
Aに検出されたが、ヒト肺、腎臓、膵臓、子宮、及びHS766T細胞系からの
全RNAでは検出されず、腸外の組織又は細胞ではなく、腸組織及び細胞におい
てこれら転写物が特異的に発現されることを示した。GCCvarがヒトの腸細
胞由来の全RNA及びmRNAで検出されたことは、この転写物が核内に閉じ込
められたRNA編集の不全産物ではなく、成熟した細胞質メッセージへプロセシ
ングされることを示している。
【0353】 本研究は、GCC及びGCCvarから同一の増幅生成物を産生するプライマ
ーを利用して、増幅生成物が腸由来の組織及び細胞だけに検出され、腸外の組織
由来のものからは検出されなかったという、ヒト組織におけるGCC発現の特異
性を検証したこれまでの試験結果を支持する。まとめると、これらのデータは、
ヒトではGCC及びGCCvarか腸由来の組織だけで特異的に発現されている
という示唆を裏付ける。
【0354】 選択的スプライシングは、前駆体mRNAの内部に様々な組み合わせのスプラ
イス部位が存在していることを反映する。異なる転写物が変異タンパク質をコー
ドし、そのいくつかは特徴的な生理機能を有する。スプライシングは2工程プロ
セスで起こる。先ず、プレmRNAが5’スプライス部位で開裂し、直線状の第
一エクソンRNA種及びイントロン−第二エクソンRNA種をラリアット配置で
生成する。5’スプライス部位のグアノシン及び3’スプライス部位近傍アデノ
シンの2’−ヒドロキシルが2’−5’ホスホジエステル結合、つまりRNAの
分岐点を形成し、ラリアットの形成を誘導する。次いで、プレmRNAが3’ス
プライス部位で開裂し、エクソンはともに連結してmRNA転写物及び切出され
たラリアット配置のイントロンを形成する。5’ドナー部位と3’アクセプター
部位の両方についてコンセンサスRNA配列が存在する。しかしながら、分岐点
の位置は、3’スプライス部位の決定にとってより重要である可能性がある。な
ぜなら、スキャニングプロセスが分岐点の最初のA−G下流部位を同定すると考
えられているからである。RNAの2次構造、立体束縛、スプライス連結のアフ
ィニティー及びスプライス部位の競合、といったことがすべて選択的スプライシ
ングを調節する。
【0355】 グアニリルサイクラーゼファミリーにおける他の変異体に比較してGCCva
rが独特であるように見えるのは、未成熟の翻訳停止をコードすることが初めて
報告されているからである。グアニリルシクラーゼスプライス変異体では、ヌク
レオチドの付加又は欠失にかかわらず、正確な翻訳リーディングフレームをそれ
ぞれが保持している。9bp挿入により形成されるGCA1は、ラットの副腎及
び腎乳頭でGCAと同時発現されるが、リガンド親和性、シグナル伝達又は受容
体内部化を変化させる可能性がある。GCB2は75bpの欠失を有し、グアニ
リルシクラーゼの活性化とは共役しないナトリウム利尿ペプチド受容体を産生す
る。余分のシステイン残基を含有するANPクリアランス受容体の変異体は、ネ
ーティブな受容体とは機能的に区別され得ない。変異クリアランス受容体におけ
る余分なシステインは、野生型受容体によって形成されるダイマーより大きいジ
スルフィド結合オリゴマーを形成する可能性がある。
【0356】 結論として、本試験は、ヒトではGCCが完全長の野生型転写物、及び細胞外
のリガンド結合ドメインをコードする領域から欠失した142bpを欠く選択的
にスプライスされる転写物として発現されることを示している。選択的スプライ
シングは、エクソン1の選択的5’スプライスアクセプター部位の使用から生じ
る。選択的スプライシングによりリーディングフレームがシフトし、27位のコ
ドンで未成熟の翻訳終止シグナルが形成される。選択的にスプライスされるGC
C変異体の発現の特異性は、野生型GCCのそれに匹敵し、腸由来の組織に限定
されている。興味深いことに、腸細胞は野生型GCC転写物よりも多くのGCC
var転写物を含有しているが、その意義は依然不明である。しかしながら、G
CC及びGCCvarの相対量を操作することは、腸細胞が機能的なGCC発現
を調節する1つの機構である可能性がある。
【0357】
【表1】 表1.ヒト腸におけるGCC及びGCCvar発現の比較a GCC/GCCvar比b 平均c 4.4 SEM 0.7 最高値 6.0 最低値 3.1 a.欠失領域に隣接する特定のプライマーを使用して、RT−PCRを実施した
。ヒト結腸由来の全RNAを逆転写し、α32P−dCTPを含有するPCR混
合液を使用して増幅した。アガロースゲル電気泳動によってPCR産物を分離し
た。増幅生成物、GCCvar(168bp)及びGCC(309bp)を切出
し、シンチレーション分光法によって、取り込まれた32Pを定量した。5種の
異なる結腸サンプルを利用し、各サンプルは少なくとも同一2検体で分析した。 b.GCCvar(増幅生成物におけるCPM/dCTP)とGCC(増幅生成
物におけるCPM/dCTP)の比。増幅生成物における放射活性はその生成物
におけるdCTP残基の数へ標準化した(88/GCCvar;160/GCC
)。 c.n=5
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はヒトSTレセプターmRNA(Gene Bank寄託番号S5755
1)(本明細書において援用される)のヌクレオチド配列を示している。斜線を
付けた領域はCRCA−1転写体で欠失されている配列であり、二つの枠で囲ま
れた”GG”配列の一つまたは各々の枠の一つのGが含まれている。開始コドン
、ATG(配列のヌクレオチド118−119−120)はSTレセプタータン
パク質発現の開始コドンである。CRCA−1転写体はヌクレオチド192−3
33、193−334または194−335におよぶ142ヌクレオチドが失わ
れている。従って、STレセプターmRNAには観察されないCRCA−1タン
パク質の独特の配列には、図1に示されたようなまたは配列リストに示された配
列からの対応する番号を用いてヌクレオチド191−192−193−336、
191−192−335−336または191−334−335−336が挙げ
られる。これらの4ヌクレオチド配列はすべて同一であり(A−G−G−C)、
配列番号:1のヌクレオチド110−111−112−113に対応している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月7日(2000.2.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 A61K 31/7088 4C086 G01N 33/574 39/00 H // A61K 31/7088 39/395 T 39/00 D 39/395 48/00 A61P 35/00 48/00 35/04 A61P 35/00 C12N 15/00 ZNAA 35/04 5/00 A (72)発明者 パールマン,ジョシュア・エム アメリカ合衆国ペンシルバニア州19107, フィラデルフィア,サウス・トゥエルフ ス・ストリート 204,セカンド・フロア ー (72)発明者 バーバー,マイケル・ティー アメリカ合衆国ペンシルバニア州19301, パオリ,イースト・セントラル・アベニュ ー 27,アパートメント ジー−10 (72)発明者 シュルツ,ステファニー アメリカ合衆国ペンシルバニア州19380, ウエスト・チェスター,ハワード・ロード 117 (72)発明者 パーキンソン,スコット・ジェイ アメリカ合衆国ペンシルバニア州19147, フィラデルフィア,フィッツウォーター・ ストリート 910 エイ Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA09 GA11 HA12 HA17 4B063 QA19 QQ03 QQ52 QQ58 QR08 QR32 QR42 QR62 QS25 QX02 4B065 AA93Y AB01 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA13 ZB262 4C085 AA03 AA13 AA14 AA16 BB01 DD61 DD62 DD88 GG02 GG03 GG04 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 ZB26

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個体からの腸外組織および/または体液の試料を、該試料中
    の細胞によりCRCA−1転写体が発現されているかどうかを決定するために試
    験する工程を含む、個体が転移した結腸直腸癌細胞を持っているかいなかを決定
    するインビトロ法であって、ここにおいて、該CRCA−1転写体の発現は該試
    料中の転移した結腸直腸癌細胞の存在の指標である、前記方法。
  2. 【請求項2】 該細胞による該CRCA−1転写体の発現がポリメラーゼ連
    鎖反応により決定される、ここにおいて、該試料は該CRCA−1転写体または
    それらから発生されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させる、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該試料が体液である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該試料が血液である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 腫瘍細胞が結腸直腸腫瘍細胞であるか否かを決定するインビ
    トロ法であって、該腫瘍細胞がCRCA−1転写体を発現しているかどうかを決
    定する工程を含み、ここにおいて、CRCA−1転写体の発現は腫瘍細胞が結腸
    直腸腫瘍細胞であることを示している、前記方法。
  6. 【請求項6】 該腫瘍細胞による該CRCA−1転写体の発現がポリメラー
    ゼ連鎖反応により決定される、ここにおいて、該細胞は該CRCA−1転写体ま
    たはそれらから発生されたcDNAを選択的に増幅するプライマーと接触させる
    、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 個体からの腸外組織および/または体液の試料を、該試料中
    にCRCA−1転写体が存在するかどうかを決定するために試験する工程を含む
    、個体が転移した結腸直腸癌を有するか否かを決定するインビトロ法であって、
    ここにおいて、該試料中のCRCA−1転写体の存在は該個体が転移した結腸直
    腸癌を有することを示している、前記方法。
  8. 【請求項8】 該試料が体液である請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該試料が血液である請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該CRCA−1転写体が、特異的にCRCA−1転写体配
    列を増幅するプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応アッセイにより検出さ
    れる、請求項7に記載の方法
  11. 【請求項11】 個体からの腸外組織および/または体液の試料中のCRC
    A−1転写体の存在を検出することにより個体が結腸直腸癌を有するか否かを決
    定するためのインビトロPCRアッセイキットであって、ここにおいて、該試料
    中の該CRCA−1転写体の存在は個体が転移した結腸直腸癌を有することを示
    しており、以下の: 該CRCA−1転写体またはそれらから発生されたcDNAを特異的に増幅す
    るPCRプライマーを含んでいる第一の容器; サイズマーカーを含んでいる第二の容器、該サイズマーカーはもし該CRCA
    −1転写体が該試料中に存在するならば、増幅されたDNAの予想されるサイズ
    と同じである;および 該キットを使用するための説明書 を含む、前記キット。
  12. 【請求項12】 配列番号:1の核酸配列またはその機能性断片を有する単
    離された核酸分子。
  13. 【請求項13】 配列番号:1の核酸配列を有する、請求項12に記載の核
    酸分子。
  14. 【請求項14】 請求項12の核酸分子を含む組換え発現ベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14の組換え発現ベクターを含む宿主細胞。
  16. 【請求項16】 少なくとも10ヌクレオチドを有する配列番号:1の機能
    性断片から成る請求項12の核酸分子。
  17. 【請求項17】 12−150ヌクレオチドを有する配列番号:1の機能性
    断片から成る請求項12の核酸分子。
  18. 【請求項18】 15−50ヌクレオチドを有する配列番号:1の機能性断
    片から成る請求項12の核酸分子。
  19. 【請求項19】 少なくとも5ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有する配
    列番号:1の機能性断片に相補的なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド
    分子。
  20. 【請求項20】 5−50ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有する配列番
    号:1の機能性断片に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載のオ
    リゴヌクレオチド分子。
  21. 【請求項21】 10−40ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有する配列
    番号:1の機能性断片に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の
    オリゴヌクレオチド分子。
  22. 【請求項22】 15−25ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有する配列
    番号:1の機能性断片に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の
    オリゴヌクレオチド分子。
  23. 【請求項23】 10−150ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有する配
    列番号:1の機能性断片に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載
    のオリゴヌクレオチド分子。
  24. 【請求項24】 18−28ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有する配列
    番号:1の機能性断片に相補的なヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の
    オリゴヌクレオチド分子。
JP2000506228A 1997-08-07 1998-08-07 結腸直腸癌細胞に特異的に結合する組成物およびその使用法 Expired - Fee Related JP4456266B2 (ja)

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