JP2001508869A - 血液を分離するための遠心分離装置 - Google Patents

血液を分離するための遠心分離装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明の遠心分離装置は、筒状部材(27)とピストンロッド(8)を有するピストンとを備えた容器(110)を備える。ピストンは筒状部材(27)をピストンの上方に位置する第一チャンバ(70)とピストンの下方に位置する第二チャンバとに分割している。この装置は、筒状部材(27)を取り外し可能に保持するための手段を備えた支持回転テーブル(101)と、容器(110)と共にこれを回転させるための第一作動手段(105)にこの支持回転テーブルを接続させたことと、第二作動手段(115)によってピストン(55)を作動させるように構成されており回転可能に取り付けられたピストン作動機構(113,118)とによって構成される。この装置は、ピストンロッド(8)に向かって斜めに光ビームを放射するように構成されており且つ反射された光ビームの強度を測定するための検出手段を備えている光学的血球検出器(130)を備える。前記装置は、さらにに、検出手段の測定結果に応じて前記ピストン作動機構(113、118)を制御するための制御手段(131)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 血液を分離するための遠心分離装置 発明の分野 本発明は、遠心分離作用を利用して血液をプラスマ成分と血球成分とに分離す る方法と装置に関する。本発明は、さらに、長手方向軸線を中心に遠心機内で回 転させられる筒状分離容器と、分離されたプラスマの中の血球成分の含量を制御 する光学的検出手段の使用に関する。 発明の背景 国際公開番号WO96/16714号明細書には、垂直軸を中心とする遠心分 離作用によって、血液からフィブリンモノマー等の血液成分を分離するための容 器が開示されている。このタイプの装置を使用するプロセスにおける最初の主た るステップは、以下に述べるように血液を遠心分離してプラスマ部分と血球部分 に分けることである。この容器は、共通軸線を中心として同軸的に延在する外側 筒状壁と内側筒状壁並びに上壁と底壁とによって形成された第一環状チャンバを 備え、前記底壁は第一チャンバ内を移動可能なピストンによって形成されている 。このピストンはピストンロッドによって動かされ、その外面は前記内側筒状壁 を形成している。ピストンロッドは上壁を貫通して外方に延在し、上壁の首状延 長部によって取り囲まれている。好ましくは環状であるスリットが、この延長部 とピストンロッドとの間に設けられている。さらに、この容器は、第一チャンバ の下方に収容されて第一導管を通じて第一チャンバと反対側のスリットの端部に 連通している第二チャンバを備えている 。第二チャンバは、外側筒状壁、第一チャンバの底壁及び第二底壁によって形成 されている。使用される際には、血液サンプルが第一チャンバに供給される。次 に容器が遠心分離装置に設置され、遠心分離作用とピストンの作用を受ける。そ の結果、第一チャンバの血液はプラスマ部分と、白血球と赤血球を含む血液の残 りの部分とに分離される。この第二チャンバは、第一チャンバから前記スリット 及び第一導管を通じてプラスマを受容し、適切な酵素の添加によってプラスマに 含まれているフィブリノーゲンを架橋結合していないフィブリンポリマーに変換 するための反応チャンバとして機能する。遠心分離作用によって、この架橋結合 していないフィブリンポリマーがプラスマから分離され、反応チャンバの外壁に 沈着する。続いてピストンが作動すると、残りのプラスマが反応チャンバから除 去される。したがって、架橋結合していないフィブリンポリマーを溶解するため に溶媒が添加される。スリットを通じた第一チャンバから第二チャンバへの血液 のプラスマ部分の移動は、赤血球を含む血液の残留部分が第二チャンバに移動さ せられないように、注意深く行われなくてはならない。 発明の概要 本発明の目的は、スリットに赤血球が現れると直ちにプラスマの移動が停止さ れるように、第二チャンバへのプラスマの移動を制御することのできる装置を提 供することである。 この目的を達成するために、本発明によれば、上壁の延長部とスリットを通じ てピストンロッドの方に光ビームを斜めに放射するように構成された光学的血球 検出器と、反射された光ビームの強度を測定するための検出手段とを備える装置 が提供され、本装置は、さらに、この検出手段の測定結果に応じてピストン作動 機構を制御す るための制御手段を備える。ピストンロッドから反射された光ビームの連続的な 測定は、検出器がスリットへの赤血球の侵入によって引き起こされる反射光ビー ムの強度の低下を直ちに示す効果を有する。検出器が強度の低下を示すと、制御 手段を介してピストンの運動が直ちに停止される。 図面の簡単な説明 添付の図面を参照して、以下で本発明をより詳細に説明する。 図1は、血液プラスマからフィブリンモノマーを分離するための容器の軸線方 向断面図である。 図2は、図1に示されたタイプの容器を操作する際の本発明による装置の線図 である。 図3は、容器の上壁の上方延長部とピストンロッドの壁のこれに隣接する部分 を通過した光ビームの経路と、容器の第一チャンバから第二チヤンバへのプラス マの移動の際に見られる反射ビームの強度のグラフを示す。 図4は、ピストンロッドの外側を取り囲むスリットに赤血球が侵入した場合で ある以外は図3と同様のものを示す。 発明の好適な実施形態の説明 本発明は、分離されたプラスマサンプルが血液の血球成分例えば赤血球/白血 球等を実質的に含まないことを保証するための非常に正確な装置と方法を提供す る。これは、例えば毎分5000回転(5000rpm)以上の高速遠心分離に よって達成され得る。本装置は、二つのチャンバ、すなわち、遠心力を利用した プラスマ部分と血球部分への分離のための第一チャンバと、プラスマ部分を受容 するための第二チャンバとを遠心分離容器に備える。好適には、第 一チャンバにおけるピストンの変位の作用によりプラスマ部分のみに力を作用さ せることによって、光ビームと導管手段を通過する物質を監視するように配置さ れた光センサーとを備えた検出手段の近傍の導管手段を通じた移動がなされる。 この導管手段は、(少なくとも検出用光ビームに対して)光透過性を有する外壁 と(少なくとも検出用光ビームの入射角に対して)光反射性を有する内側表面と を備えることが必要である。以下に述べるように、遠心分離容器の首状延長部は この光透過性外壁になっており、ピストンシャフトが光反射性内側表面になって いる。好適には、ピストンの作用は検出手段に反応を生じさせ、検出手段が導管 手段内に血球を検出すると、ピストンの運動とこれに対応する第一チャンバから 第二チャンバへのプラスマの移動が停止されるようにする。 本発明は、血球を含まないフィブリンモノマー溶液等の血液成分組成物を生成 せしめる優れた方法も提供する。 特定の好適な装置及び方法に関して以下で本発明を説明するが、本発明の範囲 から逸脱することなく様々に変更されることが有効であることは当然である。 図1の容器は前述の国際公開番号WO96/16714号明細書から公知にな っており、実質的に回転対称形を呈する部品から作られているが、このことはこ の容器が中心軸線1を中心として回転させられて遠心力を作用されるように図2 に示された遠心分離装置に設置され得ることを意味する。この容器は外側容器部 分2と内側容器部分3とを備え、両者は互いに完全に適合し、軸線方向に延在す る中間流路4が設けられている部分を除いて、すべての箇所で相互に密着してい る。前記流路4は内側容器部分3に形成された溝によって構成されている。これ ら二つの容器部分2及び3はそれぞれの底部5及び6を備え、これらの底部はピ ストンロッド8を通過させ る中央開口7を形成している。この二つの容器部分は、それぞれ、この開口7の 周囲に軸線方向に延在する部分9と10を備え、これらは中空のピストンロッド 8に密着して前記各容器部分の内部から離れる方向に延びている。外側容器部分 2は、シールリング13を受容する凹部12を備えた半径方向に延びる短いフラ ンジ11に沿って、中空のピストンロッドに当接している。 図1に示されているように、前記流路4は、内側容器部分と外側容器部分の間 に、これらの外側及び内側容器部分の外側筒状壁から底部5、6と軸線方向部分 9及び10に沿って、前記開口7のシールリング13の直下の開口までずっと続 いている。この開口7に当接する内側容器部分3の軸線方向部分10は、狭いけ れども、中空ピストンロッド8の周囲の容器部分2及び3の内部まで自由に通過 できる通路が存在するような寸法を有している。 外側容器部分2は、均一な直径を有する筒状部分を備えている(図1を参照) 。この部分は、図において下方に、切頭円錐形状内側表面16を形成する短い遷 移部分15を経て僅かに大きな直径の筒状部分14へと続いている。内側容器部 分3は、外側容器部分2の遷移部分15が大きな直径の筒状部分14に続く場所 で終わっている。内側容器部分3の下端部は、外側容器部分2の内側の切頭円錐 形状表面16の形状に適合する切頭円錐形状の外側表面17を構成している。半 径方向の表面18で終わっている内側容器部分3の下端部の直下には、それぞれ 外側環状ディスク19及び内側環状ディスク20が設けられている。これらの円 盤状部分であるディスクは、両者の間に中央開口22から軸線方向面内に延在す る流路21を形成して外側容器部分2の内側に向かって延びていることを除いて 互いに密着し、前記流路21は軸線方向に延在する部分23を介して外側容器部 分2と内側容器部分3との間の前記流路4と連通して いる。この流路21と軸線方向に延在する部分23は、外側ディスク19に対面 する内側ディスク20の側部の溝によって形成されることが望ましい。これら二 つのディスク19及び20は、実質的に切頭円錐形状の内側及び外側表面を形成 し、それによって外側容器部分2と内側容器部分3の中空ピストンロッド8の開 口7から遠ざかる方向に中央開口22に向かって下方に傾斜している斜め推移部 分を伴って形成されている。図1は、さらに、内側ディスク20が内側容器部分 3で前記半径方向表面18に当接する半径方向表面24を備えていることを示し ている。内側ディスク20の半径方向表面24は、シールリング26を受容する ための凹部25を備えている。 これら二つのディスク19及び20は、外側容器部分2を下向きに閉じるカバ ー17によって内側容器部分3の半径方向表面18に当接して所定位置に維持さ れている。このカバー17は、外側容器部分2の内面に密着して当接するように 構成された周状スリーブ形状部分28を備え、スリーブ28の外側の周状リブ2 9とこれに対応する外側容器部分2の内側の周状溝30との間の係合によるスナ ップ作用等の適宜なやり方で、外側容器部分の内側に対して留められている。外 側ディスク19の外周縁の周状凹部32内のシールリング31によって確実にシ ールされた結合がなされる。このカバー27は、さらに、図1に示される位置に 容器の下底部を形成するように構成された比較的薄い壁32を備えている。この 壁32は、それが外側ディスク19及び内側ディスク20に隣接する部分でスリ ーブ27の内側から外側容器部分2の下縁部33と実質的に同じ高さ位置にある 部分に向かって下方に延びるように、外側ディスク19及び内側ディスク20に 実質的に平行な経路に沿って延びている。この比較的薄い壁32を補強するため に、半径方向補強リブ34 が等間隔で設けられており、図1ではその中の一つだけが見えている。このリブ 34は、一部が薄い壁32の外側に位置する部分で、一部が壁32の内側に位置 する部分で形成されている(図1を参照)。この内側の部分は参照番号35で示 されており、外側ディスク19の底部側に当接するような形状をなし、それによ って、ディスク19及び20を確実な位置に維持することを助ける。 外側ディスク19とカバー27の間に仕切り手段36が挿間されている。この 仕切り手段36は中央パイプ区間37を備えている。このパイプ区間は、軸線方 向に内向きに突出してカバー27の壁32と一体化されたピン38に取付けられ ている。このパイプ区間37は、これから外方に延びる周状壁ディスク39と一 体化されて、このディスクが最初はカバー27の壁32の方に僅かに下向きに傾 斜し、その後は軸線方向の経路に沿って短く延び、カバーの壁32に概略平行に 延びる経路へと続いている。この壁ディスク39は、カバー27のリブ部分35 の肩部41に載った半径方向に延びた短い周縁部40で終わっている。環状フィ ルタユニット42が壁ディスク39と外側ディスク19の底側面との挿間されて いる。この環状フィルタユニット42は、外側ディスク19の隣接する外面上の 概略半径方向に延びる表面43に当接している。 仕切り手段36の安定性を確実なものにするために、参照番号44で示された 補強用半径方向リブがパイプ区間37と壁ディスク39との間にさらに設けられ ている。 全体を参照番号45で示されたカプセルが、カバー27と反対側の仕切り手段 36のパイプ37の端部に取り付けられている。このカプセルは、半径方向ディ スク47と一体化されて2枚の補助の環状の半径方向ディスク48及び49をさ らに有する細長いパイプ区間46を備えている。これらの半径方向ディスク48 及び49は、 固定されたディスク47の両側に締まりばめによって取り付けられている。動か すことのできるこれらのディスク48と49は、それぞれ周状肩部50及び51 によってパイプ区間46上に固定リング47からそれぞれの距離を隔てて設けら れている。これら3枚のディスク47、48、49はすべて同じ外径を有し、周 方向に動き得るように装着されたスリーブ52をそれぞれの外周縁に沿って担持 している。 図に示されているように、下部ディスク49は仕切り手段36のパイプ区間3 7の上端部に当接し、それによってカプセル45の軸線方向の位置が決められて いる。図に示されるように、この位置が、軸線方向に移動された場合に、このカ プセルの可動スリーブ52がその下端部によって中央開口22において外側ディ スク19の最内側縁53と密閉係合することによって、さらに決められる。スリ ーブ52がこの位置にある場合、スリーブ52の周囲の内側ディスク20の内側 の空間と、外側ディスク19と内側ディスク20の間の流路21への入口開口と の間はまだ連通している。移動可能なスリーブ52の軸線方向長さは、このスリ ーブ52の軸線方向の下方変位の際に、図におけるスリーブ52の上端部が固定 されたリング47から離れる前に外側ディスク20との係合が起こるように決め られている。スリーブ52の内径は、仕切り手段36の壁ディスク39の軸線方 向に延びる部分の外径に適合するようにされて、外側ディスク19から離れた場 合にこのスリーブ52のカバー27へ向かう連続的な下方への変位がスリーブ5 2を仕切り手段36に固定的に係合するように構成されている。仕切り手段36 の軸線方向部分の長さはさらにスリーブ52の軸線方向長さに対応しており、ス リーブ52はその最下部位置において実質的に完全に仕切り手段36に収容され る。 図に示されているように、中空ピストンロッド8は外側容器部分2と内側容器 部分3の内部に周状ピストン55を備え、該ピストン55はシールリング56を 介して内側容器部分3の内側に密着係合している。 内部の内容物に作用を及ぼすためのピストン作用プラグ59を有する従来型の シリンジ58を受容するための中空ピストンロッドの内部にルアー(Luer)型カ ップリング57が形成されている。このカプリング57は、切頭円錐形状部分6 0を介してピストン55の開口61に連通しているパイプ区間として実質的に形 成されている。このパイプ区間57は半径方向に内向きに突出したウェブ62を 備え、シリンジ58を出た流体を軸線方向通路から反らせて、その下にあるカプ セル45の内部の細長いパイプ区間46の周囲に向ける。この後者のパイプ区間 46は、ピストン55がカバー27の近くの最下部位置にある場合に、中空ピス トンロッド8の内部のパイプ区間57に密着係合できるような長さと寸法を有す る。この密着係合を高めるために、パイプ区間57の内側はピストン55に隣合 う端部において直径が次第に細くなるように形成されている。 軸線方向に突出したスカート63が、ピストンの中央開口61の周囲にピスト ン55と一体的に形成されている。このスカート63は、ピストン55の適切な 移動により、カプセル45の移動可能なスリーブ52を二つのディスク19、2 0を通して中央開口22の内部縁部53に係合する位置まで変位させ、次いで仕 切り手段36に係合させることができるような直径と長さを有するように形成さ れている。 示されるように、容器部分2及び3の上部内側には、弾性を有する環状舌状シ ール手段64が中空ピストンの周囲に固定されている(図1を参照)。この舌状 シール手段64は容器部分2及び3の内 部から流路4への流体の望まない通過を防止するように構成されているが、ピス トン55を介して力が加わえられたときには流体の流入を許容する。 図1の上部に示されているように、外側容器部分2及び内部容器部分3の開口 66を通じてホース65と接続されている。この接続は公知なので詳しくは示さ れていないが、所望であればホースへの接続を遮断することができる。さらに、 適宜なフィルタを備えた空気逃し開口が従来のように設けられており、これも公 知なので図示も詳細な説明も行わない。 仕切り手段36とカバー27との間の領域から、仕切り手段36のパイプ区間 37の内部及びカプセル45のパイプ区間46の内部に渡り上方へ向かって通る 通路69が設けられている。この通路69は、後者のパイプ区間46がピストン ロッド8の内部のパイプ区間57に結合された場合に、前記領域からシリンジ5 8への流体の移動を可能にさせる。概略円形断面を有するピン38が平らな軸線 方向表面を有して形成されることによって、カバー27のピン38の最下部に通 路66が設けられる。その結果、このピンとこれに隣り合うパイプ区間37の内 側との間に空間が設けられる。ピン38の直ぐ上に領域67が設けられ、そこで は仕切り手段36の内径が僅かに小さくなっている。このようにして、小さなフ ィルタ68を前記領域の直ぐ上に設置することが可能となり(図1を参照)、こ れによって流体はカプセル45のパイプ区間46に入る前にこのフィルタを通過 しなければならなくなる。 上述の容器は、筒状内壁71を形成する中空ピストン8によって内側を画定さ れ、外側容器部分2と内側容器部分3とによって形成された筒状外壁72によっ て外側を画定された第一環状チャンバ70を備えている。通常の使用位置(図1 を参照)において、この第 一環状チャンバ70は、外側容器部分2と内側容器部分3のそれぞれの底部5と 6によって形成された上壁73によって上方を画定されている。容器部分2及び 3の軸線方向に延びる部分9及び10はピストンロッド8を取り囲む延長部90 を形成している。延長部90とピストンロッド8との間には環状スリット91が 形成されており、この環状スリット90を通じて、第一環状チャンバ70は第二 環状チャンバへ延びる流路4及び21と連通している。この第一環状チャンバ7 0は、ピストン55によって形成された底壁74によって下方を画定されている 。ピストン55の下には第二チャンバ75が形成され、この第二チャンバは第一 チャンバ70と同じように筒状外壁72によって外側を画定されている。第二チ ャンバ75は、外側ディスク19と内側ディスク20によって形成された第二底 壁76によって下方を画定されている。第二チャンバ75の内部には中央にカプ セル45が収容されている。前記第二底壁76の下には第三チャンバ77が設け られ、この第三チャンバ77は仕切り手段36と環状フィルタユニット42によ って画定されている。さらに、この第三チャンバ77は、外側ディスク19と内 側ディスク20の中央開口22によって形成された通路を通じて第二チャンバ7 5と連通している。最後に、仕切り手段36の下には第四チャンバ78が設けら れ、この第四チャンバ78は、カバー27の壁32と、さらにカバー27のスリ ーブ28の一部及び外側ディスク19の底側面によって下方を画定されている。 上述のように、当該容器は主として血液からフィブリンモノマー等の成分を分 離するのに適しており、この目的のために、第二チャンバ75、好ましくはさら にカプセル46の上部チャンバ80は、バトロクソビン等の適宜な酵素が予め満 たされている。欧州特許第592242号(EP−PS No.592242) 明細書から分 かるように、任意のトロンビンと同様の酵素を利用することができる。これらの 酵素には、トロンビン自体又は同様の作用を有する他の任意の物質が含まれ、そ の例としてはアンクロッド(Ancrod)、アクチン(Acutin)、ベニーメ(Venyyme)、 アスペラーゼ(Asperase)、ボトロパーゼ(Botropase)、クロタバーゼ(Crotabase )、フラボルクソビン(Flavorxobin)、ガボナーゼ(Gabonase)及び好ましくはバト ロクソビン(Batroxobin)等が挙げられる。バトロクソビンはビオチンと化学的に 結合することが可能であり、このビオチンはアビジン/アガロース組成物のアビ ジンによって従来から公知のようにバトロクソビンを捕捉可能にする合成物質で ある。したがって、アビジン/アガロースがカプセルの最下部のチャンバ81に 配置される。ビオチン/バトロクソビン組成物とアビジン/アガロース組成物は 、両方とも、カプセルが本装置の内部に設置される前に、カプセル45の内部の 各チャンバ80及び81の中に比較的容易に充填することができる。 最後に、シリンジ58が配置されるが、このシリンジには酢酸で希釈されたア セテートから調製されたpH4の緩衝液が入っている。シリンジ58は後で所望 のフィブリンモノマー溶液を受け入れるために使用される。 従来技術から公知である他の緩衝液も使用することができる。この再溶解緩衝 作用剤は任意の酸性緩衝溶液とすることができるが、好ましくはpH1〜5のp Hを有する酸性緩衝溶液である。適した例には、酢酸、琥珀酸、グルクロン酸、 システイン酸、クロトン酸、イタコン酸、グルトン酸、蟻酸、アスパルギン酸、 アジピン酸、これらの中の任意の酸の塩類が含まれる。琥珀酸、アスパルギン酸 、アジピン酸、及び酢酸ナトリウム等の酢酸塩類が好ましい。さらに、可溶化が カオトロピック剤(chaotropic agent)によって中性の pHの下で行われてもよい。適したカオトロピック剤には、尿素、臭化ナトリウ ム、塩酸グアニジン、KCNS、ヨウ化カリウム、臭化カリウムが含まれる。こ のような酸性緩衝液やカオトロピック剤の濃度と容量は、欧州特許第59224 2号明細書に記載されている通りである。 血液を供給する際又はその直後に、ピストンロッド8は、カプセル45の可動 スリーブ52が底壁76を通る貫通通路に密着係合して第二チャンバ77まで下 方に移動させられるまで、容器の内部に押し込まれる。その結果、これと同時に カプセルの最上部のチャンバ80の内部のビオチン/バトロクソビン組成物への 通路が開かれる。 容器が使用準備が済んだ状態にあるときには、血液サンプルが従来のやり方で 図示されていない針とホース65を介して第一チャンバに供給される。好適には 、この血液サンプルは同様に従来のやり方で抗凝血物質と混ぜられる。血液をホ ース65と開口66を通じて第一チャンバ70の内部に供給する際に、従来のや り方で空気がチャンバから除去される。血液の供給の後、ホース65が取り外さ れ、開口66が密閉される。続いて、血液の入った容器が、とりわけ種々の部分 を密閉圧縮するのを助ける遠心分離装置に設置される。この遠心分離装置はさら に後述されるが、容器を回転軸1を中心として回転させるものである。遠心分離 の結果、血液は第一チャンバ70においてプラスマ部分に分離され、これは血液 の残りの部分の半径方向の内側に沈着する。この残りの部分は赤血球と白血球と を含んでいる。欧州特許第592242号明細書に記載されるように、所望され る通り、遠心分離処理の速度と時間を変えることによって、いずれかの部分に血 小板を残すことが可能である。 プラスマと血液の残りの部分との間の界面が安定化されると、即 ち分離が完了すると、ピストンロッド8したがってピストン55が引き出される ことによって第一チャンバ70の容積の減少が始まる。その結果、先ず、存在し ている場合には空気の内層がチャンネル4と21を通じて第二チャンバ75に通 り抜け、このピストン55のさらなる移動はプラスマも第二チャンバ75に入る ことを意味する。プラスマ層全体が第二チャンバ75に押出され、即ちプラスマ 部分と血液の残りの部分の間の界面が第一チャンバ70の内壁71に達し、これ によって赤血球がスリット91内に認められると、ピストン55の動きが停止さ せられる。 第二チャンバ75において、プラスマ部分はバトロクソビン酵素と接触し、フ ィブリンモノマーがプラスマ部分から解放され、これは直ちに重合して架橋結合 していないフィブリンポリマーになる。この過程は、容器に連続的に遠心力を作 用させながら行われ、フィブリンポリマーがプラスマ部分の残りの部分から効率 的に分離される。このフィブリンポリマーがビオチン/バトロクソビン組成物の 反応によって形成され、筒状外壁72に沿って粘性層として沈着する。この分離 が終了すると遠心分離作用は停止され、それによって、空気を第一チャンバ70 から第二チャンバ75まで移動させるためにピストン55が先ず上昇させられ、 次にピストン55が押し下げられることによって、プラスマ部分の比較的流動性 に富んだ残りの部分は容易に第一チャンバ70へ押し戻され得る。この移動は、 フィブリンポリマーを含んだ粘性層が流路21への開口に達する前に、比較的容 易且つ迅速に行われることができる。選択自由であるが、この粘性層が流路21 の入口に余り早く到達することを防止するために、底部76に点線で示された上 向きに突出した歯82のリングを設ける等により、さらに別の手段を講じること もできる。 プラスマ部分の残りの部分が第二チャンバ75から放出されると 、最下部チャンバ81へのアクセスが可能となるように、カプセル45の移動可 能なスリーブ52がさらに下方に移動させられる。このスリーブの後者の移動と 同時に又はこれと関連して、シリンジ58のプラグ又はピストン59が外側から 作動する回転軸によって完全に押し下げられ、pH4の緩衝液が第二チャンバ7 5まで移動させられるようにし、以上のことは遠心攪拌が開始されると同じに行 われ得る。pH4の緩衝液の添加によって、フィブリンポリマーはこの緩衝液に 溶解され、カプセル45の内部の下部チャンバ81にアビジン/アガロース組成 物が存在することは、従来のようにビオチン/バトロクソビン組成物がアビジン と結合されることを意味する。ピストン55の連続的な移動は、カプセル45上 で移動可能なスリーブ52が仕切り手段36に係合せしめ、さらに底壁76から 離れさせ、その結果、第三チャンバ77へのアクセスが自由になる。結果として 、第二チャンバ75の内容物は下方に自由に流れて第三チャンバ77に流入する ことができる。好適には、遠心分離作用及び前進/後退攪拌運動の一連の停止/ 始動を含む遠心攪拌の際に再溶解が行われる。 連続的な遠心分離作用は、フィブリンモノマー溶液が第三チャンバで環状フィ ルタユニット42を通じて分離され、アガロースとこれに結合したバトロクソビ ンの比較的大きい粒子を残す効果を有する。この遠心分離作用の結果としてフィ ブリンモノマー溶液が最下部の第四チャンバ78に流入すると、遠心分離作用が 停止され、フィブリンI溶液はピストン59の新たな後退によってシリンジ58 まで容易に移動させられて、カプセル45のパイプ区間46の最上端部はシリン ジ58との接続部を形成するパイプ区間57と係合する。 図1に示された上述の容器の操作は、図2に線図で示されたタイ プの遠心分離装置で行われる。 図2の装置は、詳細には図示されていないハウジングに玉軸受102によって 回転可能に取り付けられた支持回転テーブル101を備えている。支持回転テー ブル101は垂直方向駆動シャフト103と一体に形成されている。駆動シャフ ト103がカップリング104を介してモータ105に接続され、支持回転テー ブルを垂直な回転軸線を中心とした回転運動に従動させる。作動棒106が、支 持回転テーブル101の駆動シャフト103の内側に前記回転軸線と同軸的に回 転可能に取り付けられ、この作動棒106は主軸109を有する主軸モータ10 8とカップリング107を介して接続され、この主軸モータ108が作動される と、支持回転テーブル101に載置された容器110と係合させたり離脱させた りするために、作動棒106が垂直方向に上下に変位せしめられるようにされて いる。 容器110が支持回転テーブルの上部に配置されるが、この容器は図1に示さ れたタイプのものである。容器110のピストン55がこの容器110の上端部 から上方に突出している図1の管状ピストンロッド8により駆動される(図1を 参照)。このピストンロッド8が把持手段113によって作動され、この把持手 段もまた主軸116とこれに一体的に接続された作動棒(図示しない)を介して 主軸モータ115により作動される。モータ115によって駆動される主軸11 6はさらに、前記作動バーを介してシリンジ58のピストン59を動かす(図1 を参照)。 また、把持手段113は、玉軸受を介してハウジング118に回転可能に取り 付けられている。ハウジング118及び主軸モータ115は、点線によって示さ れる参照番号119の共通移動台に取り付けられている。この移動台119がレ ール120に移動可能に取 り付けられ、モータ121によってその上を垂直方向に移動させられる。モータ 121は、ボール主軸を介してこの装置に動かないように取り付けられているボ ールナット123と協働して、モータ121によってボール主軸122が回転す ると、移動台119の運動を引き起こさせ、結果としてとスライドレール20に 沿った把持手段113の運動を引き起こさせる。 第一チャンバ70から第二チャンバ75へのプラスマの移動(図1を参照)は 、赤血球が第二チャンバへ移動させられないように注意して行われなくてはなら ず、第二チャンバにおいては赤血球がフィブリンモノマーの調製に悪影響を与え る恐れがある。この観察は、図2に線図で示されていて参照番号103で示され る光学的血球検出器によって行われる。この検出器130は、容器110の延長 部90を通過してピストンロッド8の方にレーザービームを放射するように構成 された光源を備えている。レーザービームは、ピストンロッド8の表面で反射さ れるように、このピストンロッド8の表面に対して傾斜した経路へと向けられる 。検出器130は、反射ビーム強度を示してその結果その変化を示すように構成 された検出手段をさらに備え、この変化は延長部90とピストンロッド8との間 のスリット91(図1を参照)に血球が存在することを示す。 この変化に応じてピストンロッド8の動きを調節するために、血球検出器13 0が制御手段131に接続されている。スリット91内で赤血球が検出されると 、導線132を通じた血球検出器130からの信号で、制御手段131は直ちに ピストンロッド8の動きを停止させる。ピストンロッド8の運動は制御手段13 1から導線133を通じてモーター115に達する信号によって停止される。 血球検出器130の光源と検出手段の互いに対する正確な相対位置及び容器1 10の延長部90に対する正確な相対位置は、コンピ ュータで作製されたモデル(光線追跡モデル)によって従来のやり方で決められ る。 図3及び図4はレーザービームの経路の線図である。容器110の方へ送射さ れるレーザービームが参照番号140で示されている。レーザービームは容器1 10の延長部90に当たり、続いて容器部分3及び4のそれぞれの軸線方向に延 びる部分9及び10を通過し、さらに中空ピストンロッド8の壁を通過する。そ の結果、レーザービーム140は先ず軸線方向部分9と10の間のスリット14 1を通過し、続いてピストンロッド8に隣接するスリット91を通過する。レー ザービーム140の各部は到る所で反射され、特にプラスチック材料から空気へ 推移する箇所で反射される。延長部90の最外表面に対するビームの入射角の適 切な設定は、ピストンロッドの内側から、すなわちスリット91を通過した後で 、なされた反射が最強とする作用を有する。スリット91から反射される光ビー ムの各部は数回屈折されるが、主たるビームはビーム142の形で出て行く。後 者のビーム142の強度及び他の反射されたビームの強度は、図で円弧Oから外 向きに実質的に半径方向のビームの長さの形で示されている。前記検出手段は、 最強の反射ビームの強度を観察するために、最強の反射が出る箇所に配置されて いる。検出手段の位置は、図1に点線で示されている。 図3は、プラスマが第一チャンバ70から第二チャンバ71に移動させられる 間の光ビーム140の反射を示す。反射された光ビーム142は示されるように 比較的大きな強度を有する。 図4は、反射された光ビーム142の強度がスリット91における赤血球の出 現で如何に低下するかを示している。前述の装置を使用すれば、ピストンロッド 8の動きを瞬間的に停止させて赤血球が第二チャンバ75へ移動させられないよ うにすることができる。 光学的血球検出器は従来から公知のタイプのものであり、例えば測光器光が使 用されてもよい。 好適な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱するこ となく多くの改変を行うことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61M 1/02 520 A61M 1/02 520

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.血液からフィブリンモノマーのような成分を分離するための容器(110 )を遠心分離処理し、さらに該容器(110)を自動的に操作するための装置で あって、前記容器(110)が、筒状部材(27)と、上壁(73)を貫通して 延びる管状ピストンロッド(8)を備えた該筒状部材内を変位可能なピストン( 55)とを備え、該ピストン(55)が前記筒状部材(27)を前記ピストンと 前記上壁(73)との間に前記ピストン(55)の上方に位置する第一チャンバ (70)と前記ピストン(55)の下方に位置する第二チャンバ(75)とに分 割し、前記容器の上壁(73)がピストンロッド(8)の外側面を取り囲む周状 スリット(91)を形成する延長部(90)を備え、それにより該スリット(9 1)の一方の端部が軸線方向に第一チャンバ(70)と連通し、前記第一チャン バ(70)が複数の流路(4、21)を通じて第二チャンバ(75)に連通する ようにして、筒状部材(27)を取り外し可能に保持するための手段を備えた支 持回転テーブル(101)と、前記容器(110)と共に前記支持回転テーブル (101)をその中心軸線を中心として回転させるための第一作動手段(105 )に該支持回転テーブルを接続させることと、第二作動手段(115)によって ピストン(55)を作動させるようにされ回転可能に支持されたピストン作動機 構(113、118)とにより構成され、 前記上壁(73)の延長部(90)とスリット(91)とを通じてピストンロ ッド(8)に向かって斜めに光ビームを放射するように構成され且つ反射された 光ビームの強度を測定するための検出手段を備えた光学的血球検出器(130) と、該検出手段の測定結果に応じて前記ピストン作動機構(113、118)を 制御するため の制御手段(131)とをさらに備えていることを特徴とする装置。
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