JP2001505441A - 心拍数変動分析に反応する移植可能な医療器具 - Google Patents

心拍数変動分析に反応する移植可能な医療器具

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Abstract

(57)【要約】 心臓発作予知の目的で人の心臓の心拍変動を評価する装置。心臓刺激器は心臓から心拍信号を受信し、心拍信号から得た統計データおよびセンサから得たセンシング・データに基づき心拍変動測定値を決定する。この心拍変動測定値は正常、異常心拍変動を定義する、すでに記憶されている心拍変動ゾーンと比較される。これらのゾーンは、心臓発作発生後修正可能である。心臓発作が探知されると、一般正常心拍変動状態から異常心拍変動状態へ延びる経路が計算される。その後の心拍変動測定値がこの経路と比較される。選択治療法は、心拍変動測定値しだいで開始される。

Description

【発明の詳細な説明】 心拍数変動分析に反応する移植可能な医療器具 技術分野 本発明は、心臓を刺激するための移植可能な医療器具に関し、特に心拍数変動 に反応する器具に関するものである。 背景技術 従来、人間の心拍は古典的生体制御律によって制御されていると考えられてい た。この理論によれば、人間の生理システムは心拍数変動を制御して平衡状態に するよう作用する。事実、臨床医はこれまで通常の心拍活動を「規則的または正 常な脈の律動」として説明していた。 近代の見解はこれらの伝統的なイデオロギーから発している。最近の研究結果 によれば、健康な人間でもその心臓はメトロノームの規則正しさで鼓動していな い。むしろ、平衡状態から程遠い心拍変動を心臓は示している。T.F.ノネン マッハー他の編集による著書(1994年)「生物学および医学におけるフラク タル」に掲載された「生理学と医学のフラクタルの風景:DNA塩基配列と心拍 数区間に関する長期相関関係」C.K.ペン他著、55−65ページ参照。例え ば、心電図では、休息中、及び睡眠中においても変動または迷走性の心拍数変動 が見られる。 個人の平均心拍数で発生する心拍変動は心拍数変動として知られている。心拍 変動は、一部には、不随意神経系の交感および副交感神経間の非直線的相互作用 に起因する。交感自律神経と副交感自律神経は、ある程度、心臓の洞房(SA) 結節と房室(AV)結節を制御するため、心拍数のコントロールに大きな影響を 及ぼす。これら2本の神経系は、幾分相互に作用することにより心拍数を変化さ せる。この点、副交感神経の刺激は、心臓の洞結節に存在する心拍調整細胞の鼓 動率を低下させる。それに反し、交感神経の刺激は鼓動率を増加させる。 ほとんどの臨床医の意見によれば、洞房結節に対する副交感神経および交感神 経の入力により低心拍数の変動(通常0.15Hz以下)が実現されるが、副交 感神経流出を調整すれば高心拍数の変動が実現される。さらに、研究報告によれ ば、心拍数変動低下は副交感神経活動の低下及びそれに伴う交感神経活動の増加 と相関関係にある。Jトーマス・ビッガー他著「急性心筋梗塞治癒中に測定した 心拍数変動の構成要素」米国心臓学会誌、第61巻(1998)、208―21 5ページ参照。健康で、休息状態にある心臓を例に取れば、副交感神経活動が心 拍数の維持を支配するが、不健康な、例えば心臓病を患っている心臓では、交感 神経活動の方が大きい影響力を持ち心拍数をコントロールする場合がある。 ここ数年間で、人間がかかり易い心臓の健康リスクの診断および予後の徴候と して心拍数変動がますます認識されるようになってきた。その結果、心拍数変動 に多くの研究が向けられてきている。特に、臨床医は、心拍数変動が切迫した心 臓発作の予知に重要な情報をもたらす可能性について調査を行っている。例えば 、ある研究では、心拍数変動の低い標準偏差値が、急性心筋梗塞より回復中の患 者における冠状動脈突然死の強力な予後の徴候であることを確認した。アルバー ト・マリアーニ他著「心臓突然死のリスクを有する患者における心臓血管変動の パワースペクトル分析」心臓血管電気生理学会誌、第5巻(1994)274− 286ページ参照。 現在、心拍数変動が患者の心拍数の現状または将来の心臓血管障害の発生に関 して相関性を有することについては大体心臓医の意見が一致している。実際、数 多くの研究調査が実施され、この相関性を立証している。例えば、健康な人の心 拍数をうっ血性心不全患者のものと比較すると、心拍区間に明確な差が見られる 。この点において、健康な人は、不健康な人と比べてより複雑な変動パターンを 示す。 さらに、心拍数変動と心臓血管患者の死との関連を特定する研究結果が見られ る。心拍数変動低下は、現在では、心室細動および心臓血管突然死のリスク増加 と関係があると考えられている。ある研究では次のように結論している。 他のいわゆる梗塞後のリスク変数(例えば、長引く左心室駆出率、心 室不整脈および臨床変数)を考慮した場合、心拍数変動は死の前兆要 因として独立したものである。心拍数変動は、ホルター・モニターで 得られる他の変数(例えば、平均心拍数と心室不整脈)よりも死のリ スクとのつながりが深い。心拍数変動は、また、駆出率の延長よりも 顕著に不整脈併発症の前兆を示す要因である。 コニーM.A.Van Ravenswaaij-Arts他著「内科紀要」第118巻(1993)4 36−447ページ参照。 すでに指摘したように、臨床医は心拍数変動を使って心臓血管突然死の発症を 予知する。心臓血管死の正確な原因は、まだ完全には理解されていないが、ほと んどの犠牲者は心室細動へと悪化する心室性頻拍を患っている。研究者はそのよ うな心室性急速不整脈の発症および誘因を予知するために多大な労力を費やして きた。心拍数変動は前兆を示すひとつの有効な値である。この分野の最近の研究 では、急性心筋梗塞後最初の数週間における心拍数変動の増加または減少を使用 してその後の死亡率または心室律動障害を予知できることを確認している。ある 研究では、急性心筋梗塞から生き延びた約800人の患者を調査した結果、心拍 数変動が50ミリ秒以下の患者は、心拍数変動が100ミリ秒以上の患者と比較 して、死亡率が3.5倍高いと報告している。ロバートEクライガー他著「低下 心拍数変動およびその急性心筋梗塞後の死亡増加率との関連について」米国心臓 学会誌第59巻(1987)256−262ページ参照。鬱血性心不全および冠 状動脈疾患の患者も心拍数変動の低下を示す。カソロG他著「鬱血性心不全にお ける低下した自発性心拍数変動」米国心臓学会誌第64巻(1989)1162 −1167ページ参照。 正常な心拍数変動を有する健康な個人にも、心拍数区間は普通生物学的 サイクルの変動がある。しかしこの生物学的サイクルは、心臓発作の数分から数 時間前に顕著でなくなり、不規則になり始めることがある。例えば、研究者は、 心拍数変動が不整脈発生数時間前に次第に低下することを発見した。このような 場合に心拍数変動をモニターすれば、臨床医に切迫した心臓発作の事前予知手段 を与える。 一つの有利な点として、心拍数変動の測定は、普通、身体には侵入せずに行わ れ、確実に実施される。患者につけたホルター・モニターまたは電極が心拍数を 非常に正確に測定する。電極が心拍を通常R−R区間で、一連の心拍を検知する 。 その後、平均、中央値、標準偏差といった統計データを計算し、心臓発作の予知 に使用される。心拍数変動を使用する一つの既知の方法では、通常の心拍状態で 記録された心拍区間をその後の心拍区間と比較する。この二つの記録に見られる 偏差を、心拍数変動の変動徴候として使うことができる。一つの実施例では、患 者が正常もしくは健康な心拍数変動を示す間にホルター・モニターでR−R区間 を記録する。それから、平均および標準偏差に基づくアルゴリズムが固定記憶装 置に記憶されている単一ユーザー値を計算する。このユーザー値は、正常な心拍 数変動条件下における患者のストレス状態を表わす。その後、患者は、個別の心 拍期間におけるR−R区間、例えば100心拍をモニターする検知器を手首につ ける。この心拍期間が終了すると、手首検知器とアルゴリスムを使って患者の現 時点におけるユーザー値、つまり、ストレス状態を計算する。そして、この現時 点におけるユーザー値は、正常な心拍数条件下においてすでに記録されたユーザ ー値と比較される。理論的には、この比較が正常な心拍数変動からの偏差を示し 、患者の心臓ストレス状態を表わす基準となる。2個のユーザー値に大きな偏差 があれば、それは交感神経・副交感神経間の自律神経系バランスにおける大きな 偏差を反映することになる。例えば、現時点で記録されているユーザー値が永久 記憶されたユーザー値から25%以上逸脱した場合、その患者は付随する異常心 拍数変動で高ストレス・レベルを受けやすい場合がある。 心拍数変動を使用した方法及び機器に関連した一つの重要な弱点は、より高度 なアルゴリズム構造を提供していないことである。典型的な心拍数変動用アルゴ リズムは、まずR−R病気期間に基づいて現在のユーザー値を計算した後、この ユーザー値をすでに記憶されたユーザー値と比較して2者間の偏差を計算する。 しかし、アルゴリズム構造自体は変わらない。したがって、以後のR−R病気期 間が知らされて新ユーザー値が計算されると、これらの値は、再度、同様に記憶 されたユーザー値と比較される。このように、アルゴリズムとしては、何度も、 正常と異常の心拍数変動を定義する同一のしきいパラメータを使用する。 心拍数変動を使用した方法及び機具に関連するもう一つの弱点は、心臓発作に 至る心拍数変動データの取り扱い方法に関する。心拍数変動測定機器には、しば しば、先入れ先出し方法にしたがって動作するメモリが備えられている。この種 のメモリは心拍数データを順番に格納し、もっとも古いデータを廃棄し、もっと も新しい入力データをセーブする。ところが、古いデータには以後の心臓発作に 関する重要な情報があるのである。 発明の開示 この発明は、心臓発作を認識または予知するために、個人の心拍数変動を評価 する方法及び機器に関するもである。心拍数変動ゾーンは、最初、個人の正常お よび異常心臓洞リズムの定義として設定されている。その後、これらのゾーンは 、心臓発作の発生後または不発生後自動的に修正される。そういうことなので、 正常、異常心拍数変動定義の境界は、その個人の生理学的、心臓学的条件により 特定される。心臓発作が起こると、その発作に至るまでの経路が格納される。そ して患者の心拍数変動はこの経路に比較されて、心臓再発作に関する決定がなさ れる。 この発明では、マイクロプロセッサをベースにした心拍刺激器が心臓からの心 拍信号を受け取る。心拍刺激器は、連続心拍間に発生する時間的区間を計算して 、予め設定した期間の病気期間データから心拍数変動測定値を得る。この病気期 間データには時間的区間から得た統計データと患者のセンサーから得た探知デー タの両方が含まれ、心拍刺激器は、心拍数変動測定値をすでに格納された正常・ 異常心拍数変動を定義する心拍数変動値ゾーンと比較する。心拍数変動の測定値 が異常心拍数変動値ゾーンの限度内にあれば、適切な治療法が開始される。一方 、心拍数変動の測定値が正常心拍数変動値ゾーンの限度内にあれば、治療法は開 始されない。ただし、心拍数変動測定値が正常心拍数変動値ゾーンの限度内にあ りながら、その本人が心臓発作を引き起こしている場合、異常心拍数変動値ゾー ンは修正されて、その心拍数変動測定値を含めることになる。このように正常・ 異常心拍数変動の定義は特定個人の心臓条件にしたがって変更される。 心臓発作が起こると、メモリは現在の病気期間データ、さらに、その発作に至 る一連の病気期間データをも永久保存する。共に、この一連の病気期間データは 、通常は正常な心拍数変動条件から異常心拍数変動条件に至る経路を形成する。 この経路は、将来の心臓発作発生の予知、現在の心臓発作発生の確定の一助とな る。 この点、心臓発作後に起きる全心拍数変動値はこの経路と比較される。この比較 により、本人が以前の心臓発作に至る同様の条件を再度経験しているかどうかが 判明する。 さらに、有利な点は、異常心拍数変動ゾーンは複数の異常サブゾーンに分けら れる。各サブゾーンは、さらなる探知または治療上の監視を開始するための治療 法に該当する。また、その治療法には治療の積極さと監視の度合いが徐々に増し てくる構造が含まれることもある。 治療法の選択的活性化も、また、不必要なエネルギー消費と診断活動を最低限 にするため、省電力となる。 したがって、この発明は、下記の詳細説明で例示される構造、要素の組 み合わせ、部品の配置を有する用具および方法よりなる。この発明の性質と目的 をより完全に理解するためには、添付の図面と関連した下記の詳細な説明を参照 されたい。 図面の簡単な説明 (c)図1(移植可能な心拍刺激器のブロック図である。 (c)図2(心拍数変動パラメータを明細に示す系統線図である。 (c)図3(心拍数変動ゾーンの斜視図である。 (c)図4(治療法のブロック図である。 (c)図5(病気期間統計データ計算の系統線図である。 (c)図6(病気期間探知データ計算の系統線図である。 (c)図7(病気期間データと記憶された心拍数変動パラメータとを比較 する系統線図である。 (c)図8(修正心拍数変動ゾーンの斜視図である。 (c)図9(現在病気期間データと記憶された病気期間データとを比較す る系統線図である。 (c)図10(心臓発作に至る一連の病気期間データの斜視図である。 発明を実施するための最良の形態 図1はこの発明を実施するための移植可能な心拍刺激器10のブロック図 である。刺激器10はペースメーカ、細動除去器または他の移植可能な心拍ジェ ネレータを示す。マイクロプロセッサ12は刺激器10の制御・計算部門である 。マイクロプロセッサ12は、双方向バス14を経て通常の方法でメモリ16、 A−V区間タイマ18およびペーシング区間タイマ20に接続する入出力ポート を有する。A−V区間タイマ18とペーシング区間タイマ20は、個別にライン 22とライン24を経てマイクロプロセッサ12の対応する入力ポートにそれぞ れ接続する出力を有する。 A−Vおよびペーシング区間タイマ18、20は、図示されるように、マイク ロプロセッサ12の外部または内部に設置される。さらに、これらのタイマは、 最初に計算値がロードされ、この値からカウントアップまたはダウンして、プロ グラムされたカウント終了時に繰越しビットを出力する種類の在来型アップ/ダ ウン・カウンタである。最初の計算値はバス14のA−Vおよびペーシング区間 タイマ18、20にロードされる。それぞれの繰越しビットはライン22、24 のマイクロプロセッサ12に出力される。メモリ16は、なるべく、ROMとR AMの両者を含むものとする。通常、ROMは操作ルーチンを記憶し、RAMは プログラマブル・パラメータと変数を記憶する。 マイクロプロセッサ12は、また、なるべくライン28を経て遠隔測定インタ ーフェース26に接続する入出力ポートを有するものとする。したがって刺激器 10は、移植されると、外部プログラマから変数と制御パラメータを受信し、必 要な場合外部レシーバにデータを送信できる。このように、マイクロプロセッサ 12に記憶された操作パラメータは、身体に侵入することなく選択して変更する ことが可能である。当業者には周知の遠隔測定システムが数多くある。1985 年9月公開の「移植身体機能刺激器と通信する方法および用具」と題されたCalf ee他による米国特許第4,539,992号に、遠隔測定システムとコード化方 法の一例が記載されている。 制御ライン30、32は、それぞれ、マイクロプロセッサ出力ポートを心房刺 激心拍ジェネレータ34入力および心室刺激心拍ジェネレータ36入力に接続す る。振幅、幅、イネーブル/ディスエーブルそして心拍起動コードといった心拍 パラメータ・データは、ライン30、32を通じてジェネレータ34、36へ、 それぞれ送信される。その上、制御ライン38、40はマイクロプロセッサ入力 ポートを心房センス・アンプ42と心室センス・アンプ44出力へそれぞれ接続 する。 心房センス・アンプ42の入力と心房刺激心拍ジェネレータ34の出力は、第 1在来型リード48に接続する第1伝導体46に接続する。電気的伝導ペーシン グ/センシング・チップ52はリード48の末端に位置する。このペーシング/ センシング・チップは伝導体46に電気的に接続する。例えば、右心房54の心 臓50に接続する。 心室センス・アンプ44の入力と心室刺激心拍ジェネレータ36の出力は、第 2在来型リード58に接続する第2伝導体56に接続する。電気的伝導ペーシン グ/センシング・チップ62はリード58の末端に位置する。このペーシング/ センシング・チップは伝導体56に電気的に接続し、例えば、右心室60の心臓 50に接続する。リード48、58は心臓50に経静脈または他の適切な方法で 挿入される。 伝導体46、56は、心房および心房刺激心拍ジェネレータ34、36で生成 した刺激心拍を、それぞれ、ペーシング/センシング・チップ52、62に伝え る。ペーシング/センシング・チップ52、62および対応する伝導体46、5 6も、また、心臓の感知した心臓電気信号を心房・心室センス・アンプ42、4 4に伝える。 心臓刺激器10も、また、細動除去器として使用できる。この点に関して、マ イクロプロセッサ12は高電圧細動除去器回路64を制御する。2本の高電圧リ ード66、68は、2本の電極70、72で心臓に接続する。図示された実施例 では、心外膜パッチ電極が線図で示されている。ただ、心内性電極または当業者 に周知の他の電極形態も使われる。 また、マイクロプロセッサ12の入力・出力ポートも、双方向制御バス76を 経て各種センサ74に接続する。移植可能な心拍刺激器は、しばしば、センサま たはセンシング能力を使用する。センサ74は、患者に関する情報収集の各種セ ンシング装置である。これらのサンサは、例えば、換気、加速、活動、酸素レべ ル、血圧、体温、血液酸素化、血中ペーハー、インピーダンス、アドレナリン・ レベルなどを感知する。 この発明が、各種移植可能な器具、そのような器具の一例として示されている 図1にある刺激器10と共に使用されることは当業者にとって周知の事実である 。他の移植可能な器具は、例えば、頻脈、徐脈、細動に対して単独または併用し て用いられ、この点に関しては、細動除去器、単一もしくは二重室ペーサあるい はこれらの組み合わせが含まれる。さらに、この発明の方法は、心臓をまったく 刺激しない器具又は移植できない器具にも使用できる。しかし、それらの用具は 、心臓の各心拍間の区間を測定するために心臓の波形を感知または記録できるも のでなければならない。この区間の測定は例えば、患者にセットした電極を用い て心臓から遠隔操作で、または心臓自体の内部、つまり、心房、心室、またはそ の両方から行える。 各連続心拍数間の心拍区間を求めるには、心臓からの信号が電極から心臓刺激 器または他の同様のモニター装置へ送信される。図1でセンシング・チップ52 もしくはセンシング・チップ62が心臓の信号を感知する。これらの信号が探知 されると、直ちに各種の方法で処理され、各心拍間の区間を得る。1993年4 月13日公開の「致死的不整脈に対する掛かりやすさの診断方法と装置」と題さ れたフルトンによる米国特許第5,201,321号では心拍信号を受信し、各 心拍間の区間を計算する方法と装置を説明している。例として、心臓からの信号 を計数化して、その出力がメモリに接続されたピーク検出器へ与えられる。ピー ク検出器は、心臓信号のA−A、P−P、V−VまたはR−R区間といったピー ク振幅のタイミングを測定する。(A−A区間は、心房内から測定した連続心房 減極間の時間。P−P区間は、患者の体から測定した連続心房減極間の時間。V −V区間は、心室内から測定した連続心室減極間の時間。R−R区間は、患者の 体から測定した連続心室減極間の時間。)そうすると、メモリまたは記録装置が 連続区間のタイミングを記憶する。タイミング区間は、通常時間単位または心拍 間のサンプル数によって測定される。各心拍間の区間の記録に使用される特定の 方法または装置は、あまり重要でなく、これらの区間が正確に得られればよい。 できれば、各心拍間の区間は、指定の長さの時間または病気期間中に記録する ことである。典型的な病気期間とは数分間、例えば、5分間とか、指定心拍数、 例えば、100から1000心拍数の間持続する。病気期間の長さはプログラム でき、一様でない。むしろ、各心拍間の区間は絶え間なく連続病気期間記録する ことである。 この発明の全体的な操作方法とアルゴリズムは下記の系統線図の説明で例示す る。系統線図は、マイクロプロセッサ12を好適に操作するプログラム構造を表 わす。プログラム構造はアセンブリのような低レベルのコンピュータ言語で作成 され、ミクロプロセッサ内のメモリに格納される。 まず図2では、プログラム構造は100で開始する。ブロック102が示すよ うに、既存の初期化手順が行われる。これらの手順には、すべてのポインタ、レ ジスタ、カウンタの設定および特定のメモリ・ロケーションのクリアが含まれる 。ブロック104が示すように、病気期間統計データが、次に選択される。この 統計データは、通常、計算および統計アルゴリズム、変数、方程式、その他当業 者に周知のものを含む。典型的にはこの統計データは、中心傾向またはバラツキ の程度を少なくとも一つ、どのような組み合わせでも含む。各病気期間に関して 計算する統計変数と方程式の追加例としては、平均、MAD(平均絶対偏差)、 中央値、最頻値(もっとも頻繁に発生する心拍数変動区間)、最頻値振幅(最頻 値が起こるパーセント)、変動範囲(最高と最低心拍数変動区間の差)、PNN 50(50ms以上の時間の心拍数変動区間のパーセント)、標準偏差、範囲、 パワー・スペクトル密度そして分散が挙げられる。 患者の心拍数変動を評価し、次いで患者の心臓状態の予測をするためにセンシ ング・データを統計データに追加する。ブロック106については、病気期間セ ンサ・データを選択する。センシング・データは、患者の生理学的状態を測定す るセンサまたは電極から得る。そのようなセンサは、例えば、喚起されたQT区 間、呼吸、一回拍出量、中心静脈酸素飽和、右心室圧力、血圧、筋肉雑音、促進 、インピーダンス、活動度または運動、体温、血中ペーハーそしてアドレナリン などのセンシングに使用される。活動度センサを例にとれば、患者の体の動きと 動作を測定できる。 統計式/アルゴリズムとセンシング・データを組み合わせて心拍数変動の評価 に使用する。例えば、統計式を単独で使用したり、統計アルゴリズムに組み入れ て指定病気期間の統計データ作成に使用する。次に統計データをセンシング・デ ータと組み合わせる。統計およびセンシング・データは、合わせて指定病気期間 の病気期間データを形成する。 ブロック108には、心拍数変動ゾーンと対応する治療法が指定されてメモリ に記憶されている。心拍数変動ゾーンは、患者の正常および異常心拍数変動を定 義する。図3は、120で通常見られる典型的な心拍数変動ゾーンの相対的配置 を示す。3本の別個の軸が120の相対的配置を定義する。AA区間の平均値が x軸を定義し、PNN50がy軸を定義し、患者の動きがz軸を定義する。12 0の相対的配置内では異常心拍数変動ゾーンは通常122で示される。正常心拍 数変動ゾーン124は異常ゾーン122の境界外で起こる。 一組のパラメータが異常ゾーン122と正常ゾーン124の境界または限界を 定める。これらのパラメータには、3本の軸のそれぞれの値または値の範囲が含 まれる。好ましくは、パラメータが異常ゾーン122を複数の心拍数変動サブゾ ーンに分ける。図3は、異常ゾーン122をそれぞれ6個の異なるサブゾーン1 26−131に再分割する。別個の独立した複数のパラメータ組が各サブゾーン 126−131を定義する。各サブゾーンは異なる心拍数変動状態に該当し、サ ブゾーンは、心拍数変動の異常レベルに関し、または患者の該当する心臓状態に 関して階層形式を取る。例えば、サブゾーン126は、サブゾーン129に比べ てより高い程度の警戒を示す心拍数変動状態を表わす。 図3では、やや長方形の構成が各サブゾーンを表わしている。これらの構成は 説明に役立つよう提供されたものであり、サブゾーンの境界を定めるパラメータ により変わる。その上、構成は通常サブゾーンの定義用に選択された統計とセン サのデータのみならず、各患者の特定生理学的状態と要求事項によっても決定さ れる。この点、心拍数変動分析を受けている各患者は、各サブゾーン126−1 31を定義する異なる組のパラメータを必要とする。さらに、サブゾーンは複数 の異なるパラメータを有することがある。図3には、3個の異なるパラメータが 異常ゾーン122を定義する。パラメータの数は1から4か5以上と変わる。例 えば、第4のパラメータが、その日の時間ということがあり得る。構成120は 説明用として、3個のパラメータと6個のサブゾーンを示している。 各サブゾーンに関するパラメータの境界または限界は、心拍数変動分析開始以 前に設定される。例えば、医師または臨床医は、患者の医療履歴に基づいて各サ ブゾーンに特定の数値を指定する。または、患者は異常・正常心拍数変動の限界 を決めるために監視される。心拍数変動記録、記憶に使用されるホルター・モニ タまたは他の器具で患者の心拍数変動をモニタする。その後、各サブゾーンの限 界はこのデータに基づいて計算される。代案としては、サブゾーンを定める境界 は最初の予想をベースにして、メモリに予めプログラムする方法がある。 各サブゾーンには、また、関連する治療法がある。治療法は、できれば、心拍 数変動異常レベルか患者の該当する心臓状態に関して階層形式を有するものがよ い。この点、より歓迎すべき心拍数変動のサブゾーンには積極的に対応せずより 異常な心拍数変動のサブゾーンにはより積極的な治療を割り当てることである。 図4は通常150での典型的な治療法を表わしている。この図では、治療法1 50は152−159レベルという8個の異なる治療レベルを備えている。それ で、もっとも積極性でない方法から始めると、治療レベル152は、患者の心臓 状態をより良く、すなわちより正確に判定するために、エネルギーをより多く消 費するテスト又はデータ収集手順の開始を必要とする。これらの手順には、換気 、促進、インピーダンス、体の動きまたは動作、酸素、血圧、体温、血液酸素化 、血中ペーハーまたはアドレナリンを感知するセンサを起動するなど各種の追加 監視形式が含まれる。さらに、これらの手順には、例えば、標本抽出率を増加し て波形の記憶、診断用生体電位差チャンネル帯域幅の増加、パラメータ記録の増 加そして信号処理の増加といった診断データ収集のレベル増加が含まれる。また 、追加統計データの計算もしくは追加統計アルゴリズムの使用も行われる。この 統計データは現在または前回病気期間中記憶された心拍区間に基づくものである 。また、完全に身体に侵入しない手順の開始も可能である。例えば、患者、健康 プロバイダー、臨床医もしくは指定場所に対し警告または警報を発することであ る。このような警告の例を挙げれば、患者の切迫した心臓状態を通知したり、代 わりに臨床医に患者の状態あるいは追加注意の必要性について警告をすることが 挙げられよう。次に、治療レベル153では徐脈ペーシングか抗徐脈ペーシング を必 要とする。治療レベル154で示すように、心拍数変動がより異常であれば、よ り高率のオーバドライブ・ペーシングが実施されるであろう。レベル155は抗 徐脈ペーシングを示し、例えば、もし患者が心房動悸または心室頻脈を感じてい れば、抗徐脈ペーシングが起こるであろう。次のより高いレベル156は、患者 の迷走神経活動を刺激するために、神経刺激の形式を必要とする。レベル157 は、中和剤の用量の活性化を示している。アドレナリン増加を中和するために、 薬品注入ポンプで患者に薬品を注入し、また、精神安定剤としても作用する。こ のように、薬品が効果的に心拍数変動を正常化する。もし患者が、もっと厳しい 心臓状態を感じていれば、カルジオバージョン・ショックが、レベル158で示 すように、開始される。厳しいレベル159では、患者がより厳しい心臓状態を 表わすか、厳しい異常心拍数変動を示した場合、細動除去器のショックを施すこ とが必要になる。 治療法150の選択的活性化は省エネとなり、電力の節約となる。この点、患 者が異常心拍数変動を示すまで、厳しい警戒は通常実施されない。 異常変動が探知されると、レベル152−159に示されているような治療法が 開始される。すでに説明したように、可能な方法といえば、追加センシング、計 算その他が含まれる。これらの方法を実施するには電力を要するため、選択的活 性化は省エネとなる。さらに、異常心拍数変動の病気期間中、刺激器内で行われ る絶対必要でない計算および診断活動は、妨害の潜在的原因を減少させ、計算資 源を心拍数変動または心臓発作の監視や診断に集中させるため中断されるか停止 され、あるいは開始されない。例えば、異常心拍数変動が探知された場合、不必 要な細動除去器コンデンサーの改良が中止される。 各治療レベル152−159は異なる心拍数変動サブゾーンに該当する。例え ば、再び図3によれば、サブゾーン126は治療レベル152に該当し、サブゾ ーン131は治療レベル159に該当する。図4は一つの治療法を例示している が、代わりの治療法は患者個人によって異なり、特定の心臓必要条件を満たすよ う作成される。 その上、他の種類の心拍数測定および評価計画も利用できる。例えば、時 間ドメイン分析もしくは回数ドメイン分析は、研究者が心拍数変動を検討する際 によく使用する二つの方法である。時間ドメイン分析では、グラフはR−R区間 を特定時間内に発生する心拍数として典型的に表わしている。例としてECGモ ニタがあり、これは心拍数変動を記録して計算する。回数ドメイン分析では、フ ーリエ変換アルゴリズムは順次R−R区間をシヌソイド函数の合計として分解す る。グラフはこのアルゴリズムの結果を典型的に表わし、異なる振動周波数での 患者の心拍数変動の振幅を示している。回数ドメイン分析は、分光分析内のある 周波数帯域が洞結節期間の自律神経系統と関連しているため、ある場合によって は非常に有利である。Jトーマス・ビッガー他著「心筋梗塞後の心拍数変動と死 亡率の回数ドメイン測定」循環 第85巻(1992)164−171ページ参 照。 図5では、選択された病気期間統計データを計算するプログラム構造が示され ている。プログラム構造は170で始まり、172で既存の初期化手順を始める 。次はブロック174に示されているように、連続心拍数信号の測定が始まる。 そうすると、176で表わされるように、患者の心拍間の区間が計算される。こ れらの区間は連続心拍間の時間を表わす。メモリは、ブロック178が示すよう に、区間を記憶する。そして、心拍間の区間の時間的な長さが50ms以上か以 下かを決定するために、ブロック180で調べる。もし心拍間の区間か50ms に等しいかそれ以上であれば、カウンタは182で増分される。もし心拍間の区 間が50msより低ければ、カウンタは184で増分される。複数のカウンタは マイクロプロセッサまたは制御回路内にあり、心拍間の区間が50ms以上か以 下である単一の病気期間中の回数をカウントする。ブロック186で病気期間が 終了したかどうかを調査が決定する。病気期間が終了していない場合、プログラ ム構造がブロック174に戻り、連続心拍間の区間測定を継続する。もし病気期 間が終了していれば、188で示されるように、統計データはその病気期間につ いて計算される。188で計算された統計データは、その病気期間中に収集され たデータについて計算される。図3が示すように、統計データには、例えば、P NN50と平均が含まれる。統計データが計算されると、ブロック190が示す ようにメモリに格納される。現在の病気期間の統計データ記憶に加えて、1、2 のカウント区間のタイミング、その日の時間も、また、格納される。図5の プログラム構造は、ライン192に沿って示されるように繰り返し、再び心拍区 間の測定を始め、次の病気期間の統計データを計算する。 図6については、プログラム構造は患者の選択センシングとセンシング・デー タの計算を開始する。プログラム構造は200で始まり、202で既存の初期化 手順を起動する。ブロック204が示すように、選択されたセンサが起動され、 現在病気期間の情報収集を始める。先に説明したように、各種のセンシング装置 が感知し患者からのデータを収集する。図3は促進、活動度または動作センサの 起動を示す。次に、病気期間が終了したかどうかを決定するために、ブロック2 06で調べる。病気期間が終了していない場合、プログラム構造はブロック20 4に戻り、情報収集を継続する。病気期間終了の場合、プログラム構造はブロッ ク208に進み、ブロック204で選択された複数のセンサはその病気期間のセ ンシング・データを計算する。例えば、病気期間中受信した活動度信号の平均を 求めて平均活動率を得る。ブロック210で示すように、メモリはセンシング・ データとその日の時間を記憶する。病気期間末で、図6のプログラム構造は、ラ イン212に沿って示されるように繰り返し、再び選択された複数のセンサで感 知を開始する。 図7には、すでにメモリに格納されている心拍数変動ゾーン修正のプログラム 構造が示されている。心拍数変動ゾーンは、各個人の生理学的、心臓学的状態に 応じて自動的に作成される。プログラム構造は216で始まり、病気期間データ 収集と心拍数変動測定値取得を指定するブロック218へ進む。センシングと統 計データを含む病気期間データは、図2、5、6で説明したように収集・計算さ れる。心拍数変動の測定は病気期間データから得られる。この変動の測定は、そ の病気期間中の個人または対象者の心拍数変動の程度を表わし、全ての病気期間 中のデータまたは選択された部分を含む。次に、ブロック220で、病気期間末 に到達したかどうかについて調査を行う。答えが否定的な場合、病気期間データ 収集は継続される。答えが肯定的な場合、プログラム構造はブロック222へ続 き、現在の心拍数変動測定値が異常心拍数変動ゾーン内にあるかどうかを調査す る。図3はこの動きを示す。図示のとおり、3本の軸(平均AA、PNN50お よび体の動き)が異常心拍数変動ゾーン122と正常心拍数変動ゾーン124を 決定する。心拍数変動測定はゾーン122と124と比較して現在の心臓状態お よび現在の病気期間における患者の心拍数変動を決定する。 もし心拍数変動の現在測定値が異常心拍数変動ゾーン122内であれば、ブロ ック224が示すように、該当する治療が開始される。例えば、図3はサブゾー ン128内の可能性のあるロケーション226を示す。その反対に、心拍数変動 の現在測定値が異常心拍数変動ゾーン122内になければ、ブロック228の調 査が行われる。図3は正常ゾーン124内で異常ゾーン122の境界外の可能性 のあるロケーション230を示す。 ブロック228は、刺激器または測定器が何らかの異常心臓状態を探知したか どうか調査する。例えば、刺激器が心臓発作を探知したり、または強化警報内に あって何らかの状態を警告あるいは感知し、治療を開始しているのかも知れない 。例えば、患者が頻脈、徐脈、細動、リズム障害、不整脈その他に罹っているか も知れない。ブロック228への答えが否定的な場合、プログラム構造はブロッ ク232へ進み、心拍数変動測定値を含む病気期間データは一時的にメモリに格 納される。ところがブロック228への答えが肯定的な場合、図3の心拍数変動 ゾーン構成120は修正され、現病気期間センサに対応する心拍数変動値および 統計データを含む。例えば、修正は、1個またはそれ以上のサブゾーン129− 131の境界の増大又は減少を含む。そして、ブロック236が示すように、メ モリは病気期間データと心拍数変動値を記憶する。 図3は、異常ゾーン122内に当初存在しない可能性のあるロケーション23 8を示す。したがって患者の心拍数変動データにより治療は行われないが、もし 刺激器または測定器が同時に異常心臓状態を探知した場合、刺激器自体が治療ま たは厳しいレベルの監視を始める。この場合、異常ゾーン122のパラメータは 変化して、ロケーション238のパラメータを含む。図8は、サブゾーン129 のパラメータが拡大してロケーション238を含むという出来事を示している。 修正サブゾーン129’とを含む修正心拍数変動ゾーン構成120’はメモリに 永久記憶される。次にその後の心拍数変動値は修正構成120’と比較される。 図9には、患者の心臓状態を決定するために、現在病気期間データをすでに記 憶された病気期間データと比較するプログラム構造が示されている。すでに記憶 された病気期間データは、患者が心臓発作または何らかの異常心臓状態を経験し た場合を表わす。それゆえ現在病気期間データとすでに記憶された病気期間デー タとの比較は、発作の再発予知に役立つ。 心臓発作の発生とは、患者の心臓が心臓異常を経験していることを意味する。 そのような異常は、例えば、異常心臓律動、心臓合併症、または切迫した異常心 臓状態があり得る徴候として受け止められる。異常の例としては、不整脈、リズ ム障害、細動、頻脈、徐脈、粗動、心筋梗塞、心臓病などを含む。 プログラム構造は250で始まり、病気期間データ収集と心拍数変動測定値取 得を指定するブロック252へ進む。図2、5、6は病気期間データの収集・計 算を説明している。次に、ブロック254で、病気期間末に到達したかどうかに ついて調査を行う。答えが否定的な場合、プログラム構造はブロック252にル ープし、病気期間データは引き続き収集される。答えが肯定的な場合、プログラ ム構造はブロック256に続き、心臓発作が起きたかどうかの調査を行う。もし 心臓発作が起きれば、メモリは、ブロック258が示すように、病気期間データ を記憶する。図10この病気期間データの格納を示している。 図10は、平均AA値をx軸、MADをy軸そして患者の呼吸をz軸に有する 典型的な心拍数変動ゾーン構成270を示す。二つの仮定病気期間シリーズがそ れそれ274と276に示されている。病気期間シリーズ274は278−28 2に示される複数の心拍数変動測定値を含む。測定値278−282は測定値2 82が示す心臓発作に至る複数の病気期間データ・ロケーションを表わす。病気 期間シリーズ276は、ロケーション288が表わす心臓発作に至る284−2 88に示される複数の心拍数変動測定値を示す。各測定値は病気期間データおよ び該当する病気期間中に収集・記憶された他の情報すべてまたは一部を含む。病 気期間シリーズ274は、例えば、ロケーション282の徐脈発作ですでに終了 した場合もある。経路290は異常心拍数変動経路またはゾーンを表わし、測定 値282に至るラインとして示されている。病気期間シリーズ276は測定値2 88の頻脈発作ですでに終了した場合もある。経路292はこの測定値に至るラ インとして示されている。 各心拍数変動経路290と292は、294と296でそれぞれ示されている ように異常心拍数許容ゾーンを含むよう拡大される。許容ゾーン294と296 は、経路290と292を拡大し、心臓発作に至る病気期間シリーズを決定する より広い限界または境界を提供する。許容ゾーンは経路290と292を10% から20%拡大できればよい。 病気期間シリーズ274と276は、それを通じてその後の心臓発作が起こる 予知可能な経路を提供する。この点、患者個人は、特定の病気期間内に多数の心 臓発作を経験するのかも知れない。二つもしくはそれ以上の発作には、特定の発 作に至る望ましいまたは共通の経路がある場合が考えられる。例えば、二つの別 個の心臓発作が異なった測定ロケーションで始まるが、共通のゾーンへあるいは 共通のゾーンを通じて進むことがある。実際、経路が一部またはすべて重複する ことがある。そのように、記憶された経路は、現在の経路と比較され、将来の心 臓発作予知の一助または現在の発作発生の認識の一助となる。 さらに、心臓発作は突然発生するか、より長い時間を掛けて発達する。発作が 起こると、その発作を示す現在病気期間データは永久記憶装置に格納される。そ の上、前の病気期間データもメモリに永久記憶されている。このようにメモリは 、心臓発作が起こると一連の病気期間データを格納する。記憶された前の病気期 間データの量と数は、例えば、メモリ割付け使用可能性、病気期間の時間的長さ 、もしくはデータの圧縮性に左右される。できれば、約数時間前の病気期間デー タが、心臓発作発生後、記憶されることが望ましい。 現在病気期間を記憶された病気期間シリーズと比較する時、病気期間発生日の 時間も、また、要因となる。病気期間データは、特定の期間における約24時間 周期の変異を示す。例えば、個人の就寝中、平均心拍数、平均分時換気量(即ち 、代謝要求の徴候)および平均活動度は低下し、PNN50と平均絶対偏差は比 較的に高くなる。個人が眠りから覚め、活動中であれば、運動、平均心拍数、平 均分時換気量、それに平均活動度といったものが比較的高くなり、PN50と平 均絶対偏差は比較的低くなる。 もう一つの要因として、少量の変動がより高い心拍数には存在する。例 えば、100bpmの心拍数の人は、例によって迷走神経活動を抑制するより多 くの交感神経活動を行う。この状態では、患者の心拍数変動は、予想通り非常 に低い。心拍数が100bpmに維持され、ペーシングの使用により心拍数変動 を実施する場合、効果はほとんど生じない。 さて図9に戻ると、すでに説明した通り、ブロック256の調査に対し て答えが肯定的であれば、病気期間データは、ブロック258に示され図10の 関連で説明がなされたように、メモリに永久記憶される。もし答えが否定的であ れば、ブロック300が示すように、心拍数変動の現在測定値と記憶された病気 期間シリーズとの比較が行われる。それからブロック302が、心拍数変動の現 在測定値が記憶された病気期間シリーズと合致するかどうかを調べる。もし合致 しない場合は、病気期間データは、ブロック304で示されるように一時記憶さ れる。もし合致すれば、ブロック306は適切な治療が開始されたことを示す。 図10は、心拍数変動の現在測定値と記憶された病気期間シリーズとの比較を 示している。病気期間シリーズ307は心拍数変動の3個の測定値308、31 0、312を有する。2個の測定値またはロケーション308、310は、経路 290と許容ゾーン294の境界か限界、あるいは経路292と許容ゾーン29 6の境界か限界の外側に示されている。したがって、これら2個の測定値のどち らも記憶された病気期間シリーズとは合致しない。しかし、測定値312は許容 ゾーン294の境界内にあるので、測定値312と病気期間シリーズ274には 合致が存在する。 治療法のどのような種類でも、もし心拍数変動の現在測定値が記憶された病気 期間データと合致すれば、開始される。図4は代わりの治療を示す。一つの可能 性としては、記憶された病気期間シリーズの発生中にもともと開始された同一の 治療が、また開始されることである。たとえば、図10の測定値304が許容ゾ ーン294の境界内にあるため、測定値279か278で開始された同一の治療 は開始され得る。控えめで積極的ではない手法の治療法もまた可能である。この 場合、よりエネルギーコストの高い警戒・用心で十分である。例えば、追加のセ ンサを起動したり、警告または警報で伝達してもよい。代案としては、治療法の 積極性は、後でやってくる発作の潜在性による。例えば、経路274は、緩慢な 心室性頻拍に至ったかもしれないが、そうでないため、患者にとっては致命的な ものではなかった。不整脈発作治療には抗頻脈ペーシングで十分であったかもし れない。同様の治療法が使用できる。 上記の装置および方法には、この発明の範囲から逸脱せずにある変更をなさす ことが可能であるので、説明に含まれた、もしくは添付の図面で示されたすべて の事柄は、例示として解釈され、限定の意味で捕らえられてはならない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ハウジング、該ハウジング内の電気エネルギー発生源、 患者の心臓より発する一連の心拍信号を探知するよう作製された電極(42、 68)、該ハウジング内にあるメモリ(16)、及び 該ハウジング内にあって該電極と電気的通信状態にある制御回路(12)より なり、 異常心拍変動ゾーンが、該メモリに記憶されている対応する出力方法(108 )と共に選択された病気期間中最低1個の心拍間変動測定値の選択された限界よ りなり、及び 該制御回路が、病気期間中の心拍間変動測定値を計算する手段(218)、該 測定値を該限界と比較して、もし該測定値が該限界内にある場合、該出力方法を 選択する手段(222)、該制御回路(12)が該患者の心臓に発生する異常心 臓発作を探知する場合、該異常心拍変動ゾーンを修正する手段(234)を有し 、及び、該測定値を含むよう該限界を変更することにより、心拍間変動の該測定 が該最低1個の測定値の該限界外で行われることを特徴とする移植可能な医療器 具(10)。 2. 該心拍変動 ゾーンは異常心拍変動を定義する異常ゾーンと正常心拍変動 を定義する正常ゾーンとを含み、及び 該心拍変動測定値が該異常ゾーン内にある期間中、該制御回路内で発生する非 本質的な計算および診断活動が最小限度に保たれる第1項記載の移植可能な医療 器具。 3. 該治療法が、追加センシング活動の起動、追加統計アルゴリズムの起動、 増加のデータ収集および信号処理の起動、中和性薬品投与量の開始および該患者 の心臓へ指定量の電気的刺激発信のうち一つを含む第1項記載の移植可能な医療 器具。 4. 該心拍変動ゾーンが該患者の心臓に関する異常心拍変動状態を定義する異 常ゾーンと該患者の心臓に関する正常心拍変動状態を定義する正常ゾーンとを含 み、及び該異常ゾーン内で該心拍数の測定値が発生した場合に、該治療法が開始 される第1項記載の移植可能医療用具。 5. 該心拍間変動測定が、平均、平均絶対偏差、中央値、最頻値、振幅モード 、変動範囲、選択期間より長い期間を有する心拍区間のパーセント、標準偏差、 範囲、パワー・スペクトル密度または分散のうち最低一つよりなる上記請求項の いずれかに記載の移植可能な医療器具。 6. さらに患者の生理学的状態を感知する方法(74)よりなり、そして該心 拍間変動測定の該限界が感知された生理学的状態の選択レベルと相関関係にある 下記請求項いずれかに記載の移植可能な医療器具。
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