JP2001502572A - 少なくとも２つの椎骨を固定する器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 固定すべき椎骨内に予め形成された収容部内にほぼ垂直に導入でき、導入後は所定角度で互いの方向に折り曲って椎骨に一定の圧迫力を加えて完全に固定する１対のアンカー部（１ａ）（１ｂ）を各端部に有する少なくとも１つのプレート（１）から成る少なくとも２つの椎骨を固定する器具。

Description

【発明の詳細な説明】 少なくとも２つの椎骨を固定する器具 本発明は整形インプラント、特に脊椎のインプラントに関するものである。 ２つの椎骨間の頚部円板が変形すると、円板が滑り脊柱の神経根が圧迫されて 神経節に問題が起ることは知られている。この問題を克服するために種々のイン プラントが提案されている。これらのインプラントは問題となる椎骨の運動を固 定する場合とそうでない場合がある。 本発明は特に、椎骨の関節固定用インプラントに関するものである。 種々の解決策の中では、体内ケージ、頚部プロテーゼおよびプレートとネジと を用いた剛体な機械器具を挙げることができる。最後のものは固定する椎骨の前 表面にプレートを設置し、固定具がしっかりと定位置に保持されるようにプレー トを貫通して椎骨の一部にネジを螺合する。２つの椎骨の間には、これらの骨が 融合するまで間の機械的支持を確保するためのインプラント片が配置される。従 って、プレートはインプラント片を固定し、２つの椎骨を支柱する役目すなわち 剛体要素の役目をする。 しかし、この固定具の取付けはかなり複雑で、使用にはある程度の熟練を必要 とする。さらに、治癒時間を短くするためには融合期間中に一定の圧迫力を加え ておくことができない。 米国特許第５，３９５，３７２号には、嵌入時に一定の圧迫力が加わるように 適当に傾斜した、椎骨に嵌入される尖った分岐を備えた関節固定プレートが提案 されている。このプレートはネジで固定される。しかし、この解決法は十分なも のではない。 フランス国特許第２，６９４，６９６号には２つの分岐部とクロスピースとか らなる形状記憶材料で作られた骨固定用保持クランプが提案している。このクラ ンプでは分岐部が真っすぐに挿入され、その後、温度が体温を回復した時に変形 して圧迫力を加えるようになっている。 欧州特許第０，６４６，３５３号には形状記憶合金の変形によって互いに接近 可能な複数の分岐部からなる束ねたワイヤからなるクランプが提案されている。 しかし、このクランプはワイヤでできているため、圧迫力すなわち締付力が形状 記憶の製造工程に依存し、分岐部の復元力をコントロールするのが難しい。 本発明の目的はこれらの欠点を単純で信頼性があり、しかも有効で経済的な方 法で克服することにある。 本発明が解決しようとしてい問題は、問題となる椎骨間に一定の圧迫を加え且 つそれを維持（特に海綿状骨の領域において）することができる単一の小型要素 を用いて椎骨を関節固定することにある。 この小型要素は一般に脊柱前弯部の位置を維持するため前方から頚椎に固定さ れるが、ネジで固定しないと従来法のように簡単に抜けてしまう危険性がある。 本発明の目的は、脊柱前弯作用を低下させる生理的運動時でもネジのような補 助的保持手段を用いずにクランプを完全に保持できるようにすることにある。 この課題を解決するための本発明による少なくとも２つの椎骨を固定する器具 は、固定すべき椎骨内に予め形成された収容部内にほぼ垂直に導入でき、導入後 は所定角度で互いの方向に折り曲って椎骨に一定の圧迫力を加えて完全に固定す る１対のアンカー部を各端部に有する少なくとも１つのプレート（１）から成る ことを特徴としている。 プレートの取付けを容易にし、しかも、嵌入後に自動的に圧迫できるようにす るという課題を解決するために、各プレートおよびその固定部は正の温度では所 定の安定した形状をとり、負の温度では別の形状をとる形状記憶素材で作られる 。 アンカー部はほぼ０℃の時にほぼ垂直面内に配置され、ほぼ３７℃の正の温度 ではアンカー部は自動的に折れ曲がり、倒れる。プレートはアンカー部を垂直位 置に維持できる０℃の状態で保管される。 嵌入後にアンカー部の変形を可能にする課題を解決するため、各アンカー部は 対応するプレートの端部に、アンカー部を変形できるようにするため２つの所定 断面形状を有するノッチで区切られた中心接続部分を介して接続される。 各アンカー部は中心接続部分から成る共通の分岐部を介して端部の１方に接続 された２つの脚部から成るのが有利である。 プレートが体温に回復すると、中心接続部の周辺で脚部の形のアンカー部が弓 状面内で傾斜し、椎骨の海綿状骨に永久に圧迫力を加え、また、同じ中央接続部 にある２つの脚部はノッチの存在のために互いの方向に傾斜し、前面（より正確 には水平）に近い収束形に変形して、プレートが抜き出るのを防ぐ。 二対の固定脚部により加えられる２つの椎骨を互いに近付けようとする圧迫力 は同じ対の２つの脚部を一定の角度で互いに近付けようとする力より大きい値で 維持される。これは、中心接続部分が記憶効果を受ける材料をかなりの量有し、 一対の２つの脚部の接近は脚部が中心接続部分に接続する部分のノッチの領域の 材料の少ない量で決まることから容易に達成できる。 完全な固定をするという課題を解決するために、各脚部は内側に一連の歯のあ るスパイクを有する。 本発明の他の特徴は下記の点にある： a）プレートが椎骨の前表面にほぼ対応する横方向湾曲度を有する。 b）プレートが一つまたは複数の保持ネジと係合する少なくとも１つの溝孔を有 する。この溝孔は中心溝孔であるのが好ましく、円形であるのが有利である。プ レートを定位置に保持しておくために低温度時にプレートを支持する補助要素を 受けるように溝孔の内部はネジ込み、或いは形成する通路を形成することができ る。この通路は体内ケージまたは骨インプラント片または関節固定を行う他の素 材のようにスペーサー要素の挿入として用いることができる。２つの椎骨を中心 の椎骨の両側で接続するためのプレートでは中心椎骨にネジ込むネジを受けるた めの通路を用い、両端の椎骨を中間椎骨に押し付けて３つの椎骨を効果的に接続 することができる。 本発明のプレートは二対のアンカー部または脚部の間の中間部にプレート取付 け時に椎骨内空間を通し、関節の正中線の高さを維持する突起を有することがで きる。 以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。 図１は温度０℃におけるプレート全体の斜視図。 図２は温度３７℃での図１に対応する斜視図。 図３は０℃の状態のプレートの平面図。 図４は図３に対応する側面図。 図５は３７℃の状態のプレートの平面図。 図６は図５に対応する側面図。 図７は本発明によって２つの椎骨を関節固定した場合の脊柱の一部の正面図。 図８は図７に対応する縦断面図。 既に述べたように、本発明が解決しようとしている課題は固定すべき椎骨（Ｖ １）および（Ｖ２）に一定の圧縮力を確保することにある。この目的を達成する ための本発明の固定器具は各端部に脚部（１ａ）（１ｂ）の形をしたアンカー部 を有するプレート（１）からなる小型の接続要素で構成される。このアンカー部 （１ａ）および（１ｂ）は椎骨（Ｖ１）（Ｖ２）に予め形成された収容部内に棘 状突起とは逆方向に係合するよう設計されている。 プレート（１）とそのアンカー部（１ａ）および（１ｂ）は形状記憶素材でで きており、約３７℃の正の温度では一定の安定した一つの形状をしており、それ より低い約０℃の温度では別の形状をとる。特に、約０℃の温度ではアンカー部 （１ａ）および（１ｂ）は実質的に垂直平面に来る（図１、３、４）。アンカー 部（１ａ）および（１ｂ）はこの状態で椎骨に予め形成した対応する収容部内に 導入できる。この収容部は椎骨に開けた孔にするのが好ましく、この孔の直径は 脚部が占める空間より大きくし、皮質骨で楔止されずに海綿状骨が完全に締付け できるようにするのが有利である。 ３７℃では、アンカー部（１ａ）および（１ｂ）は一定の角度で互いの方向に 自動的に曲がって（倒れて）、椎骨（Ｖ１）および（Ｖ２）に一定の圧迫力を加 え、プレート（１）を完全に固定する。それと同時に、同一対の２つの締付け用 脚部（１ａ）は、図５に示すように、互いの方向へ一定の角度で折れ曲がり、弓 状面内を移動する脚部による圧迫効果だけでなく、水平面内を移動して互いに接 近する脚部による締付け効果が加わり、全体として斜め移動することによってプ レートが抜けでるのが防止できるころは理解できよう。 温度が上昇した時に形状が変化できるようにするために、各アンカー部（１ａ ）および（１ｂ）は、２つの所定の断面形状を有するノッチ（１ｃ１）（１ｃ２ ）および（１ｄ１）（１ｄ２）で規定される中心接続部分（１ｃ）および（１ｄ ）を介してプレート（１）の端部に接続されている。各アンカー部（１ａ） （１ｂ）は中心接続部分（１ｃ）（１ｄ）と一体な共通分岐部（１ｅ）（１ｆ） を介して１つの端部に接続された２つの脚部（１ａ１）（１ａ２）および（１ｂ １）（１ｂ２）からなる。 各アンカー部の設計にあたっては、上記条件下での温度変化効果によって各脚 部（１ａ１）（１ａ２）および（１ｂ１）（１ｂ２）が正面内と弓状面内との両 面内で変形する（図２、５および６）ように設計する。前記条件下での各脚部の この変形によってプレート部分およびその端部部分の両方で圧迫でき、皮質骨お よび海綿状骨を接近させることができる。 固定用の脚部（１ａ，１ｂ）は、対応するノッチの端縁の一部を規定する材料 の橋部があるので、中心接続部分（１ｃ，１ｄ）から一定距離にある。この橋部 は同一対の２つの脚部、例えば正の温度になった時に脚部（１ａ）を互いに一定 の方向に近付ける変形力または変形値を調整するのに用いることができる。一般 に、同一対の２つの脚部間の望ましい締付け力は２対の脚部（１ａ）および（１ ｂ）を一定の角度で互いに接近させて椎骨同士を圧迫締付ける力より小さい。 各脚部（１ａ１）（１ａ２）および（１ｂ１）（１ｂ２）は先端が鈍く、内側 に一連のスパイク（１ｇ）を有している。プレート（１）は椎骨の前面の断面形 状にほぼ対応した横方向湾曲度と、頚部の脊柱前弯部に合った縦方向湾曲度とを 有している。プレート（１）の長さは固定する椎骨の数に依存する。 本発明の利点は上記の説明から明らかである。特に、温度上昇作用でアンカー 部が海綿状骨部分および皮質骨部分の両方で自動的に変形することによって一定 の圧力を維持することができる点が強調できる。 各プレートはアンカー部と一緒に０℃または負の温度でアンカー部を垂直位置 に維持できるような状態で保管される。プレートは４つの脚部（１ａ１）（１ａ ２）および（１ｂ１）（１ｂ２）を受ける４つの収容部材（ancillaire）を用い て容易に取付けすることができる。この収容部材は例えばネジ込みによって通路 または溝孔（１ｈ）に固定するのが有利である。 図１に表すように、プレート（１）には対を成す脚部間に突起部（１ｉ）を有 することができる。この突起は例えば長さ５ｍｍ、幅４ｍｍで、脚部に平行に延 び、プレート取付け時に２つの椎骨間に導入されて、一定の円板空間を維持し、 椎骨内円板を持ち上げる役目をする。 プレートは形状記憶特性によって変形可能な例えばめニッケルチタンからなる 一枚の金属板を切断、折曲げまたは型抜加工することによって単一部品として作 ることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 トレムレ，ミシェル フランス国 31300 トゥールーズ プラ ス ドゥ ドクトゥール バラック チュ ピュルパン（番地なし) (71)出願人 ジュルダン，フィリップ フランス国 13010 マルセイユ リュ ガストン ベルジェ クリニク レジダン ス ヂュ パルク（番地なし) (71)出願人 サン ガリ，フランソワ フランス国 33000 ボルドー プラス アメリー ラバ レオン オピタル ペレ グラン（番地なし) (72)発明者 ゲラン，ジャン フランス国 33000 ボルドー プラス アメリー ラバ レオン オピタル ペレ グラン（番地なし) (72)発明者 ロベール，ロジェ フランス国 44000 ナント チュ レネ ック ヌーロシリュルジ（番地なし) (72)発明者 トレムレ，ミシェル フランス国 31300 トゥールーズ プラ ス ドゥ ドクトゥール バラック チュ ピュルパン（番地なし) (72)発明者 ジュルダン，フィリップ フランス国 13010 マルセイユ リュ ガストン ベルジェ クリニク レジダン ス ヂュ パルク（番地なし) (72)発明者 サン ガリ，フランソワ フランス国 33000 ボルドー プラス アメリー ラバ レオン オピタル ペレ グラン（番地なし) (72)発明者 グノー，ベルトラン フランス国 42300 ローヌ リュ ジョ ルジュ ドゥ カル ３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．固定すべき椎骨内に予め形成された収容部内にほぼ垂直に導入でき、導入後 は所定角度で互いの方向に折り曲って椎骨に一定の圧迫力を加えて完全に固定す る１対のアンカー部（１ａ）（１ｂ）を各端部に有する少なくとも１つのプレー ト（１）から成ることを特徴とする少なくとも２つの椎骨を固定する器具。 ２．各プレート（１）およびそのアンカー部（１ａ）（１ｂ）が、正の温度では 所定の安定した形を取り、負の温度では別の形を取る形状記憶材料で作られてい る請求項１に記載の器具。 ３．負の温度ではアンカー部（１ａ）（１ｂ）がほぼ垂直平面内に配置され、正 の温度ではアンカー部が自動的に曲り且つ倒れる請求項１または２に記載の器具 。 ４．各対のアンカー部がプレート部分およびその端部部分の両方で圧迫され、同 一対の２つのアンカー部が抜け出るのを防ぐように締付けできるように、各アン カー部（１ａ）（１ｂ）が、アンカー部を変形できるようにするための所定断面 形状を有する２つのノッチ（１ｃ１）（１ｄ１）（１ｃ２）（１ｄ２）を規定す る中心接続部分（１ｃ）（１ｄ）を介して対応するプレートの端部に連結されて いる請求項１〜３のいづれか一項に記載の器具。 ５．アンカー部（１ａ）（１ｂ）が、中心接続部分（１ｃ）（１ｄ）の形をした 共通分岐部（１ｅ）（１ｆ）を介して１方の端部に接続された２つの脚部（１a １）（１ａ２）および（１ｂ１）（１ｂ２）から成る請求項４に記載の器具。 ６．アンカー部または脚部が材料の橋部を介して接続部分（１ｃ）（１ｄ）に接 続された請求項１〜５のいづれか一項に記載の器具。 ７．各脚部（１ａ１）（１ａ２）（１ｂ１）（１ｂ２）が内側に一連の歯付きス パイク（１ｇ）を有する請求項１〜６のいづれか一項に記載の器具。 ８．プレート（１）が椎骨の前面形状にほぼ対応する横方向湾曲度と頚部脊柱前 弯部に合った縦方向湾曲度とを有する請求項１〜７のいづれか一項に記載の器具 。 ９．プレート（１）が少なくとも１つの溝孔（１ｈ）を有する請求項１〜８のい づれか一項に記載の器具。 １０．溝孔が保護具を固定するように設計され或いはネジ切りされている請求項 ９に記載の器具。 １１．プレート（１）が固定される１対の脚部間に挿入される突起部（１ｉ）を 有する請求項１〜１０のいづれかい項に記載の器具。 １２．一枚の金属板から切り抜き、形状記憶処置をして作られた、単一部品から なる請求項１〜１１のいづれか一項に記載の器具。