【発明の詳細な説明】
チオメチレン基含有アルデヒドのシステインおよびセリンプロテアーゼ阻害剤
発明の分野
システインまたはセリンプロテアーゼの新規なチオメチレン基含有アルデヒド
阻害剤、これらの新規な化合物の製造方法、およびこれらの化合物の使用方法が
開示される。
発明の背景
多数のシステインおよびセリンプロテアーゼがヒト組織において同定された。
「プロテアーゼ」は、タンパク質を小さい成分(ペプチド)に分解する酵素であ
る。用語「システインプロテアーゼ」および「セリンプロテアーゼ」は、触媒過
程中で重要な役割を果たすシステインまたはセリン残基がその中に存在すること
により識別されるプロテアーゼを称する。ヒトを含む哺乳類系は通常、システイ
ンおよびセリンプロテアーゼを含む種々の酵素をによってタンパク質を分解しそ
して加工する。しかし、高濃度で存在する場合または異常に活性化されている場
合、システインおよびセリンプロテアーゼは病理生理学的過程に関与してもよい
。
例えば、カルシウム活性化中性プロテアーゼ(「カルパイン」(“calpa
in”))は、哺乳類組織中で遍在的に発現する一系統群の細胞内システインプ
ロテアーゼを含んでなる。2種の主要なカルパイン:カルパインIおよびカルパ
イン11が同定された。カルパイン11は多くの組織中で優性形態であるが、カ
ルパインIは神経組織の病理学的病
態で優性形態であると考えられる。システインプロテアーゼのカルパイン系統群
は、神経変性、発作、アルツハイマー病、筋萎縮、運動ニューロン損傷、急性中
枢神経系傷害、筋ジストロフィー、骨吸収、血小板凝集、白内障および炎症を含
む多くの疾患および障害に関係している。カルパインIは、虚血、低血糖、ハン
ティングトン病、およびてんかんを含む興奮性アミノ酸誘発神経毒性障害に関係
している。リソソームシステインプロテアーゼカテプシンBは以下の障害に関係
しでいる:関節炎、炎症、心筋梗塞、腫瘍転移、および筋ジストロフィー。他の
リソソームシステインプロテアーゼはカテプシンC、H、LおよびSを含む。イ
ンターロイキン−1β転換酵素(「ICE」)は、インターロイキン−1βの生
成を触媒するシステインプロテアーゼである。インターロイキン−1βは以下の
障害に関係する免疫調節性タンパク質である:炎症、糖尿病、敗血性ショック、
慢性関節リウマチ、およびアルツハイマー病。ICEはまたニューロンのアポプ
トシス的細胞死に関連があり、それは、パーキンソン病、虚血、および筋萎縮性
側索硬化症(ALS)を含む種々の神経変性障害に関係している。
システインプロテアーゼはまた種々の病原体によって産生される。システイン
プロテアーゼクロストリパインはクロストリジウム・ヒストリチクム(Clos tridium histolyticum
)によって産生される。他のプロテ
アーゼは、トリパノソーマ・クルジ(Trypanosoma cruzi)、
マラリア寄生体プラソモジウム・ファルシパルム(Plasmodium fa lciparum
)およびP・ビンケイ(P.vinckei)並びにストレプ
トコカス属(Streptococcus)によって産生される。A型肝炎ウイ
ルスプロテア
ーゼHAV C3は、ピコルナウイルスの構造タンパク質および酵素の加工のた
めに必須のシステインプロテアーゼである。
変性障害に関係する典型的なセリンプロテアーゼは、トロンビン、ヒト白血球
エラスターゼ、膵臓エラスターゼ、チマーゼおよびカテプシンGを含む。特異的
には、トロンビンは血液凝固カスケード中に産生され、フィブリノーゲンを分解
してフィブリンを形成し、第VIII因子を活性化する;トロンビンは血栓性静
脈炎、血栓症およびぜん息に関係してぃる。ヒト白血球エラスターゼは、慢性関
節リウマチ、変形性関節炎、アテローム性動脈硬化症、気管支炎、嚢胞性繊維症
、および気腫のような組織変性障害に関係している。膵臓エラスターゼは膵臓炎
に関係している。チマーゼはアンギオテンシン合成で重要な酵素であり、高血圧
、心筋梗塞、および冠状心臓疾患に関係している。カテプシンGは異常結合組織
分解、特に肺におけるに関係している。
システインおよびセリンプロテアーゼと種々の消耗性障害との間に関連があれ
ば、これらのプロテアーゼを阻害する化合物は有用でありそして研究および臨床
医学の両分野において進歩を提供すると考えられる。本発明はこれら並びに他の
重要な目的に向けられている。
発明の要旨
本発明は、P2位置に隣接するチオメチレン基を含有する新規なシステインお
よびセリンプロテアーゼ阻害剤に関する(ここで、P2位置は触媒の部位に隣接
する位置である)。それらは、以下の式I:
式中、
Qは約6〜約14個の炭素を有するアリール、約6〜約14個の環原子を有する
ヘテロアリール、約7〜約15個の炭素を有するアラルキル、2〜約7個の炭素
を有するヘテロアルキル、またはアリール部分が非縮合かもしくはヘテロアルキ
ル環と縮合されることができるアリールヘテロアルキルであり;
mは0、1、または2であり;
Yは式:
を有し、
R1およびR2は独立してH、1〜約14個の炭素を有するアルキル、3〜約10
個の炭素を有するシクロアルキル、またはL−アミノ酸の天然もしくは非天然の
側鎖であり、該アルキルおよびシクロアルキル基は場合により1個またはそれ以
上のJ基で置換されていてもよく;そしてJはハロゲン、低級アルキル、アリー
ル、ヘテロアリール、場合により1〜3個のアリールもしくは低級アルキル基で
置換されていてもよいアミノ、グアニジノ、アルコキシカルボニル、アルコキシ
、ヒドロキシ、またはカルボキシである、
によって表される。
式Iで示される化合物の幾つかの好適な態様では、mは1または2である。式
Iで示される化合物のさらなる好適な態様では、R2はイソブチルであり、R1は
イソブチル、ベンジル、またはエチルであり、mは
2であり、そしてQは2−ナフチルである。
本発明の化合物はシステインおよびセリンプロテアーゼの阻害に有用である。
有利には、本化合物は種々のセッテングにおいで効用を見出す。例えば、研究の
場では、特許請求の化合物は、例えば、開示された化合物と同一または同様な機
能的特性を有する天然および合成システインプロテアーゼおよびセリンプロテア
ーゼ阻害剤についてのスクリーニングの標準物として使用することができる。臨
床の場では、化合物は、システインプロテアーゼおよび/またはセリンプロテア
ーゼの異常および/または迷走的活性に関連する障害を、緩和、仲介、軽減およ
び/または防止するために使用することができる。従って、主題化合物の使用方
法、例えば、プロテアーゼを本発明の化合物の阻害量と接触させことを含んでな
るセリンプロテアーゼまたはシステインプロテアーゼの阻害方法が開示される。
本チオメチレン基含有阻害剤の製造方法もまた開示される。主題発明の化合物の
これらおよび他の特徴を下記にさらに詳しく説明する。
詳細な説明
一般式:
式中、
Qは約6〜約14個の炭素を有するアリール、約6〜約14個の環原子を有する
ヘテロアリール、約7〜約15個の炭素を有するアラルキル、2〜約7個の炭素
を有するヘテロアルキル、またはアリール部分が非縮
合かもしくはヘテロアルキル環と縮合されることができるアリールヘテロアルキ
ルであり;
mは0、1、または2であり;
Yは式:
を有し、
R1およびR2は独立してH、1〜約14個の炭素を有するアルキル、3〜約10
個の炭素を有するシクロアルキル、またはL−アミノ酸の天然もしくは非天然の
側鎖であり、該アルキルおよびシクロアルキル基は場合により1個またはそれ以
上のJ基で置換されていてもよく;そしてJはハロゲン、低級アルキル、アリー
ル、ヘテロアリール、場合により1〜3個のアリールもしくは低級アルキル基で
置換されていてもよいアミノ、グアニジノ、アルコキシカルボニル、アルコキシ
、ヒドロキシ、またはカルボキシである、
によって表される新規なシステインおよびセリンプロテアーゼ阻害剤が発見され
た。
式Iで示される化合物の幾つかの好適な態様では、R2はイソブチルである。
式Iで示される化合物の他の好適な態様では、R1はイソブチル、ベンジル、ま
たはエチルである。式Iで示される化合物のさらなる好適な態様では、Qは2−
ナフチルである。
特に好適な態様では、R2はイソブチルであり、R1はイソブチルであり、そし
てQは2−ナフチルである。
本明細書中で使用されるように、用語「アルキル」は、例えば、エチル、イソ
プロピルおよびシクロプロピル基のような直鎖、分岐鎖および環状の炭化水素基
を含むことになっている。好適なアルキル基は1〜約10個の炭素原子を有する
。「シクロアルキル」基は環状アルキル基である。「アリール」基は、これらに
限定されないが、フェニル、トリル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル
、ピレニルおよびキシリルを含む芳香族環状化合物である。好適なアリール基は
フェニルおよびナフチルを含む。用語「炭素環式」は、本明細書中で使用される
ように、環部分が炭素原子だけで構成されている環状基を指す。用語「複素環式
」は、環部分がO、NまたはSのような少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状
基を指す。「ヘテロアルキル」基は、それらの環部分内に単結合だけを含有する
複素環、即ち、飽和ヘテロ原子環系である。用語「低級アルキル」は1〜4個の
炭素原子のアルキル基を指す。用語「ハロゲン」はF、Cl、BrおよびI原子
を指す。
用語「アラルキル」は、アリール基、例えば、ベンジル基を有するアルキル基
を示す。用語「ヘテロアリール」は、芳香族環内に含有される一個またはそれ以
上のヘテロ原子を有するアリール基を示す。「ヘテロアラルキル」基は、それら
の芳香族環部分中に1個またはそれ以上のヘテロ原子を有するアラルキル基であ
る。
本明細書中で使用されるように、用語「アミノ酸」はアミノ基およびカルボキ
シル基の両方を含有する分子を示す。本明細書中で使用されるように、用語「L
−アミノ酸」は、α−炭素の周辺にL立体配置を有するα−アミノ酸、即ち、L
−立体配置を有する一般式CH(COOH)(NH2)−(側鎖)で示されるカ
ルボン酸を示す。L−アミノ酸の側
鎖は天然産および非天然産の部分を含む。非天然産のアミノ酸側鎖は、天然産の
アミノ酸側鎖の代わりに、例えば、アミノ酸類似体で使用される部分である。例
えば、Lehninger,生化学(Biochemistry),第2版,W
orth Publishers,Inc,1975年,第73−75頁を参照
。代表的なα−アミノ酸側鎖を下記の表1に示す。 式Iで示される化合物上に存在する官能基は保護基を含有してもよい。保護基
は、ヒドロキシル基およびカルボキシル基のような機能性に選択的に付加されそ
して機能性から除去されることができる化学的官能基として、それ自体が既知で
ある。これらの基は化学化合物中に存在して、かかる機能性を化合物が暴露され
る化学反応条件に不活性にする。種々の保護基のいづれも本発明で使用されても
よい。かかる保護基の一つはベンジルオキシカルボニル(Cbz;Z)基である
。他の保護基はフタルイミド基、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル
、アルキル−およびアラルキルスルホニル、並びに以下の式を有するもののよう
なアリールスルホニル基を含む。 本発明による他の好適な保護基は、Greene,T.W.およびWuts,
P.G.M.,「有機合成における保護基」(“Protective Gro
ups in Organic Synthesis”),第2版,Wiley
& Sons,1991年に見い出されてもよい。
本発明のチオメチレン基含有成分はシステインプロテアーゼおよびセリンプロ
テアーゼを阻害するから、それらは研究および治療セッティングで使用すること
ができる。
研究環境では、明確な属性を有する好適な化合物は、プロテアーゼ活性を阻害
することにおいて同様な特性を示す天然および合成化合物についてスクリーニン
グするのに使用することができる。化合物はまた、特定の細胞型または生物学的
病態に及ぼす特定のプロテアーゼの阻害の効果を決定するための精妙な生体外お
よび生体内モデルに使用することができる。治療セッティングでは、システイン
プロテアーゼと一定の明確な障害との間の関連、およびセリンプロテアーゼと一
定の明確な障害との間の関連があれば、本発明の化合物は、システインプロテア
ーゼおよび/またはセリンプロテアーゼの異常および/または迷走的活性に関連
する障害を緩和、仲介、軽減および/または防止するために使用することができ
る。
好適な態様では、本発明の化合物を含んでなるセリンプロテアーゼまたはシス
テインプロテアーゼを阻害するための組成物が提供される。他の好適な態様では
、セリンプロテアーゼおよびシステインプロテアーゼよりなる群から選ばれるプ
ロテアーゼを本発明の化合物の阻害量と接触させることを含んでなるセリンプロ
テアーゼまたはシステインプロテアーゼの阻害方法が提供される。
本発明の開示された化合物はシステインプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼ
の阻害のために有用である。本明細書中で使用されるように、用語「阻害する」
および「阻害」は酵素活性に対する逆効果を有することを意味する。阻害量は、
システインおよび/またはセリンプロテアー
ゼを阻害するのに有効である本発明の化合物の量である。
システインおよびセリンプロテアーゼ阻害剤の薬学的に許容されうる塩もまた
、本明細書中に開示したように、化合物の範囲内にある。用語「薬学的に許容さ
れうる塩」は、本明細書中に使用されるように、塩酸、硫酸およびリン酸のよう
な無機酸付加塩、または酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、および
クエン酸塩のような有機酸付加塩を意味する。薬学的に許容されうる金属塩の例
は、ナトリウム塩およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、マグネシウム塩お
よびカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、並びに亜鉛塩
である。薬学的に許容されうる有機アミン付加塩の例は、モルホリンおよびピペ
リジンとの塩である。薬学的に許容されうるアミノ酸付加塩の例は、リジン、グ
リシン、およびフェニルアラニンとの塩である。
本明細書で提供される化合物は、薬学的に許容されうる無毒な賦形剤および担
体と混合状態にすることによって医薬組成物に製剤される。上記で示したように
、かかる組成物は、非経口投与では、特に液体溶剤または懸濁剤の形態で;経口
投与では、特に錠剤またはカプセル剤の形態で;あるいは鼻腔内的では、特に散
剤、点鼻剤またはエアゾール剤の形態で;皮膚的では、例えば、経皮パッチを介
しての使用のために製造されるか、或いはこれらおよび当業者には明白であるよ
うな他の投与形態のための他の適当な様式で製造されてもよい。
組成物は便宜的には単位剤形で投与されてもよくそしで、例えば、Remin
gtonの薬科学(Remington’s Pharmaceutical
Sciences)(Mack Pub.Co.,Easton,Pa.198
0)に記載のような、薬学技術で周知の方法
のいづれかによって製造されてもよい。非経口投与のための製剤は共通の賦形剤
として滅菌水または食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレング
リコール、植物起源の油、水素化ナフタレンなどを含有してもよい。特に、生体
適合性、生体内分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、ま
たはポリオキシエチレンーポリオキシプロピレンコポリマーは、活性化合物の放
出を調節するのに有用な賦形剤である。これらの活性化合物のための他の潜在的
に有用な非経口的送達系は、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポン
プ、移植可能な輸注系、およびリポソームを含む。吸入投与のための製剤は賦形
剤として、例えば、ラクトースを含有するか、或いは、例えば、ポリオキシエチ
レン−9−ラウリルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含有す
る水性溶剤、または点鼻剤の形態もしくは経鼻的に適用されるゲルとしての投与
のための油性溶剤であってもよい。非経口投与のための製剤はまた、口腔内投与
のためのグリココレート、直腸投与のためのサリチレート、または腟内投与のた
めのクエン酸を含んでもよい。経皮パッチのための製剤は好適には親油性乳剤で
ある。
本発明のための物質は、製剤において単独の活性剤として使用することができ
るか、或いは疾患または障害においてシステインおよびセリンプロテアーゼの阻
害を促進することができる他の活性成分と組合せて使用することができる。
治療組成物中の本明細書中に記載の化合物の濃度は、投与される薬物の投与量
、使用される化合物の化学特性(例えば、疎水性)、および投与の経路を含む多
数の要因によって変られる。一般的用語では、本発明の化合物は、非経口投与の
場合、約0.1〜10%w/vを含有する生
理学的緩衝水溶液中に有効阻害量で提供されてもよい。典型的な投与量の範囲は
約1μg/kg〜約1g/kg体重・1日であり;好適な投与量の範囲は約0.
01mg/kg〜100mg/kg体重・1日である。かかる製剤は典型的には
本発明の化合物の阻害量を提供する。しかし、投与される薬物の好適な投与量は
、疾患または障害の種類または進行の程度、特定の患者の全般的な健康状態、選
ばれた化合物の相対的生物学的効能、並びに化合物賦形剤の製剤およびその投与
の経路のような変数に依存するようである。典型的には、製剤は低い投与量水準
で投与され、そして所望の阻害効果が達成されるまで増加される。
本明細書中で使用されるように、用語「接触させること」は、直接的または間
接的に、少なくとも2種の成分を相互に物理的に関連させることを意味する。従
って、接触は、成分類を容器中で一緒にすること、または成分を患者に投与する
ことのような物理的行動を含む。従って、例えば、本発明の化合物を、かかるプ
ロテアーゼの異常および/または迷走的活性に関連する疾患または障害を示すヒ
トの患者に投与することは、用語「接触させること」の定義の範囲内にある。
本発明は、本発明を説明するように意図されている以下の実施例によってさら
に説明される。これらの実施例は、開示の範囲を限定することが意図されていな
いし、また限定するものと解釈すべきではない。
実施例
本発明の化合物は、以下の操作法によって製造した。Rf値は標準シリカゲル
および分析プレートを使用して報告する。
一般式1〜10で示される化合物の合成を下記のスキームIに要約する;
スキームI実施例1
中間体2の合成
0℃の無水THF(20ml)中のNaH(油中の60%、2.04g、0.
05モル)の撹拌した混合物に、無水THF(20ml)中の2−ナフタレンチ
オール(1、7.79g、0.048モル)の溶液を徐々に添加した。混合物を
30分間撹拌した。無水THF(20ml)中の4−ブロモ酪酸エチル(10.
43g、0.053モル)の溶液を、反応フラスコに徐々に添加した。混合物を
さらに1時間撹拌し、その間温度が室温まで上昇した。次いで反応混合物を氷水
混合物(100ml)
中に注ぎ込み、エーテル(3×100ml)中に抽出した。合併した有機層を水
(2×25ml)、ブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)
、濃縮して、粗生成物を得、それをフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液:ヘキサン中の3%酢酸エチル)によって精製して、12.20g
の化合物2を得た。
化合物2:無色の油;Rf(ヘキサン中の5%酢酸エチル):0.25;1H−
NMR(300MHz,CDCl3),δ7.80(t,4H),7.50(m
,3H),4.15(q,2H),3.10(t,2H),2.50(t,2H
),2.00(2重複t,2H),1.25(t,3H)。
実施例2
中間体3の合成
THF(40ml)−ヘキサン(21ml)中のリチウムジイソプロピルアミ
ド(0.053モル、nBuLiおよびジイソプロピルアミンからその場で製造
された)の冷却した(−78℃)溶液に、無水THF(20ml)中の化合物2
(12.13g、0.044モル)の溶液を徐々に添加した。混合物を1時間撹
拌し、それにヘキサメチルホスホルアミド(9.23ml)中の1−ヨウド−2
−メチルプロパン(9.76g、0.053モル)の溶液を添加した。混合物を
さらに3時間撹拌し、その間温度は徐々に室温まで低下した。反応混合物を飽和
NH4Cl(50ml)で停止させ(quench)、水(50ml)で希釈し
、エーテル(3×100ml)中に抽出した。合併した有機層をブライン(1×
30ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮して、粗生成物を得、それを
フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:ヘキサン中の2%酢酸エチル)によって精製して、4.60gの化合物3を
得た。
化合物3:無色の油;Rf(ヘキサン中の5%酢酸エチル):0.37;1H−
NMR(300MHz,CDCl3),δ7.80(t,4H),7.50(m
,3H),4.15(q,2H),3.00(m,2H),2.65(m,1H
),2.00(m,1H),1.80(m,1H),1.60(m,3H),1
.25(t,3H),0.90(t,6H)。
実施例3
中間体4の合成
化合物3(4.53g、0.014モル)、水酸化リチウム一水和物(2.3
0g、0.055モル)、エタノール(60ml)および水(15ml)の混合
物を静かに3時間撹拌した。エタノールを真空下で除去し、塩基性水層をエーテ
ル(2×20ml)で洗浄し、希酸で酸性化し、酢酸エチル中に抽出した。合併
した有機層をブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮
して、3.80gの化合物4を得、それをさらに精製することなく使用した。
化合物4:白色の固体、融点76−78℃;1H−NMR(300MHz,C
DCl3),δ7.80(t,4H),7.40(m,3H),3.00(m,
2H),2.70(m,1H),2.00(m,1H),1.80(m,1H)
,1.60(m,2H),1.25(m,1H),0.90(t,6H)。
実施例4
中間体5および6の合成
無水DMF(20ml)中の化合物4(3.35g、0.011モル)
の冷却した(0℃)溶液に、N−メチルモルホリン(3.36g、0.033モ
ル)を添加し、次いで1−HOBt(1.5g、0.011モル)およびBOP
(4.90g、0.011モル)を添加した。混合物を15分間撹拌し、それに
(s)−ロイシノール(1.70g、0.0143モル)を添加した。冷却浴を
取り除き、混合物を4時間撹拌し、氷水(50ml)中に注ぎ込み、酢酸エチル
(3×60ml)中に抽出した。有機層を2%クエン酸溶液(2×25ml)、
飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×25ml)、ブライン(1×25ml)で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発して、化合物5および
6の混合物を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中の30
%酢酸エチル)によって分離して、それぞれ0.95gの化合物5および1.1
0gの化合物6を得た。
化合物5:白色の固体、融点96−98℃;Rf(ヘキサン中の50%酢酸エ
チル):0.51;1H−NMR(300MHz,CDCl3),δ7.80(t
,4H),7.45(m,3H),5.65(d,1H),4.05(m,1H
),3.60(m,1H),3.40(m,1H),3.15(m,1H),3
.00(m,1H),2.80(b,1H),2.50(m,1H),2.00
(m,1H),1.80−1.10(m,7H),0.90(m,12H)。
化合物6:白色の固体、融点85−90℃;Rf(ヘキサン中の50%酢酸エ
チル):0.40;1H−NMR(300MHz,CDCl3),δ7.80(m
,4H),7.45(m,3H),5.70(d,1H),4.05(m,1H
),3.65(m,1H),3.55(m,1H),3.15(m,1H),2
.90(m,2H),2.50(m,1H)
,2.00(m,1H),1.80−1.40(m,4H),1.40−1.1
0(m,3H),0.90(t,6H),0.80(t,6H)。
実施例5
中間体7および8の合成
0℃の塩化メチレン(3ml)中の化合物5(0.065g、0.1618ミ
リモル)の溶液に、塩化メチレン(2ml)中のm−クロロ過安息香酸(95%
、0.062g、0.356ミリモル)を添加した。
冷却浴を取り除き、混合物をさらに30分間撹拌し、次いで連続して5%チオ硫
酸ナトリウム溶液(2×5ml)、水(1×5ml)、3%NaHCO3溶液(
2×5ml)、およびブライン(1×5ml)で洗浄した。乾燥(Na2SO4)
し、溶媒を蒸発し、0.070gの化合物7を得、それをさらに精製することな
く使用した。同様な方法で、0.065gの化合物6を0.70gの化合物8に
転化した。
化合物7:白色の固体、融点112−114℃;Rf(ヘキサン中の60%酢
酸エチル):0.35;1H−NMR(300MHz,CDCl3),δ8.50
(s,1H),8.00(m,3H),7.85(d,1H),7.65(m,
2H),6.05(d,1H),4.15(m,1H),3.80(dd,1H
),3.50(m,1H),3.40(m,1H),3.20(m,1H),2
.80(m,2H),2.00(m,2H),1.60−1.40(m,5H)
,1.20(m,1H),0.90(m,12H)。
化合物8:白色の固体、融点112−115℃;Rf(ヘキサン中の60%酢
酸エチル):0.32;1H−NMR(300MHz,CDC
l3),δ8.50(s,1H),8.00(m,3H),7.85(d,1H
),7.70(m,2H),6.00(d,1H),4.05(m,1H),3
.65(m,1H),3.55(m,1H),3.20(m,2H),2.65
(m,2H),2.00(q,2H),1.60(m,3H),1.40(m,
2H),1.20(m,1H),0.90(m,12H)。
実施例6
アルデヒド9および10の合成
無水塩化メチレン(3ml)および無水ジメチルスルホキシド(3ml)中の
化合物7(0.063g、0.145ミリモル)の冷却した(0℃)溶液に、ト
リエチルアミン(0.073g、0.58ミリモル)を添加した。三酸化硫黄−
ピリジン錯体(0.060g、0.58ミリモル)を、撹拌した混合物に、5分
間掛けて徐々に添加し、氷浴を取り除いた。混合物をさらに1時間撹拌し、水(
5ml)中に注ぎ込み、エーテル(3×10ml)中に抽出した。有機層を2%
クエン酸溶液(2×5ml)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×5ml)、ブラ
イン(2×5ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発し
て、残留物を得、それをn−ペンタン(10ml)で洗浄し、真空下で乾燥し、
0.040gの化合物9を得た。この酸化操作法の一般的説明は、Luly,J
.R.et.al.J.Org.Chem.1987,52,1488に見い出
すことができる。
同様な方法で、0.063gの化合物8を、0.034gのアルデヒド、化合
物10に転化した。
化合物9:白色の固体、融点104−109℃(軟化して溶融);Rf
(ヘキサン中の70%酢酸エチル):0.87;1H−NMR(300MHz,
CDCl3),δ9.60(s,1H),8.55(s,1H),8.00(m
,4H),7.70(m,2H),6.40(d,1H),4.65(m,1H
),3.65(m,1H),3.20(m,1H),2.80(m,1H),2
.10(m,1H),1.90(m,1H),1.60−1.40(m,5H)
,1.20(m,1H),0.90(m,12H)。
化合物10:白色のガム、Rf(ヘキサン中の70%酢酸エチル):0.83
;1H−NMR(300MHz,CDCl3),δ9.60(s,1H),8.4
5(s,1H),8.00(m,3H),7.85(d,1H),7.70(m
,2H),6.20(d,1H),4.50(m,1H),3.20(m,2H
),2.70(m,1H),2.00(q,2H),1.80−1.40(m,
5H),1.20(m,1H),0.90(m,12H)。
一般式11−13で示される化合物の合成を下記のスキームIIに要約する:
スキームII
実施例7
アルデヒド11の合成
アルデヒド11は、中間体化合物6から、三酸化硫黄−ピリジン錯体による酸
化によって、アルデヒド9および10の合成について実施例6で記載したものと
同様な操作法を使用して製造した。かくして、0.23gの化合物6から、0.
12gの化合物11を得た。
化合物11:白色の固体、融点75−76℃;Rf(ヘキサン中の70%酢酸
エチル):0.85;1H−NMR(300MHz,CDCl3),δ9.60(
s,1H),7.80(m,4H),7.45(m,3H),5.90(d,1
H),4.60(m,1H),3.20(m,1H),2.90(m,1H),
2.60(m,1H),2.00(m,1H),1.80−1.40(m,5H
),1.40(m,1H),1.20(m,1H),0.90(m,12H)。
実施例8
中間体12の合成
室温の塩化メチレン(4ml)中の化合物6(0.23g、0.573ミリモ
ル)の撹拌した溶液に、Davisオキサジリジン(0.17g、0.58ミリ
モル)の溶液を添加した。混合物をさらに30分間撹拌し、真空下で濃縮し、粗
生成物を得た。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン
中の10%酢酸エチル、次いでヘキサン中の50%酢酸エチル)によって精製し
、0.21gの化合物12(スルホキシド中心でのジアステレオマー混合物)を
得た。Davisオキサジリジンは、Davis et al.J.Org.C
hem.1988,53,2087に従って製造した。
化合物12:白色の固体、融点138−140℃;Rf(酢酸エチル):0.
51;1H−NMR(300MHz,CDCl3),δ8.20(s,1H),7
.90(m,3H),7.60(m,2H),7.50(m,1H),6.20
(q,1H),4.10(m,1H),3.70(m,1H),3.55(m,
1H),3.20(q,1H),3.10−2.80(m,2H),2.60(
m,1H),2.10−1.00(−連のm,8H),0.90(m,12H)
。
実施例9
アルデヒド13の合成
アルデヒド13は、中間体化合物12から、三酸化硫黄−ピリジン錯体による
酸化によって、アルデヒド9および10の合成について実施例6で記載したもの
と同様な操作法を使用して製造した。がくして、0.160gの化合物12から
、0.060gの化合物13(スルホキシド中心でのジアステレオマー混合物)
を得た。
化合物13:白色の固体、融点134−144℃(軟化して溶融);Rf(ヘ
キサン中の70%酢酸エチル):0.49;1H−NMR(300MHz,CD
Cl3),δ9.55(d,1H),8.20(d,1H),7.95(m,3
H),7.60(m,3H),6.50および6.40(2セットのd,m),
4.50(m,1H),3.10−2.80(m,2H),2.70(m,1H
),2.10(q,1H),1.90−1.40(m,6H),1.25および
1.10(2セットのm,1H),0.90(m,12H)。
実施例10A
システインプロテアーゼ活性の阻害
阻害活性を評価するために、試験する各化合物の保存溶液(stock so
lution)(40倍濃厚)を100%無水DMSO中に調製し、そして各阻
害剤製剤の5μlを96−ウエルプレートの3ウエルの各々中にアリコート(a
liquote)した。W.j.Lee et al.の方法の改良法(Bio
chem.Internatl.22:163−171(1990))によって
製造したカルパインIを、測定緩衝液中(即ち、0.2mM Succ−Leu
−Tyr−MNAを含む50mM Tris、50mM NaCl、1mM E
DTA、1mM EGTA、および5mM β−メルカプトエタノール、pH7
.5、)に希釈し、そして175μlを、独立した阻害剤保存溶液を含有する同
一ウエル並びに5μlのDMSOを含有するが化合物を含有しない正の対照ウエ
ル中にアリコートした。反応を開始するために、測定緩衝液中の50mM Ca
Cl2の20μlを、3ウエルを除いて、プレートのすべてのウエルに添加し、
その3ウエルは背景信号基線対照とし
て使用した。基質の加水分解を、Fluoroskan II蛍光プレートリー
ダーを使用して5分毎に全30分間監視した。阻害剤の不在下での基質の加水分
解は15分間まで線状であった。
カルパインI活性の阻害を、阻害剤の存在下での基質加水分解の速度の、その
不在下での速度に対する減少パーセントとして算出した。阻害速度と対照速度と
の比較を、基質加水分解の線状範囲内で行った。スクリーニングの場合、化合物
を10μMで試験した。10μMで50%阻害率を有する化合物を活性と考えた
。IC50の阻害剤(即ち、50%阻害率を与える濃度)を、5〜7種の濃度の
試験化合物の存在下での基質加水分解の速度の減少パーセントから決定した。結
果を、阻害パーセント対阻害濃度logとしてプロットし、そしてIC50をデ
ータの線状回帰から算出した。
2種の他のシステインプロテアーゼ、カテプシンB(Calbiochem,
cat#219364)およびカテプシンL(Calbiochem,cat#
219402)に対する活性を示すために、測定を、カテプシンBおよびカテプ
シンLを50mM酢酸ナトリウム(pH6.0)/1mM EDTA/1mMジ
チオトレイトールよりなる各種測定緩衝液中に希釈しそして使用基質をCbz−
Phe−Arg−AMC(Bachem cat#I−1160;カテプシンB
の場合は0.1mM;カテプシンLの場合は0.006mM)とする以外は、上
記と実質的に同一に行った。追加的に、両酵素が構造的に活性であるので、プレ
ートに添加する試薬の順序を変えた。阻害剤をプレートに添加した後、酵素製剤
の適当な2×濃厚保存希釈液を測定緩衝液中で調製し、そして100μlを各ウ
エルに添加した。測定を、測定緩衝液中の基質の2×濃
厚保存希釈液の100μlを添加することによって開始した。基質加水分解をF
luoroskan II(ex=390nm;em=460nm)を使用して
監視した。結果を表IIに示す。
実施例10B
セリンプロテアーゼ活性の阻害
セリンプロテアーゼα−キモトリプシン(Sigma Chem.Co.Ca
t.#C−3142)に対する活性を示すために、酵素を50mM Hepes
(pH7.5)/0.5M NaClよりなる測定緩衝液中に希釈しそして基質
の最終使用濃度を0.03mM Succ−Ala−Ala−Pro−Phe−
AMC(Bachem,Inc.Cat.#I−1465)とする以外は、実施
例10Aのブロトコールに従った。追加的に、α−キモトリプシンはカルシウム
感受性酵素ではなくそして構造的に活性であるから、阻害剤保存溶液を96−ウ
エルプレートに添加した後、希釈緩衝液中の酵素の2倍濃度保存溶液の100μ
lを最初に添加し、そして測定緩衝液中の基質の2倍濃厚保存溶液の100μl
を添加することによって、反応を開始した。基質加水分解を、Fluorosk
an II(em=390 ex=460nm)を使用して5分毎に30分まで
監視した。結果を10μMでのα−キモトリプシンの阻害として示す。
トロンビン(Sigma Chem.Co.Cat.#T−7009)の阻害
を、測定を50mM Tris、10mM CaCl2、pH7.5中で行いそ
して基質を25μMのBz−Phe−Val−Arg−AMC(Bachem
cat#I−1080)とする以外は、キモトリプシンの場合に記載した通りに
評価した。結果を表IIに示す。 本明細書中で言及または引用した特許、出版物、および他の出版文献の各々は
、その全内容が引用することによって本明細書中に取り込まれることが意図され
ている。
当業者が理解するように、多数の変化および改変は、本発明の精神から逸脱す
ることなく、本発明の好適な態様とされてもよい。すべてのかかる変法は本発明
の範囲内にあることが意図されている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年5月7日(1998.5.7)
【補正内容】
請求の範囲
1.構造式:
式中、
Qは6〜14個の炭素を有するアリール、6〜14個の環原子を有するヘテロア
リール、7〜15個の炭素を有するアラルキル、2〜7個の炭素を有するヘテロ
アルキル、またはアリール部分が非縮合かもしくはヘテロアルキル環と縮合され
ることができるアリールヘテロアルキルであり;
mは0、1、または2であり;
R1およびR2は独立してH、1〜14個の炭素を有するアルキル、3〜10個の
炭素を有するシクロアルキル、またはL−アミノ酸の天然もしくは非天然の側鎖
であり、該アルキルおよびシクロアルキル基は場合により1個またはそれ以上の
J基で置換されていてもよく;そして
Jはハロゲン、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、場合により1〜3個
のアリールもしくは低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ、グアニジノ
、アルコキシカルボニル、アルコキシ、ヒドロキシ、またはカルボキシである、
で示される化合物。
2.R1がイソブチル、ベンジル、およびエチルよりなる群から選ばれる請求
の範囲第1項に記載の化合物。
3.R2がイソブチルである請求の範囲第2項に記載の化合物。
4.R2がイソブチルである請求の範囲第3項に記載の化合物。
5.Qがアリールである請求の範囲第1項に記載の化合物。
6.Qがアリールである請求の範囲第2項に記載の化合物。
7.Qが2−ナフチルである請求の範囲第6項に記載の化合物。
8.mが0である請求の範囲第1項に記載の化合物。
9.mが1である請求の範囲第1項に記載の化合物。
10.mが2である請求の範囲第4項に記載の化合物。
11.mが0である請求の範囲第7項に記載の化合物。
12.mが1である請求の範囲第7項に記載の化合物。
13.mが2である請求の範囲第7項に記載の化合物。
14.R1およびR2が各々イソブチルである請求の範囲第13項に記載の化合
物。
15.構造式:
式中、
Qは6〜14個の炭素を有するアリール、6〜14個の環原子を有するヘテロア
リール、7〜15個の炭素を有するアラルキル、2〜7個の炭素を有するヘテロ
アルキル、またはアリール部分が非縮合かもしくはヘテロアルキル環と縮合され
ることができるアリールヘテロアルキルであり;
mは0、1、または2であり;
R1およびR2は独立してH、1〜14個の炭素を有するアルキル、3〜
10個の炭素を有するシクロアルキル、またはL−アミノ酸の天然もしくは非天
然の側鎖であり、該アルキルおよびシクロアルキル基は場合により1個またはそ
れ以上のJ基で置換されていてもよく;そして
Jはハロゲン、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、場合により1〜3個
のアリールもしくは低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ、グアニジノ
、アルコキシカルボニル、アルコキシ、ヒドロキシ、またはカルボキシである、
で示される化合物を含んでなるセリンプロテアーゼまたはシステインプロテアー
ゼを阻害する組成物。
16.セリンプロテアーゼおよびシステインプロテアーゼよりなる群から選ば
れるプロテアーゼを、構造式:
式中、
Qは6〜14個の炭素を有するアリール、6〜14個の環原子を有するヘテロア
リール、7〜15個の炭素を有するアラルキル、2〜7個の炭素を有するヘテロ
アルキル、またはアリール部分が非縮合かもしくはヘテロアルキル環と縮合され
ることができるアリールヘテロアルキルであり;
mは0、1、または2であり;
R1およびR2は独立してH、1〜14個の炭素を有するアルキル、3〜10個の
炭素を有するシクロアルキル、またはL−アミノ酸の天然もしくは非天然の側鎖
であり、該アルキルおよびシクロアルキル基は場合に
より1個またはそれ以上のJ基で置換されていてもよく;そして
Jはハロゲン、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、場合により1〜3個
のアリールもしくは低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ、グアニジノ
、アルコキシカルボニル、アルコキシ、ヒドロキシ、またはカルボキシである、
で示される化合物の阻害量と接触させることを含んでなるセリンプロテアーゼま
たはシステインプロテアーゼの阻害方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,
LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M
X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,
UA,UG,UZ,VN,YU,ZW