JP2001500374A - cDNAおよびゲノムDNAにおける特異的なヌクレオチド配列を同定および単離するための方法 - Google Patents

cDNAおよびゲノムDNAにおける特異的なヌクレオチド配列を同定および単離するための方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、生物の、特に哺乳動物の、および最も好ましくはヒト(ヒト胚もしくは胎児を含む)の細胞、組織、または器官に由来するcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの特異的な遺伝子配列を、同定および単離するための方法に関する。特に、本発明は、それにより、同じまたは異なる生物からの他の組織に由来するcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルにおいては見出されない、組織特異的cDNAまたは遺伝子マーカーが、増幅断片長多型(AFLP)ベースの技術を用いて同定および単離され得る方法に関する。この方法は、種々の医学的手順、法医学手順、工業的手順、および植物育種の手順において使用され得る、cDNA配列およびゲノム遺伝子マーカーの同定および単離における適用を有する。図は、ヒト肝臓、白血球、腎臓、および脳のcDNAライブラリーから調製されたサンプルの、ゲル電気泳動により分離された、制限フラグメントのオートラジオグラムである。

Description

【発明の詳細な説明】 cDNAおよびゲノムDNAにおける特異的なヌクレオチド配列を 同定および単離するための方法 発明の背景 発明の分野 本発明は、分子および細胞生物学の分野にある。概して、本発明は、生物のゲ ノムDNAまたはcDNAからの特異的な遺伝子配列または遺伝子マーカーを、同定お よび単離するための方法に関する。特に、本発明は、それにより、ゲノムDNAま たはcDNAの第2のサンプルにおいて見出されない、ゲノムDNAまたはcDNAの第1 のサンプルからのDNAフラグメントが、消化、増幅、精製、および配列決定の一 連の工程を介して同定および単離され得る、方法に関する。本発明は、種々の、 医学の、法医学の、工業の、および植物育種の手順において使用するための遺伝 子マーカーとして役立ち得るゲノムDNAまたはcDNAの配列の、同定および単離に おける有用性を有する。 関連技術 ゲノムDNA 生物、組織、または細胞の構造および生理学を試験するにおいて、その遺伝子 内容を測定することが、しばしば望ましい。生物の遺伝子フレームワーク(すな わち、ゲノム)は、生物の体細胞および生殖細胞において含まれるデオキシリボ 核酸(DNA)中のヌクレオチド塩基の2本鎖配列においてコードされる。DNAの特 定のセグメントの遺伝子内容、あるいは遺伝子は、遺伝子が最後にコードするタ ンパク質の産生の際に現されるだけである。タンパク質を産生するために、DNA 二重らせんの一方の鎖(「センス鎖」)の相補的なコピーが、ポリメラーゼ酵素 により生成され、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)の特定の配列が生じる。次い で、このmRNAは、細胞のタンパク質合成機構により翻訳され、その遺伝子により コードされる特定のタンパク質が産生される。タンパク質をコードしないさらな る配列(すなわち、「非コード領域」)がゲノム中に存在し、これは、構造的機 能、調節機能、または未知の機能を供給し得る。従って、生物または細胞のゲノ ムは、介在する非コードDNA配列をともに伴う、タンパク質コード遺伝子の完全 なコレクションである。重要なことに、多細胞生物の各体細胞は、病巣感染また はガンの場合(ここでは、1つ以上の異種のDNA配列が、特定の細胞のゲノムDNA へ挿入され得、そして生物における他の、非感染の細胞へは挿入されない)を除 いて、生物のゲノムDNAの完全な相補を含む。しかし、以下に記すように、ゲノ ムDNAを構成する遺伝子の発現は、個々の細胞間で変化し得る。 cDNAおよびcDNAライブラリー 所定の細胞、組織、または生物内で、無数のmRNA種が存在し、それぞれは別々 のおよび特定のタンパク質をコードする。この事実は、組織または細胞における 遺伝子発現を研究することに興味を抱く研究者に対して、強力な道具(_mRNA分 子が、単離され得、そしてさらに種々の分子生物学的技術により操作され、それ によって細胞、組織、または生物の完全な機能的遺伝子内容の解明を許容する) を提供する。 遺伝子発現を研究するための1つの通常のアプローチは、相補的DNA(cDNA) クローンの生成である。この技術において、生物由来のmRNA分子は、生物の細胞 または組織の抽出物から単離される。この単離は、しばしば、セルロースまたは ヒドロキシアパタイトのような固体クロマトグラフィーマトリクスを用い、この マトリクスにデオキシチミジン(dT)のオリゴマーが複合化されている(comple xed)。全ての真核生物mRNA分子における3'末端は、ひと続きのデオキシアデノ シン(dA)塩基を含み、そしてdAはdTに結合するので、mRNA分子は、組織または 細胞抽出物中の他の分子および物質から迅速に精製され得る。これらの精製され たmRNA分子から、cDNAコピーが、酵素の逆転写酵素を用いて作製され得、それに より単一鎖のcDNA分子が生成される。次いで、単一鎖のcDNAは、DNAポリメラー ゼの作用により、元来のmRNAの(従って、生物のゲノムに含まれる、このmRNAを コードする元来の二本鎖DNA配列の)完全な二本鎖DNAコピーに変換され得る。次 いで、タンパク質特異的二本鎖cDNAは、プラスミドに挿入され得、次いで、プラ スミドは宿主細菌細胞に導入される。次いで、細菌細胞は、培養培地中で増殖さ れ、それにより、目的の遺伝子を含む(または多くの場合において、発現する) 細菌細胞の集団が得られる。 mRNAの単離から、cDNAをプラスミドへ挿入して、単離された遺伝子を含有する 細菌集団を増殖するまでのこの完全なプロセスが、「cDNAクローニング」と呼ば れる。cDNAが、多くの異なるmRNAから調製される場合、得られたセットのcDNAは 、「cDNAライブラリー」と呼ばれ、細胞、組織、または生物の供給源に存在する 異なる機能的な(すなわち、発現される)遺伝子を提示する。これらのcDNAライ ブラリーの遺伝子型解析は、それらが由来する生物の構造および機能に対して多 くの情報を与え得る。 DNAフィンガープリンティング 生物、組織、または細胞の遺伝子型を決定するために、種々の分子生物学的技 術が用いられる。これらの技術は、研究者、臨床医学者、法医学科学者などが、 研究されるサンプルにおける特定の遺伝子の存在を探ることを許容する。このよ うな解析の結果は、研究者にとって、2つの生物間の系統発生学的関係を試験す るにおいて、臨床医学者にとって、個体が特定の疾患で感染されたか否か、また は個体が疾患関連遺伝子の保有者であるか否かを決定するにおいて、および法医 学者にとって、血液または他の組織のような犯罪現場の証拠を解析するにおいて 、有用であり得る。 このような遺伝子型解析においてしばしば使用される技術は、DNAフィンガー プリンティングとして公知である。この技術は、DNAサンプルを分離した長さの フラグメントに切断する制限エンドヌクレアーゼ酵素での、生物、組織、または 細胞のDNAの消化に頼る。それらのDNA基質を切断する異なる制限エンドヌクレア ーゼの特異性に起因して、所定のセットの酵素は、所定のDNAサンプルからのフ ラグメント数およびサイズ(本明細書中で使用される用語「サイズ」は、所定の 制限フラグメントの長さおよび/または分子量として規定される)に関して、い つも同じ結果を生じる。次いで、制限フラグメントは、種々の技術(例えば、サ イズ排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、または種々の固体マトリクスへの 付着)により分離され得る。最も一般的には、ゲル電気泳動が行われ、そして制 限フラグメントが、ゲル内でのそれらの異なる移動度(これは、フラグメントの サイズに逆比例する)を介して、ゲル上の一連のバンドに分離される。ゲル内の これらのバンドのパターンは、所定のDNAサンプルに特異的であり、そして、し ばしば、そのサンプルの「フインガープリント」と呼ばれる。 密接に関連する生物の、組織の、または細胞でさえのDNAフィンガープリント が比較される場合、これらのフィンガープリントは、しばしば、非常に類似する 。しかし、フィンガープリント間の微妙な差異が、観察され得る。これらの差異 は、「DNA多型」と呼ばれ、より離れて関連する生物または関連しない生物から のDNAサンプルが比較される場合、数が増加する傾向がある(すなわち、フィン ガープリントはより非類似になる)。このような制限断片長多型、すなわち「RF LP」を調べるこの技術は、真核生物(例えば、植物(Tanksley,S.D.ら、Bio/Te chnology 7.257-264(1989))、およびヒトを含む動物(Botstein,D.ら、Am.J .Hum.Genet.32:314-331(1980)))の遺伝子型解析において多くの年月にわた って使用されてきた。事実、ヒトゲノムの完全な構造(すなわち、「マップ」) を決定するために、RFLP解析は分子生物学の他の技術と組合わせて使用される( 例えば、Donis-Keller,H.ら、Cell 51:319-337(1987)を参照のこと)。この方 法において、RFLP解析は、DNAフィンガープリントにおける差異の単なる比較に より、特定の生物、組織、または細胞間の関係、またはその欠損を決定するため に使用され得る。 DNA増幅 しかし、RFLP解析の使用に対する初期の障害の1つは、RFLPが、解析されるサ ンプル中の典型的に利用可能である量よりも多くの量のDNAを必要とすることで あった。さらに、複雑なゲノムサンプルは、しばしば、多数の異なるDNA分子が 同時にフラグメント化され、そして分離されるので、RFLPにより解析することが 困難である。これらの困難を克服する手段として、研究者達は、サンプル中のDN Aの特定の配列のコピー数を増加する、すなわち「増幅する」方法に、益々専念 した。 一般的に使用される増幅技術は、Mullisおよび共同研究者によって発明された 、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)法である(米国特許第4,683,195号;同第4, 683,202号;および同第4,800,159号)。この方法は、増幅されるDNA配列に対し て反対の領域に相補的である「プライマー」配列を使用する。これらのプライマ ーは、モル過剰のヌクレオチド塩基およびDNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメ ラーゼ)とともにDNA標的サンプルに添加され、そしてプライマーは、塩基特異 的結合相互作用を介してそれらの標的に結合する(すなわち、アデニンはチミン に結合し、シトシンはグアニンに結合する)。反応混合物が、温度を上昇させ、 そして低下させるサイクルを反復して経ることにより(標的配列における2つの DNA鎖の解離、ポリメラーゼによる各鎖の相補的コピーの合成、および新規の相 補的な鎖の再アニーリングを許容する)、特定のDNA配列のコピー数が、迅速に 増加され得る。 標的核酸配列の増幅のための他の技術がまた、開発されている。例えば、Walk erら(米国特許第5,455,166号;EP 0 684 315)は、鎖置換増幅(Strand Displa cement Amplification)(SDA)と呼ばれる方法を記載した。この方法は、単一 の温度で操作し、そしてポリメラーゼ/エンドヌクレアーゼの酵素の組合せを使 用して、標的DNA配列の一本鎖フラグメントを生じ、次いで、このフラグメント は、相補的DNA(cDNA)鎖の産生のための鋳型として作用する点でPCRとは異なる 。代替の増幅手順は、核酸配列ベースの増幅(Nucleic Acid Sequence-Based Am plification)(NASBA)と呼ばれ、Daveyら(米国特許第5,409,818号;EP 0 329 822)により開示された。SDAに類似して、NASBAは、等温の反応を用いるが、PC RまたはSDAにおけるようなDNAプライマーよりも、増幅のためにRNAプライマーを 使用することに基づく。 PCR-ベースのDNAフィンガープリンティング 種々の増幅技術の利用可能性にもかかわらず、ほとんどのDNAフィンガープリ ンティング方法は、増幅についてPCRに頼り、この技術に利用可能な十分に特徴 づけられたプロトコルおよび自動操作を利用する。これらのPCRベースのフィン ガープリンティング技術の例としては、ランダム増幅化多型DNA(Random Amplif ied Polymorphic DNA(RAPD)解析(Williams,J.G.K.ら、Nucl.Acids Res.18 (22):6531-6535(1990))、任意のプライム化PCR(Arbitrarily Primed PCR)(A P-PCR;Welsh,J.およびMcClelland,M.、Nucl.Acids Res.18(24):7213-7218 echnology 9:553-557(1991))、およびマイクロサテライトPCRまたはミニサテラ イト-領域DNAの指向化増幅(Directed Amplification of Minisatellite-region DNA)(DAMD;Heath,D.D.ら、Nucl.Acids Res.21(24):5782-5785(1993))が挙 げられる。これらの方法の全ては、任意に選択されたプライマーを使用する、PC RによるランダムDNAフラグメントの増幅に基づく。しかし、これらの技術の有用 性は、標的DNAの質(あるゲノムまたはcDNAライブラリーサンプルにおいて質が 低くあり得る)に対する、これらの技術の極度の感受性により制限される。これ らの技術における、低質の(例えば、フラグメント化された、分解された、また はそうでなければ無傷でない(non-intact))DNAの使用は、例えば、所望される 標的DNA配列の不完全な増幅に起因する偽の結果を導き得る。 より最近になって、増幅断片長多型(Amplification Fragment Length Polymo rphism)(AFLP)解析と命名された技術がVosおよび共同研究者らにより開発さ れた(EP 0 534 858;Vos,P.ら、Nucl.Acids Res.23(21):4407-4414(1995))。 この技術はまた、PCRベースであり、制限エンドヌクレアーゼと、分離された配 列のアダプターとの特定の組合せ、ならびにアダプターに共通の配列を含むプラ イマーを使用する。この方法において、複雑なサンプル中のDNAの配列またはフ ラグメントは特異的に増幅され得、そしてさらなる解析のために使用され得る。 ある植物系統および細菌株のゲノム解析におけるAFLPの価値が、実証されている が(Lin,J.-J.およびKuo,J.、Focus17(2):66-70(1995);Lin,J.-J.ら、Plant .Molec.Biol.Rep.14(2):156-169(1996))、他にも、ヒトにおけるHLA-DR遺伝 子型決定のためにAFLPが使用された(Yunis,I.ら、Tissue Antigens 38:78-88( 1991))。 組織特異的cDNAおよびゲノム遺伝子マーカーの同定 しかし、上述の技術を用いる遺伝子マッピングの成功にもかかわらず、これら の方法は、供給源特異的DNA配列を同定するそれらの能力に制限される。異なる 細胞、組織、または生物からのゲノムDNAサンプルに由来するそれらの配列につ いて、および特定の組織において活性に発現される(すなわち、タンパク質を作 製するために使用される)それらのDNA分子のみを含み、従ってゲノムDNAのサブ セットである組織cDNAライブラリーに由来するそれらの配列について、この制限 は、特に当てはまる。しかし、cDNAライブラリーについて、これらの制限をある 程度克服する方法が開発されてきた。 このような方法の1つは、ディファレンシャルハイブリダイゼーションと呼ば れ、ある細胞または組織において、他の細胞または組織とは異なって、特異的な 遺伝子が差異的に発現されるという知識に頼る。これらの細胞または組織特異的 遺伝子を同定するために、2つの異なる細胞または組織タイプからcDNAを単に調 製し得、そしてサンプルのそれぞれから調製されたオリゴヌタレオチドプローブ に、cDNAサンプルを別々にハイブリダイズさせ得る。次いで、得られたハイブリ ダイゼーションパターンが比較され得、そして観察される任意の差異は、1つ以 上の遺伝子の細胞または組織特異的発現(従って、その細胞または組織から調製 されたcDNAライブラリーにおける、特異的cDNAの存在)を示す。この技術は、血 清での処理により増殖するように刺激される細胞において特異的に発現されるが 、静止細胞においては発現されない、増殖因子調節遺伝子を同定するために使用 された(Lau,H.F.およびNathans,D.、EMBO J.4:3145-3151(1985))。 第2に、組織特異的DNAを同定するための、いくぶんより感受性の、技術は、 差引きライブラリーの使用である(Hedrick,S.M.ら、Nature 308:149-153(1984 );Lin,J.-J.ら、FOCUS 14(3):98-101(1993)を参照のこと)。この方法におい て、一方の組織または細胞のタイプから調製されたcDNAは、他方の、密接に関連 した、組織または細胞のタイプからのmRNAと混合される。次いで、両方の細胞ま たは組織において発現されるcDNAは、DNA-RNAハイブリダイゼーション複合体を 、これらが互いに相補的であるので、形成するのに対し、一方の細胞/組織にお いて選択的に発現されるが、他方においては発現されないcDNAは、このような複 合体を形成しない。次いで、cDNAが組織特異的ではないことを表すDNA-RNA複合 体は、ポリdTまたはヒドロキシアパタイトカラム(未ハイブリのcDNAはこれに結 合 しない)を介して混合物を通過させることにより、混合物から除去(すなわち、 差引き)され得る。従って、この手順は、組織または細胞特異的cDNAに富む精製 サンプルを生じる。 増幅ベースのクローニング ディファレンシャルハイブリダイゼーションおよび差引きライブラリーの使用 は、供給源の細胞または組織において比較的高レベルで発現されるDNA配列の同 定に適切であり得るが、これらは、開始サンプルが低いレベルのゲノムDNA(ま たはcDNAを作製するために使用されるmRNA)のみを含む場合、特に有用ではない 。この問題は、組織または細胞のサンプルが、それ自身低い量で存在する場合( 多くの医学的適用もしくは法医学的適用におけるように)、または細胞/組織サ ンプルにおいて特異的なDNA配列が低いレベルで発現される場合、特に重要であ る。 組織特異的cDNAのPCRベースのクローニングは、初期のアプローチの感受性の 欠如を克服する試みにおいて使用されてきた(例えば、Lee,C.C.ら、Science 2 39:1288-1291(1988)を参照のこと)。しかし、このアプローチは、PCR自身の主 要な欠点(相補的なPCRプライマーの構築を許容するために、増幅されるDNAのヌ クレオチド配列の事前の知識を必要とする)を未だ被る。標的DNAのヌクレオチ ド配列の知識がなければ、サンプル中でこの配列を増幅するためにPCRは行われ 得ない。標的配列は、多くの医学のまたは法医学のサンプルにおいて知られてい ないので、PCRベースのクローニングは、これらのサンプルからの組織特異的cDN Aを同定または単離するために有用ではない。同じ理由により、これらの技術は 、cDNAライブラリーまたはゲノムサンプルからの、以前に知られていないか、ま たは特徴づけられていない遺伝子の同定に適切ではない。さらに、上記のように 、ゲノムDNAの複雑さは、細胞または生物のゲノムからの遺伝子マーカーの同定 および単離におけるこれらの技術の有用性を制限する。 従って、特定の生物、組織、もしくは細胞のゲノムに独特であるか、またはこ れらの特定の供給源から調製されるcDNAライブラリーに独特である、DNAのフラ グメントまたは遺伝子を、独特のDNAフラグメントのヌクレオチド配列の事前の 知識を伴うことなく、同定するための、迅速な、再現性のある、および信頼性の ある技術についての対処されていない必要性が依然としてある。特に所望される のは、一方の供給源のcDNAライブラリーまたはゲノムにおいて見出されるが、他 方のcDNAライブラリーまたはゲノムにおいては見出されない、特異的なDNA配列 が、迅速に同定され、そしてこれを単離することを許容する方法である。このよ うな技術は、種々の適用、特に、臨床の、法医学の、および植物育種の適用にお ける有用性が見出される。 発明の簡単な要旨 本発明は、これらの対処されていない必要性と取り組む、AFLPベースの方法に 関する。特に、本発明は、cDNAライブラリーからの組織特異的cDNAの同定および 単離、またはゲノムDNAのサンプルからの特異的な遺伝子マーカーの同定および 単離を許容するような方法に関する。 1つの実施態様において、本発明は、第1のcDNAライブラリーからの、第2の cDNAライブラリーに存在しないcDNAフラグメントを同定するための方法に関し、 この方法は、以下の工程、(a)第1および第2のcDNAライブラリーを、少なく とも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメントのコレクションを与える工程 、および(b)第1のcDNAライブラリーからのフラグメントを、第2のcDNAライ ブラリーからのフラグメントと比較することにより、第1のcDNAライブラリーか らの1つ以上の独特のフラグメントを同定する工程、を包含する。 別の実施態様において、本発明は、第1のゲノムDNAのサンプルからのDNAフラ グメントを含み、第2のゲノムDNAのサンプルに存在しない、遺伝子マーカーを 同定するための方法に関する。この方法は、以下の丁程、(a)第1および第2 のゲノムDNAのサンプルを、少なくとも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメ ントのコレクションを与える工程、および(b)一方のゲノムDNAのサンプルか ら得られたフラグメントを、他方のサンプルから得られたフラグメントと比較す ることにより、第1または第2のゲノムDNAのサンプルにおける1つ以上の独特 のフラグメントを、同定する工程、を包含する。 本発明に従って、上記方法における同定する工程は、好ましくは、サイズによ って制限フラグメントを分離することにより達成され、これは本明細書中で使用 されるように、制限フラグメントの長さおよび/または分子量として規定される 。本発明のこの局面はさらに、独特のcDNAまたはゲノムDNAのフラグメントを配 列決定する工程を包含し、そして同定する工程(b)の前に制限フラグメントの 増幅を伴い得る。本発明の別の局面において、制限フラグメントは、検出可能に 標識される。本発明はまた、以下の工程、(c)少なくとも1つの独特のDNAフ ラグメントを単離する工程、および(d)原核生物もしくは真核生物の宿主細胞 をトランスフェクトまたは形質転換するにおける使用のために、フラグメントを ベクター(これは、発現ベクターであり得る)へ挿入する工程であって;このフ ラグメントはベクターへの挿入の前に増幅され得る、工程、をさらに含む、上記 の方法を包含する。この実施態様の別の局面において、独特のフラグメントは、 日常的なヌクレオチド配列決定法に従って、配列決定され得る。 別の実施態様において、本発明は第1のcDNAライブラリーからのcDNAを単離す るための方法を提供し、この方法は、以下の工程、(a)上述で要約されるよう に同定された1つ以上の独特のフラグメント、またはこのフラグメントに相補的 である1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブと、第1のcDNAライブラリーと を、第1のcDNAライブラリーに対する独特のフラグメントまたはオリゴヌクレ オチドプローブのハイブリダイゼーションについてのストリンジェントな条件下 、混合する工程;および(b)独特のフラグメントまたはオリゴヌクレオチドプ ローブに相補的であるcDNAを単離する工程、を包含する。類似して、本発明はま た、ゲノムDNAのサンプルからの、DNAフラグメントを含有する遺伝子マーカーを 単離するための方法を提供する。この方法は、以下の工程、(a)上述で要約さ れるように同定された1つ以上の独特のフラグメント、またはこのフラグメント に相補的である1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブと、DNAのサンプルとを 、DNAのサンプルに対する独特のフラグメントまたはオリゴヌクレオチドプロー ブのハイブリダイゼーションについてのストリンジェントな条件下、混合する工 程;および(b)独特のフラグメントまたはオリゴヌクレオチドプローブに相補 的であるDNAフラグメントを単離する工程、を包含する。 本発明に従って、上記の方法の単離する工程(b)は、ゲル電気泳動、密度勾 配遠心分離、サイズ分画クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ ー、免疫吸着、またはイムノアフィニティークロマトグラフィーにより、達成さ れ得る。この実施態様において、単離されたcDNAまたはDNAフラグメントはまた 、配列決定され得、増幅され得、またはベクター(これは、発現ベクターであり 得る)へ挿入され得る。本発明のこの実施態様によって単離されるDNAフラグメ ントは、例えば、DNAまたはRNAのプローブの調製において有用であり、そして種 々の医学的適用、法医学的適用、工業的適用、および植物育種の適用において補 助するために有用である。 本発明はまた、独特のcDNAまたはゲノムDNAのフラグメントの増幅が、以下の 工程、(a)1つ以上のアダプターオリゴヌクレオチドを、独特のcDNAフラグメ ントまたはゲノムフラグメントに連結して、DNA-アダプター複合体を形成する工 程;(b)DNA-アダプター複合体を、ストリンジェントな条件下、DNA-アダプタ ー複合体のアダプター部分に相補的である1つ以上のオリゴヌクレオチドプライ マーとハイブリダイズして、ハイブリダイゼーション複合体を形成する工程;お よび(c)DNA-アダプター複合体を増幅する工程、を包含する方法により、達成 される、上記の方法を包含する。本発明のこの局面において、アダプターオリゴ ヌクレオチドは、DNA-アダプター複合体をベクターへ挿入するために使用され得 る、1つ以上の制限部位を含み得る。 本発明に従って、上記の方法において使用される、第1または第2のcDNAライ ブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、個々の細胞(これは、原核生物性もし くは真核生物性であり得る)、組織(これは、植物または動物組織、最も好まし くは、ヒト胚組織もしくはヒト胎児組織を含むヒトであり得る)、器官、または 全生物から由来し得る。本発明のこの実施態様に従って同定される遺伝子マーカ ーは、ガンマーカー、感染性疾患マーカー、遺伝子疾患マーカー、胚発生のマー カー、組織特異的マーカー、または酵素マーカーであり得る。本発明のこのよう な局面の1つにおいて、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは 、感染性疾患(すなわち、細菌起源、真菌起源、ウイルス起源、または寄生生物 起源の疾患)を被る動物に由来し得、および他方のcDNAライブラリーまたはゲノ ムDNAのサンプルは、感染性疾患を被らない動物に由来し得る。別の局面におい て、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、ガンを被る動物に 由来 し得、および他方は、ガンを被らない動物に由来し得る。別の局面において、一 方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、ガンの動物組織から得ら れ得、および他方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAからのサンプルは、ガン でない動物組織から得られ得、これらの組織は両方とも同じ動物から得られ得る 。別の局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、 遺伝子疾患を被る動物由来であり得、および他方は、遺伝子疾患を被らない動物 由来であり得る。別の局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNA のサンプルは、病原性微生物に由来し得、およびは、非病原性微生物由来し得る 。別の局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、 酵素を発現する生物に由来し得、および他方は、酵素を発現しない生物に由来し 得る。別の局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプル は、工業的に有用なタンパク質を発現する生物に由来し得、および第2のそれら は、工業的に有用なタンパク質を発現しない生物に由来し得る。別の局面におい て、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、病気の植物に由来 し得、および他方のサンプルは、病気でない植物に由来し得る。別の局面におい て、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、環境ストレス(こ れは、渇水、過剰の温度、減少された温度、除草剤による化学毒性、汚染、過剰 の光、または減少された光であり得る)に耐性な植物由来であり得、および他方 のサンプルは、環境ストレスに非耐性な植物からであり得る。 別の実施態様において、本発明は、第1の個体と第2の個体との間の関係を決 定するための方法を提供し、この方法は、以下の工程、(a)第1および第2の 個体から得られるcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルを、少なくとも 1つの制限酵素で消化して、制限フラグメントのコレクションを与える工程;( b)第1および第2の個体からの制限フラグメントを、サイズによって分離する 工程;および(c)工程(b)において分離された制限フラグメントのサイズま たは濃度の類似性および非類似性を決定する工程、を包含する。この実施態様の 好ましい局面において、この比較は、コンピューター解析により達成され得る。 本発明の他の好ましい実施態様は、本発明の以下の図面および記載、ならびに 請求の範囲を考慮することにより、当業者に明らかである。 図面の簡単な説明 図1は、ゲル電気泳動(5%ポリアクリルアミド+8Mの尿素配列決定用ゲル) により分離された、漸増量のpCMVSPORTCAT cDNAを含む、ヒト脳cDNAライブラリ ーからのサンプル(1サンプル当たり500ナノグラム)の、32P標識されたEcoRI /MseI制限フラグメントのオートラジオグラムである。レーン1、pCMVSPORTCAT コントロール(脳cDNAなし);レーン2〜6、以下の量のpCMVSPORTCAT cDNAを 含む、500ngのヒト脳cDNA:レーン2:0.3ng;レーン3、3ng;レーン4、30ng ;レーン5、300ng;レーン6、0ng(脳cDNAコントロール)。矢印は、pCMVSPO RTCAT特異的フラグメントを示す。 図2は、ゲル電気泳動(5%ポリアクリルアミド+8Mの尿素シークエンシング ゲル)により分離された、ヒトの肝臓、白血球、腎臓、または脳のcDNAライブラ リーから調製されたサンプル(1サンプル当たり500ナノグラム)の、32P標識 されたEcoRI/MseI制限フラグメントのオートラジオグラムである。レーン1、2 :肝臓、レーン3、4:白血球:レーン5、6:腎臓;レーン7、8:脳。矢印 は、脳cDNAにおいて検出された独特のDNAフラグメントを示す。 図3は、ゲル電気泳動(5%ポリアクリルアミド+8Mの尿素シークエンシング ゲル)により分離された、4対の一卵性双生児からのヒトゲノムDNAからのサン プルの、32P標識されたEcoRI/MseI制限フラグメントのオートラジオグラムであ る(各パネルのレーン1および2;レーン3および4;レーン5および6:レー ン7および8が対である)。配列番号1に示すEcoRIプライマーと、配列番号2 に示すMseIプライマー(パネルA)または配列番号3に示すMseIプライマー(パ ネルB)のいずれかとを用いた。レーン1:罹患せず;レーン2:対応の双生児 、精神分裂病。レーン3:精神分裂病;レーン4:対応の双生児;罹患せず。レ ーン5:精神分裂病;レーン6:対応の双生児、罹患せず。レーン7:双極性; レーン8:対応の双生児、罹患せず。M:DNAサイズマーカー。 図4は、ゲル電気泳動(5%ポリアクリルアミド+8Mの尿素シークエンシング ゲル)により分離された、Agrobactrerium tumefaciensのC58株(レーン1、2 )またはA136株(レーン3、4)のゲノムDNAから調製されたサンプルの、32P 標識されたEcoRI/MseI制限フラグメントのオートラジオグラムである。 図5は、32P標識化C58ハイブリダイゼーションプローブを用いた、プラスミ ドもしくはA.tumefaciensの種々の株からのゲノムDNAのEcoRI(レーン2〜7) またはEcoRI/MseI(レーン8〜11)制限フラグメントの、サザンブロットのオー トラジオグラムである。レーン1:1キロベースマーカーレーン2:pTi58サン プル;レーン3:pTiA6サンプル;レーン4および8:C58ゲノムDNAサンプル; レーン5および9:A136ゲノムDNAサンプル;レーン6および10:LBA4404(Ach5 株)ゲノムDNAサンプル;レーン7および11:A6ゲノムDNAサンプル。 発明の詳細な説明 本発明は、ゲノムDNAサンプルからの独特のDNAフラグメントまたは遺伝子を同 定および単離するための方法を提供する。本発明の方法を用いて、所定の宿主ゲ ノム内に特異的に含まれる、連続する(contiguous)ヌクレオチド塩基の配列を 含有する任意の遺伝子DNAフラグメントが、同定および単離され得ることが、当 業者に容易に理解される。 cDNAライブラリーおよびゲノムDNAの供給源 cDNAライブラリーおよびゲノムDNA、ならびにcDNAライブラリーおよびゲノムD NAが調製され得る供給源は、多くの供給源から市販されており、供給源としては 、Life Technologies,Inc.(Rockville,Maryland)、アメリカンタイプカル チャーコレクション(ATCC;Rockville,Maryland)、Jackson,Laboratories(Bar Harbor,Maine)、Cell Systems,Inc.(Kirkland,Washington)、およびAdv anced Tissue Sciences(La Jolla,California)が挙げられる。cDNAおよびゲノ ムDNA調製のための開始物質として使用され得る細胞は、原核生物細胞(細菌、E scherichia属、Serratia属、Salmonella属、Staphylococcus属、Streptococcus 属、Clostridium属、Chlamydia属、Neisseria属、Treponema属、Mycoplasma属、 Borrelia属、Bordetella属、Legionella属、Pseudomonas属、Mycobacterium属、 Helicobacter属、Agrobacterium属、Collectotrichum属、Rhizobium属、およびS treptomyces属のメンバーを含む)、または真核生物細胞(真菌もしくは酵母、 植物、原生動物および他の寄生虫、ならびにヒトおよび他の哺乳動物を含む動物 を含 む)であり得る。任意の哺乳動物の体細胞はまた、cDNAライブラリーおよびゲノ ムDNAの調製のために使用され得、血液細胞(赤血球および白血球)、内皮細胞 、上皮細胞、(中枢神経系または末梢神経系からの)神経細胞、筋肉細胞(骨格 筋、平滑筋、または心筋からの筋細胞および筋芽細胞を含む)、結合組織細胞( 線維芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、軟骨芽細胞、骨細胞、および骨芽細胞を含む )、ならびに他の間質細胞(例えば、マクロファージ、樹状突起細胞、シュワン 細胞)が挙げられる。哺乳動物の生殖細胞(精細胞および卵細胞)はまた、上記 の体細胞または生殖細胞を生じる、始原細胞(progenitor)、前駆細胞(Precur sor)、および幹細胞であり得るとして、cDNAライブラリーおよびゲノムDNAを調 製するために使用され得る。cDNAライブラリーおよびゲノムDNAの調節における 使用に適切なものはまた、哺乳動物の組織または器官(例えば、脳、腎臓、肝臓 、脾臓、血液、骨髄、筋肉、神経、皮膚、尿生殖器、循環系、リンパ系、胃腸、 および結合組織の供給源に由来する)、ならびに哺乳動物(ヒトを含む)の胚ま たは胎児由来の組織または器官である。これらの細胞、組織、および器官は、正 常であり得るか、またはそれらは感染性疾患(細菌、真菌もしくは酵母、ウイル ス(HIVを含む)もしくは寄生虫により引き起こされる)に、遺伝子もしくは生化 学的病理学(すなわち、嚢胞性線維症、血友病、アルツハイマー病、精神分裂病 、筋ジストロフィー、もしくは多発性硬化症)に、またはガンのプロセスに、関 与するもののような病理学的であり得る。 本発明の方法は、1つ以上の工程を含み得る。例えば、本発明は、第1のcDNA ライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのDNAフラグメントであって、第2 のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルに存在しないフラグメントを同 定するための方法に関し、この方法は、以下の工程、(a)第1および第2のcD NAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルを、少なくとも1つの制限酵素で消 化して、制限フラグメントのコレクションを与える工程;および(b)第1のcD NAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのフラグメントを、第2のcDNA ライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのフラグメントと比較することに より、第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの1つ以上の独 特のフラグメントを同定する工程、を包含する。類似して、本発明は、第2のcD NAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのDNAフラグメントであって、第 1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルに存在しないフラグメントを 同定するための方法に関し、この方法は、以下の工程、(a)第1および第2の cDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルを、少なくとも1つの制限酵素で 消化して、制限フラグメントのコレクションを与える工程;および(b)第2の cDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのフラグメントを、第1のcDN AライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのフラグメントと比較することに より、第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの1つ以上の独 特のフラグメントを同定する工程、を包含する。 本発明の1つの局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサ ンプルは、感染性疾患(例えば、細菌起源、真菌起源、ウイルス起源、または寄 生虫起源の疾患)を被る動物由来のサンプルに由来し得、および他方のゲノムの サンプルは、感染性疾患を被らない動物からであり得る。別の局面において、一 方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、ガンを被る動物に由来し 得、および他方は、ガンを被らない動物に由来し得る。別の局面において、一方 のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、ガンの動物組織から得られ 得、および他方は、ガンでない動物組織から得られ得、これらの組織は両方とも 同じ動物から得られ得る。別の局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲ ノムDNAのサンプルは、遺伝子疾患を被る動物のサンプルに由来し得、および他 方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、遺伝子疾患を被らない動 物に由来し得る。別の局面において、一方のcDNAライブラリーまたはゲノムDNA のサンプルは、病原性微生物から得られ得、および他方のライブラリーまたはサ ンプルは、非病原性微生物から得られ得る。別の局面において、一方のcDNAライ ブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、酵素を発現する生物に由来し得、およ び他方は、酵素を発現しない生物に由来し得る。本発明のこの局面において特に 好ましいのは、制限酵素、石油製品を分解する酵素、生物分解性酵素、核酸ポリ メラーゼ酵素、核酸リガーゼ酵素、アミノ酸シンセターゼ酵素、および炭水化物 発酵に関与する酵素の特異的な発現を伴う生物からのcDNAライブラリーおよびゲ ノムDNAのサンプルである;しかし、任意の酵素の特異的な発現を伴う生物から のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルが、本発明の方法において使用 され得ることが理解されるべきである。別の局面において、一つ目のcDNAライブ ラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、工業的に有用なタンパク質を発現する生 物に由来し得、および二つ目は、工業的に有用なタンパク質を発現しない生物に 由来し得る。本発明のこの局面において特に好ましいのは、食品および飲料品を 製造するにおいて使用されるタンパク質(例えば、酵素、調味料、保存料(pres ervative)、充填剤(bulking agent)など)、ならびに化学薬品および医薬品 を製造するにおいて使用されるタンパク質(特に、酵素、補因子、キャリア、免 疫原、保存剤(preservative)、充填剤など)の特異的な発現を伴う生物からの cDNAライブラリーおよびゲノムDNAのサンプルである。別の局面において、一方 のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、病気の植物に由来し得、お よび他方は、病気でない植物に由来し得る。別の局面において、一方のcDNAライ ブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、環境ストレス(これは、渇水、過剰の 温度、減少された温度、除草剤による化学毒性、汚染、過剰の光、または減少さ れた光であり得る)に耐性な植物からであり得、および他方は、環境ストレスに 非耐性な植物からであり得る。cDNAライブラリーおよびゲノムDNAのサンプルの 他の適切な供給源は、当業者には明らかである。 開始細胞、開始組織、開始器官、または他の開始サンプルがいったん得られれ ば、cDNAライブラリーおよびゲノムDNAは、当該分野において周知である方法( 例えば、Maniatis,T.ら、Cell 15:687-701(1978);Okayama,H.およびBerg,P. 、Mol.Cell.Biol.2:161-170(1982);Gubler,U.およびHoffman,B.J.、Gene 25:263-269(1983);Maniatis,Tら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor,New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、9.1 6〜9.23頁(1989);Kaufman,P.B.ら、Handbook of Molecular and Cellular Met hods in Biology and Medicine,Boca Raton,Florida:CRC Press、1〜26頁(199 5)(これらの開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照の こと)によって、それらから調製され得る。次いで、このように調製されるか、 または市販の供給源から得られる、cDNAライブラリーおよびゲノムDNAサンプル は、本発明の方法によって、独特のcDNAおよびゲノムDNAフラグメント(す なわち、組織特異的フラグメントまたは遺伝子マーカー)を同定および単離する ために使用され得る。 DNAの精製 市販の供給源からかまたは上述の教示のように調製されたかいずれかの、種々 の組織からのcDNAライブラリーを得ると、cDNA分子はAFLPによる解析のための調 製物に精製される。cDNAの精製の詳細な方法論は、GENETRAPPERTMマニュアル(L TI;Gaithersburg,Maryland(これは、その全体が本明細書中に参考として援用 される)において教示される。その中に目的のcDNAを含有するプラスミドを含む 細菌宿主(E.coliが一般に使用されるが、別の適切な細菌宿主または酵母宿主も また使用され得る)が、適切な温度(30〜37℃、使用される特定の細菌宿主に依 存する)で、一晩、好ましくは12〜24時間、および最も好ましくは18〜24時間、 培養において増殖される。宿主細胞の迅速な増殖を促進する任意の培養培地が、 使用に適切であるが、トリプトンベースのブロス培養が好ましく、および最も好 ましくは、1〜2%のトリプトン、2〜5%の酵母抽出物、0.1〜1%のグリセロー ル、10〜50mMのグルコース、および当該分野において標準である緩衝塩の濃度を 含有する、TBGブロスである。このような培養培地は、例えば、GIBCO/BRL(Gait hersburg,Maryland)から市販されている。 増殖後、宿主細胞を含む培養ブロスは、滅菌の遠心分離容器(チューブまたは ボトル)に移され、そしてこれは、10,000〜20,000×gで、最も好ましくは16,00 0×gで、10〜15分間、4℃にて、遠心分離される。次いで、上清が、遠心分離容 器の底にペレット化された宿主細胞を無理に動かさないように、再懸濁しないよ うに、またはそうでなければ、乱さないように注意して、吸引または注ぎ出し( pouring off)により、完全に除去される。 次いで、宿主細胞のペレットは、cDNAを含有するプラスミドを遊離するための 手順に供される。この課題を行うために一般に使用される手順としては、リゾチ ームおよび物理的圧力(「フレンチプレス」)、凍結溶解、または超音波処理の 使用が挙げられるが、これらの手順は、しばしば、非所望である標的cDNAの剪断 または断片化を導く。cDNAを含有するプラスミドを宿主細胞から遊離するための より好ましい方法は、それが、標的cDNA分子の分解をほとんど生じないので、宿 主細胞のアルカリ溶解を介してである。この方法において、細胞ペレットは、ア ルカリ塩および界面活性剤を含有する低いイオン強度の衝液中に再懸濁される。 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウムを含有する溶液(以後、「TE緩衝 液」」の1容量が、細胞ペレットの再懸濁のために、最も好ましく使用される。 次いで、2容量のアルカリ界面活性剤の溶液が、この細胞懸濁液に添加されて、 宿主細胞の溶菌およびcDNAの遊離を促進する;この工程について最も好ましいの は、約0.2Nの水酸化ナトリウムおよび約1%のドデシル硫酸ナトリウムの溶液であ るが、およそ等価なpHおよびイオン強度の、任意のアルカリ界面活性剤の溶液が 使用され得る。 アルカリ界面活性剤の溶液の添加後、遠心分離容器中の懸濁液は、完全に混合 され、次いで0〜4℃で(好ましくは、氷浴中で)、約5分間、インキュベート される。このインキュベーションに続いて、溶菌溶液は、酸塩の添加により中和 される;1/2容量の約3Mの酢酸カリウム(pH4.8)の添加は、上述のアルカリ界面 活性剤の溶液とともに好ましいが、等価なpHおよびイオン強度の任意の酸塩がま た、使用され得る。次いで、遠心分離容器中の溶液は、穏やかに混合され、そし て細胞のペレット化について上記されるのと同じ条件下で遠心分離され、上清に 残るcDNA含有プラスミドから、細胞残渣を除去する。 次いで、上清は回収され(およびペレットは捨てる)、そして新鮮な、滅菌容 器に移される。cDNAの沈殿を実現するために、2容量の無水エタノールが、上清 に添加され、次いで、混合物は、5〜30分間、好ましくは10〜15分間、-20℃〜-7 0℃で、最も好ましくはドライアイスおよびエタノールを含有する浴槽中で、イ ンキュベートされる。次いで、混合物は遠心分離され(再度上述のように)、沈 殿されたcDNAをペレット化する。再度ペレットを乱さないように注意して、吸引 Cl(pH8.0)および約1mMのEDTAを含有する溶液中に再懸濁される。 上記のエタノール沈殿工程はまた、組織特異的cDNAのその後の増幅および解析 を妨害する、宿主細胞からのRNA分子の沈殿も生じる。この非所望のRNAを除去す るために、サンプルは、RNアーゼA(例えば、GIBCO/BRL,Gaithersburg,Maryl andから市販される)のようなRNA分解酵素(これは、標的のcDNAの分解を防止す るためにDNアーゼ酵素の混入を実質的に免れなくてはならない)で、処理され得 る。RNアーゼAでの処理に続いて、当該分野において周知である方法(Linおよ びKuo、Focus 17(2):66-70(1995))に従って、溶液をフェノールで抽出し、エタ ノールでの再沈殿および再遠心分離により、cDNAは単離される。次いで、精製さ れたcDNAを含有する最終的なペレットは、AFLP解析のために使用される。 組織特異的cDNAおよび遺伝子マーカーの同定 精製されたcDNAおよびゲノムDNAは、本発明に従う特異的(組織特異的を含む )なcDNAまたは遺伝子マーカーの同定のために、AFLPにより試験され得る。AFLP は、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動物細胞のDNAフィンガープリンテ ィング解析のための方法として、当初開発された(EP 0 534 858;Vos,P.ら、N ucl.Acids Res.23(21):4407-4414(1995);Lin,J.-J.およびKuo,J.、FOCUS17( 2):66-70(1995);Lin,J.-J.ら、Plant Molec.Biol.Rep.14(2):156-169(1996)) 。本発明では、AFLP技術を改変して、1つの実施態様において、cDNAライブラリ ーからの組織特異的cDNA、またはゲノムDNAのサンプルからの遺伝子マーカーを 同定するための方法を提供し、そして別の実施態様において、これらの特異的な cDNAまたは遺伝子マーカーを単離するための方法を提供した。 AFLPは、詳細な方法マニュアル(その開示の全体が、本明細書中に参考として 援用される)を含むAFLP Analysis SystemI(Life Technologies,Inc.;Rockvi lle,Maryland)のような市販のシステムを用いて行われ得る。あるいは、AFLP 解析は、当該分野において一般に使用される材料および方法(Vos,P.ら、Nucl .Acids Res.23(21):4407-4414(1995);Lin,J.-J.およびKuo,J.、FOCUS 17(2 ):66-70(1995);Lin,J.-J.ら、Plant Molec.Biol.Rep.14(2):156-169(1996)) から改変される材料および方法の組合せを用いて行われ得る。 AFLP技術の能力は、この技術が、DNAフラグメントのヌクレオチド配列のいか なる事前の知識も伴うことなく、そのフラグメントの増幅を許容する、遺伝子プ ライマーおよび「アダプター」を使用することに基づく。このように、本発明の AFLPベースの方法は、未知の組織特異的cDNA、およびゲノム遺伝子マーカーの同 定について、適切な増幅プライマーを設計するために標的DNAのヌクレオチド配 列の事前の知識を必要とする伝統的なPCRよりも、より有用である。 AFLPの最初の工程において、精製されたcDNAまたはゲノムDNAが、通常2つの 制限酵素を含有する酵素のパネルで消化される。通常、この2つの制限酵素は、 標的DNA配列の消化の重複(従って、過度の分解(over-degradation))を防止 するように、互いに十分に異なる配列特異性を有する。例えば、酵素EcoRIおよ びMseIは、これらの2つの酵素の制限部位特異性が十分に異なるので、標的DNA を消化するために組合わせて使用され得る。しかし、他の制限酵素の組合せも、 等価な成功の可能性を伴って、本発明を行うにおいて使用され得る。 一旦cDNAまたはゲノムDNAが制限酵素で消化されると(「制限フラグメント」 が生成される、以下「RF」と呼ぶ)、得られたRFは、増幅の間PCRプライマーが 結合するRF上の領域を伸長するアダプター配列と連結され、従ってDNA-アダプタ ー複合体を形成する。消化後、RFの切断末端(これにPCRプライマーが結合する )は、しばしば、プライマーの至適な結合のためには短すぎるので、アダプター の使用が必要である。従って、RFの切断末端へのアダプター配列の連結は、これ らのプライマー結合部位の長さを伸長し、プライマー結合の効率、従って増幅の 効率を改善する。これらのアダプターのヌクレオチド配列は、標的cDNAまたはゲ ノムDNAサンプルにおける制限部位でヌクレオチド配列を含むように選択される 。アダプターは、通常、RFの切断末端に相補的である2〜8個の隣接するヌクレ オチドの長さを有する;従って、アダプターは、正常なDNA塩基対合を介してRF に結合し、それによってRFの末端配列を伸長する。 一旦アダプターがDNA RFに連結されると、フラグメントは、cDNAフラグメント 増幅について使用される標準的な方法(Lin,J.-J.およびKuo,J.、F0CUS 17(2) :66-70(1995))に従って、PCRについて使用される条件下で、DNA-アダプタ複合 体のアダプター部分にハイブリダイズするPCRプライマーオリゴヌクレオチド( すなわち、プライマーの結合境域はアダプターの配列に相補的である)を使用し て、PCRを介して増幅される。このアプローチは、プライマーが特定の遺伝子よ りも制限部位に対して特異的であるように設計されるので、増幅についての標 的であるcDNAまたはゲノムDNAのフラグメントの実際の配列が知られている必要 はないという、さらなる利点を提供する。従って、cDNAについて記載されたよう に(Vos,P.ら、Nucl.AcldsRes.23(21):4407-4414(1995);Lln,J.-J.およびKu o,J.、FOCUS 17(2):66-70(1995);Lin,J.-J.ら、Plant Molec.Biol.Rep.14(2): 156-169(1996))、遺伝子プライマーが使用され得、それらのヌクレオチド配列 は標的cDNAまたはゲノムDNAを消化するために使用される制限酵素の組合せに依 存する。例えば、EcoRIプライマーは、コア配列および3塩基反復単位の任意の エクスタンダーに結合されたEcoRI制限部位(以下に下線を付す)の配列を含む: 5'-CAU CAU CAU CAU GAC TGC GTA CCA ATT C-3' [(CAU4)EcoRI+0]プライマー(配列番号1) 5'-GAC TGC GTA CCA ATT CAC C-3' [EcoRI+ACC]プライマー(配列番号2) 同様に、MseIプライマーは、異なるコア配列およびエクスタンダー配列に連結 されたMseI制限部位のヌクレオチド配列を含む: 5'-CUA CUA CUA CUA GAT GAG TCC TGA GTA A-3' [(CUA4)MseI+0]プライマー(配列番号3); 5'-GAT GAG TCC TGA GTA ACA A-3' [MseI+CAA]プライマー(配列番号4);または 5'-GAT GAG TCC TGA GTA ACA C-3' [MseI+CAC]プライマー(配列番号5)。 これらのプライマーは、検出可能に、好ましくはリンの放射性同位体(32Pま たは32P)で標識され得るが、発蛍光団もしくは蛍リン光体、酵素、またはビオ チン/アビジンのような他の検出可能な標識も同様に使用され得る。 増幅に続いて、サンプルは、DNAフラグメントの分離のために調製され、この 手順は、cDNAライブラリーにおける組織もしくは細胞特異的cDNAの発現、または 、ゲノムDNAサンプル中の特異的な遺伝子マーカーの存在の決定を許容する。フ ラグメントは、任意の物理的または生化学的手段(ゲル電気泳動、クロマトグラ フィー(サイズ分画クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、 お よびイムノクロマトグラフィーを含む)、密度勾配遠心分離、および免疫吸着を 含む)により、分離され得る。本発明の実施において、ゲル電気泳動によるDNA フラグメントの分離は、これが多数のDNAフラグメントの感度の高い分離の迅速 かつ高度に再現可能な手段を提供し、そしていくつかのcDNAライブラリーまたは ゲノムDNAのサンプルにおけるフラグメントの直接的な比較を同時に許容するの で、特に好ましい。 ゲル電気泳動は、標準的なプロトコル(Lin,J.-J.およびKuo,J.、FOCUS 17( 2):66-70(1995))に従って、アガロースまたはポリアクリルアミドシ−クエンシ ングゲルにおいて、好ましくは3〜8%の、および最も好ましくは約5%の濃度でポ リアクリルアミドゲルを含有し、ならびに約8Mの濃度で尿素を含有するゲルを用 いて、典型的に行われる。サンプルはゲル上にロードされるが、通常、異なる供 給源から調製されたcDNAまたはゲノムDNAフラグメントを含有するサンプルが、 その後の比較を容易にするためにゲルの隣接したレーンにロードされる。 電気泳動による分離後、DNAフラグメントは、当業者に日常的である種々の技 術により、可視化され得、そして同定され得る。第1のこのような技術において 、ゲルは、市販のゲル乾燥器を用いて乾燥され、そしてX線フィルム(放射性同 位体の検出のために)または高感度写真フィルム(発蛍光団もしくは蛍リン光体 の検出のために)に暴露される。現像後、フィルムは、ゲルの各レーンにおける バンドのパターンについて試験され、各バンドは、異なるDNA種またはフラグメ ントに対応する(図1〜5を参照のこと)。ゲル内のDNAフラグメントの移動は 、それらのサイズ(長さおよび/または分子量)に比例する_すなわち、より大 きなフラグメントは、よりゆっくりと移動する(従って、ゲルの上部により近く バンドを形成する)が、より小さなフラグメントは、より早く移動する(従って 、ゲルの底部により近くバンドを形成する)。従って、ゲルのあるレーンにおけ る1つ以上の独特のバンドの存在について、フィルムを試験し得る(図1〜4に おける矢印を参照);他のレーンにおいては観察されない、あるレーンにおける バンドの存在(単一のサンプル、細胞、または組織のタイプに対応する)が、そ の独特のバンドを含むDNAフラグメントが供給源特異的であり、従って潜在的な 組織または細胞特異的なcDNAまたはゲノム遺伝子マーカーであることを示す。 あるいは、DNAフラグメントは、エチジウムブロミドまたは銀染色のような核 酸結合染料でゲルを染色することにより可視化され得る。次いで、DNAフラグメ ントは、使用される染料に特異的な光の波長範囲(例えば、エチジウムブロミド について紫外線照明、または銀染色について可視光線)でのゲルの照明により可 視化される。 組織特異的cDNAおよびゲノム遺伝子マーカーの単離および特徴づけ 従って、種々の組織特異的cDNA、および遺伝子マーカーを含有するゲノムDNA フラグメントは、本発明の方法を用いて、種々のサンプルを示すフィルムにおけ るバンドのパターンを比較することにより同定され得る。このアプローチを、本 発明の別の実施態様において、これらの遺伝子マーカーを単離および特徴づけす ることに拡張し得る。この実施態様において、1つ以上の特異的なDNAフラグメ ントが、同定のために使用された乾燥ゲル(上述を参照のこと)から取り出され る。ゲルからのこれらのフラグメントの切り出しは、電気溶出を含む多くの手段 により、または好ましくは物理的切除により、達成され得る。この切り出しは、 現像フィルム(オートラジオグラム)を乾燥ゲル上に直接重ね、従って、現像フ ィルムをゲルにおける目的のフラグメントを位置づけるための手引きまたは鋳型 として使用されるようにすることにより、好ましくは達成される。次いで、オー トラジオグラムにおいて独特のバンドにより表されたフラグメントが、フィルム における対応するバンドを介し、例えば、外科用メス、剃刀、またはハサミを用 いて、乾燥ゲルから注意深く切り出され得る。次いで、薄片を約18〜24時間、37 ℃にて、TE緩衝液中でインキュベートすることにより、DNAはゲルから溶出され る。溶出に続いて、TE緩衝液中のDNAサンプルは、滅菌されたガラス綿を含有す る注射器にロードされ、そして約250〜500×gで、約10分間、約20〜25℃にての 遠心分離を介して、ガラス綿から滅菌チューブへ濾過される。あるいは、この濾 過は、当該分野において周知の他のクロマトグラフィー法(例えば、標準的なガ ラス綿カラムおよび蠕動ポンプを用いる)を介して達成され得る。ガラス綿を介 して濾過された後、DNAを含有するサンプルは、脱塩/緩衝液交換カラム(例え らかじめ充填されたPD-10カラムを使用する)を介して製造業者の指示に従って 濾過される。この脱塩/緩衝液交換の工程は、当該分野において日常的な他の方 法(例えば、バッチ透析を介して)によって達成され得るが、この目的でカラム を使用することにより、標準的な透析方法にしばしば付随する、必要とされるよ り長い時間、より高い費用、およびサンプルの損失が克服される。次いで、独特 のcDNAまたはゲノムDNAのフラグメントは、脱イオン化蒸留水中で脱塩カラムか ら溶出され得、そして凍結乾燥され得、および使用まで4℃〜-70℃にて保存され 得る。あるいは、これらのAFLP規定の組織特異的なフラグメントまたは遺伝子マ ーカーは、TE緩衝液中に即座に溶解され得、そして上述で概説したように再増幅 されてそれらの濃度を増加し得る。この増幅の前に、またはこの増殖に続いて、 独特のcDNAまたはゲノムDNAのフラグメントは、種々の原核生物(細菌)細胞ま たは真核生物(酵母、植物、またはヒトおよび他の哺乳動物を含む動物)細胞の トランスフェクションまたは形質転換に適切な標準的なヌクレオチドベクター( 例えば、発現ベクター)へ挿入され得る。 独特のcDNAおよびゲノムDNAフラグメントの使用 本発明の方法により同定および単離される、組織もしくは細胞特異的cDNA、ま たは遺伝子マーカーを含有するゲノムDNAフラグメントは、例えば、上記の方法 および当該分野において標準である他の方法(米国特許第4,962,022号および同 第5,498,523号(これらは、DNA配列決定の方法に関する)をまた、参照のこと) によってクローニングおよび配列決定する(すなわち、cDNAまたはゲノムDNAの フラグメントのヌクレオチド配列を決定する)ことにより、さらに特徴づけられ 得る。あるいは、これらのフラグメントは、当該分野において周知である方法に よる、工業的プロセスにおける種々の物質(例えば、ハイブリダイゼーションプ ローブまたは治療用タンパク質)の製造のために使用され得る(DNAフラグメン トの転写および翻訳に依存するか、または特定のcDNAもしくは遺伝子マーカーの ヌクレオチド配列から推定されるアミノ酸配列を有する合成ペプチドもしくはタ ンパク質の産生に依存する)。組織特異的cDNAおよび独特のゲノムDNAフラグメ ントからのハイブリダイゼーションプローブの産生は、医療分野における当業者 に、例えば、ガン、感染性疾患もしくは遺伝子疾患のマーカーのような特定の遺 伝子マーカー、胚発生のマーカー、または組織特異的マーカーの存在について、 患者の細胞もしくは組織を試験する能力を提供する。本発明の方法による診断に 特に適切なものは、嚢胞性線維症、血友病、アルツハイマー病、精神分裂病、筋 ジストロフィー、または多発性硬化症のような遺伝子疾患である。本発明の方法 による同定に適切なものはまた、微生物の病原性と関連する遺伝子マーカー(例 えば、病原遺伝子)である。さらに、患者サンプルにおける精神分裂病の遺伝子 マーカーの存在が、本発明の方法により決定され得る。さらに、このようなハイ ブリダイゼーションプローブは、さらなる特徴づけのために、異なる細胞、組織 、もしくは生物から調製されたゲノムDNAまたはcDNAライブラリーから、DNAフラ グメントを単離するために使用され得る。本発明のこの適用において、上述で同 定したAFLP規定の独特のフラグメントを含有するハイブリダイゼーションプロー ブ、またはこれらのフラグメントに相補的な1つ以上のオリゴヌタレオチドプロ ーブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件下で、細胞、組織、 もしくは生物から調製されたゲノムDNAまたは第1のcDNAライブラリー(例えば 、上記のもののいずれか)とハイブリダイズされる。本明細書中で使用される用 語「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、5×SSC(1×SSC =150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH 約7.6)、5×Denhart溶液、50%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、および20 g/mlの変性され剪断されたサケ精子DNAを含有する溶液中での、約42℃で、18〜2 4時間の、ハイブリダイゼーションプローブとゲノムDNAまたは第1のcDNAライブ ラリーとのインキュベーションとして、当該分野において一般に理解されている ように定義される。ハイブリダイゼーションに続いて、サンプルは、非特異的な バックグラウンドをさらに減少するために、0.1×SSC中、約65℃で洗浄され得、 そしてそのようにして里離された独特のゲノムDNAまたはcDNAフラグメントは、 上記のように増幅および特徴づけられ得る。まとめて、これらの能力は、診断お よび予後の決定において、ならびにこれらおよび他の異常についての処置レジメ または予防レジメの開発において、医療専門家および患者を補助する。 この方法が、医療手順(例えば、組織または器官の移植、輸血、接合子着床、 および人工受精)において続けて使用されるべき動物組織をスクリーニングする ために使用され得ることもまた明白であるべきである。このような手順において 、特定の遺伝子マーカーの存在についての問題の組織のプレスクリーニングは、 組織または器官移植の成功(ドナー-受容者の遺伝子不適合性に起因する拒絶の 可能性を減少することによる)、および接合子着床の成功(遺伝的に欠陥のある 接合子の使用を排除することによる)を改善する。同様に、これらの方法の使用 は、感染性疾患(例えば、肝炎およびAIDS)の伝染をしばしば被りがちな医療手 順(例えば、輸血および人工受精)において、このような伝染の機会を減少させ る。最後に、独特の組織特異的cDNAおよびゲノムDNAフラグメントを同定および 単離するための本発明の使用は、少量のDNAを含有する血液、組織、および体分 泌液の犯罪現場解析のような適用において、ならびに実父確定調査において、法 医科学を補助する。 本明細書中に記載される方法および適用に対する他の適切な改変および調節は 明白であり、そして本発明またはその任意の実施態様の範囲から逸脱することな くなされ得ることが、関連分野における当業者に容易に明らかである。これまで 、本発明を詳細に記載してきたが、本発明は、本発明を説明することのみを目的 として本明細書に含まれ、本発明を限定することを意図しない、以下の実施例を 参照することによって、より明らかに理解される。 実施例 材料および方法 以下の材料および方法を、全ての実施例について使用した: 脳、腎臓、白血球、および肝臓のヒトcDNAライブラリーを、Life Technologie s,Inc.(Rockville,Maryland)から購入した。GENETRAPPERTM(LTI)マニュ アルに記載されるように、250mlのフラスコ中の100mlのTBブロス中に1×106の細 菌細胞を接種し、そして30℃で一晩インキュベートすることにより、cDNAの精製 を行った。遠心分離により細菌細胞を採集し、そして記載されるように(Linら 、前出)、得られた細菌ペレットからプラスミドDNAを精製した。簡潔には、細 胞ペレットをTRIS-緩衝化SDS/EDTA溶液に懸濁し、氷上でインキュベートして、 細 胞を破壊させ、酢酸カリウムで抽出し、そして抽出物を遠心分離により澄明化し た。澄明化された上清中のDNAを無水エタノールで沈殿し、ペレット化し、そし てTRIS-緩衝化EDTA(TE)溶液中に再懸濁した。サンプル中のRNAをRNアーゼAで 分解し、そしてDNAをフェノールで抽出し、エタノールで再沈殿して、16,000×g で、4℃にて、10分間遠心分離することによりペレット化した。全ての実験にお いて使用する前に、得られたペレットを、TE中に懸濁した。 ゲノムDNAを、Yolken博士(Johns Hopkins University,Baltimore,Maryland )より好意に提供された4対の一卵性双生児の白血球から単離した。各対につい て、一方の個体は正常であったが、他方は精神分裂病または双極性と診断された 。 cDNAおよびゲノムDNAフラグメントの解析のために、Life Technologies,Inc. ,AFL Analysis SystemI(カタログ番号10544)を、記載される(Lin,J.-J.お よびKuo,J.、FOCUS 17(2):66-70(1995))ように使用した。簡潔には、上記のよ うに単離した500ngのcDNAまたはゲノムDNAを、EcoRIおよびMseIで消化し、EcoRI およびMseIアダプターと連結し、そして32P標識した、EcoRIについての選択的プ ライマー(配列番号2)およびMseIプライマー(配列番号4、5)を製造業者に より推奨されるように使用して、PCRを介して増幅した。増幅したフラグメント をポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、そして独特のDNAフラグメン トをシークエンシングゲルから切り出した。この独特のフラグメントを、[(CAU4 )EcoRI+O]プライマー(配列番号1)および[(CUA)4MseI+0]プライマー(配列 番号3)を用いて増幅し、pAMP-lベクターへアニールし、UDGで処理し、そして エレクトロポレーション(Lin,J.-J.ら、F0CUS 14(3):98-101(1993))によって 、形質転換コンピテントE.coli DH10B宿主細胞(Life Technologies,Inc.;Rock ville,Maryland)へ導入した。アンピシリンを含有する選択培地中での細胞の 増殖後、プラスミドDNAを単離し、そして制限エンドヌクレアーゼで消化して、 細菌クローンを決定した後、製造業者の指示に従って、dsDNA Cycle Sequencing System(Life Technologies,Inc.;Rockville,Maryland)を用いて、プラス ミドDNAを配列決定した。 実施例1 cDNAライブラリー中の独特の配列を同定する本発明のAFLP-ベースの方法の能 力を評価するために、クロラムフェニコール耐性遺伝子を含有するプラスミドpC MVSPORT(pCMVSPORTCAT)の異なる量を、ヒト脳cDNAライブラリーから単離され た500ngのcDNAに添加した。AFLPを、上記のように、pCMVSPORTCAT cDNA含有また は非含有の脳cDNAのサンプルに対して行い、そしてこれらのサンプルの制限パタ ーンをゲル電気泳動により決定した(図1)。2つの独特のバンド(矢印)が、 ヒト脳cDNAとpCMVSPORTCAT cDNAとの混合物を含有するサンプルにおいて検出さ れ(図1、レーン2〜5)、このバンドは、脳cDNA単独のみを含有するサンプル においては見出されなかった(図1、レーン6)。これらのバンドは、プラスミ ドDNAのみを含有するコントロールサンプルにおいて見出される2つの顕著なバ ンド(図1、レーン1)と、ゲル中で、共移動した。これらの独特のバンドの1 つをゲルから切除し、増幅し、そしてpAMP-lベクターを介して、E.coli宿主細胞 へクローン化した。次いで、トランスフェクトしたコロニーから単離したプラス ミドDNAを、シークエンスゲルにおいて泳動させ、そして独特のフラグメントの ヌクレオチド配列を、GenBank配列データベースにおける公知の配列と比較した 。クローン化および増幅した配列は、GenBankのクロラムフェニコール耐性遺伝 子の配列と相同であることが見出された。これらの結果は、ライブラリー特異的 DNA配列を同定する、本発明のAFLPベースの方法の能力を示す。 実施例2 組織特異的DNA配列を同定する本発明のAFLPベースの方法の有用性をさらに実 証するために、AFLPを、上記のように、ヒトの脳、腎臓、白血球、および肝臓の ライブラリーから単離されたcDNA(GIBCO/BRL,Gaithersburg,Marylandから得 た)のサンプルに対して行い、そしてこれらサンプルの制限パターンを電気泳動 により決定した(図2)。少なくとも1つの独特のバンド(矢印)が、脳cDNAラ イブラリーからのサンプルにおいて検出され(図2、レーン7、8)、このバン ドは、他の組織タイプから調製されたサンプルにおいては見出されなかった(図 2、レーン1〜6)。この脳特異的フラグメントをゲルから切除し、増幅し、そ してpAMP-1ベクターを用いて、E.coli宿主細胞へクローン化した。トランスフェ クトしたコロニーから精製したプラスミドDNAを、ゲル電気泳動を介して配列決 定し、そして脳特異的フラグメントの配列を、GenBank配列データベースにおけ る公知の配列に比較した。クローン化および増幅した脳特異的フラグメントは、 以前に報告される(Adamsら、Nature 355:632-634(1992))脳特異的cDNAに相同 であることが見出された。これらの結果はさらに、他の組織において見出されな い独特のDNA配列を同定することにおける、本発明のAFLPベースの方法の能力を 示す。 実施例3 全組織からのDNAを単離および同定することにおける、本発明のAFLPベースの 方法の有用性を実証するために、オリゴヌクレオチドプローブを、実施例2にお けるように分離した、20個の脳特異的配列から調製した。次いで、これらのオリ ゴヌクレオチドを使用して、GENETRAPPER(LTI)を用いるハイブリダイゼーショ ンにより、全脳ライブラリーから完全長の脳cDNAを得た。このアプローチを用い て、いくつかのcDNAクローンが得られ、これらのクローンの1つをゲル電気泳動 で配列決定した。GenBank配列と比較すると、単離された脳特異的cDNAが、脳由 来の以前に報告されたcDNA(Adamsら、Nature 355:632-634(1992))に、同一で あることが見出された。これらの結果は、特定の組織タイプに対して独特なDNA を同定することにおけるその有用性に加えて、本発明のAFLPベースの方法は、複 雑なゲノム、組織、またはcDNAライブラリーからの組織特異的DNAフラグメント 単離のために使用され得ることを示す。 実施例4 病気の植物組織を、病気でない植物組織から区別することにおける本発明の効 力を決定するために、包嚢線虫(cyst nematode)で感染されたかまたは感染さ れなかったダイズ(Glycine max L.Merr.)の根から、mRNAを単離した。cDNAラ イブラリーをこれらのmRNAから構築し、そしてこれらの2つのライブラリーから 全cDNAを調製して、本発明の方法に従って解析した。包嚢線虫で感染されたcDNA ライブラリーにおいて同定されたが、非感染植物からのcDNAライブラリーにおい ては同定されなかったいくつかの独特のDNAバンドが、シークエンシングゲルか ら単離された。これらの独特のフラグメントを、上記のように、EcoRIプライマ ーおよびMseIプライマーに対して増幅し、pAMP-1にアニールし、そしてE.coliに 形質転換した。培養の拡張後、所望のインサートを含有するプラスミドDNAを精 製し、ナイロンメンブレン上にブロットして、包嚢線虫で感染された植物または 非感染の植物のいずれかの全RNAから調製された32P標識化cDNAにハイブリダイズ させた。2つのプラスミドDNAは、感染された植物から調製されたcDNAプローブ との強力なハイブリダイゼーションシグナルを示したが、非感染植物から調製さ れたcDNAとは示さなかった。配列決定およびGeneBank比較により、これらの2つ のクローンは、マメ(Pisum sativum)に有意な相同性を示した。これらの結果 は、本発明のAFLPベースの方法により、病気誘導性遺伝子が同定され得ることを 実証する。 実施例5 異なる生物間の遺伝学的関係を試験することにおける、本発明の有用性を実証 するために、種々の微生物(例えば、E.coli、Agrobacterium spp、Xanthomonas 、Pseudomonas、およびCollectotrichum)において、研究を行った。ゲノムDNA をこれらの生物から調製し、制限酵素で消化し、そして上述のように解析した。 これらの生物間の表現遺伝学的(Phenogenetic)関係の表示(例えば、樹状図) を、得られたオートラジオグラムのデンシトメトリー走査、およびBio-Rad(Her cules,California)から利用可能であるようなDNAフィンガープリンティング解 析についてのコンピュータープログラムを用いる類似性の解析(すなわち、「類 似性指標のパーセント」の算定)により、作成した。これらの研究の結果は、本 発明により同定されるDNAマーカーが、種々の原核生物(および、拡張して、真 核生物)間の家族性の遺伝学的関係を決定するための強力な手段を提供すること を、実証する。この技術はまた、世界中の感染性疾患の分布の決定についても有 用であることが証明されるべきである。さらに、原核生物から調製されたcDNAラ イブラリーにこの技術を適用することにより、同様の結果が達成され得る。 実施例6 遺伝子マーカーを同定することにおける、本発明の有用性を実証するために、 双生児の対応の対からのゲノムDNAのサンプル(ここでは、一方の個体が正常( 罹患せず)であり、および他方は精神分裂病または双極性と診断された)を、AF LPにより解析した。図3において実証されるように、多くの潜在的な遺伝子マー カーが、これらの双生児の4対の間で同定された。より重要なことは、いくつか のこのような潜在的なマーカーが、双生児の対応の対の間で検出された(矢印) ;これらの遺伝子マーカーは、図3Aのレーン3および4において示される対応 の対に最も明白であった。レーン3および4における個体間のこれらの独特のDN Aフラグメントは、代替のプライマー対がAFLP解析について使用された場合でさ え、一貫して検出された(図3B;レーン3および4を参照のこと)。これらの 結果は、本発明のAFLP-ベースの方法が、一卵性双生児のような密接に関連し得 る個体間であってさえ、ゲノムDNAにおける微妙な差異に基づいて、遺伝子マー カーを同定するための強力な方法を提供することを示す。 実施例7 本発明により、実施例6において同定された遺伝子マーカーが単離および配列 決定され得る。図3における矢印により示されるような潜在的な遺伝子マーカー を、上記のように、シークエンシングゲルから切除し、普遍的なAFLPプライマー を用いて増幅し、そしてpAMP-1にクローン化する。次いで、当該分野において周 知である、任意の種々の配列決定方法論(Maxam,A.M.およびGilbert,W.、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 74:560-564(1977);Sanger,F.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463-5467(1977))を用いて、これらの増幅された遺伝子マーカーのDNA配列 を決定する。あるいは、遺伝子マーカーの配列決定は、自動化DNA配列決定機器 を用いて達成される。配列決定後、米国特許第4,683,195号;同第4,683,202号; および同第4,800,159号において記載されるように、PCRプライマー配列を構築し 、そして精神分裂病の遺伝子マーカーの存在のAFLP決定について、他のゲノムDN Aのサンプルを増幅するために使用する。この方法において、本発明により提供 される方法は、精神分裂病の物理的診断の図が、付随する精神学的診断を 補完することを許容する。さらに、機能的なオープンリーディングフレームを有 する単離されたDNA配列は、精神分裂病に関連する機能的な遺伝子およびこのよ うな遺伝子によってコードされるタンパク質を単離および特徴づけるために、標 的オリゴヌクレオチドとして使用される。 実施例8 Agrobacterium tumefaciensは、土壌に住む植物病原性細菌である。A.tumefac iensのある株の病原性は、約400キロベースの大きさの染色体外Tiプラスミドの 存在により、授与される。それゆえ、A.tumefaciensのC58株(病原性株)および A136株(非病原性株)からのゲノムDNAのサンプルに対して、AFLPを行い、これ らの株を区別する遺伝子マーカーの存在を決定した。 図4に示すように、いくつかの潜在的な遺伝子マーカーがC58株において観察 され(レーン1および2;矢印を参照のこと)、これはA136株に存在しなかった (レーン3および4)。これらの病原体特異的マーカーを、上記のように、ゲル から単離し、pAMP-1ベクターにクローン化し、そしてDNA配列決定およびサザン ブロットハイブリダイゼーションにより特徴づけた。これらの独特の遺伝子マー カーとGenBankにおいて利用可能な配列とを比較すると、A.tumefaciens C58株に おいて観察されたAFLPで規定された遺伝子マーカーの4つが、Tiプラスミドにお ける機能的遺伝子に対応することが見出された(表1を参照のこと)。 表1.A.tumefaciens C58株からの、AFLPで規定された多型DNAを含有するクロー ンと、GenBankからの遺伝子との間の配列比較。 それらの潜在的な同一性を決定するために、C58株における2つの未知のAFLP で規定された遺伝子マーカーをさらに、サザンブロットにおいて、A.tumefacien Sの種々の株からのプラスミドまたはゲノムのDNA配列とハイブリダイズする、そ れらの能力を試験することにより分解した。図5に示すように、2つの未知のAF LPで規定されたマーカーは、C58から単離されたTiプラスミドDNA配列(レーン2 )およびゲノムDNA配列(レーン4、8)とハイブリダイズしたが、A.tumefacie ns A136株から単離されたゲノムDNAと(レーン5、9)、またはA.tumefaciens Ach5オクトピン様株(レーン6、10)およびA.tumefaciens A6オクトピン様株( レーン3、7、11)から単離されたゲノムDNAもしくはTいプラスミドの配列とは 、ハイブリダイズしなかった。合わせて、これらの結果は、AFLPが、細菌の異な る株における病原性または毒性の潜在的な遺伝子マーカーの存在を決定し得るこ とを示した。 これまで、理解の明瞭の目的のために、説明および例示の手段として、本発明 をある程度詳細に、十分に記載してきたが、本発明または任意の特定のその実施 態様の範囲を影響することなく、条件、処方、および他のパラメーターの広範な および等価な範囲内で、本発明を改変または変更することにより、本発明が行わ れ得ること、ならびにこのような改変または変化は、添付の請求の範囲の範囲内 に包含されることが意図されることが当業者に明らかである。 本明細書中に示される全ての刊行物、特許、および特許出願は、本発明が属す る分野の当業者の技術レベルの指標であり、そして各個々の刊行物、特許、また は特許出願が、具体的におよび個々に参考として援用されることが意図されるの と同じ範囲で本明細書中に参考として援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 リー,ウー―ボー アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ガイザーズバーグ,ライディング ループ テラス 11909 (72)発明者 クオ,ジョナサン アメリカ合衆国 メリーランド 20874, ジャーマンタウン,コッパー リッジ ロ ード 13305

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのDNAフラグメント を同定するための方法であって、該DNAフラグメントは、第2のcDNAライブラリ ーまたはゲノムDNAのサンプルに存在せず、該方法は、以下の工程: (a)第1および第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプル を、少なくとも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメントのコレクションを 与える工程;および (b)該第1のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントを、該 第2のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントと比較することにより、 該第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの1つ以上の独特の フラグメントを同定する工程、 を包含する、方法。 2.第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのDNAフラグメント を同定するための方法であって、該DNAフラグメントは、第1のcDNAライブラリ ーまたはゲノムDNAのサンプルに存在せず、該方法は、以下の工程: (a)第1および第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプル を、少なくとも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメントのコレクションを 与える工程;および (b)該第2のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントを、該 第1のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントと比較することにより、 該第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの1つ以上の独特の フラグメントを同定する工程、 を包含する、方法。 3.前記同定する工程が、サイズによって制限フラグメントを分離することによ り達成される、請求項1または2に記載の方法。 4.前記制限フラグメントが、前記同定する工程(b)の前に増幅される、請求 項1または2に記載の方法。 5.前記制限フラグメントが、検出可能に標識される、請求項1または2に記載 の方法。 6.前記制限フラグメントが、前記サイズによる分離の前に増幅される、請求項 3に記載の方法。 7.請求項1または2に記載の方法であって、以下の工程: (c)少なくとも1つの独特のDNAフラグメントを単離する工程;およ び (d)該DNAフラグメントをベクターへ挿入する工程、 をさらに包含する、方法。 8.前記フラグメントが、前記ベクターへの挿入の前に増幅される、請求項7に 記載の方法。 9.前記独特のフラグメントを配列決定する工程をさらに包含する、請求項1ま たは2に記載の方法。 10.第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからのDNA分子を単離 するための方法であって、該方法は、以下の工程: (a)請求項1もしくは2の方法に従って同定された1つ以上の独特の フラグメント、または該フラグメントに相補的である1つ以上のオリゴヌクレオ チドと、第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルとを、該第1のcD NAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルに対する該独特のフラグメントまた はオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションについてのストリンジ ェントな条件下で混合する工程;および (b)該独特のフラグメントまたは該オリゴヌクレオチドプローブに相 補的であるDNA分子を単離する工程、 を包含する、方法。 11.前記単離工程が、ゲル電気泳動、密度勾配遠心分離、サイズ分画クロマト グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、免疫吸着、およびイムノアフ ィニティークロマトグラフィーからなる方法の群より選択される方法により達成 される、請求項10に記載の方法。 12.前記単離されたDNA分子を配列決定する工程をさらに包含する、請求項1 0に記載の方法。 13.前記単離されたDNA分子を増幅する工程をさらに包含する、請求項10に 記載の方法。 14.前記単離されたDNA分子をベクターへ挿入する工程をさらに包含する、請 求項10に記載の方法。 15.前記ベクターが、発現ベクターである、請求項14に記載の方法。 16.請求項4に記載の方法であって、前記制限フラグメントの前記増幅が、以 下の工程: (a)1つ以上のアダプターオリゴヌクレオチドを、前記独特の制限フ ラグメントに連結して、DNA-アダプター複合体を形成する工程; (b)該DNA-アダプター複合体を、ストリンジェントな条件下、該DNA- アダプター複合体の該アダプタ一部分に相補的である1つ以上のオリゴヌクレオ チドプライマーとハイブリダイズさせて、ハイブリダイゼーション複合体を形成 させる工程;および (c)該DNA-アダプター複合体を増幅する工程、 を包含する方法により達成される、方法。 17.前記アダプターオリゴヌクレオチドが、1つ以上の制限部位を含む、請求 項16に記載の方法。 18.前記アダプターにおける前記制限部位が、前記DNA-アダプター複合体をベ クターへ挿入するために使用される、請求項17に記載の方法。 19.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルおよび前記第2 のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルが、個々の細胞、組織、器官、 および全生物からなる群より選択される供給源に由来する、請求項1または2に 記載の方法。 20.前記供給源が、原核生物細胞である、請求項19に記載の方法。 21.前記供給源が、真核生物細胞である、請求項19に記載の方法。 22.前記供給源が、動物組織である、請求項19に記載の方法。 23.前記供給源が、ヒト組織である、請求項19に記載の方法。 24.前記供給源が、ヒト胚である、請求項19に記載の方法。 25.前記供給源が、ヒト胎児である、請求項19に記載の方法。 26.前記供給源が、植物組織である、請求項19に記載の方法。 27.第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルにおける遺伝子マー カーを同定するための方法であって、該方法は、以下の工程: (a)第1および第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプル を、少なくとも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメントのコレクションを 与える工程;および (b)該第1のライブラリーまたはサンプルからの該フラグメントを、 該第2のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントと比較することにより 、該第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの1つ以上の独特 のフラグメントを同定する工程、 を包含する、方法。 28.第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルにおける遺伝子マー カーを同定するための方法であって、該方法は、以下の工程: (a)第1および第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプル を、少なくとも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメントのコレクションを 与える工程;および (b)該第2のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントを、該 第1のライブラリーまたはサンプルからのフラグメントと比較することにより、 該第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルからの1つ以上の独特のD NAフラグメントを同定する工程、 を包含する、方法。 29.前記独特のDNAフラグメントを配列決定する工程をさらに包含する、請求 項27または28に記載の方法。 30.前記制限フラグメントが、前記同定する工程(b)の前に増幅される、請 求項27または28に記載の方法。 31.前記遺伝子マーカーが、ガンマーカー、感染性疾患マーカー、遺伝子疾患 マーカー、胚発生のマーカー、組織特異的マーカー、および酵素マーカーからな る群より選択される、請求項27または28に記載の方法。 32.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、ガンを被る 動物のサンプルに由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNA のサンプルは、ガンを被らない動物に由来する、請求項1、2、27、または2 8のいずれかに記載の方法。 33.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、ガンの動物 組織に由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプル は、ガンでない動物組織に由来する、請求項1、2、27、または28のいずれ かに記載の方法。 34.前記第1のライブラリーまたはサンプルおよび第2のライブラリーまたは サンプルが、同じ動物に由来する、請求項33に記載の方法。 35.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、遺伝子疾患 を被る動物に由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサ ンプルは、該遺伝子疾患を被らない動物に由来する、請求項1、2、27、また は28のいずれかに記載の方法。 36.前記遺伝子疾患が精神分裂病である、請求項35に記載の方法。 37.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、病気の植物 に由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAからのサンプル は、病気でない植物に由来する、請求項1、2、27、または28のいずれかに 記載の方法。 38.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、環境ストレ スに耐性な植物に由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNA のサンプルは、該環境ストレスに非耐性な植物に由来する、請求項1、2、27 、または28のいずれかに記載の方法。 39.前記環境ストレスが、渇水、過剰の温度、減少された温度、除草剤による 化学毒性、汚染、過剰の光、および減少された光からなる群より選択される、請 求項36に記載の方法。 40.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、病原性微生 物に由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは 、非病原性微生物に由来する、請求項1、2、27、または28のいずれかに記 載の方法。 41.前記第1のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサンプルは、酵素を産生 する生物に由来し、そして前記第2のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAのサン プルは、該酵素を産生しない生物に由来する、請求項1、2、27、または28 のいずれかに記載の方法。 42.前記酵素が、制限酵素、石油製品を分解する酵素、生物分解性酵素、核酸 ポリメラーゼ酵素、核酸リガーゼ酵素、アミノ酸シンセターゼ酵素、または炭水 化物発酵に関与する酵素である、請求項41に記載の方法。 43.第1の個体と第2の個体との間の関係を決定する方法であって、該方法は 以下の工程: (a)該第1および第2の個体から得られるcDNAライブラリーまたはゲ ノムDNAのサンプルを、少なくとも1つの制限酵素で消化して、制限フラグメン トのコレクションを与える工程; (b)該第1および第2の個体からの制限フラグメントを、サイズによ って分離する工程;および (c)工程(b)において分離された制限フラグメントのサイズまたは 濃度の、類似性および非類似性を決定する工程、 を包含する、方法。
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