JP2001355714A - 農作業機の注油装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 末端の噴油ノズルに生じる漏油や、噴出油の
減少を招く不純物の堆積を事前に察知する透明体の分割
ストレーナを吸油管に配設し、不純物の除去操作をし易
くした注油装置の提供である 【解決手段】 吸油管（３）に設けた分割ストレーナ
（５）の外観を透明材で成形したシリンダー（１８）に
し、内設するフィルター（８）に堆積する不純物を透視
するとともに、筒体（６）と座体（７）を連結するネジ
バンド（３１）や弾圧バネ（３７）によって保持する脱
着自在の分離構造にし、前記フィルター（８）を単体で
取外しが行なえるようにした分割ストレーナ（５）を装
備する注油装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑オイルを注油
タンクからポンプに送油する吸油管にストレーナを脱着
自在に装備した農作業機の注油装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】コンバインの集中注油装置の事例では、
注油用の潤滑オイルは不純物の多いものが用いられるこ
とが多く、注油タンク内に設けたストレーナで濾過する
構造のものが知られている。しかし、目詰りの発生や不
純物の堆積状態が目視できず放出油量の減少や噴油距離
が短縮する異常で気付き、注油不足による損耗を招く問
題点がある。又、タンク内に設置したストレーナに付着
する不純物の除去操作では周辺に油汚れが拡散する不具
合がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】噴油ノズルにゴミ噛み
を生じた漏油の発生や、噴出油量の減少を招く不純物の
堆積を視認できる分割ストレーナを吸油管に配設し、脱
着操作を容易に行い不純物の除去をし易くした注油装置
の提供を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、注油タンクか
らポンプに接続する吸油管に分割ストレーナを配設し、
不純物の堆積状態が視認できる透明体で外観を形設する
とともに、除去操作が簡便に行なえる分離構造の濾過装
置にしたものである。

【０００５】分割ストレーナを構成する筒体とフィルタ
ーが嵌着する座体を、透明材で成形したシリンダーで脱
着自在に継接して、外観から油色が透視できる濾過装置
にする手段を講じた。

【０００６】注油タンクとポンプを継接する吸油管の中
途部に、筒体と座体の接合面でフィルターを挟着した分
割ストレーナを配設し、両端を脱着自在の弾圧バネで保
持して除去操作が工具無しで簡便に行える手段を講じ
た。

【０００７】 送油パイプを接続する筒体と、吐出パイ
プに通じる座体を接合した分割ストレーナを透明材で成
形し、分離構造の接合をネジによる螺着か又は、弾圧バ
ネで保持した簡便な脱着構造にする手段を講じた。

【０００８】 分割ストレーナの筒体に設けたバルブに
座体の支軸が接当して浮上位置を保持し、分離時は圧縮
バネで前記バルブが降下して油路を遮断する漏油防止構
造の手段を講じた。

【０００９】

【発明実施の形態】

【実施例】本発明による吸油管に設けた分割ストレーナ
の実施例をコンバインで説明すると、図２と図３はコン
バインの前方に装着した刈取部に注油装置を装備した要
部側面図と正面図であって、一対のクローラ走行装置
（２０）に連設する機台（２１）の左側に脱穀部（Ｂ）
を搭載し、右側には前記機台（２１）から延設した運転
席（Ｃ）が設けてあり、その側方から機体前面にかけて
回動支点（Ｐ）を中心に昇降する刈取部（Ａ）を装着し
たものであって、刈刃（２４）で切断した穀稈を後方に
連設する揚上搬送装置（２２）で狭持して脱穀フィード
チェン（２３）に受継がせ、横搬送をしながら脱粒処理
をする形態である。

【００１０】注油を要する刈取部（Ａ）の摺動部は、
茎稈を起立させる引起装置（２５）と往復運動をする刈
刃（２４）更に、刈取穀稈を狭持しながら搬送する揚上
搬送装置（２２）等であって、定期的に給油する注油配
管を備えたものである。この注油配管の送油経路は、機
台（２１）の前方に設置した注油タンク（１）の潤滑オ
イルを吸油管（３）と分割ストレーナ（５）を経由させ
てポンプ（２）で吸油し、発生した加圧油を刈取回動ケ
ース（３５）に沿って運転席（Ｃ）側に移動する加圧パ
イプ（２９）を付設して分配コック（２６）に圧送し、
複数の注油個所から選択して分流させる注油パイプ（２
８）を配管してあり、先端に設けた噴油ノズル（２７）
で所定位置に注油するものである。

【００１１】図１は、吸油管に設けた分割ストレーナの
断面図であって、潤滑オイルの流路と濾過装置について
説明すると、注油タンク（１）とポンプ（２）を接続す
る吸油管（３）の中途部に分割ストレーナ（５）を配設
し、外観を形設するシリンダー（１８）を透明パイプに
した実施例であって、注油タンク（１）に貯留する潤滑
オイルを分割ストレーナ（５）に給油する送油パイプ
（１２）を筒体（６）に接続し、対向する座体（７）に
はメッシュ材で成形したフィルター（８）を嵌挿させて
前記シリンダー（８）で双方を継接するとともに、流出
側（１１）に接続する吐出パイプ（１３）をクリップ
（３０）で挟着し、ポンプ（２）と連結する送油路にし
た吸油管（３）の構成である。又、前記分割ストレーナ
（５）を形成する透明体のシリンダー（１８）は、両端
をネジバンド（３１）で脱着自在に締結し接続した中間
部を濾過室（３２）にした分離構造の濾過装置である。

【００１２】座体（７）に設けた嵌入穴（３３）にハッ
ト型のフィルター（８）を嵌挿させ、鍔輪（３４）の外
径をシリンダー（１８）の内径と略一致させてネジバン
ド（３１）の締結力で圧着して前記フィルター（８）を
保持してあり、濾過室（３２）に堆積した不純物が視認
できる透明度を前記シリンダー（１８）は有し、油色の
変化で異常を察知してネジバンド（３１）を緩めて分離
する除去操作を行ない、単体のフィルター（８）を取出
して洗浄等をするものである。

【００１３】分割ストレーナ（５）の分離作業時に生じ
る漏油を防止するために送油パイプ（１２）を延設し、
図１に示す鎖線図のように潤滑オイル面よりも高い位置
に前記分割ストレーナ（５）を移動可能にするととも
に、外観から視認し易い任意位置に前記分割ストレーナ
（５）を配置させ、日常点検が容易に行なえる濾過装置
にしたものである。

【００１４】図４は、注油装置の吸油管に配設したスト
レーナの別途実施例であって、分割ストレーナ（５）の
構造概要を説明すると、送油パイプ（１２）を接続する
筒体（６）を透明材で成形し、吐出パイプ（１３）に連
設する座体（７）を継接する接合面（３６）に、メッシ
ュ状のフィルター（８）を挟着する弾圧バネ（３７）で
両端の座面（３８）を圧着して分割ストレーナ（５）を
保持する脱着構造にしてある。しかも、不純物の堆積状
態を前記筒体（６）を透視して除去操作の要否が判断で
きる透明体で形成した濾過装置にしたものである。

【００１５】図５に示す弾圧バネの保持状態と、図６の
分離したフィルターの斜視図で内部構造を説明すると、
座体（７）の接合部外周にオイルシール（４３）を設け
て筒体（６）に嵌挿させて漏油を防止するとともに、分
割ストレーナ（５）の両端座面（３８）を挟着する弾圧
バネ（３７）の終端にＣ型フック（４０）を形設し、流
入出ノズル（４１）、（４２）に嵌着させ脱着操作の簡
便化を計った保持構造にしたものである。尚、矢印
（ロ）は弾圧バネ（３７）の圧縮方向を示してあるが、
前記分割ストレーナ（５）の接合部にテーパー溝を形設
して螺合させても同様の効果を発揮するものである。

【００１６】フィルター（８）は、Ｔ字型の支軸（４
４）にメッシュリンク（４５）を巻装し、外周に鍔輪
（３４）を設けて弾圧バネ（３７）の圧着力で接合面
（３６）に挟着してあり、前記支軸（４４）の下端を座
体（７）の取付穴（４８）に嵌挿するようにしたフィル
ター（８）の構成である。図４に示すバルブ（１４）
は、筒体（６）の流入側（１０）に設けてあって上方か
ら圧縮バネ（１６）が作用するが、接合時には前記支軸
（４４）の上部が接当して浮上位置に押上げ、油路（１
７）が開放されて濾過室（３２）に送油し、前記フィル
ター（８）を介してポンプ（２）が吸油して加圧油を発
生させるものである。

【００１７】分離操作時には、弾圧バネ（３７）のＣ型
フック（４０）を流入出ノズル（４１）、（４２）から
抜取り、筒体（６）と座体（７）の接合並びに、挟着し
たフィルター（８）を同時に分離することで、バルブ
（１４）の押上力が解除されて圧縮バネ（１６）によっ
て弁座（１９）に降下して油路（１７）を遮断する漏油
防止構造にするとともに、離脱後の前記座体（７）から
単体でフィルター（８）を抜取り洗浄をし易くした分割
ストレーナ（５）の別途実施例である。尚（４７）は、
加圧パイプ（２９）の先端に装着した噴油ノズルであっ
て所定個所に注油口を開閉するものである。

【００１８】

【発明の効果】注油タンクからポンプに接続する吸油管
に分割ストレーナを配設して不純物の堆積状態が視認で
きる透明体にし、除去操作をし易くする分離構造の注油
装置にしたので、以下に掲げるような効果を発揮するも
のである。

【００１９】送油パイプに接続させた筒体とフィルター
が嵌着する座体の接合を、透明材で成形したシリンダー
で脱着自在に継接したので外観から油色が透視でき、不
純物の堆積状態が事前に察知され適確な除去操作が行な
えるようになった。

【００２０】筒体と座体の接合面でフィルターを挟着し
た分割ストレーナを配設し、両端を脱着自在の弾圧バネ
で保持した分離構造にしたので、工具無しで簡便に不純
物の除去操作が行えるようになった。

【００２１】送油パイプを接続する筒体と、吐出パイプ
に通じる座体を接合した分割ストレーナを透明材で成形
し、分離構造の接合面でフィルターを狭着したので除去
操作が適期に行なえ、簡便な操作でフィルターが取出さ
れ洗浄がよりし易くなった。

【００２２】分割ストレーナの筒体に設けたバルブが接
合時に浮上して通油し、分離時は圧縮バネで降下して油
路を遮断する漏油防止の構造にしたので、分離時の漏油
が防止され油汚れが減少した。

【図面の簡単な説明】

【図１】透明シリンダーを装着したストレーナの断面図
である。

【図２】注油装置を装備したコンバインの側面図であ
る。

【図３】注油装置を装備したコンバインの正面図であ
る。

【図４】透明体で形成したストレーナーの別途実施例図
である。

【図５】弾圧バネでストレーナを保持した斜視図であ
る。

【図６】フィルターの分離構造を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ．．刈取部 Ｃ．．運転席
Ｐ．．回動支点 １．．注油タンク ２．．ポンプ
３．．吸油管 ５．．分割ストレーナ ６．．筒体
７．．座体 ８．．フィルター １０．．流入側 １
１．．流出側 １２．．送油パイプ １３．．吐出パイプ
１４．．バルブ １６．．圧縮バネ １７．．油路 １８．．シリンダー １９．．弁座
２４．．刈刃 ２５．．引起装置 ２６．．分配コック
２８．．注油パイプ ２９．．加圧パイプ ３１．．ネジバンド
３２．．濾過室 ３４．．鍔輪 ３６．．接合面
３７．．弾圧バネ ３８．．座面 ４０．．Ｃ型フック
４１．．流入ノズル ４２．．流出ノズル ４４．．支軸
４７．．噴油ノズル 矢印（イ）．．加圧油の吐出方向。 矢印（ロ）．．弾圧バネの狭持方向。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 潤滑オイルを摺動部に注油する吸油ポン
   プを備えた農作業機の注油装置において、注油タンク
   （１）に接続する吸油管（３）に分割ストレーナ（５）
   を配設し、流入側（１０）の送油パイプ（１２）に連設
   する筒体（６）と、フィルター（８）を内装する座体
   （７）を対向させ、中間部を透明材で成形したシリンダ
   ー（１８）で脱着自在に継接したことを特徴とする農作
   業機の注油装置。
2. 【請求項２】 潤滑オイルを濾過するストレーナを吸油
   管の中途部に配設した農作業機の注油装置において、注
   油タンク（１）とポンプ（２）を継接する吸油管（３）
   の中途部に、筒体（６）と座体（７）の接合面（３６）
   でフィルター（８）を挟着する分割ストレーナ（５）を
   配設し、両端を脱着自在の弾圧バネ（３７）で保持した
   ことを特徴とする農作業機の注油装置。
3. 【請求項３】 送油パイプ（１２）を接続する筒体
   （６）と、吐出パイプ（１３）に通じる座体（７）を接
   合した分割ストレーナ（５）を透明材で成形したことを
   特徴とする請求項２に記載の農作業機の注油装置。
4. 【請求項４】 筒体（６）に設けたバルブ（１４）に座
   体（７）の支軸（４４）が接当して油路（１７）を開放
   し、分離時は圧縮バネ（１６）で前記バルブ（１４）が
   降下して油路（１７）を遮断する漏油防止構造の分割ス
   トレーナ（５）にしたことを特徴とする請求項３に記載
   の農作業機の注油装置。