JP2001355186A - 墨用被記録材 - Google Patents

墨用被記録材

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JP2001355186A
JP2001355186A JP2000178947A JP2000178947A JP2001355186A JP 2001355186 A JP2001355186 A JP 2001355186A JP 2000178947 A JP2000178947 A JP 2000178947A JP 2000178947 A JP2000178947 A JP 2000178947A JP 2001355186 A JP2001355186 A JP 2001355186A
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black
woven
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Akishi Suda
晃史 須田
Naoko Fujita
尚子 藤田
Yuko Shimizu
祐子 清水
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Unitika Glass Fiber Co Ltd
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Unitika Glass Fiber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明の目的は、にじみを出すことにより
装飾性に優れた墨用被記録材を提供することにある。本
発明の他の目的は、紫外線によって変色せず、汚れにく
い墨用被記録材を提供することにある。本発明のさらに
他の目的は、寸法安定性に優れ、破れにくい墨用被記録
材を提供することにある。 【解決手段】ガラス長繊維織編物を基材とすることを特
徴とする墨用被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被記録材、就中墨用
被記録材に関するものであって、更に詳しくはガラス長
繊維織編物を基材とする墨用被記録材に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】墨用被記録材として繁用されているもの
としては所謂和紙がある。これは版画や工芸的な用途、
民芸的な趣味の用途にも使用されているものである。書
画用に使用されるものに画仙紙と呼ばれているものもあ
る。和紙は楮または三椏等の繊維を水の中で糊剤である
トロロアオイや米糊とゴフンと呼ばれている白色の顔料
を混ぜて、漉きあげることによって紙を作っている。原
料となる繊維物には、わら、竹、桑、麻または雁皮等も
使用されたという記録がある。しかしながら、これらに
あっては原料に限りがあったり作業効率が上がらなかっ
たりして、生産に限界があることは避けられない。ま
た、和紙は湿気に弱く安定性に欠けることに加え、シミ
などがついて汚れやすく、また紫外線にも弱いという不
回避的欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、にじ
みを出すことにより装飾性に優れた墨用被記録材を提供
することにある。本発明の他の目的は、紫外線によって
変色せず、汚れにくい墨用被記録材を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、寸法安定性に優れ、破
れにくい墨用被記録材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、ガラス長繊維織編物を
墨用被記録材として用いると、非常に破れにくく、また
寸法安定性に優れているということを知見した。また、
ガラス繊維は紫外線によって変色しにくいので、ガラス
長繊維からなる織編物を墨用被記録材として用いると、
該墨用被記録材は紫外線によって変色しにくくなるとい
うことも知見した。さらに、ガラス長繊維からなる織編
物には汚れがつきにくい。つまり、本発明者らは、ガラ
ス長繊維織編物を基材とすることが墨用被記録材として
有用であることを知見した。ガラス長繊維織編物のこの
ような用途は未知である。
【0005】さらに、本発明者らは、目止め処理を改良
し、(a)ガラス長繊維織編物を基材とする墨用被記録
材の裏面を溶剤性樹脂で処理する、(b)該墨用被記録
材の両面または片面(表面または裏面)を水溶性樹脂で
処理する、または(c)該墨用被記録材の裏面を溶剤性
樹脂で処理し、表面を水溶性樹脂で処理することによ
り、墨が適度ににじんで、装飾性が非常に高くなるとい
う思いがけない知見を得た。本発明者らは、さらに検討
を重ねて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(1)ガラス長繊維
織編物を基材とすることを特徴とする墨用被記録材、
(2)ガラス長繊維織編物が目止め処理されていること
を特徴とする請求項1に記載の墨用被記録材、(3)目
止め処理が、ガラス長繊維織編物の片面または両面を溶
剤性または水溶性の樹脂で処理することにより成されて
いることを特徴とする請求項2に記載の墨用被記録材、
(4)(a)抗菌、防腐又は防虫処理、(b)シリコー
ン処理、および(c)酸化チタン処理からなる群から選
ばれる1以上の処理がなされていることを特徴とする請
求項2または3に記載の墨用被記録材、および、(5)
織物が平織りであることを特徴とする請求項1〜4に記
載の墨用被記録材、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるガラス
長繊維織編物に使用されるガラス長繊維としては、径が
約3μm〜13μmのものが好適に使用される。ガラス
にはシリカの他に含有されている無機物、例えば硼素、
アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、チタンまた
はナトリウム等によって、種々分別されるが、本発明の
基材はいずれのもので作られていても何ら支障無く使用
可能である。
【0008】また、該ガラス長繊維は、フィラメントを
単に引き揃えただけのフィラメント糸であってもよい
し、これに撚りをかけたものであっても、またはこれを
編んだものであってもよい。撚りをかける場合、単に引
き揃えて片撚りを掛けてもよい。その場合の撚りは約
0.5〜4回/25mm程度が好ましい。また下撚りを
掛けてから、上撚りを掛けてもよい。
【0009】本発明におけるガラス長繊維は、単糸を束
ねる目的のため織ったり編んだりする前に集束剤処理が
されていることが好ましい。集束剤としては、例えば、
でんぷん(澱粉)もしくはポリビニルアルコールなどの
乳濁液または懸濁液、または例えばアクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂もしくはエポキシ系樹脂等の水難溶性
樹脂などが挙げられる。集束剤は、織機の種類によって
適宜選択することができる。例えば、ウォータージェッ
ト織機を用いる場合は、水難溶性樹脂を集束剤として用
いるのが好ましい。
【0010】かくして得られるガラス繊維を織編物する
が、織り方には、例えば平織、朱子織、綾織、横縞織、
からみ織または斜こ織りなど様々な手法があり、いずれ
の織り方を用いてもよいが、本発明の基材としては平織
りが好ましい。編み方にも、例えば、平編み、ゴム編み
もしくはパール編みなどの横編み、シングルデンビー編
みもしくはシングルデンビー編みなどの縦編み、または
レース編みなど様々な手法があり、本発明においていず
れの編み方を用いてもよい。
【0011】織編に際しガラス繊維とガラス繊維以外の
繊維との混紡糸を用いることも可能であって、斯かる場
合におけるガラス繊維以外の繊維には、天然繊維または
化学繊維が挙げられる。天然繊維としては、例えば綿や
麻などの植物繊維、または羊毛やカシミアなどの毛もし
くは絹などの動物繊維などが挙げられる。化学繊維とし
ては、レーヨンなどの再生繊維;アセテートなどの半合
成繊維;ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステ
ル系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール
系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリウ
レタン系もしくはフェノール系などの合成繊維;炭素繊
維あるいは金属繊維などの無機繊維などが挙げられる。
ガラス繊維以外の繊維を使用した混紡糸を用いることに
よって意匠も多彩となりきらびやかさが生まれることに
もなる。また、本発明に係るガラス長繊維織編物は、ガ
ラス繊維と上述のガラス繊維以外の繊維との混織編物で
あってもよい。本発明の基材として適した織編物の厚さ
は、約20μm〜3mm程度、好ましくは約30〜15
0μm程度である。
【0012】本発明に係る墨用被記録材は上記したガラ
ス繊維織編物の縦糸と横糸がずれることがないように、
目止め処理を行うのが好ましい。目止め処理をしては、
自体公知の処理を用いることができるが、本発明におい
ては、樹脂処理を行うのが好ましい。樹脂処理は、通常
ガラス長繊維織編物の片面または両面に溶剤性または水
溶性の樹脂を塗布または含浸させる。
【0013】溶剤性樹脂は、通常有機溶剤に溶かした樹
脂のことであり、公知のものを用いてよいが、例えば、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリア
クリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、SBR
やNBR等の共役ジエン系重合体、ポリアミド樹脂(ア
ルコールに可溶な共重合ナイロンやメトキシメチル化ポ
リアミドへの(メタ)アクリル酸等のグラフト重合物)、
オルガノポリシロキサン例えば、ジメチルポリシロキサ
ンをはじめアルキル基の異ったものやアリール基が導入
されているもの又はこれらの混合物によるもの等が挙げ
られる。なかでも、ポリウレタン樹脂とポリアクリル樹
脂の混合物が好ましい。その割合は、3:2が好まし
い。これらは適宜溶剤に溶かし、または乳化重合物もし
くは懸濁状態,ペースト状態のものとして適用される。
【0014】無機酸化物や無機水酸化物を加える場合に
は、例えばシリカ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウムまたは水酸化バリウム等、更
に、クレー、カオリン、タルク、ケイ藻土ゼオライト、
炭酸マグネシウムまたは炭酸カルシウム等も使用するこ
とができる。平均粒径約10μm程度以下、好ましくは
約0.1〜から5μm程度の微粒子のものであることが
望ましい。
【0015】水溶性樹脂としては、公知のものを用いて
よいが、例えば、ポリビニルアルコールなどのポリビニ
ルアルコール類、シリル変性ポリビニルアルコール、例
えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース等の水溶性セルロース類、
例えばポリアルキレングリコール−芳香族ジカルボン酸
−アルキレングリコ−ルの共重合体などのポリアルキレ
ングリコール系樹脂等が挙げられる。
【0016】本発明において樹脂処理の好ましい態様と
しては、例えば、(a)本発明に係る墨用被記録材の裏
面に溶剤性樹脂を塗布または含浸する、(b)該墨用被
記録材の両面または片面(表面または裏面)に水溶性樹
脂を塗布または含浸する、または(c)該墨用被記録材
の裏面に溶剤性樹脂を塗布または含浸し、表面に水溶性
樹脂を塗布または含浸する等の処理が挙げられる。な
お、墨で記録する面を表とする。
【0017】墨用被記録材の裏面に溶剤性樹脂を塗布ま
たは含浸する場合は、用いられる合成樹脂液の状態によ
っては粘度を高くして反対側面ににじみ出さないように
するのが好ましい。粘度を高くする必要がある場合にお
いて添加する増粘剤としては、例えばアクリル酸もしく
はメタクリル酸を主体とした重合物をアンモニア、苛性
ソーダ等で中和して水溶性にしたもの、またはポリビニ
ルアルコールもしくはミルクカゼインなどの水溶性高分
子物が挙げられる。ガラス長繊維織編物への接着性を向
上させる上でテトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、ブチルトリトリメ
トキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシキシ
シラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシキシシ
ラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン等のシリル化合物を少量加えると効
果的である。また、かかる場合は、樹脂処理をしていな
い面を墨用被記録材として用いるのが好ましい。こうす
ることにより、墨用被記録材が墨をはじくことが少なく
なり、また、墨で書いたときに適度なにじみが出て装飾
性が高くなる。
【0018】該墨用被記録材の両面または片面(表面ま
たは裏面)に水溶性樹脂を塗布または含浸した場合は、
墨をはじくことがないので、樹脂処理をした面またはし
ていない面のいずれも墨用被記録材として用いることが
できる。水溶性樹脂にゴフンや雲母を混ぜたものを用い
て、噴霧加工等により樹脂処理を行ってもよい。こうす
ることにより、加工紙に相当する多彩にして、きらびや
かな墨用被記録材が提供される。これによって墨色との
釣り合いや映え具合が変化するという効果を期待でき
る。
【0019】該墨用被記録材の裏面に溶剤性樹脂を塗布
または含浸し、表面に水溶性樹脂を塗布または含浸した
場合は、水溶性樹脂を塗布または含浸した面を墨用被記
録材として用いるのが好ましい。
【0020】樹脂の塗布または含浸方法は、織編物を樹
脂液層を通過させるか、織編物に樹脂液を塗布するかし
て経糸と緯糸との交叉している部分に樹脂を含浸させ、
樹脂処理した織編物を乾燥させ、織物を巻き取ることに
より行われる。より具体的には、例えばロールコーティ
ング、ナイフコーティングまたは噴霧によるコーティン
グ等の一般的な方法を、本発明においても用いてよい。
処理によって付着される樹脂の量は約20〜200g/
程度である。好ましくは、約40〜100g/m
程度ある。樹脂処理後、熱風、赤外線、加熱シリンダー
への接触等の方法で、通常は乾燥する。
【0021】墨の製造に使用されている膠は動物性のタ
ンパク質であるから本発明の対象である墨用被記録材に
これを適用して字や絵を描いた場合、カビが発生した
り、虫が付いたりすることかあるので、防カビ、防虫ま
たは抗菌処理を施すことが作品の保存には効果的であ
る。斯かる処理は上記した目止め処理を行う際に、処理
液に防カビ剤、防虫剤または抗菌剤等を添加して調製し
たものを用いて目止め処理を行えばよい。ここにおいて
使用される抗菌剤は公知の抗菌剤を用いることができる
が、例えば無機化合物に金属イオンを担持させた無機系
抗菌剤、抗菌性の金属イオンを有する無機オキソ酸塩、
トルマリン、または植物もしくはその処理物などが挙げ
られる。
【0022】無機化合物に金属イオンを担持させた無機
系抗菌剤において、無機化合物は任意のものが使用でき
る。例えば、活性アルミナ、シリカゲル等の無機系吸着
剤、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコ
ニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化ビ
スマス、含水酸化ジルコニウムまたはハイドロタルサイ
ト等の無機イオン交換体などが挙げられる。金属イオン
としては、例えば銀、銅、亜鉛またはスズなどが挙げら
れる。
【0023】これらの無機化合物に金属イオンを担持さ
せる方法には、公知の担持方法を適宜採用してよい。例
えば物理吸着又は化学吸着により担持させる方法、イオ
ン交換反応により担持させる方法、結合剤により担持さ
せる方法、金属化合物を無機化合物に打ち込むことによ
り担持させる方法、または蒸着、溶解析出反応もしくは
スパッタ等の薄膜形成法により無機化合物の表面に金属
の薄層を形成させることにより担持させる方法等が挙げ
られる。
【0024】上記無機化合物の中で、無機イオン交換体
は金属イオンを強固に担持できることから好ましく、特
にゼオライトやリン酸ジルコニウム塩などが好適に使用
できる。該化合物として、例えば「ノバロンAG−30
0」(東亜合成化学社製、銀イオン担持リン酸ジルコニ
ウム)、「ゼオミックAW−10D」(シナネンニュー
セラミック社製、銀イオン担持ゼオライト)などの市販
品も利用できる。
【0025】上記の一例としての抗菌性ゼオライトは特
開昭60−202162号に示されており、天然ゼオラ
イトまたは合成ゼオライトなどのゼオライト中のイオン
交換可能なイオンの一部又は全部を、硝酸銀または硫酸
銀などを用いて約0.1〜15%の銀イオンで置換した
もの、その他、上記イオンに加えて約0.1〜8%程度
の銅イオン、約0.1〜8%程度の亜鉛イオンで置換し
た抗菌性ゼオライトが例示されているところ、本発明に
おいても該抗菌性ゼオライトを用いてよい。
【0026】抗菌性の金属イオンを有する無機オキソ酸
塩としては、無機オキソ酸塩の金属イオンを、抗菌性を
有する金属イオンでイオン交換したものが代表例として
あげられる。ここで無機オキソ酸塩としては、例えばケ
イ酸塩、リン酸塩、チタン酸塩またはアンチモン酸塩な
どが例示される。ケイ酸塩としては、例えばメタケイ酸
アルミン酸マグネシウムまたはケイ酸カルシウムまたは
ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。リン酸塩として
は、例えばリン酸カルシウムまたはリン酸ジルコニウム
等が挙げられる。チタン酸塩としては、例えばチタン酸
カリウムまたはチタン酸カルシウム等が挙げられる。ア
ンチモン酸塩としては、アンチモン酸ナトリウムなどの
化合物が好ましく、特にメタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム、またはリン酸カルシウムを主成分とするリン灰石
は安全性の点からも好ましい。リン灰石はアパタイトと
も呼ばれ、フッ素リン灰石、塩素リン灰石、水酸リン灰
石などの総称である。
【0027】イオン交換される抗菌性を有する金属イオ
ンとしては、通常、抗菌剤または殺菌剤として使用され
る金属イオン、例えば銀、銅、亜鉛またはスズなどが適
用可能である。
【0028】これら金属イオンは、通常の方法で、前記
オキソ酸塩の金属イオンとイオン交換される。例えば、
銀、銅、亜鉛またはスズなどのイオン交換は、水酸化物
を生成するpH値より低く、しかも、オキソ酸塩が溶解
しない領域で行われる。即ち銀の場合は約pH9〜4程
度、銅の場合は約pH6〜4程度、亜鉛の場合は約pH
9〜4程度の範囲が好ましい。イオン交換される抗菌性
の金属イオンの割合は、オキソ酸塩が保有するイオン交
換容量の約0.1〜90モル%程度であることが適当で
あり、抗菌剤中のイオン交換されたイオンは抗菌剤の約
0.01〜40重量%程度であることが好ましい。金属
イオンが上記最小値に満たない場合は抗菌性が十分でな
く、最大値を越えると金属イオンが不安定となり、抗菌
効果の安定性と持続性を欠くことになる。
【0029】植物又はその処理物としては、例えばヒバ
の抽出物等が挙げられる。
【0030】防カビや防虫処理を施すことを必要とする
場合には、上記した樹脂処理を行う際に、防カビ剤や防
虫剤を添加した樹脂液を使用すると良い。また、例え
ば、防カビ剤や防虫剤としては、例えばヒバの抽出物や
インジゴ染料など植物又はその処理物等も挙げられる。
【0031】尚、上述の抗菌処理、防カビ処理、防虫処
理を施す場合において使用する抗菌剤等有効成分が粒状
である場合、その粒径はガラス長繊維織編物の繊維の絡
み隙間を埋めるのがよいので、平均粒径10μm程度以
下、好ましくは0.1〜5μm程度の微粒子であること
が望ましい。
【0032】酸化チタン処理とは、通常、樹脂に酸化チ
タンを添加しておき、上述の樹脂処理を行うことをい
う。酸化チタン処理により、酸化チタンと光(紫外線)
エネルギーによって生み出された活性酸素が、汚れ、臭
いのもととなる成分や細菌を強力に酸化分解する。した
がって、たばこのヤニまたは油汚れなど、汚れの原因と
なる有機物を強力に酸化分解し、またこれにより、有機
系の汚れに付随するちりやほこりなど無機系の汚れも、
はたき掛けや乾いた布等で簡単に拭き取ることができる
という防汚効果を発揮できるようになる。また、活性酸
素の強力な酸化力で、細菌類やカビなどを酸化分解する
ため、抗菌効果も発揮できるようになる。
【0033】酸化チタン処理においては、酸化チタンの
代わりに酸化チタン系化合物を用いてもよい。酸化チタ
ン系化合物としては、例えば、酸化チタンの他、チタン
とケイ素の複合酸化物、含水酸化チタン、水和酸化チタ
ン、水酸化チタン、メタチタン酸またはオルトチタン酸
等が挙げられる。また、酸化チタンの代わりに、光触媒
半導体を用いてもよい。光触媒半導体は光によって励起
され、酸化・還元作用で細菌やカビを分解するものであ
るが、かかる物質として、TiO2、ZnO、SrTi
3、CdS、CdO、CaP、InP、In23、C
aAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe23、Ta2
5、WO3、SbO2、Bi23、NiO、Cu2O、Si
C、SiO2、MoS2、MoS3、InPb、RuO2
またはCeO2等が挙げられる。
【0034】酸化チタンの付着量は、少なすぎると汚れ
の分解速度が低下し、十分な性能が得られなかったりす
るので、約0.03重量%以上が好ましい。また、多す
ぎると、本発明に係る墨用被記録材が光触媒半導体によ
り劣化したり、風合いが硬化して実用的なものでなくな
るので、約15重量%以下が好ましい。より好ましくは
約0.05〜約10重量%程度の範囲とする。
【0035】その他、樹脂には当業界で通常用いられる
添加剤を所望により加えてもよい。該添加剤としては、
顔料、過酸化系の架橋剤、カップリング剤、例えばビス
アマイド等の滑剤、例えばフェノール系の酸化防止剤、
例えばヒンダードアミン系の光安定剤、紫外線吸収剤ま
たは難燃剤などが挙げられる。
【0036】樹脂処理した織編物の表面を、シリコーン
処理してもよい。シリコーン処理することにより、汚れ
がつきにくくなるという利点がある。シリコーン処理
は、例えばシリコーン樹脂、シリコーン樹脂を主体とし
て他の添加物等が添加されてなるシリコーン系樹脂、ま
たはシリコーン油(以下、シリコーン剤という)を、織
編物の表面に含浸または塗布する方法が挙げられる。シ
リコーン剤は、通常液体である。また、上記シリコーン
剤の液中に、織編物を浸漬する方法も挙げられる。さら
に、シリコーン剤の液中に1本1本の繊維を浸漬してシ
リコーン剤を被覆した後で織編物を形成する方法も挙げ
られる。
【0037】本発明に係る墨用被記録材は、用途に応じ
て当業界で用いられる他の公知処理を行ってもよい。
【0038】本発明に係る墨用被記録材は、墨を用いる
用途であれば、いかなる用途に用いてもよい。例えば、
墨用紙を代替するものとして水墨画用、書用として、短
冊、掛け軸、屏風または拓本等の用に供せられる。
【0039】
【実施例】以下実施例を記述して本発明を詳述するが、
これにより本発明が制限されるものではない。
【0040】実施例1 平織りクロスH153(ユニチカグラスファイバー株式
会社製:重量113g)の片面に、アクリル樹脂(中央
理化工業社製)とウレタン樹脂(大日本インク社製)を
6:4で混合し、更に炭酸カルシウムとタルクを3:1
の割合で混合したものを40重量パーセントとなるよう
に混合した樹脂液を塗布し、第1工程において140℃
で、次いで第2工程において110℃で乾燥させ墨用被
記録材を得た。
【0041】
【発明の効果】かくして得られた本発明の墨用被記録材
は、ガラス長繊維織編物を基材としているので、寸法安
定性に優れ、破れにくく、汚れにくく、紫外線により変
色しない。また、適切な樹脂処理を施すことにより、墨
で字や絵を描くと、ガラス繊維間の毛細管現象によって
滲みが現れ、非常に装飾性に優れた墨用被記録材を提供
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 清水 祐子 大阪府大阪市中央区南船場1丁目18番17号 ユニチカグラスファイバー株式会社内 Fターム(参考) 4L031 AB01 AB32 AB33 BA09 DA12 4L033 AA09 AB01 AB05 AB06 AC10 BA96 CA18 CA50 CA59 DA04 DA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス長繊維織編物を基材とすることを
    特徴とする墨用被記録材。
  2. 【請求項2】 ガラス長繊維織編物が目止め処理されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の墨用被記録材。
  3. 【請求項3】 目止め処理が、ガラス長繊維織編物の片
    面または両面を溶剤性または水溶性の樹脂で処理するこ
    とにより成されていることを特徴とする請求項2に記載
    の墨用被記録材。
  4. 【請求項4】 (a)抗菌、防腐または防虫処理、
    (b)シリコーン処理、および(c)酸化チタン処理か
    らなる群から選ばれる1以上の処理がなされていること
    を特徴とする請求項2または3に記載の墨用被記録材。
  5. 【請求項5】 織物が平織りであることを特徴とする請
    求項1〜4に記載の墨用被記録材。
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