JP2001353140A - X線撮影装置 - Google Patents

X線撮影装置

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JP2001353140A
JP2001353140A JP2000179533A JP2000179533A JP2001353140A JP 2001353140 A JP2001353140 A JP 2001353140A JP 2000179533 A JP2000179533 A JP 2000179533A JP 2000179533 A JP2000179533 A JP 2000179533A JP 2001353140 A JP2001353140 A JP 2001353140A
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ray
distance
points
axis
tube
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JP2000179533A
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Toshihide Toyoda
敏豪 豊田
Yukihiro Takumi
幸博 工
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単焦点式X線管だけの装備で被検体の撮影部位
における2点間の3次元距離の計測が行えるようにす
る。 【解決手段】この発明のX線撮影装置は、異なるX線照
射角度θ1,θ2で得られた各透過X線画像上で距離計
測対象規定用の各点を指定すると、単焦点式X線管3の
管球焦点3aの移動距離SLと、各点A,BのX線検出
面4Aでの投影位置の移動距離AL,BLとが求出され
るとともに、これら各求出移動距離SL,AL,BLに
基づき2点A,B間の距離が算出される構成を備えてお
り、距離算出結果に各点A,Bの深さ情報が折り込まれ
るので、単焦点式X線管3の装備だけで被検体の撮影部
位における2点A,B間の3次元距離を計測することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線照射手段に
よるX線の照射に伴ってX線検出手段から出力されるX
線検出データに基づき透過X線画像が作成表示されるよ
う構成されている医用又は工業用のX線撮影装置に係
り、特に被検体の撮影部位における任意の2点間の3次
元距離を計測するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】病院や診療所等に設置されている従来の
医用X線撮影装置は、被検体(患者)にX線を照射する
X線管とX線透過像検出用のX線検出器(例えばイメー
ジインテンシファイア)とが被検体を挟んで対向配置さ
れているX線撮像系を備えていて、X線管によるX線の
照射に伴ってX線検出器から出力されるX線検出データ
に基づき透過X線画像が作成されて表示モニタ等の画面
に映し出されるよう構成されている。
【0003】そして、X線撮影対象である被検体の撮影
部位における任意の2点間の3次元距離を計測したいこ
とが往々にしてある。例えば、透過X線画像に映し出さ
れた病変部分の大きさ(例えば血管における異常領域の
長さ)を計りたい場合がある。ただ、従来の透過X線画
像の場合、2点間の2次元距離しか計れない。なぜな
ら、1枚の透過X線画像は、深さ方向の情報が伴わない
単なる平面的な2次元画像に過ぎないからである。しか
し、3次元物体であるX線撮影対象の被検体における2
点間の距離は3次元距離であるので、2次元距離しか計
れない透過X線画像から2点間の距離を正確に計ること
は無理である。
【0004】一方、一般の医用X線撮影装置ではX線管
に単焦点式X線管が用いられているのであるが、立体撮
影(いわゆるステレオ撮影)の可能なX線撮影装置もあ
り、この装置の場合、被検体の同一部位についてX線照
射角度の異なる2枚の透過X線画像が簡単に得られるの
で、被検体Mの撮影部位における2点間の3次元距離の
計測が行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ステレオ撮影可能なX線撮影装置は、特殊な二焦点式X
線管を装備しなければならず、いきおい装置価格が高く
なったり、装置構成が複雑化したりするという問題があ
る。つまり、従来のステレオ撮影可能なX線撮影装置は
汎用性が乏しくて余り普及してはおらず、被検体Mの撮
影部位における2点間の3次元距離計測に十分に活用さ
れているとは言い難いのである。
【0006】この発明は、上記の事情に鑑み、単焦点式
X線管を装備するだけで被検体の撮影部位における任意
の2点間の3次元距離を計測することができるX線撮影
装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係るX線撮影装置は、被検体にX
線を照射するX線照射手段とX線透過像検出用のX線検
出手段とが被検体を挟んで対向配置されているX線撮像
系を備え、X線照射手段によるX線の照射に伴ってX線
検出手段から出力されるX線検出データに基づき透過X
線画像が作成表示されるよう構成されているとともに、
被検体の撮影部位における任意の2点A,B間の3次元
距離が計測できるよう構成されたX線撮影装置におい
て、X線照射手段として単焦点式X線管を備えていると
ともに、X線照射手段とX線検出手段との間隔は同じで
被検体の同一部位に対するX線照射角度が変わるよう単
焦点式X線管の位置を移動させるX線管移動手段と、透
過X線画像の上で距離計測対象の点A,Bを規定する点
を指定する画面入力手段と、X線管移動手段によるX線
照射角度の変化に伴って起こる単焦点式X線管の管球焦
点の移動距離を求出する焦点移動距離求出手段と、X線
照射角度の異なる二つの透過X線画像の上での距離計測
対象規定用の点の指定結果に従ってX線照射角度の変化
により生じる両点A,BについてのX線検出面での投影
位置の移動距離を各点A,B毎に求出する各点移動距離
求出手段と、求出された管球焦点の移動距離と各点A,
Bの投影位置の移動距離とに基づき2点A,B間の3次
元距離を算出する2点間距離算出手段とを備えている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載のX線
撮影装置において、X線撮像系では、X軸とY軸とが被
検体の体軸の方向と被検体の体軸に水平方向で直交する
方向とにそれぞれ対応し、Z軸が被検体の体軸と鉛直方
向で直交する方向に対応している3次元直交XYZ座標
が、距離計測用の座標として設定されているとともに、
単焦点式X線管の移動形態としてX軸の向きだけの移動
とY軸の向きだけの移動の少なくとも一方が行えるよう
構成されており、かつ透過X線画像の横軸Hと縦軸Vと
が3次元直交XYZ座標のX軸とY軸とにそれぞれ対応
している構成となっている。
【0009】〔作用〕次に、この発明に係るX線撮影装
置における作用を説明する。請求項1の発明のX線撮影
装置によるX線撮影において被検体の撮影部位における
2点A,B間の3次元距離を計測する場合、単焦点式X
線管によりX線撮影角度の異なる2枚の透過X線画像を
得るとともに、各透過X線画像それぞれの上でオペレー
タが画面入力手段を使って距離計測対象を規定する二つ
の点をそれぞれ指定する。
【0010】一方、請求項1の発明の管球焦点移動距離
求出手段はX線照射角度の変化に伴って起こる単焦点式
X線管の管球焦点の移動距離を求出する。他方、各点移
動距離求出手段は、X線照射角度の異なる二つの透過X
線画像に対する距離計測対象規定用の点の指定結果に従
ってX線照射角度の変化により生じる点A,Bについて
のX線検出面での投影位置の移動距離を各点A,B毎に
求出する。これに続いて、2点間距離算出手段は、求出
された管球焦点の移動距離及び各点A,Bの投影位置の
各移動距離とに基づき被検体の撮影部位における2点
A,B間の距離を算出する。
【0011】すなわち、請求項1のX線撮影装置では、
X線照射手段として装備する単焦点式X線管とX線検出
手段との間隔は変えずにX線照射角度を変えてX線撮影
を行った場合、X線照射角度の変化に伴って起こる管球
焦点の移動距離及び各点A,BのX線検出面での投影位
置の移動距離と、各点A,Bの被検体における深さ位置
との間に幾何学的な関係が成立するので、X線照射角度
の変化により起こる管球焦点の移動距離と各点A,Bの
投影位置の移動距離とを求出するとともに、これらの求
出結果に基づいて2点間の距離を算出することにより、
各点A,Bの深さ情報が距離算出結果に折り込めること
から、3次元距離を算出することができるのである。
【0012】また、請求項2の発明のX線撮影装置の場
合、X線撮像系では、X軸とY軸が被検体の体軸の方向
及び被検体の体軸に水平方向で直交する方向にそれぞれ
対応し、Z軸が被検体の体軸と鉛直方向で直交する方向
に対応するように設定された距離計測用の3次元直交X
YZ座標のX軸の向き又はY軸の向きのいずれか一方の
向きにだけ単焦点式X線管が移動させられてX線照射角
度が変化させられるので、X線管移動用の制御・操作は
簡単であるのに加え、各点A,BのX線検出面での投影
位置の移動も、3次元直交XYZ座標のX軸又はY軸の
いずれか一方の向きに動くだけの単純移動となり、各点
A,Bについての投影位置の移動距離の求出は簡単であ
る。
【0013】加えて、請求項2の発明のX線撮影装置で
は、透過X線画像における横軸Hと縦軸Vが3次元直交
XYZ座標のX軸とY軸とにそれぞれ対応していて、X
線照射角度の変化に伴う透過X線画像上での各点A,B
の移動も横軸Hの向きだけか又は縦軸Vの向きだけの単
純移動となるので、透過X線画像上で指定すべき距離計
測対象規定用の点の位置確認も容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】続いて、この発明の一実施例を図
面を参照しながら説明する。図1は実施例に係る医用X
線撮影装置の全体構成を示すブロック図である。図1の
実施例装置は、X線撮像系1と制御演算系2とから成
る。X線撮像系1には単焦点式X線管3やX線透過像検
出用のイメージインテンシファイア(I・I管)4等が
設けられている。制御演算系2にはデータ処理部5や表
示モニタ6等が設けられている。表示モニタ6には、単
焦点式X線管3による被検体MへのX線照射に伴ってI
・I管4から出力されるX線検出データに基づきデータ
処理部5で作成される透過X線画像が映し出されるよう
構成されている。以下、実施例装置の各部構成を具体的
に説明する。
【0015】実施例装置のX線撮像系1では、図1に示
すように、単焦点式X線管3とI・I管4が天板7の上
に載置された被検体Mを挟んで対向配置されており、単
焦点式X線管3により被検体MにX線照射が行われるの
に伴ってI・I管4におけるX線検出面4Aに被検体M
のX線透過像が投影されるとともに、I・I管4の後段
に設けられたTVカメラ4aから透過X線画像作成用の
X線検出データが制御演算系2の側へ送出される構成と
なっている。
【0016】一方、このX線撮像系1では、X軸が被検
体Mの体軸Maに水平方向で直交する方向に向いてい
て、Y軸が被検体Mの体軸Maの方向に向いており、か
つZ軸が被検体Mの体軸Maと鉛直方向で直交する方向
に向いている3次元直交XYZ座標がX線撮影中心CN
を原点として設定されている。又この3次元直交XYZ
座標は、被検体Mの撮影部位における2点間の3次元距
離を計測する際の座標にもなっているとともに、X軸が
透過X線画像の横軸(水平軸)Hに対応し、Y軸が透過
X線画像の縦軸(垂直軸)Vに対応している。
【0017】他方、実施例装置のX線撮像系1には、図
2に示すように、単焦点式X線管3とI・I管4との間
隔SID(Source Image-Intensifier Distance)は同じ
で被検体Mの同一部位に対するX線照射角度が変わるよ
う単焦点式X線管3の位置を移動させるX線管移動部8
と、X線照射角度の変化に伴う撮影中心CNの投影点が
I・I管4のX線検出面4Aの中心に常に一致するよう
にI・I管4を移動させるI・I管移動部9と、X線管
移動部8及びI・I管移動部9を制御するとともにX線
照射角度の変化に伴って起こる単焦点式X線管3の管球
焦点3aの移動距離SLとI・I管4の移動距離ILと
を求出するX線撮像用コンピュータ10とが備えられて
いる。X線撮像用コンピュータ10で求出された管球焦
点3aの移動距離SLやI・I管4の移動距離ILは適
時に制御演算系2の方へ送出される。
【0018】加えて、実施例装置の場合には、X線照射
角度変更のための単焦点式X線管3の位置の移動形態と
してX軸の向きだけの移動とY軸の向きだけの移動の両
方の移動態様のいずれでも選択することができるよう構
成されている。このように、単焦点式X線管3の位置の
移動がX軸の向きだけに動くかY軸の向きだけに動くと
いう単純移動の場合、X線管移動用の制御・操作が簡単
である。また、単焦点式X線管3の位置の移動距離は、
計測対象の種類,大きさ,透過X線画像の映り具合など
によって適当な値が選ばれるが、例えば10〜20cm
程度である。
【0019】なお、単焦点式X線管3に関しては、高電
圧発生器などを含む照射制御部11のコントロールによ
り、管電圧・管電流等の設定照射条件に従ってX線を照
射する構成となっている。また、X線撮像用コンピュー
タ10によるX線照射角度のコントロールや照射制御部
11によるX線照射のコントロールは、操作卓12や画
面入力用マウス(ポインティングデバイス)13からの
入力操作やX線撮影の進行状況などに応じて制御演算用
コンピュータ14から適時に送出される指令信号に従っ
て行われる構成となっている。
【0020】また、実施例装置の制御演算系2では、図
1に示すように、X線撮像系1の側から出力されるX線
検出データにAD変換やコントラスト調整などの必要な
信号処理を施して透過X線画像を作成するデータ処理部
5と、データ処理部5により作成される透過X線画像を
記憶するとともに必要に応じて記憶した透過X線画像を
表示モニタ6へ送り出す画像メモリ15を備えていて、
制御演算用コンピュータ14から適時に送出される指令
信号に従って透過X線画像の作成・記憶が行われるとと
もに画像メモリ15に記憶された透過X線画像が表示モ
ニタ6の画面に映し出される構成となっている。
【0021】そして、実施例のX線撮影装置は、上記の
ように単焦点式X線管3を装備しているだけであるが、
図3に示すように、被検体Mの撮影部位における点A
(Ax,Ay,Az)と点B(Bx,By,Bz)が示
す2点間の3次元距離Lが計測できるという特徴的な構
成を備えている。ここで、(Ax,Ay,Az),(B
x,By,Bz)は各点A,Bの3次元直交XYZ座標
系での位置を示しており、両点A,Bの間の3次元距離
Lは次の(1)式で示される。 L=√〔(LX)2 +(LY)2 +(LZ)2 〕・・・(1) 但し:LX=(Ax−Bx),LY=(Ay−By),
LZ=(Az−Bz) したがって、実施例のX線撮影装置の場合、最終的には
(1)式の3次元距離Lに相当する値を以下のようにし
て求めることになる。
【0022】即ち、実施例装置は、X線照射角度の変化
前と変化後のそれぞれで得られた透過X線画像の上での
距離計測対象規定用の点の指定結果に従ってX線照射角
度の変化により生じる点A,BについてのX線検出面4
Aでの投影位置の移動距離AL,BLを各点A,Bごと
に求出する各点移動距離求出部16と、単焦点式X線管
3の管球焦点3aの移動距離SLと各点A,Bの投影位
置の移動距離AL,BLとに基づき点A,Bの間の距離
を算出する2点間距離算出部17を特徴的な構成として
備えているのである。以下、この特徴的な構成について
詳しく説明する。
【0023】実施例装置において2点A,B間の3次元
距離の計測を行う場合、図4に示すように、X線照射角
度θ1で撮影した透過X線画像P1の上で距離計測対象
規定用の各点A1(A1h,A1v),B1(B1h,
B1v)をオペレータがマウス13を使って表示モニタ
6の画面から入力指定するとともに、図5に示すよう
に、X線照射角度θ2で撮影した透過X線画像P2の上
で距離計測対象規定用の各点A2(A2h,A2v),
B2(B2h,B2v)を同様にして指定する。なお、
(A1h,A1v),B1(B1h,B1v),(A2
h,A2v),(B2h,B2v)は各指定点A1,B
1,A2,B2の透過X線画像の上での位置である。
【0024】図6に示すように、I・I管4の位置の移
動によるX線照射角度の変化に伴ってX線検出面4Aで
は各点A,Bの投影位置が移動する。X線検出面4Aに
おける各点A,Bの投影位置の移動距離は各点A,Bの
位置の深さ(Z座標の値)に反比例するが、ここでは単
焦点式X線管3の位置の移動態様としてY軸の方向の向
きの移動が選択されているので、X線照射角度の変化に
伴う透過X線画像P1,P2の上での点A,Bの移動方
向は縦軸Vの向きだけであるので、透過X線画像P1か
ら透過X線画像P2に変わった際に透過X線画像P1,
P2上で指定すべき距離計測対象規定用の点A1〜B2
の位置確認も容易になる。両透過X線画像P1,P2に
対する指定操作が終了すれば、各点移動距離求出部16
が、下の(2),(3)式に従ってX線照射角度の変化
に伴うX線検出面4Aでの各点A,Bの投影位置の移動
距離AL,BLを求出する。
【0025】AL=ΔAL+IL・・・(2) BL=ΔBL+IL・・・(3) 但し:ILはX線照射角度の変化に伴ったI・I管の移
動距離、ΔALは、透過X線画像P1で指定した点A1
と透過X線画像P2で指定した点A2の位置の差を像比
率(画像倍率)を勘案してX線検出面4Aでの距離に換
算した値,ΔBLは、透過X線画像P1で指定した点B
1と透過X線画像P2で指定した点B2の位置の差を像
比率を勘案してX線検出面4Aでの距離に換算した値で
ある。ここでは、透過X線画像P1,P2の上での点
A,Bの移動方向は縦軸Vの向きだけであるので、αを
X線検出面4Aでの投影画像と透過X線画像との間の像
比率に応じて決まる換算用定数として、ΔAL=α(A
1v−A2v),ΔBL=α(B1v−B2v)とな
る。このように、X線照射角度の変化に伴う各点A,B
のX線検出面4Aでの投影位置の移動が、3次元直交X
YZ座標の特定の一つの座標軸の向きに動くだけの単純
移動の場合、各点A,Bについての投影位置の移動距離
が求出し易い。
【0026】一方、図6に示すように、各点A,Bの深
さ位置Az,Bzに関しては三角形の相似によりAz:
(SID−Az)=SL:ALと、Bz:(SID−B
z)=SL:BLという関係がそれぞれ成立するので、
2点間距離算出部17は、下の(4),(5)式に従っ
て各点A,Bの深さ位置Az,Bzを算出した後、
(6)式に従って(LZ)2 を算出する。 Az=SID×SL/(AL+SL)・・・(4) Bz=SID×SL/(BL+SL)・・・(5) (LZ)2 =(Az−Bz)2 ・・・(6) これで上の(1)式の中の点A,Bの間の距離の深さ情
報である(LZ)2 が算出されたことになる。
【0027】他方、図7に示すように、X線検出面4A
での点A,Bの間の2次元距離Ldに関しては三角形の
相似によりLd:SID=Lxy:(Az+Bz)/2
という関係(即ちLxy=〔Ld(Az+Bz)/2〕
/SID)なる関係)が成立する。そして、この関係に
従って2点間距離算出部17は次のようにして上の
(1)式の中の残りの項の〔(LX)2 +(LY)2
に相当する値を算出する。なお、Lxyは点A,Bの真
ん中の深さ(Az+Bz)/2の位置の仮想水平面に投
影される点A,Bの間の2次元距離である。
【0028】まず、2点間距離算出部17は、下の
(7)式又は(8)式とX線検出面4Aでの投影画像と
透過X線画像P1の間の像比率に従ってX線検出面4A
での点A,Bの間の2次元距離Ldの2乗を算出する。 Ld2 =β〔(A1h−B1h)2 +(A1v−B1v)2 〕・・・(7) Ld2 =β〔(A2h−B2h)2 +(A2v−B2v)2 〕・・・(8) 但し:βはX線検出面4Aでの投影画像と透過X線画像
の間の像比率に応じて決まる換算用定数である。
【0029】続いて、2点間距離算出部17は、下の
(9)式に従って点A,Bの真ん中の深さ(Az+B
z)/2の位置の平面に投影される点A,Bの間の2次
元距離(Lxy)の2乗を算出する。 (Lxy)2 =〔Ld(Az+Bz)/2〕2 /SID2 ・・・(9) この(Lxy)2 は実質的に〔(LX)2 +(L
Y)2 〕と見なすことができるので、上の(1)式は次
の(10)式と等価となる。したがって、さらに2点間
距離算出部17は、これまでに算出した(LZ)2
(Lxy)2 を下の(10)式に適用して点A,B間の
3次元距離Lを算出する。 L=√〔(Lxy)2 +(LZ)2 〕・・・(10) なお、算出された点A,B間の3次元距離Lは、制御演
算用コンピュータ14により必要に応じて表示モニタ6
の画面に重畳表示されたりする。
【0030】続いて、以上に述べた構成を有する実施例
のX線撮影装置による3次元距離計測の進行プロセスを
図面を参照しながら説明する。図8は実施例装置による
3次元距離計測の進行状況を示すフローチャートであ
る。以下では、被検体Mを天板7に載せた後、天板7を
移動させて被検体Mを撮影位置にセットした以降につい
て説明する。
【0031】〔ステップS1〕X線照射角度θ1でX線
撮影を実行して、図4に示すように、透過X線画像P1
を得て表示モニタ6の画面に映し出す。
【0032】〔ステップS2〕オペレータがマウス13
を使って距離計測対象規定用の二つの点A1,B1を透
過X線画像P1の上で入力して指定する。
【0033】〔ステップS3〕単焦点式X線管3の位置
を移動してX線照射角度θ2でX線撮影を実行して、図
5に示すように、透過X線画像P2を得て表示モニタ6
の画面に映し出す。
【0034】〔ステップS4〕オペレータがマウス13
を使って距離計測対象規定用の二つの点A2,B2を透
過X線画像P2の上で入力して指定する。
【0035】〔ステップS5〕X線撮像用コンピュータ
10により単焦点式X線管3の管球焦点3aの移動距離
SLとI・I管4の移動距離ILが求出されて制御演算
系2の側へ送出される。
【0036】〔ステップS6〕各点移動距離求出部16
によりX線照射角度θ1からX線照射角度θ2への変化
に伴うX線検出面4Aでの各点A,Bの投影位置の移動
距離AL,BLが求出される。
【0037】〔ステップS7〕2点間距離算出部17に
より各点A,Bの深さ位置Az,Bz及び深さ情報(L
Z)2 が算出される。
【0038】〔ステップS8〕2点間距離算出部17に
よりX線検出面4Aでの点A,Bの間の2次元距離Ld
の2乗、すなわち(Ld)2 が算出される。
【0039】〔ステップS9〕2点間距離算出部17に
より点A,Bの真ん中の深さ(Az+Bz)/2の位置
の仮想水平面に投影される点A,Bの間の2次元距離
(Lxy)の2乗、すなわち(Lxy)2 が算出され
る。
【0040】〔ステップS10〕深さ情報(LZ)2
点A,Bの間の2次元距離2乗(Lxy)2 に従って2
点間距離算出部17により被検体Mの撮影部位における
2点A,B間の距離Lが算出される。
【0041】上記のように、実施例のX線撮影装置によ
れば、被検体Mの撮影部位における2点A,B間の距離
Lの算出式である(10)式、つまりL=√〔(Lx
y)2+(LZ)2 〕に示されるように、後者の(L
Z)2 の分が2点A,B間の距離算出結果に各点A,B
の深さ情報として折り込まれるので、単焦点式X線管3
を装備するだけであっても、2点A,B間の3次元距離
を計測することができる。
【0042】この発明は、上記実施の形態に限られるこ
とはなく、下記のように変形実施することができる。 (1)実施例装置の場合、X線照射角度変更のための単
焦点式X線管3の位置の移動形態としてX軸の向きだけ
の移動とY軸の向きだけの移動のいずれかを選択するこ
とができるよう構成されていたが、X線照射角度変更の
ための単焦点式X線管3の位置の移動形態としてX軸の
向きだけの移動とY軸の向きだけの移動のいずれか一方
のみしか出来ない構成のX線撮影装置が、変形例として
挙げられる。また、X線照射角度変更のための単焦点式
X線管3の位置の移動形態としてX軸の向きの移動とY
軸の向きの移動の両方の移動が同時に起こる構成のX線
撮影装置も、変形例として挙げられる。
【0043】(2)実施例の装置では、X線透過像検出
用のX線検出器がI・I管であったが、X線透過像検出
用のX線検出器が多数の半導体X線検出素子が縦横に配
列されたフラットパネル型X線検出器である構成のX線
撮影装置も、変形例として挙げることができる。
【0044】(3)実施例のX線撮影装置は医用であっ
たが、この発明のX線撮影装置は、医用に限らず工業用
であってもよい。
【0045】(4)実施例の装置の場合、X線照射角度
の変更に伴ってI・I管も移動する構成になっていた
が、X線照射角度の変更により透過X線像がI・I管の
X線検出面を外れないのであれば、必ずしもI・I管は
移動させなくてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1の発明
のX線撮影装置によれば、X線照射手段である単焦点式
X線管とX線検出手段との間隔は同じでX線照射角度の
異なる各透過X線画像上で距離計測対象規定用の各点を
指定すれば、被検体における3次元距離計測対象を示す
点A,Bの深さ位置との間で一義的な関係を成立させる
パラメータ、即ち単焦点式X線管の管球焦点の移動距離
及び各点A,BのX線検出面での投影位置の移動距離が
求出されるとともに、求出された管球焦点の移動距離及
び各点A,Bの投影位置の移動距離に基づき2点A,B
間の距離が算出される構成を備えており、2点間の距離
算出結果に各点A,Bの深さ情報が折り込まれるので、
単焦点式X線管を装備するだけであっても被検体の撮影
部位における2点A,B間の3次元距離を計測すること
ができる。
【0047】また、請求項2の発明のX線撮影装置によ
れば、X線照射角度の変化に際しては距離計測用座標と
して設定されている3次元直交座標の特定の一つの座標
軸の向きにだけ単焦点式X線管が移動させられる構成で
あるので、X線管移動用の制御・操作が簡単である上
に、X線照射角度の変化に伴う各点A,BのX線検出面
での投影位置の移動も、3次元直交XYZ座標の特定の
一つの座標軸の向きに動くだけの単純移動であるので、
各点A,Bについての投影位置の移動距離が求出し易
い。さらに、請求項2の発明のX線撮影装置によれば、
透過X線画像における横軸Hと縦軸Vが3次元直交XY
Z座標の特定の座標軸と対応する構成であるので、X線
照射角度の変化に伴う透過X線画像上での各点A,Bの
移動も横軸Hの向きだけか又は縦軸Vの向きだけの単純
移動であるので、透過X線画像上で指定すべき距離計測
対象規定用の点の位置確認も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線撮影装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】実施例装置におけるX線照射角度の変化を示す
模式図である。
【図3】実施例装置により撮影する被検体の撮影部位を
示す模式図である。
【図4】X線照射角度θ1の透過X線画像に対する距離
計測対象規定用の点の入力状況を示す模式的平面図であ
る。
【図5】X線照射角度θ2の透過X線画像に対する距離
計測対象規定用の点の入力状況を示す模式的平面図であ
る。
【図6】X線照射角度の変化に伴う距離計測対象を示す
各点A,BのX線検出面での投影位置の移動状況を示す
模式図である。
【図7】距離計測対象を示す点A,B間の距離のX線検
出面への投影状況を示す模式図である。
【図8】実施例装置による3次元距離計測の進行状況を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 …X線撮像系 2 …制御演算系 3 …単焦点式X線管 3a …管球焦点 4 …I・I管 4A …X線検出面 5 …データ処理部 6 …表示モニタ 8 …X線管移動部 10 …X線撮像用コンピュータ 13 …画面入力用マウス 14 …制御演算用コンピュータ 16 …各点移動距離求出部 17 …2点間距離算出部 A,B …点 A1,B1 …距離計測対象規定用の点 A2,B2 …距離計測対象規定用の点 AL,BL …投影位置の移動距離 L …3次元距離 M …被検体 Ma …被検体の体軸 SID …単焦点式X線管とI・I管の間隔 SL …管球焦点の移動距離 P1,P2 …透過X線画像

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体にX線を照射するX線照射手段とX
    線透過像検出用のX線検出手段とが被検体を挟んで対向
    配置されているX線撮像系を備え、X線照射手段による
    X線の照射に伴ってX線検出手段から出力されるX線検
    出データに基づき透過X線画像が作成表示されるよう構
    成されているとともに、被検体の撮影部位における任意
    の2点A,B間の3次元距離が計測できるよう構成され
    たX線撮影装置において、X線照射手段として単焦点式
    X線管を備えているとともに、X線照射手段とX線検出
    手段との間隔は同じで被検体の同一部位に対するX線照
    射角度が変わるよう単焦点式X線管の位置を移動させる
    X線管移動手段と、透過X線画像の上で距離計測対象の
    点A,Bを規定する点を指定する画面入力手段と、X線
    管移動手段によるX線照射角度の変化に伴って起こる単
    焦点式X線管の管球焦点の移動距離を求出する焦点移動
    距離求出手段と、X線照射角度の異なる二つの透過X線
    画像の上での距離計測対象規定用の点の指定結果に従っ
    てX線照射角度の変化により生じる両点A,Bについて
    のX線検出面での投影位置の移動距離を各点A,B毎に
    求出する各点移動距離求出手段と、求出された管球焦点
    の移動距離と各点A,Bの投影位置の移動距離とに基づ
    き2点A,B間の3次元距離を算出する2点間距離算出
    手段とを備えていることを特徴とするX線撮影装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のX線撮影装置において、
    X線撮像系では、X軸とY軸とが被検体の体軸の方向と
    被検体の体軸に水平方向で直交する方向とにそれぞれ対
    応し、Z軸が被検体の体軸と鉛直方向で直交する方向に
    対応している3次元直交XYZ座標が、距離計測用の座
    標として設定されているとともに、単焦点式X線管の移
    動形態としてX軸の向きだけの移動とY軸の向きだけの
    移動の少なくとも一方が行えるよう構成されており、か
    つ透過X線画像の横軸Hと縦軸Vとが3次元直交XYZ
    座標のX軸とY軸とにそれぞれ対応しているX線撮影装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EA020939B1 (ru) * 2012-05-31 2015-02-27 Закрытое акционерное общество научно-исследовательская производственная компания "Электрон" (ЗАО НИПК "Электрон") Способ определения геометрических смещений сенсоров в плоскопанельном детекторе рентгеновского изображения
RU2545503C1 (ru) * 2013-11-13 2015-04-10 Закрытое акционерное общество научно-исследовательская производственная компания "Электрон" (ЗАО НИПК "Электрон") Способ определения геометрических смещений сенсоров в плоскопанельном детекторе рентгеновского изображения
CN112472109A (zh) * 2019-09-12 2021-03-12 通用电气精准医疗有限责任公司 校准方法及x射线成像系统

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