JP2001349831A - ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の測定方法 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の測定方法Info
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Abstract
に測定する方法を提供し、さらには添加剤濃度を調節
し、所望の添加剤濃度を有するポリオレフィン系樹脂と
添加剤からなる組成物の製造方法を提供する。 【解決手段】 既知の添加剤濃度と近赤外領域(4000〜1
2500cm-1)の 20 cm-1以下毎の波数において赤外分光光
度計を用いて測定して得られた各々の吸光度とから予め
多変量解析の方法により決定した相関関係を適用して吸
光度の測定値からポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度
を測定する方法、添加剤濃度を調節する方法、及び所望
の添加剤濃度を有するポリオレフィン系樹脂と添加剤か
らなる組成物の製造方法。
Description
樹脂中の添加剤濃度の測定方法に関する。
耐久性の改善あるいは増量等の種々の目的で各種の添加
剤が添加されている。これらの添加剤を含むポリオレフ
ィン系樹脂又は未添加のポリオレフィン系樹脂の工業的
生産に際しては、何らかのトラブルにより添加剤が過剰
添加されたり、非添加品に添加剤が混入することがあ
り、成形体(例えばフィルム)の成形時に表面の欠陥(フ
ィッシュ・アイ等)として問題になったり、トラブルの
発見および対処の遅れから品質規格外品が大量に生産さ
れたりすることがある。そのため、生産時においてポリ
オレフィン系樹脂中の添加剤濃度を迅速に測定しトラブ
ルに対処することが望まれるが、従来、添加剤濃度を有
効に且つ迅速に測定する方法は見出されていなかった。
ィン系樹脂中の添加剤濃度を迅速に測定でき、測定時間
を大幅に短縮できる方法を提供し、さらには添加剤濃度
を調節し、所望の添加剤濃度を有するポリオレフィン系
樹脂組成物を製造し得る方法を提供することを目的とす
るものである。
を解決するため種々検討を進めた結果、既知の添加剤濃
度と近赤外領域(4000〜12500cm-1)の20 cm-1以下毎の波
数において赤外分光光度計を用いて測定して得られた各
々の吸光度とから予め多変量解析の方法により決定した
相関関係を適用すれば、添加剤濃度を迅速に測定でき、
ポリオレフィン系樹脂の分野の従来からの課題を解決で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、以下の手段により前記の課題を解決する
ものである。 (1) 近赤外吸収スペクトルを用いるポリオレフィン
系樹脂中の添加剤濃度の測定方法であって、既知の添加
剤濃度と近赤外領域(4000〜12500cm-1)の 20 cm- 1以下
毎の波数において赤外分光光度計を用いて測定して得ら
れた各々の吸光度とから予め多変量解析の方法により決
定した相関関係を適用して吸光度の測定値から添加剤濃
度を求めることを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂中
の添加剤濃度の測定方法。 (2) 近赤外吸収スペクトルを用いてポリオレフィン
系樹脂中の添加剤濃度を測定し調節する方法であって、
既知の添加剤濃度と近赤外領域(4000〜12500cm-1)の20
cm-1以下毎の波数において赤外分光光度計を用いて測定
して得られた各々の吸光度とから予め多変量解析の方法
により決定した相関関係を適用して吸光度の測定値から
添加剤濃度を求め、添加剤濃度の測定値及び所望値に呼
応して、測定値と所望値の差が設定値以下になるように
工程制御コンピューターによって添加剤及び/又はポリ
オレフィン系樹脂の配合量を制御することを特徴とす
る、ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の調節方法。 (3) 近赤外吸収スペクトルを用いてポリオレフィン
系樹脂中の添加剤濃度を測定し、添加剤及び/又はポリ
オレフィン系樹脂の配合量を制御して所望の添加剤濃度
を有するポリオレフィン系樹脂と添加剤からなる組成物
を製造する方法であって、既知の添加剤濃度と近赤外領
域(4000〜12500cm-1)の20 cm-1以下毎の波数において赤
外分光光度計を用いて測定して得られた各々の吸光度と
から予め多変量解析の方法により決定した相関関係を適
用して吸光度の測定値から添加剤濃度を求め、添加剤濃
度の測定値及び所望値に呼応して、測定値と所望値の差
が設定値以下になるように、工程制御コンピューターに
より、添加剤及び/又はポリオレフィン系樹脂の配合量
を制御して、所望の添加剤濃度を有するポリオレフィン
系樹脂と添加剤からなる組成物を製造することを特徴と
する、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂が好ましく、添加剤としてはアンチブロッキング
剤、酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤な
どが好ましい。
赤外領域(4000〜12500cm-1)の20 cm -1以下毎の波数にお
ける吸光度を測定するが、近赤外領域は6000〜10000cm
-1が好ましく、さらに好ましくは8800〜10000cm-1であ
り、測定波数は10cm-1以下毎が好ましい。
機の押出機から出た溶融樹脂流れを分岐するのが好まし
く、分岐した流れをプローブ(セル)中を流して測定す
る。本発明による添加剤濃度の測定は添加剤がポリオレ
フィン系樹脂中に溶解せず分散して存在すること、及び
ポリオレフィン系樹脂中の微量の添加剤濃度の測定であ
るところから、分岐された溶融樹脂が流れている状態で
測定することが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂
中の微量の添加剤濃度の測定であるため、近赤外領域(4
000〜12500cm-1)のできるだけ広い波長領域で、20 cm-1
以下毎の波数において測定することが好ましい。
しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
説明図であり、ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の
測定システムを示す。図2は添加剤濃度の測定に用いる
近赤外線吸収スペクトル図の例であり、図3は本発明で
造粒したときの近赤外線分光分析計(横河電機製、商品
名FIR1000)の測定画面を表示する図であり、図
4は添加剤濃度の実験値(ラボ値)と予測値の相関を示
す図である。 (1) ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の測定シ
ステム 図1においてポリオレフィン系樹脂中に添加剤を添加し
た組成物を造粒機の押出機から出た溶融樹脂流れを分岐
し、分岐した流れをプローブ(セル)中を流し、そのセ
ルに、トランセプト干渉計からの近赤外線を光ファイバ
ーを通してプローブ中の溶融樹脂(ポリプロピレン)に
照射して溶融樹脂の吸光度を測定する。プローブを透過
した近赤外線を光ファイバーを経由してInAs(電子
冷却)検出器に入力し、ここで光信号を電気信号に変換
し、次いでA/D変換し、変換された信号をCPUに送
り、FFT及びデータ処理を行う。
外線吸収スペクトル図の例であり、ポリプロピレンに二
酸化ケイ素(シリカ)を添加した組成物の近赤外吸収ス
ペクトルである。図2の複数のスペクトルをシリカ濃度
に対応させて各々、順に0、1、2、3、4、5、6、
7、8、9とすると、4cm-1毎の各々の波数における吸
光度は下記の表1のようになる。
ソフトウェアを用いてSiO2濃度と吸光度の相関を求
め、下記の関係式(1)を得る。 [SiO2濃度]= f (k4000*A4000, k4004*A4004, … ,
k10000*A10000) (ここに k4000, k4004, … k10000 は重み付けの因子) 図4に添加剤濃度の実験値(ラボ値)と予測値の相関を
示す。吸光度(A4000, A4004,… A10000)を測定し、そ
の実測値と式(1)から[SiO 2濃度]が得られる。この
測定結果を考慮し、設定の[SiO2濃度]になるように、
シリカの配合量を制御する。
W)を用いた設備において、ダイプレート手前に分岐管
を設置し、内部の溶融樹脂の一部をこの分岐官に設置し
た、近赤外線分光分析計(横河電機製、商品名FIR1
000)の測定セルを通過させてSiO2の連続濃度測
定を実施した。この設備の構成図を図1に示す。
加の各種ポリプロピレンを造粒した。SiO2濃度を連
続測定することにより、フィルム製膜時に表面の欠陥と
して問題となる過剰添加および非添加品への混入を監視
することができた。これにより、何らかのトラブルによ
って、SiO2濃度が正規値から外れた場合でも速やか
に検知可能となり、これまでフィルム製膜するまでわか
らなかった過剰添加や混入のトラブル検知に関して大幅
な時間短縮が実現した。さらに、この検知時間の遅れか
ら、これまでSiO2濃度異常部分の混入により、該当
ロット全体が品質規格外になっていたものが、異常部分
のみの除外が可能になったため大幅な品質規格外品の削
減がはかれた。
しては、近赤外線分光分析計で測定した波数、1200
0〜4000カイザーの波長域の近赤外光から得られた
スペクトルにおいて、SiO2濃度によってスペクトル
の傾きが変化する規則性を見出し、検量線を作成して測
定をした。この規則性は、SiO2濃度が増加するほ
ど、短波長側の光の吸光度が増加することによってスペ
クトル全体が傾くことから見出された。図2は、この時
測定されたスペクトルである。なお、この図ではスペク
トルの傾きが判別しやすい様にベースライン補正を実施
した。さらに図3は本設備で造粒したときの近赤外線分
光分析計(横河電機製、商品名FIR1000)の測定
画面である。
中の添加剤濃度を迅速に測定でき、従来に比べ測定時間
を大幅に短縮できる。そのため、成形体(例えばフィル
ム)の成形時に表面の欠陥を防止することができ、ま
た、品質規格外品が大量に生産されるのを防止すること
ができる。
る。
外線吸収スペクトル図の例である。
測定画面を表示する図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 近赤外吸収スペクトルを用いるポリオレ
フィン系樹脂中の添加剤濃度の測定方法であって、既知
の添加剤濃度と近赤外領域(4000〜12500cm-1)の 20 cm
-1以下毎の波数において赤外分光光度計を用いて測定し
て得られた各々の吸光度とから予め多変量解析の方法に
より決定した相関関係を適用して吸光度の測定値から添
加剤濃度を求めることを特徴とする、ポリオレフィン系
樹脂中の添加剤濃度の測定方法。 - 【請求項2】 近赤外吸収スペクトルを用いてポリオレ
フィン系樹脂中の添加剤濃度を測定し調節する方法であ
って、既知の添加剤濃度と近赤外領域(4000〜12500c
m-1)の20 cm-1以下毎の波数において赤外分光光度計を
用いて測定して得られた各々の吸光度とから予め多変量
解析の方法により決定した相関関係を適用して吸光度の
測定値から添加剤濃度を求め、添加剤濃度の測定値及び
所望値に呼応して、測定値と所望値の差が設定値以下に
なるように工程制御コンピューターによって添加剤及び
/又はポリオレフィン系樹脂の配合量を制御することを
特徴とする、ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の調
節方法。 - 【請求項3】 近赤外吸収スペクトルを用いてポリオレ
フィン系樹脂中の添加剤濃度を測定し、添加剤及び/又
はポリオレフィン系樹脂の配合量を制御して所望の添加
剤濃度を有するポリオレフィン系樹脂と添加剤からなる
組成物を製造する方法であって、既知の添加剤濃度と近
赤外領域(4000〜12500cm-1)の20 cm-1以下毎の波数にお
いて赤外分光光度計を用いて測定して得られた各々の吸
光度とから予め多変量解析の方法により決定した相関関
係を適用して吸光度の測定値から添加剤濃度を求め、添
加剤濃度の測定値及び所望値に呼応して、測定値と所望
値の差が設定値以下になるように、工程制御コンピュー
ターにより、添加剤及び/又はポリオレフィン系樹脂の
配合量を制御して、所望の添加剤濃度を有するポリオレ
フィン系樹脂と添加剤からなる組成物を製造することを
特徴とする、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000172241A JP2001349831A (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の測定方法 |
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Publications (1)
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---|---|
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ID=18674671
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JP2000172241A Pending JP2001349831A (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | ポリオレフィン系樹脂中の添加剤濃度の測定方法 |
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JP (1) | JP2001349831A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008164594A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-07-17 | Institute Of Physical & Chemical Research | 電磁波を用いた検出方法、及び検出装置 |
CN107655848A (zh) * | 2017-09-29 | 2018-02-02 | 安徽同心化工有限公司 | 一种石油树脂中抗氧剂含量的检测方法及其检测模型的建立方法 |
-
2000
- 2000-06-08 JP JP2000172241A patent/JP2001349831A/ja active Pending
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CN107655848A (zh) * | 2017-09-29 | 2018-02-02 | 安徽同心化工有限公司 | 一种石油树脂中抗氧剂含量的检测方法及其检测模型的建立方法 |
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