JP2001348164A - 紡糸巻取機 - Google Patents

紡糸巻取機

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JP2001348164A
JP2001348164A JP2000179385A JP2000179385A JP2001348164A JP 2001348164 A JP2001348164 A JP 2001348164A JP 2000179385 A JP2000179385 A JP 2000179385A JP 2000179385 A JP2000179385 A JP 2000179385A JP 2001348164 A JP2001348164 A JP 2001348164A
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yarn
bobbin holder
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JP2000179385A
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English (en)
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Satoshi Nomura
聡 野村
Katsufumi Muta
勝文 牟田
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フィードフォワード制御時の計算式中のパラ
メータに設定されている値が適正であるか否かを確認す
ることができ、不良パッケージの発見が可能であり、ま
たフィードフォワード制御時の計算式中のパラメータに
設定されている値を適正な値にすることができ、不良パ
ッケージの製造を防止することができる紡糸巻取機を提
供する。 【解決手段】 糸巻取管Bに糸条Yを巻き始めてから所
望量の糸が巻かれるまでの間、計算式に基づいてボビン
ホルダ12の回転速度をフィードフォワード制御し、そ
の後、コンタクトローラ14の回転速度に基づいてボビ
ンホルダ12の回転速度をフィードバック制御する紡糸
巻取機において、上記フィードバック制御時のボビンホ
ルダ12の回転速度指令値と上記フィードフォワード制
御時の計算式とに基づいて上記フィードフォワード制御
時の計算式中のパラメータの適正値を求める点検手段が
設けられているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸された合成繊
維フィラメント糸条を巻き取る紡糸巻取機に係わり、特
に、糸巻取管に糸条を巻き始めてから所望の糸条が巻か
れるまでの間、コンタクトローラを糸巻取管から浮かせ
た状態にするか、又はコンタクトローラを糸巻取管に所
定接圧より低い接圧で接触させた状態にし、その後、コ
ンタクトローラを糸条が巻かれた糸巻取管に所定接圧で
接触させ、又は押しつけるようにした、所謂、浮かせ
巻、ソフトタッチ巻を行う紡糸巻取機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】巻き始め時の糸巻取管や糸条の保護のた
め、上述した浮かせ巻、或いはソフトタッチ巻を行う紡
糸巻取機は、既に知られている。この種の紡糸巻取機に
おいては、糸条の巻取速度を所定速度に保つため、ボビ
ンホルダの回転速度を糸巻取管への糸巻取量の増加に伴
い漸減する必要があり、これを実行するために、浮かせ
巻或いはソフトタッチ巻の区間においては、ボビンホル
ダの回転速度を計算式に基づいてフィードフォワード制
御し、浮かせ巻或いはソフトタッチ巻区間の終了後にお
いては、ボビンホルダの回転速度をコンタクトローラの
回転速度に基づいてフィードバック制御するようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記フィードフォワー
ド制御時の計算式は論理式であり、次の式(数1)で表
される。
【0004】
【数1】
【0005】 ω :巻き始めからt時間後のボビンホルダ回転速度指
令値(以下BH指令速度という) ω0 :ボビンホルダ回転速度初期指令値(巻き始め時の
BH指令速度) Q :吐出量 W :トラバース幅 ρ :巻き密度 R0 :紙管半径 t :巻き始めからの経過時間 上記式中のtを除くパラメータには、予め決められた値
が代入され設定される。この代入され設定される値が実
際の値と大きく異なっていると、フィードフォワード制
御時、ボビンホルダの回転速度を適正な回転速度に保つ
ことができず、フィードフォワード制御時に巻かれた糸
条の品質とフィードバック制御時に巻かれた糸条の品質
との間に大きな異なりが生じる。
【0006】とりわけ、上記パラメータの中で、ボビン
ホルダ回転速度初期指令値については、次のような問題
がある。ボビンホルダ回転速度初期指令値は、下記式
(数3)で示すように、糸巻取管の外周半径をパラメー
タとして求められる。この糸巻取管の外周半径は、他の
パラメータのように、実際上、安定した値をとるという
ものではなく、糸巻取管が異なれば変わる場合があり、
適正値に正確に設定し難いという問題がある。適正値に
正確に設定しようとすれば、糸巻取管の外周半径を予め
測定し、糸巻取管が変わる毎に設定値を変更すれば良い
が、これは実際上、不可能なことである。また、糸巻取
管の管理を徹底し、一定径の糸巻取管を供給するように
すれば解決するが、これもかなり大変なことである。
【0007】糸巻取管の外周半径は、糸巻取管1本毎に
異なるわけではなく、ある大きな単位(ロット単位)で
異なることが多いが、従来は、糸巻取管の外周半径が異
なったことが判らず、多数の糸巻取管に不良の糸条を巻
取って多数の不良パッケージを製造し、出荷した後で、
それが発見されるという事態が発生する恐れがあった。
【0008】
【数3】
【0009】Ys ;糸速 そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、フィード
フォワード制御時の計算式中のパラメータに設定されて
いる値が適正であるか否かを確認することができ、不良
パッケージの発見が可能な紡糸巻取機、又は、フィード
フォワード制御時の計算式中のパラメータに設定されて
いる値を適正な値にすることができ、不良パッケージの
製造を防止することができる紡糸巻取機、とりわけ、こ
のことがボビンホルダ回転数初期指令値のパラメータに
ついて可能な紡糸巻取機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、糸条を巻き取る糸巻取管が装着
されるボビンホルダと、ボビンホルダを回転駆動するボ
ビンホルダ駆動手段と、糸巻取管に糸条を導くためのコ
ンタクトローラと、糸巻取管に糸条を巻き始めてから所
望量の糸が巻かれるまでの間、計算式に基づいてボビン
ホルダの回転速度をフィードフォワード制御し、その
後、コンタクトローラの回転速度に基づいてボビンホル
ダの回転速度をフィードバック制御する紡糸巻取機にお
いて、上記フィードバック制御時のボビンホルダの回転
速度指令値と上記フィードフォワード制御時の計算式と
に基づいて上記フィードフォワード制御時の計算式中の
パラメータの適正値を求める点検手段が設けられている
紡糸巻取機である。
【0011】請求項2の発明は、上記求めたパラメータ
の適正値と上記計算式中のパラメータに設定されている
値との差が所定範囲を越えているときにアラームを出力
することを特徴とする請求項1に記載の紡糸巻取機であ
る。
【0012】請求項3の発明は、上記計算式中のパラメ
ータに設定されている値を上記求めたパラメータの適正
値に補正する請求項1又は2に記載の紡糸巻取機であ
る。
【0013】請求項4の発明は、上記フィードフォワー
ド制御時の計算式中のパラメータがボビンホルダ回転速
度初期指令値である請求項1〜3のいずれかに記載の紡
糸巻取機である。
【0014】なお、パラメータの正規の値を求めるに
は、上記フィードバック制御時のボビンホルダ回転速度
指令値を少なくとも2点検出することが必要である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。なお、以下に説明する
実施形態は、浮かせ巻を行う紡糸巻取機の例であるが、
本発明はソフトタッチ巻を行う紡糸巻取機にも適用可能
である。
【0016】先ず、本実施の形態の紡糸巻取機の全体構
成を図1、図6で説明する。
【0017】本実施の形態の紡糸巻取機10は、図1,
図6に示すように、機本体11に、2本のボビンホルダ
12が突設されたタレット板13が設けられ、そのタレ
ット板13が180度回転して、ボビンホルダ12を巻
取位置と待機位置とに切り替えるようにされ、そのボビ
ンホルダ12の上部に、コンタクトローラ14を備えた
スライドボックス15が機本体11に昇降自在に設けら
れて構成され、紡糸されて連続的に供給される複数本の
糸条Yを、巻取位置のボビンホルダ12に挿通された複
数個の紙管(糸巻取管)Bに、コンタクトローラ14を
接触させて回転させると共にスライドボックス15と対
向して各ボビン毎に設けたトラバース装置16で各糸条
Yを綾振りながら巻き取って複数個のパッケージPを形
成するものである。
【0018】この紡糸巻取機においては、巻取開始直後
において、紙管B及び該紙管Bに巻き付けられる糸の損
傷を防ぐために、紙管Bに糸条Yを巻き始めてから所望
量の糸条Yが巻かれるまでの間、図2に示すように、コ
ンタクトローラ14を紙管Bから離し、ボビンホルダ1
2の回転で直接糸条を巻き取る浮かせ巻を行い、紙管B
に巻かれた糸層がある程度の厚さになったときに、コン
タクトローラ14を接触させ、以後は満巻になるまで、
その状態で巻き取るようにしている。
【0019】この紡糸巻取機では、ボビンホルダ12の
回転速度を、プログラムされた計算式に基づいて、糸層
の増加と共に漸減させ、一定時間経過後は、コンタクト
ローラ14を糸層に接触させ、そのコンタクトローラ1
4の回転速度に基づいてコンタクトローラ14の回転速
度を一定とするように、ボビンホルダ12の回転速度を
フィードバック制御するようにしている。
【0020】浮かせ巻時のボビンホルダ12の回転速度
制御は、コンタクトローラ14と接触しておらず、コン
タクトローラ14の回転速度を一定にするフィードバッ
ク制御ができないため、前述した計算式(数1)を用い
たフィードフォワード制御を行ってボビンホルダ12の
指令速度(回転速度指令値;以下BH指令速度という)
を漸減させている。
【0021】
【数1】
【0022】 ω :巻き始めからt時間後のBH指令速度 ω0 :巻き始め時のBH指令速度(ボビンホルダの回転
速度初期指令値) Q :吐出量 W :トラバース幅 ρ :巻き密度 R0 :紙管半径 t :巻き始めからの経過時間 図1は、コンタクトローラ14をパッケージ(紙管に糸
条を巻いたもの)Pに接触させてそのコンタクトローラ
14の回転速度に基づいてボビンホルダ12の回転速度
をフィードバック制御して巻き取っている状態を示し、
図2は、巻取開始時の浮かせ巻状態を示している。
【0023】ボビンホルダ12は、機本体11に回転自
在に設けたタレット板13に、その中心から180度対
向して平行に突設するよう設けられ、タレット板13の
回転で、コンタクトローラ14と接する上方の巻取位置
Paと、下方の待機位置Pbに交互に180度位置変換
され、巻取位置Paで巻き取りが行われると共に待機位
置Pbで、満巻となったパッケージPの玉揚と新たな紙
管Bの装着とがなされるようになっている。
【0024】コンタクトローラ14は、スライドボクス
15に回転自在に設けられ、そのスライドボックス15
が、機本体11に設けたスライド軸17に案内されて昇
降自在に設けられる。スライドボックッス15は、糸条
Yの巻き取りによるパッケージ径の増大とともに上方に
移動するようになっている。
【0025】スライドボックス15には、シリンダ室1
8が形成され、そのシリンダ室18に機本体11に設け
たピストン19が嵌挿され、図示しない圧力調整手段か
らの流体圧をシリンダ室18に供給することで、パッケ
ージPに対するコンタクトローラ14の接圧を所定値に
保つようになっている。
【0026】また、スライド軸17には、スプリングな
どの弾性部材20が嵌め込まれ、図2の浮かせ巻の際
に、シリンダ室18とピストン19による流体圧による
支持と併せてスライドボックス15を受けて、コンタク
トローラ14が紙管Bから所定の隙間で離れるように保
持するようになっている。
【0027】図3は、ボビンホルダ12とコンタクトロ
ーラ14との回転速度制御装置を示したものである。
【0028】ボビンホルダ12とコンタクトローラ14
とは、それぞれ駆動モータ21,22に連結されて回転
され、その駆動モータ21,22がコントロールユニッ
ト23内のインバータ24,25で回転速度可変に駆動
されるようになっている。
【0029】このボビンホルダ12とコンタクトローラ
14には、それぞれの回転速度を検知するセンサ26,
27が設けられ、それらセンサ26,27の検出値がコ
ントロールユニット23内の制御部28に入力されるよ
うになっている。
【0030】この制御部28には、巻取時の各種パラメ
ータを設定するための設定部29が設けられる。
【0031】制御部28は、浮かせ巻時には後述する計
算式で、BH指令速度を算出し、そのBH指令速度とな
るようにインバータ24に出力し、駆動モータ(ボビン
ホルダ駆動手段)21がインバータ24により駆動さ
れ、ボビンホルダ12の回転速度がBH指令速度に対応
した回転速度となるようにフィードフォワード制御され
る。このボビンホルダ12の回転速度は、ボビンホルダ
用センサ26で検出され、その検出値が制御部28に入
力される。制御部28は、ボビンホルダ用センサ26の
検出値に基づいて、ボビンホルダ12が指令したBH指
令速度に対応した回転速度で回転するようにフィードバ
ック制御するようになっている。また、浮かせ巻中は、
コンタクトローラ14の回転速度をコンタクトローラ1
4の回転速度をコンタクトローラ用センサ27で検出
し、コンタクトローラ14の周速が設定速度となるよう
に、コンタクトローラ14の駆動モータ22を駆動制御
する。
【0032】また通常巻取時には、制御部28は、CR
指令速度(コンタクトローラ回転速度指令値)をインバ
ータ25に出力し、そのインバータ25で駆動モータ2
2が駆動されてコンタクトローラ14を駆動回転させ
る。この場合、コンタクトローラ14は、その周速が設
定巻取速度(糸速Ys)と一致するように回転されるよ
うになっており、このため、制御部28は、コンタクト
ローラ用センサ27からコンタクトローラ14の回転速
度変化を検知し、コンタクトローラ14が、設定回転速
度となるように、ボビンホルダ12の回転速度をフィー
ドバック制御するようになっている。すなわち、ボビン
ホルダ12の回転速度制御に関しては、浮かせ巻中は、
計算式に基づいてボビンホルダ12の回転速度をフィー
ドフォワード制御し、その後の通常巻取中は、コンタク
トローラ14の回転速度に基づいてボビンホルダ12の
回転速度をフィードバック制御するようにしている。
【0033】次に本発明の巻取制御のフローを図6によ
り説明する。
【0034】巻取開始30から(紙管Bに糸条Yを巻き
始めてから)、図2に示したように紙管Bからコンタク
トローラ14を離して浮かせ巻を行う。この浮かせ巻で
のボビンホルダ12の回転速度制御は、基本的には、数
1で示した計算式に基づき、順次、経過時間tを計算式
に代入し、BH指令速度ωを算出しながら行うフィード
フォワード制御である。
【0035】この浮かせ巻中、step1で、浮かせ巻
時間経過かどうかを判断し、浮かせ巻時間が一定時間T
経過したならば、つまり紙管Bに所望の糸条Yが巻かれ
たならば(yes)、コンタクトローラを糸層に接触3
1させ、コンタクトローラの回転速度に基づくフィード
バック制御を開始32する。
【0036】次にstep2で、巻取開始30から所定
時間(t1 時間。t1 >T)経過したかどうかを判断
し、t1 時間経過したならば(yes)、そのときのボ
ビンホルダの回転指令速度(ω1 )を検出33する。ま
た同様にstep3で、巻取開始30から所定時間(t
2 時間)経過したかどうかを判断し、t2 時間(t2
1 )経過したならば(yes)、そのときのボビンホ
ルダの回転指令速度(ω2 )を検出34する。
【0037】このようにBH指令速度(ω1 ,ω2 )の
データを少なくとも2点検出したならば、浮かせ巻制御
の数1の計算式中の各パラメータを解析35し、ste
p4で紙管半径の誤差が所定の範囲を越えていないかど
うかを判断し、誤差が所定の範囲を越えていない(n
o)、すなわち所定の範囲内であれば、step5で、
巻き密度の誤差が所定の範囲を越えていないかどうかを
判断し、所定の範囲を越えていない(no)、すなわち
所定の範囲内であれば、その所定の範囲内において、次
回巻き取る際の紙管半径と巻き密度のパラメータの計算
式の補正36を行い、またstep4、step5で、
紙管半径と巻き密度の誤差が所定の範囲を越えていれば
(yes)、すなわち、所定範囲外であれば、アラーム
37を行ってオペレータに知らせると共にワインダーの
停止39を行う。
【0038】その後、step6で巻取終了かどうかを
判断し、パッケージが満管となったならば(yes)、
巻取を終了38する。
【0039】さて、本発明においては、フィードバック
制御時の経過時間t1 ,t2 でのBH指令速度ω1 ,ω
2 を基に数1の計算式に代入するパラメータの値の適否
をチェックする点検手段40を備えて、フィードフォワ
ード制御からフィードバック制御に切り換えた際のBH
指令速度の誤差の原因が、紙管半径にあるのか、巻き密
度にあるのか或いはその双方にあるのかを解析して次回
の浮かせ巻時のBH指令速度の計算式に適正なパラメー
タの値を代入してフィードフォワード制御を行うように
したものである。
【0040】以下これを、図4、図5で説明する。
【0041】図4は、巻き密度ρは適正で、紙管半径R
0 に誤差があった場合を示し、図5は、紙管半径R0
巻き密度ρの双方に誤差があった場合を示している。
【0042】図4において、浮かせ巻時は、上述した数
1に基づいたBH指令速度の計算式で、曲線lで示した
ようにフィードフォワード制御を行う。
【0043】この曲線lでは、巻き密度ρは正しく紙管
半径が、設定初期値のR0 でなく、例えばそれより径の
小さなR0 ’であるため、初期設定値である巻き始め時
のBH指令速度ω0 が不適で、実際にはω0 ’が適正
で、数1に、R0 ’とω0 ’を代入した数2の計算式と
なる。
【0044】
【数2】
【0045】この数2の計算式は、図4に曲線mで示し
たように曲線lと減速勾配は同じとなる。
【0046】よって、コンタクトローラ14の接触によ
るフィードバック制御に切り換えてt1 ,t2 時間経過
時のBH指令速度ω1 ’,ω2 ’を検出し、同時に数1
でのt1 ,t2 時間経過時のBH指令速度ω1 ,ω2
求め、これらBH指令速度の減速勾配の差が(ω1 ’−
ω2 ’=ω1 −ω2 )であれば、巻き密度ρは適正で、
巻き始め時のBH指令速度ω0 が不適であるとし、アラ
ームを出力してオペレータに知らせ、ワインダーを停止
する。ω0 が不適でない、つまり糸条を巻き取る紙管半
径と初期の設定値との誤差が所定範囲に入っている場合
には、次回の浮かせ巻からは、数2の計算式でボビンホ
ルダの回転を制御するようにする。
【0047】また、数2におけるω0 ’とR0 ’は、設
定巻取速度(糸速)をYsとすると、数3の関係にあ
る。
【0048】
【数3】
【0049】次に数2を巻き密度ρで整理すると数4と
なる。
【0050】
【数4】
【0051】巻き密度ρは、巻取中一定であることか
ら、この数4から数5の関係が成り立つ。
【0052】
【数5】
【0053】この数5をω0 ’で整理すると、ω0 ’は
数6で求めることができる。
【0054】
【数6】
【0055】よって、この数6のω0 ’を演算し、これ
を基に数3のR0 ’の値を演算し、これら値を数2に代
入することで、次回の浮かせ巻におけるBH指令速度の
適正なフィードフォワード制御が可能となる。
【0056】次に、図5の場合を説明する。
【0057】図5は、紙管半径と巻き密度に共に誤差が
あった場合であり、この場合、フィードフォワード制御
とフィードバック制御でのBH指令速度の差は、 ω1 ’−ω2 ’≠ω1 −ω2 であり、数1でのBH指令速度の曲線lと、適正なBH
指令速度の曲線nとの減速勾配が相違することが検出で
きるため、巻き密度ρが相違することがわかる。
【0058】よって、巻き密度をρxとし、また紙管半
径についても誤差があると仮定して紙管半径R0 ’とす
ることで、曲線nの計算式は、数7であらわされる。
【0059】
【数7】
【0060】 ω’ :巻き始めからt時間後のBH指令速度 ω0 ’:巻き始め時の適正なBH指令速度 ρx :本来の巻き速度 R0 ’:本来の紙管半径 数7に、フィードバック制御時のデータを代入すること
で、数8,数9が得られる。
【0061】
【数8】
【0062】
【数9】
【0063】次に、数8,数9より、本来の巻き密度ρ
xの解析を説明する。
【0064】数8,数9をω0 ’で整理して、ω0 ’を
消去すると数10となる。
【0065】
【数10】
【0066】ここで、変数はρxのみであるので整理す
ると数11のようになる。
【0067】
【数11】
【0068】また、本来の紙管半径R0 ’は、R0 ’=
Ys/2πω0 ’(数3)で求められるので、この本来
の紙管半径R0 ’を数11に代入すると数12のように
なる。
【0069】
【数12】
【0070】この数12中のω0 ’に数6を代入して整
理すると、数13が導かれる。
【0071】
【数13】
【0072】この数13によりρxを演算し、ρxとR
0 ’の値を演算し、数7にこれらのパラメータの値を演
算値として入力することで、次回の浮かせ巻におけるB
H指令速度の適正なフィードフォワード制御が可能とな
る。
【0073】このように、たとえ設定入力した紙管半径
や巻き密度に誤差があっても、浮かせ巻開始時の初期値
ω0 、R0 の値が適正かどうかを解析し、適正でなけれ
ば、これらを上述の手順で解析して適正値を求めること
で、次回の浮かせ巻におけるBH指令速度の適正なフィ
ードフォワード制御が行えるようになる。
【0074】上述の実施の形態では、設定入力した紙管
半径に誤差がある図4の例と、設定入力した紙管半径と
巻き密度に誤差のある図5の例でそれぞれ場合分けして
説明したが、これは説明の便宜上であり、これらをまと
めて解析するようにすることは勿論である。また設定入
力した紙管半径に誤差がなく設定入力した巻き密度に誤
差がある場合でも、上述の解析手順で設定入力した巻き
密度を容易に補正することができる。しかも、ボビンホ
ルダ回転速度初期指令値ω0 (紙管半径R0 )が適正で
あるか、減速勾配(巻き密度ρ等)が適正であるかを判
定することができる。
【0075】また、上述の実施の形態のように、少なく
ともフィードバック制御時のBH指令速度のデータを2
点収得すれば、フィードフォワード制御時の紙管半径と
巻き密度の適正値を求めることができる。フィードフォ
ワード制御からフィードバック制御に切り替えた際のB
H指令速度の差に基づいてフィードフォワード制御時の
計算式中のパラメータ(ボビンホルダ回転速度初期指令
値、巻き密度等)に設定されている値が適正値であるか
否かを判定し、適正値に補正する方法も考えられるが、
この方法であれば、ボビンホルダ回転速度初期指令値が
不適なのか、減速勾配が不適なのかが判らず、従って補
正も適正にできない。これに対して本実施の形態のよう
に、フィードバック制御時の複数個のボビンホルダ回転
速度指令値に基づいてフィードフォワード制御時の計算
式中のパラメータの適正値を求めるようにすれば、必要
なパラメータの適正値を求めることができ、ボビンホル
ダ回転速度初期指令値が適正かどうか、減速勾配が適正
かどうかが判る。
【0076】以上では、2点のデータで解析する例を説
明したが、データのサンプリングは数回繰り返して行
い、これら多数のデータを基に上述の解析処理を数回繰
り返し、求められた紙管半径の平均値及び巻き密度の平
均値を、次回の浮かせ巻時の制御に反映することも可能
である。
【0077】以上の実施の形態の紡糸巻取機は、コンタ
クトローラを支持する部材(スライドボックス15)が
昇降自在になっているものであったが、本発明は、コン
タクトローラを支持する部材が固定されている紡糸巻取
機にも適用可能である。また本発明は、上述した浮かせ
巻を行う紡糸巻取機に限らず、巻取開始時にコンタクト
ローラを糸巻取管に軽く、つまり低摩擦力で接触させ、
その後、糸巻取管に所望量の糸条が巻かれてから、コン
タクトローラを糸巻取管上に形成された糸層に強く押し
付けるようにした、いわゆるソフトタッチ巻を行う紡糸
巻取機にも適用可能である。
【0078】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、フィード
フォワード制御時の計算式中のパラメータに設定されて
いる値が適正値であるか否かを確認することができる。
また、パラメータに設定されている値と求められた適正
値との差が所定範囲を越えているときにアラームを出力
するようにすれば、不良パッケージの早期発見が可能と
なる。更に、パラメータに設定されている値を適正値に
補正するようにすれば、以降に製造されるパッケージに
ついて、良質なものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における通常巻取時の状
態を示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における浮かせ巻時の状
態を示す概略正面図である。
【図3】本発明におけるボビンホルダとコンタクトロー
ラの回転速度を制御する制御装置の概略構成図である。
【図4】本発明において、紙管半径に誤差があった場合
の浮かせ巻時のBH指令速度の補正を説明する図であ
る。
【図5】本発明において、紙管半径と巻き密度に誤差が
あった場合の浮かせ巻時のBH指令速度の補正を説明す
る図である。
【図6】本発明における制御のフローチャートを示す図
である。
【図7】紡糸巻取機の左側面図である。
【符号の説明】
12 ボビンホルダ 14 コンタクトローラ 21 駆動モータ(ボビンホルダ駆動手段) 40 点検手段 B 紙管(糸巻取管) P パッケージ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月30日(2001.8.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【数1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【数1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【数2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【数4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【数5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【数6】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】
【数7】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【数8】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】
【数9】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】
【数10】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】
【数11】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】
【数12】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】
【数13】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条を巻き取る糸巻取管が装着されるボ
    ビンホルダと、ボビンホルダを回転駆動するボビンホル
    ダ駆動手段と、糸巻取管に糸条を導くためのコンタクト
    ローラと、糸巻取管に糸条を巻き始めてから所望量の糸
    が巻かれるまでの間、計算式に基づいてボビンホルダの
    回転速度をフィードフォワード制御し、その後、コンタ
    クトローラの回転速度に基づいてボビンホルダの回転速
    度をフィードバック制御する紡糸巻取機において、上記
    フィードバック制御時のボビンホルダの回転速度指令値
    と上記フィードフォワード制御時の計算式とに基づいて
    上記フィードフォワード制御時の計算式中のパラメータ
    の適正値を求める点検手段が設けられていることを特徴
    とする紡糸巻取機。
  2. 【請求項2】 上記求めたパラメータの適正値と上記計
    算式中のパラメータに設定されている値との差が所定範
    囲を越えているときにアラームを出力することを特徴と
    する請求項1に記載の紡糸巻取機。
  3. 【請求項3】 上記計算式中のパラメータに設定されて
    いる値を上記求めたパラメータの適正値に補正する請求
    項1又は2に記載の紡糸巻取機。
  4. 【請求項4】 上記フィードフォワード制御時の計算式
    中のパラメータがボビンホルダ回転速度初期指令値であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の紡糸巻取機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114604690A (zh) * 2020-12-04 2022-06-10 卓郎纺织解决方案两合股份有限公司 筒子制动器的状态检测方法以及纺织机工位

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