JP2001346884A - ガイドワイヤー - Google Patents

ガイドワイヤー

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JP2001346884A JP2001107040A JP2001107040A JP2001346884A JP 2001346884 A JP2001346884 A JP 2001346884A JP 2001107040 A JP2001107040 A JP 2001107040A JP 2001107040 A JP2001107040 A JP 2001107040A JP 2001346884 A JP2001346884 A JP 2001346884A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】視認性が良好で、狭窄部を安全・容易に通過で
きるガイドワイヤを得る。 【解決手段】ガイドワイヤー11は、芯材12の先端部
221に所定間隔で設けられた複数のX線造影部材16
を、実質的に平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部
材18で被覆しており、X線造影部材16の先端側16
aには膨出部30が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、治療または検査のため
に目的部位にカテーテルを導入するために用いられるガ
イドワイヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、心臓疾患等の検査、治療のため
に、血管内へのカテーテルの導入が行われている。この
ようなカテーテルを体内の目的部位に導入するにあた
り、カテーテル内にガイドワイヤーを挿通し、ガイドワ
イヤーの先端部を先行させる。ガイドワイヤーの先端部
を目的部位に到達させ、その後にカテーテルを目的部位
まで誘導する。
【0003】特に、経皮経管的冠動脈形成術(PTC
A)においては、X線透視下に冠動脈の分枝を選択しな
がら、目的部位である狭窄部に到達させ、さらに通過さ
せて、その後に先端にバルーンを備えた拡張カテーテル
をガイドワイヤーに沿わせて、拡張カテーテルのバルー
ンを狭窄部に位置させ、拡張させて血流量を確保して狭
心症等の治療とする。ガイドワイヤーを冠動脈の分岐部
の所望も方向へ進めるためには、所望の方向へガイドワ
イヤーの先端を向けるために、手元で回転させた力が先
端まで伝わることが肝心となる。また、それらの操作を
するためにX線を照射しながらガイドワイヤーの先端の
位置を確認し、間欠的に造影剤を冠動脈に注入して冠動
脈のX線像を視認する。それゆえにガイドワイヤーの先
端はX線造影性の優れるものが望まれる。
【0004】さらに、ガイドワイヤーを大腿動脈から挿
入して大動脈、大動脈弓、冠動脈口から冠動脈へと進め
るためには、血管に追従するための柔軟性とともに手元
部分の押し込みの力が先端部分に伝わることとが必要と
なる。さらに、拡張カテーテルのバルーンが狭窄部(ま
たは閉塞部)に位置させて拡開させるために、ガイドワ
イヤーの先端が狭窄部を通過することが重要である。
【0005】このようなガイドワイヤーとしては、特開
昭59−77866号公報や特開平2−180277号
公報に示されるものがある。前者のガイドワイヤーは、
主ワイア部材の先端部分を、先端に行くに従ってテーパ
ー状に細径化し、その部分のみにばね部材を固定したも
のである。また、後者のガイドワイヤーは、内芯の先端
部をテーパー状にし、その最先端に高X線造影部を設け
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭59−
77866号公報に示されたガイドワイヤーは、先端の
ばね部材が露出しており、表面の凹凸が狭窄部の通過の
抵抗になる。特に狭窄部がガイドワイヤー先端の外径よ
り小さく狭い場合、わずかな表面の凹凸によっても挿入
抵抗があり、先端が非常に柔軟で湾曲しやければしやす
いほど、ばね部材の挿入抵抗により通過が難しくなる。
【0007】また、特開平2−180277号公報に示
されたガイドワイヤーは、内芯の最先端の高X線造影部
として高X線造影性を有する環状部材を備えているが、
そのような環状部材では、先端外径が0.20〜0.9
0mmと非常に小さく、生体内部を透視するので視認性
が思うほど高くない。
【0008】さらに、高X線造影性を有する環状部材の
内芯への固定は、高い次元の安全性が求められ続けてい
る。
【0009】本発明はかかる課題に鑑みてなされたもの
で、視認性が良好で、狭窄部を容易に通過できる安全な
ガイドワイヤーを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、芯材
と、該芯材の先端部に所定間隔で設けられており、該芯
材に密着して固定された複数の環状X線造影部材と、該
芯材と該造影部材を被覆して実質的に平滑な外表面を形
成する合成樹脂製被覆部材と、該芯材の該造影部材の先
端側に有しており、該造影部材の先端側への移動を防止
する膨出部からなることを特徴とするガイドワイヤーに
よって達成される。
【0011】さらに、芯材と、該芯材の先端部に所定間
隔で設けられた複数のX線造影部材と、該芯材と該造影
部材を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹
脂製被覆部材とからなることを特徴とするガイドワイヤ
ーにより達成される。
【0012】また、芯材と、該芯材に密着して固定され
た環状X線造影部材と、該芯材と該造影部材を被覆する
合成樹脂製被覆部材と、該芯材の該造影部材の先端側に
有しており、該造影部材の先端側への移動を防止する膨
出部からなることを特徴とするガイドワイヤーによって
達成される。
【0013】さらに、芯材と、該芯材に密着して固定さ
れた等間隔に並列した複数の環状X線造影部材と、該芯
材と該造影部材をほぼ同一外径に被覆する合成樹脂製被
覆部材と、該芯材の該造影部材の先端側に有しており、
該芯材を溶融して形成してなり、該造影部材の先端側へ
の移動を防止する固定部材からなることを特徴とするガ
イドワイヤーによって達成される。
【0014】また、NiTi芯材と、該芯材の先端部に
密着して固定された環状X線造影部材と、該芯材と該造
影部材をほぼ同一外径に被覆する合成樹脂製被覆部材
と、該被覆部材の表面を覆う水潤滑性被覆層と、該芯材
と同材料にて一体的に形成してなり、該環状造影部材の
内径より大きい径を有する固定部材からなることを特徴
とするガイドワイヤーによって達成される。
【0015】さらに、超弾性芯材と、該芯材の先端部に
固定されたコイル状X線造影部材と、該芯材と該造影部
材を被覆する合成樹脂製被覆部材と、該被覆部材の表面
を覆う水潤滑性被覆層と、該コイル状造影部材の内径よ
り大きい径を有する固定部材からなることを特徴とする
ガイドワイヤーによって達成される。
【0016】芯材は、先端部と移行部および本体部から
なることが好ましい。先端部にはX線造影部材が所定間
隔で設けられており、ほぼ均一な外径を有していること
が好ましい。先端部がほぼ均一な外径を有していること
で、軸方向にほぼ同じ柔軟性を有する。また先端部は移
行部と本体部と比較して最も柔軟性が高い部分である。
移行部は、その基端から先端方向に向かって縮径してい
る部分である。一定の割合でテーパー状に細径化してい
るもの(テーパー部とも言い換えることができる)、段
階的に径が小さく変化するもの、もしくは後述する合成
樹脂製被覆部材によって先端部と本体部の曲がりやすさ
を連続的または段階的に移行させているもの等、先端部
と本体部の剛性の物性を急激に変化させることないよう
なものであればどのような構成でもかまわない。移行部
を備えることにより局所的に応力が集中せずに折れ曲が
る(キンク)ようなことがない。本体部は、移行部の基
端側に延びる部分であり、先端部よりも太い。これは、
手元で加えたトルクや、ガイドワイヤーを挿入するため
に手元で加えた軸方向への力(押し込み力)を最大限に
先端部へ伝えるためである。
【0017】該芯材の先端部には該造影部材の先端側に
膨出部が設けられているのが好ましい。該膨出部は、造
影部材の移動を防止しており、特に造影部材の先端側の
移動を防止している。膨出部は、環状の造影部材と固定
されていることが好ましい。固定の方法は、ロウ付けや
接着剤の他、金属製の環状造影部材自身を溶解させて固
定させてもよい。造影部材は芯材と密着していても、間
隔があってもかまわないが、造影部材がガイドワイヤ先
端側への移動を防止できるような径が膨出部にあればよ
いが、具体的には、造影部材が環状の場合その内径より
も大きい径を備えていれば良い。膨出部の形状は、球
状、砲弾状、半球状、紡錘状などがある。膨出部は、芯
材の先端を造影部材を固定した後に、造影部材の先端側
の芯材を溶融して、所定の形状して作成する方法や、所
定形状の膨出部を芯材先端に固定する方法があるが、膨
出部と芯材が同一材料で一体化されているので、芯材先
端を溶融する方法が好ましい。
【0018】芯材の各サイズはガイドワイヤーの用途に
よって異なるが、先端部・移行部・本体部を備えるPT
CA用ガイドワイヤーの場合を例示的に挙げると次の通
りである。先端部の外径は0.06〜0.10mm、長
さは10〜50mm、移行部の長さとしては50〜60
0mmである。本体部の外径0.26〜0.50mm、
長さは1000〜3000mmである。
【0019】芯材は、先端移行部と本体部で構成されて
いてもかまわない。この場合の先端移行部は本体部から
連続して設けられていることになるので、一定外径の本
体部の外径と同じ外径から先端に行くに従ってテーパ状
に縮径する構造となる。X線造影部材は先端移行部に所
定間隔を持って設けられることになる。この他、芯材は
先端から基端まで一定外径であっても良い。膨出部を設
ける場合は、先端移行部の先端側に設けることになる。
【0020】X線造影部材は、芯材の先端部の最先端か
ら、複数設けられていることが好ましい。この場合複数
とは数に制限はないが、2〜7つ程度設けられているこ
とが望ましい。複数設けられたX線造影部材は所定間隔
を有している。所定間隔とは一定間隔の他、予め決めら
れた基準に従って設けられた間隔、例えばガイドワイヤ
ー先端方向に行くに従って一定の割合で間隔が狭くなる
もの、または広くなるものなどが挙げられる。間隔が狭
くなるものは、それだけ先端においてX線造影部材の設
けられている間隔が狭くなり、ガイドワイヤー先端部分
の視認性が向上する。間隔が一定割合で広くなるもの
は、芯材の先端部のもつ柔軟性がX線造影部材に阻害さ
れず、さらに先端へ行くに従ってガイドワイヤー先端部
分の柔軟性が増大する。また、X線造影部材のガイドワ
イヤー軸方向の長さも一定であることにより血管の狭窄
部位のサイズ等が測定しやすい。軸方向の長さを先端に
行くに従って短くすることにより、ガイドワイヤー先端
部分の柔軟性が増して、血管挿入時に血管壁を損傷する
ことが無い。
【0021】X線造影部材は、コイル状(またはスプリ
ング状)やパイプ状などの環状の部材である他、芯材に
金属のX線不透過材料をメッキする方法や微粒子状X線
造影剤を樹脂に高い比率で混合したものなど、ガイドワ
イヤーをX線透視下で使用する際にガイドワイヤー先端
が見えやすいものであれば何でも良い。
【0022】環状のX線造影部材である場合は、設けら
れた造影部材の先端側に前記膨出部が設けられている
が、造影部材と膨出部がその側面で当接することが好ま
しい。当接することで、造影部材の固定が確実になる。
【0023】X線造影部材の外径は、ガイドワイヤーの
操作性とX線造影性を満たしていれば特に制限は無い
が、造影部材の外径が大きい程X線造影性が優れる。ま
た、造影部材の外径は、芯材の外径の内最も太い箇所と
同じか小さいことでトルク伝達が容易になる。前述のよ
うな先端部・移行部・本体部の三つの部分をもつ芯材の
場合は、最も太い外径の本体部の外径と比較して造影部
材の外径が同じか小さくなる。
【0024】また、造影部材の構成にもよるが、造影部
材の外径(および厚み)が小さいほどガイドワイヤー先
端部分の柔軟性を維持できる。複数のX線造影部材が互
いに同じ外径であることで、造影部材の設けられている
部分のガイドワイヤーの柔軟性が軸方向で一定であると
いう効果がある。また、先端に行くに従って造影部材の
外径が小さくすることで、先端方向の柔軟性が増大する
という効果がある。また、ガイドワイヤー先端部分の柔
軟性とX線視認性の両方を加味すると、先端に行くに従
って外径が大きく、長さの短い造影部材を一定間隔に設
けることや、比較的外径の大きい造影部材を先端方向で
疎、基端方向で密に間隔を取ることで実現可能となる。
さらに、芯材の曲げに比較的追従するコイル状の造影部
材を先端側に設けることも可能である。
【0025】合成樹脂製被覆部材は、芯材とX線造影部
材を被覆して実質的に平滑な外表面を形成することを目
的としている。被覆部材が被覆したガイドワイヤーは、
外径が先端から基端までほぼ均一であるが、血管の狭窄
部分を通過させることや微細血管に挿入するために先端
部分がそれ以外の部分よりも外径を細くすることによ
り、細径化による微小血管の挿入が容易により先端部分
の柔軟性が増大する。
【0026】被覆部材としては、その被覆の容易さと後
述する外表面の処理の容易さから合成樹脂で構成され
る。そして合成樹脂製被覆部材は、芯材の湾曲の妨げに
ならない程度に柔軟であり、外表面は実質的に凹凸のな
い滑らかな表面となっている。さらに、合成樹脂製被覆
部材を形成する合成樹脂中に微粉末状X線造影物質を混
合することも可能である。微粉末状X線造影物質として
は、タングステン、ビスマス、バリウム等がある。X線
造影物質含有合成樹脂製被覆部材を芯材の一部または全
部の表面に被覆することで、ガイドワイヤー全体もしく
は一部が視認できる。特に、X線造影物質含有合成樹脂
製被覆部材をガイドワイヤー先端部分に適用すること
で、視認性がさらに向上する。
【0027】また、合成樹脂製被覆部材は芯材の柔軟性
に応じてその被覆部材の柔軟性を変化させても良い。す
なわち先端部,移行部および本体部を有する芯材のそれ
ぞれの部分に合わせて材料を変えることである。例とし
ては、先端部には血管に挿入し管壁に接触することもあ
るので最も柔軟性のある材料を選択し、本体部には芯材
自体のねじり剛性や曲げ剛性を補強するためにより剛性
の高い材料を選択する。移行部にはその中間の剛性の材
料を選択することが可能である。また、剛性の異なる2
種類の樹脂を先端に行くに従って剛性の低い樹脂の配分
が多くなるように段階的または連続的に変化させること
も可能である。
【0028】さらに、合成樹脂製被覆部材は、2層もし
くはそれ以上の複数層としても良い。例えば、芯材の本
体部には剛性を付与する為にポリイミドなどの比較的剛
性の高い樹脂を被覆し、その外層には後述する潤滑性物
質が固定しやすいような反応基を多くもつ樹脂層を設
け、親水性材料等の潤滑性物質を当該樹脂層に固定する
ということである。また、超弾性線と樹脂との接着性を
高めてトルク伝達性を向上させるために、アイオノマー
等の接着性樹脂を内層にして、外層には前述した反応基
を多くもつ潤滑性物質固定するための層を設けることも
可能である。また、低摩擦性の樹脂を被覆部材の外側に
備えても良い。低摩擦性の樹脂にはフッ素系樹脂が代表
的である。
【0029】本発明のガイドワイヤーのX線造影部材と
しては、高X線造影性すなわちX線不透過性物質であ
り、その他に白金、銀、ビスマス、タングステンまたこ
れらのうち2種類以上の合金(例えば、白金−タングス
テン)、もしくは他の金属との合金(例えば、金−イリ
ジウム、白金−イリジウム)などが挙げられる。造影部
材6の表面にさらに別の材料をメッキしてもよい。
【0030】芯材の材料としては、血管の追従性を備え
た適度な柔軟性、先端までトルクを伝達でき、手元での
押し込み力を先端まで伝える剛性等を備える材料であれ
ば、制限はないが、ステンレス、超弾性金属、アモルフ
ァス金属などが挙げられる。その中では超弾性の特性を
示す超弾性金属線であるものが好ましい。超弾性金属線
としては、Ni−Ti合金、Cu−Zn−X合金(X=
Be,Si,Sn,Al,Ga)、Ni−Al合金であ
り、好ましくはNi−Ti合金である。なお、柔軟性の
性質を増すために超弾性特性をさほど備えていないNi
−Ti合金であってもかまわない。
【0031】芯材がNi−Ti合金超弾性線である場合
は、本体部と先端部で剛性などの物性を変化させたもの
であっても良い。特に、本体部をトルク伝達性の良好な
物性にすることが好ましい。トルク伝達性が良好な物性
とは、Ni−Ti合金超弾性線の応力−歪み曲線におい
て、弾性域での略直線状応力歪み線が、マルテンサイト
相が応力誘起される変態開始応力点で角度を変えてそれ
以降の略直線となるものである。さらに、本体部は加工
硬化Ni−Ti合金線で、中間部がNi−Ti合金超弾
性線で、先端部は塑性変形可能なNi−Ti合金線であ
ると、本体部は剛性が高く押し込み性が良好であり、本
体部は湾曲した血管の追従性やトルク伝達性が優れてお
り、先端部は好みの先端形状に変えられて、挿入が容易
になる。合成樹脂製被覆部材の材料としては、ポリウレ
タン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、フッ素系
樹脂、シリコーンもしくは各々のエラストマー(例え
ば、ポリエステルエラストマー)およびそれらの複合材
料が好適に使用できる。
【0032】合成樹脂製被覆材の表面には、湿潤時に含
水して低摩擦表面となる潤滑性被覆層を有してなること
が好ましい。湾曲・蛇行した血管を挿入していく場合
や、鋭角に分岐した血管を選択して挿通する場合、留置
したガイドワイヤに沿わせてカテーテルを挿入する場合
などに、潤滑性被覆層が血管内壁やカテーテル内壁との
摩擦を減少させて、押し込み性を向上させる。
【0033】また、親水性潤滑層は、親水性化合物と疎
水性化合物のコポリマーであることが望ましい。さらに
親水性化合物と疎水性化合物のブロックコポリマーであ
ることが望ましい。このような親水性化合物と疎水性化
合物のブロックコポリマーとしては、ポリグリシジルメ
タクリレート(PGMA)ージメチルアクリルアミド
(DMAA),メタクリル酸クロリドーDMAA,メタ
クリロイルオキシエチルイソシアネートーDMAA,ポ
リグリシジルアクリレート−無水マレイン酸等がある。
疎水性化合物が基材である被覆部材と反応結合して、親
水性化合物が含水膨潤して低摩擦性を実現する。
【0034】
【実施例】本発明のガイドワイヤーの実施例を図面を参
照して説明する。図1は、本発明のガイドワイヤーの第
1の実施例を示す断面図、図2は、本発明のガイドワイ
ヤーの第2の実施例を示す断面図である。図3は、本発
明のガイドワイヤーの第3の実施例を示す断面図であ
る。
【0035】図1に示されるように、本発明の第1の実
施例ガイドワイヤー1は、芯材2と、芯材2の先端部2
1に所定間隔で設けられた複数のX線造影部材6と、芯
材2と造影部材6を被覆して実質的に平滑な外表面を形
成する合成樹脂製被覆部材8とからなる。
【0036】本発明のガイドワイヤー1は、全長180
cmで外径は0.35mmである。ガイドワイヤー1の
全長としては80〜500cmの範囲で適用でき、外径
はその用途にも異なるが、PTCAにおいては0.5m
m以下が好ましい。
【0037】芯材2は、先端部21と移行部23および
本体部25からなる。先端部21はほぼ均一な外径を有
しており、柔軟性もほぼ同じで後述する移行部23と本
体部25と比較して最も柔軟性が高い部分である。芯材
2の先端部21の外径は約0.08mm、長さは20m
mである。移行部23は、その基端から先端方向に向か
って縮径している部分で本実施例では一定の割合でテー
パー状に細径化しているもので、テーパー部とも言い換
えることができる。移行部23の長さ300mmであ
る。移行部23を有することにより外径の異なる本体部
25と先端部21の曲がり易さ(柔軟性)を先端に行く
に従って大きくできる、すなわち柔らかくすることがで
きて、急激に曲がり易さが変化することがなく柔軟性が
先端に行くに連れて連続的に高くなり、局部的に折れ曲
がる(キンク)することがない。本体部25は、移行部
23の基端側に延びる部分であり、その外径はほぼ均一
で、0.30mm、長さ約1500mmである。この本
体部25は先端部21よりも太い。これは、手元で加え
たトルクと、ガイドワイヤー1を挿入するために手元で
加えた軸方向への力(押し込み力)を先端部21へ伝え
るためである。
【0038】芯材2の先端部21,移行部23および本
体部25は、同一材料の一体物である。一体物であるこ
とで折れ、外れや破損がなくて好ましい。このような芯
材2は超弾性金属製ワイヤーにて構成され、Ni−Ti
合金線である。超弾性合金線であることで曲がり癖がつ
かず、蛇行した血管を挿通させた状態でトルクを与えて
もその力がスムーズに先端に伝わりトルク伝達性に富
む。
【0039】芯材2の先端部21には複数のX線造影部
材6が所定間隔で設けられている。X線造影部材6は、
芯材2の先端部21の最先端から、一定間隔に5つ設け
られている。複数設けることによりガイドワイヤー1の
先端部分のX線造影性が高くなり、血管分岐の選択がし
やすくなって手技が早く容易になる。
【0040】造影部材6が一定の間隔で設けられている
ことにより、X線造影下において狭窄部等の大きさがX
線造影部材6の間隔を通して認識できるという効果があ
る。造影部材6は、コイル6aによって構成されてい
る。このコイル6aは長さ約1mmの実質的に密着で巻
かれたものであり、コイル6aそれぞれの間隔は約4m
mである。コイルであることで、芯材2の先端部21の
ガイドワイヤー1が曲がる場合に、コイルのある部分と
ない部分の境目で折れ曲がらず、先端部21のガイドワ
イヤー1全体がスムーズな曲線を描くことになる。また
コイルであることにより製造過程において先端部21の
外径に若干のバラツキがあってもコイルの内径を変えら
れるので、一定の間隔で固定することができる。このコ
イルは、予めコイルに成形されたものを先端部21の最
先端から挿入して行く方法と直線状の線材を芯材2に巻
き付けて切断する方法が考えられる。コイル6aは密着
に巻かれているが、疎巻にしてもよい。また、コイル6
aは芯材2に直接巻き付けられているが、介装物を介し
て芯材2に固定されていてもよい。介装物を介すること
によりコイル6aの外径が大きくなりX線透視下でコイ
ル6aの位置が見えやすくなる。介装物としては被覆部
材8と同じもしくは異なる合成樹脂でもよい、コイル6
aと同じコイル、すなわちコイルを二重に巻き付けても
よい。
【0041】造影部材6は金のコイル6aである。金は
X線不透過性が高く、すなわち高造影性を示すものとし
て優れている。
【0042】合成樹脂製被覆部材8は、芯材2とX線造
影部材6を被覆して実質的に平滑な外表面を形成するよ
うに被覆されている。被覆部材8が被覆したガイドワイ
ヤー1は、外径が先端から基端までほぼ均一である。被
覆部材8としては、その被覆の容易さと後述する外表面
の処理の容易さから合成樹脂で構成され、芯材2の湾曲
の妨げにならない程度に柔軟であり、外表面は実質的に
凹凸のない滑らかな表面となっている。合成樹脂として
は熱可塑性樹脂がその製造の簡便さから好ましい。ガイ
ドワイヤー1の被覆部材8としてはポリウレタンが用い
られている。
【0043】さらに、合成樹脂製被覆部材8を形成する
合成樹脂中にはX線造影物質としてのタングステンが4
5重量%含有されている。X線造影物質含有合成樹脂製
被覆部材8を芯材2の表面に被覆することによりガイド
ワイヤー全体もしくは一部が視認できる。
【0044】合成樹脂製被覆部材8の外表面には、潤滑
性物質(図示せず)が固定されている。被覆部材8の外
表面全体であれば、カテーテル内のルーメンとの摺動性
が高まるが、手元部分の滑りやすさによる扱いにくさを
考慮すると、先端部分のみ潤滑性物質が固定されていて
も良い。また、先端から基端にかけて潤滑性が段階的も
しくは連続的に変化させても良い。
【0045】潤滑性物質としては、親水性さらに水溶性
高分子物質またはその誘導体がある。さらに、潤滑性物
質は湿潤時に含水して低摩擦表面となる潤滑性被覆層で
ある。潤滑性物質は、合成樹脂製被覆部材8の外表面に
共有結合またはイオン結合により固定されている。この
潤滑性物質は、原則として鎖状で架橋のない高分子物質
であり、−OH,−CONH2 ,−COOH,−NH2
,−COO- ,−SO3 - などの親水性基を有してい
る。潤滑性物質をガイドワイヤー1の外表面である合成
樹脂製被覆部材8に固定することによって、カテーテル
や血管の内壁とガイドワイヤー外面との摩擦が低下す
る。摩擦が低下することにより、ガイドワイヤーの摺動
性が向上する。手元でのガイドワイヤー軸方向への押し
込み力が湾曲した血管を挿通したカテーテル内において
も抵抗が少なく先端まで伝達される。また、手元での回
転がガイドワイヤー1先端まで1対1の割合で伝えられ
る。さらにガイドワイヤー1の先端部4に潤滑性物質が
固定されていると、血管分岐点での所望分枝への挿入や
血管狭窄部分の通過が容易になる。疎水性でもあっても
シリコーンのように潤滑性を備えていれば被覆部材とし
て使用できる。
【0046】このような潤滑性物質としては、天然水溶
性高分子物質、合成水溶性高分子物質があり、天然系で
はカルボキシメチルデンプンなどのデンプン系、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース系、キトサンな
どの多糖類、ゼラチンなどのタンパク質などが挙げられ
る。合成系ではポリビニルアルコール、ポリエチレング
リコールなどのポリアルキレングリコール系、メチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの無水マレ
イン酸系などが挙げられる。また、疎水性潤滑性物質と
しては、シリコーンが可能である。ガイドワイヤー1で
は親水性の潤滑性物質として無水マレイン酸系の材料を
被覆部材8に固定している。
【0047】合成樹脂製被覆部材8の外表面には、ヘパ
リン、ウロキナーゼ等の抗凝固剤もしくはシリコーンゴ
ム、ウレタンとシリコーンのブロック共重合体、ヒドロ
キシエチルメタクレート−スチレン共重合体等の抗血栓
性材料をコーティングしてもよい。
【0048】図2は、本発明のガイドワイヤーの第2の
実施例を示す断面図である。図2に示されるガイドワイ
ヤー10は、芯材12と、芯材12の先端部121に所
定間隔で設けられた複数のX線造影部材16と、芯材1
2とX線造影部材16を被覆して実質的に平滑な外表面
を形成する合成樹脂製被覆部材18とからなる。
【0049】図1のガイドワイヤー1との相違点を中心
に説明すると、造影部材16が管状の部材、すなわち短
いパイプ状であることである。5つの造影部材16が一
定間隔で芯材2の先端部21に設けられている。X線造
影部材16は一定の間隔を有している。一定の間隔であ
ることにより、X線造影下において狭窄部等の大きさ
が、X線造影部材16の間隔を通して、認識できるとい
う効果がある。
【0050】X線造影部材16は、前述したようにパイ
プ16aによって構成されており、材料としてはX線造
影性の高い金である。このパイプ16aは長さ約1mm
であり、パイプ16aそれぞれの間隔は約4mmであ
る。パイプ16aは芯材12に直接巻き付けられている
が、介装物を介して芯材12に固定されていてもよい。
介装物を介することによりパイプ16aの外径が大きく
なりX線透視下でパイプ16aの位置が見えやすくな
る。介装物としては被覆部材18と同じもしくは異なる
合成樹脂でもよく、X線不透過性のコイルとしてもよ
い。
【0051】図3は、本発明のガイドワイヤーの第3の
実施例を示す断面図である。図3に示されるガイドワイ
ヤー11は、芯材12と、芯材12の先端部221に所
定間隔で設けられており、芯材12に密着して固定され
た複数の環状X線造影部材16と、芯材12と造影部材
16を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹
脂製被覆部材18と、芯材12の造影部材の先端側16
aに有しており、造影部材16の先端側16aへの移動
を防止する膨出部30から構成される。
【0052】さらに、ガイドワイヤー11は、芯材12
と、芯材12の先端部221に密着して固定された環状
X線造影部材16と、芯材12と造影部材16を被覆す
る合成樹脂製被覆部材18と、芯材12の造影部材16
の先端側16aに有しており、造影部材16の先端側1
6aへの移動を防止する膨出部30から構成される。
【0053】本発明のガイドワイヤーの全長としては8
0〜500cmの範囲で適用でき、外径はその用途にも
異なるが、血管造影用としては1.0〜0.5mm程
度、PTCAにおいては0.5mm以下が好ましい。第
3実施例のガイドワイヤー11は、全長150cmで外
径は0.35mmである。
【0054】芯材2は、先端部221と移行部223お
よび本体部225からなる。さらに先端部221の最先
端には膨出部30が造影部材16の固定手段として設け
られている。先端部221はほぼ均一な外径を有してお
り、柔軟性もほぼ同じで後述する移行部223と本体部
225と比較して最も柔軟性が高い部分である。芯材2
の先端部221の外径は約0.08mm、長さは20m
mである。移行部223は、その基端から先端方向に向
かって縮径している部分で本実施例では一定の割合でテ
ーパー状に細径化しているもので、テーパー部とも言い
換えることができる。移行部223の長さ300mmで
ある。移行部223を有することにより外径の異なる本
体部225と先端部221の曲がり易さ(柔軟性)を先
端に行くに従って大きくできる、すなわち柔らかくする
ことができて、急激に曲がり易さが変化することがなく
柔軟性が先端に行くに連れて連続的に高くなり、局部的
に折れ曲がる(キンク)することがない。本体部225
は、移行部223の基端側に延びる部分であり、その外
径はほぼ均一で、0.30mm、長さ約1500mmで
ある。この本体部25は先端部21よりも太い。これ
は、手元で加えたトルクと、ガイドワイヤー1を挿入す
るために手元で加えた軸方向への力(押し込み力)を先
端部21へ伝えるためである。
【0055】芯材2の膨出部30、先端部221,移行
部223および本体部225は、同一材料の一体物であ
る。一体物であることで折れ、外れや破損がなくて好ま
しい。このような芯材2は超弾性金属製ワイヤーにて構
成され、Ni−Ti合金線である。超弾性合金線である
ことで曲がり癖がつかず、蛇行した血管を挿通させた状
態でトルクを与えてもその力がスムーズに先端に伝わり
トルク伝達性に富む。芯材12の先端部221には複数
のX線造影部材16が所定間隔で設けられている。X線
造影部材16は、芯材2の先端部221の最先端から、
一定間隔に5つ設けられている。複数設けることにより
ガイドワイヤー11の先端部分のX線造影性が高くな
り、血管分岐の選択がしやすくなって手技が早く容易に
なる。
【0056】造影部材16が一定の間隔で設けられてい
ることにより、X線造影下において狭窄部等の大きさが
X線造影部材16の間隔を通して認識できるという効果
がある。X線造影部材16は環状であり、パイプ16a
によって構成されており、材料としてはX線造影性の高
い材料である。このパイプ16aは長さ約1mmであ
り、パイプ16aそれぞれの間隔は約4mmである。パ
イプ16aは芯材12にもに密着して固定されている
が、介装物を介して芯材12に固定されていてもよい。
介装物を介することにより外径の大きいパイプ16を用
いることができて、X線透視下でパイプ16aの位置が
見えやすくなる。介装物としては被覆部材18と同じも
しくは異なる合成樹脂でもよく、X線不透過性のコイル
としてもよい。造影部材16は白金のパイプ16aであ
る。白金はX線不透過性が高く、すなわち高造影性を示
すものとして優れている。
【0057】最も先端の造影部材16の先端側16aに
は、膨出部30が芯材12の先端部221に続いて設け
られている。膨出部30は芯材12の先端部221に造
影部材16を挿通させた後、造影部材16から突出した
部分を熱で溶融させて、球状に成形する。膨出部30の
径は造影部材16の内径よりも大きく、外径と同等か小
さい。造影部材16と芯材12との固定は、接着剤によ
って実施される。造影部材16の先端側16aと膨出部
30が当接した箇所30aに接着剤を塗布することによ
り、接着面積が増えて好ましい。
【0058】合成樹脂製被覆部材18は、芯材12とX
線造影部材16を被覆して実質的に平滑な外表面を形成
するように被覆されている。被覆部材18が被覆したガ
イドワイヤー11は、外径が先端から基端までほぼ均一
である。被覆部材18としては、その被覆の容易さと後
述する外表面の処理の容易さから合成樹脂で構成され、
芯材12の湾曲の妨げにならない程度に柔軟であり、外
表面は実質的に凹凸のない滑らかな表面となっている。
合成樹脂としては熱可塑性樹脂がその製造の簡便さから
好ましい。ガイドワイヤー11の被覆部材18としては
変成ポリオレフィン(商品名:ボンダイン)が用いられ
ている。被覆部材18の原料を溶融させて、芯材12と
ともに押し出して、芯材12に密着被覆する。
【0059】さらに、合成樹脂製被覆部材18を形成す
る合成樹脂中にはX線造影物質としてのタングステンが
45重量%程度含有されている。X線造影物質含有合成
樹脂製被覆部材18を芯材12の表面に被覆することに
よりガイドワイヤー全体もしくは一部が視認できる。
【0060】合成樹脂製被覆部材18の外表面には、潤
滑性物質(図示せず)が固定されている。被覆部材18
の外表面全体であれば、カテーテル内のルーメンとの摺
動性が高まるが、手元部分の滑りやすさによる扱いにく
さを考慮すると、先端部分のみ潤滑性物質が固定されて
いても良い。また、先端から基端にかけて潤滑性が段階
的もしくは連続的に変化させても良い。
【0061】潤滑性物質は、親水性化合物と疎水性化合
物のブロック共重合体であるポリグリシジルメタクリレ
ート(PGMA)ージメチルアクリルアミド(DMA
A)のブロック共重合体である。親水性化合物により潤
滑性が増加して、疎水性化合物が基材と反応して親水性
化合物を固定する。親水性化合物と疎水性化合物のブロ
ック共重合体であると血栓が付着しにくい。さらに、合
成樹脂製被覆部材18の外表面には、抗凝固剤としてヘ
パリンが被覆されている。
【0062】
【作用】本発明のガイドワイヤーの作用をPTCAにつ
いて用いた場合で説明する。まず、ガイディングカテー
テルを大動脈を経由して冠動脈口に進めて、狭窄部のあ
る冠動脈の目的部位を確認するために、ガイディングカ
テーテル先端から造影剤を吐出させて冠動脈造影を行
う。次に、狭窄部を拡張するためのバルーンが先端に設
けられた拡張カテーテルのガイドワイヤールーメンに本
発明のガイドワイヤーを挿通して準備し、そのガイドワ
イヤーが挿通された拡張カテーテルをガイディングカテ
ーテルに挿入していく。ガイディングカテーテル先端部
分に達したところで拡張カテーテルの挿入を止め、冠動
脈へはガイドワイヤーのみを適宜造影を行いながら押し
進めて行く。本発明のガイドワイヤーは芯材の先端部に
所定間隔で複数のX線造影部材が設けられているのでX
造影下でガイドワイヤーの先端が確認しやすい。また、
実質的に平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材を
有しているので、前述したようにガイドワイヤーの先端
の方向をかえるために手元でひねって回転させるときに
回転させた角度そのまま先端が回る性能(トルク伝達
性)がより向上する。本実施例ではさらに合成樹脂製被
覆部材外表面に親水性コーティングで潤滑性を付与して
いるのでトルク伝達性が優れていて、血管分枝における
選択が思いのままになる。
【0063】ガイドワイヤーは狭窄部に達しさらに通過
する。この時前述した被覆部材および親水性コーティン
グによって非常に狭窄部が狭い場合においても通過が可
能となる。また、通過させた状態で複数のX線造影部材
を使って狭窄部の長さや厚みを計測することが可能とな
り、拡張するためのバルーンサイズを選択できる。
【0064】次に、拡張カテーテルをガイドワイヤーに
沿って押し進め、拡張カテーテルのバルーンが狭窄部の
中央に来ていることを確認し、バルーン内に造影剤を注
入・加圧して拡張させることで、狭窄部を拡張させる。
拡張が終了したのち、または別のサイズの拡張カテーテ
ルに交換するために拡張カテーテルを一旦抜去して、ガ
イドワイヤーも目的部位から後退するときに、本発明の
ガイドワイヤーは実質的に平滑な外表面を形成する合成
樹脂製被覆部材を有しているのでスプリングが露出して
いるガイドワイヤーのようにスプリングで狭窄部を引っ
かけてスプリングが伸びてしまい、最悪にはガイドワイ
ヤーが抜けなくなるというような事態が起こり得ず、無
用な配慮なく抜去ができる。
【0065】なお、本発明のガイドワイヤーは、PTC
Aのほか、脳や腹部などの血管造影用や治療用のカテー
テル挿入に使用可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明は、芯材と、該芯材の先端部に所
定間隔で設けられており、該芯材に密着して固定された
複数の環状X線造影部材と、該芯材と該造影部材を被覆
して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部
材と、該芯材の該造影部材の先端側に有しており、該造
影部材の先端側への移動を防止する膨出部からなること
を特徴とするガイドワイヤーであるので、視認性が良好
で、狭窄部を容易に通過できる。さらに狭窄部のサイズ
測定等が可能となる。また、芯材の膨出部と実質的に平
滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材は、狭窄部の
挿入と抜去の安全性と容易性を保証する。合成樹脂製被
覆部材の外径すなわちガイドワイヤーの外径が均一であ
ることにより、その安全性と容易性は向上する。
【0067】芯材が超弾性合金であると、トルクの伝達
が容易でガイドワイヤー先端の滑らかな回転が実現でき
る。
【0068】また、芯材と、該芯材に密着して固定され
た環状X線造影部材と、該芯材と該造影部材を被覆する
合成樹脂製被覆部材と、該芯材の該造影部材の先端側に
有しており、該造影部材の先端側への移動を防止する膨
出部からなることを特徴とするガイドワイヤーであるの
で、視認性が良好で、狭窄部を容易に通過できる。さら
に狭窄部のサイズ測定等が可能となる。また、実質的に
平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材は、狭窄部
の挿入と抜去の安全性と容易性を保証する。合成樹脂製
被覆部材の外径すなわちガイドワイヤーの外径が均一で
あることにより、その安全性と容易性は向上する。
【0069】複数のX線造影部材が一定間隔で設ける
と、X線像を見ながら容易に測定が可能となる。また、
芯材が超弾性線であると曲がり癖がつきにくく、ガイド
ワイヤーの先端の方向をかえるために手元でひねって回
転させるときに回転させた角度そのまま先端が回ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のガイドワイヤーの第1の実施
例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明のガイドワイヤーの第2の実施
例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明のガイドワイヤーの第3の実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】
ガイドワイヤー 1、10、100 芯材 2、12 先端部 21、121、221 X線造影部材 6 16 合成樹脂製被覆部材 8 18 膨出部 30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材と、該芯材の先端部に所定間隔で設け
    られており、該芯材に密着して固定された複数の環状X
    線造影部材と、該芯材と該造影部材を被覆して実質的に
    平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材と、該芯材
    の該造影部材の先端側に備わっており、該造影部材の先
    端側への移動を防止する膨出部からなることを特徴とす
    るガイドワイヤー。
  2. 【請求項2】芯材と、該芯材の先端部に所定間隔で設け
    られた複数のX線造影部材と、該芯材と該造影部材を被
    覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆
    部材とからなることを特徴とするガイドワイヤー。
  3. 【請求項3】芯材と、該芯材に密着して固定された環状
    X線造影部材と、該芯材と該造影部材を被覆する合成樹
    脂製被覆部材と、該芯材の該造影部材の先端側に有して
    おり、該造影部材の先端側への移動を防止する膨出部か
    らなることを特徴とするガイドワイヤー。
  4. 【請求項4】芯材と、該芯材に密着して固定された等間
    隔に並列した複数の環状X線造影部材と、該芯材と該造
    影部材をほぼ同一外径に被覆する合成樹脂製被覆部材
    と、該芯材の該造影部材の先端側に有しており、該芯材
    を溶融して形成してなり、該造影部材の先端側への移動
    を防止する固定部材からなることを特徴とするガイドワ
    イヤー。
  5. 【請求項5】NiTi芯材と、該芯材の先端部に密着し
    て固定された環状X線造影部材と、該芯材と該造影部材
    をほぼ同一外径に被覆する合成樹脂製被覆部材と、該被
    覆部材の表面を覆う水潤滑性被覆層と、該芯材と同材料
    にて一体的に形成してなり、該環状造影部材の内径より
    大きい径を有する固定部材からなることを特徴とするガ
    イドワイヤー。
  6. 【請求項6】超弾性芯材と、該芯材の先端部に固定され
    たコイル状X線造影部材と、該芯材と該造影部材を被覆
    する合成樹脂製被覆部材と、該被覆部材の表面を覆う水
    潤滑性被覆層と、該コイル状造影部材の内径より大きい
    径を有する固定部材からなることを特徴とするガイドワ
    イヤー。
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