JP2001345642A - 電圧制御発振器 - Google Patents

電圧制御発振器

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JP2001345642A
JP2001345642A JP2000166146A JP2000166146A JP2001345642A JP 2001345642 A JP2001345642 A JP 2001345642A JP 2000166146 A JP2000166146 A JP 2000166146A JP 2000166146 A JP2000166146 A JP 2000166146A JP 2001345642 A JP2001345642 A JP 2001345642A
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inductance element
resonance
electrode
conductive pattern
alumina substrate
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JP2000166146A
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English (en)
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Akiyuki Yoshisato
彰之 善里
Akihiko Inoue
明彦 井上
Hiroshi Sakuma
博 佐久間
Yasuhiro Igarashi
康博 五十嵐
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化に好適な電圧制御発振器を提供するこ
と。 【解決手段】 アルミナ基板1上にコンデンサC1〜C
10と抵抗R1〜R4およびインダクタンス素子L1〜
L4を含む回路素子を薄膜形成すると共に、ダイオード
D1とトランジスタTr1,Tr2の半導体ベアチップ
4をワイヤーボンディングし、かつ、薄膜形成されたイ
ンダクタンス素子L1〜L4のうち、インダクタンス素
子L2を渦巻き状に形成して共振周波数設定用インダク
タンス素子となすと共に、このインダクタンス素子L2
に接続されたインダクタンス素子L3を共振調整用導電
パターンとなし、インダクタンス素子L3のトリミング
によってインダクタンス素子L2の巻数を増加させて共
振周波数を調整するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の無線
通信機器に組み込まれて使用される電圧制御発振器(V
CO)に係り、特に、小型化に好適な電圧制御発振器に
関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話等に組み込まれて使用される電
圧制御発振器は、一般的に、基板上に設けられた導電パ
ターンの半田ランドに共振回路と発振回路およびバッフ
ァ回路の各回路部品を半田付けし、これら回路部品をシ
ールドカバーで覆うように概略構成されている。基板は
誘電材料を積層した多層基板にて構成され、その最上層
部と内層部には接地導体に挟まれてマイクロストリップ
ラインが設けられている。このマイクロストリップライ
ンは分布定数型の共振用インダクタを構成するものであ
り、基板の誘電率やマイクロストリップラインの長さに
よって共振回路のQが決定される。また、多層基板の側
面に端面電極が設けられており、電圧制御発振器を母基
板上に面実装する際、端面電極は母基板の半田ランドに
半田付けされる。
【0003】共振回路はマイクロストリップラインによ
って形成される共振用インダクタと面実装部品であるダ
イオードおよびチップコンデンサの回路部品とで構成さ
れ、これらは基板に設けられたスルーホールと導電パタ
ーンを介して接続されている。また、発振回路は発振用
トランジスタとチップ抵抗とチップコンデンサおよびイ
ンダクタの回路部品で構成され、バッファ回路は増幅用
トランジスタとチップ抵抗とチップコンデンサおよびイ
ンダクタの回路部品で構成され、これらの部品は導電パ
ターンを介して接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、チップ
部品やトランジスタ等の回路部品を小形化する技術は著
しく進歩しており、例えば外形寸法が0.6×0.3mm程度の
超小形のチップ抵抗やチップコンデンサも実用化され、
トランジスタやダイオード等の半導体部品の外形寸法も
小形化されつつある。したがって、前述した従来の電圧
制御発振器においても、このような小形のチップ部品や
半導体部品等を使用し、これらの回路部品を部品間ピッ
チを狭めた状態で基板上に実装すれば、電圧制御発振器
をある程度までは小型化することが可能となる。しかし
ながら、チップ部品や半導体部品等の回路部品の小形化
には限界があり、しかも、多数の回路部品を基板上に実
装する際に、各回路部品の半田付け部分が短絡しないよ
うにしなければならないため、部品間ピッチを狭めるの
にも限界があり、これらのことが電圧制御発振器の更な
る小型化を妨げる要因となっていた。また、前述した従
来の電圧制御発振器においては、多層基板に設けられた
マイクロストリップラインによって分布定数型の共振用
インダクタが構成されているため、所望のQを得るのに
必要とされるマイクロストリップラインが長くなり、こ
の点からも電圧制御発振器の小型化が妨げられていた。
【0005】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、小型化に好適な電圧
制御発振器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電圧制御発振器では、アルミナ基板上に
膜形成されたインダクタンス素子と、前記アルミナ基板
上にワイヤーボンディングされたトランジスタおよびダ
イオードの半導体ベアチップとを備え、前記インダクタ
ンス素子が少なくとも渦巻き形状に膜形成された共振用
インダクタンス素子と、この共振用インダクタンス素子
に接続するように膜形成された共振調整用導電パターン
とを有し、この共振調整用導電パターンのトリミングに
より前記共振用インダクタンス素子の巻数を増加して共
振周波数を調整するように構成した。
【0007】このような構成によれば、インダクタンス
素子が成膜技術を用いてアルミナ基板上に高精度に形成
されると共に、半導体素子はベアチップをアルミナ基板
上にワイヤーボンディングしたものであるため、アルミ
ナ基板上に必要とされる回路部品が高密度に実装され、
しかも、膜形成された渦巻き形状のインダクタンス素子
によって集中定数型の共振用インダクタンス素子が構成
されるため、その導体間距離を狭めることができるた
め、小型化に好適な面実装タイプの電圧制御発振器を実
現することができる。また、アルミナ基板上に共振用イ
ンダクタンス素子に接続するように共振調整用導電パタ
ーンを膜形成し、この共振調整用導電パターンのトリミ
ングによって共振用インダクタンス素子の巻数を増加し
て共振周波数を調整するように構成したため、共振周波
数の調整を簡単に行なうことができる。
【0008】上記の構成において、トリミング後の共振
調整用導電パターンの導体幅と共振用インダクタンス素
子の導体幅とを略同一にすることが好ましく、このよう
にすると両者の特性インピーダンスが変わらなくなるた
め、C/N比が良好な発振を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例につい
て図面を参照して説明すると、図1は電圧制御発振器の
斜視図、図2は回路構成レイアウトを示すアルミナ基板
の平面図、図3はアルミナ基板の裏面図、図4はVCO
回路の説明図、図5は端面電極を示す斜視図、図6は端
面電極の断面図、図7は半導体ベアチップと接続ランド
の関係を示す説明図、図8は電圧制御発振器の製造工程
を示す説明図である。
【0010】図1に示すように、本実施形態例に係る電
圧制御発振器(VCO)は、後述するVCO回路の回路
構成素子を搭載したアルミナ基板1と、このアルミナ基
板1に取付けられたシールドカバー2とで構成されてお
り、携帯電話等の母基板(図示せず)に半田付けされる
面実装部品となっている。アルミナ基板1は方形平板状
に形成されており、大版基板を短冊状の分割片に切断し
た後、この分割片をさらに細分割することによって得ら
れる。シールドカバー2は金属板を箱形に折り曲げ加工
したもので、アルミナ基板1上の回路構成素子はこのシ
ールドカバー2によって覆われている。
【0011】図2に示すように、アルミナ基板1の表面
にはVCO回路の回路構成素子とそれらを接続する導電
パターンが設けられており、また、図3に示すように、
アルミナ基板1の裏面には背面電極としての導電パター
ンが設けられている。本実施形態例に係るVCO回路は
図4に示すような回路構成となっており、図2に示され
る各回路構成素子には図4の回路図に対応する符号を付
してある。ただし、図4はVCO回路の一例を示すもの
であり、本発明はこれ以外のVCO回路にも適用可能で
ある。
【0012】図4に示すように、VCO回路は共振回路
と発振回路およびバッファ回路からなり、これらの回路
構成素子であるコンデンサC1〜C10、抵抗R1〜R
4、インダクタンス素子L1〜L4、ダイオードD1、
トランジスタTr1,Tr2、導電路S1,S2、およ
び各回路構成素子を接続する導電パターンはアルミナ基
板1の表面に設けられている。この導電パターンは例え
ばCrやCu等をスパッタリング等の薄膜技術を用いて
形成したもので、図2中には符号Pを付してハッチング
によって表されている。
【0013】図2に示すように、アルミナ基板1の端部
にはVCO回路の接地用電極(GND)と入力用電極
(Vcc,Vctl)および出力用電極(FRout)が形成さ
れており、これらは導電パターンPの一部によって構成
されている。接地用電極と入力用電極(Vcc,Vctl)
および出力用電極(FRout)は方形状のアルミナ基板
1の相対向する2つの長辺側にのみ形成され、それ以外
の相対向する2つの短辺側には形成されていない。すな
わち、アルミナ基板1の一方の長辺側の両隅部(コー
ナ)と中央部の3箇所にGND電極が形成され、これら
GND電極の間にVcc電極とVctl電極が形成されてい
る。また、アルミナ基板1の他方の長辺側の両隅部とそ
の近傍の3箇所にGND電極が形成され、これらGND
電極の間に2つのFRout電極が形成されている。な
お、後述するように、アルミナ基板1の2つの長辺は大
版基板を短冊状の分割片に切断したときの分割線に対応
し、アルミナ基板1の2つの短辺はこの分割片をさらに
細分割したときの分割線に対応する。
【0014】一方、図3に示すように、アルミナ基板1
の裏面に設けられた導電パターンP1(背面電極)はそ
れぞれの接地用電極(GND)と入力用電極(Vcc,V
ctl)および出力用電極(FRout)に対向しており、図
5と図6に示すように、両者は端面電極3を介して導通
されている。この端面電極3はAg厚膜層の上にNi下
地メッキ層とAuメッキ層を順次積層したもので、最下
層のAg厚膜層は、ガラス成分を含まないAgペースト
を厚膜形成した後、これを200°C程度で焼成した低
温焼成材からなる。また、中間層のNi下地メッキ層は
Auメッキ層の付着を容易にするもので、最上層のAu
メッキ層は、端面電極3を図示せぬ母基板の半田ランド
に半田付けした際に、最下層のAgが半田に析出するの
を防止するためのものである。そして、シールドカバー
2がアルミナ基板1に取付けられた電圧制御発振器の完
成品において、シールドカバー2の側面に折り曲げ形成
された脚片2aが接地用電極(GND)と導通する端面
電極3に半田付けされており、シールドカバー2はアル
ミナ基板1の4隅で接地された状態となる。
【0015】VCO回路の各回路構成素子のうち、コン
デンサC1〜C10は下部電極の上にSiO2等の誘電体膜
を介して上部電極を積層したもので、これらはスパッタ
リング等を用いて薄膜形成されている。上部電極の表面
にはCu層が設けられており、このCu層によって共振
回路のQが高められている。コンデンサC1〜C10の
下部電極と上部電極は導電パターンPに接続されてお
り、図2に示すように、コンデンサC8とVcc電極間の
導電パターンP、コンデンサC8とRFout電極間の導
電パターンP、コンデンサC10とVctl電極間の導電
パターンPには、それ放電用の近接部(エアーギャッ
プ)Gが形成されている。この近接部Gは互いに対向す
る導電パターンPとGND電極、または互いに対向して
並設された一対の導電パターンPのそれぞれに設けられ
た突部によって構成されており、両突部の尖端同士は所
定のギャップを存して対向している。この場合、導電パ
ターンPとGND電極の寸法精度はいずれも薄膜技術に
より高くなるため、近接部Gのギャップ寸法を狭めるこ
とができ、低電圧での放電が可能となっている。また、
各コンデンサC1〜C10のうち、コンデンサC1〜C
4とC6およびC7は単純な方形状に形成されている
が、コンデンサC5とC8〜C10については2つの方
形を組み合わせた異形状に形成されている。すなわち、
コンデンサC5とC8およびC10は1つの方形の一辺
から別の方形をずらして突出させた形状であり、コンデ
ンサC9は2つの方形をL字状に連続させた形状になっ
ている。コンデンサC1〜C10の一部(または全部)
をこのような異形状にすると、アルミナ基板1上の限ら
れたスペースが有効利用され、所望の容量値のコンデン
サを高密度実装することができる。
【0016】さらに、各コンデンサC1〜C10のう
ち、コンデンサC9は2つの接地用コンデンサで構成さ
れており、両者は互いに分離された一対の導電パターン
Pを介して並列接続されている。すなわち、図2に示す
ように、方形状に形成された接地用コンデンサC9とL
字状に形成された接地用コンデンサC9は、それぞれ各
一方の電極部はGND電極に繋がる導電パターンPに接
続されているが、各他方の電極部は互いに分離された別
々の導電パターンPを介して発振用トランジスタTr1
のコレクタ電極に接続されている。図4から明らかなよ
うに、コンデンサC9は発振用トランジスタTr1のコ
レクタと接地間に設けられており、このコンデンサC9
の容量値は互いに分離された一対の導電パターンPを介
して並列接続された2つの接地用コンデンサによって設
定されることになる。したがって、トランジスタTr1
のコレクタ電極からコンデンサC9を介して接地に至る
導電パターンP全体のインダクタンスが減少して、接地
用コンデンサC9による接地効果が向上することにな
り、また、各接地用コンデンサC9と各導電パターンP
とによる寄生発振周波数が高くなるため、この周波数を
トランジスタTr1の動作点周波数以上に設定すること
により、寄生振動をなくすことができる。
【0017】VCO回路の各回路構成素子のうち、抵抗
R1〜R4は例えばTaSiO2等の抵抗膜をスパッタリング
等の薄膜技術を用いて形成したもので、その表面には必
要に応じてSiO2等の誘電体膜が設けられている。図2に
示すように、4つの抵抗R1〜R4のうち、抵抗R1〜
R3はアルミナ基板1上の互いに近接した位置に薄膜形
成され、残りの抵抗R4は抵抗R1〜R3から離れた位
置に並設して薄膜形成されている。このように抵抗R1
〜R3を近接した位置に薄膜形成してあるため、各抵抗
R1〜R3の抵抗値が所望値に対してバラツキを生じた
としても、抵抗R1〜R3全体のバラツキの比率を同じ
にすることができる。図4から明らかなように、抵抗R
1〜R3は発振用トランジスタTr1と増幅用トランジ
スタTr2のベースバイアス用分圧抵抗であり、(R1
+R2)/(R1+R2+R3)×Vccの電圧がトラン
ジスタTr1のベースに加わり、R1/(R1+R2+
R3)×Vccの電圧がトランジスタTr2のベースに加
わる。ここで、ベースバイアス用分圧抵抗である抵抗R
1〜R3全体のバラツキの比率は前述したように常に同
じであるため、これら抵抗R1〜R3に対する抵抗値の
トリミングは不要となる。一方、抵抗R4は発振用トラ
ンジスタTr1のエミッタ抵抗であり、電流はVcc電極
からトランジスタTr2のコレクタとエミッタを通って
トランジスタTr2のコレクタとエミッタに流れ、さら
に抵抗R4とインダクタンス素子L4を通って接地され
る。ここで、各抵抗R1〜R4のうち、エミッタ抵抗で
ある抵抗R4によるトランジスタTr1,Tr2の増幅
度への寄与が最も大きいため、電流値が一定になるよう
に抵抗R4のみをトリミングして出力調整するようにし
てある。
【0018】また、VCO回路の各回路構成素子のう
ち、インダクタンス素子L1〜L4と導電路S1,S2
は、CrやCu等をスパッタリング等の薄膜技術を用い
て形成したもので、導電パターンPに接続されている。
各インダクタンス素子L1〜L4の表面にはCu層が設
けられており、このCu層によって共振回路のQが高め
られている。インダクタンス素子L1とL2およびL4
はいずれも角形の渦巻き形状に形成されており、それぞ
れの一端はVctl電極や接地用の導電パターンPにワイ
ヤーボンディングされている。インダクタンス素子L2
は概略の共振周波数を設定する共振周波数設定用であ
り、インダクタンス素子L3はインダクタンス素子L2
の他端に連続している。インダクタンス素子L3は共振
周波数を調整するための調整用導電パターンであり、図
2の破線で示すように、インダクタンス素子L3をトリ
ミングして削ることにより、インダクタンス素子L2の
巻数が増加して共振周波数を調整するようになってい
る。この場合、トリミング後のインダクタンス素子L3
の導体幅がインダクタンス素子L2の導体幅と同じにな
るようにすれば、インダクタンス素子L2とインダクタ
ンス素子L3の特性インピーダンスが変わらなくなり、
C/N比が良好な発振を得ることができる。
【0019】導電路S1,S2は不平衡信号を平衡信号
に変換して出力する不平衡/平衡変換素子であり、前述
したようにアルミナ基板1上に薄膜形成されている。こ
れら導電路S1,S2はアルミナ基板1上で所定のギャ
ップを介して対向するようにクランク状に形成されてお
り、一方の導電路S1の両端はトランジスタTr2のコ
レクタ電極とコンデンサC8に接続された導電パターン
Pとに接続され、他方の導電路S2の両端は一対のRF
out電極に接続されている。この場合、薄膜形成された
導電路S1,S2の寸法精度が高いため、両導電路S
1,S2間のギャップを狭くして所望の結合度を確保す
ることができ、アルミナ基板1上の限られたスペース内
に小形の不平衡/平衡変換素子を設けることができる。
【0020】また、VCO回路の各回路構成素子のう
ち、ダイオードD1とトランジスタTr1,Tr2は、
アルミナ基板1上に薄膜形成された導電パターンPの接
続ランドに半導体ベアチップを搭載し、該半導体ベアチ
ップを導電パターンPにワイヤーボンディングしたもの
である。すなわち、図2に示すように、ダイオードD1
の半導体ベアチップは角形形状をなし、その下面に設け
られた一方の電極がクリーム半田や導電ペースト等の導
電性接着剤を用いて接続ランドに固定され、半導体ベア
チップの上面に設けられた他方の電極が導電パターンP
の所定部位にワイヤーボンディングされている。また、
両トランジスタTr1,Tr2の半導体ベアチップも角
形形状をなし、その下面に設けられたコレクタ電極が導
電性接着剤を用いて接続ランドに固定され、ベース電極
とエミッタ電極が導電パターンPの所定部位にワイヤー
ボンディングされている。前述した端面電極3と同様
に、これら接続ランド上にもNi下地メッキ層とAuメ
ッキ層が順次積層されている。ここで、図7(a)また
は(b)に示すように、半導体ベアチップ4の下面積に
対して接続ランド5の面積が小さく形成されており、こ
のような構成を採用することにより、半導体ベアチップ
4の下方に導電性接着剤の溜り部が確保されるため、導
電性接着剤が半導体ベアチップ4の外形からはみ出して
周囲の導電パターンPと短絡する事故を未然に防止する
ことができる。また、接続ランド5の内部に開口5aが
設けられており、これによって余剰の導電性接着剤が開
口5a内に溜められるため、導電性接着剤のはみ出しを
より確実に防止できるようになっている。
【0021】次に、上記の如く構成された電圧制御発振
器の製造工程について主として図8を用いて説明する。
【0022】まず、図8(a)に示すように、アルミナ
基板1の表面全体にTaSiO2等をスパッタリングした後、
これを所望形状にエッチングして抵抗膜6を形成するこ
とにより、抵抗R1〜R4に相当する部分が構成され
る。次に、図8(b)に示すように、抵抗膜6の上から
CrやCu等をスパッタリングし、これを所望形状にエ
ッチングして下部電極7を形成した後、図8(c)に示
すように、下部電極7の上からSiO2等をスパッタリング
し、これを所望形状にエッチングして誘電体膜8を形成
する。次に、図8(d)に示すように、誘電体膜8の上
からCrやCu等をスパッタリングした後、これを所望
形状にエッチングして上部電極9を形成する。その結
果、下部電極7または上部電極9によって導電パターン
Pとインダクタンス素子L1〜L4および導電路S1,
S2に相当する部分が構成され、下部電極7と誘電体膜
8および上部電極9の積層体によってコンデンサC1〜
C10に相当する部分が構成される。次に、インダクタ
ンス素子L1〜L4とコンデンサC1〜C10に相当す
る部分の表面にCu層をメッキまたは薄膜技術で形成し
た後、図8(e)に示すように、導電パターンPを除く
部分に保護膜10を形成する。次に、図8(f)に示す
ように、アルミナ基板1の裏面全体にCrやCu等をス
パッタリングした後、これを所望形状にエッチングして
背面電極11を形成することにより、裏面側の導電パタ
ーンP1に相当する部分が構成される。
【0023】なお、以上説明した図8(a)〜(f)の
工程は、縦横に格子状に延びる分割溝が刻設されたアル
ミナ材からなる大版基板に対して行なわれ、以下に説明
する図8(g)〜(j)の工程は、この大版基板を一方
向の分割溝に沿って切断することで得られる短冊状の分
割片に対して行なわれる。
【0024】すなわち、大版基板を短冊状の分割片に切
断した後、図8(g)に示すように、この分割片の切断
面であるアルミナ基板1の両端面にAg層12を厚膜形
成し、アルミナ基板1の表裏両面に設けられた導電パタ
ーンP,P1の接地用電極(GND)と入力用電極(V
cc,Vctl)および出力用電極(FRout)同志をAg層
12で導通する。このAg層12は前述した端面電極3
のAg厚膜層に相当し、ガラス成分を含まないAgペー
ストからなる低温焼成材である。なお、かかるAg層1
2の厚膜形成工程を1つの短冊状分割片に対して行なう
ことも可能であるが、複数の分割片を若干の隙間を存し
て重ね合わせた状態にすれば、Ag層12を複数の分割
片に対して同時に厚膜形成することができ、大量生産に
好適となる。次に、Ag層12と半導体ベアチップが搭
載される接続ランドの各表面にNi下地層とAu層を順
次メッキした後、図8(h)に示すように、各接続ラン
ド上にダイオードD1とトランジスタTr1,Tr2の
半導体ベアチップをクリーム半田や導電ペースト等の導
電性接着剤を用いて固定する。この場合、前述したよう
に、半導体ベアチップの下面積に対して接続ランドの面
積が小さく形成されているため、導電性接着剤の半導体
ベアチップからのはみ出しが防止され、導電性接着剤が
半導体ベアチップの周囲の導電パターンPと不所望に短
絡しないようになっている。次に、図8(i)に示すよ
うに、各半導体ベアチップを導電パターンPの所定部位
にワイヤーボンディングした後、図8(j)に示すよう
に、エミッタ抵抗である抵抗R4をトリミングして出力
調整すると共に、調整用導電パターンであるインダクタ
ンス素子L3をトリミングして共振周波数を調整する。
この場合、共振周波数の調整は個々のアルミナ基板1に
分割する前の短冊状分割片の状態で行なわれ、各アルミ
ナ基板1の隅部に接地用電極(GND)が設けられてい
るため、隣接するアルミナ基板1に設けられた入力用電
極(Vcc,Vctl)および出力用電極(FRout)間に必
ず接地用電極(GND)が位置することになり、共振周
波数調整が隣接するアルミナ基板1のVCO回路へ悪影
響を及ぼさないようになっている。
【0025】次いで、短冊状分割片の個々のアルミナ基
板1にシールドカバー2を取付け、該シールドカバー2
の脚片2aを接地用電極(GND)に導通する端面電極
3に半田付けた後、分割片を他方の分割溝に沿って個々
のアルミナ基板1に細分割することにより、図1に示す
ような電圧制御発振器が得られる。
【0026】このように構成された上記実施形態例に係
る電圧制御発振器によれば、アルミナ基板1上にコンデ
ンサC1〜C10、抵抗R1〜R4、インダクタンス素
子L1〜L4、導電路S1,S2等の回路素子とこれら
回路素子に接続される導電パターンPとを薄膜形成する
と共に、このアルミナ基板1上にダイオードD1とトラ
ンジスタTr1,Tr2の半導体ベアチップをワイヤー
ボンディングし、かつ、アルミナ基板1の側面に導電パ
ターンの接地用電極と入出力用電極に接続される端面電
極3を設けたため、VCO回路用の構成素子を薄膜技術
と半導体素子のワイヤーボンディングとを用いてアルミ
ナ基板1上に高密度に実装でき、小型化に好適な面実装
タイプの電圧制御発振器を実現することができる。
【0027】また、薄膜形成されたインダクタンス素子
L1〜L4のうち、インダクタンス素子L2を渦巻き状
に形成して集中定数型の共振用インダクタンス素子とな
したため、該インダクタンス素子L2の導体間距離を狭
めて共振用インダクタンス素子の小型化を図ることがで
き、この点からも電圧制御発振器の小型化を実現するこ
とができる。また、このインダクタンス素子L2を含む
全てのインダクタンス素子L1〜L4の表面にCuメッ
キを設けたため、共振回路のQを高めることができる。
【0028】さらに、共振周波数設定用のインダクタン
ス素子L2に接続されたインダクタンス素子L3を共振
調整用導電パターンとなし、該インダクタンス素子L3
のトリミングによってインダクタンス素子L2の巻数が
増加して共振周波数を調整するようにしたため、共振周
波数の調整を簡単に行なうことができ、しかも、トリミ
ング後のインダクタンス素子L3(共振調整用導電パタ
ーン)とインダクタンス素子L2(共振周波数設定用イ
ンダクタンス素子)の導体幅が同じになるようにしたた
め、インダクタンス素子L2とインダクタンス素子L3
の特性インピーダンスが変わらなくなり、C/N比が良
好な発振を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】アルミナ基板上に膜形成されたインダクタ
ンス素子とワイヤーボンディングされた半導体ベアチッ
プとを搭載し、少なくとも共振用インダクタンス素子を
渦巻き形状に膜形成すると共に、この共振用インダクタ
ンス素子に接続するように膜形成された共振調整用導電
パターンをトリミングするにより、共振用インダクタン
ス素子の巻数を増加して共振周波数を調整するようにし
たため、アルミナ基板上に必要とされる回路部品を高密
度実装して電圧制御発振器の小型化を実現することがで
き、しかも、共振周波数の調整を簡単に行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る電圧制御発振器の斜
視図である。
【図2】回路構成レイアウトを示すアルミナ基板の平面
図である。
【図3】アルミナ基板の裏面図である。
【図4】VCO回路の説明図である。
【図5】端面電極を示す斜視図である。
【図6】端面電極の断面図である。
【図7】半導体ベアチップと接続ランドの関係を示す説
明図である。
【図8】電圧制御発振器の製造工程を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 アルミナ基板 2 シールドカバー 3 端面電極 4 半導体ベアチップ 5 接続ランド 5a 開口 6 抵抗膜 7 下部電極 8 誘電体膜 9 上部電極 10 保護膜 11 背面電極 12 Ag層 C1〜C10 コンデンサ R1〜R4 抵抗 L1〜L4 インダクタンス素子 Tr1〜Tr2 トランジスタ S1,S2 導電路 P,P1 導電パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 博 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 五十嵐 康博 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5J081 AA03 AA11 BB01 CC22 CC42 DD03 DD26 EE02 EE03 EE09 EE18 FF04 GG05 GG07 JJ04 JJ12 JJ14 JJ15 JJ18 JJ23 KK02 KK03 KK09 KK11 KK12 KK22 KK25 LL01 MM01 MM07 MM08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ基板上に膜形成されたインダク
    タンス素子と、前記アルミナ基板上にワイヤーボンディ
    ングされたトランジスタおよびダイオードの半導体ベア
    チップとを備え、前記インダクタンス素子が少なくとも
    渦巻き形状に膜形成された共振用インダクタンス素子
    と、この共振用インダクタンス素子に接続するように膜
    形成された共振調整用導電パターンとを有し、この共振
    調整用導電パターンのトリミングにより前記共振用イン
    ダクタンス素子の巻数を増加して共振周波数を調整する
    ように構成したことを特徴とする電圧制御発振器。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記共振用イ
    ンダクタンス素子とトリミング後の前記共振調整用導電
    パターンのそれぞれの導体幅を略同一に設定したことを
    特徴とする電圧制御発振器。
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