JP2001344596A - 画像処理装置及びこれを用いた移動体走行制御装置 - Google Patents

画像処理装置及びこれを用いた移動体走行制御装置

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JP2001344596A
JP2001344596A JP2000163832A JP2000163832A JP2001344596A JP 2001344596 A JP2001344596 A JP 2001344596A JP 2000163832 A JP2000163832 A JP 2000163832A JP 2000163832 A JP2000163832 A JP 2000163832A JP 2001344596 A JP2001344596 A JP 2001344596A
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Shigeru Yamazaki
茂 山崎
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Nippon Signal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡素な走行制御システムで路面形状に応じた滑
らかな車両走行を可能にする。 【解決手段】円錐鏡の円画像を処理する画像処理装置1
02の方位毎路面距離情報及びナビゲーション部103
の目的地方位情報に基づいて、車両の推奨進行方位をグ
ローバル制御演算部101で演算し、グローバル制御演
算部101の推奨進行方位情報及びその方位の路面距離
情報、現在の車両の速度、操舵角、方位角情報及び障害
物センサ105の障害物距離情報により、車両を安全且
つ滑らかに方向転換させるための危険度及び微小移動方
位をローカル制御演算部104で演算し、ローカル制御
演算部104の演算結果と、現在の車両の速度、操舵
角、方位角情報により、車両の速度及び操舵角等の制御
値を車両制御情報演算部106で演算し、演算値に基づ
いて車両の走行状態を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円錐鏡を介して得
られる光学画像を画像処理して周囲のプロファイル情報
を生成する画像処理装置に関する。また、この画像処理
装置を用いた移動体走行制御装置に関し、特に、移動体
が路面形状に応じて道なりに滑らかに走行できるように
した移動体走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】路面を走行する自動車等の移動体を誘導
するための誘導方式として、誘導線方式、反射テープ方
式、灯台方式、プロファイル方式、ティーチングバック
方式等がある。
【0003】誘導線方式や反射テープ方式は、路面に沿
って磁気発生用誘導線や光反射テープを敷設し、車両側
でこれらを検出しながら敷設ルートに沿って車両を誘導
する。灯台方式は、絶対位置が既知である複数の地上施
設と車両との距離を、電波、光、音波等の伝搬時間差を
利用して三角測量から求め、これにより得た絶対位置と
車両のナビゲーション装置等の地図情報から自車の位置
を求め、予めプログラムされた走行ルートの座標をトレ
ースするように車両を誘導する。プロファイル方式も、
電波、光、音波等の伝搬時間差を利用して得た周囲の構
造物・障害物等と車両との距離から車両周囲の構造物・
障害物等のプロファイル情報を生成し、このプロファイ
ル情報から現在位置を求め、これにより得た絶対位置と
車両のナビゲーション装置等の地図情報から自車の位置
を求め、予めプログラムされた走行ルートの座標をトレ
ースするように車両を誘導する。ティーチングバック方
式は、予め車両を走行開始地点から走行終了地点まで走
行させ、この際に、車両内の時計、速度センサ、方位セ
ンサ、距離センサ等を利用して得た各情報を元に、時系
列な動作命令列を作成し、次の走行時には、予め作成し
た動作命令列を逐次実行することにより、所定の走行ル
ートを誘導する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方式
はいずれも既知の基準点を基にした絶対位置が必要であ
るため、絶対座標系を提供するシステムと情報のやりと
りが不可欠である。また、誘導線方式、反射テープ方
式、灯台方式等は、車両外に付帯設備を必要とするため
インフラコストがかかる。灯台方式やプロファイル方式
のように、電波、光、音波等を利用する場合では地上の
構造物や障害物等により電波、光、音波等が遮られると
位置検出ができない。ティーチングバック方式は、未知
のルートは走行できない。
【0005】このような問題を解消するため、画像セン
サで入力した画像から車両周囲の状況を把握して障害物
等を回避するよう車両を走行制御すれば、絶対位置検出
は不要となり、システムを簡素化できる。
【0006】画像センサとしては、1台のカメラによる
単眼方式、2台のカメラによる複眼方式(所謂、ステレ
オ視法)があるが、単眼方式では、方位や距離を求める
には複雑な座標変換処理を必要とし画像処理が複雑であ
る。また、複眼方式は、対応点の探索処理が大変である
と共に、対応点がないと距離が演算できない。
【0007】一方、円錐鏡を利用した画像センサは、3
60度の範囲を1画面で得られるため、広範囲の監視が
行える利点があり、移動体の周辺状況を把握するのに有
効である。しかし、円錐鏡利用画像センサは、画像が魚
眼レンズの場合と同様に非常に歪んだ画像となるため、
従来では、歪みを除去して正立画像に変換するようにし
ており画像処理が煩雑である。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、円錐鏡による円画像から容易にプロファイル情報を
生成できる画像処理装置を提供することを目的とする。
また、この画像処理装置を用いた移動体走行制御装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明の画像処理装置では、円錐鏡を介して得られた光学画
像を撮像する撮像手段と、撮像手段で得られた撮像画像
の半径方向及び同心円方向のエッジ検出を行い撮像画像
をエッジで囲まれた領域に分割する領域分割手段と、分
割領域が路面領域か当該路面領域に接する物体領域かを
認識し認識結果に基づいて周囲のプロファイル情報を生
成するプロファイル情報生成手段とを備える構成とし
た。
【0010】かかる構成では、周囲の状況を円錐鏡を介
して撮像手段で撮像する。領域分割手段は、撮像された
円画像の半径方向及び同心円方向に各エッジを検出し、
画像をエッジで囲まれた領域に分割する。プロファイル
情報生成手段は、エッジで分割された各領域の認識処理
により路面領域か路面に建てられた建物等の物体を示す
物体領域かを認識し、認識結果に基づいて周囲のプロフ
ァイル情報を生成する。
【0011】前記領域分割手段は、請求項2のように、
撮像画像の角度毎に画像中心から半径方向の輝度変化を
検出して前記半径方向のエッジを検出し、前記撮像画像
の半径毎に円周方向の輝度変化を検出して前記同心円方
向のエッジを検出する構成である。
【0012】請求項3のように、前記撮像手段を移動体
に取付けた時に、前記プロファイル情報生成手段は、撮
像画像内の前記移動体が存在する移動体存在領域を予め
記憶し、入力した撮像画像の前記移動体存在領域の外周
囲位置を最小半径として半径方向に次のエッジ位置を検
出し、前記外周囲位置と検出エッジで囲まれる領域を前
記路面領域と認識する構成とするとよい。
【0013】かかる構成では、撮像手段を取付けた移動
体が路面を走行しているものとして路面領域を認識する
ようになる。請求項4のように、前記プロファイル情報
生成手段は、前記路面領域外周囲位置を最小半径として
半径方向に次のエッジ位置を検出し、前記路面領域外周
囲と検出エッジで囲まれる領域を前記物体領域と認識す
る構成とするとよい。
【0014】かかる構成では、路面に建てられた建物等
を路面に接して建てられた物体領域として認識できるよ
うになる。請求項5のように、前記プロファイル情報生
成手段は、前記路面領域と認識した領域の領域境界まで
の距離及び領域幅を演算して移動体周囲のプロファイル
情報を生成する構成とするとよい。
【0015】かかる構成では、路面領域の距離や幅を知
ることが可能となり、プロファイル情報から周囲の状況
をより詳しく把握できるようになる。前記プロファイル
情報生成手段は、請求項6のように、路面領域外周囲の
各画素のx−y座標を極座標に変換し、各画素の半径値
に基づいて移動体から路面領域境界までの距離を演算す
る構成とし、請求項7のように、画像中心から路面領域
外周囲までの極大値を演算し、該極大値に相当する画素
位置と画像中心とを結ぶ直線に対して直角方向の線上に
存在する一対の画素を検出し、前記一対の画素間の距離
を演算して路面領域の幅とする構成とした。
【0016】請求項8の発明の移動体走行制御装置は、
請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像処理装置から
の移動体周囲のプロファイル情報と移動体が目指す目的
地の方位情報とに基づいて、移動体の進行すべき進行方
位情報を生成する第1の情報生成手段と、該第1の情報
生成手段からの前記進行方位情報、前記プロファイル情
報から得られる前記進行方位における移動可能距離情
報、移動体の速度、操舵角、方位角等の移動体走行情報
及び障害物距離情報に基づいて、前記進行方位に移動体
を滑らかに方向転換させるための速度制御に関する情報
及び微小移動方位情報を生成する第2の情報生成手段
と、該第2の情報生成手段からの前記速度制御に関する
情報、微小移動方位情報及び前記現状の移動体走行情報
に基づいて、移動体の走行制御出力を生成する制御出力
生成手段とを備え、移動体の走行を制御する構成とし
た。
【0017】かかる構成では、第1の情報生成手段は、
画像処理装置からプロファイル情報を入力し、移動体が
目指している目的地の方位を考慮してこれから移動体が
進行すべき進行方位を設定し、進行方位情報として第2
の情報生成手段に出力する。第2の情報生成手段は、進
行方位情報、移動体の現在の操舵角及び方位角から微小
な移動方位を設定すると共に、移動体の現在速度、設定
された進行方位に対する移動可能な距離から移動体の速
度を設定するための情報を生成し、制御出力生成手段に
それぞれ出力する。制御出力生成手段は、第2の情報生
成手段から入力する微小移動方位情報及び速度制御に関
する情報、速度、操舵角及び方位角等の移動体走行情報
を総合的に考慮して、最適な操舵角や速度の制御値を設
定する。これら設定制御値に基づいて移動体の走行を制
御する。
【0018】前記第1の情報生成手段は、具体的には、
請求項9のように、前記画像処理装置から方位別の路面
距離情報を入力し、ナビゲーション部から移動体が目指
す目的地方位情報を入力し、車両の前方から後方に小さ
くなるような重み係数を用いて前記路面距離情報を重み
付けし、重み付けした路面距離情報と前記目的地方位情
報とを合成して移動体の進行すべき進行方位を決定する
構成とし、請求項10のように、前記画像処理装置から
入力した方位別の路面距離情報に基づいて、前記決定し
た進行方位の路面距離情報を前記移動可能距離情報とし
て前記第2の情報生成手段に出力する構成とするとよ
い。
【0019】前記第2の情報生成手段は、具体的には、
請求項11のように、移動体の方位角及び操舵角情報と
前記進行方位情報とに基づいて移動体の微小移動方位を
決定すると共に、移動体の速度情報に基づいて移動体が
安全に移動するのに必要な所定エリアを車両周囲に設定
し、該所定エリアと障害物距離及び移動可能距離情報と
の関係から危険度合いを演算し、該危険度合いを速度制
御に関する情報とする構成とするとよい。所定エリア
は、請求項12のように、移動体の速度情報に基づいて
安全車間距離を演算し、該安全車間距離に基づいて設定
する構成とするとよい。
【0020】前記制御出力生成手段は、請求項13のよ
うに、前記第2の情報生成手段からの前記危険度合いを
小さくする方向に、移動体の走行制御出力を生成する構
成とした。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の画像処理装置を移
動体周囲のプロファイル情報の生成に適用した場合の一
実施形態を示す。
【0022】図1において、本実施形態の画像処理装置
1は、移動体である車両のルーフ等に取付け、円錐鏡2
からの光学画像を撮像する撮像手段としてのCCDカメ
ラ3と、CCDカメラ3からの電気的画像信号を入力す
る画像入力ボード4と、画像入力ボード4からの画像信
号を記憶する画像メモリ5と、画像メモリ5に記憶され
た画像情報に基づいて、後述するエッジ検出、領域分
割、領域認識、路面領域の幅及び距離演算、接地構造物
高さ演算等の各種処理を実行して車両周囲のプロファイ
ル情報を生成する画像処理プロセッサ6と、外部と情報
通信するためのインタフェース装置7とを備えて構成さ
れる。従って、前記画像プロセッサ6が、領域分割手段
及びプロファイル情報生成手段の機能を備える。
【0023】前記円錐鏡2は、曲率を持った曲面状の鏡
面側が、図2のように車両ルーフ(図示せず)に上方に
向けて略水平に取り付けたCCDカメラ3の前面と対向
するよう設けられ、車両全周囲の状況が撮像できる。こ
れにより、円錐鏡2を介してCCDカメラ3の画面上に
結像された円画像の中心Oが図3に示すようにCCDカ
メラ3の画面中心位置と一致し、円画像と車両の位置関
係は、車両前方が画面上方、車両後方が画面下方、車両
左右側方が画面の左右となり、車両周囲の360度の方
位と画面内の角度が一致する。また、中心Oから半径r
に存在する画素pは、路面を平面と仮定すれば、車両位
置からある関数によって表される距離の点を投影してお
り、後述する方位及び距離の演算処理によりその画素の
投影する地点の方位角と距離の概算値を求めることがで
きる。
【0024】次に、図4のフローチャートに従って本実
施形態の画像処理装置1の画像処理手順を説明する。ス
テップ1(図中S1で示し、以下同様とする)では、円
錐鏡2からの光学画像をCCDカメラ3で撮像し、CC
Dカメラ3からの電気的画像信号を画像入力ボード4を
介して取り込み画像メモリ5に記憶する。
【0025】ステップ2以下の動作は画像処理プロセッ
サ6で実行される。ステップ2では、半径方向エッジ検
出ルーチンを実行し、画像メモリ5内の画像データにつ
いて図3の円画像における半径方向のエッジを検出す
る。
【0026】ステップ3では、同じ画像に対して同心円
方向エッジ検出ルーチンを実行し、同心円方向のエッジ
を検出する。ステップ4では、ステップ2,3で検出さ
れたエッジで囲まれた部分をそれぞれの領域とし、画像
の領域分割を行う。ステップ2〜4が領域分割手段の機
能に相当する。
【0027】ステップ5では、エッジにより領域分割さ
れた画像データに対して自車存在領域認識ルーチンを実
行し、移動体存在領域である自車存在領域を抽出する。
ステップ6では、画像データに対して路面領域認識ルー
チンを実行し、ステップ5で抽出した自車存在領域外周
囲の外側部分と認められる領域を路面領域と認識する。
【0028】ステップ7では、接地構造物領域認識ルー
チンを実行し、ステップ6で認識された路面領域の外側
で路面領域と接する部分と認められる領域を接地構造物
領域と仮定する。尚、路面領域の外側で路面領域と接し
ない領域があれば、更に構造物領域認識ルーチンを実行
し、構造物領域と仮定する。ここで、接地構造物領域と
は建物等が存在する領域を示し、構造部領域とは例えば
建物の窓等が存在する領域をし、接地構造物領域及び構
造部領域が物体領域に相当する。
【0029】ステップ8では、ステップ6で認識された
路面領域に対して、概算距離演算ルーチンを実行し、方
位毎に路面領域の概算距離を演算して配列化し、方位別
の距離データを作成する。
【0030】ステップ9では、ステップ8で作成した方
位別の概算距離データに基づいて概算路面幅演算ルーチ
ンを実行し、方位別に路面領域の概算路面幅を演算して
配列化し方位別の概算路面幅データを作成する。
【0031】ステップ10では、ステップ7で認識され
た接地構造物領域に対して、構造物概算高さ演算ルーチ
ンを実行し、構造物概算高さを演算して配列化し構造物
高さデータを作成する。
【0032】ステップ11では、ステップ8〜10で求
められた各データに基づいて、車両周囲0〜360度の
範囲の状況を示すプロファイル情報を生成する。ステッ
プ1〜11の動作は画像が入力される毎に実行する。
【0033】次に、図4で述べた各ルーチンの処理動作
を詳述する。ステップ2,3のエッジ検出ルーチンで
は、予め作成した演算フィルタにより図3の円画像にお
ける半径方向と同心円方向について行う。この場合、第
1象現についてのみ演算フィルタを作成し、第2〜4象
現については角度変換を行って使用する。図5及び図6
に、半径方向と同心円方向について演算フィルタによる
エッジ検出処理の概念図を示す。図5は例えば4×4〜
18×18の演算フィルタにより半径方向にエッジ検出
する画素の状態を概念的に示している。また、図6は例
えば9×9の演算フィルタにより同心円方向にエッジ検
出する画素の状態を概念的に示している。
【0034】このようにして半径方向及び同心円方向の
エッジを検出するエッジ検出ルーチンの処理手順を図7
〜9のフローチャートに従って説明する。図7は、エッ
ジ検出ルーチンの全体の処理手順を示す。
【0035】ステップ21では、画像メモリ5に記憶さ
れた画像を取込む。ステップ22では、図3の円画像の
中心OをCCD画面のx−y座標の原点として角度を0
度に設定する。
【0036】ステップ23では、図3のような円画像に
おいて角度0度の画素列(x軸上の画素列)に対して図
8の半径方向エッジ検出ルーチンを実行する。即ち、図
8のステップ31では、半径を最小値に設定し、ステッ
プ32で、半径方向に画素の例えば輝度情報を微分し、
ステップ33で、微分値を予め設定した閾値と比較し閾
値以上の時にエッジありと判断することでエッジを検出
する。ステップ34では、半径を1ドット(1画素)増
加し、ステップ35で、最大半径か否かを判定し、最大
半径までステップ32〜35の動作を繰り返す。最大半
径になったら半径方向エッジ検出ルーチンを終了する。
【0037】このようにして角度0度の半径方向エッジ
検出が終了したら、図7のステップ24で、角度を1度
増加する。ステップ25で、角度が359度か否かを判
定し、359度になるまでステップ23〜25の動作を
繰り返し、角度が359度になったら、ステップ26に
進む。
【0038】ステップ26では、半径を最小値に設定す
る。この場合の最小値は、円錐鏡2の死角部分を除いた
図3の中央部の黒丸外周位置とする。ステップ27で
は、ステップ26で設定した最小半径の同心円方向の画
素列に対して図9の同心円方向エッジ検出ルーチンを実
行する。
【0039】即ち、図9のステップ41で、角度を0度
に設定し、ステップ42で、同心円方向に画素の例えば
輝度情報を微分し、ステップ43で、微分値を予め設定
した閾値と比較し閾値以上の時にエッジありと判断する
ことでエッジを検出する。ステップ44で、角度を1度
増加し、ステップ45で、角度が359度か否かを判定
し、359度になるまでステップ42〜45の動作を繰
り返す。角度が359度になったら同心円方向エッジ検
出ルーチンを終了する。
【0040】最小半径における同心円方向のエッジ検出
が終了したら、図7のステップ28で、半径を1ドット
(1画素)増加する。ステップ29では、最大半径か否
かを判定し、最大半径までステップ27〜29の動作を
繰り返し、最大半径になったらエッジ検出ルーチンを終
了する。
【0041】以上のエッジ検出処理動作により、画像が
検出エッジによって分割されるので、エッジ検出と同時
に画像が領域分割される。例えば、車両周囲の状況が図
10のような進行方向の路面AがT字路で、路面A両側
と前方に建物Bが存在するような場合、エッジ検出ルー
チンで得られるエッジ画像を図10と対応させると、例
えば図11のように、路面領域A、路面に接する建物で
ある接地構造物領域B、建物に設けられた窓C等の路面
に接しない構造物領域Cにそれぞれエッジ分割できる。
尚、図中のDは、図10には図示しないがこの画像処理
装置1を搭載した車両部分で、次に説明する自車存在領
域を示す。
【0042】次に、エッジ検出ルーチンで分割された領
域の認識処理について説明する。まず、図12のフロー
チャートに従って自車存在領域認識ルーチンについて説
明する。
【0043】図3の画面上において、画像中心Oから続
く画像は自車が映っている領域であり、自車存在領域D
とする。この領域Dを認識するための条件として円錐鏡
2及びCCDカメラ3は常時車両に固定されており、車
両との位置関係が変動しないものとする。かかる条件の
基に、予め車体形状を記憶し、記憶した車体形状のフィ
ルタを作成しておき、以下のような処理を実行する。
【0044】ステップ51では、画像メモリ5に記憶さ
れた画像を取込む。ステップ52では、入力した画像を
予め作成した車体形状フィルタでフィルタリングする。
これにより、車両領域のみがフィルタリングされて自車
存在領域の抜けた画像が生成される。
【0045】ステップ53では、元の画像とステップ5
2で得られた画像の差分を取り、自車存在領域のみの画
像を抽出する。ステップ54では、ステップ53で抽出
した画像を自車存在領域Dとして登録する。
【0046】次に、図13のフローチャートに従って路
面領域認識ルーチンについて説明する。図11の路面領
域Aを認識するための条件として、車両は路面を走行し
ているものとし、自車存在領域Dの外側に路面領域Aが
存在するものとして自車存在領域Dの内側は無視する。
【0047】ステップ61では、エッジ画像において角
度を0度に設定する。ステップ62では、角度0度の画
素列において半径値を自車存在領域Dの外周画素位置と
する。
【0048】ステップ63では、半径値を1(1画素)
増加する。ステップ64では、エッジが存在するか否か
を判定する。存在しなければステップ65に進み、存在
すればステップ66に進む。半径値を1づつ増加してエ
ッジが半径値の最大値まで存在しなければステップ65
の判定がYESとなり、ステップ66に進む。
【0049】ステップ66では、エッジが存在した時は
その画素の半径値を、最大半径値までエッジが存在しな
ければ最大半径値を、路面領域Aの外周と見なす。ステ
ップ67では、角度を1度増加し、ステップ68で、角
度が最大値(359度)になるまで、ステップ62〜6
8の動作を繰り返す。ステップ68でYESと判定され
たら、ステップ69で、検出されたエッジで囲まれた領
域を路面領域Aと認識し記憶する。
【0050】次に、図14のフローチャートに従って接
地構造物領域Bの認識ルーチンを説明する。ステップ7
1では、分割された領域のうちから路面領域と接してい
る領域数を計算する。
【0051】ステップ72では、領域数が1つであれば
その領域について、また、領域数が複数ある場合は複数
の内の1つを選択して、路面領域Aとの境界線の長さを
計測する。
【0052】ステップ73、74で、計測した境界線の
角度の最小と最大の各境界点のx−y座標をそれぞれ検
出する。ステップ75では、検出した両境界点のx−y
座標を極座標(r,θ)に変換して路面領域Aとの境界
線の開始地点と終了地点の角度と半径値を取得する。
【0053】ステップ76では、角度をステップ75で
取得した最小角度に設定する。ステップ77では、ステ
ップ76で設定した最小角度の画素列において半径値を
1増加する。
【0054】ステップ78では、エッジが存在するか否
かを判定する。存在しなければステップ79に進み、存
在すればステップ80に進む。エッジが半径値の最大値
まで存在しなければステップ79の判定がYESとな
り、ステップ80に進む。
【0055】ステップ80では、エッジが存在すればそ
の画素位置を、エッジが存在しなければ最大半径値を、
それぞれ接地構造物領域Bの外周と判断し、内周側エッ
ジから外周側エッジまでの半径方向の距離を演算する。
【0056】ステップ81では、角度を1度増加し、ス
テップ82では、角度がステップ74で取得した最大角
度になるまで、ステップ76〜82の動作を繰り返す。
ステップ82でYESと判定されたら、ステップ83に
進み、エッジで囲まれた領域を接地構造物領域Bと認識
する。
【0057】ステップ84では、領域数が最大値か否
か、即ちステップ71で計算された領域数と一致したか
否かを判定し、最大値になるまでステップ72〜84の
動作を繰り返す。ステップ84の判定がYESになれ
ば、ルーチンを完了する。
【0058】次に、接地構造物領域Bに接し路面領域A
とは接しない構造物領域Cがあれば、この領域Cの認識
ルーチンを実行する。構造物領域認識ルーチンの動作
は、接地構造物領域Bの外側領域に着目し、図14に示
す接地構造物認識ルーチンと同様の処理を行えばよい。
処理動作は、図14の接地構造物認識ルーチンのステッ
プ83で、エッジで囲まれた領域を構造物領域Cと認識
し記憶することが異なるだけで、他の動作は接地構造物
認識ルーチンと同様であるので説明を省略する。
【0059】次に、領域認識処理で認識された路面領域
A及び接地構造物領域Bに対して、概算路面距離、概算
路面幅及び概算構造物高さの演算ルーチンを実行する。
最初に、概算路面距離の演算動作について説明する。
【0060】まず、概算路面距離の演算原理を図15に
基づいて説明する。距離演算の前提条件として、路面は
平面且つ水平であり、円錐鏡2及びCCDカメラ3は水
平に取り付けられているものとする。
【0061】図15において、路面領域Aの外周エッジ
が検出された画素に注目しその画素の中心からの距離、
即ち半径をrとし、画素への光の入射角をφとする。反
射の法則から、光の入射方向へ線分を延長した時の中心
からの距離をxとする。路面から円錐鏡までの高さをh
とし、円錐鏡自体の高さ及び画素内の半径rは、高さを
h及び距離xに対して十分小さいものとすると、高さ
h、底辺がxの直角三角形と見なせる。このとき底角
は、90−2φとなる。高さhは既知であるから、xは
下記の式(1)から求められる。
【0062】 x=h/tan(90−2φ) ・・・ (1) ここで、入射角φは画素半径rの関数であり、式(2)
のように表せ、この特性は円錐鏡面の曲率に依存する。
【0063】φ=f(r) ・・・ (2) 従って、円錐鏡面の曲率から入射角φを求めることがで
き、式(1)から半径rの画素位置に対応する概算路面
距離xが算出できる。
【0064】上記の演算原理を使用して、図16のフロ
ーチャートに示すように路面領域境界までの概算距離を
算出する。ステップ91では、路面領域Aの外周部(エ
ッジ部)の画素の画面内x−y座標を検出し配列化す
る。
【0065】ステップ92では、ステップ91で配列化
した各画素の直交座標(x,y)を極座標(r,θ)に
変換する。ステップ93では、角度を0度に設定する。
【0066】ステップ94では、配列化した画素のうち
角度0度の画素についてその半径値rに基づき上記の演
算原理を用いて概算路面距離xを演算する。ステップ9
5では、角度を1度増加する。
【0067】ステップ96では、角度が359度か否か
を判定し、359度になるまでステップ94〜96の動
作を繰り返し、角度が359度になれば、ステップ97
に進み、演算された概算路面距離xとその方位を示す角
度θを組として角度毎の概算路面距離を配列化する。こ
れにより、方位毎に配列化された路面領域Aの概算路面
距離データが生成される。
【0068】次に、概算路面幅の演算動作について説明
する。概算路面幅の演算原理を図17,図18に基づい
て説明する。路面幅lの両側位置m,nに対応する画素
が同心円上に存在する場合、概算路面幅lは図17のよ
うに扇形の円周長λを計算して得られる。即ち、半径
r、中心角αとすると、扇形円周長λは式(3)で表せ
る。
【0069】λ=πrα/180 ・・・ (3) ここで、αが小さければ、λ≒lと見なせるので、概算
路面幅lは式(3)から演算できる。
【0070】路面幅lの両側位置m,nに対応する画素
が同心円上に存在しない場合は、図18のような三角形
を考え、半径r1、r2から、三角関数を用いて下記の
式(4)から概算路面幅lを演算できる。
【0071】 l=(r12+r22−2r1r2cosα)1/2 ・・・ (4) 上記の演算原理を使用して、図19のフローチャートに
示すように概算路面幅を算出する。
【0072】ステップ101では、前述の概算路面距離
演算ルーチンで求めた方位角毎の概算路面距離データか
ら、概算路面距離のピークを検出する。ここでピークと
は、概算路面距離xをθについて2回微分して得られた
極大位置を示す。
【0073】ステップ102では、ステップ101で得
られた極大値が複数ある時はそれぞれに番号を付す。ス
テップ103では、画面の中心から極大値となった画素
に仮の直線を引く。
【0074】ステップ104では、ステップ103で引
いた仮の直線と直角な線上にある路面領域外周画素を検
出する。ステップ105では、ステップ104で検出し
た一対の画素間の概算路面幅lを上述の計算方法で演算
する。一対の画素がステップ103で引いた直線に対し
て対称位置で同心円上にあれば式(3)に基づいて演算
し、一対の画素が前記直線に対して同心円上になければ
式(4)に基づいて演算する。
【0075】ステップ106では、ステップ103で仮
に引いた直線両側に存在する画素の組に対して概算路面
幅lの演算が終了したか否かを判定する。終了したらス
テップ107に進み、ステップ103の直線方向が進行
可能方位と仮定して、演算したその方位の概算路面幅l
を概算路面距離x毎に配列化する。
【0076】ステップ108では、全てのピークについ
て配列化が終了したか否かを判定し、終了したらステッ
プ109に進み、直線別、言い換えれば、進行可能方位
別に概算路面幅を配列化する。これにより、進行可能方
位別の概算路面幅データが生成される。
【0077】次に、構造物概算高さの演算動作について
説明する。構造物概算高さの演算原理を図20,図21
に基づいて説明する。構造物概算高さを演算するための
前提条件として構造物は接地面より垂直に立っているも
のとする。
【0078】図20のように、接地構造物領域Bの上限
位置aの見通し地点をbとすると、円錐鏡2を通した画
面上には半径r′の同心円上に上限位置aが結像する。
ここで構造物が存在しないと仮定すると、地点bが半径
r′の同心円上の画素に結像する。構造物の接地位置c
と上限位置aにそれぞれ対応する画素半径r、r′及び
円錐鏡自体の高さは、構造物接地点距離x、見通し地点
bまでの距離x′及び路面から円錐鏡までの高さhに比
べ十分小さいものとすれば、図21のように円錐鏡面を
頂点とする三角形に置き換えることができる。ここで、
構造物の接地点c、構造物上限位置a及び地点bを結ん
でできる三角形をΔAとし、地点b、円錐鏡面及び原点
を結んでできる三角形をΔBとする。三角形ΔAとΔB
は相似三角形であり、式(5)から構造物概算高さdを
演算できる。
【0079】 d=(x′−x)h/x′ ・・・ (5) x′は三角形△Bの底辺長、x′−xは三角形△Aの底
辺長、hは円錐鏡の設置高さである。ここで、地点bの
距離x′は、図20の画素半径rとr′及び既に演算さ
れた概算路面距離xから求めることができる。
【0080】上記の演算原理を使用して、図22のフロ
ーチャートに示すように構造物概算高さを算出する。ス
テップ111では、既に演算された路面領域Aの方位別
概算路面距離データから構造物の接地点の画素位置デー
タを取得する。
【0081】ステップ112では、角度を0度に設定す
る。ステップ113では、ステップ111で取得した画
素位置データの角度0度の画素位置と画面中心とを結ぶ
線上に位置する接地構造物領域Bの最外周画素を検出
し、中心から最外周画素までの概算距離を演算し、図2
1の地点bまでの概算距離x′を求める。
【0082】ステップ114では、上記演算原理を使用
して構造物概算高さdを演算する。ステップ115で
は、角度を1度増加する。ステップ116では、角度が
359度か否かを判定し、359度になるまでステップ
113〜116の動作を繰り返し、角度が359度にな
ったらステップ117に進み、方位別の構造物概算高さ
を配列化し、方位別構造物概算高さデータを生成する。
【0083】以上のように、本実施形態の画像処理装置
によれば、円錐鏡2から得られる円画像に対して、正立
画像に変換することなく、直接に半径方向及び同心円方
向のエッジ検出を実行するので、円錐鏡2を介して得ら
れる光学画像の画像処理が簡素化できる。また、エッジ
で分割した路面領域や接地構造物領域についてその距
離、幅、高さ等を演算して周囲のプロファイルを生成す
るので、車両に取付けた場合、車両の絶対位置を検出す
ることなく車両周囲の状況を把握できるので、車両の走
行支援装置として有効である。
【0084】次に、上述した画像処理装置を用いた本発
明の移動体走行制御装置について説明する。図23に、
移動体走行制御装置の一実施形態の構成図を示す。
【0085】図23において、第1の情報生成手段であ
るグローバル制御演算部101は、図1の画像処理装置
102と、車両のナビゲーション機能を有するナビゲー
ション部103とから情報を入力して車両の進行すべき
進行方位、(以下、推奨進行方位とする)を決定する。
具体的には、画像処理装置1から方位別の概算路面情報
を入力し、ナビゲーション部103から移動体が目指す
目的地方位(グローバル方位)の情報を入力し、後述の
図24に示す演算処理により前記推奨進行方位を決定す
る。また、前記推奨進行方位をローカル目的方位として
設定し、このローカル目的方位の方向に方向転換するた
めの距離がどのくらいあるかを知るために移動可能距離
情報としてローカル目的地距離を設定する。画像処理装
置1の方位毎の概算路面距離データから前記ローカル目
的地方位に相当する方位の概算路面距離を前記ローカル
目的地距離として設定する。
【0086】第2の情報生成手段であるローカル制御演
算部104は、グローバル制御演算部101からの推奨
進行方位情報、ローカル目的地距離情報、障害物センサ
105からの障害物距離情報、車両に搭載された図示し
ない操舵角センサ、方位角センサ及び速度センサからの
操舵角、方位角、速度の各移動体走行情報を入力し、車
両を滑らかにローカル目的地方位に方向転換させるため
の微小移動方位情報及び速度制御に関する情報として後
述する危険度をそれぞれ出力する。
【0087】制御出力生成手段である車両制御情報演算
部106は、ローカル制御演算部104からの微小移動
方位情報及び危険度情報と、前記各センサからの操舵
角、方位角、速度情報に基づき車両特性を考慮して危険
度が小さくなるよう車両を安全に制御するための最適な
操舵角や速度等の車両制御情報を、車両の図示しない駆
動装置、操舵装置或いは制動装置等に出力する。
【0088】前記グローバル制御演算部101における
推奨進行方位の決定動作を図24のフローチャートに従
って説明する。ステップ201では、路面領域Aにおけ
る接地構造物までの最大距離データ、即ち、概算路面距
離を角度毎に配列した方位別概算路面距離データをプロ
ファイル情報として画像処理装置102から入力する。
また、ナビゲーション部103から車両が目指している
グローバル方位データを入力する。
【0089】ステップ202では、ステップ201で入
力したプロファイル情報に対して方位毎の重み付けを行
う。重み付けの値は、現在の進行方向を基準として正面
を最大値とし、左右側方を経て後方正面で最小となるよ
うに設定する。尚、図3の画面のように、画像の角度と
進行方向が対応しているので、進行方向はプロファイル
情報の角度情報により決定すればよい。
【0090】ステップ203では、重み付けしたものと
ナビゲーション部103から入力されるグローバル進行
方位の重みをAND演算し、方位毎の合成値を算出す
る。即ち、ステップ202、203により、概算路面距
離×方位別重み係数&グローバル進行方位重み=得点の
ように、各方位毎に合成値の得点を計算する。この計算
の概念図を図25に示す。ここで、×は乗算を示し、ア
ナログ演算で概算路面距離に方位別重み係数(例えば0.
0〜1.0)を乗算することを意味する。&はディジタル論
理積演算を示し、重み付けしたものに「1」又は「0」
を乗算することを意味する。
【0091】ステップ204では、ステップ203の演
算結果から最も得点の大きい方位を最終的な推奨進行方
位に決定する。グローバル制御演算部101は、上述の
ようにして決定した推奨進行方位をローカル目的地方位
情報として、また、前記推奨進行方位における概算路面
距離をローカル目的地距離としてローカル制御演算部1
04に出力する。
【0092】次に、図26のフローチャートに従ってロ
ーカル制御演算部104の演算動作について説明する。
ステップ211では、グローバル制御演算部101、障
害物センサ105、車両に搭載した図示しない各センサ
からの速度、操舵角、方位角の各種情報を入力するステ
ップ212では、車両の現在の操舵角と方位角から現在
の車両進行方位を推定する。
【0093】ステップ213では、推定した方位を車両
の前方方向とし現在の車両速度に基づいて、安全車間距
離=停止距離+信号伝達遅延距離+余裕距離として車両
前方における安全車間距離を演算する。安全車間距離
は、車両が余裕を持って安全に停止できる距離である。
ここで、停止距離は、車両を最大減速度で制動した時に
制動開始から停止するまでの走行距離であり、車両の速
度や制動性能により異なる。信号伝達遅延距離は、制御
情報が出力されてから実際の制御が開始されるまでの信
号伝達遅延の間に走行する距離である。余裕距離は、乗
員に恐怖を与えないための距離であり、個人差があるの
で実験等によって例えば車両速度に応じた適切な値に設
定する。
【0094】ステップ214では、算出した安全車間距
離に基づいて、車両が安全に移動するために必要な所定
エリアとして排他エリアを設定する。排他エリアは、安
全車間距離を前方排他距離とし、この前方排他距離に予
め設定した係数(例えば0.2)を乗算して側方排他距
離を算出し、これら排他距離をエリア境界として車両周
囲に排他エリアを設定する。従って、排他エリアは車両
速度に応じて異なり、速度が大きくなれば排他エリアも
比例して大きくなる。
【0095】ステップ215では、排他エリアと障害物
センサ105で検出された障害物(或いは接地構造物)
までの距離との関係から危険度を算出する。進行方向に
障害物がない場合は、進行しても衝突する危険性はな
く、危険度は低く、安全と言える。例えば安全車間距離
が10mで、障害物までの距離が10mとしたら、直ち
に制動動作を行わなくては、余裕距離を残して停止でき
ない。よって、障害物距離と安全車間距離が同等になっ
た時点で減速を開始するのがよい。しかし、障害物が移
動体(例えば前方車両)であれば、次の障害物検出サイ
クルで、障害物距離がその時点の速度における安全車間
距離よりも大きくなる可能性もある。この場合は、障害
物距離と安全車間距離の比率により速度を維持する等の
制御を行うことが望ましい。このようなことを考慮して
危険度を、例えば以下のように設定する。
【0096】 危険度0・・・排他エリア内に障害物がなく衝突の危険
性がなく加速する。 危険度1・・・排他エリア境界に障害物があり衝突の危
険性が低く速度維持。 危険度2・・・排他エリア内の境界近傍に障害物があり
速度を下げれば危険性は低い。
【0097】危険度3・・・排他エリア内の境界寄りに
障害物があり徐行速度に下げる必要あり。 危険度4・・・排他エリア内の車両寄りに障害物があり
停止する必要あり。
【0098】危険度5・・・排他エリア内の車両近傍に
障害物があり緊急停止の必要あり。 例えば、車両速度が8km/hの場合の安全車間距離を
7mとした時、前方排他エリアの境界が7mになる。こ
の場合、例えば障害物までの距離が10m以上では危険
度0とし、7m以上〜10m未満では危険度1、5m以
上〜7m未満では危険度2、3m以上〜5m未満では危
険度3、1m以上〜3m未満では危険度4、1m未満で
は危険度5等のように危険度を算出する。
【0099】以上のように排他エリアと障害物距離との
関係から得た危険度を車両の速度制御に関する情報とし
て生成する。ステップ216では、ローカル目的地方位
と現在の車両進行方向から微小移動方位を算出する。
【0100】そして、車両制御情報演算部106は、ロ
ーカル制御演算部104で生成された危険度及び微小移
動方位情報と、現在の車両の速度、操舵角、方位角情報
とを総合し、且つ、車両固有の動態及び応答特性を考慮
して、操舵角制御値やエンジン出力或いは制動力等の車
両速度に関連する速度制御値を設定し、車両の駆動装
置、操舵装置や制動装置等を制御する。これにより、障
害物を回避しながら安全且つ滑らかに車両を誘導できる
ようになる。
【0101】本実施形態の走行制御装置によれば、車両
周囲の状況に基づいて車両に近い地点に、車両の誘導目
標点(ローカル目的地方位)を逐次設定し、この目標点
に向けて車両の方向を微小に且つ安全に移動させるの
で、図27に示すように障害物111が存在するような
場合でも路面形状に応じて道なりに滑らかに車両110
を走行させることができるようになる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、2の画
像処理装置の発明によれば、円錐鏡からの円画像を正立
画像に変換することなくエッジで分割された周囲のプロ
ファイル情報を得ることができるので、画像処理動作を
簡素化でき演算処理の負荷を軽減できる。
【0103】請求項3、4の発明によれば、路面領域や
物体領域の認識処理をそれぞれ簡素化できる。請求項5
〜7の発明によれば、単純な画像処理により路面領域の
路面距離及び路面幅を演算できるので、移動体周囲のプ
ロファイル情報等を得るのに好適であり、移動体の走行
制御の支援装置として有効である。
【0104】請求項8〜13の移動体走行制御装置の発
明によれば、円錐鏡で得た画像のプロファイル情報から
移動体の位置を相対的に認識すると共に、移動方位を微
小に制御するので、従来のような絶対座標系を提供する
システムとの通信等が不要で走行制御システムを簡素化
できると共に、方向転換がスムーズで路面形状に応じて
道なりに滑らかな自律走行が可能になる。また、従来の
画像センサに比べて方位や距離の演算処理が容易で演算
機能の負荷を軽減でき、周囲の状況を広範囲且つ遠方ま
で検出することが可能となるので、安全性の高い走行制
御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を示す
ブロック図
【図2】同上実施形態の円錐鏡とカメラの位置関係を示
す図
【図3】撮像画像と車両位置の関係図
【図4】同上実施形態の画像処理動作のフローチャート
【図5】半径方向エッジ検出の概念図
【図6】同心円方向エッジ検出の概念図
【図7】エッジ検出ルーチンの動作フローチャート
【図8】半径方向エッジ検出ルーチンの動作フローチャ
ート
【図9】同心円方向エッジ検出ルーチンの動作フローチ
ャート
【図10】車両周囲状況の一例を示す図
【図11】図10に対応したエッジ画像の図
【図12】自車存在領域認識ルーチンの動作フローチャ
ート
【図13】路面領域認識ルーチンの動作フローチャート
【図14】接地構造物認識ルーチンの動作フローチャー
【図15】概算路面距離の演算原理の説明図
【図16】概算路面距離演算ルーチンのフローチャート
【図17】概算路面幅の演算原理の説明図
【図18】概算路面幅の別の演算原理の説明図
【図19】概算路面幅演算ルーチンの動作フローチャー
【図20】構造物概算高さの演算原理の説明図
【図21】図20を簡略化した説明図
【図22】構造物概算高さ演算ルーチンの動作フローチ
ャート
【図23】本発明の係る移動体走行制御装置の一実施形
態を示すブロック図
【図24】推奨進行方位決定ルーチンの動作フローチャ
ート
【図25】推奨進行方位の決定方法の概念図
【図26】ローカル制御演算ルーチンの動作フローチャ
ート
【図27】本発明の走行制御装置による車両走行制御の
例示図
【符号の説明】
1、102 画像処理装置 2 円錐鏡 3 画像入力ボード 4 画像メモリ 5 画像処理プロセッサ 6 インタフェース装置 101 グローバル制御演算装置 103 ナビゲーション部 104 ローカル制御演算部 105 障害物センサ 106 車両制御情報演算部 110 車両
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA16 BA02 BA15 CA12 CA16 CB12 CB16 CD11 DA07 DB02 DC16 DC36 5H301 AA01 GG09 GG14 GG16 LL01 LL03 LL07 LL08 LL14 5L096 BA04 CA02 CA14 FA02 FA06 FA66 FA67 FA69 GA04 GA19 HA13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円錐鏡を介して得られた光学画像を撮像す
    る撮像手段と、 撮像手段で得られた撮像画像の半径方向及び同心円方向
    のエッジ検出を行い撮像画像をエッジで囲まれた領域に
    分割する領域分割手段と、 分割領域が路面領域か当該路面領域に接する物体領域か
    を認識し認識結果に基づいて周囲のプロファイル情報を
    生成するプロファイル情報生成手段と、 を備える画像処理装置。
  2. 【請求項2】前記領域分割手段は、前記撮像画像の角度
    毎に画像中心から半径方向の輝度変化を検出して前記半
    径方向のエッジを検出し、前記撮像画像の半径毎に円周
    方向の輝度変化を検出して前記同心円方向のエッジを検
    出する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】前記撮像手段を移動体に取付けた時に、前
    記プロファイル情報生成手段は、撮像画像内の前記移動
    体が存在する移動体存在領域を予め記憶し、入力した撮
    像画像の前記移動体存在領域の外周囲位置を最小半径と
    して半径方向に次のエッジ位置を検出し、前記外周囲位
    置と検出エッジで囲まれる領域を前記路面領域と認識す
    る構成である請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】前記プロファイル情報生成手段は、前記路
    面領域外周囲位置を最小半径として半径方向に次のエッ
    ジ位置を検出し、前記路面領域外周囲と検出エッジで囲
    まれる領域を前記物体領域と認識する構成である請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】前記プロファイル情報生成手段は、前記路
    面領域と認識した領域の領域境界までの距離及び領域幅
    を演算して移動体周囲のプロファイル情報を生成する構
    成である請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像処理
    装置。
  6. 【請求項6】前記プロファイル情報生成手段は、前記路
    面領域外周囲の各画素のx−y座標を極座標に変換し、
    各画素の半径値に基づいて移動体から路面領域境界まで
    の距離を演算する構成である請求項5に記載の画像処理
    装置。
  7. 【請求項7】前記プロファイル情報生成手段は、画像中
    心から路面領域外周囲までの極大値を演算し、該極大値
    に相当する画素位置と画像中心とを結ぶ直線に対して直
    角方向の線上に存在する一対の画素を検出し、前記一対
    の画素間の距離を演算して路面領域の幅とする構成であ
    る請求項5又は6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像
    処理装置からの移動体周囲のプロファイル情報と移動体
    が目指す目的地の方位情報とに基づいて、移動体の進行
    すべき進行方位情報を生成する第1の情報生成手段と、 該第1の情報生成手段からの前記進行方位情報、前記プ
    ロファイル情報から得られる前記進行方位における移動
    可能距離情報、移動体の速度、操舵角、方位角等の移動
    体走行情報及び障害物距離情報に基づいて、前記進行方
    位に移動体を滑らかに方向転換させるための速度制御に
    関する情報及び微小移動方位情報を生成する第2の情報
    生成手段と、 該第2の情報生成手段からの前記速度制御に関する情
    報、微小移動方位情報及び前記現状の移動体走行情報に
    基づいて、移動体の走行制御出力を生成する制御出力生
    成手段と、 を備え、移動体の走行を制御する構成としたことを特徴
    とする移動体走行制御装置。
  9. 【請求項9】前記第1の情報生成手段は、前記画像処理
    装置から方位別の路面距離情報を入力し、ナビゲーショ
    ン部から移動体が目指す目的地方位情報を入力し、車両
    の前方から後方に小さくなるような重み係数を用いて前
    記路面距離情報を重み付けし、重み付けした路面距離情
    報と前記目的地方位情報とを合成して移動体の進行すべ
    き進行方位を決定する構成である請求項8に記載の移動
    体走行制御装置。
  10. 【請求項10】前記第1の情報生成手段は、前記画像処
    理装置から入力した方位別の路面距離情報に基づいて、
    前記決定した進行方位の路面距離情報を前記移動可能距
    離情報として前記第2の情報生成手段に出力する構成で
    ある請求項9に記載の移動体走行制御装置。
  11. 【請求項11】前記第2の情報生成手段は、移動体の方
    位角及び操舵角情報と前記進行方位情報とに基づいて移
    動体の微小移動方位を決定すると共に、移動体の速度情
    報に基づいて移動体が安全に移動するのに必要な所定エ
    リアを車両周囲に設定し、該所定エリアと障害物距離及
    び移動可能距離情報との関係から危険度合いを演算し、
    該危険度合いを速度制御に関する情報とする構成である
    請求項8〜10のいずれか1つに記載の移動体走行制御
    装置。
  12. 【請求項12】前記第2の情報生成手段は、移動体の速
    度情報に基づいて安全車間距離を演算し、該安全車間距
    離に基づいて前記所定エリアを設定する請求項11に記
    載の移動体走行制御装置。
  13. 【請求項13】前記制御出力生成手段は、前記第2の情
    報生成手段からの前記危険度合いを小さくする方向に、
    移動体の走行制御出力を生成する構成である請求項11
    又は12に記載の移動体走行制御装置。
JP2000163832A 2000-05-31 2000-05-31 画像処理装置及びこれを用いた移動体走行制御装置 Pending JP2001344596A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004157829A (ja) * 2002-11-07 2004-06-03 Matsushita Electric Works Ltd 自律移動装置及び自律移動制御方法
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