JP2001339326A - スペクトル拡散干渉打消し - Google Patents

スペクトル拡散干渉打消し

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JP2001339326A
JP2001339326A JP2000201589A JP2000201589A JP2001339326A JP 2001339326 A JP2001339326 A JP 2001339326A JP 2000201589 A JP2000201589 A JP 2000201589A JP 2000201589 A JP2000201589 A JP 2000201589A JP 2001339326 A JP2001339326 A JP 2001339326A
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Timothy M Schmidl
エム、シュミドル ティモシイ
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Texas Instruments Inc
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スペクトル拡散通信において、基地局がマル
チパス信号の干渉を打ち消すときの計算の複雑さを減ら
す方法を提供する。 【解決手段】 干渉信号を受信する方法であって、情報
を符号化した信号を検出し、反復中に用いる干渉信号の
更新された推定により、多重符号化ソースまたは多重符
号化出力を持つソースから受信した信号を反復並列干渉
打消しにより推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル通信に
関し、特に、スペクトル拡散通信および関連装置および
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトル拡散無線通信は送信データ・
レートに必要な最小帯域幅より大きな無線周波数帯域幅
を用いるが、多くのユーザがその帯域幅を同時に占有す
る。各ユーザは、情報を「拡散」してそれを符号化する
とともにスペクトル拡散信号を(相関により)「逆拡
散」して対応の情報を回復するための疑似ランダム・コ
ードを有する。図2はシステム・ブロック図を示し、図
3aおよび図3bは疑似ランダム・コードとQPSKエ
ンコーダを示す。この多元接続は、一般に、符号分割多
元接続(CDMA)と呼ばれている。疑似ランダム・コ
ードは、直交(ウォルシュ)コード,疑似雑音(PN)
コード,ゴールド・コードまたはそのようなコードの組
合せ(モジュロ2加算)である。正しい時刻に受信信号
を逆拡散した後、ユーザは対応の情報を回復するが、残
りの干渉信号は雑音のように見える。例えば、CDMA
通信用の暫定標準IS−95は、1.25MHz帯域幅
のチャンネルと、0.8138ミリ秒のコード・パルス
区間(チップ)Tcと、64チップほど継続する送信シ
ンボル(ビット)とを用いる。最近の広帯域CDMA
(WCDMA)方式は3.84MHz帯域幅を用い、各
情報シンボルに与えられるCDMAコード長は4チップ
から256チップまで変わる。各ユーザ用のCDMAコ
ードは、一般に、ウォルシュ・コードと疑似ランダム・
コード(QPSK変調では2つの疑似ランダム・コー
ド)とのモジュロ2加算として作成され、得られた信号
の雑音類似性を改善する。図4に示すセルラ・システム
は、基地局と移動体ユーザ局との間の空気インターフェ
ースとしてIS−95またはWCDMAを用いる。
【0003】受信器は、コード捕捉とコード追跡との2
ステップで送信器に同期する。コード捕捉は、初期探索
であって、受信器のローカル・コード発生器の位相を一
般に送信器の半チップ以内に収め、また、コード追跡
は、到着コードとローカル生成コードとのチップ境界を
微調整する。従来のコード追跡は、遅延ロック・ループ
(DLL)またはタウ・ディザ・ループ(TDL)を用
いるが、両者とも、公知のアーリー・レイト・ゲート
(early-late gate)原理を用いる。
【0004】マルチパスの場合、RAKE受信器は、別
個のパスを追跡する個別の復調器(フィンガ)を有し、
その結果を結合して最大比結合(MRC)のような方法
を用いて信号対雑音比(SNR)を改善する。ここで、
MRCでは、個別の検出信号はその信号強度に従って同
期され重み付けされる。このように、RAKE受信器
は、一般に、各フィンガ用のDLLまたはTDLコード
追跡ループと、追跡ユニットを受信パスに割り当てる制
御回路とを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】それぞれがマルチパス
信号を持つ多くの移動体ユーザを検出する基地局は、す
べての移動体ユーザの結合最尤検出(joint maximum li
kelihood detection)によって各移動体ユーザのRAK
E検出を個別に改善することができる。これは、最適検
出を提供する。しかし、結合最尤検出器は計算が複雑で
あるので、実用的には少数のユーザ用である。同様に、
逆相関検出器(decorrelating detector)は、最適線形
検出器であるが、ユーザが多いときは大きな行列反転が
必要であって、計算が複雑なため実用的でない。
【0006】干渉打消しは、結合最尤検出をエミュレー
トして計算の複雑さを減らそうとするものである。詳し
く述べると、各移動体ユーザ用のRAKE受信器を持つ
基地局は、干渉する検出された他の移動体ユーザの信号
の推定を用いて、それらをその推定から打ち消すことに
より、推定の精度を高めることができる。干渉打消し
は、反復推定と直列にまたは並列に行うことができる。
Divsalarらの「CDMA用の改善された並列干渉打消
し」,46 IEEE Trans. Comm. 258 (1998)は、反復推定
の各段階で部分並列打消しを用いる並列干渉打消し法を
開示している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、直列干渉打消
しおよび並列干渉打消しの混成を用いた干渉打消しを有
するスペクトル拡散システムを提供する。本発明の利点
は、類似の並列打消し方法よりも計算が複雑でないこと
である。
【0008】
【発明の実施の形態】1.概要 好ましい実施の形態の干渉打消し方法は、多数の移動体
ユーザを持つスペクトル拡散通信システムに適用される
ものであり、反復並列干渉打消しを含むが、反復の各段
階中に推定を連続的に更新する。これにより、推定の精
度が向上し、所定の精度に対して必要な段階の数が少な
くなる。図1は、RAKE受信器(フィンガ)と最大比
結合(MRC)とを用いる流れ図である。
【0009】好ましい実施の形態のスペクトル拡散通信
システムでは、基地局と移動体ユーザとは、信号処理を
行うディジタル信号プロセッサ(DSP)または記憶プ
ログラムを有する他のプログラマブル装置と、アンテナ
の入力または出力の増幅用およびアナログとディジタル
との間の変換用のアナログ集積回路とを含む。記憶プロ
グラムは、例えば、プロセッサ内蔵ROMや外部のフラ
ッシュEEPROMに記憶される。アンテナは、各ユー
ザ信号用の多重フィンガを有するRAKE検出器の部品
でよい。DSPは、テキサス・インスツルメンツ社製の
TMS320C6xDSPでよい。
【0010】2.全打消しとの同期 まず、移動体ユーザ信号が2進位相偏移変調されるとと
もに反復並列干渉打消しを用いた基地局で同期的に受信
されるCDMAシステムの最も簡単なケースを考える。
好ましい実施の形態の混成直並列干渉打消しについて
は、並列干渉打消し(PIC)を説明した後で説明す
る。まず、Cm(t)をm番目の移動体用のコード(チッ
プ・シーケンス)とし、umを対応のビットとする(図
3a参照)。基地局でのベースバンドの受信(複素)信
号は、移動体ユーザ全体の合計では次式で表される。
【0011】
【数1】
【0012】ただし、Smはm番目のユーザ信号の受信
電力であり、
【外1】 はそのキャリア位相であり、n(t)は雑音項である。基
地局は、各ユーザ信号を追跡する検出器を有し、ビット
(シンボル)区間0≦t≦Tbにわたって相関をとる
と、m番目のユーザ検出器の出力は、次式で表される。
【0013】
【数2】
【0014】ただし、積分範囲はシンボル区間全体であ
り、合計はn全体であり、Rm, nはビット区間全体のm
番目およびn番目のユーザ用のコードの相互相関であ
る。
【0015】
【数3】
【0016】受信信号r(t)は、チップ・レートの一般
に4倍のレートでサンプリングされ、また、積分は和で
ある。
【0017】
【数4】
【0018】上式のようにして、m番目のコード上への
受信信号の投影を基準化する。ただし、N0は雑音電力
密度である。また、n番目のユーザ信号のビット・エネ
ルギーをEn=Snbとする。これから、次式が得られ
る。
【0019】
【数5】
【0020】ただし、
【外2】 は平均値が0で分散が2(各実数次元の分散は1)の基
準ランダム変数である。次に、これらの式の実数部を取
ると、次式が得られる。
【0021】
【数6】
【0022】Imは、他のユーザによりユーザmが受け
るマルチユーザ干渉の実数部であり、Nmは、平均値が
0で分散が1の基準ランダム変数である。次に、
【外3】 を他のユーザのデータ・ビットの推定に基づくImの推
定とすると、
【外4】 は、残留(打ち消されない)実数マルチユーザ干渉を表
す。したがって、次式が成り立つ。
【0023】
【数7】
【0024】ただし、
【外5】 は基準ランダム変数としてモデル化されるであろう。な
ぜならば、ユーザmのデータ・ビットを推定している時
点では他のユーザのデータ・ビットの推定値を利用でき
ず、他のユーザのデータ・ビット用の推定を前の段階か
ら得る多段階反復過程を行うからである。線形または非
線形の最尤決定統計による各段階での部分的打消しにつ
いては後で説明することにして、まず、各段階での全打
消しを見る。
【0025】
【外6】 をunの第k段階推定とする。最初は受信信号の他には
情報がないので、最初の段階(k=0)はデータ・ビッ
トを次式のように推定する。
【0026】
【数8】
【0027】同様に、干渉のk段階推定を次式とする。
【0028】
【数9】
【0029】ここで、次式を仮定する。
【0030】
【数10】
【0031】こうすると、第k段階データ・ビット式
は、1≦m≦(ユーザの数)に対して次式のようにな
る。
【0032】
【数11】
【0033】したがって、umを次式で推定する。
【0034】
【数12】
【0035】全打消しの好ましい実施の形態は、
【外7】 を修正して、unの利用可能な更新された推定を含む。
詳しく述べると、推定
【外8】 の計算の順序がmとともに増えると仮定して、推定され
た干渉を次のように修正する。
【0036】
【数13】
【0037】すなわち、段階kでユーザのデータ・ビッ
トの推定(すなわち、
【外9】 )が決まると、段階kの間はこの推定を次の干渉の推定
【外10】 で用いる。したがって、推定は、並列(段階毎の反復)
推定と直列(他のデータ・ビットの最新の推定を用いて
順に推定する)推定との混成である。
【0038】反復をマトリクス書式で表すと、次式のよ
うになる。
【0039】
【数14】
【0040】ただし、添字は反復段階を示す。これを詳
しく書くと、次式のようになる。
【0041】
【数15】
【0042】ここで、Rm, m=0であり、ベクトルY
(0)の第m要素は、検出された受信信号であり、次式で
表される。
【0043】
【数16】
【0044】反復の第j段階中に得られる第mビットの
推定は、
【外11】 であり、第j段階中のチャンネル推定は次式で表され
る。
【0045】
【数17】
【0046】ここで、次式が成り立つ。
【0047】
【数18】
【0048】したがって、第j+1段階中の推定は次式
で表される。
【0049】
【数19】
【0050】また、次式によって初期化する(j=0段
階)。
【0051】
【数20】
【0052】したがって、好ましい実施の形態の全打消
しは、反復段階における直列更新として次式で表され
る。
【0053】
【数21】
【0054】Y1(j+1)から、ユーザ1に対するビッ
トの新しい第j+1推定
【外12】 が得られ、これを第2の要素Y2(j+1)の計算に含め
る。
【0055】
【数22】
【0056】Y2(j+1)から、ユーザ2に対する新し
い推定
【外13】 が得られる。次に、次式などである。
【0057】
【数23】
【0058】他のユーザの更新された推定がすでに組み
入れられているので、ベクトル
【外14】 の最後の要素を極めて正確に推定することができる。全
てのユーザが同じ電力を有する場合には、ビット誤り率
(BER)は全てのユーザに対して同じではない。それ
は、最初に更新されたもののBERが高いからである。
しかし、後でシミュレーションで示すように、好ましい
実施の形態の直列更新を伴う並列打消し(PCSU)に
おける最悪のBERは、PICで得られるBERよりも
良く、PCSUによると平均BERは大幅に改善され
る。また、一つのコード周期窓(256チップ)から次
のそれへの打消しの順序を変えることによって、全ての
ユーザに対してのこの平均BERを得ることができる。
最後に、最大Eb/No値を持つユーザを最初に更新する
ことができるので、マルチレートで多重サービス品質の
ユーザに対して、PCSUは干渉打消しを実現する優れ
た方法である。
【0059】4.部分的打消し反復で同期 反復の各段階で全干渉打消しを行う代わりに、ある段階
で干渉を部分的に打ち消すと、優れた結果を得ることが
できる。次式を再び用いる。
【0060】
【数24】
【0061】しかし、ここでは、第k段階での推定
【外15】 は、実質的に、決定前推定
【外16】 の重み付き和であり、Ymおよび
【外17】 には後の段階で干渉打消しを増やした重みを付ける。詳
しく述べると、次式のように再定義する。
【0062】
【数25】
【0063】ただし、Zm(k)は平均値が0で分散がk
に依存する基準ランダム変数であると仮定され、また、
m(k−1)およびWm(k)は、両方とも雑音Nm(k−
1)と前の段階の残留干渉
【外18】 とを含むので、相関がある。Ym(k−1)とYm
【外19】 と初期化設定Ym(0)=Ymとが与えられると、Ym(k)
はumのログ公算比(log-likelihood ratio)として再
帰的に得られる。したがって、k段階での推定は、次式
で表される。
【0064】
【数26】
【0065】ただし、pはWmおよびZmの分散および相
関から得られる係数である。シミュレーションからpが
選択される。
【0066】反復の最終段階でのみ、
【外20】 の非線形ソフト決定をハード決定(±1)と共に用いる
こともできる。Divsalarらは次式のようなソフト決定を
有する。
【0067】
【数27】
【0068】ただし、q(k)は、WmおよびZmの分散お
よび相関に依存する定数である。やはり、シミュレーシ
ョンからこれらのパラメータの最適値が得られる。
【0069】好ましい実施の形態はやはり上記に従う
が、
【外21】 を修正してunの更新された推定を含む。詳しく述べる
と、推定
【外22】 の計算をmが増える順序に行うと仮定して、推定された
干渉を次のように修正する。
【0070】
【数28】
【0071】すなわち、段階kでユーザのデータ・ビッ
トの推定を決定する(すなわち、
【外23】 )と、この推定を段階kの間の次の干渉推定
【外24】 に用いる。したがって、この推定は並列(段階毎の反
復)推定と直列(他の最新の推定を用いて順に推定す
る)推定との混成である。これはハード決定にもソフト
決定にも適用されることに留意すべきである。
【0072】5.非同期マルチパス 移動体ユーザから基地局へのアップリンクにショート・
コード(256チップ)を用いると、並列干渉打消し
(PIC)はシンボル・レベルで行うことができ、干渉
を再発生してチップ・レベルで減算するより計算が簡単
になる。256チップ窓の全てのシンボル間で相互相関
を計算する。信号は非同期で到着するので、窓の各側を
1シンボルまたは2シンボルだけ拡張して、窓に部分的
に入る全てのシンボルを含むようにしなければならな
い。基地局は、まず、従来のRAKE受信器を用いて、
セル内の全てのユーザを復調する。窓内の各シンボルに
対して相互相関マトリクスの1行を用いて干渉を打ち消
す。相互相関値に干渉信号の初期データ推定を掛け、望
ましいシンボルから減算する。これでPICの1段階は
完了する。更に別の段階を行うには、望ましいシンボル
の最初のRAKE出力から始めて、相互相関マトリクス
の行に干渉シンボルの改善された推定を掛けて得た干渉
を減算する。
【0073】図5は、非同期ユーザ用のシンボル・タイ
ミングの例を示す。ショート・コードの周期性は256
チップであるので、256チップの窓を任意に選ぶこと
ができる。WCDMAでは、各シンボルの長さは4,
8,16,32,64,128または256チップであ
る。窓内では、窓内で始まる任意のシンボルを望ましい
シンボルとして選ぶことができる。そこで、図5では、
望ましいシンボルはシンボル1,2,5,6で示されて
いる。次に、フレームを256チップ窓に分けることに
よって、全てのシンボルにPICを行うことができる。
図1にシンボル0およびシンボル4で示したシンボルは
前の窓に属するので、これらについてはすでにPICが
行われていて、信頼できるデータ推定が得られていると
考えてよい。任意の望ましいシンボルとそれらに重なる
任意の他のシンボルとの相関を含む相互相関マトリクス
を形成することができる。マトリクスは正方である必要
はない。なぜなら、マトリクスは望ましいシンボルでな
い重複シンボルを含むことがあるからである。ユーザm
1のフィンガk1のi1シンボルとユーザm2のフィンガk
2のi2シンボルとの間の相互相関を次のように計算する
ことができる。
【0074】
【数29】
【0075】項ci, mはユーザmの第iシンボルのチッ
プ・シーケンスであり、項τi, m, kはユーザmのフィン
ガkの第iシンボルの時間遅れであり、(.)* は複素
共役演算(例えば、QPSK)を示す。アップリンクに
ショート・コードを用いる利点は、相互相関マトリクス
が1つの256チップ窓と隣接窓とで変わらないこと
と、ユーザの相対的パス遅れが変わるまではマトリクス
を更新する必要がないこととである。同じシンボル,フ
ィンガおよびパスに対応するマトリクスRの対角項(式
ではi1=i2,m1=m2およびk1=k2)は0にセット
してよい。それは、干渉打消しは望ましいシンボルを打
ち消してはならないからである。マッチド・フィルタ出
力のベクトルをY(0)とする。ただし、添字0は第0反
復を示す。このとき、並列干渉打消し反復は次式で表さ
れる。
【0076】
【数30】
【0077】ただし、
【外25】 は、干渉キャンセラの第j反復における全てのパスおよ
びユーザに対するチャンネル推定のベクトルであり、ま
た、
【外26】 は、データ・シンボルの推定のベクトルである。より明
確に示すと、このマトリクス式は次のようになる。
【0078】
【数31】
【0079】干渉キャンセラの各反復の後で、1つのシ
ンボルのユーザの各パスの項を結合し(通常は最大比結
合子MRCを用いる)、シンボルに対して決定を行って
データ推定を得る。もちろん、任意のパイロット・シン
ボルについてのデータはすでに分かっており、前の窓に
属する任意のシンボルのデータはすでに正確に推定され
ていると仮定する。並列干渉キャンセラの性能は、2つ
のパス、各パスにおいて電力が等しい加法白色ガウス雑
音(AWGN)チャンネルについて分析される。ここで
は、チャンネルが完全に推定されると仮定する。従来の
RAKE受信器(干渉打消しをしていない)のSIR
(信号電力と雑音プラス干渉電力との比)は次式で与え
られる。
【0080】
【数32】
【0081】ただし、信号電力はsであり、雑音電力は
ηであり、拡散係数はhであり、セル内にはN人のユー
ザがいる。ビット誤り率(BER)は、(2Eb/No
の平方根のQ関数を取れば得られる。QPSK変調を用
いると、これはSIRと同じである。
【0082】
【数33】
【0083】PICの各段階に対するSIRは、あるビ
ットが正しい場合は打消し後の干渉がゼロであり、それ
が正しくない場合は干渉電力が4倍ずつ増えることから
分かる。BPSK信号については、正しくない決定を行
うと、干渉信号は2倍になり、干渉電力は4倍になる。
種々のケースについて計算すれば、QPSK信号につい
ても同じ結果が得られる。PICの1段階の後、SIR
は次式で表される。
【0084】
【数34】
【0085】本節の計算は残留干渉とシンボル決定とは
相関がないと仮定して行っており、後で説明するバイア
スを無視している。後の段階のSIRは、前の段階のS
IRをQ関数の中に入れて計算する。
【0086】
【数35】
【0087】必要なメモリ量とアルゴリズムの計算複雑
さとを減らすには、干渉打消し用の反復回数を最小にし
なければならない。好ましい実施の形態の直列更新を伴
う並列打消し(PCSU)の考え方は、各データ・シン
ボルの最新推定を用いることである。
【0088】一般に、並列干渉打消し(PIC)では、
最大比結合(MRC)と新しい推定
【外27】 とは、1つの段階が完了するまで得られない。しかし、
1ユーザの1シンボルのKフィンガに対応するマトリク
スRの行を古い推定に適用すると、そのシンボルの推定
を直ぐ更新することができる。したがって、ベクトル
【外28】 の要素を干渉打消しの1段階中に要素ずつ更新すること
ができる。詳しくは次式の通りである。
【0089】
【数36】
【0090】Y1(j+1)からユーザ1に対するビット
の新しい第j+1推定
【外29】 を作り、これを第2の要素Y2(j+1)の計算に含め
る。
【0091】
【数37】
【0092】Y2(j+1)からユーザ2の新しい推定
【外30】 を作る。以下同じである。
【0093】
【数38】
【0094】他のユーザの更新された推定がすでに組み
込まれているので、ベクトル
【外31】 の最後の要素を極めて正確に推定することができる。全
てのユーザが同じ電力を有する場合、ビット誤り率は全
てのユーザに対して同じではない。それは、最初に更新
されたもののBERがより高いからである。しかし、後
でシミュレーションで示すように、好ましい実施の形態
のPCSUにおける最悪のBERは、PICで得られる
BERよりも良く、また、平均BERはPCSUで大幅
に改善される。窓毎に打消しの順序を変えることによっ
て、全てのユーザに対するこの平均BERを得ることも
できる。最後に、最大のEb/No値を持つユーザを最初
に更新することができるので、マルチレート・多重サー
ビス品質ユーザに対して、PCSUは干渉打消しを実現
する優れた方法である。PCSUのSIRを2パス・A
WGNチャンネルについて得ることができる。N人のユ
ーザがいるとき、更新すべきm番目のユーザのSIRは
次式で与えられる。
【0095】
【数39】
【0096】続く段階のSIRは次式となる。
【0097】
【数40】
【0098】図6は、上の式を用いて2パスAWGNチ
ャンネルについてPICおよびPCSUの性能を比較し
たものである。2つのパスはそれぞれ、3dBのEb
oを有し、完全チャンネル推定が仮定されている。P
CSUの平均BERがこの図にプロットされている。P
CSUの2反復の平均BERはPICの3反復のBER
よりも小さいことが分かる。望ましい生BERが0.1
0である場合には、従来のRAKE受信器は31.5ユ
ーザを支援することができ、また、PICは1,2およ
び3段階で52.1,61.6および66.8ユーザを
それぞれ支援することができる。PCSUは1,2およ
び3段階で58.2,68.2および72.6ユーザを
それぞれ支援することができる。2パスAWGNチャン
ネルの容量ゲインは、1,2および3段階でそれぞれ1
1.5%,10.7%および8.7%ほどPICよりP
CSUは優れている。図7は、各段階におけるPCSU
のBER値の範囲を示す。第1段階では、シンボルがま
だ更新されていないので、第1の推定シンボルはPIC
と同じBERを有する。PCSUの第1段階の最低BE
Rは第2段階の最高BERとほぼ同じである。これは、
干渉の減少が連続過程であって、更新する度に干渉が減
少するからである。
【0099】このように、同じ数の段階(1,2または
3段階)を用いた場合には、PCSUの容量はPICよ
り約10%大きい(2パスAWGNチャンネルにおい
て)。言い換えると、PCSUは、PICより少ない数
の段階を用いて、複雑さが小さい計算で同じレベルの性
能を持つことができる。この利点は、最大比結合子更新
および推定子更新をブロックの終わりではなく各シンボ
ルの終わりに行うことによって得られる。いずれにして
も同じ計算を行わなければならないので、任意のある段
階での計算量はPCSUでもPICでも同じである。最
後に、受信電力レベルによってシンボルを並べることに
より、多重レート要求および多重サービス品質要求を有
する信号の干渉打消しにPCSUを用いることができ
る。
【0100】基地局での干渉打消しは、WCDMAシス
テムにおけるアップリンク容量を100%以上増やすこ
とができる。基地局干渉打消しを容易にするために、W
CDMA標準は、基地局がそのセル内の移動局に対して
全てのアップリンク送信にショート・コードを使うよう
に命じることを可能にさせる。ショート・コードの長さ
は、システムによって支援される最大拡散係数の長さに
等しく、この長さは、通常、256チップである。ショ
ート・コードは、干渉打消しアルゴリズムによって活用
され得る周期性を干渉に導入する。検討された全ての型
の干渉打消しアルゴリズムの中で、シンボル・レベルで
の並列干渉打消し(PIC)は複雑さの妥当なレベルで
ベストな性能を与える。並列干渉キャンセラは、各ユー
ザのパスでマッチド・フィルタリングを行う。最大比結
合の後、各ユーザのシンボルに対して決定がなされ得
る。干渉を打ち消すために、各ユーザの各パスの間の相
互相関が計算される。Lパス/ユーザおよび256チッ
プの窓で始まるMシンボル/ユーザを有するKユーザが
いるとする。各ユーザからの信号は非同期で到着するの
で、相互相関マトリクスを拡張して、窓に部分的に入る
シンボルを含めなければならない。窓の各側の1追加シ
ンボルとの相互相関をマトリクスに含める場合には、相
互相関マトリクスは(KLM)×[KL(M+2)]で
ある256チップの1つの窓から次の窓へは、全ての移
動局はショート・コードで送信するので、同じ相互相関
マトリクスを用いることができる。マトリクスを更新す
る必要があるのは、パスの相対的位置が変わるときか、
ユーザがシステムに出入りするときだけである。窓内の
各シンボルに対して、相互相関マトリクスの1行を用い
て干渉を打ち消す。干渉信号用のRAKE出力を相互相
関値に掛けて、望ましいシンボルから減算する。これで
PICの1段階を完了する。更に別の段階を行うには、
望ましいシンボル用の最初のRAKE出力から始めて、
相互相関マトリクスの行に干渉シンボルの改善された推
定値を掛けることによって計算された干渉を減算する。
基地局は、基地局とソフト・ハンドオフを行う任意のユ
ーザを含むセル内の全てのユーザのコードおよびタイミ
ングを知っている。非常に弱くてソフト・ハンドオフを
行うことができない隣接セル内の任意のユーザは打ち消
されない。
【0101】決定統計は線形並列干渉キャンセラ(ソフ
ト決定)を用いるときにバイアスされることが知られて
いる。正しい送信ビットbiが与えられるとき、決定統
計Ziの条件付き期待値は、次式で表される。
【0102】
【数41】
【0103】ただし、Kはユーザの数であり、Nは拡散
係数であり、Cは第1段階で打ち消された干渉の分数で
ある。バイアスの影響は、第1段階で最も強く、後の段
階では弱くなる。
【0104】段階sでのバイアス(各段階で全部打ち消
したとき)は、(−K/(3N))5で与えられる。Cを小
さくすると、第1段階でのバイアスを小さくすることが
できる。ハード決定を用いても、バイアスは減少する。
シミュレーションによると、ソフト決定の代わりにハー
ド決定を用いると、バイアスの量は約30%減少する。
また、部分的干渉キャンセラを用いた方が各段階で干渉
を完全に打ち消すよりも良い結果が得られることが知ら
れている。
【0105】標準並列干渉キャンセラは、相互相関マト
リクスにデータ推定を掛けて干渉を見つけることによっ
て実現される。最初のマッチド・フィルタ出力から干渉
を減算した後、最大比結合を行って、その段階のデータ
を決定する。1ユーザについて打消しを行った後に最大
比結合を行ってデータを決定する場合は、各ユーザを処
理した後でデータ推定ベクトルを更新してよい。このた
めに、余分な計算を行う必要はない。それは、標準PI
Cとは異なる順序で同じ演算を行うからである。直列更
新を伴う並列キャンセラ(PCSU)は並列および直列
打消しの要素を結合する。最新データ推定を常に用いる
ので、一般にPCSUの方が標準的PICより優れた結
果が得られる。また、PCSUでは前に説明したバイア
スの影響も小さくなる。
【0106】7.ハード決定 2パスを持つユーザに対して受信信号が次式で与えられ
るとする。
【0107】
【数42】
【0108】ただし、dはデータ・シンボルであり、c
1およびc2はチャンネルを表し、n1およびn2は付加雑
音項である。最大比結合の後、決定統計は、次式で表さ
れる。
【0109】
【数43】
【0110】受信シンボルはチャンネル推定の共役と掛
けられる。QPSKシンボルにハード決定を行うため、
Zの実数部および虚数部の符号が次式のように表わされ
る。
【0111】
【数44】
【0112】干渉は、データ推定にチャンネルおよび相
互相関係数を掛けることによって得られる。実数部およ
び虚数部は1ビット数であるので、データ推定の乗算は
簡単である。
【0113】8.ソフト決定 各ユーザの各パスを別個のユーザとして処理することに
よって、ソフト決定を計算することができる。決定はチ
ャンネル推定で割った後に行われ、また、干渉はチャン
ネル推定を掛けることによって見い出されるので、各段
階で決定を行う必要はない。この方式での全ての演算は
線形であるので、1つのマトリクスを計算し、RAKE
出力にこのマトリクスを掛けることによって、干渉打消
しを行うことができる。しかし、各単一パスは通常は非
常に低いSNRを有し、単一パスでなされた決定は信頼
できない。シミュレーションによると、単一パスでのソ
フト決定を用いることは、対象とするSNR領域内で干
渉打消しを全く行わない場合よりも性能が悪くなる。
【0114】最大比結合はソフト決定を行う前に用いて
もよい。これにより、SNRと決定の質とが向上する。
最大比結合の後、決定統計は次式のようになる。
【0115】
【数45】
【0116】チャンネル推定のエネルギーで基準化され
るので、この統計はハード決定統計とは異なる。ハード
ウエアまたはDSPで除算を行う代わりに、約1000
要素のルックアップテーブルを用いて、分母を反転すれ
ば乗算を行うことができる。実数部または虚数部の絶対
値が1よりも大きい場合には、データ推定を捨ててよ
い。ソフト決定は次式から得られる。
【0117】
【数46】
【0118】ハード決定の場合と同様に、チャンネルお
よび相互相関係数をデータ推定に掛けることによって、
干渉を得ることができる。しかし、この場合には、デー
タ推定の乗算に6ビットまたは8ビットの数の乗算が必
要である。
【0119】9.ハード決定およびソフト決定の演算の
数 セル内に40移動体ユーザがいて、各移動体に2フィン
ガが割り当てられ、各ユーザの拡散係数は64であると
仮定する。各ユーザからの信号は非同期で到着するの
で、各シンボルは他の全てのユーザの2つのシンボルと
恐らく部分的に重なる。各ユーザの各パスに対して、
(39×2×2)=156の相互相関を計算する必要が
ある。相互相関はシンボルの各対に対して1度だけ計算
すればよいので、この数字を2で割ってもよい。各相関
について、多くとも1ビット複素乗算を64回と、その
結果について複素加算を63回行う必要がある。全部
で、(40ユーザ)×(4シンボル)×(2フィンガ)
×(78相関)=24960相関/窓になる。「簡単な
演算」の総数は24960(127)=317万回の
「簡単な」演算/窓である。この相関マトリクスは、相
対的パス遅れが変わるときだけ変更されればよい。マト
リクスをフレーム毎に1度再計算すると、毎秒3.17
億回の「簡単な」演算が必要である。この必要性は、ハ
ード決定を用いてもソフト決定を用いても同じである。
【0120】各複素乗算に4演算を行い、各複素加算に
2演算を行うと仮定する。干渉打消しの1つの段階で、
干渉を減算し、次の決定を計算する必要がある。ハード
決定では、決定は1ビット複素数であるので、各ユーザ
に対するデータ推定とチャンネル推定との乗算は0演算
であると仮定されるであろう。各ユーザのパスに対して
78干渉あるので、干渉打消し演算は78回の複素乗算
と78回の複素減算とを用いる。決定統計を計算するに
は、2回の複素乗算と1回の複素加算が必要である。こ
れを合計すると、ユーザ毎にシンボル毎に946演算、
すなわち、2.42BOPSになる。
【0121】最大比結合によるソフト決定では、データ
推定にチャンネル推定を掛けるにはユーザ毎にパス毎に
1回の複素乗算を行う(20.5MOPS)必要があ
る。干渉打消し演算はハード決定の場合と同じである。
決定統計を計算するには、複素乗算2回と、複素加算1
回と、複素2乗2回と、実数加算1回と、テーブルルッ
クアップ1回と、実数乗算2回との全部で19演算が必
要である。全ての演算を合計すると、ユーザ毎にシンボ
ル毎に959回の演算、すなわち、2.46BOPSが
必要である。これにより、複雑さは1.4%増えるが、
無視できる程度である。1段階だけの打消しを行う場合
には、ソフト決定を用いた方がよい。しかし、ハード決
定を用いると、後の段階での決定統計の計算が容易にな
る。各段階で値が変わるシンボルの数は非常に少ないの
で、決定統計の計算は変わるビットの影響を単に更新す
ればよい。例えば、段階1から段階2に移るときシンボ
ルの10%が変わる場合には、段階1で必要な演算数の
約10%で段階2を行うことができる。全てのソフト決
定は段階が変わると変わるので、これはソフト決定では
できない。図8は、段階が変わるときに変わるビットの
百分率を示す。並列干渉打消しでは、段階が変わるとこ
の百分率は次第に増加するが、PCSUでは、変わるシ
ンボルの百分率は各段階で減少する。したがって、ハー
ド決定による6段階のPCSUの計算は、ソフト決定に
よる2段階のPCSUの計算よりも複雑でない。しか
し、段階5および段階6ではBERの減少が小さいの
で、段階数が増加するに従って効果は漸減する。
【0122】10.AWGNシミュレーション 種々の干渉打消し法について、まず同期AWGNチャン
ネルでシミュレートした。これにより、莫大な計算を行
わずに多くの手法を試験することができる。全てのシミ
ュレーションについてEb/Noを3dBに設定した。こ
れは、加法白色ガウス雑音とセル外のユーザからの干渉
とを両方とも含む。これは、負荷の大きいシステムを表
す干渉レベルである。セル外には多数の弱い干渉がある
ので、干渉はガウス雑音としてモデル化して、AWGN
に含めた。各ユーザ用のショート・コードは、特大カサ
ミ(Very Large Kasami)集合から選択した。AWGN
チャンネル用の目標BERは10%に設定した。図9
は、並列干渉キャンセラについてのシミュレーション結
果を示す。従来の受信器では、10%のBERで25ユ
ーザを支援することができる。ハード決定またはソフト
決定により完全に打ち消すと、バイアス問題があり、結
果は余りよくない。ここでは、干渉の70%を打ち消す
部分的打消しを行った。ソフト決定により1段階で70
%を打ち消すと、基地局は50ユーザを支援することが
でき、これは100%の容量増加である。
【0123】ユーザの数を50に固定したまま打消しの
量を変えて、更にシミュレーションを行った。図10
は、各段階で異なる重みを付けた1段階または2段階の
PICを用いた結果を示す。これらの重みは、集合0.
0,0.1,...,1.0の中から選んだので、2段
階で121の組合せの重みを試験した。従来の検出器で
は、SIRおよびBERを次式で計算することができ
る。
【0124】
【数47】
【0125】これは、図10に示した従来の検出器につ
いてのシミュレーション結果とよく一致する。ハード決
定による1段階の完全干渉打消しを用いた場合は、バイ
アスの問題があるために従来の検出器より結果が悪く、
また、ソフト決定による完全干渉打消しも余り良い結果
が得られない。1段階では、50%打消しでハード決定
による最低BER(11%)が得られ、また、ソフト決
定では70%打消しで最低BER(10%)が得られ
る。2段階で打消しを行うと更に改善される。ハード決
定では、2段階の決定統計に重みを付けるのが最も良
い。第1段階では、干渉の90%を打ち消す。第2段階
では、干渉の100%を打ち消し、第1統計を60%取
り第2統計を40%取って最終決定統計を得ると、BE
Rは9%になる。ソフト決定では、第1段階で50%を
打ち消し、第2段階で100%を打ち消したときに、最
も良い結果が得られる。これにより、BERは最初の1
6%から約8%に減少する。目標BERは10%である
ので、1段階のPICで容量は25から50に増加し
(100%の増加)、2段階のPICで容量は更に増加
する。50ユーザ以上についてはシミュレーションを行
わず、正確な容量増加は計算しなかった。
【0126】図11は、PCSU法を用いたシミュレー
ションを示す。完全打消しによるバイアスはPICの場
合に比べて大幅に減少した。ハード決定による1段階の
PCSUでは、60%干渉打消しで最低BER(10
%)が得られる。ソフト決定では、80%打消しで最低
BER(9.3%)が得られる。2段階のPCSUとハ
ード決定でも、2つの段階の決定統計に重みを付けるの
が最も良い。第1段階では、干渉の60%を打ち消す。
第2段階では、干渉の100%を打ち消し、第1統計を
20%取り第2統計を80%取って最終決定統計を得る
と、BERは8.2%になる。ソフト決定では、第1段
階で80%打ち消し、第2段階で100%打ち消したと
きに、最も良い結果が得られる。これにより、BERは
最初の16%から約7%に減少する。
【0127】図12は、最大6段階の干渉打消しを用い
たときの結果を示す。第1段階で打ち消す量は、PIC
では50%、PCSUでは80%である。これらの値
は、図3および図4でソフト決定用の最も良い重みを見
つけた後に選んだ。全ての場合において、続く段階では
100%打消しを行った。全ての場合において、PCS
Uの方がPICより、また、ソフト決定の方がハード決
定より、結果が良かった。何段階かの打消しを行った後
は、BERは改善されなかった。PICでは、3段階ま
たは4段階の後でBERは実際に悪くなり始めた。この
現象が起こる理由として考えられるのは、段階数を無限
に増やすと、PICは相関のない検出器に収束して、数
段階のPICほどの良い結果が得られない、ということ
である。もちろん、最適重みを選ぶことができる場合
は、後の段階で結果が悪くなることはない。なぜなら、
これらの後の段階での重みを0にすればよいからであ
る。いずれにしても、図5は干渉打消しを数段階に制限
すべきであることを示している。2段階で、全ての可能
な重みを徹底的に探せば、最も良い重みを選ぶことがで
きる。これらの重みは、チャンネル・モデルと各ユーザ
のパスの相対的電力とに依存する。
【0128】11.レイリー・フェージング・シミュレ
ーション レイリー・フェージング・シミュレーションは、干渉キ
ャンセラの性能についてのチャンネル推定およびフェー
ジングの影響を検討するのに有用である。ここに示す全
てのシミュレーションにおいて、基地局は各基地局から
2つの独立したフェージング・パスを受ける。全てのパ
スは非同期で到着するので、全てのパス到着時刻はラン
ダムに選ばれる。基地局は全てのパスの正確な到着時刻
を決定することができると仮定する。両方のパスの平均
電力は等しく、また、各移動局から受ける平均電力も同
じであると仮定した。後者の仮定が正しい理由は、リバ
ース・リンク電力制御により全てのユーザの受信電力は
均一になるからである。ドップラー・スペクトルを生成
する低域通過フィルタを通して多数のAWGNシーケン
スを通過させることによって、独立フェージング・パス
をシミュレートした。このシミュレーションには、80
Hzまたは200Hzのドップラー周波数を持つフェー
ジングを用いた。2パス・レイリー・チャンネルでは、
12%のBERがビタビ復号の後で1e−3のBERに
なった。
【0129】図13は、80Hzフェージングを持つ2
パス・レイリー・フェージング・チャンネルに対するシ
ミュレーション結果を示す。目標とする12%のBER
では、15ユーザを支援することができる。点線は理論
曲線であり、チャンネル推定の影響を含まず、また、従
来のシミュレーションの曲線と理論曲線との差はチャン
ネル推定が不完全なために生じる。反復チャンネル推定
を行うとやや改善されるが、40または50ユーザで
は、チャンネル推定が不完全なためにやはり大きな差が
ある。
【0130】図14は、80Hzドップラーと、各段階
で異なる重みを付けた1または2段階の並列干渉打消し
とを用いた結果を示す。AWGNの場合と同様に、ハー
ド決定またはソフト決定で完全打消しを行うと、バイア
スの問題が生じる。ハード決定による1段の打消しで
は、60%打消しで最低BER(14%)が得られる。
ソフト決定と80%打消しとでは、13.5%のBER
が達成される。2段階とハード決定とでは、第1段階で
60%の干渉、第2段階で100%の干渉を打ち消し、
2つの決定統計を平均すると、最も良いBERは12.
5%である。2段階のソフト決定では、第1段階で50
%の干渉、第2段階で100%の干渉を打ち消すことに
より、最低のBER(12.3%)が得られる。このB
ERは目標BER12%よりもまだ大きいので、この型
の干渉打消しでは40ユーザを支援することはできない
であろう。
【0131】図15は、80Hzドップラーと、PIC
の代わりのPCSUとを用いた結果を示す。PCSUで
は、バイアスの影響は大幅に減少し、完全打消しの結果
は余り悪くない。ハード決定による1段階のPCSUで
は、70%打消しで最も良い結果が得られ、BERは1
3.6%である。ソフト決定と90%打消しとでは、1
3.2%のBERが得られる。2段階とハード決定とで
は、両方の段階で80%打ち消すことにより最低BER
(12.5%)が得られる。ソフト決定と両方の段階で
の100%打消しとでは、11.7%のBERが得られ
る。これは目標BER12%よりも小さいので、この手
法により少なくとも40ユーザを支援することができ
る。容量ゲインは約170%である。
【0132】図16は、200Hzドップラーを用いた
PICの結果を示す。この場合は、ドップラー周波数が
異なると干渉打消し重みが大きく変わるかどうかを調べ
るためにシミュレートした。200Hzのときは全体の
ビット誤り率が高い。その理由は、ドップラー周波数が
高くなるとチャンネル推定が悪くなるからである。しか
し、最も良い重みは80Hzドップラーのときとほぼ同
じである。
【0133】図17は、200Hzドップラーを用いた
PCSUの結果を示す。この場合も、ドップラー周波数
が高くなるとチャンネル推定が悪くなるので、200H
zでは全体のビット誤り率はやはり高いが、最も良い重
みは80Hzドップラーのときとほぼ同じである。
【0134】図18は、多段階を用いたPICおよびP
CSUの性能を示す。第1段階で、PICでは干渉の5
0%を打消し、PCSUでは干渉の80%を打ち消す。
これらの値は、図7および図8からPICおよびPCS
Uの最も良い重みを得た後で選んだ。続く段階では干渉
の100%を打ち消す。AWGNの場合と同様に、2段
階より後では余り改善されない。全ての場合においてP
CSU法は標準のPIC法よりも優れている。
【0135】シミュレーションによると、ソフト決定は
ハード決定より優れているが、1段階だけ用いる場合
は、2%以下であるが複雑さが増すのが難点である。し
かし、ハード決定による多段階は、各段階で変わるビッ
トを更新するだけで実現することができるので、必要な
計算は大幅に減少する。両方法は複雑さの程度が同じで
ほぼ同じ結果が得られるので、どちらを用いるかは選ん
だ特定のアーキテクチャに依存する。PCSUの複雑さ
はPCIと同じ程度であるが、全ての場合においてPI
Cよりも優れた結果が得られる。PCSUと2段階の打
消しとを用いると、容量は約170%増加する。また、
ソフト決定によるPCSUを用いると、各段階で100
%打ち消すことにより、最高の結果が得られる。PCS
UによるBERは各ユーザで正確に同じではないが、電
力制御ループにより各ユーザのBERは等しくなる。B
ERの差が小さい場合にはBER曲線対Eb/Noはほぼ
線形であるので、平均BERはPCSUの性能を測る適
当な規準と考えられる。段階内の重みを徐々に増やすと
決定の信頼性が高まるので、PCSUは更に改善され
る。また、ユーザが異なる品質のサービス要求を有する
ときは、PCSUは優れた方法である。1e−6のBE
Rを得るときよりも1e−3のBERを得るときの方が
b/Noは約2dB大きくなる。PCSUでは、反復中
には高いEb/Noを持つユーザが最初に更新される。
【0136】12.修正 好ましい実施の形態を種々の方法で修正しても、反復内
で更新された推定を用いることにより並列干渉打消しの
機能を保つことができる。例えば、WCDMAのTDD
(時分割多重)モードでは、干渉打消しを移動体ユーザ
が行うことができる。基地局は、異なるコードを用いて
1以上の移動体ユーザに信号を送信する。マルチパスの
ために直交性はなくなる。移動体ユーザは、基地局から
受信した信号について干渉打消しを行う。同様に、移動
体ユーザは、FDD(周波数多重分割モード)で干渉打
消しを行うことができる。
【0137】関連出願の相互参照 本出願は、暫定出願番号第60/135,655号,1
999年5月24日出願の優先権を請求する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の好ましい実施の形態の流れ図である。
【図2】スペクトル拡散システムを示す。
【図3】a及びbは、疑似ランダム・コードおよびシン
ボルを示す。
【図4】セルラ・システムを示す。
【図5】マルチユーザ・マルチパス・タイミングを示
す。
【図6】シミュレーション結果である。
【図7】シミュレーションの結果である。
【図8】シミュレーションの結果である。
【図9】シミュレーションの結果である。
【図10】シミュレーションの結果である。
【図11】シミュレーションの結果である。
【図12】シミュレーションの結果である。
【図13】シミュレーションの結果である。
【図14】シミュレーションの結果である。
【図15】シミュレーションの結果である。
【図16】シミュレーションの結果である。
【図17】シミュレーションの結果である。
【図18】シミュレーションの結果である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉信号を受信する方法であって、
    (a)情報u1,...,un(nは正の整数)を符号化
    した信号を検出するステップと、(b)ステップ(a)
    の結果から前記u1,...,unを推定するステップ
    と、(c)1からnまでの範囲内の各kについて、
    (i)情報ukについてステップ(a)で検出した前記
    信号の干渉を推定するステップと、(ii)ステップ
    (c)(i)の推定を用いて前記ukの推定を調整する
    ステップと、(d)ステップ(c)を繰り返すステップ
    であって、サブステップ(c)(i)では前記干渉の推
    定がj<kにおける前記ujについてのサブステップ
    (c)(ii)の結果を用いる、ステップと(e)ステ
    ップ(d)の結果から前記u1,...,unの値を決定
    するステップと、を含む、方法。
  2. 【請求項2】 (a)請求項1のステップ(a)の前記
    信号の検出が、前記信号を前記情報u1,...,un
    関連するコードに投影することを含む、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 (a)請求項1のサブステップ(c)
    (ii)の前記推定の調整が、前記ukの推定の使用を
    含む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 (a)請求項1のステップ(a)の前記
    信号の検出が、単一情報ukに関係する信号の最大比結
    合を行うことを含む、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 (a)請求項1のサブステップ(c)
    (ii)の前記推定値の調整が、ソフト決定である、請
    求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 多重干渉信号ストリーム用の受信器であ
    って、(a)信号S1,...,Sn用の検出器
    1,...,Dnであって、nが正の整数であり、前記
    信号S1,...,Snが情報u1,...,unを符号化
    した信号である、検出器D1,...,Dnと、(b)
    (i)1からnの範囲の各kについて前記検出器Dk
    よび(ii)第2の推定器SEkから入力FEkを受け、
    前記u1,...,unを推定することができる第1の推
    定器FE1,...,FEnと、(c)1からnの範囲内
    の各について、j以下の全てのiについて前記第1の推
    定器FEjから入力を受け、前記信号の干渉を推定する
    ことができる第2の推定器SEjと、(d)該第2の推
    定器からの出力を前記第1の推定器に反復して戻すコン
    トローラと、を具備する、受信器。
  7. 【請求項7】 (a)前記第1の推定器FEkが、前記
    FEkの出力から帰還される入力を含む、請求項6記載
    の受信器。
  8. 【請求項8】 (a)前記第1の推定器と前記第2の推
    定器と前記検出器の少なくとも一部とが、プログラムを
    有するプログラマブル・プロセッサとして実現される、
    請求項6記載の受信器。
  9. 【請求項9】 (a)前記検出器が、RAKE検出器を
    含む、請求項6記載の受信器。
  10. 【請求項10】 (a)前記検出器が、前記信号に関連
    するコード・プロジェクタを含む、請求項6記載の受信
    器。
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