JP2001338861A - 照明光学装置並びに露光装置及び方法 - Google Patents

照明光学装置並びに露光装置及び方法

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JP2001338861A
JP2001338861A JP2000157332A JP2000157332A JP2001338861A JP 2001338861 A JP2001338861 A JP 2001338861A JP 2000157332 A JP2000157332 A JP 2000157332A JP 2000157332 A JP2000157332 A JP 2000157332A JP 2001338861 A JP2001338861 A JP 2001338861A
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illumination
light source
light
fluoride
optical
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JP2000157332A
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Yuji Kudo
祐司 工藤
Osamu Tanitsu
修 谷津
Mitsunori Toyoda
光紀 豊田
Masato Shibuya
眞人 渋谷
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明光学装置中の光学部材へのダメージを低
減させる。 【解決手段】 照明光を供給する光源1と、多数の光源
像からなる二次光源を形成するためのオプティカルイン
テグレータ7との間の光路中の位置であって被照射面W
と共役な位置または該位置の近傍に配置されて、光源像
を拡大させる光源像拡大手段75を有する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路
(半導体素子)、液晶表示素子やプラズマディスプレイ
パネル等の表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイク
ロデバイス、又はフォトマスク等をリソグラフィ技術を
用いて製造する際に使用される投影露光装置に好適な照
明光学装置に関する。また、本発明は、当該照明光学装
置を備えた露光装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子または液晶表示素子等
をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、マスクに形
成された転写用のパターンを、投影光学系を介してウエ
ハのような感光性基板に転写する投影露光装置が使用さ
れている。
【0003】この種の典型的な投影露光装置において
は、光源から射出された光束が、例えばフライアイレン
ズや光トンネル等のオプティカルインテグレータに入射
し、多数の光源像(実像または虚像)からなる二次光源
を照明光学装置の瞳に形成する。二次光源からの光束
は、オプティカルインテグレータに後続する光学系を介
して、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照
明する。マスクのパターンを通過した光は、投影光学系
を介してウエハ上に結像する。こうして、ウエハ上に
は、マスクパターンが投影露光(転写)される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、この種の露光装
置では、解像力の向上を図るために露光光の波長の短波
長化が行われており、その光源としてレーザ光源が用い
られるようになっている。このようなレーザ光源を用い
る場合、照明光学装置中においてレーザの集光点が形成
される位置では照明光のエネルギー密度が高まり、その
位置またはその近傍に配置される光学部材にダメージを
与える恐れがある。
【0005】また、この種の露光装置ではスループット
の向上が要請されており、そのために照明効率の向上が
望まれている。また、この種の露光装置において、オプ
ティカルインテグレータとしてフライアイレンズ等の波
面分割型インテグレータを用いる場合、フライアイレン
ズ中の複数のレンズ間から被照射面へ向かう光が、フラ
イアイレンズと被照射面(マスク、基板)との間の光学
系において迷光となり、結果として結像性能の劣化を招
く恐れがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の第1の
目的は、照明光学装置中の光学部材へのダメージを低減
させることである。
【0007】また、本発明の第2の目的は、照明効率の
向上にある。また、本発明の第3の目的は、結像性能の
向上にある。上記第1の目的を達成するために、請求項
1にかかる発明は、照明光を供給するための光源手段
と、該光源手段からの光束に基づいて多数の光源像から
なる二次光源を形成するためのオプティカルインテグレ
ータと、前記オプティカルインテグレータからの光束を
被照射面または該被照射面と光学的に共役な面へ導くた
めのコンデンサー光学系とを備えた照明光学装置であっ
て、前記オプティカルインテグレータと前記光源との間
の光路中の位置であって前記被照射面と共役な位置また
は該位置の近傍に配置されて、前記光源像を拡大させる
光源像拡大手段を有するものである。
【0008】請求項2にかかる発明は、請求項1記載の
発明において、前記光源像拡大手段を経た光束の発散角
は、前記オプティカルインテグレータにおいて前記照明
光の損失が生じないように定められるものである。
【0009】請求項3にかかる発明は、請求項2記載の
発明において、前記オプティカルインテグレータは、2
次元状に配列されて、それぞれが前記光源像を形成する
複数のレンズ面を有し、前記光源像拡大手段は、前記レ
ンズ面を介して形成される前記光源像を拡大し、前記光
源像拡大手段の前記発散角は、前記拡大される前記光源
像が前記レンズ面よりも小さくなるように定められるも
のである。
【0010】請求項4にかかる発明は、請求項1または
2記載の発明において、前記オプティカルインテグレー
タは、2次元状に配列されて、それぞれが前記光源像を
形成する複数のレンズ面を有するものである。
【0011】請求項5にかかる発明は、請求項1〜4の
何れか一項記載の発明において、前記光源像拡大手段の
ニアフィールドにおける照度分布を実質的に均一とした
ものである。
【0012】請求項6にかかる発明は、請求項1〜5の
何れか一項記載の発明において、前記光源像拡大手段の
ファーフィールドに形成されるパターンを一つとしたも
のである。
【0013】請求項7にかかる発明は、請求項6記載の
発明において、前記光源像拡大手段の前記ファーフィー
ルドパターンを円形状、楕円形状、または多角形状とし
たものである。
【0014】請求項8にかかる発明は、請求項1〜7の
何れか一項記載の発明において、前記照明光学装置の前
記瞳に、前記瞳上の領域であって光軸を含む瞳中心領域
での光強度が該瞳中心領域の周囲の領域よりも小さく設
定された光強度分布を有する2次光源を形成したもので
ある。
【0015】請求項9にかかる発明は、請求項1〜8の
何れか一項記載の発明において、前記光源と前記オプテ
ィカルインテグレータとの間に配置されて、前記照明光
学装置の瞳に形成される2次光源の形状を制御するため
の回折光学素子をさらに有するものである。
【0016】請求項10にかかる発明は、請求項9記載
の発明において、前記2次光源の形状を制御するための
前記回折光学素子と前記オプティカルインテグレータと
の間に配置されて、前記2次光源の形状を制御するため
の前記回折光学素子からの0次光を遮光するための0次
光遮光手段を有するものである。
【0017】請求項11にかかる発明は、請求項10記
載の発明において、前記オプティカルインテグレータ
は、2次元的に配列された複数のレンズ面と、該複数の
レンズ面の入射側に配置された入射側カバーガラスとを
備え、前記0次光遮光手段を前記入射側カバーガラスに
設けたものである。
【0018】請求項12にかかる発明は、請求項1〜1
1の何れか一項記載の発明において、前記光源像拡大手
段は、回折光学素子または拡散板を有するものである。
請求項13にかかる発明は、請求項9〜12の何れか一
項記載の発明において、前記回折光学素子または前記拡
散板の表面上に、前記照明光の波長に対する反射防止膜
を施したものである。
【0019】請求項14にかかる発明は、請求項1〜1
3の何れか一項記載の発明において、前記オプティカル
インテグレータは、2次元的に配列された複数のレンズ
面と、該複数のレンズ面の射出側に配置された射出側カ
バーガラスとを備え、該射出側カバーガラスに、前記複
数のレンズ面とは異なる領域を通過して前記被照射面側
へ向かう光を遮光するための遮光部材を設けたものであ
る。
【0020】請求項15にかかる発明は、請求項1〜1
4の何れか一項記載の発明において、前記光源手段と前
記被照射面との間の光路中に配置されて、表面に複数の
レンズ面が形成された基板からなるマイクロレンズアレ
イを備え、該マイクロレンズアレイの前記レンズ面に、
前記照明光に対する反射防止膜を施したものである。
【0021】請求項16にかかる発明は、請求項1〜1
5の何れか一項記載の発明において、前記光源手段と前
記オプティカルインテグレータとの間に配置されて、前
記複数の光源像のフーリエ変換像のそれぞれの強度分布
を独立に制御するための照度分布補正手段を備えたもの
である。
【0022】請求項17にかかる発明は、請求項16記
載の発明において、前記オプティカルインテグレータ
は、2次元的に配列された複数のレンズ面と、該複数の
レンズ面の入射側に配置された入射側カバーガラスと、
前記複数のレンズ面の射出側に配置された射出側カバー
ガラスとを備え、前記照度分布補正手段を前記入射側カ
バーガラスと前記射出側カバーガラスとの間の光路中に
配置したものである。
【0023】請求項18にかかる発明は、請求項1〜1
7の何れか一項記載の発明において、前記照明光学装置
は、前記被照射面上に所定方向の長さと該所定方向に直
交する方向の長さとが異なる形状の照明領域を形成する
ものである。
【0024】また、上述の第2の目的を達成するため
に、請求項19にかかる発明は、照明光を供給するため
の光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて二次光
源を形成するためのオプティカルインテグレータと、前
記オプティカルインテグレータからの光束を被照射面ま
たは該被照射面と光学的に共役な面へ導くためのコンデ
ンサー光学系とを備えた照明光学装置であって、前記光
源手段と前記被照射面との間の光路中に配置された回折
光学素子を有し、該回折光学素子の表面に、前記照明光
に対する反射防止膜を施したものである。
【0025】また、上述の第2の目的を達成するため
に、請求項20にかかる発明は、照明光を供給するため
の光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて二次光
源を形成するためのオプティカルインテグレータと、前
記オプティカルインテグレータからの光束を被照射面ま
たは該被照射面と光学的に共役な面へ導くためのコンデ
ンサー光学系とを備えた照明光学装置であって、前記光
源手段と前記被照射面との間の光路中に配置されて、表
面に複数のレンズ面が形成された基板からなるマイクロ
レンズアレイを備え、該マイクロレンズアレイの前記レ
ンズ面に、前記照明光に対する反射防止膜を施したもの
である。
【0026】請求項21にかかる発明は、請求項13、
15、19または20記載の発明において、前記反射防
止膜は、AlF3(フッ化アルミニウム);BaF2(フ
ッ化バリウム);CaF2(フッ化カルシウム);Ce
3(フッ化セリウム);CsF(フッ化セシウム);
ErF3(フッ化エルビウム);GdF3(フッ化ガドミ
ウム);HfF2(フッ化ハフニウム)LaF3(フッ化
ランタン);LiF(フッ化リチウム);MgF2(フ
ッ化マグネシウム);NaF(フッ化ナトリウム);N
3AlF6(クリオライト);Na5Al314(チオラ
イト);NdF3(フッ化ネオジム);PbF2(フッ化
鉛);ScF3(フッ化スカンジウム);SrF2(フッ
化ストロンチウム);TbF3(フッ化テルビウム);
ThF4(フッ化トリウム);YF3(フッ化イットリウ
ム);YbF3(フッ化イッテルビウム);SmF3(フ
ッ化サマリウム)DyF3(フッ化ジスプロシウム)P
rF 3(フッ化プラセオジム);EuF3(フッ化ユーロ
ピウム);HoF3(フッ化ホルミウム);フッ化ビス
マス(BiF2);四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラ
フルオロエチレン,PTFE),三フッ化塩化メチレン
樹脂(ポリクロロトリフルオロエチレン,PCTF
E),フッ化ビニル樹脂(ポリフッ化ビニル,PV
F),四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体
(フッ化エチレンプロピレン樹脂,FEP),フッ化ビ
ニリデン樹脂(ポリフッ化ビニリデン,PVDF),及
びポリアセタール(POM)からなる群から選択された
少なくとも1つの材料からなるフッ素樹脂;Al2
3(酸化アルミニウム);SiO2(酸化シリコン);G
eO2(酸化ゲルマニウム);ZrO2(酸化ジルコニウ
ム);TiO 2(酸化チタン);Ta25(酸化タンタ
ル);Nb25(酸化ニオブ);HfO2(酸化ハフニ
ウム);CeO2(酸化セリウム);MgO(酸化マグ
ネシウム);Nd23(酸化ネオジム);Gd23(酸
化ガドリニウム);ThO2(酸化トリウム);Y23
(酸化イットリウム);Sc23(酸化スカンジウ
ム);La23(酸化ランタン);Pr611(酸化プ
ラセオジム)ZnO(酸化亜鉛);PbO(酸化鉛);
酸化シリコンの群から選ばれた2つ以上の材料からなる
混合物群及び複合化合物群;及び酸化ハフニウムの群か
ら選ばれた2つ以上の材料からなる混合物群及び複合化
合物群;酸化アルミニウムの群から選ばれた2つ以上の
材料からなる混合物群及び複合化合物群;から選ばれた
1種類以上の成分を有するものである。
【0027】請求項22にかかる発明は、請求項1〜2
1の何れか一項記載の発明において、前記光源手段は、
波長200nm以下の照明光を供給するものである。請
求項23にかかる発明は、請求項22記載の発明におい
て、前記回折光学素子または前記マイクロレンズアレイ
は、フッ素がドープされた石英ガラスを有するものであ
る。
【0028】また、上述の第3の目的を達成するため
に、請求項24にかかる発明は、照明光を供給するため
の光源手段と、該光源手段からの光束に基づいて二次光
源を形成するためのオプティカルインテグレータと、前
記オプティカルインテグレータからの光束を被照射面ま
たは該被照射面と光学的に共役な面へ導くためのコンデ
ンサー光学系とを備えた照明光学装置であって、前記オ
プティカルインテグレータは、表面に複数のレンズ面が
形成された基板からなるマイクロレンズアレイと、該マ
イクロレンズアレイの射出側に配置された射出側カバー
ガラスとを備え、該射出側カバーガラスに、前記マイク
ロレンズアレイの前記複数のレンズ面とは異なる領域を
通過して前記被照射面側へ向かう光を遮光するための遮
光部材を設けたものである。
【0029】請求項25にかかる発明は、請求項24記
載の発明において、前記オプティカルインテグレータ
は、前記マイクロレンズアレイの入射側に配置された入
射側カバーガラスを備えるものである。
【0030】請求項26にかかる発明は、パターンが形
成されたマスクを所定波長域の照明光で照明して、前記
パターンの像を投影光学系を介して基板上に結像させる
投影露光装置であって、前記マスクに対して前記照明光
を供給するために請求項1〜25の何れか一項記載の照
明光学装置を備えるものである。
【0031】請求項27にかかる発明は、請求項26記
載の発明において、前記マスク上の照明領域は、所定方
向の長さと該所定方向に直交する方向の長さとが異なる
形状を有し、前記マスクと前記照明領域との相対的な位
置関係を変更しつつ投影露光を行うものである。
【0032】請求項28にかかる発明は、パターンが形
成されたマスクを所定波長域の照明光で照明して、前記
パターンの像を投影光学系を介して基板上に結像させる
投影露光方法であって、請求項1〜25の何れか一項記
載の照明光学装置を用いて前記マスクに対して前記照明
光を供給するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、添付図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる
照明光学装置を備えた投影露光装置の構成を概略的に示
す図である。図1(a)において、感光性材料が塗布さ
れた基板(ワーク)であるウエハWの法線方向に沿って
Z軸を、ウエハ面内において図1の紙面に平行な方向に
Y軸を、ウエハ面内において図1の紙面に垂直な方向に
X軸をそれぞれ設定している。
【0034】図1(a)に示す投影露光装置は、露光光
(照明光)を供給するための光源1として、例えば24
8nmまたは193nmの波長の光を供給するエキシマ
レーザー光源を備えている。光源1から基準光軸AXに
沿って射出された所望の矩形状の断面を有する光束ほぼ
平行な光束は、光遅延部2に入射する。
【0035】この光遅延部では、入射光束を互いに光路
長差の付けられた複数の光路に進行する光束に時間的に
分割し、これら複数の光束を再び合成した後に射出する
ものである。ここで、光路長差はコヒーレント光源1か
らの光束の時間的可干渉距離以上に設定される。従っ
て、光遅延部2により分割される波連においてコヒーレ
ンシー(可干渉性)を低減することができ、被照明面に
おける干渉縞やスペックルの発生を良好に抑えることが
できる。なお、スペックルの発生を良好に抑えるには、
上述のような光遅延部を光軸AXに沿って3段に配置す
ることが好ましい。
【0036】この種の光遅延手段に関しては、例えば特
開平1−198759号公報、特開平11−17436
5号公報、特開平11−312631号公報、特願平1
1‐21591号明細書及び図面、特願平11−256
29号明細書及び図面などに開示されている。
【0037】光遅延部2を介して時間的にインコヒーレ
ントな多重のパルスに時間的に分割された光束は、複数
のマイクロレンズアレイ31,32を設けたターレット
30へ向かう。
【0038】図1(b)はターレット30をその射出側
から見たXY平面図である。図1(b)に示すように、
ターレット30は、輪帯照明用のマイクロレンズアレイ
31と、多重極(例えば4極、8極等)照明用のマイク
ロレンズアレイ32と、通常照明用の穴部33とを備え
ている。ここで、輪帯照明用のマイクロレンズアレイ3
1は、XY平面上に2次元マトリックス状に配列された
多数のレンズ面を有し、これらのレンズ面のXY平面に
おける断面形状は六角形状である。また、多重極照明用
のマイクロレンズアレイも、XY平面上に2次元マトリ
ックス状に配列された多数のレンズ面を有し、これらの
レンズ面のXY平面における断面形状は四角形状であ
る。
【0039】以下の説明では、輪帯照明用のマイクロレ
ンズアレイ31が照明光路中に設定された場合を主に説
明する。図1(a)に戻って、輪帯照明用のマイクロレ
ンズアレイ31の複数のレンズ面は、光遅延部2を介し
た光源1からの光束を集光して複数の光源像(レンズ面
の屈折力が正のときは実像、負のときは虚像)を形成
し、このマイクロレンズアレイ31からは所定の発散角
を有する発散光束が射出する。マイクロレンズアレイ3
1の射出側には、アフォーカルズーム光学系4が配置さ
れている。アフォーカルズーム光学系4は、その角倍率
が可変となるように構成されており、入射する発散光束
は、アフォーカルズーム光学系4を介した後、設定され
た角倍率に応じた角度となるように射出される。アフォ
ーカルズーム光学系4から射出される光束は、複数の回
折光学素子51〜53を備えたターレット50へ向か
う。
【0040】図1(c)はターレット50をその射出側
から見たXY平面図である。図1(c)に示すように、
ターレット50は、輪帯照明用の回折光学素子51と、
多重極(例えば4極、8極等)照明用の回折光学素子5
2と、通常照明用の回折光学素子53とを備えている。
【0041】ここで、これらの回折光学素子は、光透過
性の基板(ガラス基板)に露光光(照明光)の波長程度
のピッチを有する段差を形成することよって構成され、
入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体
的には、輪帯照明用の回折光学素子51は、照明光学装
置の光軸(Z軸)に沿って入射した光束を、ファーフィ
ールド(遠視野)領域において輪形状の断面を有する発
散光束に変換する。また、多重極照明用の回折光学素子
52は、照明光学装置の光軸(Z軸)に沿って入射した
光束を、ファーフィールド領域において光軸を原点とし
たXY座標において第1〜第4象限にそれぞれ位置する
4つの点となる4重極形状の断面を有する複数の発散光
束に変換する。そして、通常照明用の回折光学素子53
は、照明光学装置の光軸に沿って入射した光束を、ファ
ーフィールド領域において円形断面を有する発散光束に
変換する。
【0042】なお、回折光学素子には被照明面における
干渉縞やスペックルの発生を低減する効果があるので、
場合によっては光遅延部2の設置を省略することもでき
る。さて、図1(a)に戻って、輪帯照明用のマイクロ
レンズアレイ31が光路中に設定される場合には、輪帯
照明用の回折光学素子51が照明光路中に設定される。
輪帯照明用の回折光学素子51は、平行光束ではなく、
マイクロレンズアレイ31及びアフォーカルズーム光学
系4によって与えられた所定の角度(開口数)を有する
光束で照明されるため、そのファーフィールド領域に
は、幅が実質的に零であるリング状の光強度分布ではな
く、上記所定の角度に応じた幅を有する輪帯状(ドーナ
ッツ状)の光強度分布が形成される。
【0043】図1(a)の例では、回折光学素子51
(52,53)に後続するズーム光学系6が、そのファ
ーフィールド領域を有限の距離(ズーム光学系6の後側
焦点位置、またはその近傍)に形成している。従って、
ズーム光学系6の後側焦点位置またはその近傍の位置に
は、輪帯状の光強度分布が形成される。
【0044】ここで、ズーム光学系6の焦点距離を変更
することにより、輪帯状の光強度分布はその輪帯比(輪
帯の外径に対する内径の比)を維持しつつ比例的に拡大
・縮小する。また、前述の通り、アフォーカルズーム光
学系4の角倍率を変更することにより輪帯の幅(輪帯の
外径と内径との差)を変更することが可能であるため、
これらのアフォーカルズーム光学系4及びズーム光学系
6の角倍率及び焦点距離を独立に調整することによっ
て、輪帯比及び輪帯幅を独立に任意の値に設定すること
ができる。
【0045】また、多重極照明用のマイクロレンズアレ
イ32及び回折光学素子52が共に照明光路中に設定さ
れた場合について簡単に説明する。前述の通り、マイク
ロレンズアレイ32に矩形断面を有する複数のレンズ面
が形成されているため、マイクロレンズアレイ32から
射出されてアフォーカルズーム光学系4に入射した光束
は、アフォーカルズーム光学系4の物点をマイクロレン
ズアレイ32とした際の瞳面において矩形断面を有する
光束となり、アフォーカルズーム光学系4の角倍率に応
じた角度(開口数)を有する光束として回折光学素子5
2に入射する。
【0046】回折光学素子52のファーフィールド領
域、すなわちズーム光学系6の後側焦点位置、またはそ
の近傍の位置には、光軸を原点としたXY座標において
第1〜第4象限のそれぞれに位置する4つの矩形断面を
有する複数の光束が到達する。
【0047】ここで、輪帯照明時と同様に、アフォーカ
ルズーム光学系4の角倍率を変更することにより、ズー
ム光学系6の後側焦点位置またはその近傍の位置に形成
される4つの矩形断面の光束の矩形の大きさがそれぞれ
変更される。また、ズーム光学系6の焦点距離を変更す
ることにより、ズーム光学系6の後側焦点位置またはそ
の近傍の位置に形成される4つの矩形断面の光束の中心
位置の光軸からの距離が変更される。
【0048】また、通常照明時について説明すると、こ
のときには、ターレット30の穴部33と回折光学素子
53とが照明光路に設定される。従って、アフォーカル
ズーム光学系4は、光遅延部2からの矩形断面の平行光
束を受け、その角倍率に応じて平行光束のXY断面の幅
を変更する機能を有する。すなわち、通常照明時には、
アフォーカルズーム光学系4はビームエキスパンダとし
て機能する。
【0049】回折光学素子53は、前述の通り平行光束
を受けてファーフィールド領域に円形断面を有する光束
を形成するため、ズーム光学系6の後側焦点位置または
その近傍の位置には、円形断面を有する光束が形成され
る。ここで、ズーム光学系6の焦点距離を変更すること
により、円形断面の光束の直径が変更される。
【0050】なお、図1(a)の投影露光装置は、ター
レット30を駆動してマイクロレンズアレイの交換・挿
脱を行う第1駆動部34、アフォーカルズーム光学系4
のレンズを駆動してその角倍率を変更する第2駆動部4
4、ターレット50を駆動して回折光学素子の交換を行
う第3駆動部54、ズーム光学系6のレンズを駆動して
その焦点距離を変更する第4駆動部64を有しており、
これらの第1〜第4駆動部34,44,54,64は、
制御部14にそれぞれ接続されており、この制御部14
からの指令により制御される。
【0051】さて、ズーム光学系6からの光束は、一対
のマイクロレンズアレイを有するオプティカルインテグ
レータ7に入射する。以下、図2〜図4を参照して、オ
プティカルインテグレータ7について説明する。
【0052】図2(a)はオプティカルインテグレータ
7のYZ断面図であり、図2(b)はオプティカルイン
テグレータ7中のマイクロレンズアレイ71(72)の
XY平面図である。
【0053】図2(a)に示すように、本実施形態のオ
プティカルインテグレータ7は、一対のマイクロレンズ
アレイ71,72と、マイクロレンズアレイの入射側に
位置する入射側カバーガラス73と、マイクロレンズア
レイの射出側に位置する射出側カバーガラス74と、光
源像拡大手段としての回折光学素子75とを有する。
【0054】ここで、一対のマイクロレンズアレイ7
1,72は互いに同じ基本構成を有し、図2(b)に示
すように、2次元マトリックス状に且つ稠密に配列され
た多数の矩形状断面の正屈折力の微小レンズ要素71a
(72a)を備えた光学素子である。各マイクロレンズ
アレイ71,72は、ほぼ正方形状の平行平面ガラス基
板701にエッチング処理を施して円形状の有効領域7
02に微小レンズ面を形成することによって構成されて
いる。
【0055】なお、図2(b)では、各マイクロレンズ
アレイ71(72)の入射側に形成される多数の微小レ
ンズ面71a(71b)のみを図示したが、各マイクロ
レンズアレイ71(72)は、入射側に形成された複数
の微小レンズ面71a(72a)のそれぞれと共軸に、
その射出側に形成された微小レンズ面71b(72b)
を有している。この微小レンズ面71b(72b)も、
平行平面ガラス基板701に施されたエッチング処理に
より、円形状の有効領域に形成される。
【0056】本実施形態におけるオプティカルインテグ
レータ7において、有効領域702内には、1000個
〜50000個、或いはそれ以上の数の微小レンズ面7
1a(71b,72a,72b)が形成されている。こ
の微小レンズ面の大きさは例えば0.54mm×0.2
mm程度、有効領域702の直径を例えばφ86mmと
することができ、この場合には微小レンズ面の個数を5
0000個程度とすることができる。なお、図面では、
その明瞭化のためにマイクロレンズアレイに形成される
微小レンズ面の数を実際より非常に少なく表している。
【0057】後述するように、マイクロレンズアレイ7
1の入射面は、被照射面であるウエハW面と共役に配置
されるため、1つの微小レンズ面の外形状はウエハW上
の照明領域と相似形状−本実施形態では長方形状−とな
っている。
【0058】図3は、一対のマイクロレンズアレイ7
1,72の光路図である。図3に示すように、マイクロ
レンズアレイ71の一対の微小レンズ面71a,71b
と、マイクロレンズアレイ72の一対の微小レンズ面7
2a,72bとは、図中一点鎖線で示す光軸にそって共
軸に配置されている。
【0059】図3に実線で示すように、光軸に沿って配
列された微小レンズ面71a,71b,72a,72b
からなる合成光学系に平行に入射した光束は、その合成
光学系の後側焦点面に光源像を形成する。また、図3に
破線で示すように、光軸に沿って配列された微小レンズ
面71a,71b,72a,72bからなる合成光学系
の前側焦点面がマイクロレンズアレイ71の入射面(微
小レンズ面71a)と一致するように構成されている。
【0060】光軸に沿って配置される微小レンズ面以外
の微小レンズ面においても、マイクロレンズアレイ71
の入射側の複数の微小レンズ面と射出側の複数の微小レ
ンズ面、マイクロレンズアレイ72の入射側の複数の微
小レンズ面と射出側の複数の微小レンズ面のそれぞれ
も、光軸に平行な軸線に対して共軸となるように位置決
めされている。
【0061】従って、一対のマイクロレンズアレイ7
1,72の後側焦点面には、多数の光源像の集合体から
なる2次光源が形成される。なお、本実施形態では、一
対のマイクロレンズアレイ71,72の後側焦点面が照
明光学装置の瞳(照明瞳)となっている。
【0062】ここで、2次光源の形状は、オプティカル
インテグレータ7に入射する光束の断面形状とほぼ相似
の形状となり、例えば輪帯照明用のマイクロレンズアレ
イ31と輪帯照明用の回折光学素子51とが照明光路中
に設定される場合には、輪帯状の2次光源が照明瞳に形
成され、また多重極(4重極)照明用のマイクロレンズ
アレイ32と多重極(4重極)照明用の回折光学素子5
2とが照明光路中に設定される場合には、光軸に対して
偏心した4つの矩形断面を有する2次光源(光軸を原点
としたXY座標において第1〜第4象限のそれぞれに位
置する矩形断面の4つの光源像の集合体)が照明瞳に形
成される。また、通常照明時には、円形状の2次光源が
照明瞳に形成される。
【0063】さて、図1に戻って、照明瞳(一対のマイ
クロレンズアレイ71,72の後側焦点面)の位置に
は、円形状の開口径を連続的に変更することが可能な虹
彩絞り8が配置されており、この虹彩絞り8の位置に形
成される2次光源からの光束は、前側焦点が虹彩絞り8
の位置に位置決めされたズームコンデンサ光学系9によ
り集光され、その後側焦点の近傍に位置決めされた照明
視野絞り(レチクルブラインド)10を重畳的に照明す
る。なお、本実施形態において、ズームコンデンサ光学
系9は、fsinθの射影特性を有するズームレンズであ
るが、その作用については後述する。なお、虹彩絞り8
の開口径は、上述の制御部14により制御される第5駆
動部の駆動により所定の開口径に設定される。
【0064】照明視野絞り10の開口部を通過した光束
は、照明視野絞りの開口部の像をレチクルRのパターン
面に形成する照明視野絞り結像光学系11(ブラインド
結像系)を介して、レチクルRのパターン面に照明視野
絞りの開口部と相似形状の照明領域を形成する。
【0065】この照明領域内に位置するレチクルパター
ンからの光は、レチクルRとウエハWとの間に位置する
投影光学系PLを介してウエハW上に達し、ウエハW上
の露光領域内にレチクルパターンの像を形成する。ここ
で、レチクルRは少なくともY方向に移動可能なレチク
ルステージ12上に載置されており、ウエハWは少なく
ともXY平面内で2次元的に移動可能なウエハステージ
13上に載置されている。
【0066】本実施形態では、ウエハW上の露光領域、
レチクルR上の照明領域の形状はX方向に長手方向を有
する長方形状(スロット形状)であり、投影光学系PL
に対してレチクルRとウエハWとを、投影光学系の投影
倍率(例えば、−1/4倍、−1/5倍、−1/6倍
等)に応じた速度比で移動させることにより、レチクル
Rのパターン形成領域に形成されるパターン像をウエハ
W上の1つのショット領域に転写することができる。
【0067】さて、上述のように本実施形態において
は、輪帯形状または多重極形状の2次光源をマイクロレ
ンズアレイ31,32及び回折光学素子51,52を用
いて実質的に光量ロスなく形成している。このような光
軸を含む瞳中心領域での光強度が瞳中心領域の周囲の領
域よりも小さく設定された光強度分布を有する2次光源
(輪帯形状や多重極形状等の2次光源)では、この2次
光源を形成する多数の光源像のエネルギー密度が高くな
る。
【0068】この場合、多数の光源像の近傍に位置する
マイクロレンズアレイ72や射出側カバーガラス74で
は、それらの表面に設けられる反射防止膜や基板自体が
破壊される恐れや、破壊までは至らないまでも透過率の
劣化や経時変化を招く恐れがある。
【0069】そこで、本実施形態では、オプティカルイ
ンテグレータ7の一部を構成するマイクロレンズアレイ
71の光源側に光源像拡大手段としての回折光学素子7
5を配置している。以下、図4及び図5を参照して光源
像拡大手段としての回折光学素子75の機能について説
明する。
【0070】図4は、回折光学素子75の原理説明図で
あり、ここには回折光学素子75と、マイクロレンズア
レイ71の入射側レンズ面71aとを示している。図4
(a)に示すように、回折光学素子75は、そこに入射
する平行光束を所定の発散角θで発散させる機能を有す
る。このとき、回折光学素子75のファーフィールド領
域FFでは、図4(b)に示すようにXY平面内での断
面がほぼ円形状となるファーフィールドパターンFFP
が形成される。また、回折光学素子75は、図4(c)
に示すようにXY平面内での断面がほぼ長方形状となる
ファーフィールドパターンFFPを形成しても良い。
【0071】図5は、回折光学素子75からの発散光束
の光路を示す図である。図5においては、回折光学素子
75からの発散光束のうち、光軸と平行に進行する平行
光束を実線で示し、光軸に対して斜め上側に進行する平
行光束を破線破線で示し、光軸に対して斜め下側へ向か
う平行光束を二点鎖線で示している。
【0072】ここで、図中実線で示す光軸と平行な平行
光束は、一対のマイクロレンズアレイ71,72の各レ
ンズ面71a〜72bにより屈折されて照明開口絞り8
の位置(照明瞳の位置)で光軸と交差する。すなわち、
この光軸上の位置には光軸と平行な平行光束に基づく光
源像が形成される。一方、図中破線で示す光軸に対して
斜め上側へ進行する平行光束は、レンズ面71a〜72
bにより屈折されて照明開口絞り8の位置(照明瞳の位
置)の光軸より上側に集光し、図中二点差線で示す光軸
に対して斜め下側へ進行する平行光束は、レンズ面71
a〜72bにより屈折されて照明開口絞り8の位置(照
明瞳の位置)の光軸より下側に集光する。回折光学素子
75から発散する光の角度分布は離散的ではなく連続的
であるため、照明開口絞り8の位置には、分割された光
源像ではなく拡大された光源像SIが形成される。
【0073】図5では、光軸に沿って配列されるレンズ
面71a〜72bによる光源像SIについて述べたが、
実際にはマイクロレンズアレイ71,72は光軸に平行
な複数の軸線に沿って配列される複数のレンズ面の組を
有しており、照明開口絞りの位置には、複数の拡大され
た光源像SIが形成されることになる。
【0074】このように拡大された光源像SIにおいて
は、エネルギー密度が低くなるため、マイクロレンズア
レイ72や射出側カバーガラス74における反射防止膜
や基板自体が破壊される恐れや、破壊までは至らないま
でも透過率の劣化や経時変化を招く恐れはない。従っ
て、安定した被照射面を照明することができる。
【0075】さて、本実施形態においては、光源像拡大
手段としての回折光学素子75の発散角は、オプティカ
ルインテグレータ7において照明光の損失が生じないよ
うに定められることが好ましい。すなわち、本実施形態
のようにオプティカルインテグレータ7が、2次元状に
配列された複数の微小レンズ面(71a,71b,72
a,または72b)を有する場合には、拡大された光源
像SIの大きさが微小レンズ面(71a,71b,72
a,または72b)のXY平面内での大きさよりも小さ
くなるように、回折光学素子75の発散角を定めること
が好ましい。
【0076】ここで、回折光学素子75の発散角が、拡
大された光源像SIの大きさがオプティカルインテグレ
ータ7の微小レンズ面(71a,71b,72a,また
は72b)のXY平面内での大きさよりも大きくなる場
合には、複数の微小レンズ面(71a,71b,72
a,または72b)以外へ光束が進行してしまい、この
光束は2次光源形成に寄与しなくなるため、光量損失が
生じる。なお、拡大された光源像SIの大きさは、回折
光学素子75の発散角だけではなく、マイクロレンズア
レイ71,72の焦点距離や、回折光学素子75へ入射
する光束の角度(開口数)や回折光学素子75とマイク
ロレンズアレイ71とn距離などにより定まる。
【0077】本実施形態では、回折光学素子75の発散
角を2°〜3°程度としており、光源像SIの大きさ
を、回折光学素子75を挿入しない場合の光源像の大き
さに対して2倍程度となるようにしている。
【0078】さて、図4(a)に戻って、光源像拡大手
段としての回折光学素子は、そのニアフィールド領域N
Fの近傍にマイクロレンズアレイ71の入射側レンズ面
71aが位置するように配置される。ここで、マイクロ
レンズアレイ71の複数の入射側レンズ面71aのそれ
ぞれは、ウエハW上の露光領域とほぼ共役な配置となっ
ているため、入射側レンズ面71a内で照度分布にむら
があると、ウエハW上の露光領域内の照度分布が不均一
となる恐れがある。
【0079】従って、光源像拡大手段としての回折光学
素子は、そのニアフィールド領域の照度分布がほぼ均一
であることが好ましい。さて、本実施形態のようにオプ
ティカルインテグレータによる複数の光源像のそれぞれ
を拡大すれば、σ値(投影光学系のレチクル側開口数に
対する照明光学装置のレチクル側開口数)を連続的に設
定できる効果も得ることができる。以下、図6を参照し
て説明する。
【0080】図6は、オプティカルインテグレータをそ
の射出面側から見た平面図であり、図6(a)は拡大さ
れない光源像Sが形成されている状態を示し、図6
(b)は拡大された光源像Sが形成されている状態を示
す。
【0081】図6(a)に示すように拡大されない光源
像Sが形成される場合は、複数の光源像S同士が離散的
に配置されるため、図中実線で示すように2次光源の外
径を離散的にしか設定できない。一方、図6(b)に示
すように拡大された光源像SIが形成される場合は、複
数の拡大された光源像ISの間隔が稠密となるため、図
中破線で示すように2次光源の外径をほぼ連続的に設定
することができる。これにより、σ値を連続的に制御し
て投影露光装置の結像性能を向上させることができる効
果を得ることができる。
【0082】なお、オプティカルインテグレータを構成
する複数のレンズ面の個数が少ない(複数のレンズ面の
大きさが大きい)場合に特に効果的である。また、本実
施形態のようにオプティカルインテグレータによる複数
の光源像のそれぞれを拡大することにより、フレア光に
よる光学部材への損傷を低減できる効果も生じる。オプ
ティカルインテグレータからウエハまでの光学系の間で
フレア光が発生し、そのフレア光が当該光学系の光学部
材の内部またはその近傍に焦点を結ぶような場合を想定
する。この場合、光源像そのものの大きさが大きけれ
ば、フレア光の集光位置におけるエネルギー自体も低い
ものとなるため、光学部材(或いは光学部材上の薄膜)
の破壊を防止したり、破壊へ至るまでの期間、すなわち
寿命を延ばすことができる効果も生じる。
【0083】さて、上述の実施形態では、光源像拡大手
段として回折光学素子75を用いたが、光源像拡大手段
としては、屈折光学素子であっても拡散板であっても良
い。ここで、光源像拡大手段として屈折光学素子や拡散
板を用いる場合であっても、光源像拡大手段からの発散
角の範囲を所望の値に設定し、光源像拡大手段のファー
フィールド領域での照度分布と、ニアフィールド領域
(或いはオプティカルインテグレータにおける被照射面
と共役な位置)での照度分布とが実質的に均一な分布で
あることが好ましい。
【0084】また、上述の実施形態では、図4(b),
(c)に示したように、光源像拡大手段がファーフィー
ルド領域に形成するファーフィールドパターンの形状を
円形状または長方形状としたが、このファーフィールド
パターンの形状はこれには限られない。例えば、矩形状
(正方形状及び長方形状)、六角形状、台形状、菱形
状、8角形状等の多角形状、楕円形状、円弧形状など種
々の形状を取りうる。但し、光源像形成手段のファーフ
ィールドパターンの形状は、被照射面に形成される照明
領域の形状と相似であることが好ましい。
【0085】さて、上述の実施形態では、オプティカル
インテグレータ7の射出面に形成される2次光源からの
光を集光して、照明視野絞り10を重畳的に照明するた
めのコンデンサ光学系9を、その射影特性がFsinθと
なるように構成している。具体的には、コンデンサ光学
系9の焦点距離をFとし、コンデンサ光学系9の前側焦
点位置が入射瞳であるとした場合の主光線を考え、当該
主光線のコンデンサ光学系9への入射角をθとし、この
主光線がコンデンサ光学系9から射出されて被照射面ま
たはそれと共役な面へ入射する位置の光軸からの距離を
Yとするとき、(1) Y=Fsinθの射影関係を満足
している。なお、本実施形態におけるコンデンサ光学系
9は焦点距離が可変なズーム光学系であるが、ズーミン
グに際しては上記(1)式の射影関係をほぼ維持してい
る。
【0086】このようにコンデンサ光学系9を構成した
場合、2次光源が完全拡散面光源と近似的に見なすこと
ができるときには、照明視野絞り10が位置するXY平
面内における照度及び開口数をXY面内位置にかかわら
ず一定とすることができる。
【0087】そして、本実施形態では、オプティカルイ
ンテグレータ7により形成される2次光源が完全拡散面
光源と近似的にみなすことができるようにするために、
オプティカルインテグレータ7が有する微小レンズ面7
1a,72b,72a,72bを非球面形状に形成し
て、オプティカルインテグレータ7の球面収差の補正と
コマ収差の補正(正弦条件の満足)とを達成するように
している。従って、本実施形態では、照明視野絞り10
には、均一照度かつ均一開口数の照明光束が達し、ひい
ては被照射面であるウエハW上の露光領域全域において
照度の均一性及び開口数の均一性を達成することが可能
である。
【0088】なお、本例では、製造を容易とするため
に、全ての微小レンズ面71a,72b,72a,72
bを同じ非球面形状に形成しているが、これらの微小レ
ンズ面の形状は互いに異なるものであっても良く、非球
面も全ての微小レンズ面に設ける必要もない。
【0089】また、オプティカルインテグレータ7が有
する全ての微小レンズ面71a,72b,72a,72
bを球面形状で形成しても良い。この場合、各微小レン
ズ面の面形状を互いに異ならせるようにすれば、球面収
差を補正しかつ正弦条件を満足することが可能となる。
【0090】また、上記実施形態では、オプティカルイ
ンテグレータ7としてマイクロレンズアレイ71,72
を適用しているが、その代わりに、複数の棒状レンズを
2次元マトリックス状に集積することによって構成され
るフライアイレンズを適用しても良い。
【0091】ここで、マイクロレンズアレイとフライア
イレンズとは、多数の微小レンズ面が2次元マトリック
ス状に配列されている点で共通である。但し、マイクロ
レンズアレイは、多数の微小レンズ要素が互いに隔絶さ
れることなく一体的に形成されている点で、互いに隔絶
されたレンズ素子からなるフライアイレンズとは異なっ
ている。
【0092】さらに、マイクロレンズアレイでは、フラ
イアイレンズと比較して、その微小レンズ面の大きさを
微小にできるという有利な点がある。ここで、微小レン
ズ面の大きさを微小にすることによって、オプティカル
インテグレータ7の波面分割効果が非常に大きくなるた
め、被照射面(ウエハW面)での照度均一性を向上させ
ることが可能となり、さらに照明条件を変更(通常照明
から変形照明等)した場合においても、被照射面での照
度分布の変動やテレセントリシティの変動を非常に小さ
い値に抑えることが可能となる。
【0093】また、上記実施形態では、マイクロレンズ
アレイ71,72及び光源像拡大手段としての回折光学
素子75の表面が光化学反応により汚染されるのを回避
するために、入射側カバーガラス73及び射出側カバー
ガラス74を備えている。従って、光化学反応による汚
染が起こったとしても、一対のマイクロレンズアレイ7
1,72や回折光学素子75を交換することなく、一対
のカバーガラス73,74だけを交換すればよい。な
お、一対のカバーガラス73,74の間の光路中には、
クリーン度を高めた空気、ドライエア、窒素やヘリウム
等の不活性ガスがパージされることが好ましい。
【0094】なお、このようなカバーガラス73,74
は、上述のフライアイレンズにも有効である。また、上
述の例では、入射側カバーガラス73とマイクロレンズ
アレイ71との間に回折光学素子75を配置したが、入
射側カバーガラス73の射出側(マイクロレンズアレイ
側)の平面に回折面、屈折面、または光拡散面を形成し
て、入射側カバーガラス73の射出面に光源像拡大手段
を設けても良い。
【0095】また、被照射面(ウエハW面)での照度分
布を制御するために、オプティカルインテグレータより
も光源側の光路であって被照射面とほぼ共役な位置に透
過率分布を調整するための光学部材(透過率分布調整部
材)を配置する場合には、入射側カバーガラス73とマ
イクロレンズアレイ71との間の光路中に配置すること
が好ましい。これにより、透過率分布調整部材の汚染を
低減することが可能である。なお、この透過率分布調整
部材は、光源像拡大手段としての回折光学素子75とマ
イクロレンズアレイ71(2次元状に配列された複数の
レンズ面)との間の光路中に配置することが好ましい。
【0096】このような透過率分布調整部材は、例えば
特開昭64-42821号公報、特開平7-130600号公報、特開平
9-223661号公報、特開平10-319321号公報、特開2000-21
750号公報、特開2000-39505号公報、WO99/368
32号公報などに開示されている。
【0097】さて、上述の実施形態において、オプティ
カルインテグレータ7の入射面近傍の位置がその入射側
のズーム光学系6の後側焦点位置となっているため、製
造誤差等の要因により回折光学素子51〜53から0次
光成分が射出されてしまう場合には、この0次光成分が
ノイズ光となる恐れがある。
【0098】また、フライアイレンズのように2次元状
に配列された複数のレンズ面が密でない場合や、マイク
ロレンズアレイの製造上の都合により複数のレンズ面が
密でないように形成される場合においては、複数のレン
ズ面の間からの漏れ光がノイズ光となる恐れがある。
【0099】このような場合には、射出側カバーガラス
に上記0次光成分及び漏れ光を遮光するための遮光部材
を設ければよい。以下、図7を参照して射出側カバーガ
ラスに設けられた遮光部材について説明する。
【0100】図7は、射出側カバーガラスに遮光部材を
設けたオプティカルインテグレータの構成を説明するた
めの図であって、図7(a)はYZ断面図、図7(b)
は射出側カバーガラスとフライアイレンズとの位置関係
を示すXY平面図である。なお、図7の例では、オプテ
ィカルインテグレータはマイクロレンズアレイではな
く、フライアイレンズを適用している。
【0101】図7(a)に示すオプティカルインテグレ
ータは、光の入射側から順に、入射側カバーガラス73
0、光源像拡大手段としての回折光学素子75、XY平
面内で2次元マトリックス状に集積された複数の棒状レ
ンズ素子を有するフライアイレンズ710、及び射出側
カバーガラス740とを備えている。これらの光学部材
は、図中一点鎖線で示す光軸に沿って共軸となるように
配置されている。
【0102】ここで、射出側カバーガラス740には、
遮光パターン741が設けられている。この遮光パター
ン741は例えばクロム等を射出側カバーガラス740
上に蒸着することによって形成される。
【0103】図7(b)に示すように、フライアイレン
ズを構成する複数のレンズ素子(図7(b)では射出側
レンズ面710bのみを破線で図示)の間を覆うように
遮光パターン741がXY平面内で位置決めされてい
る。また、この遮光パターンは、回折光学素子51〜5
3からの0次光成分を遮光するために、その光軸近傍の
位置も覆っている。
【0104】なお、図8に示すように、回折光学素子5
1〜53からの0次光成分がズーム光学系6の後側焦点
位置に集光してしまい、集光点位置近傍の光学部材(入
射側カバーガラス、マイクロレンズアレイ71等)や当
該光学部材上の薄膜への損傷を防止するために、入射側
カバーガラス730の光軸近傍の位置に遮光パターン7
31を設けても良い。
【0105】さて、図1(a)に戻って、ズームコンデ
ンサ光学系9の構成について説明する。ズームコンデン
サ光学系9は、光軸方向(図中Z方向)に沿って複数の
レンズ群を備えており、それらの間隔を変更することで
その焦点距離を可変とすることができる。このとき、ズ
ームコンデンサ光学系9の前側焦点位置は、オプティカ
ルインテグレータ7が形成する2次光源の位置(虹彩絞
り8の位置、或いは照明瞳の位置)と実質的に一致して
いる。また、ズームコンデンサ光学系9の後側焦点位置
には、照明視野絞り10が位置決めされている。ここ
で、ズームコンデンサ光学系9は、その焦点距離可変時
において、ズームコンデンサ光学系9の前側及び後側焦
点位置が変動しないように構成されている。ズームコン
デンサ光学系の複数のレンズ群の光軸方向への移動は、
第6駆動部により行われる。
【0106】このようにズームコンデンサ光学系9の焦
点距離を変更することにより、照明視野絞り10の位置
に形成される照明領域の大きさを変更することが可能で
ある。
【0107】ここで、照明視野絞り10は、例えば4枚
の遮光羽根を有し、これらのうちの2つの遮光羽根は、
図中X方向に沿った遮光辺の対を有し、残りの2つの遮
光羽根は、図中Y方向に沿った遮光辺の対を有してい
る。これら4枚の遮光羽根は第7駆動部104によって
駆動され、4枚の遮光羽根の遮光辺により形成される長
方形状の開口部の縦横の大きさを任意の値に設定するこ
とが可能である。なお、4枚の遮光羽根の代わりに、L
字状の直交した遮光辺を有しXY平面内で移動可能な2
組の遮光部材を有する構成であっても良い。
【0108】これにより、使用するレチクルの特性に応
じてレチクル上に形成される照明領域の大きさを光量損
失無しに変更することが可能である。なお、ズームコン
デンサ光学系9の焦点距離を変更することにより、照明
視野絞り10の位置、ひいてはレチクルR上またはウエ
ハW上での照明光の開口数が変化してしまうが、これは
前述のズーム光学系6の焦点距離を変更することによる
2次光源の大きさの変更を行うことにより補償すること
ができる。
【0109】なお、これらの第6及び第7駆動部も制御
部14により制御される。次に、制御部14の動作につ
いて説明する。制御部14は、例えばコンソール、また
はレチクルRの搬送路中に配置されたレチクルバーコー
ドリーダからなる入力部15に接続されている。
【0110】そして、順次露光すべき各種のレチクルに
関する情報、各種レチクルの照明条件に関する情報、各
種ウエハの露光条件に関する情報などは、この入力部1
5を介して制御部14に入力される。
【0111】制御部14は、各種のレチクルやウエハに
関して、照明領域(露光領域)の所望の大きさ、最適な
照明開口数、最適な線幅(解像度)、所望の焦点深度等
の情報を内部のメモリー内に記憶しており、入力手段か
らの入力に応答して第1〜第7駆動部に適切な制御信号
を供給する。
【0112】例えば、所望の大きさの照明領域、最適な
照明開口数、最適な解像度及び所望の焦点深度のもとで
通常円形照明する場合、第1駆動部34は制御部14か
らの指令に基づいて穴部33を照明光路内に位置決め
し、第3駆動部は制御部14からの指令に基づいて通常
照明用の回折光学素子53を照明光路内に設定する。そ
して、レチクルR上において所望の大きさを有する照明
領域を得るために、第6駆動部94は制御部14からの
指令に基づいてズームコンデンサ光学系9の焦点距離を
設定し、第7駆動部104は制御部14からの指令に基
づいて照明視野絞り10の開口部の大きさ・形状を設定
する。また、レチクルR上において所望の照明開口数を
得るために、第4駆動部64は制御部14からの指令に
基づいてズーム光学系6の焦点距離を設定する。さら
に、オプティカルインテグレータ7が形成する円形状の
2次光源の外径を光量損失を良好に抑えた状態で規定す
るために、第5駆動部84は制御部14からの指令に基
づいて虹彩絞り8の開口径を設定する。
【0113】なお、本実施形態においては、ズーム光学
系6によって、光束を遮光することなく任意の大きさの
円形状の2次光源を形成しているため、虹彩絞り8は、
円形状の2次光源の外側のフレア光を遮光するのに十分
な開口径に設定すれば良い。
【0114】また、第4駆動部64によるズーム光学系
6の焦点距離の変更動作と、第6駆動部94によるズー
ムコンデンサ光学系94の焦点距離の変更動作とを組み
合わせることにより、レチクルRでの照明領域の大きさ
と照明開口数とを互いに独立に変更することが可能であ
る。
【0115】また、所望の大きさの照明領域、最適な照
明開口数、最適な解像度及び所望の焦点深度のもとで輪
帯照明を行う場合、第1駆動部34は制御部14からの
指令に基づいて輪帯照明用のマイクロレンズアレイ31
を照明光路内に位置決めし、第3駆動部は制御部14か
らの指令に基づいて輪帯照明用の回折光学素子51を照
明光路内に設定する。そして、レチクルR上において所
望の大きさを有する照明領域を得るために、第6駆動部
94は制御部14からの指令に基づいてズームコンデン
サ光学系9の焦点距離を設定し、第7駆動部104は制
御部14からの指令に基づいて照明視野絞り10の開口
部の大きさ・形状を設定する。また、レチクルR上にお
いて所望の照明開口数を得るために、第4駆動部64は
制御部14からの指令に基づいてズーム光学系6の焦点
距離を設定する。さらに、オプティカルインテグレータ
7が形成する輪帯形状の2次光源の外径を光量損失を良
好に抑えた状態で規定するために、第5駆動部84は制
御部14からの指令に基づいて虹彩絞り8の開口径を設
定する。
【0116】なお、本実施形態においては、輪帯照明用
の回折光学素子51とズーム光学系4,6とによって、
光束を遮光することなく任意の輪帯比及び任意の外径を
有する輪帯状の2次光源を形成しているため、虹彩絞り
8は、輪帯状の2次光源の外側のフレア光を遮光するの
に十分な開口径に設定すれば良い。
【0117】また、上述の輪帯照明時の照明開口数と
は、輪帯状の2次光源の最も外側の位置から射出される
光線により定められるものである。さらに、所望の大き
さの照明領域、最適な照明開口数、最適な解像度及び所
望の焦点深度のもとで4重極照明を行う場合、第1駆動
部34は制御部14からの指令に基づいて4重極照明用
のマイクロレンズアレイ31を照明光路内に位置決め
し、第3駆動部は制御部14からの指令に基づいて4重
極照明用の回折光学素子51を照明光路内に設定する。
そして、レチクルR上において所望の大きさを有する照
明領域を得るために、第6駆動部94は制御部14から
の指令に基づいてズームコンデンサ光学系9の焦点距離
を設定し、第7駆動部104は制御部14からの指令に
基づいて照明視野絞り10の開口部の大きさ・形状を設
定する。また、レチクルR上において所望の照明開口数
を得るために、第4駆動部64は制御部14からの指令
に基づいてズーム光学系6の焦点距離を設定する。さら
に、4重極形状の2次光源の外側のフレア光を遮光する
ために第5駆動部84は制御部14からの指令に基づい
て虹彩絞り8の開口径を設定する。
【0118】なお、上述の4重極照明時の照明開口数と
は、4重極形状の2次光源のうち、最も光軸から離れた
位置から射出される光線により定められるものである。
また、上述の例では、2次光源からの光束を被照射面と
共役な照明視野絞りへ導くためのコンデンサ光学系(ズ
ームコンデンサ光学系9)を焦点距離が可変となるよう
に構成したが、このコンデンサ光学系は焦点距離が実質
的に固定であっても良い。
【0119】上述のように、レチクルRへの照明条件
(ウエハWへの露光条件)を変更すると、ウエハW上の
露光領域内における照度分布が変動してしまう場合があ
る。このような場合、一括露光型の投影露光装置では露
光領域内に不均一な照度分布に対応した露光量分布が生
じ、走査型露光装置では、非走査方向に沿った露光量分
布が生じる。
【0120】本実施形態の場合、オプティカルインテグ
レータによる波面分割数を非常に大きくしているため、
照明条件(露光条件)を変更しても被照射面での照度ム
ラの変動や、そこでのテレセントリック性の変動は十分
に小さいものとなっている。
【0121】ただし、その変動量が許容できない場合に
は、レチクルRへの照明条件(ウエハWへの露光条件)
の変更に伴う露光領域内の照度分布の変動を予め求めて
おき、照明条件(または露光条件)変更時に照度分布
(非走査方向(X方向)に沿った露光量分布)の補正を
行うことが好ましい。
【0122】この照度分布(または露光量分布)補正す
る手法としては、例えば: (1)ズームコンデンサ光学系9を構成する少なくとも
一部のレンズ群を、光軸方向、光軸直交方向、及び光軸
直交方向を軸とする回転方向のうち少なくとも一方向に
関して移動させる手法; (2)オプティカルインテグレータ7とズームコンデン
サ光学系9との間の光路中(2次光源の光軸上から射出
される光線が光軸と非平行となる光路)に、入射角度に
応じて透過率が異なる角度特性を有するフィルターを、
互いに異なる角度特性となるような複数の組だけ準備し
ておき、それら複数組のフィルターを交換する手法、ま
たはフィルター交換に加えてフィルターの傾き角度を調
整する手法; (3)オプティカルインテグレータよりも光源側の光路
であって被照射面とほぼ共役に位置決めされて透過率分
布を調整するための透過率分布調整部材を、互いに異な
る透過率分布となるように複数の組だけ準備しておき、
それら複数組の透過率分布調整部材を交換する手法;及
び (4)照明視野絞り10の開口形状を、走査方向に沿っ
た開口幅が非走査方向において所定の分布を持つように
変形させる手法; などがある。一括露光型の投影露光装置においては上記
(1)〜(3)の手法のいずれか、または上記(1)〜
(3)の手法を任意に組み合わせることにより、被照射
面上での照度分布を任意の分布とすることができる。ま
た、走査型露光装置では、上記(1)〜(4)の手法の
いずれか、または上記(1)〜(4)の手法を任意に組
み合わせることにより、被照射面上での非走査方向にお
ける露光量分布を任意に制御することができる。
【0123】なお、上記(1)の手法は、例えば特開平
10-275771号公報などに開示されている手法を用いるこ
とができる。また、上記(2)の手法は、例えば特開平
9-190969号公報に開示されている手法を用いることがで
きる。そして、上記(3)の手法は、上述の特開昭64-4
2821号公報、特開平7-130600号公報、特開平9-223661号
公報、特開平10-319321号公報、特開2000-21750号公
報、特開2000-39505号公報、WO99/36832号公
報などに開示された透過率分布調整部材を交換可能に設
ければ良い。上記(4)の手法は、例えば特開平7-1423
13号公報、特開平10-340854号公報、特開2000-58442号
公報、特開2000-82655号公報、特開2000-114164号公報
などに開示されている手法を用いることができる。
【0124】なお、照度ムラの補正手法については、レ
チクルRへの照明条件(ウエハWへの露光条件)の変更
に伴う露光領域内の照度分布の変動を予め求めておく手
法の他に、照明条件の変更時にウエハW上での照度分布
の変動を測定し、測定された変動量を補正する手法を用
いても良い。
【0125】また、テレセントリック性の変動の補正方
法としては、例えばオプティカルインテグレータ7の光
軸方向の位置を調整する手法や、ズームコンデンサ光学
系9の一部のレンズ群を傾ける手法などが挙げられる。
【0126】さて、上述の実施形態においては、光量損
失なく輪帯形状、多重極形状、円形状の2次光源を形成
するために回折光学素子51〜53を用いたが、回折光
学素子の代わりに、屈折作用によりファーフィールドに
輪帯形状、多重極形状、または円形状の照明領域を形成
する屈折光学素子を用いても良い。このような屈折光学
素子としては、例えばWO99/49505号公報に開
示されている。
【0127】ところで、本実施形態においては、照明光
学装置を構成する各レンズ素子(アフォーカルズーム光
学系4、ズーム光学系6、ズームコンデンサ光学系9、
及び照明視野絞り結像光学系11中のレンズ素子)や投
影光学系PLを構成する各レンズ素子だけではなく、マ
イクロレンズアレイ31,32,71,72、回折光学
素子51〜53,75、及びカバーガラス73,74の
表面には、照明光の波長に関して反射防止がなされた反
射防止膜が形成されている。特にマイクロレンズアレイ
31,32,71,72、及び回折光学素子51〜5
3,75に反射防止膜が形成されているため、ここでの
反射防止を抑えて、被照射面上での照度を効率良く高め
ることが可能である。とりわけ、回折光学素子に関して
は、回折効率が100%でないことによる光量損失があ
るため、この反射防止膜による光量損失の低減は、被照
射面上での照度を高める上で重要である。
【0128】ここで、反射防止膜を構成する材料として
は、AlF3(フッ化アルミニウム);BaF2(フッ化
バリウム);CaF2(フッ化カルシウム);CeF
3(フッ化セリウム);CsF(フッ化セシウム);E
rF3(フッ化エルビウム);GdF3(フッ化ガドミウ
ム);HfF2(フッ化ハフニウム)LaF3(フッ化ラ
ンタン);LiF(フッ化リチウム);MgF2(フッ
化マグネシウム);NaF(フッ化ナトリウム);Na
3AlF6(クリオライト);Na5Al314(チオライ
ト);NdF3(フッ化ネオジム);PbF2(フッ化
鉛);ScF3(フッ化スカンジウム);SrF2(フッ
化ストロンチウム);TbF3(フッ化テルビウム);
ThF4(フッ化トリウム);YF3(フッ化イットリウ
ム);YbF3(フッ化イッテルビウム);SmF3(フ
ッ化サマリウム)DyF3(フッ化ジスプロシウム)P
rF3(フッ化プラセオジム);EuF3(フッ化ユーロ
ピウム);HoF3(フッ化ホルミウム);フッ化ビス
マス(BiF2);四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラ
フルオロエチレン,PTFE),三フッ化塩化メチレン
樹脂(ポリクロロトリフルオロエチレン,PCTF
E),フッ化ビニル樹脂(ポリフッ化ビニル,PV
F),四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体
(フッ化エチレンプロピレン樹脂,FEP),フッ化ビ
ニリデン樹脂(ポリフッ化ビニリデン,PVDF),及
びポリアセタール(POM)からなる群から選択された
少なくとも1つの材料からなるフッ素樹脂;Al2
3(酸化アルミニウム);SiO2(酸化シリコン);G
eO2(酸化ゲルマニウム);ZrO2(酸化ジルコニウ
ム);TiO2(酸化チタン);Ta25(酸化タンタ
ル);Nb25(酸化ニオブ);HfO2(酸化ハフニ
ウム);CeO2(酸化セリウム);MgO(酸化マグ
ネシウム);Nd23(酸化ネオジム);Gd23(酸
化ガドリニウム);ThO2(酸化トリウム);Y23
(酸化イットリウム);Sc23(酸化スカンジウ
ム);La23(酸化ランタン);Pr611(酸化プ
ラセオジム)ZnO(酸化亜鉛);PbO(酸化鉛);
酸化シリコンの群から選ばれた2つ以上の材料からなる
混合物群及び複合化合物群;及び酸化ハフニウムの群か
ら選ばれた2つ以上の材料からなる混合物群及び複合化
合物群;酸化アルミニウムの群から選ばれた2つ以上の
材料からなる混合物群及び複合化合物群;が挙げられ
る。
【0129】従って、本実施形態では、上述の群から選
ばれた1種類以上の材料を反射防止膜の材料として用い
る。ここで、上記材料からなる反射防止膜をマイクロレ
ンズアレイ31,32,71,72、及び回折光学素子
51〜53,75に形成する手法としては、例えば真空
蒸着法、イオンアシスト蒸着法、イオンプレーティング
法、クラスターイオンビーム法、スパッタリング法、イ
オンビームスパッタリング法、CVD(化学蒸着)法、
浸漬コーティング法、スピンコーティング法、メニスカ
スコーティング法、ゾルゲル法などを適用することがで
きる。
【0130】ここで、簡単にマイクロレンズアレイ3
1,32,71,72、及び回折光学素子51〜53,
75の製造手法について説明する。まず、マイクロレン
ズアレイのレンズ面の形状分布、または回折光学素子の
回折パターンの分布を設計する。次に、設計データに基
づいて、露光原版を作成する。そして、マイクロレンズ
アレイまたは回折光学素子の基板を準備し、当該基板上
に感光性材料を塗布する。感光材料が塗布された基板に
対して露光原版上のパターンをリソグラフィの手法で転
写する。その後、当該基板を現像し、現像されたパター
ンをマスクとして基板をエッチングする。このエッチン
グにより基板上には複数のレンズ面(マイクロレンズア
レイの場合)、または回折パターン(回折光学素子)が
形成される。なお、この露光・現像・エッチングのステ
ップは1回には限定されない。その後、感光性材料を基
板から取り除き、複数のレンズ面(マイクロレンズアレ
イの場合)、または回折パターン(回折光学素子)が形
成された基板に対して、上記の材料からなる薄膜を上述
の手法により基板表面に形成して、反射防止膜を形成す
る。
【0131】これにより、マイクロレンズアレイ31,
32,71,72、及び回折光学素子51〜53,75
での光量損失や、これらの界面での反射によるフレア光
を低減させて、照度均一性が良好なもとで被照射面上
(ウエハW面上)での照度を高めることが可能となる。
【0132】なお、マイクロレンズアレイ31,32,
71,72、及び回折光学素子51〜53,75を形成
するための基板の材料としては、石英ガラスや蛍石、フ
ッ素がドープされた石英ガラスを用いることができる。
なお、エッチングの精度を考慮すると、基板材料として
は、石英ガラスまたはフッ素がドープされた石英ガラス
を用いることが好ましい。また、照明光としてF2レー
ザの波長(157nm)を用いる際には、基板材料とし
てフッ素がドープされた石英ガラスを用いることが好ま
しい。
【0133】以上の説明では、オプティカルインテグレ
ータとして、2次元マトリックス状に配列された微小レ
ンズ面を有する波面分割型オプティカルインテグレータ
(マイクロレンズアレイ、フライアイレンズ)を適用し
た場合について説明したが、オプティカルインテグレー
タとしては、柱状光学部材の内面反射を用いた内面反射
型オプティカルインテグレータ(ロッド型オプティカル
インテグレータ、光トンネル、光パイプ)も用いること
ができる。この場合、図1(a)のオプティカルインテ
グレータ7におけるマイクロレンズアレイ71,72と
ズームコンデンサ光学系9との代わりに、回折光学素子
75のファーフィールド領域を内面反射型オプティカル
インテグレータの光入射面上に形成するための集光光学
系と、光射出面が照明視野絞り位置またはその位置の近
傍となるように位置決めされた内面反射型オプティカル
インテグレータとを配置すれば良い。この場合には、内
面反射型オプティカルインテグレータの光入射面の位置
の集光点の大きさを回折光学素子75により拡大できる
ため、当該光入射面の損傷を低減できるという効果と、
当該光入射面に形成される複数の光源の虚像自体の大き
さを回折光学素子75により拡大できるため、連続的な
σ値の設定が可能となるという効果もある。
【0134】なお、上述の実施形態においては、走査型
露光装置を例にとり説明したが、本発明は一括型露光装
置にも適用できる。また、投影光学系の投影倍率は、縮
小倍率のみならず、拡大倍率、等倍とすることもでき
る。さらに投影光学系としては、屈折型光学系、反射屈
折型光学系、全反射型光学系のいずれも適用できる。
【0135】また、上述の実施形態においては、光源1
が供給する波長を248nmまたは193nmとした
が、光源1として波長157nmの真空紫外域の光を供
給するF2レーザを用いても良い。
【0136】このように、本発明は、上述した実施形態
に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能であ
る。
【0137】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、照明光学
装置中の光学部材へのダメージを低減でき、または照明
光学装置の照明効率の向上を図れ、また投影露光装置に
適用した場合に結像性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる照明光学装置が適用
された投影露光装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】本発明の光源像拡大手段としての回折光学素子
の実施形態を示す図である。
【図3】マイクロレンズアレイの機能を説明するための
図である。
【図4】光源像拡大手段としての回折光学素子の機能を
説明するための図である。
【図5】光源像拡大手段としての回折光学素子の機能を
説明するための図である。
【図6】光源像拡大手段の効果を説明するための図であ
る。
【図7】カバーガラスに設けられた遮光パターンを示す
図である。
【図8】カバーガラスに設けられた別の遮光パターンを
示す図である。
【符号の説明】
7 :オプティカルインテグレータ 75:回折光学素子(光源像拡大手段) 73,74:カバーガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 眞人 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 5F046 BA04 CA04 CB13 CB14 CB19 CB23

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】照明光を供給するための光源手段と、該光
    源手段からの光束に基づいて多数の光源像からなる二次
    光源を形成するためのオプティカルインテグレータと、
    前記オプティカルインテグレータからの光束を被照射面
    または該被照射面と光学的に共役な面へ導くためのコン
    デンサー光学系とを備えた照明光学装置において、 前記オプティカルインテグレータと前記光源との間の光
    路中の位置であって前記被照射面と共役な位置または該
    位置の近傍に配置されて、前記光源像を拡大させる光源
    像拡大手段を有することを特徴とする照明光学装置。
  2. 【請求項2】前記光源像拡大手段を経た光束の発散角
    は、前記オプティカルインテグレータにおいて前記照明
    光の損失が生じないように定められることを特徴とする
    請求項1記載の照明光学装置。
  3. 【請求項3】前記オプティカルインテグレータは、2次
    元状に配列されて、それぞれが前記光源像を形成する複
    数のレンズ面を有し、 前記光源像拡大手段は、前記レンズ面を介して形成され
    る前記光源像を拡大し、 前記光源像拡大手段の前記発散角は、前記拡大される前
    記光源像が前記レンズ面よりも小さくなるように定めら
    れることを特徴とする請求項2記載の照明光学装置。
  4. 【請求項4】前記オプティカルインテグレータは、2次
    元状に配列されて、それぞれが前記光源像を形成する複
    数のレンズ面を有することを特徴とする請求項1または
    2記載の照明光学装置。
  5. 【請求項5】前記光源像拡大手段のニアフィールドにお
    ける照度分布は実質的に均一であることを特徴とする請
    求項1〜4の何れか一項記載の照明光学装置。
  6. 【請求項6】前記光源像拡大手段のファーフィールドに
    形成されるパターンは一つであることを特徴とする請求
    項1〜5の何れか一項記載の照明光学装置。
  7. 【請求項7】前記光源像拡大手段の前記ファーフィール
    ドパターンは、円形状、楕円形状、または多角形状であ
    ることを特徴とする請求項6記載の照明光学装置。
  8. 【請求項8】前記照明光学装置の前記瞳には、前記瞳上
    の領域であって光軸を含む瞳中心領域での光強度が該瞳
    中心領域の周囲の領域よりも小さく設定された光強度分
    布を有する2次光源が形成されることを特徴とする請求
    項1〜7の何れか一項記載の照明光学装置。
  9. 【請求項9】前記光源と前記オプティカルインテグレー
    タとの間に配置されて、前記照明光学装置の瞳に形成さ
    れる2次光源の形状を制御するための回折光学素子をさ
    らに有することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項
    記載の照明光学装置。
  10. 【請求項10】前記2次光源の形状を制御するための前
    記回折光学素子と前記オプティカルインテグレータとの
    間に配置されて、前記2次光源の形状を制御するための
    前記回折光学素子からの0次光を遮光するための0次光
    遮光手段を有することを特徴とする請求項9記載の照明
    光学装置。
  11. 【請求項11】前記オプティカルインテグレータは、2
    次元的に配列された複数のレンズ面と、該複数のレンズ
    面の入射側に配置された入射側カバーガラスとを備え、 前記0次光遮光手段は前記入射側カバーガラスに設けら
    れることを特徴とする請求項10記載の照明光学装置。
  12. 【請求項12】前記光源像拡大手段は、回折光学素子ま
    たは拡散板を有することを特徴とする請求項1〜11の
    何れか一項記載の照明光学装置。
  13. 【請求項13】前記回折光学素子または前記拡散板の表
    面上には、前記照明光の波長に対する反射防止膜が施さ
    れることを特徴とする請求項9〜12の何れか一項記載
    の照明光学装置。
  14. 【請求項14】前記オプティカルインテグレータは、2
    次元的に配列された複数のレンズ面と、該複数のレンズ
    面の射出側に配置された射出側カバーガラスとを備え、 該射出側カバーガラスには、前記複数のレンズ面とは異
    なる領域を通過して前記被照射面側へ向かう光を遮光す
    るための遮光部材が設けられることを特徴とする請求項
    1〜13の何れか一項記載の照明光学装置。
  15. 【請求項15】前記光源手段と前記被照射面との間の光
    路中に配置されて、表面に複数のレンズ面が形成された
    基板からなるマイクロレンズアレイを備え、 該マイクロレンズアレイの前記レンズ面には、前記照明
    光に対する反射防止膜が施されることを特徴とする請求
    項1〜14の何れか一項記載の照明光学装置。
  16. 【請求項16】前記光源手段と前記オプティカルインテ
    グレータとの間に配置されて、前記複数の光源像のフー
    リエ変換像のそれぞれの強度分布を独立に制御するため
    の照度分布補正手段を備えることを特徴とする請求項1
    〜15の何れか一項記載の照明光学装置。
  17. 【請求項17】前記オプティカルインテグレータは、2
    次元的に配列された複数のレンズ面と、該複数のレンズ
    面の入射側に配置された入射側カバーガラスと、前記複
    数のレンズ面の射出側に配置された射出側カバーガラス
    とを備え、 前記照度分布補正手段は前記入射側カバーガラスと前記
    射出側カバーガラスとの間の光路中に配置されることを
    特徴とする請求項16記載の照明光学装置。
  18. 【請求項18】前記照明光学装置は、前記被照射面上に
    所定方向の長さと該所定方向に直交する方向の長さとが
    異なる形状の照明領域を形成することを特徴とする請求
    項1〜17の何れか一項記載の照明光学装置。
  19. 【請求項19】照明光を供給するための光源手段と、該
    光源手段からの光束に基づいて二次光源を形成するため
    のオプティカルインテグレータと、前記オプティカルイ
    ンテグレータからの光束を被照射面または該被照射面と
    光学的に共役な面へ導くためのコンデンサー光学系とを
    備えた照明光学装置において、 前記光源手段と前記被照射面との間の光路中に配置され
    た回折光学素子を有し、 該回折光学素子の表面には、前記照明光に対する反射防
    止膜が施されることを特徴とする照明光学装置。
  20. 【請求項20】照明光を供給するための光源手段と、該
    光源手段からの光束に基づいて二次光源を形成するため
    のオプティカルインテグレータと、前記オプティカルイ
    ンテグレータからの光束を被照射面または該被照射面と
    光学的に共役な面へ導くためのコンデンサー光学系とを
    備えた照明光学装置において、 前記光源手段と前記被照射面との間の光路中に配置され
    て、表面に複数のレンズ面が形成された基板からなるマ
    イクロレンズアレイを備え、 該マイクロレンズアレイの前記レンズ面には、前記照明
    光に対する反射防止膜が施されることを特徴とする照明
    光学装置。
  21. 【請求項21】前記反射防止膜は、AlF3(フッ化ア
    ルミニウム);BaF2(フッ化バリウム);CaF
    2(フッ化カルシウム);CeF3(フッ化セリウム);
    CsF(フッ化セシウム);ErF3(フッ化エルビウ
    ム);GdF3(フッ化ガドミウム);HfF2(フッ化
    ハフニウム)LaF3(フッ化ランタン);LiF(フ
    ッ化リチウム);MgF2(フッ化マグネシウム);N
    aF(フッ化ナトリウム);Na3AlF6(クリオライ
    ト);Na5Al314(チオライト);NdF3(フッ
    化ネオジム);PbF2(フッ化鉛);ScF3(フッ化
    スカンジウム);SrF 2(フッ化ストロンチウム);
    TbF3(フッ化テルビウム);ThF4(フッ化トリウ
    ム);YF3(フッ化イットリウム);YbF3(フッ化
    イッテルビウム);SmF3(フッ化サマリウム)Dy
    3(フッ化ジスプロシウム)PrF3(フッ化プラセオ
    ジム);EuF3(フッ化ユーロピウム);HoF3(フ
    ッ化ホルミウム);フッ化ビスマス(BiF2);四フ
    ッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン,PT
    FE),三フッ化塩化メチレン樹脂(ポリクロロトリフ
    ルオロエチレン,PCTFE),フッ化ビニル樹脂(ポ
    リフッ化ビニル,PVF),四フッ化エチレン−六フッ
    化プロピレン共重合体(フッ化エチレンプロピレン樹
    脂,FEP),フッ化ビニリデン樹脂(ポリフッ化ビニ
    リデン,PVDF),及びポリアセタール(POM)か
    らなる群から選択された少なくとも1つの材料からなる
    フッ素樹脂;Al23(酸化アルミニウム);SiO2
    (酸化シリコン);GeO2(酸化ゲルマニウム);Z
    rO2(酸化ジルコニウム);TiO2(酸化チタン);
    Ta25(酸化タンタル);Nb25(酸化ニオブ);
    HfO2(酸化ハフニウム);CeO2(酸化セリウ
    ム);MgO(酸化マグネシウム);Nd23(酸化ネ
    オジム);Gd23(酸化ガドリニウム);ThO
    2(酸化トリウム);Y23(酸化イットリウム);S
    23(酸化スカンジウム);La 23(酸化ランタ
    ン);Pr611(酸化プラセオジム)ZnO(酸化亜
    鉛);PbO(酸化鉛);酸化シリコンの群から選ばれ
    た2つ以上の材料からなる混合物群及び複合化合物群;
    及び酸化ハフニウムの群から選ばれた2つ以上の材料か
    らなる混合物群及び複合化合物群;酸化アルミニウムの
    群から選ばれた2つ以上の材料からなる混合物群及び複
    合化合物群;から選ばれた1種類以上の成分を有するこ
    とを特徴とする請求項13、15、19または20記載
    の照明光学装置。
  22. 【請求項22】前記光源手段は、波長200nm以下の
    照明光を供給することを特徴とする請求項1〜21の何
    れか一項記載の照明光学装置。
  23. 【請求項23】前記回折光学素子または前記マイクロレ
    ンズアレイは、フッ素がドープされた石英ガラスを有す
    ることを特徴とする請求項22記載の照明光学装置。
  24. 【請求項24】照明光を供給するための光源手段と、該
    光源手段からの光束に基づいて二次光源を形成するため
    のオプティカルインテグレータと、前記オプティカルイ
    ンテグレータからの光束を被照射面または該被照射面と
    光学的に共役な面へ導くためのコンデンサー光学系とを
    備えた照明光学装置において、 前記オプティカルインテグレータは、表面に複数のレン
    ズ面が形成された基板からなるマイクロレンズアレイ
    と、該マイクロレンズアレイの射出側に配置された射出
    側カバーガラスとを備え、 該射出側カバーガラスには、前記マイクロレンズアレイ
    の前記複数のレンズ面とは異なる領域を通過して前記被
    照射面側へ向かう光を遮光するための遮光部材が設けら
    れることを特徴とする照明光学装置。
  25. 【請求項25】前記オプティカルインテグレータは、前
    記マイクロレンズアレイの入射側に配置された入射側カ
    バーガラスを備えることを特徴とする請求項24記載の
    照明光学装置。
  26. 【請求項26】パターンが形成されたマスクを所定波長
    域の照明光で照明して、前記パターンの像を投影光学系
    を介して基板上に結像させる投影露光装置において、 前記マスクに対して前記照明光を供給するために請求項
    1〜25の何れか一項記載の照明光学装置を備えること
    を特徴とする投影露光装置。
  27. 【請求項27】前記マスク上の照明領域は、所定方向の
    長さと該所定方向に直交する方向の長さとが異なる形状
    を有し、 前記マスクと前記照明領域との相対的な位置関係を変更
    しつつ投影露光を行うことを特徴とする請求項26記載
    の投影露光装置。
  28. 【請求項28】パターンが形成されたマスクを所定波長
    域の照明光で照明して、前記パターンの像を投影光学系
    を介して基板上に結像させる投影露光方法において、 請求項1〜25の何れか一項記載の照明光学装置を用い
    て前記マスクに対して前記照明光を供給することを特徴
    とする投影露光方法。
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