JP2001337243A - 偏光特性・伝搬定数制御方法、およびリング共振器、光導波路、導波路型光デバイス、ならびに各種光デバイスの製造方法 - Google Patents

偏光特性・伝搬定数制御方法、およびリング共振器、光導波路、導波路型光デバイス、ならびに各種光デバイスの製造方法

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JP2001337243A JP2000339574A JP2000339574A JP2001337243A JP 2001337243 A JP2001337243 A JP 2001337243A JP 2000339574 A JP2000339574 A JP 2000339574A JP 2000339574 A JP2000339574 A JP 2000339574A JP 2001337243 A JP2001337243 A JP 2001337243A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リング共振器などの偏光特性および伝搬定
数の制御を容易に行うことができ、偏光無依存性を実現
可能とした、新しい偏光特性・伝搬定数制御方法を提供
する。 【解決手段】 リング共振器または光導波路または導波
路型光デバイスの偏光特性または伝搬定数を制御する方
法であって、上層クラッドに、紫外線照射により屈折率
および複屈折を一定に保ったままで膜厚を減少させるこ
とのできるポリイミドを用い、当該上層クラッドを紫外
線照射により膜厚調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、偏光特性
・伝搬定数制御方法、およびリング共振器、光導波路、
導波路型光デバイス、ならびに各種光デバイスの製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発
明は、リング共振器や光導波路、さらには導波路型光デ
バイスの偏光特性および伝搬定数を容易に制御すること
のできる新しい偏光特性・伝搬定数制御方法、および、
偏光無依存化されたあるいは伝搬定数が制御された新し
いリング共振器、光導波路、導波路型光デバイスに関す
るものであり、また、回折格子やフレネルレンズ、フレ
ネルゾーンプレート、リッジ型光導波路、ファブリーペ
ロー共振器、多層膜フィルタ、光導波路型方向性結合
器、波長板などの各種光デバイスを、各々の特性を良好
に、且つ容易に調整可能として製造することのできる、
新しい製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特定波長の光信号のみが各光
導波路相互に乗り移ることによりADD/DROP動作
を行う光導波路型波長フィルタの一つとして、たとえば
図1に例示したように、入力側光導波路(1)および出
力側光導波路(2)の間にリング共振器(3)が備えら
れた構造を有するものが知られている。
【0003】このリング共振器付き光導波路型波長フィ
ルタでは、リング共振器(3)が入力側光導波路(1)
および出力側光導波路(2)間の光結合部の役割を担っ
ており、波長多重光信号λ1...nが入力側光導波路
(1)の入力ポートに入射されると、リング共振器
(3)の共振波長と一致する波長の光信号λjだけが、
リング共振器(3)を介して出力側光導波路(2)に乗
り移ってDROPポートから出射される。他の波長の光
信号λ1...j-1,j+1...nはそのまま入力側光導波路
(1)のスルーポートに流れる。また、出力側光導波路
(2)のADDポートから入射された光信号は、リング
共振器(3)の共振波長と一致する場合にのみ入力側光
導波路(1)のスルーポートに合波される。
【0004】ところで、このような従来のリング共振器
付き光導波路型波長フィルタでは、入力多重光信号に対
して一波長の光信号のみしか合波・分波することができ
ないため、1×N波長フィルタを構成するには複数のリ
ング共振器を曲がり導波路などで連結する必要があり、
高密度集積化が困難であるといった問題があった。
【0005】そこで、この出願の発明の発明者は、1×
N波長フィルタを実現すべく、新しいリング共振器付き
光導波路型波型波長フィルタをすでに提供している(特
願2000−32480参照)。
【0006】すなわち、新しいリング共振器付き光導波
路型波長フィルタは、たとえば図2に例示したように、
リング共振器(3)を介して入力側光導波路(1)およ
び出力側光導波路(2)相互のADD/DROP動作を
行うリング共振器付き光導波路型波長フィルタであっ
て、入力側光導波路(1)および出力側光導波路(2)
が交叉しており、これらの入力側光導波路(1)および
出力側光導波路(2)とリング共振器(3)とが互いに
重なるように積層されていることを特徴とするものであ
る。このリング共振器付き光導波路型波長フィルタによ
って、1×N光導波路型波長フィルタを容易に実現する
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
とおりの優れたリング共振器付き光導波路波長フィルタ
であっても、実用上さらに改良すべき点があることがわ
かった。すなわち、偏光依存性が大きいのである。この
偏光依存性を解消するには、TE偏光とTM偏光の伝播
定数が同じになるように各膜厚とコア幅を設計して製作
すれば良いが、製作誤差によって完全な偏光無依存化は
困難な場合が多い。
【0008】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、
リング共振器を初め、光導波路や導波路型光デバイスの
偏光特性および伝搬定数の制御を容易に行うことのでき
る、新しい偏光特性・伝搬定数制御方法、および、偏光
無依存化されたあるいは伝搬定数が制御された新しいリ
ング共振器、光導波路、導波路型光デバイスを提供する
ことを課題としている。
【0009】
【課題を解決する手段】この出願の発明は、上記の課題
を解決するものとして、リング共振器または光導波路ま
たは導波路型光デバイスの偏光特性または伝搬定数を制
御する方法であって、クラッド層もしくはコア層または
その両方に、紫外線照射により膜厚を減少させることの
できるポリイミドを用い、当該クラッド層もしくはコア
層またはその両方を紫外線照射により膜厚調整すること
を特徴とする偏光特性・伝搬定数制御方法(請求項1)
を提供する。
【0010】また、この出願の発明は、クラッド層もし
くはコア層またはその両方に、紫外線照射により膜厚を
減少させることのできるポリイミドが用いられており、
紫外線照射によりクラッド層もしくはコア層またはその
両方の膜厚が調整されることで、偏光無依存化されてな
る、または伝搬定数が制御されてなることを特徴とする
リング共振器または光導波路または導波路型光デバイス
(請求項2)(請求項3)(請求項4)をも提供する。
【0011】さらにまた、この出願の発明は、ポリイミ
ド膜の表面にストライプパターンを形成したフォトマス
クを密着あるいは投影露光して、フォトマスク上方から
ポリイミド膜に対して紫外線照射することにより、当該
ポリイミド膜の表面にストライプパターンを形成するこ
とを特徴とする回折格子の製造方法(請求項5)、紫外
光を用いた干渉露光あるいは位相格子によってポリイミ
ド膜の表面に干渉縞パターンを発生させることにより、
当該ポリイミド膜の表面に正弦波状の凹凸パターンを形
成することを特徴とする回折格子の製造方法(請求項
6)、ポリイミド膜の表面に輪帯パターンを形成したフ
ォトマスクを密着あるいは投影露光して、フォトマスク
上方からポリイミド膜に対して紫外線照射することによ
り、当該ポリイミド膜の表面に輪帯パターンを形成する
ことを特徴とするフレネルレンズまたはフレネルゾーン
プレートの製造方法(請求項7)(請求項8)、ポリイ
ミド膜の表面に導波路パターンを形成したフォトマスク
を密着あるいは投影露光して、フォトマスク上方からポ
リイミド膜に対して紫外線照射することにより、当該ポ
リイミド膜の表面に導波路パターンを形成することを特
徴とするリッジ型光導波路の製造方法(請求項9)、端
面が反射鏡となっている共振器の少なくとも一部をポリ
イミドを用いて成製し、当該共振器に対して紫外線照射
することにより、共振器長を調整することを特徴とする
ファブリーペロー共振器の製造方法(請求項10)、少
なくとも一層以上の積層薄膜をポリイミドを用いて成製
し、当該積層薄膜に対して紫外線照射することにより、
膜厚を調整することを特徴とする多層膜フィルタの製造
方法(請求項11)、積層した上部コアと下部コアとの
間の中間層をポリイミドを用いて成製し、当該中間層に
対して紫外線照射することにより、膜厚を調整すること
を特徴とする光導波路型方向性結合器の製造方法(請求
項12)、スピンコートによって基板上にポリイミドを
成膜し、溶媒を揮発させてからポリイミド膜を基板から
剥がし、ポリイミド膜をその両側端を固定するように枠
体に装着させた状態にてイミド化した後、当該ポリイミ
ド膜に対して紫外線照射することにより、膜厚を調整す
ることを特徴とする波長板の製造方法(請求項13)を
も提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】ここで、この出願の発明の偏光特
性・伝搬定数制御方法の原理について説明する。
【0013】まず、この出願の発明の発明者は、リング
共振器の上層クラッドに複屈折ポリマーを用いた構造を
検討したところ、複屈折ポリマーとして、紫外線の照射
により屈折率および複屈折を一定に保ったままで膜厚を
減少させることのできるポリイミドを発見した。
【0014】図3(a)(b)は、各々、あるポリイミ
ドの紫外線照射と屈折率変化の関係および紫外線照射と
膜厚変化の関係の一実測例を示したものである。また、
図4(a)(b)も同じく、別のポリイミドの各関係の
一実測例を示したものである。図3の実測例において使
用したポリイミドは、商品名「OPI(Optical usePol
yimide )」(日立化成株式会社製)と呼ばれる、フッ
素の含有量を変えることで屈折率の大きさを制御可能な
フッ素化ポリイミドである。図4では、商品名「フォト
ニース」(東レ株式会社製)と呼ばれる全芳香属感光性
ポリイミドを用いている。
【0015】これら図3および図4から明らかなよう
に、いずれのポリイミドも、紫外線が照射されても、T
EモードおよびTMモードの屈折率はほぼ一定であり、
且つ両偏光の屈折率差である複屈折もほぼ一定となって
いる。そしてそれとともに、膜厚は照射時間が増えるに
つれて減少していることがわかる。
【0016】なお、紫外線照射前のOPIおよびフォト
ニースそれぞれの屈折率および膜厚は、表1および表2
のとおりである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】したがって、この特性を利用することで、
リング共振器の偏光無依存化が可能となる。すなわち、
リング共振器において、紫外線照射により屈折率および
複屈折を一定に保ったままで膜厚を調整できるOPIや
フォトニースなどのポリイミドを用いて上層クラッドを
形成し、コア層および上層クラッド層厚を適切な値に設
定することにより、伝搬定数の偏光依存性のないリング
共振器に調整することができる。そして、製作誤差によ
って僅かに残った伝搬定数の偏光依存性を、さらに紫外
線照射によって除去することができる。より具体的に
は、リング共振器のコア厚をある設定値とし、そのコア
に対して上層クラッドを上記ポリイミドで形成した後、
それに対して紫外線を照射することにより、複屈折の全
くない、つまりTE偏光とTM偏光の伝搬定数が同じに
なる膜厚を有する上層クラッドとすることができるので
ある。これにより、リング共振器の偏光特性を制御し
て、偏光無依存性のリング共振器が実現される。
【0020】もちろん、膜厚が変化することによって伝
搬定数が変化するので、伝搬定数(あるいは光路長)の
制御を容易に行うことができることにもなる。
【0021】なお、この出願の発明の偏光特性・伝搬定
数制御方法は、リング共振器だけでなく、上述と同様に
して、一般的な光導波路、さらには空間光ビーム用の多
層薄膜型光デバイスなどの光デバイスに対しても適用で
き、偏光無依存性を有する、あるいは伝搬定数が制御さ
れてなる光導波路および導波路型光デバイスを実現する
ことができる。
【0022】また、以上の説明は上層クラッドについて
のものであるが、クラッド層は上層でも下層でもよく、
また、コア層にポリイミドを用いても、あるいはクラッ
ド層およびコア層の両方にポリイミドを用いても、上述
と同様に、偏光無依存性を有する、あるいは伝搬定数が
制御されてなるリング共振器や、光導波路、導波路型光
デバイスを実現できる。
【0023】ところで、近年の高速・大容量光通信の発
展に伴い、それに使用される各種光デバイスについての
研究・開発が盛んに行なわれているが、たとえば、リッ
ジ型光導波路では、偏光特性以外にも、光の閉じ込め条
件などの特性を容易に調整できる技術の実現が望まれて
いる。その他、回折格子やフレネルレンズ、フレネルゾ
ーンプレート、ファブリーペロー共振器、多層膜フィル
タ、光導波路型方向性結合器、波長板などについても、
各々の特性を良好に、且つ容易に調整することのできる
製造方法の実現が望まれている。
【0024】そこで、この出願の発明は、ポリイミドを
上記の各種光デバイスの製造に応用し、ポリイミドの紫
外線照射に関わる上記特性を利用することで、各種光デ
バイスの特性調整を良好に、且つ容易に行うことをも実
現している。
【0025】この出願の発明は、以上のとおりの特徴を
持つものであるが、以下に添付した図面に沿って実施例
を示し、さらに詳しくこの出願の発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0026】
【実施例】[実施例1]この発明の偏光特性・伝搬定数
制御方法によりリング共振器の偏光特性を制御した一実
施例について説明する。
【0027】図5は、用いたリング共振器の一例を示し
た概略図である。このリング共振器において、 リング外半径=10μm 基板=屈折率3.478 SiO2下層クラッド=膜厚8.0μm、屈折率1.4
508 コア=膜厚tr[μm]、屈折率1.6661 フッ素化ポリイミド上層クラッド=膜厚tp[μm]屈
折率1.6085(TEモード)、屈折率1.4960
(TMモード) 上部空気層=屈折率1.0 とした。
【0028】コア厚tr=1.0μm、1.1μmとし
た場合について、フッ素化ポリイミド上層クラッドの厚
さを変えた場合のTEモードとTMモードの等価屈折率
差(等価複屈折)を計算によって求めた。図6は、その
結果である上層クラッド厚tpと複屈折(nTE−nT
M)の関係を示したものである。横軸にはフッ素化ポリ
イミド上層クラッドの膜厚[μm]、縦軸には等価複屈
折Δneqをとってある。この図6から明らかなように、
コア厚tr=1.0μmでは、上層クラッド厚tp=約
0.75μmで等価複屈折が0となり、コア厚tr=
1.1μmでは、上層クラッド厚tp=約1.4μmで
等価複屈折が0となる。紫外線照射によってポリイミド
の膜厚は減少するので、製作誤差を考慮して素子製作時
にポリイミドの膜厚を設計値よりも少しだけ厚めに製作
して、素子製作後に等価複屈折をモニターしながら紫外
線を照射することによって、完全に複屈折を零とするこ
とができる。
【0029】このように、上層クラッドにフッ素化ポリ
イミドを用い、紫外線照射することによって、複屈折を
解消した、すなわち偏光無依存化したリング共振器(偏
光無依存リング共振器と呼ぶ)が実現できるのである。
【0030】もちろん、この発明の偏光特性・伝搬定数
制御方法は、たとえば、特願2000−32480に開
示されているリング共振器付き光導波路型波長フィルタ
の全態様に適用できることは言うまでもない。
【0031】[実施例2]続いて、以下にこの出願の発
明の各種光デバイスの製造方法について説明する。
【0032】[回折格子、フレネルレンズ、フレネルゾ
ーンプレートの製造]たとえば図7に例示したように、
まず、ポリイミド膜(11)の表面にストライプパター
ンを形成したフォトマスク(12)を密着あるいは投影
露光し、続いて、ポリイミド膜(11)に対して紫外線
照射することにより、ポリイミド膜(11)の表面にス
トライプ状のパターン(13)を形成する。これによ
り、回折格子を製造する。このときの紫外線の照射時間
を調整することで、パターン(13)の溝深さを微調整
したり、フォトマスクの透過率を場所によって変えるこ
とで溝に角度を持たせるようにすることができる。
【0033】また、フォトマスク(12)のパターンを
輪帯パターンとすることで、同様にして、ポリイミド膜
(11)の表面に輪帯状のパターン(13)を形成し、
フレネルレンズやフレネルゾーンプレートをも製造する
ことができる。この場合にも、紫外線の照射時間を調整
することで、輪帯形状を微調整することができる。
【0034】他方、回折格子の製造においては、たとえ
ば図8に例示したように、紫外光を用いた干渉露光(二
つの紫外光をクロスさせる)あるいは位相格子によって
ポリイミド膜(11)の表面に干渉縞パターン(14)
を発生させ、これにより、ポリイミド膜(11)の表面
に正弦波凹凸状のパターン(13)を形成するようにし
てもよい。
【0035】[リッジ型光導波路の製造]たとえば図9
に例示したように、ポリイミド膜(11)の表面に導波
路パターンを形成したフォトマスク(12)を密着ある
いは投影露光し、ポリイミド膜(11)に対して紫外線
照射することにより、ポリイミド膜(11)の表面に導
波路パターン(15)を形成する。この導波路パターン
(15)をコアとして用いてリッジ型光導波路を製造す
る。このときの紫外線の照射時間を調整することで、導
波路パターン(15)の形状を微調整でき、光の閉じ込
め条件などを容易に、且つ任意に変更できるのである。
【0036】[ファブリーペロー共振器の製造]たとえ
ば図10に例示したように、端面が反射鏡(161)と
なっている共振器(16)(たとえば半透明とする)の
少なくとも一部をポリイミドを用いて成製し、その共振
器(16)に対して紫外線照射することにより、共振器
長Lを調整する。ファブリーペロー共振器においては、
図11に例示したような多数モードの共振波が出力され
る。この共振波長λ0は共振器長Lに依存する(λ0=2
nL/N(Nは共振次数))。そこで、紫外線を照射
し、且つその照射時間を調整することで、ポリイミドの
膜厚制御特性に従って共振器長Lを調整でき、その結果
共振波長λ0を所望のものに変更できるようになる。な
お、このことをトリミングと呼ぶこととする。すなわ
ち、この方法は、紫外線照射による波長トリミング法と
も呼ぶことができる。
【0037】[多層膜フィルターの製造]上記の波長ト
リミング法は、多層膜フィルタにも適用することができ
る。たとえば図12に例示したように、少なくとも一層
以上の積層薄膜(17)をポリイミドを用いて成製し、
その積層薄膜(17)に対して紫外線照射することによ
り、膜厚を調整する。これにより、透過波長を所望のも
のに容易にトリミングできるのである。
【0038】[光導波路型方向性結合器の製造]たとえ
ば図13に例示したように、まず、積層した上部コア
(18)と下部コア(19)との間の中間層(20)を
ポリイミドを用いて成製する。そして、中間層(20)
に対して紫外線照射することにより、膜厚を調整する。
二つの導波路(上部コア(18)および下部コア(1
9))を図14に例示したように接近させると、光はそ
の接近ポイントで一方の導波路と他方の導波路との間で
往復移動する。その往復移動時の結合度(周期と最大移
動電力)は導波路間隔に依存するのである。そこで、両
導波路の間隔d、つまりポリイミド製の中間層(20)
の厚さを紫外線照射により調整することで、所望の結合
度が得られるようになる。
【0039】[波長板の製造]たとえば図15に例示し
たように、まず、スピンコートによって基板(21)上
にポリイミド膜(22)を成膜し、溶媒を揮発させてか
らポリイミド膜(22)を基板(21)から剥がす。次
いで、ポリイミド膜(22)をその両側端を固定するよ
うに枠体(23)に装着させる。つまり、両側端に向う
方向(これを平行方向とする)は固定し、それに直交す
る方向は自由にしておく。この状態にて、たとえば約3
50℃まで加熱してキュアすることによりイミド化す
る。そして、ポリイミド膜(22)に対して紫外線照射
することにより膜厚を調整する。たとえば図16に例示
したように、ポリイミド膜(22)では、イミド化後に
自己収縮によってその分子配列が平行方向に揃い、大き
な複屈折(最大約0.1程度)が発生する。したがっ
て、紫外線照射して膜厚を制御することで、λ/2波長
板やλ/4波長板を製造することができるのである。
【0040】この発明は以上の例に限定されるものでは
なく、細部については様々な態様が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、リング共振器や光導波路、さらには導波路
型光デバイスの偏光特性および伝搬定数の制御を容易に
行うことができ、偏光無依存性を実現可能とした、新し
い偏光特性・伝搬定数制御方法が提供される。
【0042】そして、この偏光特性・伝搬定数制御方法
を用いることにより偏光無依存性を有する、または伝搬
定数が制御されてなるリング共振器、光導波路、導波路
型光デバイスを実現することができる。
【0043】また、各種光デバイスを、各々の特性を良
好に、且つ容易に調整して製造することのできる、新し
い製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のリング共振器付き光導波路型波長フィル
タの一例を示した要部平面図である。
【図2】従来の別のリング共振器付き光導波路型波長フ
ィルタの一例を示した要部斜視図である。
【図3】(a)(b)は、各々、フッ素化ポリイミドの
紫外線照射と屈折率変化の関係および紫外線照射と膜厚
変化の関係の一実測例を示した図である。
【図4】(a)(b)は、各々、全芳香族感光性ポリイ
ミドの紫外線照射と屈折率変化の関係および紫外線照射
と膜厚変化の関係の一実測例を示した図である。
【図5】リング共振器の一例を示した断面図である。
【図6】上層クラッドの膜厚と等価複屈折立の関係を例
示した図である。
【図7】回折格子、フレネルレンズ、フレネルゾーンプ
レートの製造方法を説明するための図である。
【図8】回折格子の別の製造方法を説明するための図で
ある。
【図9】リッジ型光導波路の製造方法を説明するための
図である。
【図10】ファブリーペロー共振器の製造方法を説明す
るための図である。
【図11】ファブリーペロー共振器による共振波長を例
示した図である。
【図12】多層膜フィルターの製造方法を説明するため
の図である。
【図13】光導波路型方向性結合器の製造方法を説明す
るための図である。
【図14】光導波路型方向性結合器を例示した図であ
る。
【図15】波長板の製造方法を説明するための図であ
る。
【図16】イミド化ポリイミド膜の分子配向および紫外
線照射を例示した図である。
【符号の説明】
1 入力側光導波路 2 出力側光導波路 3 リング共振器 11 ポリイミド膜 12 フォトマスク 13 パターン 14 干渉縞パターン 15 導波路パターン 16 共振器 161 反射鏡 17 積層薄膜 18 上部コア 19 下部コア 20 中間層 21 基板 22 ポリイミド膜 23 枠体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 6/12 D Fターム(参考) 2H047 KA05 KB04 LA01 PA00 PA21 PA24 QA05 TA21 2H048 GA05 GA13 GA32 GA60 GA62 2H049 AA03 AA13 AA34 AA43 AA59 AA62 AA64 BA06 BA42 BB06 BB42 BB61 BC05 BC25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング共振器または光導波路または導波
    路型光デバイスの偏光特性または伝搬定数を制御する方
    法であって、クラッド層もしくはコア層またはその両方
    に、紫外線照射により膜厚を減少させることのできるポ
    リイミドを用い、当該クラッド層もしくはコア層または
    その両方を紫外線照射により膜厚調整することを特徴と
    する偏光特性・伝搬定数制御方法。
  2. 【請求項2】 クラッド層もしくはコア層またはその両
    方に、紫外線照射により膜厚を減少させることのできる
    ポリイミドが用いられており、紫外線照射によりクラッ
    ド層もしくはコア層またはその両方の膜厚が調整される
    ことで、偏光無依存化されてなる、または伝搬定数が制
    御されてなることを特徴とするリング共振器。
  3. 【請求項3】 クラッド層もしくはコア層またはその両
    方に、紫外線照射により膜厚を減少させることのできる
    ポリイミドが用いられており、紫外線照射によりクラッ
    ド層もしくはコア層またはその両方の膜厚が調整される
    ことで、偏光無依存化されてなる、または伝搬定数が制
    御されてなることを特徴とする光導波路。
  4. 【請求項4】 クラッド層もしくはコア層またはその両
    方に、紫外線照射により膜厚を減少させることのできる
    ポリイミドが用いられており、紫外線照射によりクラッ
    ド層もしくはコア層またはその両方の膜厚が調整されさ
    れることで、偏光無依存化されてなる、または伝搬定数
    が制御されてなることを特徴とする導波路型光デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 ポリイミド膜の表面にストライプパター
    ンを形成したフォトマスクを密着あるいは投影露光し
    て、フォトマスク上方からポリイミド膜に対して紫外線
    照射することにより、当該ポリイミド膜の表面にストラ
    イプパターンを形成することを特徴とする回折格子の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 紫外光を用いた干渉露光あるいは位相格
    子によってポリイミド膜の表面に干渉縞パターンを発生
    させることにより、当該ポリイミド膜の表面に正弦波状
    の凹凸パターンを形成することを特徴とする回折格子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリイミド膜の表面に輪帯パターンを形
    成したフォトマスクを密着あるいは投影露光して、フォ
    トマスク上方からポリイミド膜に対して紫外線照射する
    ことにより、当該ポリイミド膜の表面に輪帯パターンを
    形成することを特徴とするフレネルレンズの製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリイミド膜の表面に輪帯パターンを形
    成したフォトマスクを密着あるいは投影露光して、フォ
    トマスク上方からポリイミド膜に対して紫外線照射する
    ことにより、当該ポリイミド膜の表面に輪帯パターンを
    形成することを特徴とするフレネルゾーンプレートの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 ポリイミド膜の表面に導波路パターンを
    形成したフォトマスクを密着あるいは投影露光して、フ
    ォトマスク上方からポリイミド膜に対して紫外線照射す
    ることにより、当該ポリイミド膜の表面に導波路パター
    ンを形成することを特徴とするリッジ型光導波路の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 端面が反射鏡となっている共振器の少
    なくとも一部をポリイミドを用いて成製し、当該共振器
    に対して紫外線照射することにより、共振器長を調整す
    ることを特徴とするファブリーペロー共振器の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一層以上の積層薄膜をポリ
    イミドを用いて成製し、当該積層薄膜に対して紫外線照
    射することにより、膜厚を調整することを特徴とする多
    層膜フィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 積層した上部コアと下部コアとの間の
    中間層をポリイミドを用いて成製し、当該中間層に対し
    て紫外線照射することにより、膜厚を調整することを特
    徴とする光導波路型方向性結合器の製造方法。
  13. 【請求項13】 スピンコートによって基板上にポリイ
    ミドを成膜し、溶媒を揮発させてからポリイミド膜を基
    板から剥がし、ポリイミド膜をその両側端を固定するよ
    うに枠体に装着させた状態にてイミド化した後、当該ポ
    リイミド膜に対して紫外線照射することにより、膜厚を
    調整することを特徴とする波長板の製造方法。
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JP2009244326A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光波長フィルタ
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