JP2001336448A - 熱交換器、及び、それを用いたスターリング機器 - Google Patents

熱交換器、及び、それを用いたスターリング機器

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JP2001336448A JP2000156163A JP2000156163A JP2001336448A JP 2001336448 A JP2001336448 A JP 2001336448A JP 2000156163 A JP2000156163 A JP 2000156163A JP 2000156163 A JP2000156163 A JP 2000156163A JP 2001336448 A JP2001336448 A JP 2001336448A
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gas
heat exchanger
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Tomoyuki Morikawa
知之 森川
Sumio Yagyu
寿美夫 柳生
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温ガス流の案内により熱交換効率を高め
る。 【解決手段】 加熱対象流体Gを管内通過させる伝熱管
15a,15b,15cを管芯方向視で環状に並列配置
し、この伝熱管環状配置群15Gにおける中央孔部分7
yの管芯方向一端側を遮壁5w,13wにより閉塞し、
かつ、この中央孔部分7yの管芯方向他端側に、高温ガ
スHを管芯方向で前記中央孔部分7yに吹き込む高温ガ
ス吹込口7iを設ける熱交換器において、高温ガス吹込
口7iに向かう尖頭形状のガス拡散用凸部Tを前記遮壁
5w,13wに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼ガス等の高温
ガスを用いて流体を加熱する熱交換器、及び、それを用
いたスターリング機器に関し、詳しくは、加熱対象流体
を管内通過させる伝熱管を管芯方向視で環状に並列配置
し、この伝熱管環状配置群における中央孔部分の管芯方
向一端側を遮壁により閉塞し、かつ、この中央孔部分の
管芯方向他端側に、高温ガスを管芯方向で前記中央孔部
分に吹き込む高温ガス吹込口を設けてある熱交換器、及
び、それを用いたスターリング機器に関する。
【0002】
【従来の技術】上記形式の熱交換器では、図11に示す
ように、高温ガス吹込口7iから伝熱管15の管芯方向
で伝熱管環状配置群15Gの中央孔部分7yに吹き込ん
だ高温ガスHを、伝熱管環状配置群15Gの半径方向へ
放射状に拡散させて伝熱管15どうしの間を通過させる
ことにより、その高温ガスHと各伝熱管15の管内を通
過する加熱対象流体Gとを熱交換させるが、従来、この
種の熱交換器では、同図11に示す如く、伝熱管環状配
置群15Gにおける中央孔部分7yの管芯方向一端側を
閉塞する遮壁5wの壁面(すなわち、吹き込み高温ガス
Hの衝突面)を単純な平面にしていた(特願平10−3
04255号、特願平10−350950号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この構造にお
いて、高温ガス吹込口7iに代えバーナの炎口を伝熱管
環状配置群15Gの中央孔部分7yに臨ませて炎を中央
孔部分7yに充満させる形式では、炎からの輻射効果も
あって各伝熱管15の伝熱率を管芯方向及び伝熱管環状
配置群15Gの周方向の夫々について比較的均一に高く
確保できるものの、炎を伴わない高温ガスHを中央孔部
分7yに吹き込む形式では、伝熱管環状配置群15Gの
半径方向への高温ガスHの放射状拡散(略言すれば、吹
き込み高温ガスHの伝熱管15側への向き変更)が、ガ
ス衝突壁である遮壁5wの側に偏った状態で行なわれる
ことに原因して、各伝熱管15の管外熱伝達率が管芯方
向で大きく異なるものとなり、その分、熱交換の効率が
低下する問題があった。
【0004】そして、デッドスペースが効率低下の大き
な要因となるスターリング機器への熱交換器装備などの
為に、伝熱管15の管芯方向における器体寸法を小さく
して熱交換器のコンパクト化を図るほど(すなわち、遮
壁5wと高温ガス吹込口7iとの離間寸法が小さくなる
ほど)、上記の如き管芯方向における管外熱伝達率の不
均一化傾向が強くなって熱交換効率の低下が顕著になっ
ていた。
【0005】この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、
伝熱管環状配置群の中央孔部分へ高温ガスを吹き込む形
式の熱交換器において、合理的かつ簡単な改良を施すこ
とにより、各伝熱管の管外熱伝達率を管芯方向で均一化
する点にあり、また、この種の熱交換器を装備するスタ
ーリング機器の効果的な効率向上を可能にする点にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明では、加熱対象流体を管内通過させる伝熱管を管芯方
向視で環状に並列配置し、この伝熱管環状配置群におけ
る中央孔部分の管芯方向一端側を遮壁により閉塞し、か
つ、この中央孔部分の管芯方向他端側に、高温ガスを管
芯方向で前記中央孔部分に吹き込む高温ガス吹込口を設
ける熱交換器において、前記高温ガス吹込口に向かう尖
頭形状のガス拡散用凸部を前記遮壁に設ける。
【0007】つまり、この構成によれば、高温ガス吹込
口からの吹き込み高温ガスに対する上記ガス拡散用凸部
の案内作用(すなわち、高温ガス吹込口に向かう尖頭形
状により生じる案内作用)で、伝熱管環状配置群の半径
方向への高温ガスの放射状拡散を促進することができ、
これにより、ガス衝突面が単なる平面の遮壁に吹き込み
高温ガスを衝突させる先述の従来熱交換器に比べ、各伝
熱管の管外熱伝達率を管芯方向で均一化することがで
き、その分、熱交換効率を高めることができる。
【0008】そしてまた、上記の案内作用により吹き込
み高温ガスの流れをスムースにすることができて、従来
の熱交換器に比べ高温ガスの器内通過抵抗を低減できる
ことからも、熱交換効率を高めることができる。
【0009】〔2〕請求項2に係る発明では、請求項1
に係る発明の実施にあたり、前記ガス拡散用凸部を、先
端側の尖頭形状部分と基端側の大径台部分とを有する形
状で、その先端側の尖頭形状部分のほぼ全体が前記高温
ガス吹込口と前記遮壁との間の中間位置よりも高温ガス
吹込口寄りに位置する形状に形成する。
【0010】つまり、この構成によれば、ガス拡散用凹
部のうち吹き込み高温ガスの放射状拡散を案内促進する
部分である先端側の尖頭形状部分を上記の如く高温ガス
吹込口寄りに位置させることで、本来的に吹き込み高温
ガスの放射状拡散が特に生じ難い高温ガス吹込口寄り箇
所での高温ガスの放射状拡散を効果的に促進することが
でき、これにより、各伝熱管の管芯方向における管外熱
伝達率の均一化、及び、それによる熱交換効率の向上を
一層効果的に達成できる。
【0011】〔3〕請求項3に係る発明では、請求項1
又は2に係る発明の実施にあたり、前記ガス拡散用凸部
の尖頭形状部分に、その凸部の中心軸芯周りで螺旋状に
延びる複数の螺旋条を並列に形成する。
【0012】つまり、この構成によれば、高温ガス吹込
口からの吹き込み高温ガスに対する上記螺旋条の案内作
用により、吹き込み高温ガスにガス拡散用凸部の中心軸
芯周りでの旋回傾向を与えて、この旋回と前記の尖頭形
状による案内との協働で高温ガスの放射状拡散を一層効
果的に促進することができ、これにより、各伝熱管の管
芯方向における管外熱伝達率の均一化、及び、それによ
る熱交換効率の向上を一層効果的に達成できる。
【0013】また、上記旋回により伝熱管環状配置群の
周方向についての高温ガス分布の均一化も促進できて、
このことからも、熱交換効率の向上を一層効果的に達成
できる。
【0014】なお、高温ガス吹込口の側にも吹き込み高
温ガスに旋回傾向を与える案内手段を装備し、この吹込
口側の案内手段と上記凸部側の螺旋条との協働で、吹き
込み高温ガスに対してより効果的に旋回傾向を与えるよ
うにしてもよい。
【0015】〔4〕請求項4に係る発明では、請求項1
〜3のいずれか1項に係る発明の実施にあたり、前記ガ
ス拡散用凸部の少なくとも表面部分を黒色材で形成す
る。
【0016】つまり、この構成によれば、吹き込み高温
ガスにより加熱される上記黒色材からの輻射により、伝
熱管環状配置群における各伝熱管の伝熱率を管芯方向及
び伝熱管環状配置群の周方向の夫々について均一に高め
ることができ、これにより、熱交換効率の向上を一層効
果的に達成できる。
【0017】〔5〕請求項5に係る発明では、請求項1
〜4のいずれか1項に係る発明の熱交換器を用いたスタ
ーリング機器として、スターリングサイクルの作動ガス
膨張工程を受け持つ熱入力側シリンダ室のヘッド部に前
記伝熱管環状配置群を配置し、この熱入力側シリンダが
ピストン動作に伴い吐出と吸入を繰り返す作動ガスを前
記加熱対象流体とする形態で、その熱入力側シリンダの
作動ガス吐出吸入を前記伝熱管の管内を通じて行なわせ
る構造にする。
【0018】つまり、この構成では、熱入力側シリンダ
室に吸入する作動ガスを伝熱管の通過過程で前記高温ガ
スとの熱交換により加熱し、この加熱により熱入力側シ
リンダ室で作動ガスを膨張させて動力を発生させるとい
った形態で、スターリングサイクルを実行させる。
【0019】なお、熱入力側シリンダ室からの吐出作動
ガスも伝熱管の通過過程で加熱されるが、スターリング
サイクルの実施において、この熱は熱入力側シリンダ室
と放熱側シリンダ室とを結ぶ作動ガス路に介装の再生用
熱交換器(熱再生器)に蓄熱され、熱入力側シリンダ室
への次の吸入作動ガスの加熱に用いられる。
【0020】そして、この構成によれば、請求項1〜4
の発明により、伝熱管の管芯方向における器体寸法を小
さくして熱交換器をコンパクト化しながらも、作動ガス
と熱源である高温ガスとの熱交換について高い熱交換効
率を得られることで、また、その熱交換器のコンパクト
化によりデッドスペースによるスターリング機器の効率
低下を回避できることで、スターリング機器の効率を効
果的に高めることができる。
【0021】〔6〕請求項6に係る発明では、請求項5
に係る発明の実施にあたり、前記熱入力側シリンダ室の
ヘッド部に配置した前記伝熱管環状配置群の中央孔部分
に対し、前記高温ガスとしてエンジン又はガスタービン
の排ガスを前記高温ガス吹込口から吹き込む構造にす
る。
【0022】つまり、この構成では、エンジン又はガス
タービンの排ガスを熱源に利用したスターリングサイク
ルの実施により動力を得る。
【0023】そして、この構成によれば、排ガスの有効
利用、スターリングサイクル本来の高いエネルギー効
率、及び、請求項5に係る発明による効果的な効率向上
により、全体として極めて高い省エネ効果を得ることが
できる。
【0024】なお、上記スターリングサイクルによる発
生動力を、排ガス源であるエンジン又はガスタービンの
発生動力に対する付加動力(アシスト動力)とする動力
使用形態を採れば、動力の利用効率を高めることがで
き、上記の高い省エネ効果と相俟って極めて有用なシス
テムとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1はスターリングサイクルと逆
スターリングサイクルを並行実施するエンジン駆動のス
ターリング機器を示し、エンジン1の出力軸1aに連結
したクランク軸2に、第1ピストン群として第1〜第3
のピストン3a,3b,3cを連結するとともに、第2
ピストン群として第4〜第6のピストン4a,4b,4
cを連結してある。
【0026】第1ピストン3aを内装する第1シリンダ
室5aと、第2ピストン3bを内装する第2シリンダ室
5bとはガス路6aで連通させ、このガス路6aには、
第1シリンダ室5aの側から順に、入熱用熱交換器7
A、蓄熱材を充填した再生用熱交換器8A、及び、放熱
用熱交換器9Aを介装してある。
【0027】また、第3ピストン3cを内装する第3シ
リンダ室5cと上記の第2シリンダ室5bとはガス路6
bで連通させ、このガス路6bには、第3シリンダ室5
cの側から順に、吸熱用熱交換器10A、蓄熱材を充填
した再生用熱交換器11A、及び、放熱用熱交換器12
Aを介装してある。
【0028】そして同様に、第4ピストン4aを内装す
る第4シリンダ室13aと、第5ピストン4bを内装す
る第5シリンダ室13bとを連通させるガス路14aに
は、第4シリンダ室13aの側から順に、入熱用熱交換
器7B、蓄熱材を充填した再生用熱交換器8B、及び、
放熱用熱交換器9Bを介装し、第6ピストン4cを内装
する第6シリンダ室13cと上記の第5シリンダ室13
bとを連通させるガス路14bには、第6シリンダ室1
3cの側から順に、吸熱用熱交換器10B、蓄熱材を充
填した再生用熱交換器11B、及び、放熱用熱交換器1
2Bを介装してある。
【0029】第1,第4シリンダ室5a,13aのヘッ
ド部に配置した入熱用熱交換器7A,7Bは、図2及び
図3に示す如く、第1,第4シリンダ室5a,13aの
シリンダ蓋5w,13wを一端側ケース壁にした器体ケ
ース7xの内部において、作動ガスGを管内通過させる
多数の平行姿勢の伝熱管15a,15b,15cを管芯
方向視(シリンダ中心軸芯方向視)で3列の環状に並列
配置し、そして、この伝熱管環状配置群15Gの中央孔
部分7yに高温ガスHを伝熱管15a,15b,15c
の管芯方向で吹き込む高温ガス吹込口7iを、中央孔部
分7yに対する遮壁であるシリンダ蓋5w,13wとは
反対側で器体ケース7xに形成し、一方、高温ガスHの
排出口7oを器体ケース7xの側部に形成してある。
【0030】また、第1,第4シリンダ室5a,13a
の作動ガス吐出吸入を伝熱管15a,15b,15cの
管内を通じて行なわせるように、内列及び中列の伝熱管
15a,15bの一端側を第1,第4シリンダ室5a,
13aに連通させ、かつ、外列の伝熱管15cの一端側
をガス路6a,14aに連通させるのに対し、内列の伝
熱管15aとそれに対応位置する外列の伝熱管15cの
他端側どうし、及び、中列の伝熱管15bとそれに対応
位置する外列の伝熱管15cの他端側どうしをU字管u
で接続してある。
【0031】つまり、ピストン動作に伴い第1,第4シ
リンダ室5a,13aとガス路6a,14aとの間で行
き来させる作動ガスGを上記伝熱管15a,15b,1
5cの管内に通過させることで、その通過過程におい
て、作動ガスGと伝熱管15a,15b,15cどうし
の間を通過する高温ガスHとを熱交換させて作動ガスG
を加熱する構造にしてあり、これら入熱用熱交換器7
A,7Bにより高温ガスHを熱源として装置に熱入力す
る。
【0032】これら入熱用熱交換器7A,7Bにおい
て、伝熱管環状配置群15Gの中央孔部分7yに対する
遮壁としてのシリンダ蓋5w,13wには、先端側の尖
頭形状部分Ta(本例では円錐状)と基端側の大径台部
Tb(本例では略円柱状)とを有する形状で、その先端
側の尖頭形状部分Taのほぼ全体が高温ガス吹込口7i
とシリンダ蓋5w,13wとの中間位置よりも高温ガス
吹込口寄りに位置する形状のガス拡散用凸部Tを、高温
ガス吹込口7iに向けて設けてあり、これにより、高温
ガス吹込口7iからの吹き込み高温ガスHに対するガス
拡散用凸部Tの案内作用で、伝熱管環状配置群15Gの
半径方向への高温ガスHの放射状拡散を促進するととも
に、器内における高温ガスHの流れをスムースにして、
高い熱交換効率を得るようにしてある。
【0033】なお、このガス拡散用凸部Tを設けるにあ
たり、その凸部Tの少なくとも表面部分をグラファイト
などの黒色材で形成し、これにより、吹き込み高温ガス
Hにより加熱される上記黒色材からの輻射効果をもって
熱交換効率の一層の向上を図るようにしてもよい。
【0034】一方、吸熱用熱交換器10A,10Bは、
図4及び図5に示す如く、内管16aと中管16bと外
管16cとからなる三重伝熱管16を複数列の環状に並
列配置して、ピストン動作に伴い第3,第6シリンダ室
5c,13cとガス路6b,14bとの間で行き来させ
る作動ガスGを、各三重伝熱管16における内管16a
と中管16bの間の隙間通路に通過させ、その通過過程
で、各三重伝熱管16における内管16aの内部、及
び、各三重伝熱管16における中管16bと外管16c
の間の隙間通路に通過させる冷却対象流体C(例えば、
冷水やブライン)と作動ガスGとを熱交換させて冷却対
象流体Cを冷却する構造にしてあり、これら吸熱用熱交
換器10A,10Bにおいて装置からの冷熱出力を行
う。
【0035】また、第1,第4シリンダ室5a,13a
の側の放熱用熱交換器9A,9Bは、図2及び図5に示
す如く、内管17aと中管17bと外管17cとからな
る三重伝熱管17を1列の環状に並列配置して、ピスト
ン動作に伴いガス路6a,14aを行き来する作動ガス
Gを、各三重伝熱管17における内管17aと中管17
bの間の隙間通路に通過させ、その通過過程で、各三重
伝熱管17における内管17aの内部、及び、各三重伝
熱管17の中管17bと外管17cの間の隙間通路に通
過させる冷却用流体W(例えば冷却水)と作動ガスGと
を熱交換させて作動ガスGを冷却する構造にしてある。
【0036】同様に、第3,第6シリンダ室5c,13
cの側の放熱用熱交換器12A,12Bは、図4及び図
5に示す如く、内管18aと中管18bと外管18cと
からなる三重伝熱管18を複数列の環状に並列配置し
て、ピストン動作に伴いガス路6b,14bを行き来す
る作動ガスGを、各三重伝熱管18における内管18a
と中管18bの間の隙間通路に通過させ、その通過過程
で、各三重伝熱管18における内管18aの内部、及
び、各三重伝熱管18の中管18bと外管18cの間の
隙間通路に通過させる冷却用流体Wと作動ガスGとを熱
交換させて作動ガスGを冷却する構造にしてあり、これ
ら4つの放熱用熱交換器9A,9B,12A,12Bに
おいて、前記の熱入力用高温ガスHよりも低い温度レベ
ルでの装置からの温熱出力(排熱)を行う。
【0037】なお、吸熱用熱交換器10A,10Bで冷
却した冷却対象流体Cは、冷房や物品冷却などの種々の
冷却用途に用い、また、放熱用熱交換器9A,9B,1
2A,12Bで作動ガスGの冷却に用いて昇温した冷却
用流体Wは、給湯や暖房、あるいは物品加熱などの種々
の温熱用途に用いる。
【0038】作動ガスGにはヘリウムガスや空気を初
め、種々の気体を使用できる。また、本例では、入熱用
熱交換器7A,7Bに供給する高温ガスHとして、連結
エンジン1の排ガスを用いる例を示すが、その他、この
高温ガスHには、ガスタービンの排ガスや、バーナ等の
専用装置により加熱したガスや、他の機器からの回収排
熱をもって加熱したガスなど種々のガスを使用できる。
【0039】すなわち、上記の構造において、第1ピス
トン群の各ピストン3a,3b,3cを所定の位相差関
係で連動動作させ、かつ、第2ピストン群の各ピストン
4a,4b,4cを同様に所定の位相差関係で連動動作
させることにより、第1シリンダ室5aと第2シリンダ
室5bとのシリンダ室対、及び、第4シリンダ室13a
と第5シリンダ室13bとのシリンダ室対については、
入熱用熱交換器7A,7Bからの熱入力により動力を発
生するスターリングサイクル(すなわち、熱入力側シリ
ンダ室である第1,第4シリンダ室5a,13aで入熱
用熱交換器7A,7Bによる加熱作動ガスGを膨張させ
て動力を発生させ、その膨張作動ガスGを放熱用熱交換
器9A,9Bでの放熱により放熱側シリンダ室である第
2,第5シリンダ室5b,13bで収縮させるサイク
ル)を実行させて、その発生動力をクランク軸2に出力
させる。
【0040】そして、このスターリングサイクルに並行
して、第2シリンダ室5bと第3シリンダ室5cとのシ
リンダ室対、及び、第5シリンダ室13bと第6シリン
ダ室13cとのシリンダ室対については、エンジン1か
らの付与動力と上記発生動力とにより逆スターリングサ
イクル(すなわち、吸熱用熱交換器10A,10Bでの
吸熱を伴って作動ガスGを吸熱側シリンダ室である第
3,第6シリンダ室5c,13cで膨張させ、その膨張
作動ガスGを放熱用熱交換器12A,12Bでの放熱を
伴って放熱側シリンダ室である第2,第5シリンダ室5
b,13bで圧縮するサイクル)を実行させてヒートポ
ンプ機能させる。
【0041】19は第1ピストン3aの第2,第3ピス
トン3b,3cに対する位相差関係、及び、第4ピスト
ン4aの第5,第6ピストン4b,4cに対する位相差
関係を変更する位相制御装置であり、この位相制御装置
19による位相差関係の調整により、入熱用熱交換器7
A,7Bでの入熱量、吸熱用熱交換器10A,10Bで
の吸熱量、放熱用熱交換器9A,9B,12A,12B
での放熱量、エンジン1からの入力動力の比を変化させ
て、装置特性を所望のものに調整する。
【0042】20a,21aは第1,第4ピストン3
a,4aのコンロッド、20b,21bは第2,第5ピ
ストン3b,4bのコンロッド、20c,21cは第
3,第6ピストン3c,4cのコンロッドである。
【0043】第1,第4ピストン3a,4a、及び、第
3,第6ピストン3c,4cの夫々は、ピストン先端側
のシリンダ室5a,13a,5c,13cとそれらシリ
ンダ室に連通するピストン基端側の副シリンダ室5
a′,13a′,5c′,13c′(ガス路6a,14
a,6b,14bの一部)とを有するディスプレーサ型
ピストンにしてあり、これにより、作動ガス圧に原因し
てピストン側からクランク軸2に定常的にかかる曲げ力
を低減するようにしてある。
【0044】〔別実施形態〕次に別実施形態を列記す
る。
【0045】ガス拡散用凸部Tの具体的形状は、図6に
示す如き半球状の先端側尖頭形状部分Taを有する形状
や、図7に示す如き凹状湾曲周面を有する円錐状の先端
側尖頭形状部分Taと円柱状の基端側大径台部分Tbと
を有する形状、あるいは、図8に示す如き全体が円錐状
の形状など、種々の変更が可能である。
【0046】また、同図6に示す如く先端側の尖頭形状
部分Taにおける先端部のみが高温ガス吹込口7iと遮
壁5w,13wとの間の中間位置よりも高温ガス吹込口
寄りに位置する形状に代え、図9に示す如く先端側の尖
頭形状部分Taのほぼ全体が高温ガス吹込口7iと遮壁
5w,13wとの間の中間位置よりも高温ガス吹込口寄
りに位置する形状にするのも好ましい。
【0047】図10に示す如く、ガス拡散用凸部Tの尖
頭形状部分Taに、その凸部Tの中心軸芯周りで螺旋状
に延びる複数の螺旋条r(4条に限らず)を設け、これ
により、高温ガス吹込口7iからの吹き込み高温ガスH
にガス拡散用凸部Tの中心軸芯周りでの旋回傾向を与え
て、熱交換効率の一層の向上を図るようにしてもよい。
【0048】請求項1〜4に係る発明の熱交換器は、ス
ターリング機器における作動ガス加熱用に限らず、種々
の流体加熱用途に用いることができ、加熱対象流体はど
のような気体ないし液体であってもよい。
【0049】また、請求項5又は6に係る発明の実施に
おいて、対象のスターリング機器は、前述の実施形態の
如くスターリングサイクルと逆スターリングサイクルと
を並行実施するもの、スターリングサイクルのみを実施
するもの、あるいは、ランキンサイクルなどの他のサイ
クルとスターリングサイクルとの複合サイクルを実施す
るものなど、どのような形式のものであってもよく、ま
た、その用途もどのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】スターリング機器の全体縦断面図
【図2】入熱用及び放熱用熱交換器部分の縦断面図
【図3】入熱用熱交換器の横断面図
【図4】吸熱用及び放熱用熱交換器部分の縦断面図
【図5】吸熱用及び放熱用熱交換器の拡大断面図
【図6】別実施形態を示す熱交換器の縦断面図
【図7】別実施形態を示す熱交換器の縦断面図
【図8】別実施形態を示す熱交換器の縦断面図
【図9】別実施形態を示す熱交換器の縦断面図
【図10】別実施形態を示すガス拡散用凸部の平面図及
び側面図
【図11】従来例を示す熱交換器の縦断面図
【符号の説明】
1 エンジン 5a,13a 熱入力側シリンダ室 7i 高温ガス吹込口 7y 中央孔部分 15a,15b,15c 伝熱管 15G 伝熱管環状配置群 5w,13w 遮壁 G 加熱対象流体,作動ガス H 高温ガス,排ガス r 螺旋条 T ガス拡散用凸部 Ta 先端側の尖頭形状部分 Tb 基端側の大径台部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱対象流体を管内通過させる伝熱管を
    管芯方向視で環状に並列配置し、 この伝熱管環状配置群における中央孔部分の管芯方向一
    端側を遮壁により閉塞し、かつ、この中央孔部分の管芯
    方向他端側に、高温ガスを管芯方向で前記中央孔部分に
    吹き込む高温ガス吹込口を設けてある熱交換器であっ
    て、 前記高温ガス吹込口に向かう尖頭形状のガス拡散用凸部
    を前記遮壁に設けてある熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記ガス拡散用凸部を、先端側の尖頭形
    状部分と基端側の大径台部分とを有する形状で、 その先端側の尖頭形状部分のほぼ全体が前記高温ガス吹
    込口と前記遮壁との間の中間位置よりも高温ガス吹込口
    寄りに位置する形状に形成してある請求項1記載の熱交
    換器。
  3. 【請求項3】 前記ガス拡散用凸部の尖頭形状部分に、
    その凸部の中心軸芯周りで螺旋状に延びる複数の螺旋条
    を並列に形成してある請求項1又は2記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記ガス拡散用凸部の少なくとも表面部
    分を黒色材で形成してある請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    交換器を用いたスターリング機器であって、 スターリングサイクルの作動ガス膨張工程を受け持つ熱
    入力側シリンダ室のヘッド部に前記伝熱管環状配置群を
    配置し、 この熱入力側シリンダがピストン動作に伴い吐出と吸入
    を繰り返す作動ガスを前記加熱対象流体とする形態で、
    その熱入力側シリンダの作動ガス吐出吸入を前記伝熱管
    の管内を通じて行なわせる構造にしてあるスターリング
    機器。
  6. 【請求項6】 前記熱入力側シリンダ室のヘッド部に配
    置した前記伝熱管環状配置群の中央孔部分に対し、前記
    高温ガスとしてエンジン又はガスタービンの排ガスを前
    記高温ガス吹込口から吹き込む構造にしてある請求項5
    記載のスターリング機器。
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