JP2001330609A - ダイオキシン測定方法 - Google Patents
ダイオキシン測定方法Info
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- JP2001330609A JP2001330609A JP2000150181A JP2000150181A JP2001330609A JP 2001330609 A JP2001330609 A JP 2001330609A JP 2000150181 A JP2000150181 A JP 2000150181A JP 2000150181 A JP2000150181 A JP 2000150181A JP 2001330609 A JP2001330609 A JP 2001330609A
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- Japan
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- dioxin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 排ガス、排水、焼却灰、土壌、生物、食品な
どのダイオキシン類の濃度を簡易・迅速に且つ低コスト
で大量に測定する手段の開発。 【解決手段】 分析対象試料からダイオキシン類成分を
高速溶媒抽出法に付し、次いで得られた抽出物を簡易ク
リーンアップ処理し、得られた試料につき免疫学的測定
法によりダイオキシン類を測定することで、ダイオキシ
ン類の濃度を簡易・迅速に且つ低コストで大量に測定す
ることができる。
どのダイオキシン類の濃度を簡易・迅速に且つ低コスト
で大量に測定する手段の開発。 【解決手段】 分析対象試料からダイオキシン類成分を
高速溶媒抽出法に付し、次いで得られた抽出物を簡易ク
リーンアップ処理し、得られた試料につき免疫学的測定
法によりダイオキシン類を測定することで、ダイオキシ
ン類の濃度を簡易・迅速に且つ低コストで大量に測定す
ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙、排ガス、排
水、焼却灰、廃棄物、土壌、食品、動植物等の中のダイ
オキシン類及び/又はポリ塩化ビフェニル類 (PCB
類)の濃度を簡易・迅速に測定することができ、さらに
安価に且つその操作も簡便で、そして正確で且つ信頼で
きる定量をも可能にする分析測定法、そのための装置及
び該測定システムに関する。
水、焼却灰、廃棄物、土壌、食品、動植物等の中のダイ
オキシン類及び/又はポリ塩化ビフェニル類 (PCB
類)の濃度を簡易・迅速に測定することができ、さらに
安価に且つその操作も簡便で、そして正確で且つ信頼で
きる定量をも可能にする分析測定法、そのための装置及
び該測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシン類は環境汚染物質としてそ
の正確な分析測定、そして定量が大きな課題となってい
る。ダイオキシン類は農薬等に混入していた汚染物質で
あるだけでなく、ゴミの焼却にともなって排煙中に含ま
れたり、焼却灰など、さらには様々な廃棄物中に存在し
て水や大気や土壌を汚染していることが大きな問題とな
っている。ダイオキシン類は、環境ホルモンとして人体
だけでなく、広く動植物に有害な作用を与え、自然環境
をも破壊するものとして深刻な社会問題化した化合物で
ある。したがって、ダイオキシン類の存在形態は様々で
あるが、微量に存在するだけでも毒性が強いなど大きな
問題を生ずることから、正確で且つ信頼できるダイオキ
シン類の定量が必要とされている。ダイオキシン類と一
般に言われているが、日本で規制の対象となっているダ
イオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン (PC
DD) とポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) の一部の異性体
である。PCDDでは異性体が75、PCDFでは135 の異性体が
ある。また欧米では、209 の異性体をもつポリ塩化ビフ
ェニル (PCB)の一部の中でも毒性の強い12種類について
はコプラナPCB (Co-PCB)と呼んで、ダイオキシン類に含
めている。普通、ダイオキシン類の濃度を表すには、最
も毒性の強い2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ -p-ダイオ
キシン (2,3,7,8-TCDD) の毒性に換算した等価毒性濃度
(TEQ)で示される。
の正確な分析測定、そして定量が大きな課題となってい
る。ダイオキシン類は農薬等に混入していた汚染物質で
あるだけでなく、ゴミの焼却にともなって排煙中に含ま
れたり、焼却灰など、さらには様々な廃棄物中に存在し
て水や大気や土壌を汚染していることが大きな問題とな
っている。ダイオキシン類は、環境ホルモンとして人体
だけでなく、広く動植物に有害な作用を与え、自然環境
をも破壊するものとして深刻な社会問題化した化合物で
ある。したがって、ダイオキシン類の存在形態は様々で
あるが、微量に存在するだけでも毒性が強いなど大きな
問題を生ずることから、正確で且つ信頼できるダイオキ
シン類の定量が必要とされている。ダイオキシン類と一
般に言われているが、日本で規制の対象となっているダ
イオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン (PC
DD) とポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) の一部の異性体
である。PCDDでは異性体が75、PCDFでは135 の異性体が
ある。また欧米では、209 の異性体をもつポリ塩化ビフ
ェニル (PCB)の一部の中でも毒性の強い12種類について
はコプラナPCB (Co-PCB)と呼んで、ダイオキシン類に含
めている。普通、ダイオキシン類の濃度を表すには、最
も毒性の強い2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ -p-ダイオ
キシン (2,3,7,8-TCDD) の毒性に換算した等価毒性濃度
(TEQ)で示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ダイオキシン類及び/
又はPCB類の測定・分析は、基本的には超微量の分離
定量分析であるにもかかわらず、厳密な精度管理が要求
される。また分析時間の短縮、自動化、コストダウンも
重要な課題である。ダイオキシン類及び/又はPCB類
の測定・分析には、主に試料(サンプル)から溶剤を用
いてダイオキシン類及び/又はPCB類を抽出する第一
工程、抽出液中に含まれる物質とダイオキシン類及び/
又はPCB類を分離する第二工程、そして分離したダイ
オキシン類及び/又はPCB類を分析定量する第三工程
からなる。この中で、試料の前処理としてのダイオキシ
ン類及び/又はPCB類の抽出(第一工程)では、多量
の溶媒等の試薬類を使用するだけでなく、抽出時間も固
体試料で一般的なソックスレー抽出の場合、16時間以
上をも要する。普通この16時間以上を要する抽出は、2
日に分けて行われ、溶媒を除去する処理と併せると大変
な長時間を要することになる。ダイオキシン類は、上記
したようにその試料の形態は様々であるにもかかわら
ず、超微量の分離分析操作であることから、器壁への付
着を避ける工夫や、廃液や抽出処理に使用した溶媒から
も幾度となく回収処理をしなければならないというよう
に大変煩雑な操作を必要とする。さらに、排ガス、排
水、土壌、焼却灰などの中のダイオキシン類を分析し
て、その濃度を示そうとすれば、問題となるダイオキシ
ン類の異性体のそれぞれを測定して積算しなければなら
ない。第三工程では、普通ガスクロマトグラフ質量分析
計 (GC-MS)を使用するが、ダイオキシン類を異性体ごと
に分析するために、そのGC-MS は高分解能のものを使用
してしかその測定ができない。ダイオキシン類を分析す
ることのできる高分解能GC-MS は非常に高価で、日本国
内では約100 台程度普及しているだけであるのが現状で
ある。また、そのGC-MS を使用しての測定も特定の技能
をもつ者によらなければ解析して結果を出せないという
問題もある。
又はPCB類の測定・分析は、基本的には超微量の分離
定量分析であるにもかかわらず、厳密な精度管理が要求
される。また分析時間の短縮、自動化、コストダウンも
重要な課題である。ダイオキシン類及び/又はPCB類
の測定・分析には、主に試料(サンプル)から溶剤を用
いてダイオキシン類及び/又はPCB類を抽出する第一
工程、抽出液中に含まれる物質とダイオキシン類及び/
又はPCB類を分離する第二工程、そして分離したダイ
オキシン類及び/又はPCB類を分析定量する第三工程
からなる。この中で、試料の前処理としてのダイオキシ
ン類及び/又はPCB類の抽出(第一工程)では、多量
の溶媒等の試薬類を使用するだけでなく、抽出時間も固
体試料で一般的なソックスレー抽出の場合、16時間以
上をも要する。普通この16時間以上を要する抽出は、2
日に分けて行われ、溶媒を除去する処理と併せると大変
な長時間を要することになる。ダイオキシン類は、上記
したようにその試料の形態は様々であるにもかかわら
ず、超微量の分離分析操作であることから、器壁への付
着を避ける工夫や、廃液や抽出処理に使用した溶媒から
も幾度となく回収処理をしなければならないというよう
に大変煩雑な操作を必要とする。さらに、排ガス、排
水、土壌、焼却灰などの中のダイオキシン類を分析し
て、その濃度を示そうとすれば、問題となるダイオキシ
ン類の異性体のそれぞれを測定して積算しなければなら
ない。第三工程では、普通ガスクロマトグラフ質量分析
計 (GC-MS)を使用するが、ダイオキシン類を異性体ごと
に分析するために、そのGC-MS は高分解能のものを使用
してしかその測定ができない。ダイオキシン類を分析す
ることのできる高分解能GC-MS は非常に高価で、日本国
内では約100 台程度普及しているだけであるのが現状で
ある。また、そのGC-MS を使用しての測定も特定の技能
をもつ者によらなければ解析して結果を出せないという
問題もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】様々な試料を対象とし
て、それらの中に含まれる可能性のあるダイオキシン類
及び/又はPCB類の極めて微量を、迅速且つ低コスト
で、信頼性のある結果を与える方法につき鋭意研究を進
めた結果、試料(サンプル)から溶剤を用いてダイオキ
シン類及び/又はPCB類を抽出し(第一工程)、抽出
液中に含まれる物質とダイオキシン類及び/又はPCB
類を分離し(第二工程)、分離したダイオキシン類及び
/又はPCB類を分析定量する(第三工程)からなるダ
イオキシン類及び/又はPCB類の測定法において、第
一工程として高速溶媒抽出法、第二工程として簡易クリ
ーンアップ処理、そして第三工程として免疫学的測定法
を採用することにより、優れた利点が得られることを見
出して、本発明を完成した。
て、それらの中に含まれる可能性のあるダイオキシン類
及び/又はPCB類の極めて微量を、迅速且つ低コスト
で、信頼性のある結果を与える方法につき鋭意研究を進
めた結果、試料(サンプル)から溶剤を用いてダイオキ
シン類及び/又はPCB類を抽出し(第一工程)、抽出
液中に含まれる物質とダイオキシン類及び/又はPCB
類を分離し(第二工程)、分離したダイオキシン類及び
/又はPCB類を分析定量する(第三工程)からなるダ
イオキシン類及び/又はPCB類の測定法において、第
一工程として高速溶媒抽出法、第二工程として簡易クリ
ーンアップ処理、そして第三工程として免疫学的測定法
を採用することにより、優れた利点が得られることを見
出して、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、 〔1〕 分析対象試料からダイオキシン類成分を高速溶
媒抽出法に付し、次いで得られた抽出物を簡易クリーン
アップ処理し、得られた試料につき免疫学的測定法によ
りダイオキシン類を測定することを特徴とするダイオキ
シンの測定方法; 〔2〕 簡易クリーンアップ処理は、多層シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー及びアルミナカラムクロマトグ
ラフィーを用いることを特徴とする上記〔1〕記載の方
法; 〔3〕 多層シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、
多層充填剤充填カラムを使用して行われるものであるこ
とを特徴とする上記〔2〕記載の方法; 〔4〕 アルミナカラムクロマトグラフィーは、多層充
填剤充填カラムを使用して行われるものであることを特
徴とする上記〔2〕記載の方法; 〔5〕 多層充填剤充填カラムが、充填剤層をサンドイ
ッチする形式で且つ該充填剤層の移動を実質的に防止あ
るいは該カラムに実質的に固定する形式でフィルターが
配置されているものであることを特徴とする上記〔3〕
又は〔4〕記載の方法;
媒抽出法に付し、次いで得られた抽出物を簡易クリーン
アップ処理し、得られた試料につき免疫学的測定法によ
りダイオキシン類を測定することを特徴とするダイオキ
シンの測定方法; 〔2〕 簡易クリーンアップ処理は、多層シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー及びアルミナカラムクロマトグ
ラフィーを用いることを特徴とする上記〔1〕記載の方
法; 〔3〕 多層シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、
多層充填剤充填カラムを使用して行われるものであるこ
とを特徴とする上記〔2〕記載の方法; 〔4〕 アルミナカラムクロマトグラフィーは、多層充
填剤充填カラムを使用して行われるものであることを特
徴とする上記〔2〕記載の方法; 〔5〕 多層充填剤充填カラムが、充填剤層をサンドイ
ッチする形式で且つ該充填剤層の移動を実質的に防止あ
るいは該カラムに実質的に固定する形式でフィルターが
配置されているものであることを特徴とする上記〔3〕
又は〔4〕記載の方法;
【0006】〔6〕 該フィルターが石英繊維フィルタ
ー及び/又はガラス繊維フィルターであることを特徴と
する上記〔5〕記載の方法; 〔7〕 多層充填剤充填カラムは、ディスポーザブル式
のものであることを特徴とする上記〔3〕〜〔6〕のい
ずれか一記載の方法; 〔8〕 (A) 分析対象試料からダイオキシン類成分を抽
出するための高速溶媒抽出装置、(B) 該抽出装置により
得られた抽出物を簡易クリーンアップ処理するための多
層シリカゲルカラム及びアルミナカラム及び(C) 該簡易
クリーンアップ処理された試料を免疫学的測定するため
の装置を備えることを特徴とするダイオキシン測定装
置;
ー及び/又はガラス繊維フィルターであることを特徴と
する上記〔5〕記載の方法; 〔7〕 多層充填剤充填カラムは、ディスポーザブル式
のものであることを特徴とする上記〔3〕〜〔6〕のい
ずれか一記載の方法; 〔8〕 (A) 分析対象試料からダイオキシン類成分を抽
出するための高速溶媒抽出装置、(B) 該抽出装置により
得られた抽出物を簡易クリーンアップ処理するための多
層シリカゲルカラム及びアルミナカラム及び(C) 該簡易
クリーンアップ処理された試料を免疫学的測定するため
の装置を備えることを特徴とするダイオキシン測定装
置;
〔9〕 分析対象試料からダイオキシン類成分を高速溶
媒抽出法で抽出し、得られた抽出物を簡易クリーンアッ
プ処理し、次に得られた試料を免疫学的測定法で測定す
ることを特徴とするダイオキシンの測定システム;及び 〔10〕 簡易クリーンアップ処理に、予めパックされ
ている多層充填剤充填カラムを使用することを特徴とす
る上記
媒抽出法で抽出し、得られた抽出物を簡易クリーンアッ
プ処理し、次に得られた試料を免疫学的測定法で測定す
ることを特徴とするダイオキシンの測定システム;及び 〔10〕 簡易クリーンアップ処理に、予めパックされ
ている多層充填剤充填カラムを使用することを特徴とす
る上記
〔9〕記載のシステムを提供するものである。
【0007】本発明のその他の目的、特徴、優秀性及び
その有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明
白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実
施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ま
しい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されて
いるものであることを理解されたい。本明細書に開示し
た本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改
変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明
細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易
に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特
許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているも
ので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに
含めて解釈されるべきものである。
その有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明
白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実
施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ま
しい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されて
いるものであることを理解されたい。本明細書に開示し
た本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改
変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明
細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易
に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特
許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているも
ので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに
含めて解釈されるべきものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書中、「高速溶媒抽出法」
とは、一般的に高速溶媒抽出 (AcceleratedSolvent Ext
raction; ASE)と呼ばれる方法により、セルに充填した
試料から、有機溶媒をその沸点以上の高温(例えば、50
〜200 ℃) /高圧(例えば、1500〜2000 psi = おおよ
そ 105〜141 kgf/cm2 、但し 1 psi = おおよそ 0.070
307 kgf/cm2)の条件下にて迅速に抽出する方法である。
該ASE 技術については、米国特許明細書第 5,843,311号
(USP No.5,843,311) 、国際公開第95/34360号明細書(W
O95/34360)などに記載の方法あるいはそこで引用された
文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法や
改変法により行うことができる (それらの中にある記載
はそれを参照することにより本明細書の開示に含められ
る) 。さらにASEに適した装置は、米国特許明細書第 5,
785,856号 (USP No.5,785,856) 、米国特許明細書第 5,
647,976号 (USP No.5,647,976) に開示がある (これら
の文献などに記載の装置やその使用方法あるいはそこで
引用された文献記載の装置や方法あるいはそれらと実質
的に同様な装置や方法(改変された装置や方法を含む)
は当業者であれば適宜選択使用することもできる(該文
献の中にある記載はそれを参照することにより本明細書
の開示に含められる) 。
とは、一般的に高速溶媒抽出 (AcceleratedSolvent Ext
raction; ASE)と呼ばれる方法により、セルに充填した
試料から、有機溶媒をその沸点以上の高温(例えば、50
〜200 ℃) /高圧(例えば、1500〜2000 psi = おおよ
そ 105〜141 kgf/cm2 、但し 1 psi = おおよそ 0.070
307 kgf/cm2)の条件下にて迅速に抽出する方法である。
該ASE 技術については、米国特許明細書第 5,843,311号
(USP No.5,843,311) 、国際公開第95/34360号明細書(W
O95/34360)などに記載の方法あるいはそこで引用された
文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法や
改変法により行うことができる (それらの中にある記載
はそれを参照することにより本明細書の開示に含められ
る) 。さらにASEに適した装置は、米国特許明細書第 5,
785,856号 (USP No.5,785,856) 、米国特許明細書第 5,
647,976号 (USP No.5,647,976) に開示がある (これら
の文献などに記載の装置やその使用方法あるいはそこで
引用された文献記載の装置や方法あるいはそれらと実質
的に同様な装置や方法(改変された装置や方法を含む)
は当業者であれば適宜選択使用することもできる(該文
献の中にある記載はそれを参照することにより本明細書
の開示に含められる) 。
【0009】本発明にしたがい、 Co-PCB を含めたダイ
オキシン類を試料からASE 法で抽出するには、以下のよ
うな条件で行うことが好ましい。先ず、抽出温度は、使
用する抽出有機溶媒にもよるが、通常、使用溶媒の沸点
以上の高温、例えば、80〜250 ℃で、より好ましくは 1
00〜200 ℃であってよい。代表的な例では、トルエン又
は5 % 酢酸含有トルエンを抽出溶媒として使用した場合
では、150 〜200 ℃で好ましく抽出操作でき、アセトン
を抽出溶媒として使用した場合では、150 ℃で好ましく
抽出操作できる。所望成分の分解を避ける必要がある場
合は、適宜低い温度を選択する。抽出時の圧力として
は、使用する抽出有機溶媒にもよるが、通常、80〜250
kgf/cm2 で、例えば、100 〜200 kgf/cm2 が好ましく使
用でき、代表的な抽出圧力としては、130 〜150 kgf/cm
2 が好ましい。抽出溶媒としては、例えば、Co-PCBを含
めたダイオキシン類は脂溶性であるので、有機溶媒を使
用するのが好ましい。代表的な抽出溶媒としては、例え
ば、トルエン、ベンゼン、アセトン、あるいは酢酸など
の混和性を持つ有機溶媒をそれらに混合した溶媒が挙げ
られるが、これらに限定されることなく、本発明におい
て有利な性状のものを適宜選択して使用できる。また、
抽出溶媒は、後の免疫学的測定法によるダイオキシン類
の測定には、水性媒体中で試料を扱えるようにすること
も必要であり、これに適した溶媒に転換する処理が必要
とされるので、これに適した溶媒を選択する。一つの試
料に対しての抽出処理は、繰り返し行うことも可能であ
り、例えば 1又は複数のサイクルを適用できる。好適に
は、2 又は3 サイクルの抽出処理を施すが、適宜そのサ
イクル数は増減できる。
オキシン類を試料からASE 法で抽出するには、以下のよ
うな条件で行うことが好ましい。先ず、抽出温度は、使
用する抽出有機溶媒にもよるが、通常、使用溶媒の沸点
以上の高温、例えば、80〜250 ℃で、より好ましくは 1
00〜200 ℃であってよい。代表的な例では、トルエン又
は5 % 酢酸含有トルエンを抽出溶媒として使用した場合
では、150 〜200 ℃で好ましく抽出操作でき、アセトン
を抽出溶媒として使用した場合では、150 ℃で好ましく
抽出操作できる。所望成分の分解を避ける必要がある場
合は、適宜低い温度を選択する。抽出時の圧力として
は、使用する抽出有機溶媒にもよるが、通常、80〜250
kgf/cm2 で、例えば、100 〜200 kgf/cm2 が好ましく使
用でき、代表的な抽出圧力としては、130 〜150 kgf/cm
2 が好ましい。抽出溶媒としては、例えば、Co-PCBを含
めたダイオキシン類は脂溶性であるので、有機溶媒を使
用するのが好ましい。代表的な抽出溶媒としては、例え
ば、トルエン、ベンゼン、アセトン、あるいは酢酸など
の混和性を持つ有機溶媒をそれらに混合した溶媒が挙げ
られるが、これらに限定されることなく、本発明におい
て有利な性状のものを適宜選択して使用できる。また、
抽出溶媒は、後の免疫学的測定法によるダイオキシン類
の測定には、水性媒体中で試料を扱えるようにすること
も必要であり、これに適した溶媒に転換する処理が必要
とされるので、これに適した溶媒を選択する。一つの試
料に対しての抽出処理は、繰り返し行うことも可能であ
り、例えば 1又は複数のサイクルを適用できる。好適に
は、2 又は3 サイクルの抽出処理を施すが、適宜そのサ
イクル数は増減できる。
【0010】ASE 法は、個々の試料に応じてその最適な
抽出条件、例えば、溶媒の種類、抽出温度、抽出時間、
抽出圧力、抽出サイクルなどを、予め実験などを行って
決定しておくことができる。ASE を実行する装置は、CP
U 及びメモリーを搭載したコンピューターを備えたもの
であってよく、そうした装置は予め決められたプログラ
ムに従い、最適な抽出を行うことができるように設定で
きる。また該装置は、その操作を自動化できると共に、
個々の試料毎に抽出条件を変えることも可能であり、例
えば24時間のフル操業を可能にする。こうした装置を使
用することにより、時間の短縮、大量処理、操作の簡素
化、低コスト化、省力化を大幅に図ることが可能とな
る。高速溶媒抽出装置は、ダイオネクス社(Dionex Cor
poration,CA, USA) から入手することができ、所要の処
理を自動化並びにプログラム制御したものが好ましく使
用できるが、本発明にしたがい有利な利点が得られるな
らば特に限定されることはない。土壌や生物体由来試料
などで水分が存在する場合には、水分除去をしておいた
り、水溶性溶媒で処理した後抽出するとかの工夫を加え
ることも任意に採用できる。また、抽出溶媒を選択して
任意に特定の成分を選択的に抽出してもよい。また試料
の内部からもダイオキシン類などを抽出する必要がある
場合には、事前に塩酸などで処理することも可能であ
る。
抽出条件、例えば、溶媒の種類、抽出温度、抽出時間、
抽出圧力、抽出サイクルなどを、予め実験などを行って
決定しておくことができる。ASE を実行する装置は、CP
U 及びメモリーを搭載したコンピューターを備えたもの
であってよく、そうした装置は予め決められたプログラ
ムに従い、最適な抽出を行うことができるように設定で
きる。また該装置は、その操作を自動化できると共に、
個々の試料毎に抽出条件を変えることも可能であり、例
えば24時間のフル操業を可能にする。こうした装置を使
用することにより、時間の短縮、大量処理、操作の簡素
化、低コスト化、省力化を大幅に図ることが可能とな
る。高速溶媒抽出装置は、ダイオネクス社(Dionex Cor
poration,CA, USA) から入手することができ、所要の処
理を自動化並びにプログラム制御したものが好ましく使
用できるが、本発明にしたがい有利な利点が得られるな
らば特に限定されることはない。土壌や生物体由来試料
などで水分が存在する場合には、水分除去をしておいた
り、水溶性溶媒で処理した後抽出するとかの工夫を加え
ることも任意に採用できる。また、抽出溶媒を選択して
任意に特定の成分を選択的に抽出してもよい。また試料
の内部からもダイオキシン類などを抽出する必要がある
場合には、事前に塩酸などで処理することも可能であ
る。
【0011】ダイオキシン類及び/又はPCB類の測定
・分析は、基本的には超微量の分離定量分析で、厳密な
精度管理が要求される一方、分析時間の短縮、自動化、
コストダウンも重要な課題である。この中で、試料の前
処理としてのダイオキシン類及び/又はPCB類の抽出
では、多量の溶媒等の試薬類を使用するだけでなく、抽
出時間も固体試料で一般的なソックスレー抽出の場合、
16時間以上を要するものである。普通この16時間以上
を要する抽出は、2日に分けて行われる。これに対し、
上記高速溶媒抽出法によれば、例えば30分〜2時間程
度、もしもっと長時間を要したとしてもせいぜい4時間
程度までで完了させることができる。つまり、本発明で
抽出に2時間程度要したとしても、抽出時間は約1/8 程
度に大幅に短縮することができる。
・分析は、基本的には超微量の分離定量分析で、厳密な
精度管理が要求される一方、分析時間の短縮、自動化、
コストダウンも重要な課題である。この中で、試料の前
処理としてのダイオキシン類及び/又はPCB類の抽出
では、多量の溶媒等の試薬類を使用するだけでなく、抽
出時間も固体試料で一般的なソックスレー抽出の場合、
16時間以上を要するものである。普通この16時間以上
を要する抽出は、2日に分けて行われる。これに対し、
上記高速溶媒抽出法によれば、例えば30分〜2時間程
度、もしもっと長時間を要したとしてもせいぜい4時間
程度までで完了させることができる。つまり、本発明で
抽出に2時間程度要したとしても、抽出時間は約1/8 程
度に大幅に短縮することができる。
【0012】一般に環境試料には多種多様の有機化合物
などの有機物質が存在する上、ダイオキシン類及び/又
はPCB類の存在量は ppb〜ppq のオーダーという極微
量であるため、確実な測定を行うためには、ダイオキシ
ン類及び/又はPCB類の損失を極力抑えながら、でき
うる限りダイオキシン類などの分析に妨害あるいは影響
を与える化合物などを除去する必要がある。このために
もクリーンアップ操作は非常に重要である。被検試料中
には数多くの有機物が存在しており、ダイオキシン類な
どの分析を妨害する化合物も少なくない。特に芳香族成
分の存在量は、ダイオキシン類と比較して圧倒的に高濃
度であり、分析への影響は大きい。そこで、そうした妨
害成分などを除く目的で硫酸による処理を加えていた
が、それに代わるものとして、その作業効率を上げ、さ
らに作業の安全性などを配慮したものとして、また、焼
却灰や一部の汚泥その他には単体の硫黄などが含まれて
いる場合があり、この硫黄を除去しないまま分析を行う
と、所定のダイオキシン成分の分析を大きく妨害するこ
とからこれを排除するため、硝酸銀による処理も同時に
可能なものとして、多層シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーによる処理がなされる。該多層シリカゲルカラム
クロマトグラフィーでは、普通、試料液に含まれる強極
性物質の除去を目的としたシリカゲルカラム処理が同時
になされる工夫もなされている。
などの有機物質が存在する上、ダイオキシン類及び/又
はPCB類の存在量は ppb〜ppq のオーダーという極微
量であるため、確実な測定を行うためには、ダイオキシ
ン類及び/又はPCB類の損失を極力抑えながら、でき
うる限りダイオキシン類などの分析に妨害あるいは影響
を与える化合物などを除去する必要がある。このために
もクリーンアップ操作は非常に重要である。被検試料中
には数多くの有機物が存在しており、ダイオキシン類な
どの分析を妨害する化合物も少なくない。特に芳香族成
分の存在量は、ダイオキシン類と比較して圧倒的に高濃
度であり、分析への影響は大きい。そこで、そうした妨
害成分などを除く目的で硫酸による処理を加えていた
が、それに代わるものとして、その作業効率を上げ、さ
らに作業の安全性などを配慮したものとして、また、焼
却灰や一部の汚泥その他には単体の硫黄などが含まれて
いる場合があり、この硫黄を除去しないまま分析を行う
と、所定のダイオキシン成分の分析を大きく妨害するこ
とからこれを排除するため、硝酸銀による処理も同時に
可能なものとして、多層シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーによる処理がなされる。該多層シリカゲルカラム
クロマトグラフィーでは、普通、試料液に含まれる強極
性物質の除去を目的としたシリカゲルカラム処理が同時
になされる工夫もなされている。
【0013】該多層シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー処理された試料は、次にアルミナカラムクロマトグラ
フィー処理される。こうした抽出液中に共存する妨害物
質を除去するの目的には、例えば「続・ダイオキシン類
測定マニュアル(資源環境対策 別冊 第34巻第13
号)」に記載のシリカゲルカラム、多層シリカゲルカラ
ム又はアルミナカラム等を組み合わせて共存する妨害物
質を充填剤に吸着させて除去する方法、「PCB 処理技術
ガイドブック(編集 財団法人 産業廃棄物処理事業振
興財団、発行 ぎょうせい)」のシリカゲルカラム、多
層シリカゲルカラム、アルミナカラム、フロジリルカラ
ム、活性炭カラム等を組み合わせて用いて共存する妨害
物質を充填剤に吸着させて除去する方法などが挙げられ
る。ところで、上記の方法では、カラム材質にガラスを
使用し、充填剤の流出を防ぐためにカラム出口に石英ウ
ールを使用したりしているが、石英繊維フィルターやガ
ラス繊維フィルターは使用されておらず、かつ充填剤の
境界部分又は最上部に充填剤の移動や混合を防止するた
めの石英ウールやフィルターは使用されていない。ま
た。流速を調節するためにカラム出口にコックを備えた
カラムを使用し、流速を2.5 mL/ 分に調節している。し
かしながら、こうした従来のダイオキシン類やPCB 類等
をクリーンアップするためのカラムは、充填剤の移動防
止のための措置が講じられていないため、充填後にカラ
ムを横向きにしたり転倒すると充填剤が漏れたり、混合
したりする。この充填剤の移動防止のための措置が講じ
られていないのは、フィルターや石英ウールをカラムに
固着するために接着剤やプラスチック押さえ等を用いる
とダイオキシン類やPCB 類がそれに吸着し、正確な測定
ができなくなるためである。このため、通常カラムは使
用前に充填剤を充填し、充填した場所から別の場所へ移
動することができないため、サンプル採取場所等のカラ
ム充填ができない場所での使用ができない。
ー処理された試料は、次にアルミナカラムクロマトグラ
フィー処理される。こうした抽出液中に共存する妨害物
質を除去するの目的には、例えば「続・ダイオキシン類
測定マニュアル(資源環境対策 別冊 第34巻第13
号)」に記載のシリカゲルカラム、多層シリカゲルカラ
ム又はアルミナカラム等を組み合わせて共存する妨害物
質を充填剤に吸着させて除去する方法、「PCB 処理技術
ガイドブック(編集 財団法人 産業廃棄物処理事業振
興財団、発行 ぎょうせい)」のシリカゲルカラム、多
層シリカゲルカラム、アルミナカラム、フロジリルカラ
ム、活性炭カラム等を組み合わせて用いて共存する妨害
物質を充填剤に吸着させて除去する方法などが挙げられ
る。ところで、上記の方法では、カラム材質にガラスを
使用し、充填剤の流出を防ぐためにカラム出口に石英ウ
ールを使用したりしているが、石英繊維フィルターやガ
ラス繊維フィルターは使用されておらず、かつ充填剤の
境界部分又は最上部に充填剤の移動や混合を防止するた
めの石英ウールやフィルターは使用されていない。ま
た。流速を調節するためにカラム出口にコックを備えた
カラムを使用し、流速を2.5 mL/ 分に調節している。し
かしながら、こうした従来のダイオキシン類やPCB 類等
をクリーンアップするためのカラムは、充填剤の移動防
止のための措置が講じられていないため、充填後にカラ
ムを横向きにしたり転倒すると充填剤が漏れたり、混合
したりする。この充填剤の移動防止のための措置が講じ
られていないのは、フィルターや石英ウールをカラムに
固着するために接着剤やプラスチック押さえ等を用いる
とダイオキシン類やPCB 類がそれに吸着し、正確な測定
ができなくなるためである。このため、通常カラムは使
用前に充填剤を充填し、充填した場所から別の場所へ移
動することができないため、サンプル採取場所等のカラ
ム充填ができない場所での使用ができない。
【0014】本発明に従った好ましい態様では、充填剤
層をサンドイッチする形式で且つ該充填剤層の移動を実
質的に防止あるいは該カラムに実質的に固定する形式で
フィルターが配置されているカラムを使用する。つま
り、カラムの外壁とフィルター淵との摩擦力によりフィ
ルターをカラムに固定することにより充填剤をカラム内
に保持することにより、充填剤の充填後でも移動可能な
カラムが製造でき、かつ、挿入するフィルターの枚数を
調節することにより流速が調節できる。該カラムは、2
種以上の充填剤を層状に充填したオープンカラムにおい
て、カラムの出口及び充填剤の境界部分及び/又は最上
部にカラムの断面と同じ形状でかつカラム壁とのフィル
ター淵との摩擦力によりカラム内に固定できるフィルタ
ーを入れて充填剤の移動を防止することを特徴とする多
層充填剤充填カラムである。該カラムは、オープンカラ
ムを使用するが、オープンカラムの外筒の素材として
は、ガラス、石英、ステンレス、フッ素樹脂を用いるこ
とができる。このうち好ましいものは、ダイオキシン類
やPCB 類などの吸着がほとんどないガラスである。オー
プンカラムの断面形状としては、円形、楕円形、四角
形、三角形など用途に応じて任意のものを用いることが
できる。このうち好ましいものは、加工し易い円形であ
る。これらオープンカラムは、出口の径を細くすること
によりカラムを通過した溶液を採取し易くすることがで
きる。オープンカラムの太さと長さは、充填する充填剤
の量に応じて任意に設定することができる。充填剤の量
が同じ場合、カラムの太さが太くなるほど通過する液体
の圧力損失が小さくなり流速が早くなり、逆に細くする
と圧力損失が大きくなり流速が遅くなる。また、充填剤
の粒子径や密度によっても圧力損失が変化するため、カ
ラムの太さは、最も適する流速となるように設定するこ
とができる。通常のクリーンアップカラムの充填剤の量
では、内径5 mmから30 mm の円形断面のカラムで、長さ
が5 cmから30 cm のカラムを用いることができる。
層をサンドイッチする形式で且つ該充填剤層の移動を実
質的に防止あるいは該カラムに実質的に固定する形式で
フィルターが配置されているカラムを使用する。つま
り、カラムの外壁とフィルター淵との摩擦力によりフィ
ルターをカラムに固定することにより充填剤をカラム内
に保持することにより、充填剤の充填後でも移動可能な
カラムが製造でき、かつ、挿入するフィルターの枚数を
調節することにより流速が調節できる。該カラムは、2
種以上の充填剤を層状に充填したオープンカラムにおい
て、カラムの出口及び充填剤の境界部分及び/又は最上
部にカラムの断面と同じ形状でかつカラム壁とのフィル
ター淵との摩擦力によりカラム内に固定できるフィルタ
ーを入れて充填剤の移動を防止することを特徴とする多
層充填剤充填カラムである。該カラムは、オープンカラ
ムを使用するが、オープンカラムの外筒の素材として
は、ガラス、石英、ステンレス、フッ素樹脂を用いるこ
とができる。このうち好ましいものは、ダイオキシン類
やPCB 類などの吸着がほとんどないガラスである。オー
プンカラムの断面形状としては、円形、楕円形、四角
形、三角形など用途に応じて任意のものを用いることが
できる。このうち好ましいものは、加工し易い円形であ
る。これらオープンカラムは、出口の径を細くすること
によりカラムを通過した溶液を採取し易くすることがで
きる。オープンカラムの太さと長さは、充填する充填剤
の量に応じて任意に設定することができる。充填剤の量
が同じ場合、カラムの太さが太くなるほど通過する液体
の圧力損失が小さくなり流速が早くなり、逆に細くする
と圧力損失が大きくなり流速が遅くなる。また、充填剤
の粒子径や密度によっても圧力損失が変化するため、カ
ラムの太さは、最も適する流速となるように設定するこ
とができる。通常のクリーンアップカラムの充填剤の量
では、内径5 mmから30 mm の円形断面のカラムで、長さ
が5 cmから30 cm のカラムを用いることができる。
【0015】充填剤としては、ダイオキシン類やPCB 類
等の難分解性化合物を測定するために、サンプル中から
抽出して得た抽出液中に共存する妨害物質を取り除くた
めクリーンアップ用充填剤を用いることができる。例え
ば、ダイオキシン類やPCB 類測定のための多層カラムと
しては、「続・ダイオキシン類測定マニュアル(資源環
境対策 別冊 第34巻第13号)」又は「PCB 処理技術ガ
イドブック(編集 財団法人 産業廃棄物処理事業振興
財団、発行 ぎょうせい)」に記載されているように、
カラム出口側からシリガゲル、2%水酸化カリウム被覆
シリカゲル、シリカゲル、44%硫酸被覆シリカゲル、22
%硫酸被覆シリカゲル、シリカゲル、10%硝酸銀被覆シ
リカゲル及び硫酸ナトリウムを積層した多層シリカゲル
カラムやアルミナと硫酸ナトリウムを積層したアルミナ
カラム、活性炭埋蔵シリカゲルと硫酸ナトリウムを積層
した活性炭カラム、シリカゲルと硫酸ナトリウムを積層
したシリカゲルカラムなどがあげられる。
等の難分解性化合物を測定するために、サンプル中から
抽出して得た抽出液中に共存する妨害物質を取り除くた
めクリーンアップ用充填剤を用いることができる。例え
ば、ダイオキシン類やPCB 類測定のための多層カラムと
しては、「続・ダイオキシン類測定マニュアル(資源環
境対策 別冊 第34巻第13号)」又は「PCB 処理技術ガ
イドブック(編集 財団法人 産業廃棄物処理事業振興
財団、発行 ぎょうせい)」に記載されているように、
カラム出口側からシリガゲル、2%水酸化カリウム被覆
シリカゲル、シリカゲル、44%硫酸被覆シリカゲル、22
%硫酸被覆シリカゲル、シリカゲル、10%硝酸銀被覆シ
リカゲル及び硫酸ナトリウムを積層した多層シリカゲル
カラムやアルミナと硫酸ナトリウムを積層したアルミナ
カラム、活性炭埋蔵シリカゲルと硫酸ナトリウムを積層
した活性炭カラム、シリカゲルと硫酸ナトリウムを積層
したシリカゲルカラムなどがあげられる。
【0016】該多層充填剤充填カラムに使用するフィル
ターの材質としては、石英繊維フィルターとガラス繊維
フィルターがあげられる。特に好ましくは、ダイオキシ
ン類の吸着がなく、フィルターとカラム外筒との間に適
度な摩擦力を生じさせる弾性を持ち、充填剤を通過させ
ないポアサイズを持っており、厚さが 0.1 mm から 1.5
mm 、好ましくは 0.2 mm から 1.0 mm の石英繊維フィ
ルターである。ナイロン、ニトロセルロースなどのプラ
スチック製のフィルターは、ダイオキシン類やPCB 類な
どの測定対象物質を吸着するため好ましくない。
ターの材質としては、石英繊維フィルターとガラス繊維
フィルターがあげられる。特に好ましくは、ダイオキシ
ン類の吸着がなく、フィルターとカラム外筒との間に適
度な摩擦力を生じさせる弾性を持ち、充填剤を通過させ
ないポアサイズを持っており、厚さが 0.1 mm から 1.5
mm 、好ましくは 0.2 mm から 1.0 mm の石英繊維フィ
ルターである。ナイロン、ニトロセルロースなどのプラ
スチック製のフィルターは、ダイオキシン類やPCB 類な
どの測定対象物質を吸着するため好ましくない。
【0017】フィルターの形状としては、カラムの断面
の形状と同じ形状であり、フィルターとカラム外筒との
間の摩擦力を強くして密着させるため、カラムの断面よ
りわずかに大きいものが好ましい。例えば、断面が内径
9.5 mm の円形カラムでは内径10 mm の円形フィルター
が好ましく、断面が内径15 mm の円形カラムでは内径16
mm の円形フィルターが好ましい。フィルターはカラム
の出口と充填剤の最上部に挿入することが必須であり、
必要に応じて異なる充填剤の間に挿入することができ
る。充填剤の間にフィルターを入れることにより、充填
剤の混合を防止でき、充填剤の接触による変性を防止す
ることができる。フィルターの挿入枚数は、カラムを通
過する液体の流速を調節するために増減することができ
る。カラムの太さが太く、充填剤の量が少ないほど圧力
損失が小さくなるため流速が早くなる。この場合、フィ
ルターの枚数を増加させる。逆に、カラムの太さが細
く、充填剤の量が多いほど圧力損失が大きくなるため流
速が遅くなる。この場合、フィルターの枚数を減少させ
る。流速を調整するためのフィルターは、カラムの出
口、充填剤の最上部又は充填剤の間に挿入することがで
きる。好ましくは、挿入が簡単な充填剤最上部である。
の形状と同じ形状であり、フィルターとカラム外筒との
間の摩擦力を強くして密着させるため、カラムの断面よ
りわずかに大きいものが好ましい。例えば、断面が内径
9.5 mm の円形カラムでは内径10 mm の円形フィルター
が好ましく、断面が内径15 mm の円形カラムでは内径16
mm の円形フィルターが好ましい。フィルターはカラム
の出口と充填剤の最上部に挿入することが必須であり、
必要に応じて異なる充填剤の間に挿入することができ
る。充填剤の間にフィルターを入れることにより、充填
剤の混合を防止でき、充填剤の接触による変性を防止す
ることができる。フィルターの挿入枚数は、カラムを通
過する液体の流速を調節するために増減することができ
る。カラムの太さが太く、充填剤の量が少ないほど圧力
損失が小さくなるため流速が早くなる。この場合、フィ
ルターの枚数を増加させる。逆に、カラムの太さが細
く、充填剤の量が多いほど圧力損失が大きくなるため流
速が遅くなる。この場合、フィルターの枚数を減少させ
る。流速を調整するためのフィルターは、カラムの出
口、充填剤の最上部又は充填剤の間に挿入することがで
きる。好ましくは、挿入が簡単な充填剤最上部である。
【0018】該カラムは、製造後、密閉した容器又は袋
の中にシリカゲルなどの吸湿剤や脱酸素剤と共に入れ、
保存性を高めることができる。本発明に従った好ましい
態様における多層シリカゲルカラムの例につき、その断
面を図1に示した。また、本発明に従った好ましい態様
におけるアルミナカラムの例につき、その断面を図2に
示した。該本発明の好ましい態様における多層充填剤充
填カラムによれば、あらかじめ多層充填剤充填カラムを
大量に作製して用意しておくことができるため、クリー
ンアップなどの処理用のカラムの作製時間を省くことが
でき、全工程を通して測定に必要とされる時間を大幅に
削減できる。また、カラムを移動させても充填層の乱れ
や漏れがないため、カラムの作製ができない場所へ移動
させて使用することができる。更に、カラムへ挿入する
フィルターの枚数を調節することによりカラムに通液す
る液体の流速が調節でき、従来のカラムにおけるような
カラム出口にコックなどの流速を調節するための装備が
不要となり、安価にカラムを作製することができる。ま
た、サンプル液などをカラムに流す場合、フィルターが
存在しているので最初の充填剤層をかき乱すなどという
恐れも少なく、さらに流速も調節できることから、より
スムーズで良好なクリーンアップ処理を期待することも
できる。上記フィルターを配置してカラム内に充填剤層
を保持しておくあるいは充填剤層の移動を実質的に防止
することにより、予め充填剤を層状に詰めておくことが
可能となったので、該充填剤をカラムに順次積層してい
く工程を自動化でき、均一で且つ所定の性能・品質を有
するカラム(従来は、分析測定の場で用時調製であった
ので、充填剤を多層に充填する者の技能に依存するとい
う側面もあったし、また注意深く各充填剤を積層してい
く必要もあるので時間と手間がかかっていた)を、大量
に且つ安価に、そして省力化を図りながら製造しておく
ことができる。したがって、大量のサンプルにも対応で
き、低コストで分析測定を行うことが可能となるし、得
られるデータの信頼性も高めることが可能である。使用
済みの充填剤は、ダイオキシン類で汚染されている可能
性があることから、従来その再使用や廃棄については問
題を抱えていたが、本発明にしたがいディスポーザブル
式多層充填剤充填カラムを使用するというシステムを採
用することにより、可能な限り実験室などの汚染を避け
ながら分析測定を実施でき、また使用済みカラムはその
内容物をそれぞれの実験室などで取り出すことなく、例
えば集中廃棄物処理場などに集めた後、まとめて再生あ
るいは廃棄処理することが可能となるので、安全性の面
でも有利である。
の中にシリカゲルなどの吸湿剤や脱酸素剤と共に入れ、
保存性を高めることができる。本発明に従った好ましい
態様における多層シリカゲルカラムの例につき、その断
面を図1に示した。また、本発明に従った好ましい態様
におけるアルミナカラムの例につき、その断面を図2に
示した。該本発明の好ましい態様における多層充填剤充
填カラムによれば、あらかじめ多層充填剤充填カラムを
大量に作製して用意しておくことができるため、クリー
ンアップなどの処理用のカラムの作製時間を省くことが
でき、全工程を通して測定に必要とされる時間を大幅に
削減できる。また、カラムを移動させても充填層の乱れ
や漏れがないため、カラムの作製ができない場所へ移動
させて使用することができる。更に、カラムへ挿入する
フィルターの枚数を調節することによりカラムに通液す
る液体の流速が調節でき、従来のカラムにおけるような
カラム出口にコックなどの流速を調節するための装備が
不要となり、安価にカラムを作製することができる。ま
た、サンプル液などをカラムに流す場合、フィルターが
存在しているので最初の充填剤層をかき乱すなどという
恐れも少なく、さらに流速も調節できることから、より
スムーズで良好なクリーンアップ処理を期待することも
できる。上記フィルターを配置してカラム内に充填剤層
を保持しておくあるいは充填剤層の移動を実質的に防止
することにより、予め充填剤を層状に詰めておくことが
可能となったので、該充填剤をカラムに順次積層してい
く工程を自動化でき、均一で且つ所定の性能・品質を有
するカラム(従来は、分析測定の場で用時調製であった
ので、充填剤を多層に充填する者の技能に依存するとい
う側面もあったし、また注意深く各充填剤を積層してい
く必要もあるので時間と手間がかかっていた)を、大量
に且つ安価に、そして省力化を図りながら製造しておく
ことができる。したがって、大量のサンプルにも対応で
き、低コストで分析測定を行うことが可能となるし、得
られるデータの信頼性も高めることが可能である。使用
済みの充填剤は、ダイオキシン類で汚染されている可能
性があることから、従来その再使用や廃棄については問
題を抱えていたが、本発明にしたがいディスポーザブル
式多層充填剤充填カラムを使用するというシステムを採
用することにより、可能な限り実験室などの汚染を避け
ながら分析測定を実施でき、また使用済みカラムはその
内容物をそれぞれの実験室などで取り出すことなく、例
えば集中廃棄物処理場などに集めた後、まとめて再生あ
るいは廃棄処理することが可能となるので、安全性の面
でも有利である。
【0019】本明細書中、「免疫学的測定法」とは、抗
原抗体反応を利用した測定原理に基づいて分析対象(ア
ナライト)の検知、定性及び定量を含めた測定、検出な
どを行う技術を指している。 Co-PCB を含めたダイオキ
シン類を免疫学的に測定する技術は、例えば、Kennel e
t al., Chemosphere, 15(9-12): pp.2007-2010 (1986);
Kennel et al., Toxicology and Applied Pharmacolog
y, 82: pp.256-263 (1986); 米国特許明細書第 4,798,8
07号 (USP No.4,798,807);特開昭63-14691号;米国特許
明細書第 5,429,925号 (USP No.5,429,925);米国特許明
細書第 5,464,746号 (USP No.5,464,746);米国特許明細
書第 5,538,852号 (USP No.5,538,852);Watkins et a
l., Chemosphere, 19(1-6): pp.267-270 (1989); Stank
er et al.,Chemosphere, 16(8/9): pp.1635-1639 (198
7); Stanker et al., Toxicology,45: pp.229-243 (198
7); Kennel et al., Chemosphere, 15(9-12): pp.2007-
2010 (1986); 米国特許明細書第 5,674,697号 (USP No.
5,674,697) などに記載の方法あるいはそこで引用され
た文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法
や改変法が挙げられる(それらの中にある記載はそれを
参照することにより本明細書の開示に含められる) 。特
に上記文献に記載のモノクローナル抗体や、該文献に記
載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法ある
いはそれらと実質的に同様な方法や改変法により得られ
るモノクローナル抗体は、好適にそれを使用することが
できる。特に好ましくは、2,3,7,8-TCDDに対して高い特
異性を持つモノクローナル抗体を使用したものが挙げら
れる。
原抗体反応を利用した測定原理に基づいて分析対象(ア
ナライト)の検知、定性及び定量を含めた測定、検出な
どを行う技術を指している。 Co-PCB を含めたダイオキ
シン類を免疫学的に測定する技術は、例えば、Kennel e
t al., Chemosphere, 15(9-12): pp.2007-2010 (1986);
Kennel et al., Toxicology and Applied Pharmacolog
y, 82: pp.256-263 (1986); 米国特許明細書第 4,798,8
07号 (USP No.4,798,807);特開昭63-14691号;米国特許
明細書第 5,429,925号 (USP No.5,429,925);米国特許明
細書第 5,464,746号 (USP No.5,464,746);米国特許明細
書第 5,538,852号 (USP No.5,538,852);Watkins et a
l., Chemosphere, 19(1-6): pp.267-270 (1989); Stank
er et al.,Chemosphere, 16(8/9): pp.1635-1639 (198
7); Stanker et al., Toxicology,45: pp.229-243 (198
7); Kennel et al., Chemosphere, 15(9-12): pp.2007-
2010 (1986); 米国特許明細書第 5,674,697号 (USP No.
5,674,697) などに記載の方法あるいはそこで引用され
た文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法
や改変法が挙げられる(それらの中にある記載はそれを
参照することにより本明細書の開示に含められる) 。特
に上記文献に記載のモノクローナル抗体や、該文献に記
載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法ある
いはそれらと実質的に同様な方法や改変法により得られ
るモノクローナル抗体は、好適にそれを使用することが
できる。特に好ましくは、2,3,7,8-TCDDに対して高い特
異性を持つモノクローナル抗体を使用したものが挙げら
れる。
【0020】免疫学的測定法では、好適には標識が使用
されるが、本発明では、時間分解蛍光測光法(time res
olved fluorescent spectroscopy) の原理に従った標識
が好適に利用されることができる。時間分解蛍光測光法
の原理に従った測定法は、例えば、米国特許明細書第
4,058,732号 (USP No.4,058,732);特公昭62-18868号公
報; 米国特許明細書第 4,374,120号 (USP No.4,374,12
0);特開昭57-186170 号公報; 特開昭58-8783 号公報;
特開昭59-68673号公報; 特開昭61-87680号公報; 特開昭
61-200988 号公報; 特開昭64-47952号公報; 特表昭64-5
00458 号公報; 特開平1-127957 公報; 米国特許明細書
第 4,374,120号 (USP No.4,374,120) などに記載あるい
はそこで引用された文献に記載され、それらが適用でき
る他、それらと実質的に同様な方法や改変法が挙げられ
る(それらの中にある記載はそれを参照することにより
本明細書の開示に含められる) 。時間分解蛍光測光法で
は、希土類元素、より好ましくはランタニドが挙げら
れ、例えば Eu (III), Tb (III)などが形成するキレー
トの強い蛍光を利用することができる。
されるが、本発明では、時間分解蛍光測光法(time res
olved fluorescent spectroscopy) の原理に従った標識
が好適に利用されることができる。時間分解蛍光測光法
の原理に従った測定法は、例えば、米国特許明細書第
4,058,732号 (USP No.4,058,732);特公昭62-18868号公
報; 米国特許明細書第 4,374,120号 (USP No.4,374,12
0);特開昭57-186170 号公報; 特開昭58-8783 号公報;
特開昭59-68673号公報; 特開昭61-87680号公報; 特開昭
61-200988 号公報; 特開昭64-47952号公報; 特表昭64-5
00458 号公報; 特開平1-127957 公報; 米国特許明細書
第 4,374,120号 (USP No.4,374,120) などに記載あるい
はそこで引用された文献に記載され、それらが適用でき
る他、それらと実質的に同様な方法や改変法が挙げられ
る(それらの中にある記載はそれを参照することにより
本明細書の開示に含められる) 。時間分解蛍光測光法で
は、希土類元素、より好ましくはランタニドが挙げら
れ、例えば Eu (III), Tb (III)などが形成するキレー
トの強い蛍光を利用することができる。
【0021】本発明に従った免疫学的測定の具体的な態
様では、 第1反応:抗マウスIgG 抗体を結合したプラスチッ
クウェル(A) にダイオキシン含有試料 (サンプル)(B)と
抗ダイオキシンモノクローナル抗体 (C)を入れて反応さ
せる。すると、〔プラスチックウェル結合抗マウスIgG
抗体−抗ダイオキシンモノクローナル抗体−ダイオキシ
ン〕の免疫複合体が形成される。 第2反応:該免疫複合体にヨーロピウム(Eu)標識ダ
イオキシン(D) を反応させると、未反応の抗ダイオキシ
ンモノクローナル抗体とEu標識ダイオキシンが反応し、
〔プラスチックウェル結合抗マウスIgG 抗体−抗ダイオ
キシンモノクローナル抗体−Eu標識ダイオキシン〕の免
疫複合体が形成される。 第3反応:エンハンサー(E) を加え、免疫複合体中
のEuの量を時間分解蛍光測定機で測定し、その得られた
値を基に予め作成しておいた検量線から、サンプル中の
ダイオキシン量を読み取る。本免疫学的測定に適した試
薬としては、例えば、ハイブリザイム社、米国から入手
できるものが挙げられる。本発明にしたがえば、例えば
2,3,7,8-TCDDなどその毒性などが特に問題とされている
ダイオキシン類及び/又はPCB 類の評価のためのデータ
を迅速且つ簡単な手法で短時間に得ることができる。ま
た、多数のサンプルの分析測定処理にも対応できるとい
う利点がある。免疫学的測定法では、その測定自体に高
価な測定機器を必要とされることもなく、さらにそのデ
ータの解析・評価に(特に、TEQ を得るなど、その毒性
などと関係したデータの取得に) 、GC-MS のようには格
別な技能が要求されるということもなく、殆ど誰でも扱
えるといった汎用性が高いという利点も認められる。ま
た、免疫学的測定装置としては、当業者に知られたもの
を本ダイオキシン測定に適合しうるようにしたものであ
ってよい。そうした装置は、CPU 及びメモリーを搭載し
たコンピューターを備えたものであってよく、そうした
装置は予め決められたプログラムに従い、最適な測定を
行うことができるように設定できる。また該装置は、そ
の操作を自動化できると共に、個々の試料毎に測定条件
を変えることも可能であり、所要の処理を自動化並びに
プログラム制御したものが好ましく使用できるが、本発
明にしたがい有利な利点が得られるならば特に限定され
ることはない。本発明では試料(サンプル)から溶剤を
用いてダイオキシン類及び/又はPCB類を抽出する第
一工程、抽出液中に含まれる物質とダイオキシン類及び
/又はPCB類を分離する第二工程、分離したダイオキ
シン類及び/又はPCB類を分析定量する第三工程を含
む一連の工程からなるダイオキシン類及び/又はPCB
類の測定法にあって、それぞれ利点のある各手段を採用
し、それを一体としたシステムとして運用することによ
り、全体としても簡易迅速な測定を実現できるなどの格
別の利点が得られる。免疫学的測定法を利用しながら、
従来法(公定法)と変わらないかあるいはそれに匹敵す
る結果(高い相関性のある結果)を得ることができる。
様では、 第1反応:抗マウスIgG 抗体を結合したプラスチッ
クウェル(A) にダイオキシン含有試料 (サンプル)(B)と
抗ダイオキシンモノクローナル抗体 (C)を入れて反応さ
せる。すると、〔プラスチックウェル結合抗マウスIgG
抗体−抗ダイオキシンモノクローナル抗体−ダイオキシ
ン〕の免疫複合体が形成される。 第2反応:該免疫複合体にヨーロピウム(Eu)標識ダ
イオキシン(D) を反応させると、未反応の抗ダイオキシ
ンモノクローナル抗体とEu標識ダイオキシンが反応し、
〔プラスチックウェル結合抗マウスIgG 抗体−抗ダイオ
キシンモノクローナル抗体−Eu標識ダイオキシン〕の免
疫複合体が形成される。 第3反応:エンハンサー(E) を加え、免疫複合体中
のEuの量を時間分解蛍光測定機で測定し、その得られた
値を基に予め作成しておいた検量線から、サンプル中の
ダイオキシン量を読み取る。本免疫学的測定に適した試
薬としては、例えば、ハイブリザイム社、米国から入手
できるものが挙げられる。本発明にしたがえば、例えば
2,3,7,8-TCDDなどその毒性などが特に問題とされている
ダイオキシン類及び/又はPCB 類の評価のためのデータ
を迅速且つ簡単な手法で短時間に得ることができる。ま
た、多数のサンプルの分析測定処理にも対応できるとい
う利点がある。免疫学的測定法では、その測定自体に高
価な測定機器を必要とされることもなく、さらにそのデ
ータの解析・評価に(特に、TEQ を得るなど、その毒性
などと関係したデータの取得に) 、GC-MS のようには格
別な技能が要求されるということもなく、殆ど誰でも扱
えるといった汎用性が高いという利点も認められる。ま
た、免疫学的測定装置としては、当業者に知られたもの
を本ダイオキシン測定に適合しうるようにしたものであ
ってよい。そうした装置は、CPU 及びメモリーを搭載し
たコンピューターを備えたものであってよく、そうした
装置は予め決められたプログラムに従い、最適な測定を
行うことができるように設定できる。また該装置は、そ
の操作を自動化できると共に、個々の試料毎に測定条件
を変えることも可能であり、所要の処理を自動化並びに
プログラム制御したものが好ましく使用できるが、本発
明にしたがい有利な利点が得られるならば特に限定され
ることはない。本発明では試料(サンプル)から溶剤を
用いてダイオキシン類及び/又はPCB類を抽出する第
一工程、抽出液中に含まれる物質とダイオキシン類及び
/又はPCB類を分離する第二工程、分離したダイオキ
シン類及び/又はPCB類を分析定量する第三工程を含
む一連の工程からなるダイオキシン類及び/又はPCB
類の測定法にあって、それぞれ利点のある各手段を採用
し、それを一体としたシステムとして運用することによ
り、全体としても簡易迅速な測定を実現できるなどの格
別の利点が得られる。免疫学的測定法を利用しながら、
従来法(公定法)と変わらないかあるいはそれに匹敵す
る結果(高い相関性のある結果)を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具
体的な態様の参考のために提供されているものである。
これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明する
ためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定
したり、あるいは制限することを表すものではない。本
発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可
能であることは理解されるべきである。全ての実施例
は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用
いて実施したもの、又は実施することのできるものであ
り、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具
体的な態様の参考のために提供されているものである。
これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明する
ためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定
したり、あるいは制限することを表すものではない。本
発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可
能であることは理解されるべきである。全ての実施例
は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用
いて実施したもの、又は実施することのできるものであ
り、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
【0023】実施例1 ばいじん中のダイオキシンの測
定と回収率の検討 1) ダイオキシン類の抽出 ばいじん(ばいじんA) 2 g を ASE200 (ダイオネクス
社製)用 11 mLセルに入れる。ASE200の使用マニュアル
に従い、抽出溶媒として 5 %酢酸含有トルエンを用いて
150 ℃、2000 psi、15分間2サイクルの抽出条件で抽出
を行った。抽出により得られた 24 mLの抽出液を遠心型
エバポレータを用いて乾燥させ 5 %酢酸含有トルエンを
除去したのち、ヘキサン 10mL に残留物を溶解し、抽出
液Aを得た。この操作に、100 分間が必要であった。ま
た、ばいじんA 2 gに、5 ng/mL の 2,3,7,8−四塩化ジ
ベンゾ−パラ−ダイオキシンを含むヘキサン溶液0.5 mL
を添加しヘキサンを蒸発させたばいじんBを同様に抽
出、エバポレート、ヘキサン溶解し、10 mL の抽出液B
を得た。
定と回収率の検討 1) ダイオキシン類の抽出 ばいじん(ばいじんA) 2 g を ASE200 (ダイオネクス
社製)用 11 mLセルに入れる。ASE200の使用マニュアル
に従い、抽出溶媒として 5 %酢酸含有トルエンを用いて
150 ℃、2000 psi、15分間2サイクルの抽出条件で抽出
を行った。抽出により得られた 24 mLの抽出液を遠心型
エバポレータを用いて乾燥させ 5 %酢酸含有トルエンを
除去したのち、ヘキサン 10mL に残留物を溶解し、抽出
液Aを得た。この操作に、100 分間が必要であった。ま
た、ばいじんA 2 gに、5 ng/mL の 2,3,7,8−四塩化ジ
ベンゾ−パラ−ダイオキシンを含むヘキサン溶液0.5 mL
を添加しヘキサンを蒸発させたばいじんBを同様に抽
出、エバポレート、ヘキサン溶解し、10 mL の抽出液B
を得た。
【0024】2)多層シリカゲルカラムの調製 出口に内径4 mm、長さ1 cmの円筒状ガラス管を備えた内
径15 mm 、長さ10 cmの円筒状ガラスカラムに、直径16
mm の円形状に成形した厚さ 0.45 mmの石英繊維フィル
ター(ワットマン社製)をフィルターの淵がカラム外壁
に接触するように入れた。このカラムにシリカゲル0.09
g、2 % 水酸化カリウム被覆シリカゲル0.3 g 、シリカ
ゲル0.09g 、44 %硫酸被覆シリカゲル0.45 g、22 %硫酸
被覆シリカゲル0.60g 、シリカゲル0.09g 、10 %硝酸銀
被覆シリカゲル0.3 g 、硫酸ナトリウム0.6 g を出口側
から順番に積層し、直径16 mm の円形状石英繊維フィル
ターを硫酸ナトリウムの上にかぶせた。本カラムは予め
作製してデシケータ内に保存しておいた。
径15 mm 、長さ10 cmの円筒状ガラスカラムに、直径16
mm の円形状に成形した厚さ 0.45 mmの石英繊維フィル
ター(ワットマン社製)をフィルターの淵がカラム外壁
に接触するように入れた。このカラムにシリカゲル0.09
g、2 % 水酸化カリウム被覆シリカゲル0.3 g 、シリカ
ゲル0.09g 、44 %硫酸被覆シリカゲル0.45 g、22 %硫酸
被覆シリカゲル0.60g 、シリカゲル0.09g 、10 %硝酸銀
被覆シリカゲル0.3 g 、硫酸ナトリウム0.6 g を出口側
から順番に積層し、直径16 mm の円形状石英繊維フィル
ターを硫酸ナトリウムの上にかぶせた。本カラムは予め
作製してデシケータ内に保存しておいた。
【0025】3)アルミナカラムの調製 出口に内径2 mm、長さ1 cmの円筒状ガラス管を備えた内
径9.6 mm、長さ15 cmの円筒状ガラスカラムに、直径10.
0 mm の円形状に成形した厚さ0.45 mm の石英繊維フィ
ルター(ワットマン社製)をフィルターの淵がカラム外
壁に接触するように入れた。このカラムにアルミナ(活
性度1)を2.5 g 、硫酸ナトリウム1.0 gを出口側から順
番に積層し、直径10 mm の円形状石英繊維フィルターを
硫酸ナトリウムの上にかぶせた。本カラムは予め作製し
てデシケータ内に保存しておいた。
径9.6 mm、長さ15 cmの円筒状ガラスカラムに、直径10.
0 mm の円形状に成形した厚さ0.45 mm の石英繊維フィ
ルター(ワットマン社製)をフィルターの淵がカラム外
壁に接触するように入れた。このカラムにアルミナ(活
性度1)を2.5 g 、硫酸ナトリウム1.0 gを出口側から順
番に積層し、直径10 mm の円形状石英繊維フィルターを
硫酸ナトリウムの上にかぶせた。本カラムは予め作製し
てデシケータ内に保存しておいた。
【0026】4)サンプルのクリーンアップ 多層シリカゲルカラムにヘキサン 20 mLを流し、カラム
を洗浄した。次いで、抽出液Aをチャージし、溶出液を
採取する。次いで、ヘキサン50 mL を用いて洗浄し、溶
出液を採取して先程の溶出液と混合した。この操作に90
分間が必要であった。次にアルミナカラムをヘキサン10
mL を流し、カラムを洗浄した。次に、得られた溶出液
を全量チャージし、次いでヘキサン10 mL 、2 % ジクロ
ロメタン含有ヘキサン20 mL で洗浄する。次いで、50 %
ジクロロメタン含有ヘキサン20 mL でカラムを洗浄し、
溶出液を採取した。この溶出液を遠心型エバポレータを
用いて乾燥させ50 %ジクロロメタン含有ヘキサンを除去
したのち、メタノール 0.2 mLに残留物を溶解し、測定
用検体Aを得た。この操作に120 分間が必要であった。
同様の操作を抽出液Bについても行い、測定用検体Bを
得た。
を洗浄した。次いで、抽出液Aをチャージし、溶出液を
採取する。次いで、ヘキサン50 mL を用いて洗浄し、溶
出液を採取して先程の溶出液と混合した。この操作に90
分間が必要であった。次にアルミナカラムをヘキサン10
mL を流し、カラムを洗浄した。次に、得られた溶出液
を全量チャージし、次いでヘキサン10 mL 、2 % ジクロ
ロメタン含有ヘキサン20 mL で洗浄する。次いで、50 %
ジクロロメタン含有ヘキサン20 mL でカラムを洗浄し、
溶出液を採取した。この溶出液を遠心型エバポレータを
用いて乾燥させ50 %ジクロロメタン含有ヘキサンを除去
したのち、メタノール 0.2 mLに残留物を溶解し、測定
用検体Aを得た。この操作に120 分間が必要であった。
同様の操作を抽出液Bについても行い、測定用検体Bを
得た。
【0027】5)検体の免疫測定 時間分解蛍光免疫測定法の原理に基づくダイオキシン免
疫測定キット(ハイブリザイム社製)を用い、0 ng/mL
、5 ng/mL 、10 ng/mL、20 ng/mL、40 ng/mLの各濃度
の2,3,7,8-四塩化ジベンゾ−パラ−ダイオキシン標準液
及び測定検体A、測定検体Bを測定し、標準から作成し
た検量線を用いて、測定検体A及び測定検体Bの濃度を
読みとった。得られた濃度からばいじん中のダイオキシ
ン量及び回収率を計算し、表1に示した。本法では、86
%と高い回収率が得られた。この操作に40分間が必要で
あり、ダイオキシンの測定のためにトータル350 分が必
要であった。
疫測定キット(ハイブリザイム社製)を用い、0 ng/mL
、5 ng/mL 、10 ng/mL、20 ng/mL、40 ng/mLの各濃度
の2,3,7,8-四塩化ジベンゾ−パラ−ダイオキシン標準液
及び測定検体A、測定検体Bを測定し、標準から作成し
た検量線を用いて、測定検体A及び測定検体Bの濃度を
読みとった。得られた濃度からばいじん中のダイオキシ
ン量及び回収率を計算し、表1に示した。本法では、86
%と高い回収率が得られた。この操作に40分間が必要で
あり、ダイオキシンの測定のためにトータル350 分が必
要であった。
【0028】
【表1】
【0029】上記ダイオキシン免疫測定キットの測定原
理は次のようなものである: 第1反応: 抗マウスIg G抗体を結合したプラスチッ
クウェル(A) にダイオキシン含有サンプル(B) と抗ダイ
オキシンモノクローナル抗体(C) を入れ反応させると
〔プラスチックウェル結合抗マウスI gG抗体−抗ダイオ
キシンモノクローナル抗体−ダイオキシン〕の免疫複合
体が形成される。
理は次のようなものである: 第1反応: 抗マウスIg G抗体を結合したプラスチッ
クウェル(A) にダイオキシン含有サンプル(B) と抗ダイ
オキシンモノクローナル抗体(C) を入れ反応させると
〔プラスチックウェル結合抗マウスI gG抗体−抗ダイオ
キシンモノクローナル抗体−ダイオキシン〕の免疫複合
体が形成される。
【0030】
【化1】
【0031】第2反応: 該生成複合体にヨーロピウム
(Eu)標識ダイオキシン(D) を反応させると、未反応の抗
ダイオキシンモノクローナル抗体とEu標識ダイオキシン
が反応し、〔プラスチックウェル結合抗マウスI gG抗体
−抗ダイオキシンモノクローナル抗体−Eu標識ダイオキ
シン〕の免疫複合体が生成する。
(Eu)標識ダイオキシン(D) を反応させると、未反応の抗
ダイオキシンモノクローナル抗体とEu標識ダイオキシン
が反応し、〔プラスチックウェル結合抗マウスI gG抗体
−抗ダイオキシンモノクローナル抗体−Eu標識ダイオキ
シン〕の免疫複合体が生成する。
【0032】
【化2】
【0033】第3反応: エンハンサー(E) を加え、免
疫複合体中のEuの量を時間分解蛍光測定器で測定する。
あらかじめ作成した検量線から、サンプル中のダイオキ
シン類量を読みとる。
疫複合体中のEuの量を時間分解蛍光測定器で測定する。
あらかじめ作成した検量線から、サンプル中のダイオキ
シン類量を読みとる。
【0034】
【化3】 以上の結果を基に検討したところ、測定対象試料を採取
して後、含有ダイオキシン類及び/又はPCB類の測定
を依頼され、その測定を行って結果報告までに要する時
間は、従来法(公定法)では約1カ月半程度を要するの
に対し、本発明の測定システムでは、約1週間程度と大
幅に期間短縮を図ることができると評価された。
して後、含有ダイオキシン類及び/又はPCB類の測定
を依頼され、その測定を行って結果報告までに要する時
間は、従来法(公定法)では約1カ月半程度を要するの
に対し、本発明の測定システムでは、約1週間程度と大
幅に期間短縮を図ることができると評価された。
【0035】実施例2 相関性 本発明の方法でダイオキシン類濃度を測定した結果と、
「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基
準の検定方法」(平成4年7月厚生省告示第192 号 改
正:平12厚生告6号)別表第1に準じた方法で測定した
結果を比較した。 1) 従来の測定方法での測定 「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基
準の検定方法」別表第1に準じた方法で3検体のばいじ
んの測定を行った。ダイオキシン類の濃度は、各ダイオ
キシン類の毒性係数を乗じて算出したTEQ で表した。 2) 本発明法での測定 実施例1と同様の方法で、3検体のばいじん(ばいじん
C:0.99 g、ばいじんD:2.0 g 、ばいじんE:3.83
g)に含まれているダイオキシン類量の測定を行った。A
SE200の抽出に用いるセルは、検体の量に応じて、11 mL
または22 mL のセルに変えて用いた。結果を表2に、
相関性を図3に示した。この結果、相関係数0.99と高い
相関性が得られた。
「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基
準の検定方法」(平成4年7月厚生省告示第192 号 改
正:平12厚生告6号)別表第1に準じた方法で測定した
結果を比較した。 1) 従来の測定方法での測定 「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基
準の検定方法」別表第1に準じた方法で3検体のばいじ
んの測定を行った。ダイオキシン類の濃度は、各ダイオ
キシン類の毒性係数を乗じて算出したTEQ で表した。 2) 本発明法での測定 実施例1と同様の方法で、3検体のばいじん(ばいじん
C:0.99 g、ばいじんD:2.0 g 、ばいじんE:3.83
g)に含まれているダイオキシン類量の測定を行った。A
SE200の抽出に用いるセルは、検体の量に応じて、11 mL
または22 mL のセルに変えて用いた。結果を表2に、
相関性を図3に示した。この結果、相関係数0.99と高い
相関性が得られた。
【0036】
【表2】 本発明の免疫学的測定法によれば、簡単な操作で、対象
とする問題の多いダイオキシンを迅速に多数の検体につ
き測定できる。
とする問題の多いダイオキシンを迅速に多数の検体につ
き測定できる。
【0037】
【発明の効果】本発明により、様々な試料を対象にし
て、簡単且つ短時間にダイオキシン類及び/又はPCB
類の迅速測定が可能となる。また迅速測定が可能である
ことから、大量の検体を従来に比し非常に短時間に扱う
ことが可能であり、また省力化にも大きく貢献するが、
一方で毒性などに問題の大きいダイオキシン類について
の測定結果を信頼性をもって得ることができる。特に、
免疫学的測定により測定対象ダイオキシン類に対して特
異的な測定が可能であることから、簡易クリーンアップ
処理と組み合わせても、その得られる値が十分に満足で
きるものが得られ、さらにその測定操作においても測定
実施者の熟練度をそれ程問題にすることなしに、満足の
いく結果を得ることができる。本発明により、ダイオキ
シン類及び/又はPCB類の測定が低コストで行うこと
ができる。本発明では、簡易クリーンアップ処理を予め
パックしておいた多層充填剤充填カラムを使用すること
により、汚染されている充填剤を測定実施者が測定のた
びに洗浄してカラムにパックするといった煩雑で且つ注
意を要する操作を省くことができ、また廃棄された使用
済みカラムもまとめて再生及び/又は廃棄処理に付すこ
とができるので、低コスト化並びに安全性の面でもその
貢献するところが大きい。またクロマトグラフィー処理
の効果についても、そのバラツキを排除して安定したク
リーンアップ効果を期待できることとなる。本発明は、
前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行でき
ることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の
多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件
添付の請求の範囲の範囲内のものである。
て、簡単且つ短時間にダイオキシン類及び/又はPCB
類の迅速測定が可能となる。また迅速測定が可能である
ことから、大量の検体を従来に比し非常に短時間に扱う
ことが可能であり、また省力化にも大きく貢献するが、
一方で毒性などに問題の大きいダイオキシン類について
の測定結果を信頼性をもって得ることができる。特に、
免疫学的測定により測定対象ダイオキシン類に対して特
異的な測定が可能であることから、簡易クリーンアップ
処理と組み合わせても、その得られる値が十分に満足で
きるものが得られ、さらにその測定操作においても測定
実施者の熟練度をそれ程問題にすることなしに、満足の
いく結果を得ることができる。本発明により、ダイオキ
シン類及び/又はPCB類の測定が低コストで行うこと
ができる。本発明では、簡易クリーンアップ処理を予め
パックしておいた多層充填剤充填カラムを使用すること
により、汚染されている充填剤を測定実施者が測定のた
びに洗浄してカラムにパックするといった煩雑で且つ注
意を要する操作を省くことができ、また廃棄された使用
済みカラムもまとめて再生及び/又は廃棄処理に付すこ
とができるので、低コスト化並びに安全性の面でもその
貢献するところが大きい。またクロマトグラフィー処理
の効果についても、そのバラツキを排除して安定したク
リーンアップ効果を期待できることとなる。本発明は、
前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行でき
ることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の
多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件
添付の請求の範囲の範囲内のものである。
【図1】多層シリカゲルカラムの部分断面正面図であ
る。
る。
【図2】アルミナカラムの部分断面正面図である。
【図3】従来の方法と本発明の方法とのダイオキシン測
定における相関関係を示す。
定における相関関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 雅人 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 岡本 巧誠 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4D017 AA03 BA03 CA05 CB01 DA03 EA01 4D056 AB18 AC03 AC08 AC09 BA16 CA05 CA21 CA22 CA31
Claims (10)
- 【請求項1】 分析対象試料からダイオキシン類成分を
高速溶媒抽出法に付し、次いで得られた抽出物を簡易ク
リーンアップ処理し、得られた試料につき免疫学的測定
法によりダイオキシン類を測定することを特徴とするダ
イオキシンの測定方法。 - 【請求項2】 簡易クリーンアップ処理は、多層シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー及びアルミナカラムクロ
マトグラフィーを用いることを特徴とする請求項1記載
の方法。 - 【請求項3】 多層シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーは、多層充填剤充填カラムを使用して行われるもので
あることを特徴とする請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 アルミナカラムクロマトグラフィーは、
多層充填剤充填カラムを使用して行われるものであるこ
とを特徴とする請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 多層充填剤充填カラムが、充填剤層をサ
ンドイッチする形式で且つ該充填剤層の移動を実質的に
防止あるいは該カラムに実質的に固定する形式でフィル
ターが配置されているものであることを特徴とする請求
項3又は4記載の方法。 - 【請求項6】 該フィルターが石英繊維フィルター及び
/又はガラス繊維フィルターであることを特徴とする請
求項5記載の方法。 - 【請求項7】 多層充填剤充填カラムは、ディスポーザ
ブル式のものであることを特徴とする請求項3〜6のい
ずれか一記載の方法。 - 【請求項8】 (A) 分析対象試料からダイオキシン類成
分を抽出するための高速溶媒抽出装置、(B) 該抽出装置
により得られた抽出物を簡易クリーンアップ処理するた
めの多層シリカゲルカラム及びアルミナカラム及び(C)
該簡易クリーンアップ処理された試料を免疫学的測定す
るための装置を備えることを特徴とするダイオキシン測
定装置。 - 【請求項9】 分析対象試料からダイオキシン類成分を
高速溶媒抽出法で抽出し、得られた抽出物を簡易クリー
ンアップ処理し、次に得られた試料を免疫学的測定法で
測定することを特徴とするダイオキシンの測定システ
ム。 - 【請求項10】 簡易クリーンアップ処理に、予めパッ
クされている多層充填剤充填カラムを使用することを特
徴とする請求項9記載のシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000150181A JP2001330609A (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | ダイオキシン測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000150181A JP2001330609A (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | ダイオキシン測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001330609A true JP2001330609A (ja) | 2001-11-30 |
Family
ID=18655933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000150181A Pending JP2001330609A (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | ダイオキシン測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001330609A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003075011A1 (fr) * | 2002-03-07 | 2003-09-12 | Enbiotec Laboratories Co., Ltd. | Instruments de detection de substances de faible poids moleculaire |
JP2004292367A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Takuma Co Ltd | 2,4,5−トリクロロフェノキシアルキルカルボン酸およびそれを用いたダイオキシン類の測定方法 |
-
2000
- 2000-05-22 JP JP2000150181A patent/JP2001330609A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003075011A1 (fr) * | 2002-03-07 | 2003-09-12 | Enbiotec Laboratories Co., Ltd. | Instruments de detection de substances de faible poids moleculaire |
JP2004292367A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Takuma Co Ltd | 2,4,5−トリクロロフェノキシアルキルカルボン酸およびそれを用いたダイオキシン類の測定方法 |
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