JP2001330415A - 光透過繊維強化複合材料の変形検出装置 - Google Patents

光透過繊維強化複合材料の変形検出装置

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JP2001330415A
JP2001330415A JP2000191865A JP2000191865A JP2001330415A JP 2001330415 A JP2001330415 A JP 2001330415A JP 2000191865 A JP2000191865 A JP 2000191865A JP 2000191865 A JP2000191865 A JP 2000191865A JP 2001330415 A JP2001330415 A JP 2001330415A
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Akira Todoroki
章 轟
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光透過繊維強化複合材料の構造変形検出を目的
として、耐電磁ノイズ性、成形性、安価、省スペース、
軽量性、優れた応答速度を有し、構造物の振動変形測定
にも使用可能な変形検出装置。 【解決手段】光透過繊維強化複合材料の負荷方位と角度
をなす繊維間隔の負荷による変化により透過光散乱が変
化することを利用して、透過光強度変化測定すること
で、引張と圧縮の変形を測定可能とする変形検出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光透過繊維強化複
合材料を用いた輸送機器構造や回転機器、土木建築構
造、製造用機器、電気絶縁用部品、スポーツ用品の静的
および動的変形を、これらの構造に常設することで使用
中あるいは保守期間中にモニタリングするためのセンサ
ーに必要な省スペース、軽量、安価、優れた成形性、優
れた応答速度、耐ノイズ性能の優れたセンサーを目的と
して、当該光透過繊維強化複合材料の少なくとも1部を
挟み、負荷方位と交点を有するように設置された光源と
光強度検出装置を用いて、光透過繊維強化複合材料の変
形によって光透過複合材料中を透過する光強度が変化す
ることを利用して、光透過繊維強化複合材料の変形を検
出するセンサー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の変形を測定する市販装置として
は、ひずみゲージ、ひずみゲージまたはインダクタンス
変化を利用した伸び計、超音波距離計を利用した伸び
計、レーザー伸び計、光源と照度計を利用したフォトカ
プラ方式の変位計、光ファイバーひずみ計などがあげら
れる。
【0003】一般に公知の市販品(ひずみゲージ、ひず
みゲージやインダクタンス変化利用伸び計、超音波距離
計を利用した伸び計、レーザー伸び計、光源と照度計を
利用したフォトカプラ方式の変位計)は文献を引用しな
いが、これらのセンサーに共通な問題点として、アナロ
グリード線でセンサーから情報を伝達しなければならな
いことがあげられる。このため、ノイズの影響を受けや
すい欠点が上げられる。またひずみゲージ以外の前述の
一般に公知の市販品センサーは、センサー自体の構造が
大きく、重量や大きさが無視できないため、省スペース
の観点から、輸送機器構造や回転機器、土木建築構造、
製造用機器、電気絶縁用部品、スポーツ用品の変形を使
用中あるいは保守期間中にモニタリングするためのセン
サーには適用できない。インダクタンス型では電磁コイ
ル内にインダクタンス変化を引き起こす材料を出し入れ
する構造であり、コイル径で寸法が決定され、さらに重
量も大きくなる。超音波やレーザー利用は比較的センサ
ーの大きさを小さくすることが可能であるが、現状では
1cm〜数cm程度の大きさを有し、さらに概形が直方
体であるため省スペースの観点から問題である。フォト
カプラ方式も数mm〜1cm程度であるが、やはり概形
が直方体形状であるため、省スペースという観点から構
造に埋め込かあるいは貼り付ける方式でセンサーを利用
する輸送機器構造や回転機器、土木建築構造、製造用機
器、電気絶縁用部品、スポーツ用品の変形を使用中ある
いは保守期間中にモニタリングするためのセンサーには
適用できない。
【0004】ひずみを計測する既存の公知技術としては
光弾性手法が上記以外にあげられる。しかし、この方法
は大掛かりな光干渉装置を必要とするため、構造機器に
常設することは困難である。
【0005】光ファイバーセンサーを構造に常設するこ
とで使用中あるいは保守期間中にモニタリングするシス
テムについては、ノイズに強いことから既に数多くの開
発がなされている。例えば新聞発表「1999/07/
16日本経済新聞 朝刊;光ファイバーで損傷検出、N
TT・東大など−−船体用システム開発」においては、
国際的ヨットレースであるアメリカズカップ2000に
参戦する「ニッポンチャレンジ艇」の船体変形と損傷を
検出する「光ファイバセンサ船体損傷検出システム」を
開発したことが報道されている。掲載されたシステム
は,NTTの光ファイバによるひずみ計測技術「BOT
DR(Brillouin Optical Time
Domain Reflectometer)」,を
船体に埋め込み、船体の破壊につながる変形や損傷(剥
離)を早期に検出できるとされている。しかし、BOT
DRはパルス状のレーザーの反射光の中からブリリアン
散乱波を検出して光ファイバーに負荷されるひずみを検
出するため、測定可能周波数は非常に低く、静的なひず
みしか測定できない。
【0006】光ファイバーセンサーには、BOTDRの
他にマイケルソン干渉計、ファブリーペロー干渉計、フ
ァイバグレーティングなどが市販品としてあげられる。
この中で、ファイバグレーティングは複雑なデータ処理
を行うためサンプリング周波数が50Hz程度である。
マイケルソン干渉計、ファブリー・ペロー干渉計、は互
いに類似している干渉を利用したひずみ計である。例え
ば、市販製品としてF&S社のEFPI(Extrin
sic Fabry−Perot interfero
meter)システムは。アナログ型で100KHz
(FOSSI)、Fiberscan2000では66
Hzの読み込みが可能である。いずれの方法も光源にレ
ーザーを使用するため高価であり、測定機器の重量も
2.4kgから1.4kgと重い。これらの理由から、
多数のセンサーを構造物に取り付ける場合には現実的で
ない。
【0007】特開平11−37717「変位量測定装置
及び方法」および特開平10−82621「光ファイバ
変位センサ」においては、測定対象物の変位によって生
じる光ファイバーの曲げによる伝播損失の変化を監視
し、その光損失変化から測定対象物の変位量を測定する
変位量測定装置があげられている。伝播損失を利用した
装置は安価であり、前述の市販の光ファイバーセンサー
の欠点を有していない。しかし、規定の曲率で曲げた光
ファイバーを構造物に設置するには成形プロセスが困難
であること、ドラムに巻きつけた光ファイバーセンサー
を使用するには、ドラムが大きいいため、省スペースに
反するという問題点があげられる。
【0008】US5609952 Sensored
composite structureでは、光ファ
イバー束が複合材料に結合され、その光伝播損失で複合
材料内部の情報を得る発明が公開されている。この方法
では多数の光ファイバーを正確に埋め込むという成形コ
ストの上昇が生じる。
【0009】繊維強化複合材料の炭素繊維の導電性を利
用した方法もある。D.D.L.ChungらはPol
ymer Composites,(1997),vo
l.18,No.6ページ692において、4電極法に
よる中央2電極間の電気抵抗変化から炭素繊維複合材積
層板の層間剥離検出手法を提案している。US 特許5
817944 Composite material
strain/stress sensor(D.
D.Lchung,1997)では、コンクリートに炭
素繊維を混入した複合材料で負荷による電気抵抗変化で
ひずみ測定が可能であることを示している。国内特許と
してはJP1025361Aにおいて炭素繊維シートを
コンクリートに貼り付けることでコンクリートの損傷を
炭素繊維の電気抵抗変化から検出する方法を提案してい
る。しかし、一般に光透過繊維強化複合材料は、ガラス
繊維や、セラミック、有機繊維などで構成されており、
導電性が障害になる部位に利用されている場合がある。
例えば、リニアモーターカーの超電導コイル支持体のア
ルミナ繊維強化エポキシは、コイルの超電導状態に影響
しないように絶縁材料で作成されている。航空機のレー
ダードームなども同様である。また電磁ノイズの影響を
受けるため、ノイズ環境ではこれらは使用できない。
【0010】Akira TodorokiとYosh
inobu Shimamuraらは、「Damage
Monitoring for Semi−Tran
sparent Composites using
Luminance ofEL Backlight,
JSME International Journa
l,series A,43,1(2000)pp76
−82」において、ELを光透過複合材料のバックライ
トとして使用し、透過光強度を光センサーで測定するこ
とで、光透過複合材料の損傷の測定が可能であることを
示している。ここで、静的負荷時には弾性変形範囲内で
もひずみ増加とともに透過光強度が引張時に増加、圧縮
時に減少するため、無負荷時の透過光強度を測定するこ
とで損傷評価が実施可能であることを示している。この
発表論文の中で弾性変形範囲内負荷に伴う透過光強度変
化は静的負荷時の損傷検出を困難にする有害情報として
現象が紹介されているが、この透過光強度変化の原因は
弾性変形による板厚の増減や繊維間隔の増減などの現象
の説明モデル案が提示されていただけであり、その原因
は解明されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光透過繊維
強化複合材料を用いた輸送機器構造や回転機器、土木建
築構造、製造用機器、電気絶縁用部品、スポーツ用品の
静的および動的変形を、これらの構造に常設することで
使用中あるいは保守期間中にモニタリングするためのセ
ンサーに必要な省スペース、軽量、安価、優れた成形
性、優れた応答速度、耐ノイズ性能に優れ、構造物の振
動時変形を検出可能なセンサーを目的としている。前述
の従来技術を鑑み、本発明が解決すべき課題としては、
構造物に永久的に設置または埋め込むための省スペー
ス、軽量性があげられる。さらに、複数のセンサーを構
造に多数取り付ける必要性からシステム全体が安価であ
ること、製造コストと実用性を考慮して優れた成形性を
有すること、実際の機器の電磁ノイズ環境下において耐
ノイズ性能が優れていること、振動時変形を測定可能で
あるために少なくとも数百Hzオーダーの振動が測定可
能であることがあげられる。これらの項目全てを同時に
満足する変形検出装置が望まれる。ここで、安価である
ことの定義とは、回路部品が市販量産品で構成されてい
る程度の意味である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源と当該光
源から放射される光を受光可能な位置と方位に設置した
光強度検出装置の間に、負荷方位と交点をなす角度に少
なくとも一部の繊維が配置された光透過繊維強化複合材
料を、当該光源から当該光強度検出装置に対して放射さ
れた光が当該光透過繊維強化複合材料の負荷方位と交点
を有する方位に設置し、当該光透過繊維強化複合材料の
負荷による変形時の透過光強度変化を用いて当該光透過
繊維強化複合材料の変形を検出する変形検出装置であ
る。ここで、交点をなす角度とは点状に交点を有する角
度であり、工業的には5°〜175°と185°〜35
5°までの範囲をここでは意味する。なお、繊維の角度
とは繊維配置の平均角度ではなく、少なくとも繊維の一
部の角度を意味している。また、変形を検出するとは、
変形の絶対量の測定を行わずに変化だけを測定すること
を意味している。
【0013】前記記載の変形検出装置において、光透過
繊維強化複合材料の負荷による変形時の透過光強度変化
から、変形ひずみと透過光強度変化の対応関係を求め、
当該対応関係を用いて透過光強度変化からひずみを測定
する変形検出装置である。ここで、対応関係とはひずみ
を負荷時の透過光強度変化を測定するか計算して、ひず
みと透過光出力の変化の関係式を求めるか、図式化する
か、計算モデル化するか、データベース化するか、を行
い、実際の透過光出力変化測定時にひずみに変換する操
作を可能にすることを意味している。
【0014】前記の2つに記載の変形検出装置におい
て、光源として光透過繊維強化複合材料に当該光透過繊
維強化複合材料の負荷方位と交点をなす方位に光を放射
する方位に結合されたエレクトロルミネッセンス面発光
素子(EL素子)を用いた変形検出装置である。ここ
で、EL素子を結合するとは、構造表面や内部に取り付
けるかまたは貼り付けること、および埋め込むことを意
味している。
【0015】前部2つに記載の変形検出装置において、
光伝導装置を用いて光源から光を引き回し、光透過繊維
強化複合材料に当該光伝導装置を結合させ、光伝導装置
から放射する光を当該光透過繊維強化複合材料中に透過
させる変形検出装置である。ここで、光伝導装置とは、
光ファイバー、光導波路、材料内を少ない光伝播損失で
伝播させるように材料表面近傍を光ファイバーと同様に
屈折率の差異のある材料で構成した光伝播用棒、板、フ
ィルム、テープを含む。
【0016】前部2つに記載の変形検出装置において、
光透過繊維強化複合材料に半導体発光素子を結合させ、
当該半導体発光素子から放射する光を当該光透過繊維強
化複合材料中に透過させる変形検出装置である。ここ
で、半導体発光素子とは、LEDと半導体レーザーであ
る。また、結合とは取り付けること、貼り付けること、
埋め込むことを含む。
【0017】前部2つに記載の変形検出装置において、
光透過繊維強化複合材料に光強度検出装置を結合させ、
当該光透過繊維強化複合材料中透過する光強度変化を測
定する変形検出装置。ここで、結合とは構造表面か内部
に取り付けること、貼り付けること、埋め込むことを意
味している。
【0018】前部2つに記載の変形検出装置において、
光透過繊維強化複合材料に光伝導装置を結合させ、当該
光透過繊維強化複合材料中を透過する光を光伝導装置に
集光して、当該集光された光強度変化を光伝導装置に結
合された光強度検出装置で測定する変形検出装置であ
る。
【0019】前部2つに記載の変形検出装置において、
光源が光透過繊維強化複合材料から離れて存在し、当該
光透過繊維強化複合材料の光源側表面から参照光を得
て、当該光透過繊維強化複合材料の少なくとも一部を透
過した光を得て、負荷時の参照光と透過光の差を測定す
ることにより変形を検出する変形検出装置である。ここ
で、参照光とは、光透過繊維強化複合材料に入射する光
強度を測定するためであり、透過光と光強度の差異を測
定することで、透過光強度変化の中での入射光の変化を
除去し、透過した光の負荷による変化だけを測定するこ
とができる。
【0020】前部2つに記載の変形検出装置において、
光透過繊維強化複合材料の光源側から参照光を得て、当
該光透過繊維強化複合材料の厚さ方向の少なくとも一部
を透過した透過光を得て、負荷時の当該参照光と当該透
過光の光強度差を測定することにより変形を検出する変
形検出装置である。ここで,厚さ方向の少なくとも一部
を透過した透過光とは、当該光透過繊維強化複合材料の
厚さを全て透過した透過光ではなく、内部に光源か、透
過光集光光ファイバーか、光センサーか、のいずれかま
たは組み合わせを当該光透過繊維強化複合材料に結合さ
せて得られる、厚さ方向の一部材料だけを透過した光を
意味する。
【0021】前部2つに記載の変形検出装置において、
光透過繊維強化複合材料に光源を結合し、当該光源から
参照光を得て、当該光透過繊維強化複合材料の内部に当
該光源を当該光透過繊維強化複合材料表面反射する方位
に光反射材を結合し、当該反射材を反射した透過光を得
て、負荷時の当該参照光と当該透過光の光強度差を測定
することにより変形を検出する変形検出装置である。こ
こで、反射材とは光源の光を透過光集光光ファイバーか
光センサー方位に反射する方位に当該光透過繊維強化複
合材料内部に結合された光を反射する材料である。
【0022】本発明の課題を解決するための手段は光利
用であるため、耐電磁ノイズ性は従来のアナログセンサ
ーよりもはるかに頑健であり、後付け可能であることか
ら成形上の問題も生じない上、電気回路は量産品であ
り、特別なレーザーなどの光源を必要とせず、安価なL
EDやELで十分でありシステムは安価である。構造に
は光ファイバー、光導波路、光ロッドなどと組み合わせ
によってはELなどの薄い発光素子を取り付けるだけで
あり、省スペース、軽量性を優れている。さらにアナロ
グ的に透過光強度変化を照度計で測定するだけであり、
優れた応答速度を有し、データをデジタル化して転送す
る際においてもA/D変換速度だけに依存しており、構
造物の振動変形測定には十分である。
【0023】本発明の課題を解決するための手段は、先
の従来の技術で既に記載された、Akira Todo
rokiとYoshinobu Shimamura
の、「Damage Monitoring for
Semi−Transparent Composit
es using Luminance of ELB
acklight,JSME Internation
al Journal,series A,43,1
(2000)pp76−82」と同じ電気回路、透過光
強度利用方法を用いている。しかし、前記論文では、損
傷評価が目的であり、負荷時の透過光強度変化は原因不
明の有害情報として、無負荷時の透過光強度変化を損傷
評価に利用するように提案し、この有害情報を切り捨て
ることを提案していた。本発明では、詳細は実施例で述
べる原因解明によって、この有害情報が工業上利用可能
であることを初めて発見し、技術的に大きな発想の転換
をしてこの有害情報を逆に積極的に利用した光透過繊維
強化複合材料の変形検出装置とした。さらに、損傷検出
と変形検出を同じシステムで、負荷時に変形検出、無負
荷時に損傷検出とする省スペース低コストが可能とな
り、従来に無い発想により2つの目的に使用可能である
システムとなる点に技術的な大きな進歩性がある。
【0024】さらに、光透過繊維強化複合材料におい
て、本発明を利用することは、基本システムが従来の技
術の透過光強度変化による損傷検出と同じであることか
ら、損傷検出と変形検出が一つのシステムで実施できる
ことを意味しており、省スペースと軽量、低コストであ
り、大きな利点を有している。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて本発明の実施の
形態を詳細に説明する。
【0026】[システム構成]本発明のシステム構成を
図1に示す。例として、長手方向(図1中の矢印1方
位)に引張と圧縮の負荷を受ける平板を考える。図1は
平板を断面(図1中は平板の断面で矢印2方位が平板板
厚方位)から見た図になっている。平板はガラス/エポ
キシなどの光透過性繊維強化複合材料(図1中の3が断
面図)とする。繊維は通常、負荷方位に多く(図1の矢
印1で示される0°方位)、それ以外の方位にも少量配
置されるか、または全方位均等に配置される。本発明の
システムでは、負荷方位と交点をなす角度の方位に配置
された繊維の繊維間隔が負荷時に負荷方位に負荷によっ
て延伸や圧縮をさせられるために、材料中の光の散乱が
引張時に減少、圧縮時に増加するため、透過する光の強
度が引張時に増加、圧縮時に減少することを利用して、
材料の変形を検知する装置である。
【0027】図1
【0028】平板の両面の対面する位置に、光源からの
光を光透過繊維強化複合材料(図1中の1)に入射させ
る光源用光ファイバー(図1中の4)と透過した光を光
強度センサーに伝導させる透過光集光光ファイバー(図
1中の5)の一端を結合させる。光源用光ファイバーと
透過光集光光ファイバーは市販の外径0.5mm〜1.
5mm程度の大コア口径プラスチック光ファイバーを用
いる。この光ファイバーの一端において1cm程度の長
さで表面のクラッドの役割を果たすコーティング材を研
磨してはがし、光が光ファイバー側面から入射や放射が
可能にしておく。透過光集光光ファイバー他端面では透
過光用光センサー(図1の中で10)に集光した光を端
面から放射するように固定する。
【0029】光源用光ファイバーの他端面は光源用LE
D(図1の中で7)からの光が入射しやすい接触する程
度に接近した位置にLEDからの光の放射方位に固定し
ておく。LEDの発光回路(図1の中で8)は既に公知
の回路であるのでここでは回路を図示しない。
【0030】光源用LEDの発光強度は電源の安定性や
温度などに起因して変動する場合があるため、LEDか
ら参照光(図1の中の6)を光源用光ファイバーや透過
光集光光ファイバーと同じプラスチック光ファイバーで
集光し、参照光用光センサー(図1の中で10)に集光
した参照光の光を端面から放射するように固定する。
【0031】透過光と参照光とは、それぞれ透過光用増
幅回路(図1の中で11)、参照光用増幅回路(図1の
中で12)に電気回路で接続され、これらの出力が回路
図を図示しない差動増幅回路(図1の13)に入力さ
れ、差異が増幅されて出力される(図1の14)。ここ
で、差動増幅はアナログOPアンプを用いた単純な差動
増幅であり、アナログ増幅回路の教科書に必須の回路で
あるのでここでは図示しない。
【0032】[電気回路]本発明で用いている電気回路
は全て公知の回路技術の組み合わせであるため、図示す
る必要が無いが、光センサーとその増幅回路(図1の
9、10、11、12)だけを便利のため図2に示す。
図2において、BS500Bはシャープ社製フォトダイ
オードであり、光センサーとして使用している。フォト
ダイオードBS500Bに入射した光をLF411CN
で増幅して電圧に変換している。この回路は照度計とし
て一般に知られている回路であるので、詳細な接続につ
いては説明を省略する。
【0033】図2
【0034】[光ファイバーの設置と固定]本発明はコ
アの大きいプラスチック光ファイバーを用いているた
め、光ファイバーの芯だしなどの作業は不要である。し
かし、光透過複合材料平板表面への結合と、フォトダイ
オードへの固定に関しては、特別な作業を有する。
【0035】(1)光ファイバーの光透過複合材料平板
表面への結合端面の処理 光ファイバーとしてプラスチック光ファイバーを使用す
る。先にも述べたように、外径0.5mm〜1.5mm
程度の大コア口径光ファイバーを光源伝播用と透過光伝
播用で少なくとも2本使用する。光透過繊維強化複合材
料側端面は端部から1cm程度の半分を研磨し、光ファ
イバー方位に小さい角度で斜めの断面を作成する。この
断面を図3に示す。図3の断面15の斜め研磨面16の
研磨は、カッターなどの道具で表面を削除するだけでも
よいが、V溝をつけた金属などの治具に光ファイバーを
両面テープで接着し、サンドペーパー(600番〜10
00番)で研磨してもよい。斜めに研磨した断面を光透
過繊維強化複合材料に結合させる。
【0036】図3
【0037】(2)光ファイバーの光透過複合材料平板
表面への結合端面の固定 断面を斜めに研磨した光ファイバーを光透過繊維強化複
合材料に固定するには、複数の方法がある。もっとも簡
便な方法は、無色透明の接着剤で研磨面を光透過繊維強
化複合材料表面に接着することである。施工は簡単であ
るので実験室レベルでの使用に適しているが、信頼性が
ない。信頼性の高い方法としては、光透過繊維強化複合
材料取り付け面をサンドペーパー(400番〜1500
番)とアルミナ砥粒やダイヤモンドペースト(1ミクロ
ン)で研磨後、アセトンで洗浄し、その面に光ファイバ
ー方位を、光ファイバー方位と繊維方位をそろえたガラ
ス繊維一方向または織物プリプレグ(繊維とBステージ
エポキシ樹脂が薄いシート状になったもの)で固定し、
そのプリプレグの成形温度で硬化させる。図4に織物複
合材料プリプレグ17と18で接着する方法を示す。織
物複合材料で光ファイバー19の斜め研磨面を光透過繊
維強化複合材料20の表面に向け、織物の組目に光ファ
イバーを織り込む。こうして硬化温度で硬化成形するこ
とで、信頼性の高い接着が可能となる。なお、光源用光
ファイバーを先に接着し、後から現物あわせで透過光集
光光ファイバー接着することで正確な接着が可能とな
る。この手間を省くには、光源用光ファイバーの外径を
1.5mmから2mm程度に大きくし、さらに複数本を
並列させて接着させる。透過光集光光ファイバーも複数
本並列させることで正確な位置合わせは不要となる。
【0038】図4
【0039】(3)光ファイバーのフォトダイオード側
端面の固定 光ファイバーのフォトダイオード側では、フォトダイオ
ードにノイズとなる光が入射しないように光を遮断した
ケース内で光ファイバーとフォトダイオードを固定して
おく必要がある。固定治具例を図5、6に示す。図5は
光ファイバーをL字型固定台23とV溝付き光ファイバ
ー固定台24と光ファイバー固定具27でフォトダイオ
ード22に光ファイバー端面から放射される光が到達す
る方位に密着して接続する装置である。L字型固定台2
3のL字曲がり部分を原点におき、一方の辺を180°
方位に、一方の辺を90°方位にする。このL字型固定
台23の180°方位の辺の上部にV溝付き光ファイバ
ー固定台24をおき、V溝に光ファイバー21を溝に沿
って設置する。フォトダイオード22はもう一方の90
°方位の辺の180°側面に接着剤で設置する。L字型
固定台23に設置したフォトダイオード22のセンサー
部分の高さに合うようにV溝付き光ファイバー固定台2
4のV溝の高さを加工する。光ファイバー固定具27で
光ファイバーの上部から六角ボルト25と六角ナット2
6で固定する。
【0040】図5
【0041】図6
【0042】V溝付き光ファイバー固定台24と光ファ
イバー固定具27の断面図を図6に示す。V溝深さは光
ファイバーが埋もれない程度に浅めに加工し、光ファイ
バー固定具27で上から固定する。
【0043】[透過光出力−ひずみ校正実験と運用]シ
ステム構成を設置終了後、透過光出力とひずみの校正実
験を実施する。ひずみゲージを貼り付け、負荷ひずみ
(ε)と透過光出力変化の電圧変換値(Vout)を実
測する。弾性変形範囲内であれば、この関係はほぼ線形
となる。このため、これを誤差最小2乗法を用いて直線
ε=β×Voutで近似する。この直線を用いて測定さ
れたVoutからひずみεを求める。
【0044】[EL利用の実施の形態]前述の実施の形
態では、光源も光ファイバーで光透過繊維強化複合材料
に入射させていた。前述の方法は超電導コイル周囲など
特に電磁波ノイズが激しいかまたは電気配線を望まない
場所に最適である。しかし、一般にはある程度の電磁ノ
イズに耐性があれば十分である場合がほとんどである。
このような場合には、光源用光ファイバーと透過光集光
光ファイバーとの軸あわせの全く不要な面発光素子のE
L素子を利用する方が加工上の面倒がない。ELは市販
の柔軟なタイプを用いれば、曲線のある製品の表面にも
容易に貼り付けることが可能である。埋め込むことも可
能であるし、ELの発光部分だけを材料内に埋め込ん
で、透明電極を内部に埋め込み、内部でELを発光させ
ることも可能である。ELを利用し、貼り付ける場合を
図7に示す。図1の光源用光ファイバー4と7の代わり
にEL素子29が光源用光ファイバーと同じ面に発光面
を光透過繊維強化複合材料側にして貼り付けられ、光源
用電気回路の代わりにEL発光用回路30が使用される
だけの差異である。参照光用光ファイバー6は貼り付け
たELの発光面側から参照光を受光し、直接引き回され
る。
【0045】図7
【0046】[光源設置の実施の形態]光源として、E
Lなどの特別な光源でなく、通常の蛍光灯や太陽光など
を利用することも可能である。これを図8に示す。図8
で光源31は蛍光灯や太陽光や白熱電球などの特に指定
されない光源である。この場合には、入射光強度変化を
知る必要があるため、図1の参照光用光ファイバー6の
LED光源7側受光口を、図1の光透過繊維強化複合材
料3の光源用光ファイバー4設置面側に、光源方位に設
置する必要がある。この参照光と透過光との差動増幅に
より正確な透過光強度が測定される。この場合には特別
な光源を必要としないという利点がある。屋外や大型光
源が設置可能な構造に適している。
【0047】図8
【0048】[一部透過光利用の実施の形態]光源とし
てEL素子を光透過繊維強化複合材料表面に貼り付け、
当該EL素子光放射面から参照光を得て、当該光透過繊
維強化複合材料内部に、プリプレグシート(繊維と半硬
化樹脂からなるシート)積層時にアルミフォイルをプリ
プレグ間に挟むことで積層して成形し、内部に光反射材
を設置し、当該反射材を反射した光を、光源EL素子を
設置した同じ表面で透過光集光光ファイバーで集光して
光強度を測定することで、一部の厚さを透過した透過光
強度変化を測定できる。あるいは、EL素子を内部に光
透過繊維強化複合材料内部に埋設し、そのEL素子光放
射面から参照光を得て、光透過繊維強化複合材料表面で
厚さの一部を透過した透過光を得て、透過光強度変化を
測定することも可能である。
【0049】
【実施例】以下に実施例を示す。実施例では、一方向ガ
ラス繊維積層板を用いた光透過繊維強化複合材料の弾性
変形範囲内の透過光強度変化のメカニズムの検討と、ひ
ずみ測定例を示す。
【0050】[材料と試験片]供試材は一方向ガラス/
エポキシプリプレグ(プライ厚さ0.0625mm)を
使用した.このプリプレグを、0°層だけ3種類(0°
8層積層、0°12層積層、0°16層積層)および9
0°層だけ3種類(90°8層積層、90°12層積
層、90°16層積層)に積層し、ホットプレス成形し
た積層板から矩形板を作成した。試験片形状は、長さ2
00mm、幅25mm、厚さ0.5mmである。この試
験片の上下端部にGFRP製タブを接着した。なお、こ
こで、0°方位とは試験片長手方向に繊維方位が配置さ
れていることを意味し、90°方位とは長手方位と直角
方位(幅方位)に繊維が配置されていることを意味して
いる。
【0051】[試験方法]ELとフォトダイオードセン
サーを直接試験片表面に対面する位置にそれぞれの逆面
に接着剤で取り付けた。ただし、参照光は同一形状試験
片の無負荷平板にELを取り付け、その逆面にセンサー
を取り付けた。試験は油圧サーボ型試験機を用い、変位
制御でクロスヘッド変位速度を0.15mm/minと
して引張試験を実施した。
【0052】[試験結果]弾性変形領域での透過光強度
出力差の増加について検討することを目的として、3種
類の厚さの0°および90°単層板の弾性変形範囲内の
引張試験を実施した。弾性変形領域での透過光強度の変
化の原因としては、引張試験時に板厚方向のポアソン比
相当に起因する変形で板厚が減少することにより透過光
強度が増加するポアソン効果モデルと、引張負荷により
負荷と直角方位(90°層)繊維間隔が拡大され、透過
光強度が増加する繊維間隔モデルの2つが考えられる。
【0053】実験結果を,図9,10に示す。図中、縦
軸は図2のフォトダイオード光強度センサー回路出力を
増幅500倍に差動増幅した出力電圧であり、横軸は試
験片長手方位(0°方位)に負荷した負荷ひずみであ
る。図を比較すると,90°層だけの単層板試験片の場
合(図9)は積層数に関わらず,線形に透過光強度が増
加しているが、0°層だけの単層板試験片の場合(図1
0)はどの結果も変化がほとんど存在しない。積層数の
差異に起因する変化も認められない。
【0054】図9
【0055】図10
【0056】厚さ方位のポアソン比は実測が困難である
ので、ホアソン比を0.3と仮定し、負荷に対する厚さ
方位の寸法変化率(厚さ方位ひずみ)を概算した結果を
図11に示す。図11から、0°層だけの結果は厚さ方
位のひずみに無関係に負荷に対して変動していない。織
物ガラス/エポキシ複合材料ではどの方位でも弾性変形
の範囲内の弾性的な透過光強度変化が認められた。引張
負荷時と圧縮負荷時には透過光強度変化は増加と減少の
逆転となるため、エポキシ樹脂の光弾性に起因する変化
ではない。このことから,弾性変形領域での透過光強度
の増加は板厚の減少よりも、むしろ繊維方向と角度をな
す負荷に起因する繊維間隔の増加に伴う光散乱の変化が
原因ということが明らかになった.
【0057】図11
【0058】[曲げひずみ測定装置例]曲げひずみの測
定は、平板では板厚方位に引張と圧縮の等しい大きさの
ひずみが負荷されるため、前述の方法では互いに透過光
強度の増減が打ち消し合うため、板厚全部を透過する光
強度測定では測定できない。この場合には、曲げの引張
成分あるいは圧縮成分だけの部分的に透過する光の透過
光強度変化を測定する必要がある。適用例としては、図
1の光源用光ファイバーを板の中央か中央よりも透過光
集光光ファイバー側の表面近傍で少なくとも繊維の一部
が曲げひずみ方と交点をなす角度にあるような位置に発
光部分を透過光集光光ファイバー側に向けて埋め込むこ
とで、曲げひずみの測定が可能となる。図7のEL素子
利用では、EL素子を同じように板の中央か中央よりも
透過光集光光ファイバー側に発光部分を透過光集光光フ
ァイバー側に向けて埋め込むことで解決する。EL素子
ではなく、EL粉末や有機ELと電極を埋め込むことで
も同様の効果が得られる。
【0059】EL素子を板厚の上部側に埋め込んだ例を
図12に示す。図12において、光強度検出装置は図1
と同じであり、EL素子およびその発光回路は図7と同
じである。図12では、ガラス/エポキシ複合材料の9
0°層(図中32)と0°層(図中33)と90°層
(図中32)を順に積層した積層板を片持ち梁として曲
げる場合を示している。上部90°層と0°層の間にE
L素子を挿入し、埋め込んだEL素子表面から端部を斜
め研磨した光ファイバーを斜め面をEL素子側にして配
置し、参照光用光ファイバーとして参照光用光センサー
に接続する。梁上面では、端面を斜め研磨した光ファイ
バーを斜め面を下にして設置し、透過光集光光ファイバ
ーとして透過光用光センサーに接続する。梁の端面を片
持ち梁支持治具上34と片持ち梁支持治具下35で挟む
ことで、梁を片持ち梁とする。なお、片持ち梁支持治具
上と下は図示されていないボルトで結合されている。
【0060】図12
【0061】例として、先の一方向ガラス/エポキシの
90°層8層、0°層8層、90°層8層からなる積層
板の90°層と0°層の界面にEL素子を、光放射が9
0°層だけを光が透過するように埋設した、矩形長さ2
00mm、幅25mm、厚さ1.6mmの曲げ試験片を
作成した。ELは長さ方位で端部に長さ50mmのEL
素子を埋設した。この試験片のEL埋設側端部20mm
をクランプして片持梁試験片とした。EL素子の放射光
側表面に前述の光センサー(BS500B)とひずみゲ
ージをクランプ端部から25mmの位置に設置し、曲げ
ひずみと厚さ方位の一部を透過した光の透過光強度変化
とひずみの対応関係を実測した。得られた結果を図13
に示す。図中横軸はひずみゲージで測定されたひずみで
あり、縦軸は透過光強度の反転増幅されたセンサー出力
である。ここでは、回路的に反転増幅されているため、
減少は透過光強度の増加を表す。図から明らかに、ひず
み増加に伴い透過光強度がほぼ線形に増加(図では減
少)している。ここでは実験の簡単のため、参照光を用
いていないので、EL素子の放射光強度変化に対応して
いないが、透過光強度変化でひずみ測定が可能であるこ
とがわかる。
【0062】図13
【0063】
【発明の効果】本発明は光利用であるため、耐電磁ノイ
ズ性は従来のアナログセンサーよりもはるかに頑健であ
り、さらに構造物に成形後に後付け可能であることから
成形上の問題も生じない上、電気回路は全て量産品が部
品であり、特別なレーザーなどの光源を必要とせず、安
価なLEDやELで十分でありシステムは非常に安価で
ある。構造には光ファイバー、光導波路、光ロッドなど
と組み合わせによってはELなどの薄い発光素子を取り
付けるだけであり、省スペース、軽量性に優れている。
さらにアナログ的に透過光強度変化を照度計で測定する
だけであり、優れた応答速度を有し、データをデジタル
化して転送する際においてもA/D変換速度だけに依存
しており、構造物の振動変形測定には十分である。
【0064】本発明の課題を解決するための手段は、先
の従来の技術で既に記載された、Akira Todo
rokiとYoshinobu Shimamura
の、「Damage Monitoring for
Semi−Transparent Composit
es using Luminance of ELB
acklight,JSME Internation
al Journal,series A,43,1
(2000)pp76−82」と同じ電気回路、透過光
強度利用方法を用いている。しかし、前記論文では、損
傷評価が目的であり、負荷時の透過光強度変化は原因不
明の有害情報として、無負荷時の透過光強度変化を損傷
評価に利用するように提案し、この有害情報を切り捨て
ることを提案していた。本発明では、この透過光強度変
化が負荷時の負荷方位と角度を有する繊維の繊維間隔の
変化に伴い、繊維で散乱させられる透過光の増減によっ
て透過光強度が変化するという世界で初の原因解明によ
って、損傷検出では有害情報であった透過光強度変化が
工業上利用可能であることを発見し、技術的に大きな発
想の転換をしてこの有害情報を逆に積極的に利用した光
透過繊維強化複合材料の変形検出装置とした。さらに、
損傷検出と変形検出を同じシステムで、負荷時に変形検
出、無負荷時に損傷検出とすることが可能となり、従来
に無い発想により2つの状態で別の目的に使用可能であ
るシステムとなる点に技術的な大きな進歩性がある。
【0065】さらに、光透過繊維強化複合材料におい
て、本発明を利用することは、基本システムが従来の技
術の透過光強度変化による損傷検出と同じであることか
ら、損傷検出と変形検出が一つのシステムで実施できる
ことを意味しており、省スペースと軽量、低コストであ
り、大きな利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変形検知構成システム
【図2】フォトダイオード利用光強度センサー回路図
【図3】光ファイバー端部斜め研磨
【図3】織物複合材料による光ファイバー接合方法
【図5】光ファイバーとフォトダイオード固定治具
【図6】光ファイバー固定治具断面
【図7】EL利用変形検知構成システム
【図8】遠隔光源利用変形検知構成システム
【図9】90°層単層試験片の透過光強度変化
【図10】0°層単層試験片の透過光強度変化
【図11】透過光強度変化と厚さ方向ひずみの関係
【図12】EL素子を用いた曲げひずみ検出装置
【図13】曲げひずみ−透過光強度変化関係測定結果
【符号の説明】
1:負荷方位と繊維0°方位 2:板厚方位 3:光透過繊維強化複合材料 4:光源用光ファイバー 5:透過光集光光ファイバー 6:参照光用光ファイバー 7:LED 8:LED差動回路 9:透過光用光センサー 10:参照光用光センサー 11:透過光用増幅回路 12:参照光用増幅回路 13:差動増幅回路 14:出力 15:斜め研磨光ファイバー端部断面図 16:斜め研磨部 17:光ファイバー方位強化繊維 18:光ファイバー直角方位強化繊維 19:斜め研磨光ファイバー端部断面図 20:光透過繊維強化複合材料 21:光ファイバー 22:フォトダイオード 23:L字型固定台 24:V溝付き光ファイバー固定台 25:六角ボルト 26:六角ナット 27:光ファイバー固定具 28:固定ボルト用穴 29:EL素子 30:EL発光用回路 31:光源 32:ガラス/エポキシ複合材料90°層 33:ガラス/エポキシ複合材料0°層 34:片持ち梁支持治具上 35:片持ち梁支持治具下
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月21日(2000.7.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変形検知構成システム
【図2】フォトダイオード利用光強度センサー回路図
【図3】光ファイバー端部斜め研磨
【図4】織物複合材料による光ファイバー接合方法
【図5】光ファイバーとフォトダイオード固定治具
【図6】光ファイバー固定治具断面
【図7】EL利用変形検知構成システム
【図8】遠隔光源利用変形検知構成システム
【図9】90°層単層試験片の透過光強度変化
【図10】0°層単層試験片の透過光強度変化
【図11】透過光強度変化と厚さ方向ひずみの関係
【図12】EL素子を用いた曲げひずみ検出装置
【図13】曲げひずみ一透過光強度変化関係測定結果 記号の説明 1:負荷方位と繊維0°方位 2:板厚方位 3:光透過繊維強化複合材料 4:光源用光ファイバー 5:透過光集光光ファイバー 6:参照光用光ファイバー 7:LED 8:LED差動回路 9:透過光用光センサー 10:参照光用光センサー 11:透過光用増幅回路 12:参照光用増幅回路 13:差動増幅回路 14:出力 15:斜め研磨光ファイバー端部断面図 16:斜め研磨部 17:光ファイバー方位強化繊維 18:光ファイバー直角方位強化繊維 19:斜め研磨光ファイバー端部断面図 20:光透過繊維強化複合材料 21:光ファイバー 22:フォトダイオード 23:L字型固定台 24:V溝付き光ファイバー固定台 25:六角ボルト 26:六角ナット 27:光ファイバー固定具 28:固定ボルト用穴 29:EL素子 30:EL発光用回路 31:光源 32:ガラス/エポキシ複合材料90°層 33:ガラス/エポキシ複合材料0°層 34:片持ち梁支持治具上 35:片持ち梁支持治具下

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、当該光源から放射される光を受光
    可能な位置と方位に設置した光強度検出装置の間に、負
    荷方位と交点をなす方位に少なくとも一部の繊維が配置
    された光透過繊維強化複合材料を、当該光源から当該光
    強度検出装置に対して放射された光が当該光透過繊維強
    化複合材料の負荷方位と交点をなす方位に設置し、当該
    光透過繊維強化複合材料の負荷による変形時の透過光強
    度変化を用いて当該光透過繊維強化複合材料の変形を検
    出する変形検出装置。
  2. 【請求項2】請求請1記載の変形検出装置において、光
    透過繊維強化複合材料の負荷による変形時の透過光強度
    変化から、変形ひずみと透過光強度変化の対応関係を求
    め、当該対応関係を用いて透過光強度変化からひずみを
    測定する変形検出装置。
  3. 【請求項3】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光源として光透過繊維強化複合材料に当該光透過
    繊維強化複合材料の負荷方位と交点をなす方位に光を放
    射する方位に結合されたエレクトロルミネッセンス面発
    光素子を用いた変形検出装置。
  4. 【請求項4】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光伝導装置を用いて光源から光を引き回し、光透
    過繊維強化複合材料に当該光伝導装置を結合させ、光伝
    導装置から放射する光を当該光透過繊維強化複合材料中
    に透過させる変形検出装置。
  5. 【請求項5】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光透過繊維強化複合材料に半導体発光素子を結合
    させ、当該半導体発光素子から放射する光を当該光透過
    繊維強化複合材料中に透過させる変形検出装置。
  6. 【請求項6】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光透過繊維強化複合材料に光強度検出装置を結合
    させ、当該光透過繊維強化複合材料中を透過する光強度
    変化を測定する変形検出装置。
  7. 【請求項7】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光透過繊維強化複合材料に光伝導装置を結合さ
    せ、当該光透過繊維強化複合材料中透過する光を光伝導
    装置に集光して、当該集光された光強度変化を光伝導装
    置に結合された光強度検出装置で測定する変形検出装
    置。 【請求請8】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光源が光透過繊維強化複合材料から離れて存在
    し、当該光透過繊維強化複合材料の光源側表面から参照
    光を得て、当該光透過繊維強化複合材料の少なくとも一
    部を透過した光を得て、負荷時の参照光と透過光の光強
    度差を測定することにより変形を検出する変形検出装
    置。 【請求請9】請求請1および2記載の変形検出装置にお
    いて、光透過繊維強化複合材料の光源側から参照光を得
    て、当該光透過繊維強化複合材料の厚さ方向の少なくと
    も一部を透過した透過光を得て、負荷時の当該参照光と
    当該透過光の光強度差を測定することにより変形を検出
    する変形検出装置。 【請求請10】請求請1および2記載の変形検出装置に
    おいて、光透過繊維強化複合材料に光源を結合し、当該
    光源から参照光を得て、当該光透過繊維強化複合材料の
    内部に当該光源を当該光透過繊維強化複合材料表面反射
    する方位に光反射材を結合し、当該反射材を反射した透
    過光を得て、負荷時の当該参照光と当該透過光の光強度
    差を測定することにより変形を検出する変形検出装置。
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