JP2001329389A - 電解槽 - Google Patents

電解槽

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JP2001329389A
JP2001329389A JP2000145951A JP2000145951A JP2001329389A JP 2001329389 A JP2001329389 A JP 2001329389A JP 2000145951 A JP2000145951 A JP 2000145951A JP 2000145951 A JP2000145951 A JP 2000145951A JP 2001329389 A JP2001329389 A JP 2001329389A
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chamber
electrolytic cell
electrode chamber
anode
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JP2000145951A
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Kenji Aoki
健二 青木
Hitoshi Matsui
仁司 松井
Seiichi Shiragami
誠一 白神
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】大型のイオン交換膜法アルカリ金属塩水溶液電
解槽の電極室内電解液の内部循環を良好にし、長期間の
電解における電流効率の維持とイオン交換膜寿命の維持
を図る 【解決手段】電極室枠下部の液供給口に、該供給液を駆
動流体とするエゼクターを設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属塩水
溶液の電解に用いる電解槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ金属塩水溶液の電解によ
る水酸化アルカリ金属の製造、特に塩化ナトリウム水溶
液の電解により、水酸化ナトリウム及び塩素を製造する
方法として、陽イオン交換膜により、陽極室と陰極室と
を区分し、陽極室には陽極を、陰極室には陰極をそれぞ
れ存在させ、陽極室にアルカリ金属塩水溶液を、又陰極
室にアルカリ金属水酸化物水溶液を満たして、両電極間
に直流電流を通し、電解を行う方法及びそれに用いられ
るイオン交換膜電解槽は、周知である。
【0003】イオン交換膜電解槽にあっては、陽極室と
陰極室とを交互に直列に配置し、その両端から直流電流
を印加する複極式(バイポーラ)電解槽と、陽極室と陰
極室とは互いに陽イオン交換膜を介して対立する位置に
存在するが、各陽極室及び陰極室は、それぞれ電気的に
並列に配置された構造の単極式(モノポーラ)電解槽と
が工業的に用いられる。
【0004】これらの電解槽は、一般的に陽極室と陰極
室を構成する単位電解槽(ユニットセル)を多数配列し
て用いられるため、各ユニットセルは、その上壁面、下
壁面及び両側壁面が−体に成形された矩形の電極室枠
(室内に存在する電極の種類によって、陽極室枠或いは
陰極室枠ということもある)と、その中に収納された電
極とより主として構成されている。
【0005】モノポーラ式の電解槽では、一般に電極室
枠の両開口面に陽極(又は陰極)を設置した構造であ
り、バイポーラ式の電極室は、陽極室と陰極室とが−枚
の隔壁を挟んで背中合わせに一体化した構造とし、隣り
合った陰極室(又は陽極室)との間でユニットセルを構
成する。バイポーラユニットセルの場合も電極室枠の開
口面にそれぞれ陽極及び陰極が設置されている。
【0006】モノポーラ式電解槽にしろ、バイポーラ式
電解槽にしろ、陽極室と陰極室とは陽イオン交換膜を介
して対立した構造である。又陽極室には、アルカリ金属
塩、例えば塩化ナトリウムの水溶液が、該室の底部側壁
隅(電極室枠の下角部近傍)の塩水溶液供給口から導入
され、電解を行った後、電極室枠の上部近傍の側壁に設
けられた塩水溶液の排出口から排出される。
【0007】他方、陰極室にあっては、アルカリ金属水
酸化物例えば水酸化ナトリウムの稀薄な水溶液又は場合
によっては水を、同様に陰極室枠側壁の下部角近傍から
供給し、上部角近傍から濃厚なアルカリ金属水酸化物水
溶液を排出する。
【0008】本発明においては、電極とは陽極又は陰極
或いは、それらの両方を指称し、電極室とは陽極室又は
陰極室或いは、それらの両方を意味するものとする。
又、液供給口とは、陽極室にあっては、アルカリ金属塩
水溶液の供給口を意味し、陰極室にあっては、水又は水
酸化アルカリ金属水溶液の供給口を意味する。同様に、
液排出口とは、陽極室においては、電解を行った後のア
ルカリ金属塩水溶液及び場合によっては該電解により生
成した気体、例えば塩化ナトリウムの電解にあっては塩
素ガスの排出口であり、又陰極室においては、電解によ
り生成した水酸化アルカリ金属水溶液及び場合によって
は該電解により生成した気体、一般に水素ガスの排出口
を意味する。
【0009】更に、電解槽とは、特に説明を付加しない
限り、モノポーラ式及びバイポーラ式の両方を指称する
ものとする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電極室が前記の如き構
造にある電解槽を用いて電解を実施する場合において、
陽極室内のアルカリ金属塩水溶液の濃度分布は、該アル
カリ金属塩水溶液が陽極室内に供給された直後の、上記
アルカリ金属塩水溶液の供給口近傍で最も高濃度とな
り、電解処理を受けた上記陽極液の排出口近傍で最も低
濃度となる。その場合、このアルカリ金属塩水溶液の供
給口近傍に位置するアルカリ金属塩水溶液の高濃度域で
は、安定した電解が行えない問題があった。即ち、陽イ
オン交換膜の性能や寿命は陽極液中のアルカリ金属塩の
濃度に大きく影響されるため、アルカリ金属塩水溶液の
高濃度域では、電解中に経時的に電流効率が低下し充分
な電解が行えなくなる。
【0011】同様に、陰極室にあっては、液排出口近辺
でアルカリ濃度が最も高くなり、陽イオン交換膜の性能
や寿命に悪影響を及ぼす。こうしたことから、陽極室及
び(又は)陰極室内液(電解液ともいう)の濃度は、可
及的に均一とすることが重要となる。
【0012】しかしながら、ユニットセルの通電部面積
(有効面積)が大きくなる程、また電解電流密度が大き
くなる程上記好ましくない濃度の分布が増大する。そこ
で係る傾向を緩和する手段の一つとして、電解液の循環
用タンクを外部に設け、強制的に大量の電解液を電解槽
との間で外部循環しながら電解する方法も採られてい
る。しかし、この方法では大量の電解液を循環するため
の給排液管やポンプ等の付帯設備の容量が大きくなる欠
点がある。
【0013】他の方法として、電極室の上部に気液分離
器を設け、分離された電解液を、案内管によって電極室
下部に導く構造とした、電極室内液の内部循環を促進す
る方法も提案されている。このタイプとして、特開昭5
6−3688号公報には、陽極室の上方に該陽極室に接
続された気液分離槽を別に設け、陽極室上部の陽極液と
気体の混合物を該気液分離槽に導入し、気液分離された
陽極液をこの気液分離槽と直結して吊設される下降流案
内管により降下させることが示されている。
【0014】しかしながら、かかる陽極室は、陽極室の
有効面とは別に気液分離槽が設けられた複雑な構造であ
り、製作が容易ではない上、装置が大型化する問題があ
る。また、陽極室におけるアルカリ金属塩水溶液の濃度
分布の不均一さは、単に上下方向での濃度の偏りだけで
なく、水平方向での濃度の偏りが大きいから、かかる陽
極室でも、陽極室内のアルカリ金属塩水溶液の濃度分布
の均一化は充分ではなかった。
【0015】また、特開昭54−77284号公報に
は、陽極室枠、陰極室枠上方に、陽極室又は陰極室と複
数個所で連通する筒状の気液分離器を夫々設け、該気液
分離器で気液分離した液の一部をみかけ比重差によって
電極室枠の側部中空部を通して流下させ、下部中空部を
通じて、電極室底部に供給する構造が提案されている。
しかしながら、上記同様、室枠の上部に気液分離器が設
けられた複雑な構造である点は変わらない。
【0016】また、特開平6−220677号公報に
は、陽極室内の通電部の上部に、該通電部を水平方向に
連通する気液分離樋が陽極との間に間隙を有して設けら
れ、末端が陽極室下部に設けられたアルカリ金属塩水溶
液の供給口近傍に開口する陽極液の下降管が該気液分離
樋に接続された構造の電解槽陽極室が示されている。
【0017】以上説明した外部循環方式及び(又は)内
部循環方式の電解槽において共通する問題点は、電解槽
が、例えば3m2以上の有効面積を持つ大型の電解槽で
あったり、また更に45A/dm2以上の大電流密度に
よる電解槽であったりする場合、充分な電極室内液の均
一化が得難いことにある。この傾向は特に陽極室におい
て著しいものであった。
【0018】以上の背景から、簡単な構造で、電解時に
おける電極室内液の濃度分布が充分に均一化でき、安定
して電解を実施することができる電解槽電極室の開発が
望まれていた。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記問題に鑑み本発明者
らは、鋭意研究を続けてきた。その結果、電極室液の供
給口にエゼクターを設けることにより、上記問題が解決
できることを見出し本発明を提案するに至った。
【0020】即ち、本発明は電極室枠の側壁下部に液供
給口を、上部に液排出口をそれぞれ有するイオン交換膜
法アルカリ金属塩の電解槽において、該液供給口は供給
する液を駆動流体とし、電解槽内液を二次流体とするエ
ゼクターとして構成されていることを特徴とする電解槽
である。
【0021】特に、液排出口と液供給口とが同じ側の側
壁に設けられている場合やエゼクターの二次流体吸入口
が電極室の有効高さの1/2よりも高い位置に開口して
いる場合に効果が大きい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の最大の特徴は、電極室に
供給する供給液をエゼクターの駆動流体としてノズルか
ら噴出させ、電極室内液を二次流体として吸引し、これ
らの両液体混合物をデフューザーから電極室下部に吐出
させることによって、電極室内液を内部循環させること
にある。
【0023】このために用いられる電極室への供給液
は、電極室液の外部循環液と、新たな供給液、所謂メイ
ク・アップ液の両方の混合液又はその一方の液体であ
り、陽極液の場合、電解槽の効率を高めるためにはメイ
ク・アップ塩水のみとして、外部循環を実質的に行わな
い方法が特に好ましい。
【0024】また、電極室内液の内部循環を一層良好に
行うには、電極室上辺部に気液分離器を付設し、分離さ
れた電解液を案内管を用いてエゼクターの二次流体の吸
入口近辺に放出させることも好ましい態様となる。この
場合、電極室の構造は電極室上辺部に気液分離器を有
し、該気液分離器から分離された液体を電極室下部に誘
導する案内管が下方に伸びその先端がエゼクターの二次
流体の吸入口付近に開口していれば、気液分離器の構造
は、どのようなものであってもよいが、構造の簡便な、
電極室内上部に樋状の気液分離器を設けた例えば特開平
6−220677号公報等に開示されているような構造
のものが特に好ましい。
【0025】以下、図を用いて本発明をバイポーラ電解
槽の陽極室を例として、詳細に説明するが、本発明はモ
ノポーラ電解槽であっても、また陰極室についても適用
できる。各図において、同じ符号は、同一部分を表す。
【0026】図1は、電解槽陽極室を陽極が設けられた
室枠の開口面方向からみた正面図である。1は陽極室枠
であり、該室枠の一方の開口面は隔壁2で遮蔽され、他
方の開口面には陽極3が設けられている。また、陽極3
の背後には伝導リブ4が設けられている。こうした陽極
室は、電解槽中では、陽極3が設けられている開口面で
陽イオン交換膜を介して陰極室と隣接し、1ユニットの
電解槽が形成される。
【0027】該陽極室枠1の一方の側壁の下部にアルカ
リ金属塩水溶液の供給口5が設けられ、側壁の上部に
は、電解を受けた後のアルカリ金属塩水溶液の排出口6
が設けられている。本発明においては、前記アルカリ金
属塩水溶液の供給口5の先端部がノズル7となり、その
先にデフューザー8が存在する。また一般に吸引室9及
び吸入口10が付設されていることが好ましいが、特に
必須の構成ではない(なお、ノズルとデフューザーのみ
の場合は、その両者の間隙部から二次流体が吸引される
ことになり、その間隙が吸入口と見ることもできる)。
【0028】図2は、液供給口の先端、エゼクター部の
断面の一例である。図2においては、電極室への供給液
は供給口5から、駆動流体(一次流体)として供給さ
れ、ノズル先端7から勢いよく噴出し、その周囲に負圧
を形成する。このため吸引室9内の二次流体(電解液)
が一次流体に引き込まれて、デフューザー8から混合物
として吐出する。他方吸引室9には、電極室内の高い位
置に開口した吸入口10より電解液が吸い込まれる。勿
論本発明におけるエゼクターの構造は、図2の構造に限
られるものでなく、公知のエゼクターの構造が何ら制限
されることなく適用できる。図3、図4及び図5は、そ
れぞれエゼクターの例示である。図3は、吸引室が存在
しない形態で、ノズル7とデフュザー8の末端部との間
を吸入口10としたものである。
【0029】図4は、特にデフューザー8が直管状の態
様であり最も簡単な形態で、製作上有利となる。図5
は、ノズルを多段にした形態で、二次流体の吸引効率が
高いため、効率的に有利となる。
【0030】図6は、電極室上辺部に気液分離器を付設
した場合の例で、(a)は図1と同様に陽極室の正面視
の一部を示した図であり、(b)はその直角方向から見
た断面部分図である。図中11は、電極室上辺部に設け
られた樋状の気液分離器であり、12は該気液分離器に
よって分離された電解液を電極室下部に誘導する案内管
であり、その末端はエゼクターの吸引口10の近傍に開
口している。勿論該末端を吸入口に直結することも可能
である。但し、その場合電極室上部の気泡を巻き込む可
能性があるので、運転条件を充分注意しなければならな
い。
【0031】本発明の電極室は、特に電解液の外部循環
を行わない電解槽の陽極室として用いる場合に有利であ
る。更に、好ましいエゼクターの構造の一例を示すと、
液吸入口10の吸込み側の断面積は液供給口先端ノズル
7の断面積の100〜300倍、液供給に近い方の吸込
み断面積は10〜50倍が好ましい。液吸入口10の開
口部の高さ制限は特にないが、通電部の有効高さの50
%〜80%程度の位置が好ましい。デフュザー先端の吐
出口の断面積はノズル先端断面積の3〜15倍が好まし
い。
【0032】また、エゼクターを構成する部材の材質
は、当然電解液に耐性でなければならず、陽極室にあっ
てはチタン材、テフロン(登録商標)などが、また陰極
室にあってはニッケル、軟鋼、テフロン等が一般に用い
られる。更にエゼクターの吐出方向は、電極室下部にお
いて水平方向に対向する電極室枠側壁に向けて行うこと
により横方向の濃度分布をなくし、均一濃度とすること
ができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の電解槽は、電解時における電極
室内の電解液の濃度分布を上下方向及び水平方向に均一
化させ、安定した状態で電解を行うことができる。特
に、その性能や寿命が陽極液中のアルカリ金属塩の濃度
に大きく影響される陽イオン交換膜を隔膜とする電解槽
の場合、本発明の陽極室を採用することにより、長時間
電流効率を低下させることなく効率的に電解を実施する
ことができ、極めて有用である。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を揚げて本発明を説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0035】実施例1 陽極室、陰極室ともに図1に示す構造であって、通電部
となる電極室枠の開口部は縦140cm、横234cm
の大きさで、陽極と隔壁の間に形成される陽極室の厚み
は、4cmであるバイポーラ電解槽の1ユニットセルを
用いる。
【0036】対立する陽極室と陰極室との間はパーフル
オロカーボン系陽イオン交換膜(ナフィオンN−98
1)で区画し、陽極は剛性のあるチタン製のパンチドメ
タルに活性物質を被服したものを用い、陰極は、線径
0.15mm、開口率68%のニッケル網にNi3Sn2
の合金メッキを施した柔軟な網であり、その後にニッケ
ル製の線径0.08mmワイヤーの編物をクリンプした
弾性体よりなる集電マットを介してニッケル多孔板より
なる集電体に接続されている。
【0037】気液排出管は電極室内上端から3cmの位
置に設けた。また、液供給口は断面積が20mm2、図
2に示めすエゼクター部のデフュザー先端の断面積はノ
ズル先端断面積の7倍、液吸入口の先端部の断面積はノ
ズル先端断面積の250倍、吸入側高さは通電部の70
%の位置に開口したものを採用した。
【0038】上記構造の陽極室に供給する液量は、35
0リットル/時間の量で供給した。かかる電解槽を用
い、電流18.9KA(電流密度60A/dm2)、電
解温度88℃、苛性濃度33%、塩水濃度195g/
l、陽極室内圧力1KPa、陰極室内圧力4KPaで電
解を行った。この電解における電流効率は、1年間の運
転で、初期値96%を維持し、電解後の膜も何ら異常が
見られなかった。また、アルカリ金属塩水溶液の供給口
から水平方向に20cm離れた位置と陽極液排出口から
10cm離れた位置の陽極液を採取し、その塩化ナトリ
ウムの濃度差を求めたところ、20g/lであった。
【0039】比較例1 実施例1において、液供給口先端にエゼクターを設けな
い以外は、実施例1と同様にして電解を行った。この電
解における電流効率は、1年間の運転で、初期値96%
が94.5%まで低下し、電解後の膜は、アルカリ金属
塩水溶液の供給口近傍にボイドの発生が見られた。ま
た、この時の陽極室内の濃度差は55g/lであった。
【0040】実施例2 陽極室、陰極室ともに図6に示す構造であって、通電部
となる電極室枠の開口部は縦140cm、横234cm
の大きさで、陽極と隔壁の間に形成される陽極室の厚み
は、4cmであるバイポーラ電解槽の1ユニットを用い
る。
【0041】対立する陽極室と陰極室との間はパーフル
オロカーボン系陽イオン交換膜(ナフィオンN−98
1)で区画し、陽極は剛性のあるチタン製のパンチドメ
タルに活性物質を被服したものを用い、陰極は、線径
0.15mm、開口率68%のニッケル網にNi3Sn2
の合金メッキを施した柔軟な網であり、その後にニッケ
ル製の線径0.08mmワイヤーの編物をクリンプした
弾性体よりなる集電マットを介してニッケル多孔板より
なる集電体に接続されている。気液分離樋は、断面積が
22cm2で、深さが9cmのものを用いた。
【0042】また、この気液分離樋は、室枠から1.5
cmの部分に樋の上端開口部が位置し、且つ陽極との間
に1cmの間隙が形成されるように設けた。一方、かか
る気液分離樋に接続させる陽極液の案内管としては、断
面積が20cm2のものを使用した。この陽極液の末端
開口部は、供給口から水平方向に2cm離れた場所に設
置した。また、流路方向の開口部の断面積を25cm2
にした。エゼクターは図4に示す構造で、エゼクターの
デフュザーの断面積は液供給口のノズル断面積の10倍
で、デフュザーとノズル先端部との距離は30mmのも
のを採用した。
【0043】上記構造の陽極室に供給する塩化ナトリウ
ムの濃度は、310g/リットルで、電流19.7KA
(電流密度60A/dm2)、電解温度88℃、苛性濃
度33%、塩水濃度195g/l、陽極室内圧力1KP
a、陰極室内圧力4KPaで電解を行った。この電解に
おける電流効率は、1年間の運転で、初期値96%を維
持し、電解後の膜も何ら異常が見られなかった。また、
アルカリ金属塩水溶液の供給口から水平方向に20cm
離れた位置と陽極液排出口から10cm離れた位置の陽
極液を採取し、その塩化ナトリウムの濃度差を求めたと
ころ、15g/lであった。
【0044】比較例2 実施例2において、液供給口先端にエゼクターを設けな
い以外は、実施例2と同様にして電解を行った。この電
解における電流効率は、1年間の運転で、初期値96%
が95%まで低下し、電解後の膜は、中央部の底部付近
に一部ボイドの発生が見られた。また、この時の陽極室
内の濃度差は30g/lであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の代表的態様にある電解槽陽極室を、
室枠の中空面からみた正面図である。
【図2】は本発明の代表的態様にあるエゼクターの断面
図である。
【図3】,
【図4】,
【図5】は本発明の別の態様にあるエゼクターの断面図
である。
【図6】は本発明において、電極室上辺部に気液分離器
を付設した態様の電解槽陽極室の説明図である。
【符号の説明】
1 電極室枠 2 隔壁 3 陽極 4 伝導リブ 5 電解液供給口 6 電解液排出口 7 エゼクターのノズル 8 エゼクターのデフュザー 9 エゼクターの吸引室 10 エゼクターの二次流体吸入口 11 気液分離器 12 気液分離器から下降流を誘導するための案内管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極室枠の側壁下部に液供給口を、上部に
    液排出口をそれぞれ有するイオン交換膜法アルカリ金属
    塩の電解槽において、該液供給口は供給する液を駆動流
    体とし、電極室内液を二次流体とするエゼクターとして
    構成されていることを特徴とする電解槽。
  2. 【請求項2】液排出口と液供給口とが、同じ側の側壁に
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の電解
    槽。
  3. 【請求項3】エゼクターの二次流体吸入口が、電極室の
    有効高さの1/2よりも高い位置に開口していることを
    特徴とする請求項1または2記載の電解槽。
  4. 【請求項4】電極室上辺部に気液分離器を有し、該気液
    分離器から分離された液体を電極室下部に誘導する案内
    管が下方に伸びその先端がエゼクターの二次流体の吸入
    口付近に開口していることを特徴とする請求項1または
    2記載の電解槽。
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