JP2001324656A - 光ファイバコード - Google Patents

光ファイバコード

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JP2001324656A
JP2001324656A JP2000143106A JP2000143106A JP2001324656A JP 2001324656 A JP2001324656 A JP 2001324656A JP 2000143106 A JP2000143106 A JP 2000143106A JP 2000143106 A JP2000143106 A JP 2000143106A JP 2001324656 A JP2001324656 A JP 2001324656A
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JP
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optical fiber
jacket
inner layer
fiber cord
electron beam
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JP2000143106A
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English (en)
Inventor
Koji Iwata
浩治 岩田
Kunio Negishi
邦夫 根岸
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線照射により樹脂からなるジャケットの
耐熱性を向上させる際に、ジャケットの絶縁破壊を防ぐ
ことができる光ファイバコードを提供する。 【解決手段】 光ファイバ心線12に樹脂からなるジャ
ケット13が施され、前記ジャケット13は耐熱性を向
上させるために電子線が照射された光ファイバコード1
1において、前記ジャケット13は、少なくとも照射電
子線の最大飛程に位置する内層13aとその外側の外層
13bからなる積層された複数の層で構成され、前記内
層13aの体積固有抵抗が前記外層13bの体積固有抵
抗よりも小さく、かつ、1×1012Ω・cm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性を有する光フ
ァイバコードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光ファイバコードは、例えば図3
に示すように、光ファイバ心線2の上にポリエチレンや
ポリ塩化ビニールなどからなるジャケット3を被覆し、
外径を約2〜3mmとした構造をしている。光ファイバ
心線2としては、アクリル樹脂などからなるコアを用い
たプラスチック光ファイバ心線や、石英ガラスをコアに
用い、ナイロンで保護被覆したガラス光ファイバ心線が
用いられている。
【0003】上述の光ファイバコード1は、耐熱性がな
く、80℃より高い温度での使用には問題があった。そ
こで、耐熱性を要する場合には、光ファイバ心線2の材
料に耐熱性を有するものを用い、ジャケット3にもフッ
素樹脂などの耐熱性のある材料を使用している。しかし
ながら、フッ素樹脂からなるジャケット3を用いると、
フッ素樹脂は高価な樹脂であり、また、可撓性がないた
め、光ファイバコード1を小さな曲率半径で曲げたり、
捩じると、折れたり、伝送ロスが大きくなる。そこで、
電子線などの放射線をポリエチレンなどの安価な樹脂か
らなるジャケット3に照射して、架橋によりジャケット
3の耐熱性を向上させている。この際、光ファイバ心線
2のコアに放射線を照射すると、コアがプラスチックで
もガラスでも、伝送ロスが増大するので、光ファイバ心
線2に到達しないように照射をしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ジャケット
3に電子線を照射すると、この電子線が原因で発生した
過剰電子がジャケット3内に蓄積し、ジャケット3や光
ファイバ心線2を絶縁破壊するという問題があった。こ
の現象(絶縁材料に電子線を照射した際の蓄積電荷の挙
動)ついては、以下のように説明されている(下記文献
参照)。 文献:電気学会、絶縁材料研究会資料(1975年5月
27日)
【0005】即ち、ポリエチレンに照射された電子線は
樹脂中で架橋反応を起こさせるが、その反応密度は、電
子線の透過深さ方向に例えば図4に示される曲線D(De
pthDose Curveと称される)のように変化する。図中、
Rは反応密度が零になる点であって、最大飛程(照射さ
れた電子が到達する最大深さ)を示す。また、電子線が
照射されている間のポリエチレンの導電率(放射線誘起
伝導度と称される)は比較的大きく、そのときの体積抵
抗は、1×10-4Ω・cm程度である(因みに、ポリエ
チレンの体積固有抵抗は、1×1018Ω・cm程度)。
したがって、電子線照射中の過剰電子はかなり自由に樹
脂中を動き、過剰電子による電荷密度は透過深さ方向に
図4に示される曲線Cのように分布する。図4では、5
00keVでの電子線照射で、電荷密度が深さ約1.3
mmのところで最大になり、この位置の電位がもっとも
低くなっている。照射が終了した直後には、1.3mm
よりも浅い位置(照射側)にある電荷はこの電位差によ
ってポリエチレン表面に追いやられ、外部に放散され
る。一方、1.3mmよりも深い位置にある電荷は、最
大飛程Rの位置に追いやられて、そこに集まり、最大飛
程Rの位置がもっとも電位が下がる。そして、ポリエチ
レンの照射表面と最大飛程Rの間の電界強度がポリエチ
レンの絶縁破壊電界強度よりも大きくなると、絶縁破壊
が発生する。
【0006】本発明は、電子線照射により樹脂からなる
ジャケットの耐熱性を向上させる際に、ジャケットの絶
縁破壊を防ぐことができる光ファイバコードを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバ心
線に樹脂からなるジャケットが施され、前記ジャケット
は耐熱性を向上させるために電子線が照射された光ファ
イバコードにおいて、前記ジャケットは、少なくとも照
射電子線の最大飛程に位置する内層とその外側の外層か
らなる積層された複数の層で構成され、前記内層の体積
固有抵抗が前記外層の体積固有抵抗よりも小さく、か
つ、1×1012Ω・cm以下であることを特徴とするも
のである。
【0008】本発明は、鋭意実験的に検討した結果とし
て得られたものである。即ち、ポリエチレン(体積固有
抵抗:1×1018Ω・cm程度)のように体積固有抵抗
が大きい汎用樹脂からなる絶縁材料では、電子線照射に
より最大飛程に集まった過剰電子による電荷が移動しに
くい。そのため、ジャケットの最大飛程に位置する部分
に高い電界強度が発生し、絶縁破壊が生じる恐れがあっ
た。そこで、上述のように、ジャケットを積層された複
数の層で構成し、照射電子線の最大飛程に位置する内層
の樹脂の体積固有抵抗を外層の体積固有抵抗よりも小さ
く、かつ1×1012Ω・cm以下にすると、ジャケット
の最大飛程に位置する内層では電荷が移動し易くなり、
この内層における電界強度が小さくなり、電子線照射に
よる最大飛程に位置する部分の絶縁破壊を防ぐことがで
きる。ここで、照射電子線の最大飛程に位置する内層の
樹脂の体積固有抵抗を1×1012Ω・cm以下にした理
由は、以下の通りである。即ち、最大飛程に位置する内
層の体積固有抵抗が1×1012Ω・cmを超えると、通
常の光ファイバコードのジャケットに電子線を照射した
場合に、この内層に発生する電界強度が、安価な汎用樹
脂の絶縁破壊電界強度より大きくなる恐れがあるからで
ある。なお、ジャケットの最大飛程に位置する層の外側
の外層の樹脂材料は、光ファイバコードの使用環境に合
わせて、自由に選択することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は、本発明にかかる光ファイバコード
の一実施形態の断面説明図である。図1において、光フ
ァイバコード11は、外径1mmの光ファイバ心線12
の外側に、厚さ0.5mmのポリ塩化ビニルからなる内
層13aと厚さ0.8mmのポリ塩化ビニルからなる外
層13bとからなるジャケット13を施したものであ
る。
【0010】上記光ファイバコード11に500kVで
電子線を照射して、ジャケット13の耐熱性を向上させ
ると、最大飛程は内層13aの厚さの約中央部に位置す
る。ここで、内層13aの体積固有抵抗を外層13bよ
りも小さくし、絶縁破壊の有無を調べたところ、内層1
3aの体積固有抵抗を1×1012Ω・cm以下にする
と、内層13aに絶縁破壊が生じないことを確認でき
た。
【0011】上記実施形態では、電子線照射で生じた電
荷の一部はジャケット13の中の内層13aの厚さ方向
の中央付近(最大飛程)A点に蓄積し、その後、外層3
bよりも体積固有抵抗の小さい内層13a内を拡散して
半周し、A点の反対側のB点に達する。このA点とB点
との間の電界強度が破壊電界強度を超えると、内層13
aに絶縁破壊が生じる。A点とB点との間の内層13a
を通る半円周の距離は約2.4mm(1.5π×1/
2)であり、ポリエチレンなどの汎用樹脂の絶縁破壊電
界強度が数十kV/mmであることを考慮すると、A点
とB点との間の電位差が100kV程度を超えると絶縁
破壊が生じると推定される。言い換えると、内層13a
の体積固有抵抗を1×1012Ω・cm以下にすると、内
層13aに生じる電位差を100kV以下にすることが
できる。
【0012】(実施例1)図1において、光ファイバ心
線12は直径約1mmのポリカーボネートを主成分とす
る樹脂からなるプラスチック光ファイバ心線である。ま
た、ジャケット13の内層13aは厚さ0.5mmの半
導電性ポリエチレン(体積固有抵抗:1×103 Ω・c
m、比重:1.2)からなり、外層13bは厚さ0.7
mmのノンハロゲンポリオレフィン(体積固有抵抗:1
×1014Ω・cm、比重:1.6)からなる。
【0013】本実施例の光ファイバコード11に、電子
線加速器を用いて、500kV、吸収線量が約10Mr
adの電子線照射を行った。この照射において、最大飛
程はジャケット13の表面から約1.1mmの位置の箇
所となり、この箇所は内層13aの内部に位置し、照射
により内層13aに絶縁破壊は発生しなかった。
【0014】上記最大飛程は、以下のようにして求める
ことができる。即ち、500kV照射での最大飛程は、
図4(この場合、被照射体の比重1)に示すように、
1.6mmとなる。最大飛程は、被照射体の比重に反比
例する故、本実施例では、内層への最大透過深さをXと
すると、 1.6×0.7+1.2X=1×1.6 となり、X=0.4、ジャケット13表面からは0.7
+0.4=1.1mmとなる。
【0015】本実施例の光ファイバコード11は、外層
13bが十分に架橋していることから、自動車のエンジ
ンルーム内に配線しても、ジャケット13や光ファイバ
心線12が溶けてしまうことはなかった。
【0016】(実施例2)図2において、光ファイバ心
線12は、石英ガラスファイバにナイロンの保護被覆を
施した直径約0.9mmのガラス光ファイバ心線であ
る。光ファイバ心線12の外側には、アラミド繊維から
なるテンションメンバ14を施している。また、ジャケ
ット13の内層13aは厚さ0.35mmのポリ塩化ビ
ニル(体積固有抵抗:1×1011Ω・cm、比重:1.
3)からなり、外層13bは厚さ0.40mmのポリ塩
化ビニル(体積固有抵抗:3×1014Ω・cm、比重:
1.4)からなる。
【0017】本実施例の光ファイバコード11に、電子
線加速器を用いて、300kV、吸収線量が約5Mra
dの電子線照射を行った。この照射において、最大飛程
はジャケット13の表面から約0.6mmの位置の箇所
となり、この箇所は内層13aの内部に位置し、照射に
より内層13aに絶縁破壊は発生しなかった。
【0018】上記最大飛程は、以下のようにして求める
ことができる。即ち、300kV照射での最大飛程は、
比重1の被照射体(例えば水中)で約0.8mmとな
る。そこで、本実施例では、内層13aへの最大透過深
さをXとすると、 1.4×0.4+1.3X=1×0.8 となり、X=0.2、ジャケット13表面からは0.4
+0.2=0.6mmとなる。
【0019】本実施例の光ファイバコード11は、工作
機械などの周りで制御用に使用されるが、外層13bが
十分に架橋していることから、切削油や溶剤が触れて
も、ジャケット13が膨れたり、溶けてしまうことはな
かった。
【0020】なお、以上の実施例は、本発明を具体化し
た一例であって、本願発明の技術的範囲を限定するもの
ではない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子線照射により樹脂からなるジャケットの耐熱性を向上
させる際に、ジャケットの絶縁破壊を防ぐことができる
という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバコードの一実施形態の
断面説明図である。
【図2】本発明に係る光ファイバコードの一実施例の断
面図である。
【図3】従来の光ファイバコードの断面図である。
【図4】電子線の絶縁体中への透過深さと架橋反応密度
および電荷密度の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 光ファイバコード 12 光ファイバ心線 13 ジャケット 13a 内層 13b 外層 14 テンションメン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線に樹脂からなるジャケッ
    トが施され、前記ジャケットは耐熱性を向上させるため
    に電子線が照射された光ファイバコードにおいて、前記
    ジャケットは、少なくとも照射電子線の最大飛程に位置
    する内層とその外側の外層からなる積層された複数の層
    で構成され、前記内層の体積固有抵抗が前記外層の体積
    固有抵抗よりも小さく、かつ、1×1012Ω・cm以下
    であることを特徴とする光ファイバコード。
JP2000143106A 2000-05-16 2000-05-16 光ファイバコード Pending JP2001324656A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349002A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Hitachi Chem Co Ltd 輸送機用配線部材およびその製造方法
JP2007322629A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Mitsubishi Cable Ind Ltd 車載用光ファイバケーブル
WO2011102418A1 (ja) 2010-02-22 2011-08-25 旭化成クラレメディカル株式会社 医療用具及び中空糸膜型医療用具

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