JP2001324420A - 回転機械の翼の振動予測方法及びその装置 - Google Patents

回転機械の翼の振動予測方法及びその装置

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JP2001324420A
JP2001324420A JP2000144839A JP2000144839A JP2001324420A JP 2001324420 A JP2001324420 A JP 2001324420A JP 2000144839 A JP2000144839 A JP 2000144839A JP 2000144839 A JP2000144839 A JP 2000144839A JP 2001324420 A JP2001324420 A JP 2001324420A
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actual
vibration
vibration mode
blade
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JP2000144839A
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Kazuishi Mori
一石 森
Yasutomo Kaneko
康智 金子
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転機械の翼、特に薄形翼に作用する振動・
応力を正確に推定することができる回転機械の翼の振動
予測方法を提供する。 【解決手段】 固有振動数で実翼を加振して求めたその
変位分布である振動モードのデータ(ステップS1、S
2)と、公差零の基準翼の数値解析により求めた(ステ
ップS3、S4)その固有振動数及びこの固有振動数で
の振動モードのデータとを比較することにより、実翼の
振動モードを基準翼の複数の振動モードの線形結合とし
て表現し、基準翼の振動モードの重ね合わせ比率を求め
る(ステップS5)とともに、基準翼の数値解析に基づ
く応力分布(ステップS6)と重ね合わせ比率とに基づ
き個体差を有する実翼の応力分布を予測(ステップS
7)するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は回転機械の翼の振動
予測方法及びその装置に関し、特に航空エンジン用ファ
ンの動翼や、ガスタービンのコンプレッサの動翼等、超
薄形翼の振動予測に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】航空エンジン用ファンの動翼や、ガスタ
ービンのコンプレッサの動翼等では、その性能向上を図
るため、低アスペクト比の超薄形翼が採用されつつあ
る。かかる超薄形翼では、翼先端がU形、S形、W形に
振動する高次モード(ストライプモード)のノズルウェ
ーク励振力等の翼列干渉力と共振して大きく応答するた
め、高性能で高信頼性の超薄形翼を開発するには、スト
ライプモードの応答予測手法を確立することが不可欠と
なる。 【0003】従来技術において回転機械の翼の信頼性を
検証する際には、数枚の翼に歪ゲージを貼付して負荷運
転中の振動応力を計測し、FEM解析から得られた応力
倍率を使用して翼に発生する最大振動応力等を推定して
きた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、超薄形翼の
ストライプモードは、通常10次以上の高次モードであ
り、僅かな形状誤差や翼の材料特性の違いにより振動モ
ードの連成(混在)が生じるため、翼毎にモード形状や
応答特性が大きく異なる。したがって、上述の如き従来
技術と同様に、FEM解析から得られた応力倍率を使用
して最大応力等を推定した場合には、この推定値は実際
に翼に作用する応力に対して大きな誤差を含むものとな
る。すなわち、従来技術においては、特に翼厚が薄くな
った場合、これに作用する最大振動応力を正確に推定す
ることが困難になるという問題を生起していた。 【0005】換言すれば、実際に翼を製作した場合、こ
の翼には必ず製作公差等が存在するが、翼厚が厚い場
合、かかる製作公差等に起因する上述の如き推定応力に
おけるその影響は、然程問題にならない。ところが、上
述の如き航空エンジン用ファンの動翼や、ガスタービン
のコンプレッサの動翼等に用いる超薄形翼の場合には、
上述の如き手法により求めた推定応力が、実際に翼に作
用する応力に対して大きな割合の誤差を含むものとな
り、信頼性の高い翼の開発が困難になる。 【0006】本発明は、上記従来技術に鑑み、回転機械
の翼、特に薄形翼に作用する振動・応力を正確に推定す
ることができる回転機械の翼の振動予測方法及びその装
置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成す
る本発明の構成は次の通りである。 【0008】1) 計測対象となる実翼の固有振動数を
検出し、この固有振動数の周波数で上記実翼を加振して
このときの実翼の変位分布である振動モードを計測する
一方、上記実翼に対応する設計上の翼である公差零の基
準翼の数値解析により、この基準翼の固有振動数とこの
固有振動数での振動モードとを求め、実翼の振動モード
と基準翼の振動モードとのデータを比較することにより
実翼の振動モードを、基準翼の複数の振動モードの線形
結合とみなして基準翼の複数の振動モードに分離するこ
とにより、基準翼の複数の振動モードの重ね合わせとし
て表現し、このときの重ね合わせ比率を求めることによ
り実翼の振動応答を予測すること。 【0009】2) 計測対象となる実翼の固有振動数を
検出し、この固有振動数の周波数で上記実翼を加振して
このときの実翼の変位分布である振動モードを計測する
一方、上記実翼に対応する設計上の翼である公差零の基
準翼の数値解析により、この基準翼の固有振動数とこの
固有振動数での振動モードとを求め、実翼の振動モード
と基準翼の振動モードとのデータを比較することにより
実翼の振動モードを、基準翼の複数の振動モードの線形
結合とみなして基準翼の複数の振動モードに分離するこ
とにより、基準翼の複数の振動モードの重ね合わせとし
て表現し、このときの重ね合わせ比率を求め、さらに基
準翼の数値解析により求めた応力モードと、上記重ね合
わせ比率とに基づき実翼の応力分布を予測すること。 【0010】3) 上記1)又は2)に記載する回転機
械の翼の振動及び応力分布の予測方法において、実翼の
固有振動数の検出は、実翼をハンマ等で叩きインパルス
状の衝撃力を与え、このときの振動特性を検出すること
により行うようにしたこと。 【0011】4) 上記1)又は2)に記載する回転機
械の翼の振動及び応力分布の予測方法において、実翼の
振動モードは、固有振動数の周波数で実翼を加振してこ
のときの実翼の変位分布をレーザドップラー法により計
測すること。 【0012】5) 計測対象となる実翼を固有振動数の
周波数で加振した場合のこの実翼の変位分布である振動
モードを表すデータと、上記実翼に対応する設計上の翼
である公差零の基準翼の数値解析により求めた、この基
準翼の固有振動数の周波数における振動モードを表すデ
ータとを入力するとともに、実翼の振動モードを基準翼
の複数の振動モードの線形結合とみなして両データを比
較することにより、基準翼の各振動モードに対する実翼
の振動モードの相関度を演算する相関度演算手段と、相
関度演算手段が演算した相関度を用いて基準翼の複数の
振動モードに対する実翼の振動モードの重ね合わせ比率
を演算する重ね合わせ比率演算手段とを有すること。 【0013】6) 計測対象となる実翼を固有振動数の
周波数で加振した場合のこの実翼の変位分布である振動
モードを表すデータと、上記実翼に対応する設計上の翼
である公差零の基準翼の数値解析により求めた、この基
準翼の固有振動数の周波数における振動モードを表すデ
ータとを入力するとともに、実翼の振動モードを基準翼
の複数の振動モードの線形結合とみなして両データを比
較することにより、基準翼の各振動モードに対する実翼
の振動モードの相関度を演算する相関度演算手段と、相
関度演算手段が演算した相関度を用いて基準翼の複数の
振動モードに対する実翼の振動モードの重ね合わせ比率
を演算する重ね合わせ比率演算手段と、基準翼の数値解
析により求めた応力モードと、上記重ね合わせ比率演算
手段で求めた重ね合わせ比率とに基づき実翼の応力分布
を演算する応力分布演算部とを有すること。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0015】図1は本発明の実施の形態に係る回転機械
の翼の振動予測方法を示すフローチャートである。同図
に示すように、本実施の形態は、実翼の固有振動数の計
測(ステップS1)、実翼の振動モードの計測(ステッ
プS2)、基準翼の数値解析(ステップS3)、基準翼
の固有振動数及び振動モードのデータ収集(ステップS
4)、重ね合わせ比率の演算(ステップS5)、基準翼
の応力モードのデータ収集(ステップS6)及び実翼の
応力分布の演算(ステップS7)の各処理を構成要素と
し、これら各構成要素を有機的に結合させたものであ
る。これらの各処理内容を具体的に分説すると次の通り
である。 【0016】<実翼の固有振動数の計測(ステップS
1)>これは、回転機械、例えば航空エンジン用ファン
の動翼や、ガスタービンのコンプレッサの動翼等として
実機に組み込まれる実翼の固有振動数を検出するための
計測である。 【0017】図2は当該実翼1の固有振動数を計測する
場合の態様を概念的に示す説明図である。同図(a)に
示すように、回転機械、例えば航空エンジン用ファンの
動翼や、ガスタービンのコンプレッサの動翼等として実
機に組み込まれる実翼1をブロック2等に固定した状態
で、ハンマリング試験を行う。具体的には、実翼1をハ
ンマー3で叩きインパルス状の衝撃波を与える。そし
て、このとき実翼1に発生する振動を、実翼1に貼付す
る歪みゲージ等の振動検出センサ4で検出し、この振動
検出センサ4の出力信号を振動検出・処理器5に供給す
る。この結果、振動検出・処理器5では、同図(b)に
示すような実翼1の変位の振動数分布特性を得る。かか
る振動数分布特性において、変位が急激に上昇する点が
実翼1の固有振動数であるので、各固有振動数のうち周
波数が低い方から順に振動モードの次数を決定する。 【0018】<実翼の振動モードの計測(ステップS
2)>これは、実翼1の振動モード(ストライプモー
ド)を検出するための計測である。実翼1は加振された
場合、固有の振動モードで振動するが、この振動モード
を実翼1の各部の変位を計測することにより特定するも
のである。 【0019】図3は実翼1の振動モードをレーザドップ
ラーレーザ法により計測する場合の態様を概念的に示す
説明図である。同図に示すように、図2の場合と同様に
ブロック2等に固定した実翼1に、圧電素子等の加振素
子6を貼付し、この加振素子6を介して実翼1をその固
有振動数で加振してやる。このとき加振素子6には、こ
れが所定の振動数で振動するよう、加振信号発生器7に
より加振信号を供給してやる。そして、かかる加振によ
り振動している実翼1の面にレーザ発受信器8によりレ
ーザ光を照射するとともに反射したレーザ光を受光し
て、両者の周波数差を演算部9で演算処理する。演算処
理部9では、その演算処理により計測点の変位量を演算
する。かかる計測・演算をレーザ光をスキャンしながら
実翼1の全面について実施する。この結果、加振素子6
による加振に伴う実翼1の振動の様子が、実翼1の各点
での変位量を介した変位分布データとして得られる。こ
の変位分布データと振動モードとが対応する。なお、加
振周波数は1又は2以上の固有振動数について実施す
る。かくして、振動モードを変位分布で表現する。 【0020】<基準翼の数値解析(ステップS3)>こ
れは、設計上の翼であり、公差零の基準となる翼の固有
振動数及び振動モードを、数値解析により演算する工程
である。具体的には、図10に示すように、基準翼10
を微小な有限な大きさの多数の要素に分割し、各要素に
基づく所定の解析を行う有限要素法(FEM)により演
算する。 【0021】<基準翼の固有振動数及び振動モードのデ
ータ収集(ステップS4)>これは、ステップ3の解析
結果に基づく演算データであり、基準翼10の固有振動
数及び各固有振動数における振動モードを表すデータを
演算して収集する工程である。 【0022】<重ね合わせ比率の演算(ステップS5)
>これは、ステップS2で計測した実翼1の振動モード
を、ステップS3で数値解析により求めた基準翼10の
複数の振動モードの線形結合であるとみなして、基準翼
10の複数の振動モードの重ね合わせとして表現し、こ
のときの重ね合わせ比率を演算する工程である。 【0023】図5はステップ2の振動モードの計測によ
り得られたデータを実翼1に重ね合わせて図示したもの
である。また、図6はステップ4で得られたデータを基
準翼10に重ね合わせて図示したものである。ここで、
図6(b)の振動モードを、例えばn(nは自然数)次
とするとき、図6(a)はそれよりも1次次数が小さい
(n−1)次、図6(c)は図6(b)よりも1次次数
が大きい(n+1)次、図6(d)は(n+2)次、図
6(e)は(n+3)次の振動モードを表すものとする
と、図5の振動モードは、これら図6(a)乃至図6
(e)に示す振動モードのそれぞれをある比率で重ね合
わせたものとして表現できる。このときの基準翼10の
各振動モードが実翼1の振動モード中にどの程度の割合
で含まれるかを演算するのが本工程である。この演算に
は、既知の何れかの最適化手法を適用すれば良い。例え
ば最小二乗法により好適に目的の演算を行うことができ
る。当該演算の結果、実翼1の振動モードが、基準翼1
0のどの振動モードを何割づつ含むのかという数値デー
タが得られる。すなわち、実翼1の振動モードを構成す
る、基準翼10の各振動モードとそれぞれの重ね合わせ
比率のデータを得る。ここで、重ね合わせる基準翼10
の振動モードの数が多ければ多い程、正確に実翼1の振
動モードを表現することができるが、これは3乃至5種
類の振動モードで実用上、十分満足できる精度で実翼1
の振動モードを表現し得る。また、このときの重ね合わ
せ比率とは、実翼1の振動モード中に占める基準翼10
の各振動モードの割合をいう。基準翼10のn次の振動
モードが、例えば8割で、(n−1)次が1.2割、・
・・というように表される。 【0024】<基準翼の応力モードのデータ収集(ステ
ップS6)>これは、ステップ3の解析結果に基づく演
算データであり、基準翼10の応力モードのデータを演
算して収集する工程である。 【0025】<実翼の応力分布の演算(ステップS7)
>これは、基準翼10の複数の各振動モードと各振動モ
ードの重ね合わせ比率により実翼1の振動モードを表現
したステップS5で得るデータと、ステップS6で得る
基準翼10の応力モードのデータとに基づき実翼1の各
点に作用する応力分布を演算する工程である。 【0026】実翼1のある点の応力は、その点における
基準翼10の振動モード毎の応力(ステップS6の演算
により求まる。)と、その点において基準翼10の振動
モードが、実翼1中に占める割合との各振動モード毎の
積を集積した値として求まる。したがって、かかる演算
を実翼1の全面について実施すれば、実翼1に作用する
応力分布を知ることができる。すなわち、従来技術にお
いては、基準翼10の数値解析により一義的に定まる実
翼1のある点の基準点に対する応力倍率を、実測結果に
基づく各実翼1に固有の実際の応力倍率に補正してやる
ことができる。 【0027】なお、上記各ステップにおいては、タッピ
ング試験、レーザドップラー法による変位計測、最小二
乗法による重ね合わせ比率の演算を行ったが、当然これ
らの試験方法及び演算方法に限定されるものではない。
目的の物理量の計測等ができれば既知の全ての手法を適
用し得る。 【0028】また、上述の如きデータの処理は、相関度
演算器、重ね合わせ比率演算器及び応力分布演算部で行
う。ここで、相関度演算器は、ステップS2で得る実翼
1の振動モードを表すデータと、ステップS4で得る基
準翼10の振動モードを表すデータとを入力して両デー
タの相関度を演算する。重ね合わせ比率演算器は、相関
度演算器が演算した相関度を用いて基準翼10の複数の
振動モードに対する実翼1の振動モードの重ね合わせ比
率を演算する。応力分布演算部は、ステップS6の処理
により求めた基準翼10の応力モードと、上記重ね合わ
せ比率演算器で求めた重ね合わせ比率とに基づき各実翼
1に固有の応力分布を演算により求める。 【0029】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項1〕に記載する発明は、計測対象とな
る実翼の固有振動数を検出し、この固有振動数の周波数
で上記実翼を加振してこのときの実翼の変位分布である
振動モードを計測する一方、上記実翼に対応する設計上
の翼である公差零の基準翼の数値解析により、この基準
翼の固有振動数とこの固有振動数での振動モードとを求
め、実翼の振動モードと基準翼の振動モードとのデータ
を比較することにより実翼の振動モードを、基準翼の複
数の振動モードの線形結合とみなして基準翼の複数の振
動モードに分離することにより、基準翼の複数の振動モ
ードの重ね合わせとして表現し、このときの重ね合わせ
比率を求めることにより実翼の振動応答を予測するの
で、それぞれ個体差を有する実翼の振動モードを公差零
の基準翼の複数の振動モードの組み合わせとして、特に
実翼の高次の振動モードを基準翼の高次の振動モードの
複数の組み合わせとして表現することができる。この結
果、本発明によれば、公差等により個体差を有する実翼
の振動予測を精度良く行うことができる。これは、公差
等の影響を受けやすい薄形翼になればなる程、顕著な効
果として顕在化する。 【0030】〔請求項2〕に記載する発明は、計測対象
となる実翼の固有振動数を検出し、この固有振動数の周
波数で上記実翼を加振してこのときの実翼の変位分布で
ある振動モードを計測する一方、上記実翼に対応する設
計上の翼である公差零の基準翼の数値解析により、この
基準翼の固有振動数とこの固有振動数での振動モードと
を求め、実翼の振動モードと基準翼の振動モードとのデ
ータを比較することにより実翼の振動モードを、基準翼
の複数の振動モードの線形結合とみなして基準翼の複数
の振動モードに分離することにより、基準翼の複数の振
動モードの重ね合わせとして表現し、このときの重ね合
わせ比率を求め、さらに基準翼の数値解析により求めた
応力モードと、上記重ね合わせ比率とに基づき実翼の応
力分布を予測するので、数値解析で求まる基準翼の応力
分布を利用して基準翼の各振動モード及びこの各振動モ
ードが実翼の振動モードに占める割合を考慮してそれぞ
れ個体差を有する実翼の応力分布を演算することができ
る。この結果、本発明によれば、基準翼の数値解析によ
り求まる基準翼の応力分布を用いて、実翼の各点に作用
する応力を正確に求めることができる。すなわち、従来
技術においては、基準翼の数値解析により一義的に定ま
る実翼の各点の基準点に対する応力倍率を、実測結果に
基づく各実翼1に固有の実際の応力倍率に補正してやる
ことができる。 【0031】〔請求項3〕に記載する発明によれば、
〔請求項1〕又は〔請求項2〕に記載する回転機械の翼
の振動及び応力分布の予測方法において、実翼の固有振
動数の検出は、実翼をハンマ等で叩きインパルス状の衝
撃力を与え、このときの振動特性を検出することにより
行うので、インパルスとして多数の周波数成分を含む衝
撃波を一度の打撃で与えることができる。この結果、本
発明によれば、実翼の固有振動数の検出を最も合理的に
行うことができる。 【0032】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
1〕又は〔請求項2〕に記載する回転機械の翼の振動及
び応力分布の予測方法において、実翼の振動モードは、
固有振動数の周波数で実翼を加振してこのときの実翼の
変位分布をレーザドップラー法により計測するので、振
動している実翼の面で反射して戻ってくるレーザ光と照
射したレーザ光との周波数差により振動面の変位を検出
することができる。この結果、本発明によれば、実翼の
振動モードをその振動面の変位として容易に検出するこ
とができる。 【0033】〔請求項5〕に記載する発明は、計測対象
となる実翼を固有振動数の周波数で加振した場合のこの
実翼の変位分布である振動モードを表すデータと、上記
実翼に対応する設計上の翼である公差零の基準翼の数値
解析により求めた、この基準翼の固有振動数の周波数に
おける振動モードを表すデータとを入力するとともに、
実翼の振動モードを基準翼の複数の振動モードの線形結
合とみなして両データを比較することにより、基準翼の
各振動モードに対する実翼の振動モードの相関度を演算
する相関度演算手段と、相関度演算手段が演算した相関
度を用いて基準翼の複数の振動モードに対する実翼の振
動モードの重ね合わせ比率を演算する重ね合わせ比率演
算手段とを有するので、それぞれ個体差を有する実翼の
振動モードを公差零の基準翼の複数の振動モードの組み
合わせとして、特に実翼の高次の振動モードを基準翼の
高次の振動モードの複数の組み合わせとして表現する場
合の重ね合わせ比率を演算することができる。この結
果、本発明によれば、当該重ね合わせ比率に関するデー
タを提供することができ、公差等により個体差を有する
実翼の振動予測の精度向上に資することができる。これ
は、公差等の影響を受けやすい薄形翼になればなる程、
顕著な効果となる。 【0034】〔請求項6〕に記載する発明は、計測対象
となる実翼を固有振動数の周波数で加振した場合のこの
実翼の変位分布である振動モードを表すデータと、上記
実翼に対応する設計上の翼である公差零の基準翼の数値
解析により求めた、この基準翼の固有振動数の周波数に
おける振動モードを表すデータとを入力するとともに、
実翼の振動モードを基準翼の複数の振動モードの線形結
合とみなして両データを比較することにより、基準翼の
各振動モードに対する実翼の振動モードの相関度を演算
する相関度演算手段と、相関度演算手段が演算した相関
度を用いて基準翼の複数の振動モードに対する実翼の振
動モードの重ね合わせ比率を演算する重ね合わせ比率演
算手段と、基準翼の数値解析により求めた応力モード
と、上記重ね合わせ比率演算手段で求めた重ね合わせ比
率とに基づき実翼の応力分布を演算する応力分布演算部
とを有するので、数値解析で求まる基準翼の応力分布を
利用して基準翼の各振動モード及びこの各振動モードが
実翼の振動モードに占める割合を考慮してそれぞれ個体
差を有する実翼の応力分布を演算することができる。こ
の結果、本発明によれば、各実翼の各点に作用する応力
を正確に求めることができ、実翼の製作公差等に基づく
ばらつきを考慮した信頼性の高い翼の開発が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態に係る回転機械の翼の振動
予測方法を示すフローチャートである。 【図2】実翼の固有振動数を計測する場合の態様を概念
的に示す説明図であり、(a)がハンマリング試験の態
様を、また(b)がこのとき得られる振動数特性の一例
をそれぞれ示している。 【図3】実翼の振動モードをレーザドップラー法により
計測する場合の態様を概念的に示す説明図である。 【図4】基準翼を解析する場合の態様を概念的に示す説
明図である。である。 【図5】図1のステップS2の振動モードの計測により
得られたデータを、実翼に重ね合わせた状態で概念的に
示す説明図である。 【図6】図1のステップS4で得られたデータを、基準
翼に重ね合わせた状態で各次数毎に概念的に示す説明図
である。 【符号の説明】 S1 実翼の固有振動数の計測 S2 実翼の振動モードの計測 S3 基準翼の数値解析 S4 基準翼の固有振動数及び振動モードのデー
タ S5 重ね合わせ比率の演算 S6 基準翼の応力モードのデータ収集 S7 実翼の応力分布の演算 1 実翼 3 ハンマー 4 振動検出センサ 5 振動検出・処理器 6 加振素子 7 加振信号発生器 8 レーザ発受信器 9 演算部 10 基準翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F04D 29/38 G01M 7/00 A Fターム(参考) 2G024 AD24 BA17 CA13 DA12 FA04 FA06 2G064 AA12 AB01 AB11 BC05 BC32 BD04 CC41 CC47 3H033 AA02 BB03 BB08 CC02 DD03 DD24 EE06

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 計測対象となる実翼の固有振動数を検出
    し、この固有振動数の周波数で上記実翼を加振してこの
    ときの実翼の変位分布である振動モードを計測する一
    方、 上記実翼に対応する設計上の翼である公差零の基準翼の
    数値解析により、この基準翼の固有振動数とこの固有振
    動数での振動モードとを求め、 実翼の振動モードと基準翼の振動モードとのデータを比
    較することにより実翼の振動モードを、基準翼の複数の
    振動モードの線形結合とみなして基準翼の複数の振動モ
    ードに分離することにより、基準翼の複数の振動モード
    の重ね合わせとして表現し、このときの重ね合わせ比率
    を求めることにより実翼の振動応答を予測することを特
    徴とする回転機械の翼の振動予測方法。 【請求項2】 計測対象となる実翼の固有振動数を検出
    し、この固有振動数の周波数で上記実翼を加振してこの
    ときの実翼の変位分布である振動モードを計測する一
    方、 上記実翼に対応する設計上の翼である公差零の基準翼の
    数値解析により、この基準翼の固有振動数とこの固有振
    動数での振動モードとを求め、 実翼の振動モードと基準翼の振動モードとのデータを比
    較することにより実翼の振動モードを、基準翼の複数の
    振動モードの線形結合とみなして基準翼の複数の振動モ
    ードに分離することにより、基準翼の複数の振動モード
    の重ね合わせとして表現し、このときの重ね合わせ比率
    を求め、 さらに基準翼の数値解析により求めた応力モードと、上
    記重ね合わせ比率とに基づき実翼の応力分布を予測する
    ことを特徴とする回転機械の翼の振動及び応力分布の予
    測方法。 【請求項3】 〔請求項1〕又は〔請求項2〕に記載す
    る回転機械の翼の振動及び応力分布の予測方法におい
    て、 実翼の固有振動数の検出は、実翼をハンマ等で叩きイン
    パルス状の衝撃力を与え、このときの振動特性を検出す
    ることにより行うようにしたことを特徴とする回転機械
    の翼の振動及び応力分布の予測方法。 【請求項4】 〔請求項1〕又は〔請求項2〕に記載す
    る回転機械の翼の振動及び応力分布の予測方法におい
    て、 実翼の振動モードは、固有振動数の周波数で実翼を加振
    してこのときの実翼の変位分布をレーザドップラー法に
    より計測することを特徴とする回転機械の翼の振動及び
    応力分布の予測方法。 【請求項5】 計測対象となる実翼を固有振動数の周波
    数で加振した場合のこの実翼の変位分布である振動モー
    ドを表すデータと、 上記実翼に対応する設計上の翼である公差零の基準翼の
    数値解析により求めた、この基準翼の固有振動数の周波
    数における振動モードを表すデータとを入力するととも
    に、 実翼の振動モードを基準翼の複数の振動モードの線形結
    合とみなして両データを比較することにより、基準翼の
    各振動モードに対する実翼の振動モードの相関度を演算
    する相関度演算手段と、 相関度演算手段が演算した相関度を用いて基準翼の複数
    の振動モードに対する実翼の振動モードの重ね合わせ比
    率を演算する重ね合わせ比率演算手段とを有することを
    特徴とする回転機械の翼の振動予測装置。 【請求項6】 計測対象となる実翼を固有振動数の周波
    数で加振した場合のこの実翼の変位分布である振動モー
    ドを表すデータと、 上記実翼に対応する設計上の翼である公差零の基準翼の
    数値解析により求めた、この基準翼の固有振動数の周波
    数における振動モードを表すデータとを入力するととも
    に、 実翼の振動モードを基準翼の複数の振動モードの線形結
    合とみなして両データを比較することにより、基準翼の
    各振動モードに対する実翼の振動モードの相関度を演算
    する相関度演算手段と、 相関度演算手段が演算した相関度を用いて基準翼の複数
    の振動モードに対する実翼の振動モードの重ね合わせ比
    率を演算する重ね合わせ比率演算手段と、 基準翼の数値解析により求めた応力モードと、上記重ね
    合わせ比率演算手段で求めた重ね合わせ比率とに基づき
    実翼の応力分布を演算する応力分布演算部とを有するこ
    とを特徴とする回転機械の翼の応力分布予測装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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