JP2001321756A - 汚染土壌の不溶化方法及び汚染土壌の不溶化剤 - Google Patents

汚染土壌の不溶化方法及び汚染土壌の不溶化剤

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JP2001321756A JP2000146188A JP2000146188A JP2001321756A JP 2001321756 A JP2001321756 A JP 2001321756A JP 2000146188 A JP2000146188 A JP 2000146188A JP 2000146188 A JP2000146188 A JP 2000146188A JP 2001321756 A JP2001321756 A JP 2001321756A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】六価クロム、砒素、鉛を含め、全ての重金属の
溶出量値を下げることができる汚染土壌の不溶化方法と
する。 【解決手段】汚染土壌に不溶化剤を混入し、前記汚染土
壌に含有する六価クロムを不溶化する方法であって、前
記不溶化剤が、スラグ含有量31〜70%の高炉セメン
トを前記汚染土壌1m3あたり150kg以上含み、水
セメント比(W/C)80〜120%とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染土壌から溶出
する六価クロム等の重金属の量を減少させるため、汚染
土壌に不溶化剤を混入し不溶化する方法及びその際に使
用する不溶化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】六価クロム、砒素、カドミウム、水銀、
鉛、セレン等の重金属で汚染された土壌の処理には、汚
染土壌を浄化処理する方法や、原位置でまたは掘削除去
後に封じ込め処理する方法がある。そして、封じ込め処
理を行なう場合、対象となる汚染土壌から溶出する重金
属の溶出量値(以下、汚染土壌溶出量値ともいう。)
が、「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」に定め
る「溶出量値II」を超過するようであれば遮断工を行
なう必要があるが、「溶出量値II」以下であれば遮水
工で足り、さらに、土壌環境基準値(平成3年8月23
日環境庁告示第46号)以下であれば特段の工法を必要
としないとされる。この点、これらの処理方法をコスト
という観点からみると、浄化処理方法よりも封じ込め処
理する方法の方が有利であり、又、封じ込め処理する方
法のうちでも、遮水工の方が、さらには、当然、特段の
施工をしない方が有利である。したがって、汚染土壌溶
出量値をできるだけ下げて、遮水工、あるいは、特段の
施工をしないで済むようにするための方法の発明が望ま
れている。
【0003】そこで、これを解決する方法として、一般
に、掘削した汚染土壌に地上で不溶化剤を混入し、ある
いは、汚染土壌に原位置で深層機械攪拌工法などによっ
て不溶化剤を混入し不溶化することが行なわれている。
特に、特開平成7−31955号公報が開示するよう
に、汚染土壌に水硬性セメントを混入する不溶化方法は
好適なものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法によ
っても、いまだ、汚染土壌溶出量値を下げるに充分とは
言えず、土壌環境基準値以下とするには至っていない。
特に、六価クロムや砒素、あるいは鉛などの溶出量値を
下げるには問題がある。
【0005】そこで、本発明の課題は、掘削し地上で処
理する場合であると深層機械攪拌工法などによる原位置
で処理する場合であるとにかかわらず、六価クロム、砒
素、鉛を含め、全ての重金属の溶出量値を下げることが
できる汚染土壌の不溶化方法及びその際に使用する不溶
化剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、次記のとおりである。 <請求項1記載の発明>汚染土壌に不溶化剤を混入し、
前記汚染土壌に含有する六価クロムを不溶化する方法で
あって、前記不溶化剤が、スラグ含有量31〜70%の
高炉セメントを前記汚染土壌1m3あたり150kg以
上含み、水セメント比(W/C)80〜120%とされ
ることを特徴とする、汚染土壌の不溶化方法。
【0007】<請求項2記載の発明>汚染土壌に不溶化
剤を混入し、前記汚染土壌に含有する重金属を不溶化す
る方法であって、前記不溶化剤が次記(1)及び(2)
を含み、水セメント比(W/C)80〜120%とされ
ることを特徴とする、汚染土壌の不溶化方法。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメントを、
前記汚染土壌1m3あたり200kg以上 (2)塩化第二鉄を、前記汚染土壌1m3あたり0.7
kg以上
【0008】<請求項3記載の発明>汚染土壌に不溶化
剤を混入し、前記汚染土壌に含有する重金属を不溶化す
る方法であって、前記不溶化剤が次記(1)及び(2)
を含み、水セメント比(W/C)80〜120%とされ
ることを特徴とする、汚染土壌の不溶化方法。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメントを、
前記汚染土壌1m3あたり200kg以上 (2)液体キレートを、前記高炉セメント100kgあ
たり0.5kg以上
【0009】<請求項4記載の発明>不溶化剤に、ナト
リウムベントナイトを含む請求項1〜3のいずれか1項
に記載の、汚染土壌の不溶化方法。
【0010】<請求項5記載の発明>汚染土壌から溶出
する重金属の量を減少させるため、前記汚染土壌を不溶
化するにあたって使用される不溶化剤であって、次記
(1)及び(2)を含み、水セメント比(W/C)80
〜120%とされることを特徴とする、汚染土壌の不溶
化剤。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメント (2)塩化第二鉄を、前記高炉セメント100kgに対
し0.3kg以上
【0011】<請求項6記載の発明>汚染土壌から溶出
する重金属の量を減少させるため、前記汚染土壌を不溶
化するにあたって使用される不溶化剤であって、次記
(1)及び(2)を含み、水セメント比(W/C)80
〜120%とされることを特徴とする、汚染土壌の不溶
化剤。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメント (2)液体キレートを、前記高炉セメント100kgに
対し0.5kg以上
【0012】<請求項7記載の発明>ナトリウムベント
ナイトを含む請求項5または6記載の、汚染土壌の不溶
化剤。
【0013】(作用効果)本発明及びその作用効果は、
本発明者らが種々の実験を行ったことにより明らかにな
ったものである。そこで、以下、かかる実験の経緯を説
明することにより、本発明とその作用効果のつながりを
説明する。なお、以下において、不溶化効果と記載する
場合は、特別の記載がない限り、重金属の溶出濃度を下
げる効果を意味するものとする。
【0014】汚染土壌を不溶化するために用いる不溶化
剤としては、いかなるものが好適であるかを選定するに
つき、本発明者らは、最初に高炉セメントとナトリウム
ベントナイトとの混合剤(以下、CB混合剤ともいう)
を使用してみることにした。ここにナトリウムベントナ
イトは、膨潤性に優れ、膨潤後は疎水性を示す。他方、
高炉セメントは、安価な材料であり、普通ポルトランド
セメントと比較して化学抵抗性に優れ、長期強度の発現
が認められる。しかも、含有する硫化物、アルミニウ
ム、鉄系化合物等のスラグが、重金属類の溶出を抑制す
る働きをもつとされる。
【0015】そして、高炉セメントは、一般に、スラグ
含有量が5〜30%の高炉セメントA種と、スラグ含有
量が31〜60%の高炉セメントB種と、スラグ含有量
61〜70%の高炉セメントC種と、さらにスラグ含有
量が80%に調整されたスラグセメントに区分される。
したがって、これらの区分に従い、高炉セメントを粉体
状で、重金属類を含有する汚染土壌(以下、試験土壌と
もいう。)に混入し、不溶化に及ぼす影響を測定した。
【0016】試験土壌としては、鉛(Pb)、クロム
(Cr)、砒素(As)、セレン(Se)、水銀(H
g)及びカドミウム(Cd)の各重金属を佐原砂1kg
につき50mg添加したものを使用した。この場合の添
加は、PbはPb(NO32として、CrはK2Cr2
7として、AsはNa2HAs4として、SeはSeO3
して、HgはHgCl2として、CdはCd(NO32
として行なった。又、高炉セメントは、試験土壌1m3
あたりに100kg混入することとした。
【0017】図1は、この試験での材令28日(本発明
の図面におけるσは、材令を示す。)における各重金属
の溶出濃度を示したものである。結果は、この図1から
明らかなとおり、砒素を除き、高炉セメントC種、高炉
セメントB種、スラグセメントの順に重金属類の溶出濃
度が高くなっていった。したがって、不溶化剤として
は、スラグ含有量31〜60%の高炉セメントが、より
好ましくは、スラグ含有量61〜70%の高炉セメント
が適しているものと判明した。
【0018】次に、本発明者らは、ナトリウムベントナ
イトの不溶化への影響を調べることにした。この実験に
おいては、特に、不溶化が難しいとされる六価クロムを
重金属として使用することにした。具体的には、六価ク
ロムの濃度を100mg/Lに調整した2Lの溶液に、
φ50×100mmに成形した材令7日の高炉セメント
B種を単体で、及びナトリウムベントナイトとの混合体
として浸漬させた。図2は、この実験の結果を示すもの
であり、六価クロム濃度の変化とpHの変化を表してい
る。なお、材令7日における高炉セメントB種単体の透
水係数は5×10-7m/secであり、CB混合体の透
水係数は2×10-7m/secであった。
【0019】実験の結果、高炉セメントB種単体は、透
水係数が高いにもかかわらず、浸漬170時間での溶出
濃度が43mg/Lもあった(図2中の●のうち、浸漬
200時間を示すラインのすぐ左の●がこの濃度を示し
ている。)これに対し、CB混合体は、同じ浸漬時間で
も溶出濃度5mg/L以下にまで低下した(図2の▲の
うち、浸漬200時間を示すラインのすぐ左の▲がこの
濃度を示している。)。このことから、本発明者らは、
六価クロムの不溶化処理においては、不溶化剤にナトリ
ウムベントナイトを混合する必要があるのではないかと
考えた。
【0020】そこで、次に、本発明者らは、高炉セメン
トB種とナトリウムベントナイトとの混合剤を不溶化剤
とした不溶化実験を行なうことにした。この場合、試験
土壌としては、六価クロムを含有した7号珪砂を使用す
ることにした。7号珪砂を使用したのは、六価クロムが
7号珪砂に吸着されにくいため、不溶化剤の不溶化効果
を確認しやすいことによる。
【0021】六価クロムを含有した7号珪砂からなる土
壌は、乾燥土量300gの7号珪砂に、蒸留水及び蒸留
水ベースの六価クロム溶液を添加し、含水比23%の飽
和状態に調整した。この調整に際しては、土粒子マトリ
ックスに六価クロムが取り込まれ溶出量が減少してしま
うことを懸念し、ある程度蒸留水を加え吸水させた後、
六価クロム溶液を加えるという2回に分けた操作とし
た。又、六価クロム溶液としては、六価クロムの濃度が
50mg/Lの重クロム酸カリウム(K2Cr2 7)試
薬を使用した。このようにして生成した試験土壌に、先
に述べた、高炉セメントB種とナトリウムベントナイト
との混合剤を不溶化剤として混入し、試料とした。CB
混合剤の配合は、深層機械攪拌工法における圧送を考慮
し、ファンネル粘度25秒以下となるよう、高炉セメン
トB種250kgに対し、ナトリウムベントナイト60
Kg、水道水1000kgの割合で配合した(表1参
照)。
【0022】
【表1】
【0023】そして、このCB混合剤は、まず、水道水
にナトリウムベントナイトを添加し、次に高炉セメント
B種を添加することにした。又、各材料の添加に際して
は、3分間の攪拌を行った。この手順は、ナトリウムベ
ントナイトが十分に膨潤していない状態で高炉セメント
を混入すると、Caイオンとナトリウムベントナイトの
Na基が置換し、膨潤性の低いCa型ベントナイトへと
変質してしまうので、これを避けるためのものである。
なお、このようにして生成したCB混合剤を試験土壌に
混入するに際しては、試料間にばらつきが生じないよう
5分間の攪拌を行った。又、不溶化効果の測定は、土壌
環境基準環境庁告示第46号「土壌中重金属等の溶出量
分析方法(1991)」に定める溶出試験に準拠して行
った。溶出試験によって得られた溶出液は、所定の前処
理を行い、その後、溶出濃度を測定した。前処理及び溶
出濃度の測定は、工業用水試験方法(1998)及び工
業排水試験方法(1998)に準拠し、電気加熱原子吸
光法によるものとした。
【0024】以上による測定の結果を示したが図3であ
る。図3は、CB混合剤を試験土壌1m3につき105
kg、524kg及び1048kg混入し、それぞれの
場合について、材令7日及び材令28日における六価ク
ロムの溶出濃度を示している。なお、図中の●は材令7
日の場合を示すものであり、○は材令28日の場合を示
すものである。また、それぞれの場合における、高炉セ
メントB種の添加量は、20kg、100kg、200
kgの3種類である。そして、CB混合剤を添加してい
ないときの、六価クロムの初期溶出濃度は、4.63m
g/Lであった。
【0025】実験の結果、CB混合剤105kg/m3
の混入では、六価クロムの溶出濃度が材令7日で3.5
8mg/Lを示し不溶化効果があまり認められなかった
(図中の一番左側の●がこの場合を示す。)。しかし、
CB混合剤524kg/m3及び1048kg/m3の混
入では、六価クロムの溶出濃度が材令7日でそれぞれ、
0.44mg/L、0.09mg/Lを示した。したが
って、CB混合剤の添加量の増加に伴い溶出濃度が減少
することが判明した。又、材令7日より材令28日での
溶出濃度が高く、材令経過により再溶出することも判明
した。
【0026】ところで、CB混合剤の添加によって六価
クロムの溶出濃度が減少するのは、六価クロムが、高
炉セメントB種の水和反応で生成されたC−S−Hに吸
着されること、アルミン酸三石灰水和物(エトリンガ
イト、モノサルフェート水和物)とイオン交換するこ
と、水和物の形成に伴い緻密化したセメントマトリッ
クス中へ封じ込められることが、要因になっていると考
えられる。詳しく説明すれば、高炉セメントなどのセメ
ント系固化材は、水と接触後、水和反応によりC−S−
H、Ca(OH)2、エトリンガイト、モノサルフェー
ト水和物等の水和物を生成するが、これらの水和物は時
間経過とともに生成、消失を繰り返す。特に、アルミン
酸三石灰水和物のエトリンガイトは、材令14日ごろを
境にして、その一部がモノサルフェート水和物、さらに
は二水石膏へと変化する。又、高炉セメントB種は、含
有するスラグから溶出したCa、Al、SiがC−S−
H及びモノサルフェート水和物の生成に寄与すること
で、内部構造が緻密化する。したがって、CB混合剤の
混入量増加に伴う六価クロム溶出濃度の減少は、上記
〜が要因と考えられるのである。とともに、六価クロ
ムの再溶出は、エトリンガイトが材令14日ごろを境に
消失することと、関連性を有するのではないかと考えら
れる。
【0027】そこで、次に、本発明者らは、試験土壌の
不溶化におけるエトリンガイトの影響を調べることとし
た。この点、3CaO・Al23・3CaSO4・32
2Oの組成式で示されるエトリンガイトの消失は、水
和反応過程でセメント中のSO 3が欠乏することにより
生じる。したがって、SO3をセメントに添加し、エト
リンガイトの生成量を増加させる実験を行なうことにし
た。SO3を含む材料としては、セメントの化学組成に
類似したCaO、SO3、Al23を主成分とした粉末
材料(以下、CSAという。なお、CSAと高炉セメン
トB種との化学組成の対比を表2に示した。CSAは、
高炉セメントB種と比較してSiO2の含有量が少な
く、SO3の含有量が多い材料である。)と、液状のA
2(SO43とを使用した。
【0028】
【表2】
【0029】CSAは、高炉セメントB種を、質量比で
5、10、50及び100%置換(以下、CSA置換率
ともいう。)するように添加した。又、Al2(SO4
3は、CSA置換率5、10、50及び100%のCB
混合剤と比較し、SO3の量が等しくなるように添加し
た。この場合、SO3の量が等しいので、Al2(S
43添加による見かけのCSA置換率という。
【0030】これらの実験の結果(六価クロムの溶出濃
度)を示したのが、図4及び図5である。まず、CSA
で置換した場合は、図4に示すとおり、CB混合剤の添
加量を105kg/m3とした場合、溶出濃度が3.6
9〜4.12mg/Lとなり(図中の●(材令7日)及
び○(材令28日)がこの結果を示す。)、CSA置換
率によって大きな差が現れなかった。しかしながら、C
B混合剤の添加量を524kg/m3とした場合、及び
1048kg/m3とした場合は、CSA置換率が0〜
50%で溶出濃度に大きな差異がなく、50%を超える
と溶出濃度の増加が確認された(図中の▲(材令7日、
CB混合剤の添加量524kg/m3)、△(材令28
日、CB混合剤の添加量524kg/m3)、◆(材令
7日、CB混合剤の添加量1048kg/m3)及び◇
(材令28日、CB混合剤の添加量1048kg/
3)がこの結果を示す。)。したがって、CSA置換
率の増加によって、不溶化効果は向上しないことが確認
された。又、材令7日より材令28日の溶出濃度が高
く、再溶出することも確認された。さらに、図5に示す
とおり、Al2(SO43で置換した場合も、CSA置
換の場合とほぼ同様の結果となった(図中の記号の意味
は、CSA置換の場合と同様である。)。
【0031】以上、エトリンガイトの生成量を増加させ
ても、六価クロムの再溶出が認められたので、エトリン
ガイトのイオン交換作用、消失が土壌の不溶化に与える
影響は小さいことが判明した。逆に、CB混合剤の添加
量を増加させると六価クロムの溶出濃度が大きく減少す
ることから、六価クロムの溶出濃度の減少は、セメント
マトリック中への封じ込めによる影響が大きいものと判
明した。この点、高炉セメントB種は、含有スラグの鉄
系化合物、アルミニウム系化合物が水和反応において微
細なセメント水和物を形成し内部構造が緻密化するの
で、これにより、六価クロムの封じ込め効果が大きくな
るものと考えられる。
【0032】そこで、本発明者らは、CB混合剤として
ではなく、高炉セメントB種を単体で使用しても好適な
不溶化効果を得られるのではないかと考え、実験をする
ことにした。まず、実験に用いる高炉セメントB種とし
ては、粉状体及びスラリー状のものを使用することにし
た。これは、深層機械攪拌工法では、コンプレッサーか
らの吐出及びポンプ圧送の点から、通常、セメント系固
化材を粉体状あるいはスラリー状で使用していることに
よる。又、これらのうちスラリー状で用いる場合は、水
セメント比(W/C)を80〜120%として使用して
いるので、本実験では、高炉セメントB種をスラリー状
で用いる場合、水セメント比(W/C)100%とする
ことにした。
【0033】この実験の結果を示したのが、図6であ
る。図6は、土壌1kgにつき六価クロム50mgを添
加して試験土壌とし、この試験土壌に、高炉セメントB
種を粉体状及びスラリー状で、それぞれ土壌1m3につ
き20〜300kg混入した場合の、材令7日及び材令
28における六価クロムの溶出濃度を示している。この
実験の結果、高炉セメントB種を粉体状で添加するよ
りもスラリー状で添加する方が溶出濃度が低くなるこ
と、材令7日よりセメント水和反応が進行した材令2
8日の方が溶出濃度が低くなることが確認された。又、
高炉セメントB種の添加量が100kg/m3以下の
場合は、粉体状、スラリー状とも添加量増加に従い溶出
濃度が大きく減少し、添加量が100kg/m3を超え
ると溶出濃度はあまり減少しなくなることも確認された
(図中の▲(材令7日、スラリー状)、△(材令28
日、スラリー状)、●(材令7日、粉体状)及び○(材
令28日、粉体状)がこの結果を示す。)。しかしなが
ら、粉体状の場合は、高炉セメントB種の添加量を30
0kg/m 3とすると、六価クロムの溶出濃度は、材令
7日及び材令28日で、それぞれ0.05及び0.04
mg/Lにまで減少し、スラリー状の場合は、高炉セメ
ントB種の添加量を200kg/m3とすると、材令7
日及び材令28日ともに0.02mg/Lにまで減少し
た。これらの値は、土壌環境基準値0.05mg/Lを
下回るものである。この点については、さらに表3に詳
細に示した。
【0034】
【表3】
【0035】この表3からも明らかなように、高炉セメ
ントB種単独でも、水セメント比(W/C)80〜12
0%のスラリー状で、土壌1m3につき150kg以上
を添加すれば、不溶化剤として使用できることが判明し
た。
【0036】ところで、以上の実験は、7号珪砂を試験
土壌として使用した場合のものである。これは、7号珪
砂は六価クロムの吸着性が低いため、7号珪砂に適用可
能な不溶化方法であれば、他のあらゆる土壌に適用可能
であると考えてのことであった。しかしながら、本発明
者らは、さらに、異なる土壌についても実験することに
した。ここに異なる土壌としては、細粒分を調整した砂
質土と有機質土とを選定した。
【0037】まず、細粒分調整砂質土としては、木更津
砂に木節粘度を混入し、細粒分を10、30及び50%
に調整したものを使用した。含水比調整は、細粒分1
0、30及び50%の砂質土の最大乾燥密度を求め、こ
のとき砂質土の間隙に満たすことのできる水の量を基準
として行った。この操作は、細粒分調整に使用した木節
粘土の吸水が瞬時に完了しない可能性を考慮したもので
ある。この操作によって得られた含水比は、細粒分10
%及び30%の砂質土で24%、細粒分50%の砂質土
で25%を示し、細粒分の違いによる含水比の違いはほ
とんどなかった。又、六価クロムの含有量は、7号珪砂
のときと同様、土壌1kgにつき50mgとした。この
場合、六価クロムの初期溶出濃度は、細粒分10%の場
合が4.32mg/L、細粒分30%の場合が4.47
%、細粒分50%の場合が4.46mg/Lであった。
【0038】以上を用いた実験の結果を示したのが、図
7〜9である。図7、図8及び図9は、細粒分をそれぞ
れ10、30、50%に調整した試験土壌に、高炉セメ
ントB種を粉体状及びスラリー状で、試験土壌1m3
つき20、50、100、200及び300kg添加し
た時の、材令7日及び材令28における六価クロムの溶
出濃度を示している。この結果、細粒分調整砂質土の場
合も7号珪砂を用いた場合と同様、粉体状、スラリー状
とも材令経過に伴って溶出濃度が減少すること、粉体状
よりスラリー状の方が好適であることがわかった。又、
高炉セメントB種をスラリー状で添加するのであれば、
ほぼ150kg/m3で、土壌環境基準値の0.05m
g/Lを下回ることが判明した。
【0039】次に、有機質土壌についてであるが、これ
には、千葉県四街道市物井で採取した黒ぼく土を使用し
た。採取した黒ぼく土は含水比327%であったことか
ら、最終的な含水比を350%に調整した。又、この黒
ぼく土のpHは、5.6であり、弱酸性を示していた。
六価クロムの含有量は、細粒分調整砂質土の場合と同
様、試験土壌1kgにつき50mgとした。この場合、
六価クロムの初期溶出濃度は、1.36mg/Lであ
り、六価クロムの吸着による溶出量の減少が確認され
た。この実験の効果を示したのが、図10である。有機
質系土壌は、セメントによる硬化が乏しいため、セメン
トマトリックス内への封じ込め硬化が小さく、不溶化効
果は若干少なくなるものと考えられた。しかし、高炉セ
メントB種100kg/m3の添加においても土壌環境
基準値を下回る溶出量(0.018mg/L以下)であ
ることが確認された。
【0040】以上の実験から、汚染土壌から溶出する六
価クロムの量を減少させるためには、不溶化剤が、スラ
グ含有量31〜60%の高炉セメントを、汚染土壌1m
3につき150kg以上含有し、水セメント比(W/
C)80〜120%とされると好適であることが判明し
た。又、スラグ含有量が31〜60%の高炉セメント
を、スラグ含有量が、61〜70%の高炉セメントに代
えると、より好適であることも判明した。
【0041】そして、本発明者らは、さらに不溶化する
重金属の対象を広げて実験を行なうことにした。重金属
としては、汚染物質として代表的される、砒素(A
s)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、鉛(P
b)、セレン(Se)を使用した。
【0042】まず、砒素を対象とした実験であるが、こ
れは、7号珪砂1kgにつき50mgの砒素を含有させ
たものを試験土壌とし、この試験土壌に、高炉セメント
B種を水セメント比(W/C)100%のスラリー状で
混入することにした。この場合の初期溶出濃度は、5m
g/Lであった。この実験の結果は、表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】表4から明らかなとおり、高炉セメントB
種を試験土壌1m3につき、20kg、100kg、2
00kg添加しても、土壌環境基準値である、0.01
mg/Lを下回る結果を得ることができなかった。しか
しながら、不溶化剤に塩化第二鉄(FeCl3・6H
2O)を試験土壌1m 3につき、0.73kgとなる割合
で添加すると、土壌基準値を下回る結果を得られること
が判明した。
【0045】次に、カドミウムを対象とした実験である
が、これは、7号珪砂1kgにつき50mgのカドミウ
ムを含有させたものを試験土壌とし、この試験土壌に、
高炉セメントB種を水セメント比(W/C)100%の
スラリー状で混入することにした。この場合の初期溶出
濃度は、5mg/Lであった。この実験の結果は、表5
に示した。
【0046】
【表5】
【0047】表5から明らかなとおり、高炉セメントB
種を試験土壌1m3につき、125kg添加すれば、土
壌環境基準値である、0.01mg/Lを下回る結果を
得られることが判明した。
【0048】次に、水銀を対象とした実験であるが、こ
れは、7号珪砂1kgにつき50mgの水銀を含有させ
たものを試験土壌とし、この試験土壌に、高炉セメント
B種を水セメント比(W/C)100%のスラリー状で
混入することにした。この場合の初期溶出濃度は、5m
g/Lであった。この実験の結果は、表6に示した。
【0049】
【表6】
【0050】表6から明らかなとおり、高炉セメントB
種を試験土壌1m3につき、20kg添加してさえ、土
壌環境基準値である、0.0005mg/Lを下回る結
果を得られることが判明した。
【0051】次に、鉛を対象とした実験であるが、これ
は、7号珪砂1kgにつき100mgの鉛を含有させた
ものを試験土壌とし、この試験土壌に、高炉セメントB
種を水セメント比(W/C)100%のスラリー状で混
入することにした。この場合の初期溶出濃度は、10m
g/Lであった。この実験の結果は、表7に示した。
【0052】
【表7】
【0053】表7から明らかなとおり、高炉セメントB
種を試験土壌1m3につき、50kg、100kg、2
00kg添加しても、土壌環境基準値である、0.01
mg/Lを下回る結果を得ることができなかった。しか
しながら、不溶化剤に液体キレートを不溶化剤に対する
質量比0.50%となる割合で添加すると、土壌基準値
を下回る結果を得られることが判明した。
【0054】最後に、セレンを対象とした実験である
が、これは、7号珪砂1kgにつき100mgのセレン
を含有させたものを試験土壌とし、この試験土壌に、高
炉セメントB種を水セメント比(W/C)100%のス
ラリー状で混入することにした。この場合の初期溶出濃
度は、10mg/Lであった。この実験の結果は、表8
に示した。
【0055】
【表8】
【0056】表8から明らかなとおり、高炉セメントB
種を試験土壌1m3につき、200kg添加すれば、土
壌環境基準値である、0.01mg/Lを下回る結果を
得られることが判明した。
【0057】以上の実験から、汚染土壌から溶出する重
金属の量を減少させるためには、不溶化剤が、スラグ含
有量が31〜60%の高炉セメントを、汚染土壌1m3
につき200kg以上含有し、水セメント比(W/C)
80〜120kg%とされ、さらに、塩化第二鉄を汚染
土壌1m3につき0.73kg以上、液体キレートを高
炉セメント100kgにつき0.50kg以上含有する
と、好適であることが判明した。又、スラグ含有量が3
1〜60%の高炉セメントを、スラグ含有量が、61〜
70%の高炉セメントに代えた場合は、表9に示すよう
に、添加する高炉セメントの量を減らすことができ、よ
り好適であることも判明した。
【0058】
【表9】
【0059】
【発明の実施の形態】以下、図面を使って、本発明の実
施の形態を説明する。 (不溶化剤)まず、処理対象となる汚染土壌に対して混
入する不溶化剤としては、高炉セメントの他、ナトリウ
ムベントナイトを含有するものを用いることができる。
ただ、ナトリウムベントナイトは含有させないこともで
きる。高炉セメントとしては、スラグ含有量が31〜6
0%の高炉セメントB種を使用するのがよい。スラグ含
有量が61〜70%の高炉セメントC種であればさらに
よい。高炉セメントは、粉体状でもよいが、スラリー状
であるとなおよい。スラリー状とする場合は、水セメン
ト比(W/C)を80〜100%とするのがよい。
【0060】不溶化剤として高炉セメントB種を用いる
場合、その混入量は、不溶化の対象が六価クロムのみで
あれば、汚染土壌1m3につき150kg以上、不溶化
の対象が六価クロムの他、カドミウム、水銀、セレンを
も含むのであれば、200kg以上とする必要がある。
【0061】不溶化剤として高炉セメントC種を用いる
場合、その混入量は、不溶化の対象が六価クロムのみの
ときは、汚染土壌1m3につき100kg以上、不溶化
の対象が六価クロムの他、カドミウム、水銀、セレンを
含むときは、120kg以上とすれば足りる。
【0062】以上に対し、不溶化の対象として、砒素を
含む場合は、高炉セメントの他、さらに、塩化第二鉄を
含有させる必要がある。塩化第二鉄の含有量としては、
汚染土壌1m3につき0.73kg以上とするのがよ
い。又、不溶化の対象として、鉛を含む場合は、高炉セ
メントの他、液体キレートを含有させる必要がある。液
体キレートの含有量としては、高炉セメントに対し質量
比0.50%以上とするのがよい。
【0063】(混入方法)このようにして生成する不溶
化剤を汚染土壌に混入するについては、汚染土壌を掘削
し、地上において行なうことができる。しかし、地上で
行なうには、広いスペースが要求されるなど、立地条件
に左右される。また、汚染土壌が深層に位置するとき
は、コストがかかり、又、作業時間もかかる。そこで、
汚染土壌が深層に位置する場合は、汚染土壌を掘削する
ことなく、原位置において、不溶化剤を添加し、攪拌す
るのがよい。この攪拌方法としては、種々の方法が考え
られるが、図11に示すような、深層機械攪拌装置を用
いることができる。これは、先端吐出口11を有し、か
つ、これよりも基端側に間隔をおいて複数の攪拌翼1
2,12…を有する貫入時吐出型攪拌混合ロッド10を
備えるものである。攪拌ロッド10は、回転しながら土
壌内を推進するものであり、汚染土壌Xに到達すると先
端吐出口11から汚染土壌Xに向けて不溶化剤を吐出す
る。そして、この不溶化剤と重金属を含有する汚染土壌
を攪拌し、重金属を不溶化することになる。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る汚染土壌の不溶化方法及び
その際に使用する不溶化剤によれば、六価クロムを含
め、全ての重金属の溶出量値を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ含有量の異なる高炉セメントを用いた場
合における、各種重金属の溶出濃度を棒グラフにした図
である。
【図2】高炉セメントB種単体の六価クロム吸着能力
と、CB混合体の六価クロム吸着能力との比較図であ
る。
【図3】CB混合剤を用いた場合における、六価クロム
含有土壌の不溶化効果を示した図である。
【図4】高炉セメントB種をCSA置換した場合におけ
る、六価クロム含有土壌の不溶化効果を示した図であ
る。
【図5】高炉セメントB種をAl2(SO43で置換し
た場合における、六価クロム含有土壌の不溶化効果を示
した図である。
【図6】高炉セメントB種を単体で使用した場合におけ
る、六価クロム含有土壌(7号珪砂)の不溶化効果を示
した図である。
【図7】高炉セメントB種を単体で使用した場合におけ
る、六価クロム含有土壌(細粒分10%)の不溶化効果
を示した図である。
【図8】高炉セメントB種を単体で使用した場合におけ
る、六価クロム含有土壌(細粒分30%)の不溶化効果
を示した図である。
【図9】高炉セメントB種を単体で使用した場合におけ
る、六価クロム含有土壌(細粒分50%)の不溶化効果
を示した図である。
【図10】高炉セメントB種を単体で使用した場合にお
ける、六価クロム含有土壌(有機質土)の不溶化効果を
示した図である。
【図11】汚染土壌が深層に位置する場合における、不
溶化剤の混入方法を示した模式図である。
【符号の説明】
10…掘削ロッド、11…先端吐出口、12…攪拌翼。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月27日(2001.3.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】そこで、これを解決する方法として、一般
に、掘削した汚染土壌に地上で不溶化剤を混入し、ある
いは、汚染土壌に原位置で深層機械攪拌工法などによっ
て不溶化剤を混入し不溶化することが行なわれている。
特に、特開平7−31955号公報が開示するように、
汚染土壌に水硬性セメントを混入する不溶化方法は好適
なものとされている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】以上による測定の結果を示したが図3で
ある。図3は、CB混合剤を試験土壌1m3につき10
5kg、524kg及び1048kg混入し、それぞれ
の場合について、材令7日及び材令28日における六価
クロムの溶出濃度を示している。なお、図中の●は材令
7日の場合を示すものであり、○は材令28日の場合を
示すものである。また、それぞれの場合における、高炉
セメントB種の添加量は、20kg、100kg、20
0kgの3種類である。そして、CB混合剤を添加して
いないときの、六価クロムの初期溶出濃度は、4.63
mg/Lであった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】この実験の結果を示したのが、図6であ
る。図6は、土壌1kgにつき六価クロム50mgを添
加して試験土壌とし、この試験土壌に、高炉セメントB
種を粉体状及びスラリー状で、それぞれ土壌1m3につ
き20〜300kg混入した場合の、材令7日及び材令
28における六価クロムの溶出濃度を示している。こ
の実験の結果、高炉セメントB種を粉体状で添加する
よりもスラリー状で添加する方が溶出濃度が低くなるこ
と、材令7日よりセメント水和反応が進行した材令2
8日の方が溶出濃度が低くなることが確認された。又、
高炉セメントB種の添加量が100kg/m3以下の
場合は、粉体状、スラリー状とも添加量増加に従い溶出
濃度が大きく減少し、添加量が100kg/m3を超え
ると溶出濃度はあまり減少しなくなることも確認された
(図中の▲(材令7日、スラリー状)、△(材令28
日、スラリー状)、●(材令7日、粉体状)及び○(材
令28日、粉体状)がこの結果を示す。)。しかしなが
ら、粉体状の場合は、高炉セメントB種の添加量を30
0kg/m 3とすると、六価クロムの溶出濃度は、材令
7日及び材令28日で、それぞれ0.05及び0.04
mg/Lにまで減少し、スラリー状の場合は、高炉セメ
ントB種の添加量を200kg/m3とすると、材令7
日及び材令28日ともに0.02mg/Lにまで減少し
た。これらの値は、土壌環境基準値0.05mg/Lを
下回るものである。この点については、さらに表3に詳
細に示した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】まず、細粒分調整砂質土としては、木更津
砂に木節粘を混入し、細粒分を10、30及び50%
に調整したものを使用した。含水比調整は、細粒分1
0、30及び50%の砂質土の最大乾燥密度を求め、こ
のとき砂質土の間隙に満たすことのできる水の量を基準
として行った。この操作は、細粒分調整に使用した木節
粘土の吸水が瞬時に完了しない可能性を考慮したもので
ある。この操作によって得られた含水比は、細粒分10
%及び30%の砂質土で24%、細粒分50%の砂質土
で25%を示し、細粒分の違いによる含水比の違いはほ
とんどなかった。又、六価クロムの含有量は、7号珪砂
のときと同様、土壌1kgにつき50mgとした。この
場合、六価クロムの初期溶出濃度は、細粒分10%の場
合が4.32mg/L、細粒分30%の場合が4.47
%、細粒分50%の場合が4.46mg/Lであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】以上を用いた実験の結果を示したのが、図
7〜9である。図7、図8及び図9は、細粒分をそれぞ
れ10、30、50%に調整した試験土壌に、高炉セメ
ントB種を粉体状及びスラリー状で、試験土壌1m3
つき20、50、100、200及び300kg添加し
た時の、材令7日及び材令28における六価クロムの
溶出濃度を示している。この結果、細粒分調整砂質土の
場合も7号珪砂を用いた場合と同様、粉体状、スラリー
状とも材令経過に伴って溶出濃度が減少すること、粉体
状よりスラリー状の方が好適であることがわかった。
又、高炉セメントB種をスラリー状で添加するのであれ
ば、ほぼ150kg/m3で、土壌環境基準値の0.0
5mg/Lを下回ることが判明した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】そして、本発明者らは、さらに不溶化する
重金属の対象を広げて実験を行なうことにした。重金属
としては、汚染物質として代表される、砒素(As)、
カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、セレ
ン(Se)を使用した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 10…攪拌ロッド、11…先端吐出口、12…攪拌翼。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/08 C04B 14:10) Z //(C04B 28/08 B09B 3/00 ZAB 22:12 304K 14:10)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚染土壌に不溶化剤を混入し、前記汚染土
    壌に含有する六価クロムを不溶化する方法であって、 前記不溶化剤が、スラグ含有量31〜70%の高炉セメ
    ントを前記汚染土壌1m3あたり150kg以上含み、
    水セメント比(W/C)80〜120%とされることを
    特徴とする、汚染土壌の不溶化方法。
  2. 【請求項2】汚染土壌に不溶化剤を混入し、前記汚染土
    壌に含有する重金属を不溶化する方法であって、 前記不溶化剤が次記(1)及び(2)を含み、水セメン
    ト比(W/C)80〜120%とされることを特徴とす
    る、汚染土壌の不溶化方法。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメントを、
    前記汚染土壌1m3あたり200kg以上 (2)塩化第二鉄を、前記汚染土壌1m3あたり0.7
    kg以上
  3. 【請求項3】汚染土壌に不溶化剤を混入し、前記汚染土
    壌に含有する重金属を不溶化する方法であって、 前記不溶化剤が次記(1)及び(2)を含み、水セメン
    ト比(W/C)80〜120%とされることを特徴とす
    る、汚染土壌の不溶化方法。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメントを、
    前記汚染土壌1m3あたり200kg以上 (2)液体キレートを、前記高炉セメント100kgあ
    たり0.5kg以上
  4. 【請求項4】不溶化剤に、ナトリウムベントナイトを含
    む請求項1〜3のいずれか1項に記載の、汚染土壌の不
    溶化方法。
  5. 【請求項5】汚染土壌から溶出する重金属の量を減少さ
    せるため、前記汚染土壌を不溶化するにあたって使用さ
    れる不溶化剤であって、 次記(1)及び(2)を含み、水セメント比(W/C)
    80〜120%とされることを特徴とする、汚染土壌の
    不溶化剤。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメント (2)塩化第二鉄を、前記高炉セメント100kgに対
    し0.3kg以上
  6. 【請求項6】汚染土壌から溶出する重金属の量を減少さ
    せるため、前記汚染土壌を不溶化するにあたって使用さ
    れる不溶化剤であって、 次記(1)及び(2)を含み、水セメント比(W/C)
    80〜120%とされることを特徴とする、汚染土壌の
    不溶化剤。 (1)スラグ含有量が31〜70%の高炉セメント (2)液体キレートを、前記高炉セメント100kgに
    対し0.5kg以上
  7. 【請求項7】ナトリウムベントナイトを含む請求項5ま
    たは6記載の、汚染土壌の不溶化剤。
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