JP2001321676A - 光触媒塗装剤および光触媒塗装方法 - Google Patents

光触媒塗装剤および光触媒塗装方法

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JP2001321676A
JP2001321676A JP2000144841A JP2000144841A JP2001321676A JP 2001321676 A JP2001321676 A JP 2001321676A JP 2000144841 A JP2000144841 A JP 2000144841A JP 2000144841 A JP2000144841 A JP 2000144841A JP 2001321676 A JP2001321676 A JP 2001321676A
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coating agent
dye
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Akira Fujishima
昭 藤嶋
Kaneyoshi Tada
金芳 只
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Japan Science and Technology Agency
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Kanagawa Academy of Science and Technology
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工現場で簡単にかつ精度良く塗工むらを観
測することができるようにした光触媒塗装剤および光触
媒塗装方法を提供する。 【解決手段】 被塗装材に対し、下地接着層を形成す
る、光触媒を含有しない第1の塗装剤と、該接着層上に
光触媒層を形成する、光触媒を含有する第2の塗装剤と
からなる光触媒塗装剤であって、第1の塗装剤が、光触
媒層の光触媒活性により褪色または消色可能な色素を含
有し、第2の塗装剤が、光触媒の光触媒活性により褪色
または消色可能な色素を含有することを特徴とする光触
媒塗装剤、およびその塗装剤を用いた光触媒塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒塗装剤およ
び光触媒塗装方法に関し、とくに、塗工現場で簡単にか
つ精度良く塗工むらを観測することができる光触媒塗装
剤および光触媒塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン等の光触媒の光触媒活性によ
る防汚、消臭、抗菌作用が注目されている。このような
光触媒を含有する塗装剤を用いて、たとえば、壁材や床
材、天井材等の建材に塗装を施すことが行われつつあ
る。形成された光触媒層に自然光や室内光、紫外光等の
所定の波長の光が照射されることにより、光触媒層が光
触媒活性を発揮し、その光触媒層に接触する室外や室内
環境に対し、汚染物質の分解作用や細菌の殺菌作用が得
られる。建材への塗装は、通常、現場で行われるが、と
くに現場での光触媒層形成用塗装剤の塗工には以下のよ
うな問題がある。
【0003】建材等の被塗装材は、通常、被塗装材自身
が何らかの色を有しているか、あるいは、予め外面に要
求される色の塗装が施されている。光触媒層は、被塗装
材の色を損なわないために、通常、実質的に透明な層に
形成されるが、光触媒が物質の分解機能、とくに有機物
等の分解機能を有しているので、被塗装材の表面に直接
光触媒層を形成すると、その光触媒層による光触媒活性
により、被塗装材の表面の色を発色している物質が分解
され、被塗装材自身の変色や褪色、脱色が生じることが
ある。そのため、通常は、被塗装材上に先ず光触媒を含
有しない実質的に透明な下地層を塗装により形成し、そ
の上に光触媒層を塗装により形成するようにしている。
この下地層は、被塗装材の表面を光触媒層から保護する
とともに、その上に塗工される光触媒層形成用塗装剤の
接着層として介在される(本願明細書では、この下地接
着層形成用塗装剤と光触媒層形成用塗装剤の両方を含め
て、光触媒塗装剤と称する)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記下地層
が透明であるため、とくに現場で下地接着層形成用塗装
剤を塗工する際、該塗装剤が必要とされる面の全面にわ
たって均一に塗工されたか否かを判別するのが難しい。
もし塗工むら、とくに塗布抜けが生じていると、その部
位では、上層として形成される光触媒層が直接被塗装材
の表面に接することになり、上述のような被塗装材自身
の変色や褪色、脱色等の不具合を生じるおそれがある。
このような不具合は、光触媒層形成後で、しかも、ある
期間経過後に現れるものであり、塗工直後には判別でき
ない。このような不具合が生じると、下地接着層から塗
工をやり直さなければならないとともに、被塗装材の表
面の修復、再生が必要になり、多大な労力と費用を要す
る。
【0005】また、光触媒層も透明であるため、たとえ
下地接着層がむらなく均一に塗工されていたとしても、
その上に光触媒層が必要とされる面の全面にわたって均
一に塗工されたか否かを判別することも難しい。光触媒
層の塗工むらは、経時的に被塗装材自身の変色等に現れ
るものではないが、とくに、大きな面積にわたって光触
媒層形成用塗装剤の塗工忘れがあるような場合、目標と
する光触媒活性が得られないという不具合が生じる。
【0006】本発明の課題は、上記のような問題点に鑑
み、とくに塗工現場でも簡単にかつ精度良く塗工むらを
観測することができるようにした光触媒塗装剤および光
触媒塗装方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る光触媒塗装剤は、光触媒と、該光触媒
の光触媒活性により褪色または消色可能な色素を含有す
ることを特徴とするものからなる。また、本発明に係る
光触媒塗装方法は、被塗装材に、光触媒と、該光触媒の
光触媒活性により褪色または消色可能な色素とを含有す
る光触媒層を塗工することを特徴とする方法からなる。
【0008】この光触媒塗装剤および光触媒塗装方法
は、とくに、被塗装材自身に変色や褪色、脱色のおそれ
がなく下地接着層の形成が不要な場合に有効である。含
有された色素により、少なくとも塗工中や塗工直後にお
いては光触媒層は透明ではないから、その塗工むらや塗
工抜けは目視等により容易に観測できる。塗工後には、
自然光や室内光の照射により、光触媒層に光触媒活性を
発揮させて色素を分解し、褪色または消色させるから、
所望の透明な光触媒層が自然に形成される。
【0009】また、下地接着層の形成を必要とする場合
には、本発明に係る光触媒塗装剤は、被塗装材に対し、
下地接着層を形成する、光触媒を含有しない第1の塗装
剤と、該接着層上に光触媒層を形成する、光触媒を含有
する第2の塗装剤とからなる光触媒塗装剤であって、少
なくとも、第1の塗装剤が、光触媒層の光触媒活性によ
り褪色または消色可能な色素を含有することを特徴とす
るものからなる。また、本発明に係る光触媒塗装方法
は、被塗装材に、光触媒を含有しない下地接着層を塗工
した後、該接着層上に、光触媒を含有する光触媒層を塗
工する光触媒塗装方法において、少なくとも接着層に色
素を含有させ該含有色素による発色により接着層の塗工
むらを観測し、観測結果に応じて必要な修正を加えた後
に光触媒層を塗工し、接着層含有色素を光触媒層の光触
媒活性により褪色または消色させることを特徴とする方
法からなる。
【0010】この光触媒塗装剤および光触媒塗装方法
は、とくに、下地接着層の塗工状態の判別に有効であ
る。第1の塗装剤に含有された色素による発色を、目視
あるいは紫外線照射等により観測することにより、光触
媒層の塗工前に、容易に塗工むらや塗工抜けを観測でき
る。したがって、確実に、必要な面の全面にわたって均
一な塗工が可能になる。この観測に用いられた含有色素
は、光触媒層形成後に、該光触媒層の光触媒活性により
分解され、褪色または消色されるから、所望の透明な下
地接着層が自然に形成される。
【0011】あるいは、本発明に係る光触媒塗装剤は、
被塗装材に対し、下地接着層を形成する、光触媒を含有
しない第1の塗装剤と、該接着層上に光触媒層を形成す
る、光触媒を含有する第2の塗装剤とからなる光触媒塗
装剤であって、少なくとも、第2の塗装剤が、光触媒の
光触媒活性により褪色または消色可能な色素を含有する
ことを特徴とするものからなる。また、本発明に係る光
触媒塗装方法は、被塗装材に、光触媒を含有しない下地
接着層を塗工した後、該接着層上に、光触媒を含有する
光触媒層を塗工する光触媒塗装方法において、少なくと
も光触媒層に色素を含有させ該含有色素による発色によ
り光触媒層の塗工むらを観測し、観測結果に応じて必要
な修正を加えた後に該含有色素を光触媒層の光触媒活性
により褪色または消色させることを特徴とする方法から
なる。
【0012】この光触媒塗装剤および光触媒塗装方法
は、とくに、光触媒層の塗工状態の判別に有効である。
第2の塗装剤に含有された色素による発色を、目視等に
より観測することにより、下地接着層の塗工後に、容易
に塗工むらや塗工抜けを観測できる。したがって、確実
に、必要な面の全面にわたって均一な光触媒層の塗工が
可能になる。この観測に用いられた含有色素は、該観測
後に、光触媒層の光触媒活性により分解されて褪色また
は消色されるから、所望の透明な光触媒層が自然に形成
される。
【0013】さらに、より好ましくは、本発明に係る光
触媒塗装剤は、被塗装材に対し、下地接着層を形成す
る、光触媒を含有しない第1の塗装剤と、該接着層上に
光触媒層を形成する、光触媒を含有する第2の塗装剤と
からなる光触媒塗装剤であって、第1の塗装剤が、光触
媒層の光触媒活性により褪色または消色可能な色素を含
有し、第2の塗装剤が、光触媒の光触媒活性により褪色
または消色可能な色素を含有することを特徴とするもの
からなる。また、本発明に係る光触媒塗装方法は、被塗
装材に、光触媒を含有しない下地接着層を塗工した後、
該接着層上に、光触媒を含有する光触媒層を塗工する光
触媒塗装方法において、接着層に色素を含有させ該含有
色素による発色により接着層の塗工むらを観測し、観測
結果に応じて必要な修正を加えるとともに、光触媒層に
色素を含有させ該含有色素による発色により光触媒層の
塗工むらを観測し、観測結果に応じて必要な修正を加
え、接着層含有色素および光触媒層含有色素を光触媒層
の光触媒活性により褪色または消色させることを特徴と
する方法からなる。
【0014】この光触媒塗装剤および光触媒塗装方法
は、とくに、下地接着層と光触媒層の両層の塗工状態の
判別に有効である。第1の塗装剤に含有された色素によ
る発色を、目視あるいは紫外線照射等により観測するこ
とにより、光触媒層の塗工前に、容易に接着層の塗工む
らや塗工抜けを観測でき、第2の塗装剤に含有された色
素による発色を、目視等により観測することにより、接
着層の塗工後に、容易に光触媒層の塗工むらや塗工抜け
を観測できる。したがって、確実に、必要な面の全面に
わたって下地接着層と光触媒層の両層について均一な塗
工が可能になる。この両層の観測に用いられた含有色素
は、光触媒層の光触媒活性により分解されて褪色または
消色されるから、所望の透明な下地接着層および光触媒
層が自然に形成される。
【0015】下地接着層と光触媒層の両層に色素を含有
させる場合には、第1の塗装剤に含有される色素と第2
の塗装剤に含有される色素が、互いに異なる色を呈する
ものであることが好ましい。このようにすれば、光触媒
層の塗工後に下地接着層が未だ完全に消色しきれていな
い場合にあっても、光触媒層独自の色によって光触媒層
の塗工むらが容易に判別される。
【0016】第1の塗装剤に含有される色素としては、
たとえば、蛍光性試薬、塩基性色素、グマリン類色素か
らなる群から選ばれる色素から、適切なものを使用でき
る。また、第2の塗装剤に含有される色素としては、た
とえば、シアニン類色素、塩基性色素、酸性色素、反応
色素からなる群から選ばれる色素から、適切なものを使
用できる。光触媒としては、代表的には酸化チタンを使
用できる。
【0017】本発明に係る塗装層は、上記のような光触
媒塗装剤を用いて被塗装材上に形成されたものであり、
上記のような光触媒塗装方法により、建材等に好適に形
成される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、実際に行った試験による検討結果ととも
に詳細に説明する。本発明の基本技術思想は、従来、塗
工時に透明であるが故に塗工むらの判別が困難であった
塗装剤に、色素を含有させることによって、現場で塗工
むらを一目で簡単に観測できるようにし、塗工むらが観
測された場合には必要に応じて修正を加えることができ
るようにするとともに、塗工むら観測用の役目を終えた
色素については、光触媒層の光触媒活性を利用して自然
に消色させ、塗装層を実質的に透明な層として形成する
ことにある。
【0019】この基本技術思想は、下地接着層がない場
合には、光触媒層のみに対して適用でき、下地接着層が
ある場合には、下地接着層と光触媒層の少なくとも一層
に対して、好ましくは両層に対して適用できる。いずれ
の適用形態においても、使用可能な色素を特定すること
が重要となるので、以下に、使用可能な色素を特定する
ために行った検討結果を主体に説明する。なお、下地接
着層がなく、光触媒層のみに対して本発明に係る色素を
含有させる場合にあっても、それに好適な色素は、下地
接着層がある態様の光触媒層に含有させるに好適な色素
と実質的に同じであるので、以下に、下地接着層と光触
媒層の両層を塗工する形態について試験を行い、それぞ
れの層に対して好適な色素を求めた検討結果を示す。
【0020】試験には、下地接着層形成用塗装剤とし
て、シリカ(SiO2 )とアクリルシリコーン系バイン
ダーを含有するビストレイターL NRC−300A
(日本曹達(株)製)を使用し(溶媒:エステル、アル
コール)、光触媒層形成用塗装剤として、酸化チタン
(TiO2 )とアクリルシリコーン系バインダーを含有
するビストレイターL NRC−300C(日本曹達
(株)製)を使用して(溶媒:水、アルコール)、白い
アルミナ基板とガラス基板上にディップコーティング方
式で、下地接着層、次いで光触媒層を塗工、成膜した。
この塗工に際し、各塗装剤に各種色素を濃度0.01〜
0.05%にて含有させ、光触媒層成膜後に、人工太陽
光照明灯(UV強度:3mW/cm2 )により太陽光を
照射し、色素の経時による褪色状況を、ハンディスペッ
ク分光測色計で判定した。なお、大半の色素の吸収極大
波長についても、UV−Vis spectrumによ
り求めた。
【0021】各色素の本発明への適用可能性についての
判定は、上記の各塗装剤への溶解性(つまり、溶ける
か、溶けにくいか)、光触媒層の光触媒活性による褪色
性(つまり、褪色が良好に行われるか、褪色しにくい
か)に関して行った。また、併せて、塗工現場での実用
特性を重視し、下地接着層については、ブラックライト
等による紫外線照射によって蛍光を発するものが、極め
て明瞭にかつ簡単に塗工むらを観測でき、便利であるこ
とから、蛍光性の有無をこの試験における判定項目に加
えた。また、光触媒層については、着色されてさえいれ
ば、目視で容易に塗工むらを観測できることから、着色
性の良否をこの試験における判定項目に加えた。したが
って、試験における各色素の実用的な使用可能性の判断
は、下地接着層(下地接着層形成用塗装剤)に関して
は、溶解性、褪色性、蛍光性の総合判定によって行い、
光触媒層(光触媒層形成用塗装剤)に関しては、溶解
性、褪色性、着色性の総合判定によって行った。検討し
た接着層用色素の試験結果を表1に、検討した光触媒層
用色素の試験結果を表2に、それぞれ示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1に示すように、下地接着層形成用塗装
剤に含有させる色素として、塗装剤への溶解性、ブラッ
クライト等により紫外線を照射した際の蛍光性、光触媒
層と組み合わせ後の褪色性の全てを満足する使用可能な
色素は、 a)塩基性色素の中で、とくにアルコール系、エステル
系で蛍光を示す色素が好ましく、代表例として、ローダ
ミン123(Rhodamine 123)、ローダミ
ン6G(Rhodamine 6G)が挙げられる。 b)蛍光性試薬の中で、とくにアルコール系、エステル
系で溶け、かつ、所望の蛍光性を示す色素が好ましく、
代表例として、ルモガリオン(Lumogallio
n)、チオフラビン−T(Thioflavin−T)
が挙げられる。 c)グマリン類の色素中で、とくにアルコール系、エス
テル系で溶ける色素が好ましく、代表例として、グマリ
ン(クマリン)−6(Coumarin−6)が挙げら
れる。
【0025】一方、基本的に、アルコール系、エステル
系で溶けないか、蛍光を示さない色素は使用不可と判断
した。
【0026】また、表2に示すように、光触媒層形成用
塗装剤に含有させる色素として、塗装剤への溶解性、目
視で塗工むらを容易に判別できるだけの着色性、太陽光
での褪色性の全てを満足する使用可能な色素は、 a)塩基性色素の中で、とくにチアジン構造を持ってい
る色素が好ましく、代表例として、メチレンブルー(M
ethylene Blue)が挙げられる。 b)シアニン類の色素の中で、とくにアルコール系、水
系で溶ける色素が好ましく、代表例として、チアゾール
(NK−382)、キノリン(NK−3、NK−13
8)、ベンゾセレナゾール(NK−1590、NK−7
19)など複素環を含有するシアニン色素が挙げられ
る。 c)酸性色素の中で、とくにアルコール系、水系で溶け
るインジゴイド系色素が好ましく、代表例として、イン
ジゴカルミン(Inchigo Carmine)が挙
げられる。 d)反応色素の中で、とくにアルコール系、水系で溶け
るプロシオン系色素が好ましく、代表例として、プロシ
オンレッドMK−5B(Procion RedMK−
5B)が挙げられる。
【0027】一方、塩基性色素の中でも、キサンテン
(Rhodamine系)、トリフェニルメタン(Ma
lachite Green)構造を持っている色素
は、褪色しにくいため、適用できない。また、着色性が
不良の色素の代表例として、グマリン−6(Couma
rin−6)、チオフラビン−T(Thioflavi
n−T)、フルオレセインナトリウム(Fluores
cein Sodium)、シバクロンブリリアントイ
エロー3G−P(Cibacron Brillian
t Yellow 3G−P)、タートラジン(Tar
trazine)などがある。さらに、金属を含有して
いる顔料は、酸化チタンで分解できないため、適用でき
ず、代表例としてフタロシアニンブルー(Phthal
ocyanime Blue)が挙げられる。
【0028】上述の如く、試験により、接着層、光触媒
層のそれぞれに好適な含有色素を具体的に特定できた。
表1、表2で使用可能と判定された接着層含有色素と、
光触媒層含有色素は、いずれの組み合わせも可能であ
る。また、表1で使用可能と判定された接着層含有色素
と、表2で使用可能と判定された光触媒層含有色素は、
それぞれ単独でも適用可能である。
【0029】本発明において接着層に使用可能と判断で
きる色素を接着層に含有させることにより、接着層塗工
中あるいは塗工直後に、簡単に塗工むらを観測できるか
ら、塗工むらが有る場合には、極めて容易に修正でき
る。とくに、含有色素が蛍光性を有する場合には、塗工
現場を簡単なシート等で覆い、ブラックライト等により
紫外光を照射することにより、極めて明瞭にかつ容易に
塗工むらを観測できる。この接着層含有色素は、光触媒
層塗工後の光触媒層の光触媒活性により、褪色され、最
終的に消色されるから、所望の透明な接着層が自然に達
成される。
【0030】また、本発明において光触媒層に使用可能
と判断できる色素を光触媒層に含有させることにより、
光触媒層塗工中あるいは塗工直後に、目視で簡単に塗工
むらを観測できるから、塗工むらが有る場合には、極め
て容易に修正できる。光触媒層含有色素は、光触媒層に
含有されている光触媒(酸化チタン)の光触媒活性によ
って分解され、褪色され、最終的に消色されるから、所
望の透明な光触媒層が自然に達成される。とくに、太陽
光により消色可能であるから、特別な手段を講じる必要
がない。太陽光の照射により、早ければ3〜4時間で、
遅くとも2〜3日で消色する。
【0031】また、下地接着層に含有する色素と、光触
媒層に含有する色素とを、互いに異なる色を呈する色素
とすることにより、たとえ、接着層含有色素が光触媒層
の光触媒活性により未だ消色し切れていない場合にあっ
ても、接着層上に塗工された光触媒層の塗工むらを簡単
に判別できるようになり、一層容易に所望の光触媒層を
均一に塗工できるようになる。また、光触媒層の均一な
塗工により、下地接着層もまた、必要な面全面にわたっ
て、確実に消色されることになる。
【0032】このように、接着層または/および光触媒
層に特定の色素を含有させた状態で光触媒塗装を行うこ
とにより、現場でも簡単にかつ確実に塗工むらを観測で
きるようになり、目標とする均一な光触媒塗装、つま
り、光触媒層が均一に形成されている状態、あるいは、
下地接着層と光触媒層がともに均一に形成されている状
態が容易に達成される。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光触
媒塗装剤および光触媒塗装方法によれば、塗工現場でも
簡単にかつ精度良く塗工むらを観測することができるよ
うになり、目標とする均一な光触媒塗装を容易に行うこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 303 C09D 201/00 C09D 201/00 B01D 53/36 J Fターム(参考) 4D048 BA07X BA41X BB03 EA01 4D075 AE03 CA34 CA45 CA48 CB06 DA27 DC02 EA07 EB22 EB42 EC01 EC17 4G069 AA03 BA04A BA04B BA48A CA01 DA06 EA11 ED05 FB23 4J038 EA011 HA216 JB27 KA04 KA08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒と、該光触媒の光触媒活性により
    褪色または消色可能な色素を含有することを特徴とする
    光触媒塗装剤。
  2. 【請求項2】 被塗装材に対し、下地接着層を形成す
    る、光触媒を含有しない第1の塗装剤と、該接着層上に
    光触媒層を形成する、光触媒を含有する第2の塗装剤と
    からなる光触媒塗装剤であって、少なくとも、第1の塗
    装剤が、光触媒層の光触媒活性により褪色または消色可
    能な色素を含有することを特徴とする光触媒塗装剤。
  3. 【請求項3】 被塗装材に対し、下地接着層を形成す
    る、光触媒を含有しない第1の塗装剤と、該接着層上に
    光触媒層を形成する、光触媒を含有する第2の塗装剤と
    からなる光触媒塗装剤であって、少なくとも、第2の塗
    装剤が、光触媒の光触媒活性により褪色または消色可能
    な色素を含有することを特徴とする光触媒塗装剤。
  4. 【請求項4】 被塗装材に対し、下地接着層を形成す
    る、光触媒を含有しない第1の塗装剤と、該接着層上に
    光触媒層を形成する、光触媒を含有する第2の塗装剤と
    からなる光触媒塗装剤であって、第1の塗装剤が、光触
    媒層の光触媒活性により褪色または消色可能な色素を含
    有し、第2の塗装剤が、光触媒の光触媒活性により褪色
    または消色可能な色素を含有することを特徴とする光触
    媒塗装剤。
  5. 【請求項5】 第1の塗装剤に含有される色素と第2の
    塗装剤に含有される色素が、互いに異なる色を呈する、
    請求項4の光触媒塗装剤。
  6. 【請求項6】 第1の塗装剤に含有される色素が、蛍光
    性試薬、塩基性色素、グマリン類色素からなる群から選
    ばれる色素である、請求項2、4、5のいずれかに記載
    の光触媒塗装剤。
  7. 【請求項7】 第2の塗装剤に含有される色素が、シア
    ニン類色素、塩基性色素、酸性色素、反応色素からなる
    群から選ばれる色素である、請求項3ないし5のいずれ
    かに記載の光触媒塗装剤。
  8. 【請求項8】 光触媒が酸化チタンからなる、請求項1
    ないし7のいずれかに記載の光触媒塗装剤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の光
    触媒塗装剤を用いて被塗装材上に形成された塗装層。
  10. 【請求項10】 被塗装材に、光触媒と、該光触媒の光
    触媒活性により褪色または消色可能な色素とを含有する
    光触媒層を塗工することを特徴とする光触媒塗装方法。
  11. 【請求項11】 被塗装材に、光触媒を含有しない下地
    接着層を塗工した後、該接着層上に、光触媒を含有する
    光触媒層を塗工する光触媒塗装方法において、少なくと
    も接着層に色素を含有させ該含有色素による発色により
    接着層の塗工むらを観測し、観測結果に応じて必要な修
    正を加えた後に光触媒層を塗工し、接着層含有色素を光
    触媒層の光触媒活性により褪色または消色させることを
    特徴とする光触媒塗装方法。
  12. 【請求項12】 被塗装材に、光触媒を含有しない下地
    接着層を塗工した後、該接着層上に、光触媒を含有する
    光触媒層を塗工する光触媒塗装方法において、少なくと
    も光触媒層に色素を含有させ該含有色素による発色によ
    り光触媒層の塗工むらを観測し、観測結果に応じて必要
    な修正を加えた後に該含有色素を光触媒層の光触媒活性
    により褪色または消色させることを特徴とする光触媒塗
    装方法。
  13. 【請求項13】 被塗装材に、光触媒を含有しない下地
    接着層を塗工した後、該接着層上に、光触媒を含有する
    光触媒層を塗工する光触媒塗装方法において、接着層に
    色素を含有させ該含有色素による発色により接着層の塗
    工むらを観測し、観測結果に応じて必要な修正を加える
    とともに、光触媒層に色素を含有させ該含有色素による
    発色により光触媒層の塗工むらを観測し、観測結果に応
    じて必要な修正を加え、接着層含有色素および光触媒層
    含有色素を光触媒層の光触媒活性により褪色または消色
    させることを特徴とする光触媒塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001342430A (ja) * 2000-06-02 2001-12-14 Nippon Soda Co Ltd 光触媒担持構造体用塗布液
JP2007161973A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Chitoshi Jinno 着色性光触媒、アスベスト飛散防止固化液の製造方法とその利用方法
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