JP2001320289A - ノイズキャンセラとこのノイズキャンセラを備えた通信装置、並びにノイズキャンセル処理プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

ノイズキャンセラとこのノイズキャンセラを備えた通信装置、並びにノイズキャンセル処理プログラムを記憶した記憶媒体

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JP2001320289A
JP2001320289A JP2000134932A JP2000134932A JP2001320289A JP 2001320289 A JP2001320289 A JP 2001320289A JP 2000134932 A JP2000134932 A JP 2000134932A JP 2000134932 A JP2000134932 A JP 2000134932A JP 2001320289 A JP2001320289 A JP 2001320289A
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noise
power
frame
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estimation
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Yuriko Tsukahara
由利子 塚原
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送誤り等の影響を排除して雑音パワーの推
定を常に安定に行えるようにし、かつ入力信号のフレー
ムパワーが小さい状態でも、そのフレームの性質に応じ
て最適な抑圧処理を行えるようにする。 【解決手段】 雑音パワー推定部24において雑音パワ
ーEを推定する際に、検出されたフレームパワー最小値
min と1区間前の雑音パワー推定値noiseとの差(min
−noise )がしきい値「−2」以上の場合には、新しい
雑音パワー推定値Eを現区間で検出したフレームパワー
最小値min に更新し、上記差(min −noise )がしきい
値「−2」未満のときには、雑音パワー推定値の更新を
行わないか、又は長期平均パワーavg に更新する。ま
た、最大キャンセル量計算部22において、長期平均パ
ワー値APと雑音パワー推定値Eとの差が大きいほど最
大キャンセル量Mを小さい値に設定し、差が小さい場合
には大きい値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディジタル携帯
電話装置等のように、受信したディジタル符号化音声信
号を復号して拡声出力する通信装置に設けられるノイズ
キャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル携帯電話装置では、一般にC
ELP(Code Excited Linear Prediction)方式等の低
ビットレートの音声符号化方式が使用されている。この
種の符号化方式を使用すると、背景雑音が比較的大きい
環境下でも良好な音声通話を行なうことが可能である。
なお、CELP方式の詳細については、M.R.Schroeder
氏とB.S.Atal氏の“Code-Excited Linear Prediction
(CELP):High-QualitySpeech At Very Low Bit Rate
s”in Proc.ICASSP,1985.pp.937-939に述べられてい
る。
【0003】しかし、鉄道のホームや幹線道路等のよう
な高雑音環境下では、背景雑音は音声の明瞭感を著しく
低下させる。このため、雑音を除去して音声のみを符号
化に供するノイズキャンセラの研究が種々なされてい
る。その一例として、「雑音低減処理方法」(特開平7
−193548号)がある。
【0004】この文献に記載されているノイズキャンセ
ラは、マイクロフォンに入力されたのちA/D変換器で
ディジタル信号に変換された音声信号を、一定長ずつに
区切ってフレーム化したのちフレームパワー計算部でフ
レームごとのパワーを算出する。またそれと共に、上記
マイクロフォンに入力された信号に含まれる雑音レベル
を推定し、この推定した雑音レベルの大きさに応じてレ
ベル弁別回路により抑圧量のしきい値を設定する。この
しきい値は、雑音レベルが高いときには抑圧量が大きく
なるように、反対に雑音レベルが小さいときには抑圧量
が小さくなるように、また雑音レベルが中程度のときに
は抑圧量が通常値となるようにそれぞれ設定される。そ
して、抑圧比計算回路において、上記フレームパワー及
び上記抑圧量のしきい値をもとに抑圧特性を求め、この
抑圧特性に対しスムージング回路によりフレーム間のば
らつきを抑える処理を施したのち、ノイズリデュース回
路に与える。ノイズリデュース回路は、上記抑圧比を上
記ディジタル音声信号に乗算し、これにより上記ディジ
タル音声信号に含まれる雑音レベルを低減する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のノイズキャンセラには、次のような解決すべき課
題があった。 (1) 雑音レベルの推定を、一定区間ごとにその入力信号
のパワーの最小値を検出し、この最小値を無条件に雑音
レベルの推定値とすることにより行っている。このた
め、例えば任意のフレームにおいて一時的な伝送誤りが
発生し、これにより当該フレームのパワーが極端に小さ
くなると、このときの値がそのまま当該一定区間におけ
る雑音レベルとして推定される。すなわち、実際には大
きなレベルの雑音があったとしても、雑音レベルはきわ
めて小さいものとして誤った推定がなされてしまう。こ
の結果、当該区間では雑音抑圧処理が十分に行われず、
話者にとってはきわめて聴き辛い状態となる。
【0006】(2) 雑音抑圧処理によって雑音期間を完全
に無音にしてしまうと、隣接する音声部分とのギャップ
が目立ち受話状態がきわめて不自然になる。そこで、従
来のノイズキャンセラでは、雑音抑圧量の最大値を上記
ギャップが目立たないように控えめの値に選び、この値
をフレームの性質によらず固定値に設定している。この
ため、雑音のみのときには雑音が十分にキャンセルされ
ず耳障りに聞こえ、一方音声があるときには雑音のキャ
ンセルの影響が音声にも及んで音声が聞き取り難くな
る。
【0007】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その第1の目的は、伝送誤り等の影響を排除して
雑音パワーの推定を常に安定に行えるようにし、これに
より安定な雑音抑圧処理を可能にするノイズキャンセラ
とこのノイズキャンセラを備えた通信装置、並びにノイ
ズキャンセル処理プログラムを記憶した記憶媒体を提供
することである。
【0008】また第2の目的は、入力信号のフレームパ
ワーが小さい状態でも、そのフレームの性質に応じて最
適な抑圧処理を行えるようにし、これにより明瞭で自然
感のある受話を可能にするノイズキャンセラとこのノイ
ズキャンセラを備えた通信装置、並びにノイズキャンセ
ル処理プログラムを記憶した記憶媒体を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために第1の発明は、入力信号を一定時間長のフレー
ムに分割し、これらのフレームごとに入力信号に含まれ
る雑音を抑圧するノイズキャンセラにおいて、各フレー
ムごとにそのパワーを検出するフレームパワー検出手段
と、このフレームパワー検出手段により検出されたフレ
ームパワーをもとに、複数のフレームを含む所定の雑音
推定区間におけるフレームパワーの最小値を検出する最
小値検出手段と、現在の雑音推定区間において検出され
たフレームパワーの最小値を、1区間前の雑音推定区間
において求めた雑音パワー推定値と比較する比較手段
と、雑音パワー推定手段とを備えている。そして、この
雑音パワー推定手段において、上記比較手段による比較
の結果、現在の雑音推定区間において検出されたフレー
ムパワーの最小値が1区間前の雑音推定区間における雑
音パワー推定値より所定量以上小さい場合には、この1
区間前の雑音推定区間の雑音パワー推定値、又は現在の
雑音推定区間におけるフレームパワーの平均値を、現在
の雑音推定区間における雑音パワー推定値とし、それ以
外の場合には現在の雑音推定区間において検出されたフ
レームパワーの最小値を現在の雑音推定区間の雑音パワ
ー推定値とする。そして、現在の雑音推定区間の各フレ
ームごとに、上記雑音パワー推定手段により設定された
雑音パワー推定値、及び上記フレームパワー検出手段に
より検出されたフレームパワーをもとに雑音抑圧量を求
めて、この雑音抑圧量に従い上記入力信号に対する雑音
抑圧処理を行うようにしたものである。
【0010】したがってこの発明によれば、例えば任意
のフレームの伝送信号が伝送誤りの影響により復号部に
おいて無信号に置き換えられ、この無信号がフレームパ
ワーの最小値として検出されたとしても、この最小値は
破棄され、代わりに1区間前の雑音パワー値又は現在の
雑音推定区間におけるフレームパワーの平均値が現在の
雑音推定区間の雑音パワー推定値として使用される。こ
のため、無信号のパワーがそのまま雑音パワー推定値と
して使用される不具合は防止され、これにより安定な雑
音抑圧処理を行うことが可能となる。
【0011】また上記第1の発明は、上記最小値検出手
段において、雑音推定区間を構成する複数のフレームか
ら無音フレームを除いたフレームのパワーをもとに雑音
推定区間のフレームパワーの最小値を検出することを特
徴とする。このようにすると、無音フレームを最小値の
検出対象から排除することができ、これによりさらに安
定な雑音パワー推定を行うことができる。
【0012】さらに第1の発明は、雑音パワー推定手段
において、雑音パワー推定値を雑音推定区間中の一部又
はすべてのフレーム期間に渡り徐々に変化させることも
特徴とする。このようにすることで、雑音推定区間の境
界における雑音パワー推定値の変化を緩和することがで
き、これによりさらに円滑な雑音抑圧処理を実現でき
る。
【0013】一方、上記第2の目的を達成するために第
2の発明は、入力信号を一定時間長のフレームに分割
し、これらのフレームごとに入力信号に含まれる雑音を
抑圧するノイズキャンセラにおいて、上記各フレームご
とにそのパワーを検出するフレームパワー検出手段と、
このフレームパワー検出手段により検出された複数のフ
レームのパワーを平均化処理することで長期平均パワー
を求める平均パワー検出手段と、上記フレームパワー検
出手段により検出されたフレームパワーの最小値をもと
に雑音パワーを推定する雑音パワー推定手段と、各フレ
ームごとに上記フレームパワー検出手段により検出され
たフレームパワー、及び上記雑音パワー推定手段により
推定された雑音パワーをもとに雑音抑圧量を求める雑音
抑圧量設定手段と、最大値設定手段とを備えている。そ
して、この最大値設定手段において、上記雑音抑圧量設
定手段により求められる雑音抑圧量に第1の最大値を設
定し、この第1の最大値を上記平均パワー検出手段によ
り求められた長期平均パワーと上記雑音パワー推定手段
により推定された雑音パワーとの差をもとに可変設定す
るようにし、上記雑音抑圧量設定手段及び最大値設定手
段により設定された雑音抑圧量に従い、上記入力信号に
対する雑音抑圧処理を行うようにしたものである。
【0014】したがって第2の発明によれば、各フレー
ムごとに、雑音パワーが大きくてもこのフレームが音声
フレームであれば雑音抑圧量の最大値が小さな値に設定
され、一方雑音パワーがそれほど大きくなくてもこのフ
レームが無音区間であれば雑音抑圧量の最大値は大きな
値に設定される。このため、音声フレームについては押
さえ気味の雑音抑圧処理が行われて受話音声の明瞭度を
保持することができ、一方無音フレームについては十分
な雑音抑圧処理が行われて耳障りな雑音を十分に抑圧す
ることができる。
【0015】また第2の発明は、入力信号の雑音区間を
検出する雑音区間検出手段と、雑音抑圧量の強制設定手
段とをさらに備え、この強制設定手段により、上記雑音
区間検出手段により雑音区間が検出されている期間に、
雑音抑圧量設定手段及び最大値設定手段により設定され
る雑音抑圧量を、第1の最大値より大きい第2の最大値
に強制的に設定するようにしたものである。このように
することで、必要に応じて例えばVOX(Voice Operat
ed Transmitter)制御による強制的な雑音抑圧処理も選
択的に使用することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係わるノイズ
キャンセラを備えたディジタル携帯電話装置の一実施形
態を示す回路ブロック図である。
【0017】図1において、話者の送話音声は、マイク
ロホン13に入力されて送話音声信号に変換されたの
ち、A/D変換器14で所定のサンプリング周期でサン
プリングされてディジタル送話信号に変換される。この
ディジタル送話信号は、音声符号化回路(COD:Spee
ch encoder)16に入力されて符号化される。
【0018】この音声符号化回路16から出力された符
号化音声データは、制御回路18から出力された制御信
号とともに誤り訂正符号復号回路(CH−CODEC:
Channel-encoder/decoder)9に入力され、ここで誤り
訂正符号化される。そして、この誤り訂正符号化された
ディジタル送信信号は、時分割多元接続(TDMA:Ti
me Division Multiple Access)回路8に入力される。
このTDMA回路8では、TDMA方式に対応した伝送
フレームが生成され、この伝送フレーム中の自装置に割
り当てられたタイムスロットに上記ディジタル送信信号
を挿入するための処理が行なわれる。このTDMA回路
8から出力されたディジタル送信信号は、続いてディジ
タル変調器(MOD)7に入力される。
【0019】このディジタル変調器7では、上記ディジ
タル送信信号によりディジタル変調された送信中間周波
信号が発生され、この送信中間周波信号は図示しないD
/A変換器によりアナログ信号に変換されたのち送信回
路(TX)5に入力される。なお、ディジタル変調方式
としては、例えばπ/4シフトQPSK(π/4 shift
ed quadrature phase shift keying)方式が使用され
る。
【0020】送信回路5では、上記変調された送信中間
周波信号が、周波数シンセサイザ4から出力された送信
局部発振信号とミキシングされ、これにより上り通話チ
ャネルに対応する無線搬送波周波数にアップコンバート
される。そして、この無線変調波信号は、送信電力増幅
器において制御回路18から制御信号TCSにより指示
された所定の送信電力レベルに制御されたのち、アンテ
ナ共用器2を介してアンテナ1から図示しない基地局へ
向けて送信される。
【0021】一方、図示しない基地局から無線チャネル
を介して送られた無線搬送波信号は、アンテナ1で受信
されたのちアンテナ共用器(DUP)2を介して受信回
路(RX)3に入力される。この受信回路3では、上記
無線搬送波信号が、周波数シンセサイザ(SYN)4か
ら出力された受信局部発振信号とミキシングされて、中
間周波信号にダウンコンバートされる。そしてこの受信
中間周波信号は、図示しないA/D変換器においてサン
プリングされたのちディジタル復調器(DEM)6に入
力される。
【0022】ディジタル復調器6は、上記ディジタル受
信中間周波信号に対するフレーム同期及びビット同期を
確立したうえで、ディジタル復調処理を行なう。この復
調処理により得られたベースバンドのディジタル復調信
号はTDMA回路8に入力され、ここで各伝送フレーム
ごとに自装置宛てのタイムスロットが分離抽出される。
なお、上記ディジタル復調器6において得られたフレー
ム同期及びビット同期に関する同期情報は制御回路18
に入力される。
【0023】上記TDMA回路8から出力されたディジ
タル復調信号は、続いて誤り訂正符号復号回路9に入力
され、ここで誤り訂正復号処理される。そして、この誤
り訂正復号されたディジタル復調信号は、音声復号回路
(DEC:Speech decoder)10に入力されて音声復号
処理され、これによりディジタル受話信号が再生され
る。このディジタル受話信号は、後述するノイズキャン
セラ20介してD/A変換器11に入力され、このAS
/D変換器11でアナログ受話信号に戻されたのち図示
しない音声増幅器を介してスピーカ12に供給され、こ
のスピーカ12から拡声出力される。
【0024】なお、19はキー入力部/表示部であり、
このキー入力部/表示部19には発信キー、終了キー、
ダイヤルキー及び各種機能キーと、液晶表示器 (LC
D)及び発光ダイオード(LED)がそれぞれ配設され
ている。
【0025】ところで、ノイズキャンセラ20は例えば
DSP(Digital Signal Processor)により実現される
もので、そのプログラムはノイズキャンセラ内または制
御回路18に付属するメモリに格納されている。図2は
このプログラムにより実現される機能を示すブロック図
である。
【0026】音声復号回路10から出力されたディジタ
ル受話信号は、1フレーム(160サンプル)ずつフレ
ームパワー計算部21に入力される。フレームパワー計
算部21は、上記1フレームごとのディジタル受話信号
のパワー、つまりサンプルの自乗平均の対数値Pを算出
する。その計算式は、xを入力信号とすると、例えば次
のように表される。 このフレームパワー計算部21により算出されたフレー
ムパワーPは、最大キャンセル量決定部22、長期平均
パワー計算部23、雑音パワー推定部24、雑音区間検
出部25及びキャンセル量決定部26にそれぞれ入力さ
れる。
【0027】このうち先ず長期平均パワー計算部23
は、上記フレームパワー計算部21により算出された各
フレームパワーのリーク積分を計算することにより、長
期平均パワーAPを求める。その計算式は、フレーム番
号をm、リーク係数をα(α=0.97)とすると、次のよ
うに表される。 AP(m) =αAP(m-1) +(1−α)P(m) (2) ただし、P−E>10dBのときには、AP(m) =Pとな
る。ここで、Eは後述する雑音パワー推定部24におい
て求められる雑音パワーの推定値である。
【0028】なお、上記長期平均パワーAPの算出は、
ハンドオーバや伝送誤りによる無音フレームを除外した
正常なフレームについて行われる。入力フレームが無音
フレームであるか正常なフレームであるかは、制御回路
18からエラーフラグ(errflag)NCSにより指示さ
れる。すなわち、制御回路18は誤り訂正符号復号回路
9による誤り訂正処理を監視し、ハンドオーバ又は伝送
誤りの影響により任意のフレームが無音フレームに置換
された場合に、この無音フレームとそれに続く数フレー
ムの期間にエラーフラグNCSを“1”とし、その他の
正常なフレームの期間にはエラーフラグNCSを“0”
とする。
【0029】雑音パワー推定部24は、予め設定した雑
音推定区間、例えば50フレームからなる区間(1フレ
ーム=20msecであれば1秒)において、上記フレーム
パワー計算部21により算出された各フレームパワーの
中から最小値min を検出し、この検出したフレームパワ
ーの最小値min を現在の雑音推定区間における雑音パワ
ー推定値Eとして出力する。
【0030】ただし、検出したフレームパワーの最小値
min が1区間前の雑音推定区間において推定された雑音
パワーの推定値noise より一定値以上小さい場合には、
この検出したフレームパワーの最小値min を雑音パワー
推定値とせず、代わりに上記1区間前の雑音推定区間に
おいて得られた雑音パワーの推定値noise か、或いは現
在の雑音推定区間において別途算出されたフレームパワ
ーの平均値avg を雑音パワー推定値Eとして更新する。
また、この雑音パワー推定値Eの更新時には、推定値E
が急激に変化しないように、例えば50フレームのうち
の最初の32フレームにおいて線形内挿を行うことで、
雑音パワー推定値を徐々に変化させるようにする。
【0031】なお、この雑音パワー推定部24において
も、フレームパワーの最小値min の検出は、制御回路1
8から与えられるエラーフラグNCSに従い、ハンドオ
ーバや伝送誤りによる無音フレームを除外した正常なフ
レームを対象として行われる。
【0032】最大キャンセル量決定部22は、上記長期
平均パワー計算部23により求められたディジタル受話
信号の長期平均パワーAPと、上記雑音パワー推定部2
4により求められた雑音パワーの推定値Eとをもとに、
最大キャンセル量Mを計算する。その計算式は、 M=MIN CANCEL+AP(m) −E (3) で表される。ただし、MIN CANCEL≦M≦MAX CANCELであ
る。これらの値は例えばMIN CANCEL=−8、MAX CANCEL
=−4に設定される。
【0033】キャンセル量決定部26は、各フレームご
とに、前記フレームパワー計算部21により求められた
フレームパワーPと、上記雑音パワー推定部24により
求められた雑音パワーの推定値Eと、最大キャンセル量
決定部22により求められた最大キャンセル量Mとに基
づいて、キャンセル量Gを算出する。
【0034】その計算式は、 G=S(P−E−σ)+M (4) で表される。ただし、M≦G≦0である。またSは変化
速度であり、例えばS=1.、σ=4に設定される。
【0035】キャンセル量決定部26はさらに、以上の
ように求めたキャンセル量Gから、 pow10(G/10) (5) のようにゲインを計算し、このゲインを乗算器27に与
えてディジタル受話信号のフレームに乗算させる。
【0036】雑音区間検出部25は、VOX制御を併用
する場合に使用するもので、フレームパワー計算部21
により算出されたフレームパワーPをもとに、当該フレ
ームが雑音のみを含む雑音フレームであるか音声を含む
音声フレームであるかを判定する。そして、雑音フレー
ムが検出されると、その検出信号をキャンセル量決定部
26に与え、当該フレームに対するキャンセル量Gを、
上記フレームパワーP、雑音パワーの推定値E及び最大
キャンセル量Mの値に関係なく、予め設定した値に強制
的に設定させる。
【0037】次に、以上のように構成されたノイズキャ
ンセラ20の動作を、そのノイズキャンセルプログラム
の手順に従い説明する。通信が開始され、音声復号回路
10から出力されたディジタル受話信号xがノイズキャ
ンセラ20に入力されると、先ずフレームパワー計算部
21において前記第(1)式に従いフレームごとにその
フレームパワーPが算出される。
【0038】次に、長期平均パワー計算部23におい
て、前記第(2)式に従い上記フレームパワーPをリー
ク積分することにより長期平均パワーAPが算出され
る。なお、この長期平均パワーの計算処理においては、
制御回路18から与えられるエラーフラグNCSが
“0”のフレームのみが計算対象として使用される。し
たがって、ハンドオーバや伝送誤りにより音声復号回路
10において無音フレームに置換されたフレームは長期
平均パワーの計算対象から予め除外されることになり、
このためハンドオーバや伝送誤りによる無音フレームに
影響されず、正確で安定な長期平均パワーAPの算出が
可能となる。この長期平均パワーAPは、後述する最大
キャンセル量Mの決定に使用される。
【0039】さて、雑音パワー推定部24では、上記フ
レームパワー計算部21において順次得られる各フレー
ムのフレームパワーPをもとに、雑音パワーの推定が行
われる。この雑音パワーの推定は、自然感のある雑音抑
圧を実現するうえで最も重要な要素である。図3及び図
4はこの推定処理の手順と処理内容を示すフローチャー
トである。雑音パワー推定部24は、50フレーム(1
秒)を1つの雑音推定区間とし、この雑音推定区間ごと
に以下のように雑音推定処理を実行する。すなわち、先
ずステップ3aにおいて、フレームカウンタの値counte
rを0にクリアすると共に、フレームパワーの最小値min
を雑音パワーの最大値MAX NOISE(=36dB)に初期設
定し、さらに1区間前の雑音推定区間におけるフレーム
パワーの最小値noise、1区間前の雑音推定区間におけ
るフレームパワーの最小値pre 、及びフレームパワーP
の長期平均値avg をそれぞれ5dBに初期設定する。
【0040】次に、ステップ3bでフレームパワーP及
びエラーフラグ(err flag)NCSをそれぞれ取り込
み、ステップ3cでエラーフラグNCSが“0”である
か否かを判定する。この判定の結果、エラーフラグNC
Sが“0”であれば、入力フレームは正常なフレームで
あると判断して、ステップ3dでフレームカウンタcoun
terの値をインクリメントしたのち、ステップ3eでこ
のインクリメント後のフレームカウンタcounterの値が
1より小さいか否かを判定する。そして、1以上であれ
ば、処理ブロックS1に移行する。この処理ブロックS
1では、ステップ3fにおいてフレームパワーPが最小
値min より小さいか否かを判定し、小さければステップ
3gにおいてフレームパワー最小値min を現フレームの
パワーPに更新する処理が行われる。
【0041】続いて雑音パワー推定部24は、ステップ
3hにおいて、入力されたフレームパワーPの長期平均
値avg を計算する。この長期平均値avg の計算は、 avg =γavg+(1−γ)P により行われる。ただし、γ=0.99である。
【0042】次に雑音パワー推定部24は、ステップ4
aに移行して、ここでフレームカウンタの値counterが
1雑音推定区間の終わりである50に達したか否かを判
定する。そしてフレームカウンタの値counterが50に
達していなければ、つまり雑音推定区間中であれば、線
形内挿により雑音パワー推定値を徐々に変化させるため
の処理ブロックS2に移行する。
【0043】この処理ブロックS2では、先ずステップ
4jでフレームカウンタの値counterが32未満である
か否かが判定され、32未満ならばステップ4mで1秒
前の雑音パワー推定値noise と2秒前の雑音パワー推定
値pre とをもとに、現区間の雑音パワー推定値Eを線形
内挿により算出する。その計算式は、 E=noise*counter/32+pre*(1.−counter/3
2) により表される。これに対しフレームカウンタの値coun
terが32以上になると、ステップ4kにおいて1秒前
の雑音パワー推定値noise を現区間の雑音パワー推定値
Eとする。図5はこの雑音パワー推定値Eの変化の一例
を示したものである。
【0044】そうして算出された現区間の雑音パワー推
定値Eは、ステップ4nにより最大キャンセル量の決
定、長期平均パワーの計算、キャンセル量の決定のため
にそれぞれ出力される。
【0045】一方、上記雑音推定区間中の任意のフレー
ム期間において、伝送誤り又はハンドオーバの影響によ
り音声復号回路10で無音フレームが生成され、エラー
フラグNCSが“1”になったとする。この場合、雑音
パワー推定部24はステップ3cから処理ブロックS3
に移行する。
【0046】この処理ブロックS3では、フレームカウ
ンタの値counterが32以上であれば、ステップ3iか
らステップ3mに移行して2秒前の雑音パワー推定値pr
e を1秒前の雑音パワー推定値noise に更新し、フレー
ムカウンタの値counterが32未満であって5以上の場
合には、ステップ3jからステップ3nに移行して2秒
前の雑音パワー推定値pre を1秒前の雑音パワー推定値
noise をもとに線形内挿を行って更新する。また、フレ
ームカウンタの値counterが5未満であって0以上の場
合には、ステップ3kからステップ3oに移行して1秒
前の雑音パワー推定値noise を2秒前の雑音パワー推定
値pre に戻す。さらに、フレームカウンタの値counter
が0未満の場合には、ステップ3kからステップ3pに
移行して、現在の雑音推定区間におけるフレームパワー
Pの最小値min を最大値MAX NOISEに初期設定し直すと
共に、フレームカウンタの値counterをインクリメント
する。そして、ステップ3qにおいて現区間の雑音パワ
ー推定値Eを2秒前の雑音パワー推定値pre に戻す。
【0047】すなわち、雑音パワー推定部24は、雑音
推定区間(1秒間)の途中でエラーフラグNCSが
“1”になった場合、フレームカウンタの値counterを
リセットしてフレームパワーPの最小値の算出を最初か
らやり直す。また、フレームカウンタの値counterが5
未満のときにエラーフラグNCSが“1”になった場合
には、当座使用している雑音パワー推定値は信用できな
いと判断し、さらにもう1秒前の最小値に設定し直す。
【0048】ところで、上記処理ブロックS3では、エ
ラーフラグNCSが“1”になった場合にはそのフレー
ムのフレームパワーを最小値として採用しないようにし
ている。しかし、伝送誤りの程度によっては、フレーム
パワーが無音に近い状態になっても、エラーフラグNC
Sが“1”にならないこともあり得る。このような場合
には、無音に近いきわめて小さいフレームパワーを誤っ
て雑音パワー推定値Eとしてしまう可能性がある。
【0049】そこで、この実施形態の雑音パワー推定部
24では、一つ前の雑音推定区間において推定した雑音
パワーの値に比べて異常に小さいフレームパワー最小値
が検出された場合には、この値をそのまま雑音パワー推
定値として採用しないようにしている。
【0050】すなわち、雑音パワー推定部24は、1つ
の雑音推定区間が終了すると、ステップ4aからステッ
プ4bに移行して2秒前の雑音パワー推定値pre を1秒
前の雑音パワー推定値noise に更新したのち、処理ブロ
ックS4に移行する。
【0051】この処理ブロックS4では、現在の雑音推
定区間において求めたフレームパワーPの最小値min か
ら1秒前の雑音パワー推定値noise を減算してその差を
求める。そして、この差(min −noise )を先ずステッ
プ4cでしきい値「2」と比較し、このしきい値「2」
より大きければ、ステップ4fにおいて1秒前の雑音パ
ワー推定値noise を現区間で検出したフレームパワー最
小値min に更新すると共に、フレームパワーPの長期平
均値avg を1秒前の雑音パワー推定値noise に設定す
る。次に、上記差(min −noise )をステップ4dでし
きい値「−2」と比較し、差(min −noise )が上記し
きい値「2」以下でかつしきい値「−2」より大きけれ
ば、ステップ4gにおいて1秒前の雑音パワー推定値no
ise を現区間で検出したフレームパワー最小値min に更
新する。これに対し、上記差(min−noise )が上記し
きい値「−2」以下だった場合には、ステップ4eでフ
レームパワーPの長期平均値avg と(noise −1)とを
比較する。そして、avg <(noise −1)だった場合に
は、ステップ4hにおいてnoise =avg に更新し、一方
avg ≧(noise −1)だった場合にはステップ4iにお
いて現区間で検出したフレームパワー最小値min をフレ
ームパワー最大値MAX NOISEとすると共に、フレームカ
ウンタを0にリセットする。
【0052】すなわち、現区間で検出したフレームパワ
ー最小値min と1秒前の雑音パワー推定値noise との差
(min −noise )がしきい値「−2」以上の場合には、
新しい雑音パワー推定値Eを現区間で検出したフレーム
パワー最小値min に更新するが、上記差(min −noise
)がしきい値「−2」未満のときには、雑音パワー推
定値の更新を行わないか、または長期平均パワーavg に
更新する。
【0053】なお、上記長期平均パワーavg はリーク係
数がγであることを除き、長期平均パワー計算部23に
おいて算出される長期平均パワーAPと同様に計算され
る。ただし、後述するP−E>10dBのときには雑音
パワー推定値EがフレームパワーPにリセットされるこ
とはない。なお、γ=αでもよい。
【0054】すなわち、長期平均パワーは、伝送誤りの
ために少数のフレームパワーが無音に近い値になっても
大きく変化することがない。このため、フレームパワー
最小値min が異常に小さな値になった場合、つまり(mi
n −noise )≦しきい値の場合には、現在の雑音パワー
noise と長期平均パワーavg との差をみて更新を行うか
否かが判定される。そして、現雑音パワーnoise と長期
平均パワーavg との差がそれほど大きくない場合、つま
りavg ≧(noise−しきい値)のときには、フレームパ
ワー最小値min が誤った値であると判断して更新を行わ
ない。これに対し現雑音パワーnoise と長期平均パワー
avg との差がある程度大きい場合、つまりavg <(nois
e−しきい値)のときには、フレームパワー最小値min
の代わりに長期平均パワーavg が新しい雑音パワーとし
て使用される。
【0055】一方、最大キャンセル量Mの算出は、上記
雑音パワー推定部24において求められた雑音パワー推
定値Eと、長期平均パワー計算部23において求められ
る長期平均パワー値APとをもとに、前記第(3)式に
従い行われる。
【0056】同式から明らかなように、最大キャンセル
量Mは長期平均パワー値APと雑音パワー推定値Eとの
差が大きいほど、つまり長期平均パワー値APが雑音パ
ワー推定値Eより大きいほど、図6のM3に示すように
小さい値に設定される。ここで、長期平均パワー値AP
が雑音パワー推定値Eより大きくなる区間とは音声区間
である。このため、音声区間においては最大キャンセル
量Mは小さい値に設定されることになり、これにより音
声の抑圧は抑えられて明瞭度を保持することができる。
【0057】これに対し、長期平均パワーAPと雑音パ
ワー推定値Eとの差が小さい場合には、最大キャンセル
量Mは図6のM1に示すように大きい値に設定される。
長期平均パワーAPと雑音パワー推定値Eとの差が小さ
い場合は一般に無音区間であり、このため無音区間にお
いては最大キャンセル量Mは十分に大きな値に設定され
ることになり、これにより耳障りな雑音は十分に抑圧さ
れる。
【0058】図7は、以上のように設定される最大キャ
ンセル量Mの具体的な設定例を示したものである。
【0059】以上のように雑音パワー推定値E及び最大
キャンセル量Mが算出されると、これらをもとにキャン
セル量決定部26ではフレームごとのキャンセル量が決
定される。すなわち、キャンセル量Gは、基本的にはフ
レームパワー計算部21で求められるフレームパワーP
と雑音パワー推定値Eとの差で決まる。図6はその特性
の一例を示すものである。同図に示すように、P−Eが
σ=4dB以下の領域ではキャンセル量Gは最大キャン
セル量M1〜M3の範囲で可変設定され、P−Eがσを
越えるとキャンセル量Gは徐々に減少して0になる。
【0060】そして、キャンセル量決定部26では、こ
のように設定したキャンセル量Gをもとに、前記第
(5)式に従いフレームごとにゲインが算出され、この
ゲインが乗算器27に与えられる。このため、ディジタ
ル受話信号は、その各フレームごとに乗算器27におい
て上記ゲインに応じた抑圧処理が行われ、これにより雑
音が抑圧される。
【0061】また、雑音区間検出部25では、フレーム
パワー計算部21により求められたフレームパワーP
と、雑音パワー推定部24により求められた雑音パワー
推定値Eとをもとに、雑音区間の検出が行われる。そし
て、雑音区間が検出されると、キャンセル量決定部26
では雑音区間におけるキャンセル量が予め定めた大きな
値に強制的に設定され、このキャンセル量に対応するゲ
インが乗算器に与えられる。このため、乗算器27では
上記大きなキャンセル量に応じて雑音のキャンセルが行
われる。
【0062】以上述べたように本実施形態では、雑音パ
ワーEを推定する際に、検出されたフレームパワー最小
値min を1区間前の雑音パワー推定値noiseと比較し、
フレームパワー最小値min と1区間前の雑音パワー推定
値noiseとの差(min −noise)がしきい値「−2」以上
の場合には、新しい雑音パワー推定値Eを現区間で検出
したフレームパワー最小値min に更新するが、上記差
(min −noise )がしきい値「−2」未満のときには、
雑音パワー推定値の更新を行わないか、または長期平均
パワーavg に更新するようにしている。
【0063】したがって、任意のフレームにおいて伝送
誤りの影響によりフレームパワーが無音に近い状態にな
ったとしても、この無音に近いきわめて小さいフレーム
パワー最小値を誤って雑音パワー推定値Eとして採用し
てしまう不具合を防止することができ、これにより安定
性の高い雑音キャンセルが可能となる。
【0064】しかも、雑音パワー推定値Eの更新時に、
雑音パワーの値を線形内挿処理により徐々に変化させる
ようにしているので、雑音パワー推定値の急激な変化を
防止して、特に音声区間と無音区間との境界において自
然感を損なわずに雑音抑圧処理を行うことができる。
【0065】またこの実施形態では、最大キャンセル量
計算部22において、長期平均パワー値APと雑音パワ
ー推定値Eとの差が大きいほど最大キャンセル量Mを小
さい値に設定し、一方差が小さい場合には大きい値に設
定している。このため、音声区間においては最大キャン
セル量Mを小さい値に設定することができ、これにより
音声の抑圧は押さえられて受話音声の明瞭度を良好に保
持することができる。これに対し、無音区間においては
最大キャンセル量Mを十分に大きな値に設定することが
でき、これにより耳障りな雑音を十分に抑圧して受話品
質を高めることができる。
【0066】さらに本実施形態では、制御回路18にお
いてハンドオーバや伝送誤りにより無音にされたフレー
ムを検出して、これをエラーフラグNCSとして雑音パ
ワー推定部24及び長期平均パワー計算部23に与え、
雑音パワーの推定時及び長期平均パワーの計算時に、上
記無音フレームを予め計算の対象から除外するようにし
ている。したがって、雑音パワーの推定及び長期平均パ
ワーの算出をさらに安定に行うことができる。
【0067】さらに本実施形態では、雑音区間検出部2
5を設け、この雑音区間検出部25において雑音区間が
検出された場合に、キャンセル量決定部26においてキ
ャンセル量を予め設定したVOX制御用の値に強制的に
設定するようにしている。このため、必要に応じてVO
X制御も行うことができる。
【0068】なお、この発明は上記実施形態に限定され
るものではなく、例えば雑音パワー推定処理及び最大キ
ャンセル量の設定処理の手順と処理内容、これらの処理
を実現するためのノイズキャンセルの構成、通信装置の
種類とその構成等については、この発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形して実施できる。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明では、雑
音パワーの推定を行う際に、現在の雑音推定区間におい
て検出されたフレームパワーの最小値が1区間前の雑音
推定区間における雑音パワー推定値より所定量以上小さ
い場合には、この1区間前の雑音推定区間の雑音パワー
推定値、又は現在の雑音推定区間におけるフレームパワ
ーの平均値を、現在の雑音推定区間における雑音パワー
推定値とし、それ以外の場合には現在の雑音推定区間に
おいて検出されたフレームパワーの最小値を現在の雑音
推定区間の雑音パワー推定値とするようにしている。
【0070】したがって第1の発明によれば、伝送誤り
等の影響を排除して雑音パワーの推定を常に安定に行う
ことができ、これにより安定な雑音抑圧処理を可能にす
るノイズキャンセラとこのノイズキャンセラを備えた通
信装置、並びにノイズキャンセル処理プログラムを記憶
した記憶媒体を提供することができる。
【0071】一方第2の発明では、最大値設定手段にお
いて、雑音抑圧量に最大値を設定し、この最大値を平均
パワー検出手段により求められた長期平均パワーと雑音
パワー推定手段により推定された雑音パワーとの差をも
とに可変設定するようにしている。
【0072】したがって第2の発明によれば、入力信号
のフレームパワーが小さい状態でも、そのフレームの性
質に応じて最適な抑圧処理を行うことができ、これによ
り明瞭で自然感のある受話を可能にするノイズキャンセ
ラとこのノイズキャンセラを備えた通信装置、並びにノ
イズキャンセル処理プログラムを記憶した記憶媒体を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わる移動通信装置の一実施形態
を示す回路ブロック図。
【図2】 図1に示した移動通信装置に設けられたノイ
ズキャンセラの構成を示す機能ブロック図。
【図3】 図2に示したノイズキャンセラによる雑音パ
ワー推定手順とその処理内容の前半部分を示すフローチ
ャート。
【図4】 図2に示したノイズキャンセラによる雑音パ
ワー推定手順とその処理内容の後半部分を示すフローチ
ャート。
【図5】 図2に示したノイズキャンセラによる雑音パ
ワー推定動作を説明するための図。
【図6】 図2に示したノイズキャンセラによる雑音抑
圧量の最大値の可変設定動作を説明するための図。
【図7】 図2に示したノイズキャンセラによる雑音抑
圧量の最大値の具体的な設定例を示す図。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…アンテナ共用器(DUP) 3…受信回路(RX) 4…周波数シンセサイザ(SYN) 5…送信回路(TX) 6…ディジタル復調器(DEM) 7…ディジタル変調器(MOD) 8…時分割多元接続回路(TDMA) 9…誤り訂正符号復号回路(CH−COD) 10…音声復号回路(DEC) 11…D/A変換器 12…スピーカ 13…マイクロホン 14…A/D変換器 16…音声符号化回路(COD) 18…制御回路 19…キー入力部/表示部 20…ノイズキャンセラ 21…フレームパワー計算部 22…最大キャンセル量設定部 23…長期平均パワー計算部 24…雑音パワー推定部 25…雑音区間検出部 26…キャンセル量決定部 27…乗算部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を一定時間長のフレームに分割
    し、これらのフレームごとに入力信号に含まれる雑音を
    抑圧するノイズキャンセラにおいて、 前記各フレームごとにそのパワーを検出するフレームパ
    ワー検出手段と、 このフレームパワー検出手段により検出されたフレーム
    パワーをもとに、複数のフレームを含む所定の雑音推定
    区間におけるフレームパワーの最小値を検出する最小値
    検出手段と、 現在の雑音推定区間において検出されたフレームパワー
    の最小値を、1区間前の雑音推定区間において求めた雑
    音パワー推定値と比較する比較手段と、 この比較手段による比較の結果、現在の雑音推定区間に
    おいて検出されたフレームパワーの最小値が1区間前の
    雑音推定区間における雑音パワー推定値より所定量以上
    小さい場合には、この1区間前の雑音推定区間の雑音パ
    ワー推定値、又は現在の雑音推定区間におけるフレーム
    パワーの平均値を、現在の雑音推定区間における雑音パ
    ワー推定値とし、それ以外の場合には現在の雑音推定区
    間において検出されたフレームパワーの最小値を現在の
    雑音推定区間の雑音パワー推定値とする雑音パワー推定
    手段と、 現在の雑音推定区間の各フレームごとに、前記雑音パワ
    ー推定手段により設定された雑音パワー推定値、及び前
    記フレームパワー検出手段により検出されたフレームパ
    ワーをもとに雑音抑圧量を求めて、この雑音抑圧量に従
    い前記入力信号に対する雑音抑圧処理を行う雑音抑圧処
    理手段とを具備したことを特徴とするノイズキャンセ
    ラ。
  2. 【請求項2】 前記最小値検出手段は、雑音推定区間を
    構成する複数のフレームから無音フレームを除いたフレ
    ームのパワーをもとに雑音推定区間のフレームパワーの
    最小値を検出することを特徴とする請求項1記載のノイ
    ズキャンセラ。
  3. 【請求項3】 前記雑音パワー推定手段は、雑音パワー
    推定値を雑音推定区間中の一部又はすべてのフレーム期
    間に渡り徐々に変化させることを特徴とする請求項1記
    載のノイズキャンセラ。
  4. 【請求項4】 入力信号を一定時間長のフレームに分割
    し、これらのフレームごとに入力信号に含まれる雑音を
    抑圧するノイズキャンセラにおいて、 前記各フレームごとにそのパワーを検出するフレームパ
    ワー検出手段と、 このフレームパワー検出手段により検出された複数のフ
    レームのパワーを平均化処理することで長期平均パワー
    を求める平均パワー検出手段と、 前記フレームパワー検出手段により検出されたフレーム
    パワーの最小値をもとに雑音パワーを推定する雑音パワ
    ー推定手段と、 各フレームごとに、前記フレームパワー検出手段により
    検出されたフレームパワー、及び前記雑音パワー推定手
    段により推定された雑音パワーをもとに、雑音抑圧量を
    求める雑音抑圧量設定手段と、 この雑音抑圧量設定手段により求められる雑音抑圧量に
    第1の最大値を設定し、この第1の最大値を、前記平均
    パワー検出手段により求められた長期平均パワーと前記
    雑音パワー推定手段により推定された雑音パワーとの差
    をもとに可変設定する最大値設定手段と、 前記雑音抑圧量設定手段及び最大値設定手段により設定
    された雑音抑圧量に従い、前記入力信号に対する雑音抑
    圧処理を行う雑音抑圧処理手段とを具備したことを特徴
    とするノイズキャンセラ。
  5. 【請求項5】 前記入力信号の雑音区間を検出する雑音
    区間検出手段と、 この雑音区間検出手段により雑音区間が検出されている
    期間に、前記雑音抑圧量設定手段及び最大値設定手段に
    より設定される雑音抑圧量を、前記第1の最大値より大
    きい第2の最大値に強制的に設定する強制設定手段と
    を、さらに具備したことを特徴とする請求項4記載のノ
    イズキャンセラ。
  6. 【請求項6】 受信信号をフレームごとに復号手段によ
    り復号して通話信号を再生し、この再生した通話信号を
    音声出力手段により拡声出力する通信装置本体と、 この通信装置本体の復号手段と出力手段との間に配設さ
    れ、前記再生した通話信号に含まれる雑音成分を除去す
    るための処理を行なうノイズキャンセラとを具備し、 前記ノイズキャンセラは、 前記再生した通話信号の各フレームごとにそのパワーを
    検出するフレームパワー検出手段と、 このフレームパワー検出手段により検出されたフレーム
    パワーをもとに、複数のフレームを含む所定の雑音推定
    区間におけるフレームパワーの最小値を検出する最小値
    検出手段と、 現在の雑音推定区間において検出されたフレームパワー
    の最小値を、1区間前の雑音推定区間において求めた雑
    音パワー推定値と比較する比較手段と、 この比較手段による比較の結果、現在の雑音推定区間に
    おいて検出されたフレームパワーの最小値が1区間前の
    雑音推定区間における雑音パワー推定値より所定量以上
    小さい場合には、この1区間前の雑音推定区間の雑音パ
    ワー推定値を現在の雑音推定区間における雑音パワー推
    定値とし、それ以外の場合には現在の雑音推定区間にお
    いて検出されたフレームパワーの最小値を現在の雑音推
    定区間の雑音パワー推定値とする雑音パワー推定手段
    と、 現在の雑音推定区間の各フレームごとに、前記雑音パワ
    ー推定手段により設定された雑音パワー推定値、及び前
    記フレームパワー検出手段により検出されたフレームパ
    ワーをもとに雑音抑圧量を求めて、この雑音抑圧量に従
    い前記入力信号に対する雑音抑圧処理を行う雑音抑圧処
    理手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
  7. 【請求項7】 受信信号をフレームごとに復号手段によ
    り復号して通話信号を再生し、この再生した通話信号を
    音声出力手段により拡声出力する通信装置本体と、 この通信装置本体の復号手段と出力手段との間に配設さ
    れ、前記再生した通話信号に含まれる雑音成分を除去す
    るための処理を行なうノイズキャンセラとを具備し、 前記ノイズキャンセラは、 前記各フレームごとにそのパワーを検出するフレームパ
    ワー検出手段と、 このフレームパワー検出手段により検出された複数のフ
    レームのパワーを平均化処理することで長期平均パワー
    を求める平均パワー検出手段と、 前記フレームパワー検出手段により検出されたフレーム
    パワーの最小値をもとに雑音パワーを推定する雑音パワ
    ー推定手段と、 各フレームごとに、前記フレームパワー検出手段により
    検出されたフレームパワー、及び前記雑音パワー推定手
    段により推定された雑音パワーをもとに、雑音抑圧量を
    求める雑音抑圧量設定手段と、 この雑音抑圧量設定手段により求められる雑音抑圧量に
    第1の最大値を設定し、この第1の最大値を、前記平均
    パワー検出手段により求められた長期平均パワーと前記
    雑音パワー推定手段により推定された雑音パワーとの差
    をもとに可変設定する最大値設定手段と、 前記雑音抑圧量設定手段及び最大値設定手段により設定
    された雑音抑圧量に従い、前記入力信号に対する雑音抑
    圧処理を行う雑音抑圧処理手段とを備えたことを特徴と
    する通信装置。
  8. 【請求項8】 入力信号を一定時間長のフレームに分割
    し、これらのフレームごとに入力信号に含まれる雑音を
    抑圧するためのノイズキャンセル処理プログラムを記憶
    した記憶媒体において、 前記各フレームごとにそのパワーを検出する第1のステ
    ップと、 この第1のステップにおいて検出されたフレームパワー
    をもとに、複数のフレームを含む所定の雑音推定区間に
    おけるフレームパワーの最小値を検出する第2のステッ
    プと、 現在の雑音推定区間において検出されたフレームパワー
    の最小値を、1区間前の雑音推定区間において求めた雑
    音パワー推定値と比較する第3のステップと、 この第3のステップにおける比較の結果、現在の雑音推
    定区間において検出されたフレームパワーの最小値が1
    区間前の雑音推定区間における雑音パワー推定値より所
    定量以上小さい場合には、この1区間前の雑音推定区間
    の雑音パワー推定値、又は現在の雑音推定区間における
    フレームパワーの平均値を、現在の雑音推定区間におけ
    る雑音パワー推定値とし、それ以外の場合には現在の雑
    音推定区間において検出されたフレームパワーの最小値
    を現在の雑音推定区間の雑音パワー推定値とする第4の
    ステップと、 現在の雑音推定区間の各フレームごとに、前記第4のス
    テップにおいて設定された雑音パワー推定値、及び前記
    第1のステップにおいて検出されたフレームパワーをも
    とに雑音抑圧量を求めて、この雑音抑圧量に従い前記入
    力信号に対する雑音抑圧処理を行う第4のステップとを
    具備するノイズキャンセル処理プログラム記憶した記憶
    媒体。
  9. 【請求項9】 入力信号を一定時間長のフレームに分割
    し、これらのフレームごとに入力信号に含まれる雑音を
    抑圧するためのノイズキャンセル処理プログラムを記憶
    した記憶媒体において、 前記各フレームごとにそのパワーを検出する第1のステ
    ップと、 この第1のステップにおいて検出された複数のフレーム
    のパワーを平均化処理することで長期平均パワーを求め
    る第2のステップと、 前記第1のステップにおいて検出されたフレームパワー
    の最小値をもとに雑音パワーを推定する第3のステップ
    と、 各フレームごとに、前記第1のステップにおいて検出さ
    れたフレームパワー、及び前記第3のステップにおいて
    推定された雑音パワーをもとに、雑音抑圧量を求める第
    4のステップと、 この第4のステップにおいて求められる雑音抑圧量に第
    1の最大値を設定し、この第1の最大値を、前記第2の
    ステップにおいて求められた長期平均パワーと前記第3
    のステップにおいて推定された雑音パワーとの差をもと
    に可変設定する第5のステップと、 前記第4のステップ及び第5のステップにおいて設定さ
    れた雑音抑圧量に従い、前記入力信号に対する雑音抑圧
    処理を行う第6のステップとを具備するノイズキャンセ
    ル処理プログラムを記憶した記憶媒体。
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