JP2001319595A - 偏向装置及び表示装置 - Google Patents

偏向装置及び表示装置

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JP2001319595A
JP2001319595A JP2000136058A JP2000136058A JP2001319595A JP 2001319595 A JP2001319595 A JP 2001319595A JP 2000136058 A JP2000136058 A JP 2000136058A JP 2000136058 A JP2000136058 A JP 2000136058A JP 2001319595 A JP2001319595 A JP 2001319595A
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deflection coil
magnetic field
horizontal deflection
deflection
vertical
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JP2000136058A
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Yoshio Ko
義雄 高
Akio Murata
明夫 村田
Hiroshi Katayama
浩 潟山
Tsuneo Muchi
常雄 鞭
Ichiro Saito
一郎 齋藤
Yoshiki Yamamoto
好基 山本
Katsuhiko Uchibori
勝彦 内堀
Haruhiko Takei
晴彦 竹井
Hideo Takeshita
秀生 竹下
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Totoku Electric Co Ltd
FDK Corp
Sony Corp
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Totoku Electric Co Ltd
FDK Corp
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示装置の偏向装置において、上下ピンクッ
ション歪み補正を可能にする。 【解決手段】 水平偏向コイル33端が垂直偏向コイル
34端よりもパネル側に延長され、この水平偏向コイル
の延長部33Aに水平偏向磁界を強める磁性コア37が
配置されて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラスタ歪みの補正
を可能にした偏向装置及びこれを備えた表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】表示装置、例えば図13に示すカラー陰
極線管1においては、管体2の外側に偏向装置、いわゆ
る偏向ヨーク3が配され、電子銃から出射された赤、緑
及び青の3つの電子ビームBr、Bg、Bbが偏向ヨー
ク3の水平、垂直偏向磁界によって水平、垂直偏向され
て、蛍光面上を走査するように成されている。
【0003】一般的な陰極線管では、図14に示すよう
に、マグネット補正が無い状態において、画面における
ラスタ歪み5、即ち、上下ピンクッション歪み(いわゆ
るラスタ上下に現れるピンクッション状の画面歪み)
と、左右ピンクッション歪み(いわゆるラスタ左右に現
れるピンクッション状の画面歪み)が発生している。
【0004】陰極線管1のパネル4の面が平面化された
陰極線管においては、画面におけるラスタ歪み5が増大
し、特に上下ピンクッション歪み5a、5bは電気回路
補正の難しさから、古くからの技術としての偏向ヨーク
の水平偏向コイルと垂直偏向コイルの各磁界分布をピン
クッション状にする事、及びマグネットによる補正が合
わせ用いられてきた。
【0005】マグネットによる上下ピンクッション歪み
補正は、例えば図15に示すように、偏向ヨーク3のパ
ネル面側開口部の上下部に水平方向にS極、N極を有す
る一対の棒状マグネット6及び7を配置し、電子ビーム
Br、Bg、Bbに対して主に画面のY軸上を引き上げ
る(いわゆる垂直偏向を大きくする)方向にマグネット
磁界8を作用させる事で行われていた。図15はパネル
側から見た模式図であり、9は偏向ヨークのコイル外
形、10は偏向ヨーク内の電子ビーム位置、11はマグ
ネット6、7の磁界で電子ビームに与える力を示す。
【0006】なお、従来技術で、水平偏向コイルをサド
ル型とし、垂直偏向コイルをトロイダル型として、水平
偏向コイルを垂直偏向コイルよりパネル側へ延長し、こ
の延長の外周に補助磁性コア、またはクロスアーム(冷
間圧延鋼板の軟磁性体)を配置した偏向ヨークが知られ
ているが、この場合は垂直偏向コイルの起磁力をパネル
側に導き、垂直偏向磁界をパネル側により強く生じさせ
る方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のマグ
ネトによる上下ピンクッション歪み補正の問題点として
は、必要なX方向磁界の他にY方向磁界が発生し、垂直
偏向効率を向上させる一方で水平偏向効率を低下させる
事である。高周波水平スキャンとなっているディスプレ
ーモニターや高精細度陰極線管(HDTV)において
は、水平と垂直の偏向消費電力比が5〜10倍にもな
る。低消費電力が求められる昨今では、特に水平偏向効
率の向上が求められ、マグネット6、7による上下ピン
クッション歪み補正の欠点になっていた。
【0008】また、広角度偏向に対処するためにマグネ
ットによる補正量をさらに大きくすると、上下ピンクッ
ション歪みとセルフコンバーゼンスとの両立性が取れな
くなる事が生じ、おのずから補正の限界もあった。
【0009】そこで、水平及び垂直偏向コイルによる水
平及び垂直偏向磁界をさらにピンクッション状分布にし
て上下ピンクッション歪みを補正しようとすると、これ
もセルフコンバーゼンスとの両立性が取れず、特に広角
度偏向になるほど実用化することが困難であった。
【0010】これを解決するには、やはり垂直偏向電流
に水平周期のパラボラ波形を重畳させた回路補正しか残
されていなかった。しかし、垂直出力回路の条件から垂
直偏向コイルのインピーダンスは大きく設計され、ここ
に高周波の水平周期電流を重畳させることは困難を伴
い、またコスト高を招いてしまい、やむおえない時のみ
使用されていた。
【0011】本発明は、上述の点に鑑み、他に影響を与
えずに上下ピンクッション歪みを補正できる偏向装置及
びこの偏向装置を備えた表示装置を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る偏向装置
は、水平偏向コイル端を垂直偏向コイル端よりもパネル
側に延長し、水平偏向コイルの延長部において、上下ピ
ンクッション歪み補正に必要なZ方向磁界成分が十分得
られる水平偏向磁界を主に存在させた磁界領域を形成し
た構成とする。
【0013】本発明の偏向装置においては、水平偏向コ
イル端を垂直偏向コイル端よりもパネル側に延長し、水
平偏向コイルの延長部において、十分なZ方向(管軸方
向)磁界成分が得られる水平偏向磁界を主に存在させる
ことにより、このZ方向磁界と偏向角を持った電子ビー
ム間の電磁力で画面コーナ部へ行く電子ビームの垂直偏
向が抑えられ、この結果、上下ピンクッション歪みが補
正される。
【0014】本発明に係る偏向装置は、水平偏向コイル
端を垂直偏向コイル端よりもパネル側に延長し、水平偏
向コイルの延長部に水平偏向磁界を強めるための磁性コ
アを配置した構成とする。
【0015】本発明の偏向装置においては、水平偏向コ
イルの延長部に磁性コアを配置することにより、この延
長部内での主に存在する水平偏向磁界が強められ、この
結果、上下ピンクッション歪み補正に寄与するZ方向磁
界成分が強められる。従って、このZ方向磁界と偏向角
を持った電子ビーム間の電磁力で画面コーナ部へ行く電
子ビームの垂直偏向が抑えられ、上下ピンクッション歪
みが補正される。
【0016】本発明に係る表示装置は、水平偏向コイル
端が垂直偏向コイル端よりもパネル側に延長され、水平
偏向コイルの延長部において、上下ピンクッション歪み
補正に必要なZ方向磁界成分が十分得られる水平偏向磁
界を主に存在させた磁界領域を形成して成る偏向装置を
備えた構成とする。
【0017】本発明の表示装置においては、偏向装置に
おける水平偏向コイルの延長部内で得られる水平偏向磁
界によるZ方向磁界成分によって、画面コーナ部へ行く
電子ビームの垂直偏向が抑えられて上下ピンクッション
歪みが補正される。
【0018】本発明に係る表示装置は、水平偏向コイル
端が垂直偏向コイル端よりもパネル側に延長され、水平
偏向コイルの延長部に水平偏向磁界を強めるための磁性
コアが配置されて成る偏向装置を備えた構成とする。
【0019】本発明に係る表示装置においては、水平偏
向コイルの延長部に磁性コアが配置されることにより、
この延長部内での主に存在する水平偏向磁界が強めら
れ、上下ピンクッション歪み補正に寄与するZ方向磁界
成分が強められる。このZ方向磁界と偏向角を持った電
子ビーム間の電磁力で画面コーナ部へ行く電子ビームの
垂直偏向が抑えられ、上下ピンクッション歪みが補正さ
れる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0021】先ず、本発明の理解を容易にするために、
本発明の原理的な構成について説明する。本発明の基
は、一般的に説明される上下ピンクッション歪み補正に
関する水平偏向コイルによる磁力線分布をピンクッショ
ン状にするという理論に対し、斉一又はややバレル状で
も上下ピンクッション歪みが補正される事をコンピュー
タシミュレーションで計算されたことによる。水平偏向
コイルが垂直偏向コイルよりもパネル側に配されるとき
は、上下ピンクッション歪みが生じにくく、垂直偏向コ
イルが水平偏向コイルよりもパネル側に配されるとき
は、左右ピンクッション歪みが生じにくいことが認めら
れた。そして本発明者は、この結果を解析したところ、
Z方向磁界(例えば陰極線管の管軸方向磁界)が有れば
上下ピンクッション歪みを補正できることを見出した。
【0022】図7〜図9を用いて説明する。図8Aは、
陰極線管1の偏向ヨーク3による水平偏向磁界Z領域を
示す管軸に沿った断面図、図8Bは、その水平偏向磁界
領域を画面側から見た正面図(ここでは第1象限)であ
る。図中、12は管体2のファンネル部、13は水平偏
向コイル、15は磁性コア、16は電子ビームである。
【0023】今、図7に示す画面右上コーナ付近へ電子
ビーム16が照射される場合を考える。偏向ヨーク3の
蛍光面側の前端付近で画面右上コーナ付近に対応する領
域では、図8Aに示すように、水平偏向磁界Hが膨らみ
ながら下から上へ向かって形成され、管軸方向(Z方
向)に沿ったZ方向磁界成分Hzが生じる。この磁界領
域を電子ビーム16が通過すると、図8Bに示すよう
に、Z方向磁界成分Hzと偏向角を持った電子ビーム1
6間の電磁力で電子ビーム16の垂直偏向が妨げられ
る。図9は、画面4つのコーナに照射される電子ビーム
にZ方向磁界成分Hzが作用して垂直偏向が妨げられる
ことを示している。なお、図8B及び図9中、Iはビー
ム電流、Fは電子ビーム16に作用する力を示す。
【0024】この結果、図10に示すように、コーナ部
の上下ラスタがコーナへ行くに従って小さくなり、結果
として上下ピンクッション歪みが補正されることにな
る。従って、上下ピンクッション歪みの補正には、Z方
向磁界成分Hzが有れば良い。
【0025】一方垂直偏向コイル14による垂直偏向磁
界Vは、図11に示すように、偏向ヨーク3の前端付近
で画面右上コーナ付近に対応する領域では、同様に膨ら
みながら形成され、管軸方向(Z方向)に沿ったZ方向
磁界成分Vzが生じる。
【0026】ところで、図12に示すように、上述の水
平偏向コイル13によるZ方向磁界成分Hzに対して、
垂直偏向コイル14によるZ方向磁界成分Vzが重なる
と、両Z方向磁界成分Hz及びVzは互いに逆向きの磁
界であるために(図8Aと図11参照)、水平偏向コイ
ル13によるZ方向磁界成分Hzが弱められ、上下ピン
クッション歪み補正の効果が減少される。このため、水
平偏向コイル13と垂直偏向コイル14が管軸(Z方向
軸)に対して同心的に重ねて配されている一般の偏向ヨ
ークでは、Z方向磁界成分による上下ピンクッション歪
み補正の効果が認められにくい。
【0027】上述の解析に基づき、本発明では、偏向装
置において垂直偏向コイルが無く水平偏向コイル単独部
を作り、出来るだけ水平偏向磁界のZ方向成分を有効に
働かせれば良いことを突き止めた。
【0028】本発明に係る偏向装置は、基本的にはセパ
レータを挟んでZ方向(例えば陰極線管の管軸方向)に
重なるように内側に水平偏向コイルを、外側に垂直偏向
コイルを夫々配置してなる所謂偏向ヨークにおいて、水
平偏向コイルをそのパネル側コイル端が垂直偏向コイル
端よりもパネル側に延長する。この場合、水平偏向コイ
ルの延長部は、上下ピンクッション歪み補正に必要なZ
方向磁界成分が十分得られる水平偏向磁界を主に存在さ
せた磁界領域が形成されるように、延長寸法、形状等を
設定して構成される。
【0029】かかる構成の偏向装置によれば、垂直偏向
コイルよりもパネル側に延長された水平偏向コイルの延
長部が、垂直偏向コイルと重ならない水平偏向コイル単
独部として構成される。そして、この水平偏向コイルの
延長部において、水平偏向磁界のZ方向成分が得られ、
このZ方向磁界成分によって上下ピンクッション歪みを
補正することができる。一方、セルフコンバーゼンスの
ための水平及び垂直偏向コイルによるXーY平面磁界分
布をピンクッション状にすることが出来、上下ピンクッ
ション歪み補正とセルフコンバーゼンスとの両立性を図
ることができる。
【0030】ところで、水平偏向コイルのみを垂直偏向
コイルに対してパネル側に相対的に延長しても、磁性コ
アのない空芯コイルでは、磁界が弱く補正効果を十分に
得られにくい場合もある。。そこで、延長部による水平
偏向コイル単独部に磁性コアを配置して磁界強化を図る
ことが好ましい。
【0031】図1及び図2は、本発明の一実施の形態に
係る偏向装置を示す。本実施の形態に係る偏向装置、い
わゆる偏向ヨーク31は、セパレータ32を挟んで内側
に水平偏向コイル33が、外側に垂直偏向コイル34
(34F、34Bは垂直偏向コイルのベンド部)が互い
に重なるように夫々設けられ、さらに外周に水平および
垂直偏向コイル33および34を取り囲むように第1の
磁性コア35が配置され、後端に2Pリングマグネット
と呼ばれる色純度(ランディング)補正マグネット(通
称、ピュリティー補正マグネット)36が設けられて成
る。そして、本実施の形態では、特に、セパレータ32
と共に、水平偏向コイル33の例えば陰極線管のパネル
側端部を垂直偏向コイル34の端部よりパネル側に延長
し、この水平偏向コイル33の延長部(垂直偏向コイル
34とは重ならない所謂水平偏向コイル単独部)33A
の外周を取り囲むように環状(いわゆるリング形状)の
第2の磁性コア37を配置して構成される。
【0032】水平偏向コイル33は例えばサドル型に形
成し、垂直偏向コイル34は例えばサドル型、又はトロ
イダル型に形成することができる。
【0033】本実施の形態に係る偏向ヨーク31では、
従来技術で追従しにくい平面パネル型陰極線管、或いは
広角度偏向方式の陰極線管等に適用するときには、特
に、水平偏向コイル33及び垂直偏向コイル34を共に
サドル型に形成される。
【0034】本実施の形態に係る偏向装置31によれ
ば、水平偏向コイル33を垂直偏向コイル34よりもパ
ネル側に延長し、その延長部33Aによって所謂水平偏
向コイル単独部を形成することにより、延長部33A内
に水平偏向磁界を主に形成して、水平偏向磁界のZ方向
成分を形成することができる。そして、延長部の外周に
環状の第2の磁性コア37が配されることによって、外
部への漏洩磁束を遮蔽して延長部33A内の水平偏向磁
界を強化することができる。この強化された水平偏向磁
界のZ方向成分(Z方向磁界成分)により、上下ピンク
ッション歪みを補正することができる。
【0035】図3は、本発明の他の実施の形態に係る偏
向装置を示す。上下ピンクッション歪み補正やセルフコ
ンバーゼンスのための水平偏向磁界は、一般的にはXー
Y平面の磁界分布で見たとき、ピンクッション状を要求
される。この事から磁界は、Y軸付近で弱くX軸端にて
強くなれば良いので、Y軸付近の磁性コアは必ずしも必
要でない。本実施の形態はこの点を考慮して構成され
る。
【0036】本実施の形態に係る偏向装置、いわゆる偏
向ヨーク41は、前述の図1と同様にセパレータ32を
挟んで内側に水平偏向コイル33が、外側に垂直偏向コ
イル34(34F、34Bは垂直偏向コイルのベンド
部)が互いに重なるように夫々設けられ、さらに外周に
水平および垂直偏向コイル33および34を取り囲むよ
うに第1の磁性コア35が配置され、後端に2Pリング
マグネット36が設けられて成る。そして本実施の形態
では、特に、セパレータ32と共に水平偏向コイル33
のパネル側端部を垂直偏向コイル34の端部よりパネル
側に延長し、この水平偏向コイル33の延長部(垂直偏
向コイル34とは重ならない所謂水平偏向コイル単独
部)33Aの外周を囲むように、2分割された一対の磁
性コア半体42A及び42Bからなる第2の磁性コア4
2を配置して構成される。
【0037】一対の磁性コア半体42A及び42Bは、
夫々例えばC字型に形成され、セパレータ35を介して
延長部33Aの外周に配された状態では図3Aに示すよ
うにY軸付近で互いに離れている。即ち、水平偏向コイ
ル33の延長部33Aの第2の磁性コア42は、Y軸付
近が取り除かれた状態になる。
【0038】本実施の形態では、水平偏向コイル33及
び垂直偏向コイル34共に、サドル型に形成される。
【0039】本実施の形態に係る偏向装置41によれ
ば、前述と同様に水平偏向コイル33をパネル側に延長
し、その延長部33Aの外周に第2の磁性コア42を配
置したことによって、延長部33A内の水平偏向磁界が
強化されてそのZ方向成分(Z方向磁界成分)により、
上下ピンクッション歪みを補正することができる。しか
も、第2の磁性コア42を、2分割に形成してY軸付近
を除くように配置するので、ピンクッション状の水平偏
向磁界が形成し易くなると共に、磁性コア材料を節約す
ることができる。
【0040】図3の構成において、垂直偏向コイル34
をトロイダル型とした場合には、垂直偏向磁界もパネル
側に出て強化され、目的とする十分なZ方向磁界成分が
得られない。しかし、本実施の形態では、垂直偏向コイ
ル34をサドル型にし、C字型磁性コア42A及び42
Bからなる第2の磁性コア42を配した構成であるの
で、C字型磁性コア42A及び42Bは垂直偏向磁界を
強化せず、逆に垂直偏向磁界のパネル側へ膨らむ磁界を
吸収する働きがあり、水平偏向磁界を出来るだけ単独に
働かせる目的にかなっている。
【0041】図1及び図3に示す各実施の形態のいずれ
においても、水平偏向コイルの延長部(即ち水平偏向コ
イル独立部)33Aは、Z方向磁界成分が存在すること
で上下ピンクッション歪み補正を行い、そのXーY平面
の磁界分布を主にセルフコンバーゼンス用として(副次
的に上下ピンクッション歪み補正用にも使用できる)分
離して適用することができる。従って、各実施の形態の
偏向装置31、41は、例えば平面パネル型陰極線管、
90度偏向角以上の広角度偏向方式の陰極線管等に適用
した場合、その広角度偏向に対応でき、高画質化に非常
に有効である。
【0042】勿論、かかる構成の偏向装置31、41の
みで上下ピンクッション歪み補正が不十分な場合は、マ
グネットの使用や水平、垂直偏向コイル分布による従来
の方法と合わせて用いることは問題ない。
【0043】第2の磁性コア37、42は、一般的に焼
結フェライト材を用いるのが安価であるが、フェライト
粉をプラスティックバインダーで固めたものも使用でき
る。焼結フェライトの場合、径の大きなものは焼結工程
での効率が悪くコスト高を招く可能性がある。そこで第
2の磁性コアとしては、リング形状を2つ以上に分割
し、小型化して生産することができ、この場合リング形
状への合わせ面を研削加工し密着できるようにする事に
よって、組み立ては容易になる。
【0044】一方、昨今偏向効率向上の方法として、陰
極線管のファンネル部をXーY平面形状を円形から角型
と呼ばれる略方形にする事がある。本発明の偏向装置
は、このような角型ファンネル陰極線管にも適用するこ
とができる。
【0045】図4は、角型ファンネル陰極線管に適用で
きる本発明の他の実施に形態に係る偏向装置を示す。本
実施の形態に係る偏向装置、いわゆる偏向ヨーク51
は、セパレータ32を挟んで内側及び外側に水平偏向コ
イル33及び垂直偏向コイル34(34F、34Bは垂
直偏向コイルのベンド部)が配置されるも、その水平、
垂直偏向コイル33及び34のラッパ形状の内面を陰極
線管の角型ファンネル部に略合わせた形状とし、特にパ
ネル側の断面輪郭形状が略方形となるように構成され
る。
【0046】そして、本実施の形態では、水平偏向コイ
ル33を垂直偏向コイル34よりもパネル側に延長し、
例えば図4Bに示すように、この断面輪郭形状が略方形
の延長部33Aの外周を取り囲むように略方形をなす環
状(いわゆるトラック形状のリング)の第2の磁性コア
52を配置して構成される。
【0047】或いは、図5に示すように、断面輪郭形状
が略方形の延長部33Aの外周を囲むように、2分割さ
れた一対の磁性コア半体、例えば略コの字形のコア半体
54A及び54Bからなる第2の磁性コア54を配置し
て構成される。
【0048】その他の構成は、図1と同様であるので対
応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0049】本実施の形態に係る偏向装置51によれ
ば、断面輪郭形状が略方形の水平偏向コイルの延長部3
3Aの外周に同じように略方形の環状の磁性コア52、
またはコの字形の磁性コア半体54A、54Bを配置す
ることにより、上述と同様に上下ピンクッション歪みを
補正することができる。第2の磁性コアを略方形とした
方が偏向効率として有利である。
【0050】角型ファンネル陰極線管/偏向ヨークの場
合、円形磁性コアを用いる場合に比べて、水平偏向磁界
をピンクッション状分布にしにくく、従来方法によると
上下ピンクッション歪み補正量が小さくなる。従って、
本実施の形態に係る偏向装置51は、Z方向磁界成分を
使用して上下ピンクッション歪みを補正すれば、偏向効
率との両立性も図ることができ、非常に有効な手段とな
る。
【0051】上述の実施の形態において、水平偏向コイ
ル33を垂直偏向コイル34よりもパネル側に延長する
構成としては、垂直偏向コイル34を従来寸法にして水
平偏向コイル33を延長した構造にしても良く、または
水平偏向コイル33を従来寸法にして垂直偏向コイル3
4を短くして相対的に水平偏向コイル33を延長した構
造にしても良い。
【0052】上述の偏向装置31、41、51、は、陰
極線管等の表示装置に適用される。図6は、本発明の陰
極線管、例えばカラー陰極線管の一実施の形態を示す。
本実施の形態に係るカラー陰極線管61は、管体62の
パネル63内面に蛍光面66が形成され、蛍光面66に
対向して色選別機構67が配置され、さらにネック部内
に電子銃68が配される。そして本実施の形態では、特
に管体62のファンネル部64外側に上述の偏向装置3
1、41、又は51のいずれかを装着して構成される。
【0053】本実施の形態に係るカラー陰極線管61に
よれば、偏向装置(31、41、又は51のいずれかの
偏向装置)の水平偏向コイル延長部33Aにおいて、水
平偏向磁界が主に発生してそのZ方向磁界成分が強化さ
れることにより、このZ方向磁界成分で上下ピンクッシ
ョン歪みを補正できる。水平偏向磁界のXーY平面磁界
分布を主にセルフコンバーゼンス用として使用すること
ができ、上下ピンクッション歪み補正とセルフコンバー
ゼンスとの両立を可能にする。
【0054】上述したように、本実施の形態に係る偏向
装置、及び之を備えた表示装置、例えば陰極線管によれ
ば、新しい方式で上下ピンクッション歪みを補正するこ
とができ、しかもこの補正法は、従来技術による上下ピ
ンクッション歪み補正にプラスして使用することができ
る。本発明は、平面パネル型陰極線管、広角偏向方式の
陰極線管に適用でき、例えば平面パネルで且つ広角偏向
の陰極線管に用いて好適である。特に、110度偏向以
上の広角偏向方式の陰極線管に適する。
【0055】水平偏向コイル33を伸ばさずに、垂直偏
向コイル34をネック側に小さくするときは、第2の磁
性コア37、42または52の材料コストを吸収できる
可能性がある。
【0056】パネル側に延長した水平偏向コイルの延長
部33Aは、上下ピンクッション歪み補正の機能のみで
なく、磁界分布の微妙な調整により、シーガル歪みや、
高次ミスコンバーゼンスを最適化する。その時、上下ピ
ンクッション歪み補正との取り合いとなることが軽減で
きる。
【0057】本発明では、テレビジョン受像機やディス
プレイモニタ等において、その奥行きを小さくするため
の広角度偏向方式にする程、大きな効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る偏向装置によれば、水平偏
向コイル端を垂直偏向コイル端よりもパネル側に延長
し、この水平偏向コイルの延長部において、Z方向磁界
成分が十分得られる水平偏向磁界を主に存在させた領域
を形成することにより、上下ピンクッション歪みを補正
することができる。
【0059】水平偏向コイル端を垂直偏向コイル端より
もパネル側に延長し、この水平偏向コイルの延長部に磁
性コアを配置することにより、水平コイルの延長部内で
の水平偏向磁界が強まり、従ってそのZ方向磁界成分が
強まり、上下ピンクッション歪みを補正することができ
る。
【0060】水平偏向コイルの延長部の外周を取り囲む
ように環状の磁性コアを配するときは、この延長部内の
水平偏向磁界を強め、そのZ方向成分を強めることがで
きる。
【0061】水平偏向コイルの延長部の外周を囲うよう
な2分割された一対のコア半体からなる磁性コアを配す
るときは、この延長部内の水平偏向磁界のZ方向成分を
強めることができると共に、そのXーY平面の磁界分布
としてピンクッション状の磁界を作り易くする。
【0062】水平偏向コイル及びその延長部に配される
磁性コアを略角型のファンネル部に沿うような略角型形
状に形成するときは、広角偏向に対応してその上下ピク
ッション歪み補正を可能にする。
【0063】本偏向装置は、広角偏向方式、例えば平面
パネルで且つ広角偏向(特に110度偏向角以上)に対
応した陰極線管(テレビジョン受像機、ディスプレイモ
ニタ、その他)等の表示装置に適用して好適である。
【0064】本発明に係る表示装置によれば、上記偏向
装置を備えることにより、上下ピンクッション歪みの補
正された高品質の画像が得られる。特に、広角偏向方
式、例えば平面パネルで且つ広角偏向(特に110度偏
向角以上)に対応した陰極線管(テレビジョン受像機、
ディスプレイモニタ、その他)等の表示装置に適用して
好適である。本表示装置、例えば陰極線管は、広角偏向
になる程有利になり奥行きを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A 本発明の一実施の形態に係る偏向装置を示
す正面図である。 B 図1Aの側面図である。
【図2】A 図1BのAーA線上の断面図である。 B 図1Bの水平偏向コイル及び垂直偏向コイルのみの
模式図である。
【図3】A 図3BのB−B線上の断面図である。 B 本発明の他の実施の形態に係る偏向装置を示す側面
図である。
【図4】A 図4BのC−C線上の断面図である。 B 本発明の他の実施の形態に係る偏向装置を示す側面
図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る偏向装置を示す
断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る表示装置を示す構
成図である。
【図7】本発明の説明に供する画面上の電子ビームの走
査位置を示す説明図である。
【図8】A 本発明の原理的な動作説明に供する偏向ヨ
ークの水平偏向磁界の領域部分を示す要部の断面図であ
る。 B 図8Aの画面側ら見た正面図(第1象限)である。
【図9】本発明の原理的な動作説明に供する画面側ら見
た正面図(第1象限〜第4象限)である。
【図10】本発明の説明に供する上下ピンクッション歪
み補正の説明図である。
【図11】偏向ヨークの垂直偏向磁界の領域部分を示す
要部(第1象限に相当する部分)の断面図である。
【図12】水平偏向コイルと垂直偏向コイルが重なるよ
うに配された場合の、水平偏向磁界のZ方向磁界成分と
垂直偏向磁界のZ方向磁界成分の関係(第1象限に相当
する部分)を示す説明図である。
【図13】カラー陰極線管の構成図である。
【図14】陰極線管のラスタ歪みの説明図である。
【図15】従来の上下ピンクッション歪み補正の説明図
である。
【符号の説明】
1・・・陰極線管、3・・・偏向ヨーク、5・・・ラス
タ歪み、5a,5b・・・上下ピンクッション歪み、5
c,5d・・・左右ピンクッション歪み、32・・・セ
パレータ、33・・・水平偏向コイル、33A・・・水
平偏向コイルの延長部、34・・・垂直偏向コイル、3
6・・・2Pリングマグネット、31、41、51、・
・・偏向装置、37、42、52・・・磁性コア、61
・・・陰極線管、66・・・蛍光面、67・・・色選別
機構、68・・・電子銃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高 義雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 村田 明夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 潟山 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 鞭 常雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 齋藤 一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 山本 好基 長野県上田市大字大屋300番地 東京特殊 電線株式会社内 (72)発明者 内堀 勝彦 長野県上田市大字大屋300番地 東京特殊 電線株式会社内 (72)発明者 竹井 晴彦 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 竹下 秀生 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 5C042 FG27 FG32 GG01 GG13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平偏向コイル端が垂直偏向コイル端よ
    りもパネル側に延長され、 前記水平偏向コイルの延長部において、上下ピンクッシ
    ョン歪み補正に必要なZ方向磁界成分が十分得られる水
    平偏向磁界を主に存在させた磁界領域が形成されて成る
    ことを特徴とする偏向装置。
  2. 【請求項2】 水平偏向コイル端が垂直偏向コイル端よ
    りもパネル側に延長され、 前記水平偏向コイルの延長部に水平偏向磁界を強めるた
    めの磁性コアが配置されて成ることを特徴とする偏向装
    置。
  3. 【請求項3】 前記磁性コアは、前記水平偏向コイルの
    延長部の外周を取り囲む環状に形成されて成ることを特
    徴とする請求項2記載の偏向装置。
  4. 【請求項4】 前記磁性コアは、前記水平偏向コイルの
    延長部の外周を囲うような2分割された一対のコア半体
    から成ることを特徴とする請求項2記載の偏向装置。
  5. 【請求項5】 前記水平偏向コイル及び前記磁性コアが
    略角型のファンネル部に沿うような略角型形状に形成さ
    れて成ることを特徴とする請求項2記載の偏向装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の偏向装置を備えて成る
    ことを特徴とする表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の偏向装置を備えて成る
    ことを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項3、4又は5に記載の偏向装置を
    備えて成ることを特徴とする表示装置。
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