JP2001318405A - スライドバリア装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリアにその移動方向とは異なる引き剥がし
方向の力が加わったとしても、該バリアを破壊してしま
うといったことを防止する。 【解決手段】 外装部材の表面に略平行に移動するバリ
ア１と、外装部材に直接もしくは間接的に固定され、バ
リアの背面の一部に該バリアと相対摺動可能に係合する
支持部材４と、該支持部材に相対摺動可能に係合すると
ともに、バリアの移動方向と平行に延在し、バリアに固
定されるガイド部材３と、該ガイド部材と前記バリアを
固定する複数の固定部材７ａ〜７ｄとを有し、前記複数
の固定部材のそれぞれの間隔を不均一に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ等の光学機
器の前面を保護するスライドバリア装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来より、光学機器において、非使用時
に該光学機器の前面を保護するためにスライドバリア機
構を備えたものがある。この種の光学機器の一例とし
て、カメラのスライドバリアの構成に関する提案が種々
なされている。例えば、本出願人による特開平８−６１
１４号では、ピニオンギアとラックを使用して、外装面
に溝を設けることなく、且つ、バリアの移動摩擦を低減
することのできるスライドバリアを提案している。

【０００３】図４は、レンズシャッタカメラに搭載され
たスライドバリアの一例を示す斜視図である。

【０００４】この例では、不図示のカメラ外装板に接着
固定される保持部材２３の溝２３ｂに、非移動回転案内
部材２２のローラ部兼連結軸２２ｃが回転のみ可能に挿
入支持され、該保持部材２２の両端のピニオン２２ａ及
び２２ｂがバリア２１の裏面のラック２１ａ及び２１ｂ
に噛み合い、前記ローラ部兼連結軸２２ｃはバリア２１
の裏面の転動接触面２１ｄにばね２６で圧接されてい
る。前記保持部材２３の上下の水平辺部２３ａ間には、
バリア２１と一体の板部材２４が挿されていて、水平辺
部２３ａは板部材２４の凹部２４ａに相対摺動可能に係
合して、該保持部材２３がバリア２１を支持している。
２６は前述したように前記保持部材２２のローラ部兼連
結軸２２ｃをバリア２１の転動接触面２１ｄに押しつけ
るばねである。２５ａ〜２５ｅはバリア２１と板部材２
４を固定するためのビスであり、ビスの間隔は等間隔で
配置されている。

【０００５】以上の様な構成にすることにより、外観面
にガイドの溝を設けること無く、移動摩擦の少ないスラ
イドバリアとしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】外装部材にガイドの溝
を設けているスライドバリアにおいては、バリアがどの
位置にあっても、引き剥がし方向の力はガイドの溝と溝
に嵌合するバリアで受けるため、問題はない。

【０００７】また、前述の様な外装部材にガイドの溝を
設けない構成のスライドバリアにおいても、バリア開状
態若しくはバリア閉状態においては、バリアの支持部材
及び外装部材等により、２個所以上でバリアが支持され
るために、たとえバリアが引き剥がし方向に力を受けて
も充分に耐えることができ問題はない。

【０００８】しかしながら、バリアが開状態と閉状態の
間に位置している場合は、バリアの支持部材のみでバリ
アを支持しているため、特にバリアを引き剥がす方向
（例えばスライド方向と直交する方向）に力を加えられ
ると、片持ち形状であるために該バリアの支持部に応力
が集中して破壊する危険が有った。

【０００９】（発明の目的）本発明の目的は、バリアに
その移動方向とは異なる引き剥がし方向の力が加わった
としても、該バリアを破壊してしまうといったことを防
止することのできるスライドバリア装置を提供しようと
するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、外装部材の表面に略平行
に移動するバリアと、前記外装部材に直接もしくは間接
的に固定され、前記バリアの背面の一部に該バリアと相
対摺動可能に係合する支持部材と、該支持部材に相対摺
動可能に係合するとともに、前記バリアの移動方向と平
行に延在し、前記バリアに固定されるガイド部材と、該
ガイド部材と前記バリアを固定する複数の固定部材とを
有し、前記複数の固定部材のそれぞれの間隔を不均一に
配置したスライドバリア装置とするものである。

【００１１】同じく上記目的を達成するために、請求項
２に記載の発明は、カメラの外装部材の表面に略平行に
移動し、撮影レンズを保護する為のバリアと、前記外装
部材に直接もしくは間接的に固定され、前記バリアの背
面の一部に該バリアと相対摺動可能に係合する支持部材
と、該支持部材に相対摺動可能に係合するとともに、前
記バリアの移動方向と平行に延在し、前記バリアに固定
されるガイド部材と、該ガイド部材と前記バリアを固定
する複数の固定部材とを有し、前記複数の固定部材のそ
れぞれの間隔を不均一に配置したスライドバリア装置と
するものである。

【００１２】同じく上記目的を達成するために、請求項
３に記載の発明は、カメラの外装部材の表面に略平行に
移動し、撮影レンズを保護する為のバリアと、前記外装
部材に直接もしくは間接的に固定され、前記バリアの背
面の一部に該バリアと相対摺動可能に係合する支持部材
と、該支持部材に相対摺動可能に係合するとともに、前
記バリアの移動方向と平行に延在し、前記バリアに固定
されるガイド部材と、該ガイド部材と前記バリアを固定
する複数の固定部材とを有し、前記バリアの開放時に撮
影光軸に近い側の前記固定部材間のピッチを、他より小
さくするスライドバリア装置とするものである。

【００１３】同じく上記目的を達成するために、請求項
４に記載の発明は、カメラの外装部材の表面に略平行に
移動し、撮影レンズを保護する為のバリアと、前記外装
部材に直接もしくは間接的に固定され、前記バリアの背
面の一部に該バリアと相対摺動可能に係合する支持部材
と、該支持部材に相対摺動可能に係合するとともに、前
記バリアの移動方向と平行に延在し、前記バリアに固定
されるガイド部材と、該ガイド部材と前記バリアを固定
する複数の固定部材とを有し、前記バリアに移動方向と
は異なる引き剥がし方向の力が加えられた際に、前記支
持部材と前記ガイド部材に加わる応力に応じて、前記ガ
イド部材と前記バリアを固定する前記固定部材間のピッ
チを変更するようにしたスライドバリア装置とするもの
である。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。

【００１５】図１は本発明の実施の一形態に係るレンズ
シャッタカメラに搭載されるスライドバリア装置の分解
斜視図、図２は図１のスライドバリア装置を前面外装カ
バーに組み込んだ状態のレンズシャッタカメラの斜視図
である。

【００１６】図１および図２において、１は前面外装カ
バー８の表面に沿って平行移動するバリアであり、該バ
リア１の内側には、該バリア１の移動方向と平行に延在
するラック１ａ，１ｂが形成されている。また、ラック
１ａ，１ｂの内側には後述する支持部材４が接触摺動す
る溝状凹部１ｃ，１ｄ、及び、ガイド部材３とばね部材
２を固定するためのネジ穴を複数有するリブ部１ｅが形
成されている。さらに、バリア１の左右端面近傍には、
バリア開時に前面外装カバー８の係止部８ａに係合する
リブ部部１ｈ、及び、バリア閉時に不図示の前面外装カ
バー８の係止部に係合するリブ部部１ｆ，１ｇが形成さ
れており、バリア１の開時及び閉時に該バリア１がカメ
ラ前方に浮き上がるのを防止している。

【００１７】２は、前述のガイド部材３と共に支持部材
４に接触摺動し、支持部材４をバリア１の溝状凹部１
ｃ，１ｄに押し付けるばね部材である。３はばね部材２
と共に支持部材４に接触摺動し、該支持部材４をバリア
移動方向にガイドする板状のガイド部材である。４は前
面外装カバー８とバリア１を連結させるための支持部材
であり、前面外装カバー８に不図示のビスで固定されて
いる。また、前記支持部材４にはラック１ａ，１ｂと噛
み合うギア５ａ，５ｂの回転軸であるギア軸６が挿入さ
れており、このギア軸６を保持している。そして、バリ
ア１の移動と共にギア５ａ，５ｂ及びギア軸６が回転す
る。ばね部材２とガイド部材３は、支持部材４に挿入さ
れた状態でバリア１のリブ部１ｅに固定部材であるビス
７ａ〜７ｄによって固定される。即ち、バリア１は支持
部材４を介して前面外装カバー８に対して、相対移動可
能に支持されている。固定部材であるビス７ａ〜７ｄ
は、後述するビスに掛かる引き剥がし静圧による応力に
応じて、ビスを締める間隔を変化させている。

【００１８】図３（ａ）〜図３（ｃ）は、バリアに掛か
る引き剥がし静圧を説明するための模式図であり、図３
（ａ）はバリア閉状態、図３（ｂ）はバリア開途中状
態、図３（ｃ）はバリア開状態である。

【００１９】これらの図において、バリア１１が完全に
閉じている場合には、該バリア１１のリブ部部１１ａ
（図１の１ｆ，１ｇに対応）が不図示の外装部材１２の
穴部に入り込んでバリアの浮き上がりを防止している
（図３（ａ）のＢ部）。

【００２０】また、バリア１１が完全に開いている場合
には、該バリア１１のもう一方のリブ部部１１ｂ（図１
の１ｈに対応）が外装部材１２の係止部１２ａに入り込
んで該バリア１１の浮き上がりを防止している（図３
（ａ）のＤ部）。

【００２１】本実施の形態のスライドバリア装置におい
ては、バリア１１が完全に閉状態（図３（ａ）参照）若
しくは完全に開状態（図３（ｃ）参照）の場合には、該
バリア１１を保持しているのはギア１３近傍のＡ部（実
際に力を受けるのは図１の支持部材４）とＢ部またはＤ
部の２個所であり、ほぼバリア１１の両端を保持してお
り、該バリア１１に引き剥がし方向の力が加わっても力
を分散して受けることにより、該バリア１１の破壊を防
止することが可能である。

【００２２】しかし、バリア１１が開状態と閉状態の間
にある場合（図３（ｂ）参照）は、該バリア１１を支持
している部分がＡ部１個所であるため、引き剥がし方向
の力Ｐ１がバリア１１に掛けられた場合、Ｃ部を支点に
してＡ部に応力が集中してしまう。Ａ部に掛かる力Ｐ２
は Ｐ２＝Ｐ１＊Ｌ１／Ｌ２ Ｌ１：作用点Ａ部から力点Ｅ部までの距離 Ｌ２：作用点Ａ部から支点Ｃ部までの距離 となり、特にバリア１１が開き切る直前、若しくは閉じ
切る直前に引き剥がし方向の力Ｐ１がバリア１１に加わ
るとＰ２が非常に大きくなる。バリアに引き剥がし方向
の力が加わると、図１の支持部材４にばね部材２とガイ
ド部材３を介して力が掛かり、その力が支持部材４に最
も近いバリア１のばね部材２とガイド部材３をビスで固
定するためのリブ部１ｅのビス止め部分に集中して、該
リブ部１ｅのビス止め部分が破壊する危険が有った。

【００２３】本実施の形態では、バリア１と前面外装カ
バー８の形状から、バリア１が閉じ切る直前で該バリア
１にその移動方向とは異なる引き剥がし方向の力が加わ
ることはほとんど考えられず、逆にバリア１が開ききる
直前では該バリア１の端面が前面外装カバー８から僅か
では有るがはみ出すために、該バリア１が何かに引っか
かって引き剥がし方向の力が該バリアに加わる危険が有
る。

【００２４】そこで、本実施の形態では、バリア１が開
ききる直前の位置で引き剥がし方向の力を最も受ける位
置、即ちリブ部１ｅの撮影光軸側に固定部材であるビス
とビスの間隔をを密に配置（７ａと７ｂ参照）し、引き
剥がし方向の力を余り受けない撮影光軸から離れた位置
（７ｃと７ｄ参照）になるに従ってビスの間隔を離すよ
うに配置している。これにより、バリア１等の破壊を防
止することが可能となる。

【００２５】なお、上記実施の形態では、レンズシャッ
タカメラに適用した例を述べているが、同様の構造を持
つ機器であれば同様に適用可能である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１〜４の何
れかに記載の発明によれば、バリアにその移動方向とは
異なる引き剥がし方向の力が加わったとしても、該バリ
アを破壊してしまうといったことを防止することができ
るスライドバリア装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係るスライドバリア装
置の分解斜視図である。

【図２】図１のスライドバリア装置を具備したレンズシ
ャッタカメラの斜視図である。

【図３】スライド式のバリアに加わる引き剥がし静圧を
説明するための模式図である。

【図４】従来のスライドバリアの分解斜視図である。

【符号の説明】

１，１１ バリア ３ ガイド部材 ４ 支持部材 ７ａ〜７ｄ ビス（固定部材）

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外装部材の表面に略平行に移動するバリ
   アと、前記外装部材に直接もしくは間接的に固定され、
   前記バリアの背面の一部に該バリアと相対摺動可能に係
   合する支持部材と、該支持部材に相対摺動可能に係合す
   るとともに、前記バリアの移動方向と平行に延在し、前
   記バリアに固定されるガイド部材と、該ガイド部材と前
   記バリアを固定する複数の固定部材とを有し、 前記複数の固定部材のそれぞれの間隔を不均一に配置し
   たことを特徴とするスライドバリア装置。
2. 【請求項２】 カメラの外装部材の表面に略平行に移動
   し、撮影レンズを保護する為のバリアと、前記外装部材
   に直接もしくは間接的に固定され、前記バリアの背面の
   一部に該バリアと相対摺動可能に係合する支持部材と、
   該支持部材に相対摺動可能に係合するとともに、前記バ
   リアの移動方向と平行に延在し、前記バリアに固定され
   るガイド部材と、該ガイド部材と前記バリアを固定する
   複数の固定部材とを有し、 前記複数の固定部材のそれぞれの間隔を不均一に配置し
   たことを特徴とするスライドバリア装置。
3. 【請求項３】 カメラの外装部材の表面に略平行に移動
   し、撮影レンズを保護する為のバリアと、前記外装部材
   に直接もしくは間接的に固定され、前記バリアの背面の
   一部に該バリアと相対摺動可能に係合する支持部材と、
   該支持部材に相対摺動可能に係合するとともに、前記バ
   リアの移動方向と平行に延在し、前記バリアに固定され
   るガイド部材と、該ガイド部材と前記バリアを固定する
   複数の固定部材とを有し、 前記バリアの開放時に撮影光軸に近い側の前記固定部材
   間のピッチを、他より小さくすることを特徴とするスラ
   イドバリア装置。
4. 【請求項４】 カメラの外装部材の表面に略平行に移動
   し、撮影レンズを保護する為のバリアと、前記外装部材
   に直接もしくは間接的に固定され、前記バリアの背面の
   一部に該バリアと相対摺動可能に係合する支持部材と、
   該支持部材に相対摺動可能に係合するとともに、前記バ
   リアの移動方向と平行に延在し、前記バリアに固定され
   るガイド部材と、該ガイド部材と前記バリアを固定する
   複数の固定部材とを有し、 前記バリアに移動方向とは異なる引き剥がし方向の力が
   加えられた際に、前記支持部材と前記ガイド部材に加わ
   る応力に応じて、前記ガイド部材と前記バリアを固定す
   る前記固定部材間のピッチを変更するようにしたことを
   特徴とするスライドバリア装置。
5. 【請求項５】 前記支持部材と前記ガイド部材に応力が
   大きく加わる部分の前記固定部材と前記固定部材との間
   隔は密に、そうでない部分の間隔は粗にすることを特徴
   とする請求項４に記載のスライドバリア装置。
6. 【請求項６】 前記バリアが全開する直前において、前
   記支持部材と前記ガイド部材に大きな応力が加わること
   を特徴とする請求項４又は５に記載のスライドバリア装
   置。