JP2001318056A - フロートガラス錫付着面識別装置 - Google Patents

フロートガラス錫付着面識別装置

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JP2001318056A
JP2001318056A JP2000133246A JP2000133246A JP2001318056A JP 2001318056 A JP2001318056 A JP 2001318056A JP 2000133246 A JP2000133246 A JP 2000133246A JP 2000133246 A JP2000133246 A JP 2000133246A JP 2001318056 A JP2001318056 A JP 2001318056A
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泰信 ▲吉▼村
Yasunobu Yoshimura
Yasuo Ishiguro
靖男 石黒
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Luceo Co Ltd
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Luceo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロートガラスの錫付着面の識別において、
識別が容易で短時間に済み、熟練も要せず、安全管理上
の問題も生じないようにする。 【解決手段】 識別対象ガラス11の表面に光源2によ
って紫外線を照射してその表面からの光を識別対象用受
光器31で受光するとともに、錫付着面でないことが既
知である参照用ガラス12の表面に同じ光源2によって
紫外線を照射してその表面からの光を参照用受光器32
で受光する。判断手段4は、両受光器31,32で得ら
れた信号を比較して、識別対象ガラス11の紫外線照射
された表面が錫付着面であるかどうかを判断し、この結
果が表示部5で表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、フロートガラ
スのどちら側の面が錫付着面であるかを光学的に識別す
るフロートガラス錫付着面識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に板ガラスと呼ばれているもの
は、フロート法により製造されている。フロート法は、
融解させたガラス材料をそのガラス材料より比重の大き
な融解金属の上に浮かせて薄く延ばし、その後冷却する
ことにより板状のガラスを製造する方法である。ガラス
材料より比重の大きな金属としては、現在、錫が使用さ
れている。フロート法により製造された板ガラス(以
下、フロートガラスと呼ぶ)は、その製造方法から、一
方の面に錫が残留付着することが避けられない。しかし
ながら、フロートガラスの用途によっては、錫の付着が
問題となる事態が生じている。
【0003】例えば、液晶ディスプレイは、一対のフロ
ートガラスの内側に液晶を封入した構造であり、その一
対のフロートガラスの向かい合う面に透明電極が形成さ
れている。従って、液晶ディスプレイの製造において
は、フロートガラスの表面に透明電極用の薄膜を作成す
る工程がある。しかしながら、薄膜が、フロートガラス
の錫が付着している側の表面に作成されると、薄膜の電
気的特性等が阻害される問題がある。また、錫の付着は
均一でなく、まだら模様的に残留付着し易いため、薄膜
の特性の面内均一性が阻害される問題がある。従って、
錫が付着していない面を選んで薄膜作成を行うことにな
る。
【0004】このような事情は、液晶ディスプレイの製
造用の場合に限らず、光学用のフロートガラス等につい
ても同様に言える。例えばフロートガラスの表面に光学
薄膜を作成してフィルタを製造する際、錫が付着した状
態で光学薄膜を作成してしまうと、光学特性が期待され
た通り得られない問題がある。従って、錫を研磨やエッ
チング等によって除去してから膜作成を行うことにな
る。
【0005】このように、フロートガラスの用途によっ
ては、錫付着面を選んだり、錫を除去したりすることが
必要になっている。従って、フロートガラスのうちのど
ちらの面が錫付着面であるかを知る必要がある。従来、
錫付着面を知る方法としては、錫が発する蛍光による方
法が採用されている。より具体的に説明すると、フロー
トガラスの表面に紫外線を照射し、照射された表面の発
光状態を人間が目で観察している。錫付着面の場合、錫
が発する蛍光のため、錫非付着面に比べて若干明るく光
っているように見える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法では、以下のような問題がある。まず、錫が
発する蛍光は非常に微弱なため、人間の目には、錫付着
面であるか錫非付着面であるかの判断が非常に難しい。
また、これが原因で、紫外線の照射方向や見る角度を調
節する等、判断に熟練を要する問題もある。さらに、判
断に時間を要するため、生産性の障害になる問題もあ
る。また、従来の方法では、殺菌灯に用いられているの
と同様な紫外線ランプが光源として使用されており、長
時間連続してこの作業を行うことは、作業者の目の安全
管理上問題がある。本願の発明は、かかる課題を解決す
るためになされたものであり、識別が容易で短時間に済
み、熟練も要せず、安全管理上の問題も生じない錫付着
面の識別装置を提供する技術的意義を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載のフロートガラス錫付着面識別
装置は、表面が錫付着面であるかどうかを識別する対象
のフロートガラスである識別対象ガラスのその表面に紫
外線を照射する光源と、紫外線が照射されたその表面か
らの光を受光する受光器と、受光器で受光して得られた
信号を、錫付着面でないことが既知の参照用ガラスの表
面からの光によって得られた信号である参照信号と比較
して錫の付着の有無を判断する判断手段と、判断手段の
判断結果を表示する表示部とから成るという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項2記載のフ
ロートガラス錫付着面識別装置は、前記請求項1の構成
において、前記参照信号は、前記参照ガラスの前記錫付
着面でないことが既知の表面に前記光源と同一の光源か
らの紫外線が照射され、その表面からの光を受光して得
られたものであるという構成を有する。また、上記課題
を解決するため、請求項3記載のフロートガラス錫付着
面識別装置は、前記請求項2の構成において、前記光源
及び前記受光器は、前記紫外線及び前記蛍光が通過する
光通過用開口を有するケーシング内に設けられており、
このケーシング内には、錫付着面でないことが既知の表
面に前記光源から紫外線照射されるよう前記参照用ガラ
スが設けられており、また、ケーシング内には、紫外線
が照射された参照用ガラスの表面からの光を受光して前
記参照信号とする参照用受光器が設けられているという
構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項
4記載のフロートガラス錫付着面識別装置は、フロート
ガラスの両面に同時に紫外線を照射する光源と、紫外線
が照射されたその両面からの光を受光する一対の受光器
と、一対の受光器で得られた信号を比較していずれの面
が錫付着面であるかを判断する判断手段と、判断手段の
判断結果を表示する表示部とから成るという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項5記載のフ
ロートガラス錫付着面識別装置は、表面が錫付着面であ
るかどうかを識別する対象のフロートガラスである識別
対象ガラスのその表面に紫外線照射する一つの光源と、
紫外線が照射されたその表面からの光を受光する一つの
受光器と、受光器からの信号により前記識別対象ガラス
の表面が錫付着面であるかどうかを判断する判断手段
と、判断手段の判断結果を表示する表示部とを備えたフ
ロートガラス錫付着面識別装置であって、表面が錫付着
面でないことが既知の参照用ガラスが、前記一つの光源
により前記識別対象ガラスと同様に紫外線照射されるよ
う設けられており、前記判断手段は、前記参照用ガラス
の表面からの光を前記受光器が受光して得られた信号で
ある参照信号を一時的に保持する信号保持部を有し、前
記信号保持部に保持された参照信号の大きさと、前記識
別対象ガラスの表面からの光を前記受光器が受光して得
られた信号である識別信号の大きさとの差異から、前記
識別対象ガラスの表面が錫付着面であるかどうかを判断
するものであるという構成を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明のフロートガラス錫付
着面識別装置の第一の実施形態を示す図である。図1中
の(1)は正面断面概略図、(2)は側面断面概略図で
ある。図1に示すフロートガラス錫付着面識別装置は、
錫付着面であるかどうかを識別する対象のフロートガラ
ス(以下、識別対象ガラス)11の表面に紫外線を照射
する光源2と、紫外線が照射された識別対象ガラス11
からの光を受光する受光器31と、受光器31で得られ
た信号に従い錫の付着の有無を判断する判断手段4と、
判断手段4の判断結果を表示する表示部5とから成って
いる。
【0009】図1に示すように、装置は、光源2及び受
光器31が内部に設けられるハウジング6を備えてい
る。また、表示部5は、ハウジング6の外面に設けられ
ている。また、ハウジング6内には、光源2の点灯回路
ボックス21、錫の付着の有無を判断する判断手段4を
備えた測定回路ボックス40等が設けられている。光源
2としては、240nm〜260nm等の紫外線を効率
良く発する低圧水銀灯が用いられている。光源2は棒状
であり、ハウジング6の内面に不図示の取付具によって
取り付けられている。
【0010】図1に示す第一の実施形態の大きな特徴点
の一つは、識別対象ガラス11を搬送させる搬送系7が
設けられており、搬送系7による搬送中に又は一時的に
停止させて錫付着面の識別を行うよう構成されている点
である。本実施形態では、水平な搬送ラインに沿って搬
送コロ71を多数並べた構成が、搬送系7として採用さ
れている。搬送コロ71は、搬送ラインに垂直な水平方
向の回転軸の周りに回転するようになっている。幾つか
の搬送コロ71は、不図示の駆動源によって回転駆動さ
れるものであり、この回転駆動によって識別対象ガラス
11が水平な姿勢を保って搬送されるようになってい
る。
【0011】ハウジング6は、搬送ラインの真上に位置
している。ハウジング6は、内部の光源2からの紫外線
を下方に通すための光通過用開口60を下面に有してい
る。識別対象ガラス11が搬送系7によって搬送ライン
に沿って搬送され、ハウジング6の下方の所定の位置に
達すると、光源2からの紫外線が光通過用開口60を通
って識別対象ガラス11の表面(上側の面)に照射され
るようになっている。紫外線照射された識別対象ガラス
11の表面が錫付着面であると、前述した通り蛍光が発
生し、この蛍光は、光通過用開口60を通って受光器3
1に達し、受光器31によってその強度が測定されるよ
うになっている。尚、図1から解るように、光源2は、
搬送ラインに垂直な水平方向に沿って配置されている。
【0012】本実施形態の装置では、錫付着面であるか
否かの判断の精度を高めるため、錫付着面でないことが
既知であるフロートガラス(以下、参照用ガラス)12
の表面からの光を受光して得られた信号との比較によっ
て判断を行うようになっている。以下、この点について
より詳しく説明する。
【0013】図1に示すように、装置は、ハウジング6
内に参照用ガラス12を備えている。参照用ガラス12
は、光源2の下方に位置しており、光通過用開口60が
設けられたハウジング6の底板の上の取り付けられてい
る。また、本実施形態では、図1に示すように、識別対
象ガラス11からの光を受光する受光器(以下、識別対
象用受光器)31とは別に、紫外線照射された参照用ガ
ラス12の表面からの光を受光する受光器(以下、参照
用受光器)32が設けられている。光通過用開口60と
識別対象用受光器31との間の光路と、参照用ガラス1
2と参照用受光器32との間の光路とを光学的に遮蔽す
るように、遮蔽板23が設けられている。
【0014】二つの受光器31,32は、光源2の長さ
方向に沿って並んで配置されている。二つの受光器3
1,32は同じものであり、可視域から赤外域に分光感
度があるものが使用されている。具体的には、シリコン
フォトダイオードを使用したものが使用されている。
尚、図1に示すように、識別対象用受光器31は、光源
2の隣りに設けられているが、光源2からの光が直接受
光器31,32に入射しないよう、遮蔽板24が設けら
れている。
【0015】また、本実施形態の装置では、識別の精度
を高めるため、各受光器31,32への光路上にフィル
タ8が設けられている。フィルタ8の構成について、図
2を使用して説明する。図2は、図1に示す装置に使用
されたフィルタ8の構成について説明する図である。図
2中、(1)は光源2の発光スペクトル分布、(2)は
受光器31,32の分光感度、(3)はフィルタ8の分
光特性をそれぞれ示す。
【0016】まず、図2(1)に発光スペクトル分布
は、一例として東芝(株)製の低圧水銀ランプGL20
の発光スペクトル分布である。図2(1)に示すよう
に、この光源2は、250nm〜260nmに強い発光
スペクトルがある。また、図2(2)は、一例として浜
松ホトニクス(株)製S6801の分光感度である。
【0017】紫外線の照射により錫が発する蛍光は、3
50nm〜550nm程度の可視光である。従って、各
受光器31,32は、図2(2)に示すように、この波
長域に対して充分な感度を持っている。しかし、各受光
器31,32は、可視域から紫外域の光に対してもある
程度感度を持っている。そして、光源2からの光は、参
照用ガラス12及び識別対象ガラス11に反射して受光
器31,32に入射する構成となっている。従って、フ
ィルタ8が無い場合、受光器31,32の出力信号の中
に、このような光源2からの可視域から紫外域の光の分
が含まれることになり、識別の精度が低下してしまう。
従って、本実施形態では、図2(3)に示すように、4
60nm程度より短い光をカットするフィルタ(シャー
プカットフィルタ)を用いて、光源2が発する可視域か
ら紫外域の光をカットしている。
【0018】また、図2(1)に示すように、光源2は
540nm付近に若干発光がある。この光も除去できる
と好ましいが、蛍光の波長域と重なるため、困難であ
る。そこで、前述した遮蔽板24等により光源2の光が
直接受光器31,32に入射しないようにしている。
尚、紫外域の光は、受光器31,32自体に感度が無い
し、受光器31,32が備えるカバーガラスやレンズ等
を透過しないので、特に問題は無い。また、赤外域の光
が問題となるときは、赤外線カットフィルタをさらに設
けると良い。
【0019】次に、測定回路ボックス40の構成につい
て説明する。図3は、図1に示す測定回路ボックス40
内の回路を示す概略図である。判断手段4は、識別信号
と参照信号との差を求める差動増幅器41と、識別対象
用受光器31からの信号を処理して差動増幅器41の反
転入力に入力させる識別用信号処理系と、参照用受光器
32からの信号を処理して差動増幅器41の非反転入力
に入力させる参照用信号処理系と、差動増幅器41の出
力値を基準値と比較する識別用比較器44とから主に構
成されている。
【0020】識別用信号処理系は、識別対象用受光器3
1からの電流信号を電圧信号に変換する識別信号用I−
V変換器421と、識別信号用I−V変換器421の出
力側に設けられた識別信号用ノイズフィルタ422と、
識別信号用ノイズフィルタ422からの出力信号を増幅
する識別信号用非反転増幅器423とから主に構成され
ている。
【0021】参照用信号処理系は、参照用受光器32か
らの電流信号を電圧信号に変換する参照信号用I−V変
換器431と、参照信号用I−V変換器431の出力側
に設けられた参照信号用ノイズフィルタ432と、参照
信号用ノイズフィルタ432からの出力信号を増幅する
参照信号用非反転増幅器433とから主に構成されてい
る。
【0022】識別信号用I−V変換器421及び参照信
号用I−V変換器431は、識別対象用受光器31及び
参照用受光器32の光電変換信号(出力信号)が微弱な
電流信号であるため、これを電圧に変換するものであ
る。図3に示すように、識別信号用I−V変換器421
及び参照信号用I−V変換器431は、共に、オペアン
プの帰還素子にコンデンサを使用して積分器を構成した
ものとなっている。また、コンデンサと並列にゲイン調
整用可変抵抗424,434が設けられており、ゲイン
調整が可能となっている。
【0023】また、識別信号用ノイズフィルタ422及
び参照信号用ノイズフィルタ432は、外乱光のノイズ
を除去するためのものである。外乱光のノイズとして
は、室内照明として使用される蛍光灯からの光が挙げら
れる。従って、これらノイズフィルタは、室内照明の点
灯周波数よりも充分低いカットオフ周波数のものである
ことが好ましい。具体的には、例えば24Hz以下で−
12dB/オクターブとなるような特性のフィルタが好
適である。このようなノイズフィルタには、オペアンプ
を使用したアクティブフィルタが好適である。尚、光源
2の高周波点灯させるよう構成し、ノイズフィルタ42
2,432がこの点灯周波数を充分にカットするよう構
成することも、光源2からのノイズ除去の方法としては
効果的である。
【0024】識別信号用非反転増幅器423及び参照信
号用非反転増幅器433は、一対の回路で構成され、入
力差の電圧をそれぞれ正負で増幅するものである。ま
た、識別信号用非反転増幅器423及び参照信号用非反
転増幅器433との間には、可変抵抗器45が設けられ
ている。図2に示すように、識別信号用非反転増幅器4
23の反転入力と参照信号用非反転増幅器433の反転
入力とは、可変抵抗器45により両非反転増幅器42
3,433の増幅度を同時に変更できる。
【0025】そして、識別信号用ノイズフィルタ422
からの出力は識別信号用非反転増幅器423の非反転入
力に入力され、参照信号用ノイズフィルタ432からの
出力は参照信号用非反転増幅器433の非反転入力に入
力されるようになっている。尚、識別信号用非反転増幅
器423及び参照信号用非反転増幅器433は、帰還抵
抗と並列にコンデンサを設けている。このコンデンサ
も、高周波ノイズの除去用である。
【0026】次に、差動増幅器41の非反転入力には、
参照信号用非反転増幅器433からの信号が入力され、
反転入力には、識別信号用非反転増幅器423からの信
号が入力される。また、識別用比較器44の反転入力に
は、差動増幅器41からの信号が入力される。識別用比
較器44の非反転入力には、不図示の基準値設定部から
の基準値の信号(この例では電圧信号)Vrefが入力
される。
【0027】表示部5は、錫付着面であると検出された
際に発光する識別用発光ダイオード51と、識別信号の
測定系と参照信号の測定系とのバランスを調整する際に
発光する第一第二調整用発光ダイオード52,53とを
備えている。識別用発光ダイオード51は、識別用比較
器44の出力に接続されており、識別用比較器44の信
号出力により発光するようになっている。
【0028】また、識別用比較器44と並列に第一第二
調整用比較器461,462が設けられている。差動増
幅器41の出力は、第一調整用比較器461の非反転入
力及び第二調整用比較器462の反転入力にそれぞれ入
力されるようになっている。そして、第一調整用比較器
461の反転入力には+Vが、第二調整用比較器46
2の非反転入力には−Vが入力されるようになってい
る。また、第一調整用比較器461の出力側に第一調整
用発光ダイオード52が接続されており、第二調整用比
較器462の出力側に第二調整用発光ダイオード53が
接続されている。
【0029】次に、上記構成に係る本実施形態の装置の
動作について説明する。まず、実際の識別の前に、キャ
リブレーションを行う。キャリブレーションは、参照信
号の測定系と識別信号の測定系との測定条件の違いを補
正して、錫付着面の識別結果の信頼性を高めるためのも
のである。前述したように、参照用受光器32と識別対
象用受光器31とは同じものであり、同一の光源2から
の光が照射された参照面及び識別対象面からの光をそれ
ぞれ受光するようになっている。これは、参照面及び識
別対象面の状態以外の条件はなるべく同一にして識別の
精度を挙げるためである。
【0030】しかしながら、これだけでは不充分な場合
がある。例えば、同一の受光器31,32を使用すると
はいっても、受光素子の製造上のバラツキ等から二つの
受光器31,32における光電変換率が僅かに異なるこ
とがある。また、前述した信号処理系における各回路素
子の製造上のバラツキも、測定条件の同一性を阻害する
要因となる。さらに、図1から解るように、参照用ガラ
ス12から参照用受光器32までの距離と識別対象ガラ
ス11から識別対象用受光器31までの距離は異なる。
この点も、測定条件の同一性を阻害している。
【0031】キャリブレーションは、このような測定条
件の同一性を阻害する要因を補正して、参照信号と識別
信号とをなるべく同じ条件で測定するものである。具体
的には、まず、光通過用開口60の下方に別の参照用ガ
ラス12を配置する。この配置位置は、識別対象ガラス
11が位置する位置と同じにする。また、この参照用ガ
ラスは、錫が付着していないことが確認されているもの
である。そして、光源2を点灯し、紫外線を照射して二
つの参照用ガラス12からの光を参照用受光器32及び
識別対象用受光器31で受光する。
【0032】二つの受光器31,32で光電変換された
信号(電流)は、I−V変換器421,431でそれぞ
れ電圧信号に変換され、ノイズフィルタ422,432
でノイズが除去された後、それぞれの増幅器423,4
33で増幅される。増幅された信号は、差動増幅器41
で増幅され、その出力が、識別用比較器44及び第一第
二調整用比較器461,462にそれぞれ入力される。
この際、二つの測定系の条件が完全に同じであれば差動
増幅器41の出力信号は0Vであるが、前述した通り完
全には同一でなく、差動増幅器41の出力が生じる。こ
の出力は、第一調整用比較器461の非反転入力及び第
二調整用比較器462の反転入力に入力される。
【0033】差動増幅器41の出力値Dが充分小さく、
−V≦D≦+Vであるとき、第一第二調整用比較器
461,462の出力は負となり、第一第二調整用発光
ダイオード52,53が点灯する。しかしながら、測定
系の同一性が悪く、差動増幅器41に入力される信号に
大きな差異があると、出力値Dは大きくなってD<−V
又はD>+Vとなると、いずれか一方の調整用比較
器461,462の出力が正になる。この結果、いずれ
か一方の調整用発光ダイオード52,53は点灯しな
い。
【0034】この場合、二つのI−V変換器421,4
31のゲイン調整用可変抵抗424又は434のどちら
かを操作してバランスを調整する。二つの増幅器42
3,433の間に設けられた可変抵抗45は検出感度を
調整する。このような調整をして、二つの調整用発光ダ
イオード52,53の両方が点灯するようにする。−V
及び+Vは、絶対値が等しい正負の電圧であるが、
差動増幅器41の出力が殆どゼロと見なせるよう、充分
小さい値(たとえば−0.5V,+0.5V)とされ
る。尚、差動増幅器41の出力は、識別用比較器44に
も入力されるが、識別用の基準値Vrefに比べるとか
なり小さいため、識別用発光ダイオード51は点灯しな
い。
【0035】このようなキャリブレーションを行った
後、光通過用開口60の下方の参照用ガラス12を取り
去り、識別対象ガラス11を搬送系7により搬送させな
がら、錫付着面であるか否かの識別を行う。即ち、光通
過用開口60の下方に達した識別対象ガラス11の表面
に紫外線が照射され、照射された識別対象ガラス11の
表面からの光の強度が識別対象用受光器31により測定
される。同様に、参照用ガラス12の表面(参照面)に
も紫外線が照射され、この表面からの光の強度が受光器
31,32により測定される。
【0036】そして、二つの受光器31,32からの信
号が、前述した信号処理系を経て差動増幅器41に入射
し、その強度が比較される。紫外線照射された識別対象
ガラス11の表面が錫付着面ではない場合、差動増幅器
41の出力はVrefより小さく、識別用発光ダイオー
ド51は点灯しない。しかし、錫付着面である場合、差
動増幅器41の出力はVrefより大きくなり、識別用
比較器44の出力が負となって識別用発光ダイオード5
1が点灯する。これにより、その識別対象ガラス11の
識別対象面が錫付着面であることが作業者に告知され
る。
【0037】上記構成及び作用に係る本実施形態の構成
によれば、蛍光の強さを、人の目によるのではなく、受
光器31,32で測定することで錫付着面であるか否か
を判断しているので、従来のように、作業者が有害な紫
外線を浴びる問題が無い。また、判断に熟練を要した
り、判断に長い時間が掛かることがないので、自動化ラ
インに容易に組み込むことができ、生産性の向上に大き
く貢献できる。
【0038】尚、本明細書において、「測定」という用
語は、絶対値を測定する厳密な意味に限定して用いられ
ているのではなく、光の強さを相対的に測定する場合も
含む広い意味で用いられている。
【0039】上述した本実施形態の装置の生産ラインへ
の適用について、補足して説明する。例えば、搬送系7
は生産ラインが備える通常の搬送系であり、識別対象ガ
ラス11は、本実施形態の装置を経由して薄膜作成装置
のような表面処理装置に搬送されるとする。また、識別
対象ガラス11の錫非付着面が処理対象面であり、その
錫非付着面を上側に向いた状態で表面処理装置に搬送す
る必要があるとする。搬送される識別対象ガラス11の
上側面が正しく錫非付着面である場合、前述した通り表
示部5には表示がされない。万が一、作業者のミスなど
により、識別対象ガラス11の錫非付着面が下側になっ
て搬送されると、上側が錫付着面になるため、表示部5
に表示がされる。作業者は、表示部5の表示からミスを
発見し、識別対象ガラス11を裏返す等の所要の措置を
取る。尚、表示部5に表示があった段階で、自動的に搬
送系7を止めたり、警報を鳴らしたりするよう構成して
も良い。
【0040】次に、本願発明の第二の実施形態のフロー
トガラス錫付着面識別装置について説明する。図4は、
第二の実施形態のフロートガラス錫付着面識別装置を示
す正面概略図である。図4に示す実施形態は、一度に三
つのフロートガラスについて錫付着面の識別が可能とな
っている。
【0041】具体的に説明すると、図4に示すように、
搬送系7を構成する搬送コロ71は、図1に示すものに
比べて幅が3倍程度大きくなっている。そして、幅方向
に三枚の識別対象ガラス11を搬送できるようになって
いる。また、それぞれの識別対象ガラス11の搬送ライ
ンの上方には、ハウジング6が設けられている。ハウジ
ング6内の構成は、図1に示すものと同様である。三つ
のハウジング6は、フレーム600によって保持されて
いる。第二の実施形態の装置では、三枚の識別対象ガラ
ス11について、同時に錫付着面の識別が行えるように
なっているのみで、他の構成及び作用は、基本的に第一
の実施形態と同様である。
【0042】次に、本願発明の第三及び第四の実施形態
のフロートガラス錫付着面識別装置について説明する。
第三及び第四の実施形態の装置の特徴点は、第一第二の
実施形態のような据え付け型ではなく、人が手に持つこ
とが可能な大きさのものとなっていることである。
【0043】図5は、第三の実施形態のフロートガラス
錫付着面識別装置装置の断面概略図、図6は、図5に示
す装置の使用状態を示す斜視概略図である。第三の実施
形態の装置において、ハウジング6は、下側容器61
と、上側容器62とから成っている。両容器61,62
は、ほぼ同じ外観及び大きさであり、扁平な直方体の箱
状となっている。説明の都合上、図6に示すように、直
方体の三つの方向を、「幅方向」、「長さ方向」、「高
さ方向」とする。
【0044】二つの容器61,62は、端部において互
いに組み合わさている。図5に示すように、下側容器6
1の長さ方向の端部には、高さ方向に延びるように連結
棒611が設けられている。上側容器62の端部には、
連結棒611が挿入されたほぼ円筒状の連結体621が
設けられている。連結棒611はほぼ丸棒状であり、連
結体621と同軸である。また、連結体621は、その
円筒の肉厚部が中空になっており、その中空内にコイル
スプリング63を収容している。コイルスプリング63
は、二つの容器61,62を互いに遠ざける向きにその
弾性を作用させるようになっている。尚、図からは明ら
かではないが、連結棒611と連結体621の組は、幅
方向の三カ所に設けられている。但し、コイルスプリン
グ63は、中央の連結棒611と連結体621との間の
みに設けられている。
【0045】下側容器61と上側容器62との分離を防
止するよう、ストッパ622が設けられている。連結棒
611の側面には、垂直方向に延びるようにして案内溝
612が形成されている。ストッパ622は、連結体6
21の内面に形成された突起である。ストッパ622
は、案内溝612に填り込んでおり、案内溝612に沿
って動くようになっている。案内溝612は、連結棒6
11の上の縁までは達しておらず、従って、下側容器6
1と上側容器62とが遠ざかる向きに移動した際、スト
ッパ622が案内溝612の上端にひっかかった状態と
なる。
【0046】下側容器61及び上側容器62内の構成
は、基本的に同じである。一例として、下側容器61内
の構成について説明する。下側容器61内には、前述し
た実施形態と同様に、光源2と、光源2の点灯回路ボッ
クス21と、光源2により紫外線照射された識別対象ガ
ラス11からの光を受光する受光器33と、参照用ガラ
ス13と、測定回路ボックス40とが設けられている。
【0047】光源2は、幅方向に長いものであり、背後
に遮蔽カバー22が設けられている。受光器31に光源
2に隣接して設けられているが、遮蔽カバー22によっ
て光源2から受光器33への直射光が遮蔽されている。
また、受光器33の前側には、フィルタ8が設けられて
いる。光源2の発光スペクトル、受光器33の分光感
度、フィルタ8の分光特性等は、図2に示す第一の実施
形態のものと同様である。
【0048】下側容器61に設けられた参照用ガラス
(以下、下側参照ガラス)13は、上側容器62内の受
光器(以下、上側受光器)34に対しキャリブレーショ
ン用のデータを与えるとものである。そして、上側容器
62に設けられた参照用ガラス(以下、上側参照ガラ
ス)14は、下側容器61内の受光器(以下、下側受光
器)33に対しキャリブレーション用のデータを与える
ものである。下側参照ガラス13は、下側容器61の上
面に取り付けられている。
【0049】図7は、図5に示す測定回路ボックス40
内の回路を示す概略図である。図7において、下側受光
器33からの信号処理系と、上側受光器34の信号処理
系は、全く同じものである。各信号処理系は、受光器3
3,34からの信号を電圧信号に変えるI−V変換器4
73、信号からノイズを除去するノイズフィルタ47
4、信号を増幅する増幅器475等を備える。そして、
二つの受光器33,34からの信号の差異を出力する差
動増幅器476、及び、差動増幅器476の出力を基準
値と比較する比較器477,478を備えている。
【0050】図7に示す通り、第三の実施形態では、表
示部5及び表示部5を駆動する回路が第一の実施形態と
多少異なっている。この実施形態では、表示部5は、二
つの識別用発光ダイオード54,55と、二つの調整用
発光ダイオード52,53とを備えている。調整用発光
ダイオード52,53の駆動回路は、前述した第一の実
施形態と同様である。尚、図6には図示されていない
が、上側容器62の上面から四つの発光ダイオード5
2,53,54,55の発光が確認できるようになって
いる。また、同様に不図示であるが、上側容器62の上
面には、I−V変換器473のゲイン調整用可変抵抗の
調整つまみやバランス調整用可変抵抗の調整用つまみ等
が設けられている。
【0051】二つの識別用発光ダイオード54,55
は、識別対象ガラス11の上面と下面に対応して設けら
れている。識別対象ガラス11の下面が錫付着面である
と、一方の識別用発光ダイオード(以下、下面識別用発
光ダイオード)54が点灯し、識別対象ガラス11の上
面が錫付着面であると、他方の識別用発光ダイオード
(以下、上面識別用発光ダイオード)55が点灯するよ
うになっている。
【0052】より具体的に説明すると、差動増幅器47
6の出力側には、二つの識別用比較器477,478が
並列に設けられている。一方の識別用比較器(以下、下
面識別用比較器)477の反転入力に、差動増幅器47
6の出力信号が入力される。また、他方の識別用比較器
(以下、上面識別用比較器)478の非反転増幅器に、
差動増幅器41の出力信号が入力される。そして、下面
識別用比較器477の非反転入力には、基準値として+
refが入力され、上面識別用比較器478の反転入
力には、基準値として−Vrefが入力されるようにな
っている。尚、+Vrefと−Vrefは大きさが同じ
で極性の異なる電圧信号である。また、下面識別用比較
器477の出力側に下面識別用発光ダイオード54が接
続され、上面識別用比較器478の出力側に上面識別用
発光ダイオード55が接続されている。
【0053】次に、上記構成に係る第三の実施形態の装
置の使用方法について説明する。図5において、(1)
及び(2)は錫付着面の識別を行う状態を示しており、
(1)が薄い識別対象ガラス11の場合、(2)が厚い
識別対象ガラス11の場合である。また、図5(3)
は、キャリブレーションを行う状態を示している。
【0054】識別を行う場合、装置全体を手で持って、
図5(1)(2)に示すように、識別対象ガラス11を
下側容器61と上側容器62の間に挟む。この際、コイ
ルスプリング63の弾性に逆らって下側容器61と上側
容器62とを押さえ付け、識別対象ガラス11の下面と
上面とが下側容器61と上側容器62とにそれぞれ接触
するようにする。
【0055】この状態で、不図示の電源スイッチをオン
にし、測定を開始する。それぞれの光源2が点灯し、識
別対象ガラス11の両面に同時に紫外線が照射される。
尚、ストッパ622が案内溝612の上の縁にひっかか
った状態から下側容器61と上側容器62とが接近し始
めるのに連動して自動的に電源スイッチが入るよう構成
にしても良い。紫外線照射された表面からの光がそれぞ
れの受光器33,34で受光され、光電変換された信号
がそれぞれの信号処理系で処理される。そして、差動増
幅器476でそれらの信号の大きさの差異が出力され
る。
【0056】ここで、下側受光器33で測定された信号
(以下、下側信号)の方が、上側受光器34で測定され
た信号(以下、上側信号)より大きいと、差動増幅器4
76は正の信号を出力する。この信号は、下面識別用比
較器477及び上面識別用比較器478に入力される。
上面識別用比較器478では、非反転入力に差動増幅器
476からの正の信号が入力され、反転入力から入力さ
れる負の基準値(−Vref)と比較される。この結果
は常に差動増幅器476の出力の方が高くなるから、上
面識別用比較器478から正の信号が出力される。従っ
て、上面識別用発光ダイオード55は点灯しない。
【0057】一方、下面識別用比較器477では、非反
転入力から入力された正の信号が、同じく正の信号であ
る基準値(+Vref)とその強度が比較される。この
結果、非反転入力から入力された正の信号が基準値(+
ref)より高いとき、下面識別用比較器477から
負の信号が出力され、下面識別用発光ダイオード54が
点灯する。即ち、識別対象ガラス11の下面が錫付着面
であることが表示される。つまり、下側信号の方が上側
信号より強いということは、識別対象ガラス11の下面
からの光の方が上面からの光に比べて強いことを意味
し、これは、下面が錫付着面であってそこから蛍光が多
く発せられていると判断されるのである。
【0058】逆に、上側信号の方が下面信号より大きい
と、差動増幅器476は負の信号を出力する。この場
合、下面識別用比較器477からは正の信号が出力され
て下面識別用発光ダイオード54は点灯しない。そし
て、上面識別用比較器478に入力される負の信号が、
負の信号である基準値(−Vref)より大きいと、上
面識別用比較器478から負の信号が出力され、上面識
別用発光ダイオード55が点灯する。即ち、上面が錫付
着面であることが表示される。尚、上面識別用比較器4
78は、二つの負の信号の絶対値を比較するようになっ
ている。
【0059】上記のような測定において、上側信号の測
定系と、下側信号の測定系とは、全く同じものを使用し
ているが、受光器33,34や各回路素子の製造上のバ
ラツキ等からやはり僅かに特性が異なることがある。従
って、本実施形態においても、キャリブレーションが必
要である。キャリブレーションを行う場合、図7(3)
に示すように、識別対象ガラス11を挟み込まずに、下
側容器61と上側容器62とを直接接触させる。この状
態で、電源スイッチをオンにし、光源2を点灯させ、測
定を行う。
【0060】図7(3)から解るように、識別対象ガラ
ス11が無い場合、下側容器61内の光源2からの紫外
線は上側参照用ガラス14に照射され、上側容器62内
の光源2からの紫外線は下側参照用ガラス13に照射さ
れる。そして、紫外線照射された上側参照用ガラス14
からの光は下側受光器33に入射し、紫外線照射された
下側参照用ガラス13からの光は上側受光器34に入射
する。入射した光は、各受光器33,34で光電変換さ
れ、各信号処理系で処理されて最終的に差動増幅器47
6でそれらの差異が出力される。差動増幅器476の出
力が正又は負に一定以上大きいと、いずれか一方の調整
用発光ダイオード52,53が点灯しない。従って、両
方の調整用発光ダイオード52,53が点灯するよう
に、各I−V変換器のゲイン等を調整する。両方の調整
用発光ダイオード52,53が点灯すれば、各回路素子
の製造上のバラツキ等が補正され、両信号の測定系のバ
ランスが取れたものとなる。このようなキャリブレーシ
ョンを、上記識別動作の前に行い、識別の精度を高める
ようにする。
【0061】上述した構成及び動作に係る本実施形態の
装置では、識別対象ガラス11の両側の面に同時に紫外
線照射して識別を行っている。このため、第一の実施形
態に比べて、時間的な測定条件の変化に強いメリットが
ある。つまり、第一の実施形態では、生産ラインに組み
込むことを想定しているため、キャリブレーションをた
びたび行うことは困難である。例えば、一日の操業の前
に一度行うといった程度である。この場合、キャリブレ
ーションの後、例えば一方の受光器31,32の特性が
変化すると、測定系のバランスも崩れ、識別の精度も低
下してしまう。
【0062】一方、第三の実施形態の装置によれば、識
別対象ガラス11を挟み込まない状態で測定を行うとい
う簡単な動作でキャリブレーションが行えるので、キャ
リブレーションを頻繁に行うことができる(例えば、毎
回の識別動作の前)。このため、測定系のバランスの崩
れを補償して測定を行うことができ、識別の精度を高く
維持できる。
【0063】図8は、第四の実施形態のフロートガラス
錫付着面識別装置装置の断面概略図である。図8に示す
装置において、ケーシング6は、下側容器61と蓋板6
4とから成っている。下側容器61と蓋板64とは、コ
イルスプリング63を介して組み合わされている。この
構造は、図5に示すものと同様である。下側容器61及
び下側容器61内の構成は、図5に示す第三の実施形態
とほぼ同様である。但し、参照用ガラスは下側容器61
には設けられていない。また、蓋板64の下面に、参照
用ガラス13が取り付けられている。取付位置は、下側
容器61内の受光器33の真上である。
【0064】図9は、図8に示す測定回路ボックス40
内の回路を示す概略図である。図9に示すように、第四
の実施形態では、一つの受光器33に対応して、一つの
信号処理系が設けられている。一つの信号処理系は、前
述した各実施形態と同様に、I−V変換器481、ノイ
ズフィルタ482、増幅器483等から成る。増幅器4
83の出力は、前述した実施形態と同様、差動増幅器4
84の反転入力に入力されている。また、増幅器483
の出力側には、参照信号を一時的に保持するラッチ48
5が設けられている。ラッチ485の出力は、差動増幅
器484の非反転入力に入力されている。そして、ラッ
チ485を駆動するラッチ駆動スイッチ49が装置に設
けられている。
【0065】図10は、第四の実施形態におけるラッチ
駆動スイッチ49の構成の一例について説明する図であ
る。ラッチ駆動スイッチ49は、図10に示すように、
駆動用突起491と、板バネ492と、接点部493と
から成っている。駆動用突起491は、蓋板64の下面
に設けられている。そして、下側容器61の上板部に
は、蓋板64が下側容器61に接触した際、駆動用突起
491が挿入される開口が形成されている。また、板バ
ネ492は、下側容器61の上板部の下面に設けられて
いる。板バネ492は、上板部の開口を覆った状態であ
り、一端が上板部に固定されている。また、板バネ49
2の他端は、接点部493に接触している。尚、例え
ば、板バネ492の一端がアースに接続され、接点部4
93が図9に示すラッチ485に接続されている。
【0066】図10において、蓋板64が下降して下側
容器61に接触すると、駆動用突起491が板バネ49
2をその弾性に逆らって曲げる。この結果、板バネ49
2の他端が接点部493から離れる。また、蓋板64が
上昇すると、駆動用突起491が板バネ492から離
れ、板バネ492はその弾性により再び接点部493に
接触する。
【0067】第四の実施形態の装置の動作について、以
下に説明する。まず、識別動作の前に、ラッチ485が
保持している参照信号の更新を行う。図8(3)に示す
ように、下側容器61と蓋板64の間に識別対象ガラス
11を挟まないで蓋板64を下側容器61に接触させて
測定を行う。光源2により紫外線照射された参照用ガラ
ス12からの光が同様にして受光器33で受光される。
受光器33の信号は、I−V変換器481、ノイズフィ
ルタ482、増幅器483を経て差動増幅器484に入
力される。この際、前述したように、ラッチ駆動スイッ
チ49がオフになるから、差動増幅器484の非反転入
力には、反転入力と同様、増幅器483の出力がそのま
ま入力される。
【0068】この状態で下側容器61と蓋板64との押
さえ付けを解除し、コイルスプリング63の弾性により
両者を引き離す。この結果、前述した通り、ラッチ駆動
スイッチ49がオンになる。これにより、差動増幅器4
84の非反転入力の入力信号は、そのオンになった瞬間
の信号に保持される。これで、ラッチ保持信号の更新が
終了する。尚、ラッチ駆動スイッチ49がオフからオン
になるのに連動して点灯する発光ダイオードなどの表示
具を設けるようにすると、保持信号の更新が確認できる
ので好適である。
【0069】次に、図8(1)又は(2)に示すよう
に、識別対象ガラス11を下側容器61と蓋板64の間
に挟み込んで、実際に識別を行う。光源2により識別対
象ガラス11の表面が紫外線照射され、その表面からの
光が受光器33で受光される。受光器33からの信号
は、信号処理系49を経て差動増幅器484に入力され
る。この際、差動増幅器484の反転入力には、識別対
象ガラス11からの光による信号(識別信号)がそのま
ま入力されるが、非反転入力には、ラッチ485で保持
された信号が入力されている。
【0070】差動増幅器41は、識別信号とラッチ48
5の保持信号との差異を出力し、それが比較器486に
入力される。紫外線照射された識別対象ガラス11の表
面が錫付着面であると、蛍光の発生により識別信号の強
度が高くなる。このため、差動増幅器484の出力が大
きくなり、比較器486に出力が生じて表示部5の発光
ダイオード51が点灯する。
【0071】この第四の実施形態によれば、一つの光源
2、一つの受光器33、一つの信号処理系を使用して識
別信号及び参照信号を測定しているので、各部の製造上
のバラツキ等に起因した測定精度の低下の恐れが最も低
くなっている。また、部品点数が少ないので、構造的に
コンパクトになり、またコストも安価にできる。さら
に、キャリブレーションの動作が不要なので、取り扱い
も容易である。但し、識別信号と参照信号とを測定する
タイミングが違うので、測定条件の時間的変動について
は、第三の実施形態の方が優れている。尚、第四の実施
形態では、参照信号を一時的に保持する信号保持部とし
てラッチが使用されたが、これに限られる訳ではなく、
メモリや各種ホールド回路等、適宜変更して使用するこ
とができる。
【0072】上述した第三第四の実施形態では、装置全
体を人が手に持つことが可能になっている、いわゆるハ
ンディタイプであるので、必要な場所で簡単に錫付着面
の識別を行うことができる。また、例えば、前述した第
一又は第二の実施形態の装置を使用して錫付着面が通常
とは異なると判断されたフロートガラスについて、第三
又は第四の実施形態の装置を使用して確認するといった
使用方法が可能である。
【0073】また、第三又は第四の実施形態の構成を、
搬送系付きの装置に応用しても良い。例えば第三の実施
形態において下側容器61と上側容器62を所定間隔離
間させて固定とし、その間を通過するようにして搬送系
で識別対象ガラス11を搬送するようにする。そして、
識別対象ガラス11を搬送させながら又は一時的に停止
させて両面に紫外線を照射し、前述したように錫付着面
の識別を行う。
【0074】上述した各実施形態では、シリコンフォト
ダイオードよりなるものが受光器として使用されたが、
他のものでも良い。例えば、GeやGaAs等の他の半
導体系受光器、又は、光電子倍増管等を使用しても良
い。上述した各実施形態において、判断手段4を備える
ことは必ずしも必須ではない。例えば、識別対象ガラス
11からの光の強さを受光器で測定してそのまま表示す
るようにしても良い。この場合、作業者が何らかの基準
値を了知していて、表示された値をその基準値と比べ、
錫付着面か否かを判断するようにする。また、各実施形
態の構成において、光通過用開口は、紫外線の通過用と
蛍光の通過用とに別々に設けられる場合もある。
【0075】尚、本願発明は、紫外線の照射により錫が
発生する蛍光を測定して錫付着面の識別を行うことをそ
の要件としているが、別の発明を想定することも可能で
ある。即ち、例えば、フロートガラスの製造方法が変わ
り、錫以外の融解金属を使用することになった場合、そ
の金属が紫外線照射により蛍光を発するならば、本願発
明の考え方を適用して同様に識別が可能である。
【0076】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1記載
の装置によれば、フロートガラスの表面に紫外線を照射
し、紫外線が照射された表面からの光受光器で受光して
その信号によりその表面が錫付着面であるかどうかを識
別するので、識別が容易で短時間に済み、熟練も要せ
ず、安全管理上の問題も生じない。また、判断手段が識
別信号と参照信号とを比較することで錫付着面か否かが
識別されるので、識別がさらに容易になり、また識別の
精度も高くなる。また、請求項2記載の装置によれば、
上記効果に加え、参照信号を得るのに同一の光源を使用
しているので、さらに識別の精度が高くなる。また、請
求項4記載の装置によれば、上記効果に加え、フロート
ガラスの両面に同時に紫外線を照射して識別を行うの
で、光源変動等の測定条件の時間的変動による識別精度
の低下が抑制される。また、請求項5記載の装置によれ
ば、上記効果に加え、一つの光源、一つの受光器、一つ
の信号処理系により得られた信号で錫付着面であるかど
うかの判断を行うので、識別の精度がより高くなる。ま
た、部品点数も少なくなるので、構造がコンパクトでコ
ストも安価になる。さらに、キャリブレーションが不要
なので、取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のフロートガラス錫付着面識別装置の
第一の実施形態を示す図であり、(1)は正面断面概略
図、(2)は側面断面概略図である。
【図2】図1に示す装置に使用されたフィルタ8の構成
について説明する図である。
【図3】図1に示す測定回路ボックス40内の回路を示
す概略図である。
【図4】第二の実施形態のフロートガラス錫付着面識別
装置を示す正面概略図である。
【図5】第三の実施形態のフロートガラス錫付着面識別
装置装置の断面概略図である。
【図6】図5に示す装置の使用状態を示す斜視概略図で
ある。
【図7】図5に示す測定回路ボックス40内の回路を示
す概略図である。
【図8】第四の実施形態のフロートガラス錫付着面識別
装置装置の断面概略図である。
【図9】図8に示す測定回路ボックス40内の回路を示
す概略図である。
【図10】第四の実施形態におけるラッチ駆動スイッチ
49の構成の一例について説明する図である。
【符号の説明】
11 識別対象ガラス 12 参照用ガラス 2 光源 31 識別対象用受光器 32 参照用受光器 4 判断手段 41 差動増幅器 5 表示部 51 識別用発光ダイオード 6 ハウジング 7 搬送系 8 フィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が錫付着面であるかどうかを識別す
    る対象のフロートガラスである識別対象ガラスのその表
    面に紫外線を照射する光源と、紫外線が照射されたその
    表面からの光を受光する受光器と、受光器で受光して得
    られた信号を、錫付着面でないことが既知の参照用ガラ
    スの表面からの光によって得られた信号である参照信号
    と比較して錫の付着の有無を判断する判断手段と、判断
    手段の判断結果を表示する表示部とから成ることを特徴
    とするフロートガラス錫付着面識別装置。
  2. 【請求項2】 前記参照信号は、前記参照ガラスの前記
    錫付着面でないことが既知の表面に前記光源と同一の光
    源からの紫外線が照射され、その表面からの光を受光し
    て得られたものであることを特徴とする請求項1記載の
    フロートガラス錫付着面識別装置。
  3. 【請求項3】 前記光源及び前記受光器は、前記紫外線
    及び前記蛍光が通過する光通過用開口を有するケーシン
    グ内に設けられており、このケーシング内には、錫付着
    面でないことが既知の表面に前記光源から紫外線照射さ
    れるよう前記参照用ガラスが設けられており、また、ケ
    ーシング内には、紫外線が照射された参照用ガラスの表
    面からの光を受光して前記参照信号とする参照用受光器
    が設けられていることを特徴とする請求項2記載の錫付
    着面識別装置。
  4. 【請求項4】 フロートガラスの両面に同時に紫外線を
    照射する光源と、紫外線が照射されたその両面からの光
    を受光する一対の受光器と、一対の受光器で得られた信
    号を比較していずれの面が錫付着面であるかを判断する
    判断手段と、判断手段の判断結果を表示する表示部とか
    ら成ることを特徴とするフロートガラス錫付着面識別装
    置。
  5. 【請求項5】 表面が錫付着面であるかどうかを識別す
    る対象のフロートガラスである識別対象ガラスのその表
    面に紫外線照射する一つの光源と、紫外線が照射された
    表面からの光を受光する一つの受光器と、受光器からの
    信号により前記識別対象ガラスの表面が錫付着面である
    かどうかを判断する判断手段と、判断手段の判断結果を
    表示する表示部とを備えたフロートガラス錫付着面識別
    装置であって、表面が錫付着面でないことが既知の参照
    用ガラスが、前記一つの光源により前記識別対象ガラス
    と同様に紫外線照射されるよう設けられており、前記判
    断手段は、前記参照用ガラスの表面からの光を前記受光
    器が受光して得られた信号である参照信号を一時的に保
    持する信号保持部を有し、前記信号保持部に保持された
    参照信号の大きさと、前記識別対象ガラスの表面からの
    光を前記受光器が受光して得られた信号である識別信号
    の大きさとの差異から、前記識別対象ガラスの表面が錫
    付着面であるかどうかを判断するものであることを特徴
    とするフロートガラス錫付着面識別装置。
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