JP2001314190A - 転写調節因子とdnaの結合を検出するための蛍光プローブおよび転写調節因子とdnaの結合を検出する方法 - Google Patents

転写調節因子とdnaの結合を検出するための蛍光プローブおよび転写調節因子とdnaの結合を検出する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写調節因子とDNAの結合を検出する 【解決手段】 固体担体と、該固体担体に一端で固定化
され2本鎖DNAとからなり、該2本鎖DNAは、クラ
スII−S制限酵素の認識配列と、標的とする転写調節
因子の認識配列と、前記クラスII−S制限酵素の切断
部位と、蛍光標識された配列とが前記固体担体側から、
この順序で直列に、連結された(但し、該転写調節因子
の認識配列は、該クラスII−S制限酵素の切断部位に
存在してもよい)構造体を含む、転写調節因子とDNA
の結合を検出するための蛍光プローブと、それを用いて
転写調節因子とDNAの結合を検出する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写調節制御因子
とDNAの結合の検出に関する。さらに詳しくは、本発
明は転写調節制御因子とDNA(遺伝子の転写調節領
域)の結合を検出するための蛍光プローブおよびそれを
用いて、該DNA結合を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】転写調節因子は、プロモーターの上流ま
たは下流のDNAと結合し、遺伝子の転写を調節する。
例えば、RNAポリメラーゼIIの調節因子としては、
NF−κ、NF−IL6、CREB、CBP、API等
が知られている。転写調節因子と遺伝子の転写調節領域
の結合(以下、DNA結合ともいう)を検出、さらに評
価する簡便な方法が確立されれば、転写調節因子のDN
A親和性を測定できるのみならず、特定の遺伝子に対す
る転写調節因子の阻害剤(アンタゴニスト)、或いはア
ゴニストをスクリーニングするのに有用である。すなわ
ち、候補薬剤の存在下、DNA結合がいかなる影響を受
けるかを調べることができる。結合が阻害されれば、候
補薬剤の阻害活性が、その遺伝子発現を抑える医薬品と
して利用できる可能性がある。なお、ガン関連遺伝子の
多くは転写調節因子であることから、当該方法は、ガン
診断および制ガン剤開発において有用である。
【0003】このような転写調節因子とDNAの結合を
検出する方法として、Skowronらは、「アキレス
・ヒール開裂(Achilles’ heel clea
vage)」とよばれる手法を提案した。P.M.Sk
owronら、Gene,170(1996)1−8を
参照。この方法の概要は、次のとおりである。すなわ
ち、プラスミドに制限酵素FokIの認識配列とDNA
結合タンパク質(転写調節因子GCN4)の認識配列と
を部分的に重複させて、直列に配置し、DNA結合タン
パク質を加える。この混合液にさらに、FokIの認識
配列を特異的にメチル化する酵素(FokIメチル化酵
素)を加える。このメチル化酵素は、FokIの認識配
列を特異的にメチル化することによって、FokIが制
限酵素として該配列を認識し、切断するのを阻害する。
DNA結合タンパク質がプラスミドに結合していると
き、該DNA結合タンパク質の立体障害のためにFok
Iメチル化酵素はFokIの認識配列に接近することが
阻まれ、該FokIの認識配列はメチル化を受けない。
一方、DNA結合タンパク質がプラスミドに結合してい
ないとき、このような立体障害が存在しないので、Fo
kIの認識配列はメチル化される。そこで、FokI処
理を行うと、前者ではFokIによるプラスミドの切断
が起こるが、後者では切断が起こらない。従って、両者
の酵素処理液から、プラスミドを回収して、ゲル電気泳
動し、各々のDNA鎖長を比較すると、DNA結合タン
パク質がプラスミドに結合するか否かを判定できること
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アキレ
ス・ヒール開裂法には様々な問題点が内在する。それら
を列挙すると、下記のとおりである。 (1)基質として、プラスミドを使用するので、DNA
結合タンパク質が認識しうる配列が、挿入された配列以
外に、プラスミドDNA中に存在する可能性が高く、し
たがって該挿入配列以外の部位にDNA結合タンパク質
が結合することがある。 (2)FokIが認識配列を切断するかどうかをみるの
に、メチル化酵素の反応を介して行うので、操作が煩雑
になる。しかも、DNA結合タンパク質の結合しなかっ
たFokI認識配列をメチル化酵素が100%メチル化
するとは限らないため、結合試験における評価が難しく
なる。 (3)FokI以外の制限酵素を使用する場合、その酵
素のメチル化酵素が必要となり、該メチル化酵素が知ら
れていないか、または入手できないとき、この方法は適
用できない。 (4)ゲル電気泳動を用いて制限酵素によるDNAの切
断を検出するので、判定に時間がかかり、高速処理に不
適当である。また、比較的多量のサンプル量を各検体、
或いは各試験に対して用意する必要がある。
【0005】以上のようなアキレス・ヒール開裂法の問
題点に鑑み、転写調節因子とDNAの結合を検出する迅
速、かつ簡便な方法が望まれる。従って、本発明は、ア
キレス・ヒール開裂法の問題点を解決し、迅速、かつ簡
便にDNA結合を検出する方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について、鋭意検討した結果、クラスII−S制限酵素
の特性を利用した、転写調節因子とDNAの結合を検出
するための蛍光プローブを作成し、さらにこれを用いる
と、前記DNA結合が蛍光測定によって容易に検出可能
であることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、固体担体と、該固体
担体に一端で固定化された2本鎖DNAとからなり、該
2本鎖DNAはクラスII−S制限酵素の認識配列と、
標的とする転写調節因子の認識配列と、前記クラスII
−S制限酵素の切断部位と、蛍光標識された配列とが他
の配列を介するか、介せずに前記固体担体側から、この
順序で直列に、連結された(但し、該転写調節因子の認
識配列は、該クラスII−S制限酵素の切断部位に存在
してもよい)構造体を含むことを特徴とする転写調節因
子とDNAの結合を検出するための蛍光プローブを提供
する。
【0008】前記転写調節因子とDNAの結合を検出す
るための蛍光プローブにおいて、好ましくは、クラスI
I−S制限酵素の認識配列がFokIの認識配列であ
る。
【0009】また、転写調節因子とDNAの結合を検出
するための蛍光プローブにおいて、好ましくは、固体担
体が磁気ビーズである。
【0010】また、前記転写調節因子とDNAの結合を
検出するための蛍光プローブにおいて、好ましくは、2
本鎖DNAがビオチン・アビジン結合によって固体担体
に固定化されている。
【0011】また、本発明は、転写調節因子とDNAの
結合を検出する方法であって、前記転写調節因子を含む
試料に、転写調節因子とDNAの結合を検出するための
蛍光プローブを添加し、ここで前記蛍光プローブは、固
体担体と、該固体担体に一端で固定化された2本鎖DN
Aとからなり、該2本鎖DNAはクラスII−S制限酵
素の認識配列と、前記転写調節因子の認識配列と、前記
クラスII−S制限酵素の切断部位と、蛍光標識された
配列とが他の配列を介するか、介せずに前記固体担体側
から、この順序で直列に、連結された(但し、該転写調
節因子の認識配列は、該クラスII−S制限酵素の切断
部位に存在してもよい)構造体を含む第1の工程と、前
記第1の工程で得られた混合物を、前記転写調節因子
が、前記転写調節因子とDNAの結合を検出するための
蛍光プローブに結合するのに充分な時間、反応させる第
2の工程と、前記第2の工程で得られた反応混合液に、
クラスII−S制限酵素を添加する第3の工程と、前記
クラスII−S制限酵素の作用により前記蛍光プローブ
が切断されて、該蛍光プローブから蛍光標識が遊離する
か否かを該蛍光標識の蛍光を測定することにより判定す
る第4の工程と、前記第4の工程の判定結果に基づい
て、前記転写調節因子が、前記転写調節因子とDNAの
結合を検出するための蛍光プローブに結合したか否かを
決定する第5の工程とを含むことを特徴とする、前記転
写調節因子とDNAの結合を検出する方法を提供する。
【0012】前記転写調節因子とDNAの結合を検出す
る方法において、好ましくは、クラスII−S制限酵素
がFokIである。
【0013】前記転写調節因子とDNAの結合を検出す
る方法において、第5の工程で、転写調節因子が、前記
転写調節因子とDNAの結合を検出するための蛍光プロ
ーブに結合したと決定された場合、さらに該結合の強度
を評価する工程を含むことを特徴とする。
【0014】以下、本発明を好適な実施の形態に従っ
て、詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の側面に従えば、固
体担体と、該固体担体に一端で固定化された2本鎖DN
Aとからなり、該2本鎖DNAは、クラスII−S制限
酵素の認識配列と、標的とする転写調節因子の認識配列
と、前記クラスII−S制限酵素の切断部位と、蛍光標
識された配列とが他の配列を介するか、介せずに前記固
体担体側から、この順序で直列に、連結された(但し、
該転写調節因子の認識配列は、該クラスII−S制限酵
素の切断部位に存在してもよい)構造体を含むことを特
徴とする転写調節因子とDNAの結合を検出するための
蛍光プローブが提供される。この蛍光プローブ(以下、
本発明の蛍光プローブという)の好適な実施の形態とし
て、その具体例を模式的に図1に示す。図を参照しなが
ら、以下、本発明の蛍光プローブ1を構成する各要素に
ついて説明する。
【0016】まず、図1中、2は固体担体を表わし、こ
れに2本鎖DNA3がその一端で固定化される。固体担
体2は、固体の支持体であれば、その材質は特に限定さ
れない。例えば、ポリプロピレン、ポリアクリレート、
ガラス等が挙げられる。また、その形状についても、特
に限定はなく、タイタープレート内壁、DNAアレイ、
ビーズ等が挙げられる。しかし、固定化操作およびその
後の洗浄操作での簡便性を考慮して、磁気ビーズが本発
明では、特に好適である。このような固体担体2に2本
鎖DNA3を固定化する。固定化反応については、ビオ
チン/アビジン(またはストレプトアビジン)結合を利
用するのが好ましいが、他の結合方法、例えば共有結合
(アルデヒド基とアミン基間でのイミノ結合の形成等)
を介する方法を使用してもよい。
【0017】本発明で使用するクラスII−S制限酵素
は、基質の認識配列(4〜7bp)に結合するが、その
部位を切断せずに外側の切断部位(1〜20bp下流)
を切断する制限酵素である。代表的なものとして、Bb
vI、BcefI、BseRI、BsgI、EciI、
Eco57I、FokI、GsuI、HphI、Mbo
II、RleAI、Tth111I等が挙げられるが、
本発明では、特にFokIが好適に用いられる。Fok
Iは、GGATG配列を認識し、その下流9/13位を
切断する。従って、前記認識配列とその切断部位との間
の配列は、そのままに残される。図1では、FokIの
認識配列、すなわちGGATGとその相補的配列との2
本鎖DNA部分はSfokIで示される。
【0018】本発明に係る2本鎖DNAにおいて、転写
調節因子の認識配列は、前記制限酵素の認識配列と切断
部位との間、もしくは切断部位上に介在するように配置
される。図1の2本鎖DNA3では、転写調節因子の認
識配列はSrで表わされ、FokIの認識配列Sfok
Iと後述する蛍光標識された配列Spに挟まれて存在す
る。図中、転写調節因子(FokI)の切断部位は、上
下の矢印で表示された箇所である。
【0019】前記転写調節因子の認識配列は、本発明で
用いられる(標的とする)転写調節因子が結合する配列
であり、転写調節因子が与えられれば、自ずと決まって
くる。また、前記転写調節因子については、特に制限は
なく、既述したNF−κ、NF−IL6、CREB、C
BP、API等が挙げられ、その中から所望のものを選
択する。図1のSrとしては、APIの認識配列が例示
されている。
【0020】蛍光標識された配列は、該配列のいずれか
の位置が蛍光標識されているものであればよく、その塩
基長および含まれる塩基の種類については特に制限はな
い。また、蛍光標識の位置も同様に制限はないが、2本
鎖DNAの末端(3'−末端または5'−末端のいずれか
であるが、固体担体と反対側)であることが好ましい。
蛍光標識に用いられる蛍光色素は、ローダミンまたはフ
ルオレセイン等、蛍光標識の常法で用いられる公知の色
素である。図1では、Spとして蛍光標識された配列が
例示されているが、この特定の配列の開示は、単に例示
の目的のためだけである。また、図中、蛍光標識は、模
式的に「★印」で示されている。
【0021】これら前記の配列、すなわちクラスII−
S制限酵素の認識配列(SfokI)と、転写調節因子
の認識配列(Sr)と、前記クラスII−S制限酵素の
切断部位と、蛍光標識された配列(Sp)とが直列に、
連結されて本発明に係る2本鎖DNA3を構成する。こ
こで、それぞれの配列または部位間は、他の配列を介す
るか、介せずに固体担体2側からこの順序で直列に、連
結されている。特に、本発明を実施するにあたり、前記
転写調節因子の認識配列が前記クラスII−S制限酵素
の切断部位に出来るだけ接近して配置されている(含ん
でいてもよい)必要があり、そのため必要ならば、任意
の塩基対からなる他の配列を該転写調節因子の認識配列
の上流側に連結する。クラスII−S制限酵素の認識配
列も好ましくは、任意の塩基対からなる他の配列を介し
て固定担体に固定化される。例えば、図1ではクラスI
I−S制限酵素の認識配列SfokIと固定担体2との
間には、数塩基対からなる配列が介在する。さらに、S
fokIとSr、およびSrとSpとの間にも、数塩基
対からなる配列が介在する。これらの介在配列は、該ク
ラスII−S制限酵素の認識配列、および前記転写調節
因子の認識配列と一致しない配列とする。
【0022】本発明の蛍光プローブを作製するには、公
知のオリゴヌクレオチド合成方法が採用される。まず、
そのDNA結合を検出すべき標的転写調節因子が特定さ
れれば、該転写調節因子との適当な組み合わせをつくる
クラスII−S制限酵素を選択する。この組み合わせに
基づいて、前記該転写調節因子の認識配列およびクラス
II−S制限酵素の認識配列が決定される。さらに、適
当な塩基長の蛍光標識された配列を選択する。それらに
加えて、所望ならば、1つまたは複数の前記介在する配
列を適宜、選択する。このようにして、本発明に係る2
本鎖DNAを構成する上記すべての要素についての塩基
情報が明らかになれば、当業者は容易に、該2本鎖DN
Aの1本鎖DNA部分を設計できる。前記1本鎖DNA
部分の合成は、常法に従い、DNA自動合成機を用いて
実施する。さらに、この1本鎖DNAの5’−末端に固
定担体への固定化に必要な、結合基(例えば、前述のビ
オチン)を付加する。一方、前記1本鎖DNAの3’−
末端部分にハイブリダイズする適当な長さのオリゴヌク
レオチドを合成する。1本鎖DNAを鋳型とし、前記オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして、DNAポリメラ
ーゼを用いて2本鎖DNAを合成する。これら一連の操
作は、当業者には公知である。なお、2本鎖DNAの鎖
長は、必須のすべての配列および要素を収容できる長さ
であれば、特に制限はない。
【0023】2本鎖DNA3を合成後、その末端を固体
担体2に固定化すると、本発明の蛍光プローブ1が得ら
れる。図1に示す本発明の好適な実施例に従うなら、固
定担体2は、固定化のために、例えばアビジン(または
ストレプトアビジン)で予めコートされている。
【0024】本発明の第2の側面に従えば、上記の蛍光
プローブを用いて、転写調節因子とDNAの結合を検出
する方法が提供される(以下、本発明のDNA結合検出
方法ともいう)。この検出方法は、要約すると、(1)
転写調節因子を含む試料に本発明の蛍光プローブを添加
する第1の工程と、(2)第1の工程で得られた混合液
を、転写調節因子が、蛍光プローブに結合するのに充分
な時間、反応させる第2の工程と、(3)第2の工程で
得られた反応混合液に、クラスII−S制限酵素を添加
する第3の工程と、(4)クラスII−S制限酵素の作
用により蛍光プローブが切断されて、該蛍光プローブか
ら蛍光標識が遊離するか否かを該蛍光標識の蛍光を測定
することにより判定する第4の工程と、(5)第4の工
程の判定結果に基づいて、前記転写調節因子が、本発明
の蛍光プローブに結合したか否かを決定する第5の工程
とを含む。
【0025】まず、上記第1の工程は、標的とする転写
調節因子を含むか、または含むと疑われる試料溶液を用
意することから始まり、ここで「試料」とは、その後の
工程(すなわち、処理操作)に悪影響及ぼさない限り、
その濃度、形態等については、特に制限はない。好適な
試料として、生体試料(臨床検体および細胞診検体)が
挙げられる。次に、試料を本発明の蛍光プローブに添加
する。この工程では、逆に本発明の蛍光プローブを試料
に添加してもよい。蛍光プローブの形態についても特
に、限定はないが溶液状態であることが好ましい。
【0026】上記第2の工程では、第1の工程で得られ
た混合液を、適当な、DNA結合反応可能な条件で反応
させる。反応条件は、標的とする転写調節因子によって
異なるが、通常、室温で約15分間〜1時間程度、反応
させればよい。次いで、上記第3の工程で、選択された
クラスII−S制限酵素を添加する。添加後、本発明の
蛍光プローブが前記制限酵素と相互作用するのに充分な
時間、両者を接触させる。
【0027】上記第3の工程で、前記クラスII−S制
限酵素の作用により、蛍光プローブから蛍光標識が遊離
するか否かを判定する。この判定は、該蛍光標識の蛍光
を測定することによって行われる。詳しくは、前記第2
の工程で、本発明の蛍光プローブ中の標的とする転写調
節因子の認識配列に、転写調節因子が結合する場合(試
料に標的転写調節因子が存在する場合にもあたる)と、
蛍光プローブ中の標的転写調節因子の認識配列に転写調
節因子が結合しない場合(試料に標的転写調節因子が存
在しない場合、或いは存在しても該結合を阻害する要素
および要因がある場合にもあたる)の二通りがある。そ
れぞれの場合について、反応機構および反応の結果を模
式的に説明したものが図2である。前者の場合を図中、
左側(a)に示し、後者の場合を右側(b)に示す。ま
ず、本発明の蛍光プローブにおいて、転写調節因子の認
識配列に転写調節因子が結合している(転写調節因子の
結合がある)とき、クラスII−S制限酵素(例えば、
FokI)がその認識配列(SfokI)に結合して
も、該転写調節因子による認識配列(Sr)への結合に
よる立体的な障害のために、制限酵素がその切断部位に
接近できないか、接近しにくくなる。この場合、制限酵
素が前記切断部位(すなわち、2本鎖DNA)を切断で
きず、従って、蛍光標識は2本鎖DNAに標識されたま
まである。結果として、蛍光プローブから蛍光標識が遊
離することはない。図2(a)中、5は転写調節因子の
分子を、6はFokIを表わす。その他SfokIおよ
びSrについては、図1と同じ意味で使用する。
【0028】一方、本発明の蛍光プローブにおいて、転
写調節因子の認識配列に転写調節因子が結合していない
とき、FokIがその認識配列に結合すると、前記のよ
うな立体的な障害がないので、その切断部位に自由に接
近できる。この場合、制限酵素による通常の切断がみら
れ、2本鎖DNAが切断部位で切断されることになる。
従って、蛍光標識4は2本鎖DNA3から開裂され、結
果として、蛍光プローブから蛍光標識が遊離する。
【0029】本発明のDNA結合検出方法を実施すると
き、蛍光プローブから遊離した蛍光標識は、反応溶液中
に存在するので、固体担体の蛍光プローブから上澄み液
として容易に分離され、そのまま該溶液の蛍光測定を行
うことによって、遊離した蛍光標識が存在するか否か判
定できる。
【0030】次の第5の工程において、上記の判定結果
に基づいて、例えば、図2(a)に示されるような場
合、転写調節因子と蛍光プローブとの結合があり、と決
定される。逆に、図2(b)に示されるような場合、転
写調節因子の蛍光プローブへの結合がなし、と決定され
る。「結合があり」と決定された場合、本発明のDNA
結合検出方法にさらに該DNA結合の強度を評価する工
程を第5の工程に続いて含めることができる。この目的
で、例えば、スキャッチャードプロット(Scatch
ard plot)解析を用いて、特定の転写調節因子
と本発明の蛍光プローブ間の親和性をさらに調べること
も可能となる。このような実施の形態は、実施例3に記
載されている。
【0031】また、別の実施の形態として、特定の転写
調節因子のアンタゴニスト、またはアゴニストの可能性
のある薬剤の存在下、本発明のDNA結合検出方法を行
い、前記「結合の有無」を決定し、或いはさらにその結
合の強度を評価することも可能である。具体的には、上
記第1の工程で、試験薬剤を試料に加えて、本発明の結
合検出方法に含まれる各工程を実施すればよい。この方
法は、前記アンタゴニスト、またはアゴニストのスクリ
ーニングとして、有用である。
【0032】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限
されるものではない。
【0033】
【実施例】(実施例1) 蛍光プローブの作製 1.1 1本鎖DNA部分の合成 蛍光プローブの2本鎖DNAを構成する1本鎖DNA部
分として、下記のビオチン化オリゴヌクレオチドを合成
した。 (配列表の配列番号1に記載) 前記式中、下線部を付した配列部分は、それぞれSfo
kI(fokIの認識配列)、Sr(転写調節因子AP
1の認識配列)、Sp(下記の蛍光標識されたプライマ
ーに相補的な配列)を表わし、FokIの1本鎖DNA
上での切断部位は、5’末端から18位のCと19位の
Aの間である。
【0034】さらに、次の工程で使用する蛍光標識され
た配列として下記のオリゴヌクレオチドを合成した。 (fluorescein)-5'-CTAAGTGCAG-3' (配列表の配列番号3に記載) 前記2つのオリゴヌクレオチドの合成は、DNA自動合
成機(アプライド・バイオシステム社製 392 DNA/RNA S
ynthesizer)を用いて、常法に従い、行った。
【0035】1.2 2本鎖DNAの合成 1.1で合成した1本鎖DNA部分を鋳型として、また
蛍光標識された配列をプライマー(FAMプライマー)
として用い、2本鎖DNAの合成を行った。ポリメラー
ゼ反応には、下記の組成を有する反応溶液を使用した。 2本鎖DNA(鋳型) 25pmol/μl 1μl FAMプライマー 25pmol/μl 1μl 5XT7Sequenase Buffer 10μl dNTP mixture 1μl 滅菌水 36μl 全液量 49μl まず、反応溶液を65℃で2分間、熱変性処理し、次い
で室温で10分間アニールした。その後、反応溶液に5
倍希釈したT7Sequenase(USB社製)1μlを加え、3
7℃で1時間、保ち2本鎖DNAを合成した。
【0036】1.3 2本鎖DNAの固定化 本実施例では、固体担体として、表面をアビジンでコー
トした磁気ビーズ(DynabeadsM280)を使用した。1.
2で合成した2本鎖DNAを含む溶液に25μlのDyna
beadsM280を加え、室温で10分間、振蘯し、Dynabeads
M280に2本鎖DNAを固定化した。得られた混合物に2
倍希釈のbinding and washing bufferをさらに75μl
加えて、振蘯した。この混合物から、2本鎖DNAを固
定化した磁気ビーズを磁性粒子濃縮ユニット(MPC)
を使用して回収した。ここで、反応液を捨て、新たに1
50μlのbinding and washing bufferを加えて、同様
に振蘯して、2回洗浄をおこなった。次いで、滅菌水
で、また同様に2回洗浄をおこなった。洗浄終了後、磁
気ビーズを25μlの滅菌水に分散して、蛍光プローブ
調製液である磁気ビーズ分散液を得た。
【0037】(実施例2) 転写調節因子の蛍光プロー
ブへの結合検出 2.1 転写調節因子の結合化 本実施例では、転写調節因子としてAP1(rh−ju
n)(Promega社製)を使用した。1.3で得られた磁気
ビーズ分散液から結合試験用の基液を調製し、これに以
下の組成を有するAP1溶液を添加して、AP1を含む
結合反応溶液を調製した。また、前記基液は、そのまま
AP1を含まない反応溶液(対照溶液)として結合試験
に使用した。それぞれの溶液の組成を下記に示す。 AP1溶液 AP1 10mM Tris・COOH pH7.5中 10μl poly(dI−dC)[注] 0.1mg/ml 1μl 全液量 11μl [注](アマシャム・ファルマシアハ゛イオテク社製) 結合試験用の基液(対照でもある) 2本鎖DNA固定化ビーズ 25μl 10XFokI緩衝液 5μl 0.1%TritonX 5μl poly(dI−dC) 0.1mg/ml 4μl 全液量 39μl ここで、上記10XFokI緩衝液は、50mM KC
OOH、10mM MgCOOH、1mM DTT、およ
び20mM TrisCOOH/pH7.9からなる。
【0038】上記AP1溶液[poly(dI-dC)で非特異的
結合を抑制]に結合試験用の基液を加えて、室温で、3
0分間、振蘯した。混合物を室温で、10分間さらに放
置した。この処理によりAP1とAP1認識配列との結
合反応が平衡化する。
【0039】2.2 制限酵素処理 2.1で得られたAP1を含む結合反応溶液にFokI
(0.5μl,1u/μl)を添加して、37℃で30
分間、振蘯し、さらに10分間放置した。放置後、上澄
み液を採取し、蛍光を測定した。蛍光測定は、以下のよ
うに実施した。
【0040】すなわち、FokI処理後、磁気ビーズを
MPCユニットで凝集させ、ガラスキャピラリー(Drumm
ond Science Co.製Microcap 50)に毛管現象を利用して
上澄みを充填した。この上澄み液を充填したキャピラリ
ーを倒立蛍光顕微鏡(Olympus社製LX70,対物レンズUpla
nFl 10x)のステージに置き、透過光像により焦点を合わ
せた後、CCDカメラと画像解析装置(浜松ホトニクス
社製C2400-77、Argus50)を用いて蛍光像を撮影した。こ
の蛍光像の中央に100x100の窓を切って、その領域内で
積算された光子数を蛍光強度とした。また、蛍光強度か
ら分子数への換算が必要な場合は、濃度が既知である蛍
光標識プライマーDNAを希釈し、同様の手順で測定す
ることにより、蛍光強度から蛍光分子モル濃度への換算
を行った。
【0041】対照溶液にFokI(0.5μl,1u/
μl)を添加し、全く同様に、蛍光測定を実施した。
【0042】蛍光測定の結果、後者の上澄み液(AP1
を含まない系)では、蛍光標識からの強い蛍光が確認さ
れたが、前者の上澄み液(AP1を含む系)では、弱い
蛍光しか確認されなかった。このように、APIの存
在、非存在下における制限酵素処理後の上澄み液から得
られる蛍光に有意差が認められた。この結果からAP1
を含む結合反応溶液では、FokIによって2本鎖DN
Aがほとんど切断されず、蛍光標識(すなわち、蛍光標
識を含む配列)の溶液中への遊離が少なかったことが分
かる。一方、AP1を含まない対照溶液では、FokI
によって2本鎖DNAが切断され、蛍光標識が溶液中に
遊離したことが分かる。
【0043】さらに、制限酵素との反応時間を検討する
目的で、FokIとの処理時間を変化させて、得られる
上澄み液の蛍光強度を測定し、比較した。
【0044】実験および蛍光測定条件は、処理時間を、
0、1、3、10、30(上記)、60分間と設定した
以外は、上記のとおりであった。結果を図3に示す。図
中、AP1(-)−AP1(+)は、AP1を添加した溶
液と対照溶液との蛍光強度の差であり、AP1によるF
okI酵素活性阻害(見かけ)を表わす。図3の結果
は、上述したAP1の存在による、蛍光の有意差を明瞭
に示し、30分もしくは60分の処理時間が、選択した
処理時間のなかでは、至適であることが分かった。
【0045】(実施例3) 転写調節因子の特異的結合
および非特異的結合試験 本実施例でも、転写調節因子としてAP1(rh−ju
n)を使用して、その認識配列への特異的結合、および
認識配列を含まない他の配列への非特異的結合を比較検
討した。実施例1で作製したAP1の認識配列を含む固
定化2本鎖DNA(ここで、テンプレートAP1とい
う)を使用し、AP1の濃度を変化させて実施例2に記
載した結合試験を繰り返した。比較対照として、AP1
の認識配列を含む13塩基対の配列において、それに対
応する部分がランダムである、不特定の13塩基対の配
列を含む固定化2本鎖DNA(ここで、テンプレートN
13という)を使用し、AP1の濃度を変化させて実施
例2に記載した結合試験を繰り返した。テンプレートN
13の塩基配列を配列表の配列番号4に示す。これらの
結合試験の結果をプロットしたものが図4である。測定
された上澄み液の蛍光強度は、AP1の各プレートへの
結合量に反比例する。図中、テンプレートAP1に結合
したAP1の総結合量は、AP1の特異的および非特異
的結合の合計であり、一方、テンプレートN13に結合
したAP1の結合量は、AP1の非特異的結合量に対応
する。
【0046】図4に示されたデータを基に、さらに演算
を施し、AP1の特異的結合量(相対)を求めて、AP
1の濃度に対してプロットしたものが図5である。
【0047】図5の結果に基づいて、スキャッチャード
プロット(Scatchard plot)解析を行っ
た結果を図6に示す。プロットの勾配からKd値は、約
10nMと算出され、文献に報告されているゲルシフト
方法[Glenn J. Foulds andFelicia A. Etzkorn (1998)
Nucleic Acids Res.,26, 4304-4305]から得られたA
P1のKd値(35nM±4nM)と近い数値であっ
た。また、プロットの勾配が直線であることから、結合
部位はただひとつであると確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明の蛍光プローブは、固体担体と、
該固体担体に一端で固定化された、標的とする転写調節
因子の認識配列を含む2本鎖DNAとからなるので、ア
キレス・ヒール開裂法の問題点をすべて解消する。特
に、転写調節因子とDNAの結合を比較的容易に平衡化
しうるので、結合検出の評価の信頼性が高くなる。
【0049】また、本発明の蛍光プローブにおいて固定
担体として、磁気ビーズを用いるとDNA結合検出の
際、洗浄等の操作工程が非常に簡便になる。
【0050】本発明のDNA結合検出方法は、メチル化
酵素を使用していないので、工程が簡略化され、しかも
結合の検出がメチル化酵素と転写調節因子との競合阻害
によらず、そのためDNA結合がより直接的に検出でき
る。
【0051】本発明のDNA結合検出方法は、検出反応
の結果、遊離する蛍光標識からの蛍光を測定することに
よって行うので、検出手法が簡便であり、結合そのもの
の検出のみならず、結合の強度(親和性)も定量的に評
価できる。
【0052】本発明のDNA結合検出方法は、癌細胞が
産生する転写調節因子を識別できるので、試料細胞が癌
細胞であるか、正常細胞であるかの検定に用いることも
できる。
【0053】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Hamamatsu Photonics K. K. <120> Fluorescent Probe for Detection of Binding between Transcriptional Control Factor and DNA, and Method for Detection of Binding between Transcriptional Control Factor and DNA <130> P99HP-258 <140> <141> <160> 4 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template <220> <221> Modified-site <222> 1 <223> Wherein n is biotin. <400> 1 ncataggatg tgatgactca gccctgcact tag 33 <210> 2 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template <400> 2 gtatcctaca ctactgagtc gggacgtgaa tc 32 <210> 3 <211> 10 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 3 ctaagtgcag 10 <210> 4 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template <220> <221> Modified-site <222> 1 <223> Wherein n is biotin. <220> <221> <222> 10 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 11 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 12 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 13 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 14 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 15 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 16 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 17 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 18 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 19 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 20 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 21 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <220> <221> <222> 22 <223> Wherein n is any of a, c, g and t. <400> 4 ncataggatg nnnnnnnnnn nnnctgcact tag 33
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光プローブの一例を構成的に示す図
である。図中、SfokIは、FokIの認識配列GG
ATGを表わし、Srは、転写調節因子AP1の認識配
列を表わし、Spは蛍光標識された配列を表わす。
【図2】本発明のDNA結合検出方法を段階毎に、かつ
模式的に示した説明図である。図中、(a)は標的とす
る転写調節因子の結合のある場合、(b)は標的とする
転写調節因子の結合のない場合を示す。
【図3】制限酵素FokIとの処理時間の最適化を図る
試験の結果をプロットしたグラフである。図中、縦軸は
蛍光強度(任意単位)、横軸はFokIとの処理時間を
表わす。また、AP1(+)は、APIを添加した系
を、AP1(-)は、APIを添加しなかった系(対
照)を表わし、AP1(-)−AP1(+)は、AP1に
よるFokI酵素活性阻害(見かけ)に対応する。
【図4】本発明のDNA結合検出方法を応用して、転写
調節因子AP1とテンプレートの結合を評価した結果を
プロットしたグラフである。図中、縦軸は蛍光強度(任
意単位)、横軸はAP1の濃度を表わす。「◇」はテン
プレートAP1を用いた試験の結果の表示であり、AP
1の総結合量に対応し、「□」はテンプレートN13を
用いた試験の結果の表示であり、AP1の非特異的結合
量に対応する。
【図5】転写調節因子AP1のテンプレートに対する特
異的結合量とAP1の濃度の関係を示すプロットであ
る。図中、縦軸は蛍光強度(任意単位)、横軸はAP1
の濃度を表わす。
【図6】スキャッチャードプロットである。図中、縦軸
は結合AP1と遊離AP1との比、横軸は結合AP1の
濃度を表わす
【符号の説明】
1・・・蛍光プローブ、2・・・固体担体、3・・・2本鎖DN
A、4・・・蛍光標識、5・・・転写調節因子、6・・・制限酵
素FokI
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/58 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 FB01 FB02 FB07 FB12 4B024 AA11 AA20 CA09 HA09 HA11 HA20 4B063 QA05 QA11 QQ42 QQ48 QQ52 QQ79 QR14 QR56 QR83 QS12 QS31 QS39 QX02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体担体と、該固体担体に一端で固定化
    された2本鎖DNAとからなり、該2本鎖DNAは、ク
    ラスII−S制限酵素の認識配列と、標的とする転写調
    節因子の認識配列と、前記クラスII−S制限酵素の切
    断部位と、蛍光標識された配列とが他の配列を介する
    か、介せずに前記固体担体側から、この順序で直列に、
    連結された(但し、該転写調節因子の認識配列は、該ク
    ラスII−S制限酵素の切断部位に存在してもよい)構
    造体を含むことを特徴とする転写調節因子とDNAの結
    合を検出するための蛍光プローブ。
  2. 【請求項2】 クラスII−S制限酵素の認識配列がF
    okIの認識配列であることを特徴とする、請求項1に
    記載の転写調節因子とDNAの結合を検出するための蛍
    光プローブ。
  3. 【請求項3】 固体担体が磁気ビーズであることを特徴
    とする、請求項1に記載の転写調節因子とDNAの結合
    を検出するための蛍光プローブ。
  4. 【請求項4】 2本鎖DNAがビオチン・アビジン結合
    によって固体担体に固定化されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の転写調節因子とDNAの結合を検
    出するための蛍光プローブ。
  5. 【請求項5】 転写調節因子とDNAの結合を検出する
    方法であって、前記転写調節因子を含む試料に、転写調
    節因子とDNAの結合を検出するための蛍光プローブを
    添加し、ここで前記蛍光プローブは、固体担体と、該固
    体担体に一端で固定化された2本鎖DNAとからなり、
    該2本鎖DNAはクラスII−S制限酵素の認識配列
    と、前記転写調節因子の認識配列と、前記クラスII−
    S制限酵素の切断部位と、蛍光標識された配列とが他の
    配列を介するか、介せずにこの順序で直列に、連結され
    た(但し、該転写調節因子の認識配列は、該クラスII
    −S制限酵素の切断部位に存在してもよい)構造体を含
    む第1の工程と、前記第1の工程で得られた混合液を、
    前記転写調節因子が、前記転写調節因子とDNAの結合
    を検出するための蛍光プローブに結合するのに充分な時
    間、反応させる第2の工程と、前記第2の工程で得られ
    た反応混合液に、クラスII−S制限酵素を添加する第
    3の工程と、前記クラスII−S制限酵素の作用により
    前記蛍光プローブが切断されて、該蛍光プローブから蛍
    光標識が遊離するか否かを該蛍光標識の蛍光を測定する
    ことにより判定する第4の工程と、前記第4の工程の判
    定結果に基づいて、前記転写調節因子が、前記転写調節
    因子とDNAの結合を検出するための蛍光プローブに結
    合したか否かを決定する第5の工程とを含むことを特徴
    とする、前記転写調節因子とDNAの結合を検出する方
    法。
  6. 【請求項6】 クラスII−S制限酵素がFokIであ
    ることを特徴とする、請求項5に記載の転写調節因子と
    DNAの結合を検出する方法。
  7. 【請求項7】 第5の工程で、転写調節因子が、転写調
    節因子とDNAの結合を検出するための蛍光プローブに
    結合したと決定された場合、さらに該結合の強度を評価
    する工程を含むことを特徴とする、請求項5に記載の転
    写調節因子とDNAの結合を検出する方法。
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