JP2001311722A - ガス検出装置 - Google Patents

ガス検出装置

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JP2001311722A JP2000129649A JP2000129649A JP2001311722A JP 2001311722 A JP2001311722 A JP 2001311722A JP 2000129649 A JP2000129649 A JP 2000129649A JP 2000129649 A JP2000129649 A JP 2000129649A JP 2001311722 A JP2001311722 A JP 2001311722A
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篤宏 角谷
Motoo Harada
基生 原田
Nobuo Watanabe
修夫 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音波を送受信する音響素子を備えたガス検出
装置において、音響素子の設置条件の制約を受けること
なく狭い場所でも良好なガス濃度の測定を可能とするこ
とである。 【解決手段】 スピーカとして機能する音響素子2aと
マイクロフォンとして機能する音響素子2bとを被測定
ガスを挟んで対向配置せしめるとともに、増幅回路4を
介して接続して、ハウリングを発生するフィードバック
回路を形成し、ガス濃度の違いで音速が変化するのに伴
って変化する上記ハウリングの周波数を周波数計測手段
5により計測して、CPU6にてハウリングの周波数を
成分ガスの濃度に変換する構成とすることで、音波の進
行距離を大きくとることなく水素濃度が得られるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス検出装置に関
し、特に音波を利用してガス検出を行うガス検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガスの検出技術として、被測定ガス中の
特定の成分ガスの濃度が変化すると被測定ガスにおける
混合音速が変化することを利用して成分ガスを検出する
ものがある。かかる音速を利用するガス検出技術は、防
爆構造とするのが容易で可燃性ガスの検出に有利であ
り、特に水素は単体での音速が空気中の窒素や水蒸気等
の他の成分に比して数倍も大きいので水素の検出に適用
されている。
【0003】特開平10−306312号公報では、製
鋼工程において鋼中に水素吸蔵金属を添加する際に発生
する水素の濃度の測定に用いたものが提案されている。
上記水素が含まれた排ガスが流通するダクトに、流通す
る排ガスを挟んでマイクロフォンとスピーカとを対向さ
せて、スピーカの音量変化からマイクロフォンからの音
波の到達タイミングを検出することで音速を測定し、音
速を水素濃度に変換している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−306312号公報記載の技術は、マイクロ
フォンとスピーカとの対向間隔を十分にとらないと十分
な精度で音速を測定することができず、用途は大規模プ
ラントの排ガスダクト内の水素濃度測定等に限られる。
【0005】本発明は上記実情に鑑みなされたもので、
マイクロフォンやスピーカ等の音響素子の設置形態があ
まり制約を受けずに高精度にガス濃度を測定することの
できるガス検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、機械振動と電気振動との間で相互に変換自在な対を
なす第1、第2の音響素子を被測定ガスを挟んで対向位
置に配置するとともに、マイクロフォンとして機能する
一方の音響素子から出力された電気信号を増幅しスピー
カとして機能する他方の音響素子に出力する増幅回路を
設けて、上記他方の音響素子からの音波が上記一方の音
響素子にフィードバックしハウリングを発生するフィー
ドバック回路を形成する。かつハウリング周波数を計測
する周波数計測手段と、計測されたハウリング周波数に
基づいて成分ガス濃度を演算するガス濃度演算手段とを
具備せしめる。
【0007】ハウリングは上記フィードバック回路にお
いて正帰還がかかる条件で発生するから、被測定ガス中
の音速が変化するとハウリング周波数が変化する。また
被測定ガス中の音速は被測定ガスの組成すなわち成分ガ
スの濃度により変化するから、予めハウリング周波数と
上記成分ガスの濃度との関係を求めておくことで、成分
ガスの濃度を測定することができる。そして、両音響素
子の対向間隔がむしろ狭まる方がハウリングは良好に生
じるから、例えば被測定ガスが流通する管路が細く両音
響素子の対向間隔が狭まる場合であっても、高精度にガ
ス濃度の測定を行うことができる。
【0008】請求項2記載の発明では、上記増幅回路に
は、マイクロフォンとして機能する上記一方の音響素子
から伝送された電気信号を二値化するゼロクロス回路を
設ける。
【0009】二値化による波形整形で振幅が揃えられハ
ウリングを安定的に発生させることができる。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1または
2の発明の構成において、被測定ガスが流通する配管内
に、被測定ガスの流通方向と直交する方向に対して音響
素子の対向方向が傾斜角をもつように上記第1、第2の
音響素子を配置するとともに、上記傾斜角が互いに異な
る音響素子配置で上記フィードバック回路を2種類形成
自在に構成する。そして、予め記憶されたハウリング周
波数と音速の関係に基づいて計測されたハウリング周波
数を音速に変換する周波数/音速変換手段と、一方のフ
ィードバック回路で計測されたハウリング周波数から変
換された音速と他方のフィードバック回路で計測された
ハウリング周波数から変換された音速とに基づいて被測
定ガスの流速が0のときの音速を算出する基準音速算出
手段と、算出された音速を成分ガス濃度に変換する音速
/ガス濃度変換手段とを具備せしめる。
【0011】被測定ガスの流通方向と直交する方向に対
して音響素子の対向方向が傾斜角をもつようにしたの
で、音速が音波の媒質である被測定ガスの流速の影響を
受けて被測定ガスの流速が0のときの音速よりも増減す
る。そしてその増減量は上記傾斜角に応じた大きさとな
る。ここで、一方のフィードバック回路と他方のフィー
ドバック回路とでは上記傾斜角が異なるので、両フィー
ドバック回路で計測された音速から被測定ガスの流速に
よらず被測定ガスの流速が0のときの音速を得ることが
できる。
【0012】したがって、被測定ガスの流通方向と音響
素子の対向方向とが直交するように音響素子を配置する
ことができなくとも、被測定ガスの流速の影響を受ける
ことなく高精度にガス濃度を測定することができるの
で、音響素子のレイアウトの自由度が広がる。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項3の発明
の構成において、第1の音響素子を上記増幅回路の入力
端と出力端とのいずれかと切り換え接続するとともに第
2の音響素子を上記増幅回路の出力端と入力端とのいず
れかと切り換え接続して第1の音響素子がマイクロフォ
ンとして機能し第2の音響素子がスピーカとして機能す
る第1の設定状態と、第1の音響素子がスピーカとして
機能し第2の音響素子がマイクロフォンとして機能する
第2の設定状態とのいずれかを選択自在な切り換えスイ
ッチを具備せしめて、上記傾斜角を、被測定ガスの流通
方向と直交する方向に対して上記音響素子の対向方向が
実質的に被成分ガスの上流側方向と下流側方向とに切り
換わるようにする。
【0014】対向配置された1組の第1、第2の音響素
子でも電気的な切り換えスイッチにより実質的に上記傾
斜角を変えることができるので構成が簡単である。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項3または
4の発明の構成において、上記一方のフィードバック回
路で計測されたハウリング周波数から変換された音速と
上記他方のフィードバック回路で計測されたハウリング
周波数から変換された音速とに基づいて被測定ガスの流
速を算出する流速算出手段と、上記流速および上記成分
ガス濃度から成分ガスの流量を算出する流量算出手段と
を具備せしめる。
【0016】被測定ガスの流通方向と直交する方向に対
する音響素子の対向方向の傾斜角が異なる一方のフィー
ドバック回路と他方のフィードバック回路により、音速
の計測に与える被測定ガスの流速の影響が知られるか
ら、被測定ガスの流速とガス濃度とに基づいて成分ガス
の流量を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明の
ガス検出装置を示し、図2にガス検出装置における計測
制御手順を示す。本実施形態は燃料電池システムに付設
されたものとして説明する。本ガス検出装置は、燃料電
池システムの改質器で生成された被測定ガスである改質
ガス中の水素の濃度および流量を測定するもので、水素
を多量に含む改質ガスを改質器から燃料電池本体に供給
するための配管1に本体部11と斜めに交叉する短い筒
状部12が設けられ、配管本体部11の外周へ膨出する
筒状部12の両端部12a内には対をなす第1の音響素
子2a、第2の音響素子2bが嵌設されている。
【0018】音響素子2a,2bは機械振動と電気振動
との間で相互に変換可能な素子であり、例えば一般的な
圧電スピーカが用いられ得る。両音響素子2a,2bは
その音波受信面であり音波送信面である前面を配管1の
内側に向けた状態で、配管1内を流通する改質ガスを挟
んで対向位置に配置され、後述するようにスピーカとし
て機能する一方の音響素子2a,2bから放射された音
波を、マイクロフォンとして機能する他方の音響素子2
b,2aで受けるようになっている。
【0019】音響素子2a,2bは切り換えスイッチ3
1,32を介して信号増幅器41の入力端または電力増
幅器43の出力端と接続されており、電力増幅器43の
出力端と接続される音響素子2a,2bがスピーカとし
て機能し、信号増幅器41の入力端と接続される音響素
子2b,2aがマイクロフォンとして機能する。図の状
態は第1の音響素子2aがスピーカとして機能し、第2
の音響素子2bがマイクロフォンとして機能している。
【0020】信号増幅器41の出力信号はゼロクロス回
路42に入力し、ゼロクロス回路42において入力信号
をその正負により二値化し、それを電力増幅器43に出
力するようになっている。
【0021】これら信号増幅器41、ゼロクロス回路4
2、電力増幅器43は、マイクロフォンとして機能する
音響素子2b,2aからの入力信号を増幅してスピーカ
として機能する音響素子2a,2bに出力する増幅回路
4を構成している。そして、スピーカとして機能する音
響素子2a,2bからの音波がマイクロフォンとして機
能する音響素子2b,2aにフィードバックするフィー
ドバック回路が形成されてハウリングが発生する。フィ
ードバック回路は切り換えスイッチ31,32の設定に
より2種類形成されることになる。
【0022】ゼロクロス回路42からの二値の出力信号
は上記のごとく電力増幅器43に出力されるとともに、
分周器51に入力する。分周器51は、後述する基準ク
ロック発生器52、AND回路53、およびカウンタ5
4とともに上記フィードバック回路におけるハウリング
の周波数を演算する周波数計測手段5を構成している。
分周器51はゼロクロス回路42からの出力信号(a)
を所定の分周率にて分周し、この分周された分周器51
の出力信号(b)は基準クロック発生器52からのクロ
ック信号(c)とともにAND回路53に入力し、AN
D回路53の出力信号(d)がカウンタ54に入力す
る。
【0023】分周器51およびカウンタ54は、CPU
6から測定開始を意味するリセット信号が入力するとリ
セットするように構成されており、図3に示すようにリ
セット信号の入力後、分周器51はゼロクロス回路42
から上記分周率に対応した数のパルスが入力する間、H
レベル信号を出力し、AND回路53が、この、リセッ
ト信号の入力後、分周器51の出力がLレベルとなるま
での間、実質的にカウンタ54へのクロック信号の入力
を許容することとなる。カウンタ54はこの間のクロッ
ク信号をカウントし、カウント値Cを上記ハウリング周
波数の計測信号としてCPU6に出力する。このカウン
ト値Cは、分周器51の出力の1/2周期に相当する時
間に比例し、したがって分周率に対応したゼロクロス回
路42の出力の数周期に相当する時間に比例する。図例
ではカウント値Cはゼロクロス回路の出力の3周期に相
当する時間に比例した値となる。このカウント値Cより
ゼロクロス回路42の出力の周波数、すなわち上記フィ
ードバック回路のハウリング周波数が知られることにな
る。
【0024】CPU6にはまた、配管1の管壁を貫通し
て設けられた温度センサ71により検出された、配管1
内を流通する改質ガスの温度の検出信号が入力してい
る。
【0025】ガス濃度演算手段であるCPU6はこれら
カウント値および改質ガス温度に基づいて改質ガス中の
水素濃度を演算する。
【0026】CPU6は、上記のごとく上記分周器51
およびカウンタ54にリセット信号を出力して分周器5
1およびカウンタ54をリセットするとともに、上記切
り換えスイッチ31,32を制御する。
【0027】CPU6における測定手順を示す図2にお
いて、ステップS110では切り換えスイッチ31,3
2を、第1音響素子2aと電力増幅器43の出力端とが
接続し、第2音響素子2bと信号増幅器41の入力端と
が接続する設定とする。これにより、第1音響素子2a
がスピーカとして機能し、第2音響素子2bがマイクロ
フォンとして機能する。
【0028】ステップS120では分周器51およびカ
ウンタ54にリセット信号を出力し、ステップS130
で上記のごとくカウンタ54からカウント値Cを得る。
【0029】ステップS140では、カウント値Cから
ハウリング周波数に変換する。
【0030】ステップS150は周波数/音速変換手段
としての手順で、ハウリング周波数を音速Vaへ変換す
る。図4はハウリング周波数と音速との関係を示すもの
で、水素濃度の測定レンジをカバーする範囲で配管1内
を流通する改質ガス中の水素濃度を違えてハウリング周
波数と音速との関係を予め実験的に求めておくことで得
る。かかるハウリング周波数と音速との関係はマップあ
るいは計算式としてCPU6のメモリに記憶しておく。
【0031】続くステップS160では切り換えスイッ
チ31,32を、第1音響素子2aと信号増幅器41の
入力端とが接続し、第2音響素子2bと電力増幅器43
の出力端とが接続する設定とする。これにより、第2音
響素子2bがスピーカとして機能し、第1音響素子2a
がマイクロフォンとして機能する。
【0032】ステップS170〜S200は上記ステッ
プS120〜S150と同じで、分周器51およびカウ
ンタ54にリセット信号を出力し(ステップS17
0)、カウンタ54からカウント値Cを得(ステップS
180)、カウント値Cに基づいてハウリング周波数を
得る(ステップS190)。そして周波数/音速変換手
段としての手順であるステップS200ではハウリング
周波数を音速Vbへ変換する。
【0033】ステップS210は基準音速算出手段とし
ての手順で、第1音響素子2aがスピーカとして機能し
第2音響素子がマイクロフォンとして機能するフィード
バック回路のハウリング周波数(カウント値C)から得
られた上記音速Va、および第2音響素子2bがスピー
カとして機能し第1音響素子2aがマイクロフォンとし
て機能するフィードバック回路のハウリング周波数(カ
ウント値C)から得られた上記音速Vbに基づいて、配
管1内を流通する改質ガス中の流速=0としたときの音
速V0 および改質ガスの流速V1 を算出する。
【0034】ここで、筒状部12は配管本体部11と斜
めに交叉するように設けられ、筒状部12の軸線方向す
なわち音響素子2a,2bの対向方向が配管本体部11
の軸線すなわち改質ガスの流通方向と直交する方向に対
して傾斜角をもつようにしてあるから、音波の媒質であ
る改質ガスは音波の進行方向に流れる成分を有する。そ
して、切り換えスイッチ31,32の第1の設定状態で
はスピーカとして機能する音響素子2aが改質ガスの流
通方向と直交する方向に対して改質ガス流れの上流側に
位置し、第2の設定状態ではスピーカとして機能する音
響素子2bが改質ガスの流通方向と直交する方向に対し
て改質ガス流れの下流側に位置することになる。
【0035】したがって、かかる、第1の設定状態のと
きと第2の設定状態のときとの上記傾斜角の実質的な相
違により、音波の進行方向に流れる改質ガスの成分の方
向は、第1の設定状態では音波の進行方向と同じとな
り、第2の設定状態では音波の進行方向と逆となり、こ
れにより音速Va,Vbが増減する。また、その大きさ
は、配管本体部11の軸線と直交する方向と筒状部12
の軸線方向とのなす角度をθとして、V1 sinθと表
せる。しかして式(1−1)、(1−2)が成立し、こ
れより、上記音速Va,Vbに基づいて改質ガス中の音
速V0 、改質ガスの流速V1 を算出する式(2−1)、
(2−2)が得られる。CPU6はかかる算出式にした
がい改質ガス中の音速V0 、燃料ガスの流速V1 を得
る。 Va =V0 +V1 sinθ・・・(1−1) Vb =V0 −V1 sinθ・・・(1−2) V0 =(Va +Vb )/2・・・(2−1) Vb =(Va −Vb )/2sinθ・・・(2−2)
【0036】ステップS220では、温度センサ71に
より検出された改質ガス温度を読み込み、改質ガス温度
に基づいて改質ガス中の音速V0 を温度補正し、基準温
度(例えば80°C)における速度にする。図5は水素
濃度が30〜50%の範囲における音速と改質ガス温度
との関係を示すもので、温度が高くなると音速も直線状
に速くなり、温度補正は、例えば、上記ステップS21
0で算出された音速V0 に対して上記ステップS220
で読み込まれた改質ガス温度Tと基準温度との温度差に
応じた補正値を増減すればよい。
【0037】ステップS230では、音速V0 を水素濃
度Dに変換する。図6は音速による水素濃度の検定線を
示すもので、CPU6はかかる音速と水素濃度との関係
をメモリに記憶しており、かかる関係に基づいて水素濃
度Dを得る。あるいは、水素濃度と音速との関係につい
ては、気体の混合音速について気体を構成する成分ガス
の濃度の関数で表される計算式を用いてもよい。
【0038】続くステップS240は流量算出手段とし
ての手順で、式(3)にしたがって配管1内を流通する
改質ガス中の水素の容積流量Qv を算出する。なお、式
中、Sは配管の通路断面積であり、CPU6の初期デー
タとしてメモリに記憶されている。 Qv =D×V1 ×S・・・(3)
【0039】このように、本ガス検出装置によれば、1
対の音響素子と温度センサを配管に設けることにより水
素濃度と容量流量を測定することができる。ハウリング
を発生させることにより水素濃度を得る構成としたの
で、音響素子の対向間隔を大きくとる必要はなく細管を
流れる被測定ガスの測定にも好適であり、また、配管の
通路断面積によって音響素子の対向間隔が大きくなる場
合には増幅回路の利得を上げればよく、幅広い用途に適
用することができる。
【0040】なお、被測定ガスの温度変動が小さい場合
や要求される測定精度によっては温度センサを省略して
もよい。
【0041】(第2実施形態)図7に第2実施形態のガ
ス検出装置の構成を示し、図8にガス検出装置のCPU
で実行される測定手順を示す。第1実施形態では水素の
流量を容量流量で得ているが、本実施形態は質量流量で
得るようにしたものである。図中、第1実施形態と同じ
番号を付した部分は第1実施形態と実質的に同じ作動を
するので、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0042】配管1の管壁を貫通して圧力センサ72が
設けてあり、配管1内を流通する改質ガスの圧力を検出
するようになっている。圧力センサ72の出力信号は、
圧力回路82で信号処理され、アナログスイッチ83を
介してCPU6AのA/D変換回路に入力しており、ま
た、上記測温回路81から出力された温度検出信号もア
ナログスイッチ83を介してCPU6AのA/D変換回
路に入力している。アナログスイッチ83はCPU6A
で切り換え制御するようになっており、CPU6Aで
は,改質ガスの圧力、温度のそれぞれが知られるように
なっている。
【0043】CPU6Aは基本的に第1実施形態のCP
U6と同じもので、相違点は上記のごとく水素の流量を
質量流量で得る点であり、図8に示すように、基準音速
V0、流速V1 の算出(ステップS210)の後、ステ
ップS211でアナログスイッチ83を測温回路82側
に切り換え温度Tの読み込みを可能とする。
【0044】また、水素濃度Dへの変換(ステップS2
40)後、ステップS241でアナログスイッチ83を
圧力回路82側に切り換え、ステップS242で改質ガ
スの圧力Pを読み込む。
【0045】続くステップS251は流量算出手段とし
ての手順で、質量流量Qm を次式(4)により算出す
る。 Qm =RT/PMr ×D×V1 ×S・・・(4)
【0046】ここで、Rは気体定数、Tは改質ガス温
度、Pは改質ガス圧力である。また、Mr は改質ガスの
分子量であり、水素濃度Dを用いて式(5)により表さ
れる。式は改質ガスの代表的な組成比であるH2 O:C
2 :N2 =13:10:6を用いている。 Mr =2×D+18×(1−D)×13/29+44×(1−D)×10/ 29+28×(1−D)×6/29・・・(5)
【0047】このように本実施形態では水素の流量を質
量流量で得ることができる。
【0048】なお、上記各実施形態において、水素濃度
のみが必要であれば、流速V1 の算出に関する手順は省
略することもできる。この場合、図9のように切り換え
スイッチを省略した構成として第1の音響素子2aをマ
イクロフォン機能専用とし、第2の音響素子2bをスピ
ーカ機能専用とすることもできる。この場合、音速はカ
ウント値Cから得られた値で代表されることになるが、
式(1−1)や式(1−2)より明らかなように流速成
分の項V1 sinθが誤差となり得る。この誤差をなく
すには、音響素子2a,2bの対向方向と配管の軸線方
向とが直交するように配管筒状部を作り、音速に対する
改質ガスの流れの影響をなくせばよい。なお、かかる構
成とする場合には、CPU6BIおいて、カウント値と
水素濃度との関係を示すマップ等にしたがって、カウン
ト値から直接水素濃度に変換が可能である。勿論、かか
るカウント値または水素濃度について温度補正を行うの
もよい。
【0049】なお、音響素子設置場所によっては音響素
子の対向方向と配管の方向とが直交するように筒状部を
構成することができないこともあり得るので、その場合
は、上記各実施形態のごとく音響素子をスピーカ機能と
マイクロフォン機能との間で切り換え可能に構成し、上
記式(2−1)にしたがって音速V0 を高精度に測定す
るのがよい。流速成分の項V1 sinθを含まない正確
な音速V0 を得ることができるからである。
【0050】また、上記各実施形態では、音響素子は切
り換えスイッチによりスピーカとして機能する場合とマ
イクロフォンとして機能する場合とを切り換えることで
実質的に傾斜角θが改質ガスの上流側と下流側とに切り
換わるようにし、2元連立方程式(1−1)、(1−
2)が成立するようになっているが、配管内に、被測定
ガスの流通方向と直交する方向に対して音響素子の対向
方向が第1の傾斜角をもつように第1の組の音響素子を
配置して第1の上記フィードバック回路を形成するとと
もに、被測定ガスの流通方向と直交する方向に対して音
響素子の対向方向が第2の傾斜角をもつように、上記第
1の組の音響素子とは別の第2の組の音響素子を配置し
て第2の上記フィードバック回路を形成するのもよい。
この場合は音響素子の数が増えることになるが、音響素
子に指向性のよいものを用いて組間の干渉を抑制すれば
2組同時にハウリングを発生させて改質ガスの流れの影
響度が異なる2つの音速を同時に得ることができ、測定
時間を短縮することができる。
【0051】なお、上記各実施形態は、水素濃度を数値
で得る構成としているが、上記ゼロクロス回路の出力信
号が可聴域となるように設定して、あるいはゼロクロス
回路の出力信号の高調波等が可聴域となるように設定し
て音色で水素濃度の高低を知る構成とするのもよい。
【0052】また、上記各実施形態は燃料電池システム
に付設したものを示したが、他の用途にも適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス検出装置の構成図である。
【図2】上記ガス検出装置のCPUにおける制御内容を
示すフローチャートである。
【図3】上記ガス検出装置の各部の作動状態を示すタイ
ミングチャートである。
【図4】上記ガス検出装置におけるハウリング周波数と
音速との関係を示すグラフである。
【図5】上記ガス検出装置における音速と改質ガス温度
の関係を示すグラフである。
【図6】上記ガス検出装置における水素濃度と音速の関
係を示すグラフである。
【図7】本発明の別のガス検出装置の構成図である。
【図8】上記ガス検出装置のCPUにおける制御内容を
示すフローチャートである。
【図9】本発明のさらに別のガス検出装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 配管 2a,2b 音響素子 31,32 切り換えスイッチ 4 増幅回路 41 信号増幅器 42 ゼロクロス回路 43 電力増幅器 5 周波数計測手段 51 分周器 52 基準クロック発生器 53 AND回路 54 カウンタ 6,6A CPU(ガス濃度演算手段、周波数/音速変
換手段、基準音速算出手段、流量算出手段) 6B CPU(ガス濃度演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 豪宏 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 角谷 篤宏 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 原田 基生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 渡辺 修夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 BA01 BC04 BC15 GF11 2G064 AB01 AB05 AB13 CC24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ガス中の成分ガスの濃度を検出す
    るガス検出装置であって、機械振動と電気振動との間で
    相互に変換自在な対をなす第1、第2の音響素子を被測
    定ガスを挟んで対向位置に配置するとともに、マイクロ
    フォンとして機能する一方の音響素子から出力された電
    気信号を増幅しスピーカとして機能する他方の音響素子
    に出力する増幅回路を設けて、上記他方の音響素子から
    の音波が上記一方の音響素子にフィードバックしハウリ
    ングを発生するフィードバック回路を形成し、かつハウ
    リング周波数を計測する周波数計測手段と、計測された
    ハウリング周波数に基づいて成分ガス濃度を演算するガ
    ス濃度演算手段とを具備することを特徴とするガス検出
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガス検出装置において、
    上記増幅回路には、マイクロフォンとして機能する上記
    一方の音響素子から伝送された電気信号を二値化するゼ
    ロクロス回路を設けたガス検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2いずれか記載のガス検
    出装置において、被測定ガスが流通する配管内に、被測
    定ガスの流通方向と直交する方向に対して音響素子の対
    向方向が傾斜角をもつように上記第1、第2の音響素子
    を配置するとともに、上記傾斜角が互いに異なる音響素
    子配置で上記フィードバック回路を2種類形成自在に構
    成し、予め記憶されたハウリング周波数と音速の関係に
    基づいて計測されたハウリング周波数を音速に変換する
    周波数/音速変換手段と、一方のフィードバック回路で
    計測されたハウリング周波数から変換された音速と他方
    のフィードバック回路で計測されたハウリング周波数か
    ら変換された音速とに基づいて被測定ガスの流速が0の
    ときの音速を算出する基準音速算出手段と、算出された
    音速を成分ガス濃度に変換する音速/ガス濃度変換手段
    とを具備せしめたガス検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のガス検出装置において、
    第1の音響素子を上記増幅回路の入力端と出力端とのい
    ずれかと切り換え接続するとともに第2の音響素子を上
    記増幅回路の出力端と入力端とのいずれかと切り換え接
    続して第1の音響素子がマイクロフォンとして機能し第
    2の音響素子がスピーカとして機能する第1の設定状態
    と、第1の音響素子がスピーカとして機能し第2の音響
    素子がマイクロフォンとして機能する第2の設定状態と
    のいずれかを選択自在な切り換えスイッチを具備せしめ
    て、上記傾斜角を、被測定ガスの流通方向と直交する方
    向に対して上記音響素子の対向方向が実質的に被成分ガ
    スの上流側方向と下流側方向とに切り換わるようにした
    ガス検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4いずれか記載のガス検
    出装置において、上記一方のフィードバック回路で計測
    されたハウリング周波数から変換された音速と上記他方
    のフィードバック回路で計測されたハウリング周波数か
    ら変換された音速とに基づいて被測定ガスの流速を算出
    する流速算出手段と、上記流速および上記成分ガス濃度
    から成分ガスの流量を算出する流量算出手段とを具備せ
    しめたガス検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009042142A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Hitachi Information & Communication Engineering Ltd 管長測定システム及びその測定方法
JP2009216585A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Hitachi Information & Communication Engineering Ltd 管長測定システム及びその測定方法
JP2014132271A (ja) * 2007-07-13 2014-07-17 Continental Automotive Gmbh パージ管路におけるガス流中の炭化水素含有量を測定するためのセンサ
CN110946580A (zh) * 2019-11-06 2020-04-03 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 核磁共振检测系统

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