JP2001310250A - 光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法 - Google Patents

光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法

Info

Publication number
JP2001310250A
JP2001310250A JP2000126818A JP2000126818A JP2001310250A JP 2001310250 A JP2001310250 A JP 2001310250A JP 2000126818 A JP2000126818 A JP 2000126818A JP 2000126818 A JP2000126818 A JP 2000126818A JP 2001310250 A JP2001310250 A JP 2001310250A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens blank
optical lens
lens
molding
curvature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000126818A
Other languages
English (en)
Inventor
Sakae Ishida
栄 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000126818A priority Critical patent/JP2001310250A/ja
Publication of JP2001310250A publication Critical patent/JP2001310250A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ガラスレンズの成形品質精度に適合させ
た必要最小取り代を設定するようにレンズブランクの曲
率を設定し、最大表面欠陥深さ以上の必要最小取り代を
除去することで、材料不良残りをなくしガラススラッジ
の削減を図る。 【解決手段】 レンズブランクの測定される最大表面欠
陥深さ(a)から目標取り代(b)を設定し、第二、第
三の加工工程等での取り代(c)を考慮して第一加工工
程での必要取り代(d)を算出し、次いで、レンズブラ
ンクの偏肉量(e)、加工時の機械振れによる偏肉量
(f)や治具貼り付けでの倒れ量(g)等から算出され
るレンズ外径での総合計偏肉量(h)を除去するための
レンズ中心での必要最小取り代(i)を算出し、この必
要最小取り代(i)と必要取り代(d)とから求められ
る高さ差(j)から許容されるレンズの成形曲率(k)
を求めて、その値以下の成形曲率を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ等光学素子
のガラスブランクの成形品質精度に基づいて必要最小取
り代を設定するための成形曲率設定方法および光学レン
ズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レンズ等光学素子のガラスレンズ成形ブ
ランク(以下、単にレンズブランクともいう)は、従来
から、一般的に、リヒートプレスと呼ばれる成形方法で
製造されている。この成形方法では、選塊した光学ガラ
スを切断して天秤により重量調整してプレス成形する。
この切断の際に生じるキズがプレス成形品の内部に発生
する泡やキリの原因となり、また、切断片の形状が一定
化しないこともプレス成形品内部に発生する折れ込みの
原因となる。これらは内部欠陥となるために測定が不可
能であり、レンズブランクの研削あるいは研磨加工等に
際しては、実際に加工をしてその取り代の設定を行って
いる。
【0003】また、成形数が多い場合は、ダイレクトプ
レスと呼ばれる成形方法で製造されている。この成形方
法では、重量調整工程がなく、泡、キリ、折れ込みは発
生しないが、溶融ガラスを切断するシャーによるシャー
マークが発生する。このシャーマークは、小泡の群から
なり、表面から約0.3mmの深さの内部に入り込んで
おり、このシャーマークの入り込みを取り去るようにレ
ンズブランクの研削あるいは研磨等の加工を行ってい
る。
【0004】このように従来の一般的なリヒートプレス
やダイレクトプレスによるレンズブランクは、成形表面
から0.3mm〜0.4mmの深さ内部に泡、キリ、折
れ込み等の材料不良が入り込んでおり、レンズ製造工程
において、最小取り代として各面当り約0.5mmの取
り代設定を行えば、材料不良は除去できるであろうとい
う考え方で、ブランク成形曲率精度はΔh±150の広
範囲で設定している。
【0005】しかし、前述した従来の一般的なリヒート
プレスやダイレクトプレスによるレンズブランクにおい
て、リヒートプレスでは、プレス成形品の内部に発生す
る泡、キリ、折れ込み等の材料不良の深さにバラツキが
あるために、前述したような設定通りの取り代で加工を
行っても、材料不良残りを完全になくすことができず、
材料不良残りが数%発生することが一般的であった。ま
た、ダイレクトプレスでも、シャーマークの入り込みを
取り去ることが材料不良残りをなくすための必要条件で
あるが、リヒートプレスと同様に内部での深さバラツキ
のために前述したような設定通りの取り代で加工を行っ
ても、材料不良残りが数%発生する。このように、従来
の一般的なリヒートプレスやダイレクトプレスによるリ
ヒート品、シャーマーク品での取り代設定では、材料不
良残りを完全になくすことは困難であった。
【0006】また、ガラスの種類によっては、粘性等の
関係から、溶融ガラスを切断するシャーを使用しない
で、溶融ガラスの自重と表面張力で自然に切断させるシ
ャーマークレス方法が用いられている。この成形方法で
あれば、シャーマークが発生しないため、泡、キリ、折
れ込み等の内部欠陥は発生しないけれども、成形表面上
の品質精度に影響が現れ、この成形表面上の欠陥を除去
するように加工取り代を設定し、光学レンズを製造して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シャーマー
クレス方法においては、シャーマークが発生しないため
に泡、キリ、折れ込み等の内部欠陥は発生しないけれど
も、成形表面上の品質精度に影響が現れる。すなわち、
上下金型嵌合精度、金型構造、溶融温度等による外径と
肉厚バラツキ、プレス時の機械的精度の影響による偏肉
バラツキ、プレス後のガラス内部の温度降下によるプレ
ス面のヒケ等の変形や離型剤使用によるプレス表面の局
部的な穴等の表面欠陥深さのバラツキ、プレス成形条件
等による曲率半径のバラツキが現れる。これらの成形品
質精度の内で表面欠陥は成形品全面に生じ、この中の最
大表面欠陥深さ以上を全面で除去すれば、表面欠陥は除
去することができる。しかしながら、プレス成形品(レ
ンズブランク)の全面を最大表面欠陥深さ以上に除去す
るために、材料不良残りを削減できるとしても、表面全
面の除去加工によるガラススラッジが多量に発生すると
いう問題点があった。
【0008】そこで、本発明は、前述した従来技術の有
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、ガラ
スレンズブランクの成形品質精度に適合させた必要最小
取り代を設定するように光学レンズブランクの成形曲率
を設定し、レンズ製造に際しては、最大表面欠陥深さ以
上の必要最小取り代を除去することで、材料不良残りを
なくしさらにガラススラッジの削減を図ることができる
光学レンズの成形曲率設定方法および光学レンズの製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学レンズの成形曲率設定方法は、光学レ
ンズブランクの成形品質精度に基づいて、光学レンズブ
ランクの最大表面欠陥深さが必要最小取り代となるよう
に光学レンズブランクの成形曲率を設定することを特徴
とする。
【0010】本発明の光学レンズの成形曲率設定方法に
おいては、光学レンズブランクの外径、偏肉量、最大表
面欠陥深さの品質評価項目の評価対象値を測定し、これ
らの評価対象測定値から光学レンズブランクの成形曲率
を設定し、該成形曲率から必要最小取り代を算出するこ
とが好ましく、また、光学レンズブランクの偏肉量、レ
ンズ加工工程時の機械振れや治具貼り付けでの倒れ量等
の要素が必要最小取り代を増幅させないように光学レン
ズブランクの成形曲率を設定することが好ましい。
【0011】また、本発明の光学レンズの製造方法は、
最大表面欠陥深さが予め判明している光学レンズブラン
クに対し、光学レンズブランクの最大表面欠陥深さ以上
の必要最小取り代を除去することを特徴とする。
【0012】本発明の光学レンズの製造方法において
は、光学レンズブランクの取り代の設定に際して、肉厚
が予め判明している光学レンズブランクに対して光学レ
ンズブランクの各面の最大表面欠陥深さ以上の必要最小
取り代を各面別に割り振って加工することが好ましい。
【0013】
【作用】本発明によれば、ガラスレンズ成形ブランクの
品質評価対象測定値、レンズの加工時の機械精度、治具
貼り付けでの倒れ量等から、必要最小取り代を求めるこ
とができ、さらに面別に必要最小取り代を求めることも
でき、このように求められた必要最小取り代に基づいて
レンズ成形ブランクを加工することにより、表面欠陥を
排除できて材料不良残りをなくし、さらに、ガラススラ
ッジの削減を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0015】図1は、レンズブランクの成形品質精度に
適合させた必要最小取り代を設定するために最大表面欠
陥深さよりレンズブランクの成形曲率を求めるフローを
示すフローチャートであり、図2の(a)および(b)
は、レンズブランクΔh+(プラス)の場合のレンズ加
工後のレンズ表面の材料不良残り状況を示す模式図であ
り、図3の(a)および(b)は、レンズブランクΔh
−(マイナス)の場合のレンズ加工後のレンズ表面の材
料不良残り状況を示す模式図である。
【0016】前述した従来のレンズ製造工程において
は、ブランク成形曲率精度をΔh±150の広範囲に設
定しているが、この方法では、図2に示すように、レン
ズブランクの成形曲率精度がΔh+(プラス)の場合、
レンズ製造工程において外周部での取り代が少なくなっ
て、結果として材料不良が除去できない。
【0017】ところで、レンズブランクの成形表面全面
が最大表面欠陥深さ以上に除去可能なようにブランク成
形曲率精度を、レンズブランクの偏肉、レンズ製造時の
チャック偏心等を加味して、図3に示すようにΔh−
(マイナス)の曲率設定にすることで、レンズブランク
の成形表面全面で最大表面欠陥深さ以上の必要最小取り
代の設定が可能となり、加工後の全面で材料不良残りを
発生しない。
【0018】このようにブランク曲率公差幅として成形
能力を考慮した設定とし(例えば、Δh−50〜−15
0)、また、レンズの製造工程において、最大表面欠陥
深さ以上の必要最小取り代を確保するために各面別に取
り代を割り振った加工を行うようにすることが望まし
い。
【0019】次に、レンズブランクの成形品質精度に適
合させた必要最小取り代を設定するために最大表面欠陥
深さに基づいてレンズの成形曲率を求める方法を、図1
に示すフローチャートに沿って説明する。
【0020】先ず、レンズブランクの品質評価項目の評
価対象をそれぞれの評価装置や測定器を用いて測定す
る。すなわち、レンズブランクの表面には、プレス成形
時における上下金型嵌合精度、金型構造、溶融温度等に
よる外径と肉厚バラツキ、プレス時の機械的精度の影響
による偏肉バラツキ、プレス後のガラス内部の温度降下
によるプレス面のヒケ等の変形や離型剤使用によるプレ
ス表面の局部的な穴等の表面欠陥深さのバラツキ、プレ
ス成形条件等による曲率半径のバラツキが生じており、
レンズブランクの外径や偏肉、最大表面欠陥深さ、そし
て、加工工程で用いる装置の特性等をそれぞれ測定す
る。例えば、レンズブランクの偏肉量は、接触変位検出
器をレンズブランクの任意の円周上に対向するように垂
直に設置してその円周上での変位を測定して、レンズブ
ランクの偏肉量を検出し、さらに、レンズブランクの製
造加工時の(レンズクランプ軸の)機械振れおよび治具
貼り付けでの倒れ量を測定する。
【0021】ステップS1において、レンズブランクの
最大表面欠陥深さ(a)は測定結果に基づいて得られ、
例えば、最大表面欠陥深さ(a)を0.200mmとす
ると、目標取り代とする必要最小取り代(b)は、0.
200mm以上に設定する必要がある。ここでは、必要
最小取り代(b)を0.200mmとする。そして、第
二、第三の加工工程等での取り代(c)を0.100m
mと設定する(ステップS2)と、第一加工工程での必
要取り代(d)は、レンズ中心および外周部ともに、d
=b−c(=0.200mm−0.100mm=0.1
00mm)から算出できる(ステップS3)。
【0022】一方、ステップS4において、レンズブラ
ンクのレンズ外径での偏肉量(e)と第一加工工程での
(レンズクランプ軸の)機械振れによる偏肉量(f)と
治具貼り付けでの倒れ量(g)は、それぞれの測定値か
ら求められる。ここで、レンズブランクの偏肉量(e)
については、接触変位検出器により測定される任意の円
周上での偏肉量からレンズ外径での偏肉量を求める。ま
た、第一加工工程での(レンズクランプ軸の)機械振れ
による偏肉量(f)は(レンズクランプ軸の)機械振れ
からレンズブランクのレンズ外径での機械振れによる偏
肉量を求め、第一加工工程での治具貼り付けでの倒れ量
(g)もレンズブランクの外径での倒れ量を求める。
【0023】ステップS5において、レンズブランクの
レンズ外径での偏肉量(e)、加工時の機械振れによる
偏肉量(f)および治具貼り付けでの倒れ量(g)か
ら、レンズ外径での総合計偏肉量(h)を求める。すな
わち、レンズ外径での総合計偏肉量(h)は、h=e+
f+gにより算出することができる。
【0024】そして、レンズ外径での総合計偏肉量
(h)を除去するためのレンズ中心での必要最小取り代
(i)を算出する(ステップS6)。
【0025】次いで、ステップS7において、レンズブ
ランクの最大表面欠陥深さ(a)に基づいて設定される
第一加工工程における必要取り代(d)に対して、レン
ズブランクの偏肉量(e)と第一加工工程での機械振れ
による偏肉量(f)と治具貼り付けでの倒れ量(g)か
ら算出される総合計偏肉量(h)を除去するための必要
最小取り代(i)の高さ差(j)(j=d−i)を算出
する。そして、ステップS8において、この高さ差
(j)から許容されるレンズブランクの曲率(k)を求
めて、その値以下の曲率に設定する。
【0026】このようにレンズブランクの曲率を設定す
ることにより、第一加工工程での取り代(d)と第二、
第三加工工程等の取り代(c)を合計して、必要最小取
り代を設定することができ、この必要最小取り代によっ
て、レンズブランク全面での表面欠陥を除去することが
可能となる。これにより、材料不良残りを削減し、さら
に、ガラススラッジ(切粉)の削減を図ることができ
る。また、前述したレンズブランクの成形曲率設定は、
レンズブランクの各面の最大表面欠陥深さに応じて設定
することができ、各面の最大表面欠陥深さ以上の必要最
小取り代を各面別に割り振って加工することができる。
【0027】このように最大表面欠陥深さに基づいてレ
ンズブランクの成形曲率を求めて、必要最小取り代を設
定する手段としては、演算処理器を用いて行うことがで
きる。すなわち、レンズブランクの予め測定された最大
表面欠陥深さに基づいて目標とする取り代を設定して、
この取り代の値を入力し、さらに、第二、第三加工工程
等での取り代、レンズブランクの測定された最大表面欠
陥深さ、同様に測定される任意円周上でのレンズブラン
クの偏肉量、第一加工工程での機械振れ、第一加工工程
での治具貼り付けでの倒れ量等を入力することにより、
前述したフローに沿って演算処理され、レンズブランク
の成形曲率を算出することができ、そして必要最小取り
代を設定することができる。
【0028】次に、上述した必要最小取り代を設定する
ために最大表面欠陥深さに基づいてレンズブランクの成
形曲率を求める方法について具体的な事例をもってさら
に説明する。
【0029】レンズブランクの最大表面欠陥深さ(a)
を例えば0.200mmとすると、目標とする必要最小
取り代(b)は、0.200mm以上に設定する必要が
ある。ここで、必要最小取り代(b)を0.200mm
とし、そして、第二、第三の加工工程等の取り代(c)
を0.100mmと設定すると、第一加工工程での必要
取り代(d)は、レンズ中心および外周部ともに、d=
b−c(=0.200mm−0.100mm=0.10
0mm)となる。
【0030】図面上で曲率10.5の凹形状のレンズブ
ランクにおいて、測定径φ12.1でのレンズブランク
の偏肉量の測定値が0.050mmであるとき、レンズ
ブランクの外径φ14.1での偏肉量(e)は0.06
4mmとなる。
【0031】また、第一加工工程の(レンズクランプ軸
の)機械振れが0.020mmのとき、レンズブランク
の外径φ14.1でのレンズブランク偏肉量(f)は
0.018mm増加となり、この第一加工工程の機械振
れによるレンズブランク偏肉量の増加を前述したレンズ
ブランク偏肉量(e)に加算して、合計偏肉量は、0.
064mm+0.018mm=0.082mmとなる。
【0032】さらに、第一加工工程の治具貼り付けでの
倒れ量(g)が、レンズブランク外径φ14.1で0.
026mmのとき、レンズ外径φ14.1での総合計偏
肉量(h)は、前述したレンズブランク偏肉量(e=
0.064mm)に、機械振れによるレンズブランク偏
肉量(f=0.018mm)および治具貼り付けでの倒
れ量(g=0.026mm)を合計して、0.064m
m+0.018mm+0.026mm=0.108mm
(h)となる。
【0033】このように算出されるレンズの外径(φ1
4.1)での総合計偏肉量(h)0.108mmを除去
するためのレンズ中心での必要最小取り代(i)は、i
=(1/2)×hの式から算出することができ、i=
(1/2)×0.108mm=0.054mmとなる。
【0034】これにより、レンズブランク最大表面欠陥
深さ(a=0.200mm)に基づく第一加工工程での
必要取り代(d=0.100mm)と、レンズブランク
の偏肉量(e)とレンズ加工時における機械振れによる
偏肉量(f)と治具貼り付けでの倒れ量(g)に基づく
必要最小取り代(i=0.054mm)から高さ差
(j)は、j=d−i=0.100mm−0.054m
m=0.046mmとして算出される。そして、この高
さ差(j)0.046mmから許容されるレンズブラン
クの曲率(k)を求めると、10.634mm以下の曲
率設定にすれば、第一加工工程でレンズ中心と外周とも
に、0.100mm以上の取り代(d)が確保でき、こ
れに第二、第三加工工程等の取り代(c)を加えた総合
計取り代でレンズブランク全面での表面欠陥を除去する
ことができる。
【0035】また、レンズブランクを実際に加工してレ
ンズブランクの切粉(ガラススラッジ)を測定したとこ
ろ、曲率半径17.34mmで外径φ19.3の凹形状
レンズにおいて、従来例のように取り代を設定して取り
代を0.500mmとするとき、レンズのガラススラッ
ジは、134.8mm3 となるけれども、本実施例の手
順でレンズブランク曲率を求めて、レンズブランクの必
要最小取り代を0.200mmに改善した場合、ガラス
スラッジは56.7mm3 となり、従来例に比べて約5
8%のスラッジ削減ができた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガラスレンズ成形ブランクの品質評価対象測定値、およ
びレンズの加工時の機械精度、治具貼り付けでの倒れ量
等から、必要最小取り代を求めることができ、さらに各
面別に必要最小取り代を求めることができ、この必要最
小取り代をもってガラスレンズ成形ブランクを加工する
ことにより、材料不良残りをなくしかつガラススラッジ
の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラスレンズ成形ブランクの成形品質精度に適
合させた必要最小取り代を設定するために最大表面欠陥
深さよりレンズブランクの成形曲率を求めるフローを示
すフローチャートである。
【図2】(a)および(b)は、レンズブランクΔh+
(プラス)の場合のレンズ加工後のレンズ表面の材料不
良残り状況を示す模式図である。
【図3】(a)および(b)は、レンズブランクΔh−
(マイナス)の場合のレンズ加工後のレンズ表面の材料
不良残り状況を示す模式図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学レンズブランクの成形品質精度に基
    づいて、光学レンズブランクの最大表面欠陥深さが必要
    最小取り代となるように光学レンズブランクの成形曲率
    を設定することを特徴とする光学レンズの成形曲率設定
    方法。
  2. 【請求項2】 光学レンズブランクの外径、偏肉量、最
    大表面欠陥深さの品質評価項目の評価対象値を測定し、
    これらの評価対象測定値から光学レンズブランクの成形
    曲率を設定し、該成形曲率から必要最小取り代を算出す
    ることを特徴とする請求項1記載の光学レンズの成形曲
    率設定方法。
  3. 【請求項3】 光学レンズブランクの偏肉量、レンズ加
    工工程時の機械振れや治具貼り付けでの倒れ量等の要素
    が必要最小取り代を増幅させないように光学レンズブラ
    ンクの成形曲率を設定することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の光学レンズの成形曲率設定方法。
  4. 【請求項4】 最大表面欠陥深さが予め判明している光
    学レンズブランクに対し、光学レンズブランクの最大表
    面欠陥深さ以上の必要最小取り代を除去することを特徴
    とする光学レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 光学レンズブランクの取り代の設定に際
    して、肉厚が予め判明している光学レンズブランクに対
    して光学レンズブランクの各面の最大表面欠陥深さ以上
    の必要最小取り代を各面別に割り振って加工することを
    特徴とする請求項4記載の光学レンズの製造方法。
JP2000126818A 2000-04-27 2000-04-27 光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法 Pending JP2001310250A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126818A JP2001310250A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126818A JP2001310250A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001310250A true JP2001310250A (ja) 2001-11-06

Family

ID=18636517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000126818A Pending JP2001310250A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001310250A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5138052B2 (ja) 眼鏡レンズの周縁加工方法
US6975960B2 (en) Method for evaluating wafer configuration, wafer, and wafer sorting method
US3460928A (en) Method of making lens molds
KR100887269B1 (ko) 고정밀 에지 프로파일을 갖는 반도체 웨이퍼 및 반도체웨이퍼의 제작 방법
US5875770A (en) Method of cutting semiconductor ingots and apparatus for cutting thereof
US20060060038A1 (en) Method for processing products having low tolerances by removing shavings
CN110064897B (zh) 航空零部件旋压件毛坯机械加工方法
KR102520902B1 (ko) 실리콘 웨이퍼의 엣지 형상의 평가 방법 및 평가 장치, 실리콘 웨이퍼, 그리고 그의 선별 방법 및 제조 방법
EP0417644B1 (en) Method of slicing cylindrical material into wafers
JP2001310250A (ja) 光学レンズブランクの成形品質精度に適合させた成形曲率設定方法および光学レンズの製造方法
JP2733877B2 (ja) 前もつて輪郭を形成された工作物を加工する際の材料除去の文書化方法
JP2001310251A (ja) 光学ガラスレンズの研削量設定方法および曲率半径設定方法
JPH11287630A (ja) 半導体基板の表面形状計測装置及び半導体基板の表面形状判定方法
JPH06151586A (ja) ダイシング方法および装置
JPH109342A (ja) クランクシャフトのアンバランス修正装置
JP2000042886A (ja) ウエーハ面取り用砥石の検査方法とその装置及び該検査方法を用いたウエーハ面取り加工方法
US20170182630A1 (en) Fine Machining Method and Machine Tool Unit
JP2021519217A (ja) アンカットレンズの玉型加工(Formrandung)工程又は固定工程における位置誤差の補整方法及びそのための装置
WO2019035336A1 (ja) シリコンウエーハのエッジ形状の評価方法および評価装置、シリコンウエーハ、ならびにその選別方法および製造方法
EP4276555A1 (en) A method for surfacing a lens blank with a cutting tool
JP2000304028A (ja) コンロッドの製造方法及びコンロッド
JP2005324316A (ja) 光学部品加工システムおよび光学部品の加工方法
KR20240001252A (ko) 워크의 양면 연마 장치 및 양면 연마 방법
JP2024001562A (ja) 研磨方法および研磨装置
KR19990043584A (ko) 금형의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050201